JP2006234729A - バイオセンサー - Google Patents
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Abstract
【課題】 基板上の上層から下層に渡って生理活性物質を均一に固定化でき、かつ多量の生理活性物質を固定化できるバイオセンサーを提供すること。
【解決手段】 (1)基板の表面に生理活性物質を固定化する工程、次いで、(2)親水性化合物を基板の表面に固定化した後、生理活性物質を親水性化合物に固定化する工程を含み、かつ上記の(2)親水性化合物を基板の表面に固定化した後、リガンドを親水性化合物に固定化する工程を少なくとも1回以上行う方法により製造される、生理活性物質が複数回の操作により基板の表面に固定化されているバイオセンサー。
【選択図】 なし
【解決手段】 (1)基板の表面に生理活性物質を固定化する工程、次いで、(2)親水性化合物を基板の表面に固定化した後、生理活性物質を親水性化合物に固定化する工程を含み、かつ上記の(2)親水性化合物を基板の表面に固定化した後、リガンドを親水性化合物に固定化する工程を少なくとも1回以上行う方法により製造される、生理活性物質が複数回の操作により基板の表面に固定化されているバイオセンサー。
【選択図】 なし
Description
本発明は、バイオセンサー及びそれを用いた生体分子間の相互作用を分析する方法に関する。特に本発明は、表面プラズモン共鳴バイオセンサーに用いるためのバイオセンサー及びそれを用いた生体分子間の相互作用を分析する方法に関する。
現在、臨床検査等で免疫反応など分子間相互作用を利用した測定が数多く行われているが、従来法では煩雑な操作や標識物質を必要とするため、標識物質を必要とすることなく、測定物質の結合量変化を高感度に検出することのできるいくつかの技術が使用されている。例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)測定技術、水晶発振子マイクロバランス(QCM)測定技術、金のコロイド粒子から超微粒子までの機能化表面を使用した測定技術である。SPR測定技術はチップの金属膜に接する有機機能膜近傍の屈折率変化を反射光波長のピークシフト又は一定波長における反射光量の変化を測定して求めることにより、表面近傍に起こる吸着及び脱着を検知する方法である。QCM測定技術は水晶発振子の金電極(デバイス)上の物質の吸脱着による発振子の振動数変化から、ngレベルで吸脱着質量を検出できる技術である。また、金の超微粒子(nmレベル)表面を機能化させて、その上に生理活性物質を固定して、生理活性物質間の特異認識反応を行わせることによって、金微粒子の沈降、配列から生体関連物質の検出ができる。
上記した技術においては、いずれの場合も、生理活性物質を固定化する表面が重要である。以下、当技術分野で最も使われている表面プラズモン共鳴(SPR)を例として、説明する。
一般に使用される測定チップは、透明基板(例えば、ガラス)、蒸着された金属膜、及びその上に生理活性物質を固定化できる官能基を有する薄膜からなり、その官能基を介し、金属表面に生理活性物質を固定化する。該生理活性物質と検体物質間の特異的な結合反応を測定することによって、生体分子間の相互作用を分析する。
生理活性物質を固定化できる官能基を有する薄膜としては、金属と結合する官能基、鎖長の原子数が10以上のリンカー、及び生理活性物質と結合できる官能基を有する化合物を用いて、生理活性物質を固定化した測定チップが報告されている(特許文献1を参照)。しかしながら、特許文献1の場合のように3次元のハイドロゲルに生理活性物質(リガンド)を固定すると、上層に多量の生理活性物質が固定し、下層に行くにしたがって生理活性物質の密度が少なくなる。しかし、SPR信号は、エバネッセント波の滲み出しが表面から離れるほど減衰するため、上方に行くほど、信号強度が小さくなる傾向があった。
また、特許文献2には、非特異吸着を抑制したバイオセンサー用検出表面として、疎水性高分子化合物でコーティングした基板から成るバイオセンサーが記載されているが、生理活性物質の固定量が十分ではないという問題があった。
本発明は上記した従来技術の問題を解消することを解決すべき課題とした。即ち、本発明は、基板上の上層から下層に渡って生理活性物質を均一に固定化でき、かつ多量の生理活性物質を固定化できるバイオセンサーを提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、生理活性物質を固定化する工程を2回以上に分けて行うことによって、基板上の上層から下層に渡って生理活性物質を均一に固定化でき、かつ多量の生理活性物質を固定化できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、(1)基板の表面に生理活性物質を固定化する工程、次いで、(2)親水性化合物を基板の表面に固定化した後、生理活性物質を親水性化合物に固定化する工程を含み、かつ上記の(2)親水性化合物を基板の表面に固定化した後、リガンドを親水性化合物に固定化する工程を少なくとも1回以上行う方法により製造される、生理活性物質が複数回の操作により基板の表面に固定化されているバイオセンサーが提供される。
好ましくは、親水性化合物は分子量500,000以下の化合物である。
好ましくは、親水性化合物は、ゼラチン、アルギン酸、キトサン、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール又はその誘導体、カラギーナン、アガロース、ポリアクリル酸、又はポリアクリルアミドである。
好ましくは、親水性化合物はポリエチレングリコール又はその誘導体である。
好ましくは、親水性化合物は、ゼラチン、アルギン酸、キトサン、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール又はその誘導体、カラギーナン、アガロース、ポリアクリル酸、又はポリアクリルアミドである。
好ましくは、親水性化合物はポリエチレングリコール又はその誘導体である。
好ましくは、基板は金属表面又は金属膜である。
好ましくは、金属表面又は金属膜は、金、銀、銅、白金、及びアルミニウムからなる群より選ばれる自由電子金属からなる。
好ましくは、金属膜のコーティング厚さは0.1nm以上500nm以下である。
好ましくは、本発明のバイオセンサーは、非電気化学的検出に使用され、さらに好ましくは表面プラズモン共鳴分析に使用される。
好ましくは、金属表面又は金属膜は、金、銀、銅、白金、及びアルミニウムからなる群より選ばれる自由電子金属からなる。
好ましくは、金属膜のコーティング厚さは0.1nm以上500nm以下である。
好ましくは、本発明のバイオセンサーは、非電気化学的検出に使用され、さらに好ましくは表面プラズモン共鳴分析に使用される。
本発明の別の側面によれば、(1)基板の表面に生理活性物質を固定化する工程、次いで、(2)親水性化合物を基板の表面に固定化した後、生理活性物質を親水性化合物に固定化する工程を含み、かつ上記の(2)親水性化合物を基板の表面に固定化した後、リガンドを親水性化合物に固定化する工程を少なくとも1回以上行うことを特徴とする、本発明のバイオセンサーの製造方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、生理活性物質が共有結合により表面に結合している本発明のバイオセンサーと被験物質とを接触させる工程を含む、該生理活性物質と相互作用する物質を検出または測定する方法が提供される。
好ましくは、生理活性物質と相互作用する物質を非電気化学的方法により検出または測定し、さらに好ましくは、生理活性物質と相互作用する物質を表面プラズモン共鳴分析により検出または測定する。
好ましくは、生理活性物質と相互作用する物質を非電気化学的方法により検出または測定し、さらに好ましくは、生理活性物質と相互作用する物質を表面プラズモン共鳴分析により検出または測定する。
本発明によれば、基板上の上層から下層に渡って生理活性物質を均一に固定化でき、かつ多量の生理活性物質を固定化できるバイオセンサーを提供することが可能になった。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のバイオセンサーは、(1)基板の表面に生理活性物質を固定化する工程、次いで、(2)親水性化合物を基板の表面に固定化した後、生理活性物質を親水性化合物に固定化する工程を含み、かつ上記の(2)親水性化合物を基板の表面に固定化した後、リガンドを親水性化合物に固定化する工程を少なくとも1回以上行う方法により製造されるものであり、生理活性物質が複数回の操作により基板の表面に固定化されていることを特徴とする。
本発明のバイオセンサーは、(1)基板の表面に生理活性物質を固定化する工程、次いで、(2)親水性化合物を基板の表面に固定化した後、生理活性物質を親水性化合物に固定化する工程を含み、かつ上記の(2)親水性化合物を基板の表面に固定化した後、リガンドを親水性化合物に固定化する工程を少なくとも1回以上行う方法により製造されるものであり、生理活性物質が複数回の操作により基板の表面に固定化されていることを特徴とする。
先ず、上記の(1)の基板の表面に生理活性物質を固定化する工程について説明する。本発明において、基板の表面に最初の生理活性物質を固定化する方法は特に限定されない。例えば、生理活性物質は、金属層に中間層を介して結合することができる。中間層としては、疎水性高分子化合物又はポリヒドロキシ高分子化合物から成る層、又は自己組織化膜から成る層などを使用することができる。以下、疎水性高分子化合物、ポリヒドロキシ高分子化合物及び自己組織化膜について説明する。
疎水性高分子化合物は、吸水性を有しない高分子化合物であり、水への溶解度(25℃)が10%以下、より好ましくは1%以下、最も好ましくは0.1%以下である。
疎水性高分子化合物を形成する疎水性単量体としては、ビニルエステル類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、オレフィン類、スチレン類、クロトン酸エステル類、イタコン酸ジエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、アリル化合物類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類等から任意に選ぶことができる。疎水性高分子化合物としては、1種類のモノマーから成るホモポリマーでも、2種類以上のモノマーから成るコポリマーでもよい。
本発明で好ましく用いられる疎水性高分子化合物としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルクロライド、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ナイロンなどが挙げられる。
疎水性高分子化合物の基板へのコーティングは常法によって行うことができ、例えば、スピン塗布、エアナイフ塗布、バー塗布、ブレード塗布、スライド塗布、カーテン塗布、さらにはスプレー法、蒸着法、キャスト法、浸漬法等によって行うことができる。
浸漬法は、基板を疎水性高分子化合物溶液に接触させた後に、前記疎水性高分子化合物溶液を含まない液に接触させる方法でコーティングを行う。好ましくは、疎水性高分子化合物溶液の溶剤と疎水性高分子化合物を含まない液の溶剤とは、同一の溶剤である。
浸漬法では、疎水性高分子化合物のコーティング用溶剤を適切に選択することで、基板の凹凸、曲率、形状などに依らず基板表面に均一なコーティング厚みの疎水性高分子化合物層が得られる。
浸漬法のコーティング用溶剤は特に限定されず、疎水性高分子化合物の一部を溶解すれものであれば任意の溶剤を用いることができる。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド等のホルムアミド系溶剤、アセトニトリル等のニトリル系溶剤、フェノキシエタノール等のアルコール系溶剤、2−ブタノン等のケトン系溶剤、トルエン等のベンゼン系溶剤などを使用することができるが、これらに限定されない。
基板に接触させる疎水性高分子化合物の溶液は、疎水性高分子化合物が完全に溶解しても、疎水性高分子化合物の不溶解成分を含む懸濁液でもよい。液温は、疎水性高分子化合物の一部が溶解する液体状態であれば特に制限はないが、−20℃以上100℃以下が好ましい。基板を疎水性高分子化合物の溶液に接触させている間に液温を変動させても良い。溶液の疎水性高分子化合物濃度に特に制限はないが、好ましくは0.01%以上30%以下、さらに好ましくは0.1%以上10%以下である。
固体基板を疎水性高分子化合物溶液に接触させる時間は特に制限されないが、好ましくは1秒以上24時間以下、さらに好ましくは3秒以上1時間以下である。
疎水性高分子化合物を含まない液としては、溶剤自身のSP値(単位:(J/cm3)1/2)と疎水性高分子化合物のSP値との差が、1以上20以下であることが好ましく、3以上15以下であることがさらに好ましい。SP値は、分子間の凝集エネルギー密度の平方根で表され、溶解度パラメーターとも呼ばれる。本発明では、SP値δは下記式で算出した。各官能基の凝集エネルギーEcohとモル容積Vは、Fedorsが規定した値を使用した(R.F.Fedors、Polym.Eng.Sci.、14(2)、P147、P472(1974))。
δ=(ΣEcoh/ΣV)1/2
例として、疎水性高分子化合物および溶剤のSP値を挙げると、ポリメチルメタクリレート-ポリスチレンコポリマー(1:1):21.0に対する溶剤2−フェノキシエタノール:25.3、ポリメチルメタクリレート:20.3に対する溶剤アセトニトリル:22.9、ポリスチレン:21.6に対する溶剤トルエン:18.7である。
δ=(ΣEcoh/ΣV)1/2
例として、疎水性高分子化合物および溶剤のSP値を挙げると、ポリメチルメタクリレート-ポリスチレンコポリマー(1:1):21.0に対する溶剤2−フェノキシエタノール:25.3、ポリメチルメタクリレート:20.3に対する溶剤アセトニトリル:22.9、ポリスチレン:21.6に対する溶剤トルエン:18.7である。
基板を、疎水性高分子化合物を含まない液に接触させる時間は特に制限されないが、好ましくは1秒以上24時間以下、さらに好ましくは3秒以上1時間以下である。液温は、溶剤が液体状態であれば特に制限はないが、−20℃以上100℃以下が好ましい。基板を溶剤に接触させている間に液温を変動させてもよい。揮発させにくい溶剤を使用する場合、溶剤を除去する目的で、該溶媒に接触させた後、互いに溶解する揮発性溶剤で置換してもよい。
疎水性高分子化合物のコーティング厚さは特に限定されないが、好ましくは0.1nm以上500nm以下であり、特に好ましくは1nm以上300nm以下である。
本発明で用いるポリヒドロキシ高分子化合物としては、例えば多糖類(例えばアガロース、デキストラン、カラギーナン、アルギン酸、デンプン、セルロース)、または合成高分子化合物(例えばポリビニルアルコール)などを挙げることができる。本発明においては、多糖類が好ましく用いられ、デキストランが最も好ましい。
本発明においては、好ましくは、平均分子量1万以上200万以下のポリヒドロキシ高分子化合物が用いられる。好ましくは2万以上200万以下、さらに好ましくは3万以上100万以下、最も好ましくは20万以上80万以下のポリヒドロキシ高分子化合物を用いることができる。
ポリヒドロキシ高分子化合物は、例えば塩基性条件下でブロモ酢酸と反応させることでカルボキシ化できる。反応条件の制御により、ポリヒドロキシ化合物が初期状態で含有するヒドロキシ基の一定の割合をカルボキシ化できる。本発明においては例えば、1〜90%のヒドロキシ基をカルボキシ化することができる。なお、任意のポリヒドロキシ高分子化合物で表面被覆された表面について、例えば、以下の方法でカルボキシ化率を算出することができる。膜表面をジ−tert−ブチルカルボジイミド/ピリジン触媒を用いてトリフルオロエタノールで50℃、16時間、気相修飾し、ESCA(electron spectroscopy for chemical analysis)でトリフルオロエタノール由来のフッ素量を測定し、膜表面の酸素量との比率(以下、F/O値と呼ぶ)を算出する。全てのヒドロキシ基がカルボキシ化された場合の理論的なF/O値をカルボキシ化率100%とし、任意の条件でカルボキシ化した時のF/O値を測定することで、その時のカルボキシ化率を算出することができる。
ポリヒドロキシ高分子化合物は有機分子X1−R1−Y1を介して金属膜に付着させることができる。有機分子X1−R1−Y1について詳細に説明する。
X1は金属膜に対する結合性を有する基である。具体的には、非対称又は対称スルフィド(−SSR11Y11、−SSR1Y1)、スルフィド(−SR11Y11、−SR1Y1)、ジセレニド(−SeSeR11Y11、−SeSeR1Y1)、セレニド(SeR11Y11、−SeR1Y1)、チオール(−SH)、ニトリル(−CN)、イソニトリル、ニトロ(−NO2)、セレノール(−SeH)、3価リン化合物、イソチオシアネート、キサンテート、チオカルバメート、ホスフィン、チオ酸またはジチオ酸(−COSH、−CSSH)が好ましく用いられる。
R1(とR11)は場合によりヘテロ原子により中断されており、好ましくは適当に密な詰め込みのため直鎖(枝分かれしていない)であり、場合により二重及び/又は三重結合を含む炭化水素鎖である。鎖の長さは10原子を越えることが好ましい。炭素鎖は場合により過弗素化されることができる。
Y1とY11はポリヒドロキシ高分子化合物を結合させるための基である。Y1とY11は好ましくは同一であり、ポリヒドロキシ高分子化合物に直接又は活性化後結合できるような性質を持つ。具体的にはヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アルデヒド、ヒドラジド、カルボニル、エポキシ、又はビニル基などを用いることができる。
有機分子X1−R1−Y1の具体例としては、10-カルボキシ-1-デカンチオール、4,4'-ジチオジブチリックアシッド、11-ヒドロキシ-1-ウンデカンチオール、11-アミノ-1-ウンデカンチオールなどが挙げられる。
チオールやジスルフィド類などの硫黄化合物は金等の貴金属基板上に自発的に吸着し単分子サイズの超薄膜を与える。またその集合体は基板の結晶格子や吸着分子の分子構造に依存した配列を示すことから自己組織化膜と呼ばれている。本発明では、例えば、自己組織化化合物として、7−カルボキシ−1−ヘプタンチオール、10-カルボキシ-1-デカンチオール、4,4'-ジチオジブチリックアシッド、11-ヒドロキシ-1-ウンデカンチオール、11-アミノ-1-ウンデカンチオールなどを使用することができる。
本発明で用いる基板はさらに、一般式(A)で表される化合物を基板に結合するためのリンカーを有していてもよい。
本発明で使用するリンカーの具体例としては下記式(4)で表される化合物が挙げられる。
X20―L20―Y20 (4)
(式中、X20は、疎水性高分子化合物、ポリヒドロキシ高分子化合物又は自己組織化膜における官能基と反応しうる基を示し、L20は2価の連結基を示し、Y20は一般式(A)で表される化合物と反応して共有結合を形成できる基を示す。)
X20―L20―Y20 (4)
(式中、X20は、疎水性高分子化合物、ポリヒドロキシ高分子化合物又は自己組織化膜における官能基と反応しうる基を示し、L20は2価の連結基を示し、Y20は一般式(A)で表される化合物と反応して共有結合を形成できる基を示す。)
式(4)において、X20は疎水性高分子化合物、ポリヒドロキシ高分子化合物又は自己組織化膜における官能基と反応しうる基を表し、好ましくは、ハロゲン原子、アミノ基、もしくは保護基により保護されたアミノ基、カルボキシル基、もしくは脱離基を有するカルボニル基、水酸基、保護基により保護された水酸基、アルデヒド基、-NHNH2、-N=C=O、-N=C=S、エポキシ基、又はビニル基である。
ここでいう保護基とは、反応系内で脱保護して官能基を形成させる事のできる基であり、例えばアミノ基の保護基としては、tertブチルオキシカルボニル基(Boc)、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)、ニトロフェニルスルフェニル基(Nps)、ジチアスクシニル基(Dts)等が挙げられる。
ここでいう保護基とは、反応系内で脱保護して官能基を形成させる事のできる基であり、例えばアミノ基の保護基としては、tertブチルオキシカルボニル基(Boc)、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)、ニトロフェニルスルフェニル基(Nps)、ジチアスクシニル基(Dts)等が挙げられる。
また、水酸基の保護基としては、アシル基等が挙げられる。
ここでいう脱離基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、ハロゲン化アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、ハロゲン化アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基等を挙げることができる。
また、脱離基としては、カルボン酸と既知の脱水縮合試薬(例えばカルボジイミド類)とN-ヒドロキシ化合物を組み合わせて生成されるエステル基も好ましく用いられる。
ここでいう脱離基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、ハロゲン化アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、ハロゲン化アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基等を挙げることができる。
また、脱離基としては、カルボン酸と既知の脱水縮合試薬(例えばカルボジイミド類)とN-ヒドロキシ化合物を組み合わせて生成されるエステル基も好ましく用いられる。
式(4)において、L20は2価の連結基を表し、Lの総原子数は、2〜1000であることが好ましい。さらに、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基、置換もしくは無置換のアリーレンオキシ基、もしくは式(4)のX20と別の分子のY20が結合し、構成が連続する2価の連結基であることが好ましい。
式(4)において、Y20は一般式(A)で表される化合物と反応して共有結合を形成できる基を表し、好ましくは、ハロゲン原子、アミノ基、もしくは保護基により保護されたアミノ基、カルボキシル基、もしくは脱離基を有するカルボニル基、水酸基、保護基により保護された水酸基、アルデヒド基、-NHNH2、-N=C=O、-N=C=S、エポキシ基、又はビニル基である。
保護基、脱離基は、前述のものと同様なものを用いることができる。
保護基、脱離基は、前述のものと同様なものを用いることができる。
以下に式(4)の化合物の具体例を示すが、本発明で使用できる式(4)の化合物はこれらに限定されるものではない。
次に、(2)親水性化合物を基板の表面に固定化した後、生理活性物質を親水性化合物に固定化する工程について説明する。本発明では、上記の(2)の工程を少なくとも1回以上行うが、好ましくは上記の(2)の工程を1〜15回、さらに好ましくは1〜10回、特に好ましくは1〜7回行うことができる。
上記の工程(2)で用いる親水性化合物としては、例えば、特許第2815120号公報に記載されているヒドロゲルが好ましく用いられる。本発明で言う親水性とは、好ましくは100gの水に5g以上可溶な化合物を表す。親水性化合物の具体例としては、ゼラチン、アルギン酸、キトサン、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール又はその誘導体、カラギーナン、アガロース、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。好ましくはポリエチレングリコール又はその誘導体が用いられる。本発明で用いる親水性化合物は、分子量が50から500,000の化合物が好ましい。
これらの親水性化合物は、生理活性物質(リガンド)の変質を避けるために、活性化処理なしで反応性を有する官能基で置換されていることが好ましい。官能基の例としては、アルデヒド基、活性エステル基(N-ヒドロキシスクシンイミドのエステル、Nヒドロキシスルホスクシンイミドのエステル、Nヒドロキシベンゾトリアゾールのエステル、ペンタフルオロフェノールのエステル、Nヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾールのエステル)、ビニルスルホン基、エポキシ基などが挙げられる。本発明で用いる親水性化合物は、基板と結合するための官能基と生理活性物質を結合するための官能基の両方を有している必要がある。
本発明で用いることができる親水性化合物の特に好ましい具体例としては、以下の化合物を挙げることができる。
デナコールEX521(ナガセ化成社製)
下記化合物(ポリマーソース社製)
デナコールEX521(ナガセ化成社製)
下記化合物(ポリマーソース社製)
本発明で言うバイオセンサーとは最も広義に解釈され、生体分子間の相互作用を電気的信号等の信号に変換して、対象となる物質を測定・検出するセンサーを意味する。通常のバイオセンサーは、検出対象とする化学物質を認識するレセプター部位と、そこに発生する物理的変化又は化学的変化を電気信号に変換するトランスデューサー部位とから構成される。生体内には、互いに親和性のある物質として、酵素/基質、酵素/補酵素、抗原/抗体、ホルモン/レセプターなどがある。バイオセンサーでは、これら互いに親和性のある物質の一方を基板に固定化して分子認識物質として用いることによって、対応させるもう一方の物質を選択的に計測するという原理を利用している。
本発明のバイオセンサーは、金属表面又は金属膜を上記した化合物でコーティングしたものであることが好ましい。金属表面あるいは金属膜を構成する金属としては、例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、表面プラズモン共鳴が生じ得るようなものであれば特に限定されない。好ましくは金、銀、銅、アルミニウム、白金等の自由電子金属が挙げられ、特に金が好ましい。それらの金属は単独又は組み合わせて使用することができる。また、上記基板への付着性を考慮して、基板と金属からなる層との間にクロム等からなる介在層を設けてもよい。
金属膜の膜厚は任意であるが、例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、0.1nm以上500nm以下であるのが好ましく、特に1nm以上200nm以下であるのが好ましい。500nmを超えると、媒質の表面プラズモン現象を十分検出することができない。また、クロム等からなる介在層を設ける場合、その介在層の厚さは、0.1nm以上10nm以下であるのが好ましい。
金属膜の形成は常法によって行えばよく、例えば、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法、電気めっき法、無電解めっき法等によって行うことができる。
金属膜は好ましくは基板上に配置されている。ここで、「基板上に配置される」とは、金属膜が基板上に直接接触するように配置されている場合のほか、金属膜が基板に直接接触することなく、他の層を介して配置されている場合をも含む意味である。本発明で使用することができる基板としては例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、一般的にはBK7等の光学ガラス、あるいは合成樹脂、具体的にはポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーなどのレーザー光に対して透明な材料からなるものが使用できる。このような基板は、好ましくは、偏光に対して異方性を示さずかつ加工性の優れた材料が望ましい。
本発明のバイオセンサーにおいては、基板の最表面に生理活性物質を固定化することができる官能基を有することが好ましい。ここで言う「基板の最表面」とは、「基板から最も遠い側」という意味であり、さらに具体的には、「基板上にコーティングした化合物中の基板から最も遠い側」という意味である。
上記のようにして得られたバイオセンサー用表面において、上記の生理活性物質を固定化することができる官能基を介して生理活性物質を共有結合させることによって、金属表面又は金属膜に生理活性物質を固定化することができる。
本発明のバイオセンサー用表面上に固定される生理活性物質としては、測定対象物と相互作用するものであれば特に限定されず、例えば免疫蛋白質、酵素、微生物、核酸、低分子有機化合物、非免疫蛋白質、免疫グロブリン結合性蛋白質、糖結合性蛋白質、糖を認識する糖鎖、脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、あるいはリガンド結合能を有するポリペプチドもしくはオリゴペプチドなどが挙げられる。
免疫蛋白質としては、測定対象物を抗原とする抗体やハプテンなどを例示することができる。抗体としては、種々の免疫グロブリン、即ちIgG、IgM、IgA、IgE、IgDを使用することができる。具体的には、測定対象物がヒト血清アルブミンであれば、抗体として抗ヒト血清アルブミン抗体を使用することができる。また、農薬、殺虫剤、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、抗生物質、麻薬、コカイン、ヘロイン、クラック等を抗原とする場合には、例えば抗アトラジン抗体、抗カナマイシン抗体、抗メタンフェタミン抗体、あるいは病原性大腸菌の中でO抗原26、86、55、111 、157 などに対する抗体等を使用することができる。
酵素としては、測定対象物又は測定対象物から代謝される物質に対して活性を示すものであれば、特に限定されることなく、種々の酵素、例えば酸化還元酵素、加水分解酵素、異性化酵素、脱離酵素、合成酵素等を使用することができる。具体的には、測定対象物がグルコースであれば、グルコースオキシダーゼを、測定対象物がコレステロールであれば、コレステロールオキシダーゼを使用することができる。また、農薬、殺虫剤、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、抗生物質、麻薬、コカイン、ヘロイン、クラック等を測定対象物とする場合には、それらから代謝される物質と特異的反応を示す、例えばアセチルコリンエステラーゼ、カテコールアミンエステラーゼ、ノルアドレナリンエステラーゼ、ドーパミンエステラーゼ等の酵素を使用することができる。
微生物としては、特に限定されることなく、大腸菌をはじめとする種々の微生物を使用することができる。
核酸としては、測定の対象とする核酸と相補的にハイブリダイズするものを使用することができる。核酸は、DNA(cDNAを含む)、RNAのいずれも使用できる。DNAの種類は特に限定されず、天然由来のDNA、遺伝子組換え技術により調製した組換えDNA、又は化学合成DNAの何れでもよい。
低分子有機化合物としては通常の有機化学合成の方法で合成することができる任意の化合物が挙げられる。
核酸としては、測定の対象とする核酸と相補的にハイブリダイズするものを使用することができる。核酸は、DNA(cDNAを含む)、RNAのいずれも使用できる。DNAの種類は特に限定されず、天然由来のDNA、遺伝子組換え技術により調製した組換えDNA、又は化学合成DNAの何れでもよい。
低分子有機化合物としては通常の有機化学合成の方法で合成することができる任意の化合物が挙げられる。
非免疫蛋白質としては、特に限定されることなく、例えばアビジン(ストレプトアビジン)、ビオチン又はレセプターなどを使用できる。
免疫グロブリン結合性蛋白質としては、例えばプロテインAあるいはプロテインG、リウマチ因子(RF)等を使用することができる。
糖結合性蛋白質としては、レクチン等が挙げられる。
脂肪酸あるいは脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、ステアリン酸エチル、アラキジン酸エチル、ベヘン酸エチル等が挙げられる。
免疫グロブリン結合性蛋白質としては、例えばプロテインAあるいはプロテインG、リウマチ因子(RF)等を使用することができる。
糖結合性蛋白質としては、レクチン等が挙げられる。
脂肪酸あるいは脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、ステアリン酸エチル、アラキジン酸エチル、ベヘン酸エチル等が挙げられる。
生理活性物質が抗体や酵素などの蛋白質又は核酸である場合、その固定化は、生理活性物質のアミノ基、チオール基等を利用し、金属表面の官能基に共有結合させることで行うことができる。
上記のようにして生理活性物質を固定化したバイオセンサーは、当該生理活性物質と相互作用する物質の検出及び/又は測定のために使用することができる。
即ち、本発明によれば、生理活性物質が固定化された本発明のバイオセンサーを用いて、これに被験物質を接触させることにより、該バイオセンサーに固定化されている生理活性物質と相互作用する物質を検出及び/又は測定する方法が提供される。
被験物質としては例えば、上記した生理活性物質と相互作用する物質を含む試料などを使用することができる。
被験物質としては例えば、上記した生理活性物質と相互作用する物質を含む試料などを使用することができる。
本発明では、バイオセンサー用表面に固定化されている生理活性物質と被験物質との相互作用を非電気化学的方法により検出及び/又は測定することが好ましい。非電気化学的方法としては、表面プラズモン共鳴(SPR)測定技術、水晶発振子マイクロバランス(QCM)測定技術、金のコロイド粒子から超微粒子までの機能化表面を使用した測定技術などが挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、本発明のバイオセンサーは、例えば、透明基板上に配置される金属膜を備えていることを特徴とする表面プラズモン共鳴用バイオセンサーとして用いることができる。
表面プラズモン共鳴用バイオセンサーとは、表面プラズモン共鳴バイオセンサーに使用されるバイオセンサーであって、該センサーより照射された光を透過及び反射する部分、並びに生理活性物質を固定する部分とを含む部材を言い、該センサーの本体に固着されるものであってもよく、また脱着可能なものであってもよい。
表面プラズモン共鳴の現象は、ガラス等の光学的に透明な物質と金属薄膜層との境界から反射された単色光の強度が、金属の出射側にある試料の屈折率に依存することによるものであり、従って、反射された単色光の強度を測定することにより、試料を分析することができる。
表面プラズモンが光波によって励起される現象を利用して、被測定物質の特性を分析する表面プラズモン測定装置としては、Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙げられる(例えば特開平6−167443号公報参照)。上記の系を用いる表面プラズモン測定装置は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料液などの被測定物質に接触させられる金属膜と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して表面プラズモン共鳴の状態、つまり全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
なお上述のように種々の入射角を得るためには、比較的細い光ビームを入射角を変化させて上記界面に入射させてもよいし、あるいは光ビームに種々の角度で入射する成分が含まれるように、比較的太い光ビームを上記界面に収束光状態であるいは発散光状態で入射させてもよい。前者の場合は、入射した光ビームの入射角の変化に従って、反射角が変化する光ビームを、上記反射角の変化に同期して移動する小さな光検出器によって検出したり、反射角の変化方向に沿って延びるエリアセンサによって検出することができる。一方後者の場合は、種々の反射角で反射した各光ビームを全て受光できる方向に延びるエリアセンサによって検出することができる。
上記構成の表面プラズモン測定装置において、光ビームを金属膜に対して全反射角以上の特定入射角で入射させると、該金属膜に接している被測定物質中に電界分布をもつエバネッセント波が生じ、このエバネッセント波によって金属膜と被測定物質との界面に表面プラズモンが励起される。エバネッセント光の波数ベクトルが表面プラズモンの波数と等しくて波数整合が成立しているとき、両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが表面プラズモンに移行するので、誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射した光の強度が鋭く低下する。この光強度の低下は、一般に上記光検出手段により暗線として検出される。なお上記の共鳴は、入射ビームがp偏光のときにだけ生じる。したがって、光ビームがp偏光で入射するように予め設定しておく必要がある。
この全反射減衰(ATR)が生じる入射角、すなわち全反射減衰角(θSP)より表面プラズモンの波数が分かると、被測定物質の誘電率が求められる。この種の表面プラズモン測定装置においては、全反射減衰角(θSP)を精度良く、しかも大きなダイナミックレンジで測定することを目的として、特開平11−326194号公報に示されるように、アレイ状の光検出手段を用いることが考えられている。この光検出手段は、複数の受光素子が所定方向に配設されてなり、前記界面において種々の反射角で全反射した光ビームの成分をそれぞれ異なる受光素子が受光する向きにして配設されたものである。
そしてその場合は、上記アレイ状の光検出手段の各受光素子が出力する光検出信号を、該受光素子の配設方向に関して微分する微分手段が設けられ、この微分手段が出力する微分値に基づいて全反射減衰角(θSP)を特定し、被測定物質の屈折率に関連する特性を求めることが多い。
また、全反射減衰(ATR)を利用する類似の測定装置として、例えば「分光研究」第47巻 第1号(1998)の第21〜23頁および第26〜27頁に記載がある漏洩モード測定装置も知られている。この漏洩モード測定装置は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の上に形成されて、試料液に接触させられる光導波層と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを上記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックとクラッド層との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して導波モードの励起状態、つまり全反射減衰状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
上記構成の漏洩モード測定装置において、光ビームを誘電体ブロックを通してクラッド層に対して全反射角以上の入射角で入射させると、このクラッド層を透過した後に光導波層においては、ある特定の波数を有する特定入射角の光のみが導波モードで伝搬するようになる。こうして導波モードが励起されると、入射光のほとんどが光導波層に取り込まれるので、上記界面で全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。そして導波光の波数は光導波層の上の被測定物質の屈折率に依存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知ることによって、被測定物質の屈折率や、それに関連する被測定物質の特性を分析することができる。
なおこの漏洩モード測定装置においても、全反射減衰によって反射光に生じる暗線の位置を検出するために、前述したアレイ状の光検出手段を用いることができ、またそれと併せて前述の微分手段が適用されることも多い。
また、上述した表面プラズモン測定装置や漏洩モード測定装置は、創薬研究分野等において、所望のセンシング物質に結合する特定物質を見いだすランダムスクリーニングへ使用されることがあり、この場合には前記薄膜層(表面プラズモン測定装置の場合は金属膜であり、漏洩モード測定装置の場合はクラッド層および光導波層)上に上記被測定物質としてセンシング物質を固定し、該センシング物質上に種々の被検体が溶媒に溶かされた試料液を添加し、所定時間が経過する毎に前述の全反射減衰角(θSP)の角度を測定している。
試料液中の被検体が、センシング物質と結合するものであれば、この結合によりセンシング物質の屈折率が時間経過に伴って変化する。したがって、所定時間経過毎に上記全反射減衰角(θSP)を測定し、該全反射減衰角(θSP)の角度に変化が生じているか否か測定することにより、被検体とセンシング物質の結合状態を測定し、その結果に基づいて被検体がセンシング物質と結合する特定物質であるか否かを判定することができる。このような特定物質とセンシング物質との組み合わせとしては、例えば抗原と抗体、あるいは抗体と抗体が挙げられる。具体的には、ウサギ抗ヒトIgG抗体をセンシング物質として薄膜層の表面に固定し、ヒトIgG抗体を特定物質として用いることができる。
なお、被検体とセンシング物質の結合状態を測定するためには、全反射減衰角(θSP)の角度そのものを必ずしも検出する必要はない。例えばセンシング物質に試料液を添加し、その後の全反射減衰角(θSP)の角度変化量を測定して、その角度変化量の大小に基づいて結合状態を測定することもできる。前述したアレイ状の光検出手段と微分手段を全反射減衰を利用した測定装置に適用する場合であれば、微分値の変化量は、全反射減衰角(θSP)の角度変化量を反映しているため、微分値の変化量に基づいて、センシング物質と被検体との結合状態を測定することができる(本出願人による特願2000−398309号参照)。このような全反射減衰を利用した測定方法および装置においては、底面に予め成された薄膜層上にセンシング物質が固定されたカップ状あるいはシャーレ状の測定チップに、溶媒と被検体からなる試料液を滴下供給して、上述した全反射減衰角(θSP)の角度変化量の測定を行っている。
さらに、ターンテーブル等に搭載された複数個の測定チップの測定を順次行うことにより、多数の試料についての測定を短時間で行うことができる全反射減衰を利用した測定装置が、特開2001−330560号公報に記載されている。
本発明のバイオセンサーを表面プラズモン共鳴分析に使用する場合、上記したような各種の表面プラズモン測定装置の一部として適用することができる。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
以下の方法で、本発明のセンサチップを作成した。
(1)プラスチックプリズム上への金製膜
ゼオネックス(日本ゼオン社製)を射出成型して得られたプラスチックプリズム(図1)の上面に以下の方法で金薄膜を製膜した。
(1−1)金製膜
スパッタ装置の基板ホルダにプリズムを取付け、真空(ベースプレッシャー1×10-3Pa以下)に引いてからArガスを導入し(1Pa)、基板ホルダを回転(20rpm)させながら、基板ホルダにRFパワー(0.5kW)を約9分間印加してプリズム表面をプラズマ処理(基板エッチング、逆スパッタとも呼ばれる)する。プラズマ照射後の光学ブロックの光反射面の表面粗さがRa≦30nmであった。次に、Arガスを止めて真空に引き、Arガスを再び導入し(0.5Pa)、基板ホルダを回転(10〜40rpm)させながら、8inchのCrターゲットにDCパワー(0.2kW)を約30秒間印加して2nmのCr薄膜を成膜する。次に。Arガスを止めて再び真空に引き、Arガスを再び導入し(0.5Pa)、基板ホルダを回転(20rpm)させながら、8inchのAuターゲットにDCパワー(1kW)を約50秒間印加して50nm程度のAu薄膜を成膜する。Auの粒子サイズは、20nm程度である。得られた試料をチップAと呼ぶ。
以下の方法で、本発明のセンサチップを作成した。
(1)プラスチックプリズム上への金製膜
ゼオネックス(日本ゼオン社製)を射出成型して得られたプラスチックプリズム(図1)の上面に以下の方法で金薄膜を製膜した。
(1−1)金製膜
スパッタ装置の基板ホルダにプリズムを取付け、真空(ベースプレッシャー1×10-3Pa以下)に引いてからArガスを導入し(1Pa)、基板ホルダを回転(20rpm)させながら、基板ホルダにRFパワー(0.5kW)を約9分間印加してプリズム表面をプラズマ処理(基板エッチング、逆スパッタとも呼ばれる)する。プラズマ照射後の光学ブロックの光反射面の表面粗さがRa≦30nmであった。次に、Arガスを止めて真空に引き、Arガスを再び導入し(0.5Pa)、基板ホルダを回転(10〜40rpm)させながら、8inchのCrターゲットにDCパワー(0.2kW)を約30秒間印加して2nmのCr薄膜を成膜する。次に。Arガスを止めて再び真空に引き、Arガスを再び導入し(0.5Pa)、基板ホルダを回転(20rpm)させながら、8inchのAuターゲットにDCパワー(1kW)を約50秒間印加して50nm程度のAu薄膜を成膜する。Auの粒子サイズは、20nm程度である。得られた試料をチップAと呼ぶ。
(2)ポリマー塗布
チップAの金薄膜上に以下の方法でポリマー薄膜を製膜した。
(2−1)ポリマー溶液Aの調製
ポリマー(F-1) 1.5gを脱水MiBK(メチルイソブチルケトン) 100mLに溶解し、孔径0.45μmのミクロフィルターで濾過する。脱水MiBKの含水率は20ppm。
チップAの金薄膜上に以下の方法でポリマー薄膜を製膜した。
(2−1)ポリマー溶液Aの調製
ポリマー(F-1) 1.5gを脱水MiBK(メチルイソブチルケトン) 100mLに溶解し、孔径0.45μmのミクロフィルターで濾過する。脱水MiBKの含水率は20ppm。
(2−2)スピンコート
チップAをスピンコーター(SC-408S試料密閉型スピンコータ−、有限会社押鐘製)にセットする。チップAはスピンコーターの中心から135mmの位置に図2に示すように固定する。ポリマー溶液A 200μLをチップAの金膜全面を覆うようにキャストする。次に、チップAを完全に覆うように風よけカバーをセットする。その後、200rpmで60秒間スピンする。回転が停止した後、5分間そのまま静置する。
チップAをスピンコーター(SC-408S試料密閉型スピンコータ−、有限会社押鐘製)にセットする。チップAはスピンコーターの中心から135mmの位置に図2に示すように固定する。ポリマー溶液A 200μLをチップAの金膜全面を覆うようにキャストする。次に、チップAを完全に覆うように風よけカバーをセットする。その後、200rpmで60秒間スピンする。回転が停止した後、5分間そのまま静置する。
(2−3)真空乾燥
ポリマーをスピンコートしたチップAを16時間真空乾燥する。得られた試料をチップBと呼ぶ。
ポリマーをスピンコートしたチップAを16時間真空乾燥する。得られた試料をチップBと呼ぶ。
(3)ポリマー表面の加水分解
以下の方法で、チップBのポリマー薄膜表面を加水分解して、最表面にCOOH基を発生させた。
(3−1)加水分解
1N NaOH溶液にチップBを浸漬し、60℃の恒温槽で16時間保管する。
(3−2)洗浄
60℃の恒温槽から取り出した後、15分間自然冷却し、その後、超純水で洗浄する。得られた試料をチップCと呼ぶ。
以下の方法で、チップBのポリマー薄膜表面を加水分解して、最表面にCOOH基を発生させた。
(3−1)加水分解
1N NaOH溶液にチップBを浸漬し、60℃の恒温槽で16時間保管する。
(3−2)洗浄
60℃の恒温槽から取り出した後、15分間自然冷却し、その後、超純水で洗浄する。得られた試料をチップCと呼ぶ。
以下に示す方法で、チップCの表面処理を行った。
(4)5アミノ吉草酸結合
以下の方法で、チップの表面に存在するCOOH基に5アミノ吉草酸反応を共有結合させた。
(4−1)活性化液、5アミノ吉草酸溶液の調製
0.1M NHS溶液: 1.16gのNHS(N−ヒドロキシコハク酸イミド)を超純水で溶解し100mLにする。
0.4M EDC溶液: 7.7gのEDC(塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)を超純水で溶解し100mLにする。
1M 5アミノ吉草酸溶液: 11.7gの5アミノ吉草酸を超純水80mLで溶解し、1N NaOHを用いてpH8.5に調整する。さらに超純水を加え100mLにする。
(4)5アミノ吉草酸結合
以下の方法で、チップの表面に存在するCOOH基に5アミノ吉草酸反応を共有結合させた。
(4−1)活性化液、5アミノ吉草酸溶液の調製
0.1M NHS溶液: 1.16gのNHS(N−ヒドロキシコハク酸イミド)を超純水で溶解し100mLにする。
0.4M EDC溶液: 7.7gのEDC(塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)を超純水で溶解し100mLにする。
1M 5アミノ吉草酸溶液: 11.7gの5アミノ吉草酸を超純水80mLで溶解し、1N NaOHを用いてpH8.5に調整する。さらに超純水を加え100mLにする。
(4−2)活性化
エアガンでチップの水切りを行う。チップを湿箱(濡れ布を敷いたタイトボックス、密封した状態で湿度90%RH以上に保つ)にセットし、0.1M NHS溶液100μLと0.4M EDC溶液100μLの混合液200μLをキャストする。その上に120mm×8.5mmに切った厚さ175μmのPETフイルムをのせて液を拡げつつ表面をカバーする。この反応時の液の空気と接しない部分の表面積と空気と接する部分の表面積の比は26である。湿箱を密閉して、25℃で60分静置する。
エアガンでチップの水切りを行う。チップを湿箱(濡れ布を敷いたタイトボックス、密封した状態で湿度90%RH以上に保つ)にセットし、0.1M NHS溶液100μLと0.4M EDC溶液100μLの混合液200μLをキャストする。その上に120mm×8.5mmに切った厚さ175μmのPETフイルムをのせて液を拡げつつ表面をカバーする。この反応時の液の空気と接しない部分の表面積と空気と接する部分の表面積の比は26である。湿箱を密閉して、25℃で60分静置する。
(4−3)洗浄
湿箱から取り出した試料からPETフイルムを取り外し、純水で洗浄する。得られた試料をチップX1と呼ぶ。
湿箱から取り出した試料からPETフイルムを取り外し、純水で洗浄する。得られた試料をチップX1と呼ぶ。
(4−4)5アミノ吉草酸反応
5アミノ吉草酸反応は活性化反応終了後1時間以内に開始する。先ずエアガンでチップX1の水切りを行う。チップX1を湿箱にセットし、1M 5アミノ吉草酸溶液200μLをキャストする。その上に120mm×8.5mmに切った厚さ175μmのPETフイルムをのせて液を拡げつつ表面をカバーする。この反応時の液の空気と接しない部分の表面積と空気と接する部分の表面積の比は24である。湿箱を密閉して、25℃で90分静置する。
5アミノ吉草酸反応は活性化反応終了後1時間以内に開始する。先ずエアガンでチップX1の水切りを行う。チップX1を湿箱にセットし、1M 5アミノ吉草酸溶液200μLをキャストする。その上に120mm×8.5mmに切った厚さ175μmのPETフイルムをのせて液を拡げつつ表面をカバーする。この反応時の液の空気と接しない部分の表面積と空気と接する部分の表面積の比は24である。湿箱を密閉して、25℃で90分静置する。
(4−5)洗浄
湿箱から取り出した試料からPETフイルムを取り外し、純水で洗浄する。得られた試料をチップX2と呼ぶ。
湿箱から取り出した試料からPETフイルムを取り外し、純水で洗浄する。得られた試料をチップX2と呼ぶ。
(5)リガンド非結合部のパターン形成
以下の方法で、チップX2の表面に、リガンドが結合できない部分のパターンを形成した。具体的には、チップX2の特定の場所において、5アミノ吉草酸のCOOH基にPEG5000(α-アミノ-ω-メトキシ-ポリエチレングリコール)を共有結合させた。PEG5000の末端はメトキシ基なので、リガンドと共有結合を形成することができない。この部分は、アナライトの結合測定時にリファレンス部として計測される。
以下の方法で、チップX2の表面に、リガンドが結合できない部分のパターンを形成した。具体的には、チップX2の特定の場所において、5アミノ吉草酸のCOOH基にPEG5000(α-アミノ-ω-メトキシ-ポリエチレングリコール)を共有結合させた。PEG5000の末端はメトキシ基なので、リガンドと共有結合を形成することができない。この部分は、アナライトの結合測定時にリファレンス部として計測される。
(5−1)反応液の調製
20質量% PEG5000溶液: 4.5gのPEG5000を超純水18.5mLと1N NaOH 4mLで溶解する。
0.2M NHS溶液: 2.32gのNHSを超純水で溶解し100mLにする。
0.4M EDC溶液: 7.7gのEDCを超純水で溶解し100mLにする。
20質量% PEG5000溶液: 4.5gのPEG5000を超純水18.5mLと1N NaOH 4mLで溶解する。
0.2M NHS溶液: 2.32gのNHSを超純水で溶解し100mLにする。
0.4M EDC溶液: 7.7gのEDCを超純水で溶解し100mLにする。
(5−2)パターン化反応
エアガンでチップX2の水切りを行い、武蔵エンジニアリング社製ディスペンサーの台座に固定する。次に、シリンジに20% PEG5000溶液1mLと0.2M NHS溶液1mLと0.4M EDC溶液2mLの混合液を投入する。チップX2に18mm間隔で15μLづつ6点、前記混合液をスポッティングする。液滴の直径は約4mmとなる。スポッティングを行ったチップX2を湿箱にセットし、湿箱を密閉して、25℃で60分静置する。
エアガンでチップX2の水切りを行い、武蔵エンジニアリング社製ディスペンサーの台座に固定する。次に、シリンジに20% PEG5000溶液1mLと0.2M NHS溶液1mLと0.4M EDC溶液2mLの混合液を投入する。チップX2に18mm間隔で15μLづつ6点、前記混合液をスポッティングする。液滴の直径は約4mmとなる。スポッティングを行ったチップX2を湿箱にセットし、湿箱を密閉して、25℃で60分静置する。
(5−3)洗浄
湿箱から取り出した試料を1Nクエン酸水溶液で洗浄し、さらに純水で洗浄する。得られた試料をチップX3と呼ぶ。チップX3を用いて、以下の方法で固定量の評価を行った。固定量測定は図2に示すSPR装置のリーダー部分を用いた。測定には、図1の部品41のタフセレン製の流路を用いた。
リガンド溶液:CA(シグマ社製)1mgをHBS-EPバッファー(ビアコア社製、pH7.4)(HEPES 0.01mol/l(pH7.4);NaCl 0.15mol/l;EDTA 0.003mol/l;Surfactant P20 0.005質量%)1mlに溶解し、使用直前にpH5.0の酢酸バッファーで10倍に希釈した。
活性化液:0.1M Sulfo-NHS溶液: 2.04gのSulfo-NHSを超純水で溶解し100mLにする。
0.4M EDC溶液: 7.7gのEDCを超純水で溶解し100mLにする。
湿箱から取り出した試料を1Nクエン酸水溶液で洗浄し、さらに純水で洗浄する。得られた試料をチップX3と呼ぶ。チップX3を用いて、以下の方法で固定量の評価を行った。固定量測定は図2に示すSPR装置のリーダー部分を用いた。測定には、図1の部品41のタフセレン製の流路を用いた。
リガンド溶液:CA(シグマ社製)1mgをHBS-EPバッファー(ビアコア社製、pH7.4)(HEPES 0.01mol/l(pH7.4);NaCl 0.15mol/l;EDTA 0.003mol/l;Surfactant P20 0.005質量%)1mlに溶解し、使用直前にpH5.0の酢酸バッファーで10倍に希釈した。
活性化液:0.1M Sulfo-NHS溶液: 2.04gのSulfo-NHSを超純水で溶解し100mLにする。
0.4M EDC溶液: 7.7gのEDCを超純水で溶解し100mLにする。
親水性化合物溶液の調整
10質量%PEGリンカー溶液: 1gのFour-ArmPoly(ethylene oxide)Succinimidyl GlutarateTerminated(ポリマーソース社製)を超純水8mLで溶解し、1N NaOHを用いてpH8.5に調整する。さらに超純水を加え10mLにする。
10質量%PEGリンカー溶液: 1gのFour-ArmPoly(ethylene oxide)Succinimidyl GlutarateTerminated(ポリマーソース社製)を超純水8mLで溶解し、1N NaOHを用いてpH8.5に調整する。さらに超純水を加え10mLにする。
操作1:流路をHBS-EPで満たし、基準点を測定する。このときの値を0とした。0.1M Sulfo-NHS溶液100μlと0.4M EDC溶液100μlを混合し、流路に満たして30分放置した。HBS-EPで液置換後、すぐに、リガンド溶液に置換して、30分放置した。流路内をHBS-EPで置換して、変化量を測定した。
操作2:操作1の後に、親水性化合物溶液で液置換して30分放置した。続けて、HBS-EPで液置換後、すぐに、リガンド溶液に置換して、30分放置した。流路内をHBS-EPで置換して、変化量を測定した。
以降、操作2を繰り返して、リガンドの固定量を測定した。結果を表1に示す。
本発明のリガンド固定方法を用いることで、リガンド固定量の多いセンサー表面を得ることができた。
Claims (13)
- (1)基板の表面に生理活性物質を固定化する工程、次いで、(2)親水性化合物を基板の表面に固定化した後、生理活性物質を親水性化合物に固定化する工程を含み、かつ上記の(2)親水性化合物を基板の表面に固定化した後、リガンドを親水性化合物に固定化する工程を少なくとも1回以上行う方法により製造される、生理活性物質が複数回の操作により基板の表面に固定化されているバイオセンサー。
- 親水性化合物が分子量500,000以下の化合物である、請求項1に記載のバイオセンサー。
- 親水性化合物が、ゼラチン、アルギン酸、キトサン、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール又はその誘導体、カラギーナン、アガロース、ポリアクリル酸、又はポリアクリルアミドである、請求項1又は2に記載のバイオセンサー。
- 親水性化合物がポリエチレングリコール又はその誘導体である、請求項3に記載のバイオセンサー。
- 基板が金属表面又は金属膜である、請求項1から4の何れかに記載のバイオセンサー。
- 金属表面又は金属膜が、金、銀、銅、白金、及びアルミニウムからなる群より選ばれる自由電子金属からなる、請求項5に記載のバイオセンサー。
- 金属膜のコーティング厚さが0.1nm以上500nm以下である、請求項1から6の何れかに記載のバイオセンサー。
- 非電気化学的検出に使用される、請求項1から7の何れかに記載のバイオセンサー。
- 表面プラズモン共鳴分析に使用される、請求項1から8の何れかに記載のバイオセンサー。
- (1)基板の表面に生理活性物質を固定化する工程、次いで、(2)親水性化合物を基板の表面に固定化した後、生理活性物質を親水性化合物に固定化する工程を含み、かつ上記の(2)親水性化合物を基板の表面に固定化した後、リガンドを親水性化合物に固定化する工程を少なくとも1回以上行うことを特徴とする、請求項1から9の何れかに記載のバイオセンサーの製造方法。
- 生理活性物質が共有結合により表面に結合している請求項1から9の何れかに記載のバイオセンサーと被験物質とを接触させる工程を含む、該生理活性物質と相互作用する物質を検出または測定する方法。
- 生理活性物質と相互作用する物質を非電気化学的方法により検出または測定する、請求項11に記載の方法。
- 生理活性物質と相互作用する物質を表面プラズモン共鳴分析により検出または測定する、請求項11又は12に記載の方法。
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WO2008111855A1 (en) * | 2007-03-14 | 2008-09-18 | The New Zealand Institute For Plant And Food Research Limited | Biosensor, surface coating and assay |
WO2008143110A1 (ja) * | 2007-05-15 | 2008-11-27 | Andes Electric Co., Ltd. | 抗原検出用センサーチップとその作製方法および抗原検出用センサー |
-
2005
- 2005-02-28 JP JP2005052881A patent/JP2006234729A/ja active Pending
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