JP5264421B2 - 被験物測定用担体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、蛍光共鳴エネルギー転移を利用した被験物測定用担体およびその製造方法に関するものである。
従来より、タンパク質を検出する方法として、そのタンパク質に対する抗体を用いた免疫測定方法が広く用いられている。例えばELISA法は、目的タンパク質を高感度で定量することができ、ウエスタンブロット法は、電気泳動の優れた分離能と抗原抗体反応の高い特異性を組み合わせて、タンパク質混合物から特定のタンパク質を検出することができる。また、組織標本試料に対して標識抗体を作用させることにより、組織内あるいは細胞内における目的タンパク質の局在を観察することもできる。
しかしながら、これらの免疫化学的方法では、抗体の結合およびその後の洗浄などの煩雑な作業が必要である。
一方、生体内におけるタンパク質の動態観察方法としては、緑色蛍光タンパク質(green fluorescent protein; GFP)に代表される種々の蛍光タンパク質を用いた方法が知られている。これらの蛍光タンパク質は、遺伝子操作により生体中で発現させることができるため、内在性タンパク質の組織内や細胞内の局在、およびその動態を観察するのに有用である。
しかしながら、こうした蛍光タンパク質を利用した方法では、生細胞中において目的タンパク質をあらかじめ蛍光タンパク質と融合させた形態で発現させなければならず、細胞内の外来抗原を可視化することはできない。
これらの課題を解決するために、種々の検討がなされている。例えば、生物学的系では標識した生体分子または分子グループの空間的近接位を測定するために、蛍光共鳴エネルギー転移法等がしばしば用いられる。この方法は、興味の対象となる、種々の生物学的反応もしくは相互作用、例えばタンパク質―タンパク質相互作用、免疫反応中の抗原―抗体反応、受容体―リガンド相互作用、核酸のハイブリダイズム(hybridism)、または核酸へのタンパク質の結合に関する証明手段として役立つものである。
特許文献1には、抗原と抗体をリンカーでつなぎ、それぞれに蛍光物質を標識した免疫測定用試薬を使用して、外来抗原との競合反応によりリアルタイムに検出する方法が記載されている。この免疫測定用試薬では、競合する抗原が存在しない場合には、抗原抗体複合体形成により蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)が生じるが、競合する抗原が存在する場合には、競合抗原が抗体と結合するためFRETが生じないので、このような競合する抗原の有無を迅速かつ簡便に検出することができると記載されている。
しかし、特許文献1では抗原抗体複合体が担体で固定されていないため、洗浄操作が行えず、密閉されていない空間では、徐々に免疫測定用試薬が拡散・流出してしまうという問題があり、一回しか利用できず、繰り返し利用するといった用途には用いることが難しかった。また、競合法による検出であるため感度も悪い傾向となり、微量な抗原の検出には不十分であるし、他の試薬を後から別に添加して測定を行う競合法では、例えば体内での測定には不向きである。また特許文献1のように2つの反応体を、リンカーを介して繋ぐ場合、反応体が効果的に作用できるようにリンカーをその都度、設計しなければならず抗原汎用性がなくなり、製造コストが高くなるという問題がある。繰り返し利用するために、このリンカーを除去して分離し、単純に担体に固定化したのでは第1の発光物質であるYFPと第2の発光物質であるCFP間の距離を近接させることができず、近接させるために固定量を増大させるとYFPとCFPが多量に近接してしまい、S/N比が極端に悪くなってしまうという問題がある。
一方、抗原−抗体反応を利用し、固層上に抗原を固定する方法として、例えば、特許文献2にはモレキュラーインプリンティングという技術が開示されている。詳細には、対象分子に対するリガンドを導入したモノマーまたはポリマーと対象分子との複合体を、高分子架橋剤と反応させて、リガンドと対象分子との複合体を含有するゲルを作製してから、対象分子をこのゲルから除去することにより分子インプリントゲルが得られることが記載されている。また、抗AFP抗体及びレクチンを含むゲル担体に抗原としてのAFPを添加すると、抗AFP抗体及びレクチンがAFPに結合することによりゲルが収縮することが開示されており、このようなゲルの膨潤収縮によりAFP(対象分子)の存在を感知することができる旨が記載されている。
しかし、重合により抗原抗体複合体を担体に固定しているため、抗原が抗体に辿り着くためには、架橋されたゲルマトリックス構造中に入り込まなければならない。このため、抗原が抗体と反応を起こすのには時間がかかり、物質が確実に認識されるのに非常に高濃度の抗原を2〜4時間接触させなければならない。さらに、抗原の洗浄除去の際にも同様の理由から、効率よく除去できず、加えて応答性が悪くなる傾向がある。従って、本技術に蛍光共鳴エネルギー転移法等を適用しても、蛍光標識部位と蛍光標識部位から発せられる蛍光を認識する認識部位の距離変化が非常に遅いため、短時間(例えば5分程度の時間)では常に近接している状態となって蛍光強度の変化を測定できず、迅速かつ高感度に検出することができないという問題がある。
特開2007-40834号公報 特開2006-138656号公報
このように、上記の技術のいずれにおいても、目的とする分子を、短時間、感度よくかつ簡便に測定でき、洗浄後も繰り返し使用できる被験物測定用担体としては不十分である。
また、バイオセンサーとして用いる際に、製造コストの観点から汎用性の高い製造法が望まれていた。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、競合反応を用いることなく、固層上において例えば蛍光共鳴エネルギー転移や化学増幅型ルミネッセンスを使用して、被験物を短時間で、高感度かつ簡便に検出でき、洗浄後も繰り返し使用できる被験物測定用担体を提供することを目的とするものである。
また本発明は、このような被験物測定用担体を汎用性が高く、リンカー設計することなく効率よく製造することができる製造方法を提供することも目的とするものである。
本発明の被験物測定用担体は、被験物と特異的に結合する反応部位および蛍光標識部位を有する第1反応体と、前記被験物と特異的に結合する反応部位および前記第1反応体の蛍光標識部位から発せられる蛍光を認識する認識部位を有する第2反応体とが、それぞれ前記被験物と結合し得る位置関係で担体上に固定されていることを特徴とするものである。
前記担体上にポリマー層を有し、該ポリマー層を介して前記第1反応体と前記第2反応体とが前記担体上に固定されていることが好ましい。前記ポリマー層の層厚は1nm以上0.5mm以下であることが好ましい。
前記ポリマー層は、自己組織化膜を介して前記担体上に固定されていることが好ましい。前記自己組織化膜の膜厚は0.2nm以上10μm以下であることが好ましい。
前記ポリマー層は多糖類であることが好ましい。
前記第1反応体および前記第2反応体は、抗体または被験物結合性断片であることが好ましい。前記第1反応体が有する蛍光標識部位は、蛍光色素または蛍光タンパク質であることが好ましい。前記第1反応体の蛍光標識部位と前記第2反応体が有する認識部位との間の反応は、蛍光共鳴エネルギー転移であることが好ましい。前記被験物は抗原であることが好ましい。
前記被験物測定用担体は、バイオセンサーまたはバイオリアクターに用いられる担体として好適である。
本発明の被験物測定用担体の製造方法は、被験物と、該被験物と特異的に結合する反応部位および蛍光標識部位を有する第1反応体と、前記被験物と特異的に結合する反応部位および前記第1反応体の蛍光標識部位から発せられる蛍光を認識する認識部位を有する第2反応体とを反応させて、第1反応体と被験物と第2反応体との結合物を得、該結合物を担体表面に付与して、前記第1の反応体と前記第2の反応体をそれぞれ担体表面に固定化することを特徴とするものである。
前記第1の反応体と前記第2の反応体をそれぞれ前記担体表面に固定化後、前記結合物から前記被験物を除去することが好ましい。
前記被験物の除去が、被験物の結合を低下させる条件下で行われることが好ましい。
本発明の被験物測定用担体は、被験物と特異的に結合する反応部位および蛍光標識部位を有する第1反応体と、被験物と特異的に結合する反応部位および第1反応体の蛍光標識部位から発せられる蛍光を認識する認識部位を有する第2反応体とが、それぞれ被験物と結合し得る位置関係で担体上に固定されているので、洗浄操作を行っても担体上から流出してしまうことがない。
また、第1反応体と第2反応体は、それぞれ被験物と特異的に結合する反応部位を有しており、それぞれ独立に、被験物と結合し得る位置関係で担体上に固定されているので、被験物が存在するときには短時間で容易に結合させることができる。第1反応体と第2反応体が被験物を認識する際に蛍光を認識する認識効率が変化することから、この変化量を測定することで被験物濃度を精度よく、簡便に測定可能となる。また、第1反応体と第2反応体は担体に固定化されているため洗浄操作を行っても拡散・流出がおこらず、繰り返し測定が可能となる。
さらに、競合法による検出ではないため、感度よく微量な被験物を測定することが可能である。さらに、第1反応体と第2反応体は、それぞれ被験物と特異的に結合する反応部位を有していればよく、特許文献1のように被験物ごとにリンカーを設計する必要がなく、さらに蛍光物質標識においても、同一分子に選択的に蛍光物質、蛍光認識物質を標識する必要もないことから、本発明は、第1反応体と第2反応体をリンカーで連結する必要がなく、従ってどのような抗原抗体の組み合わせに対しても適用することができ、標識も別々に行うことができるため、非常に汎用性が高く、製造適正に優れているという利点がある。
以下、図面を参照して本発明の被験物測定用担体について説明する。図1は本発明の被験物測定用担体の一実施の態様を示す概略模式図である。図1に示すように本発明の被験物測定用担体は、被験物と特異的に結合する反応部位2および蛍光標識部位3を有する第1反応体4と、被験物と特異的に結合する反応部位5および第1反応体4の蛍光標識部位3から発せられる蛍光を認識する認識部位6を有する第2反応体7とが、それぞれ1つの被験物と結合し得る位置関係で、担体11上に設けられたシランカップリング層12とヒドロゲル13を介して、第1反応体4および第2反応体7とでヒドロゲル13に固定されているものである。
なお、図1では担体11上に設けられたシランカップリング層12とヒドロゲル13を介して、結合物10がヒドロゲル13に固定されている態様を示しているが、担体11の材質によっては、シランカップリング層12とヒドロゲル13が設けられていないもの、あるいはどちらか一方のみが設けられているものであってもよい。
第1反応体4が有する蛍光標識部位3と、第2反応体7が有する第1反応体4の蛍光標識部位3から発せられる蛍光を認識する認識部位6は、相互に蛍光共鳴エネルギー転移を起こす部位である。蛍光共鳴エネルギー転移は、励起波長が異なる2つの蛍光色素(第1反応体4が有する蛍光標識部位3および第2反応体7が有する蛍光認識部位6)間で励起エネルギーが移動する現象である。そして、第1反応体4と第2反応体7とは、それぞれ被験物と結合し得る位置関係で担体11に固定されているから、第1反応体4が有する蛍光標識部位3と第2反応体7が有する蛍光認識部位6とは被験物が結合すると、互いが近接して蛍光共鳴エネルギー転移が起こる近距離となる。
図2を用いて説明する。図2は図1において被験物が結合された状態を示す概略模式図である。なお、図2において、図1中の構成要素と同等の構成要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する(以下、同様)。図1に示す被験物測定用担体に対して被験物を添加すると、第1反応体4の被験物1と特異的に結合する反応部位2と、第2反応体7の被験物1と特異的に結合する反応部位5とがそれぞれ被験物1に特異的に結合し、これによって、第1反応体4が有する蛍光標識部位3と第2反応体7が有する蛍光認識部位6は近接して、ここで蛍光共鳴エネルギー転移が起こる。その結果、第1反応体4が有する蛍光標識部位3の蛍光は減少し、第2反応体7が有する蛍光認識部位6の蛍光が増大する。従って、被験物1の添加前後における蛍光強度の変化を観察することにより、被験物1の検出(測定)を行うことができる。
なお、ここでは、第1反応体の蛍光標識部位3と第2反応体が有する認識部位6との間の反応が、蛍光共鳴エネルギー転移である場合を例にとって説明したが、第1反応体の蛍光標識部位3と第2反応体が有する認識部位6との間の反応はこれに限定されず、例えば、第1反応体が酸素分子を励起し、励起された一重項酸素によって第2反応体の認識部位が発光するような化学増幅型ルミネッセンス等であってもよい。
続いて、本発明の被験物測定用担体の製造方法について図3を参照しながら説明する。本発明の被験物測定用担体は、第1反応体と被験物と第2反応体との結合物を形成した後、下記で説明する方法によってヒドロゲルが固定された担体上に、結合物を付与して固定化し、結合物から被験物を除去することすることによって得られる。
第1反応体4および第2反応体7は被験物1と特異的に結合する反応部位2,5をそれぞれ有するので、第1反応体4と被験物1と第2反応体7との結合物10は、水溶液中で第1反応体4と被験物1と第2反応体7とを任意の割合で混合することにより得ることができる。
次に、この結合物10を担体11表面に添加して適宜反応させることで、結合物10を担体表面に固定化することができる。このとき第1反応体4と第2反応体7の反応部位2および5は、被験物1が結合することにより保護されるので、特別な保護処理を別途行う必要はない。この結合物の担体への結合方法は当業者に自明である。例えば、担体表面にカルボキシル基がある場合、後述するEDC等の活性化剤で担体表面を活性化し、固定化する方法や、担体表面にマレイミド基を付与し、第1反応体および/または第2反応体が有するチオール基を反応させ、固定化する方法を採ることができるが、本発明においてはこれらの方法に限定されず、任意の方法をとることができる。
被験物測定用担体上に結合した結合物の固定量(密度)は、バイオセンサーに使用する場合、1個/mm3〜1×1018個/mm3が好ましい。より好ましくは1×109個/mm3〜1×1015個/mm3、さらに好ましくは1×1010個/mm3〜1×1014個/mm3である。この密度を実際に測定して求める場合は、結合物を支持体上に固定化後、被験物を洗浄し、第1反応体の蛍光標識体と第2反応体の蛍光標識体の蛍光量をそれぞれ測定し、AFMやエリプソメトリーにより膜厚を測定して、算出することにより求められる。
図1に示す本発明の被験物測定用担体を得るためには、担体11上に結合物10を固定化後、結合物10から被験物1を除去すればよく、好ましくは、第1反応体4の反応部位2と被験物1、および第2反応体7の反応部位5と被験物1の結合を低下させる条件下であって、第1反応体4および第2反応体7の担体に対する結合を低下させない条件下で行われる。詳細には、被験物測定用担体に対して洗浄を行えばよい。このとき、第1反応体4と第2反応体7はそれぞれ独立に担体上に固定化されているので、被験物1を容易に除去することができ、固定化担体として使用したときの被験物1との結合再現性を低下させることがない。
被験物の除去は、適当な洗浄液を用いることにより容易に行うことができる。ここで用いられる洗浄液は、被験物の結合力を低下させるものであればよい。このような結合力の低下の条件としては、pHを酸性側またはアルカリ側へ変更することや、塩濃度を高くすることなどを上げることができる。その条件は、第1反応体、第2反応体、被験物の種類等によって異なるが、例えば、pHを2以下または10以上にするための酸性グリシンバッファーやアルカリ性のNaOH溶液や、0.5M以上の塩濃度とするためのホウ酸塩バッファーを挙げることができる。他にもアルギニン酸含有酸性バッファーや、グアニジン含有バッファー等を適宜用いることが可能である。ここで、洗浄液による洗浄処理は、適宜調整することができるが、第1反応体と第2反応体の結合活性を損なわない観点から、一般に10分以下、好ましくは、1分以下とすることが好ましく、再現性の観点から5秒以上とすることがより好ましい。
以下、図1に示す態様における被験物測定用担体を構成する担体等の各構成要素、被験物について説明し、続いてバイオセンサー、バイオリアクターに適用する場合について説明する。
(1)担体
本発明の担体は、一般的にはBK7等の光学ガラスや、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、インジウムスズ酸化物(ITO)等の金属酸化物、窒化ケイ素、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化インジウム等の金属窒化物、インジウムスズ酸化物(ITO)等の金属酸化物、あるいは合成樹脂、具体的にはセファロース、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリメチル(メタ)クリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーに官能基が付与されたものが望ましい。特にガラスやITO、ポリメチル(メタ)クリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーなどの光源に対して透明な材料からなるものがより望ましい。官能基としては例えば、アミノ基、カルボキシル基、マレイミド基、アルデヒド基、スクシンイミド基、チオール基、ヒドラジン基、イソシアネ−ト基、エポキシ基、ビニルスルホン基、ビニル基、シアン基などを挙げることができる。
このような担体は、さらに好ましくは、偏光に対して異方性を示さずかつ加工性の優れた材料が望ましい。
これらの官能基を付与する方法は、プラズマ処理、オゾン処理、酸・アルカリによるエッチング処理や自己組織化膜などを用いた公知の表面処理方法を採用することができるが、製造適性の観点からは自己組織化膜を使用することがより好ましい。
(2)ポリマー層
担体上には、ポリマー層が結合される。ポリマー層は、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、またはその組み合わせから構成することができるが、親水性ポリマーのみを使用することが好ましい。ポリマー層は担体上に直接結合されても、間接的に結合されていてもよい。直接結合する場合は、例えば、担体からグラフト重合を介してポリマーを結合する方法が挙げられ、間接的に結合する方法としては、担体上に疎水性ポリマーを塗布後、親水性ポリマーを結合させたり、担体、およびポリマーと結合可能な化合物(以下、リンカーと称する)を担体表面に付与した後、ポリマー層を結合させたりしてもよい。特に好ましい態様によれば、リンカーとして自己組織化膜を使用し、ガラス担体上に、自己組織化膜を介して親水性ポリマーを結合させる態様をとることができる。以下、この態様について説明する。
(2−1)自己組織化膜
自己組織化膜としては、(1)シランカップリング剤を使用する方法、(2)アルカンチオールを使用する方法、などが挙げられる。以下に、夫々の方法について説明する。
(1) シランカップリング剤を使用する方法
シリカ、窒化ケイ素などの金属酸化物や窒化物あるいはその薄膜を有する基材に対しては、シランカップリング剤により形成されたシランカップリング層を介して結合することもできる。シランカップリング剤として一般式A-1(一般式A-1において、Xaは官能基を示し、Laは直鎖、分岐鎖、環状鎖の炭素鎖を含むリンカー部位を示し、Raは水素、もしくは炭素数1〜6のアルキル基を示し、Yaは加水分解基を示す。また、m,nはそれぞれ0〜3の整数を示しm+n=3とする。)に示すケイ素含有化合物を利用することにより、担体表面に担体(ケイ素)−酸素−ケイ素−炭素といった共有結合を形成させることにより、基材表面を官能基で被覆することができる。
ここで、加水分解基(Ya)とは、アルコキシ基、ハロゲン、アシロキシ基などが挙げられ、より具体的にはメトキシ基、エトキシ基、塩素などが挙げられる。好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。シランカップリング剤として具体的には、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。シランカップリング剤の反応方法としては一般的な方法に従えば良く、例えば書籍、シランカップリング剤の効果と使用法(サイエンス&テクノロジー社)に記載の方法を利用することができる。
また、シランカップリング剤などが有する官能基(Xa)としては、後述のポリマーや結合物と結合すれば特に限定はされず、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、チオール基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、エポキシ基、シアノ基、ヒドラジノ基、ヒドラジド基、ビニルスルホン基、ビニル基、マレイミド基など任意の官能基とその組み合わせやその誘導体を利用することができるが、中でも好ましい官能基(Xa)はアミノ基とエポキシ基である。
(2) アルカンチオールを使用する方法
アルカンチオールを使用する方法では、上述した担体に、金属膜が配置され、その後、アルカンチオールが付与される。ここで、担体上に配置されるとは、金属膜が担体上に直接接触するように配置されている場合のほか、金属膜が担体に直接接触することなく、他の層を介して配置されている場合をも含む意味である。金属膜を構成する金属としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、白金等の自由電子金属が挙げられ、特に金が好ましい。それらの金属は単独または組み合わせて使用することができる。また、上記担体への付着性を考慮して、担体と金属からなる層との間にはクロム等からなる介在層を設けてもよい。
金属膜の膜厚は任意であるが、0.1nm以上500nm以下であることが好ましく、特に1nm以上200nm以下であることが好ましい。クロム等からなる介在層を設ける場合、その介在層の厚さは、0.1nm以上10nm以下であることが好ましい。
アルカンチオールを用いた金属膜の被覆法は、ハーバード大のWhitesides教授らにより精力的に展開されており、その詳細は例えばChemical Review,105,1103-1169(2005)に報告されている。金属として金を用いた場合、有機層形成化合物として一般式A-2(一般式A-2において、nは3から20の整数を示し、Xは官能基を示す)に示すアルカンチオールを用いることにより、Au−S結合とアルキル基同士のvan der Waals力に基づき、配向性を持つ単分子膜が自己組織的に形成される。自己組織化膜は、アルカンチオール誘導体の溶液中に金担体を浸漬するという極めて簡便な手法で作製される。具体的には、例えば、一般式A-2においてXbがアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、チオール基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、エポキシ基、シアノ基、ヒドラジノ基、ヒドラジド基、ビニルスルホン基、ビニル基、マレイミド基である化合物を用いて自己組織化膜を形成させることで、担体表面に官能基を付与することが可能となる。
なお、上記一般式A-2において、アルキル基の繰り返し数nは3〜16の整数がさらに好ましく、4〜8の整数が特に好ましい。また、アルキル基部分は多重結合や窒素や酸素などのヘテロ元素で置換されていても良い。アルカンチオール誘導体のアルキル基が短いと自己組織化膜を形成しにくく、アルキル基が長いと水溶性が低下し、ハンドリングが困難になる。
また、上記一般式A-2のアルカンチオールは、官能基Xbは1種類で自己組織化膜を形成することも可能であり、また、複数種のアルカンチオールと混合して自己組織化膜を形成することも可能である。
このようなリンカーを使用することで、官能基(Xa)、または官能基(Xb)を表面に有する担体を製造することができる。ここで、リンカーとしては、担体表面に官能基(Xa)、または官能基(Xb)を付与することができる化合物であれば、自己組織化膜でなくともよい。
このような自己組織化膜の膜厚は任意であるが、0.2nm以上10μm以下であることが好ましく、特に1nm以上500nm以下であることが好ましく、さらに100nm以上500nm以下であることが好ましい。10μm以下とすれば、被験物が膜内を拡散しやすくでき、0.2nm以上とすれば、固定目的物質の固定量を多くすることができる。
また、本発明では、上述した自己組織化膜に第1反応体・第2反応体を直接固定することも可能であるが、第1反応体・第2反応体の被験物結合率向上の観点から、自己組織化膜を形成した上にポリマー層を形成して、担体表面に第1反応体・第2反応体を固定するための官能基を付与することが好ましい。
(2−2)ポリマー
本発明で用いることができるポリマーとしては、親水性ポリマーを好ましく使用することができ、具体的にはゼラチン、アガロース、キトサン、デキストラン、カラゲナン、アルギン酸、澱粉、セルロース、またはこれらの誘導体、例えばカルボキシメチル誘導体、または水膨潤性有機ポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコールまたはこれらの誘導体などを挙げることができる。
本発明で用いる親水性ポリマーとしてはさらに、カルボキシル基含有合成ポリマーおよびカルボキシル基含有多糖類を用いることが可能である。カルボキシル基含有合成ポリマーとしては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、およびこれらの共重合体、例えば特開昭59-53836号明細書3頁20行〜6頁49行、特開昭59-71048号明細書3頁41行〜7頁54行に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたものなどが挙げられる。カルボキシル基含有多糖類は、天然植物からの抽出物、微生物発酵の生産物、酵素による合成物、または化学合成物の何れであってもよく、具体的には、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、デルマタン酸硫酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、セロウロン酸、カルボキシメチルキチン、カルボキシメチルデキストラン、カルボキシメチルデンプン等が挙げられる。カルボキシル基含有多糖類は、市販の化合物を用いることが可能であり、具体的には、カルボキシメチルデキストランであるCMD、CMD-L、CMD-D40(名糖産業社製)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(和光純薬社製)、アルギン酸ナトリウム(和光純薬社製)、等を挙げることができる。
本発明で用いる親水性ポリマーの重量平均分子量は特に限定されないが、一般的には2×102以上5×105以下であることが好ましく、さらには1×104以上2×106以下であることが好ましい。この範囲より重量平均分子量が小さい場合には反応体の固定量が小さくなることがあり、この範囲より重量平均分子量が大きい場合には高い溶液粘度のため取り扱いが困難となることがある。
センサー表面に結合する親水性ポリマーは、水溶液中の膜厚が1nm以上0.5mm以下であることが好ましく、より好ましくは1nm以上1μm以下であることが望ましく、さらに好ましくは100nm以上500nm以下である。膜厚が薄いと生理活性物質固定量が減少し、被検体物質との相互作用が起こりにくくなる。一方、膜厚が厚いと親水性ポリマーの均一性が保てなくなり、好ましくない。水溶液中の親水性ポリマー膜厚はAFM、エリプソメトリーなどで評価することができる。
(2−3)ポリマーの活性化
ポリマーとしてカルボキシル基を含有するポリマーを使用する場合、カルボキシル基を活性化することによって、担体表面に結合することができる。カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法としては、公知の手法、例えば、水溶性カルボジイミドである1-(3-Dimethylaminopropyl)-3 ethylcarbodiimide(EDC)とN-Hydroxysuccinimide(NHS)により活性化する方法、またはEDC単独により活性化する方法を好ましく用いることができる。この手法で活性化されたカルボキシル基を含有するポリマーを、アミノ基を有する担体と反応させることで、担体上に親水性ポリマーを結合させることが可能となる。
また、カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法として含窒素化合物を用いる方法があり、具体的には、下記一般式(Ia)または(Ib)(式中、R1およびR2は、互いに独立して置換基を有しても良いカルボニル基、炭素原子、窒素原子を表し、R1およびR2は結合により5〜6員環を形成しても良く、Aは置換基を有する炭素原子またはリン原子を表し、Mは(n-1)価の元素を表し、Xはハロゲン原子を表す)に示される含窒素化合物を用いることもできる。
ここで、R1およびR2は、互いに独立して置換基を有しても良いカルボニル基、炭素原子、窒素原子を表すが、好ましくはR1およびR2は結合により5〜6員環を形成する。特に好ましくは、ヒドロキシコハク酸、ヒドロキシフタル酸、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、3,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン、およびその誘導体が提供される。
また、好ましくは下記に示される含窒素化合物を用いることもできる。
また、好ましくは含窒素化合物としては、下記一般式(I)(式中、YおよびZは、互いに独立してCH、または窒素原子を表す)で表される化合物を用いることもできる。
一般式(I)の具体的化合物としては、下記の化合物等が好ましくあげられる。
また、含窒素化合物としては、下記の化合物等も好ましくあげられる。
また好ましくは、含窒素化合物としては、下記一般式(II)(式中、Aは置換基を有する炭素原子またはリン原子を表し、YおよびZは、互いに独立してCH、または窒素原子を表し、Mは(n-1)価の元素を表し、Xはハロゲン原子を表す)を用いることもできる。
ここで、Aで表される炭素原子またはリン原子の置換基としては、置換基を有するアミノ基が好ましく、ジメチルアミノ基やピロリジノ基の様なジアルキルアミノ基が好ましい。Mで表される(n-1)価の元素は、リン原子、ホウ素原子、ヒ素原子などが挙げられるが、好ましくはリン原子があげられる。Xで表されるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、好ましくはフッ素原子が挙げられる。
一般式(II)の具体的化合物としては、下記の化合物等が好ましくあげられる。
また、含窒素化合物としては、下記一般式(III)(式中、Aは置換基を有する炭素原子またはリン原子を表し、Mは(n-1)価の元素を表し、Xはハロゲン原子を表す)を用いることもできる。
一般式(III)の具体的化合物としては、下記の化合物等が好ましくあげられる。
また、カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法として、電子吸引性基を有するフェノール誘導体を使用することも好ましく、更に電子吸引性基のσ値が0.3以上であることが好ましい。具体的には、下記化合物などを用いることができる。
これらのカルボジイミド誘導体および、含窒素化合物、またはフェノール誘導体は併用して使用するだけではなく、所望により、夫々、単独で用いることもできる。好ましくはカルボジイミド誘導体と含窒素化合物との併用である。
また、カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法として、下記化合物を用いることもできる。該化合物は単独で用いることもできるが、カルボジイミド誘導体、含窒素化合物、フェノール誘導体と併用してもよい。
さらに、カルボキシル基を含有するポリマーにおけるカルボン酸を活性化する手法としては、特開2006-58071号公報「0011」〜「0022」に記載の方法(即ち、担体の表面に存在するカルボキシル基を特定の構造を有するウロニウム塩、ホスホニウム塩、またはトリアジン誘導体のいずれかの化合物を用いて活性化することによりカルボン酸アミド基を形成する方法)、並びに特開2006-90781号公報「0011」〜「0019」に記載の方法(即ち、担体の表面に存在するカルボキシル基を、カルボジイミド誘導体またはその塩で活性化し、水酸基を有する含窒素ヘテロ芳香族化合物、電子吸引性基を有するフェノール誘導体またはチオール基を有する芳香族化合物のいずれかの化合物でエステルとした後、アミンと反応させることによりカルボン酸アミド基を形成する方法)を好ましく用いることもできる。
(2−4)ポリマーの担体への塗布
本発明において、ポリマーとして、カルボキシル基を含有するポリマーを使用する場合、活性化されたカルボキシル基を含有するポリマーは、溶液として担体と反応させてもよく、また、スピンコート等の手法を用いて担体上の薄膜を形成させた状態で反応させてもよい。好ましくは、薄膜を形成させた状態での反応である。
上記の通り、本発明において活性化されたカルボキシル基を含有するポリマーは、薄膜状態で担体と反応させることが好ましい。担体上に薄膜を形成させる方法は、公知の方法を用いることが可能であるが、具体的には、エクストルージョンコート法、カーテンコート法、キャスティング法、スクリーン印刷法、スピンコート法、スプレーコート法、スライドビードコート法、スリットアンドスピン方式、スリットコート方式、ダイコート法、ディップコート法、ナイフコート法、ブレードコート法、フローコート法、ロールコート法、ワイヤバーコート方式、転写印刷法、等を用いることが可能である。これらの薄膜形成法については、「コーティング技術の進歩」原崎勇次著、総合技術センター(1988)、「コーティング技術」技術情報協会(1999)、「水性コーティングの技術」シーエムシー(2001)、「進化する有機薄膜 成膜編」住べテクノリサーチ(2004)、「高分子表面加工学」岩森暁著、技報堂出版(2005)、等に説明されている。膜厚制御された塗布膜を簡便に作製可能であることから、本発明において担体上に薄膜を形成させる方法としては、スプレーコート法またはスピンコート法が好ましく、スピンコート法がさらに好ましい。
(3)第1反応体および第2反応体
本発明において、第1反応体および第2反応体は、被験物と特異的に結合する反応部位を有しており、具体的には、抗体または被験物結合性断片である。本発明で用いる抗体またはその抗原結合性断片は、抗体分子そのものおよび対応する抗原との結合性を有した、Fab断片やF(ab')2断片、また、抗体のL鎖およびH鎖それぞれの可変領域をつないで構築したScFV (single chain Fragment of variable region)等の人工的な一本鎖抗体を含まれる。一本鎖抗体は、大腸菌などの原核細胞や植物細胞などの哺乳動物以外の細胞中でも発現でき、体積が小さいため、蛍光共鳴エネルギー転移が起こりやすくなるため好ましい。また、抗体のL鎖とH鎖をそれぞれ第1反応体もしくは第2反応体の組み合わせとして用いることもできる。なお、ScFVのような一本鎖抗体の作製方法自体は周知である。本発明に用いる抗体またはその抗原結合性断片は、後述する被験物(抗原)との抗原抗体反応による結合性を保持したものであればよく、必ずしも抗原を免疫原として得られる抗体やその抗原結合性断片に限定されるものではない。なお、本発明において用いる抗体は、被検物と抗原抗体反応するものである。
本発明において、蛍光を認識するとは、蛍光物質の励起状態から直接励起される、または間接的に励起され発光もしくは化学反応を起こすことを広く包含する。本発明における第1反応体及び第2反応体は、いずれも蛍光物質で標識されたものであっても、標識抗体のみが蛍光物質で標識されたものであってもよい。第1反応体及び第2反応体が蛍光物質で標識されたものである場合には、抗原との結合や担体との結合に阻害しない部位に標識されていればいずれの部位にあってもよい。蛍光物質の蛍光を認識することができる第2反応体の認識部位は、蛍光物質に限らず、繰り返し使用可能なものあれば、特に制限しない。
上記で説明したように、第1反応体が有する蛍光標識部位に対して励起波長の光を照射した場合、第1反応体が有する蛍光標識部位と第2反応体が有する蛍光認識部位が近距離にあるときは蛍光共鳴エネルギー転移が起こり、第1反応体が有する蛍光標識部位の蛍光は減少して第2反応体が有する蛍光認識部位の蛍光が増大するが、両者が離れると蛍光共鳴エネルギー転移が起こらなくなり、第1反応体が有する蛍光標識部位の蛍光が増大して第2反応体が有する蛍光認識部位の蛍光が減少する。
ここで、蛍光とはりん光やルミノールの発光のように化学反応によって生成した、励起状態にある分子からの発光が含まれる。例えば、ホタル(Photinus pyralis)ルシフェリン、ウミホタル(Cypridina)ルシフェリン、ウミシイタケ(Renilla reniformis)ルシフェリン、発光ミミズ(Diplocardia)ルシフェリン、ラチア(Latia neritoides)ルシフェリン、ホタルイカ(Wataseniae)ルシフェリンやバクテリアルシフェリン(還元型フラビンモノヌクレオチド)のような発光生物由来のルシフェリンのほか、オワンクラゲ由来のエクオリンなどが知られている。
上述した蛍光共鳴エネルギー転移は、特表2007-523754[0158]〜[0161]、特表2001-519525[0025]にも示されているように周知であり、蛍光共鳴エネルギー転移のための蛍光色素(第1反応体が有する蛍光標識部位および第2反応体が有する蛍光認識部位)も種々市販されている。蛍光標識部位および蛍光認識部位としては、両者間に蛍光共鳴エネルギー転移が起こる組み合わせであれば、いずれの組み合わせでも利用可能であり、文献等の情報、または市販品から自由に選択できる。例えば、フルオレセイン誘導体、ローダミン誘導体、アミノクマリン誘導体、ヒドロキシクマリン誘導体、BODIPY誘導体、アントラセン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ポルフィリン誘導体、Cy Dye、Alexa Fluor、ユーロピウムクリプテート、DyLight、HiLyte Fluor、Oyster、MegaStokes Dye、IRDye蛍光色素や蛍光タンパク質として、DFP、YFP、GFP、BFPなどが挙げられる。
本発明において蛍光共鳴エネルギー転移を利用する場合には、選択される蛍光物質間でエネルギー転移が起こり、かつそのエネルギー転移した状態が安定であることが望ましく、GFP-YFP、Alexa Fluor555-Alexa Fluor 647、FITC-Alexa Fluor 555のような蛍光タンパク質または蛍光色素の組み合わせを好ましく用いることができる。これらの組み合わせは蛍光タンパク質のみ、または蛍光色素のみ、もしくは蛍光色素と蛍光タンパク質の組み合わせでもよく、これらの例に限定されない。蛍光発光の安定性の観点からはAlexa Fluor,HiLyte Flourが好ましく、さらにはAlexa Fluorがより好ましい。
なお、CFP-YFP間の蛍光共鳴エネルギー転移やGFP-BFP間、並びにこれらの改変体間の蛍光共鳴エネルギー転移においても広く知られており、これらの蛍光タンパク質は市販もされている。蛍光タンパク質を用いれば、標識する抗体等(抗体またはその抗原結合性断片)と連結させて一分子の融合タンパク質として生産でき、生細胞中で用いる場合には融合タンパク質をコードする遺伝子を導入すればよいため、生細胞中で利用する場合には蛍光タンパク質が便利である。これらの蛍光タンパク質をコードする核酸も周知であり、それらを含むベクターも種々市販もされているので、所望のポリペプチドに蛍光タンパク質を融合させた蛍光標識タンパク質は、それらの市販のベクターを利用して容易に調製することができる。
抗体等を蛍光色素で標識する方法は、用いる蛍光色素の種類によって適宜選択される。蛍光色素が非ペプチド性の化合物である場合には、抗体のチオール基やアミノ基にマレイミドなどの還元基をつけて化学修飾する等の公知の方法により標識できる。蛍光色素が蛍光タンパク質などのペプチド性の化合物である場合には、上記したとおり、抗体等との融合タンパク質として生産することができる。融合タンパク質の作製方法は、下記実施例にも記載しているが、それに限定されず、公知のいかなる方法を用いても作製することができる。
なお、第1反応体および第2反応体が有する蛍光色素は、上記抗体等と被験物とが抗原抗体反応により結合した際に蛍光共鳴エネルギー転移が起きる位置に結合する。蛍光色素を抗体等に結合するには、直接結合してもよいしスペーサーを介して結合してもよい。このようなスペーサーを用いることにより、上記抗体等と被験物とが抗原抗体反応により結合した際に蛍光共鳴エネルギー転移が起きるように、蛍光色素の位置を適宜調節することも可能である。
(5)被験物
本発明の被験物とは、反応体と特異的に結合するため、抗原であることが好ましい。なお、抗原の種類には、抗体等と相互作用可能なものであれば特に制限はなく、検出物質としての目的に応じて適宜選択することができる。ただし、2つの反応体と結合する必要があるため、反応体との結合部位が2つ以上あることが必要である。
(6)本発明の被験物測定用担体の適用
本発明の被験物測定用担体は、バイオセンサーバイオリアクター(例えば「バイオリアクター技術」、1988年、(株)シーエムシー、「バイオチップとバイオセンサー」、2006年、共立出版(株))に適用することができる。バイオセンサーとは最も広義に解釈され、生体分子間の相互作用を電気的信号等の信号に変換して、対象となる物質を測定・検出するセンサーを意味する。通常のバイオセンサーは、検出対象とする化学物質を認識するレセプター部位と、そこに発生する物理的変化または化学的変化を電気信号に変換するトランスデューサー部位とから構成される。生体内には、互いに親和性のある物質として、酵素/基質、酵素/補酵素、抗原/抗体、ホルモン/レセプターなどがある。バイオセンサーでは、これら互いに親和性のある物質の一方を担体に固定化して分子認識物質として用いることによって、対応させるもう一方の物質を選択的に計測するという原理を利用している。
本発明の被験物測定用担体を適用したバイオセンサーは、担体に固定化された結合物を構成している反応体以上の被験物は結合することができないため、被験物濃度検出を行う際、ダイナミックレンジを広く取るために、タイムコースを測定することが好ましい。このタイムコース測定により結合速度と結合量からより広い領域の濃度を決定することができる。
また、本発明の被験物測定用担体は固定担体であるため、複数種の被験物によって形成された結合物をそれぞれ固定しても、複数種の被験物はそれぞれ対応する第1反応体と第2反応体との間で結合物を形成し、対応しない第1反応体と第2反応体との間で結合物を形成することはない。従って、通常ELISA等で問題となるクロストークが発生せず、多項目の被験物を同時に測定可能である。
バイオリアクターとは、酵素、菌体、細胞、オルガネラなどの生体触媒による生化学的反応を利用して、有用物質の生産、エネルギーの発生、環境汚染物質の分解などに応用する反応器である。酵素を固定化した不溶性担体を用いて有用物質の生成、反応等を行うことが可能なバイオリアクター(例えば実公平4-18398号、実公平4-18399号等)においては、上記不溶性担体として、本発明の被験物測定用担体を適用することができる。
以下に本発明の被験物測定用担体の実施例を示す。
(実施例1)
<アミノ基を有する担体の作製>
(担体の洗浄)
UV照射した松浪硝子工業社製のスライドグラスをアセトンに浸漬し、5分間超音波洗浄した。その後、アセトンからスライドグラスを取り出し、純水で洗浄した。
(アミノ(APS)基の付与)
100mlのガラスバイアルにエタノール72mlと純水8mlを混合し、60℃で15分間程度恒温層(アズワン社製)で加温し、エタノールと純水の混合溶液を温めた。温めたエタノールと純水の混合溶液に、APS(γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、東京化成工業製)を80μl混合し(0.1% v/v)溶解した。この溶液に、洗浄したスライドグラスを浸漬し、恒温層(アズワン社製)内で60℃ 15分間反応させることで、APS基が付与されたスライドグラスを得た。反応終了後のスライドグラスを取り出し、エタノール:純水=9:1の溶液に浸漬し、取り出す、という工程により洗浄を行った。この洗浄工程を3度行った。洗浄後のスライドグラスを窒素ブローし、120℃で1時間 でベーキングした。ベーキング後のスライドグラスは、エタノール、純水の順に、浸漬洗浄を行った。
<CMDの活性エステル化>
超純水に0.5重量%となるようにCMD(カルボキシメチルデキストラン、名糖産業製:分子量100万)を溶解した後、全量反応した場合にカルボキシル基の2%が活性化される計算量の0.4MのEDC(1-(3-Dimethylaminopropyl)-3-ethylcarbodiimide)および0.1MのNHS(N-Hydroxysuccinimide)混合溶液を加え、室温で5分間攪拌した。
<CMD膜の作製>
上記アミノ基を形成した金膜上に、活性エステル化したCMD溶液を滴下し30秒後に除去することで、アミノ基を有する担体上に活性エステル化されたカルボキシメチルデキストラン薄膜を形成させた。室温で1 時間反応させた後、0.1 N NaOHで1回、超純水で1回洗浄した。
<抗体への標識>
Myoglobin 1次抗体1 mg(10-M50c Fitzgerald Industries International社製)をAlexa Fluor(登録商標)555(Molecular Probes社製)を用いて、メーカー推奨処方により標識して1次標識Myoglobin抗体を作製し、抗体Myoglobin2次抗体1mg(10-M50d Fitzgerald Industries International社製)をAlexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes社製)を用いてメーカー推奨処方により標識して2次標識Myoglobin抗体を作製した。
<抗体の固定>
作製した1次標識Myoglobin抗体、2次標識Myoglobin抗体およびMyoglobin(10-M50 Fitzgerald Industries International社製)をモル比 1:1:1で混合し、pH4.5のアセテートバッファー(Biacore社製)で0.1mg/mlに調製した。上記CMD膜にBiacore3000(GEヘルスケア社製)のオプションであるBiacore surface prep unit(μ流路)を用いて、混合物10μlを固定化した。このとき、0.2 M EDC/ 0.04 M NHS:GEヘルスケア製)混合活性化液を70μl用いて、7分間活性化した。その後、PBS(リン酸緩衝生理食塩水:invtrogen社製)、10mM NaOH(和光純薬社製)、pH2.0グリシンバッファー(GEヘルスケア社製)により5回繰り返して洗浄した。
その後、CMD膜をFLA−8000(富士フイルム社製)により蛍光測定して、570nm付近の発光と675nm付近の発光の強度比を求めた。そこに0.1mg/ml のMyoglobin(in PBSバッファー)を3分間添加し、純水で掛け流しをした。掛け流し後のCMD膜を同様にFLA-8000で蛍光測定し、570nm付近の発光と675nm付近の発光の強度比を求めた。この得られた570nm付近の発光と675nm付近の発光の強度比をMyoglobin添加前後で得られた570nm付近の発光と675nm付近の発光の強度比で除して、Myoglobin添加前後での発光強度比変化率を求めた。表1にその結果を示す。
(実施例2)
実施例1において、蛍光測定後、さらにpH2.0グリシンバッファー、10mM NaOHで交互に5回繰り返し洗浄した。その後、実施例1と同様に0.1mg/mlのMyoglobin(in PBSバッファー)を添加し、添加前後での発光強度比変化率を求めた。
(比較例1)
実施例1の<抗体の固定>において、1次標識Myoglobin抗体、2次標識Myoglobin抗体およびMyoglobinの混合溶液を、1次標識Myoglobin抗体と2次標識Myoglobin抗体のみ(Myoglobinなし)で固定した以外は実施例1と同様にして固定化を行い、実施例1と同様に0.1mg/mlのMyoglobin(in PBSバッファー)を添加し、添加前後での発光強度比変化率を求めた。
表1から明らかなように、予め一次、二次標識Myoglobin抗体とMyoglobinを混合液で固定化した実施例1および2では、Myoglobin添加後のFRET強度が変化しているのに対して、比較例1ではFRET強度の変化が見られず、このことから、本発明の被験物測定用担体(実施例1および2)においては、1次標識Myoglobin抗体、2次標識Myoglobin抗体およびMyoglobinによって構成された結合物によって、1次標識Myoglobin抗体と2次標識Myoglobin抗体とが蛍光共鳴エネルギー転移が起こり得る近距離にあるのに対し、比較例1では1次標識Myoglobin抗体と2次標識Myoglobin抗体とが蛍光共鳴エネルギー転移が起こり得る近距離に固定されていないことがわかる。なお、実施例と比較例は同じ濃度のMyoglobin添加前後での発光強度比変化率を示したものであって、数値上は3%の差であるが、比較例においては、Myoglobinの濃度が100倍(10mg/ml)であっても検出はできず、本発明において初めて蛍光共鳴エネルギー転移を固相に適用して被験物が検出可能となることが実証されたものである。
従って、本発明のように第1反応体と被験物と第2反応体とで構成される結合物を、第1反応体および第2反応体とで担体上に固定化することにより製造した被験物測定用担体は、蛍光共鳴エネルギー転移を固相に適用可能であるため、迅速なin situ測定が可能となる。
さらに、実施例2より、被験物洗浄後も担体に固定化することが可能であることがわかり、繰り返し測定が可能であることがわかる。従って本発明の被験物測定用担体によれば、短時間で高感度かつ簡便に、汎用性の高い固定化担体を提供することができる。
本発明の被験物測定用担体の一実施の態様を示す概略模式図 図1において被験物が取り出された状態を示す概略模式図 本発明の被験物測定用担体の製造工程を示す工程図
符号の説明
1 被験物
2 反応部位
3 蛍光標識部位
4 第1反応体
5 反応部位
6 認識部位
7 第2反応体
10 結合物
11 担体
12 シランカップリング層
13 ヒドロゲル

Claims (14)

  1. 被験物と特異的に結合する反応部位および蛍光標識部位を有する第1反応体と、
    前記被験物と特異的に結合する反応部位および前記第1反応体の蛍光標識部位から発せられる蛍光を認識する認識部位を有する第2反応体とを有し、
    前記第1反応体および前記第2反応体が、前記被験物が存在しないときには前記蛍光が認識されないように前記蛍光標識部位および前記認識部位が離れ、前記第1反応体および前記第2反応体が1つの前記被験物に結合したときに、前記蛍光が認識できるように前記蛍光標識部位および前記認識部位が近接するような位置関係で担体上に固定されていることを特徴とする被験物測定用担体。
  2. 前記担体上にポリマー層を有し、該ポリマー層を介して前記第1反応体と前記第2反応体とが前記担体上に固定されていることを特徴とする請求項1記載の被験物測定用担体。
  3. 前記ポリマー層の層厚が1nm以上0.5mm以下であることを特徴とする請求項2記載の被験物測定用担体。
  4. 前記ポリマー層が自己組織化膜を介して前記担体上に固定されていることを特徴とする請求項2または3記載の被験物測定用担体。
  5. 前記自己組織化膜の膜厚が0.2nm以上10μm以下であることを特徴とする請求項4記載の被験物測定用担体。
  6. 前記ポリマー層が多糖類であることを特徴とする請求項3、4または5記載の被験物測定用担体。
  7. 前記第1反応体および前記第2反応体が抗体または被験物結合性断片であることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の被験物測定用担体。
  8. 前記第1反応体が有する蛍光標識部位が、蛍光色素または蛍光タンパク質であることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の被験物測定用担体。
  9. 前記第1反応体の蛍光標識部位と前記第2反応体が有する認識部位との間の反応が、蛍光共鳴エネルギー転移であることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の被験物測定用担体。
  10. 前記被験物が抗原であることを特徴とする請求項1〜9いずれか1項記載の被験物測定用担体。
  11. 前記被験物測定用担体が、バイオセンサーまたはバイオリアクターに用いられる担体であることを特徴とする請求項1〜10いずれか1項記載の被験物測定用担体。
  12. 被験物と、該被験物と特異的に結合する反応部位および蛍光標識部位を有する第1反応体と、前記被験物と特異的に結合する反応部位および前記第1反応体の蛍光標識部位から発せられる蛍光を認識する認識部位を有する第2反応体とを反応させて、第1反応体と被験物と第2反応体との結合物を得、
    該結合物を担体表面に付与して、前記第1反応体および前記第2反応体が、前記被験物が存在しないときには前記蛍光が認識されないように前記蛍光標識部位および前記認識部位が離れ、前記第1反応体および前記第2反応体が1つの前記被験物に結合したときに、前記蛍光が認識できるように前記蛍光標識部位および前記認識部位が近接するような位置関係になるように、前記第1の反応体と前記第2の反応体をそれぞれ前記担体表面に固定化することを特徴とする被験物測定用担体の製造方法。
  13. 前記第1の反応体と前記第2の反応体をそれぞれ前記担体表面に固定化後、前記結合物から前記被験物を除去することを特徴とする請求項12記載の被験物測定用担体の製造方法。
  14. 前記被験物の除去が、被験物の結合を低下させる条件下で行われることを特徴とする請求項12または13記載の被験物測定用担体の製造方法。
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