JP2001519525A - Fretを用いる核内受容体リガンドに関するアッセイ - Google Patents
Fretを用いる核内受容体リガンドに関するアッセイInfo
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Abstract
Description
受容体とCREB結合タンパク質(CBP)または他の核内受容体コアクチベー
ターとのアゴニスト依存的相互作用(この相互作用は蛍光共鳴エネルギー移動に
より検出される)を用いて同定する方法に関する。
それらの対応DNA要素に結合する、リガンドにより活性化される転写因子のス
ーパーファミリーである。150個を超えるメンバーを有する該スーパーファミ
リーは、いくつかのサブファミリー(例えば、ステロイド、レチノイド、甲状腺
ホルモンおよびペルオキシソーム増殖因子活性化[PPAR]サブファミリー)
に分けることができる。各サブファミリーは、個々の遺伝子にコードされるいく
つかのメンバー(例えば、PPARα、PPARγおよびPPARδ)よりなり
うる。また、特定のPPAR(例えば、PPARγ1およびPPARγ2)の場
合のように、選択的mRNAスプライシングがこれらの遺伝子の2以上のアイソ
フォームを与えることがある。該核内受容体スーパーファミリーは、哺乳類細胞
における多種多様な生理的機能(例えば、分化、増殖および代謝恒常性)に関与
している。特異的核内受容体の機能不全または発現の改変が疾患の病理発生に関
与していることが判明している。
PPARδの3つのメンバーよりなる。PPARαは、肝臓および腎臓内で高度
に発現される。ペルオキシソーム増殖因子(フィブラートなどの血中脂質低下薬
を含む)または中鎖および長鎖脂肪酸によるPPARαの活性化は、アシル−C
oAオキシダーゼおよびヒドラターゼ−デヒドロゲナーゼ(ペルオキシソームβ
−酸化に必要な酵素)ならびにシトクロムP450 4A6(脂肪酸ω−ヒドロ
キシラーゼに必要な酵素)の誘導を引き起こす。したがって、PPARαは、脂
質代謝の調節において重要な役割を有し、フィブラートなどの血中脂質低下性化
合物が効果を発揮するメカニズムの一部となる。PPARγは脂肪細胞内で優勢
に発現される。最近、プロスタグランジンJ2の代謝産物である15−デオキシ
−D12,14−プロスタグランジンJ2が、PPARγの潜在的な生理的リガ
ンドであることが確認された。15−デオキシ−D12,14−プロスタグラン
ジンJ2による前脂肪細胞の処理または繊維芽細胞内でのPPARγ2のレトロ
ウイルス発現は共に、脂肪細胞の分化を誘導した。これは、脂肪細胞分化および
脂質蓄積におけるPPARγの役割を示すものである。抗糖尿病および脂質低下
インスリン感受性化合物(チアゾリジンジオンとして公知である)がPPARγ
に対する高アフィニティーリガンドであるという証明は、糖尿病およびインスリ
ン抵抗性に関連した障害(例えば、肥満および心血管疾患)の治療におけるPP
ARγリガンドの広範な治療的役割を示唆している。
H末端のリガンド結合ドメイン(LBD)を含有する。DBDは、ホルモン応答
配列(HRE)として公知の特異的プロモーター/エンハンサーDNA配列に該
受容体を標的化する高度に保存された2個のジンクフィンガーを含む。LBDは
、約200〜300アミノ酸長であり、DBDほど良くは保存されていない。L
BDには、少なくとも3つの機能(二量体化、リガンド結合およびトランス活性
化)がある。トランス活性化機能は、該受容体の転写的に不活性な状態と転写的
に活性な状態との間の分子スイッチとみなすことができる。アゴニストであるリ
ガンドの結合は、該スイッチを不活性状態から活性状態に変換する。LBDのC
OOH末端部分は、該スイッチに必要な活性化機能ドメイン(AF2)を含有す
る。
ァミリーのメンバー(例えば、CBP/p300、SRC−1/NcoA−1、
TIF2/GRIP−1/NcoA−2およびp/CIP)との相互作用により
媒介される。アゴニストがその対応受容体のLBDに結合すると、受容体タンパ
ク質のコンホメーション変化により、コアクチベーター結合表面が生成し、該受
容体に対するコアクチベーターのリクルートおよびそれに続く転写活性化が生じ
る。核内受容体に対するアンタゴニストリガンドの結合は、必要なコンホメーシ
ョン変化を誘導せず、コアクチベーターのリクルートおよびそれに続く転写の誘
導を妨げる。コアクチベーターであるCREB結合タンパク質(CBP)および
p300は、元々はそれらが転写因子CREBと相互作用する能力に基づいて見
出された2つの密接に関連したタンパク質である。これらの2つのタンパク質は
、かなりのアミノ酸配列相同性を共有する。CBPは、核内受容体と基本(ba
sic)転写装置との間に架橋を形成しうる(Kameiら, 1996, C
ell 85:403−414; Chakravartiら, 1996,
Nature 383:99−103; Hansteinら, 1996,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:11540−
11545; Heeryら, 1997, Nature 387:733−
736)。また、CBPは、局所的クロマチン再配列および更なる転写活性化を
引き起こしうる固有のヒストンアセチルトランスフェラーゼ活性を含有する。あ
る種の核内受容体とCBPとの間のリガンド−およびAF2−依存的相互作用が
、インビトロプルダウン(in vitro pull down)アッセイお
よびファーウエスタンアッセイで示されている。この相互作用は、これらの核内
受容体に媒介される転写活性化に必要かつ十分である。したがって、該受容体の
転写機能を妨げるエストロゲン受容体(ER)のAF2突然変異体は、CBPと
相互作用することができない。
インと相互作用することが示されている(Kameiら, 1996, Cel
l 85:403−414; 以下、「Kamei」と称することとする)。K
ameiは、いくつかの異なる方法を用いても核内受容体とCBPおよびp30
0との直接的な相互作用を示すことができなかった。
ンパク質を産生させた。これらの融合タンパク質を、ポリアクリルアミドゲル上
で移動させ、メンブレンにトランスファーし、該メンブレンを核内受容体の32 P標識リガンド結合ドメインにさらした。リガンドの存在下、該32P標識リガ
ンド結合ドメインが、GST−CBP融合タンパク質を含有するメンブレン上の
バンドに結合することが認められた点で、CBPと核内受容体断片との特異的結
合相互作用が検出された。
タンパク質のDNA結合ドメインに融合した核内受容体のリガンド結合ドメイン
を、餌(bait)として使用した。gal4の転写活性化ドメインに融合した
CBPのアミノ末端ドメインを、餌食(prey)として使用した。リガンドの
存在下、CBPと核内受容体断片との間で特異的結合相互作用(インビボ、すな
わち酵母内で生じる)が認められた。
トアッセイにより観察した。このアッセイは、リガンドの存在下、核内受容体が
、それらの標的認識配列を含有するオリゴヌクレオチドに結合するという観察に
基づく。そのような結合は、オリゴヌクレオチド単体より高い分子量を有する核
内受容体−リガンド−オリゴヌクレオチド複合体の形成を引き起こす。分子量に
おけるこの相違は、ポリアクリルアミドゲル上で移動させた場合の32P標識オ
リゴヌクレオチドの位置のシフトにより検出される。Kameiは、CBPの断
片(N末端の100アミノ酸)が核内受容体−リガンド−オリゴヌクレオチド複
合体に結合しゲル上の該複合体の位置をより一層高い分子量の位置にシフトさせ
うることを見出した。
容体に対する抗体を使用してCBPを共免疫沈降させることができた。
機能的に相互作用することを示すことができた。そのような転写活性化アッセイ
は、2つのタンパク質が、転写活性化を引き起こす経路に関与することを示しう
るが、これらのアッセイは、それらのタンパク質間の相互作用が直接的結合の1
つであることを証明するものではない。
GR)、甲状腺ホルモン受容体(T3R)およびレチノイドX受容体(RXR)
とCBPとの特異的結合相互作用を前記方法で示すことができた。また、Kam
eiは、p300のN末端とRARとの特異的結合を示している。しかしながら
、Kameiは、CBP、p300または他のいずれかの核内受容体コアクチベ
ーターとPPARとの特異的結合は示していない。
び時間を要することである。そのような方法は、とりわけ、融合タンパク質の構
築、32P標識タンパク質の調製、酵母ツーハイブリッドアッセイおよび転写活
性化アッセイ用の特殊発現ベクターの構築、多数のゲルにおける移動、および抗
体の産生を含む。これらのアッセイのほとんどは実施に数日間を要し、それらの
実施に必要な試薬の調製には数週間を要することがある。これらのアッセイで用
いる試薬は複雑であり、該アッセイを調製し実施するには長時間を要するため、
これらのアッセイは高価になりがちである。核内受容体とCBPとの相互作用を
研究しているKamei以外の研究者もまた、そのような面倒な方法に頼らざる
を得ないのが現状である(例えば、Chakravartiら, 1996,
Nature 383:99−103; Hansteinら, 1996,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:11540−
11545; Heerryら, 1997, Nature 387:733
−736を参照されたい)。
ために前記の方法を用いたのではない。Kameiの主眼は、アゴニストでもア
ンタゴニストでもなく、核内受容体とCBPとの相互作用にあった。アゴニスト
またはアンタゴニストを同定するためにKameiの方法を修飾することは可能
かもしれないが、そのような方法は著しい欠点を有するであろう。なぜなら、前
記のとおり、CBPおよびp300と核内受容体との相互作用を研究するために
Kameiが用いたアッセイはすべて、非常に労力を要し、遅く、高価だからで
ある。ステロイドホルモン、例えばエストロゲン、コルチゾール、プロゲステロ
ンおよび他の核内受容体アゴニスト、例えば甲状腺ホルモンおよび抗糖尿病チア
ゾリジンジオン化合物が治療上重要であるとすると、核内受容体に影響を及ぼす
潜在的な医薬化合物を同定するための改良されたハイスループットスクリーニン
グアッセイが必要とされていることは明らかである。歴史的には、治療的に有用
な核内受容体リガンド化合物は、モデル動物をスクリーニングすることにより同
定されてきたが、これは、Kameiが用いた方法より一層労働集約的で時間が
かかるアプローチである。また、例えばKameiが用いたアプローチは、核内
受容体のアンタゴニストの同定には適していない。現在では、核内受容体のアン
タゴニストは重要な治療剤になりうると広く認識されている。そのような治療上
有用なアンタゴニストとしては、例えば、タモキシフェン、ラロキシフェンおよ
びRU−486が挙げられる。
を同定し特徴づけるための、ハイスループットであり時間および労力を節約し非
放射性で安価で高い信頼性を有するアッセイである。そのようなアッセイを本発
明で提供する。
供する。該方法は、核内受容体とCBP、p300または他の核内受容体コアク
チベーターとのアゴニスト依存的結合を利用する。アゴニストの不存在下では、
核内受容体とCBP、p300または他の核内受容体コアクチベーターとの結合
は生じない。しかしながら、アゴニストが存在すると、そのような結合が生じ、
蛍光的に標識された核内受容体と蛍光的に標識されたCBP、p300または他
の核内受容体コアクチベーターとの間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)に
より該結合を検出することができる。アンタゴニストは、それが核内受容体とC
BP、p300または他の核内受容体コアクチベーターとのアゴニスト誘導性相
互作用を妨げたり破壊する能力により同定することができる。核内受容体のアゴ
ニストおよびアンタゴニストを同定するための先行技術方法とは異なり、本発明
の方法は簡便であり、迅速であり、より安価である。
いて使用するための、蛍光試薬で標識された核内受容体またはそのリガンド結合
ドメインを提供する。本発明はまた、蛍光試薬で標識されたCBP、p300も
しくは他の核内受容体コアクチベーターまたはそれらの結合部分を提供する。
ーとの特異的結合相互作用が生じうるように核内受容体に結合する物質である。
コアクチベーターとのアゴニスト誘導性特異的結合相互作用を妨げたり又は破壊
しうる物質である。
トである。
試薬とCBP、p300または他の核内受容体コアクチベーターに結合した蛍光
試薬との間の蛍光共鳴エネルギー移動の発生を引き起こす、核内受容体とCBP
、p300または他の核内受容体コアクチベーターとの結合を意味する。
」は、核内受容体との特異的結合相互作用に十分なCBP、p300または他の
核内受容体コアクチベーターの部分である。
たはアンタゴニストに結合するのに十分な核内受容体の部分である。
特徴づけのための、ハイスループットで時間および労力を節約し非放射性で安価
で非常に信頼性のあるアッセイを提供する。全般的な実施形態において、本発明
は、CBP、p300または他の核内受容体結合タンパク質がコアクチベーター
であるいずれかの核内受容体のアゴニストおよびアンタゴニストの同定方法を提
供する。そのようなアゴニストおよびアンタゴニストは、核内受容体のリガンド
結合ドメインとCBP、p300または他の核内受容体コアクチベーターとの結
合を誘導する又は妨げる能力により同定する。該核内受容体とCBP、p300
または他の核内受容体コアクチベーターとの相互作用は、2つの蛍光試薬間の蛍
光共鳴エネルギー移動(FRET)の発生を観察することによりモニターする。
一方の蛍光試薬を該核内受容体に結合させ、他方の蛍光試薬をCBP、p300
または他の核内受容体コアクチベーターに結合させる。核内受容体、CBP、p
300または他の核内受容体コアクチベーターに対する蛍光試薬の結合は、共有
結合または非共有結合によるものであってもよい。
子間の長距離双極子−双極子カップリングにより、励起したエネルギー供与蛍光
試薬から受容蛍光試薬へエネルギーが移動する過程である。FRETは、典型的
には、約10e〜100eの距離にわたって生じ、また、供与試薬の発光スペク
トルおよび受容試薬の吸収スペクトルが適度に重複すること並びに該供与体の量
子収率および該受容体の吸収係数が十分に高いことを必要とする。さらに、該供
与および受容蛍光試薬の遷移双極子が、お互いに対して適切に配向されなければ
ならない。FRETおよび生物系に対するその応用の概説としては、Clegg
, 1995, Current Opinions in Biotechn
ology 6:103−110を参照されたい。
イン、および第2蛍光試薬で標識されたCBP、p300もしくは他の核内受容
体コアクチベーターまたはその結合部分を使用する。第2蛍光試薬は、(a)励
起状態のエネルギーを第1蛍光試薬に供与するか又は(b)励起状態のエネルギ
ーを第1蛍光試薬から受容することによりエネルギー移動を受けうる発蛍光団を
含む。すなわち、本発明では、第1または第2蛍光試薬が、FRET中に供与体
または受容体となりうる。
らのスペクトル特性が、励起状態のエネルギーの移動をそれらの間で生じさせう
るようなものであることを意味する。FRETは、第1および第2蛍光試薬間の
距離に非常に敏感である。例えば、FRETは、第1および第2蛍光試薬間の距
離の6乗に反比例する。アゴニストの不存在下では、該核内受容体またはそのリ
ガンド結合ドメインに結合した第1蛍光試薬は、CBP、p300または他の核
内受容体コアクチベーターまたはそれらの結合部分に結合した第2蛍光試薬に接
近しないであろう。したがって、FRETは全く観察されないか、または非常に
僅かしか観察されないであろう。しかしながら、アゴニストの存在下では、該核
内受容体とCBP、p300または他の核内受容体コアクチベーターとの相互作
用が生じ、それにより第1蛍光試薬と第2蛍光試薬とが接近し、FRETの発生
および観察が可能となるであろう。
ン、 (b)第2蛍光試薬で標識されたCBP、p300もしくは他の核内受容体
コアクチベーターまたはその結合部分、および (c)該核内受容体のアゴニストであると疑われる物質 を、該物質が該核内受容体のアゴニストである場合に該核内受容体またはそのリ
ガンド結合ドメインとCBP、p300もしくは他の核内受容体コアクチベータ
ーまたはその結合部分との結合が生じる条件下で供給し、 (d)該第1蛍光試薬と該第2蛍光試薬との間の蛍光共鳴エネルギー移動(
FRET)を測定することを含んでなる、核内受容体のアゴニストの同定方法で
あって、該物質が該核内受容体のアゴニストであることがFRETの発生により
示されることを特徴とする方法を提供する。
モン受容体、レチノイン酸受容体、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体、レ
チノイドX受容体、グルココルチコイド受容体、ビタミンD受容体および「オー
ファン核内受容体」(例えば、LXR、FXRなど)よりなる群から選ばれる。
完全長核内受容体である。もう1つの実施形態においては、該核内受容体または
そのリガンド結合ドメインは核内受容体のリガンド結合ドメインである。もう1
つの実施形態においては、該核内受容体またはそのリガンド結合ドメインは核内
受容体のAF−2部位を含む。
完全長PPARである。もう1つの実施形態においては、該核内受容体またはそ
のリガンド結合ドメインはPPARのリガンド結合ドメインである。もう1つの
実施形態においては、該PPARは、PPARα、PPARγ1、PPARγ2
およびPPARδよりなる群から選ばれる。もう1つの実施形態においては、該
PPARのリガンド結合ドメインはヒトPPARγ1のアミノ酸残基176〜4
78を含有する。
ヒトRARαのアミノ酸143〜462を含有する。もう1つの実施形態におい
ては、該核内受容体またはそのリガンド結合ドメインはラットT3Rα1のアミ
ノ酸122〜410を含有する。もう1つの実施形態においては、該核内受容体
またはそのリガンド結合ドメインはマウスRXRγのアミノ酸227〜463を
含有する。もう1つの実施形態においては、該核内受容体またはそのリガンド結
合ドメインはヒトERのアミノ酸251〜595を含有する。
する。他の実施形態においては、該方法はヒトCBPのアミノ酸残基1〜113
を使用する。もう1つの実施形態においては、該方法はヒトCBPのアミノ酸残
基1〜453を使用する。
技術分野において典型的に用いられる条件、例えば、生理的pH、塩条件(例え
ば、PBSなどの通常用いられるバッファーにより表されるもの)、約4℃〜約
55℃の温度である。通常用いられる非イオン界面活性剤(例えば、NP−40
(登録商標)、サルコシル、Triton X−100(登録商標))を、所望
により存在させてもよい。ユウロピウムクリプテートを蛍光試薬として使用する
場合には、反応は、少なくとも200mMの濃度のKFを含有すべきである。
内受容体と種々の核内受容体コアクチベーターとの相互作用が、アミノ酸配列L
XXLL(Lはロイシンであり、Xは任意のアミノ酸を表す)を有する該核内受
容体コアクチベーター内の短いアミノ酸配列により媒介されることを示した。し
たがって、本発明は、核内受容体コアクチベーターの結合部分がアミノ酸配列L
XXLLを含有する場合には、そのような核内受容体コアクチベーターの結合部
分で実施することができる。したがって、本発明は、 (a)第1蛍光試薬で標識された核内受容体またはそのリガンド結合ドメイ
ン、 (b)核内受容体コアクチベーターの結合部分(該結合部分はアミノ酸配列
LXXLLを含有し、該結合部分は第2蛍光試薬で標識されている)、および (c)該核内受容体のアゴニストであると疑われる物質 を、該物質が該核内受容体のアゴニストである場合に該核内受容体またはそのリ
ガンド結合ドメインと該核内受容体コアクチベーターの結合部分との結合が生じ
る条件下で供給し、 (d)該第1蛍光試薬と該第2蛍光試薬との間の蛍光共鳴エネルギー移動(
FRET)を測定することを含んでなる、核内受容体のアゴニストの同定方法で
あって、該物質が該核内受容体のアゴニストであることがFRETの発生により
示されることを特徴とする方法を含む。
140、ヒトSRC−1、マウスTIF−2、ヒトまたはマウスCBP、ヒトま
たはマウスp300、マウスTIF−1およびヒトTRIPタンパク質よりなる
群から選ばれる。
40であり、該結合部分は、20〜29、132〜139、184〜192、2
66〜273、379〜387、496〜506、712〜719、818〜8
25、935〜944および935〜942よりなる群から選ばれるヒトRIP
−140のアミノ酸の連続的伸長を含む。
−1であり、該結合部分は、45〜53、632〜640、689〜696、7
48〜755および1434〜1441よりなる群から選ばれるヒトSRC−1
のアミノ酸の連続的伸長を含む。
F−2であり、該結合部分は、640〜650、689〜699および744〜
754位よりなる群から選ばれるマウスTIF−2のアミノ酸の連続的伸長を含
む。
マウスCBPであり、該結合部分は、68〜78および356〜366位よりな
る群から選ばれるヒトまたはマウスCBPのアミノ酸の連続的伸長を含む。
マウスp300であり、該結合部分は、80〜90および341〜351位より
なる群から選ばれるヒトまたはマウスp300のアミノ酸の連続的伸長を含む。
F−1であり、該結合部分は、722〜732位を含有するマウスTIF−1の
アミノ酸の連続的伸長を含む。
P2であり、該結合部分は、23〜33位を含有するヒトTRIP2のアミノ酸
の連続的伸長を含む。
P3であり、該結合部分は、97〜107位を含有するヒトTRIP3のアミノ
酸の連続的伸長を含む。
P4であり、該結合部分は、36〜46位を含有するヒトTRIP4のアミノ酸
の連続的伸長を含む。
P5であり、該結合部分は、26〜36位を含有するヒトTRIP5のアミノ酸
の連続的伸長を含む。
P8であり、該結合部分は、36〜46位を含有するヒトTRIP8のアミノ酸
の連続的伸長を含む。
P9であり、該結合部分は、73〜83、256〜266および288〜298
よりなる群から選ばれるヒトTRIP9のアミノ酸の連続的伸長を含む。
6, Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 93:10
626−10631 (SRC−1); O§ateら, 1995, Sci
ence 270:1354−1357 (SRC−1); Cavaille
sら, 1995, EMBO J. 14:3741−3751 (RIP−
140); Voegelら, 1996, EMBO J. 15:101−
108 (TIF−2); Kwokら, 1994, Nature 370
:223−226 (CBP); Ariasら, 1994, Nature
370:226−229 (CBP); Ecknerら, 1994, G
enes Dev. 8:869−884 (p300); Le Douar
inら, 1995, EMBO J 14:2020−2033 (TIF−
1); Leeら, 1995, Nature 374:91−94 (TR
IPタンパク質)を参照されたい。
明の一部である)の特定の実施形態である。その全般的な方法は、 (a)第1蛍光試薬で標識された核内受容体またはそのリガンド結合ドメイ
ン、 (b)アミノ酸配列LXXLLを含有し第2蛍光試薬で標識されているポリ
ペプチド、および (c)該核内受容体のアゴニストであると疑われる物質 を、該物質が該核内受容体のアゴニストである場合に該核内受容体またはそのリ
ガンド結合ドメインと該ポリペプチドとの結合が生じる条件下で供給し、 (d)該第1蛍光試薬と該第2蛍光試薬との間の蛍光共鳴エネルギー移動(
FRET)を測定することを含んでなる、核内受容体のアゴニストの同定方法で
あって、該物質が該核内受容体のアゴニストであることがFRETの発生により
示されることを特徴とする方法である。
リックス部分内に存在する。もう1つの実施形態においては、アミノ酸配列LX
XLLが該ポリペプチドのαヘリックス部分内に存在し、該ロイシンが疎水面を
形成する。
法は、該アンタゴニストが核内受容体とCBP、p300または他の核内受容体
コアクチベーターとのアゴニスト誘導性結合の発生を妨げる又はそれが生じた後
そのような結合を破壊する能力に基づく。したがって、本発明は、 (a)第1蛍光試薬で標識された核内受容体またはそのリガンド結合ドメイ
ン、 (b)第2蛍光試薬で標識されたCBP、p300もしくは他の核内受容体
コアクチベーターまたはその結合部分、 (c)該核内受容体のアゴニスト、および (d)該核内受容体のアンタゴニストであると疑われる物質 を、該物質の不存在下で該核内受容体またはそのリガンド結合ドメインとCBP
、p300もしくは他の核内受容体コアクチベーターまたはその結合部分との結
合が生じる条件下で供給し、 (e)該物質が存在する場合の該第1蛍光試薬と該第2蛍光試薬との間の蛍
光共鳴エネルギー移動(FRET)を測定し、該物質が存在しない場合の該第1
蛍光試薬と該第2蛍光試薬との間のFRETを測定することを含んでなる、核内
受容体のアンタゴニストの同定方法であって、該物質が該核内受容体のアンタゴ
ニストであることが、該物質が存在する場合のFRETの減少により示されるこ
とを特徴とする方法を提供する。
モン受容体、レチノイン酸受容体、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体、レ
チノイドX受容体、グルココルチコイド受容体、ビタミンD受容体および「オー
ファン核内受容体」(例えば、LXR、FXRなど)よりなる群から選ばれる。
完全長核内受容体である。もう1つの実施形態においては、該核内受容体または
そのリガンド結合ドメインは核内受容体のリガンド結合ドメインである。もう1
つの実施形態においては、該核内受容体またはそのリガンド結合ドメインは核内
受容体のAF−2部位である。
完全長PPARである。もう1つの実施形態においては、該核内受容体またはそ
のリガンド結合ドメインはPPARのリガンド結合ドメインである。もう1つの
実施形態においては、該PPARは、PPARα、PPARγおよびPPARδ
よりなる群から選ばれる。もう1つの実施形態においては、該PPARのリガン
ド結合ドメインはヒトPPARγ1のアミノ酸残基176〜478を含有する。
ヒトRARαのアミノ酸143〜462を含有する。もう1つの実施形態におい
ては、該核内受容体またはそのリガンド結合ドメインはラットT3Rα1のアミ
ノ酸122〜410を含有する。もう1つの実施形態においては、該核内受容体
またはそのリガンド結合ドメインはマウスRXRγのアミノ酸227〜463を
含有する。もう1つの実施形態においては、該核内受容体またはそのリガンド結
合ドメインはヒトERのアミノ酸251〜595を含有する。
する。他の実施形態においては、該方法はヒトCBPのアミノ酸残基1〜113
を使用する。もう1つの実施形態においては、該方法はヒトCBPのアミノ酸残
基1〜453を使用する。
技術分野において典型的に用いられる条件、例えば、生理的pH、塩条件(例え
ば、PBSなどの通常用いられるバッファーにより表されるもの)、約4℃〜約
55℃の温度である。通常用いられる非イオン界面活性剤(例えば、NP−40
(登録商標)、サルコシル、Triton X−100(登録商標))を、所望
により存在させてもよい。ユウロピウムクリプテートを蛍光試薬として使用する
場合には、反応は、少なくとも200mMの濃度のKFを含有すべきである。
減少、および/または(b)供与体の吸収波長における刺激後の受容試薬の発光
の増加をモニターすることにより、FRETを測定することが可能であろう。実
際には、FRETは、発光の比率化(ratioing)により、より効果的に
測定される。発光の比率化により、供与体による発光に対する受容体による発光
の比率の変化をモニターする。この比率の増加は、エネルギーが供与体から受容
体へ移動していること、およびそれによりFRETが生じていることを意味する
。発光の比率は、レーザー走査共焦点顕微鏡を使用することにより測定すること
ができる。発光の比率化は、好ましくは、サンプルからの発光をダイクロイック
ミラーで分裂させ、2つの波長帯(供与体および受容体の発光波長に対応する)
を2つの検出器で同時に測定することにより行なう。あるいは、単一の検出器で
各波長において連続的に発光をサンプル化することができる(適当なフィルター
を使用する)。いずれの場合も、FRETを測定するこれらの及び他の方法は、
当技術分野でよく知られている。
るが、本発明の好ましい実施形態は、供与試薬として蛍光試薬のクリプテートを
使用する。マクロポリ環状リガンドの分子内空孔内へ基質が包接されると、クリ
プテートが形成する。該マクロポリ環状リガンドは、溶媒および他の溶質分子と
の相互作用から該基質を遮蔽する。該基質が蛍光試薬である場合には、クリプテ
ートの形成は、該遊離試薬の分光特性とは著しく異なる該試薬の分光特性を与え
うる。
(TbIII)クリプテートを使用することを含む。そのようなEuIIIまた
はTbIIIクリプテート、およびそれらの形成方法は、当技術分野でよく知ら
れている。例えば、Alphaら, 1987, Angew. Chem.
Int. Ed. Engl. 26:266−267; Mathis, 1
995, Clin. Chem. 41:1391−1397を参照されたい
。ユウロピウムクリプテートは、光吸収体としてビピリジン基を含有するマクロ
ポリ環状リガンドの分子内空孔内へのユウロピウムイオンの包接により形成され
る。ユウロピウムクリプテートがフッ化物イオンと共に溶液中に存在する場合に
は、該ユウロピウムクリプテート蛍光の全遮蔽が生じる。ユウロピウムクリプテ
ートの分子構造を以下に示す。
タンパク質にコンジュゲート化することができる(例えば、国際特許出願WO
89/05813; Pratら, 1991, Anal. Biochem
. 195:283−289; Lopezら, 1993, Clin. C
hem. 39:196−201を参照されたい)。
はアロフィコシアニン(APC)の架橋誘導体である。APCは、藻類の光収集
系に由来するポルフィリン含有タンパク質である(Kronick, 1986
, M. Immunol. Meth. 92:1−13)。XL665は、
約620nmに最大吸収を、665nmに最大発光を有する。本発明のいくつか
の実施形態においては、XL665をストレプトアビジンで標識して、該ストレ
プトアビジン標識XL665をビオチン標識物質(例えば、CBPまたは核内受
容体のリガンド結合ドメイン)に結合させる。XL655のストレプトアビジン
標識、およびCBPまたは核内受容体のリガンド結合ドメインのビオチン標識は
、よく知られた方法で行なうことができる。
供与蛍光試薬としてのユウロピウムクリプテート(Eu3+K)と一緒にする。
ユウロピウムクリプテート(Eu3+K)は、337nmで光を吸収し620n
mで発光する大きなストークスシフトを有する。したがって、ユウロピウムクリ
プテート(Eu3+K)の最大発光は、XL665の最大吸収と重複する。ユウ
ロピウムクリプテート(Eu3+K)は大きな一過性シフトを有し、光子の吸収
と放出との間の時間は約1ミリ秒である。これは好都合なことである。なぜなら
、生物学的サンプル中のほとんどのバックグラウンド蛍光シグナルは短寿命だか
らである。したがって、長い蛍光寿命を有するユウロピウムクリプテートなどの
蛍光試薬の使用は、バックグラウンド干渉の減少につながる時間分解検出を可能
にする。
、蛍光バックグラウンドを実質的に与えず、したがって、この蛍光試薬を使用す
るアッセイは、「混合および読取り(mix and read)」モードで行
なうことが可能であり、ハイスループットスクリーニング手段としてのその使用
を著しく促進する。ユウロピウムクリプテート(Eu3+K)およびXL665
を使用する実施形態の場合には、測定装置は337nmでサンプルに照射し、6
20nm(Bカウント、ユウロピウムの蛍光)および665nm(Aカウント、
XL665の蛍光)の2つの波長で蛍光出力を測定する。蛍光共鳴エネルギー移
動の程度は、これらの2つの値の間の比率として評価する。典型的には、この比
率を10,000倍して自然数を得る。
の供与体−受容体ペアを使用することができる:ダンシル/フルオレセイン、フ
ルオレセイン/ローダミン、トリプトファン/アミノクマリン。
で使用するための、蛍光試薬で標識された核内受容体またはそのリガンド結合ド
メインを提供する。本発明はまた、蛍光試薬で標識されたCBP、p300もし
くは他の核内受容体コアクチベーターまたはその結合部分を提供する。
、PPARα、PPARγおよびPPARδ、PPARα、PPARγおよびP
PARδのリガンド結合ドメイン、およびヒトPPARγ1のアミノ酸残基17
6〜478よりなる群から選ばれ、該蛍光試薬は、XL665およびユウロピウ
ムクリプテート(Eu3+K)よりなる群から選ばれる。
ベーターを、XL665およびユウロピウムクリプテート(Eu3+K)よりな
る群から選ばれる蛍光試薬で標識する。
ために、本発明者らは、NH2−末端のアミノ酸1〜113(hCBP1−11
3)およびヒトCBPのアミノ酸1〜453(hCBP1−453)をコードす
るヒトcDNA断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によりクローニングした
。ヒトCBPのDNAおよびアミノ酸配列は、Borrowら, 1996,
Nature Genet. 14:33−41およびGenBank受託番号
U47741に開示されている。
AAGCCATG GCTGAGAACTTGCTGGACGG−3’(配列番
号9)および5’−CACAAAGC TTAGGCCATGTTAGCACT
GTTCGG−3’(配列番号10)であった。これらのプライマーは0.9k
bのDNA断片を増幅すると予想された。
CATGGCT GAGAACTTGCTGGACGG−3’(配列番号9)お
よび5’−CTCAGTCGACTTAT TGAATTCCACTAGCTG
GAGATCC−3’(配列番号11)であった。これらのプライマーは1.5
kbのDNA断片を増幅すると予想された。
ene, Catalogue #IS 937227)であった。もちろん、
CBPを発現する組織からの任意のヒトcDNAライブラリーを使用することが
可能であったであろう。該PCRにより0.9kbおよび1.5kbのDNA断
片を増幅し、それらを制限エンドヌクレアーゼで消化し、pBluescrip
t IIベクター中に連結した。増幅された断片が、ヒトCBPの公開されてい
る対応核酸配列と同一であることを、DNA配列決定分析により確認した。
Aライブラリーから増幅しクローニングするために、前記のヒトCBPの公的に
入手可能な配列に基づき、他のプライマーを容易に同定し調製することが可能で
あろう。ヒトCBPのそのような部分が得られたら、hCBP1−113および
hCBP1−453に関して本明細書に記載されているものと同様にして、それ
らを本発明方法において使用することが可能であろう。ヒトCBPのアミノ酸配
列を図7Aに示し、ヒトCBPをコードするcDNAの核酸配列を図7Bに示す
。
ドおよびグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)の融合タンパク質をコ
ードするベクターを構築し、大腸菌(E. coli)内で発現させた。該PC
R断片を発現ベクターpGEX(Pharmacia Biotech)中にサ
ブクローニングして、pGEXhCBP1−113およびpGEXhCBP1−
453を得た。pGEXhCBP1−113およびpGEXhCBP1−453
を大腸菌(E. coli)のDH5α株(GIBCO BRL)中にトランス
フェクトし、pGEXhCBP1−113またはpGEXhCBP1−453を
保持する細菌を、LB培地(GIBCO BRL)中でOD600=0.7〜1
.0の密度まで培養し、IPTG(イソプロピルチオ−β−ガラクトシド)を0
.2mMの最終濃度まで加えることにより該GST−CBP融合タンパク質を過
剰発現するように誘導した。IPTGで誘導された培養を更に室温で2〜5時間
増殖させた。該細胞を、5000gで10分間の遠心分離により収穫した。グル
タチオンセファロースビーズを使用するPharmacia Biotechの
方法に従い、GST−CBP融合タンパク質の精製に該細胞ペレットを使用した
。hCBP1−113およびhCBP1−453タンパク質を、対応するGST
融合タンパク質をトロンビンで切断することにより得た。SDS−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動分析は、pGEXhCBP1−113からの調製物が、12
kdおよび10kdの見掛け分子量を有する2つのポリペプチドバンドを与える
ことを示した。該12kdバンドはhCBP1−113の予想されるサイズであ
り、該10kdバンドは、十中八九、未成熟翻訳終結産物であろう。pGEXh
CBP1−450からの調製物は、予想される50kdのサイズを有する単一の
バンドを与えた。
ー中にサブクローニングして、GST−PPARαおよびGST−PPARγ1
融合タンパク質を大腸菌(E. coli)内で産生させた。PPARγ1をヒ
ト脂肪細胞cDNAライブラリーからクローニングした(Elbrechtら,
1996, Biochem. Biophys. Res. Comm.
224:431−437を参照されたい)。ヒトPPARγ1リガンド結合ドメ
イン(PPARγ1LBD; PPARγ1のアミノ酸176−478)をコー
ドするcDNAを、Xho I(該LBDのN末端に位置する部位)/Xba
I(pSG5ベクター中に位置する部位)断片として、修飾pSG5ベクターか
らサブクローニングした。該Xba I部位をT4 DNAポリメラーゼで平滑
末端化した。該LBDを含有する1.1kbの断片をアガロースゲルから精製し
、Xho IおよびHind IIIで消化されたpGEX−KG(Guanお
よびDixon, 1991, Anal Biochem 192:262−
267を参照されたい)(該Hind III部位はT4 DNAポリメラーゼ
で平滑末端化されている)中に連結した。GST−hPPARγ1LBDおよび
hPPARγ1LBD(GSTから切断遊離した該リガンド結合ドメイン)の産
生のために、この構築物を使用した。PPARα、PPARγ1およびPPAR
γ1LBDの過剰発現および精製は、CBPに関して前記したとおりに行なった
。
2, Mol. Endocrinol. 6:1634−1641およびGe
nBank受託番号L07592に開示されている。図8Aおよび8Bを参照さ
れたい。
5, Gene Expr. 4:281−299; Qiら, 1995,
Mol. Cell. Biol. 15:1817−1825; Elbre
chtら, 1996, Biochem. Biophys. Res. C
omm. 224:431−437およびGenBank受託番号L40904
に開示されている。図9Aおよび9Bを参照されたい。ヒトPPARγ2は、2
3アミノ酸のアミノ末端の付加以外はヒトPPARγ1と同じアミノ酸を含有す
る(Elbrechtら, 1996, Biochem. Biophys.
Res. Comm. 224:431−437)。したがって、ヒトPPA
Rγ2のリガンド結合ドメインのアミノ酸配列とヒトPPARγ1のリガンド結
合ドメインのアミノ酸配列とでは、アミノ酸の番号づけにおいては異なっている
が(ヒトPPARγ1では176〜478、ヒトPPARγ2では200〜50
2)、配列は同一である。
Biochemistry 32:5598−5604およびGenBank受
託番号L02932に開示されている。図10A〜Cを参照されたい。
った。PIERCEが示している方法に従い、ビオチン:hPPARγ1LBD
の比が3:1となるように、精製hPPARγ1LBDをスルホ−NHS−LC
−ビオチン(PIERCE)でビオチン化した。精製hCBP1−113を、図
1に例示している方法によりユウロピウムクリプテート(Eu3+K)で直接標
識した。ビオチンで標識されたhPPARγ1LBD、Eu3+Kで標識された
hCBP1−113、およびストレプトアビジンで標識されたXL665(PA
CKARDからのSA−XL665)を、1μMの公知PPARγアゴニスト(
BRL49653またはAD5075)の存在下または不存在下、一緒にインキ
ュベートした。
ト(Eu3+K)および受容体として作用するXL665の蛍光試薬ペアを使用
する。hCBP1−113はユウロピウムクリプテート(Eu3+K)で直接標
識し、hPPARγ1LBDは、ビオチン−ストレプトアビジン連結を用いてX
L665で間接的に標識した。ユウロピウムクリプテート(Eu3+K)の最大
発光は、XL665の最大吸収と重複する。したがって、ユウロピウムクリプテ
ート(Eu3+K)とXL665とが接近しており該サンプルに337nm(ユ
ウロピウムクリプテート(Eu3+K)の最大吸収)の光を照射した場合、ユウ
ロピウムクリプテート(Eu+K)とXL665との間でFRETが生じうる。
このFRETは、665nmにおけるXL665による発光の増加として現れる
。図2は、この実験(表1の実験)で用いる方法の概要を示す。アゴニストがh
PPARγ1LBDに結合すると、hPPARγ1LBDとhCBP1−113
との間で特異的相互作用が生じ、FRETが生じるのに十分な程度にユウロピウ
ムクリプテート(Eu3+K)とXL665とが接近する。アゴニストの不存在
下では、hPPARγ1LBDとhCBP1−113との間で相互作用が生じな
いため、ユウロピウムクリプテート(Eu+K)とXL665とが接近せず、F
RETは生じない。FRETが生じると、XL665の最大発光(665nm)
においてサンプルが放出する光の量は、ユウロピウムクリプテート(Eu3+K
)の最大発光(620nm)においてサンプルが放出する光の量に対して相関的
に増加する。したがって、アゴニストであると疑われる物質の存在下および不存
在下での620nmにおける発光に対する665nmにおける発光の比率の測定
は、その物質が実際にアゴニストであるか否かの判定を可能にする。該物質がア
ゴニストであれば、該物質の存在下での620nmにおける発光に対する665
nmにおける発光の比率の増加が観察されるであろう。
った。反応バッファー(500mM KF、0.1%ウシ血清アルブミンBSA
を含有するPBSまたはHEPES、後記を参照されたい)の適当な容量(合計
250μl)を各ウェルに加え、ついでリガンド(最終濃度1μMのBRL49
653またはAD5075)および0.1%ジメチルスルホキシド(DMSO)
またはビヒクル対照(0.1%DMSO)、Eu3+K標識hCBP(100n
M)、ビオチン−hPPARγ1LBD(100nM)およびストレプトアビジ
ン標識XL665(100nM)を適当なウェルに加えた。混合後、200μl
の反応混合物を新たなウェルに移した。該プレートを蛍光共鳴エネルギー移動(
FRET)に関して直接測定するか、またはシーリングテープ(PACKARD
)で覆って蒸発を防ぎ、FRETの測定前に室温で24時間までインキュベート
した。
.3mM Na2HPO4, 1.4mM KH2PO4, pH7.4)を使
用して行なった。AD5075の存在下で認められた、より大きな発光比率は、
hCBP1−113とhPPARγ1LBDとの間の特異的相互作用がアゴニス
トAD5075の存在下で生じたことを示している。FRETが生じていること
は明らかであったが、シグナル−ノイズ比は小さかった。表1の実験2では、P
BSの代わりに、0.05% NP40(Nonidet P−40)を含有す
るHEPESバッファー(N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エ
タンスルホン酸, 100mM, pH7.0)を使用し、改善されたシグナル
−ノイズ比を得た。
変更した。実験3では、SA−XL665(500nM)、ビオチン標識hPP
ARγ1LBD(100nM)、GST−hCBP1−113およびEu3+K
標識抗GST抗体(2.5μl)を、0.05% NP40を含有するHEPE
Sバッファー中、AD5075(1μM)の存在下または不存在下でインキュベ
ートした。2倍のシグナル−ノイズ比を得た。図3は、実験3で用いる方法の概
要を示す。
armacia(カタログ番号27−4577−01)からのGSTに対するヤ
ギ抗体であった。
験4は、それらの努力から得られた結果を例証するものである。より長いhCB
P断片をコードするcDNAをクローニングし、発現させて、hCBP1−45
3を得た。hCBP1−453をビオチン化した。ビオチン標識hCBP1−4
53(25nM)、SA−XL665(100nM)、GST−hPPARγ1
LBD(1nM)およびEu3+K標識抗GST抗体(2nM)を、1μM A
D5075の存在下または不存在下で一緒に混合した。界面活性剤を、0.05
% NP40から0.5% CHAPS(3−{[3−コラミドプロピル]ジメ
チル−アンモニオール}−1−プロパンスルホナート)に変更した。3〜4倍の
シグナル−ノイズ比が得られた。図4は、実験4および同様の実験で用いた方法
を示す。
る選ばれた抗糖尿病インスリン増感剤のインビトロ結合および転写活性化アッセ
イからの既に報告されている結果(Elbrechtら, 1996, Bio
chem Biophys Res Comm 224:431−437)との
間の相関性を、それらの公知PPARγアゴニストを前記アッセイにおいて滴定
し、そのようにして得られたEC50を、該公知アゴニストの結合または転写活
性化アッセイにおける効力に関する既に記載されている値と比較することにより
分析した。結果を図5に示す。図5から、以下のEC50を導き出すことができ
る: AD5075=8nM BRL49653=53nM トログリタゾン=646nM ピオグリタゾン=890nM
化研究(Elbrechtら, 1996, Biochem Biophys
Res Comm 224:431−437)で得られた値と厳密に一致する
。
結合定数を測定することにより特徴づけるために、前記アッセイを用いることが
できる。図6は、そのような応用の一例を示す。飽和量のPPARγアゴニスト
(10μM BRL49653)を使用した。非ビオチン化hCBP1−453
をその濃度を増加させながら使用して、ビオチン−hCBP−PPARγ1LB
D複合体を滴定し、蛍光エネルギー移動を減少させた。図6に例示する結果から
、hCBP1−453とPPARγ1LBDとの相互作用に関する300nMの
Kdを導き出すことができ、このKd(300nM)は、CBPとPPARγと
のアフィニティーの尺度となる。
ない。実際に、本明細書に記載のものに加えて本発明の種々の修飾が、以上の記
載から当業者に明らかであろう。そのような修飾は、添付の請求の範囲の範囲内
に含まれると意図される。
より本明細書に組入れるものとする。
蛍光標識する方法を例示する。
す。−−〇−−=AD5075、−−□−−=ピオグリタゾン、−−×−−=ト
ログリタゾン、−−◇−−=BRL49653。
オープンリーディングフレームは76〜1290位に存在する。
す。オープンリーディングフレームは217〜1623位に存在する。
示す。オープンリーディングフレームは173〜1609位に存在する。
す。オープンリーディングフレームは338〜1663位に存在する。
す。
Claims (27)
- 【請求項1】 (a)第1蛍光試薬で標識された核内受容体またはそのリガ
ンド結合ドメイン、 (b)第2蛍光試薬で標識されたCBP、p300もしくは他の核内受容体
コアクチベーターまたはその結合部分、および (c)該核内受容体のアゴニストであると疑われる物質 を、該物質が該核内受容体のアゴニストである場合に該核内受容体またはそのリ
ガンド結合ドメインとCBP、p300もしくは他の核内受容体コアクチベータ
ーまたはその結合部分との結合が生じる条件下で供給し、 (d)該第1蛍光試薬と該第2蛍光試薬との間の蛍光共鳴エネルギー移動(
FRET)を測定することを含んでなる、核内受容体のアゴニストの同定方法で
あって、該物質が該核内受容体のアゴニストであることがFRETの発生により
示されることを特徴とする方法。 - 【請求項2】 該核内受容体またはそのリガンド結合ドメインが、ステロイ
ド受容体、甲状腺ホルモン受容体、レチノイン酸受容体、ペルオキシソーム増殖
因子活性化受容体、レチノイドX受容体、グルココルチコイド受容体、ビタミン
D受容体、LXRおよびFXRよりなる群から選ばれる、請求項1に記載の方法
。 - 【請求項3】 該核内受容体またはそのリガンド結合ドメインが、完全長核
内受容体、核内受容体のリガンド結合ドメイン、および核内受容体のAF−2部
位よりなる群から選ばれる、請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】 該核内受容体またはそのリガンド結合ドメインが核内受容体
のAF−2部位を含む、請求項1に記載の方法。 - 【請求項5】 該核内受容体またはそのリガンド結合ドメインが、完全長P
PAR、PPARのリガンド結合ドメイン、ヒトPPARγ1のアミノ酸残基1
76〜478よりなる群から選ばれる、請求項1に記載の方法。 - 【請求項6】 該核内受容体またはそのリガンド結合ドメインが、PPAR
α、PPARγ1、PPARγ2およびPPARδよりなる群から選ばれる、請
求項1に記載の方法。 - 【請求項7】 該核内受容体またはそのリガンド結合ドメインが、ヒトRA
Rαのアミノ酸143〜462、ラットT3Rα1のアミノ酸122〜410、
マウスRXRγのアミノ酸227〜463およびヒトERのアミノ酸251〜5
95よりなる群から選ばれるリガンド結合ドメインを含む、請求項1に記載の方
法。 - 【請求項8】 CBP、p300もしくは他の核内受容体コアクチベーター
またはその結合部分が、完全長ヒトCBP、完全長マウスCBP、ヒトCBPの
アミノ酸残基1〜113、およびヒトCBPのアミノ酸残基1〜453よりなる
群から選ばれる、請求項1に記載の方法。 - 【請求項9】 該第1蛍光試薬が、XL665およびユウロピウムクリプテ
ート(Eu3+K)よりなる群から選ばれる、請求項1に記載の方法。 - 【請求項10】 該第2蛍光試薬が、XL665およびユウロピウムクリプ
テート(Eu3+K)よりなる群から選ばれる、請求項1に記載の方法。 - 【請求項11】 (a)第1蛍光試薬で標識された核内受容体またはそのリ
ガンド結合ドメイン、 (b)核内受容体コアクチベーターの結合部分(該結合部分はアミノ酸配列
LXXLLを含有し、該結合部分は第2蛍光試薬で標識されている)、および (c)該核内受容体のアゴニストであると疑われる物質 を、該物質が該核内受容体のアゴニストである場合に該核内受容体またはそのリ
ガンド結合ドメインと該核内受容体コアクチベーターの結合部分との結合が生じ
る条件下で供給し、 (d)該第1蛍光試薬と該第2蛍光試薬との間の蛍光共鳴エネルギー移動(
FRET)を測定することを含んでなる、核内受容体のアゴニストの同定方法で
あって、該物質が該核内受容体のアゴニストであることがFRETの発生により
示されることを特徴とする方法。 - 【請求項12】 該核内受容体コアクチベーターの結合部分が、ヒトRIP
−140、ヒトSRC−1、マウスTIF−2、ヒトまたはマウスCBP、ヒト
またはマウスp300、マウスTIF−1およびヒトTRIPタンパク質よりな
る群から選ばれる、請求項11に記載の方法。 - 【請求項13】 (a)第1蛍光試薬で標識された核内受容体またはそのリ
ガンド結合ドメイン、 (b)アミノ酸配列LXXLLを含有し第2蛍光試薬で標識されているポリ
ペプチド、および (c)該核内受容体のアゴニストであると疑われる物質 を、該物質が該核内受容体のアゴニストである場合に該核内受容体またはそのリ
ガンド結合ドメインと該ポリペプチドとの結合が生じる条件下で供給し、 (d)該第1蛍光試薬と該第2蛍光試薬との間の蛍光共鳴エネルギー移動(
FRET)を測定することを含んでなる、核内受容体のアゴニストの同定方法で
あって、該物質が該核内受容体のアゴニストであることがFRETの発生により
示されることを特徴とする方法。 - 【請求項14】 (a)第1蛍光試薬で標識された核内受容体またはそのリ
ガンド結合ドメイン、 (b)第2蛍光試薬で標識されたCBP、p300もしくは他の核内受容体
コアクチベーターまたはその結合部分、 (c)該核内受容体のアゴニスト、および (d)該核内受容体のアンタゴニストであると疑われる物質 を、該物質の不存在下で該核内受容体またはそのリガンド結合ドメインとCBP
、p300もしくは他の核内受容体コアクチベーターまたはその結合部分との結
合が生じる条件下で供給し、 (d)該物質が存在する場合の該第1蛍光試薬と該第2蛍光試薬との間の蛍
光共鳴エネルギー移動(FRET)を測定し、該物質が存在しない場合の該第1
蛍光試薬と該第2蛍光試薬との間のFRETを測定することを含んでなる、核内
受容体のアンタゴニストの同定方法であって、該物質が該核内受容体のアンタゴ
ニストであることが、該物質が存在する場合のFRETの減少により示されるこ
とを特徴とする方法。 - 【請求項15】 該核内受容体またはそのリガンド結合ドメインが、ステロ
イド受容体、甲状腺ホルモン受容体、レチノイン酸受容体、ペルオキシソーム増
殖因子活性化受容体、レチノイドX受容体、グルココルチコイド受容体、ビタミ
ンD受容体、LXRおよびFXRよりなる群から選ばれる、請求項14に記載の
方法。 - 【請求項16】 該核内受容体またはそのリガンド結合ドメインが、完全長
核内受容体、核内受容体のリガンド結合ドメイン、および核内受容体のAF−2
部位よりなる群から選ばれる、請求項14に記載の方法。 - 【請求項17】 該核内受容体またはそのリガンド結合ドメインが核内受容
体のAF−2部位を含む、請求項14に記載の方法。 - 【請求項18】 該核内受容体またはそのリガンド結合ドメインが、完全長
PPAR、PPARのリガンド結合ドメイン、ヒトPPARγ1のアミノ酸残基
176〜478よりなる群から選ばれる、請求項14に記載の方法。 - 【請求項19】 該核内受容体またはそのリガンド結合ドメインが、PPA
Rα、PPARγ1、PPARγ2およびPPARδよりなる群から選ばれる、
請求項14に記載の方法。 - 【請求項20】 該核内受容体またはそのリガンド結合ドメインが、ヒトR
ARαのアミノ酸143〜462、ラットT3Rα1のアミノ酸122〜410
、マウスRXRγのアミノ酸227〜463およびヒトERのアミノ酸251〜
595よりなる群から選ばれるリガンド結合ドメインを含む、請求項14に記載
の方法。 - 【請求項21】 CBP、p300もしくは他の核内受容体コアクチベータ
ーまたはその結合部分が、完全長CBP、ヒトCBPのアミノ酸残基1〜113
、およびヒトCBPのアミノ酸残基1〜453よりなる群から選ばれる、請求項
14に記載の方法。 - 【請求項22】 該第1蛍光試薬が、XL665およびユウロピウムクリプ
テート(Eu3+K)よりなる群から選ばれる、請求項14に記載の方法。 - 【請求項23】 該第2蛍光試薬が、XL665およびユウロピウムクリプ
テート(Eu3+K)よりなる群から選ばれる、請求項14に記載の方法。 - 【請求項24】 蛍光試薬で標識された核内受容体またはそのリガンド結合
ドメイン。 - 【請求項25】 該核内受容体またはそのリガンド結合ドメインが、PPA
Rα、PPARγ1、PPARγ2、PPARδおよびPPARα、PPARγ
1、PPARγ2またはPPARδのリガンド結合ドメインならびにヒトPPA
Rγ1のアミノ酸残基176〜478よりなる群から選ばれ、該蛍光試薬が、X
L665およびユウロピウムクリプテート(Eu3+K)よりなる群から選ばれ
る、請求項24に記載の核内受容体またはそのリガンド結合ドメイン。 - 【請求項26】 蛍光試薬で標識されたCBP、p300もしくは他の核内
受容体コアクチベーターまたはその結合部分。 - 【請求項27】 該蛍光試薬が、XL665およびユウロピウムクリプテー
ト(Eu3+K)よりなる群から選ばれる、請求項26に記載のCBP、p30
0もしくは他の核内受容体コアクチベーターまたはその結合部分。
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