JP2008083042A - 分子認識素子及び該分子認識素子を用いたバイオセンサ並びに該バイオセンサを用いた測定方法。 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、高速、特異的かつ高感度に測定物質を検出できる分子認識素子及び該分子認識を用いたバイオセンサ並びに該バイオセンサを用いた測定方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、分子認識素子にナノ粒子又は金属タンパク質を結合させて、該分子認識素子が測定物質を認識することで起こるコンホメーション変化による物理的変化を信号に変換することにより、高速、特異的かつ高感度に測定物質を検出できることを見出し、本発明を完成した。
【選択図】なし
本発明は、高速、特異的かつ高感度に測定物質を検出できる分子認識素子及び該分子認識を用いたバイオセンサ並びに該バイオセンサを用いた測定方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、分子認識素子にナノ粒子又は金属タンパク質を結合させて、該分子認識素子が測定物質を認識することで起こるコンホメーション変化による物理的変化を信号に変換することにより、高速、特異的かつ高感度に測定物質を検出できることを見出し、本発明を完成した。
【選択図】なし
Description
本発明は、分子認識素子及び該分子認識素子を用いたバイオセンサに関し、特に、分子認識素子のコンホメーション変化による物理的変化を特異的かつ高感度で検出することを特徴とするバイオセンサに関する。加えて、本発明は、再利用可能なバイオセンサ に関し、特に、測定後のバイオセンサの基板に物理的刺激を加えることを特徴とするバイオセンサに関する。
バイオセンサは、生物の分子を認識する機構に基づき、分子や化学情報を信号特に電子信号に変換するシステムである。バイオセンサの基本要素である分子認識素子やトランスデューサー(信号変換装置)は、従来、酵素や抗体などの生体分子を電極などに固定化し、構成してきたが、選択性や安定性に乏しく、医療、環境などの分野での実用化に障害となっている。
また、従来のバイオセンサは、一般的にディスポーザブル型(使い捨て型)であり、また再利用可能型のバイオセンサは、再利用を可能とするには測定後に、洗浄液によって分子認識素子に結合した測定物質を溶離させる必要があった。このような洗浄作業は煩雑な操作であり、非測定物質を連続的に多検体を測定するには大きな問題となっていた。
また、測定物質の周期的変動を連続的にモニターするために生体内、汚染された水質(湖、池、下水道、海等)に配置・測定することができなかった。
今後バイオセンサが利用される分野として注目されている生体内例えば、血液、腸特に小腸、胃等などの病巣部位で特定的に発現しているタンパク質等(測定物質)の検出には従来公知のバイオセンサは用いることができない。
また、測定物質の周期的変動を連続的にモニターするために生体内、汚染された水質(湖、池、下水道、海等)に配置・測定することができなかった。
今後バイオセンサが利用される分野として注目されている生体内例えば、血液、腸特に小腸、胃等などの病巣部位で特定的に発現しているタンパク質等(測定物質)の検出には従来公知のバイオセンサは用いることができない。
一方、バイオセンサに用いる分子認識素子の設計、創製のために、ファージディスプレイ法、モレキュラーインプリント法、コンビナトリアル化学合成法、遺伝的アルゴリズム法や微生物、動物細胞、ウィルスを用いた大量発現系などを用いた方法がある。
測定物質の一部のみを認識するように設計されている既存の分子認識素子において結合力がそもそも弱い等の問題があった。このため、測定物質を特定的、高感度に検出するには問題があった。
上記信号を高感度に検出する一つの手段として、測定物質を認識したタンパク質のコンホメーション変化を、酸化還元レポーターと電極表面間の幾何学的相互作用の変化による電位差又は電流として検出するバイオセンサが開示されている(特許文献1)。また、コンフォメーションの変化を偏光やインピーダンス変化(非特許文献1)や電気化学的手法であるサイクリックボルタンメトリー法(非特許文献2)にて検出した方法が開示されている。
しかし、上記バイオセンサでは再利用が可能ではない。また、本発明のバイオセンサは、ナノ粒子又は金属タンパク質を用いるので、上記バイオセンサとはバイオセンサの原理が異なる。
しかし、上記バイオセンサでは再利用が可能ではない。また、本発明のバイオセンサは、ナノ粒子又は金属タンパク質を用いるので、上記バイオセンサとはバイオセンサの原理が異なる。
また、分子認識素子と測定物質の親和性を向上させるために、動作電極を振動させることを特徴とするバイオセンサが開示されている(特許文献2)。
しかし、上記バイオセンサは、分子認識素子と測定物質の接触効率を向上させるものであり、分子認識素子が測定物質と結合したとしてもその結合変化が十分に信号として検出できない。さらに、バイオセンサの再理由に関しては何も開示されていない。
しかし、上記バイオセンサは、分子認識素子と測定物質の接触効率を向上させるものであり、分子認識素子が測定物質と結合したとしてもその結合変化が十分に信号として検出できない。さらに、バイオセンサの再理由に関しては何も開示されていない。
以上により、測定物質を特異的かつ強固に認識可能であり、さらにコンホメーション変化が十分に信号として変換される分子認識素子及び該分子認識素子を用いたバイオセンサ、さらには洗浄操作等を必要とすることなく周期的変動を連続的にモニタリングをすることができる再利用可能なバイオセンサの開発が望まれていた。
特表2005−502045号公報
特開2006−098110号公報
J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 117-124
J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 542-557
本発明の課題は、上記問題を解決できる分子認識素子及び該分子認識を用いたバイオセンサ並びに該バイオセンサを用いた測定方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究し、分子認識素子にナノ粒子又は金属タンパク質を結合させて、該分子認識素子が測定物質を認識することで起こるコンホメーション変化による物理的変化を信号に変換することにより、高速、特異的かつ高感度に測定物質を検出できることを見出した。さらに、本発明者らは、測定後のバイオセンサの基板に物理的刺激を加え、該物理的刺激が測定物質を認識している分子認識素子のコンホメーション変化を起こし、該測定物質を放出させることが可能であることを見出した。
以上により、本件発明を完成するに至った。
以上により、本件発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下を含む。
「1.測定物質を認識する認識部位と、該認識部位に接続されたリンカーと、該リンカーの任意の位置に結合されたナノ粒子又は金属タンパク質を少なくとも備え、前記認識部位にて測定物質を認識してコンホメーション変化を発生することを特徴とする分子認識素子。
2.前記認識部位を、複数個有することを特徴とする前項1に記載の分子認識素子。
3.(1)測定物質を認識する認識部位と、該認識部位に接続されたリンカーと、該リンカーの任意の位置に結合されたナノ粒子又は金属タンパク質を少なくとも備え、前記認識部位にて測定物質を認識してコンホメーション変化を発生する分子認識素子と、
(2)該分子認識素子を直接的又は間接的に固定化するための基板と、
(3)該コンホメーション変化による物理的変化を検出する手段と、
を含むことを特徴とするバイオセンサ。
4.(1)測定物質を認識する認識部位と、該認識部位に接続されたリンカーと、該リンカーの任意の位置に結合されたナノ粒子又は金属タンパク質を少なくとも備え、前記認識部位にて測定物質を認識してコンホメーション変化を発生する分子認識素子と、
(2)該分子認識素子を直接的又は間接的に固定化するための基板と、
(3)該コンホメーション変化による物理的変化を検出する手段と、
(4)物理的刺激を該基板に印加する手段と、
を含むことを特徴とするバイオセンサ。
5.さらに、(5)前記コンホメーション変化による物理的変化の信号を記録する手段及び測定環境外に送信する手段の少なくとも一方を含むことを特徴とする前項3又は4に記載のバイオセンサ。
6.前記物理的刺激を基板に印加する手段により、前記測定物質を分子認識素子から放出させることを特徴とする前項3〜5のいずれか1に記載のバイオセンサ。
7.前記測定物質を分子認識素子から放出させることによりバイオセンサの再利用が可能であることを特徴とする前項6に記載のバイオセンサ。
8.前記認識部位を、複数個有することを特徴とする前項3〜7のいずれか1に記載のバイオセンサ。
9.前記検出手段は、前記分子認識素子に結合したナノ粒子又は金属タンパク質と前記基板間の距離の変化を信号に変換して検出する手段であることを特徴とする前項3〜8のいずれか1に記載のバイオセンサ。
10.前記測定物質を分子認識素子から放出する手段は、前記基板を振動させることにより前記分子認識素子に振動を伝えて測定物質を放出させることを特徴とする前項6〜9のいずれか1に記載のバイオセンサ。
11.前記測定物質を分子認識素子から放出する手段は、前記分子認識素子自身を振動させて測定物質を放出させることを特徴とする前項6〜9のいずれか1に記載のバイオセンサ。
12.前記測定物質を分子認識素子から放出する手段は、前記分子認識素子のコンホメーションを変化させて測定物質を放出させることを特徴とする前項6〜9のいずれか1に記載のバイオセンサ。
13.(1)基板に固定化されておりかつナノ粒子又は金属タンパク質を備える分子認識素子の認識部位に測定物質を認識させる工程と、
(2)該分子認識素子が測定物質を認識することにより発生するコンホメーション変化による物理的変化を検出する工程と、
を含むことを特徴とする測定物質の測定方法。
14.(1)基板に固定化されておりかつナノ粒子又は金属タンパク質を備える分子認識素子の認識部位に測定物質を認識させる工程と、
(2)該分子認識素子が測定物質を認識することにより発生するコンホメーション変化による物理的変化を検出する工程と、
(3)該基板に物理的刺激を印加することにより前記測定物質を分子認識素子から放出する工程と、
を含むことを特徴とする測定物質の測定方法。
15.前記検出手段は、前記分子認識素子に結合したナノ粒子又は金属タンパク質と前記基板間の距離の変化を信号に変換して検出する方法であることを特徴とする前項13又は14に記載の測定物質の測定方法。
16.前記測定物質を分子認識素子から放出する手段は、前記基板を振動させることにより前記分子認識素子に振動を伝えて測定物質を放出させるこ方法であることを特徴とする前項13〜15のいずれか1に記載の測定物質の測定方法。
17.前記測定物質を分子認識素子から放出する手段は、前記分子認識素子自身を振動させて測定物質を放出させる方法であることを特徴とする前項13〜15のいずれか1に記載の測定物質の測定方法。
18.前記測定物質を分子認識素子から放出する手段は、前記分子認識素子のコンホメーションを変化させて測定物質を放出させる方法であることを特徴とする前項13〜15のいずれか1に記載の測定物質の測定方法。」
「1.測定物質を認識する認識部位と、該認識部位に接続されたリンカーと、該リンカーの任意の位置に結合されたナノ粒子又は金属タンパク質を少なくとも備え、前記認識部位にて測定物質を認識してコンホメーション変化を発生することを特徴とする分子認識素子。
2.前記認識部位を、複数個有することを特徴とする前項1に記載の分子認識素子。
3.(1)測定物質を認識する認識部位と、該認識部位に接続されたリンカーと、該リンカーの任意の位置に結合されたナノ粒子又は金属タンパク質を少なくとも備え、前記認識部位にて測定物質を認識してコンホメーション変化を発生する分子認識素子と、
(2)該分子認識素子を直接的又は間接的に固定化するための基板と、
(3)該コンホメーション変化による物理的変化を検出する手段と、
を含むことを特徴とするバイオセンサ。
4.(1)測定物質を認識する認識部位と、該認識部位に接続されたリンカーと、該リンカーの任意の位置に結合されたナノ粒子又は金属タンパク質を少なくとも備え、前記認識部位にて測定物質を認識してコンホメーション変化を発生する分子認識素子と、
(2)該分子認識素子を直接的又は間接的に固定化するための基板と、
(3)該コンホメーション変化による物理的変化を検出する手段と、
(4)物理的刺激を該基板に印加する手段と、
を含むことを特徴とするバイオセンサ。
5.さらに、(5)前記コンホメーション変化による物理的変化の信号を記録する手段及び測定環境外に送信する手段の少なくとも一方を含むことを特徴とする前項3又は4に記載のバイオセンサ。
6.前記物理的刺激を基板に印加する手段により、前記測定物質を分子認識素子から放出させることを特徴とする前項3〜5のいずれか1に記載のバイオセンサ。
7.前記測定物質を分子認識素子から放出させることによりバイオセンサの再利用が可能であることを特徴とする前項6に記載のバイオセンサ。
8.前記認識部位を、複数個有することを特徴とする前項3〜7のいずれか1に記載のバイオセンサ。
9.前記検出手段は、前記分子認識素子に結合したナノ粒子又は金属タンパク質と前記基板間の距離の変化を信号に変換して検出する手段であることを特徴とする前項3〜8のいずれか1に記載のバイオセンサ。
10.前記測定物質を分子認識素子から放出する手段は、前記基板を振動させることにより前記分子認識素子に振動を伝えて測定物質を放出させることを特徴とする前項6〜9のいずれか1に記載のバイオセンサ。
11.前記測定物質を分子認識素子から放出する手段は、前記分子認識素子自身を振動させて測定物質を放出させることを特徴とする前項6〜9のいずれか1に記載のバイオセンサ。
12.前記測定物質を分子認識素子から放出する手段は、前記分子認識素子のコンホメーションを変化させて測定物質を放出させることを特徴とする前項6〜9のいずれか1に記載のバイオセンサ。
13.(1)基板に固定化されておりかつナノ粒子又は金属タンパク質を備える分子認識素子の認識部位に測定物質を認識させる工程と、
(2)該分子認識素子が測定物質を認識することにより発生するコンホメーション変化による物理的変化を検出する工程と、
を含むことを特徴とする測定物質の測定方法。
14.(1)基板に固定化されておりかつナノ粒子又は金属タンパク質を備える分子認識素子の認識部位に測定物質を認識させる工程と、
(2)該分子認識素子が測定物質を認識することにより発生するコンホメーション変化による物理的変化を検出する工程と、
(3)該基板に物理的刺激を印加することにより前記測定物質を分子認識素子から放出する工程と、
を含むことを特徴とする測定物質の測定方法。
15.前記検出手段は、前記分子認識素子に結合したナノ粒子又は金属タンパク質と前記基板間の距離の変化を信号に変換して検出する方法であることを特徴とする前項13又は14に記載の測定物質の測定方法。
16.前記測定物質を分子認識素子から放出する手段は、前記基板を振動させることにより前記分子認識素子に振動を伝えて測定物質を放出させるこ方法であることを特徴とする前項13〜15のいずれか1に記載の測定物質の測定方法。
17.前記測定物質を分子認識素子から放出する手段は、前記分子認識素子自身を振動させて測定物質を放出させる方法であることを特徴とする前項13〜15のいずれか1に記載の測定物質の測定方法。
18.前記測定物質を分子認識素子から放出する手段は、前記分子認識素子のコンホメーションを変化させて測定物質を放出させる方法であることを特徴とする前項13〜15のいずれか1に記載の測定物質の測定方法。」
本発明では、高速、特異的かつ高感度に測定物質を検出できる分子認識素子及び該分子認識素子を用いたバイオセンサの提供を可能とした。
バイオセンサ用分子認識素子
本発明の「分子認識素子」は、測定物質を認識する認識部位と、該認識部位に接続されたリンカーと、該リンカーの任意の位置に結合されたナノ粒子又は金属タンパク質を少なくとも備える。なお、該分子認識素子は、測定物質を認識してコンホメーション変化を起こすものであれば特に限定されない。分子認識素子の例としては、人工的に創製したペプチド、天然由来のタンパク質又はその断片、抗体又はその断片、ペプチド等が挙げられる。
分子認識素子が熱スイッチングタンパク質(thermally switching protein)である場合には、温度検知ヘリカルコイルドコイルタンパク質であり、例えば、TipA(好適にはTipA8)、コラーゲン、ミオシン、CC1等である。
分子認識素子が感光性タンパク質である場合には、ロドプシンファミリータンパク質(好適にはバクテリオロドプシン)、クリプトクロム等である。
ここで、コンホメーション変化とは、分子認識素子が測定物質を認識している場合に、認識していない場合と比較して、基板表面との間の空間的位置、特に距離が変化することを意味する。
本発明の「分子認識素子」は、測定物質を認識する認識部位と、該認識部位に接続されたリンカーと、該リンカーの任意の位置に結合されたナノ粒子又は金属タンパク質を少なくとも備える。なお、該分子認識素子は、測定物質を認識してコンホメーション変化を起こすものであれば特に限定されない。分子認識素子の例としては、人工的に創製したペプチド、天然由来のタンパク質又はその断片、抗体又はその断片、ペプチド等が挙げられる。
分子認識素子が熱スイッチングタンパク質(thermally switching protein)である場合には、温度検知ヘリカルコイルドコイルタンパク質であり、例えば、TipA(好適にはTipA8)、コラーゲン、ミオシン、CC1等である。
分子認識素子が感光性タンパク質である場合には、ロドプシンファミリータンパク質(好適にはバクテリオロドプシン)、クリプトクロム等である。
ここで、コンホメーション変化とは、分子認識素子が測定物質を認識している場合に、認識していない場合と比較して、基板表面との間の空間的位置、特に距離が変化することを意味する。
さらに、分子認識素子は、2種以上の測定物質の認識部位を有することが好ましい。これは、分子認識素子が異なる測定物質の認識部位を複数持つ場合には、一つ持つ場合と比較して、測定物質の結合能を向上させることができる(参照:K. Yokoyama et al., Proceedings of the Second International and the Seventeenth American Peptide Symposium, Ed. M. Lebl and R. A. Houghten, American Peptide Society, 2001, 202-203)。
上記バイオセンサ用分子認識素子の創製方法として、測定物質に対して親和性を有するポリペプチドのスクリーニング方法が利用できる。例えば、ファージディスプレイ法、ペプチドシンセサイザーによるペプチド合成法、コンビナトリアルペプチドライブラリー方法、光を用いたパラレル合成法、部位特異的結合ペプチドの利用、相互作用する部位を検索してこれを利用する方法が挙げられる。しかしながら、本発明に用いることができるバイオセンサ用分子認識素子の創製方法は特に限定されず、目的とするアミノ酸配列を効率的に合成できる手法であれば良い。
また、2種以上の測定物質の認識部位を有する分子認識素子は、各認識部位をリンカーとなるペプチドで結合することで形成が可能である。なお、リンカーの配列及び鎖長は、コンピュータによるシュミレーション、既知のリンカー配列、相互作用をするタンパク質の結合部位周囲の配列を用いたものが挙げられるが、複数の結合ペプチド間を適度な物理的空間を保持していればよく、特に限定されない。
ナノ粒子又は金属タンパク質
本発明の「ナノ粒子又は金属タンパク質」は、分子認識素子に結合できるものであれば特に限定されない。
ナノ粒子の好適な大きさは、分子認識素子の大きさによって適宜選択されるが、好適には、直径が100マイクロメートル以下、好ましくは500ナノメートル以下、より好ましくは50ナノメートル以下、特に好ましくは10ナノメートル以下である。さらに、ナノ粒子は自体公知の磁性体粒子又は金属粒子であっても良い。なお、磁性体粒子自体は、磁性材料そのものを粒子状にしたものでも、ポリエスチレン等のポリマーに磁性材料を含浸させたものでもよい(非特許文献:Anal Bioanal Chem (2006) 384: 601-619)。
また、ナノ粒子と分子認識素子の結合方法は、特に限定されないが、化学修飾、吸着、アミノ酸配列(ヒスチジンタグ)の利用が挙げられる。何らかの結合様式により、結合が可能であればよく、限定されない。
金属タンパク質は、例えば、フェリチン、ヘモグロビン、ミオグロビン、オキシドレダクターゼ、デヒドロゲナーゼ、オキシゲナーゼ等が挙げられる。また、金属タンパク質と分子認識素子の結合方法は、特に限定されないが、分子認識素子上のシステイン(チオール)に結合したマレイミド官能基を介して分子認識素子と共有的に結合するのが好ましい。
この他、磁性タンパク質の利用をすることができる。
本発明の「ナノ粒子又は金属タンパク質」は、分子認識素子に結合できるものであれば特に限定されない。
ナノ粒子の好適な大きさは、分子認識素子の大きさによって適宜選択されるが、好適には、直径が100マイクロメートル以下、好ましくは500ナノメートル以下、より好ましくは50ナノメートル以下、特に好ましくは10ナノメートル以下である。さらに、ナノ粒子は自体公知の磁性体粒子又は金属粒子であっても良い。なお、磁性体粒子自体は、磁性材料そのものを粒子状にしたものでも、ポリエスチレン等のポリマーに磁性材料を含浸させたものでもよい(非特許文献:Anal Bioanal Chem (2006) 384: 601-619)。
また、ナノ粒子と分子認識素子の結合方法は、特に限定されないが、化学修飾、吸着、アミノ酸配列(ヒスチジンタグ)の利用が挙げられる。何らかの結合様式により、結合が可能であればよく、限定されない。
金属タンパク質は、例えば、フェリチン、ヘモグロビン、ミオグロビン、オキシドレダクターゼ、デヒドロゲナーゼ、オキシゲナーゼ等が挙げられる。また、金属タンパク質と分子認識素子の結合方法は、特に限定されないが、分子認識素子上のシステイン(チオール)に結合したマレイミド官能基を介して分子認識素子と共有的に結合するのが好ましい。
この他、磁性タンパク質の利用をすることができる。
測定物質
本発明の「測定物質」は、分子認識素子に特異的に認識されるものであれば特に限定されない。例えば、生体分子を含む有機分子および無機分子がある。具体的には、環境汚染物質(例えば、農薬、殺虫剤、毒等)、治療的分子(例えば、低分子量薬)、生体分子(例えば、タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、糖、ホルモン、サイトカイン、膜抗原、受容体(例えば、神経細胞の、ホルモンの、栄養素の、または細胞表面の受容体)、並びにそれらのリガンド、断片、全細胞(原核細胞、真核細胞を含み、哺乳類の腫瘍細胞を含む)、ウイルス(レトロウイルス、ヘルペスウイルス、アデノウイルス、レンチウイルス等)、並びに胞子であってよい。特に好ましい測定物質は、生体中の病変部位で特定的に発現する微量タンパク質特にヒト疾患腸管関連因子であるTNFα、IL-12、IL-6、血管内皮増殖因子(VEGF)等である。
本発明の「測定物質」は、分子認識素子に特異的に認識されるものであれば特に限定されない。例えば、生体分子を含む有機分子および無機分子がある。具体的には、環境汚染物質(例えば、農薬、殺虫剤、毒等)、治療的分子(例えば、低分子量薬)、生体分子(例えば、タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、糖、ホルモン、サイトカイン、膜抗原、受容体(例えば、神経細胞の、ホルモンの、栄養素の、または細胞表面の受容体)、並びにそれらのリガンド、断片、全細胞(原核細胞、真核細胞を含み、哺乳類の腫瘍細胞を含む)、ウイルス(レトロウイルス、ヘルペスウイルス、アデノウイルス、レンチウイルス等)、並びに胞子であってよい。特に好ましい測定物質は、生体中の病変部位で特定的に発現する微量タンパク質特にヒト疾患腸管関連因子であるTNFα、IL-12、IL-6、血管内皮増殖因子(VEGF)等である。
本発明のバイオセンサの原理
本発明は、分子認識素子が測定物質を認識することで起こるコンホメーション変化による物理的変化を高感度、特異的に信号に変換することを特徴とするバイオセンサに関する(図1B参照)。ここで、「コンホメーション変化による物理的変化を信号に変換する」とは、分子認識素子のコンホメーション変化を電気(電荷、電位、電流)量、磁気量、光量、熱量の変化として検出することを意味する。また、「信号」とは、電気(電荷、電位、電流)量、磁気量、光量、熱量の変化を意味する。
さらに、本発明のバイオセンサは、公知のバイオセンサとは異なり、物理的刺激を基板に加えることにより、測定物質を認識している分子認識素子のコンホメーション変化を起こし、該測定物質を放出させ、洗浄工程を必要としない再利用可能なバイオセンサである(図1A参照)。
本発明は、分子認識素子が測定物質を認識することで起こるコンホメーション変化による物理的変化を高感度、特異的に信号に変換することを特徴とするバイオセンサに関する(図1B参照)。ここで、「コンホメーション変化による物理的変化を信号に変換する」とは、分子認識素子のコンホメーション変化を電気(電荷、電位、電流)量、磁気量、光量、熱量の変化として検出することを意味する。また、「信号」とは、電気(電荷、電位、電流)量、磁気量、光量、熱量の変化を意味する。
さらに、本発明のバイオセンサは、公知のバイオセンサとは異なり、物理的刺激を基板に加えることにより、測定物質を認識している分子認識素子のコンホメーション変化を起こし、該測定物質を放出させ、洗浄工程を必要としない再利用可能なバイオセンサである(図1A参照)。
本発明のバイオセンサは、従来公知のバイオセンサとは異なり、分子認識素子にナノ粒子又は金属タンパク質が結合している。該ナノ粒子又は金属タンパク質の存在が、分子認識素子のコンホメーション変化による物理的変化を高感度、特異的に検出可能としている。
特に、分子認識素子は測定物質を認識するとコンホメーション変化を起こし、結果として、ナノ粒子又は金属タンパク質と基板間の空間的位置変化、特に距離が変化する。よって、該変化が電気(電荷、電位、電流)量、磁気量、光量、熱量の変化として検出することができる。
特に、分子認識素子は測定物質を認識するとコンホメーション変化を起こし、結果として、ナノ粒子又は金属タンパク質と基板間の空間的位置変化、特に距離が変化する。よって、該変化が電気(電荷、電位、電流)量、磁気量、光量、熱量の変化として検出することができる。
なお、上記変化を検出できる測定素子又は測定方法としては、自体公知の電極、イオン感応性電解効果型トランジスター(ISFET)、SPV(Surface photovoltage)素子、水晶振動子、フォトダイオード、発光素子、磁力検出素子、熱量検出素子(カロリーメーター)、SPR(表面プラズモン共鳴法)、偏光分析法、FCS(蛍光相関分析法)、FIDA(蛍光強度分析解析法)、FP(蛍光偏光法)、FRET(蛍光共鳴エネルギー移動)法、BRET(生物発光共エネルギー転移)法、電気化学的手法等が挙がられるが、上記変化を検出できるものであれば特に限定されない。上記測定素子を基板上又は基板周辺に備えることができる。なお、上記測定方法の場合には、本発明のバイオセンサを実行可能な装置に設置して測定を行う。
本発明のバイオセンサは、
(1)測定物質を認識する認識部位と、該認識部位に接続されたリンカーと、該リンカーの任意の位置に結合されたナノ粒子又は金属タンパク質を少なくとも備え、前記認識部位にて測定物質を認識してコンホメーション変化を発生する分子認識素子と、
(2)該分子認識素子を直接的又は間接的に固定化するための基板と、
(3)該コンホメーション変化による物理的変化を検出する手段と、
を含むことを特徴とするバイオセンサである。
また、本発明のバイオセンサは、
(1)測定物質を認識する認識部位と、該認識部位に接続されたリンカーと、該リンカーの任意の位置に結合されたナノ粒子又は金属タンパク質を少なくとも備え、前記認識部位にて測定物質を認識してコンホメーション変化を発生する分子認識素子と、
(2)該分子認識素子を直接的又は間接的に固定化するための基板と、
(3)該コンホメーション変化による物理的変化を検出する手段と、
(4)物理的刺激を該基板に印加する手段と、
を含むことを特徴とするバイオセンサである。
(1)測定物質を認識する認識部位と、該認識部位に接続されたリンカーと、該リンカーの任意の位置に結合されたナノ粒子又は金属タンパク質を少なくとも備え、前記認識部位にて測定物質を認識してコンホメーション変化を発生する分子認識素子と、
(2)該分子認識素子を直接的又は間接的に固定化するための基板と、
(3)該コンホメーション変化による物理的変化を検出する手段と、
を含むことを特徴とするバイオセンサである。
また、本発明のバイオセンサは、
(1)測定物質を認識する認識部位と、該認識部位に接続されたリンカーと、該リンカーの任意の位置に結合されたナノ粒子又は金属タンパク質を少なくとも備え、前記認識部位にて測定物質を認識してコンホメーション変化を発生する分子認識素子と、
(2)該分子認識素子を直接的又は間接的に固定化するための基板と、
(3)該コンホメーション変化による物理的変化を検出する手段と、
(4)物理的刺激を該基板に印加する手段と、
を含むことを特徴とするバイオセンサである。
ここで、「物理的刺激」とは、分子認識素子が測定物質を認識している状態のコンホメーションを強制的に変化させることができる力を言う。例としては、基板を振動させることにより、分子認識素子に振動を伝えて測定物質を放出させる方法、磁性ナノ粒子と基板間の磁力を変化させることにより、分子認識素子自身を振動させて測定物質を放出させる方法、又は金属粒子と基板間の電力を変化させることにより、分子認識素子自身を振動させて測定物質を放出させる方法、がある。
物理的刺激を基板に印加する手段は、より詳しくは以下の通りである。
(1)基板に磁性体を備え、該磁性体と対に磁体を設け、該磁体のN,S極を交互に変更させることで該基板を振動させる手段、
(2)基板に+あるいは−の電荷を帯電させた帯電部位を備え、該帯電部位と対になるように電極を設け、該電極を+,−に交互に変更させることで該基板を振動させる手段、
(3)基板に、温度により変形する変形部位を備え、該変形部位に接するようにペルチェ素子を設け、該ペルチェ素子を冷・暖に交互に変更させることで該基板を振動させる手段、
(4)分子認識素子に磁性体ナノ粒子が結合しており、基板に磁体を設け、該磁体のN,S極を交互に変更させることで該磁体と該磁性体ナノ粒子との間に引力、反発力を働かせる手段、
(5)分子認識素子に金属ナノ粒子が結合しており、該基板に電極を設け、該電極を+,−に交互に変更させることで該電極と金属ナノ粒子との間で引力、反発力を働かせる手段、
(6)分子認識素子に磁性体ナノ粒子が結合しており、該基板にコイルを設け、該コイルから磁界を発生させることで該基板と金属ナノ粒子との間で引力、反発力を働かせる手段。
(1)基板に磁性体を備え、該磁性体と対に磁体を設け、該磁体のN,S極を交互に変更させることで該基板を振動させる手段、
(2)基板に+あるいは−の電荷を帯電させた帯電部位を備え、該帯電部位と対になるように電極を設け、該電極を+,−に交互に変更させることで該基板を振動させる手段、
(3)基板に、温度により変形する変形部位を備え、該変形部位に接するようにペルチェ素子を設け、該ペルチェ素子を冷・暖に交互に変更させることで該基板を振動させる手段、
(4)分子認識素子に磁性体ナノ粒子が結合しており、基板に磁体を設け、該磁体のN,S極を交互に変更させることで該磁体と該磁性体ナノ粒子との間に引力、反発力を働かせる手段、
(5)分子認識素子に金属ナノ粒子が結合しており、該基板に電極を設け、該電極を+,−に交互に変更させることで該電極と金属ナノ粒子との間で引力、反発力を働かせる手段、
(6)分子認識素子に磁性体ナノ粒子が結合しており、該基板にコイルを設け、該コイルから磁界を発生させることで該基板と金属ナノ粒子との間で引力、反発力を働かせる手段。
さらに、分子認識素子が感光性タンパク質である場合には、基板に光を照射し、又は分子認識素子が熱スイッチングタンパク質(thermally switching protein)である場合には、基板に熱を加えることにより、直接分子認識素子のコンホメーション変化を起こし、該測定物質を放出させる方法もある。
本発明のバイオセンサの「基板」は、分子認識素子を直接的に固定する場合には、金や白金などの貴金属、カーボン、セラミックスなどの導電性の材料(例、電極等)及び/又は磁気性の材料(例、磁石、電磁石、コイル)であり、目的の反応のみを高感度に検出し、他の反応の影響を受けにくい材料ならなんでもよい。
また、分子認識素子を間接的に基板に固定する場合には、ガラス、シリコン、プラスチック、PMMA、シリコン樹脂等が挙げられる。合成樹脂など絶縁性のある材料であり、任意の厚さで形成され、分子認識素子を固定した導電性及び/又は磁気性材料の担体を安定的に固定化でき、分子認識素子のコンホメーション変化による物理的変化に影響を与えない材料ならなんでもよい。
加えて、適した形態の例としては、箔、ワイヤー、ウェハ、チップ等であるが、特に限定されない。
また、分子認識素子を間接的に基板に固定する場合には、ガラス、シリコン、プラスチック、PMMA、シリコン樹脂等が挙げられる。合成樹脂など絶縁性のある材料であり、任意の厚さで形成され、分子認識素子を固定した導電性及び/又は磁気性材料の担体を安定的に固定化でき、分子認識素子のコンホメーション変化による物理的変化に影響を与えない材料ならなんでもよい。
加えて、適した形態の例としては、箔、ワイヤー、ウェハ、チップ等であるが、特に限定されない。
分子認識素子を基板に直接的又は間接的に固定化する方法は、分子認識素子を基板表面の特定の位置に固定化できる方法であれば特に限定されない。
固定化技術には一般に下記の方法が知られている。
固定化技術には一般に下記の方法が知られている。
(1)担体結合法
タンパク質である酵素は、反応性に富んだアミノ酸残基やイオン性のアミノ酸残基、疎水性領域を持つ。これらのうち酵素活性を失活させないように、酵素を不溶性の担体に結合させる方法が担体結合法である。担体結合法には、下記(a)共有結合法、(b)イオン結合法、(c)物理的吸着法、(d)生化学的特異結合法などがある。
タンパク質である酵素は、反応性に富んだアミノ酸残基やイオン性のアミノ酸残基、疎水性領域を持つ。これらのうち酵素活性を失活させないように、酵素を不溶性の担体に結合させる方法が担体結合法である。担体結合法には、下記(a)共有結合法、(b)イオン結合法、(c)物理的吸着法、(d)生化学的特異結合法などがある。
(a) 共有結合法
共有結合法は、担体と酵素の結合により酵素反応中に酵素の離脱がないこと、酵素が担体の表面にあるため基質との接触が容易であること、酵素と担体の強い結合のため、酵素の失活をもたらすタンパク質の構造変化をある程度制限し、熱安定性を増すことできることが特徴である。
(b) イオン結合法
操作が比較的簡単で担体の再生が可能なことから、有用な固定化法の1つとして用いられている。
(c)物理的吸着法
酵素を修飾することなく固定化できることから、有用な固定化法の一つとして用いられている。
(d)生化学的特異結合法
種々の補酵素類は、酵素のエフェクターやインヒビターとともにアフィニティークロマトグラフィーのリガンドとして用いられている。このようなリガンドと酵素の結合が強い場合において酵素の固定化法として用いることができる。
共有結合法は、担体と酵素の結合により酵素反応中に酵素の離脱がないこと、酵素が担体の表面にあるため基質との接触が容易であること、酵素と担体の強い結合のため、酵素の失活をもたらすタンパク質の構造変化をある程度制限し、熱安定性を増すことできることが特徴である。
(b) イオン結合法
操作が比較的簡単で担体の再生が可能なことから、有用な固定化法の1つとして用いられている。
(c)物理的吸着法
酵素を修飾することなく固定化できることから、有用な固定化法の一つとして用いられている。
(d)生化学的特異結合法
種々の補酵素類は、酵素のエフェクターやインヒビターとともにアフィニティークロマトグラフィーのリガンドとして用いられている。このようなリガンドと酵素の結合が強い場合において酵素の固定化法として用いることができる。
(2)架橋法
2つ以上の官能基をもつ試薬と酵素とを反応させると、酵素分子間で架橋されて水に不溶な巨大分子となる。架橋剤としては、グルタルアルデヒド、トルエンジイソシアネートなどが一般に用いられる。
2つ以上の官能基をもつ試薬と酵素とを反応させると、酵素分子間で架橋されて水に不溶な巨大分子となる。架橋剤としては、グルタルアルデヒド、トルエンジイソシアネートなどが一般に用いられる。
(3)包括法
単一の酵素だけでなく複数の酵素や微生物菌体、動植物細胞などを同じ手法で固定化でき、また、固定化操作中に酵素の修飾が起こりにくく、自然な状態を保ったまま固定化できることなどが特徴である。包括法には、下記(a) 格子型、(b) マイクロカプセル型などがある。
単一の酵素だけでなく複数の酵素や微生物菌体、動植物細胞などを同じ手法で固定化でき、また、固定化操作中に酵素の修飾が起こりにくく、自然な状態を保ったまま固定化できることなどが特徴である。包括法には、下記(a) 格子型、(b) マイクロカプセル型などがある。
(a)格子型
網目構造をもつ高分子ゲルの格子に、生体触媒を固定化する方法である。担体はさまざまな形状に成形できる場合が多い。近年、固定化微生物菌体を利用した単一反応や、多段階反応の研究が進むにつれ、本法の重要性が増している。代表的な方法には、ポリアクリルアミドによる包括、アルギン酸カルシウムによる包括、κ-カラギーナンによる包括、光架橋性樹脂プレポリマーやウレタンプレポリマーなどの合成プレポリマーを使った包括法などが知られている。特に光架橋性樹脂プレポリマーやウレタンプレポリマーは、酵素だけでなく微生物菌体や細胞内オルガネラの固定化に用いられる。
(b)マイクロカプセル型
生体においては、大部分の酵素は、細胞膜やオルガネラ膜のような一種の半透膜に包まれて存在し、一連の反応を効率的に行えるように組織化されている。同様に、生体触媒を天然高分子や合成高分子の膜で包み込む方法がマイクロカプセル型である。本法には、相分離法、界面重合法、水中乾燥法などがある。
相分離法は、乳化剤を含む有機溶媒に酵素液を乳化させ、水不溶性の高分子(たとえばコロジオン)を加えて水溶液を包含したカプセルを作らせ、有機溶媒は溶解するが高分子を溶解しない溶媒、次いで水に懸濁することによって安定なマイクロカプセルを得る方法である。
界面重合法は、例えば親水性の1,6-ヘキサメチレンジアミンと酵素を、乳化剤を含む有機溶媒中に乳化させ、これに疎水性のセバコイルクロリドを加えて水と有機溶媒の界面で重合させ、生成したナイロンによって酵素溶液を包括する方法である。
水中乾燥法は、ポリマーの有機溶媒溶液に酵素水溶液を加えて撹拌し、w/o型の一次乳化液を作らせ、これを、非イオン性界面活性剤を含むw/o/w型の二次乳化液とする。これを30〜40℃で撹拌するとポリマーを溶解している有機溶媒が徐々に水に溶け、さらに蒸発するので、次第にポリマーが酵素溶液のまわりに析出しマイクロカプセルを生成する方法である。
網目構造をもつ高分子ゲルの格子に、生体触媒を固定化する方法である。担体はさまざまな形状に成形できる場合が多い。近年、固定化微生物菌体を利用した単一反応や、多段階反応の研究が進むにつれ、本法の重要性が増している。代表的な方法には、ポリアクリルアミドによる包括、アルギン酸カルシウムによる包括、κ-カラギーナンによる包括、光架橋性樹脂プレポリマーやウレタンプレポリマーなどの合成プレポリマーを使った包括法などが知られている。特に光架橋性樹脂プレポリマーやウレタンプレポリマーは、酵素だけでなく微生物菌体や細胞内オルガネラの固定化に用いられる。
(b)マイクロカプセル型
生体においては、大部分の酵素は、細胞膜やオルガネラ膜のような一種の半透膜に包まれて存在し、一連の反応を効率的に行えるように組織化されている。同様に、生体触媒を天然高分子や合成高分子の膜で包み込む方法がマイクロカプセル型である。本法には、相分離法、界面重合法、水中乾燥法などがある。
相分離法は、乳化剤を含む有機溶媒に酵素液を乳化させ、水不溶性の高分子(たとえばコロジオン)を加えて水溶液を包含したカプセルを作らせ、有機溶媒は溶解するが高分子を溶解しない溶媒、次いで水に懸濁することによって安定なマイクロカプセルを得る方法である。
界面重合法は、例えば親水性の1,6-ヘキサメチレンジアミンと酵素を、乳化剤を含む有機溶媒中に乳化させ、これに疎水性のセバコイルクロリドを加えて水と有機溶媒の界面で重合させ、生成したナイロンによって酵素溶液を包括する方法である。
水中乾燥法は、ポリマーの有機溶媒溶液に酵素水溶液を加えて撹拌し、w/o型の一次乳化液を作らせ、これを、非イオン性界面活性剤を含むw/o/w型の二次乳化液とする。これを30〜40℃で撹拌するとポリマーを溶解している有機溶媒が徐々に水に溶け、さらに蒸発するので、次第にポリマーが酵素溶液のまわりに析出しマイクロカプセルを生成する方法である。
(4)複合法
上記(1)〜(3)の方法を組み合わせた方法も存在する。すなわち架橋法と包括法の組み合わせ、イオン結合法と包括法の組み合わせ、共有結合法と包括法の組み合わせ、物理的吸着法やイオン結合法と架橋法の組み合わせなどがある。
上記(1)〜(3)の方法を組み合わせた方法も存在する。すなわち架橋法と包括法の組み合わせ、イオン結合法と包括法の組み合わせ、共有結合法と包括法の組み合わせ、物理的吸着法やイオン結合法と架橋法の組み合わせなどがある。
これらの固定化法の他に、自己組織化単分子層(SAMs)を利用した方法がある。SAMsは有機分子を金表面へ均一に導入することが可能であることから、生体分子を一定の配向性を保持しながら固定化することが可能であり、側鎖に様々な置換基を持った高分子を用いることができるため、表面特性の制御や機能性の付与も容易であることが知られている。
また、共有結合で分子を固定化できるため、担体から固定化した分子の脱離も少なく、操作も簡便でコスト面にも優れることから、固定化担体への分子認識素子の固定化法として有用であると考える。さらに、プラズマ重合法を用いた固定化法(WO 01/33227 A1)が挙げられる。
また、共有結合で分子を固定化できるため、担体から固定化した分子の脱離も少なく、操作も簡便でコスト面にも優れることから、固定化担体への分子認識素子の固定化法として有用であると考える。さらに、プラズマ重合法を用いた固定化法(WO 01/33227 A1)が挙げられる。
基板を振動させることにより、分子認識素子に振動を伝えて、測定物質を放出させる方法の実施態様を下記図により説明する。
(実施態様1)
図2に示すバイオセンサでは、基板1を振動させる方法として、該基板1に磁性体2を備え、該磁性体2と対に磁体3を設け、該磁体3のN,S極を交互に変更させるように構成されている。
上記構成において、該磁体3をN,S極を交互に変更させることで該磁体3と該磁性体2との間に引力、反発力が働き該基板1を振動させる。該振動が分子認識素子に伝わり、測定物質を放出させる。
図2に示すバイオセンサでは、基板1を振動させる方法として、該基板1に磁性体2を備え、該磁性体2と対に磁体3を設け、該磁体3のN,S極を交互に変更させるように構成されている。
上記構成において、該磁体3をN,S極を交互に変更させることで該磁体3と該磁性体2との間に引力、反発力が働き該基板1を振動させる。該振動が分子認識素子に伝わり、測定物質を放出させる。
(実施態様2)
図3に示すバイオセンサでは、基板1を振動させる方法として、該基板1に+あるいは−の電荷を帯電させた帯電部位4(基板自体を帯電部位(電極)としても良い)を備え、該帯電部位4(基板)と対になるように電極5を設け、該電極5を+,−に交互に変更させるように構成されている。
上記構成において、該電極5を+,−に交互に変更させることで該電極5と該帯電部位4(基板)との間で引力、反発力が働き該基板1を振動させる。該振動が分子認識素子に伝わり、測定物質を放出させる。
図3に示すバイオセンサでは、基板1を振動させる方法として、該基板1に+あるいは−の電荷を帯電させた帯電部位4(基板自体を帯電部位(電極)としても良い)を備え、該帯電部位4(基板)と対になるように電極5を設け、該電極5を+,−に交互に変更させるように構成されている。
上記構成において、該電極5を+,−に交互に変更させることで該電極5と該帯電部位4(基板)との間で引力、反発力が働き該基板1を振動させる。該振動が分子認識素子に伝わり、測定物質を放出させる。
(実施態様3)
図4に示すバイオセンサでは、基板1を振動させる方法として、該基板1に温度により変形する変形部位6を備え、該変形部位6に接するようにペルチェ素子7を設け、該ペルチェ素子7を冷・暖に交互に変更させるように構成されている。
上記構成において、該ペルチェ素子7を冷・暖に交互に変更させることで該変形部位6が反ったり,戻ったりする変形力が働き該基板1を振動させる。該振動が分子認識素子に伝わり、測定物質を放出させる。
図4に示すバイオセンサでは、基板1を振動させる方法として、該基板1に温度により変形する変形部位6を備え、該変形部位6に接するようにペルチェ素子7を設け、該ペルチェ素子7を冷・暖に交互に変更させるように構成されている。
上記構成において、該ペルチェ素子7を冷・暖に交互に変更させることで該変形部位6が反ったり,戻ったりする変形力が働き該基板1を振動させる。該振動が分子認識素子に伝わり、測定物質を放出させる。
また、分子認識素子自身を振動させて、測定物質を放出させる方法の実施態様を下記図により説明する。
(実施態様4)
図5に示すバイオセンサでは、分子認識素子自身を振動させる方法として、該基板1に磁体8を設け、該磁体8のN,S極を交互に変更させるように構成されている。なお、分子認識素子のナノ粒子は磁性体ナノ粒子15である。
上記構成において、該磁体8のN,S極を交互に変更させることで該磁体8と該ナノ粒子との間に引力、反発力が働き、該分子認識自身が振動して、測定物質を放出させる。
図5に示すバイオセンサでは、分子認識素子自身を振動させる方法として、該基板1に磁体8を設け、該磁体8のN,S極を交互に変更させるように構成されている。なお、分子認識素子のナノ粒子は磁性体ナノ粒子15である。
上記構成において、該磁体8のN,S極を交互に変更させることで該磁体8と該ナノ粒子との間に引力、反発力が働き、該分子認識自身が振動して、測定物質を放出させる。
(実施態様5)
図6に示すバイオセンサでは、分子認識素子自身を振動させる方法として、該基板1に電極9を設け、該電極9を+,−に交互に変更させるように構成されている。なお、分子認識素子のナノ粒子は金属粒子16である。
上記構成において、該電極9を+,−に交互に変更させることで該電極9と金属ナノ粒子との間で引力、反発力が働き、該分子認識自身が振動して、測定物質を放出させる。
図6に示すバイオセンサでは、分子認識素子自身を振動させる方法として、該基板1に電極9を設け、該電極9を+,−に交互に変更させるように構成されている。なお、分子認識素子のナノ粒子は金属粒子16である。
上記構成において、該電極9を+,−に交互に変更させることで該電極9と金属ナノ粒子との間で引力、反発力が働き、該分子認識自身が振動して、測定物質を放出させる。
(実施態様6)
図7に示すバイオセンサでは、分子認識素子自身を振動させる方法として、該基板1にコイル10を設け、該コイルから磁界を発生させるように構成されている。なお、分子認識素子のナノ粒子は磁性体ナノ粒子15である。
上記構成において、該コイルから磁界を発生させることで該基板と磁性体ナノ粒子との間で引力、反発力が働き、該分子認識自身が振動して、測定物質を放出させる。
図7に示すバイオセンサでは、分子認識素子自身を振動させる方法として、該基板1にコイル10を設け、該コイルから磁界を発生させるように構成されている。なお、分子認識素子のナノ粒子は磁性体ナノ粒子15である。
上記構成において、該コイルから磁界を発生させることで該基板と磁性体ナノ粒子との間で引力、反発力が働き、該分子認識自身が振動して、測定物質を放出させる。
また、直接分子認識素子のコンホメーションを変化させて、測定物質を放出させる方法の実施態様を下記により説明する。
分子認識素子が感光性タンパク質であるバイオセンサの場合には、発光体を備え、該発光体により光を、分子認識素子が固定されている基板表面に照射することにより、測定物質を認識している分子認識素子のコンホメーション変化を直接起こし、該測定物質を放出させる。
分子認識素子が熱スイッチングタンパク質(thermally switching protein)である場合には、ペルチェ素子を備え、該ペルチェ素子により熱を基板に加えることにより、測定物質を認識している分子認識素子のコンホメーション変化を直接起こし、該測定物質を放出させる。
本発明のバイオセンサは、さらに、コンホメーション変化による物理的変化の信号を記録する手段及びコンホメーション変化による物理的変化の信号を測定環境外に送信する手段の少なくとも一方を含む。
これにより、本発明のバイオセンサは、分子認識素子が測定物質を認識することで起こるコンホメーション変化による物理的変化による信号が発生した時間と測定環境内位置のデータを受信可能及び/又は記録可能である。
これにより、本発明のバイオセンサは、分子認識素子が測定物質を認識することで起こるコンホメーション変化による物理的変化による信号が発生した時間と測定環境内位置のデータを受信可能及び/又は記録可能である。
ここで、「測定環境外」とは、当然に測定を行う環境以外の場所を意味する。例えば、血液中のグルコース濃度等を測定する場合には、測定環境内とは血液中を意味し、測定環境外とは生体外を意味する。
また、「信号を送信する手段」とは、分子認識素子が測定物質を認識した瞬間の信号を測定環境外に無線等を利用して送信できる手段を意味する。このような信号を送信できる手段は、公知の飲み込み型胃カメラカプセルが連続的に胃の内部の写真及びカプセルの位置情報を送信できる手段を利用できる。この場合には、環境外に送信データを受信できる受信装置が必要となる。
また、「信号を記録する手段」とは、分子認識素子が測定物質を認識した瞬間の信号をセンサ内に記録できる手段を意味する。このような信号を記録できる手段は、公知のメモリー装置を利用できる。
また、「信号を送信する手段」とは、分子認識素子が測定物質を認識した瞬間の信号を測定環境外に無線等を利用して送信できる手段を意味する。このような信号を送信できる手段は、公知の飲み込み型胃カメラカプセルが連続的に胃の内部の写真及びカプセルの位置情報を送信できる手段を利用できる。この場合には、環境外に送信データを受信できる受信装置が必要となる。
また、「信号を記録する手段」とは、分子認識素子が測定物質を認識した瞬間の信号をセンサ内に記録できる手段を意味する。このような信号を記録できる手段は、公知のメモリー装置を利用できる。
上記バイオセンサは、測定環境内の位置データ及び測定物質を認識した瞬間の情報を記録又は測定環境外に送信することができる。よって、測定環境内で測定物質が発現している箇所を正確に特定することができる。
分子認識素子の作製
本発明の分子認識素子の創製方法は上記示した方法を利用することができる。例えば、測定物質がタンパク質である場合を例に示す。
測定物質の表面に出ていると推定されるアミノ酸配列を1又は2以上を選択する。該選択したアミノ酸配列は、好ましくは10〜40、15〜35、20〜30アミノ酸数が好ましい。次に、該選択したアミノ酸配列を固相合成法等で合成する。合成したペプチドを適当な担体に固定して、ファージディスプレイ法等によって、該選択したアミノ酸配列を特異的に認識するアミノ酸配列を選抜する。次に、選抜したアミノ酸配列を固相合成法等で合成し、分子認識素子とする。なお、選抜したアミノ酸配列が2箇所以上なら、各選抜したアミノ酸配列をペプチド(好適には、グリシン等のアミノ酸)リンカー等で結合して分子認識素子とすることができる。
本発明の分子認識素子の創製方法は上記示した方法を利用することができる。例えば、測定物質がタンパク質である場合を例に示す。
測定物質の表面に出ていると推定されるアミノ酸配列を1又は2以上を選択する。該選択したアミノ酸配列は、好ましくは10〜40、15〜35、20〜30アミノ酸数が好ましい。次に、該選択したアミノ酸配列を固相合成法等で合成する。合成したペプチドを適当な担体に固定して、ファージディスプレイ法等によって、該選択したアミノ酸配列を特異的に認識するアミノ酸配列を選抜する。次に、選抜したアミノ酸配列を固相合成法等で合成し、分子認識素子とする。なお、選抜したアミノ酸配列が2箇所以上なら、各選抜したアミノ酸配列をペプチド(好適には、グリシン等のアミノ酸)リンカー等で結合して分子認識素子とすることができる。
バイオセンサの作製
本発明のバイオセンサの作製方法を以下に示す。しかしながら、本発明のバイオセンサの構成を成すことができる方法であれば、下記方法に限定されない。
(1)ナノ粒子又は金属タンパク質を分子認識素子に結合させる工程
上記作製方法で得られた分子認識素子に、ナノ粒子又は金属タンパク質を結合させる。結合方法は、化学修飾、ヒスチジンタグ(なお、ニトリロトリ酢酸錯体を介しても良い)等を使用することができる。
(2)ナノ粒子又は金属タンパク質が結合した分子認識素子を基板に固定化する工程
1.分子認識素子を直接的に基板に固定する場合には、伝導性及び/又は磁気性の材料を基板とする。なお、固定化する方法は、上述の方法のいずれかを使用することができる。
2.分子認識素子を間接的に基板に固定する場合には、ガラス、シリコン。合成樹脂等を基板とする。分子認識素子を固定化した伝導性及び/又は磁気性担体を基板に固定化する。なお、固定化する方法は、上述の方法のいずれかを使用することができる。
異なる測定物質を認識する分子認識素子を基板に固定する場合には、各分子認識素子を伝導性及び/又は磁気性担体に固定するのが良い。また、どの分子認識素子が測定物質と認識したかを特定するために、各基盤と測定素子間を配線で連結すれば良い(参照:図8)。
(3)物理的刺激を基板に加える手段を基板に備える工程
磁性体、帯電部位、変形部位、磁体、電極、発光体を基板の表面又は周辺に配置する。なお、基板そのものに埋め込んでも良い。配置、埋め込み方法は、当業者の公知の方法を利用することができる。さらに、必要に応じて、磁性体と対になる磁体、帯電部位と対になる電極、変形部位となるペルチェ素子を設けることができる。
さらに好適には、測定素子、各基板と測定素子間を連結する配線、磁性体、帯電部位、変形部位、信号を増幅する素子、記録素子(メモリー)、信号を送信する素子及び/又は電極を基板の表面又は周辺に配置することができる。配置方法は、当業者の公知の方法を利用することができる。
本発明のバイオセンサの作製方法を以下に示す。しかしながら、本発明のバイオセンサの構成を成すことができる方法であれば、下記方法に限定されない。
(1)ナノ粒子又は金属タンパク質を分子認識素子に結合させる工程
上記作製方法で得られた分子認識素子に、ナノ粒子又は金属タンパク質を結合させる。結合方法は、化学修飾、ヒスチジンタグ(なお、ニトリロトリ酢酸錯体を介しても良い)等を使用することができる。
(2)ナノ粒子又は金属タンパク質が結合した分子認識素子を基板に固定化する工程
1.分子認識素子を直接的に基板に固定する場合には、伝導性及び/又は磁気性の材料を基板とする。なお、固定化する方法は、上述の方法のいずれかを使用することができる。
2.分子認識素子を間接的に基板に固定する場合には、ガラス、シリコン。合成樹脂等を基板とする。分子認識素子を固定化した伝導性及び/又は磁気性担体を基板に固定化する。なお、固定化する方法は、上述の方法のいずれかを使用することができる。
異なる測定物質を認識する分子認識素子を基板に固定する場合には、各分子認識素子を伝導性及び/又は磁気性担体に固定するのが良い。また、どの分子認識素子が測定物質と認識したかを特定するために、各基盤と測定素子間を配線で連結すれば良い(参照:図8)。
(3)物理的刺激を基板に加える手段を基板に備える工程
磁性体、帯電部位、変形部位、磁体、電極、発光体を基板の表面又は周辺に配置する。なお、基板そのものに埋め込んでも良い。配置、埋め込み方法は、当業者の公知の方法を利用することができる。さらに、必要に応じて、磁性体と対になる磁体、帯電部位と対になる電極、変形部位となるペルチェ素子を設けることができる。
さらに好適には、測定素子、各基板と測定素子間を連結する配線、磁性体、帯電部位、変形部位、信号を増幅する素子、記録素子(メモリー)、信号を送信する素子及び/又は電極を基板の表面又は周辺に配置することができる。配置方法は、当業者の公知の方法を利用することができる。
バイオセンサを用いた測定方法
測定方法を以下に示す。
本発明のバイオセンサを試料と接触させる。分子認識素子を有する基板表面に試料を添加することもできるが、好適には、バイオセンサ自身を試料である測定環境内に導入する。ここで、分子認識素子が試料中の測定物質を認識することでコンホメーション変化による物理的変化が起こる。該物理的変化が各信号(ナノ粒子又は金属タンパク質と基板間の距離の変化により生じる電荷量、磁気量、光量、熱量の変化)に変換される。各信号が配線を通して測定素子に到達する。該測定素子が各信号を認識することにより、分子認識素子のコンホメーション変化を検出することができる。さらに、分子認識素子が測定物質を認識した瞬間及び/又は測定環境内位置データを測定環境外にある受信装置に送信することができる。なお、各信号の強弱は、分子認識素子が測定物質を認識した量と相関すると考えられる。
また、物理的刺激を基板に加える。これにより、分子認識素子は振動することにより、コンホメーション変化が起こり、測定物質を放出する。なお、物理的刺激は、無線等を利用することにより、測定環境外から操作することができる。
測定方法を以下に示す。
本発明のバイオセンサを試料と接触させる。分子認識素子を有する基板表面に試料を添加することもできるが、好適には、バイオセンサ自身を試料である測定環境内に導入する。ここで、分子認識素子が試料中の測定物質を認識することでコンホメーション変化による物理的変化が起こる。該物理的変化が各信号(ナノ粒子又は金属タンパク質と基板間の距離の変化により生じる電荷量、磁気量、光量、熱量の変化)に変換される。各信号が配線を通して測定素子に到達する。該測定素子が各信号を認識することにより、分子認識素子のコンホメーション変化を検出することができる。さらに、分子認識素子が測定物質を認識した瞬間及び/又は測定環境内位置データを測定環境外にある受信装置に送信することができる。なお、各信号の強弱は、分子認識素子が測定物質を認識した量と相関すると考えられる。
また、物理的刺激を基板に加える。これにより、分子認識素子は振動することにより、コンホメーション変化が起こり、測定物質を放出する。なお、物理的刺激は、無線等を利用することにより、測定環境外から操作することができる。
バイオセンサを用いた測定方法の応用例
本発明のバイオセンサの応用例を以下に示す。
カプセル型の本発明のバイオセンサを喉から飲み込む。バイオセンサは生体内を循環し、腸管に到達する。ここで、測定環境外部から無線等の操作により、分子認識素子を有する基板表面と測定環境内が接触するようにする。バイオセンサは測定を開始し、病変部位で特異的に発現するタンパク質(測定物質)を認識する。分子認識素子が測定物質を認識した瞬間及び/又は小腸での位置のデータを測定環境外にある受信装置に送信する。これにより、腸管内の病変部位を正確に検出することができる。次に、物理的刺激を基板に加える。よって、分子認識素子は振動することにより、コンホメーションの変化が起こり、測定物質を放出する。これにより、バイオセンサは再利用可能となり、さらに測定を継続することができる。
本発明のバイオセンサの応用例を以下に示す。
カプセル型の本発明のバイオセンサを喉から飲み込む。バイオセンサは生体内を循環し、腸管に到達する。ここで、測定環境外部から無線等の操作により、分子認識素子を有する基板表面と測定環境内が接触するようにする。バイオセンサは測定を開始し、病変部位で特異的に発現するタンパク質(測定物質)を認識する。分子認識素子が測定物質を認識した瞬間及び/又は小腸での位置のデータを測定環境外にある受信装置に送信する。これにより、腸管内の病変部位を正確に検出することができる。次に、物理的刺激を基板に加える。よって、分子認識素子は振動することにより、コンホメーションの変化が起こり、測定物質を放出する。これにより、バイオセンサは再利用可能となり、さらに測定を継続することができる。
ヒト疾患腸管関連因子であるTNFαを認識できる分子認識素子の創製を目的とし、TNFαレセプターであるTNFRSF1Aの可溶型レセプターsTNFRSF1Aの部分配列を分子認識素子の測定物質を認識する部位として選択した。該選択した部分配列は、以下の通りである。
Amino acid sequence (sTNFRSF1A:配列番号1)
MDSVCPQGKYIHPQNNSICCTKCHKGTYLYNDCPGPGQDTDCRECESGSFTASENHLRHCLSCSKCRKEMGQVEISSCTVDRDTVCGCRKNQYRHYWSENLFQCFNCSLCLNGTVHLSCQEKQNTVCTCHAGFFLRENECVSCSNCKKSLECTKLCLPQIEN
Amino acid sequence (sTNFRSF1A:配列番号1)
MDSVCPQGKYIHPQNNSICCTKCHKGTYLYNDCPGPGQDTDCRECESGSFTASENHLRHCLSCSKCRKEMGQVEISSCTVDRDTVCGCRKNQYRHYWSENLFQCFNCSLCLNGTVHLSCQEKQNTVCTCHAGFFLRENECVSCSNCKKSLECTKLCLPQIEN
上記選択した部分配列を大腸菌大量発現系(BL21(DE3))で合成し、HPLCで精製した。合成した部分配列アミノ酸をセンサーチップCM5(ビアコア社製)に固定化した。なお、固定化量は587RUであった。
次に、HBS-EP(0.01 M HEPES pH 7.4, 0.15 M NaCl, 3 mM EDTA, 0.005% v/v Surfactant P20)で希釈した各濃度のTNFα(3 AU、10 AU、30 AU、50 AU、100 AU)を流速20マイクロリットル/分、20℃でセンサーチップ上に結合させた。続いて、3 AU、10 AU、30 AU、50 AU、100 AU濃度のTNF-αをBiacore2000装置(ビアコア社製)を用いて測定した(図9)。
次に、HBS-EP(0.01 M HEPES pH 7.4, 0.15 M NaCl, 3 mM EDTA, 0.005% v/v Surfactant P20)で希釈した各濃度のTNFα(3 AU、10 AU、30 AU、50 AU、100 AU)を流速20マイクロリットル/分、20℃でセンサーチップ上に結合させた。続いて、3 AU、10 AU、30 AU、50 AU、100 AU濃度のTNF-αをBiacore2000装置(ビアコア社製)を用いて測定した(図9)。
上記測定の結果、ヒト疾患腸管関連因子であるTNFαを認識する分子認識素子を得ることが出来た。また、該アミノ酸配列が基板に固定化されていても分子認識能を保持していることがわかった。
さらに、該分子認識素子は、測定物質であるTNFαの濃度に依存して検出できることが明らかになった。この結果から、該分子認識素子は濃度依存的に測定物質の検出ができることが確認された。従って、ナノ粒子又は金属タンパク質が結合した分子認識素子は、さらに特異的、高感度で測定物質を検出することができると考えられる。また、分子認識素子のアミノ酸配列をコンピュターモデリングソフト等で改良することで、測定物質の認識に適した分子認識素子を創製することができる。
さらに、該分子認識素子は、測定物質であるTNFαの濃度に依存して検出できることが明らかになった。この結果から、該分子認識素子は濃度依存的に測定物質の検出ができることが確認された。従って、ナノ粒子又は金属タンパク質が結合した分子認識素子は、さらに特異的、高感度で測定物質を検出することができると考えられる。また、分子認識素子のアミノ酸配列をコンピュターモデリングソフト等で改良することで、測定物質の認識に適した分子認識素子を創製することができる。
腸管疾病関連因子やガンマーカータンパク質などのヒト疾患腸管関連因子として知られるVEGF(血管内皮細胞成長因子)を特異的に認識できる分子認識素子の創製を行なった。特に、VEGFの異なる2箇所の領域を特異的に認識するペプチドをリンカーで繋ぐことで高い親和性を有するハイブリッドペプチドを設計した。詳しくは、以下の通りである。
VEGFの異なる領域に結合することが知られている1VPP(配列番号2)、1KAT(配列番号3)の一部のアミノ酸配列を立体障害を回避するために置換及び/又は削除した後、スペーサー(GPGSG、GPGS)を介して連結したものを創製した。創製した分子認識素子の測定物質を認識する部位のアミノ酸配列(配列番号4:以後、VEGF認識ペプチドと称する)を下記に示す。
配列番号4:GPGSGRGWVEICAADDYGRCLGPGSGGPGSGNECDIARMWEWECFERLGPGSGGPGSG
配列番号4:GPGSGRGWVEICAADDYGRCLGPGSGGPGSGNECDIARMWEWECFERLGPGSGGPGSG
上記VEGF認識ペプチドを大腸菌タンパク質発現系を用いた合成した。詳しくは、以下の通りである。
GST 融合タンパク質発現用プラスミドベクター(pGEX-6P-1)に配列番号4に記載のアミノ酸配列をコードする遺伝子を導入し、タンパク質大量発現用宿主株{ BL21(DE3)}を形質転換した。該形質転換した菌体を培養し、対数増殖期にIPTGを添加してタンパク質の発現を誘導した。培養した菌体を超音波破砕した後、可溶性画分をグルタチオンカラムを用いてアフィニティー精製した。VEGF認識ペプチドが合成されていることを確認した。
GST 融合タンパク質発現用プラスミドベクター(pGEX-6P-1)に配列番号4に記載のアミノ酸配列をコードする遺伝子を導入し、タンパク質大量発現用宿主株{ BL21(DE3)}を形質転換した。該形質転換した菌体を培養し、対数増殖期にIPTGを添加してタンパク質の発現を誘導した。培養した菌体を超音波破砕した後、可溶性画分をグルタチオンカラムを用いてアフィニティー精製した。VEGF認識ペプチドが合成されていることを確認した。
VEGFをアミンカップリング法を用いてSPRチップ(Biacore社、CM5チップ)に固定化した。その後、上記得られたVEGF認識ペプチドが、固定化されたVEGFを特異的に認識することを確認した(図10)。測定はBiacoreT-100装置(ビアコア社製)を用いた。この結果、VEGF認識ペプチドは、VEGFと濃度依存的に結合することがわかった(図10)。
次に、上記得られたVEGF認識ペプチドをSPRチップ(Biacore社、CM5チップ)にアミンカップリング法を用いて固定化した。固定化されたVEGF認識ペプチドを用いて、血管内皮増殖因子(VEGF)の濃度を変えて測定した結果により、VEGF121を解離定数3.303×10-9 KD(M)、VEGF165を解離定数5.028×10-9 KD(M)で特異的に認識できることを確認した(下記表1)。
以上により、血管内皮増殖因子(VEGF)を認識する分子認識素子の認識部位を得ることができた。さらに、測定物質を認識する複数の部位をリンカー等で適度な物理的空間を保持するように結合することで、より測定物質の認識能が高い分子認識素子の認識部位が得られた。
以上により、血管内皮増殖因子(VEGF)を認識する分子認識素子の認識部位を得ることができた。さらに、測定物質を認識する複数の部位をリンカー等で適度な物理的空間を保持するように結合することで、より測定物質の認識能が高い分子認識素子の認識部位が得られた。
本発明の分子認識素子のナノ粒子である磁気ナノビーズの挙動が本発明のバイオセンサ(参照:図12)のシグナルとして検出することができるかを確認した。詳しくは、以下の通りである。
AUTOLAB社製SPR装置を用いて1/1000に希釈した直径10nmの磁気ナノビーズ(FeroTec社製メディカル用磁性粒子キット)をSPRチップ上に滴下し、磁石を近づけることでシグナルの変化を測定した(図11)。
AUTOLAB社製SPR装置を用いて1/1000に希釈した直径10nmの磁気ナノビーズ(FeroTec社製メディカル用磁性粒子キット)をSPRチップ上に滴下し、磁石を近づけることでシグナルの変化を測定した(図11)。
図11の結果より、SPR基板上での磁場によるナノ粒子の挙動によりシグナルの変化を検出することができた。これにより、分子認識素子の認識部位が測定物質を認識することによるコンホメーション変化をナノ粒子の挙動によるシグナル変化として(参照:図1B)高感度に検出することができると考えられる。
さらに、SPR基板上に磁場を与えないときは、磁場を与える前と同じシグナルに戻ることから、図1Aの構造を有する分子認識素子は、被測定物質を認識した後に、磁場の影響により、被測定物質を放出することができると考えられる。これにより、バイオセンサの再利用も可能となると考えられる。
さらに、SPR基板上に磁場を与えないときは、磁場を与える前と同じシグナルに戻ることから、図1Aの構造を有する分子認識素子は、被測定物質を認識した後に、磁場の影響により、被測定物質を放出することができると考えられる。これにより、バイオセンサの再利用も可能となると考えられる。
本発明のバイオセンサの作製方法及び該センサを用いた被測定物質の測定方法について以下に述べる。
(1)バイオセンサの作製方法
SPR表面の金薄膜に1mg/mL Thiol-dPEG4 acidで処理する。次に、SPR表面上のカルボキシル基をNHS(N-ヒドロキシスクシンイミド)/EDC(カルボジイミド)溶液で活性化した後に、VEGF認識ペプチドをSPR表面上に固定化する。さらに、磁気ナノビーズを固定化したVEGF認識ペプチドに固定化させる。
(2)上記バイオセンサを用いて被測定物質の測定方法
VEGFを上記バイオセンサで自体公知の方法で測定する。さらに測定した後に、磁界をSPR表面上に加えることで、分子認識素子の磁気ナノビーズの挙動により、VEGFを解離させる。これにより、バイオセンサの再利用が可能であると考えられる。
(1)バイオセンサの作製方法
SPR表面の金薄膜に1mg/mL Thiol-dPEG4 acidで処理する。次に、SPR表面上のカルボキシル基をNHS(N-ヒドロキシスクシンイミド)/EDC(カルボジイミド)溶液で活性化した後に、VEGF認識ペプチドをSPR表面上に固定化する。さらに、磁気ナノビーズを固定化したVEGF認識ペプチドに固定化させる。
(2)上記バイオセンサを用いて被測定物質の測定方法
VEGFを上記バイオセンサで自体公知の方法で測定する。さらに測定した後に、磁界をSPR表面上に加えることで、分子認識素子の磁気ナノビーズの挙動により、VEGFを解離させる。これにより、バイオセンサの再利用が可能であると考えられる。
1:基板
2:磁性体
3:磁体
4:帯電部位
5:電極
6:変形部位
7:ペルテェ素子
8:磁体
9:電極
10:コイル
11:測定物質
12:担体
13:配線回路
14:分子認識素子
15:磁性体ナノ粒子
16:金属粒子
17:磁石
2:磁性体
3:磁体
4:帯電部位
5:電極
6:変形部位
7:ペルテェ素子
8:磁体
9:電極
10:コイル
11:測定物質
12:担体
13:配線回路
14:分子認識素子
15:磁性体ナノ粒子
16:金属粒子
17:磁石
Claims (18)
- 測定物質を認識する認識部位と、該認識部位に接続されたリンカーと、該リンカーの任意の位置に結合されたナノ粒子又は金属タンパク質を少なくとも備え、前記認識部位にて測定物質を認識してコンホメーション変化を発生することを特徴とする分子認識素子。
- 前記認識部位を、複数個有することを特徴とする請求項1に記載の分子認識素子。
- (1)測定物質を認識する認識部位と、該認識部位に接続されたリンカーと、該リンカーの任意の位置に結合されたナノ粒子又は金属タンパク質を少なくとも備え、前記認識部位にて測定物質を認識してコンホメーション変化を発生する分子認識素子と、
(2)該分子認識素子を直接的又は間接的に固定化するための基板と、
(3)該コンホメーション変化による物理的変化を検出する手段と、
を含むことを特徴とするバイオセンサ。 - (1)測定物質を認識する認識部位と、該認識部位に接続されたリンカーと、該リンカーの任意の位置に結合されたナノ粒子又は金属タンパク質を少なくとも備え、前記認識部位にて測定物質を認識してコンホメーション変化を発生する分子認識素子と、
(2)該分子認識素子を直接的又は間接的に固定化するための基板と、
(3)該コンホメーション変化による物理的変化を検出する手段と、
(4)物理的刺激を該基板に印加する手段と、
を含むことを特徴とするバイオセンサ。 - さらに、(5)前記コンホメーション変化による物理的変化の信号を記録する手段及び測定環境外に送信する手段の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載のバイオセンサ。
- 前記物理的刺激を基板に印加する手段により、前記測定物質を分子認識素子から放出させることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1に記載のバイオセンサ。
- 前記測定物質を分子認識素子から放出させることによりバイオセンサの再利用が可能であることを特徴とする請求項6に記載のバイオセンサ。
- 前記認識部位を、複数個有することを特徴とする請求項3〜7のいずれか1に記載のバイオセンサ。
- 前記検出手段は、前記分子認識素子に結合したナノ粒子又は金属タンパク質と前記基板間の距離の変化を信号に変換して検出する手段であることを特徴とする請求項3〜8のいずれか1に記載のバイオセンサ。
- 前記測定物質を分子認識素子から放出する手段は、前記基板を振動させることにより前記分子認識素子に振動を伝えて測定物質を放出させることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1に記載のバイオセンサ。
- 前記測定物質を分子認識素子から放出する手段は、前記分子認識素子自身を振動させて測定物質を放出させることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1に記載のバイオセンサ。
- 前記測定物質を分子認識素子から放出する手段は、前記分子認識素子のコンホメーションを変化させて測定物質を放出させることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1に記載のバイオセンサ。
- (1)基板に固定化されておりかつナノ粒子又は金属タンパク質を備える分子認識素子の認識部位に測定物質を認識させる工程と、
(2)該分子認識素子が測定物質を認識することにより発生するコンホメーション変化による物理的変化を検出する工程と、
を含むことを特徴とする測定物質の測定方法。 - (1)基板に固定化されておりかつナノ粒子又は金属タンパク質を備える分子認識素子の認識部位に測定物質を認識させる工程と、
(2)該分子認識素子が測定物質を認識することにより発生するコンホメーション変化による物理的変化を検出する工程と、
(3)該基板に物理的刺激を印加することにより前記測定物質を分子認識素子から放出する工程と、
を含むことを特徴とする測定物質の測定方法。 - 前記検出手段は、前記分子認識素子に結合したナノ粒子又は金属タンパク質と前記基板間の距離の変化を信号に変換して検出する方法であることを特徴とする請求項13又は14に記載の測定物質の測定方法。
- 前記測定物質を分子認識素子から放出する手段は、前記基板を振動させることにより前記分子認識素子に振動を伝えて測定物質を放出させるこ方法であることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1に記載の測定物質の測定方法。
- 前記測定物質を分子認識素子から放出する手段は、前記分子認識素子自身を振動させて測定物質を放出させる方法であることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1に記載の測定物質の測定方法。
- 前記測定物質を分子認識素子から放出する手段は、前記分子認識素子のコンホメーションを変化させて測定物質を放出させる方法であることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1に記載の測定物質の測定方法。
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