JP3937020B2 - 表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサ作製用基板及びその作製方法 - Google Patents

表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサ作製用基板及びその作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、表面プラズモン共鳴を原理とする抗体アレイセンサ作製用基板、それを用いた表面プラズモン共鳴を原理とする抗体アレイセンサ、及びそれらの作製方法に関する。
従来、平面状固体基材(基板)の特定多数の微小領域に多種類の生体分子を固定化し、結合相手として候補となる別の生体分子を含む溶液を接触させることにより、結合現象の有無、その強度等を観測することで、生体分子の有する重要な機能である分子特異的結合(相互作用)現象を高速かつ網羅的に検定する試みがなされてきた。この手法に利用される、数センチ四方の表面上に数百から数万の異なる生体分子を指定された個々の微小領域ごとに結合させて調製した平面状固体基材(基板)をアレイまたはチップと称しているが、近年の細胞などの生命単位中に膨大かつ多種に渡って存在し、システムを構築している生体分子群(遺伝子群を指す場合ゲノム、タンパク質群を指す場合プロテオームと呼ばれる)を網羅的かつ総合的に解析し尽くすことを志向したゲノミクスあるいはプロテオミクスと呼ばれる研究手法の求める高速かつ網羅的解析を提供できる可能性から重要性を増している。
このようにアレイ技術は、分子結合現象の検出を平面状固体基材(基板)の狭い領域に高度に集積させることにより、超微量の生体分子試料を用いた解析を高速かつ網羅的に執り行うことができる可能性を提供するが、反面、この技術に必須の検出技術では、量的に極度に限定された分子の結合現象を高感度に検出することが求められてきた。実際、このアレイ技術の応用先として先行したゲノム解析においては、対象となる接触させる遺伝子(DNA分子)にあらかじめ強い蛍光を発生させることができる蛍光分子を標識し、いわゆるDNAアレイ上に固定化された特定遺伝子との結合の有無をその遺伝子が固定化された微小領域に蛍光分子の励起波長をもった高エネルギー型レーザによる照射を行って、生成される蛍光から判定してきた。
生命現象の設計図にも喩えられる遺伝子を対象にしたゲノム解析が進展するにつれて、その設計図の産物であり、動的生命現象の中枢を担うタンパク質を網羅的に解析するプロテオーム解析が後を追うように勃興してきた。ここでも、膨大かつ多種の生体分子を網羅的かつ総合的に解析し尽くすために、ゲノム解析で威力を発揮したアレイ技術が取り入れられている。ゲノムに比べて遙かに分子種ならびにその結合現象の多様性が膨大なプロテオームにおいては、DNAアレイのアナロジーとして、任意のタンパク質を平面状固体基材(基板)上に集積固定化したタンパク質アレイも開発されているが、さらに特定機能のタンパク質を特異的に識別して有用な分子情報をもたらすことのできるタンパク質である抗体分子を固定化タンパク質に選定した抗体アレイが実用的な形態として注目されており、一部上市に至ったものも存在する。
しかしながら、DNAアレイのアナロジーから展開したタンパク質アレイあるいは抗体アレイには、DNAアレイには生じなかった新たな問題点が生じる。すなわち、1.タンパク質の結合反応はDNAのそれに比べ比較的弱いものも多いため、検出表面の単位面積あたりに結合する量は少なくなる、2.基本的に直鎖状分子のまま結合を行うDNAでは、結合に寄与する鎖中央部を避けて分子末端を利用して蛍光分子標識あるいは表面への固定化を行えば、それらの結合現象への妨害は無視できるが、直鎖状高分子が3次元的に立体構造をつくるタンパク質では、タンパク質中での標識部位あるいは固定化部位がまちまちとなるため、タンパク質結合機能に必須の部位と重複する場合も多く、結合させた蛍光分子や固定化のための分子結合部位が結合現象そのものを著しく阻害することがある。これらの結果、タンパク質アレイあるいは抗体アレイでは、実効上有効な感度が得られない、あるいは有効な検出可能範囲の下限で測定するために再現性がないなどの測定に深刻な問題が生じ、これがDNAアレイに比して普及が進まない要因となってきた。
このような問題を克服するために近年、アレイセンサの開発が進められてきた。これはアレイを構成するための平面状固体基材(基板)そのものをセンサの検出部分とすることで、上記2.の問題のうち特に蛍光分子標識の使用を無用とするもので、非標識分子の検出を分子の質量に基づいて行える表面プラズモン共鳴センサを利用したものが実用化されている。表面プラズモン共鳴センサは、平板上ガラスに金属(主に金)の薄膜を蒸着させたものにガラス側から可視光線を全反射させ、その際にガラスと金属の界面に染みだしたエバネッセント波と呼ばれる量子波の波数(振動数)と金属側に接する媒質の表面プラズモン波の波数が一致すると表面プラズモン共鳴と呼ばれるエネルギーの吸収が起き、反射光が減光する原理を応用したもので、金属側表面での分子レベルでの物質の吸着・解離現象に伴う屈折率変化が減光を生じる共鳴角を変化させるためにその角度を測定することで表面上の質量変化をモニターすることができるセンサである。表面プラズモン共鳴型センサの場合、この金属表面を多数の区分された特定領域に分割して使用することが可能であるので、個々の特定領域に分子を固定化することでアレイセンサとしての機能を発揮させることができる。
原理から明らかなように、このアレイセンサでは非標識の分子を測定できるため、蛍光分子による標識は不要となるが、反面蛍光標識法による検出法よりも原理的に感度の劣る表面プラズモン共鳴法を採用したために、抜本的な実効感度の向上は達成できていない。
そこで、本発明はこれまでのアレイセンサ、特に実用上有用な抗体アレイセンサにおける上記問題1.の単位面積あたりの結合量の向上、ならびに上記問題2.のタンパク質の固定化における結合機能阻害の克服に関して抜本的解決を与えることを目的としている。
本発明は、抗体アレイセンサの作成において、抗体分子固定化手段としてタンパク質主鎖のカルボキシ末端の一箇所で平面状基材表面へ配向制御固定化した抗体結合性タンパク質を介して結合させる手段を採用して固定化された抗体分子の結合機能に構造的阻害を与えないようにする手段を提供するとともに、これをさらに発展せしめ、単位面積あたりの固定化量を増大させ、アレイ基材上の小さな領域に、高密度でタンパク質を固定化でき、かつ、これにより基板上のタンパク質の固定領域数を増大させる手段を開発することを課題とするものであり、このことにより、例えば、抗体アレイセンサにおける検出分子系の規格化、検出感度の増大等を通じて抗体アレイの実用性の向上ならびに利用分野の拡大を可能とするものである。
本発明者等は上記課題を解決するため、まずアレイセンサに用いる検出部を兼ねた平面状基材上の個々の微小領域表面に、シアノシステイン残基を介したアミド結合形成反応を利用しタンパク質主鎖のカルボキシ末端のカルボキシル基を介して整然と並べて固定化した抗体認識タンパク質を抗体分子固定化のための足場として用いることを想起し、同一の抗体認識分子を配向を揃えて結合させて各微小領域間での抗体認識分子の固定化量偏差を解消することにより、抗体認識分子に結合させて2次的に固定化する抗体分子の固定化量を、各微小領域間で規格化できることを見出した。
さらに、単位面積当たりの固定化量(すなわち、抗体の固定化密度)を、単分子吸着レベルの100から1000倍(すなわち数mg/mm程度)に高めることを目的に鋭意研究を行った結果、一級アミノ基を繰返し構造中に有するポリマー化合物を平面状基材表面に導入し、導入したポリマー化合物の一級アミノ基に、抗体認識タンパク質主鎖のカルボキシル末端を結合させることにより、検出部である平面状基材にタンパク質を整然と並べながら、極めて高密度に固定化できることを見出し、しかるに高密度化の恩恵によってこれまで抗体アレイ検出系としては感度的に利用の困難であった非標識型センサである表面プラズモン共鳴センサの検出部に応用でき、なおかつポリマーおよび抗体認識分子の固定化が強固な共有結合により達成できる利点を利用して酸あるいは塩溶液等を用いた抗体分子のアレイセンサ表面への可逆的な脱着が可能となり、もって繰り返しセンサ表面の再生処理を可能にできることから、多量被検試料に対して各種抗体分子を用いた計測を繰り返し自動的に行えるセンサを基軸とした完全自動測定システムへの応用を創案し、本発明を完成させるに至ったものである。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(11)に係るものである。
(1)抗体結合性タンパク質あるいはペプチドのカルボキシ末端をリンカー配列を介して、一級アミノ基を有するセンサ検出部表面上のリンカー分子とアミド結合で固定化することにより得られ、一般式(1)
NH2-R1-CO-NH-R2-CO-NH-Y-Z (1)
[上記式中、R1は、抗体結合性タンパク質もしくはペプチドのアミノ酸配列、R2は任意のリンカー配列のアミノ酸配列、Yはリンカー分子、Zはセンサ検出部表面基材を表す]で表される、センサ検出部表面上の特定領域に抗体結合性タンパク質あるいはペプチドを整列固定化させた表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサ作製用アレイ基板であって、上記一級アミノ基を有するリンカー分子が、
一般式(2)
(NH2-X)n (2)
で示される一級アミノ基を有するポリマー化合物である(但し、式中Xは、ポリマー化合物の繰り返し単位の一級アミノ基以外の残基を示し、nは2以上の整数を表す。)ことを特徴とする表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサ作製用アレイ基板。
(2)上記(1)の一般式(2)で表されるポリマー化合物が、ポリアリルアミンであることを特徴とする請求項1に記載の表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサ作製用アレイ基板。
(3)上記(1)の一般式(2)で表されるポリマー化合物が、ポリリジンであることを特徴とする上記(1)に記載の表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサ作製用アレイ基板。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサ作成用アレイ基板に、抗体蛋白質を整列固定化させたことを特徴とする、表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサ。
(5)一級アミノ基を有するセンサ検出部表面上の特定領域に、一般式(10)
NH2-R1-CO-NH-R2-COOH (10)
〔式中、Rは抗体結合性タンパク質もしくはペプチドのアミノ酸配列、Rはリンカー配列を表す。〕
で示されるタンパク質もしくはペプチドを整列固定化した表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサ作製用アレイ基板を作成する方法であって、
一級アミノ基が、一般式(2)で表されるポリマー化合物の一級アミノ基であり、
(NH2-X)n (2)
(但し、式中Xは、ポリマー化合物の繰り返し単位の一級アミノ基以外の残基を示し、nは2以上の整数を表す。)
該一級アミノ基を有するセンサ検出部表面上に、一般式(9)で示されるタンパク質もしくはペプチドが整列配置、吸着された状態で、
NH2-R1-CO-NH-R2-CO-NH-CH(CH2-SCN)-CO-NH-R-COOH・・・・(9)
〔式中、上記式中、R1は、抗体結合性タンパク質もしくはペプチドのアミノ酸配列、R2は任意のリンカー配列のアミノ酸配列、Rは中性付近で強く負に荷電しかつ一般式(9)で表されるタンパク質もしくはペプチドの等電点を酸性にし得るアミノ酸配列を表す。〕
弱アルカリ溶媒を用いて、上記ポリマー化合物の一級アミノ基と一般式(10)で表されるタンパク質若しくはペプチド主鎖のカルボキシ末端をペプチド結合させることを特徴とする、表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサ作製用アレイ基板の作製方法。
(6)上記(5)の一般式(2)で表されるポリマー化合物が、ポリアリルアミンであることを特徴とする上記(4)に記載の表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサ作製用アレイ基板の作製方法。
(7)上記(5)の一般式(2)で表されるポリマー化合物が、ポリリジンであることを特徴とする上記(4)に記載の表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサ作製用アレイ基板の作製方法。
(8)酸・アルカリ・塩溶液等を用いた抗体分子の脱着再生操作を施すことにより繰り返し同質の測定を可能としたことを特徴とする、上記(4)に記載の表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサを用いた抗原分子の測定方法。
(9)上記(4)の表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサを検出部に用いること、ならびに上記(8)に記載の繰り返し再生操作を適用することを特徴とし、試料測定回ごとに検出部表面の自動的再生処理を行う自動送液装置、および検出により生成される測定データの自動的収集ならびにデータ処理を可能にするデータ処理装置を一体として備えた表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサの自動測定システム。
本発明によれば、表面プラズモン共鳴装置に用いる、金属等のアレイ基板表面に、抗体分子が高密度で、かつ抗体タンパク質が配向制御されて固定化された抗体アレイセンサが提供できる。表面プラズモン共鳴センサの検出部に本発明の抗体アレイセンサを使用すれば,従来の抗体アレイと比較して、実効感度が極めて顕著に増大し、抗体アレイセンサの実用性の向上、その利用分野の拡大等が図れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、非標識分子検出が可能な表面プラズモン共鳴アレイセンサの検出部金属表面のリンカー分子の一級アミノ基に抗体結合性タンパク質を吸着させ、また、さらに該一級アミノ基に該タンパク質主鎖のカルボキシ末端を、シアノシステイン残基を介したアミド結合形成反応を利用して結合させることにより、該基材上に該タンパク質を整列固定化して、抗体結合性タンパク質を抗体捕捉用足場分子とした抗体捕捉用アレイセンサ基材を調製したのち、複数かつ任意の抗体分子を該基材上のそれぞれの特定微小領域に配された抗体結合性タンパク質により捕捉させ、抗体アレイセンサを構築するものである。
さらに、一級アミノ基を繰り返し構造中に有するポリマー化合物を検出部金属表面の任意のリンカー分子に結合させることにより、平板状のポリマー修飾アレイセンサ基材を作成し、該基材上において区分された複数の特定微小領域において、該ポリマー化合物の一級アミノ基を利用して、さらに高密度な配向制御された抗体結合タンパク質の固定化を可能にすることにより、より高密度な抗体分子の固定化による実効感度のさらに向上した抗体アレイセンサを提供する。
本発明においては、アレイセンサ基材上の極めて小さな領域において、高密度かつその機能を保持したまま均一な配向状態で固定化でき、しかるにその高密度かつ均一配向した抗体結合性タンパク質により捕捉された抗体分子もまた、該蛋白質−抗体分子間の結合が、抗体分子の抗原結合機能を司る部位ではなく定常領域と呼ばれる結合機能とは無関係の部位にて確実に達成できることから、均一な配向をもって高密度にアレイセンサ上の特定領域に固定化できる。
また、上記ポリマー化合物の使用によって基材表面の一級アミノ基の密度を増大させることにより、固定化抗体結合性タンパク質の密度をさらに増幅させることもでき、もってより高感度な抗体アレイセンサを提供できる。
すなわち、このような高度に均一な配向と高い密度を同時に達成できる本発明により、固定化された抗体分子は個々の分子が最大限に抗原結合機能を発揮することができ、単位面積あたりの分子数が増大するため、表面プラズモン共鳴アレイセンサでの感度不足が改善し、かつ再現性の高い測定が可能となる。
また、アレイセンサ金属表面−リンカー分子−抗体結合蛋白質、あるいはアレイセンサ金属表面−リンカー分子−ポリマー化合物−抗体結合蛋白質からなる抗体捕捉用アレイセンサ基材では、すべてその結合が安定な共有結合にて形成されており、適切な酸あるいは塩溶液等を作用させることなどで、使用した抗体分子を脱着させ、別途新たな抗体分子を結合させて供用するためのアレイセンサ表面の簡便な再生操作が可能となり、これら一連の操作を自動化することによる抗体アレイセンサを用いた自動測定装置の実現に十分資することのできる能力を提供できる。
以下に、アレイセンサの検出部金属表面の一級アミノ基を有するリンカー分子に直接、あるいは、検出部金属表面の任意のリンカー分子に結合させたポリマー化合物の該一級アミノ基に、抗体結合性タンパク質をペプチド結合により結合させることにより、抗体結合性タンパク質アレイ基材を作製し、さらに任意の対象となる抗体分子を結合させることにより、表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサを作製する手段ならびにそれを利用した測定方法について詳細に説明する。
1.アレイセンサ基材
本発明の上記課題を達成するためには、まずアレイセンサ基材として、負に帯電した抗体結合タンパク質をイオン相互作用により吸着できるに十分な一級アミノ基を露出した表面構造が要求される。この性能を満たす基材の構成としては、表面プラズモン共鳴アレイセンサが元来備える検出部の金属(主に金)表面の上に一級アミノ基をバルク水側に露出し、かつ金属とも共有結合で結合できる二価性の低分子化合物であるリンカー分子の介在が望ましい。このようなリンカー分子は既によく研究され、また市販化もされているが、以下の一般式で示される。

X-A-Y (4)

[上式(4)中のXはチオール(HS-)、ジスルフィド(Y-A-SS-, Y’-A’-SS-)、スルフィド(Y-A-S-,Y’-A’-S-)、セレノール(HSe-)、ジセレナイド(Y-A-SeSe-,Y’-A’-SeSe-)、セレナイド(Y-A-Se-,Y’-A’-Se-)等があげられ、これらの例では硫黄原子あるいはセレン原子と金との間で自発的共有結合が形成される。Aは飽和炭化水素鎖((CH2)n)やエチレングリコール重合体((CH2-CH2-O-)n)を表す(nはそれぞれ2以上の整数)が、部分的に不飽和結合(2重結合等)が挿入されることがある。Yはここでは一級アミノ基である。なお、Y’はYに適合する残基である場合もあるが、それ以外の親水基でもよい。後者の場合、結合反応には関与しない。]
上式(4)で示されるリンカー分子は強弱の差はあるものの両親媒性を示すため、抗体アレイセンサが用いられるような水溶液系においてはYをバルク水側に向け複数分子のAが束ねられるような凝集単膜構造を金表面において自発的に形成する。これは自己集合膜(Self-assembly Monolayer; SAM)と呼ばれる構造で、硫黄原子あるいはセレン原子と金との間との共有結合がさらに凝集によって強化されており、結合反応に供する一級アミノ基は高度に配向してバルク水側に露出しているためにリンカー分子として効率がよい。
また、本発明でポリマー化合物を用いてさらに固定化量を増大させたい場合には、上式(4)のリンカー分子を用いるが、これにポリマー中の一級アミノ基を結合させるため上式(4)中のYには様々な親水性官能基が利用可能である。例えば、Yがカルボキシル基の場合、同カルボキシ基をあらかじめヒドロキシスクシンイミドのような活性化試薬で活性化体に変換しておけばポリマー中の一級アミノ基と接触させるだけで反応が進行するし、Yが一級アミノ基となる場合には同じ構造同士であるが、グルタルアルデヒドによる活性化を行えば反応可能であるし、その他水酸基等もエピクロロヒドリンや臭化シアンによる活性化を通じて利用できる。
本発明におけるポリマー化合物としては、一級アミノ基を繰返し構造中に有し、一級アミノ基以外の部分が、固定するタンパク質の側鎖もしくはアミノ末端のα―アミノ基もしくはカルボキシ末端のカルボキシル基と反応性の無いものであればどのようなものでも用いることができる。
一級アミノ基を繰返し構造中に有するポリマー化合物としては、例えば、ポリアルキレン鎖、ポリアミド鎖、ポリエステル鎖、ポリスチレン鎖等を有するもの等が挙げられ、以下の一般式で表される繰り返し構造を有する。

(X-NH2)n (5)

〔 上記式(5)中、Xは、例えば、ポリアルキレン鎖、ポリアミド鎖、ポリエステル鎖、ポリスチレン鎖等を構成するモノマー残基を表す。また、NH基は、該モノマー残基中に含まれる基であってもよいし、これらポリマー化合物の主鎖から分枝した側鎖中に含まれる基であってもよい。nは2以上の整数を指す。〕
本発明においては、これらのポリマー化合物のうち、ポリアルキレン鎖を有するものとして、例えば、ポリアリルアミンを挙げることができるが、このポリマー化合物は単位質量当たりの一級アミン含量が高く、本発明において好ましいものとして用いることができる。また、本発明はこれに限定されず、例えば、一級アミノ基を側鎖に有するビニル化合物と他のビニル化合物との共重合体、あるいはポリリジンなど各種のポリマー化合物などが利用できる。
2.抗体分子に結合能を有するタンパク質
本発明において固定化に供される抗体結合性タンパク質もしくはペプチドとしては、抗体分子に対して結合能を有するものであれば何でも用いることができる。
抗体分子に結合能を有するタンパク質としては、

また、これらのタンパク質に関しては、多くの場合繰り返し配列を持ち、断片化したタンパク質においても抗体分子との結合能を有することが明らかにされている。本発明が対象とする抗体分子に結合能を有するタンパク質もしくはペプチドとしては、これら天然由来の抗体結合タンパク質、部分タンパク質、その配列改変タンパク質、部分ペプチド、その模倣ペプチド、抗体分子に結合能を有する人工ペプチドなどが上げられる。このような抗体分子に結合能を有するタンパク質に関しては、一般式(6)
NH2-R1-COOH (6)
[上記式中、R1は、抗体分子に結合能を有するタンパク質もしくはペプチドのアミノ酸配列を表す]
で表すことができる。
本発明では、一般式(6) NH2-R1-COOHで示される結合能を有するタンパク質もしくはペプチドを固定化できるようにするために、
一般式(7)
NH2-R1-CO-NH-R2-CO-NH-CH(CH2-SH)-CO-NH-R3-COOH (7)

で示される固定化用のタンパク質を作製する必要がある。これらの一般式中、R3は、中性付近で強く負に荷電し、且つNH2-R1-CO-NH-R2-CO-NH-CH(CH2-SH)-CO-NH-R3-COOHの等電点を酸性にできる任意のアミノ酸残基の連鎖を表す。R1は、上述の抗体分子に結合能を有するタンパク質もしくはペプチドのアミノ酸配列である。R2は、上記一般式(1)で示される固定化しようとするタンパク質と金属表面上の両親媒性のリンカー分子との間を延長するリンカーペプチドとなる。R2のアミノ酸配列は任意でありその種類、数ともに限られないが、例えばGly-Gly-Gly-Gly等を用いることができる。このような融合タンパク質は、上記一般式(6)で示されるタンパク質をコードする遺伝子と
一般式(8)
NH2-R2-CO-NH-CH(CH2-SH)-CO-NH-R3-COOH (8)
[上記式中、R2およびR3は上記の意味を有する。]
で示されるペプチド配列をコードする遺伝子とを結合することにより、一般式(7) NH2-R1-CO-NH-R2-CO-NH-CH(CH2-SH)-CO-NH-R3-COOHで示される融合タンパク質をコードする遺伝子を作製し、これを大腸菌などの宿主生物で発現させ、その後、発現したタンパク質を分離精製することにより得ることができる。
このような融合タンパク質は公知技術(例えば、M. Iwakura et al., J. Biochem. 111,
37-45 (1992)参照)を利用することにより、実施することができる。あるいは、上記融合タンパク質は、遺伝子工学的手法と慣用のタンパク質合成技術との組み合わせ、または、蛋白合成技術のみによっても作製することができる。
上記一般式(7)および(8)におけるR3としては、アスパラギン酸やグルタミン酸を多く含む配列が好適である。好ましくは、上記一般式(7)および(8)の物質の等電点を4から5の間の値になるように、アスパラギン酸やグルタミン酸を多く含む配列をデザインすればよい。そのような配列のうち好適な列としてアラニル-ポリアスパラギン酸をあげることができる。シアノシステイン残基の次のアミノ酸残基をアラニンにすることにより、シアノシステイン残基を介したアミド結合形成反応が生じやすいことと、アミノ酸側鎖の中でアスパラギン酸のカルボキシル基が最も酸性であるからである。
上記のことを更に具体的に示すため、Staphylococcus aureus由来のプロテインAを例に以下に説明する。
Staphylococcus aureus由来のプロテインAは、アミノ酸配列が著しく類似したA,B,C,D,Eと名付けられた5つのドメインとそれに付随した配列により構成されている。それらの各々のドメインは、57アミノ酸で構成されるが、それぞれ単独でも安定な構造をとり、例えば大腸菌において大量発現させることができる。また、各ドメインは、単独で抗体分子との結合能を発揮できる。その結合の強さは、天然由来のプロテインA全体部分よりも弱まるが、ドメインを2つ連結したものでは、天然由来のプロテインA全体部分とほぼ同程度である。そこで、プロテインAのドメインに着目して、単独ドメイン(これをモノマーと称する)とドメインを2つ連結したもの(これをダイマーと称する)の2種類について、固定化に供するための配列を設計した。
配列番号1は、プロテインAのAドメインモノマーを固定化反応に供するために作製された固定化用タンパク質のアミノ酸配列、配列番号2は、プロテインAのAドメインダイマーを固定化反応に供するために作製された固定化用タンパク質のアミノ酸配列を示す。

配列番号1
Ala Asp Asn Asn Phe Asn Lys
Glu Gln Gln Asn Ala Phe Tyr Glu Ile Leu Asn Met Pro Asn Leu Asn Glu Glu Gln Arg
Asn Gly Phe Ile Gln Ser Leu Lys Asp Asp Pro Ser Gln Ser Ala Asn Leu Leu Ala Glu
Ala Lys Lys Leu Asn Glu Ser Gln Ala Pro Lys Gly Gly Gly Gly Cys Ala Asp Asp Asp
Asp Asp Asp
配列表2
Ala Asp Asn Asn Phe Asn Lys
Glu Gln Gln Asn Ala Phe Tyr Glu Ile Leu Asn Met Pro Asn Leu Asn Glu Glu Gln Arg
Asn Gly Phe Ile Gln Ser Leu Lys Asp Asp Pro Ser Gln Ser Ala Asn Leu Leu Ser Glu
Ala Lys Lys Leu Asn Glu Ser Gln Ala Pro Lys Ala Asp Asn Asn Phe Asn Lys Glu Gln
Gln Asn Ala Phe Tyr Glu Ile Leu Asn Met Pro Asn Leu Asn Glu Glu Gln Arg Asn Gly
Phe Ile Gln Ser Leu Lys Asp Asp Pro Ser Gln Ser Ala Asn Leu Leu Ser Glu Ala Lys
Lys Leu Asn Glu Ser Gln Ala Pro Lys Gly Gly Gly Gly Cys Ala Asp Asp Asp Asp Asp
Asp
それぞれの配列は、配列番号3及び配列番号4に示される、プロテインAのAドメインモノマー配列及びプロテインAのAドメインダイマー配列のカルボキシ末端側に、配列番号5に示す、ポリグリシン−システイン残基−アラニン残基−ポリアスパラギン酸の配列を付加した配列である。

配列番号3
Ala Asp Asn Asn Phe Asn Lys
Glu Gln Gln Asn Ala Phe Tyr Glu Ile Leu Asn Met Pro Asn Leu Asn Glu Glu Gln Arg
Asn Gly Phe Ile Gln Ser Leu Lys Asp Asp Pro Ser Gln Ser Ala Asn Leu Leu Ala Glu
Ala Lys Lys Leu Asn Glu Ser Gln Ala Pro Lys
配列番号4
Ala Asp Asn Asn Phe Asn Lys
Glu Gln Gln Asn Ala Phe Tyr Glu Ile Leu Asn Met Pro Asn Leu Asn Glu Glu Gln Arg
Asn Gly Phe Ile Gln Ser Leu Lys Asp Asp Pro Ser Gln Ser Ala Asn Leu Leu Ser Glu
Ala Lys Lys Leu Asn Glu Ser Gln Ala Pro Lys Ala Asp Asn Asn Phe Asn Lys Glu Gln
Gln Asn Ala Phe Tyr Glu Ile Leu Asn Met Pro Asn Leu Asn Glu Glu Gln Arg Asn Gly
Phe Ile Gln Ser Leu Lys Asp Asp Pro Ser Gln Ser Ala Asn Leu Leu Ser Glu Ala Lys
Lys Leu Asn Glu Ser Gln Ala Pro Lys Gly Gly Gly Gly Cys Ala Asp Asp Asp Asp Asp
Asp
配列番号5
Gly Gly Gly Gly
Cys Ala Asp Asp Asp Asp Asp Asp
配列番号5においては、リンカー部分の配列として、4個のグリシン残基を示しているが、リンカー配列に関しては任意であり、その長さもしくは種類には限定されない。システイン残基は、側鎖のSH基をシアノ化することにより、シアノシステインに変換し、固定化反応に利用するために必須な残基である。これに引き続くアラニン−ポリアスパラギン酸の配列は、固定化反応を促進し反応効率を高めるために導入した配列であり、配列番号1及び2に示すタンパク質の等電点を4から5の間の値になるようにできる配列であればどのような配列でも良い。
配列番号1及び配列番号2に示すタンパク質は、化学合成技術を用いても作製できるが、配列をコードする遺伝子を大腸菌などの宿主で発現させ、発現細胞から分離精製することにより得られる。
配列番号1及び配列番号2に示すタンパク質をコードする配列の例として、それぞれ配列番号6及び配列番号7に示す塩基配列があげることができる。

配列番号6
ATGGCTGATAACAATTTCAACAAAGAACAACAAAATGCTTTCTATGAAATCTTGAATATGCCTAACTTAAACGAAGAACAACGCAATGGTTTCATCCAAAGCTTAAAAGATGACCCAAGCCAAAGTGCTAACCTATTGTCAGAAGCTAAAAAGTTAAATGAATCTCAAGCACCGAAAGGTGGCGGTGGCTGCGCTGATGACGATGACGATGACTAA
配列番号7
ATGGCTGATAACAATTTCAACAAAGAACAACAAAATGCTTTCTATGAAATCTTGAATATGCCTAACTTAAACGAAGAACAACGCAATGGTTTCATCCAAAGCTTAAAAGATGACCCAAGCCAAAGTGCTAACCTATTGTCAGAAGCTAAAAAGTTAAATGAATCTCAAGCACCGAAAGCTGATAACAATTTCAACAAAGAACAACAAAATGCTTTCTATGAAATCTTGAATATGCCTAACTTAAACGAAGAACAACGCAATGGTTTCATCCAAAGCTTAAAAGATGACCCAAGCCAAAGTGCTAACCTATTGTCAGAAGCTAAAAAGTTAAATGAATCTCAAGCACCGAAAGGTGGCGGTGGCTGCGCTGATGACGATGACGATGACTAA
なお、これらの配列表には、開始コドンであるATGと終止コドンであるTAAそれぞれ5’末端と3’末端に加えた配列を示している。
アミノ酸をコードする塩基配列は縮退しており、複数のコドンがある1つのアミノ酸残基に対応することから、配列表1及び配列表2に示すタンパク質をコードする配列は、配列表6及び配列表7に限定されず、可能なコドンの組み合わせの数だけ存在する。
配列番号1及び配列番号2に示すタンパク質をコードする遺伝子配列を大腸菌などの宿主細胞において発現させるためには、遺伝子の転写及び翻訳に必要な配列をタンパク質をコードする配列の上流に付け加える必要がある。その様な配列を付け加えて、ベクターに導入できるようにした遺伝子配列として、例えば、配列番号8及び配列番号9に示す配列がある。

配列番号8
GGATCCTTGACAATATCTTAACTATCTGTTATAATATATTGACCAGGTTAACTAACTAAGCAGCAAAAGGAGGAACGACTATGGCTGATAACAATTTCAACAAAGAACAACAAAATGCTTTCTATGAAATCTTGAATATGCCTAACTTAAACGAAGAACAACGCAATGGTTTCATCCAAAGCTTAAAAGATGACCCAAGCCAAAGTGCTAACCTATTGTCAGAAGCTAAAAAGTTAAATGAATCTCAAGCACCGAAAGGTGGCGGTGGCTGCGCTGATGACGATGACGATGACTAAGAATTC
配列番号9
GGATCCTTGACAATATCTTAACTATCTGTTATAATATATTGACCAGGTTAACTAACTAAGCAGCAAAAGGAGGAACGACTATGGCTGATAACAATTTCAACAAAGAACAACAAAATGCTTTCTATGAAATCTTGAATATGCCTAACTTAAACGAAGAACAACGCAATGGTTTCATCCAAAGCTTAAAAGATGACCCAAGCCAAAGTGCTAACCTATTGTCAGAAGCTAAAAAGTTAAATGAATCTCAAGCACCGAAAGCTGATAACAATTTCAACAAAGAACAACAAAATGCTTTCTATGAAATCTTGAATATGCCTAACTTAAACGAAGAACAACGCAATGGTTTCATCCAAAGCTTAAAAGATGACCCAAGCCAAAGTGCTAACCTATTGTCAGAAGCTAAAAAGTTAAATGAATCTCAAGCACCGAAAGGTGGCGGTGGCTGCGCTGATGACGATGACGATGACTAAGAATTC
配列番号8及び配列番号9に示す配列は、それぞれ配列番号6及び7に示す配列に

配列番号10
TTGACAATATCTTAACTATCTGTTATAATATATTGACCAGGTTAACTAACTAAGCAGCAAAAGGAGGAACGACT

に示す配列を開始コドンの上流に結合させると共に、5’末端に制限酵素BamHIの認識切断配列、及び、3’末端に制限酵素EcoRIの認識切断配列を結合させ、ベクターDNAに導入できるようにした配列である。
配列番号8及び配列番号9に示す配列は、いくつかの断片を化学合成した後、PCR法もしくはDNAリガーゼなどの酵素を用いることにより、人工合成することができる。
このようにして得られた合成遺伝子を、制限酵素部位を利用し、適切なベクターに組み込み、これを宿主細胞中で発現させる。ベクターとしては、適切な制限酵素部位が利用できるものであれば、どのようなものでも利用できる。例えば、市販品のベクターとしては、pUC系,PBR系の高コピー数ベクターが好適である。配列表6及び配列表7を導入した組み換え体を発現させることにより、例えば、大腸菌においては、菌体タンパク質の5から30%程度にまで、配列表1及び配列表2に示すタンパク質を可溶性の状態で発現・蓄積させることができる。
このようにして、発現・蓄積されたタンパク質は、発現菌体の無細胞抽出液から、通常のタンパク質精製に用いられるクロマトグラフィーの操作により、均一にまで精製することができる。用いられるクロマトグラフィーとしては、陰イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィーなどが有効であるが、抗体との結合能を有することから、イムノグロブリンを固定化した担体を利用したアフィニティクロマトグラフィーが最も有効である。
3.タンパク質のアレイセンサへのスポット法
次に、本発明においては、上記のようにして調製した固定化用抗体結合性タンパク質をタンパク質アレイ用基材に配置、吸着させるが、その方法には特に制限はなく、基材上の特定の領域にタンパク質溶液をスポットできる方法であればいかなる方法も用い得る。例えば、ピン等の針状物、インクジェット、キャピラリー等を用いる方法があるが、いずれの方法を用いてもよい。また、ピッキングロボットを用いることも可能である。以下に一例として、キャピラリーを用いてスポットする方法について詳述する。
キャピラリー中に、一般式(7)で示される固定化用タンパク質の溶液を充填し、上方から適当な圧力を加えることによってタンパク質溶液を意図する場所に適量スポットすることが可能である。また、固定化用の基板が吸水性の性質を持つ場合には、10 μl程度の量のタンパク質溶液であれば上から圧力を加えなくても、溶液が基板に迅速に吸収されていく。その時、タンパク質溶液の溶媒は、スポットされた場所を中心に全方向に拡散していくが、タンパク質は静電相互作用により一級アミンに吸着するので、スポットされた場所に留まる。そのため、タンパク質を小さな領域に高密度で吸着させることが可能である。更に、スポットする位置を制御することにより、任意のパターン形状にタンパク質を整列固定化することができる。このことは、例えば、コンピュータ上で作図したパターンをインクジェットプリンターで印刷する様にしてコンピュータ制御により行うこともできる。従って、整列化に用いられる方法ならばどのような方法でも適用可能であり、このことで本発明が制限を受けないことは自明である。
4.タンパク質の固定化
別法として説明するように、上記スポットしたタンパク質を吸着固定化させることによりそのままタンパク質アレイとしてもよいが、この段階ではあくまでも静電相互作用等非共有結合によりタンパク質が基材に結合しており、結合強度が低いので、タンパク質を強固に固定化するためには、更に、タンパク質のカルボキシ末端のカルボキシル基と基材上のポリマーの一級アミノ基との間にアミド結合を形成させる。その反応を起こさせるためには、固定化用タンパク質のカルボキシ末端に導入したシステイン残基のスルフヒドリル基をシアノ化しシアノシステインに変換する必要がある。
この結合を達成させるためには、上記一般式(7)のタンパク質中のシステイン残基のスルフヒドリル基をシアノ化しシアノシステインに変換する必要があり、一般式(7)のシアノ化により得られるシアノ化タンパク質は以下の一般式(9)で表されるタンパク質である。
NH2-R1-CO-NH- R2-CO-NH-CH(CH2-SCN)-CO-NH-R3-COOH ・・・(9)
[上記式中、R1、R2、R3は一般式(7)のR1、R2、R3とそれぞれ同じであり、R1は任意のアミノ酸配列を、R2はリンカーペプチドを、R3は中性付近で強く負に荷電しかつ一般式(7)の化合物の等電点を酸性にし得るアミノ酸配列を表す。]
このシアノ化反応は、市販のシアノ化試薬を用いて行うことができる。シアノ化試薬としては、通常、2-ニトロ-5-チオシアノ安息香酸(2-nitro-5-thiocyanobennzoic acid (NTCB)) (Y. Degani, A. Ptchornik, Biochemistry, 13,1-11 (1974)参照)または、1−シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロ硼酸(1-cyano-4-dimethylaminopyridinium tetrafluoroborate(CDAP))などを用いる方法が簡便である。
NTCBを用いたシアノ化は、pH7.0の10mM燐酸緩衝液中で効率よく行うことができる。このシアノ化反応の後、溶媒を弱アルカリにすることにより、固定化反応が進行する。即ち、シアノシステイン残基直前のアミノ酸残基のカルボキシル基と担体の一級アミノ基との間にアミド結合が形成される。このことは、緩衝液をpH9.5の10mM硼酸緩衝液に換えること等で可能である。
上記固定化反応に必要なシステイン残基のスルフヒドリル基のシアノシステインの変換は、既に本発明者らが明らかにしているように、タンパク質を固定化する基材に吸着させる前でも、後でも、あるいは吸着と同時に行ってもよい(特願2002-148950 参照)。一般式(9)で表されるシアノ化後のタンパク質も中性付近で強く負に帯電するアミノ酸配列を有しているため、シアノ化後のタンパク質を基材に整列配置、吸着させてもタンパク質主鎖のカルボキシ末端側が担体上のポリマー化合物の一級アミノ基側に吸着し、上記アミド形成反応により、タンパク質主鎖のカルボキシ末端のみで該一級アミノ基と結合し、これにより、タンパク質を均一な配向状態で、かつ高密度に整列固定化されたタンパク質アレイを得ることができる。
また、本発明で用いるシアノシステインが関与する反応には、副反応として加水分解反応が起こりうるが、このような副反応から生成する反応物は全て溶媒に溶けるため、反応後、タンパク質固定化反応後のタンパク質アレイを適当な溶媒で洗うことにより副反応生成物を取り除くことができる。
以上、本発明のタンパク質アレイ用基材、及び固定化用タンパク質を用いて、上記の操作により固定化を行うことにより、実施例に示されるように、抗体結合性タンパク質を数mg/mm程度の高密度に固定化した、抗体アレイセンサを作製することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
本実施例においては、一級アミンを表面に露出している表面プラズモン共鳴アレイセンサとして、東洋紡製の機器、Multi SPRinterに付属するNH2−チップあるいはCOOH−チップを利用し、これを該機器に装着して検討した。これらのチップではそれぞれ、チップ上の金属表面を98カ所の微小領域に分割し、該領域にアミノ基あるいはカルボキシル基を末端に有し、反対側の末端にチオール基を有するポリエチレングリコール(PEG)分子により、単層の安定なSAM表面を用意している。一級アミノ基を繰り返し構造中に有するポリマー化合物として、シグマ−アルドリッチで市販しているポリ−L−リジンを用いた。
本実施例において、固定化に用いるために調製された抗体結合性タンパク質は、プロテインA(配列番号1)に、リンカーペプチド部分のアミノ酸配列(Gly-Gly-Gly-Gly-Gly-Gly)、システイン(Cys)及び中性付近で強く負に荷電し、かつ得られるタンパク質の等電点を酸性にするためのアミノ酸配列(Ala-Asp-Asp-Asp-Asp-Asp-Asp)が順次付加されたタンパク質(配列番号2)であり、これらは、全て先行当該発明者により作製されていたもの(特願2003-352937に記載)を用いた。さらにこの結合性タンパク質に固定化される抗体は、抗ヒツジIgG抗体ウサギ由来抗体(フナコシ)であり、この抗体が結合された表面へ、抗ウシ・アルブミンヒツジ抗体(フナコシ)を作用させて、反応を観測した。
〔実施例1〕
〔1〕COOH−チップを用いた比較実験のための抗体分子直接非配向固定化により構築した従来型アレイセンサの作製
COOH−チップ上に0.2 M EDC (N-ethyl-N’-[3-(dimethylamino)propyl]carbodiimide)
/ 0.05 M NHS (N-Hydroxysuccinimide)の混和水溶液を全体を覆うように滴下して1時間静置し、表面カルボン酸を活性化させた。純水にて表面をすすいだ後、HEPES緩衝液(0.05 M HEPES (pH 7.4) + 0.2 M NaCl)に溶解させた100 μg/mL 抗ヒツジIgG抗体ウサギ由来抗体を滴下して2時間作用させた。純水にて表面をすすいだ後、1.0 M エタノールアミン塩酸塩水溶液(pH 8.5)を30分作用させ、未反応カルボン酸活性化体を不活性化した。
〔2〕COOH−チップとポリマーを用いた抗体分子直接配向固定化による本発明のアレイセンサの作製
COOH−チップ上に0.2 M EDC (N-ethyl-N’-[3-(dimethylamino)propyl]carbodiimide)
/ 0.05 M NHS (N-Hydroxysuccinimide)の混和水溶液を、全体を覆うように滴下して1時間静置し、表面カルボン酸を活性化させた。純水にて表面をすすいだ後、1 %のポリ−L−リジン(分子量:15万〜30万)を含む水溶液を、東洋紡製のピン型自動スポッティング装置を用いて、表面プラズモン共鳴アレイセンサの微小領域にスポッティングし、密閉した容器の中で湿度を80%に保つことにより、2時間静置した。1.0
M KClにて表面を5回洗浄した後、1.0 M エタノールアミン塩酸塩水溶液(pH 8.5)を30分作用させ、未反応カルボン酸活性化体を不活性化した。このように構築したポリマー修飾済のSPRセンサチップをMulti
SPRinterのフローセルに装着し、10 μg/mLの末端に負に荷電するアミノ酸とシステイン残基を加えた組換えプロテインA分子をフローセル中に1時間通液循環させ、イオン的相互作用によるタンパク質末端とポリマー中の一級アミノ基との結合を促進した。この後5
mM NTCB溶液(pH 7.0)を1時間通液循環させてプロテインA中のシステイン残基をシアノ化した後、10 mM 硼酸緩衝液(pH 9.5)を1時間通液循環させてシアノ化システイン残基を介したプロテインAタンパク質のC末端の主鎖固定化反応を促進させた。最後に1.0
M KClにて表面を5回洗浄して共有結合が形成できなかった未反応タンパク質を洗い流してアレイセンサ基材を作製した。この基材をフローセル内にとどめたまま、10 μg/mL
抗ヒツジIgG抗体ウサギ由来抗体を通液循環させて、表面のプロテインA分子に結合させることにより、本発明による表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサを完成させた。
〔3〕従来型ならびに本発明による抗体アレイセンサの性能比較試験
上記〔1〕、〔2〕でそれぞれ作成した従来法ならびに本発明による表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサを比較するため、2つのアレイセンサを別途フローセルに納め、10 μg/mL抗ウシ・アルブミンヒツジ抗体(フナコシ)を通液循環により作用させて反応を観測した(図1)。図から明快なように、従来型の固定化法(非配向)にて抗体分子を固定化させた表面(図中曲線A)では、検出限界に近い小さなシグナルしか観測できなったが、本発明によるアレイセンサ(図中曲線B)では、配向制御固定化法による実効感度の向上を反映して遙かに大きなシグナルが観測されており、本発明による表面プラズモン共鳴アレイセンサ構築技術の妥当性を示している。
従来法ならびに本発明により、表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサに抗ヒツジIgG抗体ウサギ由来抗体をそれぞれ固定化し、10 μg/mL抗ウシ・アルブミンヒツジ抗体(フナコシ)を作用させて反応を観測した図である。縦軸は表面プラズモン共鳴のシグナル値で、横軸は時間である。太い横線はフローセルに10μg/mL抗ウシ・アルブミンヒツジ抗体(フナコシ)を通液循環させた時間をそれぞれ示し、それ以外の時間はHEPES緩衝液を通液循環させた。

Claims (9)

  1. 抗体結合性タンパク質あるいはペプチドのカルボキシ末端をリンカー配列を介して、一級アミノ基を有するセンサ検出部表面上のリンカー分子とアミド結合で固定化することにより得られ、一般式(1)
    NH2-R1-CO-NH-R2-CO-NH-Y-Z (1)
    [上記式中、R1は、抗体結合性タンパク質もしくはペプチドのアミノ酸配列、R2は任意のリンカー配列のアミノ酸配列、Yはリンカー分子、Zはセンサ検出部表面基材を表す]で表される、センサ検出部表面上の特定領域に抗体結合性タンパク質あるいはペプチドを整列固定化させた表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサ作製用アレイ基板であって、上記一級アミノ基を有するリンカー分子が、
    一般式(2)
    (NH 2 -X)n (2)
    で示される一級アミノ基を有するポリマー化合物である(但し、式中Xは、ポリマー化合物の繰り返し単位の一級アミノ基以外の残基を示し、nは2以上の整数を表す。)ことを特徴とする表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサ作製用アレイ基板。
  2. 請求項1の一般式(2)で表されるポリマー化合物が、ポリアリルアミンであることを特徴とする請求項1に記載の表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサ作製用アレイ基板。
  3. 請求項1の一般式(2)で表されるポリマー化合物が、ポリリジンであることを特徴とする請求項1に記載の表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサ作製用アレイ基板。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサ作成用アレイ基板に、抗体蛋白質を整列固定化させたことを特徴とする、表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサ。
  5. 一級アミノ基を有するセンサ検出部表面上の特定領域に、一般式(10)
    NH 2 -R 1 -CO-NH-R 2 -COOH (10)
    〔式中、R は抗体結合性タンパク質もしくはペプチドのアミノ酸配列、R はリンカー配列を表す。〕
    で示されるタンパク質もしくはペプチドを整列固定化した表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサ作製用アレイ基板を作成する方法であって、
    一級アミノ基が、一般式(2)で表されるポリマー化合物の一級アミノ基であり
    (NH 2 -X)n (2)
    (但し、式中Xは、ポリマー化合物の繰り返し単位の一級アミノ基以外の残基を示し、nは2以上の整数を表す。)
    該一級アミノ基を有するセンサ検出部表面上に、一般式(9)で示されるタンパク質もしくはペプチドが整列配置、吸着された状態で、
    NH 2 -R 1 -CO-NH-R 2 -CO-NH-CH(CH 2 -SCN)-CO-NH-R -COOH (9)
    〔式中、上記式中、R 1 は、抗体結合性タンパク質もしくはペプチドのアミノ酸配列、R 2 は任意のリンカー配列のアミノ酸配列、R は中性付近で強く負に荷電しかつ一般式(9)で表されるタンパク質もしくはペプチドの等電点を酸性にし得るアミノ酸配列を表す。〕
    弱アルカリ溶媒を用いて、上記ポリマー化合物の一級アミノ基と一般式(10)で表されるタンパク質若しくはペプチド主鎖のカルボキシ末端をペプチド結合させることを特徴とする、表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサ作製用アレイ基板の作製方法。
  6. 請求項5の一般式(2)で表されるポリマー化合物が、ポリアリルアミンであることを特徴とする請求項4に記載の表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサ作製用アレイ基板の作製方法。
  7. 請求項5の一般式(2)で表されるポリマー化合物が、ポリリジンであることを特徴とする請求項4に記載の表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサ作製用アレイ基板の作製方法。
  8. 酸・アルカリ・塩溶液等を用いた抗体分子の脱着再生操作を施すことにより繰り返し同質の測定を可能としたことを特徴とする、請求項4に記載の表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサを用いた抗原分子の測定方法。
  9. 請求項4の表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサを検出部に用いること、ならびに請求項8に記載の繰り返し再生操作を適用することを特徴とし、試料測定回ごとに検出部表面の自動的再生処理を行う自動送液装置、および検出により生成される測定データの自動的収集ならびにデータ処理を可能にするデータ処理装置を一体として備えた表面プラズモン共鳴抗体アレイセンサの自動測定システム。
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