JP4397304B2 - バイオセンサー - Google Patents

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Description

本発明は、バイオセンサー及びそれを用いた生体分子間の相互作用を分析する方法に関する。特に本発明は、表面プラズモン共鳴バイオセンサーに用いるためのバイオセンサー及びそれを用いた生体分子間の相互作用を分析する方法に関する。
現在、臨床検査等で免疫反応など分子間相互作用を利用した測定が数多く行われているが、従来法では煩雑な操作や標識物質を必要とするため、標識物質を必要とすることなく、測定物質の結合量変化を高感度に検出することのできるいくつかの技術が使用されている。例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)測定技術、水晶発振子マイクロバランス(QCM)測定技術、金のコロイド粒子から超微粒子までの機能化表面を使用した測定技術である。SPR測定技術はチップの金属膜に接する有機機能膜近傍の屈折率変化を反射光波長のピークシフト又は一定波長における反射光量の変化を測定して求めることにより、表面近傍に起こる吸着及び脱着を検知する方法である。QCM測定技術は水晶発振子の金電極(デバイス)上の物質の吸脱着による発振子の振動数変化から、ngレベルで吸脱着質量を検出できる技術である。また、金の超微粒子(nmレベル)表面を機能化させて、その上に生理活性物質を固定して、生理活性物質間の特異認識反応を行わせることによって、金微粒子の沈降、配列から生体関連物質の検出ができる。
上記した技術においては、いずれの場合も、生理活性物質を固定化する表面が重要である。以下、当技術分野で最も使われている表面プラズモン共鳴(SPR)を例として、説明する。
一般に使用される測定チップは、透明基板(例えば、ガラス)、蒸着された金属膜、及びその上に生理活性物質を固定化できる官能基を有する薄膜からなり、その官能基を介し、金属表面に生理活性物質を固定化する。該生理活性物質と検体物質間の特異的な結合反応を測定することによって、生体分子間の相互作用を分析する。
生理活性物質を固定化できる官能基を有する薄膜としては、金属と結合する官能基、鎖長の原子数が10以上のリンカー、及び生理活性物質と結合できる官能基を有する化合物を用いて、生理活性物質を固定化した測定チップが報告されている(特許文献1を参照)。また、金属膜と、該金属膜の上に形成されたプラズマ重合膜からなる測定チップが報告されている(特許文献2を参照)。
上記のような測定チップ(バイオセンサー)の表面を作成する場合、水中でカルボン酸アミドを形成させる場合が多い(ポリマーとリンカーの反応、さらにタンパク質等の被検出物質との結合)。この反応を行うためには通常、水溶性カルボジイミドである1-(3-Dimethylaminopropyl)-3 ethylcarbodiimide(EDC)とN-Hydroxysuccinimide(NHS)を用いてカルボン酸を活性化させた後、アミンと反応させることで、カルボン酸アミドを形成することが一般的に行われている。表面プラズモン共鳴分析(SPR)や水晶発振子マイクロバランス(QCM)がごときバイオセンサー表面を作成する場合にも、EDCとNHSの組み合わせにより、水中でアミド結合を形成することが報告されている(特許文献3及び4)。同様に、SPR表面作成については、 HYPERLINK "http://www.biacore.co.jp/2_2_1.shtml#a" (Biacore)に、QCM表面作成については HYPERLINK "http://www.initium2000.com/technology.html" (イニシアム)に開示がある。
しかしながら、水中でEDCとNHSを混合した場合、「反応に伴い気泡が発生する」という問題があった。また、「得られた活性エステルの安定性が充分ではなく、時間とともに加水分解してしまう」という問題もあった。前者は、密閉した狭い流路内で反応を行う必要があるSPRセンサーなどに適用する場合に、「流路内への気泡の残存」という問題を引き起こす。後者は「反応収率の低下」を引き起こすため、カルボン酸に対して大過剰の活性化剤の使用が必要となる。
特許第2815120号 特開平9−264843号 特開平11−281569号公報 特開2000−39401号公報
本発明は上記した従来技術の問題を解消することを解決すべき課題とした。即ち、本発明は、気泡の発生を伴わないでカルボン酸を活性エステル化させる技術および得られた活性化エステルを安定化させる技術を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、基板の表面に存在するカルボキシル基を本明細書に定義する一般式1で表されるウロニウム塩、一般式2で表されるホスホニウム塩、又は一般式3で表されるトリアジン誘導体のいずれかの化合物を用いて活性化することによって、気泡の発生を伴わないでカルボン酸を活性エステル化させることができ、また活性化エステルを安定化させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、基板の表面に存在するカルボキシル基を下記一般式1で表されるウロニウム塩、下記一般式2で表されるホスホニウム塩、又は下記一般式3で表されるトリアジン誘導体のいずれかの化合物を用いて活性化することによりカルボン酸アミド基が形成されているバイオセンサーが提供される。
Figure 0004397304
(一般式1において、R1とR2はそれぞれ独立に炭素数1から6のアルキル基を示すか、又は互いに一緒になって炭素数2から6のアルキレン基を形成してN原子と共に環を形成し、R3は炭素数6から20の芳香環基又は少なくとも1以上のヘテロ原子を含むヘテロ環基を示し、X-はアニオンを示す。一般式2において、R4とR5はそれぞれ独立に炭素数1から6のアルキル基を示すか、又は互いに一緒になって炭素数2から6のアルキレン基を形成してN原子と共に環を形成し、R6は炭素数6から20の芳香環基又は少なくとも1以上のヘテロ原子を含むヘテロ環基を示し、X-はアニオンを示す。一般式3において、R7はオニウム基を示し、R8及びR9はそれぞれ独立に電子供与基を示す。)
好ましくは、一般式1で表されるウロニウム塩は、下記化合物1〜10のいずれかの化合物(式中、X-はアニオンを示す)である。
Figure 0004397304
上記において好ましくは、XはBF4またはPF6である。
好ましくは、一般式2で表されるホスホニウム塩は、下記化合物11〜14(式中、X-はアニオンを示す)のいずれかの化合物である。
Figure 0004397304
上記において好ましくは、XはBF4またはPF6である。
好ましくは、一般式3で表されるトリアジン誘導体は、下記化合物15(式中、X-はアニオンを示す)である。
Figure 0004397304
上記において好ましくは、XはClである。
好ましくは、基板に疎水性高分子化合物がコーティングされており、該疎水性高分子化合物が有するカルボキシル基が一般式1から3の何れかで表される化合物を用いて活性化されている。
好ましくは、疎水性高分子化合物のコーティング厚さは1オングストローム以上5000オングストローム以下である。
好ましくは、基板は金属表面あるいは金属膜である。
好ましくは、金属表面あるいは金属膜は、金、銀、銅、白金、及びアルミニウムからなる群より選ばれる自由電子金属からなるものである。
好ましくは、本発明のバイオセンサーは非電気化学的検出に使用され、さらに好ましくは表面プラズモン共鳴分析に使用される。
本発明の別の側面によれば、表面にカルボキシル基を有する基板を下記一般式1で表されるウロニウム塩、下記一般式2で表されるホスホニウム塩、又は下記一般式3で表されるトリアジン誘導体のいずれかの化合物を用いて活性化することによりカルボン酸アミド基を形成する工程を含む、上記した本発明のバイオセンサーの製造方法が提供される。
Figure 0004397304
(一般式1において、R1とR2はそれぞれ独立に炭素数1から6のアルキル基を示すか、又は互いに一緒になって炭素数2から6のアルキレン基を形成してN原子と共に環を形成し、R3は炭素数6から20の芳香環基又は少なくとも1以上のヘテロ原子を含むヘテロ環基を示し、X-はアニオンを示す。一般式2において、R4とR5はそれぞれ独立に炭素数1から6のアルキル基を示すか、又は互いに一緒になって炭素数2から6のアルキレン基を形成してN原子と共に環を形成し、R6は炭素数6から20の芳香環基又は少なくとも1以上のヘテロ原子を含むヘテロ環基を示し、X-はアニオンを示す。一般式3において、R7はオニウム基を示し、R8及びR9はそれぞれ独立に電子供与基を示す。)
本発明のさらに別の側面によれば、生理活性物質が共有結合により表面に結合している、本発明のバイオセンサーが提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、本発明のバイオセンサーと生理活性物質とを接触させて、該バイオセンサーの表面に該生理活性物質を共有結合により結合させる工程を含む、バイオセンサーに生理活性物質を固定化する方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、生理活性物質が共有結合により表面に結合している本発明のバイオセンサーと被験物質とを接触させる工程を含む、該生理活性物質と相互作用する物質を検出または測定する方法が提供される。
好ましくは、生理活性物質と相互作用する物質を非電気化学的方法により検出または測定し、さらに好ましくは生理活性物質と相互作用する物質を表面プラズモン共鳴分析により検出または測定する。
本発明により、バイオセンサーの製造において気泡の発生を伴わないでカルボン酸を活性エステル化させることが可能になると同時に、得られた活性化エステルを安定化させることが可能になった。本発明のバイオセンサーを用いることにより、センサー表面の非特異吸着量を抑制できると同時に生理活性物質の結合量を従来より向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のバイオセンサーは、基板の表面に存在するカルボキシル基を下記一般式1で表されるウロニウム塩、下記一般式2で表されるホスホニウム塩、又は下記一般式3で表されるトリアジン誘導体のいずれかの化合物を用いて活性化することによりカルボン酸アミド基が形成されていることを特徴とする。
Figure 0004397304
一般式1において、R1とR2はそれぞれ独立に炭素数1から6のアルキル基を示すか、又は互いに一緒になって炭素数2から6のアルキレン基を形成してN原子と共に環を形成し、R3は炭素数6から20の芳香環基又は少なくとも1以上のヘテロ原子を含むヘテロ環基を示し、X-はアニオンを示す。
一般式2において、R4とR5はそれぞれ独立に炭素数1から6のアルキル基を示すか、又は互いに一緒になって炭素数2から6のアルキレン基を形成してN原子と共に環を形成し、R6は炭素数6から20の芳香環基又は少なくとも1以上のヘテロ原子を含むヘテロ環基を示し、X-はアニオンを示す。
一般式3において、R7はオニウム基を示し、R8及びR9はそれぞれ独立に電子供与基を示す。
炭素数1から6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、及びヘキシル基などが挙げられ、これらは直鎖でも分岐鎖でもよい。
炭素数2から6のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、及びヘキシレン基などが挙げられる。
炭素数6から20の芳香環基としては、フェニル基またはナフチル基などが挙げられ、これらにさらに別の環が縮合していてもよい。また、芳香環基は置換基を有していてもよく、置換基としてはハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子)、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(N−置換の含窒素ヘテロ環基を含む、例えばモルホリノ基)、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、N−置換アミド基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、チオカルボニル基、カルバゾイル基、シアノ基、チオカルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、スルホニルオキシ基、アシルアミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、ニトロ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、スルファモイル基、リン酸アミドもしくはリン酸エステル構造を含む基、シリル基、カルボキシル基またはその塩、スルホ基またはその塩、リン酸基またはその塩、ヒドロキシ基、アンモニウム基、スルホニウム基、ジアゾニウム基、ヨードニウム基等が挙げられる。
少なくとも1以上のヘテロ原子を含むヘテロ環基としては、窒素、酸素および硫黄原子からなる群より選ばれるヘテロ原子を1個以上含む5または7員の飽和または不飽和の単環または縮合環であるものが好ましい。ヘテロ環の例としては、好ましくはピリジン、キノリン、イソキノリン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、フタラジン、トリアジン、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、チアジアゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、7−アザベンゾトリアゾール、ベンゾトリアジン等が挙げられる。ヘテロ環基は置換基を有してもよく、上記した芳香環基の置換基と同様の基などが挙げられる。
アニオンとしては、F-、Cl-、Br-、I-、At-、BF4 -、AsF6 -、PF6 -、SbF6 -、SbCl6 -、SnCl6 2-、FeCl4 -、BiCl5 2-、CF3SO2 -、ClO4 -、FSO2 -、F2PO2 -等が挙げられる。
オニウム基としては、アンモニウム基、ジアゾニウム基、ピペリジニウム基、モルホリニウム基、キヌクリジニウム基、ピリジニウム基、アニリニウム基、キノリニウム基、イミダゾリウム基、オキサゾリウム基、チアゾリウム基、オキソニウム基、スルホニウム基、セレノニウム基、テルロニウム基、ホスホニウム基、アルソニウム基、スチボニウム基、ビスムトニウム基、フルオロニウム基、クロロニウム基、ブロモニウム基、ヨードニウム基、オキソニウム基、スルホニウム基、セレノニウム基、テルロニウム基などが挙げられる。
電子供与基としては、炭素数1〜8のアルキルオキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基など)、−NH2、−OH、又は−NR2(ここでRは炭素数1〜6のアルキル基を示す)などが挙げられ、好ましくは炭素数1〜8のアルキルオキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基である。
一般式1で表されるウロニウム塩の具体例としては、下記化合物1〜10のいずれかの化合物(式中、X-はアニオンを示し、好ましくはBF4またはPF6である)が挙げられる。
Figure 0004397304
一般式2で表されるホスホニウム塩の具体例としては、下記化合物11〜14(式中、X-はアニオンを示し、好ましくはBF4またはPF6である)のいずれかの化合物が挙げられる。
Figure 0004397304
一般式3で表されるトリアジン誘導体の具体例としては、下記化合物15(式中、X-はアニオンを示し、好ましくはClである)が挙げられる。
Figure 0004397304
上記した一般式1から3の化合物(その具体例としては、化合物1から15)は公知化合物であり常法により合成でき、又は市販品を使用することもできる。具体的には、化合物1から15は、例えば、国産化学、Aldrich、酒井興業、又は同仁化学などから市販されており、あるいは文献(L.A.Carpino, et al., J.Chem.Soc.Chem.Commun., 1994, 201., Y.Kiso, et al., Chem.Pharm.Bull., 38, 270(1990))に記載の方法により合成することができる。
基板の表面に存在するカルボキシル基を上記一般式1から3で表される化合物を用いて活性化する方法は特に限定されず、当業者に公知の常法により行うことができる。具体的には、表面にカルボキシル基を有する基板に、上記一般式1から3で表される化合物を含む溶液を接触させることによりカルボキシル基の活性化を行うことができる。
本発明で言うバイオセンサーとは最も広義に解釈され、生体分子間の相互作用を電気的信号等の信号に変換して、対象となる物質を測定・検出するセンサーを意味する。通常のバイオセンサーは、検出対象とする化学物質を認識するレセプター部位と、そこに発生する物理的変化又は化学的変化を電気信号に変換するトランスデューサー部位とから構成される。生体内には、互いに親和性のある物質として、酵素/基質、酵素/補酵素、抗原/抗体、ホルモン/レセプターなどがある。バイオセンサーでは、これら互いに親和性のある物質の一方を基板に固定化して分子認識物質として用いることによって、対応させるもう一方の物質を選択的に計測するという原理を利用している。
本発明の好ましい態様によれば、基板に疎水性高分子化合物がコーティングされており、該疎水性高分子化合物が有するカルボキシル基を上記一般式1から3の何れかで表される化合物を用いて活性化することができる。
本発明で用いることができる疎水性高分子化合物は、吸水性を有しない高分子化合物であり、水への溶解度(25℃)が10%以下、より好ましくは1%以下、最も好ましくは0.1%以下である。
疎水性高分子化合物を形成する疎水性単量体としては、ビニルエステル類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、オレフィン類、スチレン類、クロトン酸エステル類、イタコン酸ジエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、アリル化合物類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類等から任意に選ぶことができる。疎水性高分子化合物としては、1種類のモノマーから成るホモポリマーでも、2種類以上のモノマーから成るコポリマーでもよい。
本発明で好ましく用いられる疎水性高分子化合物としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルクロライド、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ナイロンなどが挙げられる。
疎水性高分子化合物の基板へのコーティングは常法によって行うことができ、例えば、スピン塗布、エアナイフ塗布、バー塗布、ブレード塗布、スライド塗布、カーテン塗布、さらにはスプレー法、蒸着法、キャスト法、浸漬法等によって行うことができる。
浸漬法は、基板を疎水性高分子化合物溶液に接触させた後に、前記疎水性高分子化合物溶液を含まない液に接触させる方法でコーティングを行う。好ましくは、疎水性高分子化合物溶液の溶剤と疎水性高分子化合物を含まない液の溶剤とは、同一の溶剤である。
浸漬法では、疎水性高分子化合物のコーティング用溶剤を適切に選択することで、基板の凹凸、曲率、形状などに依らず基板表面に均一なコーティング厚みの疎水性高分子化合物層が得られる。
浸漬法のコーティング用溶剤は特に限定されず、疎水性高分子化合物の一部を溶解すれものであれば任意の溶剤を用いることができる。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド等のホルムアミド系溶剤、アセトニトリル等のニトリル系溶剤、フェノキシエタノール等のアルコール系溶剤、2−ブタノン等のケトン系溶剤、トルエン等のベンゼン系溶剤などを使用することができるが、これらに限定されない。
基板に接触させる疎水性高分子化合物の溶液は、疎水性高分子化合物が完全に溶解しても、疎水性高分子化合物の不溶解成分を含む懸濁液でもよい。液温は、疎水性高分子化合物の一部が溶解する液体状態であれば特に制限はないが、−20℃以上100℃以下が好ましい。基板を疎水性高分子化合物の溶液に接触させている間に液温を変動させても良い。溶液の疎水性高分子化合物濃度に特に制限はないが、好ましくは0.01%以上30%以下、さらに好ましくは0.1%以上10%以下である。
固体基板を疎水性高分子化合物溶液に接触させる時間は特に制限されないが、好ましくは1秒以上24時間以下、さらに好ましくは3秒以上1時間以下である。
疎水性高分子化合物を含まない液としては、溶剤自身のSP値(単位:(J/cm3)1/2)と疎水性高分子化合物のSP値との差が、1以上20以下であることが好ましく、3以上15以下であることがさらに好ましい。SP値は、分子間の凝集エネルギー密度の平方根で表され、溶解度パラメーターとも呼ばれる。本発明では、SP値δは下記式で算出した。各官能基の凝集エネルギーEcohとモル容積Vは、Fedorsが規定した値を使用した(R.F.Fedors、Polym.Eng.Sci.、14(2)、P147、P472(1974))。
δ=(ΣEcoh/ΣV)1/2
例として、疎水性高分子化合物および溶剤のSP値を挙げると、ポリメチルメタクリレート-ポリスチレンコポリマー(1:1):21.0に対する溶剤2−フェノキシエタノール:25.3、ポリメチルメタクリレート:20.3に対する溶剤アセトニトリル:22.9、ポリスチレン:21.6に対する溶剤トルエン:18.7である。
基板を、疎水性高分子化合物を含まない液に接触させる時間は特に制限されないが、好ましくは1秒以上24時間以下、さらに好ましくは3秒以上1時間以下である。液温は、溶剤が液体状態であれば特に制限はないが、−20℃以上100℃以下が好ましい。基板を溶剤に接触させている間に液温を変動させてもよい。揮発させにくい溶剤を使用する場合、溶剤を除去する目的で、該溶媒に接触させた後、互いに溶解する揮発性溶剤で置換してもよい。
疎水性高分子化合物のコーティング厚さは0.1nm以上500nm以下であり、特に好ましくは1nm以上200nm以下である。
本発明のバイオセンサーは、金属表面又は金属膜を疎水性高分子化合物でコーティングしたものであることが好ましい。金属表面あるいは金属膜を構成する金属としては、例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、表面プラズモン共鳴が生じ得るようなものであれば特に限定されない。好ましくは金、銀、銅、アルミニウム、白金等の自由電子金属が挙げられ、特に金が好ましい。それらの金属は単独又は組み合わせて使用することができる。また、上記基板への付着性を考慮して、基板と金属からなる層との間にクロム等からなる介在層を設けてもよい。
金属膜の膜厚は任意であるが、例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、0.1nm以上500nm以下であるのが好ましく、特に1nm以上200nm以下であるのが好ましい。500nmを超えると、媒質の表面プラズモン現象を十分検出することができない。また、クロム等からなる介在層を設ける場合、その介在層の厚さは、0.1nm以上10nm以下であるのが好ましい。
金属膜の形成は常法によって行えばよく、例えば、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法、電気めっき法、無電解めっき法等によって行うことができる。
金属膜は好ましくは基板上に配置されている。ここで、「基板上に配置される」とは、金属膜が基板上に直接接触するように配置されている場合のほか、金属膜が基板に直接接触することなく、他の層を介して配置されている場合をも含む意味である。本発明で使用することができる基板としては例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、一般的にはBK7等の光学ガラス、あるいは合成樹脂、具体的にはポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーなどのレーザー光に対して透明な材料からなるものが使用できる。このような基板は、好ましくは、偏光に対して異方性を示さずかつ加工性の優れた材料が望ましい。
疎水性高分子化合物でコーティングした基板から成るバイオセンサーにおいては、基板の最表面に生理活性物質を固定化することができる官能基として−COOHを有することが好ましい。ここで言う「基板の最表面」とは、「基板から最も遠い側」という意味であり、さらに具体的には、「基板上にコーティングした疎水性高分子化合物中の基板から最も遠い側」という意味である。
最表面に−COOH基を導入する方法としては、その前駆体を含有する疎水性高分子を金属表面あるいは金属膜上にコーティングした後、化学処理により最表面に位置する前駆体からそれらの官能基を生成させる方法が挙げられる。例えば−COOCH3基を含有する疎水性高分子化合物であるポリメチルメタクリレートを金属膜上にコーティングした後、その表面をNaOH水溶液(1N)に40℃16時間接触させると、最表面に−COOH基が生成する。
上記のようにして得られたバイオセンサー用表面において、上記の−COOH基を一般式1〜3で表されるいずれかの化合物を用いて活性化することによりカルボン酸アミド基を形成し、この活性化されたカルボン酸アミド基を介して生理活性物質を共有結合させることによって、金属表面又は金属膜に生理活性物質を固定化することができる。
本発明のバイオセンサー用表面上に固定される生理活性物質としては、測定対象物と相互作用するものであれば特に限定されず、例えば免疫蛋白質、酵素、微生物、核酸、低分子有機化合物、非免疫蛋白質、免疫グロブリン結合性蛋白質、糖結合性蛋白質、糖を認識する糖鎖、脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、あるいはリガンド結合能を有するポリペプチドもしくはオリゴペプチドなどが挙げられる。
免疫蛋白質としては、測定対象物を抗原とする抗体やハプテンなどを例示することができる。抗体としては、種々の免疫グロブリン、即ちIgG、IgM、IgA、IgE、IgDを使用することができる。具体的には、測定対象物がヒト血清アルブミンであれば、抗体として抗ヒト血清アルブミン抗体を使用することができる。また、農薬、殺虫剤、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、抗生物質、麻薬、コカイン、ヘロイン、クラック等を抗原とする場合には、例えば抗アトラジン抗体、抗カナマイシン抗体、抗メタンフェタミン抗体、あるいは病原性大腸菌の中でO抗原26、86、55、111 、157 などに対する抗体等を使用することができる。
酵素としては、測定対象物又は測定対象物から代謝される物質に対して活性を示すものであれば、特に限定されることなく、種々の酵素、例えば酸化還元酵素、加水分解酵素、異性化酵素、脱離酵素、合成酵素等を使用することができる。具体的には、測定対象物がグルコースであれば、グルコースオキシダーゼを、測定対象物がコレステロールであれば、コレステロールオキシダーゼを使用することができる。また、農薬、殺虫剤、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、抗生物質、麻薬、コカイン、ヘロイン、クラック等を測定対象物とする場合には、それらから代謝される物質と特異的反応を示す、例えばアセチルコリンエステラーゼ、カテコールアミンエステラーゼ、ノルアドレナリンエステラーゼ、ドーパミンエステラーゼ等の酵素を使用することができる。
微生物としては、特に限定されることなく、大腸菌をはじめとする種々の微生物を使用することができる。
核酸としては、測定の対象とする核酸と相補的にハイブリダイズするものを使用することができる。核酸は、DNA(cDNAを含む)、RNAのいずれも使用できる。DNAの種類は特に限定されず、天然由来のDNA、遺伝子組換え技術により調製した組換えDNA、又は化学合成DNAの何れでもよい。
低分子有機化合物としては通常の有機化学合成の方法で合成することができる任意の化合物が挙げられる。
非免疫蛋白質としては、特に限定されることなく、例えばアビジン(ストレプトアビジン)、ビオチン又はレセプターなどを使用できる。
免疫グロブリン結合性蛋白質としては、例えばプロテインAあるいはプロテインG、リウマチ因子(RF)等を使用することができる。
糖結合性蛋白質としては、レクチン等が挙げられる。
脂肪酸あるいは脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、ステアリン酸エチル、アラキジン酸エチル、ベヘン酸エチル等が挙げられる。
生理活性物質が抗体や酵素などの蛋白質又は核酸である場合、その固定化は、生理活性物質のアミノ基、チオール基等を利用し、金属表面の官能基に共有結合させることで行うことができる。
上記のようにして生理活性物質を固定化したバイオセンサーは、当該生理活性物質と相互作用する物質の検出及び/又は測定のために使用することができる。
即ち、本発明によれば、生理活性物質が固定化された本発明のバイオセンサーを用いて、これに被験物質を接触させることにより、該バイオセンサーに固定化されている生理活性物質と相互作用する物質を検出及び/又は測定する方法が提供される。
被験物質としては例えば、上記した生理活性物質と相互作用する物質を含む試料などを使用することができる。
本発明では、バイオセンサー用表面に固定化されている生理活性物質と被験物質との相互作用を非電気化学的方法により検出及び/又は測定することが好ましい。非電気化学的方法としては、表面プラズモン共鳴(SPR)測定技術、水晶発振子マイクロバランス(QCM)測定技術、金のコロイド粒子から超微粒子までの機能化表面を使用した測定技術などが挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、本発明のバイオセンサーは、例えば、透明基板上に配置される金属膜を備えていることを特徴とする表面プラズモン共鳴用バイオセンサーとして用いることができる。
表面プラズモン共鳴用バイオセンサーとは、表面プラズモン共鳴バイオセンサーに使用されるバイオセンサーであって、該センサーより照射された光を透過及び反射する部分、並びに生理活性物質を固定する部分とを含む部材を言い、該センサーの本体に固着されるものであってもよく、また脱着可能なものであってもよい。
表面プラズモン共鳴の現象は、ガラス等の光学的に透明な物質と金属薄膜層との境界から反射された単色光の強度が、金属の出射側にある試料の屈折率に依存することによるものであり、従って、反射された単色光の強度を測定することにより、試料を分析することができる。
表面プラズモンが光波によって励起される現象を利用して、被測定物質の特性を分析する表面プラズモン測定装置としては、Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙げられる(例えば特開平6−167443号公報参照)。上記の系を用いる表面プラズモン測定装置は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料液などの被測定物質に接触させられる金属膜と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して表面プラズモン共鳴の状態、つまり全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
なお上述のように種々の入射角を得るためには、比較的細い光ビームを入射角を変化させて上記界面に入射させてもよいし、あるいは光ビームに種々の角度で入射する成分が含まれるように、比較的太い光ビームを上記界面に収束光状態であるいは発散光状態で入射させてもよい。前者の場合は、入射した光ビームの入射角の変化に従って、反射角が変化する光ビームを、上記反射角の変化に同期して移動する小さな光検出器によって検出したり、反射角の変化方向に沿って延びるエリアセンサによって検出することができる。一方後者の場合は、種々の反射角で反射した各光ビームを全て受光できる方向に延びるエリアセンサによって検出することができる。
上記構成の表面プラズモン測定装置において、光ビームを金属膜に対して全反射角以上の特定入射角で入射させると、該金属膜に接している被測定物質中に電界分布をもつエバネッセント波が生じ、このエバネッセント波によって金属膜と被測定物質との界面に表面プラズモンが励起される。エバネッセント光の波数ベクトルが表面プラズモンの波数と等しくて波数整合が成立しているとき、両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが表面プラズモンに移行するので、誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射した光の強度が鋭く低下する。この光強度の低下は、一般に上記光検出手段により暗線として検出される。なお上記の共鳴は、入射ビームがp偏光のときにだけ生じる。したがって、光ビームがp偏光で入射するように予め設定しておく必要がある。
この全反射減衰(ATR)が生じる入射角、すなわち全反射減衰角(θSP)より表面プラズモンの波数が分かると、被測定物質の誘電率が求められる。この種の表面プラズモン測定装置においては、全反射減衰角(θSP)を精度良く、しかも大きなダイナミックレンジで測定することを目的として、特開平11−326194号公報に示されるように、アレイ状の光検出手段を用いることが考えられている。この光検出手段は、複数の受光素子が所定方向に配設されてなり、前記界面において種々の反射角で全反射した光ビームの成分をそれぞれ異なる受光素子が受光する向きにして配設されたものである。
そしてその場合は、上記アレイ状の光検出手段の各受光素子が出力する光検出信号を、該受光素子の配設方向に関して微分する微分手段が設けられ、この微分手段が出力する微分値に基づいて全反射減衰角(θSP)を特定し、被測定物質の屈折率に関連する特性を求めることが多い。
また、全反射減衰(ATR)を利用する類似の測定装置として、例えば「分光研究」第47巻 第1号(1998)の第21〜23頁および第26〜27頁に記載がある漏洩モード測定装置も知られている。この漏洩モード測定装置は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の上に形成されて、試料液に接触させられる光導波層と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを上記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックとクラッド層との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して導波モードの励起状態、つまり全反射減衰状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
上記構成の漏洩モード測定装置において、光ビームを誘電体ブロックを通してクラッド層に対して全反射角以上の入射角で入射させると、このクラッド層を透過した後に光導波層においては、ある特定の波数を有する特定入射角の光のみが導波モードで伝搬するようになる。こうして導波モードが励起されると、入射光のほとんどが光導波層に取り込まれるので、上記界面で全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。そして導波光の波数は光導波層の上の被測定物質の屈折率に依存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知ることによって、被測定物質の屈折率や、それに関連する被測定物質の特性を分析することができる。
なおこの漏洩モード測定装置においても、全反射減衰によって反射光に生じる暗線の位置を検出するために、前述したアレイ状の光検出手段を用いることができ、またそれと併せて前述の微分手段が適用されることも多い。
また、上述した表面プラズモン測定装置や漏洩モード測定装置は、創薬研究分野等において、所望のセンシング物質に結合する特定物質を見いだすランダムスクリーニングへ使用されることがあり、この場合には前記薄膜層(表面プラズモン測定装置の場合は金属膜であり、漏洩モード測定装置の場合はクラッド層および光導波層)上に上記被測定物質としてセンシング物質を固定し、該センシング物質上に種々の被検体が溶媒に溶かされた試料液を添加し、所定時間が経過する毎に前述の全反射減衰角(θSP)の角度を測定している。
試料液中の被検体が、センシング物質と結合するものであれば、この結合によりセンシング物質の屈折率が時間経過に伴って変化する。したがって、所定時間経過毎に上記全反射減衰角(θSP)を測定し、該全反射減衰角(θSP)の角度に変化が生じているか否か測定することにより、被検体とセンシング物質の結合状態を測定し、その結果に基づいて被検体がセンシング物質と結合する特定物質であるか否かを判定することができる。このような特定物質とセンシング物質との組み合わせとしては、例えば抗原と抗体、あるいは抗体と抗体が挙げられる。具体的には、ウサギ抗ヒトIgG抗体をセンシング物質として薄膜層の表面に固定し、ヒトIgG抗体を特定物質として用いることができる。
なお、被検体とセンシング物質の結合状態を測定するためには、全反射減衰角(θSP)の角度そのものを必ずしも検出する必要はない。例えばセンシング物質に試料液を添加し、その後の全反射減衰角(θSP)の角度変化量を測定して、その角度変化量の大小に基づいて結合状態を測定することもできる。前述したアレイ状の光検出手段と微分手段を全反射減衰を利用した測定装置に適用する場合であれば、微分値の変化量は、全反射減衰角(θSP)の角度変化量を反映しているため、微分値の変化量に基づいて、センシング物質と被検体との結合状態を測定することができる(本出願人による特願2000−398309号参照)。このような全反射減衰を利用した測定方法および装置においては、底面に予め成された薄膜層上にセンシング物質が固定されたカップ状あるいはシャーレ状の測定チップに、溶媒と被検体からなる試料液を滴下供給して、上述した全反射減衰角(θSP)の角度変化量の測定を行っている。
さらに、ターンテーブル等に搭載された複数個の測定チップの測定を順次行うことにより、多数の試料についての測定を短時間で行うことができる全反射減衰を利用した測定装置が、特開2001−330560号公報に記載されている。
本発明のセンサーチップを表面プラズモン共鳴分析に使用する場合、上記したような各種の表面プラズモン測定装置の一部として適用することができる。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1:
本実施例は、金表面に塗布した疎水性ポリマー表面に存在するカルボキシル基に対し、各種の活性化剤を作用させた場合の、泡の発生の有無および活性エステルの寿命を調べたものである。
(1)金表面基板の作製
縦8mm×横80mm×厚さ0.5mmのガラス基板に、平行平板型6インチ用スパッタ装置(アルバック(株)社製SH−550)を用いて基板上にクロムの厚さが1nm、
さらにクロム上に金の厚さが50nmになるようにスパッタ製膜を行った。この基板をModel-208UV-オゾンクリーニングシステム(TECHNOVISION INC.)で30分処理し、金表面基板を作製した。
(2)塗布液調製
ポリ(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクチルアクリレート)-ポリ(ベンジルメタクリレート)コポリマー(モノマー重量比4/6、重量平均分子量3万、以降ポリマーAと略記)1.5gをメチルイソブチルケトンに溶解し、液量が100mLになるようにメチルイソブチルケトンを添加した。このポリマーA溶液を0.45μmフィルターで濾過し塗布液Aを調製した。メチルイソブチルケトンは予めモレキュラーシーブス4A 1/16で16時間脱水処置したものを使用した。
(3)ポリマーAコーティングチップの作製
前記基板を縦40mm×横120mm×深さ20mmの密閉構造を有するアルミニウム容器内にセットした。このアルミニウム容器を密閉式インナーカップを有するスピンコート機(MODEL SC408(特)、ナノテック社製)のインナーカップ上にガラス基板が中心から135mmの位置に円弧の接線方向が長軸となるよう固定した。マイクロピペットを用いてこのガラス基板上に塗布液Aを100μL滴下し、ガラス基板全面を塗布液Aで被覆した。アルミニウム容器を密閉し、200rpm回転させ、60秒間に停止した。基板は5分間密閉容器中に静置した後、密閉容器から取り出し室温で一晩常圧乾燥させ、ポリマーAコーティングチップを得た。
(4)バイオセンサーチップの作製
上記のように作成したポリマーAコーティングチップを60℃に保温した1N NaOH水溶液に2時間浸漬した後、純水の流水中で洗浄し、ポリマーAコーティング層表面にCOOH基が導入されたバイオセンサーチップを作製した。基板中央部を横方向に0.1mm間隔で幅75mmの膜厚分布をエリプソメトリー法(In-Situ Ellipsometer MAUS-101、ファイブラボ社製)により行ったところ、平均膜厚20nmであった。センサーチップのポリマーA層を走査電子顕微鏡(S-5200、日立ハイテクノロジース(株)社製)を
用いて加速電圧0.5kVで表面観察を行ったところ、ポリマーA層に欠陥は検出されなかった。
(5)活性化剤の性能評価(泡の発生の有無および活性エステルの寿命)
25℃に保った実験室中で、作成したセンサーチップを試験管に入れ、センサーチップ全体が浸漬可能な量の超純水(MilliQ)を加えた後、濃度が1mMとなるようカルボン酸活性化剤(化合物1〜15、およびEDC/NHS混合物)を加えた場合の、泡の発生を目視で観察した。
さらに、25℃の条件下で、カルボン酸活性化剤1〜15、およびEDC/NHS混合物の濃度1mMの水溶液に1時間、4時間、16時間浸漬した後のセンサーチップを超純水で5回水洗した後、蛍光色素であるCy-5-Hydrazide(Amersham製)の水溶液(0.50mg/L)に30分間浸漬した。このセンサーチップを超純水で5回水洗し、未反応のCy-5-Hydrazideをセンサーチップ表面から除去した後、フルオロイメージアナライザー(FLA8000、富士写真フイルム社製)を用いて、センサーチップ表面の蛍光強度の相対値を比較した(励起波長635nm、測定波長675nm)。センサーチップ表面の活性エステルがCy-5-Hydrazideと反応した場合にのみ、センサーチップ表面の蛍光が観察されるため、本手法は活性エステルの寿命を評価する有効な手法となる。得られた結果を表1に示す。
Figure 0004397304
比較例であるEDC/NHS混合系(試料No.16)は、反応に伴う泡の発生が観察された。また、反応後16時間には、ほぼ全ての活性エステルが消失していた。これに対し、化合物1〜15を用いた本発明(試料No.1〜15)では、泡の発生が認められず、また、16時間後でも活性エステルが残存していることが示された。特に化合物8および化合物15から得られた活性エステルは安定であることが示された。
実施例2
本実施例は、金表面に塗布した疎水性ポリマー表面に存在するカルボキシル基に対し、各種の活性化剤を作用させた場合の、バイオセンサーチップとしての性能を調べたものである。
(1)非特異吸着防止性能
実施例1の(1)〜(4)の操作に従い、センサーチップを作成した。作成したセンサーチップに、0.1mMのカルボン酸活性化剤(化合物1〜15、およびEDC/NHS混合物)を含む水溶液液を30分接触させ、次に50mM酢酸バッファー(pH4.5、ビアコア社製)で洗浄した。次に、エタノールアミン・HCl溶液(1M、pH8.5)を30分間接触させた後、50mM酢酸バッファー(pH4.5)で洗浄することにより、表面COOH基をブロックした。上記の手順で作成したセンサーチップをそれぞれ表面プラズモン共鳴測定装置(Applied Spectroscopy、 42(8)、 1375-1379(1988)の図5に記載のSPR共鳴装置)にセットした。センサーチップをセットする位置は、レーザー光の当たる中心位置が縦方向は中央に、横方向は端部から40mmの位置にセットした。チップ上にはポリプロピレン製の部材を被せることにより、幅(縦方向)1mm、長さ(横方法)7.5mm、深さ1mmのセルを作成した。測定セル内をHBS-EPバッファーで満たし、測定を開始した。なお、HBS-EPバッファーの組成は、HEPES(N-2-Hydroxyethylpiperazine-N'-2-ethanesulfonicAcid)0.01mol/l(pH7.4)、NaCl0.15mol/l、EDTA 0.003mol/l、Surfactant P20 0.005重量%である。セル内をBSA溶液(2mg/ml、HBS-EPバッファー(ビアコア社製、pH7.4))あるいはアビジン溶液(2mg/ml、HBS-EPバッファー)に置き換え、10分間静置した。その後、HBS-EPバッファーで洗浄し、3分後の共鳴シグナル(RU値)変化量を測定した。各蛋白質添加前に対するバッファー洗浄3分後の変化量を各蛋白質の非特異吸着量とし、未修飾金表面基板(試料No.33)での変化量に対する相対値で評価した。
(2)蛋白質・検体化合物間の相互作用
センサーチップにニュートラルアビジン(PIERCE製)を固定化し、D-ビオチン(ナカライテスク製)との相互作用測定を以下の方法で行った。
実施例1の(1)〜(4)の操作に従い、センサーチップを作成した。作成したセンサーチップに、0.1mMのカルボン酸活性化剤(化合物1〜15、およびEDC/NHS混合物)を含む水溶液液を30分接触させ、次にHBS-Nバッファー(ビアコア社製、pH7.4)で洗浄した。なお、HBS-Nバッファーの組成は、HEPES(N-2-Hydroxyethylpiperazine-N'-2-ethanesulfonicAcid)0.01mol/l(pH7.4)、NaCl0.15mol/lである。次にセンサーチップを本発明の表面プラズモン共鳴装置に設置した。センサーチップをセットする位置は、レーザー光の当たる中心位置が縦方向は中央に、横方向は端部から40mmの位置にセットした。チップ上にはポリプロピレン製の部材を被せることにより、幅(縦方向)1mm、長さ(横方法)7.5mm、深さ1mmのセルを作成した。セル内をニュートラルアビジン溶液(100μg/ml、HBS-Nバッファー)に置換し、30分静置後、HBS-Nバッファーに置換した。以上の操作により、N-アビジンをセンサーチップ表面に共有結合で固定化した。
EDC/NHSで活性化されたセンサーチップ(試料No.32)について、ニュートラルアビジンの添加前と添加後HBS-Nバッファー置換終了から3分後の共鳴シグナル(RU値)変化量を結合量の基準として、化合物1〜15で活性化されたセンサーチップ(試料No.17〜31)のニュートラルアビジンの添加前と添加後HBS-Nバッファー置換終了から3分後の共鳴シグナル(RU値)変化量(すなわちニュートラルアビジンの結合量)を、相対値で評価した。
その後、セル内をエタノールアミン・HCl溶液(1M、pH8.5)に置換後、HBS-Nバッファーに置換することにより、ニュートラルアビジンと反応せずに残存したCOOH基をブロックした。 次に、セル内をD-ビオチン(1μg/ml、HBS-Nバッファー)に置換し、10分間静置後、HBS-Nバッファーに置換した。
EDC/NHSで活性化されたセンサーチップ(試料No.32)について、D-ビオチンの添加前と洗浄実施の3分後の共鳴シグナル(RU値)変化量を結合量の基準として、化合物1〜15で活性化されたセンサーチップ(試料No.17〜31)のD-ビオチンの添加前と洗浄実施の3分後の共鳴シグナル(RU値)変化量(すなわちD-ビオチンの結合量)を、相対値で評価した。得られた結果を表2に示す。
Figure 0004397304
比較例であるEDC/NHSにより活性化されたセンサーチップをエタノールアミンと反応させた場合(試料No.32)は、未修飾金表面(試料No.33)と比較すると、非特異吸着防止能を有しているものの、その程度は充分ではない。これに対し、本発明である、化合物1〜15により活性化されたセンサーチップをエタノールアミンと反応させた場合(試料No.17〜31)は、充分な非特異吸着防止能を有していることが示された。
一方、センサーチップ表面のカルボン酸を活性化し、アミド結合を介してニュートラルアビジンを結合させる実験では、比較例であるEDC/NHSにより活性化されたセンサーチップをニュートラルアビジンと反応させた場合(試料No.32)と比較して、本発明である、化合物1〜15により活性化されたセンサーチップをニュートラルアビジンと反応させた場合(試料No.17〜31)は、より多くのニュートラルアビジンをアミド結合を介して固定化することが可能となり、結果的に、より多くのD-ビオチンを検出可能であることが示された。この効果は特に化合物8および化合物15を用いた場合に顕著であった。

Claims (19)

  1. 基板の表面に存在するカルボキシル基を下記一般式1で表されるウロニウム塩、下記一般式2で表されるホスホニウム塩、又は下記一般式3で表されるトリアジン誘導体のいずれかの化合物を用いて活性化することによりカルボン酸アミド基が形成されているバイオセンサー。
    Figure 0004397304
    (一般式1において、R1とR2はそれぞれ独立に炭素数1から6のアルキル基を示すか、又は互いに一緒になって炭素数2から6のアルキレン基を形成してN原子と共に環を形成し、R3は炭素数6から20の芳香環基又は少なくとも1以上のヘテロ原子を含むヘテロ環基を示し、X-はアニオンを示す。一般式2において、R4とR5はそれぞれ独立に炭素数1から6のアルキル基を示すか、又は互いに一緒になって炭素数2から6のアルキレン基を形成してN原子と共に環を形成し、R6は炭素数6から20の芳香環基又は少なくとも1以上のヘテロ原子を含むヘテロ環基を示し、X-はアニオンを示す。一般式3において、R7はオニウム基を示し、R8及びR9はそれぞれ独立に電子供与基を示す。)
  2. 一般式1で表されるウロニウム塩が、下記化合物1〜10のいずれかの化合物(式中、X-はアニオンを示す)である、請求項1に記載のバイオセンサー。
    Figure 0004397304
  3. XがBF4またはPF6である、請求項2に記載のバイオセンサー。
  4. 一般式2で表されるホスホニウム塩が、下記化合物11〜14(式中、X-はアニオンを示す)のいずれかの化合物である、請求項1に記載のバイオセンサー。
    Figure 0004397304
  5. XがBF4またはPF6である、請求項4に記載のバイオセンサー。
  6. 一般式3で表されるトリアジン誘導体が、下記化合物15(式中、X-はアニオンを示す)である、請求項1に記載のバイオセンサー。
    Figure 0004397304
  7. XがClである、請求項6に記載のバイオセンサー。
  8. 基板に疎水性高分子化合物がコーティングされており、該疎水性高分子化合物が有するカルボキシル基が一般式1から3の何れかで表される化合物を用いて活性化されている、請求項1から7の何れかに記載のバイオセンサー。
  9. 疎水性高分子化合物のコーティング厚さが1オングストローム以上5000オングストローム以下である、請求項1から8の何れかに記載のバイオセンサー。
  10. 基板が金属表面あるいは金属膜である、請求項1から9の何れかに記載のバイオセンサー。
  11. 金属表面あるいは金属膜が、金、銀、銅、白金、及びアルミニウムからなる群より選ばれる自由電子金属からなるものである、請求項10に記載のバイオセンサー。
  12. 非電気化学的検出に使用される、請求項1から11の何れかに記載のバイオセンサー。
  13. 表面プラズモン共鳴分析に使用される、請求項1から12の何れかに記載のバイオセンサー。
  14. 表面にカルボキシル基を有する基板を下記一般式1で表されるウロニウム塩、下記一般式2で表されるホスホニウム塩、又は下記一般式3で表されるトリアジン誘導体のいずれかの化合物を用いて活性化することによりカルボン酸アミド基を形成する工程を含む、請求項1から13の何れかに記載のバイオセンサーの製造方法。
    Figure 0004397304
    (一般式1において、R1とR2はそれぞれ独立に炭素数1から6のアルキル基を示すか、又は互いに一緒になって炭素数2から6のアルキレン基を形成してN原子と共に環を形成し、R3は炭素数6から20の芳香環基又は少なくとも1以上のヘテロ原子を含むヘテロ環基を示し、X-はアニオンを示す。一般式2において、R4とR5はそれぞれ独立に炭素数1から6のアルキル基を示すか、又は互いに一緒になって炭素数2から6のアルキレン基を形成してN原子と共に環を形成し、R6は炭素数6から20の芳香環基又は少なくとも1以上のヘテロ原子を含むヘテロ環基を示し、X-はアニオンを示す。一般式3において、R7はオニウム基を示し、R8及びR9はそれぞれ独立に電子供与基を示す。)
  15. 生理活性物質が共有結合により表面に結合している、請求項1から13の何れかに記載のバイオセンサー。
  16. 請求項1から13の何れかに記載のバイオセンサーと生理活性物質とを接触させて、該バイオセンサーの表面に該生理活性物質を共有結合により結合させる工程を含む、バイオセンサーに生理活性物質を固定化する方法。
  17. 生理活性物質が共有結合により表面に結合している請求項1から13の何れかに記載のバイオセンサーと被験物質とを接触させる工程を含む、該生理活性物質と相互作用する物質を検出または測定する方法。
  18. 生理活性物質と相互作用する物質を非電気化学的方法により検出または測定する、請求項17に記載の方法。
  19. 生理活性物質と相互作用する物質を表面プラズモン共鳴分析により検出または測定する、請求項17又は18に記載の方法。



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