JP2009073819A - 生理活性物質の精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生理活性物質を定量的かつ高純度で、簡易に精製する。
【解決手段】支持体と、この支持体表面に配置された配位子と、この配位子に結合したCu(II)またはFe(II)の金属イオンとを有する担体に対して、ヒスチジンユニットを有する生理活性物質を接触させて、金属イオンにヒスチジンユニットを介して生理活性物質を結合させる生理活性物質の精製方法であって、ヒスチジンユニットを結合させた後、担体の容積の60倍以上の1nmol/l〜10mmol/lのイミダゾール誘導体水溶液で洗浄し、Cu(II)の場合には、10mmol/l〜1mol/lのイミダゾール誘導体水溶液または0.5mmol/l〜5mol/lのEDTA溶液で、Fe(II)の場合には、還元剤を含む溶液で生理活性物質を回収する。
【選択図】図1

Description

本発明は、生理活性物質の精製方法に関するものである。
研究対象となるタンパク質を簡単かつ高純度で入手することは、分子生物学、生化学をはじめ、薬学及び医学において非常に重要であるばかりでなく、生化学産業や製薬産業等の各種産業分野においても重要である。近年は、組換え遺伝子と宿主細胞とを用いた大量発現系を利用して、目的タンパク質を組換えタンパク質として多量に得ることが可能となっている。この大量発現系を用いてタンパク質を精製する場合、いわゆる付加タグを利用する方法が知られている。
例えば、遺伝子改変により人工的に合成されたタンパク質のN末端あるいはC末端に導入されたTagと呼ばれる部分を用いて、タンパク質を精製する技術が知られている。その代表例として、His-tagを用いた精製技術が挙げられる。His-tagタンパク質は、6〜10残基のヒスチジンを含む短いペプチドを末端に付加したタンパク質であり、タグ部分の分子量が小さいために目的タンパク質の活性や構造への影響が少ないことから、組換えタンパク質の精製と検出に広く利用されている。
遺伝子組換えによって発現させたHis-tagタンパク質の精製は、His-tagタンパク質を含む試料をカラムに流してHis-tagタンパク質を担体に結合させ、洗浄液によって夾雑物を洗い流した後に、溶出液を流すことによってHis-tagタンパク質を回収するという手順によっている。従って、His-tagタンパク質は洗浄液によっては洗い流されることがない程度の結合力が必要とされる一方で、溶出液によってその結合力を弱めることが必要とされる。従来は、His-tagタンパク質を結合させた後、His-tagタンパク質を結合した時と同じpHのバッファで洗浄を行い、His-tagタンパク質の回収時にはpHを変えたバッファで溶出する、あるいはイミダゾールを加えた溶出液で溶出するという方法がとられていた(例えば、特許文献1)。
しかし、この精製方法で高純度かつ定量的に精製を行うことは難しい。これは夾雑物を含むHis-tagタンパク質を完全に精製しようとして、洗浄液を多量に使用すると、夾雑物を洗い流す際に、His-tagタンパク質が夾雑物と共に洗い流されてしまうことが一因である。
ところで、非特許文献2には、NTA-Ni(II)錯体を用いたHis-tagタンパク質の固定化において、錯体中の2つの配位座に配位した水分子がHis-tagタンパク質のオリゴヒスチジン残基の2つのイミダゾール基の窒素原子と置換することによって、His-tagタンパク質を特異的に固体表面に結合する技術が開示されている。
特表2001-506968号公報 Anal.Chem.2005,77,1096-1105
しかし、非特許文献2に記載されている技術をHis-tagタンパク質の精製に適用しても、洗浄液を多量に使用するとHis-tagタンパク質を安定に固定化することができない。加えて、タンパク質の回収率という観点からもタンパク質を保持できる量が少ないため、実用的でないという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、多量の洗浄液で洗浄しても生理活性物質を安定に結合させておくことが可能であって、かつ安定に結合させた生理活性物質を簡易に回収することが可能な生理活性物質の精製方法を提供することを目的とするものである。
本発明の生理活性物質の精製方法は、支持体と、該支持体表面に配置された配位子と、該配位子に結合した金属イオンとを有する担体に対して、ヒスチジンユニットを有する生理活性物質を接触させて、前記金属イオンに前記ヒスチジンユニットを介して生理活性物質を結合させる生理活性物質の精製方法であって、前記金属イオンがCu(II)またはFe(II)であり、前記ヒスチジンユニットを結合させた後、前記担体の容積の60倍以上の1nmol/l〜10mmol/lのイミダゾール誘導体水溶液で洗浄することを特徴とするものである。
前記イミダゾール誘導体水溶液は前記担体の容積の100倍以上の体積であることがより好ましい。
前記配位子はニトリロトリ酢酸誘導体であることが好ましい。
前記支持体表面に親水性ポリマーが配置され、該親水性ポリマーによって前記配位子が把持されていることが好ましい。
前記配位子は7.8×1015個/mm3以上の密度で親水性ポリマーに把持されていることが好ましい。
前記金属イオンがCu(II)である場合には、前記ヒスチジンユニットを介して前記Cu(II)に結合した生理活性物質を、10mmol/l〜1mol/lのイミダゾール誘導体水溶液または0.5mmol/l〜5mol/lのEDTA溶液で回収することが好ましい。
前記金属イオンがFe(II)である場合には、前記ヒスチジンユニットを介して前記Fe(II)に結合した生理活性物質を、還元剤を含む溶液で回収することが好ましい。
前記還元剤はジチオスレイトール、グルタチオン、システインおよびβ-メルカプトエタノールのいずれか1種以上であることが好ましい。
前記生理活性物質を接触させた担体はカラムに充填されていることが好ましい。
本発明の生理活性物質の精製方法は、支持体と、該支持体表面に配置された配位子と、該配位子に結合した金属イオンとを有する担体に対して、ヒスチジンユニットを有する生理活性物質を接触させて、前記金属イオンに前記ヒスチジンユニットを介して生理活性物質を結合させる生理活性物質の精製方法であって、前記金属イオンがCu(II)またはFe(II)であるので、多量の洗浄液で洗浄しても生理活性物質を安定に結合させておくことが可能であり、従って、夾雑物と一緒に生理活性物質が流されてしまうといったことがない。また、前記ヒスチジンユニットを結合させた後、前記担体の容積の60倍以上の1nmol/l〜10mmol/lのイミダゾール誘導体水溶液で洗浄するので、高純度で生理活性物質を精製することができる。
そして、前記金属イオンがCu(II)である場合には、10mmol/l〜1mol/lのイミダゾール誘導体水溶液または0.5mmol/l〜5mol/lのEDTA溶液により、前記金属イオンがFe(II)である場合には、還元剤を含む溶液を用いることにより、簡単かつ定量的に生理活性物質を回収することができる。
以下、本発明の生理活性物質の精製方法について、まず担体の各構成およびその構成の形成方法(活性化)について説明した後、本発明の生理活性物質の精製方法を図面を用いて説明する。
(1)支持体
支持体は水に不溶性のものであればよく、例えば、セルロース、アガロース、デキストラン、ポリアクリルアミド、シリカゲルおよび多孔性ガラスなどを用いることができる。なお、支持体は平面状のものに限られず、ビーズのようなものであってもよい。
(2)親水性ポリマー
高純度で精製をするためには非特異吸着する夾雑物を抑えることが重要であるという観点から、支持体表面には親水性ポリマーが設けられることが好ましい。
(2−1)親水性ポリマー
本発明で用いることができる親水性ポリマーとしては、ゼラチン、アガロース、キトサン、デキストラン、カラゲナン、アルギン酸、澱粉、セルロース、又はこれらの誘導体、例えばカルボキシメチル誘導体、又は水膨潤性有機ポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール又はこれらの誘導体などを挙げることができる。
本発明で用いる親水性ポリマーとしてはさらに、カルボキシル基含有合成ポリマーおよびカルボキシル基含有多糖類を用いることが可能である。カルボキシル基含有合成ポリマーとしては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、およびこれらの共重合体、例えば特開昭59-53836号明細書3頁20行〜6頁49行、特開昭59-71048号明細書3頁41行〜7ページ54行明細書に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたものなどが挙げられる。カルボキシル基含有多糖類は、天然植物からの抽出物、微生物発酵の生産物、酵素による合成物、または化学合成物の何れであってもよく、具体的には、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、デルマタン酸硫酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、セロウロン酸、カルボキシメチルキチン、カルボキシメチルデキストラン、カルボキシメチルデンプン等が挙げられる。カルボキシル基含有多糖類は、市販の化合物を用いることが可能であり、具体的には、カルボキシメチルデキストランであるCMD、CMD-L、CMD-D40(名糖産業社製)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(和光純薬社製)、アルギン酸ナトリウム(和光純薬社製)、等を挙げることができる。
本発明で用いる親水性ポリマーの分子量は特に限定されないが、一般的には200以上5000000以下であることが好ましい。さらに好ましい親水性ポリマーの分子量は100000以上2000000以下である。
(2−2)親水性ポリマーの活性化
親水性ポリマーとしてカルボキシル基を含有するポリマーを使用する場合、カルボキシル基を活性化することによって、支持体に固定化することができる。カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法としては、公知の手法、例えば、水溶性カルボジイミドである1-(3-Dimethylaminopropyl)-3 ethylcarbodiimide(EDC)とN-Hydroxysuccinimide(NHS)により活性化する方法、又はEDC単独により活性化する方法を好ましく用いることができる。この手法で活性化されたカルボキシル基を含有するポリマーを、アミノ基を有する支持体と反応させることで、支持体に親水性ポリマーが固定される。
また、カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法として含窒素化合物を用いる方法があり、具体的には、下記一般式(Ia)又は(Ib)(式中、R1及びR2は、互いに独立して置換基を有しても良いカルボニル基、炭素原子、窒素原子を表し、R1及びR2は結合により5〜6員環を形成しても良く、Aは置換基を有する炭素原子またはリン原子を表し、Mは(n-1)価の元素を表し、Xはハロゲン原子を表す)に示される含窒素化合物を用いることもできる。
Figure 2009073819
ここで、R1及びR2は、互いに独立して置換基を有しても良いカルボニル基、炭素原子、窒素原子を表すが、好ましくはR1及びR2は結合により5〜6員環を形成する。特に好ましくは、ヒドロキシコハク酸、ヒドロキシフタル酸、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、3,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン、及びその誘導体が提供される。
また、好ましくは下記に示される含窒素化合物を用いることもできる。
Figure 2009073819
また、好ましくは含窒素化合物としては、下記一般式(I)(式中、Y及びZは、互いに独立してCH、または窒素原子を表す)で表される化合物を用いることもできる。
Figure 2009073819
一般式(I)の具体的化合物としては、下記の化合物等が好ましくあげられる。
Figure 2009073819
また、含窒素化合物としては、下記の化合物等も好ましくあげられる。
Figure 2009073819
また好ましくは、含窒素化合物としては、下記一般式(II)(式中、Aは置換基を有する炭素原子またはリン原子を表し、Y及びZは、互いに独立してCH、または窒素原子を表し、Mは(n-1)価の元素を表し、Xはハロゲン原子を表す)を用いることもできる。
Figure 2009073819
ここで、Aで表される炭素原子またはリン原子の置換基としては、置換基を有するアミノ基が好ましく、ジメチルアミノ基やピロリジノ基の様なジアルキルアミノ基が好ましい。Mで表される(n-1)価の元素は、リン原子、ホウ素原子、ヒ素原子などが挙げられるが、好ましくはリン原子があげられる。Xで表されるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、好ましくはフッ素原子が挙げられる。
一般式(II)の具体的化合物としては、下記の化合物等が好ましくあげられる。
Figure 2009073819
また、含窒素化合物としては、下記一般式(III)(式中、Aは置換基を有する炭素原子またはリン原子を表し、Mは(n-1)価の元素を表し、Xはハロゲン原子を表す)を用いることもできる。
Figure 2009073819
一般式(III)の具体的化合物としては、下記の化合物等が好ましくあげられる。
Figure 2009073819
また、カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法として、電子吸引性基を有するフェノール誘導体を使用することも好ましく、更に電子吸引性基のσ値が0.3以上であることが好ましい。具体的には、下記化合物などを用いることができる。
Figure 2009073819
更に、カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法では、別にカルボジイミド誘導体物を併用することができ、好ましくは、水溶性カルボジイミド誘導体を併用することができ、更に好ましくは下記の化合物、(1-Ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide, hydrochloride)を併用することができる。
Figure 2009073819
上記のカルボジイミド誘導体及び、含窒素化合物、またはフェノール誘導体は併用して使用するだけではなく、所望により、夫々、単独で用いることもできる。好ましくはカルボジイミド誘導体と含窒素化合物との併用である。
また、カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法として、下記化合物を用いることもできる。該化合物は単独で用いることもできるが、カルボジイミド誘導体、含窒素化合物、フェノール誘導体と併用してもよい。
Figure 2009073819
さらに、カルボキシル基を含有するポリマーにおけるカルボン酸を活性化する手法としては、特開2006-58071号公報「0011」〜「0022」に記載の方法(即ち、支持体の表面に存在するカルボキシル基を特定の構造を有するウロニウム塩、ホスホニウム塩、又はトリアジン誘導体のいずれかの化合物を用いて活性化することによりカルボン酸アミド基を形成する方法)、並びに特開2006-90781号公報「0011」〜「0019」に記載の方法(即ち、支持体の表面に存在するカルボキシル基を、カルボジイミド誘導体又はその塩で活性化し、水酸基を有する含窒素ヘテロ芳香族化合物、電子吸引性基を有するフェノール誘導体又はチオール基を有する芳香族化合物のいずれかの化合物でエステルとした後、アミンと反応させることによりカルボン酸アミド基を形成する方法)を好ましく用いることもできる。
なお、上記した特開2006-58071号公報における特定の構造を有するウロニウム塩、ホスホニウム塩、又はトリアジン誘導体とは、下記一般式1で表されるウロニウム塩、下記一般式2で表されるホスホニウム塩、又は下記一般式3で表されるトリアジン誘導体である。
Figure 2009073819
(一般式1において、R1とR2はそれぞれ独立に炭素数1から6のアルキル基を示すか、又は互いに一緒になって炭素数2から6のアルキレン基を形成してN原子と共に環を形成し、R3は炭素数6から20の芳香環基又は少なくとも1以上のヘテロ原子を含むヘテロ環基を示し、X-はアニオンを示す。一般式2において、R4とR5はそれぞれ独立に炭素数1から6のアルキル基を示すか、又は互いに一緒になって炭素数2から6のアルキレン基を形成してN原子と共に環を形成し、R6は炭素数6から20の芳香環基又は少なくとも1以上のヘテロ原子を含むヘテロ環基を示し、X-はアニオンを示す。一般式3において、R7はオニウム基を示し、R8及びR9はそれぞれ独立に電子供与基を示す。)
(3)配位子
配位子としては、各種キレート剤を用いることができ、ニトリロトリ酢酸誘導体(NTA(N-(5-Amino-1-carboxypentyl)iminodiacetic acid))、イミノジ酢酸、フェナンスロリン、テルピリジン、ビピリジン、トリエチレンテトラアミン、ビ(エチレントリアミン)、トリス(カルボキシメチル)エチレンジアミン、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ポリピラゾリルホウ酸、1,4,7−トリアゾシクロノナン、ジメチルグリオキシム、ジフェニルグリオキシム等の多座配位子を好ましくあげることができ、4座配位子であるNTAがより好ましい。配位子の結合は、例えば、支持体表面にカルボキシル基を有する親水性ポリマーが設けられている場合には、このカルボキシル基を活性化した後に、配位子となる化合物を反応させることによって、配位子を親水性ポリマーに固定化することができる。
なお、親水性ポリマーが設けられていない場合には支持体に直接あるいは下地層(例えば、ポリビニルアルコールなどの親水性ポリマー、エポキシ樹脂などの疎水性ポリマーなどで形成される層)を設けて結合させることもできる。また、支持体表面をプラズマ照射、UV照射、オゾン照射などにより支持体表面を活性化して、直接あるいは下地層を介して配位子を支持体表面に固定化することもできる。
支持体表面に親水性ポリマーが設けられている場合、配位子は7.8×1015個/mm3以上の密度で親水性ポリマーに把持されていることが好ましい。この配位子の結合の際には有機溶剤を用いる。有機溶剤を用いることによって配位子を7.8×1015個/mm3以上の密度で親水性ポリマーに結合することができる。有機溶剤としては、ジメチルスルホキサイド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ブチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、ジグライム等を好ましくあげることができ、反応基質の溶解性および副反応の抑制の観点からはジメチルスルホキサイドあるいはN、N−ジメチルホルムアミドを用いることがより好ましい。
なお、本発明における担体は、基板−金属膜−自己組織化膜−上記親水性ポリマー−上記配位子という構成であってもよい。この構成において、金属膜、自己組織化膜は任意である。以下に、基板、金属膜、自己組織化膜の詳細を以下に記載する。
(基板)
基板は、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、一般的にはBK7等の光学ガラス、あるいは合成樹脂、具体的にはポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーなどのレーザー光に対して透明な材料からなるものが使用できる。このような基板は、好ましくは、偏光に対して異方性を示さずかつ加工性の優れた材料が望ましい。
(金属膜)
基板上には金属膜が配置されることが好ましい。ここで、基板上に配置されるとは、金属膜が基板上に直接接触するように配置されている場合のほか、金属膜が基板に直接接触することなく、他の層を介して配置されている場合をも含む意味である。金属膜を構成する金属としては、例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、表面プラズモン共鳴が生じ得るようなものであれば特に限定されない。好ましくは金、銀、銅、アルミニウム、白金等の自由電子金属が挙げられ、特に金が好ましい。それらの金属は単独又は組み合わせて使用することができる。また、上記基板への付着性を考慮して、基板と金属からなる層との間にはクロム等からなる介在層を設けてもよい。
金属膜の膜厚は任意であるが、例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、0.1nm以上500nm以下であることが好ましく、特に1nm以上200nm以下であることが好ましい。500nmを超えると、媒質の表面プラズモン現象を十分検出することができない。クロム等からなる介在層を設ける場合、その介在層の厚さは、0.1nm以上10nm以下であることが好ましい。
(自己組織化膜)
自己組織化膜とは、外からの細かい制御を加えていない状態で、膜材料そのものがもつ機構によって形成される一定の秩序をもつ組織をもった単分子膜やLB膜などの超薄膜のことを言う。この自己組織化により、非平衡な状況で長距離にわたって秩序がある構造やパターンが形成される。
自己組織化膜は、一般式X-R-Yで表される化合物により形成されていることが好ましい。ここで、Xは金属膜と結合可能な基、具体的には−SH、−SS、−SeH、−SeSe、−COSH 基などの金属膜と結合可能な基を表す。Rは2価の有機連結基であり、場合によりヘテロ原子により中断されていてもよく、好ましくは適当に密な詰め込みのため直鎖(枝分かれしていない)であり、場合により二重及び/又は三重結合を含む炭化水素鎖である。炭素鎖は場合により過フッ素化されることができ、Rのアルキル鎖長は炭素数2〜8であることが好ましい。Yは親水性ポリマーやNTA等と結合可能な基、具体的には、水酸基、ヒドロキシカルボニル基、アルコキシ基、アルキル基からなる群より選ばれる官能基を表す。
より詳細には、自己組織化膜の形成分子としては、金表面においてはアルカンチオール類、ガラス表面においてはアルキルシラン類、シリコン表面においてはアルコール類等が好ましく挙げられる。アルカンチオール類の具体例としては、7−カルボキシ−1−ヘプタンチオール、10-カルボキシ-1-デカンチオール、4,4'-ジチオジブチル酸、11-ヒドロキシ-1-ウンデカンチオール、11-アミノ-1-ウンデカンチオールなどを使用することができ、アルキルシラン類の具体例としては、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノトリエトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリエトキシシランなどを使用することができる。
(4)生理活性物質
生理活性物質は、例えば免疫蛋白質、酵素、微生物、核酸、低分子有機化合物、非免疫蛋白質、免疫グロブリン結合性蛋白質、糖結合性蛋白質、糖を認識する糖鎖、脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、あるいはリガンド結合能を有するポリペプチドもしくはオリゴペプチドなどが挙げられる。これらの生理活性物質はヒスチジンユニットを有し、このヒスチジンユニットを介して金属イオンであるCu(II)またはFe(II)への配位結合する。ヒスチジンユニットは3以上であることが好ましく、より強固に結合させるという観点からはヒスチジンユニットは6以上であることがより好ましく、さらには、10〜100であることがより好ましい。
(5)生理活性物質の精製
本発明の生理活性物質の精製方法における担体は、例えば、支持体表面に親水性ポリマーが設けられている場合、この親水性ポリマーに配位子を結合させ、この配位子にCu(II)またはFe(II)を接触させて配位子とCu(II)またはFe(II)とを結合させることにより作製される。生理活性物質を含む溶液を担体の配位子に接触させると、配位子のカルボキシル基に対し、生理活性物質のヒスチジンユニットが結合する。
以下、図1を用いて説明する。図1は本発明の生理活性物質の精製の工程を示す図である。生理活性物質を担体に結合させた後、担体の容積の60倍以上、より好ましくは100倍以上のイミダゾール誘導体水溶液で生理活性物質が結合した担体表面を洗浄する。ここで、担体の容積の60倍以上、100倍以上とは、担体が充填されているカラムの容積の60倍以上、100倍以上であることを意味する。イミダゾール誘導体水溶液の濃度は1nmol/l〜10mmol/lであり、好ましくは100nmol/l〜10mmol/l、さらには100nmol/l〜1mmol/lであることが好ましい。
このように大量のイミダゾール誘導体水溶液で洗浄することによって夾雑物を完全に担体表面から除去することができる。一方で、このように大量のイミダゾール誘導体水溶液で洗浄しても、生理活性物質は強固に結合しているため脱離することがない。このため、高純度かつ定量的に生理活性物質を精製することが可能である。
続いて、精製した生理活性物質を回収する。金属イオンがCu(II)である場合には、ヒスチジンユニットを介して金属イオンに結合した生理活性物質を、10mmol/l〜1mol/lのイミダゾール誘導体水溶液または0.5mmol/l〜5mol/lのEDTA溶液で回収することが好ましい。
金属イオンがFe(II)である場合には、ヒスチジンユニットを介して金属イオンに結合した生理活性物質を、還元剤を含む溶液で回収することが好ましい。還元剤としてはジチオスレイトール、グルタチオン、システインおよびβ-メルカプトエタノールのいずれかを単独で、または2種以上を適宜混合して用いることができる。還元剤を含む溶液の濃度は含まれる還元剤によって異なるため一概には言えないが、概ね、100 μm以上20 mM以下であることが好ましく、さらには500 μm以上10 mM以下であることが好ましい。
次ぎに、本発明の生理活性物質の精製方法を、生理活性物質を接触させた担体をカラムに充填する場合を例にとり、図2を用いて説明する。図2はカラムクロマトグラフィーに用いられる装置の概略模式図である。カラムには、支持体表面に親水性ポリマーが設けられ、この親水性ポリマーに結合した配位子と、この配位子に結合した金属イオンとを有する担体に対して生理活性物質を接触させ、生理活性物質を結合した担体が充填されている。そして、このカラムには、洗浄液、溶出液を適当な早さで流すためのポンプが接続されており、このポンプの先にはカラムを通った液を回収するフラクションコレクターが設けられている。ポンプとフラクションコレクターとの間には生理活性物質の溶出をUV吸収の変化でモニターするUVモニターが接続されており、UVモニターにはUV変化を記録するレコーダーが接続されている。
なお、ここでは、カラムに生理活性物質を結合させた後の担体を充填しているが、生理活性物質を接触させる前の担体を充填し、カラムに充填された担体に対して生理活性物質を接触させる態様としてもよい。
カラムに充填された担体に対し、担体の容積の60倍以上の洗浄液を流し、ポンプを駆動してカラム内に残っている夾雑物を流出させる。流出した溶液は非吸着画分としてフラクションコレクターに回収する(フラクション1)。続いて、ポンプを駆動してカラムに溶出液を流す。流出した溶液は吸着画分としてフラクションコレクターに回収する(フラクション2)。生理活性物質がタンパク質である場合、UVモニターの280nm吸収がバックグラウンドレベルになるまで溶出液を流すことによって、生理活性物質を回収することができる。精製結果は各フラクションの分光光度計による280nm吸光度測定、各フラクションの電気泳動、各フラクションの活性測定によって分析することができる。本発明の精製方法によれば、フラクション1には生理活性物質は認められず、フラクション2では高純度かつ定量的に生理活性物質が回収される。
なお、ここでは担体がカラムに充填されている場合を例にとって説明したが、本発明の精製方法はカラムクロマトグラフィーに限定されるものではなく、生体分子間の相互作用を電気的信号等の信号に変換して、対象となる物質を測定・検出するセンサー、より詳細には、検出対象とする化学物質を認識するレセプター部位と、そこに発生する物理的変化又は化学的変化を電気信号に変換するトランスデューサー部位とから構成されバイオセンサー、表面プラズモン共鳴(SPR)測定技術、水晶発振子マイクロバランス(QCM)測定技術、金のコロイド粒子から超微粒子までの機能化表面を使用した測定技術等に用いることができる。
例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサーは、センサーより照射された光を透過及び反射する部分、並びに生理活性物質を固定する部分とを含む部材からなるが、上記カラムに充填した担体を生理活性物質を固定する部分を含む部材として用いることができる。この場合、上記で説明した支持体を金属膜(金、銀、銅、白金、パラジウムおよびアルミニウム等)を備えた基板(BK7等の光学ガラス、あるいは合成樹脂、具体的にはポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーなどのレーザー光に対して透明な材料)に変更することによって適用することが可能である。
以下に本発明の精製方法についての実施例を示す。
(実施例1)
(1) CMDの活性エステル化
超純水に0.5重量%となるようにCMD(名糖産業製:分子量100万)を溶解した後、全量反応した場合にカルボキシル基の2%が活性化される計算量の0.4MのEDC(1-(3-Dimethylaminopropyl)-3-ethylcarbodiimide)および0.1MのNHS(N-Hydroxysuccinimide)混合溶液を加え、室温で5分間攪拌した。
(2) CMDの支持体への固定
Affinity Chromatography principles and Methods(Pharmacia Biotech)に記載の手法を用いてEAH Sepharose4B(Pharmacia製:アミノ基量7-11μmol/膨潤ゲル1ml)にCMDの活性化エステル溶液を作用させて支持体に固定した。
(3) AB-NTA膜の作製
CMDを固定した支持体100mlに対して、0.2mmolのEDCと0.04mmolのNHSをDMSO1mlに添加した溶液を50μl加え30分間室温でカルボキシル基を活性化させた。溶液を除去、DMSOで一回洗浄後、0.1mmolのAB-NTA(同仁化学製)をDMSO1mlに添加した液を12時間反応させた後、溶液を除去、超純水で1回洗浄した。
(配位子数の測定)
0.1mol/lのNiCl2水溶液を添加し、10分後に溶液を除去し 、超純水で2回洗浄した。50mmol/lのEDTA水溶液5mlで2度抽出を行った。この抽出液を合わせICP分析装置で測定したところ0.07ppmのNiを検出した。このNi量と担体の体積から配位子数を換算した。
(酵素の精製)
上記(3)のAB-NTA膜を設けた支持体5mlに1mmol/lの硫酸銅水溶液を20ml添加して30分間振盪した後に300mlの超純水で洗浄した。さらに10 nmol/lのHis6-GFP水溶液と10 nmol/lのAvidin-FITC水溶液の1:1混合液を1ml添加し30分間振盪した。こうして得られたHis6-GFPが結合した担体を図2に示すカラム(カラム容積5ml)に充填し、0.1mmol/lのイミダゾール水溶液500mlで洗浄した。その後His6-GFPを回収するために、100mmol/lのイミダゾール水溶液を20ml添加して流出画分を分取した。分取した画分のUV-Visスペクトル測定(Agilent製 8453)および蛍光測定(PHERAStar:BMGLABTECH製)によりHis6-GFPの純度および回収率を算出した。
(実施例2)
カルボキシル基の活性化を0.2mmolのEDCと0.04mmolのNHSのかわりに1mmolのEDCと0.2mmolのNHSとし、0.1mmol/lのイミダゾール水溶液500mlのかわりに10mmol/lのイミダゾール水溶液300mlを使用した以外は実施例1と同様な操作を行った。
(実施例3)
1mmol/lの硫酸銅水溶液を用いるかわりに1mmol/lの塩化鉄(II)水溶液を用い、0.1mmol/lのイミダゾール水溶液のかわりに10mmol/lのイミダゾール水溶液を用い、100mmol/lのイミダゾール水溶液を用いるかわりに10mmol/lのβ-mercaptoethanol水溶液を使用した以外は実施例1と同様な操作を行った。
(実施例4)
0.1mmol/lのイミダゾール水溶液のかわりに10mmol/lのイミダゾール水溶液を使用した以外は実施例1と同様な操作を行った。
(比較例1)
実施例1の(3)で作製した担体10mlに2mmol/lの塩化コバルト(II)水溶液を20ml添加して30分間振盪した後に300mlの超純水で洗浄した。さらに10 nmol/lのAvidin-FITC水溶液と10 nmol/l のHis6-GFP水溶液の1:1混合液を1ml添加し30分間振盪した。こうして得られた担体をカラムに充填し0.01mmol/lのイミダゾール水溶液500mlで洗浄した。その後His6-GFPを回収するために100mmol/lのイミダゾール水溶液を添加したがHis6-GFPは回収することができなかった。
(比較例2)
実施例1の(3)で作製した担体10mlに2mmol/lの塩化ニッケル(II)水溶液を20ml添加して30分間振盪した後に300mlの超純水で洗浄した。さらに10 nmol/lのAvidin-FITC水溶液と10 nmol/l のHis6-GFP水溶液の1:1混合液を1ml添加し30分間振盪した。こうして得られた担体をカラムに充填し1mmol/lのイミダゾール水溶液250mlで洗浄した。洗浄液中にHis6-Ubiquitinが流失していた。
表1に結果を示す。
Figure 2009073819
表1から明らかなように、本発明の精製方法においては、大容量の低濃度イミダゾール洗浄液で洗浄しても生理活性物質を安定に保持することが可能であるため、高純度で精製を行うことができ、また、高濃度のイミダゾール溶液または還元剤溶液により高収率で生理活性物質を回収することができる。
なお、実施例と同様な手法を用いて鶏卵白0.1g中に10nmol/lのHis6-GFP水溶液を1ml添加した混合液からHis6-GFPの精製も可能であった。
本発明の生理活性物質の精製の工程を示す図 カラムクロマトグラフィーに用いられる装置の概略模式図

Claims (9)

  1. 支持体と、該支持体表面に配置された配位子と、該配位子に結合した金属イオンとを有する担体に対して、ヒスチジンユニットを有する生理活性物質を接触させて、前記金属イオンに前記ヒスチジンユニットを介して生理活性物質を結合させる生理活性物質の精製方法であって、
    前記金属イオンがCu(II)またはFe(II)であり、前記ヒスチジンユニットを結合させた後、前記担体の容積の60倍以上の1nmol/l〜10mmol/lのイミダゾール誘導体水溶液で洗浄することを特徴とする生理活性物質の精製方法。
  2. 前記イミダゾール誘導体水溶液が前記担体の容積の100倍以上の体積であることを特徴とする請求項1記載の生理活性物質の精製方法。
  3. 前記配位子がニトリロトリ酢酸誘導体であることを特徴とする請求項1または2記載の生理活性物質の精製方法。
  4. 前記支持体表面に親水性ポリマーが配置され、該親水性ポリマーによって前記配位子が把持されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の生理活性物質の精製方法。
  5. 前記配位子が7.8×1015個/mm3以上の密度で親水性ポリマーに把持されていることを特徴とする請求項4記載の生理活性物質の精製方法。
  6. 前記金属イオンがCu(II)であって、前記ヒスチジンユニットを介して前記Cu(II)に結合した生理活性物質を、10mmol/l〜1mol/lのイミダゾール誘導体水溶液または0.5mmol/l〜5mol/lのEDTA溶液で回収することを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の生理活性物質の精製方法。
  7. 前記金属イオンがFe(II)であって、前記ヒスチジンユニットを介して前記Fe(II)に結合した生理活性物質を、還元剤を含む溶液で回収することを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の生理活性物質の精製方法。
  8. 前記還元剤がジチオスレイトール、グルタチオン、システインおよびβ-メルカプトエタノールのいずれか1種以上であることを特徴とする請求項7記載の生理活性物質の精製方法。
  9. 前記生理活性物質を接触させた担体がカラムに充填されていることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の生理活性物質の精製方法。
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