JP2010019818A - バイオセンサー用チップ - Google Patents

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Abstract

【課題】バイオセンサー用チップを、生理活性物質を安定に固定化することが可能であって、被検出物質の非特異的吸着を抑制することができるものとする。
【解決手段】基板上に、金属膜と、この金属膜上に配置したアルキル鎖からなる自己組織化膜とを備えたバイオセンサー用チップであって、自己組織化膜上に、リガンドと、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、メチル基、水素原子からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基とを有し、金属膜上に配置した全アルキル鎖数に対するリガンドが結合しているアルキル鎖数の比を0.40〜0.99とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、生理活性物質を固定化するのに好適なバイオセンサー用チップに関するものである。
現在、臨床検査等で免疫反応など分子間相互作用を利用した測定が数多く行われているが、中でも煩雑な操作や標識物質を必要とせず、測定物質の結合量変化を高感度に検出することのできるいくつかの技術が使用されている。例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)測定技術、水晶発振子マイクロバランス(QCM)測定技術、金のコロイド粒子から超微粒子までの機能化表面を使用した測定技術である。これらの技術においては、いずれの場合も、生理活性物質を固定化する表面が重要である。以下、表面プラズモン共鳴(SPR)を例にとって説明する。
一般に生理活性物質を測定するために使用される測定チップは、透明基板(例えば、ガラス)上に、蒸着された金属膜、タンパク質等の生理活性物質を固定化できる官能基を有する薄膜を順に有し、官能基を介して金属表面に生理活性物質が固定化されている。そして、生理活性物質と検体物質間の特異的な結合反応を測定することによって、生体分子間の相互作用を分析する。
測定チップに生理活性物質を固定化するためのいくつかの手法が知られている。生理活性物質としてタンパク質を例にとった場合、測定チップとタンパク質を共有結合により固定化するための手法として、タンパク質のアミノ基と測定チップ上のカルボキシル基とを結合させる方法(アミンカップリング法)が知られている。しかしながら、この方法では、固定化によってタンパク質表面の任意のアミノ基が修飾されることになるため、固定化されるタンパク質の配向が一定にならない場合や、修飾されるアミノ基の位置によってタンパク質と基質との結合が阻害されてタンパク質の活性が低下する場合がある。また、この方法では、チップ上にタンパク質を濃縮する必要があるが、固定化の際にタンパク質を、固定化されるタンパク質のpIよりも低いpH、かつ低いイオン強度の緩衝液に溶解する必要がある。それゆえ、このような条件下で変性するタンパク質の場合には、活性を維持したまま固定化することができないという問題がある。
一方、遺伝子改変により人工的に合成されたタンパク質のN末端あるいはC末端に導入されたTagと呼ばれる部分を用いて、中性条件下で測定チップ上にタンパク質を固定化する手法が開発されている。その代表例として、His-tagを用いた固定化技術が挙げられる。この技術は、遺伝子組換えによって発現させたHis-tagタンパク質を精製するためのアフィニティーカラム用として開発されたものであるが、タンパク質を一定の配向性を持たせた状態で固体表面に固定化させる目的にも用いられている。
特に、NTA(Nitrilotriacetic acid)とNi(II)イオンとによるNTA-Ni(II)錯体を用いたHis-tagタンパク質の固定化では、錯体中の2つの配位座に配位した水分子がHis-tagタンパク質のオリゴヒスチジン残基の2つのイミダゾール基の窒素原子と置換することによって、His-tagタンパク質が特異的かつ一定方向に固体表面に結合する。このNTA-Ni(II)錯体を用いるHis-tagタンパク質の固定化では、酸性条件下でプレコンセントレーションを行う必要がないため、生理的条件の緩衝液(PBSなど)を用いてHis-tagタンパク質の固定化が可能となり、アミンカップリングの有する問題を解消することが可能である。
しかし、His-tagタンパク質とNTA-Ni(II)錯体との組み合わせは、アフィニティーカラムによる精製を目的として開発されているため、その結合は充分に強固ではなく、解離平衡が存在する。それゆえ、測定チップ上にNTA-Ni(II)錯体を介して固定化されたHis-tagタンパク質は、徐々に測定チップから解離してしまうという問題があり、そのままではバイオセンサー用途には適用できない。
この解離の問題を解決するために、いくつかの検討がなされている。例えば、特許文献1や2には、酸化剤等で酸化することによってHis-tagタンパク質の不活性化を図る方法が開示されている。しかし、これらの方法では、その酸化速度や酸化剤によってはタンパク質の失活が起こる場合があるという問題がある。また、特許文献3には、リガンドを上記NTAではなく、triNTAとすることによる結合の改善の試みが記載されているが、実用的に充分な固定化は得られていない。
一方、非特許文献1にはタンパク質等の生理活性物質を固定化できる官能基を有する薄膜として多糖類を用い、これにNTAを固定する技術が開示されている。また、非特許文献2には、生理活性物質を固定化できる官能基を有する薄膜として、官能基や長さの異なるアルキル鎖からなる自己組織化膜(混合SAM)を用い、これに生理活性物質を固定する技術が記載されている。この混合SAMは被検出物質の非特異的吸着を抑制するのに効果的なものである。
特開2006-266831号公報 特開平6-157600号公報 特表2002-536428号公報 Anal.Chem.2006,78,3072-3079 Journal of Collid and Interface Science 308 (2007) 474-484
生理活性物質を測定するために使用される測定チップにおいては、生理活性物質を安定に固定することに加え、被検出物質の非特異的吸着を抑制することが肝要である。上記非特許文献1および2からは、混合SAM上にNTAのように多点で配位するリガンドを固定すれば生理活性物質を安定に固定することができるとともに、被検出物質の非特異的吸着を抑制することができると考えられる。しかし、混合SAM上にNTAを固定した場合、錯体形成のための金属イオンを流すと、NTA部分の嵩高さによってSAMが基板から剥がれてしまうという問題が生じる。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、生理活性物質を安定に固定化することが可能であって、被検出物質の非特異的吸着を抑制することが可能なバイオセンサー用チップを提供することを目的とするものである。
本発明のバイオセンサー用チップは、基板上に、金属膜と、該金属膜上に配置したアルキル鎖からなる自己組織化膜とを備えたバイオセンサー用チップであって、前記自己組織化膜上に、リガンドと、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、メチル基、水素原子からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基とを有し、前記金属膜上に配置した全アルキル鎖数に対する前記リガンドが結合しているアルキル鎖数の比が0.40〜0.99であることを特徴とするものである。
前記金属膜上に配置した全アルキル鎖数に対するリガンドが結合しているアルキル鎖数の比は0.45〜0.85であることがより好ましい。
前記リガンドには金属イオンが固定されていることが好ましい。
前記金属イオンに生理活性物質が固定されていることが好ましい。
前記リガンドはニトリロトリ酢酸誘導体であることが好ましい。
前記自己組織化膜を形成するアルキル鎖は、−SH、−SS−、−SeH、−SeSe、−COSHからなる群から選ばれる少なくとも1つの官能基によって前記金属膜と結合していることが好ましい。
前記自己組織化膜が、下記一般式(1)で表される化合物および下記一般式(2)で表される化合物を含む混合物により形成されていることが好ましい。
X-Ra-Y (1)
X-Rb-Z (2)
(ここで、Xは金属膜と結合可能な基を、Ra、Rbは2価の有機連結基を、Yは水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、メチル基、水素原子からなる群より選ばれる官能基を、Zはリガンドを表す。)
前記Raのアルキル鎖長は炭素数2〜8であることが好ましく、前記Rbのアルキル鎖長は炭素数4〜8であることが好ましい。さらには、前記Raと前記Rbとの炭素数の差は2〜6であることがより好ましい。
前記金属イオンはCu(II)イオンであることが好ましい。
前記金属膜は、金、銀、銅、白金、パラジウムおよびアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属からなることが好ましい。
本発明のバイオセンサー用チップは、基板上に、金属膜と、該金属膜上に配置したアルキル鎖からなる自己組織化膜とを備えたバイオセンサー用チップであって、前記自己組織化膜上に、リガンドと、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、メチル基、水素原子からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基とを有し、前記金属膜上に配置した全アルキル鎖数に対する前記リガンドが結合しているアルキル鎖数の比が0.40〜0.99としたので、生理活性物質を安定に固定することが可能であり、加えて、被検出物質の非特異的吸着を抑制することができる。
すなわち、全アルキル鎖数に対するリガンドが結合しているアルキル鎖数の比を上記所定の範囲とすることによって、錯体形成のための金属イオンを流しても、リガンド部分の嵩高さに起因して自己組織化膜が基板から剥がれてしまうといったことがなく、従って、生理活性物質を安定に固定することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明のバイオセンサー用チップについて説明する。図1は、本発明の一実施の形態であるバイオセンサー用チップの構成を示す概略模式図である。なお、図1では結合状態をわかりやすくするため、一部を拡大し、リガンドとしてNTA、金属イオンとしてCu(II)、生理活性物質としてヒスチジンユニットを有するタンパクを例にとり、2つのNTAがヒスチジンユニットと結合している状態を示している。
図1に示すバイオセンサー用チップは、表面に金属膜が設けられたセンサーチップ基板と、この基板表面上に配置されたアルキル鎖からなる自己組織化膜(SAM)と、この自己組織化膜上にリガンドとしてNTAと、このNTAに配位結合した金属イオン(Cu(II))と、金属イオンに固定化されたヒスチジンユニットを有するタンパクとを備えてなる。NTAが結合していない自己組織化膜のアルキル鎖の末端は、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、メチル基、水素原子からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基となっている。
結合状態の詳細を図2および3に示す。図2および図3は、アルキル鎖からなる自己組織化膜とNTAの結合部分をさらに詳細に示したものである。図2および図3に示すように、自己組織化膜を構成するアルキル鎖は基板上の金属膜と、末端の金属膜と結合可能な基、例えば、−S(−SH、−SS−、−SeH、−SeSe、−COSHからなる群から選ばれる少なくとも1つの官能基に由来)によって結合しており、NTAは自己組織化膜を構成するアルキル鎖の他方の末端(カルボキシル基、アルコキシ基、メチル基、水素原子からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基)と結合している。
以下、本発明のバイオセンサー用チップの各構成およびその構成の形成方法(活性化)について説明する。
(1)基板と金属膜
本発明のバイオセンサー用チップにおける基板は、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、一般的にはBK7等の光学ガラス、あるいは合成樹脂、具体的にはポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーなどのレーザー光に対して透明な材料からなるものが使用できる。このような基板は、好ましくは、偏光に対して異方性を示さずかつ加工性の優れた材料が望ましい。
基板上には金属膜が配置される。ここで、基板上に配置されるとは、金属膜が基板上に直接接触するように配置されている場合のほか、金属膜が基板に直接接触することなく、他の層を介して配置されている場合をも含む意味である。金属膜を構成する金属としては、表面プラズモン共鳴が生じ得るようなものであれば特に限定されないが、好ましくは金、銀、銅、白金、パラジウムおよびアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属であることが好ましく、特に金が好ましい。これらの金属は単独又は組み合わせて使用することができる。また、上記基板への付着性を考慮して、基板と金属からなる層との間にはクロム等からなる介在層を設けてもよい。
金属膜の膜厚は任意であるが、0.1nm以上500nm以下であることが好ましく、特に1nm以上200nm以下であることが好ましい。500nmを超えると、媒質の表面プラズモン現象を十分検出することができない。また、クロム等からなる介在層を設ける場合、その介在層の厚さは、0.1nm以上10nm以下であることが好ましい。
金属膜の形成は常法によって行えばよく、例えば、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法、電気めっき法、無電解めっき法等によって行うことができる。
(2)自己組織化膜
自己組織化膜とは、外からの細かい制御を加えていない状態で、膜材料そのものがもつ機構によって形成される一定の秩序をもつ組織をもった単分子膜やLB膜などの超薄膜のことを言う。この自己組織化により、非平衡な状況で長距離にわたって秩序がある構造やパターンが形成される。
本発明において自己組織化膜は、一方の末端に水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、メチル基、水素原子からなる群より選ばれる官能基を有し、他方の末端に−SH(チオール)、−SS(スルフィド)、−SeH(セレノール)、−SeSe(ジセレニド)、−COSH(チオ酸)からなる群から選ばれる官能基を有するアルキル鎖によって構成される。
より好ましくは、本発明の自己組織化膜は下記一般式(1)で表される化合物または下記一般式(2)で表される化合物を含む混合物により形成されていることが望ましい。下記一般式(1)で表される化合物または下記一般式(2)で表される化合物を含む混合物は、(i)下記一般式(1)で表される化合物を1種類以上含む混合物であってもよいし、より好ましくは、(ii)下記一般式(1)で表される化合物を1種類以上と下記一般式(2)で表される化合物を1種類以上含む混合物であることが望ましい。前者(i)の場合においては、アルキル鎖の長さや官能基が違うものを複数種混ぜてもよく、NTAなどのリガンドを結合させる際には、連結基を介して結合していてもよい。なお、後者(ii)の場合において、全アルキル鎖に対する下記一般式(2)で表される化合物の比が0.40〜0.99であれば、後述するリガンドを結合する必要はない。
X-Ra-Y (1)
X-Rb-Z (2)
(Xは−SH、−SS、−SeH、−SeSe、−COSH 基などの金属膜と結合可能な基を、Ra、Rbは2価の有機連結基を、Yは水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、メチル基、水素原子からなる群より選ばれる官能基を、Zはリガンドを表す。)
ここで、2価の有機連結基であるRa、Rbは、場合によりヘテロ原子により中断されていてもよく、好ましくは適当に密な詰め込みのため直鎖(枝分かれしていない)であり、場合により二重及び/又は三重結合を含む炭化水素鎖である。炭素鎖は場合により過フッ素化されることができる。一般式(1)中のRaのアルキル鎖長は炭素数2〜8であることが好ましく、さらには2〜6であることが好ましく、一般式(2)中のRbのアルキル鎖長は炭素数4〜8であることが好ましい。特には、RaとRbのアルキル鎖は長さが異なることが好ましく、Rbの方が長いことがより好ましい。(Rbのアルキル鎖の炭素数)と(Raのアルキル鎖の炭素数)の差は2〜6であることが好ましく、より好ましくは2〜4であることが望ましい。本発明においてアルキル鎖の炭素数とは、炭素原子以外のヘテロ原子を有する場合においても、1つのヘテロ原子を炭素数1として換算する。
Zはニトリロトリ酢酸、イミノジ酢酸、又はそれらの誘導体であることが好ましい。Yは水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、メチル基、水素原子からなる群より選ばれる官能基であるが、Yがメチル基あるいは水素原子の場合には、Raのアルキル鎖の末端を意味する。Yがアルコキシ基の場合、炭素数1〜2のメトキシ基、エトキシ基であることがより好ましい。ここでそれらの誘導体とは、構造中に対応する部分構造を有する化合物を示す。
基板表面に適当に密に配置するためにはアルキル鎖は直鎖(枝分かれしていない)であることが望ましく、場合によっては二重及び/又は三重結合を含んでいてもよい。基板に配置されるアルキル鎖は、その全てのアルキル鎖長が同じであってもよいが、高効率に披検物質を基板上に固定化する観点からは、自己組織化膜の上面に固定化に供する官能基を備えているアルキル鎖長が異なるものから構成されていることが好ましい(なお、先に説明した図2および図3ではアルキル鎖長が異なるものから構成されている態様を示しており、図2ではアルキル鎖が炭素数6と炭素数8からなるものを、図3ではアルキル鎖が炭素数4と炭素数8からなるものを示している)。
一般式(1)の具体的構造としては、6−ヒドロキシ−1−ヘキサンチオール、1−ヘキサンチオール、5−ヒドロキシカルボニル−1−ペンタンチオール、6−メトキシ−1−ヘキサンチオール、1−オクタンチオール、8−ヒドロキシ−1−オクタンチオール、7−ヒドロキシカルボニル−1−ヘプタンチオール、8−メトキシ−1−オクタンチオール、1−ヘプタンチオール等を好ましくあげることができ、一般式(2)の具体的構造としては、3,3'-ジチオビス[N-(5-アミノ-5-カルボキシペンチル)プロピオンアミド-N,N’-ジアセチル酸]、2,2'-ジチオビス[N-(5-アミノ-5-カルボキシペンチル)アセチルアミド-N,N’-ジアセチル酸]、3-チオプロピオンアミド-N-(5-アミノ-5-カルボキシペンチル)プロピオンアミド-N,N’-ジアセチル酸を好ましくあげることができ、これらは単独で用いてもよいし、適宜組合せて用いてもよい。
自己組織化膜を用いた金属膜の被覆法は、ハーバード大のWhitesides教授らにより精力的に展開されており、その詳細は例えばChemical Review, 105, 1103-1169 (2005)に報告されている。金属として金を用いた場合、上記で記載した自己組織化膜形成化合物の末端の−SH、−SS、−SeH、−SeSe、−COSHに由来する−Sと、金表面のAuによってAu-S結合が形成され、アルキル鎖同士のvan der Waals力に基づき、配向性を持つ単分子膜が自己組織的に形成される。この自己組織化膜は、自己組織化膜形成化合物の溶液中に金基板を浸漬するという極めて簡便な手法で作製することができる。
(3)リガンド
リガンドとなる化合物としては、各種キレート剤を用いることができ、ニトリロトリ酢酸(NTA(N-(5-Amino-1-carboxypentyl)iminodiacetic acid))、イミノジ酢酸、フェナンスロリン、テルピリジン、ビピリジン、トリエチレンテトラアミン、ビ(エチレントリアミン)、トリス(カルボキシメチル)エチレンジアミン、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ポリピラゾリルホウ酸、1,4,7−トリアゾシクロノナン、ジメチルグリオキシム、ジフェニルグリオキシム等の多座配位子およびその誘導体を好ましくあげることができる。この中でも、ニトリロトリ酢酸又はその誘導体であることが好ましい。ニトリロトリ酢酸は3座配位子であり、このリガンドが水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、メチル基、水素原子からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基に結合することにより、分子レベルで近接した3つのカルボキシル基へと変換されることになる。
リガンドの結合は、例えば、カルボキシル基を活性化した後に、リガンドを反応させることによってリガンドをカルボキシル基に結合させることができる。あるいは、例えば、NTAを末端の官能基として有する下記のC2-NTAと、自己組織化膜を形成する上記の自己組織化膜形成化合物とを一緒に基板に浸漬するという手法によっても作製することができる。
Figure 2010019818
リガンドは、基板上の全アルキル鎖数に対して0.40〜0.99の比率で結合させ、好ましくは0.45〜0.85の比率で結合させることが好ましい。0.99よりも多く結合させると自己組織化膜が疎になりすぎて金属イオンを流した場合にアルキル鎖が基板から剥がれてしまう可能性があり、一方、0.40よりも少ない結合では、生理活性物質を安定に固定化することができなくなる。
このような比率でリガンド、例えばNTAを結合するには、直接あるいは連結器を介して共有結合により連結することができる。先に記載した(2)自己組織化膜における(i)の態様をとる場合、一般式(1)の官能基Yにリガンドを結合することで本発明のチップを形成することができる。この時、リガンドの大きさ(体積)により、全ての官能基Yにリガンドが結合されることはない。具体的には自己組織化膜に存在するカルボキシル基をEDC(1-(3-Dimethylaminopropyl)-3-ethylcarbodiimide)で活性化したのち、末端にアミノ基を有するAB−NTA(N-(5-アミノ-1-カルボキシペンチル)イミノジ酢酸)を作用させてアミド結合で基板に結合することができる。
また、NTAを末端の官能基として有するC2-NTAのような化合物を用いる場合(先に記載した(2)自己組織化膜における(ii)の態様をとる場合)には、この化合物と自己組織化膜を形成する自己組織化膜形成化合物が任意アルキル鎖数の比率となるように、物質量の比で混合することにより行うことができる。
なお、カルボキシル基を活性化する方法としては、上記のEDCによる他、オキシ塩化リンあるいは三塩化リンなどとカルボン酸を反応させる酸クロリド法、ジチルクロロリン酸、ジフェニルクロロリン酸などとカルボン酸を反応させるリン酸エステル法、p-ニトロ安息香酸クロリド、2,4-ジニトロ安息香酸クロリドなどとカルボン酸を反応させる電子吸引性基置換安息香酸エステル法等によっても行うことができる。
リガンドの密度は1×1011個/mm3〜1×1012個/mm3であることが好ましく、5×1011個/mm3〜1×1012個/mm3であることがさらに好ましい。リガンドの密度が1×1011個/mm3未満の場合には、生理活性物質を把持することが困難となる。一方、1×1012個/mm3よりも大きい密度の場合には、立体的な障害のため自己組織化膜の配列が乱れてしまい好ましくない。
(4)金属イオン
金属イオンは、不飽和金属錯体を形成する金属イオンであればよく、得られる金属錯体の安定性の観点からは遷移金属イオンが好ましく、具体的には、Ni(II)、Ni(III)、Ni(IV)、Cu(I)、Cu(II)、Co(II)、Co(III)、Fe(II)、Fe(III)、のいずれかのイオンであり、リガンドの種類に応じて適宜選択することができるが、結合量の制御が容易であり、かつ強固な結合性を有しているという観点からはとりわけCu(II)が好ましい。金属イオンがCu(II)の場合、リガンド密度は1.0×1011以上であることが好ましい。なお、金属イオンは、価数によって結合力が異なるが、Co(II)、Fe(II)の場合は、特開平6-157600 号の[0037]、[0038]に記載されている酸化還元方法で、金属イオンの酸化数を変化させ、結合力を変えることが可能である。
(5)生理活性物質
生理活性物質は、例えば免疫蛋白質、酵素、微生物、核酸、低分子有機化合物、非免疫蛋白質、免疫グロブリン結合性蛋白質、糖結合性蛋白質、糖を認識する糖鎖、脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、あるいは配位子結合能を有するポリペプチドもしくはオリゴペプチドなどが挙げられる。これらの生理活性物質は、金属イオンへの配位結合により基板上に固定されるものであり、金属イオンに対して配位可能な官能基を有する、即ち、金属配位能を有するものであればよい。このような金属配位能は、強い配位力を持つ配位子を共有結合することによって容易に付与することができる。
官能基としては、含窒素複素環を有し、金属イオンと共に金属錯体を形成可能なものであればよい。含窒素複素環としては、窒素原子を含む3員環から7員環の単環及び縮合環構造のいずれであってもよく、環中の窒素原子は単数でも複数であってもよい。好ましくは、5員環から6員環のものを挙げることができる。このような含窒素複素環を有する配位子として具体的には、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,3,4−チアジアゾ−ル、テトラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4,5−テトラジン、アゼピン、アゾニン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナンスリジン、インドール、イソインドール、カルバゾール、ベンズイミダゾール、1,8−ナフチリジン、プリン、プテリジン、ベンゾトリアゾール、キノキサリン、キナゾリン、ペリミジン、シンノリン、フタラジン、1,10−フェナンスロリン、フェノキサジン、フェノチアジン、フェナジン、8−ヒドロキシキノリン、8−メルカプトキノリン、2,2’−ビピリジン、2,2’−ジピリジルアミン、ジ(2−ピコリルアミン)、2,2’,2”−ターピリジン、ポルフィリン、フタロシアニン、およびそれらの誘導体が挙げられる。
得られる金属錯体の安定性の観点から好ましくはピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、ピリジン、およびそれらの誘導体であり、より好ましくはピリジン誘導体が好ましい。
とりわけ、官能基としては、アミノ酸自動合成装置を用いた導入、あるいは遺伝子操作による導入が容易であることから、イミダゾール基が好ましい。イミダゾール基を含むヒスチジン(His)を機能性部位として導入したいわゆるHis-tagは長い方が好ましく、イミダゾール基は6個〜100個程度であることがより好ましい。ヒスチジンは、His-His-His-Hisのように連続していてもよく、例えば、His-His-○−His-Hisのように間に別な構造を有していてもよい。官能基の好ましい配列として、イミダゾール基を含むヒスチジン(His)を導入した例を挙げたが、官能基の種類はイミダゾール基に限られるものではない。
(6)生理活性物質の固定化
生理活性物質の固定化は、生理活性物質を含む溶液を塗布後、乾燥することによって行う。本発明において、「塗布」とは、浸漬する方法も含む。生理活性物質が含窒素複素環基を有する場合、生理活性物質の含窒素複素環が金属イオンに配位結合し、錯体を形成することによって固定化される。
基板に結合したリガンドに対して、金属イオンと、生理活性物質の含窒素複素環基と、を付与すると、金属イオンに、(1)リガンドと、(2)生理活性物質の含窒素複素環基と、(3)水分子または水酸化イオンと、が配位し、錯体を形成する。
例えば、リガンドとしてNTAを使用し、6配位可能な金属イオンを付与した場合、6配位部位中4つの配位部位を、(1)NTAが保有する3つのカルボキシル基と1つの窒素原子が占有し、残りの2つの配位部位は、(2)生理活性物質の含窒素複素環基と、(3)水分子または水酸化イオンなどと、が占有することにより6配位の錯体を形成する。
リガンドとして、イミノジ酢酸を使用し、6配位可能な金属イオンを付与した場合は、6配位部位中3つの配位部位を、(1)イミノジ酢酸が保有する2つのカルボキシル基と1つの窒素原子が占有し、残りの3つの配位部位は、(2)生理活性物質の含窒素複素環基と、(3)水分子または水酸化イオンなどと、が占有することにより6配位の錯体を形成する。
ここでは、金属イオンは、6配位可能な金属イオンを例に挙げて説明したが、配位数については7配位以上でもよく、5配位以下でもよい。また、錯体を形成するカルボキシル基は、1つのリガンドから供給されずともよく、複数のリガンドから供給され、錯体を形成してもよい。
(7)バイオセンサー用チップの適用
本発明のバイオセンサー用チップは、生体分子間の相互作用を電気的信号等の信号に変換して、対象となる物質を測定・検出するセンサー、より詳細には、検出対象とする化学物質を認識するレセプター部位と、そこに発生する物理的変化又は化学的変化を電気信号に変換するトランスデューサー部位とから構成されバイオセンサー、表面プラズモン共鳴(SPR)測定技術、水晶発振子マイクロバランス(QCM)測定技術、金のコロイド粒子から超微粒子までの機能化表面を使用した測定技術等に用いることができる。
例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサーは、センサーより照射された光を透過及び反射する部分、並びに生理活性物質を固定する部分とを含む部材からなるが、本発明のバイオセンサー用チップは生理活性物質を固定する部分を含む部材として用いることができる。
表面プラズモンが光波によって励起される現象を利用して、被測定物質の特性を分析する表面プラズモン測定装置としては、Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙げられる(例えば特開平6-167443号公報参照)。上記の系を用いる表面プラズモン測定装置は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料液などの被測定物質に接触させられる金属膜と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して表面プラズモン共鳴の状態、つまり全反射減衰(ATR)の状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
また、全反射減衰(ATR)を利用する類似の測定装置として、例えば「分光研究」第47巻 第1号(1998)の第21〜23頁および第26〜27頁に記載がある漏洩モード測定装置も知られている。この漏洩モード測定装置は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の上に形成されて、試料液に接触させられる光導波層と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを上記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックとクラッド層との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して導波モードの励起状態、つまり全反射減衰状態を検出する光検出手段とを備えてなるものであるが、本発明のバイオセンサー用チップはこのような漏洩モード測定装置にも用いることができる。
また、本発明のバイオセンサー用チップは、例えば基板表面に、回折格子と場合によっては付加層とを有している導波路構造を保持した、屈折率変化を導波路を用いて検出するバイオセンサーのチップとしても用いることができる。この方式のバイオセンサーの構成については、例えば特公平6-27703号公報4ページ48行目から14ページ15行目および第1図から第8図、米国特許第 6,829,073号のcolumn6の31行目からcolumn7の47行目および第9図A,Bに記載されている。また、別の実施形態として、回折格子導波路のアレイがマイクロプレートのウェル内に組み込まれる形態も可能である(特表2007-501432号)。すなわち回折格子導波路がマイクロプレートのウェル底面にアレイ状に配列されていれば、スループットの高い薬物または化学物質のスクリーニングを可能にすることができる。
以下に本発明のバイオセンサー用チップについての実施例を示す。
(実施例1)
(バイオセンサーチップの作製)
センサーチップ上に金膜のみが形成されているBiacore社センサーチップAuを12分間、UVオゾン処理を行った後、10mlの超純水に5μmol のC2-NTA(3,3'-dithiobis[N-(5-amino-5-carboxypentyl) propionamide-N,N’-diacetic acid] dihydrochloride(同人化学製))と5μmol の6-Hydroxy-1-hexanethiol(Aldrich社製)とを溶解させた溶液と金膜を40℃で16時間反応させ、エタノールで1回、超純水で1回洗浄しバイオセンサーチップを作製した。
(センサーチップ上への酵素の固定)
上記で作製したバイオセンサーチップをBiacore社製の表面プラズモン共鳴装置であるBiacore3000にセットし、SPR用HEPES緩衝液(20mM HEPES-HCl, 150mM NaCl, pH7.2)を10μl/minの流速で安定させ、100μmol/lのCuCl2水溶液を10μl添加し、その後にHBS-Nバッファー20μlで洗浄し、次ぎに100nmol/lのHis10- GFP水溶液を10μl添加してタンパクが固定化できることを確認した。続いて100μmol/lのイミダゾール水溶液10μlで洗浄し、バイオセンサー用チップを再生した。
(実施例2)
実施例1で使用した6-Hydroxy-1-hexanethiolを1-hexanethiol(Aldrich社製)に変えた以外は実施例1と同様にしてバイオセンサーチップを作製した。
(実施例3)
実施例1で使用したC2-NTAを3μmol、6-Hydroxy-1-hexanethiolを6-Hydroxy-1pentanethiolに変え、これを7μmol 使用した以外は実施例1と同様にしてバイオセンサーチップを作製した。
(実施例4)
実施例1で使用した6-Hydroxy-1-hexanethiolを6-Hydroxy-1-hexanethiolと1-hexanethiolの5/5混合物に変えた以外は実施例1と同様にしてバイオセンサーチップを作製した。
(実施例5)
実施例1で使用した6-Hydroxy-1-hexanethiolを6-methoxy-1-hexanethiol(Aldrich社製)に変えた以外は実施例1と同様にしてバイオセンサーチップを作製した。
(実施例6)
実施例1で使用したC2-NTAを7μmol、6-Hydroxy-1-hexanethiolを3μmolに変えて使用した以外は実施例1と同様にしてバイオセンサーチップを作製した。
(比較例1)
実施例1において6-Hydroxy-1-hexanethiolを使用しなかった以外は実施例1と同様にしてバイオセンサーチップを作製した。
(安定性評価)
上記で作製したチップの安定性を評価するため、センサーチップ表面に10μl/minの流速で10mmol/LのCuCl2溶液を50μl添加した後、100μmol/lのイミダゾール水溶液10μlで洗浄し、洗浄前後の変化をBiacore社製の表面プラズモン共鳴装置であるBiacore3000により測定した。
結果を表1に示す。なお、基板上の全アルキル鎖数に対するニトリロトリ酢酸が結合しているアルキル鎖数の比は、実質的に、使用したアルカンチオールとNTAの混合比と見なせるので、ここではそれを用いたが、AFM(原子間力顕微鏡)の観測データ等を用いてその存在比を算出することもできる。
Figure 2010019818
表1から明らかなように、実施例1〜6においては自己組織化膜上に配置した全アルキル鎖数に対するリガンドが結合しているアルキル鎖数の比が0.40〜0.99であるので、洗浄前後におけるRUの変化量が少なく、金属イオンによる表面からのリガンドの剥がれを抑制できていることがわかる。
本発明のバイオセンサー用チップの一実施の形態を示す概略模式図 自己組織化膜とリガンドの結合状態の一実施の形態を示す概略図 自己組織化膜とリガンドの結合状態の別の実施の形態を示す概略図

Claims (12)

  1. 基板上に、金属膜と、該金属膜上に配置したアルキル鎖からなる自己組織化膜とを備えたバイオセンサー用チップであって、
    前記自己組織化膜上に、
    リガンドと、
    水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、メチル基、水素原子からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基とを有し、
    前記金属膜上に配置した全アルキル鎖数に対する前記リガンドが結合しているアルキル鎖数の比が0.40〜0.99であることを特徴とするバイオセンサー用チップ。
  2. 前記金属膜上に配置した全アルキル鎖数に対するリガンドが結合しているアルキル鎖数の比が0.45〜0.85であることを特徴とする請求項1記載のバイオセンサー用チップ。
  3. 前記リガンドに金属イオンが固定されていることを特徴とする請求項1または2記載のバイオセンサー用チップ。
  4. 前記金属イオンに生理活性物質が固定されていることを特徴とする請求項3記載のバイオセンサー用チップ。
  5. 前記リガンドがニトリロトリ酢酸誘導体であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のバイオセンサー用チップ。
  6. 前記自己組織化膜を形成するアルキル鎖が、−SH、−SS−、−SeH、−SeSe、−COSHからなる群から選ばれる少なくとも1つの官能基によって前記金属膜と結合していることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載のバイオセンサー用チップ。
  7. 前記自己組織化膜が、下記一般式(1)で表される化合物および下記一般式(2)で表される化合物を含む混合物により形成されていることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載のバイオセンサー用チップ。
    X-Ra-Y (1)
    X-Rb-Z (2)
    (ここで、Xは金属膜と結合可能な基を、Ra、Rbは2価の有機連結基を、Yは水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、メチル基、水素原子からなる群より選ばれる官能基を、Zはリガンドを表す。)
  8. 前記Raのアルキル鎖長が炭素数2〜8であることを特徴とする請求項7記載のバイオセンサー用チップ。
  9. 前記Rbのアルキル鎖長が炭素数4〜8であることを特徴とする請求項7または8記載のバイオセンサー用チップ。
  10. 前記Raと前記Rbとの炭素数の差が2〜6であることを特徴とする請求項9記載のバイオセンサー用チップ。
  11. 前記金属イオンがCu(II)イオンであることを特徴とする請求項3〜10いずれか1項記載のバイオセンサー用チップ。
  12. 前記金属膜が、金、銀、銅、白金、パラジウムおよびアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属からなることを特徴とする請求項1〜11いずれか1項記載のバイオセンサー用チップ。
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JP2004150828A (ja) * 2002-10-28 2004-05-27 Toyobo Co Ltd 蛋白質もしくはペプチドのKinetics解析方法および解析用基板

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