JP2009040637A - 炭化珪素単結晶の製造方法および製造装置 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】SiC単結晶の成長速度の低下の低減、SiC単結晶の長時間成長、SiC粉末原料の残留の低減を図る。
【解決手段】中空筒状であって、筒の外壁面から内壁面に貫通する複数の小孔10aを備えた孔付パイプ10を用意し、孔付パイプ10の一端をSiC粉末原料4に埋め込み、孔付パイプ10の他端を粉末原料4から突出させた状態で坩堝1を加熱する。これにより、粉末原料4の下層部で生じた昇華ガスを孔付パイプ10を経由させて成長空間領域5に供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、パワーMOSFET等の素材に利用することができる炭化珪素(以下、SiCという)単結晶の製造方法および装置に関するものである。
従来より、SiC単結晶を成長させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的に、特許文献1では、黒鉛製の坩堝内に種結晶を接合すると共に、坩堝底部に配したSiC粉末原料を例えば2300℃に加熱することで、SiC粉末原料を昇華させ、その昇華させたガスを原料温度よりも低い温度に設定された種結晶上に結晶化させる手法が提案されている。
特許第3792699号公報
しかしながら、上記従来の技術では、坩堝底部に配されたSiC粉末原料を加熱して昇華させていくと、SiC粉末原料の上層部から主としてシリコンが昇華していくため、SiC粉末原料のうち上層部のシリコンが枯渇して、当該上層部が固まった枯渇層となってしまう。これにより、成長時間と共にSiC単結晶の成長速度が低下してしまう。また、枯渇層によって昇華ガスの供給量が減少し、長時間成長ができなくなってしまう。
また、SiC粉末原料の上層部に形成される枯渇層がSiC粉末原料の上層部に蓋をする役割をし、未だ昇華していない下層部のSiC粉末原料が残留して無駄になってしまう。さらに、シリコンが抜けた枯渇層からカーボン粒子が飛散してSiC単結晶に取り込まれ、SiC単結晶に結晶欠陥が発生してしまうという問題がある。
本発明は、上記点に鑑み、SiC単結晶の成長速度の低下を抑制することを第1の目的とし、SiC単結晶を長時間成長させることを第2の目的とし、未昇華状態のSiC粉末原料の残留を低減することを第3の目的とし、カーボン粒子によるSiC単結晶の結晶欠陥を防止することを第4の目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴では、中空筒状であって、筒の外壁面から内壁面に貫通する複数の小孔(10a)を備え、筒の一端が炭化珪素原料(4)に埋め込まれ、筒の他端が炭化珪素原料(4)から突出するように容器本体(1a)内に配置される昇華ガス供給部材(10)を有することを特徴とする。
これによると、炭化珪素原料(4)の下層部で生じる昇華ガスを小孔(10a)から昇華ガス供給部材(10)内に流入させることができる。したがって、炭化珪素原料(4)の上層部に枯渇層(4a)が形成されて昇華ガスが炭化珪素原料(4)の表面から成長空間領域(5)に供給されなくなっても、昇華ガス供給部材(10)を経由して炭化珪素原料(4)の下層部で生じる昇華ガスを成長空間領域(5)に供給し続けることができる。これにより、炭化珪素単結晶(20)の成長速度が低下してしまうことを防止することができる。
また、炭化珪素原料(4)の下層部で生じる昇華ガスを成長空間領域(5)に供給し続けることができるため、炭化珪素単結晶(20)を成長させる時間を長くすることができる。さらに、炭化珪素原料(4)の下層部で生じる昇華ガスを成長空間領域(5)に導くことができるため、炭化珪素原料(4)の下層部が未昇華状態で残留して無駄にならないようにすることができる。
また、昇華ガス供給部材(10)を容器本体(1a)内に複数配置することができ、容器本体(1a)の底面から昇華ガス供給部材(10)の他端までの高さを異なるようにすることができる。
これによると、昇華ガス供給部材(10)から成長空間領域(5)に供給される昇華ガスの供給位置を調整することができ、成長空間領域(5)に昇華ガスの流れを作ることができる。
また、複数の昇華ガス供給部材(10)の各他端のうち、いずれかを折り曲げることができる。これにより、結晶成長に良好な昇華ガスの流れを作ることができる。
この場合、昇華ガス供給部材(10)として、炭化珪素原料(4)に埋め込まれる部分が立体格子状をなしているものにできる。
これによると、昇華ガス供給部材(10)と炭化珪素原料(4)との接触面積を増加させることができ、成長空間領域(5)への昇華ガスの供給効率を向上させることができる。
また、円形および板状であって、容器本体(1a)の内径と同じ径であり、板の一面側に昇華ガス供給部材(10)の一端が位置し、板の他面側に昇華ガス供給部材(10)の他端が位置するように板に昇華ガス供給部材(10)が差し込まれると共に、炭化珪素原料(4)の表面に接触するように配置される原料蓋(40)を備えることができる。
これによると、炭化珪素原料(4)内で生じた昇華ガスを昇華ガス供給部材(10)のみから成長空間領域(5)に供給することができる。すなわち、原料蓋(40)から突出する昇華ガス供給部材(10)の位置や高さ等を調整することによって、成長空間領域(5)に良好な昇華ガスの流れを作ることができる。
また、原料蓋(40)で炭化珪素原料(4)を覆うことができるため、シリコンが抜けた枯渇層(4a)からカーボン粒子が飛散することを防止することができる。したがって、カーボン粒子による炭化珪素単結晶(20)の結晶欠陥を抑制することができる。
他方、円形および板状であって、容器本体(1a)の内径と同じ径であり、板の一面側に昇華ガス供給部材(10)の一端が位置し、板の他面側に昇華ガス供給部材(10)の他端が位置するように板に昇華ガス供給部材(10)が差し込まれると共に、炭化珪素原料(4)の表面から離されて配置される原料蓋(40)を備えることもできる。
これによると、原料蓋(40)と炭化珪素原料(4)の表面との間に昇華ガスを供給することができる。そして、小孔(10a)を介して昇華ガス供給部材(10)内に昇華ガスを流入させて昇華ガス供給部材(10)から成長空間領域(5)に昇華ガスを供給することで、成長空間領域(5)への昇華ガスの供給効率を向上させることができる。
この場合、昇華ガス供給部材(10)として、炭化珪素原料(4)に埋め込まれる第1昇華ガス供給部材(11)と、原料蓋(40)に差し込まれて固定される第2昇華ガス供給部材(12)と、を有するものとすることができる。
これにより、原料蓋(40)と炭化珪素原料(4)の表面との間に第1昇華ガス供給部材(11)だけでなく炭化珪素原料(4)の上層部から供給された昇華ガスを、第2昇華ガス供給部材(10)の中空領域に直接流入させることができ、昇華ガスの成長空間領域(5)への供給効率を原料蓋(40)と炭化珪素原料(4)を接触させる場合よりも向上させることができる。
本発明の第2の特徴では、有底円筒状であって、容器本体(1a)内に配置されるものであり、有底円筒の内壁(31)と外壁(32)との間に空間(33)を有し、空間(33)は有底円筒の開口端(35)を介して成長空間領域(5)と繋がっていると共に、少なくとも内壁(31)に当該内壁(31)を貫通する小孔(34)が複数設けられており、内壁(31)の内側に炭化珪素原料(4)が配置される昇華ガス供給容器(30)を有することを特徴とする。
これによると、炭化珪素原料(4)の下層部で生じた昇華ガスを、昇華ガス供給容器(30)の小孔(34)を介して昇華ガス供給容器(30)の空間(33)に流入させることができる。これにより、上述のように、炭化珪素原料(4)の上層部に枯渇層(4a)が形成されて昇華ガスの供給ができなくなっても、炭化珪素原料(4)の下層部から生じる昇華ガスを、昇華ガス供給容器(30)の空間(33)を介して成長空間領域(5)に供給することができる。外壁(32)の径は容器本体(1a)の内径と同じ径でなくて小さくてもよく、この場合外壁(32)と容器本体(1a)の間には、炭化珪素原料(4)を充填してもよい。このとき、外壁(32)にも外壁(32)を貫通する小孔が複数設けられているとよい。
本発明の第3の特徴では、中空筒状であって、筒の外壁面から内壁面に貫通する複数の小孔(10a)を備え、筒の一端が炭化珪素原料(4)に埋め込まれ、筒の他端が炭化珪素原料(4)から突出するように容器本体(1a)内に配置される第1昇華ガス供給部材(51)および第2昇華ガス供給部材(52)を有し、第1昇華ガス供給部材(51)は第2昇華ガス供給部材(52)よりも径が大きくなっており、第1昇華ガス供給部材(51)の中空部分に第2昇華ガス供給部材(52)が配置されており、炭化珪素原料(4)は、容器本体(1a)と第1昇華ガス供給部材(51)との間、および第2昇華ガス供給部材(52)の中空部分に配置されるようになっていることを特徴とする。
これにより、炭化珪素原料(4)から生じた昇華ガスが第1昇華ガス供給部材(51)および第2昇華ガス供給部材(52)の各小孔(10a)を介して第1昇華ガス供給部材(51)と第2昇華ガス供給部材(52)との間の空間領域に供給することができる。したがって、容器本体(1a)の下層部で生じる昇華ガスを成長空間領域(5)に供給することができ、炭化珪素原料(4)の下層部が未昇華状態で残留して無駄にならないようにすることができる。
上記では、炭化珪素単結晶の製造装置について述べたが、炭化珪素単結晶の製造方法についても同様のことが言える。すなわち、昇華ガス供給部材(10)の一端を炭化珪素原料(4)に埋め込み、昇華ガス供給部材(10)の他端を炭化珪素原料(4)から突出させた状態で坩堝(1)を加熱する。これにより、炭化珪素原料(4)の下層部で生じた昇華ガスを昇華ガス供給部材(10)を経由させて成長空間領域(5)に供給することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。図1(a)は、本発明の第1実施形態に係るSiC単結晶製造装置の断面構成を示したものである。この図に示されるように、SiC単結晶製造装置は、有底円筒状の容器本体1aと円形状の蓋体1bとによって構成されたグラファイト製の坩堝1を備えている。坩堝1内には、蓋体1bの裏面には台座2を介して例えば円形状のSiCの種結晶3が配置されている。
上記容器本体1aの開口端部の外壁面には凹部1cが設けられている。そして、容器本体1aの凹部1cに蓋体1bの開口端部の内壁が接するように差し込まれると、図1(a)に示される形態となる。
そして、図1(a)に示されるように、容器本体1a内に昇華ガスの供給源となるSiCの粉末原料4が配置されている。種結晶3と粉末原料4との間を成長空間領域5とすると、粉末原料4からの昇華ガスが成長空間領域5を通過して種結晶3の表面上に再結晶化して、種結晶3の表面にSiC単結晶が成長させられる構成とされている。なお、粉末原料4は、本発明の炭化珪素原料に相当する。
さらに、坩堝1内には、中空円筒状の孔付パイプ10が配置されている。図1(b)は、当該孔付パイプ10の外観図である。この図に示されるように、孔付パイプ10は、円筒の外壁面から内壁面に貫通する小孔10aを有している。小孔10aのサイズは、容器本体1aに配置されるSiCの粉末原料4のSiC粒と同じ10〜1000μmのサイズである。後述するように、孔付パイプ10は粉末原料に差し込まれるため、小孔10aのサイズは当該小孔10aを介して孔付パイプ10の中空領域に粉末原料4が流入して中空領域が詰まらないようにするためにSiC粒よりも小さいサイズであることが好ましい。また、孔付パイプ10の外壁側から中空領域に粉末原料4の昇華ガスを通しやすくするため、小孔10aは高密度に設けられていることが好ましい。例えば、孔付パイプ10の外壁面に占める小孔10aの面積比率は、30〜80%ぐらいが望ましい。
このような孔付パイプ10の材質として、例えばカーボン材、タンタルやタングステン等の高融点金属が採用される。カーボン材については、ポーラス状態のものを採用することで、小孔10aを設ける必要がなく、孔付パイプ10の用意が容易になる。また、孔付パイプ10の内径および外径は、SiC単結晶の成長条件によって最適な値を選択することが可能である。例えば、孔付パイプ10の一端10b側の内径に対して他端10c側の内径を大きくすることができる。他方、坩堝1内に配置される場所に応じて、孔付パイプ10の内径や外径を決定しても良い。
上記孔付パイプ10は、容器本体1a内に配置される粉末原料4に埋め込まれる。具体的には、図1(a)に示されるように、孔付パイプ10の一端10bが容器本体1aの底面側、他端10cが蓋体1b側に向く姿勢、すなわち坩堝1の中心軸に平行な姿勢とされている。さらに、孔付パイプ10の一端10bが粉末原料4の下層部まで埋め込まれ、他端10cが粉末原料4から突出している。この場合、孔付パイプ10の中空領域に粉末原料4は配置されず、粉末原料4は容器本体1aの内壁と孔付パイプ10に外壁との間に配置された状態となる。
また、孔付パイプ10の一端10bは、容器本体1aの底面に接触するように配置されるか、または、容器本体1aの底面から離されて配置される。孔付パイプ10の中空領域を介して粉末原料4から生じる昇華ガスをより多く成長空間領域5に導くため、孔付パイプ10の一端10bは容器本体1aの底面から離されていることが好ましい。孔付パイプ10の一端10bを粉末原料4に埋め込む深さは、粉末原料4の高さの半分以上にすることが望ましい。
このように粉末原料4に埋め込まれる孔付パイプ10のパイプ数は、SiC単結晶の成長条件によって決定することができる。孔付パイプ10のパイプ数を多くすると、容器本体1a内に充填できる粉末原料4が減る一方、パイプ数を少なくすると容器本体1a内に充填できる粉末原料4は多くなる。なお、孔付パイプ10は、本発明の昇華ガス供給部材に相当する。以上が、本実施形態に係るSiC単結晶製造装置の坩堝1の全体構成である。
次に、上記SiC単結晶製造装置を用いてSiC単結晶を製造する方法について、図1および図2を参照して説明する。図2は、本実施形態におけるSiC単結晶の製造工程を示した図である。
まず、図1(a)に示されるように、蓋体1bの底部に台座2を介して種結晶3を配置する。そして、当該種結晶3に対向するように、容器本体1a内に粉末原料4を配置し、当該粉末原料4に図1(b)に示される孔付パイプ10を埋め込む。この場合、先に容器本体1a内に孔付パイプ10を配置させた後、容器本体1a内に粉末原料4を配置させても良い。
続いて、坩堝1を図示しない加熱チャンバに設置し、図示しない排気機構を用いてガス排出を行うことで、坩堝1内を含めた外部チャンバ内を真空にし、位置が固定されたヒータの輻射熱により坩堝1を加熱することで坩堝1内を所定温度にする。このとき、ヒータで種結晶3と粉末原料4に温度差が発生させられる加熱を行えるようにしている。
種結晶3よりも粉末原料4の温度を高くするためにヒータは例えば粉末原料4に対向する位置に固定されている。
加熱チャンバ内には例えば不活性ガス(Arガス等)や水素、結晶へのドーパントとなる窒素などの混合ガスを流入させる。この混合ガスは排気配管を介して排出される。種結晶3の成長面の温度およびSiC粉末原料4の温度を目標温度まで上昇させるまでは、加熱チャンバ内を大気圧に近い雰囲気圧力にして粉末原料4からの昇華を抑制し、目標温度になったところで、真空雰囲気とする。例えば、成長結晶を4H−SiCとする場合、粉末原料4の温度を2100〜2300℃とし、成長結晶表面の温度をそれよりも10〜200℃程度低くして、真空雰囲気を1.33〜6666Paとする。
このようにして、粉末原料4を加熱することで粉末原料4が昇華し、粉末原料4の表面から昇華ガスが発生する。この昇華ガスは、成長空間領域5内を通過して種結晶3に供給される。また、図1(a)に示されるように、粉末原料4内で発生した昇華ガスは、粉末原料4の深さにかかわらず、孔付パイプ10の小孔10aを介して孔付パイプ10の中空領域に流入し、当該中空領域を介して成長空間領域5に導かれる。したがって、昇華ガスは、粉末原料4の表面および孔付パイプ10から成長空間領域5に供給され、SiC単結晶20の成長に寄与する。
そして、粉末原料4を加熱し続けると、SiC粉末原料4の上層部のシリコンが枯渇してカーボン粒が固着したカーボン層すなわち枯渇層4aが形成される。この状態が維持されると昇華ガスの供給が低下する。これにより、粉末原料4の下部領域、特に加熱されにくい中央領域からの昇華ガスを枯渇層4aを経由して成長空間領域5に供給することは困難になる。
しかしながら、図2に示されるように、粉末原料4の下層部で生じた昇華ガスは、枯渇層4aを経由せずに、孔付パイプ10の小孔10aを介して孔付パイプ10の中空領域に流入し、当該中空領域を通過して成長空間領域5に供給される。これにより、粉末原料4の上層部に枯渇層4aが形成されたとしても、孔付パイプ10を介して粉末原料4の下層部から昇華ガスを成長空間領域5に供給し続けることができる。このようにして、粉末原料4の下層部からも昇華ガスを安定して供給することができる。
以上説明したように、本実施形態では、粉末原料4に孔付パイプ10を埋め込み、当該孔付パイプ10の中空領域に昇華ガスを通過させて成長空間領域5に供給することが特徴となっている。
これにより、粉末原料4の上層部に枯渇層4aが形成されたとしても、孔付パイプ10の中空領域を介して粉末原料4の下層部から昇華ガスを成長空間領域5に安定して供給し続けることができ、SiC単結晶20の成長速度が低下してしまうことを防止することができる。
また、粉末原料4の下層部からも安定して昇華ガスを供給し続けることができることから、SiC単結晶20を長時間成長させることができる。そして、孔付パイプ10を介して粉末原料4の下層部から成長空間領域5に昇華ガスを導くことができるので、下層部の粉末原料4が無駄にならず、未昇華の粉末原料4が残留しないようにすることができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図3は、本発明の第2実施形態に係るSiC単結晶製造装置の断面構成図である。この図に示されるように、本実施形態では、図1(b)に示される孔付パイプ10は坩堝1の中心軸に平行に配置されると共に坩堝1の径方向にも配置され、これらが格子状に立体的に組まれている。
すなわち、坩堝1の中心軸が延びる方向に沿って配置される孔付パイプ10と、坩堝1の中心軸に垂直な面において一方向に延びる方向にそって配置される孔付パイプ10とがジャングルジム状に組み合わされている。そして、孔付パイプ10のうち中心軸に平行に配置されるものの一端が粉末原料4から突出するように、格子状の孔付パイプ10が粉末原料4に埋め込まれている。
このように、孔付パイプ10を立体格子状に組むことで、孔付パイプ10と粉末原料4との接触面積を増やすことができる。すなわち、成長空間領域5への昇華ガスの供給効率を向上させることができる。
また、孔付パイプ10が一定間隔で立体的に組まれることで、各孔付パイプ10の中空領域に流入する昇華ガスの量を均等にすることができ、ひいては坩堝1の中心軸に平行に配置される各孔付パイプ10から成長空間領域5に均等に昇華ガスを供給することができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図4は、本発明の第3実施形態に係るSiC単結晶製造装置の断面構成図である。この図に示されるように、本実施形態では、容器本体1aの底に昇華ガス供給容器30が配置されている。
図5(a)は昇華ガス供給容器30の斜視図、図5(b)は蓋体1bから容器本体1a側に見た平面図、図5(c)は坩堝1の中心軸に平行な昇華ガス供給容器30の断面図である。
昇華ガス供給容器30は有底円筒状をなしており、当該容器の内壁31と外壁32との間に空間33を有している。また、少なくとも昇華ガス供給容器30の内壁31に、図1(b)に示される小孔10aと同様の小孔34が多数設けられている。これら小孔34は、昇華ガスを空間33に流入させるための通路としての役割を果たす。
また、図4および図5(a)に示されるように、昇華ガス供給容器30の内壁31で囲まれた領域に粉末原料4が配置される。これにより、図5(b)に示されるように、昇華ガス供給容器30は坩堝1の容器本体1aと粉末原料4とに挟まれた状態となる。
すなわち、昇華ガス供給容器30は、粉末原料4の容器として機能する一方、粉末原料4から生じた昇華ガスを、小孔34を介して空間33に導き、昇華ガス供給容器30の開口端35から成長空間領域5に導く機能を有する。
上記昇華ガス供給容器30として、例えばカーボン材、または高融点材料が採用される。なお、昇華ガス供給容器30として、ポーラス材を採用しても良い。また、粉末原料4の加熱効率は劣化するが断熱材を採用しても良い。
次に、上記SiC単結晶製造装置を用いてSiC単結晶を製造する方法について説明する。まず、図5に示される昇華ガス供給容器30を坩堝1の容器本体1aに配置し、さらに内壁31で囲まれた領域に粉末原料4を配置する。
続いて、第1実施形態と同様に、坩堝1を加熱していくと、粉末原料4の表面から昇華ガスが成長空間領域5に供給され、種結晶3の上にSiC単結晶20が成長していく。
そして、粉末原料4の上層部のSiが枯渇して枯渇層が形成される。しかしながら、粉末原料4の下層部で生じた昇華ガスは、昇華ガス供給容器30の小孔34を介して昇華ガス供給容器30の空間33内に導かれ、当該空間33を通過して開口端35から成長空間領域5に供給される。したがって、SiC単結晶20が継続して成長していく。
以上のように、粉末原料4の上層部からの昇華ガスの供給が終了したとしても、粉末原料4の下層部から生じる昇華ガスを、昇華ガス供給容器30を介して成長空間領域5に供給することができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図6は、本発明の第4実施形態に係るSiC単結晶製造装置の断面構成図である。この図に示されるように、容器本体1a内に配置される孔付パイプ10の長さがそれぞれ異なっている。言い換えると、容器本体1aの底面から孔付パイプ10の他端までの高さが異なっている。これにより、粉末原料4の表面から突出する孔付パイプ10の他端の高さが異なることになる。
具体的には、坩堝1の中心軸上に配置される孔付パイプ10の長さがもっとも短く、坩堝1の中心軸から径方向に遠ざかるほど孔付パイプ10の長さが長くなっている。孔付パイプ10が長くなるということは、成長空間領域5に露出する粉末原料4の表面からの昇華ガスの供給口が高くなることを指し、より種結晶3、SiC単結晶20に近い場所に昇華ガスが供給されることを示している。
このように、坩堝1内に配置される場所に応じて坩堝1の軸方向の長さが異なる各孔付パイプ10においては、粉末原料4から突出した部分に小孔10aを設ける必要はない。また、坩堝1内に配置される場所に応じて、孔付パイプ10の太さ、すなわち内径および外径を設定することができる。例えば、成長空間領域5への昇華ガスの供給量を増やしたい場合、孔付パイプ10の径を太くすれば良い。
次に、上記SiC単結晶製造装置を用いてSiC単結晶を製造する方法について説明する。まず、図6に示されるように、長さが異なる孔付パイプ10を用意する。そして、容器本体1a内に、坩堝1の中心軸から遠ざかるほど長い孔付パイプ10を配置する。さらに、容器本体1a内に粉末原料4を配置する。これにより、坩堝1の中心軸から遠ざかるほど粉末原料4から突出する孔付パイプ10の高さが高くなる。
続いて、第1実施形態と同様に、坩堝1を加熱チャンバに設置して坩堝1を加熱する。これにより、容器本体1a内の粉末原料4が加熱されて昇華し、昇華ガスが粉末原料4の表面から成長空間領域5に供給される。
また、第1実施形態と同様に、粉末原料4の下層部から生じた昇華ガスが各孔付パイプ10の小孔10aを介して各孔付パイプ10の中空領域に流入し、当該中空領域を通過して成長空間領域5に供給される。
この場合、上述のように、坩堝1内の場所に応じて孔付パイプ10の長さが異なっている。特に、坩堝1の中心軸から離れるほど孔付パイプ10が長いため、種結晶3の近傍では、坩堝1の外周から中心軸に向かう昇華ガスの流れが作られる。これにより、種結晶3の上にSiC単結晶20の均等な成長、すなわち種結晶3表面と平行にフラットな成長ができるようにする。
この後、粉末原料4の上層部に枯渇層4aが形成されたとしても、第1実施形態と同様に、孔付パイプ10によって粉末原料4の下層部から生じた昇華ガスを成長空間領域5に供給することができる。
なお、孔付パイプ10の長さや配置によっては、種結晶3の近傍で坩堝1の中心軸から坩堝1の外周方向に向かう昇華ガスの流れを作ることもできる。
以上説明したように、坩堝1内に配置する場所に応じて少なくとも孔付パイプ10の長さが異なるようにすることで、成長空間領域5における孔付パイプ10の昇華ガス供給口の位置を変更することができる。これにより、成長空間領域5において結晶成長に良好な昇華ガスの流れを作ることができる。
(第5実施形態)
本実施形態では、第4実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図7は、本発明の第5実施形態に係るSiC単結晶製造装置の断面構成図である。この図に示されるように、坩堝1内のうちもっとも外側に配置された孔付パイプ10は、一端が粉末原料4に埋め込まれ、粉末原料4から突出した他端が坩堝1の中心軸側に折り曲げられた形態となっている。折り曲げる角度は種結晶3、あるいは成長中の結晶表面上で、成長速度が遅い領域に昇華ガスがより多く供給されるような角度に設定することが望ましい。このように、他端が折り曲げられた孔付パイプ10から成長空間領域5に供給される昇華ガスの供給口の位置を変更することができる。
(第6実施形態)
本実施形態では、第4実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上記第4実施形態では、孔付パイプ10の長さを異ならせることで、成長空間領域5に昇華ガスの流れを作っていたが、本実施形態では、さらに粉末原料4の表面に蓋をすることが特徴となっている。
図8は、本発明の第6実施形態に係るSiC単結晶製造装置の断面構成図である。この図に示されるように、坩堝1の容器本体1a内に配置された粉末原料4の表面に円形および板状をなす原料蓋40が配置されている。原料蓋40の径は、容器本体1aの内径と同じになっており、原料蓋40の側面が容器本体1aの内壁面に接するようになっている。
また、原料蓋40には各孔付パイプ10が差し込まれる貫通孔が多数設けられており、各貫通孔に各孔付パイプ10が差し込まれている。また、原料蓋40は、粉末原料4の表面に接触するように配置される。これにより、粉末原料4は成長空間領域5に露出しない状態となっている。このような原料蓋40の材質として、カーボンやタンタルが採用される。
この原料蓋40を坩堝1内に配置して坩堝1を加熱すると、昇華ガスは原料蓋40によって成長空間領域5に直接供給されなくなる。すなわち、昇華ガスは、各孔付パイプ10の小孔10aを介して各孔付パイプ10の中空領域に流入し、孔付パイプ10内を通過して成長空間領域5に供給される。つまり、昇華ガスは、各孔付パイプ10のみから成長空間領域5に供給される。
以上説明したように、粉末原料4の上に原料蓋40を配置し、粉末原料4から生じる昇華ガスを孔付パイプ10のみによって成長空間領域5に供給することで、種結晶3付近に良好な昇華ガスの流れを作ることができる。この場合、原料蓋40から突出する孔付パイプ10の高さを変更することや、孔付パイプ10の昇華ガスの供給口の向きを調整すること等によって、さらに良好な昇華ガスの流れを作ることができる。
そして、孔付パイプ10を経由せずに、粉末原料4の表面から成長空間領域5に直接供給される昇華ガスはなくなる。これにより、Siが抜けた枯渇層4aからカーボン粒子が飛散してSiC単結晶20に取り込まれることを防止することができ、ひいてはSiC単結晶20の結晶欠陥を抑制することができる。
(第7実施形態)
本実施形態では、第6実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図7は、本発明の第7実施形態に係るSiC単結晶製造装置の断面構成図である。この図に示されるように、本実施形態では、原料蓋40が粉末原料4の表面から離されて配置されている。
これによると、坩堝1を加熱することで、粉末原料4の表面と原料蓋40との間の空間に昇華ガスが供給される。この昇華ガスは、粉末原料4の表面と原料蓋40との間の空間に露出する各孔付パイプ10の小孔10aを介して各孔付パイプ10内に流入し、各孔付パイプ10内を通過して成長空間領域5に供給される。
このように、坩堝1内に原料蓋40を配置したとしても、当該原料蓋40を粉末原料4に接触しないように配置することで、粉末原料4の表面から昇華ガスを生じさせることができる。これにより、成長空間領域5への昇華ガスの供給効率を向上させることができる。
この場合、各孔付パイプ10において、原料蓋40と粉末原料4の表面の間に配置される各小孔10aを大きくする、あるいは高密度にすることで、原料蓋40と粉末原料4の表面の間の昇華ガスをより多く孔付パイプ10内に導くことができる。
(第8実施形態)
本実施形態では、第7実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図10は、本発明の第8実施形態に係るSiC単結晶製造装置の断面構成図である。この図に示されるように、原料蓋40と粉末原料4の表面の間に位置する各孔付パイプ10が分割されている。すなわち、各孔付パイプ10は、粉末原料4に埋め込まれる第1孔付パイプ11と、一端が原料蓋40に固定され他端が成長空間領域5に配置される第2孔付パイプ12とによってそれぞれ構成されている。
なお、第1孔付パイプ11は本発明の第1昇華ガス供給部材に相当し、第2孔付パイプ12は本発明の第2昇華ガス供給部材に相当する。
これによると、粉末原料4の表面から原料蓋40と粉末原料4の表面の間に供給された昇華ガスは、原料蓋40に固定された各第2孔付パイプ12の一端から各第2孔付パイプ12内に流入し、他端から成長空間領域5に供給される。すなわち、昇華ガスは、第7実施形態のように小孔10aを介することなく各第2孔付パイプ12内に流入するため、原料蓋40と粉末原料4の表面の間に供給された昇華ガスの成長空間領域5への供給効率を向上させることができる。
なお、第2孔付パイプ12は小孔10aが設けられていなくても良い。また、第1孔付パイプ11と第2孔付パイプ12とが一直線上にそれぞれ配置されていなくても良い。
(第9実施形態)
本実施形態では、上記各実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図11(a)は本実施形態に係るSiC単結晶製造装置の断面構成図、(b)は種結晶3側から粉末原料4側を見た図である。
図11に示したように、口径が異なる2つの第1、第2孔付パイプ51、52を、各孔付パイプ51、52の径中心が坩堝1の中心軸に一致するように容器本体1a内に設置する。第1孔付パイプ51は第2孔付パイプ52よりも径が大きくなっており、第1孔付パイプ51の中空部分に第2孔付パイプ52が配置されると、第1孔付パイプ51の内壁と第2孔付パイプ52の外壁とで空間が形成される。これら各孔付パイプ51、52は、図1(b)に示されるように、多数の小孔10aを備えたものである。
そして、各孔付パイプ51、52の一端を粉末原料4下部に埋め込み、他端を粉末原料4から突出させることで、2つの孔付パイプ51、52で形成された空間を成長空間領域5に開口させる。これにより、粉末原料4の下部領域の昇華ガスは、孔付パイプ51、52を貫通して各孔付パイプ51、52の間の空間領域に流入し、成長空間領域5に供給される。
径の中心位置を同じにして設置される孔付パイプ51、52は2つに限らず、3つ以上を設置してもよい。また、空間ができるのであれば、孔付パイプの中心を一致させる必要はない。また、孔付パイプ51、52の径中心を坩堝1の中心軸に合わせる必要もない。
以上のように、径の異なる孔付パイプ51、52を容器本体1a内に設置し、容器本体1aの壁面と第1孔付パイプ51との間、第2孔付パイプ52の中空部分の間に粉末原料4を配置する。これにより、各孔付パイプ51、52の径の違いによって形成される空間を介して、成長空間領域5に昇華ガスを供給することができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、孔付パイプ10は中空円筒状になっているが、これは一例を示すものであって、円筒状に限らず、他の筒状の孔付パイプ10を採用することもできる。
第1実施形態では、孔付パイプ10は坩堝1の中心軸に平行になるように粉末原料4に埋め込まれていたが、孔付パイプ10は、坩堝1の中心軸に対して傾けられて粉末原料4に埋め込まれていても良い。
第4実施形態では、坩堝1の中心軸から径方向に離れるほど孔付パイプ10が長くされていたが、これは一例を示すものであって、昇華ガスの流れを作る上で自由に変更可能であることは言うまでもない。
第5実施形態では、坩堝1内のうちもっとも外側に配置された孔付パイプ10の他端が坩堝1の中心軸側に直角に折り曲げられたものが示されているが、これは一例を示すものであって、他の場所に配置された孔付パイプ10の他端が折り曲げられていても良い。また、孔付パイプ10の他端を折り曲げる角度や向きも自由に設定可能である。
各実施形態を相互に組み合わせた実施を行うこともできる。例えば、第6実施形態に示される原料蓋40を、第1実施形態や第2実施形態に採用することができる。また、第4〜第8実施形態において、粉末原料4に埋め込まれる孔付パイプ10を第2実施形態に示される立体格子状にすることも可能である。
(a)は本発明の第1実施形態に係るSiC単結晶製造装置の断面構成図、(b)は孔付パイプの外観図である。 第1実施形態におけるSiC単結晶の製造工程を示した図である。 本発明の第2実施形態に係るSiC単結晶製造装置の断面構成図である。 本発明の第3実施形態に係るSiC単結晶製造装置の断面構成図である。 (a)は昇華ガス供給部材の斜視図、(b)は蓋体から容器本体側を見た平面図、(c)は坩堝の中心軸に平行な昇華ガス供給部材の断面図である。 本発明の第4実施形態に係るSiC単結晶製造装置の断面構成図である。 本発明の第5実施形態に係るSiC単結晶製造装置の断面構成図である。 本発明の第6実施形態に係るSiC単結晶製造装置の断面構成図である。 本発明の第7実施形態に係るSiC単結晶製造装置の断面構成図である。 本発明の第8実施形態に係るSiC単結晶製造装置の断面構成図である。 (a)は本発明の第9実施形態に係るSiC単結晶製造装置の断面構成図、(b)は種結晶側から粉末原料側を見た図である。
符号の説明
1…坩堝、1a…容器本体、1b…蓋体、3…種結晶、4…SiC粉末原料、10…孔付パイプ、10a…孔付パイプの小孔、11…第1孔付パイプ、12…第2孔付パイプ、20…SiC単結晶、30…昇華ガス供給容器、31…内壁、32…外壁、33…空間、34…昇華ガス供給容器の小孔、40…原料蓋、51…第1孔付パイプ、52…第2孔付パイプ。

Claims (18)

  1. 有底円筒状の容器本体(1a)と当該容器本体(1a)を蓋閉めするための蓋体(1b)を有した中空状の円柱形状をなす坩堝(1)を有し、前記蓋体(1b)に炭化珪素基板からなる種結晶(3)を配置すると共に前記容器本体(1a)に炭化珪素原料(4)を配置し、前記炭化珪素原料(4)の昇華ガスを供給することにより、前記種結晶(3)上に炭化珪素単結晶(20)を成長させる炭化珪素単結晶の製造装置において、
    中空筒状であって、筒の外壁面から内壁面に貫通する複数の小孔(10a)を備え、前記筒の一端(10b)が前記炭化珪素原料(4)に埋め込まれ、前記筒の他端(10c)が前記炭化珪素原料(4)から突出するように前記容器本体(1a)内に配置される昇華ガス供給部材(10)を有することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  2. 前記昇華ガス供給部材(10)は、前記容器本体(1a)内に複数配置されており、前記容器本体(1a)の底面から前記昇華ガス供給部材(10)の他端までの長さが異なっていることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  3. 前記複数の昇華ガス供給部材(10)の各他端のうち、いずれかが折り曲げられていることを特徴とする請求項2に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  4. 前記昇華ガス供給部材(10)は、前記炭化珪素原料(4)に埋め込まれる部分が立体格子状をなしていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  5. 円形および板状であって、前記容器本体(1a)の内径と同じ径、あるいは前記容器本体(1a)の内径以下であり、前記板の一面側に前記昇華ガス供給部材(10)の一端が位置し、前記板の他面側に前記昇華ガス供給部材(10)の他端が位置するように前記板に前記昇華ガス供給部材(10)が差し込まれると共に、前記炭化珪素原料(4)の表面に接触するように配置される原料蓋(40)が備えられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  6. 円形および板状であって、前記容器本体(1a)の内径と同じ径、あるいは前記容器本体(1a)の内径以下であり、前記板の一面側に前記昇華ガス供給部材(10)の一端が位置し、前記板の他面側に前記昇華ガス供給部材(10)の他端が位置するように前記板に前記昇華ガス供給部材(10)が差し込まれると共に、前記炭化珪素原料(4)の表面から離されて配置される原料蓋(40)が備えられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  7. 前記昇華ガス供給部材(10)は、前記炭化珪素原料(4)に埋め込まれる第1昇華ガス供給部材(11)と、前記原料蓋(40)に差し込まれて固定される第2昇華ガス供給部材(12)とを有していることを特徴とする請求項6に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  8. 有底円筒状の容器本体(1a)と当該容器本体(1a)を蓋閉めするための蓋体(1b)を有した中空状の円柱形状をなす坩堝(1)を有し、前記蓋体(1b)に炭化珪素基板からなる種結晶(3)を配置すると共に前記容器本体(1a)に炭化珪素原料(4)を配置し、前記炭化珪素原料(4)の昇華ガスを供給することにより、前記種結晶(3)上に炭化珪素単結晶(20)を成長させる炭化珪素単結晶の製造装置において、
    有底円筒状であって、前記容器本体(1a)内に配置されるものであり、前記有底円筒の内壁(31)と外壁(32)との間に空間(33)を有し、前記空間(33)は前記有底円筒の開口端(35)を介して成長空間領域(5)と繋がっていると共に、少なくとも前記内壁(31)に当該内壁(31)を貫通する小孔(34)が複数設けられており、前記内壁(31)の内側に前記炭化珪素原料(4)が配置される昇華ガス供給容器(30)を有することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  9. 有底円筒状の容器本体(1a)と当該容器本体(1a)を蓋閉めするための蓋体(1b)を有した中空状の円柱形状をなす坩堝(1)を有し、前記蓋体(1b)に炭化珪素基板からなる種結晶(3)を配置すると共に前記容器本体(1a)に炭化珪素原料(4)を配置し、前記炭化珪素原料(4)の昇華ガスを供給することにより、前記種結晶(3)上に炭化珪素単結晶(20)を成長させる炭化珪素単結晶の製造装置において、
    中空筒状であって、筒の外壁面から内壁面に貫通する複数の小孔(10a)を備え、前記筒の一端が前記炭化珪素原料(4)に埋め込まれ、前記筒の他端が前記炭化珪素原料(4)から突出するように前記容器本体(1a)内に配置される第1昇華ガス供給部材(51)および第2昇華ガス供給部材(52)を有し、
    前記第1昇華ガス供給部材(51)は前記第2昇華ガス供給部材(52)よりも径が大きくなっており、前記第1昇華ガス供給部材(51)の中空部分に前記第2昇華ガス供給部材(52)が配置されており、
    前記炭化珪素原料(4)は、前記容器本体(1a)と前記第1昇華ガス供給部材(51)との間、および前記第2昇華ガス供給部材(52)の中空部分に配置されるようになっていることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  10. 有底円筒状の容器本体(1a)と当該容器本体(1a)を蓋閉めするための蓋体(1b)を有した中空状の円柱形状をなす坩堝(1)を有し、前記蓋体(1b)に炭化珪素基板からなる種結晶(3)を配置すると共に前記容器本体(1a)に炭化珪素原料(4)を配置し、前記炭化珪素原料(4)の昇華ガスを供給することにより、前記種結晶(3)上に炭化珪素単結晶(20)を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法において、
    中空筒状であって、前記筒の外壁面から内壁面に貫通する複数の小孔(10a)を備えた昇華ガス供給部材(10)を用意し、当該昇華ガス供給部材(10)の一端を前記炭化珪素原料(4)に埋め込み、当該昇華ガス供給部材(10)の他端を前記炭化珪素原料(4)から突出させた状態で前記坩堝(1)を加熱することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  11. 前記昇華ガス供給部材(10)を前記容器本体(1a)内に複数配置し、前記容器本体(1a)の底面から前記昇華ガス供給部材(10)の他端までの長さを異ならせることを特徴とする請求項10に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  12. 前記複数の昇華ガス供給部材(10)の他端のうちいずれかを折り曲げることを特徴とする請求項11に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  13. 前記昇華ガス供給部材(10)として、前記炭化珪素原料(4)に埋め込まれる部分が立体格子状をなしているものを用意することを特徴とする請求項10ないし12のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  14. 円形および板状であって、前記容器本体(1a)の内径と同じ径、あるいは前記容器本体(1a)の内径以下である原料蓋(40)を用意し、前記原料蓋(40)の一面側に前記昇華ガス供給部材(10)の一端が位置し、前記板の他面側に前記昇華ガス供給部材(10)の他端が位置するように前記原料蓋(40)に前記昇華ガス供給部材(10)を差し込むと共に、前記炭化珪素原料(4)の表面に接触するように配置した状態で前記坩堝(1)を加熱することを特徴とする請求項10ないし13のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  15. 円形および板状であって、前記容器本体(1a)の内径と同じ径、あるいは前記容器本体(1a)の内径以下である原料蓋(40)を用意し、前記原料蓋(40)の一面側に前記昇華ガス供給部材(10)の一端が位置し、前記板の他面側に前記昇華ガス供給部材(10)の他端が位置するように前記原料蓋(40)に前記昇華ガス供給部材(10)を差し込むと共に、前記炭化珪素原料(4)の表面から離して配置した状態で前記坩堝(1)を加熱することを特徴とする請求項10ないし13のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  16. 前記昇華ガス供給部材(10)として、前記炭化珪素原料(4)に埋め込まれる第1昇華ガス供給部材(11)と、前記原料蓋(40)に差し込まれて固定される第2昇華ガス供給部材(12)と、を有するものを用いることを特徴とする請求項15に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  17. 有底円筒状の容器本体(1a)と当該容器本体(1a)を蓋閉めするための蓋体(1b)を有した中空状の円柱形状をなす坩堝(1)を有し、前記蓋体(1b)に炭化珪素基板からなる種結晶(3)を配置すると共に前記容器本体(1a)に炭化珪素原料(4)を配置し、前記炭化珪素原料(4)の昇華ガスを供給することにより、前記種結晶(3)上に炭化珪素単結晶(20)を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法において、
    有底円筒状であって、前記有底円筒の内壁(31)と外壁(32)との間に空間(33)を有し、前記空間(33)は前記有底円筒の開口端(35)を介して成長空間領域(5)と繋がっていると共に、少なくとも前記内壁(31)に当該内壁(31)を貫通する小孔(34)が複数設けられた昇華ガス供給容器(30)を用意し、前記昇華ガス供給容器(30)を前記容器本体(1a)内に配置すると共に、前記昇華ガス供給容器(30)の内壁(31)の内側に前記炭化珪素原料(4)を配置し、前記坩堝(1)を加熱することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  18. 有底円筒状の容器本体(1a)と当該容器本体(1a)を蓋閉めするための蓋体(1b)を有した中空状の円柱形状をなす坩堝(1)を有し、前記蓋体(1b)に炭化珪素基板からなる種結晶(3)を配置すると共に前記容器本体(1a)に炭化珪素原料(4)を配置し、前記炭化珪素原料(4)の昇華ガスを供給することにより、前記種結晶(3)上に炭化珪素単結晶(20)を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法において、
    中空筒状であって、前記筒の外壁面から内壁面に貫通する複数の小孔(10a)を備え、前記筒の一端が前記炭化珪素原料(4)に埋め込まれ、前記筒の他端が前記炭化珪素原料(4)から突出するように前記容器本体(1a)内に配置され、それぞれ径が異なる第1昇華ガス供給部材(51)および第2昇華ガス供給部材(52)を用意し、
    前記第2昇華ガス供給部材(52)よりも径が大きい前記第1昇華ガス供給部材(51)の中空部分に前記第2昇華ガス供給部材(52)を配置すると共に、前記容器本体(1a)と前記第1昇華ガス供給部材(51)との間、および前記第2昇華ガス供給部材(52)の中空部分に前記炭化珪素原料(4)を配置し、前記坩堝(1)を加熱することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
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