JP2009037808A - 有機エレクトロルミネッセンス装置およびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐湿性に優れた有機EL装置およびその製造方法を得ること。
【解決手段】支持基板である第1基板と、前記第1基板上に設けられた第1電極と、前記第1電極上に設けられ少なくとも有機発光層を含む有機層と、前記有機層上に設けられた第2電極と、前記第2電極上を含む前記第1基板を覆って設けられ、吸水性を有する吸水性物質を含有した樹脂層と、前記樹脂層上に配置されて前記有機層を外気から遮断する第2基板と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス装置(以下、有機EL装置と呼ぶ場合がある)およびその製造方法に関するものである。
有機EL素子は、無機EL素子に比べ、低電圧での駆動が可能であり、輝度が高く、多数の色の発光が容易に得られるといった様々な利点を有するため、より高い性能の素子を得るべく、これまで様々な検討がなされている。
その一方で、有機EL素子は外気の影響、特に水分に対して敏感であるという性質を有する。すなわち、有機EL素子の有機層は水分により劣化しやすく、有機層の劣化はそのまま有機EL素子自体の特性の劣化につながる。
そこで、支持基板と封止基板との間に有機層を狭持する構成において支持基板側から光と取り出すボトムエミッション構造を有する有機EL装置では、水分の影響を低減させるために、支持基板と封止基板との間の空間に乾燥剤を配置している。
一方、近年、支持基板と封止基板との間に有機層を狭持する構成において支持基板とは反対側(封止基板側)から光を取り出すトップエミッション構造を有する有機EL装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。また、このトップエミッション構造を有する有機EL装置の場合には、光の取り出し効率を良くするために支持基板と封止基板との間を樹脂(接着剤)で充填することが行われている。
特開平10−294182号公報
しかしながら、上記従来のトップエミッション構造を有する有機EL素子において支持基板と封止基板との間を樹脂(接着剤)で充填した場合には、装置構造の中に乾燥剤を配置することができない。このため、有機層を封止する部分からの水分の進入に対する耐湿性に不安がある、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、耐湿性に優れた有機EL装置およびその製造方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる有機EL装置は、支持基板である第1基板と、前記第1基板上に設けられた第1電極と、前記第1電極上に設けられ少なくとも有機発光層を含む有機層と、前記有機層上に設けられた第2電極と、前記第2電極上を含む前記第1基板を覆って設けられ、吸水性を有する吸水性物質を含有した樹脂層と、前記樹脂層上に配置されて前記有機層を外気から遮断する第2基板と、を備えること、を特徴とする。
この発明によれば、樹脂層が吸水性を有する吸水性物質を含有することにより有機EL装置の側面(樹脂層)から進入する外気の水分をこの吸水性物質により吸水することができる。これにより有機EL装置の側面(樹脂層)からの外気の水分の進入を効果的に低減することができ、有機EL装置の封止性能(耐湿性)を大幅に向上させることができる。したがって、この発明によれば、封止性能(耐湿性)に優れ、封止性能(耐湿性)に起因した発光寿命の短寿命化が効果的に低減され、発光寿命に優れた有機EL装置を実現することができる、という効果を奏する。
以下に、本発明にかかる有機EL装置およびその製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、理解の容易のため、図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。また、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる有機EL装置の概略構成を示す図である。本実施の形態にかかる有機EL装置は、支持基板と封止基板との間に有機層を備えた有機EL素子を狭持する構成において支持基板とは反対側(封止基板側)から光を取り出すトップエミッション構造を有する有機EL装置である。図1に示すように本実施の形態にかかる有機EL装置は、第1基板11と、有機EL素子13と、接着剤(樹脂層)15と、第2基板17と、を備えて構成される。
<第1基板>
第1基板11は、有機EL素子13が形成される支持基板である。本実施の形態にかかる有機EL装置に用いる第1基板11は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよく、例えばガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン基板、これらを積層したものなどが用いられる。
<有機EL素子の構成>
本実施の形態にかかる有機EL素子13の構造としては、少なくとも陰極が光透過性を有する透明又は半透明である一対の陽極(第1電極)及び陰極(第2電極)からなる電極間に、少なくとも1つの発光層を有するものであり、発光層には低分子及び/又は高分子の有機発光材料が用いられる。
有機EL素子において、陰極、陽極、発光層以外の層としては、陰極と発光層との間に設けるもの、陽極と発光層との間に設けるものが挙げられる。陰極と発光層の間に設けるものとしては、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層等が挙げられる。
電子注入層は、陰極からの電子注入効率を改善する機能を有する層であり、電子輸送層は、電子注入層又は陰極により近い電子輸送層からの電子注入を改善する機能を有する層である。また、電子注入層、若しくは電子輸送層が正孔の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層を正孔ブロック層と称することがある。正孔の輸送を堰き止める機能を有することは、例えば、ホール電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である。
陽極と発光層との間に設けるものとしては、正孔注入層・正孔輸送層、電子ブロック層等が挙げられる。
正孔注入層は、陰極からの正孔注入効率を改善する機能を有する層であり、正孔輸送層とは、正孔注入層又は陽極により近い正孔輸送層からの正孔注入を改善する機能を有する層である。また、正孔注入層、又は正孔輸送層が電子の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層を電子ブロック層と称することがある。電子の輸送を堰き止める機能を有することは、例えば、電子電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である。
また、本実施の形態にかかる有機EL装置に用いる有機EL素子としては、陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた有機EL素子、陰極と発光層との間に電子輸送層を設けた有機EL素子、陰極と発光層との間に電子輸送層を設け、かつ陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた有機EL素子等が挙げられる。例えば、具体的には、以下のa)〜d)の構造が例示される。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
ここで、発光層とは発光する機能を有する層であり、正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する層であり、電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する層である。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ。発光層、正孔輸送層、電子輸送層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。また、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と一般に呼ばれることがある。
さらに電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層又は膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。積層する層の順番や数、及び各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いることができる。
また、本実施の形態にかかる有機EL装置に用いる有機EL素子としては、電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)を設けた有機EL素子としては、陰極に隣接して電荷注入層を設けた有機EL素子、陽極に隣接して電荷注入層を設けた有機EL素子が挙げられる。例えば、具体的には、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電荷輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置が有する有機層は、有機発光層以外の層を含んでいても良い。具体的には、有機化合物を含む正孔注入層、有機化合物を含む正孔輸送層、有機化合物を含む電子注入層、有機化合物を含む電子輸送層、有機化合物を含む正孔ブロック層、有機化合物を含む電子ブロック層が挙げられる。該有機層は第1の電極に直接接して設けられても良く、第1の電極上に他の層を介して設けられても良い。第1の電極と有機層との間の他の層としては、無機化合物からなる正孔注入層、無機化合物からなる電子注入層が挙げられる。
<陽極>
本実施の形態にかかる有機EL素子の第1電極である陽極には、たとえば透明電極または半透明電極として、電気伝導度の高い金属酸化物、金属硫化物や金属の薄膜を用いることができ、透過率が高いものが好適に利用でき、用いる有機層により適宜、選択して用いる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作製された膜(NESAなど)や、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、該陽極として、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。
陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
<正孔注入層>
正孔注入層は、陽極と正孔輸送層との間、または陽極と発光層との間に設けることができる。正孔注入層を形成する材料としては、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
<正孔輸送層>
正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体などが例示される。
これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸送材料として、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体等の高分子正孔輸送材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体である。低分子の正孔輸送材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
<発光層>
発光層は、本発明においては有機発光層であり、通常、主として蛍光またはりん光を発光する有機物化合物(低分子化合物または高分子化合物)を有する。なお、さらにドーパント材料を含んでいても良い。本発明において用いることができる発光層を形成する材料としては、例えば以下のものが挙げられる。
色素系材料
色素系材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマーなどが挙げられる。
金属錯体系材料
金属錯体系材料としては、例えば、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体など、中心金属に、Al、Zn、BeなどまたはTb、Eu、Dyなどの希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを有する金属錯体などを挙げることができる。
高分子系材料
高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素体や金属錯体系発光材料を高分子化したものなどが挙げられる。
上記発光性材料のうち、青色に発光する材料としては、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、およびそれらの重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体やポリフルオレン誘導体などが好ましい。
また、緑色に発光する材料としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
また、赤色に発光する材料としては、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
ドーパント材料
発光層中に発光効率の向上や発光波長を変化させるなどの目的で、ドーパントを添加することができる。このようなドーパントとしては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。
<電子輸送材料>
電子輸送材料としては公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体等が例示される。
これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
<電子注入層>
電子注入層は、電子輸送層と陰極との間、または発光層と陰極との間に設けられる。電子注入層としては、発光層の種類に応じて、Ca層の単層構造からなる電子注入層、または、Caを除いた周期律表IA族とIIA族の金属であり且つ仕事関数が1.5〜3.0eVの金属およびその金属の酸化物、ハロゲン化物および炭酸化物の何れか1種または2種以上で形成された層とCa層との積層構造からなる電子注入層を設けることができる。仕事関数が1.5〜3.0eVの、周期律表IA族の金属またはその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物の例としては、リチウム、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、酸化リチウム、炭酸リチウム等が挙げられる。また、仕事関数が1.5〜3.0eVの、Caを除いた周期律表IIA族の金属またはその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物の例としては、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
<陰極>
本実施の形態にかかる有機EL素子の第2電極である陰極には、透明電極、または、半透明電極として、金属、グラファイトまたはグラファイト層間化合物、ZnO(亜鉛オキサイド)等の無機半導体、ITO(インジウム・スズ・オキサイド)やIZO(インジウム・亜鉛・オキサイド)などの導電性透明電極、酸化ストロンチウム、酸化バリウム等の金属酸化物などが挙げられる。金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属;ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン等の遷移金属;錫、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム;およびそれらのうち2つ以上の合金等があげられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などが挙げられる。また、陰極を2層以上の積層構造としてもよい。この例としては、上記の金属、金属酸化物、フッ化物、これらの合金と、アルミニウム、銀、クロム等の金属との積層構造などが挙げられる。
<接着剤(樹脂層)>
接着剤(樹脂層)15は、第1基板11と第2基板17とを接着する接着剤(熱硬化性の樹脂)であり、第1基板11と第2基板17との間に隙間無く充填されている。また、接着剤(樹脂層)15を充填することにより、有機EL装置における光の取り出し効率を良くする効果も得られる。
そして、本実施の形態にかかる接着剤(樹脂層)15は、吸水性を有する吸水性物質を含有してなるものである。接着剤(樹脂層)15が吸水性物質を含有することにより、有機EL装置の側面(接着剤15)から進入する外気の水分をこの吸水性物質により吸水することができる。これにより本実施の形態にかかる有機EL装置においては、有機EL装置の側面(接着剤15)からの外気の水分の進入を効果的に低減することができるため、有機EL装置の封止性能(耐湿性)を大幅に向上させることができ、発光寿命を長寿命化することができる。
このような吸水性物質としては、たとえば粒径が1μm〜1,000μm程度の無機系酸化物などを用いることができる。また、吸水性物質としては、化学的吸水性物質または物理的吸水性物質を用いることができる。化学的吸水性物質としては、たとえば五酸化二リン(P)、酸化カルシウム(CaO)などが挙げられる。また、物理的吸水性物質としては、たとえば酸化アルミニウム(Al)、ゼオライト(アルミ珪酸塩)などが挙げられる。
接着剤(樹脂層)15における吸水材部材の添加量は、1重量%〜90重量%が、好ましくは20重量%〜60重量%である。なお、有機EL素子で発光した光の光取り出し効率を低減させないように、吸水性物質は発光層上の領域上には極力存在しないことが好ましい。上述した化学的吸水性物質は、一種類のみで用いても良く、また複数種を混合して用いても良い。同様に、物理的吸水性物質も一種類のみで用いても良く、また複数種を混合して用いても良い。また、吸水性物質の粒径は、光を散乱させる効果を発揮するような粒径としても良い。これにより、有機EL装置の側面(接着剤15)からの外気の水分の進入を低減するとともに、光取り出し効率の向上効果を得ることができる。
また、本実施の形態にかかる接着剤(樹脂層)15においては、図2に示すように接着剤(樹脂層)15の外縁部近傍に第1基板11と第2基板17間の間隔を調整するための間隔調整部材(スペーサ)21を含有させた構成としても良い。間隔調整部材(スペーサ)21を含有させることにより、第1基板11と第2基板17間の間隔が所定の寸法以下となることがない。
<第2基板>
第2基板17は、接着剤(樹脂層)15により第1基板11に貼付され、有機層を外気から遮断する封止基板である。本実施の形態にかかる有機EL装置に用いる第2基板17は、有機層を外気から遮断することができるものであればよく、例えばガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン基板、これらを積層したものなどが用いられる。なお、有機EL装置においては電極のリード線等の部材も存在するが、本発明とは直接関係ないため記載を省略している。
つぎに、上述した有機EL装置の製造方法について説明する。まず、公知の手法で第1基板11上にたとえばクロム(Cr)と酸化インジウムスズ(ITO)とをこの順に積層し、パターニングして第1電極を形成する。次に、UV・オゾン処理装置によりITO上の表面洗浄処理を行う。
次に、正孔注入層材料を含有した溶液をたとえばスピンコート法により第1電極上に塗布し、乾燥させて正孔注入層を形成する。続いて、発光材料を含有した溶液をたとえばスピンコート法により正孔注入層上に塗布し、乾燥させて発光層を作製し、有機EL層を形成する。
次に、有機EL層上に真空蒸着法によりたとえばバリウム(Ba)層、アルミニウム(Al)層を形成する。さらに、酸化インジウム錫(ITO)をターゲットとした対向ターゲット式成膜装置により、アルミニウム層上に酸化インジウム錫(ITO)を蒸着して、第2電極としてITO透明電極層を形成する。これにより、第1基板11上に有機EL素子13が形成される。
次に、酸化カルシウム(CaO)などの吸水剤をたとえば20重量%程度混合したエポキシ系の熱硬化型の接着剤15を、第2基板17における第1基板との貼り合わせ面の全面に塗布する。そして、第2基板17における熱硬化型の接着剤15が塗布された面と、第1基板11における有機EL素子13が形成された面とを対向させ、有機EL素子13の発光領域が外気から遮断されるように所定の位置に位置合わせをして張り合わせる。
次に、これをオーブン中で80℃の温度で2時間、加熱処理を行って熱硬化型の接着剤15を硬化させて、有機EL素子13が形成された第1基板と第2基板とを接着して本実施の形態にかかる有機EL装置が作製される。
なお、必要に応じて、有機EL素子13を接着剤(樹脂層)15から保護するためのバリア膜として、たとえば窒化シリコン膜を有機EL素子13を覆って200nm程度の厚みでCVD(Chemical Vapor Deposition)法により成膜しても良い。
上述したように、本実施の形態にかかる有機EL装置においては、接着剤(樹脂層)15が吸水性を有する吸水性物質を含有するため、有機EL装置の側面(接着剤)から進入する外気の水分をこの吸水性物質により吸水することができる。これにより本実施の形態にかかる有機EL装置においては、有機EL装置の側面(接着剤)からの外気の水分の進入を効果的に低減することができ、有機EL装置の封止性能(耐湿性)を大幅に向上させることができる。
したがって、本実施の形態にかかる有機EL装置によれば、封止性能(耐湿性)に優れ、封止性能(耐湿性)に起因した発光寿命の短寿命化が効果的に低減された、発光寿命に優れた有機EL装置を実現することができる。
なお、上記においてはトップエミッション構造を有する有機EL装置について説明したが、上述したような支持基板と封止基板との間に有機層を備えた有機EL素子を狭持する構成において支持基板側から光と取り出すボトムエミッション構造を有する有機EL装置においても上述したような吸水性を有する吸水性物質を含有してなる接着剤(樹脂層)を適用することができる。この場合においても、トップエミッション構造を有する有機EL装置と同様に、封止性能(耐湿性)に優れ、封止性能(耐湿性)に起因した発光寿命の短寿命化が効果的に低減された、発光寿命に優れた有機EL装置を実現することができる。
実施例1.
実施例1では、実施の形態において説明したトップエミッション構造を有する有機EL装置を作製する。まず、第1基板である透明ガラス基板上に公知の手法でクロム(Cr)と酸化インジウムスズ(ITO)とをこの順に積層し、パターニングすることで第1電極を形成する。次に、UV・オゾン処理装置によりITO上の表面洗浄処理を行う。
次に、正孔注入層としてPEDOT/PPS(Baytron P(商品名)、バイエル社製)水溶液をスピンコート法により塗布し、塗布した水溶液を乾燥させて膜厚100nmの正孔注入層を形成する。次に、発光材料としてAldrich社製のMEH−PPV(ポリ(2-メトキシ-5-(2’-エチル-ヘキシロキシ)-パラ-フェニレンビニレン)、重量平均分子量約20万の1重量%のトルエン、アニソール混合溶液を作製する。そして、このスピンコート法により混合溶液を塗布し、塗布した混合溶液を乾燥させて膜厚100nmの発光層を形成し、有機EL層を作製する。
次に、真空蒸着法によりバリウム(Ba)を5nmの厚みで蒸着してバリウム(Ba)層を形成し、バリウム(Ba)層上に真空蒸着法によりアルミニウム(Al)を10nmの厚みで蒸着してアルミニウム(Al)層を形成する。さらに、酸化インジウム錫(ITO)をターゲットとした対向ターゲット式成膜装置により、アルミニウム(Al)層上に酸化インジウム錫(ITO)を150nmの厚みで蒸着して、第2電極としてITO透明電極層を形成する。これにより、第1基板である透明ガラス基板上に、有機EL素子が形成される。次に、有機EL素子を接着剤(樹脂層)から保護するためのバリア膜としてCVD法により、窒化シリコン膜を200nmの厚みで成膜する。
次に、吸水性物質として酸化カルシウム(CaO)を20重量%混合したエポキシ系の熱硬化型の接着剤を、第2基板である封止用の透明ガラス基板における第1基板との貼り合わせ面の全面に塗布する。そして、第2基板における熱硬化型接着剤が塗布された面と、第1基板における有機EL素子が形成された面とを対向させ、有機EL素子の発光領域が外気から遮断されるように所定の位置に位置合わせをして張り合わせる。
次に、これをオーブン中で80℃の温度で2時間、加熱処理を行って熱硬化型の接着剤を硬化させ、有機EL素子が形成された第1基板と第2基板とを接着して、実施例1にかかる有機EL装置を作製する。
比較例1.
エポキシ系の熱硬化型の接着剤に吸水性物質としての酸化カルシウム(CaO)を混合しないこと以外は、実施例1の場合と同条件で比較例1にかかる有機EL装置を作製する。
(評価)
上記のように作製する実施例1および比較例1にかかる有機EL装置において、Cr、ITOの積層体側の第1電極を正極、ITOのみの第2電極側を負極に接続し、ソースメータにより直流電流を印加する。実施例1および比較例1にかかる有機EL装置について寿命評価すると、実施例1の有機EL装置は、比較例1の有機EL素子よりも発光寿命が長くなる。
実施の形態2.
実施の形態2では、図1に示した実施の形態1にかかる有機EL装置の変形例であって、第1基板と略平行方向の外縁部近傍における接着剤(樹脂層)での吸水特性が有機EL素子近傍における接着剤(樹脂層)の吸水特性よりも高くされている例について説明する。
図3は、本発明の実施の形態2にかかる有機EL装置の概略構成を示す図である。本実施の形態にかかる有機EL装置は、実施の形態1の場合と同様に、支持基板と封止基板との間に有機層を備えた有機EL素子を狭持する構成において支持基板とは反対側から光を取り出すトップエミッション構造を有する有機EL装置である。図3に示すように本実施の形態にかかる有機EL装置は、第1基板11と、有機EL素子13と、第1の接着剤(樹脂層)15と、第2の接着剤(樹脂層)19と、第2基板17と、を備えて構成される。
本実施の形態にかかる有機EL装置が図1に示した実施の形態1にかかる有機EL装置と異なる点は、接着剤(樹脂層)として、第1の接着剤(樹脂層)15と第2の接着剤(樹脂層)19とを備えることである。これ以外の実施の形態1の場合と同じ部材には実施の形態1と同じ符号を付すとともに上記の説明を参照することとして、ここでは詳細な説明は省略する。以下では、本実施の形態にかかる接着剤(樹脂層)について詳細に説明する。
本実施の形態にかかる有機EL装置においては、第1の接着剤(樹脂層)15が有機EL素子13を覆って設けられ、該第1の接着剤(樹脂層)15の外周部に第2の接着剤(樹脂層)19が設けられた構成とされている。ここで第1の接着剤(樹脂層)15は、実施の形態1における接着剤(樹脂層)15と同じものであり、吸水性物質を含有した接着剤(熱硬化性の樹脂)であるため、同じ符号を付してある。
一方、第2の接着剤(樹脂層)19は、吸水性物質を含有した接着剤(熱硬化性の樹脂または紫外線硬化性の樹脂)であり、第1の接着剤(樹脂層)15よりも吸水特性が高くされている。このため、本実施の形態にかかる有機EL装置においては、有機EL装置の側面(接着剤)から進入する外気の水分をより確実に吸水することができる。これにより本実施の形態にかかる有機EL装置においては、有機EL装置の側面(接着剤)からの外気の水分の進入をより効果的に低減することができ、有機EL装置の封止性能(耐湿性)をより向上させることができる。
したがって、本実施の形態にかかる有機EL装置によれば、より封止性能(耐湿性)に優れ、封止性能(耐湿性)に起因した発光寿命の短寿命化が効果的に低減された、より発光寿命に優れた有機EL装置を実現することができる。
たとえば接着剤(樹脂層)に単一種類の吸水性物質を含有させる場合、または吸水特性が同レベルの複数種類の吸水性物質を含有させる場合には、第2の接着剤(樹脂層)19における吸水性物質の含有量を接着剤(樹脂層)15における吸水性物質の含有量よりも多くすることにより、第2の接着剤(樹脂層)19における吸水特性を接着剤(樹脂層)15における吸水特性よりも高くすることができる。
また、たとえば接着剤(樹脂層)に複数種類の吸水性物質を含有させる場合には、接着剤(樹脂層)15に含有される吸水性物質よりも吸水特性の高い吸水性物質を、第2の接着剤(樹脂層)19に含有される吸水性物質に用いることにより、第2の接着剤(樹脂層)19における吸水特性を接着剤(樹脂層)15における吸水特性よりも高くすることができる。
また、本実施の形態にかかる第2の接着剤(樹脂層)19においては、図4に示すように第2の接着剤(樹脂層)19に第1基板11と第2基板17間の間隔を調整するための間隔調整部材(スペーサ)21を含有させた構成としても良い。間隔調整部材(スペーサ)21を含有させることにより、第1基板11と第2基板17間の間隔が所定の寸法以下となることがない。
なお、上記においてはトップエミッション構造を有する有機EL装置について説明したが、上述したような支持基板と封止基板との間に有機層を備えた有機EL素子を狭持する構成において支持基板側から光と取り出すボトムエミッション構造を有する有機EL装置においても上述したような接着剤(樹脂層)15と第2の接着剤(樹脂層)19とによる接着剤(樹脂層)を適用することができる。この場合においても、トップエミッション構造を有する有機EL装置と同様に、封止性能(耐湿性)に優れ、封止性能(耐湿性)に起因した発光寿命の短寿命化がより効果的に低減された、発光寿命に優れた有機EL装置を実現することができる。
実施例2.
実施例2では、実施の形態2において説明したトップエミッション構造を有する有機EL装置を作製する。まず、第1基板である透明ガラス基板上に公知の手法でクロム(Cr)と酸化インジウムスズ(ITO)とをこの順に積層し、パターニングすることで第1電極を形成した。次に、UV・オゾン処理装置によりITO上の表面洗浄処理を行う。
次に、正孔注入層としてPEDOT/PPS(Baytron P(商品名)、バイエル社製)水溶液をスピンコート法により塗布し、塗布した水溶液を乾燥させて膜厚100nmの正孔注入層を形成する。次に、発光材料としてAldrich社製のMEH−PPV(ポリ(2-メトキシ-5-(2’-エチル-ヘキシロキシ)-パラ-フェニレンビニレン)、重量平均分子量約20万の1重量%のトルエン、アニソール混合溶液を作製する。そして、このスピンコート法により混合溶液を塗布し、塗布した混合溶液を乾燥させて膜厚100nmの発光層を形成し、有機EL層を作製する。
次に、真空蒸着法によりバリウム(Ba)を5nmの厚みで蒸着してバリウム(Ba)層を形成し、バリウム(Ba)層上に真空蒸着法によりアルミニウム(Al)を10nmの厚みで蒸着してアルミニウム(Al)層を形成する。さらに、酸化インジウム錫(ITO)をターゲットとした対向ターゲット式成膜装置により、アルミニウム(Al)層上に酸化インジウム錫(ITO)を150nmの厚みで蒸着して、第2電極としてITO透明電極層を形成する。これにより、第1基板である透明ガラス基板上に、有機EL素子が形成される。次に、有機EL素子を接着剤(樹脂層)から保護するためのバリア膜としてCVD法により、窒化シリコン膜を200nmの厚みで成膜する。
次に、吸水性物質として酸化カルシウム(CaO)を20重量%混合したエポキシ系の熱硬化型の接着剤(第1の接着剤)を、第1基板との貼り合わせた際に有機EL素子を覆うように第2基板である封止用の透明ガラス基板における第1基板との貼り合わせ面の略中央の領域に塗布する。次に、第2基板の第1基板との貼り合わせ面における第1の接着剤の外周部全面に、吸水性物質として酸化カルシウム(CaO)を40重量%混合したエポキシ系の熱硬化型の接着剤(第2の接着剤)を塗布する。そして、第2基板における接着剤が塗布された面と、第1基板における有機EL素子が形成された面とを対向させ、有機EL素子の発光領域が外気から遮断されるように所定の位置に位置合わせをして張り合わせる。
次に、これをオーブン中で80℃の温度で2時間、加熱処理を行って熱硬化型の接着剤を硬化させ、有機EL素子が形成された第1基板と第2基板とを接着して、実施例2にかかる有機EL装置を作製する。
比較例2.
酸化カルシウム(CaO)を混合しないエポキシ系の熱硬化型の接着剤を用いて第1基板と第2基板とを接着したこと以外は、実施例2の場合と同条件で比較例2にかかる有機EL装置を作製する。
(評価)
上記のように作製する実施例2および比較例2にかかる有機EL装置において、Cr、ITOの積層体側の第1電極を正極、ITOのみの第2電極側を負極に接続し、ソースメータにより直流電流を印加する。実施例2および比較例2にかかる有機EL装置について寿命評価すると、実施例2の有機EL装置は、比較例2の有機EL素子よりも発光寿命が長くなる。
実施の形態3.
実施の形態3では、封止基板である第2の基板の代わりに、有機EL素子を外気から遮断する封止層(封止膜)を備える有機EL装置について説明する。
図5は、本発明の実施の形態3にかかる有機EL装置の概略構成を示す図である。本実施の形態にかかる有機EL装置は、支持基板と封止層との間に有機層を備えた有機EL素子を狭持する構成において支持基板とは反対側(封止層側)から光を取り出すトップエミッション構造を有する有機EL装置である。図5に示すように本実施の形態にかかる有機EL装置は、第1基板11と、有機EL素子13と、封止膜100と、を備えて構成される。
本実施の形態にかかる有機EL装置が図1に示した実施の形態1にかかる有機EL装置と異なる点は、封止基板である第2の基板の代わりに、封止層(封止膜)を備えることである。これ以外の実施の形態1の場合と同じ部材には実施の形態1と同じ符号を付すとともに上記の説明を参照することとして、ここでは詳細な説明は省略する。以下では、本実施の形態にかかる封止層(封止膜)100について詳細に説明する。
本実施の形態にかかる封止層(封止膜)100は、有機EL素子を外気から遮断する機能を有し、光透過性を有するように透明または半透明とされている。封止層(封止膜)100は、図5に示すように第1の無機層(無機膜)101と、第1の有機層(有機膜)103と、第2の無機層(無機膜)105と、第2の有機層(有機膜)107と、第3の無機層(無機膜)109と、第3の有機層(有機膜)111と、が交互に積層されてなる多層膜である。また、これらの第1〜第3の無機層(無機膜)101、105、109および第1〜第3の有機層(有機膜)103、107、111のそれぞれは、有機EL素子を外気から遮断する機能を有する。
第1〜第3の無機層(無機膜)101、105、109は欠陥フリーの状態であれば薄膜でも高い外気遮断性を得ることができる。しかしながら、無機層(無機膜)は通常は欠陥を有している。そこで、封止層(封止膜)100では、無機層(無機膜)と有機層(有機膜)とを交互に積層し、有機層(有機膜)により水蒸気、酸素の透過経路を遮断することにより全体の外気遮断性を向上させる構成としている。
また、封止層(封止膜)100においては、第1〜第3の無機層(無機膜)101、105、109の面積を第1〜第3の有機層(有機膜)103、107、111の面積よりも大きくすることにより、有機EL装置の側面方向(第1基板と略平行方向)からの水分の進入を防止している。
さらに、封止層(封止膜)100は、第1〜第3の有機層(有機膜)103、107、111に、吸水性を有する吸水性物質を含有している。第1〜第3の有機層(有機膜)103、107、111が吸水性物質を含有することにより、有機EL装置の上面(封止層(封止膜)100の上面)および側面から進入する外気の水分をこの吸水性物質により吸水することができる。これにより本実施の形態にかかる有機EL装置においては、封止層(封止膜)100からの外気の水分の進入を効果的に低減することができるため、有機EL装置の封止性能(耐湿性)を大幅に向上させることができ、発光寿命を長寿命化することができる。
吸水性物質は、実施の形態1の場合と同様のものを用いることができる。また、吸水性物質は、第1〜第3の有機層(有機膜)103、107、111のうち一部の層に含有させても良いが、全層に含有させることが好ましい。封止層(封止膜)100の無機層(無機膜)に用いることのできる無機層材料としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素膜、窒化ケイ素膜、酸窒化ケイ素などが好適である。無機層の製法としては、スパッタリング法、プラズマCVD法などを用いることができる。
封止層(封止膜)100の有機層(有機膜)に用いることのできる有機層材料としては、たとえばメタアクリレート系化合物が挙げられる。(メタ)アクリル基を有する有機物モノマーは、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどの無機化合物層との密着性能が強く、接着剤として好適である。また、透明性が高いメタクリル酸メチル等は、トップエミッション構造の有機EL装置に用いて好適である。
(メタ)アクリル化合物は特に限定されるものではなく、分子内に(メタ)アクリル基を1個以上含めば良い。(メタ)アクリル基が1個のときは、無機化合物層とより高い密着層を得ることができる。2,3個のときは架橋密度が高くなることにより、有機物層の膜強度を高くすることができる。また、有機物モノマーの重合は、電子線、プラズマ、紫外線のいずれかを照射すること、あるいは加熱処理により行うことができる。
(メタ)アクリレート化合物は、スピンコーティングなどにより有機化合物を溶媒に分散させた溶液を塗布して光など用いて硬化させて膜を形成することが一般的であるが、有機化合物の種類によってはフラッシュ蒸着などの手法を用いることもできる。
このような(メタ)アクリレート化合物としては、単官能(メタ)アクリレートや、二官能以上の(メタ)アクリル化合物を用いることができ、特に限定されるものではない。たとえば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する化合物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基を有する化合物、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエイチルヘキサヒドロフタル酸などのカルボキシル基を有する化合物、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレートなどの環状骨格を有する(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのアクリル単官能化合物や、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレンジ(メタ)アクリレート、PEG#200ジ(メタ)アクリレート、PEG#ジ(メタ)アクリレート、PEG#600ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルジ(メタ)アクリレート、ジメチロルトリシクロデカンジ(メタ)アクリレートなどのアクリル二官能化合物、二官能エポキシ(メタ)アクリレートなど、二官能ウレタン(メタ)アクリレートなどの二官能(メタ)アクリル化合物が挙げられる。また、三個以上の(メタ)アクリル基を有する化合物としては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンテトラアクリレートなどのアクリル多官能モノマーや、(メタ)アクリル多官能エポキシアクリレート、(メタ)アクリル多官能ウレタンアクリレートなどを用いることができる。
また、封止層(封止膜)100は、蒸着重合膜を含んでいても良い。
つぎに、上述した有機EL装置の製造方法について説明する。まず、公知の手法で第1基板11上にたとえばクロム(Cr)と酸化インジウムスズ(ITO)とをこの順に積層し、パターニングして第1電極を形成する。次に、UV・オゾン処理装置によりITO上の表面洗浄処理を行う。次に、正孔注入層材料を含有した溶液をたとえばスピンコート法により第1電極上に塗布し、乾燥させて正孔注入層を形成する。続いて、発光材料を含有した溶液をたとえばスピンコート法により正孔注入層上に塗布し、乾燥させて発光層を作製し、有機EL層を形成する。
次に、有機EL層上に真空蒸着法によりたとえばバリウム(Ba)層、アルミニウム(Al)層を形成する。さらに、酸化インジウム錫(ITO)をターゲットとした対向ターゲット式成膜装置により、アルミニウム(Al)層上に酸化インジウム錫(ITO)を蒸着して、第2電極としてITO透明電極層を形成する。これにより、第1基板11上に有機EL素子13が形成される。
有機EL素子13の作製後、第1基板11を蒸着室から大気には暴露せず、膜封止装置に移す。そして、第1基板11にマスクをアライメントしてセットする。ついで、第1基板11を無機成膜室に移し、たとえばスパッタリング法により第1基板11の表面に有機EL素子13を覆うように透明で平坦な酸化アルミニウムの成膜を行う。これにより、第1の無機層(無機膜)101が得られる。
第1の無機層(無機膜)101の成膜後、マスクを外して不活性ガスを導入したチャンバに第1基板11を移す。次に、たとえば酸化カルシウム(CaO)などの吸水性物質を混合した有機モノマー材料を、不活性雰囲気下でスピンコート法により第1基板11上に塗布する。そして、有機モノマー材料が塗布された第1基板11にUVを照射して有機モノマーを架橋し、硬化させて、吸水性物質を含有した透明で平坦な第1の有機層(有機膜)103を第1の無機層(無機膜)101上に得る。
吸水性物質を含有した第1の有機層(有機膜)103の形成後、第1基板11を無機成膜室に移し、第1の無機層(無機膜)101の場合と同様にして第1の有機層(有機膜)103上に第2の無機層(無機層)105の成膜を行う。第2の無機層(無機膜)105の成膜後、第1の有機層(有機膜)103の場合と同様にして第2の無機層(無機膜)105上に、吸水性物質を含有した第2の有機層(有機膜)107の成膜を行う。
吸水性物質を含有した第2の有機層(有機膜)107の形成後、第1の無機層(無機膜)101の場合と同様にして第2の有機層(有機膜)107上に第3の無機層(無機層)109の成膜を行う。さらに第3の無機層(無機膜)109の成膜後、第1の有機層(有機膜)103の場合と同様にして第3の無機層(無機膜)109上に、吸水性物質を含有した第3の有機層(有機膜)111を成膜し、封止層(封止膜)100を得る。これにより、本実施の形態にかかる有機EL装置が作製される。なお、第1〜第3の無機層(無機膜)101、105、109の面積を第1〜第3の有機層(有機膜)103、107、111の面積よりも大きく形成する。
実施例3.
実施例3では、実施の形態3において説明したトップエミッション構造を有する有機EL装置を作製する。まず、第1基板である透明ガラス基板上に公知の手法でクロム(Cr)と酸化インジウムスズ(ITO)とをこの順に積層し、パターニングすることで第1電極を形成した。次に、UV・オゾン処理装置によりITO上の表面洗浄処理を行う。
次に、正孔注入層としてPEDOT/PPS(Baytron P(商品名)、バイエル社製)水溶液をスピンコート法により塗布し、塗布した水溶液を乾燥させて膜厚100nmの正孔注入層を形成する。次に、発光材料としてAldrich社製のMEH−PPV(ポリ(2-メトキシ-5-(2’-エチル-ヘキシロキシ)-パラ-フェニレンビニレン)、重量平均分子量約20万の1重量%のトルエン、アニソール混合溶液を作製する。そして、このスピンコート法により混合溶液を塗布し、塗布した混合溶液を乾燥させて膜厚100nmの発光層を形成し、有機EL層を作製する。
次に、真空蒸着法によりバリウム(Ba)を5nmの厚みで蒸着してバリウム(Ba)層を形成し、バリウム層上に真空蒸着法によりアルミニウム(Al)を10nmの厚みで蒸着してアルミニウム(Al)層を形成する。さらに、酸化インジウム錫(ITO)をターゲットとした対向ターゲット式成膜装置により、アルミニウム(Al)層上に酸化インジウム錫(ITO)を150nmの厚みで蒸着して、第2電極としてITO透明電極層を形成する。これにより、第1基板である透明ガラス基板上に、有機EL素子が形成される。
有機EL素子の作製後、第1基板を蒸着室から大気には暴露せず、米国、VITEX SYSTEMS社製の膜封止装置(Guardian200(商品名))に移す。そして、第1基板にマスクをアライメントしてセットする。ついで、第1基板を無機成膜室に移し、スパッタリング法により第1基板の表面に有機EL素子を覆うように酸化アルミニウムの成膜を行う。酸化アルミニウムの成膜は、アルゴンガスと酸素ガスとを無機成膜室に導入し、純度5Nのアルミニウム金属ターゲットを用いて行う。これにより、第1の無機層(無機膜)として膜厚が略60nmの透明で平坦な酸化アルミニウム膜を得る。
第1の無機層(無機膜)101の成膜後、マスクを外して不活性ガスを導入したチャンバに第1基板を移す。次に、吸水性物質(酸化カルシウム(CaO))を混合した有機モノマー材料(VITEX SYSTEMS社製、商品名:Vitex Barix Resin System monomer material(Vitex 701))を、不活性雰囲気下でスピンコート法により第1基板上に塗布する。そして、有機モノマー材料が塗布された第1基板にUVを照射して有機モノマーを架橋し、硬化させる。これにより、吸水性物質を含有し、膜厚が略1.3μmの透明で平坦な第1の有機層(有機膜)を得る。
吸水性物質を含有した第1の有機層(有機膜)の形成後、第1基板を無機成膜室に移し、第1の無機層(無機膜)の場合と同様にして第2の無機層(無機層)の成膜を行って、膜厚が略60nmの透明で平坦な酸化アルミニウム膜を得る。第2の無機層(無機膜)の成膜後、マスクを外して不活性ガスを導入したチャンバに第1基板を移し、第1の有機層(有機膜)の場合と同様にして、吸水性物質を含有し、膜厚が略1.3μmの透明で平坦な第2の有機層(有機膜)を得る。
吸水性物質を含有した第2の有機層(有機膜)の形成後、第1基板を無機成膜室に移し、第1の無機層(無機膜)の場合と同様にして第3の無機層(無機層)の成膜を行って、膜厚が略60nmの透明で平坦な酸化アルミニウム膜を得る。第3の無機層(無機膜)の成膜後、マスクを外して不活性ガスを導入したチャンバに第1基板を移し、第1の有機層(有機膜)の場合と同様にして、吸水性物質を含有し、膜厚が略1.3μmの透明で平坦な第3の有機層(有機膜)を成膜し、封止層(封止膜)を形成する。以上により、実施例3にかかる有機EL装置を作製する。
比較例3.
有機モノマー材料に吸水性物質としての酸化カルシウム(CaO)を混合しないこと以外は、実施例3の場合と同条件で比較例3にかかる有機EL装置を作製する。
(評価)
上記のように作製する実施例3および比較例3にかかる有機EL装置において、Cr、ITOの積層体側の第1電極を正極、ITOのみの第2電極側を負極に接続し、ソースメータにより直流電流を印加する。実施例3および比較例3にかかる有機EL装置について寿命評価すると、実施例3の有機EL装置は、比較例3の有機EL素子よりも発光寿命が長くなる。
以上のように、本発明にかかる有機EL装置は、湿度の多い環境下等における使用に有用である。
本発明の実施の形態1にかかる有機EL装置の概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかる有機EL装置の他の構成例を示す図である。 本発明の実施の形態2にかかる有機EL装置の概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態2にかかる有機EL装置の他の構成例を示す図である。 本発明の実施の形態3にかかる有機EL装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
11 第1基板
13 有機EL素子
15 (第1の)接着剤(樹脂層)
17 第2基板
21 スペーサ
19 第2の接着剤(樹脂層)
100 封止膜
101 第1の無機層(無機膜)
103 第1の有機層(有機膜)
105 第2の無機層(無機膜)
107 第2の有機層(有機膜)
109 第3の無機層(無機膜)
111 第3の有機層(有機膜)

Claims (11)

  1. 支持基板である第1基板と、
    前記第1基板上に設けられた第1電極と、
    前記第1電極上に設けられ少なくとも有機発光層を含む有機層と、
    前記有機層上に設けられた第2電極と、
    前記第2電極上を含む前記第1基板を覆って設けられ、吸水性を有する吸水性物質を含有した樹脂層と、
    前記樹脂層上に配置されて前記有機層を外気から遮断する第2基板と、
    を備えること、
    を特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  2. 前記有機発光層で発光した光を前記第2基板側から取り出すトップエミッション構造を有すること、
    を特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  3. 前記樹脂層は、前記第1基板と略平行方向の外縁部近傍における吸水特性が前記有機層近傍における吸水特性よりも高いこと、
    を特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  4. 前記樹脂層が、前記第1基板と前記第2基板間との間隔を調整するための間隔調整部材を含有すること、
    を特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  5. 支持基板である第1基板と、
    前記第1基板上に設けられた第1電極と、
    前記第1電極上に設けられ少なくとも有機発光層を含む有機層と、
    前記有機層上に設けられた第2電極と、
    前記第2電極上を含む前記第1基板を覆って前記有機層を外気から遮断し、吸水性を有する吸水性物質を含有する封止膜と、
    を備えること、
    を特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  6. 前記有機発光層で発光した光を前記第2電極側から取り出すトップエミッション構造を有すること、
    を特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  7. 前記封止膜が、無機化合物を含む膜と有機化合物を含む膜とを有すること、
    を特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  8. 前記封止膜が、蒸着重合膜を含むこと、
    を特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  9. 支持基板である第1基板上に第1電極を形成する第1電極形成工程と、
    前記第1電極上に少なくとも有機発光層を含む有機層を形成する有機層形成工程と、
    前記有機層上に第2電極を形成する第2電極形成工程と、
    前記第2電極上を含む前記第1基板を覆って、吸水性を有する吸水性物質を含有する樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
    前記樹脂層上に前記有機層を外気から遮断する第2基板を接着する第2基板接着工程と、
    を含むこと特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  10. 前記樹脂層形成工程において、前記樹脂層における前記第1基板と略平行方向の外縁部近傍における吸水特性を前記樹脂層における前記有機層近傍における吸水特性よりも高くすること、
    を特徴とする請求項9に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  11. 支持基板である第1基板上に第1電極を形成する第1電極形成工程と、
    前記第1電極上に有機発光層を含む有機層を形成する有機層形成工程と、
    前記有機層上に第2電極を形成する第2電極形成工程と、
    前記第2電極上を含む前記第1基板を覆って前記有機層を外気から遮断するとともに吸水性を有する吸水性物質を含有する封止膜を形成する封止膜形成工程と、
    を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
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