JP5248818B2 - 発光素子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光取り出し性に優れた発光素子およびその製造方法に関するものである。
有機EL素子、発光ダイオード表示素子などの発光素子においては、基板上に、陽極と陰極により挟持された発光層が積層され、この発光層を覆うように多層封止膜が積層されている。従来の発光素子では、基板にガラス基板が用いられていたが、素子の軽量化、耐衝撃性の向上、素子の大面積化、製造の効率化等の要請に対応するために、プラスチック基板が使用され始めている(例えば、特許文献1)。
プラスチック基板はフレキシブルであり、大面積なものを容易に入手でき、また、発光層を積層した後にユニットに分割するための切断作業も容易となる。しかし、プラスチック基板は、ガラス基板に比べて、ガスおよび液体の透過性が高い。基板および上部多層封止膜により被包される有機EL発光層などの表示物質は、酸化されやすく、水と接触することにより分解されやすい。そのため、プラスチック基板を用いる場合には、基板上にガスおよび液体に対するバリア性の高い下部封止膜を積層し、その後、この下部多層封止膜の上に発光層を積層し、積層した発光層を覆うようにして上部多層封止膜を積層する。
上記下部封止膜は、通常、上記上部多層封止膜と同様の構成、同様の材料にて形成される。これら下部多層封止膜および上部多層封止膜は、通常、少なくとも一つの無機層と少なくとも一つの有機層を有する。積層数は、必要に応じて決定され、基本的には、無機層と有機層は交互に積層される。
発光素子の光取り出しは、基板側から行う場合と、上部多層封止膜側から行う場合と、基板側と上部多層封止膜側の両方から行う場合がある。基板側から光を取り出す型式の発光素子はボトムエミッション型発光素子と呼称され、上部多層封止膜側から光と取り出す型式の発光素子はトップエミッション型発光素子と呼称され、両方から光を取り出す型式の発光素子は、デュアルエミッション型発光素子と呼称されている。これら型式の発光素子において、共通して言えることは、光取り出し側の多層封止膜は、透明もしくは半透明である必要があり、その物理的特性によって、光の取り出し効率が影響されるということである。そのため、従来の発光素子では、光取り出し側の多層封止膜は、できるだけ透明で、平坦な層から構成されている。
特表2003−531745号公報
上記従来の発光素子では、その実装先の各種照明装置、各種表示装置、および各種電子機器の用途に応じて、光の取り出し強度の方向依存性を制御する必要に迫られる場合がある。そのような場合には、発光素子の光取り出し面の全面に散乱性シートなどの各種光学素子を設けることで対応している。しかし、これら追加的に設ける各種光学素子の設置によって、発光素子の実装先の各種装置にそのための占有スペースが必要となり、装置の小型化のネックとなる傾向となるため、その改善が求められている。
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、その課題は、その光取り出し強度の方向依存性を制御する機能を内蔵した発光素子を、素子の占有スペースの増大を伴うことなく、提供することにある。ここで、発光素子における光取り出し強度の方向依存性の制御とは、発光素子の発光面における視野角の制御、あるいは発光素子正面の光取り出し効率を向上を意味する。
上記課題を解決するために、本発明に係る発光素子は、少なくとも一つの有機層を有する多層封止膜によって発光部の光取り出し側が封止されてなる発光素子において、前記少なくとも一つの有機層がその片面に取り出し光強度の方向依存性を制御可能な立体構造を有していることを特徴とする。
前記構成の発光素子においては、前記有機層片面の立体構造が該有機層の形成と同時に形成されたものであることに特徴がある。
また、本発明の発光素子の製造方法は、少なくとも一つの有機層を有する多層封止膜によって発光部の光取り出し側が封止されてなる発光素子の前記少なくとも一つの有機層の片面に取り出し光強度の方向依存性を制御可能な立体構造を形成することにより光取り出し性に優れた発光素子を得る発光素子の製造方法であって、前記有機層片面の立体構造を該有機層の形成と同時に形成することを特徴とする。
前記構成において、前記有機層をエネルギー硬化性樹脂を用いて形成することが、好ましい。
また、前記構成において、前記有機層の立体構造は、前記エネルギー硬化性樹脂の塗膜を一旦半硬化し、その後、完全硬化することにより、該有機層の形成と同時に形成することができる。
また、前記構成において、前記有機層の立体構造は、あるいは、前記エネルギー硬化性樹脂の塗膜を疎液性の面上に形成した状態で硬化することにより、該有機層の形成と同時に形成することができる。
本発明は、対象とする発光素子が、有機EL発光素子である場合に、特に有用である。
本発明にかかる発光素子は、正面からは透明だが、斜めから見ると、不透明になって、発光素子の正面輝度が向上する。このような作用効果は、光取り出し側の多層封止膜中の少なくとも一つの有機層の片面にその形成時に同時に立体構造を形成することにより可能となる。多層封止膜中の無機層に立体構造を形成すると、高度なエッチングやパターニングが必要となるが、本発明では、有機層の形成材料であるモノマーの重合時の条件を操作することにより、有機層の形成と同時に、その片面に立体構造を容易に形成できる。また、従来の手段である光学フィルムを用いる場合では、高度な貼り付け工程と光学フィルム部材が必要となるが、本発明の製造方法では、有機層の片面の立体構造化は、通常の封止膜形成工程中に行うことができるので、プロセスが簡便であり、光取り出し効率に優れた発光素子を容易に製造することができる。
したがって、本発明に係る発光素子およびその製造方法によれば、発光素子の占有スペースを増大させずに、かつ安価に、光取り出し効率を向上させた発光素子を提供することができる。
以下に、本発明にかかる発光素子およびその製造方法をさらに詳しく説明する。
前述のように、本発明に係る発光素子は、少なくとも一つの有機層を有する多層封止膜によって発光部の光取り出し側が封止されてなる発光素子において、前記少なくとも一つの有機層がその片面に取り出し光強度の方向依存性を制御可能な立体構造を有していることを特徴とする。この構成の発光素子においては、前記有機層片面の立体構造が該有機層の形成と同時に形成されたものであることに特徴がある。
また、本発明の発光素子の製造方法は、少なくとも一つの有機層を有する多層封止膜によって発光部の光取り出し側が封止されてなる発光素子の前記少なくとも一つの有機層の片面に取り出し光強度の方向依存性を制御可能な立体構造を形成することにより光取り出し性に優れた発光素子を得る発光素子の製造方法であって、前記有機層片面の立体構造を該有機層の形成と同時に形成することを特徴とする。
前記構成において、前記有機層は、エネルギー硬化性樹脂を用いて形成する。このエネルギー硬化性樹脂とは、紫外線、電子線などの化学線(光エネルギー)の照射によって硬化する樹脂、あるいは熱エネルギーの印加によって硬化する樹脂を意味する。
前記有機層の立体構造は、前記エネルギー硬化性樹脂の塗膜を一旦半硬化し、その後、完全硬化することにより、該有機層の形成と同時に形成することができる。あるいは、前記有機層の立体構造は、前記エネルギー硬化性樹脂の塗膜を疎液性の面上に形成した状態で硬化することにより、該有機層の形成と同時に形成することができる。
前記半硬化とは、本発明において、モノマー塗膜にモノマーを完全硬化する場合の光あるいは熱エネルギーのエネルギー量より低い量エネルギーを印加することによって、もたらされる状態を意味する。より具体的には、塗膜に触れると変形が生じるが、塗膜面を傾斜させても塗膜が流れ出したり、変形しない状態をいう。この半硬化の状態では、塗膜はミクロレベルで硬化の進行している箇所と硬化がほとんど進行していない箇所とが混在している。このような半硬化状態の塗膜により高いエネルギーを印加すると、前記硬化の局所的むらに従って凹凸を伴って塗膜全体の硬化が完了する。これは、硬化の進んでいる箇所では硬化速度が速いためである。すなわち、硬化の進んでいない箇所の塗液が硬化の進んでいる箇所に引きつけられ、その硬化箇所を核として硬化反応が進行し、その結果として、半硬化時に硬化が進んでいた箇所が周囲より盛り上がるように成長するためであると、推測される。いわば、半硬化時に硬化が進んでいた箇所を核にしてエピタキシャル成長的に完全硬化が進行し、有機層の形成と同時に、その表面にミクロサイズの凹凸が形成されるものと、推測される。
一方、疎液面に塗膜を形成する場合では、疎液面上の塗布液は面からはじかれる作用を受け、液の凝集力が顕在化する。その結果、疎液面上の塗布液は、ミクロレベルで凝集の偏在が生じ、液面に海島状の凹凸が生じる。この状態で塗膜に光あるいは熱エネルギーを印加すると、表面の海島状の凹凸を維持したまま、塗膜は硬化する。
上記疎液面とは、具体的に多層封止膜を構成する無機層の親液化しない表面、あるいは親液化処理をしていない基板の表面を意味する。また、表面にフッ素原子を有する気体を用いてプラズマ処理することでも疎液化することができる。
前記有機層が多層封止膜の中間層である場合は、立体構造(凹凸)が形成される片面は、その上層の無機層との界面となるし、凹凸を有する有機層が上部封止層の最上層に位置する場合には、凹凸が形成される片面は、有機層の表面となる。また、この凹凸を有する有機層は、発光素子がトップエミッション型発光素子である場合には、上部多層封止膜の少なくとも一つの有機層であり、発光素子がボトムエミッション型発光素子である場合には、下部多層封止膜の少なくとも一つの有機層であり、発光素子がデュアルエミッション型発光素子である場合には、必要に応じて、どちらか一方あるいは両方の多層封止膜の少なくとも一つの有機層である。
本発明に用いられる有機層のうち、少なくとも一つの有機層はその片面に取り出し光強度の方向依存性を制御可能な立体構造を有していることを特徴とする。該構造が凹凸であり、正面から見た場合には透明であるが、斜めから見ると不透明であることが好ましい。具体的には、発光素子の垂直方向から60度斜めの角度から見た場合に不透明であることが好ましく、45度斜めの角度から見た場合に不透明であることがより好ましく、30度斜めの角度から見た場合に不透明であることがさらに好ましい。
前記有機層の片面に形成される凹凸の寸法は、有機層の構成材料の材質、塗布液濃度、半硬化による場合は、半硬化時の印加エネルギー量、疎液面による場合は、疎液面の疎液程度、すなわち、撥水性の程度などの諸条件によって、制御可能である。目的とする光取り出し効率の向上のためには、前記凹凸の寸法としては、その高低差が0.1〜2.0μmの範囲であることが好ましい。なお、有機膜の総膜厚は、通常、50Å〜10μmの範囲に設定される。これは、主に膜の機械的強度の維持と膜封止性とを勘案して好適として設定された範囲である。
なお、本発明において、基板上に形成される下層多層封止膜は、基板に直接積層されてもよいし、何らかの中間層を介して積層されてもよい。かかる中間層としては、例えば、基板表面を親液化する親液化層などが考えられる。このような直接または間接の積層関係は、本発明の発光素子における下部多層封止膜−発光層−上部多層封止膜の積層関係においても、同様である。すなわち、下部多層封止膜上に発光部を直接積層してもよく、間接的に積層してもよい。同様に、発光層上に形成される上部多層封止膜は、発光層上に直接積層してもよいし、間接的に積層してもよい。例えば、有機EL素子での積層構造の一例を挙げると、フレキシブル基板/(有機/無機)下部多層封止膜/陽極(例えば、ITO)/ホール注入層(例えば、MoO膜/ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸膜)/高分子有機発光材料層/電子注入層(例えば、Ba膜)/陰極層(例えば、Al膜)/(有機/無機)上部多層封止膜))のような多層構成を有する。
上記下層および上部多層封止膜を構成する有機層および無機層の厚みは、50Å〜10μmの範囲とすることが好ましい。50Å未満となると、膜の機械的特性を良好に維持することが難しくなり、10μmを超えると、全体の膜厚が厚くなり、有機EL素子などでは、発光層からの光の取り出し効率に影響する場合もでてくる。
(下部および上部多層封止膜の構成材料)
上記下部および上部多層封止膜を構成する無機層としては、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、酸窒化ケイ素(SiON)、酸化アルミニウム(Al)などの材料が好適に用いられる。この無機膜の形成方法としては、スパッタ法、プラズマCVD法などの公知の薄膜形成方法を用いることができる。
一方、下部および上部多層封止膜を構成する有機層としては、主に、上記無機層材料との密着性の良好な(メタ)アクリル基を有する有機モノマー、すなわち(メタ)アクリル系化合物を重合してなるアクリル重合体が好適に用いられる。
前記(メタ)アクリル系化合物は、溶液塗布法、スプレー塗布法などの公知の塗膜形成方法により塗膜とし、この塗膜に、光エネルギー(電子線、プラズマ線、紫外線などの化学線)を照射するか、熱エネルギーを印加することにより、重合させて、アクリル重合体とする。この時、本発明では、少なくとも一つの有機層に対して、前記半硬化手段あるいは疎液面上への塗膜形成手段によって、有機層の完全硬化と同時にその片面に立体構造を形成する。
前記(メタ)アクリル系化合物としては、特に限定されるものではなく、分子内に(メタ)アクリル基を1個以上含む化合物であればよい。(メタ)アクリル基が1個の時は、無機層とより高い密着性を得ることができる。2,3個の時は架橋密度が高くなり、有機層の膜強度がより高いものとなる。この架橋密度の選択性によって、前記凹凸のサイズが影響されるので、この点を考慮して、材料の選択を行うことが好ましい。
前記(メタ)アクリル系化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する化合物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する化合物、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイソオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボキシル基を有する化合物、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の環状骨格を有する(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のアクリル単官能化合物や、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレンジ(メタ)アクリレート、PEG#200ジ(メタ)アクリレート、PEG#400ジ(メタ)アクリレート、PEG#600ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルジ(メタ)アクリレート、ジメチロルトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等のアクリル2官能化合物、2官能エポキシ(メタ)アクリレート等、2官能ウレタン(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリル化合物等が挙げられる。また、3個以上の(メタ)アクリル酸を有する化合物としては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンテトラアクリレート等のアクリル多官能モノマーや、(メタ)アクリル多官能エポキシアクリレート、(メタ)アクリル多官能ウレタンアクリレート等などを用いることができる。
上記構成の本発明に係る発光素子および発光素子の製造方法は、発光素子が有機EL素子である場合に特に有用である。かかる有機EL素子においても、上記に詳述した多層封止膜の構成は同様である。したがって、本発明を好適に適用できる有機EL素子における基板、発光層などの他の主要構成を以下に詳述する。
(基板)
有機EL素子に用いる基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよく、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン基板、これらを積層したものなどが用いられる。
(電極および発光層)
有機EL素子の基本的構造としては、少なくとも陰極が光透過性を有する透明又は半透明である一対の陽極(第1電極)及び陰極(第2電極)からなる電極間に、少なくとも1つの発光層を有する。前記発光層には低分子及び/又は高分子の有機発光材料が用いられる。
有機EL素子において、発光層周辺の構成要素としては、陰極、陽極、発光層以外の層として、陰極と発光層との間に設けるもの、陽極と発光層との間に設けるものが挙げられる。陰極と発光層の間に設けるものとしては、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層等が挙げられる。
上記電子注入層は、陰極からの電子注入効率を改善する機能を有する層であり、上記電子輸送層は、電子注入層又は陰極により近い電子輸送層からの電子注入を改善する機能を有する層である。また、電子注入層若しくは電子輸送層が正孔の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層を正孔ブロック層と称することがある。正孔の輸送を堰き止める機能を有することは、例えば、ホール電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である。
陽極と発光層との間に設けるものとしては、正孔注入層・正孔輸送層、電子ブロック層等が挙げられる。
正孔注入層は、陰極からの正孔注入効率を改善する機能を有する層であり、正孔輸送層とは、正孔注入層又は陽極により近い正孔輸送層からの正孔注入を改善する機能を有する層である。また、正孔注入層、又は正孔輸送層が電子の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層を電子ブロック層と称することがある。電子の輸送を堰き止める機能を有することは、例えば、電子電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である。
上記のような発光層周辺の種々組み合わせ構成としては、陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた構成、陰極と発光層との間に電子輸送層を設けた構成、陰極と発光層との間に電子輸送層を設け、かつ陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた構成等が挙げられる。例えば、具体的には、以下のa)〜d)の構造が例示される。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
ここで、先述したように、発光層とは発光する機能を有する層であり、正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する層であり、電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する層である。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ。発光層、正孔輸送層、電子輸送層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。また、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と一般に呼ばれることがある。
さらに、電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層又は膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。積層する層の順番や数、及び各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いることができる。
また、電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)を設けた有機EL素子としては、陰極に隣接して電荷注入層を設けた有機EL素子、陽極に隣接して電荷注入層を設けた有機EL素子が挙げられる。例えば、具体的には、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電荷輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
(陽極)
上記陽極には、たとえば透明電極または半透明電極として、電気伝導度の高い金属酸化物、金属硫化物や金属の薄膜を用いることができ、透過率が高いものが好適に利用でき、用いる有機層により適宜、選択して用いる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作製された膜(NESAなど)や、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、該陽極として、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。
陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
(正孔注入層)
正孔注入層は、上述のように、陽極と正孔輸送層との間、または陽極と発光層との間に設けることができる。正孔注入層を形成する材料としては、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層を構成する材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体などが例示される。
これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸送材料として、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体等の高分子正孔輸送材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体である。低分子の正孔輸送材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
(発光層)
発光層は、本発明においては有機発光層であり、通常、主として蛍光またはりん光を発光する有機物(低分子化合物および高分子化合物)を有する。なお、さらにドーパント材料を含んでいてもよい。本発明において用いることができる発光層を形成する材料としては、例えば、以下のものが挙げられる。
(発光層形成材料1:色素系材料)
色素系材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマーなどが挙げられる。
(発光層形成材料2:金属錯体系材料)
金属錯体系材料としては、例えば、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体など、中心金属に、Al、Zn、BeなどまたはTb、Eu、Dyなどの希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを有する金属錯体などを挙げることができる。
(発光層形成材料3:高分子系材料)
高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素体や金属錯体系発光材料を高分子化したものなどが挙げられる。
上記発光層形成材料のうち青色に発光する材料としては、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、およびそれらの重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体やポリフルオレン誘導体などが好ましい。
また、上記発光層形成材料のうち緑色に発光する材料としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
また、上記発光層形成材料のうち赤色に発光する材料としては、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
(発光層形成材料4:ドーパント材料)
発光層中に発光効率の向上や発光波長を変化させるなどの目的で、ドーパントを添加することができる。このようなドーパントとしては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。
(電子輸送層)
電子輸送層を形成する材料としては、公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体等が例示される。
これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
(電子注入層)
電子注入層は、先に述べたように、電子輸送層と陰極との間、または発光層と陰極との間に設けられる。電子注入層としては、発光層の種類に応じて、Ca層の単層構造からなる電子注入層、または、Caを除いた周期律表IA族とIIA族の金属であり且つ仕事関数が1.5〜3.0eVの金属およびその金属の酸化物、ハロゲン化物および炭酸化物の何れか1種または2種以上で形成された層とCa層との積層構造からなる電子注入層を設けることができる。仕事関数が1.5〜3.0eVの、周期律表IA族の金属またはその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物の例としては、リチウム、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、酸化リチウム、炭酸リチウム等が挙げられる。また、仕事関数が1.5〜3.0eVの、Caを除いた周期律表IIA族の金属またはその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物の例としては、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
(陰極)
陰極には、透明電極、または、半透明電極として、金属、グラファイトまたはグラファイト層間化合物、ZnO(亜鉛オキサイド)等の無機半導体、ITO(インジウム・スズ・オキサイド)やIZO(インジウム・亜鉛・オキサイド)などの導電性透明電極、酸化ストロンチウム、酸化バリウム等の金属酸化物などが挙げられる。金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属;ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン等の遷移金属;錫、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム;およびそれらのうち2つ以上の合金等があげられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などが挙げられる。また、陰極を2層以上の積層構造としてもよい。この例としては、上記の金属、金属酸化物、フッ化物、これらの合金と、アルミニウム、銀、クロム等の金属との積層構造などが挙げられる。
以下に本発明の実施例を説明する。以下に示す実施例は、本発明をさらに詳しく説明するための好適な例示にすぎず、なんら本発明を限定するものではない。以下の実施例は、発光素子として有機EL素子を前提としている。本発明は、有機EL素子の場合に特に有効であるが、他の発光素子にも同様に有効である。
なお、以下の実施例3の有機EL素子において、先に説明したように、電極要素として、最も簡易には、陽極、陰極のみから構成され、これらが発光層の両面に積層されて発光部が形成される場合もあれば、陽極、陰極に加えて、その他の電極要素である正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層を様々に組み合わせて、それらを発光層上に積層して発光部が形成される場合もある。以下の実施例3では、発光層の両側に形成される電極要素については、簡易に記載しているが、どのような構成の電極要素が発光層に積層された場合でも同様に適用できることは明らかである。すなわち、発光層に様々な組み合わせの電極要素が積層された後、その上に多層封止膜が積層される。本発明において、発光層あるいは発光部が多層封止膜によって封止されるとは、前述の構成を意味している。
(実施例1)
(海島構造を有する有機膜の形成1)
本実施例は、本発明における片面に凹凸を有する有機層を形成する面として、ガラス基板を用い、この基板上に形成した有機層用塗膜を半硬化を経て完全硬化することにより、有機層の片面に凹凸を形成した実験例である。
まず、ガラス基板を、UV−O(オゾン)処理装置(テクノビジョン株式会社製、商品名「モデル312 UV−O クリーニングシステム」)により親液化処理した後、膜封止装置(米国VITEX社製、商品名「Guardian200」)の有機成膜室にセットした。有機モノマー材料(VITEX社製、商品名「Vitex Barix Resin System monomer material(Vitex701)」)を気化器に導入し、気化させスリットノズルからモノマー蒸気を噴き出させ、ノズル上を基板が一定の速度で通過することで均一な厚みにモノマーを基板上に付着させ、基板上のモノマーからなる塗膜を形成した。
次に、上記モノマー塗膜が形成された基板に、塗膜のモノマーを架橋し硬化させるに不十分な量のUV光(ランプパワー30%)を照射し、塗膜を半硬化させた。
続いて、前記半硬化状態の塗膜に、該塗膜を完全に硬化するのに十分なUV光を照射した(ランプパワー60%)。得られた硬化膜(有機層)は、光学顕微鏡で観測したところ、海島構造を有し、表面には海島構造に対応する高低差約1.2μmの凹凸が形成されていた。
得られた基板を正面から、すなわち塗膜側から観測すると、無色透明で高い透過率を示すが、斜めから観測すると、光散乱により透過率が減少し、薄い白色となった。
(比較例1)
実施例1において、モノマー硬化に十分なUV光(ランプパワー60%)を照射したことを除いて、実施例1と同様にして有機膜を形成した。得られた有機膜の表面は平坦であり、観測方向によらず無色透明な高い透過率を示した。
実施例1で製造した素子は、比較例1で製造した素子と比較して、正面から観測した輝度が高くなり、効率が高くなる。
(実施例2)
(海島構造を有する有機膜の形成2)
本実施例は、本発明における片面に凹凸を有する有機層を形成する面として、ガラス基板を用い、この基板の表面を疎液性のままとし、この疎液面上に形成した有機層用塗膜を完全硬化することにより、有機層の片面に凹凸を形成した実験例である。
ガラス基板に、UV−O(オゾン)処理装置による親液化処理を行わずに、膜封止装置(米国VITEX社製、商品名「Guardian200」)の有機成膜室にセットした。有機モノマー材料(VITEX社製、商品名「Vitex Barix Resin System monomer material(Vitex701)」)を気化器に導入し、気化させスリットノズルからモノマー蒸気を噴き出させ、ノズル上を基板が一定の速度で通過することで均一な厚みにモノマーを基板に付着させ、基板の疎液面上にモノマーの塗膜を形成した。
次に、モノマー塗膜が形成された基板に、塗膜のモノマーを架橋し硬化させるに十分な量のUV光を照射した(ランプパワー60%)。得られた硬化膜(有機層)は、光学顕微鏡で観測したところ、海島構造を有し、表面には海島構造に対応する高低差約1.2μmの凹凸が形成されていた。
得られた基板を正面から、すなわち塗膜側から観測すると、無色透明で高い透過率を示すが、斜めから観測すると、光散乱により透過率が減少し、薄い白色となった。
(実施例3)
(海島構造を持つ有機層を含む多層封止膜を用いた有機EL素子の製造)
スパッタ法にて成膜された約150nmの膜厚のITO(透明電極)がパターニングされたガラス基板を、有機溶媒、アルカリ洗剤、超純水で洗浄し、乾かした基板に、UV−O3装置にてUV−O処理を行った。
上記基板のITO面側に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(HCスタルクビーテック社製、商品名「Bytron P TP AI 4083」)の懸濁液を0.5μm径のフィルターで濾過して、懸濁液をスピンコートにより70nmの厚みで成膜して、大気中においてホットプレート上で200℃で10分間乾燥した。
次いで、キシレンとアニソールを1:1に混合した溶媒を用いて高分子有機発光材料(サイメイション社製、商品名「ルメーションGP1300」)の1.5重量%の溶液を作製した。この溶液を先に「Bytron P」を成膜した基板上にスピンコートを用い、80nmの膜厚に成膜した。
取り出し電極部分や封止エリア部分の発光層を除去し、真空チャンバーに導入し、加熱室に移した(以後、真空中あるいは窒素中でプロセスを行い、プロセス中の素子が大気にさらされることはない。)。次に、真空中(真空度は1×10−4Pa以下)温度約100℃で60分間加熱した。
その後、蒸着チャンバーに基板を移し、陰極マスクとアライメントし、発光部および取り出し電極部に陰極が成膜されるように蒸着した。陰極は、抵抗加熱法にてBa金属を加熱し、蒸着速度約2Å/sec、膜厚50Åにて、蒸着、電子ビーム蒸着法を用いて、Alを蒸着速度約2Å/sec、膜厚1500Åにて蒸着した。
(上部多層封止膜の形成)
素子作成後、蒸着室から大気には暴露せず、膜封止装置(米国VITEX社製、商品名「Guardian200」)に基板を移した。基板にマスクをアライメントし、セットした。次いで、無機成膜室に基板を移し、スパッタ法にて第1の無機層である酸化アルミニウムの成膜を行った。純度5NのAl金属ターゲットを用いて、アルゴンガスと酸素ガスを導入し、酸化アルミニウムの膜を基板に成膜した。約60nmの厚みで透明で平坦な酸化アルミニウム膜を得た。
上記第1の無機層成膜後、無機層用マスクを取り外し、有機層用マスクに交換し、有機成膜室に移した。有機モノマー材料(VITEX社製、商品名「Vitex Barix Resin System monomer material(Vitex701)」)を気化器に導入し、気化させ、スリットノズルからモノマー蒸気を噴き出させ、ノズル上を基板が一定の速度で通過することで均一な厚みになるように、モノマーを基板に付着させた。次に、モノマーが付着した基板にUV光を照射してモノマーを架橋し硬化させ、第1の有機層を形成した。得られた膜は透明で平坦な膜であり、膜厚は約1.3μmであった。
第1の有機層を形成後、無機成膜室に基板を移し、アルゴンと酸素を導入し、スパッタ法にて第2の無機層である酸化アルミニウムの成膜を行った。約40nmの厚みの透明で平坦な酸化アルミニウム膜を成膜した。第2の無機層成膜後、第1の有機層と同様にして第2の有機層を成膜し、第2の有機層成膜後、第2の無機層と同様にして第3の無機層を形成した。同様に第3の有機層、第4の無機層を形成した。
(海島構造の凹凸(立体構造)をその片面に有する有機層の形成)
上述のように、第4の無機層を形成後、第1の有機層と同様にしてモノマーを付着させたが、UV光によるモノマーの硬化条件を実施例1と同様に行った。すなわち、UV光照射を2段階に分け、第1段では硬化させるには不十分なUV光を照射して塗膜を半硬化させ、その表面(片面)に海島構造の凹凸を発生させ、次に第2段では、硬化に十分なUV光を前記半硬化状態の塗膜に照射して第1弾で発生した海島構造の凹凸を固定化するとともに、有機層(硬化膜)を形成した。
上述のようにして得られた有機EL素子を発光させ、取り出し光の角度依存性を確認したところ、所望の角度依存性を有していた。
以上のように、本発明にかかる発光素子は、少なくとも一つの有機層を有する多層封止膜によって発光部の光取り出し側が封止されてなる発光素子において、前記少なくとも一つの有機層がその片面に取り出し光強度の方向依存性を制御可能な立体構造を有していることを特徴とする。そして、本発明の発光素子の製造方法は、少なくとも一つの有機層を有する多層封止膜によって発光部の光取り出し側が封止されてなる発光素子の前記少なくとも一つの有機層の片面に取り出し光強度の方向依存性を制御可能な立体構造を形成することにより光取り出し性に優れた発光素子を得る発光素子の製造方法であって、前記有機層片面の立体構造を該有機層の形成と同時に形成することを特徴とする。
本発明にかかる発光素子は、正面からは透明だが、斜めから見ると、不透明になって、発光素子の正面輝度が向上する。この発光素子における有機層の片面の立体構造化は、本発明の製造方法により、通常の封止膜形成工程中に行うことができるので、プロセスが簡便であり、光取り出し効率に優れた発光素子を容易に製造することができる。
このように、本発明に係る発光素子およびその製造方法によれば、発光素子の占有スペースを増大させずに、かつ安価に、光取り出し効率を向上させた発光素子を提供することができる。かかる特徴を有する本発明は、特に有機EL素子における光取り出し効率の向上に適している。

Claims (4)

  1. 少なくとも一つの有機層を有する多層封止膜によって発光部の光取り出し側が封止されてなる発光素子の前記少なくとも一つの有機層がその片面に取り出し光強度の方向依存性を制御可能な立体構造を有している発光素子の製造方法であって、
    エネルギー硬化性樹脂の塗膜を形成し、当該塗膜をUV光を照射することにより一旦半硬化し、続いて当該半硬化した塗膜をUV光を照射することにより完全硬化することにより、前記有機層の片面の立体構造を該有機層の形成と同時に形成することを特徴とする発光素子の製造方法
  2. 前記有機層の立体構造を、前記エネルギー硬化性樹脂の塗膜を、多層封止膜を構成する無機層の疎液性の面上に形成した状態で硬化することにより、該有機層の形成と同時に形成することを特徴とする請求項に記載の発光素子の製造方法。
  3. 前記有機層の立体構造を、前記エネルギー硬化性樹脂の塗膜を、多層封止膜を構成する無機層の表面にフッ素原子を有する気体を用いてプラズマ処理を行い、疎液化した上に形成した状態で硬化することにより、該有機層の形成と同時に形成することを特徴とする請求項に記載の発光素子の製造方法。
  4. 発光素子が有機EL発光素子であることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
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