JP2004349107A - フルカラー有機電界発光ディスプレイの構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フルカラー有機電界発光ディスプレイの構造は、白色光或いは青色光を利用する有機電界発光素子を光源で使用するディスプレイとして、TFT基板、有機電界発光素子、保護層、及びカラーフィルタからなっており、フルカラー有機電界発光ディスプレイ構造の量産化に適している。保護層は有機電界発光素子に空気と湿気が進入するのを防止すると共に、彩色層は保護層の表面に直接製作できるので、工程の簡便化と体積減少の効果を持っている。また、既存の工程設備を利用して生産できるので、生産費用の節減と実用化を図ることができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一種のフルカラー有機電界発光ディスプレイの構造に関するものであり、特に、彩色層により単色光線を赤、緑、青の3色光に変換するフルカラー有機電界発光ディスプレイの構造に関するものである。
【従来の技術】
【0002】
フルカラー有機電界発光ディスプレイは,低廉な製造コスト、長寿命、低駆動電圧及び速い反応速度、優れた発光効率性などの特性と共に、温度変化に強く、耐振性、優れた視野角を有し、厚さが薄いので、次世代の発光ディスプレイ技術として脚光を浴びている。しかし、現在まで技術開発の期間が短く、共通電極(ITO)の導電性ガラスのような核心部品と、低分子及び高分子の有機材料の開発、工程設備とパッケージング技術などの方面での発展が要求されている実情である。
【0003】
ディスプレイの制作において、フルカラー化は市場で成功できる必須要件である。有機電界発光ディスプレイの構造をカラー化の方式により分けると、3色独立画素方式、色変換(Color Change Media、CCM)方式、およびカラーフィルタ(Color Filter、CF)方式の3つの方式がある。その中で3色独立画素方式の構造は、現在の有機発光ディスプレイのフルカラー化のために、最も多く利用される方式として、赤、緑、青の色を出す発光材料を各々別に画素に塗布した後、電圧差を利用しフルカラーの効果を出す。優れた発光効率がこの技術の長所であるが、この方式で赤、緑、青の3元色を発現するためには、各々他の駆動電圧を必要とし、色彩の平衡性が落ちて解像度もまた補完しなければならない。一方、色変換方式の場合,青色光の有機電界発光素子を使用して青色光源を、色変換層を経て赤、青、緑の3色に変換できる。カラーフィルタ方式は,白色光の有機電界発光素子を使用してフルカラー化の効果を出す。色変換方式とカラーフィルタ方式は発光効率において,一部消耗的な部分がなくはないが、製造工程が簡便で量産化に適する。現在利用されている色変換方式とカラーフィルタ方式の製造方法は、TFT基板上にまず有機電界発光素子を製作した後、透明な基板上に色変換層或いはカラーフィルタを製作する。そして、また、色変換層或いはカラーフィルタの透明基板をパッケージ蓋にして、アクティブマトリックス方式の基板と共にパッケージ化する。しかし、この方式では、二つの基板の間の間隙調節が難しいために、優れた発光品質を保証できないし、二つの基板の間の精密接合は、高い解像度のディスプレイの制作における精密接合のための設備原価が高い。その外にも、有機電界発光素子は、湿気に対して非常に敏感なので、除湿剤を入れて包装しなければならず、そのために、有機電界発光ディスプレイとしての軽薄短小性を有するのが難しくなる。
【0004】
【特許文献1】特開平5−182759号公報
【特許文献2】特開平3−4481号公報
【特許文献3】特許第2800813号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、より高い商業的価値を有したフルカラー有機電界発光ディスプレイの構造を開発するために、現在の製造工程と構造をどのように改善するべきかが新しい重要課題として浮上するようになった。
【0006】
従来技術に関する問題点に鑑みて、本発明の目的は、簡単ながらも制御が容易なフルカラー有機電界発光ディスプレイの構造を提供する。また、この発明は、既存の工程設備を利用して生産できるので、生産費用の節減と実用化を図ることができる。
【0007】
【発明を解決するための手段】
本発明は、直接基板上に単色の有機電界発光素子(白色光或いは青色光)を製作し、保護膜を利用して有機電界発光素子をパッケージ化するために、保護膜の保護下に水分と空気が有機電界発光素子に進入するのを防止することによって、カラーフィルタ(CF)或いは色変換層(CCM)を保護層の上に直接製作できる。したがって、もう一つの基板を製作してカラーフィルタ或いは色変換層を製作する必要がないので、二つの基板の間の精密接合が必要なく、TFT基板上に複数層の薄膜形成工程が必要なだけである。軽薄性と製造工程の簡便性という長所を備えているだけでなく、保護層の厚さの調節でカラーフィルタ或いは色変換層と有機電界発光との間の間隔調節も可能である。
【0008】
本発明の構造は、基板、有機電界発光素子、保護層、及びカラーフィルタから構成される。基板には、複数のアクティブマトリックス駆動方式の素子と複数のチャンネル接点が配列されて構成され、そのチャンネル接点は、能動式の基板上の表面に連結されてアクティブマトリックス駆動方式素子に電気的に接続される。有機電界発光素子は、有機電界発光層、下部電極、及び上部電極から構成される。この有機電界発光素子は、基板の上面に形成され、有機電界発光素子はチャンネル接点を介してアクティブマトリックス駆動方式素子に電気的に接続される。また、保護層が有機電界発光素子の表面を覆っている。最後に、カラーフィルタ或いは色変換層が保護層の上面に形成される。この構造において、有機電界発光素子は白色光或いは青色光の有機電界発光素子の中でいずれかを使用し、彩色層としては、有機電界発光層の光源種類に合せて、カラーフィルタ(CF)或いは色変換層(CCM)を選択することができる。有機電界発光素子から放出する光線は、彩色層を通過しながら赤、緑、青色の光線に変換され、上述の過程を経て、フルカラー有機電界発光ディスプレイの構造が形成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の目的と構造的特徴、及び機能について、深く理解できるように添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係るフルカラー有機電界発光ディスプレイの構造は、白色光の有機電界発光素子を光源として、TFT基板100(アクティブマトリックス駆動方式基板)、有機電界発光素子200、保護層300、及びカラーフィルタ(color filter、CF)400から構成されている。
【0011】
図1に示すように、TFT基板100は、複数の薄膜トランジスタ110と、これに対応する複数のチャンネル接点120が配列されて構成される。チャンネル接点120は、TFT基板100の表面までつなぎTFTと電気的な連結を形成させる。その中でTFT基板100の材料は、ガラス基板、シリコン基板或いはプラスチック基板中から選択できる。
【0012】
有機電界発光素子200は、複数の下部電極210、有機電界発光層230、及び上部電極220の順序で構成されている。その中で下部電極210はTFT基板100の上面に形成され、有機電界発光層230は下部電極210の上面に形成され、上部電極220は有機電界発光層230の上面に形成される。有機電界発光層230は白色光(単色光線)を放出し、有機質の材料は低分子或いは高分子の蛍光や燐光が使用される。上部電極220はチャンネル接点120を介してTFT110との電気的な接続を形成する。
【0013】
保護層300は有機電界発光素子200上の表面にパッケージングされることによって、水分と空気が有機電界発光素子200に進入するのを防止できる。本実施形態において、保護層300は、二重の透明膜で約0.05μm〜100μmの厚さを有する。保護層300は、緩衝層310と阻止層320で構成される。その中で緩衝層310は、上部電極220の表面上に形成され、阻止層320は、緩衝層310の表面に形成される。本実施例において、緩衝層310の材料としては、パリレン(parylene)を使用することができ、化学気相蒸着法を利用して成膜することができる。ここで、パリレンとは、ポリパラキンレン樹脂を使用したコーティングのことであり、絶縁性、発水性、耐薬品性にすぐれている。通常は、常温化学蒸着法により形成する。また、阻止層320の材料としては、ダイヤモンド様カーボン(DLC)を使用することができ、化学気相蒸着、スパッタリングコーティング、レーザアブレーション(Laser ablation)などのような真空薄膜コーティング方式で製作される。
【0014】
カラーフィルタ400は、阻止層320の上面に形成される。形成方式は、フォトリソグラフィ(photolithography)、インクジェット印刷(inkject printing)、或いはオフセット印刷(Off setprinting)等から一つを選択して製作する。
【0015】
実施形態で説明した構造に基づいて、有機電界発光層230で上向き放出する白色光線は、カラーフィルタ400を通過しながら赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に変換され、前述した過程を経て、フルカラー有機電界発光ディスプレイの構造を形成するようになる。
【0016】
本発明で説明した技術に基づいて、保護層300を直接利用して白色光の有機電界発光素子200をパッケージングすると、保護層300の保護下に水分と空気が有機電界発光素子200に進入することが防止できるので、カラーフィルタ(CF)400を直接保護層の上面に製作できるようになる。この場合、もう一つの基板上にカラーフィルタ(CF)400を製作する必要がなく、さらに二つの基板を精密接合させる必要がなく一つのTFT基板100の上のみに複数層の薄膜形成工程だけが必要であるので、軽薄短小化、工程の簡便化という長所を十分に生かせるようになり、さらにカラーフィルタ(CF)400と有機電界発光素子200との間の間隙(gap)が保護層300の厚さ調節で容易に調整できるようになる。
【0017】
有機電界発光素子200の場合、水分に対して非常に敏感なので、保護層300の水分と空気に対する隔離機能をさらに強化させる目的で除湿層を追加させることができる。除湿層の材料は、酸化カルシウム、酸化バリウム、或いは酸化マグネシウムなどの化学吸着材料を使用し、蒸着や電子ビーム方式を利用して製作する。この除湿層の主な機能は、有機電界発光素子200の内部の湿気を吸収して、保護層300に対する水分と空気の隔離機能をさらに強化させることにある。具体的な実施例は図2に示す。図2は、図1とほぼ似ているために同一の名称と番号を使用し、図1と異なる部分は、保護層300の構成のみである。図1の保護層300は、合わせて4つの層構造を有しており、順に、第1緩衝層311/除湿層330/第2緩衝層312/阻止層320である。その中で第1緩衝層311と第2緩衝層312の材料は、パリレン(parylene)を使用でき、阻止層320の材料は、ダイヤモンド様カーボンを使用する。この保護層300の膜厚は約0.05μm〜100μmである。
【0018】
前述した2つの実施例の他に、本発明の一部構造は、多くの変化された様態を有し得る。例えば、反射光を避け明暗の対比度を高めたい場合には、TFT基板上に光吸収特性を有している薄膜、すなわち、反射防止膜を形成させることができる。本発明の第3実施例は、図3を参考にすると、保護層300の構造に、除湿層330が追加されたことの他にもTFT基板100の表面上に反射防止膜130をコーティングさせたことが分かる。この反射防止膜130は、スパッタリング、PECVD、イオンビーム蒸着などの真空薄膜コーティング方式で形成できる。この場合、下部電極210は、反射防止膜130の上部に位置し、有機電界発光層230は下部電極210の上部、上部電極220は有機電界発光層230の上部に形成される。
【0019】
本発明の保護層300は、第3の実施例である図3に示されるように、第1緩衝層311/除湿層330/第2緩衝層312/阻止層320の順に構成される必要はなく、図1の保護層の構造のように緩衝層310と阻止層320で構成することができる。
【0020】
上に列挙した3種類の実施例以外にも、本発明で開示した有機発光ディスプレイ構造の構成要素は多くの変形様態を有しているので、各種の形態の有機発光ディスプレイ構造が合成できる。例えば、有機電界発光層は、白色光(単色)の放出が可能であるだけでなく、青色光(単色)が放出できる低分子、或いは高分子の蛍光、或いは燐光材料が使用できる。ただ青色光を使用した有機電界発光層を光源で使用する場合には、彩色層として、カラーフィルターの代わりに色変換層(CCM)を使用しなければならない。
【0021】
また、有機電界発光素子は、電流の駆動方式であるので、2つ以上のアクティブマトリックス方式を使用して単一画素を制御しなければならないので、開口率(Aperture Ratio)が大幅低下して輝度に影響を与えるようになるが、本発明では上発光形式を採用したので開口率に影響を与えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施形態の構造図である。
【図2】図2は本発明の第2実施形態の構造図である。
【図3】図3は本発明の第3実施形態の構造図である。
【符号の説明】
100:TFT基板
110:TFT(薄膜トランジスタ)
120:チャンネル接点
130:反射防止層
200:有機電界発光素子
210:下部電極
220:上部電極
230:有機電界発光層
300:保護層
310:緩衝層
311:第1緩衝層
312:第2緩衝層
320:阻止層
330:除湿層
400:カラーフィルタ
Claims (6)
- フルカラー有機電界発光ディスプレイの構造において、
複数のアクティブマトリックス駆動素子と、前記アクティブマトリックス駆動素子と電気的な接続を形成する複数のチャンネル接点を備える基板と、
前記基板の上面に形成され、チャンネル接点を介してアクティブマトリックス駆動素子に電気的に接続される有機電界発光素子と、
有機電界発光素子の表面を覆って水分と空気の侵入を防止する保護層と、
保護層の上に形成されて有機電界発光から放出された単色光線を赤、緑、青の3色光に変換させる彩色層、を含むことを特徴とするフルカラー有機電界発光ディスプレイ。 - 前記有機電界発光素子は、
基板の上面に形成される下部電極と、
下部電極の上部に形成される有機電界発光層と、
有機電界発光層の上部に形成される上部電極、を含むことを特徴とする請求項1に記載のフルカラー有機電界発光ディスプレイ。 - 前記有機電界発光素子は、
基板の上面に形成される反射防止層と、
反射防止層の上面に形成される下部電極と、
下部電極の上面に形成される有機電界発光層と、
有機電界発光層の上面に形成される上部電極、を含むことを特徴とする請求項1に記載のフルカラー有機電界発光ディスプレイ。 - 前記有機電界発光が白色光の有機電界発光素子である場合、彩色層はカラーフィルタであり、前記有機電界発光素子が青色光の有機電界発光素子である場合、彩色層は色変換層であることを特徴とする請求項1に記載のフルカラー有機電界発光ディスプレイ。
- 前記保護層は、
有機電界発光の上面に形成されるパリレン緩衝層と、
緩衝層の上面に形成されるダイヤモンド様カーボン阻止層からなることを特徴とする請求項1に記載のフルカラー有機電界発光ディスプレイ。 - 前記保護層は、
有機電界発光素子の上面に形成される第1緩衝層と、
第1緩衝層の上面に形成される除湿層と、
除湿層の上面に形成される第2緩衝層と、
第2緩衝層の上面に形成される阻止層からなることを特徴とする請求項1に記載のフルカラー有機電界発光ディスプレイ。
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Legal Events
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