JP2009027581A - 半導体集積回路 - Google Patents

半導体集積回路 Download PDF

Info

Publication number
JP2009027581A
JP2009027581A JP2007190501A JP2007190501A JP2009027581A JP 2009027581 A JP2009027581 A JP 2009027581A JP 2007190501 A JP2007190501 A JP 2007190501A JP 2007190501 A JP2007190501 A JP 2007190501A JP 2009027581 A JP2009027581 A JP 2009027581A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
digital
phase
output signal
signal
integrated circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007190501A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5005455B2 (ja
Inventor
Satoru Yamamoto
覚 山本
Toshiya Uozumi
俊弥 魚住
Mitsunori Samata
充則 佐俣
Keisuke Ueda
啓介 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Renesas Technology Corp
Original Assignee
Renesas Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Renesas Technology Corp filed Critical Renesas Technology Corp
Priority to JP2007190501A priority Critical patent/JP5005455B2/ja
Publication of JP2009027581A publication Critical patent/JP2009027581A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5005455B2 publication Critical patent/JP5005455B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)
  • Transceivers (AREA)

Abstract

【課題】ロック動作の初期において高速引き込みを可能とすると伴に入力信号ジッタや入力雑音の影響の小さなディジタルフェーズロックドループを提供すること。
【解決手段】半導体集積回路は、位相比較器10、11、ディジタルループフィルタ12、ディジタル制御発振器13、フィードバック分周器14を含むディジタルフェーズロックドループADPLLを具備する。ディジタルループフィルタ12は、第1ゲインαを有して位相比較器10、11のディジタル位相出力信号θが供給される比例パス12aと、第2ゲインβを有して信号θが供給される積分パス12b、12c、12dと、信号θの大きさを判定する判定器12g、12hを含む。ディジタル位相出力信号θの大きさが所定の基準値θthよりも大きい場合には、判定器12g、12hは第2ゲインβと第1ゲインαとの比β/αを大に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体集積回路に関し、特にPLLロック動作の初期において高速引き込みを可能とすると伴に入力信号ジッタや入力雑音の影響の小さなディジタルフェーズロックドループを提供するのに好適な技術に関する。
携帯電話、無線LAN等に使用されるRF半導体集積回路(以下、RFICと呼ぶ)は、ベースバンドLSIとの1チップ化が検討されている。そのため、微細プロセスのRFICの開発が必要であるが、アナログ回路の消費電流の増大、面積増大が問題となる。そこでその対策として、アナログ回路をディジタル回路に置換することが必要となる。
下記非特許文献1には、半導体集積回路のプロセス変更やシュリンクに際して再設計を改善するため、アナログ回路の削減が必要であることが記載されている。また、下記非特許文献1には、位相・ディジタル変換器、ディジタルループフィルタ、ディジタル制御発振器、フィードバック分周器で構成された全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)が記載されている。この全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)の位相・ディジタル変換器は、位相・周波数検出器(PFD)とタイム・ディジタル変換器(TDC)とによって構成されている。また、アナログループフィルタの抵抗と容量との直列接続は、双一次変換によって、ゲインαの比例パスとゲインβの積分パスとからなるディジタルループフィルタに変換されている。
更に、下記非特許文献1には、比例ゲインαと積分ゲインβの比α/βが位相余裕に関係することが記載され、比α/βが小さいと位相余裕は小さく、比α/βが大きいと位相余裕は大きいことが記載されている。また、下記非特許文献1には、比α/βが小さく位相余裕が小さい場合には大きなオーバーシュートのステップ応答の波形も示されている。
一方、今後の携帯電話の開発動向として、GSMとWCDMAとの双方に対応したデュアルモードのRFIC開発が進むと予想される。デュアルモードのひとつとして、下記非特許文献2に記載されたように、GSMとWCDMAの基地局の間を遷移するコンプレストモードがある。
また、下記の特許文献1には、広帯域で十分な速度の引き込み特性が得られ、ノイズ耐性の良いPLL回路を提供するため、周波数判定回路が入力信号の周波数の変化を判定した時に、PLLループの帯域周波数を変更することが記載されている。PLLループの帯域周波数の変更は、可変チャージポンプ回路の電流値、可変ローパスフィルタのフィルタ特性、可変分周器の分周比の変更により、行われる。
Volodymyr Kratyuk et al, "A Design Procedure for All−Digital Phase−Locked Loops Based on Charge−Pump Phase−Locked−Loop Analogy", IEEE TRANSACTIONS ON CIRCUITS AND SYETEMS−II: EXPRESS BRIEFS, VOL.54, No.3, MARCH 2007, pp.247〜251. Gertie Alsenmyr et al, "Handover between WCDMA and GSM", Ericsson Review No.1, 2003 pp.6〜11.http://www.ericsson./solutions/tems/articles/Handover.pdf [平成18年5月24日検索] 特開2006−222939号 公報
上記のように携帯電話のGSMとWCDMAの基地局の間を遷移する前記のコンプレストモードでは、通信が中断される時間を最小にするため、フェーズロックドループの高速なロックが要求された。従って、フェーズロックドループで高速なロックを実現するためには、良く知られているようにフェーズロックドループのループゲインを大きくすれば良い。しかし、また良く知られているように入力信号ジッタや入力雑音の影響を小さくするにはフェーズロックドループのループゲインを小さくする必要がある。
一方、全ディジタルフェーズロックドループを搭載する携帯電話RFICの開発に先行して以前のアナログ方式のフェーズロックドループを搭載した携帯電話用RFICの開発が試みられた。このアナログ方式では、PLLのロック動作の初期において送受信キャリア信号を生成するPLL周波数シンセサイザのループフィルタの帯域を一時的に拡大して高速引き込みを行うことが検討された。PLLのループフィルタの帯域とPLLのループゲインとは比例しているので、帯域を一時的に拡大することによりコンプレストモードで必要とされる高速ロックを実現することができる。PLL周波数シンセサイザのループフィルタは携帯電話用RFICに内蔵された抵抗と容量とで構成されているので、内蔵ループフィルタの抵抗の抵抗値を低下することにより、帯域を一時的に拡大することが可能となる。すなわち、前記特許文献1に記載されたように、アナログ方式PLLにおいて可変ローパスフィルタの可変抵抗を可変させると良好な引き込み特性と良好なノイズ耐性を得ることができる。
しかし、携帯電話のGSMとWCDMAとの基地局の間を遷移するコンプレストモードに対応する携帯電話用RFICの開発の途中で、搭載するPLLをアナログ方式から全ディジタル方式に変更する開発方針の変更が行われた。従って、上述のようなアナログループフィルタの時定数の変更による高速引き込みと言う手法は、全ディジタル方式では採用不可能となったものである。
本発明は、以上のような本発明に先立った本発明者等の検討の結果、なされたものである。従って、本発明の目的とするところは、ロック動作の初期において高速引き込みを可能とすると伴に入力信号ジッタや入力雑音の影響の小さなディジタルフェーズロックドループを提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうちの代表的なものについて簡単に説明すれば下記のとおりである。
即ち、本発明の代表的な半導体集積回路は、位相比較器(10、11)と、ディジタルループフィルタ(12)と、ディジタル制御発振器(13)と、フィードバック分周器(14)とを含むディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)を具備するものである。
前記ディジタルループフィルタ(12)は、第1ゲイン(α)を有する比例パス(12a)と、第2ゲイン(β)を有する積分パス(12b、12c、12d)と、前記位相比較器(10、11)のディジタル位相出力信号(θ)の大きさを判定する判定器(12g、12h)とを含む。
前記位相比較器(10、11)の前記ディジタル位相出力信号(θ)の大きさが所定の基準値(θth)よりも大きい場合には、前記判定器(12g、12h)は前記第2ゲイン(β)と前記第1ゲイン(α)との比(β/α)を大に設定するものである(図1、図2参照)。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記の通りである。すなわち、ロック動作の初期において高速引き込みを可能とすると伴に入力信号ジッタや入力雑音の影響の小さなディジタルフェーズロックドループを提供することができる。
《代表的な実施の形態》
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態による半導体集積回路は、位相比較器(10、11)と、ディジタルループフィルタ(12)と、ディジタル制御発振器(13)と、フィードバック分周器(14)とを含むディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)を具備するものである。
前記位相比較器(10、11)は、第1入力端子(In1)と第2入力端子(In2)との入力信号の位相差に応答するディジタル位相出力信号(θ)を生成する。
前記ディジタルループフィルタ(12)には、前記位相比較器(10、11)からの前記ディジタル位相出力信号(θ)が供給される。
前記ディジタル制御発振器(13)に前記ディジタルループフィルタ(12)の出力信号が供給されることにより、前記ディジタルループフィルタ(12)の前記出力信号に応答して前記ディジタル制御発振器(13)の発振出力信号の発振周波数が制御される。
前記ディジタル制御発振器(13)の前記発振出力信号が供給されることにより、前記フィードバック分周器(14)は前記位相比較器の前記第2入力端子に分周出力信号(FDIV)を供給するものである。
前記ディジタルループフィルタ(12)は、第1ゲイン(α)を有して前記位相比較器(10、11)の前記ディジタル位相出力信号(θ)が供給される比例パス(12a)と、第2ゲイン(β)を有して前記位相比較器(10、11)の前記ディジタル位相出力信号(θ)が供給される積分パス(12b、12c、12d)と、前記位相比較器(10、11)の前記ディジタル位相出力信号(θ)の大きさを判定する判定器(12g、12h)とを含む。
前記位相比較器(10、11)の前記ディジタル位相出力信号(θ)の大きさが所定の基準値(θth)よりも大きい場合には、前記判定器(12g、12h)は前記第2ゲイン(β)と前記第1ゲイン(α)との比(β/α)を大に設定するものである(図1、図2参照)。
前記実施の形態によれば、前記のコンプレストモード等によるロック動作の初期に前記ディジタル位相出力信号(θ)が大きい場合には、前記ゲイン比(β/α)が大きな状態に設定される。その結果、前記ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)の固有角周波数が大きな値となるので、ロック動作の初期の高速引き込みが可能となる。
好適な実施の形態による半導体集積回路では、前記位相比較器(10、11)の前記ディジタル位相出力信号(θ)の大きさが前記所定の基準値(θth)よりも小さい場合には、前記判定器(12g、12h)は前記第2ゲイン(β)と前記第1ゲイン(α)との前記比(β/α)を前記大な値よりも小さな値に設定するものである。
前記好適な実施の形態によれば、ロック動作が終了に近づくと、前記ディジタル位相出力信号(θ)は小さくなり、前記ゲイン比(β/α)が小さな状態に設定される。従って、前記ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)の固有角周波数が小さな値となるので、入力信号ジッタや入力雑音の影響を低減することができる。
他の好適な実施の形態による半導体集積回路では、前記位相比較器(10、11)は、位相周波数検出器(10)とタイム・ディジタル変換器(11)とを含む。前記位相周波数検出器(10)は、前記第1入力端子(In1)と前記第2入力端子(In2)との前記入力信号の前記位相差に応答するパルス幅(TPE)を有するパルス信号(PE)を生成する。前記タイム・ディジタル変換器(11)は、その入力端子に供給される前記パルス信号号(PE)の前記パルス幅(TPE)に応答する前記ディジタル位相出力信号(θ)としてのマルチビットのディジタル変換出力信号(Q1、Q2、Q3…QN)を生成するものである(図3、図4参照)。
更に他の好適な実施の形態による半導体集積回路では、前記ディジタル制御発振器(13)は前記位相比較器(10、11)の前記タイム・ディジタル変換器(11)の出力から前記ディジタルループフィルタ(12)を介して供給される前記マルチビットのディジタル変換出力信号(Q1、Q2、Q3…QN)に応答して前記発振出力信号の前記発振周波数を変化するものである(図5、図6参照)。
より好適な実施の形態による半導体集積回路では、前記ディジタル制御発振器(13)は前記マルチビットの前記ディジタル変換出力信号によって活性・非活性が制御される複数のインバータ(Inv1、Inv2、Inv3、Inv4、Inv5…InvN)を含むリング発振器により構成されている(図5参照)。
他のより好適な実施の形態による半導体集積回路では、前記ディジタル制御発振器(13)はクロスカップル接続された一対の増幅素子(QN1、QN2)と、前記一対の増幅素子の負荷としてのLCタンク回路とで構成されている。前記LCタンク回路は、前記マルチビットの前記ディジタル変換出力信号によってそのスイッチのオン・オフ制御される複数の容量(C1、C2、C3…CN)を含むものである(図6参照)。
更により好適な実施の形態による半導体集積回路では、前記ディジタルループフィルタ(12)の前記比例パスと前記積分パスとはそれぞれマルチビット入力の第1ディジタル乗算器(12a)とマルチビット入力の第2ディジタル乗算器(12 b)とを含むものである(図7参照)。
具体的な一つの実施の形態による半導体集積回路は、前記携帯電話のマルチバンド(WCDMA、GSM850、GSM900、DCS1800、PCS1900)のRF送受信のためのマルチ信号処理回路を更に具備する。前記ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)は、前記マルチ信号処理回路に供給される送受信ローカル信号を生成するPLLシンセサイザである(図8参照)。
前記具体的な一つの実施の形態によれば、前記携帯電話のマルチバンドRF送受信に際してPLLシンセサイザの高速ロック性能と低ジッタ特性とを実現することができる。
〔2〕本発明の別の観点の実施の形態による半導体集積回路は、WCDMA方式RF送受信信号処理回路と、GSM方式RF送受信信号処理回路と、前記WCDMA方式RF送受信信号処理回路と前記GSM方式RF送受信信号処理回路とに供給される送受信ローカル信号を生成するPLLシンセサイザとを具備する。
前記PLLシンセサイザは、位相比較器(10、11)と、ディジタルループフィルタ(12)と、ディジタル制御発振器(13)と、フィードバック分周器(14)とを含むディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)で構成されている。
前記ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)で構成された前記PLLシンセサイザの定常ロック状態では、前記ディジタルループフィルタの帯域角周波数(ωDLF)は前記定常ロック状態に対応する所定の値に設定される。
前記半導体集積回路が搭載された携帯電話がGSMの基地局とWCDMAの基地局の間を遷移するコンプレストモードでの前記ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)で構成された前記PLLシンセサイザのロック動作の初期では、前記ディジタルループフィルタの前記帯域角周波数(ωDLF)の値は前記定常ロック状態の前記所定の値よりも大きな値に設定される。
前記別の観点の実施の形態によれば、前記コンプレストモードによるロック動作の初期に前記ディジタルループフィルタの前記帯域角周波数(ωDLF)の値は前記定常ロック状態の前記所定の値よりも大きな値に設定される。その結果、前記ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)で構成された前記PLLシンセサイザの固有角周波数が大きな値となるので、ロック動作の初期の高速引き込みが可能となる。
好適な実施の形態による半導体集積回路では、前記位相比較器(10、11)は、第1入力端子(In1)と第2入力端子(In2)との入力信号の位相差に応答するディジタル位相出力信号(θ)を生成する。
前記ディジタルループフィルタ(12)には、前記位相比較器(10、11)からの前記ディジタル位相出力信号(θ)が供給される。
前記ディジタル制御発振器(13)に前記ディジタルループフィルタ(12)の出力信号が供給されることにより、前記ディジタルループフィルタ(12)の前記出力信号に応答して前記ディジタル制御発振器(13)の発振出力信号の発振周波数が制御される。
前記ディジタル制御発振器(13)の前記発振出力信号が供給されることにより、前記フィードバック分周器(14)は前記位相比較器の前記第2入力端子に分周出力信号(FDIV)を供給するものである。
前記ディジタルループフィルタ(12)は、第1ゲイン(α)を有して前記位相比較器(10、11)の前記ディジタル位相出力信号(θ)が供給される比例パス(12a)と、第2ゲイン(β)を有して前記位相比較器(10、11)の前記ディジタル位相出力信号(θ)が供給される積分パス(12b、12c、12d)と、前記位相比較器(10、11)の前記ディジタル位相出力信号(θ)の大きさを判定する判定器(12g、12h)とを含む。
前記位相比較器(10、11)の前記ディジタル位相出力信号(θ)の大きさが所定の基準値(θth)よりも大きい場合には、前記判定器(12g、12h)は前記第2ゲイン(β)と前記第1ゲイン(α)との比(β/α)を大に設定するものである(図1、図2、図8参照)。
前記別の観点の実施の形態によれば、携帯電話のGSMとWCDMAの基地局の間を遷移するコンプレストモードによるロック動作での初期の高速引き込みが可能となる。
《実施の形態の説明》
次に、実施の形態について更に詳述する。
《全ディジタルフェーズロックドループ》
図1は、本発明の1つの実施の形態による半導体集積回路に内蔵された全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)の構成を示す図である。
図1の全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)は、位相周波数検出器(PFD)10、タイム・ディジタル変換器(TDC)11、ディジタルループフィルタ(DLF)12、ディジタル制御発振器(DCO)13、フィードバック分周器(DIV)14から構成されている。位相周波数検出器(PFD)10の第1入力端子In1には基準周波数信号FREFが供給され、位相周波数検出器(PFD)10の第2入力端子In2にはフィードバック分周器(DIV)14の出力の分周出力信号FDIVが供給される。フィードバック分周器(DIV)14の入力には、ディジタル制御発振器(DCO)13の出力の発振周波数信号FDCOが供給される。フィードバック分周器(DIV)14は、ディジタル制御発振器(DCO)13の出力の発振周波数信号FDCOを分周する。
位相周波数検出器(PFD)10は第1入力端子In1に供給される基準周波数信号FREFと第2入力端子In2に供給される分周出力信号FDIVとの位相差に比例したパルス幅TPEを持つパルス信号PEと極性判定信号POLを出力する。このパルス信号PEは、位相周波数検出器(PFD)10の第1入力端子In1と第2入力端子In2との入力位相差に対応するタイム信号となる。このタイム信号を、タイム・ディジタル変換器(TDC)11はディジタル信号に変換する。位相周波数検出器(PFD)10やタイム・ディジタル変換器(TDC)11の回路構成例は、図3と図4とを用いて後に詳述する。
タイム・ディジタル変換器(TDC)11の出力のディジタル信号が供給されるディジタルループフィルタ(DLF)12は位相周波数検出器(PFD)10やタイム・ディジタル変換器(TDC)11の出力に含まれる高調波成分や雑音を除去すると伴に、その周波数帯域によって全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)の応答特性や入力信号ジッタや入力雑音の特性を決定する。ディジタルループフィルタ(DLF)12によって不必要な成分が抑圧されたディジタル制御信号がディジタル制御発振器(DCO)13の制御入力端子に供給されることによって、ディジタル制御発振器(DCO)13の発振周波数信号FDCOの周波数が制御される。フィードバック分周器(DIV)14はディジタル制御発振器(DCO)13の出力の発振周波数信号FDCOを分周して、フィードバック分周器(DIV)14の出力の分周出力信号FDIVが位相周波数検出器(PFD)10の第2入力端子In2に供給される。位相周波数検出器(PFD)10の第1入力端子In1に供給される基準周波数信号FREFの位相に位相周波数検出器(PFD)10の第2入力端子In2に供給されるフィードバック分周器(DIV)14の出力の分周出力信号FDIVの位相が一致されるように、ディジタルループフィルタ(DLF)12のディジタル制御信号によってディジタル制御発振器(DCO)13の発振周波数信号FDCOの周波数が制御される。
《全ディジタルフェーズロックドループのディジタルループフィルタ》
アナログPLLの位相比較器の出力と電圧制御発振器の入力との間のアナログループフィルタは、抵抗と容量とからなるローパスフィルタよって構成されている。図1の全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)のディジタルループフィルタ(DLF)12は、アナログPLLのアナログループフィルタを構成するローパスフィルタの抵抗と容量とをディジタルフィルタに双一次変換によって変換されたものである。
図1の全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)のディジタルループフィルタ(DLF)12の内部のディジタルフィルタコアDLF_Coreは、アナログローパスフィルタの抵抗と容量とに対応している。アナログローパスフィルタの抵抗には、ディジタルフィルタコアDLF_Coreのゲインαの比例パス12aが対応している。アナログローパスフィルタの容量には、ゲインβのパス12bと加算器12cと遅延回路12dとからなるゲインβの積分パスが対応している。尚、遅延回路12dとしてのフリップフロップのデータ入力端子Dは加算器12cの出力と接続され、遅延回路12dとしてのフリップフロップのデータ出力端子Qは加算器12cの他方の入力に接続されている。また、遅延回路12dとしてのフリップフロップのトリガー入力端子には、クロック信号CLKが供給されている。
過渡応答でのアナログPLLの閉ループ伝達関数の解析によって、良く知られているようにアナログPLLの固有角周波数(Natural frequency)ωnと減衰率(Damping factor)ζとはそれぞれ次式で与えられる。
Figure 2009027581
Figure 2009027581
ここで、ωLPFはアナログローパスフィルタの帯域角周波数、KPDは位相比較器の感度、KVCOは電圧制御発振器の感度、CRはアナログローパスフィルタの抵抗と容量との時定数である。
アナログPLLから全ディジタルフェーズロックドループへのアナロジーによって、全ディジタルフェーズロックドループの固有角周波数ωnADと減衰率ζADとはそれぞれ次式で与えられる。
Figure 2009027581
Figure 2009027581
ここで、ωDLFはディジタルループフィルタの帯域角周波数、KPFDDTCは位相周波数比較器・タイム・ディジタル変換器の感度、KDCOはディジタル制御発振器の感度、αは比例パス12aのゲイン、βは積分パス12b、12c、12dのゲインである。
特に、本発明の実施の形態に従って図1の全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)のディジタルループフィルタ(DLF)12の内部のディジタルフィルタコアDLF_CoreにはディジタルフィルタコントローラDLF_Contが接続されている。ディジタルフィルタコントローラDLF_Contは、図1の全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)のタイム・ディジタル変換器(TDC)11の出力のディジタル位相誤差信号θの大きさを判定している。判定は、レジスタ12fに格納された位相差しきい値θthとタイム・ディジタル変換器(TDC)11の出力のディジタル位相誤差信号θとの比較器12gでの比較により、実行される。
上述のコンプレストモードでロック動作の初期には、タイム・ディジタル変換器(TDC)11の出力のディジタル位相誤差信号θが大きいものである。レジスタ12fに格納された位相差しきい値θthよりもタイム・ディジタル変換器(TDC)11の出力のディジタル位相誤差信号θが大きいと比較器12gで判定されると、比較器12gの比較出力信号によってセレクタ12hは入力の狭帯域用の小ゲインβNと広帯域用の大ゲインβWとから大ゲインβWを選択する。セレクタ12hにより選択された大ゲインβWはディジタルループフィルタ(DLF)12の内部のディジタルフィルタコアDLF_Coreの積分パス12b、12c、12dのゲインβの設定に使用される。この時のゲインβは大ゲインβWであるので、全ディジタルフェーズロックドループの固有角周波数ωnADと減衰率ζADとは、それぞれ大きな値となる。全ディジタルフェーズロックドループの固有角周波数ωnADが大きな値であるので、上述のコンプレストモードでロック動作の初期の高速引き込みが可能となる。全ディジタルフェーズロックドループの減衰率ζADが大きな値であるので、過渡応答でのオーバーシュートも適切なレベルに制御されることが可能となる。
以上のようにして、全ディジタルフェーズロックドループの上述のコンプレストモードでロック動作が終了に近づくと、タイム・ディジタル変換器(TDC)11の出力のディジタル位相誤差信号θは小さくなる。レジスタ12fに格納された位相差しきい値θthよりもタイム・ディジタル変換器(TDC)11の出力のディジタル位相誤差信号θが小さいと比較器12gで判定されると、比較器12gの比較出力信号によってセレクタ12hは入力の狭帯域用の小ゲインβNと広帯域用の大ゲインβWとから小ゲインβNを選択する。セレクタ12hにより選択された小ゲインβNはディジタルループフィルタ(DLF)12の内部のディジタルフィルタコアDLF_Coreの積分パス12b、12c、12dのゲインβの設定に使用される。この時のゲインβは小ゲインβNであるので、全ディジタルフェーズロックドループの固有角周波数ωnADが小さな値となるので、入力信号ジッタや入力雑音の影響を低減することができる。このように全ディジタルフェーズロックドループADPLLで構成されたPLLシンセサイザの定常ロック状態では、ディジタルループフィルタ(DLF)12の帯域角周波数ωDLFは定常ロック状態に対応する小さな値に設定される。
図1に示した半導体集積回路が搭載された携帯電話がGSMの基地局とWCDMAの基地局の間を遷移するコンプレストモードでのディジタルフェーズロックドループADPLLで構成されたPLLシンセサイザのロック動作の初期では、ディジタルループフィルタ(DLF)12の帯域角周波数ωDLFの値は定常ロック状態の小さな値よりも大きな値に設定される。
《全ディジタルフェーズロックドループの過渡応答》
図2は、全ディジタルフェーズロックドループの過渡応答による波形を示す図である。図2(A)は本発明の実施の形態による全ディジタルフェーズロックドループの過渡応答による波形を示し、図2(B)は本発明を採用しない場合の全ディジタルフェーズロックドループの過渡応答による波形を示している。
図2(B)に示す本発明を採用しない場合にはディジタルフィルタコアDLF_Coreの積分パス12b、12c、12dのゲインβは一定の小さなゲインβNに常に設定されているので、コンプレストモードでロック動作の終了に長いロック時間Tlock_Bが必要となる。
図2(A)に示す本発明を採用した場合にはコンプレストモードでロック動作の初期にはディジタルフィルタコアDLF_Coreの積分パス12b、12c、12dのゲインβは大ゲインβWに設定されているので、コンプレストモードでロック動作は短いロック時間Tlock_Aで終了する。
《位相周波数検出器》
図3は、図1に示した全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)の位相周波数検出器(PFD)10の構成と各部の波形を示す図である。位相周波数検出器(PFD)10はフリップフロップ10a、10b、AND回路10c、EXOR回路10d、フリップフロップ10eを含んでいる。
フリップフロップ10a、10bのデータ入力端子Dには電源電圧VDDが供給され、トリガー入力端子には第1入力端子In1の基準周波数信号FREFと第2入力端子In2の分周出力信号FDIVが供給される。フリップフロップ10aのデータ出力端子Qからアップ出力信号UPが生成され、フリップフロップ10 bのデータ出力端子Qからダウン出力信号DOWNが生成される。このアップ出力信号UPとこのダウン出力信号DOWNとが2入力端子に供給されるAND回路10cの出力信号は、フリップフロップ10a、10bのリセット端子Rに供給される。
アップ出力信号UP、アップ出力信号UPはEXOR回路10d、フリップフロップ10eに供給され、EXOR回路10dの出力端子からパルス信号PEが生成され、フリップフロップ10eの出力端子から極性判定信号POLが生成される。このように、位相周波数検出器(PFD)10は、第1入力端子In1の基準周波数信号FREFと第2入力端子In2の分周出力信号FDIVの位相差に応答するパルス幅TPEのパルス信号PEを生成する。
図3の下の波形図に、位相周波数検出器(PFD)10の各部の波形が示されている。第1入力端子In1の基準周波数信号FREFがローレベル“0”からハイレベル“1”となると、フリップフロップ10aのデータ出力端子Qのアップ出力信号UPもローレベル“0”からハイレベル“1”となる。第2入力端子In2の分周出力信号FDIVがローレベル“0”からハイレベル“1”となると、フリップフロップ10 bのデータ出力端子Qのダウン出力信号DOWNもローレベル“0”からハイレベル“1”となる。アップ出力信号UPとダウン出力信号DOWNとがハイレベル“1”となることによって、AND回路10cの出力のリセット端子Rの信号はハイレベル“1”となる。従って、フリップフロップ10a、10 bはリセットされて、アップ出力信号UPとダウン出力信号DOWNとがローレベル“0” となる。その結果、位相周波数検出器(PFD)10のEXOR回路10dの出力から、第1入力端子In1に供給される基準周波数信号FREFと第2入力端子In2に供給される分周出力信号FDIVとの位相差に比例したパルス幅TPEを持つパルス信号PEが生成される。
《タイム・ディジタル変換器》
図4は、図1に示した全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)のタイム・ディジタル変換器(TDC)11の構成と各部の波形を示す図である。タイム・ディジタル変換器(TDC)11の入力端子には、位相周波数検出器(PFD)10のタイム信号であるパルス信号PEが供給される。パルス信号PEは直列接続されたN個の遅延回路DL1、DL2、DL3…DLNのチェーンとインバータInvとに供給される。N個の遅延回路DL1、DL2、DL3…DLNの各遅延回路は、入出力間に遅延時間dを生成する。N個の遅延回路DL1、DL2、DL3…DLNのそれぞれの出力端子からは、遅延時間dにてタイミングが異なるN個の出力信号D1、D2、D3…DNが生成される。タイミングが異なるN個の出力信号D1、D2、D3…DNはN個のフリップフロップの入力端子Dに供給され、N個のフリップフロップのトリガー入力端子にはインバータInvの出力信号が共通に印加される。N個のフリップフロップの出力端子Qからは、タイム信号のディジタル変換出力信号Q1、Q2、Q3…QNが生成される。
図4の下の波形図に、タイム・ディジタル変換器(TDC)11の各部の波形が示されている。タイム・ディジタル変換器(TDC)11の入力端子に供給されるパルス信号PEのパルス幅TPEに応答したコードを持ったタイム信号としてのNビットのディジタル変換出力信号Q1、Q2、Q3…QNが生成されることができる。
《ディジタル制御発振器》
図5は、図1に示した全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)のディジタル制御発振器(DCO)13の構成を示す図である。図5に示すディジタル制御発振器(DCO)13の基本的な構成は、リング発振器である。発振指示信号RUNが供給されるNAND回路NAND1の入出力を介して、大きなデバイスサイズで出力駆動能力の大きなインバータINV1、INV2、INV3のループが形成されている。インバータINV1、INV2、INV3には、小さなデバイスサイズで出力駆動能力の小さなインバータInv1、Inv2、Inv3、Inv4、Inv5…InvNが並列に接続されている。
出力駆動能力の小さなインバータInv1、Inv2、Inv3、Inv4、Inv5…InvNには、図4のタイム・ディジタル変換器(TDC)11からのディジタル変換出力信号Q1、Q2、Q3…QNが供給されている。ディジタル変換出力信号Q1、Q2、Q3…QNの組み合わせにより、リング発振器の発振周波数が決定される。ディジタル変換出力信号Q1、Q2、Q3…QNのハイレベル“1”とローレベル“0”により、出力駆動能力の小さなインバータInv1、Inv2、Inv3、Inv4、Inv5…InvNの活性化と非活性化とが設定される。活性化されるインバータ数が増加すると、図5のディジタル制御発振器(DCO)13の発振周波数が増加する。
図6は、図1に示した全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)のディジタル制御発振器(DCO)13の他の構成を示す図である。図6に示すディジタル制御発振器(DCO)13の基本的な構成は、LCタンク共振型発振器である。ドレイン・ゲートがクロスカップル接続された一対のNチャンネルMOSトランジスタQN1、QN2のドレインに接続されたLCタンクの複数の容量C1、C2、C3…CNに直列接続された複数のスイッチのオン・オフが図4のタイム・ディジタル変換器(TDC)11からのディジタル変換出力信号Q1、Q2、Q3…QNのハイレベル“1”・ローレベル“0”によって制御される。並列総和容量ΣCとインダクタLのインダクタンスとの積が減少すると、図6のディジタル制御発振器(DCO)13の発振周波数が増加する。
《より具体的なディジタルループフィルタ》
図7は、図1に示した全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)のディジタルループフィルタ(DLF)12のより具体的な構成を示す図である。
図7に示すディジタルループフィルタ(DLF)12では、比例パスのディジタル乗算器12aの一方の入力端子と積分パスのディジタル乗算器12bの一方の入力端子にはタイム・ディジタル変換器(TDC)11からのディジタル変換出力信号Q1、Q2、Q3…QNであるNビットのディジタル位相誤差信号θが供給される。比例パスのディジタル乗算器12aの他方の入力端子にはNビットのゲインαを格納したレジスタReg3が接続され、積分パスのディジタル乗算器12bの他方の入力端子にはNビットのゲインβを格納したレジスタReg2が接続されている。
《コンプレストモードに対応する携帯電話用RFIC》
図8は、本発明の他の実施の形態によるコンプレストモードに対応する携帯電話用RFICの構成を示す図である。このRFICは、上述したWCDMA方式のバンド1の送受信を行うとともに、GSM850、GSM900、DCS1800、PCS1900の方式の送受信を行うことが可能である。
UMTS規格におけるWCDMA方式の一番高い周波数帯域のバンド1(地域は米国)の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が1920〜1980MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は2110〜2170MHzとなっている。
GSM850の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が824〜849MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は869〜894MHzとなっている。GSM900の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が880〜915MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は925〜960MHzとなっている。DCS1800の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が1710〜1785MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は1805〜1880MHzとなっている。PCS1900の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が1850〜1910MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は1930〜1990MHzとなっている。
図8に示したRFICの上部の回路RX_SPU_WCDMAはWCDMA方式のバンド1の受信のための回路である。図8に示したRFICの下部の回路TX_SPU_WCDMAはWCDMA方式のバンド1の送信のための回路である。図8に示したRFICの中央上部の回路RX_SPU_GSMは、GSM850、GSM900、DCS1800、PCS1900の受信のための回路である。図8に示したRFICの中央下部の回路TX_SPU_GSMは、GSM850、GSM900、DCS1800、PCS1900の送信のための回路である。
《フラクショナルPLLシンセサイザ》
図8に示したRFICの中央の回路Frct_Synthは、RFICの送受信ローカル信号を形成するフラクショナルPLLシンセサイザである。このフラクショナルPLLシンセサイザFrct_Synthは、システム基準電圧制御発振器(DCX-VCO)40と2個の全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)19、20とを含んでいる。システム基準電圧制御発振器(DCX-VCO)40には、RFICの外部で水晶振動子22と接続されることにより安定な26MHzの周波数で発振する。2個の全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)19、20はこの26MHzの発振周波数を基準周波数信号として利用する。一方の全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)19はGSM850、GSM900、DCS1800、PCS1900の送受信のための送受信ローカル信号を生成すると伴にWCDMA方式のバンド1の受信のための受信ローカル信号を生成する。他方の全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)20は、WCDMA方式のバンド1の送信のための送信ローカル信号を生成する。
このように、GSM850、GSM900、DCS1800、PCS1900の送受信とWCDMA方式のバンド1の送信と受信のための送受信ローカル信号を生成するフラクショナルPLLシンセサイザの2個の全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)19、20は、GSMとWCDMAの基地局の間を遷移するコンプレストモードに対応するため、図1に示した構成を採用している。すなわち、コンプレストモードでロック動作の初期にディジタル位相誤差信号θが大きい時には、ディジタルループフィルタの積分パスのゲインβが大きな値に設定され、全ディジタルフェーズロックドループの固有角周波数が大きな値とされ、ロック動作の初期の高速引き込みを可能とするものである。また、コンプレストモードでロック動作が終了に近づくと、ディジタル位相誤差信号θは小さくなり、全ディジタルフェーズロックドループの固有角周波数が小さな値とされて、入力信号ジッタや入力雑音の影響を低減することができる。
《受信モード》
WCDMA方式のバンド1の2110〜2170MHzの周波数帯域のRF受信信号Rx_WCDMAは、ローノイズアンプ1で増幅された後、ハンドパスフィルタ2を介して一対の受信ミキサ3、4の一方の入力端子に供給される。フラクショナルPLLシンセサイザFrct_Synthの全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)19から2110〜2170MHzのローカル周波数を持つ受信ローカル信号が、一対の受信ミキサ3、4の他方の入力端子に供給される。その結果、一対の受信ミキサ3、4では、RF受信信号Rx_WCDMAのI、Q受信アナログベースバンド信号へのダイレクトダウンコンバージョンが行われる。一対の受信ミキサ3、4の出力のI、Q受信アナログベースバンド信号は、ローパスフィルタ5、6、プログラマブルゲインアンプ7、8に伝達される。
周波数帯域が869〜894MHzのGSM850のRF受信信号Rx_GSM850と周波数帯域が925〜960MHzのGSM900のRF受信信号Rx_GSM900とは、それぞれローノイズアンプLNA1、ローノイズアンプLNA2で増幅されることができる。ローノイズアンプLNA1、LNA2のRF増幅信号は、一対の受信ミキサRx-MIX_I、Rx-MIX_Qの一方の入力端子に供給される。フラクショナルPLLシンセサイザFrct_Synthの全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)19から分周比2に設定された分周器DIV1(1/2)と分周器DIV6(1/2)とを介して869〜894MHzまたは925〜960MHzのローカル周波数を持つ受信ローカル信号が、一対の受信ミキサRx-MIX_I、Rx-MIX_Qの他方の入力端子に供給される。その結果、一対の受信ミキサRx-MIX_I、Rx-MIX_Qでは、RF受信信号Rx_ GSM850またはRF受信信号Rx_ GSM900のI、Q受信アナログベースバンド信号へのダイレクトダウンコンバージョンが行われる。一対の受信ミキサRx-MIX_I、Rx-MIX_Qの出力のI、Q受信アナログベースバンド信号は、プログラマブルゲインアンプPGAI1…3、PGAQ1…3、ローパスフィルタFCI1…3、FCQ1…3、バッファアンプBAI、BAQに伝達される。
周波数帯域が1805〜1880MHzのDCS1800のRF受信信号Rx_DCS1800と周波数帯域が1930〜1990MHzのPCS1900のRF受信信号Rx_ PCS1900とは、それぞれローノイズアンプLNA3、ローノイズアンプLNA4で増幅されることができる。ローノイズアンプLNA3、LNA4のRF増幅信号は、一対の受信ミキサRx-MIX_I、Rx-MIX_Qの一方の入力端子に供給される。フラクショナルPLLシンセサイザFrct_Synthの全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)19から分周器DIV6(1/2)を介して1805〜1880MHzまたは1930〜1990MHzのローカル周波数を持つ受信ローカル信号が、一対の受信ミキサRx-MIX_I、Rx-MIX_Qの他方の入力端子に供給される。その結果、一対の受信ミキサRx-MIX_I、Rx-MIX_Qでは、RF受信信号Rx_DCS1800またはRF受信信号Rx_ PCS1900のI、Q受信アナログベースバンド信号へのダイレクトダウンコンバージョンが行われる。一対の受信ミキサRx-MIX_I、Rx-MIX_Qの出力のI、Q受信アナログベースバンド信号は、プログラマブルゲインアンプPGAI1…3、PGAQ1…3、ローパスフィルタFCI1…3、FCQ1…3、バッファアンプBAI、BAQに伝達される。
いずれの通信方式の受信モードにおいても、WCDMA方式受信回路RX_SPU_WCDMAの出力または他方式受信回路RX_SPU_GSMの出力にI、Qアナログベースバンド受信信号が形成される。この信号はA/D変換器9、10によりI、Qディジタルベースバンド受信信号に変換され、ローパスフィルタ11、12、受信系ディジタルインターフェース13を介してベースバンド信号処理LSIに供給される。
《送信モード》
逆にベースバンド信号処理LSIからのディジタルベースバンド送信信号TXDBI、TXDBQはRFICの送信系ディジタルインターフェース37により受信された後、D/A変換器33、34によりI、Qアナログベースバンド送信信号に変換される。送信方式がWCDMA方式の場合には、D/A変換器33、34の出力のI、Qアナログベースバンド送信信号は、WCDMA方式送信回路TX_SPU_WCDMAによってRF送信信号に変換される。送信方式がWCDMA方式以外の方式の場合には、D/A変換器33、34の出力のI、Qアナログベースバンド送信信号は、他方式送信回路TX_SPU_GSMによってRF送信信号に変換される。この他方式送信回路TX_SPU_GSMは、送信系オフセットPLL回路TX_Offset_PLLにより構成されている。
WCDMA方式送信回路TX_SPU_WCDMAの一対の送信ミキサ28、29の一方の入力端子には、プログラマブルゲインアンプ31、32を介してI、QアナログWCDMAベースバンド送信信号が供給される。一対の送信ミキサ28、29の他方の入力端子には、フラクショナルPLLシンセサイザFrct_Synthの全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)20から分周器21を介して1920〜1980MHzのローカル周波数を持つ送信ローカル信号が供給される。その結果、送信ミキサ28、29と加算器27では、I、QアナログWCDMAベースバンド送信信号からWCDMA方式のバンド1のRF送信信号Tx_WCDMAへのダイレクトアップコンバージョンが行われる。
送信系オフセットPLL回路TX_Offset_PLLは、GSM850のRF送信信号TX_GSM850とGSM900のRF送信信号TX_GSM900との送信動作に対応する必要が有る。そのため、一方の全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)19に含まれたディジタル制御発振器(DCO)の発振周波数は分周比2に設定された2個の分周器DIV1(1/2)、DIV4(1/2)を介して位相制御帰還用周波数ダウンミキサーDWN_MIX_PMの一方の入力端子に供給される。また、送信ミキサTX_MIX_I、TX_MIX_Qに接続された中間周波数分周器DIV2(1/NIF)の分周比NIFは、26に設定されている。一方、送信用TX-VCO2の発振出力信号が、分周数2に設定された2個の分周器DIV5、分周器DIV3を介して、位相制御帰還用周波数ダウンミキサーDWN_MIX_PMの他方の入力端子に供給されている。ダウンミキサーDWN_MIX_PMでは一方の入力信号と他方の入力信号とのミキシングが行われる。従って、ダウンミキサーDWN_MIX_PMの出力から、2つの入力信号の差の周波数の帰還信号が形成されて、送信系オフセットPLL回路TX_Offset_PLLの位相比較器PCの他方の入力端子に供給される。また、位相比較器PCの一方の入力端子には、送信ミキサTX_MIX_I、Qの出力に接続された加算器の出力のベクトル合成された中間周波送信信号fIFが基準信号として供給されている。中間周波数分周器DIV2(1/NIF)の分周数NIFである26と90度位相シフタでの分周数2とで、合計分周数は52となっている。従って、中間周波送信信号fIFの周波数は、全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)19に含まれたディジタル制御発振器(DCO)の周波数の1/52となる。また、送信系オフセットPLL回路TX_Offset_PLLの負帰還制御によって、位相比較器PCの一方の入力端子の基準信号と他方の入力端子のダウンミキサーDWN_MIX_PMから帰還信号とは一致するようになる。結果としては、略0.8GHz(824〜849MHz)のRF送信信号のGSM850と略0.9GHz(880〜915MHz)のRF送信信号のGSM900との送信動作に、全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)19と送信用TX-VCO2とは送信周波数の略4倍の略3.6GHzから略3.9GHzで発振すれば良くなる。この2つの周波数帯域の送信動作で、この2つの電圧制御発振器を0.8GHz〜0.9GHzで発振させるためには、極めて大きな容量の可変容量が必要となる。その結果、RFICのチップ占有面積と消費電力増大となる。
また送信系オフセットPLL回路TX_Offset_PLLは、DCS1800のRF送信信号TX_DCS1800とPCS1900のRF送信信号TX_PCS1900との送信動作に対応する必要が有る。そのため、全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)19に含まれたディジタル制御発振器(DCO)の発振周波数は分周比2に設定された2個の分周器DIV1(1/2)、を介して位相制御帰還用周波数ダウンミキサーDWN_MIX_PMの一方の入力端子に供給される。また、送信ミキサTX_MIX_I、TX_MIX_Qに接続された中間周波数分周器DIV2(1/NIF)の分周比NIFは、26に設定されている。一方、送信用TX-VCO2の発振出力信号が、分周数2に設定された1個の分周器DIV5を介して、位相制御帰還用周波数ダウンミキサーDWN_MIX_PMの他方の入力端子に供給されている。ダウンミキサーDWN_MIX_PMでは一方の入力信号と他方の入力信号とのミキシングが行われる。従って、ダウンミキサーDWN_MIX_PMの出力から、2つの入力信号の差の周波数の帰還信号が形成されて、送信系オフセットPLL回路TX_Offset_PLLの位相比較器PCの他方の入力端子に供給される。また、位相比較器PCの一方の入力端子には、送信ミキサTX_MIX_I、Qの出力に接続された加算器の出力のベクトル合成された中間周波送信信号fIFが基準信号として供給されている。中間周波数分周器DIV2(1/NIF)の分周数NIFである26と90度位相シフタでの分周数2とで、合計分周数は52となっている。従って、中間周波送信信号fIFの周波数は、全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)19に含まれたディジタル制御発振器(DCO)の周波数の1/52となる。また、送信系オフセットPLL回路TX_Offset_PLLの負帰還制御によって、位相比較器PCの一方の入力端子の基準信号と他方の入力端子のダウンミキサーDWN_MIX_PMから帰還信号とは一致するようになる。結果としては、略1.7GHz(1710〜1785MHz)のRF送信信号のDCS1800と略1.9GHz(1850〜1910MHz)のRF送信信号のPCS1900との送信動作に、全ディジタルフェーズロックドループ(ADPLL)19に含まれたディジタル制御発振器(DCO)と送信用TX-VCO2とは送信周波数の略2倍の略3.6GHzから略3.9GHzで発振すれば良くなる。この2つの周波数帯域の送信動作で、この2つの電圧制御発振器を1.7GHz〜1.9GHzで発振させるためには、極めて大きな容量の可変容量が必要となる。その結果、RFICのチップ占有面積と消費電力増大となる。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、図8に示したRF半導体集積回路の半導体チップはベースバンドLSIの半導体チップと統合された統合ワンチップとすることもできる。
また本発明はRF半導体集積回路以外にも、マイクロプロセッサやシステムLSIでCPU、画像処理アクセラレータ、周辺モジュール等の機能モジュールに動作クロックを供給するための全ディジタルフェーズロックドループとしても利用することができる。これらの機能モジュールは、動作状態によってスリープディープスタンバイ状態、低速動作状態、高速動作状態に切り換えられる。このように機能モジュールに供給される動作クロックが停止状態、低速クロック、高速クロックに切り換えられる際に、本発明の全ディジタルフェーズロックドループによる高速ロック特性を活用することができる。また、本発明の全ディジタルフェーズロックドループの定常ロック状態での低ジッタ性能により、ディジタル雑音による影響の少ない動作クロックを機能モジュールに供給することができる。
図1は、本発明の1つの実施の形態による半導体集積回路に内蔵された全ディジタルフェーズロックドループの構成を示す図である。 図2は、全ディジタルフェーズロックドループの過渡応答による波形を示す図である。 図3は、図1に示した全ディジタルフェーズロックドループの位相周波数検出器の構成と各部の波形を示す図である。 図4は、図1に示した全ディジタルフェーズロックドループのタイム・ディジタル変換器の構成と各部の波形を示す図である。 図5は、図1に示した全ディジタルフェーズロックドループのディジタル制御発振器の構成を示す図である。 図6は、図1に示した全ディジタルフェーズロックドループのディジタル制御発振器の他の構成を示す図である。 図7は、図1に示した全ディジタルフェーズロックドループのディジタルループフィルタのより具体的な構成を示す図である。 図8は、本発明の他の実施の形態によるコンプレストモードに対応する携帯電話用RFICの構成を示す図である。
符号の説明
10 位相周波数検出器ト
11 タイム・ディジタル変換器
12 ディジタルループフィルタ
12a 比例パス
12b、12c、12d 積分パス
12e 加算器
13 ディジタル制御発振器
14 フィードバック分周器
RFIC RF半導体集積回路
Rx_INT 受信系ディジタルインターフェース
Rx_SPU_WCDMA WCDMA方式受信回路
Rx_SPU_GSM GSM方式受信回路
Frct_Synth フラクショナルPLLシンセサイザ
ADPLL 全ディジタルフェーズロックドループ
22 水晶振動子
40 システム基準電圧制御発振器
Tx_SPU_GSM GSM方式送信回路
Tx_SPU_WCDMA WCDMA送信受信回路
Tx_INT 送信系ディジタルインターフェース

Claims (16)

  1. 位相比較器と、ディジタルループフィルタと、ディジタル制御発振器と、フィードバック分周器とを含むディジタルフェーズロックドループを具備するものであり、
    前記位相比較器は、第1入力端子と第2入力端子との入力信号の位相差に応答するディジタル位相出力信号を生成して、
    前記ディジタルループフィルタには、前記位相比較器からの前記ディジタル位相出力信号が供給され、
    前記ディジタル制御発振器に前記ディジタルループフィルタの出力信号が供給されることにより、前記ディジタルループフィルタの前記出力信号に応答して前記ディジタル制御発振器の発振出力信号の発振周波数が制御され、
    前記ディジタル制御発振器の前記発振出力信号が供給されることにより、前記フィードバック分周器は前記位相比較器の前記第2入力端子に分周出力信号を供給するものであり、
    前記ディジタルループフィルタは、第1ゲインを有して前記位相比較器の前記ディジタル位相出力信号が供給される比例パスと、第2ゲインを有して前記位相比較器の前記ディジタル位相出力信号が供給される積分パスと、前記位相比較器の前記ディジタル位相出力信号の大きさを判定する判定器とを含み、
    前記位相比較器の前記ディジタル位相出力信号の大きさが所定の基準値よりも大きい場合には、前記判定器は前記第2ゲインと前記第1ゲインとの比を大に設定するものである半導体集積回路。
  2. 前記位相比較器の前記ディジタル位相出力信号の大きさが前記所定の基準値よりも小さい場合には、前記判定器は前記第2ゲインと前記第1ゲインとの前記比を前記大な値よりも小さな値に設定するものである請求項1に記載の半導体集積回路。
  3. 前記位相比較器は、位相周波数検出器とタイム・ディジタル変換器とを含み、
    前記位相周波数検出器は、前記第1入力端子と前記第2入力端子との前記入力信号の前記位相差に応答するパルス幅を有するパルス信号を生成して、
    前記タイム・ディジタル変換器は、その入力端子に供給される前記パルス信号号の前記パルス幅に応答する前記ディジタル位相出力信号としてのマルチビットのディジタル変換出力信号を生成するものである請求項2に記載の半導体集積回路。
  4. 前記ディジタル制御発振器は前記位相比較器の前記タイム・ディジタル変換器の出力から前記ディジタルループフィルタを介して供給される前記マルチビットのディジタル変換出力信号に応答して前記発振出力信号の前記発振周波数を変化するものである請求項3に記載の半導体集積回路。
  5. 前記ディジタル制御発振器は前記マルチビットの前記ディジタル変換出力信号によって活性・非活性が制御される複数のインバータを含むリング発振器により構成されている請求項4に記載の半導体集積回路。
  6. 前記ディジタル制御発振器はクロスカップル接続された一対の増幅素子と、前記一対の増幅素子の負荷としてのLCタンク回路とで構成され、
    前記LCタンク回路は、前記マルチビットの前記ディジタル変換出力信号によってそのスイッチのオン・オフ制御される複数の容量を含むものである請求項4に記載の半導体集積回路。
  7. 前記前記ディジタルループフィルタの前記比例パスと前記積分パスとはそれぞれマルチビット入力の第1ディジタル乗算器とマルチビット入力の第2ディジタル乗算器とを含むものである請求項4に記載の半導体集積回路。
  8. 携帯電話のマルチバンドのRF送受信のためのマルチ信号処理回路を更に具備して、
    前記ディジタルフェーズロックドループは、前記マルチ信号処理回路に供給される送受信ローカル信号を生成するPLLシンセサイザである請求項4に記載の半導体集積回路。
  9. WCDMA方式RF送受信信号処理回路と、GSM方式RF送受信信号処理回路と、前記WCDMA方式RF送受信信号処理回路と前記GSM方式RF送受信信号処理回路とに供給される送受信ローカル信号を生成するPLLシンセサイザとを具備してなり、
    前記PLLシンセサイザは、位相比較器と、ディジタルループフィルタと、ディジタル制御発振器と、フィードバック分周器とを含むディジタルフェーズロックドループで構成され、
    前記ディジタルフェーズロックドループで構成された前記PLLシンセサイザの定常ロック状態では、前記ディジタルループフィルタの帯域角周波数は前記定常ロック状態に対応する所定の値に設定され、
    前記半導体集積回路が搭載された携帯電話がGSMの基地局とWCDMAの基地局の間を遷移するコンプレストモードでの前記ディジタルフェーズロックドループで構成された前記PLLシンセサイザのロック動作の初期では、前記ディジタルループフィルタの前記帯域角周波数の値は前記定常ロック状態の前記所定の値よりも大きな値に設定される半導体集積回路。
  10. 前記位相比較器は、第1入力端子と第2入力端子との入力信号の位相差に応答するディジタル位相出力信号を生成して、
    前記ディジタルループフィルタには、前記位相比較器からの前記ディジタル位相出力信号が供給され、
    前記ディジタル制御発振器に前記ディジタルループフィルタの出力信号が供給されることにより、前記ディジタルループフィルタの前記出力信号に応答して前記ディジタル制御発振器の発振出力信号の発振周波数が制御され、
    前記ディジタル制御発振器の前記発振出力信号が供給されることにより、前記フィードバック分周器は前記位相比較器の前記第2入力端子に分周出力信号を供給するものであり、
    前記ディジタルループフィルタは、第1ゲインを有して前記位相比較器の前記ディジタル位相出力信号が供給される比例パスと、第2ゲインを有して前記位相比較器の前記ディジタル位相出力信号が供給される積分パスと、前記位相比較器の前記ディジタル位相出力信号の大きさを判定する判定器とを含み、
    前記位相比較器の前記ディジタル位相出力信号の大きさが所定の基準値よりも大きい場合には、前記判定器は前記第2ゲインと前記第1ゲインとの比を大に設定するものである請求項9に記載の半導体集積回路。
  11. 前記位相比較器の前記ディジタル位相出力信号の大きさが前記所定の基準値よりも小さい場合には、前記判定器は前記第2ゲインと前記第1ゲインとの前記比を前記大な値よりも小さな値に設定するものである請求項10に記載の半導体集積回路。
  12. 前記位相比較器は、位相周波数検出器とタイム・ディジタル変換器とを含み、
    前記位相周波数検出器は、前記第1入力端子と前記第2入力端子との前記入力信号の前記位相差に応答するパルス幅を有するパルス信号を生成して、
    前記タイム・ディジタル変換器は、その入力端子に供給される前記パルス信号号の前記パルス幅に応答する前記ディジタル位相出力信号としてのマルチビットのディジタル変換出力信号を生成するものである請求項11に記載の半導体集積回路。
  13. 前記ディジタル制御発振器は前記位相比較器の前記タイム・ディジタル変換器の出力から前記ディジタルループフィルタを介して供給される前記マルチビットのディジタル変換出力信号に応答して前記発振出力信号の前記発振周波数を変化するものである請求項12に記載の半導体集積回路。
  14. 前記ディジタル制御発振器は前記マルチビットの前記ディジタル変換出力信号によって活性・非活性が制御される複数のインバータを含むリング発振器により構成されている請求項12に記載の半導体集積回路。
  15. 前記ディジタル制御発振器はクロスカップル接続された一対の増幅素子と、前記一対の増幅素子の負荷としてのLCタンク回路とで構成され、
    前記LCタンク回路は、前記マルチビットの前記ディジタル変換出力信号によってそのスイッチのオン・オフ制御される複数の容量を含むものである請求項12に記載の半導体集積回路。
  16. 前記前記ディジタルループフィルタの前記比例パスと前記積分パスとはそれぞれマルチビット入力の第1ディジタル乗算器とマルチビット入力の第2ディジタル乗算器とを含むものである請求項13に記載の半導体集積回路。
JP2007190501A 2007-07-23 2007-07-23 半導体集積回路 Expired - Fee Related JP5005455B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007190501A JP5005455B2 (ja) 2007-07-23 2007-07-23 半導体集積回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007190501A JP5005455B2 (ja) 2007-07-23 2007-07-23 半導体集積回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009027581A true JP2009027581A (ja) 2009-02-05
JP5005455B2 JP5005455B2 (ja) 2012-08-22

Family

ID=40398935

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007190501A Expired - Fee Related JP5005455B2 (ja) 2007-07-23 2007-07-23 半導体集積回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5005455B2 (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011130435A (ja) * 2009-12-17 2011-06-30 Intel Corp 適応デジタル位相ロックループ
JP2011188027A (ja) * 2010-03-04 2011-09-22 Fujitsu Semiconductor Ltd 受信装置及びゲイン設定方法
WO2012101774A1 (ja) * 2011-01-26 2012-08-02 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体装置
CN102648581A (zh) * 2009-12-07 2012-08-22 高通股份有限公司 可配置数字模拟锁相环路
US8508303B2 (en) 2009-04-01 2013-08-13 Panasonic Corporation Digital frequency/phase locked loop
US8515374B2 (en) 2009-07-02 2013-08-20 Semiconductor Components Industries, Llc PLL circuit, and radio communication apparatus equipped with same
KR20150069497A (ko) * 2013-12-13 2015-06-23 한양대학교 산학협력단 다중 적분 경로를 이용하는 디지털 위상 고정 루프 및 이의 동작 방법
CN104753559A (zh) * 2013-12-27 2015-07-01 联芯科技有限公司 频率校正突发信号搜索方法和装置
JP2015207827A (ja) * 2014-04-17 2015-11-19 富士通株式会社 位相同期回路
KR101590701B1 (ko) 2014-04-07 2016-02-02 서울대학교산학협력단 디지털 루프 필터 및 이를 이용한 디지털 위상 고정 루프
JP2016129369A (ja) * 2009-03-30 2016-07-14 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated 改善された分解能を有する時間デジタル変換器(tdc:time−to−digitalconverter)
WO2016144024A1 (ko) * 2015-03-06 2016-09-15 서울대학교 산학협력단 신호 수신 장치
CN107026646A (zh) * 2016-01-06 2017-08-08 恩智浦有限公司 数字锁相环
JP2017199946A (ja) * 2016-04-25 2017-11-02 セイコーエプソン株式会社 回路装置、発振器、電子機器及び移動体
JP2019176403A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 セイコーエプソン株式会社 回路装置、発振器、電子機器及び移動体

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0219025A (ja) * 1988-07-06 1990-01-23 Yokogawa Electric Corp 位相同期ループ回路
JPH10209860A (ja) * 1997-01-28 1998-08-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 位相同期ループ装置
JPH10228730A (ja) * 1997-02-17 1998-08-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd クロック生成回路
JP2000078001A (ja) * 1998-08-31 2000-03-14 Kyocera Corp デジタルpll回路
JP2000261316A (ja) * 1999-03-10 2000-09-22 Victor Co Of Japan Ltd 位相同期回路
JP2002033660A (ja) * 2000-04-20 2002-01-31 Texas Instr Inc <Ti> デジタル制御発信器同調入力をタイムディザリングするシステムおよび方法
JP2002208870A (ja) * 2001-01-11 2002-07-26 Toshiba Corp マルチモード無線通信装置
JP2005294981A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 位相同期回路
JP2007110370A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Fujitsu Ltd デジタル位相検出器
US20070126513A1 (en) * 2005-12-06 2007-06-07 Etron Technology, Inc. Self-test digital phase-locked loop and method thereof

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0219025A (ja) * 1988-07-06 1990-01-23 Yokogawa Electric Corp 位相同期ループ回路
JPH10209860A (ja) * 1997-01-28 1998-08-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 位相同期ループ装置
JPH10228730A (ja) * 1997-02-17 1998-08-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd クロック生成回路
JP2000078001A (ja) * 1998-08-31 2000-03-14 Kyocera Corp デジタルpll回路
JP2000261316A (ja) * 1999-03-10 2000-09-22 Victor Co Of Japan Ltd 位相同期回路
JP2002033660A (ja) * 2000-04-20 2002-01-31 Texas Instr Inc <Ti> デジタル制御発信器同調入力をタイムディザリングするシステムおよび方法
JP2002208870A (ja) * 2001-01-11 2002-07-26 Toshiba Corp マルチモード無線通信装置
JP2005294981A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 位相同期回路
JP2007110370A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Fujitsu Ltd デジタル位相検出器
US20070126513A1 (en) * 2005-12-06 2007-06-07 Etron Technology, Inc. Self-test digital phase-locked loop and method thereof

Cited By (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016129369A (ja) * 2009-03-30 2016-07-14 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated 改善された分解能を有する時間デジタル変換器(tdc:time−to−digitalconverter)
US8508303B2 (en) 2009-04-01 2013-08-13 Panasonic Corporation Digital frequency/phase locked loop
JP5329646B2 (ja) * 2009-04-01 2013-10-30 パナソニック株式会社 デジタル周波数/位相ロックドループ
US8515374B2 (en) 2009-07-02 2013-08-20 Semiconductor Components Industries, Llc PLL circuit, and radio communication apparatus equipped with same
CN102648581A (zh) * 2009-12-07 2012-08-22 高通股份有限公司 可配置数字模拟锁相环路
JP2013513343A (ja) * 2009-12-07 2013-04-18 クゥアルコム・インコーポレイテッド 設定可能なデジタル−アナログ位相ロックループ
US8884672B2 (en) 2009-12-07 2014-11-11 Qualcomm Incorporated Configurable digital-analog phase locked loop
JP2011130435A (ja) * 2009-12-17 2011-06-30 Intel Corp 適応デジタル位相ロックループ
US8502582B2 (en) 2009-12-17 2013-08-06 Intel Corporation Adaptive digital phase locked loop
JP2011188027A (ja) * 2010-03-04 2011-09-22 Fujitsu Semiconductor Ltd 受信装置及びゲイン設定方法
US9154143B2 (en) 2011-01-26 2015-10-06 Renesas Electronics Corporation Semiconductor device
WO2012101774A1 (ja) * 2011-01-26 2012-08-02 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体装置
KR20150069497A (ko) * 2013-12-13 2015-06-23 한양대학교 산학협력단 다중 적분 경로를 이용하는 디지털 위상 고정 루프 및 이의 동작 방법
KR101680935B1 (ko) 2013-12-13 2016-12-12 한양대학교 산학협력단 다중 적분 경로를 이용하는 디지털 위상 고정 루프 및 이의 동작 방법
CN104753559A (zh) * 2013-12-27 2015-07-01 联芯科技有限公司 频率校正突发信号搜索方法和装置
KR101590701B1 (ko) 2014-04-07 2016-02-02 서울대학교산학협력단 디지털 루프 필터 및 이를 이용한 디지털 위상 고정 루프
JP2015207827A (ja) * 2014-04-17 2015-11-19 富士通株式会社 位相同期回路
WO2016144024A1 (ko) * 2015-03-06 2016-09-15 서울대학교 산학협력단 신호 수신 장치
CN107026646A (zh) * 2016-01-06 2017-08-08 恩智浦有限公司 数字锁相环
CN107026646B (zh) * 2016-01-06 2022-05-31 恩智浦有限公司 数字锁相环
JP2017199946A (ja) * 2016-04-25 2017-11-02 セイコーエプソン株式会社 回路装置、発振器、電子機器及び移動体
JP2019176403A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 セイコーエプソン株式会社 回路装置、発振器、電子機器及び移動体
CN110324039A (zh) * 2018-03-29 2019-10-11 精工爱普生株式会社 电路装置、振荡器、电子设备以及移动体
JP7210891B2 (ja) 2018-03-29 2023-01-24 セイコーエプソン株式会社 回路装置、発振器、電子機器及び移動体
CN110324039B (zh) * 2018-03-29 2023-06-02 精工爱普生株式会社 电路装置、振荡器、电子设备以及移动体

Also Published As

Publication number Publication date
JP5005455B2 (ja) 2012-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5005455B2 (ja) 半導体集積回路
US7504903B2 (en) Communication semiconductor integrated circuit device and a wireless communication system
JP5048847B2 (ja) ゲート時間/デジタル変換器を有するデジタル位相ロックドループ
US7499688B2 (en) Communication semiconductor integrated circuit device and a wireless communication system
US8145171B2 (en) Clock clean-up phase-locked loop (PLL)
US7301416B2 (en) Semiconductor integrated circuit for wireless communication
JP2005109618A (ja) 通信用半導体集積回路および携帯端末システム
JP2004173177A (ja) Pll回路
JP5202213B2 (ja) 周波数シンセサイザ及び無線送信装置
US11271574B1 (en) Frequency synthesizer with selectable modes
JP2005167536A (ja) 通信用半導体集積回路および無線通信システム
Leenaerts et al. A 15-mW fully integrated I/Q synthesizer for Bluetooth in 0.18-μm CMOS
JP2008148274A (ja) Rf通信用半導体集積回路
EP1656741B1 (en) Provision of local oscillator signals
de Peslouan et al. A new frequency synthesizers stabilization method based on a mixed Phase Locked Loop and Delay Locked Loop architecture
KR20170009871A (ko) 재구성가능한 주파수 디바이더
JP2006041580A (ja) 通信用半導体集積回路
JP3596172B2 (ja) Pll周波数シンセサイザ
JP2006262439A (ja) Pll回路を内蔵する通信用半導体集積回路
JP2007281806A (ja) マルチモード対応周波数シンセサイザ
JP2007235523A (ja) 周波数シンセサイザ、それを用いた無線通信システム及び周波数シンセサイザの制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100514

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100709

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120510

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120523

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150601

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees