JP2009024235A - 表面処理方法 - Google Patents

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耕三 井上
Shuji Tsunematsu
修二 恒松
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Abstract

【課題】良好な発色性を実現する陽極酸化皮膜を短時間で効率よく形成するための表面処理方法を提供する。
【解決手段】本発明の表面処理方法は、電解質としてフッ化物のみを含む電解液に電圧を印加して該電解液内に配置したマグネシウム系金属の表面を陽極酸化する方法である。これによれば、フッ化マグネシウムを主成分とする陽極酸化皮膜をマグネシウム系金属の表面に形成することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、マグネシウム系金属の表面処理方法に関するものであり、特に、これらの表面に良好な発色性を実現する陽極酸化皮膜を短時間で効率よく形成するための表面処理方法に関するものである。
マグネシウムまたはその合金からなるマグネシウム系金属は、実用金属の中で軽量であり且つ比強度も大きいので、その特性を利用して、航空機、自動車、二輪車等の構造材、内外装部品、家電製品の部品、カバン、スーツケース等の収納容器類、更にはコンピュータ、音響等の電子工業製品の部品等に広く用いられている。
しかしながら、マグネシウム系金属は実用金属の中で最も活性な金属であるため、海水、塩化物水溶液、あるいは酸に対する耐食性が著しく劣るという欠点を有している。さらに、大気中ですぐに酸化されて表面に薄い皮膜が形成されるため、塗装し難く、また塗膜密着性も著しく低下するという欠点も有している。
このため、従来、マグネシウム系金属の耐食性、塗膜の密着性等を向上させるために、複数の化合物を混合した電解液を用いて陽極酸化皮膜をマグネシウム系金属の表面に形成することが行われている(例えば、特許文献1参照)。上記特許文献1では、具体的には、電解液として、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩を1種類以上含む水溶液に皮膜形成安定剤を添加してなる電解液が用いられている。また、上記皮膜形成安定剤としては、無機化合物(NaNO、KNO等)、または有機化合物((CHOH)、(CHCHCOOH)等)等が用いられている。
特開平9−176894号公報(1997年7月8日公開)
しかしながら、上記従来のマグネシウム系金属の陽極酸化皮膜は灰色およびブロンズ色等に着色している。そのため、塗料を塗ったときに良好な発色性を示さないという問題がある。また、電解処理と共に電解液の溶液組成が変化するため、複数の化合物が含有されている電解液の溶液組成を維持管理するためには多大な労力が必要となるという問題がある。また、従来法を用いた陽極酸化皮膜の形成には数分〜数十分間の通電処理が必要であるので、生産性が悪く、コストが高くなるという問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な発色性を実現する陽極酸化皮膜を短時間で効率よく形成するための表面処理方法を提供することにある。
本発明の表面処理方法は、上記課題を解決するために、電解質としてフッ化物のみを含む電解液に電圧を印加して該電解液内に配置したマグネシウム系金属の表面を陽極酸化することを特徴としている。
本発明に用いる電解液を電気分解して生じるフッ素イオンと、電解液中に配置されたマグネシウム系金属とが反応(陽極酸化)して、マグネシウム系金属の表面にフッ化マグネシウムを主成分とする陽極酸化皮膜が形成する。フッ化マグネシウムは白色であるので、陽極酸化皮膜は白色になる。このように、本発明を用いれば塗料に対して良好な発色性を実現することができる陽極酸化皮膜をマグネシウム系金属の表面上に形成することができる。
また、フッ化マグネシウムを主成分とする陽極酸化皮膜は、均一性が高く、緻密性が高い。さらに、本発明を用いれば、従来の陽極酸化皮膜と同等の耐食性を有する陽極酸化皮膜によってマグネシウム系金属の表面を短時間で一様に覆うことができる。このように、本発明の表面処理方法は、マグネシウム系金属の皮膜形成の効率がよい。したがって、本発明を用いれば、陽極酸化皮膜を有するマグネシウム系金属の生産効率を上げること、および陽極酸化に費やすコストを抑えることができる。また、本発明において用いられる電解液には、フッ化物のみしか含まれていないので、電解液の調製や維持を容易に行うことができる。
さらに、一般の陽極酸化では、陽極酸化皮膜の生成とともに電流が流れにくくなり、陽極酸化皮膜の厚みにムラが生じる。そして陽極酸化皮膜の薄い箇所で絶縁破壊が起こり、その結果、この絶縁破壊が起こった箇所で局所的に電流が流れて火花放電がおこり、陽極酸化皮膜の表面に無数の穴が形成される。また、陽極酸化以外にも水の電気分解が起こり、陽極のマグネシウム系金属の表面において酸素ガスが発生する。この反応は陽極酸化皮膜の形成には寄与しない副反応であるので、酸素ガスが発生すると陽極酸化の電流効率が低下し、その結果、陽極酸化皮膜の形成効率が低下する。
しかしながら、上述したようにフッ化マグネシウムを主成分とする陽極酸化皮膜はマグネシウム系金属の表面を一様に覆うことができるので、陽極酸化皮膜の厚みムラがほとんど発生しなくなる。このため当該陽極酸化皮膜の生成時に発生する絶縁破壊および火花放電を防止することができる。この理由から、上記表面処理方法によって、穴の少ない平滑な表面の陽極酸化皮膜を形成することができる。また、フッ化物を用いることにより電解液の電流効率が向上するので水の電気分解が起こりにくくなり、陽極において酸素ガスがほとんど発生しない。これによれば、陽極酸化の電流効率が低下しないので、陽極酸化皮膜の形成効率が向上する。
本発明の表面処理方法では、前記電解液のpHが7〜12の範囲であることが好ましい。pHが12を超える強アルカリ性では、火花放電が生じやすくなり、皮膜表面が荒れることになる。また、pHが7未満であるとフッ化物のみ含有電解液から有毒なフッ化水素酸が発生するので、安全に表面処理を行うことが困難になる。それ故、電解液のpHが上記範囲内であれば、火花放電が発生せず、有毒なフッ化水素酸が生じることがないので、耐食性および発色性に優れた陽極酸化皮膜を安全に形成することができる。
電解液のpHを上記範囲内に設定するために、電解質としてのフッ化物は、フッ化アンモニウム、フッ化ナトリウム、フッ化リチウム、およびフッ化アルミニウムからなる群より選ばれる1つ以上の化合物であることが好ましい。特に、上記の表面処理方法において、フッ化物としてフッ化アンモニウムを用いた場合には、電解液中にはアンモニウムイオンが生成し、電解液のpHに応じてアンモニウムイオンからアンモニアが発生する。アンモニアは電解液から大気中へ放出されるため電解液のpHが高くならない。それ故、電解液のpHを上記範囲内に容易に維持することができる。
本発明の表面処理方法では、マグネシウム系金属がカルシウムを含んでいることが好ましい。マグネシウム系金属に陽極酸化皮膜が形成されるとマグネシウム系金属への通電性が低下するため、定電流の電解処理では印加電圧が上昇し、火花放電が発生しやすい状態になる。しかしながら、カルシウムを含んでいるマグネシウム系金属を用いれば、電気分解の際にフッ化マグネシウムだけでなく難溶性のフッ化カルシウムも陽極酸化皮膜として生じる。生成した陽極酸化皮膜は均一性がよいため、局所的絶縁破壊による火花放電も発生せず、ほとんど穴のない平滑な表面の皮膜を形成することができる。
本発明の表面処理方法では、上記電圧を印加する時間は、10秒間〜5分間であることが好ましい。電圧の印加時間が上記範囲内であれば、十分な耐食性を発揮することができる厚みを有する陽極酸化皮膜を形成することができる。また、電圧の印加時間が従来の表面処理方法の電圧の印加時間と比べて短いので、陽極酸化皮膜を有するマグネシウム系金属の生産効率をさらに上げることや、陽極酸化に費やすコストを抑えることができる。
本発明の表面処理方法に用いる電圧は、パルス電圧であることが好ましい。陽極酸化では、フッ素イオンがマグネシウム合金に取り込まれるので、マグネシウム合金と電解液との接液界面部分ではフッ素イオンの濃度が低下する。フッ素イオン濃度が低下すると、陽極酸化の代わりに水の電気分解による酸素ガスが発生しやすいため、電流効率が低下する。
しかしながら、上記表面処理方法ではパルス電圧を用いるので、電圧オフの際には陽極酸化が起こらず、その間にフッ素イオンが上記界面付近に拡散して上記界面部分のフッ素イオン量が補充される。即ち、パルス電圧を印加することにより、上記界面部分のフッ素イオン濃度を一定に維持することができる。これにより、水の電気分解を抑制することができるので、表面がより滑らかな陽極酸化膜を形成することができる。ここで、パルス電圧は、0.1秒間〜2秒間印加された後、0.1秒間〜10秒間電圧を印加されないことを1サイクルとして、繰り返し印加されることが好ましい。
また、本発明のマグネシウム系金属の表面に白色の陽極酸化皮膜を形成する方法は、電解質としてフッ化物のみを含む電解液に電圧を印加して該電解液内に配置したマグネシウム系金属の表面を陽極酸化することを特徴としている。これによれば、上述したように本発明に用いる電解液を電気分解することで、マグネシウム系金属の表面にフッ化マグネシウムを主成分とする白色の陽極酸化皮膜が形成する。フッ化マグネシウムを主成分とする陽極酸化皮膜は、均一性および緻密性が高い。さらに、本発明を用いれば、従来の陽極酸化皮膜と同等の耐食性を有する白色の陽極酸化皮膜によってマグネシウム系金属の表面を短時間で一様に覆うことができる。このように、本発明の表面処理方法は、マグネシウム系金属の皮膜形成の効率がよい。
したがって、本発明を用いれば、白色の陽極酸化皮膜を有するマグネシウム系金属の生産効率を上げること、および陽極酸化に費やすコストを抑えることができる。また、本発明において用いられる電解液には、フッ化物のみしか含まれていないので、電解液の調製や維持を容易に行うことができる。
さらに、上述したようにフッ化マグネシウムを主成分とする陽極酸化皮膜はマグネシウム系金属の表面を一様に覆うことができるので、陽極酸化皮膜の厚みムラがほとんど発生しなくなる。このため当該陽極酸化皮膜の生成時に発生する絶縁破壊および火花放電を防止することができる。また、フッ化物を用いることにより電解液の電流効率が向上するので水の電気分解が起こりにくくなり、陽極において酸素ガスが発生しない。このように、本発明の白色皮膜形成方法を用いれば、マグネシウム系金属の表面に、白色でありかつ穴の少ない平滑な表面を有する陽極酸化皮膜を形成することができる。
本発明の表面処理方法を用いれば、平滑な表面を有する陽極酸化皮膜を短時間で効率よく形成することができ、本発明を用いて形成した皮膜は、平滑な表面を有し、かつ塗料に対して良好な発色性を実現することができる。また、本発明において用いられる電解液には、フッ化物のみしか含まれていないので、電解液の調製や維持を容易に行うことができる。
本発明は、表面処理方法を提供する。本発明の表面処理方法は、マグネシウム系金属の表面処理のためのものであり、電解質としてフッ化物のみを含む電解液に電圧を印加してこの電解液内に配置したマグネシウム系金属の表面を陽極酸化することを特徴としている。
本明細書中において、用語「マグネシウム系金属」は、マグネシウムまたはマグネシウム合金からなる金属(金属材料)を意味する。本発明の表面処理方法に用いられるマグネシウム合金としては、特に限定されないが、例えば、Mg−Al系合金(例えば、AM100A等)、Mg−Al−Zn系合金(例えば、AZ31A、AZ31B、AZ31C、AZ61A、AZ80A等)、Mg−Zn−Zr系合金(例えば、ZK51A、ZK61A、ZK60、M6、M5、M4等)、Mg−希土類元素系合金(例えば、EZ33A、ZE41A、QE22A等)等が挙げられる。
また、カルシウム含有マグネシウム合金であるMg−Ca系合金も本発明の表面処理方法に好適に使用される。なお、マグネシウム合金中に含まれる非マグネシウム金属の量は特に限定されないが、例えば、マグネシウム100重量%に対して、50重量%以下が好ましい。
電解液内におけるマグネシウム系金属の配置は、挿入であっても浸漬であってもよい。
本発明に用いられる電解液は、電解質としてフッ化物のみが使用されていればよく、溶媒として水が使用されていればよい。
また、本発明に用いられる電解液のpHは7〜12であることが好ましく、7〜11であることがより好ましく、8〜11であることがさらに好ましい。pHが12以下であれば、火花放電が発生せず、pHが7以上であれば、有毒なフッ化水素酸が生じることがない。このようなpHを提供するフッ化物としては、特に限定されないが、フッ化アンモニウム、フッ化ナトリウム、フッ化リチウム、フッ化アルミニウムなどが好ましい。これらのフッ化物は、単独に用いられても組み合わせて用いられてもよい。
本発明に用いられるフッ化物としては、フッ化アンモニウムが好ましい。フッ化アンモニウムを用いて電気分解を行うと、電解液中にアンモニウムイオンが生成し、電解液のpHに応じてアンモニウムイオンからアンモニアが発生する。アンモニアは電解液から大気中へ放出されるため電解液のpHが高くならない。それ故、電解液のpHを上記範囲内に容易に維持することができる。また、本発明に用いられるフッ化物の濃度は、0.5重量%〜10重量%が好ましく、1重量%〜5重量%がより好ましく、2重量%〜4重量%がさらに好ましい。
本発明の表面処理に用いられるマグネシウム系金属の形状としては、特に限定されず、例えば、板状、管状、棒状、球状、二次元もしくは三次元の繊維状、またはハニカム等の所望の形状が上げられる。また、それらの形状を成形する方法としては、特に限定されず、例えば、プレス加工などの塑性加工、ダイキャスト法、チクソモールド法等の従来公知の方法が挙げられる。
本発明の表面処理方法によって形成される陽極酸化皮膜の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.5μm〜20μmであり、2μm〜10μmであることが好ましく、3μm〜6μmであることがより好ましい。陽極酸化皮膜の厚みが上記範囲内であれば、従来の陽極酸化皮膜と同等の耐食性が得られる。
本発明の表面処理方法における電圧の印加は、定電圧で実施されても良いし、定電流で実施されても良い。定電圧で実施される場合は、電圧の値は、特に限定されないが、例えば、10V〜300Vであり、好ましくは15V〜150Vであり、より好ましくは20V〜100Vである。また、定電流で実施される場合は、電流密度の値は、特に限定されないが、例えば、0.5A/dm〜20A/dmであり、好ましくは1A/dm〜10A/dmであり、より好ましくは2A/dm〜5A/dmである。上記範囲内の電圧または電流密度では、火花放電が起こりにくいため、表面が滑らかな陽極酸化皮膜を形成することができる。
本発明の表面処理方法における電圧の種類は、特に限定されないが、例えば、直流電圧、交流電圧、パルス電圧等の従来公知の電圧を用いることができるが、表面がより滑らかな陽極酸化膜を形成することができるという理由からパルス電圧であることがより好ましい。なお、直流電圧、交流電圧、パルス電圧の印加は、特に限定されず、例えば、直流電源、交流電源、パルス電源をそれぞれ用いることにより実施することができる。
また、電解処理により電極と電解液との界面でフッ素イオンが消耗されるため、界面付近のフッ素イオン濃度は低下するが、パルス電源を用いた場合では電圧オフの際には陽極酸化が起こらず、その間にフッ素イオンが上記界面付近に拡散して上記界面部分のフッ素イオン量が補充される。即ち、パルス電圧を用いることにより、上記界面部分のフッ素イオン濃度を一定に維持することができる。これによれば、電荷移動が低下しないため、パルス電圧の方が直流電圧や交流電圧よりも電圧が低くなり、表面処理に費やすコストを抑えることができる。
電圧の印加時間については、直流電圧、交流電圧、パルス電圧等のいずれ種類の電圧を用いた場合であっても5分間以下の印加時間によって所望の効果を得ることができるが、それ以上の印加時間であってもよい。なお、本発明に用いられる電圧の印加時間は、10秒間〜5分間であることが好ましく、30秒間〜5分間であることがより好ましく、30秒間〜3分間であることがさらに好ましい。これによれば、電圧の印加時間が従来の表面処理方法の電圧の印加時間と比べて短いので、従来の表面処理方法よりも早く陽極酸化皮膜を形成することができる。そのため、表面処理にかかるコストを安くすることができる。特に、カルシウム含有マグネシウム合金を用いた場合には、電流効率がよく、生成皮膜が緻密であるため、所望の陽極酸化皮膜の形成に必要な時間をより短縮することができる。
電圧の印加時間が上記範囲内であれば、適切な厚みを有する陽極酸化皮膜を形成することができる。なお、電圧の印加時間が10秒未満である場合には得られる陽極酸化皮膜の厚みが薄くなり、それの耐食性が不十分となる傾向があり、また電圧の印加時間が5分間を超えても得られる陽極酸化皮膜の耐食性はそれ以上には増加しない傾向がある。
またパルス電圧を印加する場合は、例えば、パルス電圧が、0.1秒間〜2秒間、好ましくは0.2秒間〜1秒間、より好ましくは0.2秒間〜0.5秒間電圧を印加された後、0.1秒間〜10秒間、好ましくは0.2秒間〜5秒間、より好ましくは0.5秒間〜2秒間電圧を印加されないことを1サイクルとして10回〜2000回、好ましくは50回〜1000回、より好ましくは100回〜1000回繰り返し印加される。
パルス電圧の印加条件が上記範囲内であれば、実質的な陽極酸化の時間が、直流電圧または交流電圧等を用いて連続的に陽極酸化を行った時間と同程度であるので、従来の陽極酸化膜と同等の耐食性を有する陽極酸化皮膜を得ることができる。例えば、0.1秒間電圧を印加した後、0.4秒間電圧を印加しないことを1サイクルとして600回繰り返し行った場合の実質的な陽極酸化の時間は、直流電圧または交流電圧等を用いて連続的に60秒間陽極酸化した時間と同じである。
以上のように、本発明の表面処理方法は、電解質としてフッ化物のみを含む電解液に電圧を印加して該電解液内に配置したマグネシウム系金属の表面を陽極酸化する方法である。本方法を用いれば、白色の陽極酸化皮膜を得ることができる。すなわち、本発明は、マグネシウム系金属の表面に白色の陽極酸化皮膜を形成する方法でもあり得る。また、本方法を用いれば、均一性および緻密性が高い陽極酸化皮膜を得ることができる。すなわち、本発明は、マグネシウム系金属の表面に均一性および緻密性が高い陽極酸化皮膜を形成する方法でもあり得る。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔実施例1〕
マグネシウム合金板(AM60合金(宇部興産株式会社)にカルシウムを2wt%添加した組成のマグネシウム合金を圧延処理した試作マグネシウム合金板)を陽極酸化処理に用いた。このマグネシウム合金板(50mm、20mm,2mm)を2wt%フッ化ナトリウム溶液(和光純薬、194−01971、フッ化ナトリウムを使用)に浸漬して、直流電圧の定電流で、電流密度4A/dm、5分間電解処理をした。その結果、白色で厚さが約15μmの陽極酸化皮膜が得られた。なお、電解液のpHは、電解処理前ではpH約8であったが、電解処理後ではpH約9であった。次に、上記陽極酸化皮膜を有するマグネシウムを室温下で5wt%塩化ナトリウム溶液に16時間浸漬した。その結果を図1に示す。図1によれば、腐食は微少であり、耐食性は良好であった。
〔実施例2〕
マグネシウム合金板(実施例1と同じもの)を0.7wt%フッ化ナトリウム溶液に浸漬して、直流電圧の定電流で、電流密度3A/dm、1分間電解処理をした。その結果、白色で厚さが約5μmの陽極酸化皮膜が得られた。次に、上記陽極酸化皮膜を有するマグネシウムを室温下で5wt%塩化ナトリウム溶液に16時間浸漬した。その結果、腐食は微少であり、耐食性は良好であった。
〔実施例3〕
2wt%フッ化ナトリウム溶液を用いた以外は実施例2と同様の条件で電解処理を行った。その結果、白色で厚さが約3μmの陽極酸化皮膜が得られた。次に、上記陽極酸化皮膜を有するマグネシウムを室温下で5wt%塩化ナトリウム溶液に16時間浸漬した。その結果、腐食は微少であり、耐食性は良好であった。
〔実施例4〕
5wt%フッ化ナトリウム溶液を用いた以外は実施例2と同様の条件で電解処理を行った。その結果、白色で厚さが約3μmの陽極酸化皮膜が得られた。次に、上記陽極酸化皮膜を有するマグネシウムを室温下で5wt%塩化ナトリウム溶液に16時間浸漬した。その結果、実施例2、3の陽極酸化皮膜を有するマグネシウムよりも腐食しており、耐食性が悪かった。
〔実施例5〕
10wt%フッ化ナトリウム溶液を用いた以外は実施例2と同様の条件で電解処理を行った。その結果、白色で厚さが約5μmの陽極酸化皮膜が得られた。次に、上記陽極酸化皮膜を有するマグネシウムを室温下で5wt%塩化ナトリウム溶液に16時間浸漬した。その結果、実施例2、3の陽極酸化皮膜を有するマグネシウムよりも腐食しており、耐食性が悪かった。
〔実施例6〕
電解処理の時間を2分間にしたこと以外は実施例2と同様の条件で電解処理を行った。その結果、白色で厚さが約8μmの陽極酸化皮膜が得られた。次に、上記陽極酸化皮膜を有するマグネシウムを室温下で5wt%塩化ナトリウム溶液に16時間浸漬した。その結果、実施例2の陽極酸化皮膜を有するマグネシウムよりも腐食は軽微であり、耐食性は僅かであるが向上していた。
〔実施例7〕
電解処理の時間を5分間にしたこと以外は実施例2と同様の条件で電解処理を行った。その結果、白色で厚さが約14μmの陽極酸化皮膜が得られた。次に、上記陽極酸化皮膜を有するマグネシウムを室温下で5wt%塩化ナトリウム溶液に16時間浸漬した。その結果、実施例2の陽極酸化皮膜を有するマグネシウムよりも腐食は軽微であり、耐食性は僅かであるが向上していた。
〔実施例8〕
電解処理の時間を2分間にしたこと以外は実施例3と同様の条件で電解処理を行った。その結果、白色で厚さが約6μmの陽極酸化皮膜が得られた。次に、上記陽極酸化皮膜を有するマグネシウムを室温下で5wt%塩化ナトリウム溶液に16時間浸漬した。その結果、実施例3の陽極酸化皮膜を有するマグネシウムよりも腐食は軽微であり、耐食性は僅かであるが向上していた。
〔実施例9〕
電解処理の時間を5分間にしたこと以外は実施例3と同様の条件で電解処理を行った。その結果、白色で厚さが約11μmの陽極酸化皮膜が得られた。次に、上記陽極酸化皮膜を有するマグネシウムを室温下で5wt%塩化ナトリウム溶液に16時間浸漬した。その結果、実施例3の陽極酸化皮膜を有するマグネシウムよりも腐食は軽微であり、耐食性は僅かであるが向上していた。
〔実施例10〕
電解処理の時間を2分間にしたこと以外は実施例4と同様の条件で電解処理を行った。その結果、白色で厚さが約7μmの陽極酸化皮膜が得られた。次に、上記陽極酸化皮膜を有するマグネシウムを室温下で5wt%塩化ナトリウム溶液に16時間浸漬した。その結果、実施例4の陽極酸化皮膜を有するマグネシウムよりも腐食は軽微であり、耐食性は僅かであるが向上していた。
〔実施例11〕
電解処理の時間を5分間にしたこと以外は実施例4と同様の条件で電解処理を行った。その結果、白色で厚さが約12μmの陽極酸化皮膜が得られた。次に、上記陽極酸化皮膜を有するマグネシウムを室温下で5wt%塩化ナトリウム溶液に16時間浸漬した。その結果、実施例4の陽極酸化皮膜を有するマグネシウムよりも腐食は軽微であり、耐食性は僅かであるが向上していた。
〔実施例12〕
電解処理の時間を2分間にしたこと以外は実施例5と同様の条件で電解処理を行った。その結果、白色で厚さが約8μmの陽極酸化皮膜が得られた。次に、上記陽極酸化皮膜を有するマグネシウムを室温下で5wt%塩化ナトリウム溶液に16時間浸漬した。その結果、実施例5の陽極酸化皮膜を有するマグネシウムよりも腐食は軽微であり、耐食性は僅かであるが向上していた。
〔実施例13〕
電解処理の時間を5分間にしたこと以外は実施例5と同様の条件で電解処理を行った。その結果、白色で厚さが約15μmの陽極酸化皮膜が得られた。次に、上記陽極酸化皮膜を有するマグネシウムを室温下で5wt%塩化ナトリウム溶液に16時間浸漬した。その結果、実施例5の陽極酸化皮膜を有するマグネシウムよりも腐食は軽微であり、耐食性は僅かであるが向上していた。
〔実施例14〕
マグネシウム合金板(実施例1と同じもの)を2wt%フッ化アンモニウム溶液(和光純薬、013−03095、フッ化アンモニウムを使用)に浸漬して、パルス電圧を印加した。直流電圧の定電流で、電流密度3A/dm、0.2秒間電圧を印加した後、0.8秒間電圧を印加しないことを1サイクルとして300回繰り返した。その結果、白色で厚さ約5μmの陽極酸化皮膜が得られた。なお、電解液のpHは、電解処理前ではpH約7であったが、電解処理後ではpH約8であった。次に、上記陽極酸化皮膜を有するマグネシウムを室温下で5wt%塩化ナトリウム溶液に16時間浸漬した。その結果、実施例2の陽極酸化皮膜を有するマグネシウムよりも腐食は軽微であり、耐食性は良好であった。
〔比較例〕
マグネシウム合金板(実施例1と同じもの)をJIS MX6に準じた条件で陽極酸化した。具体的には、上記マグネシウム合金板を75℃の所定の電解液に浸漬して、直流電圧の定電流で、電流密度4A/dm、5分間電解処理を行った。ここで電解液溶液の組成は、水酸化ナトリウム240g/L、エチレングリコール85ml/L、シュウ酸ナトリウム2.5g/Lである。次に、陽極酸化皮膜を有するマグネシウムを室温下で5wt%塩化ナトリウム溶液に16時間浸漬した。その結果を図2に示す。図2によれば、陽極酸化皮膜は褐色で厚さが約5μmである。また陽極酸化皮膜の表面に無数の穴が開いている。また塩化ナトリウム溶液による腐食は激しく、耐食性は悪かった。
本発明の表面処理方法によれば、発色性、耐食性、平滑性に優れた陽極酸化皮膜をマグネシウム金属の表面に形成することができる。それ故、本発明を、各種家電製品、通信機器、産業機器、航空機、自動車などにおける軽量の筐体、構造体、部品として広範囲な用途に適用することができる。
実施例1において、陽極酸化皮膜を有するマグネシウムを室温下で5wt%塩化ナトリウム溶液に16時間浸漬した結果を示す図である。 比較例において、陽極酸化皮膜を有するマグネシウムを室温下で5wt%塩化ナトリウム溶液に16時間浸漬した結果を示す図である。

Claims (8)

  1. 電解質としてフッ化物のみを含む電解液に電圧を印加して該電解液内に配置したマグネシウム系金属の表面を陽極酸化することを特徴とする表面処理方法。
  2. 前記電解液のpHが7〜12の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の表面処理方法。
  3. 前記フッ化物が、フッ化アンモニウム、フッ化ナトリウム、フッ化リチウムおよびフッ化アルミニウムからなる群より選ばれる1つ以上の化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の表面処理方法。
  4. 前記マグネシウム系金属がカルシウムを含んでいることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の表面処理方法。
  5. 前記電圧を10秒間〜5分間にわたって印加することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の表面処理方法。
  6. 前記電圧がパルス電圧であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の表面処理方法。
  7. 前記パルス電圧は、0.1秒間〜2秒間印加された後、0.1秒間〜10秒間電圧を印加されないことを1サイクルとして、繰り返し印加されることを特徴とする請求項6に記載の表面処理方法。
  8. 電解質としてフッ化物のみを含む電解液に電圧を印加して該電解液内に配置したマグネシウム系金属の表面を陽極酸化することを特徴とするマグネシウム系金属の表面に白色の陽極酸化皮膜を形成する方法。
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