<全体構成>
図1は、本発明の実施例1に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、本体101と本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102とを備える。本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112は図示しないステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。
本実施例において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数(本実施例では、21)印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示手段として機能する。
なお、このような表示手段としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施例では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。また、図柄は、ある図柄と他の図柄とを識別可能な識別子であれば如何なるものも採用でき、数字、英字、図形、イラスト、等が採用可能である。
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図1において図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示せず)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ラインは5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ラインの数については5ラインに限定されるものではない。
告知ランプ121は、例えば、後述する内部抽選において、特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。スタートランプ122は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ123は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ124は演出用のランプである。
ベットボタン130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという。)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施例においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130〜133により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。表示器126は、各種の内部情報を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。以下、スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応づけられている。以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137〜139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口142から排出するためのボタンである。ドアキー140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口142は、メダルを払出すための払出口である。
音孔143はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置200が配設されている。
<演出装置の構成>
次に、演出装置200の構成について説明する。図2は正面側から見た演出装置200の分解斜視図、図3は背面側から見た演出装置200の分解斜視図である。演出装置200は、化粧パネル600と、化粧パネル600が正面に装着されるカバー部材601と、カバー部材601によって覆われる、スピーカユニット603、液晶表示パネル(以下、LCD)602および駆動ユニット700と、を備える。
化粧パネル600およびカバー部材601はその正面に、LCD602の表示画面602aの大きさよりもやや小さい開口部が設けられている。演出装置200を正面から見た場合、この開口部を介してLCD602の表示画面602aの略全域が見える一方、表示画面602aの外周部分や駆動ユニット700は見えないように化粧パネル600およびカバー部材601に隠蔽される。すなわち、化粧パネル600およびカバー部材601は隠蔽部材としても機能する。
化粧パネル600およびカバー部材601aには、その左右上部にそれぞれ音孔600a、601aが形成されており、左右一対のスピーカユニット603は音孔601aの背後に配設されている。スピーカユニット603から出力される音は音孔600a、601aからスロットマシン100の正面へ伝播することになる。スピーカユニット603は駆動ユニット700とカバー部材601との隙間部分に配設されている。当該隙間部分をスピーカユニット603の配設空間として利用することにより、スロットマシン100におけるスピーカの配設レイアウト性を向上することができる。
LCD602はその外形がパネル状(直方体形状)をなすと共に、その正面に方形の表示画面602aが形成された電子画像の表示ユニットである。本実施例では電子画像の表示ユニットとして液晶表示装置を用いるが、他の電子画像の表示装置も適用可能である。
<駆動ユニット>
次に駆動ユニット700について図2および図3に加えて図4〜図12も参照して説明する。図4はLCD602が装着された駆動ユニット700の正面図(モータカバー708は省略)である。図5は駆動ユニット700の背面図である。図6は駆動ユニット700の右側面図(モータカバー708は省略)である。図7はLCD602が装着された駆動ユニット700の斜視図である(モータカバー708は省略)。図8(a)はLCD602、駆動ユニット700等の分解斜視図である。図8(b)は移動部材704の斜視図である。図9は移動機構730の分解斜視図である。図10は背面側から見た演出部材701の斜視図である。図11は背面側から見た演出部材701の分解斜視図である。図12(a)および(b)は演出部材701の説明図である。
<移動部材および移動機構>
<上下の移動部材および移動機構>
駆動ユニット700は、表示画面602aの周縁である上辺に沿う、左右方向の直線軌道(図7のO−Upper。以下、上軌道とも言う。)上を移動する移動部材703と、表示画面602aの周縁である下辺に沿う、左右方向の直線軌道(図7のO−Low。以下、下軌道とも言う。)上を移動する移動部材704と、を備える。上軌道と下軌道とは離間し、相互に平行である。移動部材703と移動部材704とには演出部材701が連結されている。
駆動ユニット700の背面側(LCD602の背面側)の上部には移動部材703を移動させる移動機構710が支持板707aに支持されて設けられ、駆動ユニット700の背面側(LCD602の背面側)の下部には移動部材704を移動させる移動機構720が支持板707bに支持されて設けられている。移動部材703および704はそれぞれ移動機構710、720により独立して移動する。
移動機構710は、上軌道に沿って配設され、移動部材703の移動を案内する案内棒711を有する。本実施例の場合、案内棒711が2本設けられ、左右方向に延びている。2本の案内棒711は奥行き方向並びに上下方向にずれて配設されている。案内棒711を2本設けることにより、移動部材703をより安定して案内することができ、特に、移動部材703が移動方向に直交する方向に回動することを防止して、より安定して移動部材703を案内することができる。
移動機構710は、また、移動部材703が取り付けられる無端ベルト712を備える。無端ベルト712は複数のプーリ714により走行自在に支持されている。5つのプーリ714のうち、左右両端の2つのプーリ714と中央のプーリ714とに無端ベルト712は巻き回されており、残り2つのプーリ714により無端ベルト712の張力が調整されている。
中央のプーリ714には無端ベルト712を走行させる駆動手段であるモータ713の出力軸が取り付けられている。モータ713は本実施例の場合、ステッピングモータである。モータ713は左右方向の中央部分に位置している。モータ713の正転・逆転により無端ベルト712が正方向・逆方向に走行することになり、移動部材703が左右方向に往復移動することになる。移動部材703の移動機構710として、本実施例ではこのようにベルト伝動機構を採用している。無論、ベルト伝動機構以外の移動機構も採用可能であるが、ベルト伝動機構は移動部材703をより高速で移動することに適している。
左右両端の2つのプーリ714の近傍には、それぞれ、移動部材703を検知する検知手段である基準位置センサ715が配設されている。基準位置センサ715は発光部と受光部との間にスリットを設け、スリットを通過する物体を光の遮断の有無により検知する公知の光センサである。2つの基準位置センサ715は、それぞれ、移動部材703の左右方向の移動範囲の最端位置近傍に設定されており、基準位置センサ715で移動部材703が検知されると、モータ713に対する駆動パルスのカウント値が較正されることになる。基準位置センサ715を設けることにより移動部材703の移動制御の精度を向上できる。
移動機構720は、本実施例の場合、移動機構710と同じ構成であり、上下表裏を逆にして配設されたものである。移動機構720も、移動部材704の移動を案内する2本の案内棒721と、移動部材704が取り付けられる無端ベルト722と、無端ベルト722を走行自在に支持する複数のプーリ724と、無端ベルト722を走行させる駆動手段であるモータ723と、から構成される。移動機構710と720とで共通の駆動機構ユニットを採用することにより、コストの削減が図れる。また、左右両端の2つのプーリ724の近傍には、それぞれ、移動部材704を検知する検知手段である基準位置センサ725が配設されている点も移動機構710の構成と同様である。
次に、移動部材703および704について説明する。移動部材703および704は同じ構成の部材であり、図8(b)は移動部材704の斜視図を示している。移動部材703および704は、案内棒711、721が貫通する2つの孔をそれぞれ有すると共に、LCD602の正面側に突出して設けられ、演出部材701の端部が連結される連結部703a、704aを備える。演出部材701の各端部は連結部703a、704aに回動自在に軸支される。ベルト固定部703b、704bは無端ベルト712、722を固定するための部分であって、櫛歯が施されたスリットとして形成されている。無端ベルト712、722はベルト固定部703b、704bに挿入されて固定される。
被検知片703c、704cは基準位置センサ715、725により検知される被検知部を構成している。被検知片703c、704cが基準位置センサ715、725の発光部と受光部との間のスリットを通過することにより移動部材703、704が検知されることになる。延設部703d、704dはLCD602の上面、下面をそれぞれその厚さ方向に跨る部分である。
延設部703d、704dを有することにより、移動部材703、704はLCD602の上下の側部をその厚さ方向に跨って形成される。これにより、LCD602の背面側に移動機構710、720を配設しながら、LCD602の正面側に演出部材701を配設することが可能となる。LCD602の背面側に移動機構710、720を配設することにより、上下方向のスペースをより広く確保し易くなり、その結果、表示画面602aがより大きなLCD602を採用することができる。移動部材703、704は案内棒711、712による片持ち支持となるが、案内棒711、712を2本設けることで上記の通り、移動部材703、704をより安定して案内できる。
<左右の移動部材および移動機構>
次に、駆動ユニット700は、表示画面602aの周縁である左辺に沿う、上下方向の直線軌道(図7のO−Left。以下、左軌道とも言う。)上を移動する移動部材705と、表示画面602aの周縁である右辺に沿う、上下方向の直線軌道(図7のO−Right。以下、右軌道とも言う。)上を移動する移動部材706と、を備える。左軌道と右軌道とは離間し、相互に平行である。また、上軌道および下軌道に対して、左軌道および右軌道は直交している。移動部材705と移動部材706とには演出部材702が連結されている。
駆動ユニット700の左側面側(LCD602の左側面側)には移動部材705を移動させる移動機構730が支持板707cに支持されて設けられ、駆動ユニット700の右側面側(LCD602の右側面側)には移動部材706を移動させる移動機構740が支持板707dに支持されて設けられている。移動部材705および706はそれぞれ移動機構730、740により独立して移動する。
移動機構730は、左軌道に沿って配設され、移動部材705の移動を案内する案内棒731を有する。本実施例の場合、案内棒731が2本設けられ、上下方向に延びている。案内棒731を2本設けることにより、移動部材705をより安定して案内することができ、特に、移動部材705が移動方向に直交する方向に回動することを防止して、より安定して移動部材705を案内することができる。
移動機構730は、また、移動部材705が取り付けられる無端ベルト732を備える。無端ベルト732は複数のプーリ734により走行自在に支持されている。5つのプーリ734のうち、上下両端の2つのプーリ734と中央のプーリ734とに無端ベルト732は巻き回されており、残り2つのプーリ734により無端ベルト732の張力が調整されている。当該残り2つのプーリ734のうちの一方はブラケット734aを介して支持板707cに取り付けられている。ブラケット734aの支持板707cに対する取付位置は調整可能であり、この結果、ブラケット734aに支持されるプーリ734の取付位置が調整可能である。プーリ734の取付位置を調整することで無端ベルト732の張力が調整される。
中央のプーリ734には無端ベルト732を走行させる駆動手段であるモータ733の出力軸が取り付けられている。モータ733は本実施例の場合、ステッピングモータである。モータ733は上下方向の中央部分に位置しており、駆動ユニット700の背面側(LCD602の背面側)に配設されている。モータ733を駆動ユニット700の背面側に配設することにより、左右方向のスペースをより広く確保し易くなり、その結果、表示画面602aがより大きなLCD602を採用することができる。モータ733の周囲にはモータカバー708が配設される。
モータ733の正転・逆転により無端ベルト732が正方向・逆方向に走行することになり、移動部材705が上下方向に往復移動することになる。移動部材705の移動機構730として、本実施例では移動機構710、720と同様にベルト伝動機構を採用している。ベルト伝動機構以外の移動機構も採用可能であるが、ベルト伝動機構は移動部材705をより高速で移動することに適していることは上述した通りである。
上下両端の2つのプーリ734の近傍であって、支持板707cのプーリ734が配設された面と反対の面には、移動部材705を検知する検知手段である基準位置センサ735がそれぞれ配設されている。基準位置センサ735は基準位置センサ715と同じく、発光部と受光部との間にスリットを設け、スリットを通過する物体を光の遮断の有無により検知する公知の光センサである。2つの基準位置センサ735は、それぞれ、移動部材705の上下方向の移動範囲の最端位置近傍に設定されており、基準位置センサ735で移動部材705が検知されると、モータ733に対する駆動パルスのカウント値が較正されることになる。基準位置センサ735を設けることにより移動部材705の移動制御の精度を向上できる。
移動機構740は、本実施例の場合、移動機構730と同じ構成であり、上下表裏を逆にして配設されたものである。移動機構740も、移動部材706の移動を案内する2本の案内棒741と、移動部材706が取り付けられる無端ベルト742と、無端ベルト742を走行自在に支持する複数のプーリ744およびそのうちの一つを支持するブラケット744aと、無端ベルト742を走行させる駆動手段であるモータ743と、から構成される。移動機構730と740とで共通の駆動機構ユニットを採用することにより、コストの削減が図れる。また、上下両端の2つのプーリ744の近傍には、それぞれ、移動
部材706を検知する検知手段である基準位置センサ745が配設されている点も移動機構730の構成と同様である。
次に、移動部材705および706について説明する。移動部材705および706は同じ構成の部材であり、LCD602の正面側に突出して設けられ、演出部材702の端部が連結される連結部705a、706aを備える。演出部材702の各端部は連結部705a、706aに回動自在に軸支される。ベルト固定部705b、706bは無端ベルト732、742を固定するための部分であって、櫛歯が施されたスリットとして形成されている。無端ベルト732、742はベルト固定部705b、706bに挿入されて固定される。
被検知片705c、706cは基準位置センサ735、745により検知される被検知部を構成している。被検知片705c、706cは、支持板707c、707dに設けられた上下方向に延びるスリット707c'、707d'を通過して、支持板707c、707dの内側に突出している。被検知片705c、706cが基準位置センサ735、745の発光部と受光部との間のスリットを通過することにより移動部材705、706が検知されることになる。
<演出部材>
次に演出部材701および702の構成について説明する。演出部材701および702は同様の構成であり、ここでは演出部材701について説明し、演出部材702の説明は割愛する。本実施例において演出部材701は棒状をなしており、その長手方向に伸縮可能な構成となっている。演出部材701はその両端部がそれぞれ移動部材703、704に連結されており、移動部材703、704は独立して移動する。
移動部材703、704が独立して移動すると、移動部材703と移動部材704との間の距離(つまり、連結部703a、704a間の距離)が変化することになるが、演出部材701が伸縮することで当該距離の変化に対応することができる。また、演出部材701は移動部材703、704を移動することで、単に平行移動するだけでなく、傾けたり、或いは、揺動させたりすることができ、多彩な演出が可能となる。
図10および図11に示すように演出部材701は、演出部材701の端部を構成する2つの端部部材701aと、演出部材701の中間部分を構成し、端部部材701aとは別部材の接続部材701bと、を有する(演出部材702も図7に示すように端部部材702aと接続部材702bとから構成される。)。端部部材701aは、移動部材703、704の連結部703a、704aに連結される部分であって、連結部703a、704aに連結される連結部として孔を有している。
接続部材701bはレール状に構成されている。各端部部材701aは接続部材701bの端部から接続部材701bへ挿入されて接続され、2つの端部部材701a間を結ぶ直線方向(連結部703a、704aに連結される孔間を結ぶ直線方向)にスライド可能となっている。接続部材701bに対する端部部材701aのスライドによって、接続部材701bの端部から端部部材701aが突出する突出量が変化することにより、演出部材701が長手方向に伸縮することになる。
本実施例では演出部材701が伸縮するので遊技者を驚かせる演出が可能となる。更に、演出部材701の姿勢によって、演出部材701の端部が連結部703a、704aの外方へはみ出したりすることがなく、省スペース化が図れる。また、演出部材701の伸縮は部材の弾性変形を伴わないので演出部材701の伸縮によりこれが張力を発生することもない。つまり、演出部材701としてゴム等の伸縮性を有するものの採用も考えられるが、ゴム等は伸縮により張力が発生・変化し、移動部材703、704および移動機構710、720へその張力による荷重が作用し、移動部材703、704の円滑な移動を妨げる場合があるが本実施例の演出部材701ではこのようなことがない。
本実施例では、演出部材701の両端部をそれぞれ、接続部材701bと別部材の端部部材701aで構成し、これらが接続部材701bに対してスライド可能としているが、演出部材701の両端部のうちのいずれか一方を接続部材701bと別部材の端部部材701aで構成してもよい(この場合、接続部材701bの一方の端部に連結部703aまたは704aに連結される孔を形成することになる。)。しかし、本実施例のように演出部材701の両端部をそれぞれ、接続部材701bと別部材の端部部材701aで構成し、これらが接続部材701bに対してスライド可能とすることで、演出部材701の伸縮量をより大きくとることができる。
本実施例のように、演出部材701の両端部をそれぞれ、接続部材701bと別部材の端部部材701aで構成し、これらが接続部材701bに対してスライド可能とした場合、演出部材701の伸縮に際して、接続部材701bに対する各端部部材701aのスライド量が等量となることが望ましい。このため、本実施例では図10および図11に示すようにラック・ピニオン機構により各端部部材701aのスライド量が等量となるように構成している。
詳細には、各端部部材701aは接続部材701bに挿入されるラック部701a'を有し、また、接続部材701bにはラック部701a'が噛合する、2つのピニオン701cが回転自在に配設されている。2つのピニオン701cは2つの端部部材701a間を結ぶ直線方向に離間して配設されている。なお、ピニオン701cは一つでもよい。各ラック部701a'はピニオン701cを挟むように配設されると共に、ピニオン701cに常時噛合している。このため、一方の端部部材701aがスライドするとラック部701a'を介してピニオン701cが回転し、他方の端部部材701aもスライドするので、各端部部材701aのスライド量が等量となる。また、ラック部701a'は接続部材701bの内面とピニオン701cとにより挟持状態で接続部材701内において支持されるため、上述したスライド移動の移動量を問わず、安定したスライド移動が可能である。
次に、本実施例のように接続部材701bに対して、これとは別部材の端部部材701aをスライド可能に設けた場合、接続部材701bの端部と端部部材701aとの境界部分に段差が生じてしまう。このため、演出部材701が複数の部材からなる構成であることを遊技者に認識させてしまう畏れがある。演出部材701はこれがあたかも1本の部材であるかのように見せかける方が、その伸縮により遊技者に対してより強いインパクトを与えることができる。
そこで、接続部材701bおよび各端部部材701aの正面側の表面に装飾用のカバー部材を設けることが望ましい。装飾用のカバー部材を設けることにより、演出部材701をあたかも1本の部材であるかのように見せかけることができる。装飾用のカバー部材は、その色、模様等の装飾内容を共通にすることが望ましい。図12(a)および(b)は装飾用のカバー部材701dを設けた例を示している。
カバー部材701dは例えば銀色等に着色された薄いシールであり、端部部材701aおよび接続部材701bの表面に貼着されている。図12(b)に示すように演出部材701が伸縮しても、その表面のカバー部材701dの存在により接続部材701bの端部と端部部材701aとの境界部分が目立たなくなり、演出部材701をあたかも1本の部材であるかのように見せかけることができる。
また、本実施例では、図10に示すように、演出部材701、702の両端部近傍にそれぞれ受光センサ750が配設されている。この受光センサ750は、LCD602の表示画面602aに表示された画像(映像)の発する光(特定の情報)を検知するセンサであり、演出部材701、702の背面において表示画面602aに対向して配設されている。また、コネクタ752を介して後述する副制御部B500と電気的に接続されている。詳細は後述するが、本実施例では、この受光センサ750による表示画面602aの映像の光の検知に基づいて、演出部材701、702の位置を検出している。
なお、LCD602が薄型である場合や、LCD602の代わりに有機ELその他の表示装置を採用した場合等において、映像の発する光をLCD602等の背面から検知することが可能であるときには、ブラケット等を介して、受光センサ750をLCD602等の表示装置の背面に対向させて配設してもよい。また、受光センサ750の代わりに、発光部と受光部を備えるタイプのセンサを採用してもよい。すなわち、発光部が発した光が表示画面602aに表示された映像によって反射され、この反射光を受光部が受光することで、映像(特定の情報)を検知するようにしてもよい。
<演出部材の動作例>
本実施例において移動部材703乃至706の各連結部703a乃至706aはLCD602の正面側に突出して設けられているため、これらに連結される演出部材701、702はLCD602の表示画面602a上に位置可能なように配設される。演出部材701は表示画面602aを上下方向に横断するように、また、演出部材702は表示画面602aを左右方向に横断するように、位置可能である。無論、表示画面上602a上に位置しない場合もある。
本実施例では、演出部材701、702の機械的な動作と、LCD602により表示される電子画像との連携により、多彩な演出が可能である。無論、LCD602を設けずに演出部材701、702の機械的な動作のみの演出も可能である。
本実施例の場合、演出部材701、702はいずれも鉛直平面上を移動する構成である。また、演出部材701、702は演出装置200の奥行き方向にずれて互いに干渉しないように配設されており(演出部材701が正面側。図6等参照。)、互いに重なり合う位置に位置することも可能である。
演出部材701は、当初、化粧パネル600およびカバー部材601に隠されて、遊技者から隠蔽された隠蔽位置(演出装置200の左端または右端)に位置している。なお、演出部材702の場合は、隠蔽位置は上端、下端の2箇所である。移動機構710および720を作動させて移動部材703および704を同方向に等速で移動させると、長手方向が鉛直方向を向いた状態で、演出部材701が平行移動する。演出部材701が隠蔽位置から露出位置(化粧パネル600およびカバー部材601の開口部内)へ移動することで、演出部材701が突如として遊技者の目の前に出現することになり、遊技者を驚かせることができる。
移動機構710および720を作動させて移動部材703および704を同方向に異なる速度で移動させると、隠蔽位置から露出位置へ演出部材701が傾倒しながら移動する。傾倒にともない、演出部材701は伸長する。
移動機構710を作動させて、移動部材703は往復移動させる一方、移動部材704は移動させないことにより、演出部材701の上端が左右に振れる態様で演出部材701を揺動させることができる。また、移動機構710および720を作動させて移動部材703および704を相対的に反対方向に複数回連続して往復移動させることで、演出部材701の上端と下端とが反対方向に左右に振れる態様で演出部材701を揺動させることができる。この場合、移動部材703と704の往復移動を異なるストロークにしてもよい。
説明は省略するが、演出部材702も、演出部材701と同様の動作を行うことができる。また、演出部材701と演出部材702を同時に動作させることもできる。
このように本実施例では演出部材701、702が伸縮することで演出部材701、702の動作の態様が多彩なものとなる。本実施例では演出部材を2つ設けたが1つでもよい。また、3以上設けることもできる。3以上設ける場合、例えば、演出部材701のように上下に延びるものを複数本、或いは、演出部材702のように左右に延びるものを複数本、設けることが挙げられる。いずれの場合においても各演出部材は独立して動作できるよう、移動部材、移動機構をそれぞれ設けることが望ましい。
また、本実施例ではLCD602の画像表示との連係の兼ね合いから、例えば、演出部材701を移動させる移動部材703および704の移動軌道を互いに平行としているが、演出部材は伸縮するので平行でない移動軌道上や直線でない移動軌道上を移動する移動部材間に演出部材を連結する構成も採用可能である。
<制御部>
次に、図13〜図15を参照してスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。スロットマシン100制御部は、大別すると遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300から送信されるコマンドに応じて各種デバイスを制御する副制御部A400と、副制御部A400から送信されるコマンドに応じて演出装置200を制御する副制御部B500と、から構成されている。
<主制御部>
まず、図13を参照してスロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバスおよびアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やリールを回転駆動するモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
また、CPU310には各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止制御データ等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。RAM313は、遊技者が所有するメダルをその投入操作によって電子的にクレジットとして貯留するために、該クレジットの数を記憶する記憶手段としても機能する。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部A400、副制御部B500においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル投入センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチ324、メダル払出センサ326の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル投入センサ320は、メダル投入口141に通じる通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321は、スタートレバー135に設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。メダル投入ボタンセンサ323は、ベットボタン130〜132のそれぞれに設置されており、これらに対する遊技者の操作を検出する。精算スイッチ324は、精算ボタン134に対する操作を検出し、精算ボタン134が一回押されると、精算可能なメダルが払い出されることになる。本実施形態では、精算可能なメダルとは貯留されているメダルとベットされているメダルの双方であるが、貯留されているメダルのみとしてもよい。メダル払出センサ326はメダル払い出し口142から払い出されるメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース370には、リールを回転駆動するステッピングモータ等を駆動させるためのリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口142から払出すための装置。図示せず。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ121、スタートランプ122、再遊技ランプ123、リールパネルランプ124等)と、7セグメント表示器341(貯留枚数表示器125、表示器126、払出枚数表示器127等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311および水晶発振器316から発振されるクロックに基いて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本発実施形態における乱数発生回路317は、2つの乱数カウンタを備えている。CPU310のデータバスには、副制御部A400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。
<副制御部A>
次に、図14を参照してスロットマシン100の副制御部A400について説明する。副制御部A400は、主制御部300より送信されたコマンドに基づいて副制御部A400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバスおよびアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。タイマ回路415は複数設けることができる。
また、CPU410には、副制御部A400の全体を制御するための命令およびデータ、バックライトの点灯パターンや演出パターンの選択用のデータ、各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110〜112の絵柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300からコマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。スピーカ483には音孔143の背後に設けられたスピーカや、演出装置200のスピーカユニット603のスピーカが含まれる。
CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部A400に設定された所定の情報を店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて演出ランプ424(サイドランプ144等)、メダル払出口142を内側から閃光にて照明する払出口ストロボ425を制御する。なお、CPU410は、副制御部B500へのコマンド送信はデマルチプレクサ419を介して実施する。
<副制御部B>
次に、図15を参照してスロットマシン100の副制御部B500について説明する。副制御部B500は、演算処理装置であるCPU510や、各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバスおよびアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路514は、水晶発振器511から発振されたクロックを補正して、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU510に供給する回路である。
また、CPU510にはタイマ回路515がバスを介して接続されている。CPU510は、所定のタイミングでデータバスを介してROM512の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路515に送信する。タイマ回路515は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU510に送信する。CPU510は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。CPU510は、副制御部A400の出力インタフェース470、デマルチプレクサ419を介して出力されたコマンドを入力インタフェース520およびバスを介して受信し、副制御部B500全体を制御する。
ROM512には、副制御部B500全体を制御するためのプログラムやデータが記憶されている。RAM513は、CPU510で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。ROM512やRAM513は、バスを介してCPU510に接続されている。また、CPU510には、バスを介して、CPU530、演出装置200の各モータ713、723、733、743を独立して駆動するモータドライバ540、演出装置200の基準位置センサ715、725、735、745の検知結果が入力される入力インタフェース541、および演出部材701、702の受光センサ750の検知結果が入力される入力インタフェース542が接続されている。更に、CPU530には、バスを介して、ROM531、RAM532、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)534が接続されている。
ROM531にはCPU530で処理されるプログラムが格納されている。RAM532はCPU530で処理されるプログラムのワークエリアを提供する。VDP534には、水晶発振器533が接続され、さらに、バスを介して、ROM535、RAM536が接続されている。ROM535には、LCD602の画像データが複数種類格納されている。そして、CPU530は、CPU510からのコマンドに基づいてROM535の画像データを読み出し、RAM536のワークエリアを使用して画像信号を生成し、D/Aコンバータ537を介して、LCD602の表示画面602aに画像を表示する。
<入賞役の種類>
本実施例における入賞役の種類は下記の通りであるが、その他にも任意に採用することができる。
(1)ビッグボーナス(BB)
入賞によりビッグボーナスゲーム(BBゲーム)が開始される入賞役である。本実施形態ではBBについてフラグ持越しを行う。すなわち、BBに内部当選すると、これを示すフラグが立つが(RAM313の所定のエリア内に記憶される)、その遊技においてBBに入賞しなかったとしても、入賞するまでフラグが立った状態が維持され(フラグ持ち越し)、次遊技以降でもBBに内部当選中とする。
(2)レギュラーボーナス(RB)
入賞により、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が開始される入賞役である。本実施形態ではRBについても上述したフラグ持越しを行う。BBまたはRBのいずれかのフラグ持ち越しが行なわれている状態をボーナス内部当選中という。
(3)シフトレギュラーボーナス(SRB)
BBゲーム中(より詳細にはBB一般遊技中)にのみ入賞する入賞役であって、入賞によりRBゲームと内容が同じシフトレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が開始される入賞役である。
(4)小役
入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。本実施形態では3種類(俵、鶴、簪)用意されている。対応する絵柄組合せや払出枚数は、同図に示す通りである。
(5)再遊技
入賞により、次回のゲームでメダルの投入を行うことなくゲームを行うことができる入賞役である。
(6)役物
RBゲームおよびSRBゲームの各遊技(役物遊技)において入賞する入賞役であり、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。
各入賞役には、設定値毎に内部当選確率が設定されている。設定値は例えば6段階あり、各設定値における各入賞役の内部当選確率は、入賞役抽選テーブルとしてROM312に格納されている。入賞役の内部抽選では、取得した乱数値が入賞役抽選テーブルのどの範囲に属するかで入賞役の内部当選の当否が決定する。内部抽選以外の各種の抽選処理についても同様な方式を採用することができる。
なお、スロットマシンの分野では、ボーナスゲームに移行するビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)や、新たにメダルを投入することなく次のゲームが可能となる再遊技(リプレイ)は、入賞役と区別されて「作動絵柄」と呼ばれる場合があるが、本実施例における「入賞役」にはビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技のいずれも含まれ、また、「入賞」にはこれらに入賞することが含まれる。
<遊技状態>
本実施形態では、大別すると、遊技状態として通常遊技、BBゲーム、RBゲームおよびSRBゲームがある。
(1)BBゲーム
BBゲームの内容は、複数種類考えられるが、本実施形態では、BBゲーム中にSRBに入賞することが可能で、これに入賞するとSRBゲームが開始される。なお、BBゲームを、SRBゲーム中の場合とそうでない場合とを区別するため、後者をBB一般遊技と称する。BBゲームの終了条件は、例えば、予め定められた獲得枚数に達した場合(例えば235枚の払い出し)とすることができる。また、他の終了条件として、例えば、SRBの入賞回数が所定数に達した場合(例えば3回)か、BB一般遊技のゲーム回数が所定数に達した場合(例えば30回)とすることもできる。
(2)RBゲーム、SRBゲーム
RBゲームおよびSRBゲームの内容は複数種類考えられるが、予め定めた回数(例えば12回)の役物遊技を消化するか、あるいは、役物が予め定めた回数(例えば8回)入賞するかのいずれかの条件が成立することにより終了するものとすることができる。
遊技状態にはこの他にも例えば、いわゆるAT(アシストタイム)、CT(チャレンジタイム)、RT(リプレイタイム。リプ連とも呼ばれる。)等が挙げられる。ATとは、例えば、リール停止制御上、ストップボタン137〜139の押し順を要求するものであり、AT期間内では当該押し順を報知するものである。また、CTとは、例えば、CT期間内では、所定の場合に少なくともいずれかのリール110〜112を原則として遊技者がストップボタン137〜139を操作したところで停止し、滑りコマ制御を行わないものである。RTとはリプ連期間内では他の場合よりも再遊技に高確率で内部当選し、リプ連期間におけるゲームでのメダルの消費が抑えられ、遊技者に有利に働くものである。
<主制御部メイン処理>
次に、図16を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。なお、同図は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
遊技の基本的制御は、主制御部300のMainCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、MainCPU310が同図の主制御部メイン処理を繰り返し実行する。
スロットマシン100に電源が投入されると、まず、ステップS101で、各種の初期化処理が実行される。
ステップS102では、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合はメダルの投入が不要である。
ステップS103では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定する。また、副制御部A400に対してスタートレバー受付コマンドを送信する。副制御部A400は、このスタートレバー受付コマンドを受信することによって遊技の開始を把握する。
ステップS104では、有効な入賞ラインを確定する。
ステップS105では、乱数発生回路317で発生させた乱数を取得する。
ステップS106では、ステップS105で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、その入賞役のフラグが内部的にONになる。なお、ステップS105で取得した乱数値は、入賞役内部抽選のほかにも、リール停止制御テーブルを選択するときの抽選等にも使用してもよい。
ステップS107では、リール回転開始処理により、全リール110〜112の回転を開始させる。この際、ステップS106の内部抽選結果等に基づき、停止位置データ選択テーブルを参照し、いずれか一つのリール停止制御テーブルを選択する。
ステップS108では、リール停止制御処理により、押されたストップボタン137〜139に対応するリール110〜112の回転を停止させる。この際、各リール110〜112を、ステップS107で選択したリール停止制御テーブルに基づいて停止させる。
ステップS109では、ストップボタン137〜139が押されることによって停止した図柄の入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン上に、内部当選した入賞役またはフラグ持越し中の入賞役に対応する入賞図柄組合せが揃った(表示された)場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が揃っていたならば再遊技入賞と判定する。また、入賞した入賞役に対応するフラグがリセットされる。
また、ステップS109では、副制御部A400に対して入賞判定コマンドを送信する。副制御部A400は、この入賞判定コマンドを受信することによって遊技の終了を把握する。
ステップS110では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
ステップS111では、遊技状態制御処理を行う。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BB入賞やSRB入賞の場合に次回からBB遊技またはSRB遊技を開始できるよう準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。また、再遊技に入賞した場合に、次ゲームにおいてメダルを投入しなくてもベットが自動設定されるように設定する。
以上により1遊技が終了し、以降、主制御部メイン処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<副制御部A割り込み処理>
次に、図17(a)を用いて、副制御部A400の割り込み処理について説明する。なお、同図は、副制御部A400の割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部A割り込み処理は、所定の周期(例えば、2ms)で実行される。まず、ステップS201では、主制御部300からのコマンドを受信したか否かを判断する。コマンドを受信した場合はステップS202に進み、そうでない場合は終了する。
ステップS202では、受信したコマンドをRAM413の所定の領域に格納して記憶する。
<副制御部Aメイン処理>
次に、図17(b)を用いて、副制御部A400のメイン処理について説明する。なお、同図は、副制御部A400のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS301では、主制御部300からのコマンドを受信してRAM413に格納しているか否かを判断する。何らかのコマンドが格納されている場合はステップS302に進み、そうでない場合はステップS303に進む。
ステップS302では、主制御部300から受信したコマンドを解析して判定する。
ステップS303では、演出ランプ424やスピーカ483等を用いた演出処理を、コマンドに基づいて実行する。また、各デバイスのデバイスドライバへ制御データを送信する。
ステップS304では、副制御部B500へのコマンド送信があるか否かを判断する。副制御部B500へのコマンド送信がある場合はステップS305に進み、そうでない場合はステップS306に進む。
ステップS305では、副制御部B500へのコマンドを送信する。
ステップS306では、メイン処理を終了するか否かを判断する。ここでは、例えば電源断等を検知した場合は処理を終了し、そうでない場合はステップS301に戻り、上記の処理を繰り返し実行する。
<演出部材の位置検出>
次に、演出部材701、702の位置の検出について説明する。まず、図18(a)〜(i)は、従来の演出部材701、702の位置検出方法と本発明の演出部材701、702の位置検出方法を比較した図である。
演出装置200は副制御部B500によって制御されるが、所定の演出に応じて演出部材701、702を動作させた後に電源をオフにすると、副制御部B500のRAM513に記憶された情報がクリアされてしまうため、次に電源が投入されたときに演出部材701、702がどの位置にあるのかを副制御部B500は把握することができない。このため従来のスロットマシンでは、電源が投入された際に演出部材701、702を基準位置まで一旦移動させる必要があった。すなわち、例えば、電断時の状態(図18(a))から、移動部材703、704を左方向に、移動部材705、706を下方向に移動させて(図18(b))、基準位置センサ715、725、735、745が被検知片703c、704c、705c、706cを検知する基準位置まで、移動部材703、704、705、706を、一旦移動させていた(図18(c))。そして、モータ713、723、733、743に対する駆動パルスのカウント値を較正した上で、移動部材703〜706を初期位置に向けて移動させ(図18(d))、演出部材701、702を、演出を開始するための初期状態(図18(e))としていた。
これに対し、本実施例に係る演出装置200は、4つの受光センサ750を備えているため、LCD602の表示画面602aに表示された位置把握用画像Pをこの受光センサで検知することによって、移動部材703〜706の位置を検出することを可能としている。すなわち、例えば、電源が投入された際に、位置把握用画像Pを表示画面602aの左下角部から右上角部に向けて移動表示させ、この位置把握用画像Pの発する光を各受光センサが検知するタイミングによって、移動部材703〜706の位置を検出する(図18(f)、(g))。位置把握用画像Pは、水平線から略45度傾いた直線であり、表示画面602aの一端から他端まで連続するものである。そして、電断時の状態から、そのまま移動部材703〜706を初期位置に向けて移動させ(図18(h))、演出部材701、702を、演出を開始するための初期状態(図18(i))としている。
図19(a)および(b)は、位置把握用画像Pが表示される座標を示す図であり、図20(a)〜(e)は、本実施例に係る位置検出方法を示す図である。
まず、図19(a)に示されるように、表示画面602aの画素(1280×780ドット)をX方向(上下方向)、Y方向(水平方向)の座標で示し、位置把握用画像Pの左端および右端をLおよびRとする。そして、図19(b)は、LおよびRの座標とこれらが表示される時間との関係を示すテーブルの一例である。位置把握用画像Pは、このテーブルに基づいて、表示画面602aに移動表示される。
例えば、まず、最初(時間0)にLは座標(0,0)、Rは座標(0,0)に表示され、次に16.66ms後にLは座標(0,20)、Rは座標(20,0)に表示される。すなわち、位置把握用画像Pは、最初に表示画面602aの左下角の一点として表示され、次に16.66ms後に座標(0,20)のLと座標(20,0)のRを結ぶ直線として表示される。そして、16.66msごとにLはY方向に20ドット、RはX方向に20ドットずつ移動し、位置把握用画像PはこのLとRを結ぶ直線として表示される。さらに、Lは左上角(座標(0,780))に到達した後はX方向に20ドットずつ移動し、Rは右下角(座標(1280,0))に到達した後はY方向に20ドットずつ移動して、LおよびRは最終的に右上角(座標(1280,780))の一点に到達する。本実施例では、位置把握用画像Pが表示画面602aの左下角から右上角まで移動するのに要する時間は約1.7秒となる。
ここで、図20に示すように、移動部材703近傍に配設された受光センサを750a、移動部材704近傍に配設された受光センサを750b、移動部材705近傍に配設された受光センサを750c、移動部材706近傍に配設された受光センサを750dとする。
例えば、電断時の演出部材701、702が、図20(a)に示すような状態の場合、位置把握用画像Pは、16.66msごとに表示位置が移動するのに伴い、まず受光センサ750bに検知され(図20(b))、次に受光センサ750cに検知され(図20(c))、その次に受光センサ750dに検知され(図20(d))、最後に受光センサ750aに検知される(図20(e))。そして、各受光センサ750a〜750dが位置把握用画像Pを検知した時間を記憶しておき、図19(b)に示すテーブルを参照して、受光センサ750a、750cの場合は検知時間に対応するLの座標、受光センサ750b、750dの場合は検知時間に対応するRの座標を取得することで、各移動部材703〜706の現在位置を検出している。本実施例では、位置把握用画像Pを斜めの直線とすることで、水平方向に移動ずる移動部材703、704と上下方向に移動する移動部材705、706の全ての位置を、1つの位置把握用画像Pの移動表示によって、一度に検出することが可能となっている。
このように、本実施例では、位置把握用画像Pを所定時間ごとに表示位置を移動させて表示し、各受光センサ750a〜750dが位置把握用画像Pを検知したタイミングにおける左端Lまたは右端Rの座標によって各移動部材703〜706の現在位置を検出するようになっている。従って、従来のように各移動部材703〜706を予め基準位置に移動させる必要がなく、また、各移動部材703〜706の位置を検出するのに要する時間は約1.7秒と短いため、電源投入から演出部材701、702を演出開始可能となる初期状態とするまでに要する時間を従来に比して大幅に短縮することが可能となる。
なお、各移動部材703〜706の位置を検出するのは、電源投入時に限られるものではなく、その他の所定の条件の場合、例えば、所定のゲーム数が終了した場合、通常遊技の操作終了から所定時間(例えば30秒)が経過して表示画面602aにデモ画像を表示する場合、ボーナス遊技において規定枚数のメダルの払い出しが終了して表示画面602aにボーナス終了画像を表示した後に通常遊技の画像を表示する場合等に、各移動部材703〜706の位置を検出して、次の演出やデモ画像等に合わせてこれらの位置を補正することも可能である。
また、位置把握用画像Pの表示位置の移動は、上記した20ドットずつに限られるものではなく、表示画面602aのサイズや解像度(画素数)等に合わせた最適な値を採用すればよく、例えば1ドットずつ移動させるようにして、より正確に各移動部材703〜706の位置を検出するようにしてもよい。また、位置把握用画像Pの傾き角度は、上記した略45度に限られるものではなく、表示画面602aのサイズや解像度(画素数)等に合わせたその他の角度であってもよい。また、LCD602の表示画面602aの画素数は、1280×780ドットに限られるものではないことはいうまでもない。
<副制御部Bの実行する処理>
次に、演出部材の位置検出において副制御部B500が実行する処理の流れを、副制御部B500が実行するその他の処理も含めて説明する。
<副制御部B割り込み処理>
まず、図21(a)を用いて、副制御部B500の割り込み処理について説明する。なお、同図は、副制御部B500の割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部B割り込み処理は、所定の周期(例えば、2ms)で実行される。まず、ステップS401では、副制御部A400からのコマンドを受信したか否かを判断する。コマンドを受信した場合はステップS402に進み、そうでない場合は終了する。
ステップS402では、受信したコマンドをRAM513の所定の領域に格納して記憶する。
<副制御部Bメイン処理>
次に、図21(b)を用いて、副制御部B500のメイン処理について説明する。なお、同図は、副制御部B500のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS501では、副制御部A400からのコマンドを受信してRAM513に格納しているか否かを判断する。何らかのコマンドが格納されている場合はステップS502に進み、そうでない場合はステップS503に進む。
ステップS502では、副制御部A400から受信したコマンドを解析して判定する。
ステップS503では、電源投入されたか否かを判断する。ここでは、電源投入直後の処理であるか否かを判断し、電源投入直後である場合はステップS504に進み、そうでない場合はステップS507に進む。
ステップS504では、初期設定を行う。ここでは、演出装置200の各種デバイスの初期設定を行う。
ステップS505では、表示装置602の表示画面602aに位置把握画像Pを表示する処理を行う。ここでは、RAM513の所定の領域に記憶したカウント値に基づいた表示位置に、位置把握画像Pを表示する。
ステップS506では、各移動部材703〜706が全て初期位置に移動済みであるか否かを判断する。後述するセンサ検出割り込み処理が各移動部材703〜706について実行され、各移動部材703〜706が全て初期位置に移動済みである場合には、ステップS507に進む。
ステップS507では、副制御部A400から受信したコマンドに基づいた処理を行う。
ステップS508では、メイン処理を終了するか否かを判断する。ここでは、例えば電源断等を検知した場合は処理を終了し、そうでない場合はステップS501に戻り、上記の処理を繰り返し実行する。
<カウント割り込み処理>
次に、図22(a)を用いて、副制御部B500のカウント割り込み処理について説明する。なお、同図は、副制御部B500のカウント割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
カウント割り込み処理は、タイマ回路515が送信するストローブ信号(カウントパルス)をCPU530が受信した場合に実行される。ステップS601では、RAM513の所定の領域に記憶しているカウント値に1を加えて記憶する。
<センサ検出割り込み処理>
次に、図22(b)を用いて、副制御部B500のセンサ検出割り込み処理について説明する。なお、同図は、副制御部B500のセンサ検出割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
センサ検出割り込み処理は、受光センサ750a〜750dのいずれかが位置把握用画像Pを検知した旨の信号をCPU530が受信した場合に実行される。以下、受光センサ750aが位置把握用画像Pを検知した場合を例にして説明する。
ステップS701では、受光センサ750aの位置を設定する。ここでは、RAM513の所定の領域に記憶したカウント値に基づいて図19(b)に示したテーブルを参照し、位置把握用画像Pを検知した受光センサ750aの位置(移動部材703の位置)を設定し、RAM513の所定の領域に記憶する。
ステップS702では、ステップS701において記憶した移動部材703の現在位置の座標と、予め設定された移動部材703の初期位置の座標から、移動部材703の移動量を演算する。さらに、算出した移動量をモータ713の駆動パルスに変換し、モータ713の制御データを設定する。
ステップS703では、モータドライバ540への出力があるか否かを判断する。ここでは、モータドライバ540に制御データを送信してモータ713を駆動し、移動部材703を初期位置まで移動させる必要があるか否かを判断する。モータドライバ540に制御データを出力する場合はステップS704に進み、そうでない場合は終了する。
ステップS704では、モータドライバ540に制御データを送信し、移動部材703を初期位置まで移動させる。
受光センサ750b〜750dが位置把握用画像を検知した場合にも、上記同様にセンサ検出割り込み処理が実行され、各移動部材704〜706は、移動部材703と同様に初期位置へと移動される。
次に、演出部材の位置検出において副制御部B500が実行する処理のもう1つの例について説明する。
<副制御部B割り込み処理>
まず、図23(a)を用いて、副制御部B500の割り込み処理のもう1つの例について説明する。なお、同図は、副制御部B500の割り込み処理のもう1つの例の流れを示すフローチャートである。
副制御部B割り込み処理は、所定の周期(例えば、2ms)で実行される。まず、ステップS421では、副制御部A400からのコマンドを受信したか否かを判断する。コマンドを受信した場合はステップS422に進み、そうでない場合は終了する。
ステップS422では、受信したコマンドをRAM513の所定の領域に格納して記憶する。
<副制御部Bメイン処理>
次に、図23(b)を用いて、副制御部B500のメイン処理のもう1つの例について説明する。なお、同図は、副制御部B500のメイン処理のもう1つの例の流れを示すフローチャートである。
ステップS521では、副制御部A400からのコマンドを受信してRAM513に格納しているか否かを判断する。何らかのコマンドが格納されている場合はステップS522に進み、そうでない場合はステップS523に進む。
ステップS522では、副制御部A400から受信したコマンドを解析して判定する。
ステップS523では、電源投入されたか否かを判断する。ここでは、電源投入直後の処理であるか否かを判断し、電源投入直後である場合はステップS524に進み、そうでない場合はステップS530に進む。
ステップS524では、初期設定を行う。ここでは、演出装置200の各種デバイスの初期設定を行う。
ステップS525では、表示装置602の表示画面602aに位置把握画像Pを表示する処理を開始する。
ステップS526では、タイマ回路515による時間のカウントを開始すると共に、時間のカウントに伴って位置把握画像Pの表示位置を移動させる。
ステップS527では、センサ検出処理を行う。センサ検出処理の詳細については後述する。
ステップS528では、位置把握画像Pの表示を終了すると共に、時間のカウントを終了する。
ステップS529では、初期位置移動処理を行う。初期位置移動処理の詳細については後述する。
ステップS530では、副制御部A400から受信したコマンドに基づいた処理を行う。
ステップS531では、メイン処理を終了するか否かを判断する。ここでは、例えば電源断等を検知した場合は処理を終了し、そうでない場合はステップS521に戻り、上記の処理を繰り返し実行する。
<センサ検出処理>
次に、図24(a)を用いて、副制御部B500のメイン処理のもう1つの例におけるステップS527のセンサ検出処理について説明する。なお、同図は、センサ検出処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS621では、受光センサ750aが位置把握画像Pを検知したか否かを判断する。受光センサ750aが位置把握画像Pを検知した場合はステップS622に進み、そうでない場合はステップS624に進む。
ステップS622では、受光センサ750aの位置を設定する。ここでは、受光センサ750aが位置把握画像Pの発する光を検知した時間(カウント値)に基づいて図19(b)に示したテーブルを参照して、受光センサ750aの位置(移動部材703の位置)を設定しRAM513の所定の領域に記憶する。
ステップS623では、RAM513の所定の領域に設定した受光センサ750aの検知フラグをオンにする。
ステップS624では、受光センサ750bが位置把握画像Pを検知したか否かを判断する。受光センサ750bが位置把握画像Pを検知した場合はステップS625に進み、そうでない場合はステップS627に進む。
ステップS625では、ステップS622と同様に、受光センサ750bの位置(移動部材704の位置)を設定する。
ステップS626では、ステップS623と同様に、受光センサ750bの検知フラグをオンにする。
ステップS627では、受光センサ750cが位置把握画像Pを検知したか否かを判断する。受光センサ750cが位置把握画像Pを検知した場合はステップS628に進み、そうでない場合はステップS630に進む。
ステップS628では、ステップS622と同様に、受光センサ750cの位置(移動部材705の位置)を設定する。
ステップS629では、ステップS623と同様に、受光センサ750cの検知フラグをオンにする。
ステップS630では、受光センサ750dが位置把握画像Pを検知したか否かを判断する。受光センサ750dが位置把握画像Pを検知した場合はステップS631に進み、そうでない場合はステップS633に進む。
ステップS631では、ステップS622と同様に、受光センサ750dの位置(移動部材706の位置)を設定する。
ステップS632では、ステップS623と同様に、受光センサ750dの検知フラグをオンにする。
ステップS633では、全ての受光センサ750a〜750dについて検知フラグがオンになっているか否かを判断する。全ての受光センサ750a〜750dについて検知フラグがオンになっている場合はステップS634に進み、そうでない場合はステップS621に戻る。
ステップS634では、全ての検知フラグをオフに設定する。
<初期位置移動処理>
次に、図24(b)を用いて、副制御部B500のメイン処理のもう1つの例におけるステップS529の初期位置移動処理について説明する。なお、同図は、初期位置移動処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS721では、上記センサ検出処理において記憶した各移動部材703〜706の現在位置の座標と、予め設定された各移動部材703〜706の初期位置の座標から、各移動部材703〜706の移動量を演算する。さらに、算出した移動量を各モータ713〜743の駆動パルスに変換し、各モータ713〜743の制御データを設定する。
ステップS722では、モータドライバ540への出力があるか否かを判断する。ここでは、モータドライバ540に制御データを送信して各モータ713〜743を駆動し、各移動部材703〜706を初期位置まで移動させる必要があるか否かを判断する。モータドライバ540に制御データを出力する場合はステップS723に進み、そうでない場合は終了する。
ステップS723では、モータドライバ540に制御データを送信する。
なお、本実施例では、演出装置200は2つの演出部材701、702を備えているが、演出装置200が演出部材701、702のいずれか1つを備えるようにしてもよい。
図25(a)〜(d)は、演出装置200が水平方向に移動する演出部材701のみを備える場合の演出部材701の位置検出方法を示す図である。この場合、図25(a)に示されるように、位置把握用画像Pは、表示画面602aの上端から下端まで略鉛直方向に連続する直線であり、表示画面602aの左端から右端に向けて表示位置が移動する。従って、例えば、電断時の演出部材701が図25(a)に示される状態である場合には、位置把握用画像Pは、まず受光センサ750bに検知され(図25(b))、次に受光センサ750aに検知される(図25(c))。そして、受光センサ750a、750bが位置把握用画像Pを検知したタイミングに基づいて移動部材703、704の現在位置が検出され、これらの現在位置に基づいて、移動部材703、704が基準位置へと移動される(図25(d))。
一方、図26(a)〜(d)は、演出装置200が上下方向に移動する演出部材702のみを備える場合の演出部材702の位置検出方法を示す図である。この場合、図26(a)に示されるように、位置把握用画像Pは、表示画面602aの左端から右端まで略水平方向に連続する直線であり、表示画面602aの下端から上端に向けて表示位置が移動する。従って、例えば、電断時の演出部材702が図26(a)に示される状態である場合には、位置把握用画像Pは、まず受光センサ750dに検知され(図26(b))、次に受光センサ750cに検知される(図26(c))。そして、受光センサ750c、750dが位置把握用画像Pを検知したタイミングに基づいて移動部材705、706の現在位置が検出され、これらの現在位置に基づいて、移動部材705、706が基準位置へと移動される(図26(d))。
また、演出部材701、702は、LCD602の表示画面602aの前方以外の場所に位置するものであってもよい。図27(a)および(b)は、演出部材701を表示画面602aの上方に配置した例を示す図である。
この例では、図27(a)に示されるように、演出部材701は、UFOを模した模型であり、移動部材703によって表示画面602aの上方を水平方向に移動するように構成されている。このような場合においても、受光センサ750aを表示画面602aに対向させて演出部材701に配設することで、演出部材701の現在位置を検出することができる。すなわち、表示画面602aの上端から下端まで略鉛直方向に連続する直線である位置把握用画像Pの表示位置を、表示画面602aの左端から右端に向けて移動させ(図27(a))、受光センサ750aがこの位置把握用画像Pを検知したタイミング(図27(b))を基に演出部材701の現在位置を検出することができる。
また、位置把握用画像Pを、LCD602の表示画面602aの全面に表示されないようにすることもできる。図28(a)〜(e)は、位置把握用画像Pを、表示画面602aの前方から視認不可能な部分にのみ表示する場合を示す図である。この場合、図28(a)に示されるように、位置把握用画像Pは、化粧パネル600およびカバー部材601により隠蔽される隠蔽領域602a'(図28(a)に示す一点鎖線の外側の領域)にのみ表示される。換言すれば、位置把握用画像Pは、前方から視認可能な領域(図28(a)に示す一点鎖線の内側の領域)においては、表示を消去されている。
各受光センサ750a〜750dは、演出部材701、702の両端近傍に配設されているため、このように隠蔽領域602a'のみに位置把握用画像Pを表示しても、各受光センサ750a〜750dは位置把握用画像Pを検知することができる。すなわち、電断時の演出部材701、702が、図28(a)に示すような状態の場合、位置把握用画像Pは、表示位置が移動するのに伴い、まず受光センサ750bに検知され(図28(b))、次に受光センサ750cに検知され(図28(c))、その次に受光センサ750dに検知され(図28(d))、最後に受光センサ750aに検知される(図28(e))。
位置把握用画像Pを隠蔽領域602a'に表示しているときには、表示画面602aの前方から視認可能な領域に別の画像等を表示してもよいし、何も表示しなくてもよい。このように、位置把握用画像Pを隠蔽領域602a'にのみ表示することで、表示画面602aを視認している遊技者等に違和感を与えることなく、演出部材701、702の位置を検出することができる。
以上説明したように、本実施例に係るスロットマシン100の演出装置200は、各種の情報を表示する表示手段(本実施例では、LCD)602と、動作する可動部材(本実施例では、演出部材)701、702と、可動部材701、702に配設されて表示手段602に表示された特定の情報(本実施例では、位置把握用画像)Pを検知する検知手段(本実施例では、受光センサ)750と、可動部材701、702を動作させる駆動手段(本実施例では、モータ)713〜743と、検知手段750による特定の情報Pの検知に基づいて駆動手段713〜743を制御する制御手段(本実施例では、主に副制御部B500のメイン処理のステップS509)と、を備えるため、表示手段602に表示された特定の情報Pを検知手段750によって検知することで、可動部材701、702の動作を効率的に制御することができる。
また、検知手段750は、表示手段602の前面の表示領域(本実施例では、表示画面)602aに対向して配設されるため、検知手段750を効率的に配置して、検知手段750に特定の情報Pを検知させることができる。
また、表示手段602は、前方から視認されない部分(本実施例では、隠蔽領域)602a'に特定の情報Pを表示するため、前方から表示手段602を視認している遊技者等に違和感や不快感を与えるのを防止することができる。
また、制御手段は、検知手段750による特定の情報Pの検知によって可動部材701、702の位置を検出するため、可動部材701、702を基準位置等まで移動させなくても、可動部材701、702の位置を検出することができる。
また、表示手段602は、特定の情報Pの表示位置を可動部材701、702の動作方向に沿って移動させるため、検知手段750がどのタイミングにおいて特定の情報Pを検知したかによって、効率的に可動部材701、702の位置を検出することができる。
また、動作方向がそれぞれ異なる複数の可動部材701、702を備え、表示手段602は、特定の情報Pの表示位置を複数の可動部材701、702の動作方向の全てに沿うように移動させるため、特定の情報Pを1方向に1回移動表示するだけで、動作方向が異なる複数の可動部材701、702の位置を検出することができる。
また、制御手段は、可動部材701、702の現在位置と初期位置の間の距離を演算する演算手段(本実施例では、副制御部B500のセンサ検出割り込み処理のステップS702)を備え、演算手段の演算結果に基づいて可動部材701、702を初期位置へ移動させるように駆動手段713〜743を制御するため、可動部材701、702を現在位置から初期位置まで正確に移動させることができる。
また、制御手段は、所定の場合に、可動部材701、702の位置を補正するように駆動手段713〜743を制御するため、例えば、所定のゲーム数が終了した場合、通常遊技の操作終了から所定時間(例えば30秒)が経過して表示領域602aにデモ画像を表示する場合、ボーナス遊技において規定枚数のメダルの払い出しが終了して表示領域602aにボーナス終了画像を表示した後に通常遊技の画像を表示する場合等に、可動部材701、702を基準位置等まで移動させなくても、可動部材701、702の位置を補正することができる。
また、本実施例に係るスロットマシン100は、可動部材付表示装置(本実施例では、演出装置)200を備えるため、遊技の演出を実行する可動部材付表示装置200の可動部材701、702の動作を効率的に制御することが可能となり、遊技の興趣を高め、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
また、本実施例に係るスロットマシン100は、複数種類の図柄が施された複数のリール110〜112と、複数のリール110〜112の回転を開始させるスタートスイッチ(本実施例では、スタートレバー)135と、複数のリール110〜112それぞれに対応して設けられ、リール110〜112の回転を個別に停止させるストップスイッチ(本実施例では、ストップボタン)137〜139と、予め定められた複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段(本実施例では、主制御部300のメイン処理のステップS106)と、停止時の複数のリール110〜112により表示された図柄の組合せが、抽選手段により内部当選した入賞役の図柄組合せであるか否かにより当該入賞役への入賞を判定する判定手段(本実施例では、主制御部300のメイン処理のステップS109)と、を備えたスロットマシンであるため、可動部材付表示装置200の可動部材701、702の動作を効率的に制御して遊技の演出をより多彩にすることが可能となり、遊技の興趣を高め、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
次に本発明の実施例2に係るスロットマシンについて説明する。本実施例に係るスロットマシンは、演出装置200に受光センサ760を適用したものであり、他の構造については上記実施例1に係るスロットマシン100と同一である。このため、同一部分については図中において同じ符号を付すと共に、その説明は省略し、以下、スロットマシン100と異なる部分についてのみ説明する。
<演出部材>
図29(a)は、本実施例に係るLCD602および演出部材701を示す図である。同図に示されるように、本実施例では、演出部材701はLCD602の高さの半分程度の長さであり、LCD602の下方を水平方向に移動する移動部材704のみに連結されている。
図29(b)は、演出部材701の背面の下端近傍を拡大して示す図である。同図に示されるように、演出部材701の背面の連結部704aのやや上方には、受光センサ760が配設されている。この受光センサ760は、LCD602の表示画面602aに表示された画像(映像)の発する光(特定の情報)を検知するセンサであり、水平方向に並べて配設された右センサ760aおよび左センサ760bの二つのセンサからなる。右センサ760aおよび左センサ760bは、表示画面602aに対向して配設されており、それぞれコネクタ762a、762bを介して副制御部B500と電気的に接続されている。
<受光センサを利用した移動制御>
本実施例では、受光センサ760を利用して演出部材701の移動制御を行っている。従来、LCD602等の表示内容と演出部材701等の可動部材の動作を同期させることは困難であった。本実施例では、受光センサ760によるLCD602の表示画面602aに表示された特定の情報の検知に基づいて演出部材701の移動を制御することで、表示画面602aの表示内容と演出部材701の移動を効率的に同期させることを可能としている。
図30(a)〜(c)は、受光センサ760を使用した演出部材701の移動制御の概要を示す図である。まず、図30(b)を参照して、演出部材701を右方向に移動させる場合について説明する。本実施例では、LCD602の表示画面602aにおいて受光センサ760の移動経路上に、略受光センサ760と同じ大きさの移動制御用画像P1を表示し、右センサ760aのみが移動制御用画像P1の発する光を検知している場合は、移動部材704を右方向に移動させるようにモータ723を制御し、右センサ760aおよび左センサ760bの両方が移動制御用画像P1の発する光を検知している場合には、移動部材を停止させるようにモータ723を制御している。そして、移動制御用画像P1の表示位置を、所定の周期(例えば、33ms)で所定の距離だけ右方向にずらしていくことで、移動部材704を演出部材701と共に右方向に一定速度で移動させるようにしている。
すなわち、始めに、移動制御用画像P1を右センサ760aのみに検知される位置に表示すると、演出部材701は、移動部材704と共に右方向に移動し、左センサ760bが移動制御用画像P1を検知したところで停止する。次に、移動制御用画像P1の表示位置が右方向にずれた位置に変更されて、移動制御用画像P1が右センサ760aのみに検知される状態になると、演出部材701は再び移動部材704と共に右方向に移動する。本実施例では、これを繰り返すことによって、演出部材701は右方向に移動するように制御している。
また、本実施例では、左センサ760bのみが移動制御用画像P1の発する光を検知している場合は、移動部材704を左方向に移動させるようにモータ723を制御している。すなわち、移動制御用画像P1の表示位置を、所定の周期で所定の距離だけ左方向にずらしていくことで、図30(c)に示されるように、移動部材704を演出部材701と共に左方向に一定速度で移動させるようにしている。
図30(a)は、演出部材701を移動させる演出を時系列的に示す図であり、横軸は時間Tを示している。同図に示されるように、例えば、時間0の時に演出部材701は、左端の初期位置にある。そして、演出部材701は、右センサ760aが移動制御用画像P1を検知すると右方向に移動し(t1)、左右センサ760a、760bが共に移動制御用画像P1を検知すると停止する(t2)。しかし、演出部材701が停止するのと略同時に移動制御用画像P1の表示位置が変更されるため、演出部材701は、再度右方向へ移動して行く(t3)。そして、t4およびt5に示すように、表示画面602aにはキャラクタ等の画像が表示され、演出部材701はこのキャラクタ等の動きと連動して移動する。
例えば、殿のキャラクタと侍のキャラクタが対決する画像を表示画面602aに表示して、演出部材701を両者の間に配置し、演出部材701を右の侍の方向に移動させると共に侍の画像を小さく表示する一方で、殿の画像は演出部材701の移動と共に大きく表示し、大きく表示された殿が対決に勝利したという態様で、遊技者に入賞役の内部当選を報知するといった演出をすることができる。
このように、表示画面602aのキャラクタ等の画像と演出部材を互いに連動させることで、演出内容をより多彩にすることができる。なお、移動制御用画像P1は、表示画面の隠蔽領域602a'に表示されるため前方から視認されることはなく、遊技中の遊技者に違和感を与えるようなことはない。
<副制御部Bの実行する処理>
次に、演出部材の移動制御において副制御部B500が実行する処理の流れを、副制御部B500が実行するその他の処理も含めて説明する。
<副制御部B割り込み処理>
まず、図31(a)を用いて、副制御部B500の割り込み処理について説明する。なお、同図は、副制御部B500の割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部B割り込み処理は、所定の周期(例えば、2ms)で実行される。まず、ステップS801では、副制御部A400からのコマンドを受信したか否かを判断する。コマンドを受信した場合はステップS802に進み、そうでない場合は終了する。
ステップS802では、受信したコマンドをRAM513の所定の領域に格納して記憶する。
<副制御部Bメイン処理>
次に、図31(b)を用いて、副制御部B500のメイン処理について説明する。なお、同図は、副制御部B500のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS901では、副制御部A400からのコマンドを受信してRAM513に格納しているか否かを判断する。何らかのコマンドが格納されている場合はステップS902に進み、そうでない場合はステップS903に進む。
ステップS902では、副制御部A400から受信したコマンドを解析して判定する。
ステップS903では、副制御部A40から受信したコマンドの中に可動物演出のコマンドがあるか否かを判断する。すなわち、ここでは、演出部材701の移動を伴う演出の実行に関するコマンドがあるか否かを判断し、演出部材701の移動を伴う演出の実行に関するコマンドがある場合はステップS904に進み、そうでない場合はステップS905に進む。
ステップS904では、可動物演出設定処理を行う。可動物演出設定処理の詳細については後述する。
ステップS905では、副制御部A400からメダル投入コマンドを受信したか否かを判断する。メダル投入コマンドを受信した場合はステップS906に進み、そうでない場合はステップS909に進む。
ステップS906では、初期画面設定を行う。ここでは、メダルが投入されて次のゲームが開始されるのに伴うLCD602の初期画面設定を行う。
ステップS907では、後述するセンサ監視フラグがオンに設定されているか否かを判断する。センサ監視フラグがオンの場合はステップS908に進み、そうでない場合は、ステップS909に進む。
ステップS908では、可動物演出解除処理を行う。可動物演出解除処理の詳細については後述する。
ステップS909では、副制御部A400から受信したその他のコマンドに基づいた処理を行う。
ステップS910では、メイン処理を終了するか否かを判断する。ここでは、例えば電源断等を検知した場合は処理を終了し、そうでない場合はステップS901に戻り、上記の処理を繰り返し実行する。
<可動物演出設定処理>
次に、図32(a)を用いて、副制御部B500のメイン処理におけるステップS904の可動物演出設定処理について説明する。なお、同図は、可動物演出設定処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1001では、センサ監視フラグをオンに設定する。後述するように、副制御部B500は、センサ監視フラグがオンとなっている場合に、受光センサ760による移動制御用画像P1の検知に基づいた演出部材701の移動制御を実行する。
ステップS1002では、移動制御用画像P1の表示設定を行う。
<可動物演出解除処理>
次に、図32(b)を用いて、副制御部B500のメイン処理におけるステップS908の可動物演出解除処理について説明する。なお、同図は、可動物演出解除処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1101では、センサ監視フラグをオフに設定する。副制御部B500は、センサ監視フラグがオフに設定されることによって、受光センサ760による移動制御用画像P1の検知に基づいた演出部材701の移動制御を終了する。
ステップS1102では、演出部材701の現在位置から初期位置までの移動量を演算する。
ステップS1103では、モータドライバ540への出力があるか否かを判断する。ここでは、モータドライバ540に制御データを送信してモータ723を駆動し、移動部材704を初期位置まで移動させる必要があるか否かを判断する。モータドライバ540に制御データを出力する場合はステップS1104に進み、そうでない場合は終了する。
ステップS1104では、モータドライバ540に制御データを送信する。
<タイマ割り込み処理>
次に、図33を用いて、所定の周期(例えば、2ms)で実行される副制御部B500のタイマ割り込み処理について説明する。なお、同図は、副制御部B500のタイマ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1201では、センサ監視フラグがオンであるか否かを判断ずる。センサ監視フラグがオンである場合はステップS1202に進み、そうでない場合はステップS1214に進む。
ステップS1202では、右センサ760aが移動制御用画像P1を検知したか否かを判断する。右センサ760aが移動制御用画像P1を検知した場合はステップS1203に進み、そうでない場合はステップS1204に進む。
ステップS1203では、右センサフラグをオンに設定する。
ステップS1204では、右センサフラグをオフに設定する。
ステップS1205では、左センサ760bが移動制御用画像P1を検知したか否かを判断する。左センサ760bが移動制御用画像P1を検知した場合はステップS1206に進み、そうでない場合はステップS1207に進む。
ステップS1206では、左センサフラグをオンに設定する。
ステップS1207では、左センサフラグをオフに設定する。
ステップS1208では、右センサフラグがオン、且つ左センサフラグがオフであるか否かを判断する。右センサフラグがオン、且つ左センサフラグがオフである場合にはステップS1209に進み、そうでない場合はステップS1210に進む。
ステップS1209では、演出部材701を右方向に移動させる。すなわち、モータドライバ540に制御データを送信してモータ723を駆動し、移動部材704と共に演出部材701を右方向に移動させるように制御する。
ステップS1210では、右センサフラグがオフ、且つ左センサフラグがオンであるか否かを判断する。右センサフラグがオフ、且つ左センサフラグがオンである場合にはステップS1211に進み、そうでない場合はステップS1212に進む。
ステップS1211では、演出部材701を左方向に移動させる。ここでは、ステップS1209と同様にして演出部材701を左方向に移動させるように制御する。
ステップS1212では、右センサフラグがオン、且つ左センサフラグがオンであるか否かを判断する。右センサフラグがオン、且つ左センサフラグがオンである場合にはステップS1213に進み、そうでない場合はステップS1214に進む。
ステップS1213では、演出部材701を停止させる。すなわち、モータドライバ540に制御データを送信してモータ723の駆動を停止し、移動部材704と共に演出部材701を停止させるように制御する。
ステップS1214では、その他の演出処理を行う。
以上説明したように、本実施例に係るスロットマシンの演出装置200は、制御手段(本実施例では、副制御部B500のタイマ割り込み処理)は、検知手段(本実施例では、受光センサ)760による特定の情報(本実施例では、移動制御用画像)P1の検知に基づいて可動部材(本実施例では、演出部材)701を動作または停止させるように、駆動手段(本実施例では、モータ)723を制御するため、可動部材701の動作とLCD602の画像等の表示を同期させることができる。
また、検知手段760は、特定の情報P1を検知する第1の検知部(本実施例では、右センサ)760aおよび第2の検知部(本実施例では、左センサ)760bを備え、制御手段は、第1の検知部760aが特定の情報P1を検知した場合に、可動部材701を動作させるように駆動手段723を制御するため、可動部材701の動作とLCD602の画像等の表示を同期させながら、効率的に可動部材701の動き出しを制御することができる。
また、検知手段760は、特定の情報P1を検知する第1の検知部760aおよび第2の検知部760bを備え、制御手段は、第1の検知部760aおよび第2の検知部760bの両方が特定の情報P1を検知した場合に、可動部材701を停止させるように駆動手段723を制御するため、可動部材701の動作とLCD602の画像等の表示を同期させながら、効率的に可動部材701の停止を制御することができる。
また、制御手段は、特定の情報P1の表示位置の移動に追従して可動部材701が動作するように、駆動手段723を制御するため、LCD602の画像等の表示の動きに合わせて特定の表示P1を移動させることで、効率的に可動部材701の動作とLCD602の画像等の表示を同期させることができる。
また、表示手段(本実施例では、LCD)602は、特定の情報P1を検知手段760の移動経路上に表示するため、LCD602の画像等の表示と同期させて、可動部材701の動作を効率的に制御することができる。
また、本実施例に係るスロットマシンは、可動部材付表示装置(本実施例では、演出装置200)を備えるため、遊技の演出を実行する可動部材付表示装置200の可動部材701、702の動作をLCD602の画像等の表示と同期させて、効率的に制御することが可能となり、遊技の興趣を高め、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。