本発明の一実施形態を示す遊技機であるパチスロについて、図1〜図29を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、遊技機の実施の形態に係る機能フローについて説明する。
本実施の形態のパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。この内部抽籤手段は、後述する主制御回路が担う。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者により所定のリールに対応するストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。このリール停止制御手段は、後述する主制御回路が担う。
パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec又は75msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼ぶ。規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定め、規定期間が75msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄1個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せ表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4コマ分)の規定時間内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、例えば、第2種特別役物であるチャレンジボーナス(CB)及びCBを連続して作動させるミドルボーナス(MB)の動作時には、1つ以上のリールに対して、規定時間75msec(図柄1コマ分)内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。さらに、リール停止制御手段は、遊技状態に対応する各種規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。この入賞判定手段は、後述する主制御回路が担う。入賞判定手段により入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。パチスロでは、以上のような一連の流れが1回の遊技として行われる。
また、パチスロでは、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置などの表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御回路が担う。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
<パチスロの構造>
次に、図2及び図3を参照して、本実施形態におけるパチスロの構造について説明する。
[外観構造]
図2は、パチスロ1の外部構造を示す斜視図である。
図2に示すように、パチスロ1は、外装体2を備えている。外装体2は、リールや回路基板等を収容するキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2bとを有している。
キャビネット2aの両側面には、把手7が設けられている(図2では一側面の把手7のみを示す)。この把手7は、パチスロ1を運搬するときに手をかける凹部である。
キャビネット2aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横並びに設けられている。以下、各リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。各リール3L,3C,3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
フロントドア2bは、ドア本体9と、フロントパネル10と、表示装置の一具体例を示す液晶表示装置11とを備えている。
ドア本体9は、ヒンジ(不図示)を用いてキャビネット2aに開閉可能に取り付けられている。ヒンジは、パチスロ1の前方からドア本体9を見た場合に、ドア本体9における左側の端部に設けられている。
液晶表示装置11は、ドア本体9の上部に取り付けられており、映像の表示による演出を実行する。この液晶表示装置11は、3つのリール3L,3C,3Rに描かれた図柄を表示する表示窓4を含む表示部(表示画面)11aを備える。本実施形態では、表示窓4を含む表示部11aの全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
表示窓4は、例えばアクリル板等の透明な部材で形成されている。この表示窓4は、正面(遊技者側)から見て、3つのリールの配置領域と重畳する位置に設けられ、かつ、3つのリールより手前(遊技者側)に位置するように設けられる。したがって、遊技者は、表示窓4を介して、表示窓4の背後に設けられた3つのリールを視認することができる。
本実施形態では、表示窓4は、その背後に設けられた対応するリールの回転が停止したとき、各リールに描かれた複数種類の図柄のうち、連続して配置された3つの図柄を表示できる大きさに設定されている。すなわち、表示窓4の枠内には、リール毎に上段、中段及び下段の各領域が設けられ、各領域に1個の図柄が表示される。そして、本実施形態では、左リール3Lの中段領域、中リール3Cの中段領域、及び、右リール3Rの中段領域を結ぶラインを、入賞か否かの判定を行う入賞判定ラインとして定義する。
フロントパネル10は、ドア本体9の上部に取り付けられており、液晶表示装置11を覆う大きさに設定されている。このフロントパネル10は、液晶表示装置11の
表示部11a側に重畳して配置され、液晶表示装置11の表示部11aを露出させる3つのパネル開口101a,101b,101cを有する装飾枠101と、装飾枠101のパネル開口101a,101b,101cを塞ぐ保護カバー102a,102b,102cとを有している。
装飾枠101は、パネル開口101aとパネル開口101bとを区画する仕切り片112と、パネル開口101bとパネル開口101cとを区画する仕切り片113とを有している。3つのパネル開口101a,101b,101cは、仕切り片112,113によって上下方向に並ぶように区画されている。装飾枠101のパネル開口101a,101cは、液晶表示装置11の表示部11aを露出させる。また、装飾枠101のパネル開口101bは、液晶表示装置11の表示部11a及び3つのリール3L,3C,3Rを露出させる。
仕切り片112には、タッチセンサ22(図4及び図5参照)が設けられている。このタッチセンサ22は、仕切り片112に接近或いは接触した遊技者の手の位置を検出し、その検出結果を後述の副制御回路42(図4及び図5参照)に送信する。
装飾枠101には、ランプ群21と、可動装飾ユニット121(図6参照)とが設けられている。ランプ群21は、例えば、図2中のランプ21a,21bを含む。このランプ群21は、LED(Light Emitting Diode)等で構成され、演出内容に対応するパターンで、光を点灯及び消灯する。
可動装飾ユニット121は、装飾枠101の裏面側に配置されており、通常、装飾枠101に隠れている。そして、特別の演出及び所定の演出が行われる場合に後述する第1移動部材123及び第2移動部材124(図6参照)を移動させる。これにより、第1移動部材123及び第2移動部材124は、装飾枠101のパネル開口101aから視認可能になる(図27参照)。
保護カバー102aは、装飾枠101のパネル開口101aを塞ぐ。また、保護カバー102bは、装飾枠101のパネル開口101bを塞ぎ、保護カバー102cは、パネル開口101cを塞ぐ。これら保護カバー102a,102b,102cは、例えば、透明の合成樹脂によって板状に形成されている。したがって、遊技者は、液晶表示装置11を、保護カバー102a,102cを介して視認することができ、表示窓4の背後に設けられた3つのリールを、保護カバー102bを介して視認することができる。
ドア本体9の中央には、台座部12が形成されている。この台座部12には、遊技者の操作対象となる各種装置(メダル投入口13、MAXベットボタン14、1BETボタン15、スタートレバー16、ストップボタン17L,17C,17R)が設けられている。
メダル投入口13は、遊技者によって外部からパチスロ1に投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口13から受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に使用され、所定枚数を超えた分は、パチスロ1の内部に預けることができる(いわゆるクレジット機能)。
MAXベットボタン14及び1BETボタン15は、パチスロ1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に使用する枚数を決定するために設けられる。なお、図2には示さないが、台座部12には、精算ボタンが設けられる。この精算ボタンは、パチスロ1の内部に預けられているメダルを外部に引き出す(排出する)ために設けられる。
スタートレバー16は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。ストップボタン17L,17C,17Rは、それぞれ、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応づけて設けられ、各ストップボタンは対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン17L,17C,17Rを、それぞれ左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rという。
また、図2には示さないが、台座部12には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器6(図4参照)が設けられている。この7セグ表示器6は、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
ドア本体9の下部には、メダル払出口18、メダル受皿19、スピーカ20L,20R等が設けられている。メダル払出口18は、後述のメダル払出装置33の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル受皿19は、メダル払出口18から排出されたメダルを貯める。また、スピーカ20L,20Rは、演出内容に対応する効果音や楽曲等の音を出力する。
[内部構造]
次に、パチスロ1の内部構造を、図3を参照しながら説明する。
図3は、パチスロ1の内部構造を示す斜視図である。
キャビネット2aは、正面側の一面が開口された略直方体状に形成されている。このキャビネット2a内の上部には、後述の主制御回路41(図4参照)を構成する主基板31が設けられている。主制御回路41は、内部当籤役の決定、各リールの回転及び停止、入賞の有無の判定等の、パチスロ1における遊技の主な動作及び該動作間の流れを制御する回路である。なお、主制御回路41の具体的な構成は後述する。
キャビネット2a内の中央部には、3つのリール(左リール3L、中リール3C及び右リール3R)が設けられている。なお、図3には示さないが、各リールは、所定の減速比を有する歯車を介して対応する後述のステッピングモータ(図4中のステッピングモータ61L,61C,61Rのいずれか)に接続される。
キャビネット2a内の下部には、多量のメダルを収容可能であり、かつ、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置33(以下、ホッパー33という)が設けられている。また、キャビネット2a内における、ホッパー33の一方の側部(図3に示す例では左側)には、パチスロ1が有する各装置に対して必要な電力を供給する電源装置34が設けられている。
フロントドア2bの裏面側(表示画面側とは反対側の部分)における上部には、後述の副制御回路42(図4及び図5参照)を構成する副基板32が設けられている。副制御回路42は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。なお、副制御回路42の具体的な構成は後述する。
さらに、フロントドア2bの裏面側における略中央部には、セレクタ35が設けられている。セレクタ35は、メダル投入口13(図2参照)を介して外部から投入されたメダルの材質や形状等が適正である否かを選別する装置であり、適正であると判定したメダルをホッパー33に案内する。また、図3には示さないが、セレクタ35内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ35S(図4参照)が設けられている。
<パチスロが備える回路の構成>
次に、パチスロ1が備える回路の構成について、図4及び図5を参照して説明する。
図4は、パチスロ1が備える回路全体のブロック構成図である。図5は、副制御回路の内部構成を示すブロック構成図である。
パチスロ1は、主制御回路41、副制御回路42、及び、これらの回路と電気的に接続される周辺装置(アクチュエータ)を備える。
[主制御回路]
主制御回路41は、主に、回路基板(主基板31)上に設置されたマイクロコンピュータ50により構成される。それ以外の構成要素として、主制御回路41は、クロックパルス発生回路54、分周器55、乱数発生器56、サンプリング回路57、表示部駆動回路64、ホッパー駆動回路65、及び、払出完了信号回路66を含む。
マイクロコンピュータ50は、メインCPU51、メインROM(Read Only Memory)52及びメインRAM(Random Access Memory)53により構成される。
メインROM52には、メインCPU51により実行される各種処理の制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路42に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM53には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
メインCPU51には、クロックパルス発生回路54、分周器55、乱数発生器56及びサンプリング回路57が接続されている。クロックパルス発生回路54及び分周器55は、クロックパルスを発生する。なお、メインCPU51は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。また、乱数発生器56は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。そして、サンプリング回路57は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
マイクロコンピュータ50の入力ポートには、各種スイッチ及びセンサ等が接続される。メインCPU51は、各種スイッチ等からの入力信号を受けて、ステッピングモータ61L,61C,61R等の周辺装置の動作を制御する。
ストップスイッチ17Sは、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。スタートスイッチ16Sは、スタートレバー16が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。精算スイッチ14Sは、精算ボタンが遊技者により押されたことを検出する。
メダルセンサ35Sは、メダル投入口13に投入されたメダルがセレクタ35内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ12Sは、ベットボタン(MAXベットボタン14又は1BETボタン15)が遊技者により押されたことを検出する。
また、マイクロコンピュータ50により動作が制御される周辺装置としては、3つのステッピングモータ61L,61C,61R、7セグ表示器6及びホッパー33がある。また、マイクロコンピュータ50の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための駆動回路が接続される。
モータ駆動回路62は、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応してそれぞれ設けられた3つのステッピングモータ61L,61C,61Rの駆動を制御する。リール位置検出回路63は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リールが一回転したことを示すリールインデックスをリール毎に検出する。
3つのステッピングモータ61L,61C,61Rのそれぞれは、その運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を有する。また、各ステッピングモータの駆動力は、所定の減速比を有する歯車を介して、対応するリールに伝達される。そして、各ステッピングモータに対して1回のパルスが出力されるごとに、対応するリールは一定の角度で回転する。
メインCPU51は、各リールのリールインデックスを検出してから対応するステッピングモータに対してパルスが出力された回数をカウントすることによって、各リールの回転角度(具体的には、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
ここで、各リールの回転角度の管理を具体的に説明する。各ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM53に設けられたパルスカウンタ(不図示)によって計数される。そして、図柄1個分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数されるごとに、メインRAM53に設けられた図柄カウンタ(不図示)の値に、「1」が加算される。なお、図柄カウンタは、リール毎に設けられる。そして、図柄カウンタの値は、リール位置検出回路63によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
すなわち、本実施形態では、図柄カウンタの値を管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転動作が行われたのかを管理する。それゆえ、各リールの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
なお、表示部駆動回路64は、7セグ表示器6の動作を制御する。ホッパー駆動回路65は、ホッパー33の動作を制御する。また、払出完了信号回路66は、ホッパー33に設けられたメダル検出部33Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー33から外部に排出されたメダルが所定の払出枚数に達したか否かをチェックする。
[副制御回路]
図4及び図5に示すように、副制御回路42は、主制御回路41と電気的に接続され、主制御回路41から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路42は、基本的には、図5に示すように、サブCPU81、サブROM82、サブRAM83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85、及び、ドライバ86を含む。さらに、副制御回路42は、DSP(Digital Signal Processor)90、オーディオRAM91、A/D(Analog to Digital)変換器92、アンプ93、及び、可動装飾ユニット駆動回路96を含む。
サブCPU81は、主制御回路41から送信されたコマンドに応じて、サブROM82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力制御を行う。なお、サブROM82は、基本的には、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を有する。
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する各種制御プログラムが記憶される。なお、プログラム記憶領域に格納される制御プログラムには、例えば、主制御回路41との通信を制御するための主基板通信タスク、演出用乱数値を抽出して演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置11による映像の表示を制御するための描画制御タスク、ランプ群21による光の出力を制御するためのランプ制御タスク、スピーカ20L,20Rによる音の出力を制御するための音声制御タスク等のプログラムが含まれる。
データ記憶領域には、例えば、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各種演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等の各種記憶領域が含まれる。
サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路41から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域などを有する。
また、副制御回路42には、図5に示すように、液晶表示装置11、スピーカ20L,20R、ランプ群21、タッチセンサ22、及び、可動装飾ユニット121等の周辺装置が接続されている。つまり、これらの周辺装置の動作は、副制御回路42により制御される。
本実施形態では、サブCPU81、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85(フレームバッファを含む)及びドライバ86は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、該作成した映像は液晶表示装置11により表示される。
また、サブCPU81、DSP90、オーディオRAM91、A/D変換器92及びアンプ93は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ20L,20Rにより出力する。さらに、サブCPU81は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ群21の点灯及び消灯を行う。
タッチセンサ22は、仕切り片112(図2参照)に接近或いは接触した遊技者の手の位置を検出し、その検出結果を後述の副制御回路42のサブCPU81に送信する。サブCPU81及び可動装飾ユニット駆動回路96は、演出内容により指定された可動装飾ユニット駆動データに従って可動装飾ユニット121の駆動を行う。つまり、可動装飾ユニット121は、特別の演出が行われる場合に駆動して、第1移動部材123及び第2移動部材124をフロントパネル10のパネル開口101aから露出させる。
また、サブCPU81及び可動装飾ユニット駆動回路96は、所定の演出を行う際に、タッチセンサ22の検出結果に応じて、可動装飾ユニット121の駆動を行う。その結果、可動装飾ユニット121の第1移動部材123及び第2移動部材124が、遊技者の手の位置に応じて移動する。
<フロントパネルの構成>
次に、フロントパネル10の構成について、図6を参照して説明する。
図6は、フロントパネル10の分解斜視図である。
図6に示すように、フロントパネル10は、装飾枠101と、装飾枠101に取り付けられる可動装飾ユニット121とを備えている。
[装飾枠]
装飾枠101は、枠部111と、枠部111の開口をパネル開口101a,101b,101cに区画する仕切り片112,113とを有している。枠部111は、略四角形の枠状に形成されている。この枠部111には、ランプ21a,21bを含むランプ群21が設けられている。
仕切り片112,113は、上下方向に適当な距離をあけて配置されており、水平方向に延びる棒状に形成されている。これら仕切り片112,113によって区画されたパネル開口101a,101b,101cは、上下方向に並んでいる。すなわち、パネル開口101aは、枠部111の上段に位置し、パネル開口101bは、枠部111の中段に位置する。そして、パネル開口101cは、枠部111の下段に位置する。
また、仕切り片112には、タッチセンサ22(図4及び図5参照)が設けられている。このタッチセンサ22としては、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等を採用することができる。
パネル開口101a,101b,101cは、透明の保護カバー102a,102b,102cによって塞がれている。遊技者は、保護カバー102a,102cを介して、パネル開口101a,101cに露出される液晶表示装置11の表示部11a(図2参照)を視認することができる。また、保護カバー102bを介して、パネル開口101bに露出される3つのリール3L,3C,3R(図2参照)及び液晶表示装置11の表示部11aを視認することができる。
[可動装飾ユニット]
次に、可動装飾ユニット121の構成について、図6〜図9を参照して説明する。
図7は、可動装飾ユニット121の分解斜視図である。図8は、可動装飾ユニット121から正面カバーを取り外した状態を示す正面図である。図9は、可動装飾ユニット121の横断面図である。
図6及び図7を示すように、可動装飾ユニット121は、ベース部材122と、第1移動部材123と、第2移動部材124と、第1移動機構125と、第2移動機構126と、ガイドレール127とを備えている。
図7に示すように、ベース部材122は、ベース本体131と、前面カバー132と、後面カバー133とを有している。ベース本体131は、左右方向(横方向)に長い長方形の箱状に形成されており、パチスロ1(図2参照)の前後方向に直交する一方の面である前面と、上下方向の一方の面である下面が開口されている。
ベース本体131は、上部131aと、左右の側部131b,131cと、後部131dとを有している。上部131aには、ユニット固定部材128A,128B(図6参照)が接合される。ベース部材122は、ユニット固定部材128A,128Bを介して、装飾枠101の内面に固定される。
後部131dの内面には、第1移動機構125を構成する第1駆動プーリ162及び第2移動機構126を構成する第2駆動プーリ172等が配設される。また、後部131dの内面には、第1移動部材123及び第2移動部材124の移動を案内するガイドシャフト135が固定されている。このガイドシャフト135は、左右方向に延びる棒状に形成されている。第1移動部材123及び第2移動部材124は、ガイドシャフト135に沿って左右方向に移動する。
また、ベース本体131の後面側であって左右方向の一方(前方から見て左側)の端部には、フロントドア2bのヒンジとの干渉を避けるための切欠き部136が設けられている。すなわち、ベース本体131の切欠き部136によって形成される空間には、フロントドア2b(図2参照)のヒンジが配置される。
前面カバー132は、ベース本体131の前面側の開口を塞ぐ。この前面カバー132は、左右方向に長い長方形の板状に形成されている。この前面カバー132は、ベース本体131に固定ねじ(不図示)を用いて固着されている。前面カバー132におけるベース本体131に対向する面と反対側の面には、第1移動機構125を構成する第1モータ164と、第2移動機構126を構成する第2モータ174が固定されている。
後面カバー133は、ベース本体131の後部131dに設けられた後述する基板用凹部301及びケーブル用凹部302(図15参照)を塞ぐ。この後面カバー133は、左右方向に長い板状に形成されており、基板用凹部301を塞ぐ基板閉塞部137と、ケーブル用凹部302を塞ぐケーブル閉塞部138とを有する。
後面カバー133におけるケーブル閉塞部138のベース本体131に対向する面には、リブ139が設けられている。このリブ139は、ケーブル閉塞部138から略垂直に突出する板状に形成されており、左右方向に延びている。リブ139は、後述するフレキシブルフラットケーブル321,322(図15参照)の変形を案内する。
図7及び図8に示すように、第1移動部材123は、移動部材本体141と、移動部材本体141に固定されたスライダ142とを有する。移動部材本体141は、パチスロ1の前方から見て右側方が開口された枠状に形成されており、側辺部143と、上辺部144と、下辺部145から構成されている。側辺部143は、上下方向に延びており、上辺部144は、側辺部143の上部に連続して右方向に延びている。また、下辺部145は、側辺部143の下部に連続して右方向に延びている。
移動部材本体141の側辺部143には、複数の発光部146が設けられている。この発光部146は、側辺部143に設けられた光源(不図示)からの光を透過させる。発光部146としては、例えば、透明又は半透明の樹脂材料により形成することができる。また、側辺部143の下面には、係合突部147が設けられている。この係合突部147は、ガイドレール127に摺動可能に係合する。
スライダ142は、移動部材本体141の側辺部143及び上辺部144に固定されている。そして、スライダ142は、ガイドシャフト135に摺動可能に嵌合している。これにより、第1移動部材123は、ガイドシャフト135及びガイドレール127に案内されて、左右方向に移動する。
第2移動部材124は、移動部材本体151と、移動部材本体151に固定されたスライダ152とを有する。移動部材本体151は、第1移動部材123と左右対称の形状であり、パチスロ1の前方から見て左側方が開口された枠状に形成されている。
移動部材本体151は、側辺部153と、上辺部154と、下辺部155から構成されている。側辺部153は、上下方向に延びており、上辺部154は、側辺部153の上部に連続して左方向に延びている。また、下辺部155は、側辺部153の下部に連続して左方向に延びている。
移動部材本体151の側辺部153には、複数の発光部156が設けられている。この発光部156は、側辺部153に設けられた光源(不図示)からの光を透過させる。発光部156としては、例えば、透明又は半透明の樹脂材料により形成することができる。また、側辺部153の下面には、係合突部157が設けられている。この係合突部157は、ガイドレール127に摺動可能に係合する。
スライダ152は、移動部材本体151の側辺部153及び上辺部154に固定されている。そして、スライダ152は、ガイドシャフト135に摺動可能に嵌合している。これにより、第2移動部材124は、ガイドシャフト135及びガイドレール127に案内されて、左右方向に移動する。なお、スライダ152の構成は、スライダ142の構成と同様である。これらスライダ142,152の構成については、後で図12〜図14を参照して説明する。
第1移動部材123の上辺部144は、第2移動部材124の上辺部154に対向し、第1移動部材123の下辺部145は、第2移動部材124の下辺部155に対向している。これにより、第1移動部材123及び第2移動部材124が相対的に接近すると、第1移動部材123と第2移動部材124は、略四角形の枠体400(図28参照)を形成する。
第1移動機構125は、第1移動部材123を左右方向に移動させる。この第1移動機構125は、第1ベルト161と、第1駆動プーリ162と、第1従動プーリ163と、第1モータ164と、第1ギヤ165とを備えている。
第1ベルト161は、ゴム材料によって無端状に形成されている。この第1ベルト161は、第1駆動プーリ162及び第1従動プーリ163に巻き掛けられることにより、左右方向に細長い環状になる。第1ベルト161の直線部には、第1移動部材123のスライダ142が固定される。したがって、第1ベルト161が回転すると、第1移動部材123は、左右方向に移動する。
第1駆動プーリ162は、第1ギヤ165に噛み合う歯部と、第1ベルト161が巻き掛けられる巻き掛け部とを有している。この第1駆動プーリ162は、ベース本体131の左右方向の中央部よりも少し右側に配置されており、第1駆動プーリ162の回転軸は、前後方向に延びている。
第1従動プーリ163は、ベース本体131の左右方向の左側端部に配置されており、第1従動プーリ163の回転軸は、前後方向に延びている。第1従動プーリ163の回転軸は、軸受け部材166に支持されている。軸受け部材166は、ベース本体131に設けられたガイド片(不図示)に摺動可能に係合しており、左右方向にのみ移動可能となっている。
軸受け部材166は、付勢部材の一具体例である圧縮コイルばね167によって左方向へ付勢されている。すなわち、圧縮コイルばね167の一端は、軸受け部材166に当接し、圧縮コイルばね167の他端は、ベース本体131に設けられたばね押え片131eに当接している。したがって、軸受け部材166に支持された第1従動プーリ163は、第1ベルト161に張力を付与するためのテンションローラの役割を兼ねている。
第1モータ164は、前述したように、前面カバー132に固定されている。この第1モータ164としては、例えば、ステッピングモータを適用することができる。第1モータ164の回転軸164aは、前後方向に延びており、前面カバー132を貫通してベース本体131の内部に配置されている。第1モータ164の回転軸164aには、第1ギヤ165が固定されている。
第1モータ164の回転軸164aが一方の回転方向(右回り)に回転すると、第1ギヤ165が一方の回転方向に回転する。これにより、第1ギヤ165に噛み合った第1駆動プーリ162が他方の回転方向(左回り)に回転する。その結果、第1ベルト161が他方の回転方向に回転し、第1移動部材123が右方向へ移動する。
また、第1モータ164の回転軸164aが他方の回転方向(左回り)に回転すると、第1ギヤ165が他方の回転方向に回転する。これにより、第1ギヤ165に噛み合った第1駆動プーリ162が一方の回転方向(右回り)に回転する。その結果、第1ベルト161が一方の回転方向に回転し、第1移動部材123が左方向へ移動する。
第2移動機構126は、第2移動部材124を左右方向に移動させる。この第2移動機構126は、第1移動機構125と同様な構成を有しており、第2ベルト171と、第2駆動プーリ172と、第2従動プーリ173と、第2モータ174と、第2ギヤ175とを備えている。
第2ベルト171は、ゴム材料によって無端状に形成されており、第2駆動プーリ172及び第2従動プーリ173に巻き掛けられて、左右方向に細長い環状になる。第2ベルト171の直線部には、第2移動部材124のスライダ152が固定される。したがって、第2ベルト171が回転すると、第2移動部材124は、左右方向に移動する。
第2駆動プーリ172は、第2ギヤ175に噛み合う歯部と、第2ベルト171が巻き掛けられる巻き掛け部とを有している。この第2駆動プーリ172は、ベース本体131の左右方向の中央部よりも少し左側に配置されており、第2駆動プーリ172の回転軸は、前後方向に延びている。
第2従動プーリ173は、ベース本体131の左右方向の右側端部に配置されており、第2従動プーリ173の回転軸は、前後方向に延びている。第2従動プーリ173の回転軸は、軸受け部材176に支持されている。軸受け部材176は、ベース本体131に設けられたガイド片(不図示)に摺動可能に係合しており、左右方向にのみ移動可能となっている。
軸受け部材176は、付勢部材の一具体例である圧縮コイルばね177によって右方向へ付勢されている。すなわち、圧縮コイルばね177の一端は、ベース本体131に設けられたばね押え片131fに当接し、圧縮コイルばね177の他端は、軸受け部材176に当接している。これにより、軸受け部材176に支持された第2従動プーリ173は、第2ベルト171に張力を付与するためのテンションローラの役割を兼ねている。
第2モータ174は、前述したように、前面カバー132に固定されている。この第2モータ174としては、例えば、ステッピングモータを適用することができる。第2モータ174の回転軸174aは、前後方向に延びており、前面カバー132を貫通してベース本体131の内部に配置されている。この回転軸174aには、第2ギヤ175が固定されている。
第2モータ174の回転軸174aが一方の回転方向(右回り)に回転すると、第2ギヤ175が一方の回転方向に回転する。これにより、第2ギヤ175に噛み合った第2駆動プーリ172が他方の回転方向(左回り)に回転する。その結果、第1ベルト161が他方の回転方向に回転し、第2移動部材124が右方向へ移動する。
また、第2モータ174の回転軸174aが他方の回転方向(左回り)に回転すると、第2ギヤ175が他方の回転方向に回転する。これにより、第2ギヤ175に噛み合った第2駆動プーリ172が一方の回転方向(右回り)に回転する。その結果、第2ベルト171が一方の回転方向に回転し、第2移動部材124が左方向へ移動する。
図9に示すように、第1移動機構125の第1ベルト161、第1駆動プーリ162及び第1従動プーリ163は、第2移動機構126の第2ベルト171、第2駆動プーリ172及び第2従動プーリ173よりも前方に配置されている。そして、第1ベルト161と第2ベルト171の一部は、前後方向に重なっている。
第1ベルト161における第1従動プーリ163側の端部は、第2ベルト171に前後方向で重ならず、ベース本体131の切欠き部136の前方に配置されている。したがって、第1ベルト161における第1従動プーリ163側の端部は、フロントドア2b(図2参照)のヒンジに前後方向で重なる。
このように、本実施形態では、第1ベルト161を第2ベルト171よりも前方に配置し、第1ベルト161における第2ベルト171に前後方向で重ならない側の少なくとも一部を、フロントドア2bのヒンジに前後方向で重なるようにした。これにより、フロントドア2bにおけるヒンジの前方には、第1ベルト161及び第1従動プーリ163を配置するためのスペースを確保すればよい。
すなわち、フロントドア2bにおけるヒンジの前方には、第2ベルト171を配置するためのスペースを確保する必要が無い。これにより、ベース本体131における第1ベルト161及び第1従動プーリ163の後方にヒンジとの干渉を避けるための切欠き部136を設けることができる。その結果、ヒンジと可動装飾ユニット121を配置するためのスペースを前後方向に小さくすることができ、フロントドア2bにおける限られたスペースを有効に活用することができる。
また、第1ベルト161における第2ベルト171に前後方向で重ならない側の少なくとも一部を、フロントドア2bのヒンジに前後方向で重なるようにしたことにより、前後方向でヒンジに重なる位置まで第1移動部材123を移動させることができる。さらに、第1ベルト161と第2ベルト171が前後方向に重なるように配置されているため、第1移動機構125及び第2移動機構126を配置するための上下方向のスペースを縮小することができる。
また、第2ベルト171における第1ベルト161に前後方向で重ならない側の前方にスペースを確保することが可能になる。これにより、第2ベルト171における第1ベルト161に前後方向で重ならない側の前方に、遊技者が視認可能な演出用装置などを配置することができる。
<従動プーリの構成>
次に、第1移動機構125及び第2移動機構126の第1従動プーリ163及び第2従動プーリ173の構成について、図10及び図11を参照して説明する。
図10は、従動プーリ163,173の斜視図である。図11は、従動プーリ163,173の分解斜視図である。
図10及び図11に示すように、従動プーリ163,173は、ベルト161,171(図7〜図9参照)が巻き掛けられるギヤ部材181と、ギヤ部材181を厚み方向に挟む一対の側壁部材191A,191Bとを備えている。ギヤ部材181及び一対の側壁部材191A,191Bは、樹脂材料により形成されている。
本実施形態では、従動プーリ163,173に巻き掛けられる第1ベルト161及び第2ベルト171をゴム材料によって形成した。そのため、ベルトを金属ワイヤで形成する場合よりも、従動プーリ163,173及び駆動プーリ162,172の強度を小さくすることができる。
その結果、金属材料よりも費用を抑制することができる樹脂材料を用いて従動プーリ163,173及び駆動プーリ162,172を形成することができる。したがって、移動機構125,126(図7及び図8参照)を製造するためのコストを削減でき、且つ、移動機構125,126の軽量化を図ることができる。
[ギヤ部材]
図11に示すように、ギヤ部材181は、略円形の板状に形成されており、側周面にベルト161,171が巻き掛けられる。このギヤ部材181の側周面には、歯部182が形成されている。ギヤ部材181における平面181a,181bは、同一形状に形成されている。ギヤ部材181の平面181a,181bには、それぞれ円形の凹部183a,183bが設けられている。この凹部183a,183bの中心は、ギヤ部材181の中心に一致している。
さらに、ギヤ部材181には、4つの爪挿通孔185a,185b,185c,185dと、軸貫通孔(不図示)が設けられている。4つの爪挿通孔185a,185b,185c,185d及び軸貫通孔は、それぞれギヤ部材181を厚み方向に貫通している。軸貫通孔は、円形に形成されており、凹部183a,183bの底面における中心部に開口されている。
4つの爪挿通孔185a,185b,185c,185dは、四角形に形成されている。爪挿通孔185a,185bは、ギヤ部材181の径方向に並んでおり、軸貫通孔(不図示)を挟んでいる。これら爪挿通孔185a,185bには、側壁部材191Aの後述する係合爪196a,196bが挿入される。
また、爪挿通孔185c,185dは、ギヤ部材181の径方向であって爪挿通孔185a,185bが並ぶ方向に直交する方向に並んでおり、軸貫通孔(不図示)を挟んでいる。これら爪挿通孔185c,185dには、側壁部材191Bの後述する係合爪196a,196bが挿入される。
ギヤ部材181の凹部183aには、本発明の嵌合突部の一具体例を示す筒突部186が設けられている。この筒突部186は、凹部183aの底面から略垂直に突出する円筒状に形成されており、軸貫通孔(不図示)を囲んでいる。筒突部186の筒孔186aは、軸貫通孔(不図示)に連通している。
筒突部186の内周面には、筒突部186の上面(凹部183aの底面側とは反対の端面)に向かうにつれて筒孔186aの径を大きくするテーパ面186bが形成されている。このテーパ面186bにより、軸ピン(不図示)を筒孔186aに容易に挿入することができる。なお、テーパ面186b以外の筒孔186aの径は、軸貫通孔(不図示)の径と略等しい。
また、ギヤ部材181の凹部183bには、筒突部187が設けられている。この筒突部187は、筒突部186と同じ形状であり、テーパ面(不図示)を有している。筒突部187の筒孔(不図示)、筒突部186の筒孔186a及び軸貫通孔(不図示)には、従動プーリ163,164の回転軸(不図示)が貫通する。
[一対の側壁部材]
一対の側壁部材191A,191Bは、同一形状に形成されている。図11に示すように、側壁部材191A,191Bは、ギヤ部材181よりも大きい径である円形の板状に形成されており、一方の平面191aと、他方の平面191bとを有している。側壁部材191Aの平面191bは、ギヤ部材181の平面181aに対向し、側壁部材191Bの平面191bは、ギヤ部材181の平面181bに対向する。
側壁部材191A,191Bは、嵌合孔192と、4つの貫通孔193a,193b,193c,193dが設けられている。嵌合孔192及び4つの貫通孔193a,193b,193c,193dは、それぞれ側壁部材191A,191Bを厚み方向に貫通している。
嵌合孔192は、円形に形成されており、平面191a,191bにおける中心部に開口されている。側壁部材191Aの嵌合孔192には、ギヤ部材181の筒突部186が嵌入され、側壁部材191Bの嵌合孔192には、ギヤ部材181の筒突部187が嵌入される。したがって、嵌合孔192の直径は、筒突部186,187外径と略等しい大きさに設定されている。
4つの貫通孔193a,193b,193c,193dは、四角形に形成されている。貫通孔193a,193bは、側壁部材191A,191Bの径方向に並んでおり、嵌合孔192を挟んでいる。また、貫通孔193c,193dは、側壁部材191A,191Bの径方向あって貫通孔193a,193bが並ぶ方向に直交する方向に並んでおり、嵌合孔192を挟んでいる。
側壁部材191Aの貫通孔193c,193dには、側壁部材191Bの後述する係合爪196a,196bが挿入される。すなわち、側壁部材191Aの貫通孔193c,193dは、側壁部材191Bの後述する係合爪196a,196bとの干渉を避けるために設けられている。
また、側壁部材191Bの貫通孔193c,193dには、側壁部材191Aの後述する係合爪196a,196bが挿入される。すなわち、側壁部材191Bの貫通孔193c,193dは、側壁部材191Aの後述する係合爪196a,196bとの干渉を避けるために設けられている。
貫通孔193c,193dは、係合爪196a,196bが挿入可能な大きさに設定されている。なお、本実施形態では、4つの貫通孔193a,193b,193c,193dは、全て同じ大きさに設定されている。
側壁部材191A,191Bの平面191bには、ガイド筒部195と、2つの係合爪196a,196bと、4つの係合突部197が設けられている。ガイド筒部195は、平面191bから略垂直に突出しており、嵌合孔192を囲んでいる。ガイド筒部195の筒孔は、嵌合孔192に連通している。
側壁部材191Aのガイド筒部195には、ギヤ部材181の筒突部186が挿入され、側壁部材191Bのガイド筒部195には、ギヤ部材181の筒突部187が挿入される。これにより、側壁部材191A,191Bとギヤ部材181との位置合わせを容易に行うことができる。
また、ガイド筒部195の内周面には、ガイド筒部195の上面(平面191bとは反対側の端面)に向かうにつれて筒孔の径を大きくするテーパ面195aが形成されている。ガイド筒部195の内周面にテーパ面195aを設けることにより、筒突部186,187をガイド筒部195の筒孔に容易に挿入することができる。なお、ガイド筒部195におけるテーパ面195a以外の筒孔の径は、ギヤ部材181の筒突部186,187の径と略等しい。
係合爪196aは、貫通孔193aの周縁部から略垂直に突出しており、係合爪196bは、貫通孔193bの周辺部から略垂直に突出している。係合爪196a,196bは、撓み変形可能に形成されている。
側壁部材191Aの係合爪196a,196bは、ギヤ部材181の爪挿通孔185a,185bに挿入される。爪挿通孔185a,185bに挿入された側壁部材191Aの係合爪196a,196bは、爪挿通孔185a,185bを貫通して、ギヤ部材181における凹部183bの底面に係合する。
なお、係合爪196a,196bにおける凹部183bの底面から突出した部分は、側壁部材191Bの貫通孔193c,193dに配置され、側壁部材191Bの平面191aから突出しない。
側壁部材191Bの係合爪196a,196bは、ギヤ部材181の爪挿通孔185c,185dに挿入される。爪挿通孔185c,185dに挿入された側壁部材191Bの係合爪196a,196bは、爪挿通孔185c,185dを貫通して、ギヤ部材181における凹部183aの底面に係合する。
なお、係合爪196a,196bにおける凹部183aの底面から突出した部分は、側壁部材191Aの貫通孔193c,193dに配置され、側壁部材191Aの平面191aから突出しない(図10参照)。
4つの係合突部197は、側壁部材191A,191Bの周方向に隣り合う貫通孔の間(例えば、貫通孔193b,193d間)に配置されている。4つの係合突部197は、平面191bから略垂直に突出しており、側壁部材191A,191Bの同心円に沿った円弧状に形成されている。
側壁部材191A,191Bの4つの係合突部197は、それぞれギヤ部材181の凹部183a,183bの壁面に係合する。これにより、側壁部材191A,191Bとギヤ部材181との固定を強固にすることができる。
本実施形態では、一対の側壁部材191A,191Bの径を、ギヤ部材181の径よりも大きくした。これにより、一対の側壁部材191A,191Bは、ギヤ部材181に巻き掛けられたベルト161,171(図7及び図8参照)の側面に対向して、ベルト161,171がギヤ部材181から外れないようにする。
また、本実施形態では、一対の側壁部材191A,191Bを同一形状にしたため、側壁部材191Aと側壁部材191Bとを入れ替えて従動プーリ163,173を構成することができる。つまり、側壁部材191Aと側壁部材191Bのいずれをギヤ部材181の平面181aに対向させてもよく、従動プーリ163,173の組立作業を単純化することができる。
また、一対の側壁部材191A,191Bを同一形状にしたため、側壁部材191A,191Bを成形するための型を共通にすることができ、従動プーリ163,173の製造コストを削減することができる。
また、側壁部材191A,191Bに設けた2つの係合爪196a,196bが、嵌合孔192を挟んで側壁部材191A,191Bの径方向に並んでいる。これにより、側壁部材191Aの2つの係合爪196a,196bを結ぶ線と、側壁部材191Bの2つの係合爪196a,196bを結ぶ線が、ギヤ部材181の中心で交差する。
その結果、一対の側壁部材191A,191Bを同一形状にしても、一対の側壁部材191A,191Bとギヤ部材181との係合箇所が特定の領域に偏ることは無い。したがって、従動プーリ163,173を組立式にしても適当な強度を保つことができる。
また、本実施形態では、従動プーリ163,164の回転軸(不図示)が貫通する筒突部187の筒孔(不図示)、筒突部186の筒孔186a及び軸貫通孔(不図示)を、ギヤ部材181に設けた。これにより、従動プーリ163,164を組立式にしても、回転軸が通過する部品をギヤ部材181のみとなる。したがって、ギヤ部材181に対して側壁部材191A,191Bが多少ずれて固定されても、従動プーリ163,164を円滑に回転させることができる。
<スライダの構成>
次に、スライダ142,152の構成について、図12〜図14を参照して説明する。
図12は、第2移動部材124を正面側から見た斜視図である。図13は、第2移動部材124におけるスライダ152の分解斜視図である。図14は、第2移動部材124におけるスライダ152の横断面図である。
第1移動部材123のスライダ142と第2移動部材124のスライダ152は、同様の構成を有している。そのため、ここでは、第2移動部材124のスライダ152について説明する。
図13に示すように、第2移動部材124のスライダ152は、移動部材本体151の上部に固定されたスライドベース201と、ガイドシャフト135に移動可能に嵌合し、スライドベースに収納された2つの嵌合筒202,203とを備える。
スライドベース201は、合成樹脂によって中空の略直方体状に形成されており、パチスロ1の前後方向に対向する第1部材211及び第2部材212を有している。第1部材211は、第2部材212よりも後方に配置され、前面(第2部材212側の面)が開口された略直方体状に形成されている。第2部材212は、後面(第1部材211側)が開口された略直方体状に形成されている。
[第1部材]
第1部材211は、上下方向に対向する上面部211a及び下面部211bと、左右の側面部211c,211dと、後面部211eとを有している。第1部材211の後面部211eは、移動部材本体151の上部に当接する。また、第1部材211は、複数の固定ねじ210(図13参照)を用いて移動部材本体151の上部に固定される。
第1部材211の上面部211aには、突起213,213が設けられている。この突起213,213は、第2部材212の後述する突起係合部233,233に係合する。第1部材211の側面部211cには、半円形の切欠き214と、突起215が設けられている。切欠き214は、側面部211cの上部に形成され、突起215は、側面部211cの下部に形成されている。突起215は、第2部材212の後述する突起係合部235に係合する。
第1部材211の側面部211dには、半円形の切欠き216と、突起(不図示)が設けられている。切欠き216は、側面部211dの上部に形成されており、不図示の係止突起は、側面部211dの下部に形成されている。切欠き216の径は、側面部211cの切欠き214の径と等しい。第1部材211の突起(不図示)は、第2部材212の後述する側面部212dに設けられた突起係合部(不図示)に係合する。
第1部材211の内部には、収納部形成用リブ221,222と、複数の第1補強リブ223と、複数の第2補強リブ224が設けられている。
収納部形成用リブ221は、板状に形成されており、側面部211cに所定の距離をあけて対向している。この収納部形成用リブ221には、回転規制突起226と、半円形の切欠きが形成されている。回転規制突起226は、側面部211cに対向する平面から突出している。この回転規制突起226は、嵌合筒202の後述する切欠き部251内に配置される。
収納部形成用リブ221の切欠きは、側面部211cの切欠き214に対向している。収納部形成用リブ221の切欠きの径は、側面部211c,211dの切欠き214,216の径と等しい。
収納部形成用リブ222は、板状に形成されており、側面部211dに所定の距離をあけて対向している。この収納部形成用リブ222には、収納部形成用リブ221と同様に、回転規制突起227(図14参照)と、半円形の切欠きが形成されている。回転規制突起227は、側面部211cに対向する平面から突出している。この回転規制突起227は、嵌合筒203の後述する切欠き部252内に配置される。
収納部形成用リブ222の切欠きは、側面部211dの切欠き216に対向している。収納部形成用リブ222の切欠きの径は、側面部211c,211dの切欠き214,216の径と等しい。
複数の第1補強リブ223は、収納部形成用リブ221,222間に配置されている。複数の第1補強リブ223は、収納部形成用リブ221,222と同一形状に形成されている。なお、複数の第1補強リブ223には、回転規制突起が形成されていない。
複数の第2補強リブ224は、板状に形成されており、側面部211cと収納部形成用リブ221との間と、側面部211dと収納部形成用リブ222との間に配置されている。この収納部形成用リブ222には、半円形の切欠きが形成されている。第2補強リブ224の切欠きの径は、側面部211c,211dの切欠き214,216の径よりも大きい。
[第2部材]
第2部材212は、上下方向に対向する上面部212a及び下面部212bと、左右の側面部212c,212dと、前面部212eとを有している。第2部材212の上面部212aには、ベルト固定部231と、突起係合部233,233が設けられている。ベルト固定部231は、接着剤や固定ねじを用いて第2ベルト171に固定される。また、突起係合部233,233は、第1部材211の突起213,213に係合する。
第2部材212の側面部212cには、半円形の切欠き234(図14参照)と、突起係合部235が設けられている。切欠き234は、側面部212cの上部に形成され、突起係合部235は、側面部212cの下部に形成されている。突起係合部235は、第1部材211の突起215に係合する。
切欠き234の径は、第1部材211における側面部212cの切欠き214の径と等しい。第2部材212の切欠き234と第1部材の切欠き214は、パチスロ1の前後方向で対向し、略円形の貫通孔261(図14参照)を形成する。
第2部材212の側面部212dには、半円形の切欠き236(図14、図19及び図20参照)と、突起係合部(不図示)が設けられている。切欠き236は、側面部212dの上部に形成されており、不図示の突起係合部は、側面部212dの下部に形成されている。第2部材212の突起係合部(不図示)は、第1部材211の側面部211dに設けた突起(不図示)に係合する。
切欠き236の径は、第1部材211における側面部212dの切欠き216の径と等しい。第2部材212の切欠き236と第1部材の切欠き216は、パチスロ1の前後方向で対向し、略円形の貫通孔262(図14、図19及び図20参照)を形成する。
図14に示すように、第2部材212の内部には、収納部形成用リブ241,242と、複数の第1補強リブ243と、複数の第2補強リブ244が設けられている。
収納部形成用リブ241は、板状に形成されており、側面部212cに所定の距離をあけて対向している。この収納部形成用リブ241には、半円形の切欠きが形成されている。収納部形成用リブ241の切欠きは、側面部212cの切欠き234に対向している。収納部形成用リブ241の切欠きの径は、側面部212c,212dの切欠き234,236の径と等しい。
収納部形成用リブ242は、板状に形成されており、側面部212dに所定の距離をあけて対向している。この収納部形成用リブ242には、半円形の切欠きが形成されている。収納部形成用リブ242の切欠きは、側面部212dの切欠き236に対向している。収納部形成用リブ242の切欠きの径は、側面部212c,212dの切欠き234,236の径と等しい。
複数の第1補強リブ243は、収納部形成用リブ241,242間に配置されている。複数の第1補強リブ243は、第1部材211の複数の第1補強リブ223と同一形状に形成されている。また、複数の第2補強リブ244は、側面部212cと収納部形成用リブ241との間と、側面部212dと収納部形成用リブ242との間に配置されている。複数の第2補強リブ244は、第1部材211の複数の第2補強リブ224と同一形状に形成されている。
[嵌合筒]
図13に示すように、2つの嵌合筒202,203は、合成樹脂によって筒状に形成されており、嵌合筒202,203の内径は、ガイドシャフト135の外径よりも少し大きい。これにより、2つの嵌合筒202,203は、ガイドシャフト135に摺動可能に嵌合している。
嵌合筒202の軸方向の一方の端面には、切欠き部251が形成されている。この切欠き部251内には、第1部材211の収納部形成用リブ221に設けた回転規制突起226が配置される。これにより、嵌合筒202におけるガイドシャフト135の軸心を中心とした回転範囲は、所定の角度に規定される。
また、嵌合筒203の嵌合筒202に対向する側の端面には、切欠き部252が形成されている。この切欠き部252内には、第1部材211の収納部形成用リブ222に設けた回転規制突起227(図14参照)が配置される。これにより、嵌合筒203におけるガイドシャフト135の軸心を中心とした回転範囲は、所定の角度に規定される。
[筒収容部]
第1部材211の複数の突起213,215(側面部211dの不図示の突起を含む)が、第2部材212の複数の突起係合部233,235(側面部212dの不図示の突起係合部を含む)に係合することにより、スライドベース201が形成される。
図14に示すように、第1部材211の切欠き214と第2部材212の切欠き234は、スライドベース201の右側面に略円形の貫通孔261を形成する。また、第1部材211の切欠き216と第2部材212の切欠き236は、スライドベース201の左側面に略円形の貫通孔262を形成する。
さらに、貫通孔261,262、収納部形成用リブ221,222,241,242、複数の第1補強リブ223,243、複数の第2補強リブ224,244は、スライドベース201にシャフト貫通部253を形成する。このシャフト貫通部253には、ガイドシャフト135が貫通する。また、スライドベース201のシャフト貫通部253には、嵌合筒202が収納される筒収納部263と、嵌合筒203が収納される筒収納部264が形成される。
筒収納部263は、シャフト貫通部253における軸方向の一端部に配置されている。この筒収納部263は、第1部材211の側面部211c及び収納部形成用リブ221と、第2部材212の側面部212c及び収納部形成用リブ241によって形成されている。
収納部形成用リブ221,241によって形成される貫通孔と、側面部211c,212cによって形成される貫通孔261の直径は、嵌合筒202の外径よりも小さく、ガイドシャフト135の外径よりも大きい。また、複数の第2補強リブ224,244によって形成される貫通孔の直径は、嵌合筒202の外径よりも少し大きい。
そして、収納部形成用リブ221,241の側面部211c,212cに対向する平面から側面部211c,212cの内面までの距離Lは、嵌合筒202の軸方向の長さMよりも少し大きい。これにより、筒収納部263に収納された嵌合筒202と、スライドベース201との間には間隙が形成されている。
筒収納部264は、シャフト貫通部253における軸方向の他端部に配置されている。この筒収納部264は、第1部材211の側面部211d及び収納部形成用リブ222と、第2部材212の側面部212d及び収納部形成用リブ242によって形成されている。
収納部形成用リブ222,242によって形成される貫通孔と、側面部211d,212dによって形成される貫通孔262の直径は、嵌合筒203の外径よりも小さく、ガイドシャフト135の外径よりも大きい。また、複数の第2補強リブ224,244によって形成される貫通孔の直径は、嵌合筒203の外径よりも少し大きい。
そして、収納部形成用リブ222,242の側面部211d,212dに対向する平面から側面部211d,212dの内面までの距離Lは、嵌合筒203の軸方向の長さMよりも少し大きい。これにより、筒収納部264に収納された嵌合筒203と、スライドベース201との間には間隙が形成されている。
本実施形態によれば、スライダ152の嵌合筒202,203をガイドシャフト135に摺動可動に嵌合させる。これにより、スライダ152がガイドシャフト135に接触する部分をある程度確保することができる。そして、嵌合筒202,203は、スライドベース201に設けたシャフト貫通部253の両端部に収納されている。これにより、ガイドシャフト135の軸方向に直交する方向に延びる仮想軸を中心としたスライダ152の回転可能な角度を小さくすることができる。その結果、第2移動部材124の移動時のガタツキを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、スライダ152のシャフト貫通部253に設けた筒収納部263,264に嵌合筒202,203を収納する。そして、嵌合筒202,203と、スライドベース201との間には間隙が形成されている。これにより、第2移動部材124を移動(動作)させるとき及び停止させるときに、2つの嵌合筒202,203がスライドベース201に対して移動する。
その結果、2つの嵌合筒202,203及びスライドベース201の一部に外力が集中しないようにすることができる。したがって、2つの嵌合筒202,203及びスライドベース201の破損を防止することができ、第2移動部材124の耐久性を高めることができる。
また、2つの嵌合筒202,203及びスライドベース201の一部に外力が集中しないため、2つの嵌合筒202,203及びスライドベース201を合成樹脂(樹脂材料)によって形成することができる。その結果、第2移動部材124及び可動装飾ユニット121(図6参照)を軽量化することができる。
さらに、本実施形態によれば、第2移動部材124の上部に設けられたスライダ152がガイドシャフト135に摺動可能に嵌合し、第2移動部材124の下部に設けられた係合突部157がガイドレール127に摺動可能に係合している。そのため、第2移動部材124の移動を安定させることができる。また、ガイドレール127が第2移動部材124を下方から支えるため、スライダ152に加わる移動部材本体151の荷重を小さくすることができる。したがって、スライダ152の2つの嵌合筒202,203及びスライドベース201を樹脂材料で形成しても、スライダ152の耐久性を確保することができる。
また、嵌合筒202,203と、スライドベース201との間には間隙が形成されていることにより、嵌合筒202,203及びスライドベース201の寸法にバラツキが生じても、両者が干渉しないようにすることができる。その結果、第2移動部材124及び可動装飾ユニット121を製造する際の歩留まりを高くすることができると共に、第2移動部材124の動作が不安定になることを防止することができる。
また、本実施形態では、第1部材211及び第2部材212に複数のリブ221,222,224を設けることで、スライドベース201に筒収納部263,264を形成した。これにより、筒収納部263,264を簡単な構造で形成することができ、製造コストの削減を図ることができる。
なお、第1移動部材123のスライダ142は、第2移動部材124のスライダ152と同様な構成を有している。したがって、第1移動部材123の移動時のガタツキを抑制することができる。また、第1移動部材123の耐久性を高めることができると共に、第1移動部材123を軽量化することができる。さらに、第1移動部材123及び可動装飾ユニット121を製造する際の歩留まりを高くすることができると共に、第1移動部材123の動作が不安定になることを防止することができる。
本実施形態では、第1移動機構125及び第2移動機構126を第1移動部材123及び第2移動部材124の上方に配置し、ガイドレール127を第1移動部材123及び第2移動部材124の下方に配置した。しかし、本発明の遊技機としては、移動機構を移動部材の下方に配置し、ガイドレールを移動部材の上方に配置してもよい。この場合は、移動部材の下部にスライダを設け、そのスライダを移動機構のベルトに固定する。
<ベース部材に対するフレキシブルフラットケーブルの固定構造>
次に、ベース本体131に対するフレキシブルフラットケーブル321,322の固定構造について、図15〜図18を参照して説明する。
図15は、可動装飾ユニット121から後面カバー133を取り外した状態を示す背面図である。図16は、可動装飾ユニット121のベース本体131から第1クランプ部材を取り外した状態を示す説明図である。図17は、第1クランプ部材の斜視図である。図18は、第1クランプ部材とベース本体131によってフレキシブルフラットケーブルを挟持した状態を示す断面図である。
[ベース本体]
図15に示すように、ベース本体131の後部131dには、基板用凹部301と、ケーブル用凹部302が設けられている。基板用凹部301は、後部131dの中央部に形成されており、ケーブル用凹部302は、基板用凹部301の下方に形成されている。
基板用凹部301及びケーブル用凹部302は、左右方向に延びる略長方形であり、左右方向に延びる仕切り板303によって仕切られている。基板用凹部301の短辺は、ケーブル用凹部302の短辺よりも長い。また、ケーブル用凹部302の長辺は、後部131dにおける左右方向の一端部から他端部まで延びており、基板用凹部301の長辺よりも長い。
基板用凹部301には、ベース側基板(制御基板)311が固定されている。つまり、基板用凹部301は、本発明に係る基板固定部の一具体例を示す。ベース側基板311には、ケーブル用コネクタ312,313が実装されている。基板用凹部301は、後面カバー133の基板閉塞部137(図7参照)によって塞がれる。つまり、後面カバー133の基板閉塞部137とベース本体131の基板用凹部301は、ベース側基板311を収容する基板収容部305を形成する。
ケーブル用凹部302は、後面カバー133のケーブル閉塞部138(図7参照)によって塞がれる。後面カバー133のケーブル閉塞部138とベース本体131のケーブル用凹部302は、フレキシブルフラットケーブル321,322を収容するケーブル収容部306を形成する。このケーブル収容部306は、フレキシブルフラットケーブル321,322の変形を許容する許容空間を有している。
一方、第1移動部材123における側辺部143の裏面には、移動側基板148が固定されている。そして、移動側基板148には、ケーブル用コネクタ149と、複数の発光部146(図8参照)に光を照射する光源(不図示)が実装されている。また、第2移動部材124における側辺部153の裏面には、移動側基板158が固定されている。そして、移動側基板158には、ケーブル用コネクタ159と、複数の発光部156(図8参照)に光を照射する光源(不図示)が実装されている。
フレキシブルフラットケーブル321は、後方から見てケーブル用凹部302(ケーブル収容部306)の右側に配置されており、ベース側基板311と移動側基板148とを電気的に接続する。このフレキシブルフラットケーブル321の一端は、ベース側基板311のケーブル用コネクタ312に接続され、他端は、移動側基板148のケーブル用コネクタ149に接続されている。
フレキシブルフラットケーブル321の一端部は、ケーブル収容部306側からベース本体131の仕切り板303を乗り越えて基板収容部305に配置される。このフレキシブルフラットケーブル321の一端部は、ケーブル用凹部302側から仕切り板303を乗り越える直前に折り重ね部321a(図16参照)によって延在方向が略90度変更されている。
また、フレキシブルフラットケーブル321の他端部は、ケーブル収容部306側からベース本体131の下壁板304を乗り越えて第1移動部材123の裏面側に配置されている。なお、下壁板304は、ケーブル用凹部302の一方の長辺を形成する。フレキシブルフラットケーブル321の他端部は、ケーブル用凹部302側から下壁板304を乗り越える直前に不図示の折り重ね部によって延在方向が略90度変更されている。
フレキシブルフラットケーブル321における折り重ね部321aから不図示の折り重ね部までは、ケーブル収容部306に収容されている。このフレキシブルフラットケーブル321におけるケーブル収容部306に収容された部分は、第1移動部材123の移動方向に延在されており、延在方向を180度変更する湾曲部321cを有している。
フレキシブルフラットケーブル322は、後方から見てケーブル用凹部302(ケーブル収容部306)の左側に配置されており、ベース側基板311と移動側基板158とを電気的に接続する。このフレキシブルフラットケーブル322の一端は、ベース側基板311のケーブル用コネクタ313に接続され、他端は、移動側基板158のケーブル用コネクタ159に接続されている。
フレキシブルフラットケーブル322の一端部は、ケーブル用凹部302側からベース本体131の仕切り板303を乗り越えて基板収容部305に配置される。このフレキシブルフラットケーブル322の一端部は、ケーブル用凹部302側から仕切り板303を乗り越える直前に折り重ね部322a(図16参照)によって延在方向が略90度変更されている。
また、フレキシブルフラットケーブル322の他端部は、ケーブル用凹部302側からベース本体131の下壁板304を乗り越えて第1移動部材123の裏面側に配置されている。このフレキシブルフラットケーブル322の他端部は、ケーブル用凹部302側から下壁板304を乗り越える直前に折り重ね部322bによって延在方向が略90度変更されている。
フレキシブルフラットケーブル322における折り重ね部322aから折り重ね部322bまでは、ケーブル収容部306に収容されている。このフレキシブルフラットケーブル322におけるケーブル収容部306に収容された部分は、第2移動部材124の移動方向に延在されており、延在方向を180度変更する湾曲部322cを有している。
フレキシブルフラットケーブル321,322の一端部は、それぞれ第1クランプ部材331Aによって仕切り板303に固定されている。また、フレキシブルフラットケーブル321,322の他端部は、それぞれ第2クランプ部材331Bによって移動部材123,124に固定されている。
図16に示すように、仕切り板303には、複数の爪係合部308と、複数の突起係合部309が設けられている。複数の爪係合部308は、仕切り板303の先端面を切り欠くことにより形成されている。これら複数の爪係合部308には、第1クランプ部材331Aの後述する係合爪333,333が係合される。
複数の突起係合部309は、仕切り板303におけるケーブル用凹部302側の側面から突出している。これら複数の突起係合部309には、第1クランプ部材331Aの後述する係合突起335,335が係合される。
[第1クランプ部材]
図16及び図17に示すように、第1クランプ部材331Aは、略長方形の板状に形成された押え板332と、押え板332に連続する係合爪333,333と、上押え片334と、係合突起335,335とを備えている。
押え板332は、一方の平面332aと、他方の平面332bとを有している。第1クランプ部材331Aの押え板332における平面332aは、仕切り板303におけるケーブル用凹部302側の側面に対向する。そして、仕切り板303との間にフレキシブルフラットケーブル321,322の折り重ね部321a,322aを挟んで固定する(図18参照)。
図17に示すように、押え板332における平面332aの中央部には、凹部337が形成されている。この凹部337は、フレキシブルフラットケーブル321,322の折り重ね部321a,322aに対向する。つまり、凹部337は、押え板332と仕切り板303との間にフレキシブルフラットケーブル321,322の折り重ね部321a,322aを配置するために設けられている。
また、押え板332の2つの短辺には、円弧部338,338がそれぞれ設けられている。フレキシブルフラットケーブル321,322の変形箇所(湾曲部321c,322c)が第1クランプ部材331Aに接近すると、フレキシブルフラットケーブル321,322は、円弧部338,338に沿って緩やかに撓む。
これにより、フレキシブルフラットケーブル321,322が第1クランプ部材331Aに接触することによってフレキシブルフラットケーブル321,322に生じる応力を分散させることができる。その結果、フレキシブルフラットケーブル321,322の断線を抑制することができる。
係合爪333,333は、押え板332の平面332aにおける一方の長辺側から略垂直に突出しており、押え板332の長辺に沿う方向に適当な距離をあけて配置されている。第1クランプ部材331Aの係合爪333,333は、仕切り板303の複数の爪係合部308(図16参照)に係合される。
仕切り板303の複数の爪係合部308は、第1クランプ部材331Aの移動を規制する。すなわち、複数の爪係合部308は、第1クランプ部材331Aにおける押え板332の長辺に沿う方向への移動と、押え板332に直交する方向への移動を規制する。さらに、押え板332の短辺に沿う方向であって一方の長辺(係合爪333,333側の長辺)から他方の長辺(係合突起335,335側の長辺)へ向かう方向への移動を規制する。
上押え片334は、係合爪333,333間に設けられており、押え板332の平面332aから略垂直に突出しており、押え板332の平面332aに略垂直な平面を有する平板状に形成されている。第1クランプ部材331Aの上押え片334は、仕切り板303の先端面との間にフレキシブルフラットケーブル321,322を挟んで固定する(図18参照)。
係合突起335,335は、押え板332の平面332bにおける他方の長辺側から略垂直に突出しており、押え板332の長辺に沿う方向に適当な距離をあけて配置されている。第1クランプ部材331Aの係合突起335,335は、仕切り板303の突起係合部309(図16参照)に係合される。
複数の突起係合部309は、第1クランプ部材331Aの係合突起335,335が挿入される突起挿入凹部309aを有している。この突起挿入凹部309aには、係止片(不図示)が設けられている。係止片(不図示)は、第1クランプ部材331Aの係合突起335,335に係合する。そして、第1クランプ部材331Aにおける押え板332の短辺に沿う方向であって他方の長辺(係合突起335,335側の長辺)から一方の長辺(係合爪333,333側の長辺)へ向かう方向への移動を規制する。
したがって、第1クランプ部材331Aの係合爪333,333及び係合突起335,335が仕切り板303の複数の爪係合部308及び突起係合部309に係合すると、第1クランプ部材331Aは、押え板332に直交する方向への移動が規制される。また、押え板332の長辺に沿う方向への移動と、押え板332の短辺に沿う方向への移動が規制される。その結果、第1クランプ部材331Aは、仕切り板303に固定される。
本実施形態によれば、ベース側基板311と移動部材123,124に設けた移動側基板148,158をフレキシブルフラットケーブル321,322で電気的に接続している(図15参照)。そして、ベース部材122には、フレキシブルフラットケーブル321,322の変形を許容するケーブル収容部306が設けられている。
これにより、パチスロ1の前面(正面)側の小さいスペースに、ベース側基板311と移動側基板148,158を接続する配線を配置することができ、パチスロ1の前面側に移動部材123,124を搭載するために必要なスペースを縮小することができる。
また、本実施形態によれば、第1クランプ部材331Aと仕切り板303とがフレキシブルフラットケーブル321,322を挟んで固定する。これにより、ケーブル収容部306におけるフレキシブルフラットケーブル321,322の導入部でフレキシブルフラットケーブル321,322が変形しないようにすることができる。その結果、ケーブル収容部306におけるフレキシブルフラットケーブル321,322の導入部においてフレキシブルフラットケーブル321,322にかかる負荷が集中することを防ぐことができる。
また、本実施形態によれば、ケーブル収容部306に収容されたフレキシブルフラットケーブル321,322の延在方向が第1移動部材123及び第2移動部材124の移動方向(左右方向)に平行である。これにより、フレキシブルフラットケーブル321,322は、湾曲部321c,322cを有していれば、第1移動部材123及び第2移動部材124の移動に応じた変形が可能となる。したがって、第1移動部材123及び第2移動部材124の移動に伴うフレキシブルフラットケーブル321,322の変形を簡単なものにすることができる。
また、本実施形態によれば、フレキシブルフラットケーブル321,322の折り重ね部321a,322aを第1クランプ部材331A,331Aによって固定する。これにより、フレキシブルフラットケーブル321,322が第1移動部材123及び第2移動部材124の移動に伴って変形しても、折り重ね部321a,322aが変形することは無い。したがって、フレキシブルフラットケーブル321,322の折り重ね部321a,322aに負荷が集中することを防ぐことができる。
また、本実施形態によれば、第1クランプ部材331Aの係合爪333,333がベース本体131の爪係合部308,308に係合することで、第1クランプ部材331Aがベース本体131のケーブル収容部306に固定される。これにより、第1クランプ部材331Aをケーブル収容部306に簡単に固定することができる。
<移動部材に対するフレキシブルフラットケーブルの固定構造>
次に、移動部材123,124に対するフレキシブルフラットケーブル321,322の固定構造について、図19〜図23を参照して説明する。
図19は、第2移動部材124を後方から見た斜視図である。図20は、第2移動部材124の分解斜視図である。図21は、第2移動部材124のカバーを一側から見た斜視図である。図22は、第2移動部材124のカバーを他側から見た斜視図である。図23は、第2移動部材124の要部断面図である。
[移動部材]
第1移動部材123(図15参照)は、前述の移動部材本体141と、前述のスライダ142と、カバー341とを備えている。また、図19及び図20に示すように、第2移動部材124は、前述の移動部材本体151と、前述のスライダ152と、カバー351とを備えている。
第1移動部材123のカバー341と第2移動部材124のカバー351は、同一形状に形成されている。そのため、ここでは、第2移動部材124のカバー351の構成について説明する。
図19及び図20に示すように、カバー351は、移動部材本体151の裏面側に複数の固定ねじ350を用いて取り付けられている。なお、本発明に係るカバーは、接着剤を用いて移動部材本体151に固定してもよく、圧入や嵌合、係合により移動部材本体151に固定してもよい。
カバー351には、上述の第2クランプ部材331Bが固定される。第2クランプ部材331Bは、カバー351との間にフレキシブルフラットケーブル322の折り重ね部322bを挟んで固定する(図19参照)。
図21及び図22に示すように、カバー351は、カバー本体352と、このカバー本体352に連続するクランプ固定部353とから構成されている。カバー本体352は、適当な厚みを有する四角形の板体からなり、一方の平面352aと、他方の平面352bと、4つの側面352c,352d,352e,352fとを有している。カバー本体352の平面352bは、移動部材本体151(図20参照)の裏面に対向する。
カバー本体352は、平面352a,352bを貫通する複数のねじ貫通孔354と、平面352a及び側面352cに開口された開口部355とを有している。また、カバー本体352の平面352bには、開口部355に連通する凹部356が形成されている(図22参照)。この凹部356は、平面352bの中央部に設けられており、側面352c,352dに直交する方向に延びている。
カバー本体352の凹部356は、側面352dに開口されている。この凹部356と移動部材本体151の裏面は、フレキシブルフラットケーブル322の他端部を収容する移動側ケーブル収容部357(図23参照)を形成する。さらに、凹部356の底面356aには、押圧部358と、傾斜部359が設けられている。
押圧部358は、凹部356の側面352d側に配置されている。この押圧部358は、凹部356の底面356aから略垂直に突出しており、側面352e,352fに直交する方向に延びている。また、押圧部358の底面356a側とは反対側には、円弧面358aが形成されている。
押圧部358は、移動側ケーブル収容部357に収容されたフレキシブルフラットケーブル322の他端部(移動側基板158のケーブル用コネクタ159との接続部から第2クランプ部材331Bによって固定されている部分までの端部)を押圧して撓ませる。その際、フレキシブルフラットケーブル322(図20参照)の他端部には、押圧部358の円弧面358aが当接する。これにより、フレキシブルフラットケーブル322の他端部を押圧部358によって傷つけないようにすることができる。
傾斜部359は、底面356aにおける開口部355側に設けられており、開口部355に向かうにつれて低くなるように傾斜している。この傾斜部359は、開口部355から挿入されたフレキシブルフラットケーブル322の他端部を移動部材本体151側へ案内すると共に、移動側ケーブル収容部357の空間を大きくする(図23参照)。これにより、フレキシブルフラットケーブル322の他端部の撓み量を大きくすることができる。
図21及び図22に示すように、クランプ固定部353は、カバー本体352の側面352cに連続している。このクランプ固定部353は、カバー本体352の側面352cから略垂直に突出する爪係合部361と、爪係合部361に連続する側板部362と、側板部362に連続する突起係合部363とを有している。
爪係合部361は、カバー本体352の平面352a,352bに平行な平面を有する板状に形成されている。この爪係合部361は、2つの貫通孔365,365を有している。2つの貫通孔365,365は、側面352e,352fに直交する方向に適当な距離をあけて並んでいる。
爪係合部361の2つの貫通孔365,365には、第2クランプ部材331Bの係合爪333,333(図20参照)が挿入される。そして、第2クランプ部材331Bの係合爪333,333は、爪係合部361における2つの貫通孔365,365を形成する内壁面366,366に係合する。
側板部362は、カバー本体352の側面352c,352dに平行な平面を有する板状に形成されている。この側板部362と爪係合部361には、フレキシブルフラットケーブル322の他端部を開口部355へ案内するケーブルガイド367(図21参照)が設けられている。このケーブルガイド367は、側板部362と爪係合部361にかけて連続する凹部を設けることにより形成されている。
フレキシブルフラットケーブル322の他端部(図20参照)は、ケーブルガイド367に案内されて開口部355に挿通される。また、側板部362とカバー本体352の側面352cとの間には、ベース本体131の下壁板304が介在される。したがって、ケーブルガイド367に案内されて開口部355に挿通されるフレキシブルフラットケーブル322の他端部は、ベース本体131の下壁板304を乗り越えて第2移動部材124(移動部材本体151)の裏面側に配置される。
突起係合部363は、爪係合部361と平行な板状に形成されている。この突起係合部363は、2つの貫通孔368,368を有している。2つの貫通孔368,368は、側面352e,352fに直交する方向に適当な距離をあけて並んでいる。貫通孔368,368には、第2クランプ部材331Bの係合突起335,335(図20参照)が挿入される。
2つの貫通孔368,368の内壁面には、それぞれ係止片369が設けられている(図22参照)。この係止片369には、第2クランプ部材331Bの係合突起335,335が係合する。
[第2クランプ部材]
図20に示すように、第2クランプ部材331Bは、第1クランプ部材331Aと同一形状に形成されている。すなわち、第2クランプ部材331Bは、押え板332と、係合爪333,333と、上押え片334と、係合突起335,335とを備えている。
第2クランプ部材331Bの押え板332における平面332aは、カバー351の側板部362に対向する。そして、カバー351における側板部362側のケーブルガイド367との間にフレキシブルフラットケーブル322の折り重ね部322bを挟んで固定する(図23参照)。
第2クランプ部材331Bの上押え片334は、カバー351における爪係合部361側のケーブルガイド367との間にフレキシブルフラットケーブル322を挟んで固定する(図23参照)。
第2クランプ部材331Bの係合爪333,333(図20参照)は、カバー351の爪係合部361(図21参照)に係合される。カバー351の爪係合部361は、第2クランプ部材331Bにおける押え板332の長辺に沿う方向への移動と、押え板332に直交する方向への移動を規制する。さらに、押え板332の短辺に沿う方向であって一方の長辺(係合爪333,333側の長辺)から他方の長辺(係合突起335,335側の長辺)へ向かう方向への移動を規制する。
第2クランプ部材331Bの係合突起335,335は、カバー351の突起係合部363(図21参照)に係合される。カバー351の突起係合部363は、第2クランプ部材331Bにおける押え板332の短辺に沿う方向であって他方の長辺(係合突起335,335側の長辺)から一方の長辺(係合爪333,333側の長辺)へ向かう方向への移動を規制する。
したがって、第2クランプ部材331Bの係合爪333,333及び係合突起335,335がカバー351の爪係合部361及び突起係合部363に係合すると、第2クランプ部材331Bは、押え板332に直交する方向への移動が規制される。また、押え板332の長辺に沿う方向への移動と、押え板332の短辺に沿う方向への移動が規制される。その結果、第2クランプ部材331Bは、カバー351に固定される。
本実施形態によれば、第2クランプ部材331Bとカバー351とがフレキシブルフラットケーブル322の他端部を挟んで固定する。また、第2クランプ部材331Bとカバー341とがフレキシブルフラットケーブル321の他端部を挟んで固定する。これにより、移動部材123,124におけるフレキシブルフラットケーブル321,322の導入部(ケーブル収容部306における移動部材123,124側の導入部)でフレキシブルフラットケーブル321,322が変形しないようにすることができる。その結果、移動部材123,124におけるフレキシブルフラットケーブル321,322の導入部において、フレキシブルフラットケーブル321,322にかかる負荷が集中することを防ぐことができる。
また、前述したように、ケーブル収容部306(図15参照)における基板用凹部301側のフレキシブルフラットケーブル321,322の導入部においても、フレキシブルフラットケーブル321,322にかかる負荷が集中することを防いでいる。したがって、ケーブル収容部306及び移動部材123,124におけるフレキシブルフラットケーブル321,322の導入部でフレキシブルフラットケーブル321,322の変形が生じることを防止することができきる。
これにより、ケーブル収容部306においてフレキシブルフラットケーブル321,322を緩やかに変形させることができ、フレキシブルフラットケーブル321,322にかかる負荷を分散させることができる。
また、上述の導入部でフレキシブルフラットケーブル321,322の変形が生じることを防止するため、フレキシブルフラットケーブル321,322がケーブル用コネクタ312,313,149,159の近くで変形しない。したがって、フレキシブルフラットケーブル321,322がケーブル用コネクタ312,313,149,159(図15参照)から外れないようにすることができる。
また、本実施形態によれば、第2移動部材124の移動側ケーブル収容部357において、フレキシブルフラットケーブル322の他端部が撓んでいる(図23参照)。また、第1移動部材123の移動側ケーブル収容部(不図示)において、フレキシブルフラットケーブル321の他端部が撓んでいる。
したがって、移動部材123,124が移動する際に、仮にフレキシブルフラットケーブル321,322の他端部が一端部側へ引っ張られても、その張力がフレキシブルフラットケーブル321,322の他端部における撓み部分で吸収される。その結果、フレキシブルフラットケーブル321,322とケーブル用コネクタ149,159との接続箇所に張力が作用することを抑制することができる。また、フレキシブルフラットケーブル321,322の他端部を、ケーブル用コネクタ149,159側に付勢することができる。その結果、フレキシブルフラットケーブル321,322がケーブル用コネクタ149,159から外れないようにすることができる。
また、本実施形態によれば、カバー341,351にフレキシブルフラットケーブル321,322の他端部を押圧して撓ませる押圧部358を設けた。そのため、移動部材123,124にカバー341,351を固定するだけで、フレキシブルフラットケーブル321,322の他端部を容易に且つ確実に撓ませることができる。さらに、フレキシブルフラットケーブル321,322の他端部の撓み量を略一定にすることができ、信頼性のある遊技機1を製造することができる。
なお、移動部材123,124にカバー341,351を固定する場合は、まず、カバー341,351の開口部355にフレキシブルフラットケーブル321,322の他端部を挿通する。次に、フレキシブルフラットケーブル321,322の他端をケーブル用コネクタ149,159に接続する。その後、カバー341,351を移動部材123,124に固定ねじ350を用いて固定する。このとき、フレキシブルフラットケーブル321,322の他端部は、カバー341,351の押圧部358に押圧されて撓む。
また、本実施形態によれば、フレキシブルフラットケーブル321の不図示の折り重ね部と、フレキシブルフラットケーブル322の折り重ね部322bを第2クランプ部材331B,331Bによって固定する。これにより、フレキシブルフラットケーブル321,322が第1移動部材123及び第2移動部材124の移動に伴って変形しても、不図示の折り重ね部及び折り重ね部322bが変形することは無い。したがって、フレキシブルフラットケーブル321,322の折り重ね部322b等に負荷が集中することを防ぐことができる。
また、本実施形態によれば、第2クランプ部材331Bの係合爪333,333が移動部材123,124のカバー341,351に設けた爪係合部361に係合することで、第2クランプ部材331Bが移動部材123,124に固定される。これにより、第2クランプ部材331Bを移動部材123,124に簡単に固定することができる。
また、本実施形態によれば、第1クランプ部材331A及び第2クランプ部材331Bを合成樹脂(樹脂)により形成した。これにより、フロントドア2bに搭載する部品である可動装飾ユニット121の軽量化を図ることができる。さらに、第1クランプ部材331A及び第2クランプ部材331Bを金属材料で形成する場合よりも、生産コストを低くすることができる。
<フレキシブルフラットケーブルの変形部>
次に、フレキシブルフラットケーブル321,322の変形部について、図24及び図25を参照して説明する。
図24は、可動装飾ユニット121の縦断面図である。図25は、可動装飾ユニット121の第2移動部材124を第1移動部材123に接近する方向に移動させた状態の説明図である。
パチスロ1では、特別の演出及び所定の演出を行う際に、第1移動部材123及び第2移動部材124を移動させて、装飾枠101のパネル開口101a(図6参照)から視認可能にする。そして、特別の演出及び所定の演出を行わない期間は、第1移動部材123及び第2移動部材124を装飾枠101のパネル開口101aから視認不可能な待機位置に配置させる。
第1移動部材123の待機位置は、フロントパネル10の枠部111における左辺部の裏側に設定されている。この場合に、第1移動部材123は、ベース本体131の側部131b側の端部に対して上下方向で対向している(図24参照)。
第1移動部材123の移動側基板148とベース部材122のベース側基板311とは、フレキシブルフラットケーブル321によって電気的に接続されている。このフレキシブルフラットケーブル321は、第1移動部材123の移動に応じて変形する変形部を有している。
フレキシブルフラットケーブル321の変形部は、ケーブル収容部306内に収容されており、湾曲部321cと、上直線部321dと、下直線部321eから構成されている。上直線部321dと下直線部321eは、上下方向で対向しており、湾曲部321cを介して連続している。
上直線部321dは、第1クランプ部材331Aによって固定された折り曲げ部321a(図16参照)から湾曲部321cまでの部分であり、仕切り板303に沿って延在されている。下直線部321eは、湾曲部321cから第2クランプ部材331Bに固定された折り曲げ部(不図示)までの部分であり、上直線部321dと略平行に延在されている。
湾曲部321cが形成される位置は、第1移動部材123の位置に応じて左右方向(ケーブル収容部306が延びる方向)に変位する。第1移動部材123が待機位置に配置されている場合に、第1移動部材123に固定された第2クランプ部材331Bは、ケーブル収容部306内の側部131b側の端部に配置される。
これにより、湾曲部321cは、ケーブル収容部306内の側部131b側の端部において、第1移動部材123に固定された第2クランプ部材331Bに近接した位置に配置される。その結果、下直線部321eは、上直線部321dよりも短くなる。
また、第2移動部材124の待機位置は、フロントパネル10の枠部111における右辺部の裏側に設定されている。この場合に、第2移動部材124は、ベース本体131の側部131c側の端部に対して上下方向で対向している。
第2移動部材124の移動側基板158とベース部材122のベース側基板311とは、フレキシブルフラットケーブル322によって電気的に接続されている。このフレキシブルフラットケーブル322は、第2移動部材124の移動に応じて変形する変形部を有している。
フレキシブルフラットケーブル322の変形部は、ケーブル収容部306内に収容されており、湾曲部322cと、上直線部322dと、下直線部322eから構成されている。上直線部322dと下直線部322eは、上下方向で対向しており、湾曲部322cを介して連続している。
上直線部322dは、第1クランプ部材331Aによって固定された折り曲げ部322a(図16参照)から湾曲部322cまでの部分であり、仕切り板303に沿って延在されている。下直線部321eは、湾曲部321cから第2クランプ部材331Bに固定された折り曲げ部322b(図20参照)までの部分であり、上直線部322dと略平行に延在されている。
湾曲部322cが形成される位置は、第2移動部材124の位置に応じて左右方向(ケーブル収容部306が延びる方向)に変位する。第2移動部材124が待機位置に配置されている場合に、第2移動部材124に固定された第2クランプ部材331Bは、ケーブル収容部306内の側部131c側の端部に配置される。
これにより、湾曲部322cは、ケーブル収容部306内の側部131c側の端部において、第2移動部材124に固定された第2クランプ部材331Bに近接した位置に配置される。その結果、下直線部322eは、上直線部322dよりも短くなる。
第1移動部材123は、待機位置(図24参照)に配置された第2移動部材124に接触する位置まで、ガイドシャフト135(図8参照)及びガイドレール127に沿って移動可能である。また、図25に示すように、第2移動部材124は、待機位置に配置された第1移動部材123に接触する位置まで、ガイドシャフト135及びガイドレール127に沿って移動可能である。
第2移動部材124がベース本体131の側部131b側へ移動すると、フレキシブルフラットケーブル322の上直線部322dが徐々に短くなる。一方、下直線部322eは、ケーブル収容部306内の側部131b側の端部に向かう方向へ変位しながら徐々に長くなる。そして、湾曲部322cは、ケーブル収容部306内の側部131b側の端部に向かう方向へ変位する。
待機位置に配置された第1移動部材123に第2移動部材124が接触すると、フレキシブルフラットケーブル322における湾曲部322cの内側が、ケーブル収容部306内のリブ139に当接する。このとき、ケーブル収容部306内に設けられたリブ139は、フレキシブルフラットケーブル322における上直線部322dと下直線部322eとの間に介在される。このリブ139は、第2移動部材124が待機位置へ移動する際に、フレキシブルフラットケーブル322の変形を案内する。
第2移動部材124が待機位置へ移動するとき、フレキシブルフラットケーブル322の下直線部322eは、湾曲部322c側へ押圧されて、ケーブル収容部306内の側部131b側の端部に向かう方向へ変位しながら徐々に短くなる。そして、湾曲部322cは、ケーブル収容部306内の側部131c側の端部に向かう方向へ変位する。
このとき、フレキシブルフラットケーブル322の下直線部322eの長さが長いほど、下直線部322eが湾曲し易くなる。そして、下直線部322eが湾曲すると、その湾曲部が仕切り板303や下壁板304に押し付けられて、フレキシブルフラットケーブル322が破損する虞がある。
そこで、本実施形態では、フレキシブルフラットケーブル322の下直線部322eの長さが所定の長さ以上になると、上直線部322dと下直線部322eとの間にリブ139が介在されるように構成した。リブ139は、下直線部322eが湾曲した場合に、その湾曲部が仕切り板303に当接するまで変位しないようにする。そして、下直線部322eをケーブル収容部306内の側部131c側の端部に向かう方向へ案内する。
したがって、第2移動部材124が待機位置へ移動する際に、フレキシブルフラットケーブル322が意図しない方向に変形することを防ぐことができる。その結果、フレキシブルフラットケーブル322に不要な湾曲部が形成されないようにすることができる。
また、第2移動部材124が待機位置へ移動する際に下直線部322eが湾曲しても、下直線部322eをケーブル収容部306内の側部131b側の端部に向かう方向へ変位させながら徐々に短くすることができる。これにより、フレキシブルフラットケーブル322の破損を抑制或いは防止することができる。
なお、第1移動部材123がベース本体131の側部131c側へ移動すると、フレキシブルフラットケーブル321の上直線部321dが徐々に短くなる。一方、下直線部321eは、ケーブル収容部306内の側部131c側の端部に向かう方向へ変位しながら徐々に長くなる。そして、湾曲部321cは、ケーブル収容部306内の側部131c側の端部に向かう方向へ変位する。
待機位置に配置された第2移動部材124(図24参照)に第1移動部材123が接触すると、フレキシブルフラットケーブル321における湾曲部321cの内側が、ケーブル収容部306内のリブ139に当接する。このとき、ケーブル収容部306内に設けられたリブ139は、フレキシブルフラットケーブル321における上直線部321dと下直線部321eとの間に介在される。
したがって、第1移動部材123が待機位置へ移動する際に下直線部321eが湾曲しても、フレキシブルフラットケーブル321の下直線部321eをケーブル収容部306内の側部131b側の端部に向かう方向へ変位させながら徐々に短くすることができる。これにより、フレキシブルフラットケーブル321の破損を抑制或いは防止することができる。
また、本実施形態によれば、ケーブル収容部306が移動部材123,124の移動方向に沿って延びる直方体状の空間(フレキシブルフラットケーブル321,322の変形を許容する許容空間)を形成する。そして、リブ139が移動部材123,124の移動方向に沿って延びている。
これにより、フレキシブルフラットケーブル321,322の変形を許容する許容空間を確保しながら、ケーブル収容部306を小型化することができる。また、フレキシブルフラットケーブル321,322における上直線部321d,322d及び下直線部321e,322eの変形を許容するスペースを小さくすることができる。その結果、上直線部321d,322d及び下直線部321e,322eに上下方向に延びる湾曲部が形成されないようにすることができる。
本実施形態では、待機位置に配置された第1移動部材123に第2移動部材124が接触すると、フレキシブルフラットケーブル322における湾曲部322cの内側がリブ139に当接するようにした。また、待機位置に配置された第2移動部材124に第1移動部材123が接触すると、フレキシブルフラットケーブル321における湾曲部321cの内側がリブ139に当接する。つまり、移動部材123,124が移動範囲の一端に配置されると、リブ139が湾曲部321cの内側に当接する。
しかし、本発明に係るリブとしては、移動部材が移動範囲の一端に配置されても、フレキシブルフラットケーブルにおける湾曲部の内側に当接しなくてもよい。本発明に係るリブは、フレキシブルフラットケーブルの下直線部の長さが所定の長さ以上になると、上直線部と下直線部との間に介在されればよい。
なお、フレキシブルフラットケーブルの下直線部に係る所定の長さは、フレキシブルフラットケーブルの厚みや弾性率、移動部材の移動範囲に応じて適宜設定することができる。
<特別の演出時の移動部材の動作例>
次に、特別の演出時の移動部材123,124の動作例について、図26〜図28を参照して説明する。
図26は、移動部材123,124が待機位置に配置された状態のフロントパネル10の正面図である。図27は、移動部材123,124が待機位置から移動してパネル開口101aから視認可能な状態のフロントパネル10の正面図である。図28は、移動部材123,124がパネル開口101aの中央部で枠体を形成した状態のフロントパネル10の正面図である。
図26に示すように、移動部材123,124は、通常、待機位置に配置されており、フロントパネル10における装飾枠101の裏面に対向している。したがって、遊技者は、通常、パネル開口101aから移動部材123,124を視認できない。
特別の演出が実行されると、サブCPU81及び可動装飾ユニット駆動回路96(図5参照)は、可動装飾ユニット121(図6参照)を駆動させる。これにより、可動装飾ユニット121の第1移動部材123と第2移動部材124が、左右方向へ移動して、互いに接近する(図27参照)。これにより、装飾枠101のパネル開口101aから移動部材123,124が露出される。
そして、図28に示すように、第1移動部材123と第2移動部材124は、パネル開口101aの中央部で停止して枠体400を形成する。この枠体400は、パネル開口101aから露出される液晶表示装置11の表示部(表示画面)11aを区画する。つまり、枠体400は、表示部11aを枠体400に囲まれる領域と、枠体400の外側の領域とに区画する。
本実施形態では、待機位置に配置された移動部材123,124をパネル開口101aから視認できないようにした。しかし、本発明の遊技機としては、待機位置に配置された移動部材をパネル開口から視認可能にしてもよい。
<所定の演出時の移動部材の動作例>
次に、所定の演出時の移動部材123,124の動作例について、図29を参照して説明する。
図29は、所定の演出時の移動部材の動作例を示す説明図である。
所定の演出が実行されると、サブCPU81及び可動装飾ユニット駆動回路96(図5参照)は、可動装飾ユニット121(図6参照)を駆動させ、第1移動部材123と第2移動部材124をパネル開口101aから露出させる。そして、第1移動部材123と第2移動部材124に枠体400を形成させる。
次に、サブCPU81は、パネル開口101aから露出される液晶表示装置11の表示部11aにパチスロ1に関連するキャラクタなどの図柄(不図示)を表示する。そして、仕切り片112に手をかざすことで枠体400を動かして、表示部11aに表示された図柄を枠体400で囲む旨を遊技者に報知する。この報知は、例えば、パネル開口101b,101cから露出される液晶表示装置11の表示部11aに文字を表示することにより行ってもよく、音声を用いて行ってもよい。
装飾枠101の仕切り片112には、タッチセンサ22(図4及び図5参照)が設けられている。タッチセンサ22は、仕切り片112に接近した遊技者の手の位置を検出し、その検出結果をサブCPU81に送信する。サブCPU81は、タッチセンサ22の検出結果に応じて、可動装飾ユニット121の駆動を行う。
その結果、枠体400(第1移動部材123及び第2移動部材124)が、遊技者の手の位置に応じて移動する。そして、枠体400の動作や位置に表示部11aの表示を連動させる。
本実施形態によれば、タッチセンサ22を用いて枠体400(第1移動部材123及び第2移動部材124)を直感的に操作することができ、演出の興趣を高めることができる。また、枠体400(第1移動部材123及び第2移動部材124)に遊技者の手が直接触れないため、枠体400に遊技者の手が直接触れる場合に比べて、可動装飾ユニット121の耐久性を向上させる必要が無い。
また、本実施形態によれば、枠体400がパネル開口101aから露出される液晶表示装置11の表示部11aを区画する。そして、枠体400の動作や位置に表示部11aの表示を連動させる。これにより、遊技者は、液晶表示装置11による表示を間接的に操作することができ、演出の興趣を高めることができる。
本実施形態では、第1移動部材123と第2移動部材124によって枠体400を形成した。しかし、本発明に係る移動部材としては、形状を適宜設定することができる。例えば、本発明に係る第1移動部材及び第2移動部材を扉状に形成し、第1移動部材及び第2移動部材によって液晶表示装置11の表示部11aの一部或いは全部を遮蔽する構成にしてもよい。この場合に、第1移動部材及び第2移動部材の一部を透明或いは半透明にして、第1移動部材及び第2移動部材によって表示部11aを遮蔽した状態で液晶表示装置11による演出を可能にしてもよい。
以上、本発明の一実施形態に係る遊技機について、その作用効果も含めて説明した。しかし、本発明は、ここで説明した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の実施の形態を含むことは言うまでもない。