JP2018000848A - 遊技機 - Google Patents

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琢磨 平澤
Takuma Hirasawa
琢磨 平澤
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Abstract

【課題】興趣性を高めた遊技機を提供する。
【解決手段】所定の演出を行うパチンコ遊技機であって、ガイドベース部6557と、ガイドベース部6557に対する相対位置が変化可能に設けられた駆動ベース部651と、ガイドベース部6557と駆動ベース部651とを連結するガイド部655とを備える。また、ガイド部655は、ガイドベース部6557に設けられる第1ロッド6551と、駆動ベース部651に設けられる第2ロッド6553と、第1ロッド6551および第2ロッド6553を跨いで第1ロッド6551および第2ロッド6553をスライド可能に支持するスライド部6555とを有する。
【選択図】図47

Description

本発明は、遊技球の入賞によって大当たりの抽選を行うパチンコ遊技機や、遊技媒体の投入の際の抽選結果を複数リールの停止時に図柄の組み合わせで表示するスロットマシン等の遊技機に関するものである。
例えば、特許文献1には、電気系統を接続するフラットケーブルを可動部材と固定部材とに跨がって設けた遊技機が開示されている。このフラットケーブルは、可動部材のコネクタに固定部材と反対側から接続し、コネクタに対して固定部材と反対側で、フラットケーブルの幅方向に配置された止め具により、フラットケーブルを可動部材に止める。そして、止め具にフラットケーブルの最小曲げ半径未満の屈曲を阻止する屈曲阻止部を設ける。
特開2012−045375号公報
本発明は、興趣性を高めた遊技機などを提供することを目的とする。
上記の目的を達成する本発明は、次のような遊技機として実現される。この遊技機は、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、第1部材(例えば、ガイドベース部6557)と、前記第1部材に対する相対位置が変化可能に設けられた第2部材(例えば、駆動ベース部651)と、前記第1部材と前記第2部材とを連結する連結体(例えば、ガイド部655)とを備え、前記連結体は、前記第1部材に設けられ一方向に延びる第1案内部(例えば、第1ロッド6551)と、前記第2部材に設けられ前記第1案内部に沿って延びる第2案内部(例えば、第2ロッド6553)と、前記第1案内部および前記第2案内部を跨いで当該第1案内部および当該第2案内部をスライド可能に支持するスライド体(例えば、スライド部6555)とを有することを特徴とすることができる。
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
本発明によれば、興趣性を高めた遊技機などを提供することができる。
本実施の形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。 (a)は遊技盤の左下に配設された表示器の一例を示す拡大図であり、(b)はパチンコ遊技機の部分平面図である。 本実施の形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示す図である。 本実施の形態の遊技制御部の機能構成を示すブロック図である。 遊技制御部による基本処理の動作を示すフローチャートである。 遊技制御部による電源遮断時処理の動作を示すフローチャートである。 遊技制御部の主制御処理を示すフローチャートである。 始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 ゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大当たり判定処理の内容を示すフローチャートである。 変動パターン選択処理の内容を示すフローチャートである。 停止中処理の内容を示すフローチャートである。 客待ち設定処理の内容を示すフローチャートである。 普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。 遊技状態設定処理の内容を示すフローチャートである。 電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。 本実施の形態で用いられる乱数の構成例を示す図であり、(a)は大当たり乱数の構成例を示す図であり、(b)は大当たり図柄乱数の構成例を示す図であり、(c)はリーチ乱数の構成例を示す図であり、(d)は当たり乱数の構成例を示す図である。 変動パターン選択処理において用いられる変動パターンとテーブルの設定例を示す図である。 コマンドの構成を示す図であり、(a)はコマンドのデータ構造を示す図であり、(b)はコマンドのビット列としての構造を示す図である。 RAMにおけるコマンド格納領域の構成例を示す図である。 出力制御部による出力処理の内容を示すフローチャートである。 演出制御部の動作を示すフローチャートであり、(a)はメイン処理を示す図、(b)は割り込み処理を示す図である。 コマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 モードフラグの設定例を示す図である。 図20の演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図20の変動演出終了中処理の内容を示すフローチャートである。 図20の大当たり演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図20のエンディング演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図20の客待ちコマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 演出ボタン処理の内容を示すフローチャートである。 遊技制御部のRAMの構成例を説明するブロック図であり、(a)は記憶領域の構成を示すブロック図であり、(b)は(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。 演出制御部のRAMの構成例を説明するブロック図であり、(a)は保留記憶領域の構成を示すブロック図であり、(b)は(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。 事前判定処理の内容を示すフローチャートである。 キャラクタ役物の正面図である。 キャラクタ役物の分解斜視図である。 盾部前側LEDおよび盾部後側LEDの詳細構成を説明する図である。 キャラクタ役物の発光態様を説明する図である。 キャラクタ役物の発光態様を説明する他の図である。 移動部の移動にともなう陰影の変化を説明する図である。 駆動部の分解斜視図である。 ケーブルを前側からみた斜視図である。 ガイドベース部を後側からみた斜視図である。 ケーブル抑え部を前側からみた斜視図である。 ケーブルの保持構造を説明するための図である。 ケーブルをガイドベース部に取り付ける手順を説明するための図である。 第4曲部の折り角度について説明をするための図である。 駆動ベース部の移動動作にともなうケーブルの姿勢の変化を説明する図である。 ケーブルを押圧するクッションを説明するための図である。 スライド部を説明するための図である。 ガイド部を説明するための図である。 ケーブルを支持する部材の変形例を説明するための図である。 キャラクタ役物の他の変形例を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
図1に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
なお、以下の説明において、図1に示すパチンコ遊技機100の紙面上側と紙面下側との方向を上下方向と称し、紙面左側と紙面右側との方向を左右方向と呼ぶ。さらに、図1に示すパチンコ遊技機100に対して遊技者が遊技をする側を前側と呼び、その逆側を後側と呼ぶ。
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像や後述の保留表示を用いた演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する始動ゲート(以下、単にゲートと呼ぶ)124と、が遊技盤110に配設されている。なお、図1において、ゲート124は、遊技領域111の左右にそれぞれ設けられており、左側のゲート124は124Lと記載し、右側のゲート124は124Rと記載している。また、ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器の作動契機となる入賞口をいう。具体的には、第1始動口121および第2始動口122には、入賞の際に遊技球の通過を検知するスイッチ(後述の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212)が設けられている。そして、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した際にこのスイッチが遊技球の通過を検知することが、特別図柄表示器を作動させる契機となる。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ(開閉部材)123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば0.15秒ないし1.8秒間)および規定回数(例えば1回ないし3回)だけ開く。
パチンコ遊技機100は、遊技状態として、大当たり抽選の当選確率に基づき、当選確率の低い低確率状態と、低確率状態よりも当選確率の高い高確率状態とを有している。そして、所定の条件において低確率状態と高確率状態とのいずれかの状態に制御される。また、パチンコ遊技機100は、第2始動口122への入賞機会が少ない時短無状態と、時短無状態よりも第2始動口122への入賞機会が多い時短状態とを有している。そして、所定の条件において、時短無状態と、時短状態とのいずれかの状態に制御される。時短状態とは、たとえば、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する、のいずれか一つまたは複数の組合せによって制御される遊技状態である。なお、時短状態では、特別図柄の特別図柄変動時間が短縮されていてもよい。
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選を行わない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
本実施の形態では、遊技盤110の左下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
また、遊技盤110の裏面には、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。枠ランプ157は、LED等の発光体で構成され、点灯・点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるともに、パチンコ遊技機100の外面を構成する透明板(不図示)を備えている。
図2は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100を説明する図であり、図2(a)は、遊技盤110の左下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、図2(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過したことに基づき、普通図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。本実施の形態では、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって特別図柄抽選の抽選結果が表示される。同様に、普通図柄表示器223も、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって普通図柄抽選の抽選結果が表示される。
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。本実施の形態では、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
ここで、保留について説明する。特別図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した場合、特別図柄が変動中であるために、後の入賞に基づく特別図柄の変動表示動作を開始することができない。そのため、後の入賞は規定個数(例えば4個)を限度に記憶され、その入賞した遊技球に対する特別図柄を始動させるための権利が、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、保留される。
なお、普通図柄に関しても、特別図柄と同様の処理を行う。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未変動数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
さらに、表示器130は、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224を備えている。本実施の形態では、状態表示器224は、3個のLEDを配列した表示装置で構成されている。3個のLEDのうち1つは、パチンコ遊技機100の状態が、特別図柄抽選の当選確率が高確率である高確率状態となっているか否かを点灯により報知するものである。また、他の1つは、パチンコ遊技機100の状態が、第2始動口122に入賞しやすい時短状態となっているか否かを点灯により報知するものである。さらに他の1つは、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)遊技者に有利な状態となっているか否かを点灯により報知するものである。
なお、状態表示器224が表示するパチンコ遊技機100の状態は上記の例に限らず、他の状態を表示することができる。例えばパチンコ遊技機100の状態として低確率状態よりも当選確率が高く高確率状態よりは当選確率が低い中確率状態が設定される場合、状態表示器224は、中確率状態となっているか否かを点灯により報知しても良い。
また、表示器130は、特別図柄抽選の抽選結果に応じて行われる大当たり遊技において大入賞口125が作動される際のラウンド数を表示するラウンド数表示器225を備えている。なお、大当たり遊技については後述する。ラウンド数表示器225は、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって大当たり遊技における大入賞口125の作動ラウンド数が表示される。
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。図示の例において、遊技者は、例えば、十字に配列された4つのキーからなる演出キー162を操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像の何れかを指示することが可能であり、また、演出ボタン161を操作することにより、指示した画像を選択することが可能である。また、入力装置の形態としては、図示した演出ボタン161および演出キー162の他、レバーやダイヤル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部330と、を備えている。
前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部330各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、その抽選結果を演出制御部300に送る。また、高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する制御を行う。また、遊技制御部200は、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
さらにまた、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、特別電動役物である大入賞口125が所定条件(例えば29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部330に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部330に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部330に指示しない。
払出制御部330が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部330から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
遊技制御部200には、検知手段として、図3に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
また、遊技制御部200には、特別図柄の変動中に第1始動口121へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、特別図柄の変動中に第2始動口122へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄の変動中にゲート124を通過した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板350が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部330から取得した、払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板350を介してホストコンピュータに送信する。
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン161等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
また、演出制御部300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、演出制御部300は、遊技制御部200より受信した高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、VDP(Video Display Processor)314と、CGROM315と、SNDROM316とを備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、CGROM315には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。また、SNDROM316には、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。
CPU311は、演出制御部300から送られた保留数コマンドもしくは変動開始コマンドに基づいて、アニメーションパターンの解析や、描画に関するコマンドをまとめたディスプレイリストの作成、およびディスプレイリストのVDP314への送信などを行う。
VDP314は、CPU311から受信したディスプレイリストに基づいて、CGROM315やSNDROM316にそれぞれ記憶された画像データや音響データを読み出す。さらには、VDP314は、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための描画処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。そして、VDP314は、描画処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、VDP314は、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
なお、本実施の形態では、VDP314が描画処理に併せて音声処理も行うよう構成しているが、これに限定されず、音声処理を専用で行うプロセッサを別途設けても構わない。
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部330は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU331と、CPU331にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM332と、CPU331の作業用メモリ等として用いられるRAM333と、を備えている。
そして、払出制御部330は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部330は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部334を制御する。ここでの払出駆動部334は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
また、払出制御部330には、払出駆動部334により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部335と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部336と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部337と、が接続されている。そして、払出制御部330は、払出球検出部335、球有り検出部336および満タン検出部337にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部330には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板340が接続されている。そして、払出制御部330は、例えば払出駆動部334に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部335にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板340を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部231と、普通図柄判定部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄判定部234と、普通図柄変動制御部236と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部237と、電動チューリップ動作制御部238と、賞球処理部239と、出力制御部240と、乱数制御部241と、を備えている。
乱数取得部231は、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞した場合に、特別図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、特別図柄判定部234による判定に用いられる。
乱数取得部231は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、普通図柄判定部232による判定に用いられる。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
特別図柄判定部234は、特別図柄の変動開始時に、図17に示すような乱数テーブルを用いて、その抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。すなわち、乱数取得部231は、検知手段である第1始動口スイッチ211または第2始動口スイッチ212により遊技球の通過が検知されたことを契機として特別図柄に関する乱数値を取得し、特別図柄判定部234は、取得した乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技等)を行うか否かを判定する。なお、前述した特別図柄の抽選(大当たり抽選)は、乱数取得部231および特別図柄判定部234における処理のことをいう。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態かの組み合わせによって大当たりの種類が決まる。すなわち、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に基づく大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、時短状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短遊技状態の大当たり)、時短状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短遊技状態の大当たり)、時短無状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短無遊技状態の大当たり)、時短無状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短無遊技状態の大当たり)が有り得る。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払い出しがほとんど期待できない大当たりとに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれる。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば29.5秒経過または10個の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが所定回数(例えば15回)繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間(例えば0.1秒)だけ大入賞口125が開状態となるラウンドが所定回数(例えば15回)繰り返される。
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、例えば0.1秒だけ大入賞口125が開状態となる態様が所定回数(例えば15回)行われる小当たり遊技が行われる。なお、小当たり当選時には、小当たり遊技が終了した後においても小当たり当選前の遊技状態を継続する。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても高確率時短遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たり当選時の遊技状態が低確率時短無遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても低確率時短無遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
変動パターン選択部235は、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。ここでは、変動パターン選択部235は、大当たり遊技を行うか否かの判定結果およびリーチを行うか否かの判定結果等に基づいて、変動パターンを決定する。そして、変動パターン選択部235により選択された変動パターンに基づいて、特別図柄変動制御部233が特別図柄の変動を制御する。変動パターン選択部235および特別図柄変動制御部233の動作の詳細については後述する。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるための演出である。
普通図柄判定部232は、普通図柄の抽選が行われた場合に、普通図柄の抽選結果が「当選かはずれであるか」を判定する。
普通図柄変動制御部236は、普通図柄の抽選結果に応じて、普通図柄の変動を制御する。
電動チューリップ動作制御部238は、普通図柄の抽選により「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態を発生させない。
大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の開放動作を制御する。
賞球処理部239は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部240は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部330へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部241は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
〔遊技機の基本動作〕
次に、パチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の遊技制御部200は、電源が投入されると、起動時の基本処理として、各種装置の初期化や初期設定を行う。そして、基本処理を行った後、遊技制御部200は、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を繰り返し実行する。また、電源を遮断する際には、遊技制御部200は、一連の電源遮断時処理を実行する。
図5−1は、遊技制御部200による基本処理の動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源が投入されると、まず、RAM203(図3参照)へのアクセスを許可する(ステップ(以下、ステップを「S」と記載する)101)。そして、遊技制御部200は、RAM203をクリアするためのRAMクリアスイッチがONとなっているか否かを判断する(S102)。
RAMクリアスイッチがOFFである場合(S102でNo)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時の動作に関するバックアップフラグがONとなっているか否かを判断する(S103)。
バックアップフラグがONである場合(S103でYes)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時に作成されたチェックサムが正常か否かを判断する(S104)。
チェックサムが正常である場合(S104でYes)、次に、遊技制御部200は、復帰処理を実行する(S105)。この復帰処理において、遊技制御部200は、電源が遮断された状態からの復帰に伴う、演出制御部300等のサブ制御手段の設定を行う。具体的には、遊技制御部200は、電源が遮断される際におけるパチンコ遊技機100の遊技状態(大当たり遊技中か否か、高確率状態と低確率状態のいずれか、時短状態と時短無状態のいずれか)を反映させるように、サブ制御手段を設定するためのコマンドを演出制御部300へ出力する。また、この復帰処理において、遊技制御部200は、バックアップフラグをOFFにする。
一方、RAMクリアスイッチがON(S102でYes)、バックアップフラグがOFF(S103でNo)、チェックサムが異常(S104でNo)のいずれかに該当する場合、次に遊技制御部200は、初期化処理として、RAM203の記憶内容をクリアし(S106)、RAM203の作業領域を設定する(S107)。そして、遊技制御部200は、サブ制御手段を設定(初期化)するためのコマンドを演出制御部300へ出力し、サブ基板(サブ制御手段)の設定を行う(S108)。サブ基板の設定には、各サブ基板に搭載されているRAM303、RAM313、RAM323をクリアすること等が含まれる。
復帰処理(S105参照)が終了した後、またはサブ基板の設定(S108参照)が終了した後、遊技制御部200は、遊技制御に用いられる各種のカウンタおよびタイマーを設定する(S109)。そして、遊技制御部200は、割り込み許可(S110)、割り込み禁止(S111)、図柄乱数制御処理(S112)、初期値乱数更新処理(S113)、電源遮断フラグがONとなっているか否かの判断(S114)をループ処理として繰り返し実行する。
ここで、割り込み許可(S110)および割り込み禁止(S111)は、このループ処理(S110〜S114)の実行中に割り込み処理の実行を可能とするために設けられている。本実施の形態では、この割り込み処理により、遊技制御における主制御処理が実行される。主制御処理の詳細については後述する。
図柄乱数制御処理(S112)において、遊技制御部200は、特別図柄抽選で用いられる変動パターン乱数の更新を行う。
初期値乱数更新処理(S113)において、遊技制御部200は、遊技制御において用いられる各種の乱数値の初期値を更新する。
電源遮断フラグの判断において、電源遮断フラグがOFFである場合(S114でNo)、パチンコ遊技機100の電源は遮断されず、遊技制御部200は、ループ処理(S110〜S114)と共に割り込みによる主制御処理を繰り返し実行する。一方、電源遮断フラグがONである場合(S114でYes)、遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源を遮断するための処理(電源遮断時処理)を開始する。
図5−2は、遊技制御部200による電源遮断時処理の動作を示すフローチャートである。
電源遮断時処理において、遊技制御部200は、まず、各種の出力を行うための出力ポートの設定をクリアする(S115)。次に、遊技制御部200は、チェックサムを作成し、RAM203に格納する(S116)。次に、遊技制御部200は、バックアップフラグをONにし(S117)、RAM203へのアクセスを禁止して(S118)、無限ループに移行する。
〔遊技機の主制御処理〕
次に、パチンコ遊技機100の主制御処理を説明する。
遊技制御部200は、主制御処理において、パチンコ遊技機100における遊技を制御すると共に、サブ制御手段である演出制御部300に対して演出の制御を指示し、払出制御部330に対して賞球の払い出しの制御を指示する。
図5−3は、遊技制御部200の主制御処理を示すフローチャートである。
主制御処理は、遊技制御における一連の処理からなり、予め設定された一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行される。本実施の形態において、遊技制御部200は、予め設定された一定時間ごとに割り込みを発生させ、図5−1に示すループ処理の中で割り込みが許可(S110参照)されると、割り込み処理として主制御処理を実行する。図5−3に示すように、主制御処理では、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(S501〜S506)。
乱数更新処理(S501)では、遊技制御部200は、乱数制御部241の機能(サブルーチン)を呼び出し、遊技制御部200による遊技制御で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
スイッチ処理(S502)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行われる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200は、乱数取得部231の機能(サブルーチン)を呼び出し、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200は、普通図柄判定部232の機能(サブルーチン)を呼び出し、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
図柄処理(S503)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部200は、特別図柄変動制御部233、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235の各機能(サブルーチン)を呼び出し、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
普通図柄処理では、遊技制御部200は、普通図柄変動制御部236の機能(サブルーチン)を呼び出し、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
電動役物処理(S504)としては、大入賞口処理、電動チューリップ処理が行われる。
大入賞口処理では、遊技制御部200は、大入賞口動作制御部237の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200は、電動チューリップ動作制御部238の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
賞球処理(S505)では、遊技制御部200は、賞球処理部239の機能(サブルーチン)を呼び出し、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力処理(S506)では、遊技制御部200は、出力制御部240の機能(サブルーチン)を呼び出し、演出制御用のコマンドを演出制御部300へ出力し、払い出し制御用のコマンドを払出制御部330へ出力する。演出制御用コマンドは、S502からS504までの各処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。払い出し制御用コマンドは、S505の処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。RAM203には、制御用コマンドの種類ごとに格納領域が設定されている。
出力制御部240は、RAM203の各制御用コマンドの格納領域を順に調べ、個々の格納領域に制御用コマンドが格納されていれば(すなわち、S502〜S505の処理で制御用コマンドが生成されていれば)、その制御用コマンドを読み出し、出力先(演出制御部300または払出制御部330)へ出力する。
本実施の形態では、図5−3に示したように、一連の主制御処理の最後に出力処理を行う。すなわち、第1の処理手段としての上記各機能によるS502〜S505の各処理において生成されたコマンドを、その各処理においてはRAM203の対応する格納領域に格納しておく。そして、これらの処理の後に、第2の処理手段としての出力制御部240が、RAM203の格納領域に蓄積された、各処理で生成されたコマンドをまとめて出力する。言い換えれば、本実施の形態では、主制御処理を1サイクル実行すると、その1サイクルの実行において生成されたコマンドが、その1サイクルの実行における最後のコマンド生成が行われた後に、出力される。
〔遊技機の基本動作の変形例〕
なお、図5−1乃至図5−3を参照して説明した動作例では、基本処理におけるループ処理の部分で割り込みを許可し、割り込み処理として一連の処理からなる主制御処理を実行した。しかしながら、主制御処理は、一定時間ごとに繰り返し実行されるように構成されていれば良く、具体的な実現手段(実行手順)は、図5−1乃至図5−3に示した例には限定されない。例えば、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れておき、所定のタイミングで経過時間を計測し、一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに主制御処理へ戻る構成としても良い。また、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れる一方で、図5−1乃至図5−3を参照して説明した動作と同様に、一定時間ごとに割り込みを発生させ、割り込みが発生したならば基本処理中に組み入れられた主制御処理へ戻る構成としても良い。
また、基本処理で生成されたコマンドを出力する場合は、原則として、コマンドを生成する度に、RAM203のコマンド格納領域に格納し、第2の処理手段である出力制御部240の機能を呼び出して出力する。基本処理は、遊技の進行に関わる主制御処理とは異なり、電源投入時にのみ行われる初期動作等の特別な処理である。また、基本処理は、電源投入時のパチンコ遊技機100の状態等の条件に基づく分岐により処理手順が変動する場合があるため、出力処理に漏れが無いように、生成したコマンドを速やかに出力する処理である。なお、関連する複数の処理により連続的にコマンドが生成される場合等、具体的な処理の要請に応じて、複数のコマンドをRAM203のコマンド格納領域に格納し、まとめて出力する処理手順を採っても良い。
〔遊技制御部での始動口スイッチ処理〕
図6は、図5−3のS502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理では、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部200は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(S601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第1始動口121の入賞における未変動分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(S602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(S602でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U1が上限値未満である場合(S602でYes)、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による判定のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S603)。ここでは、第1始動口121の入賞なので、特別図柄抽選のための乱数値が取得される。このとき取得される乱数値は、S501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により、後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。ここにいう乱数値としては、大当たり、小当たりまたははずれを決定する大当たり乱数値、大当たりの種類(大当たり遊技の終了後における時短状態か時短無状態、高確率状態と低確率状態、長当たり、短当たり)を決定する図柄乱数値(大当たり図柄乱数値)、図柄変動における変動パターンを特定するための変動パターン乱数値、はずれのときにリーチ有り演出をするか否かを決定するリーチ乱数値、等が含まれる。
そして、遊技制御部200は、保留数U1の値を1加算する(S604)。
次に、遊技制御部200は、事前判定処理を行う(S605)。
ここで、事前判定処理とは、始動口における入賞により乱数の取得が既に行われているが後述する特別図柄処理によって乱数の判定が未だ行われていない入賞球(保留球)について、特別図柄処理によって乱数が判定されるよりも以前にその乱数の判定を行う(事前判定)処理である。
そして、本実施の形態の演出制御部300は、後述するように、事前判定処理によって判定された乱数の判定結果(事前判定結果)に基づいて、特別図柄処理によって乱数が判定され、その判定結果(抽選結果)が報知されるよりも以前に、その判定結果を示唆する予告演出を行うことができる。
事前判定に基づく予告演出として、例えば保留表示において行う例を挙げることができる。本実施の形態では、後述するように、始動口における入賞により乱数の取得が既に行われているが、後述する特別図柄処理によって乱数の判定が未だ行われていない入賞球(保留球)については画像表示部114において保留表示が行われる。そして、この保留表示に事前判定結果を反映させ、その保留球に関して、その後に特別図柄処理による乱数の判定が行われた際の判定結果を遊技者に示唆する。これによって、遊技者は、保留球に対して期待を抱きながら遊技を行うことができる。
なお、事前判定結果を用いた予告演出は、保留表示に限らず、特別図柄処理による乱数の判定結果(抽選結果)が報知されるよりも以前に行われる各種の演出内容に反映させることで、多様な予告演出を行うことが可能になる。
この後、遊技制御部200は、事前判定結果を演出制御部300に通知するために、S605の事前判定処理による事前判定情報を含む事前判定結果コマンドをRAM203にセットする(S606)。
さらに、遊技制御部200は、S604による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S607)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
次に、第2始動口122における入賞に対する処理が行われる。図6を参照すると、次に遊技制御部200は、第2始動口122に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212がONとなったか否かを判断する(S608)。第2始動口スイッチ212がONとなったならば、次に、遊技制御部200は、第2始動口122の入賞における未変動分の保留数U2が上限値未満か否かを判断する(S609)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U2が上限値に達している場合は(S609でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U2が上限値未満である場合(S609でYes)、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S610)。ここでは、第2始動口122の入賞なので、上記のS603と同様に、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値)、リーチ乱数値、変動パターン乱数値など)が取得される。このとき取得される乱数値は、S501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。
そして、遊技制御部200は、保留数U2の値を1加算する(S611)。
次に、遊技制御部200は、事前判定処理を行う(S612)。この事前判定処理の内容は、上記のS605と同様である。
この後、遊技制御部200は、事前判定結果を演出制御部300に通知するために、S612の事前判定処理による事前判定情報を含む事前判定結果コマンドをRAM203にセットする(S613)。
さらに、遊技制御部200は、S611による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S614)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
〔遊技制御部でのゲートスイッチ処理〕
図7は、ゲート124を遊技球が通過した場合のゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(S701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に遊技制御部200は、未変動分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(S702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(S702でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
一方、保留数Gが上限値未満である場合(S702でYes)、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S703)。ここでは、ゲート124の入賞なので、普通図柄抽選のための乱数値(当たり乱数値など)が取得される。
次に、遊技制御部200は、保留数Gの値を1加算する(S704)。
S704で保留数Gの値が加算された後、遊技制御部200は、S704による保留数Gの増加を演出制御部300に通知するための保留数G増加コマンドをRAM203にセットし(S705)、ゲート124における入賞に対する処理を終了する。
〔遊技制御部での特別図柄処理〕
図8は、図5−3のS503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において大当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S801)。ここで、大当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを識別するためにセットされるフラグである。大当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグの何れかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して大当たり遊技フラグと呼ぶ。
大当たり遊技フラグがONである場合、既にパチンコ遊技機100は大当たり中であるので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(S801でYes)。一方、大当たり遊技フラグがOFFである場合(S801でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、パチンコ遊技機100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(S802)。特別図柄変動中でない場合(S802でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、特別図柄の未変動分の保留数U1、U2(図6参照)に関する処理を行う(S803〜S806)。本実施の形態では、第1始動口121の入賞に係る保留数U1と第2始動口122の入賞に係る保留数U2とを区別しているので、この処理も対応する始動口ごとに個別に行う。
具体的には、特別図柄変動制御部233は、まず第2始動口122の入賞に係る保留数U2が1以上か判断する(S803)。保留数U2が1以上である場合(S803でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U2の値を1減算する(S804)。一方、保留数U2=0である場合は(S803でNo)、特別図柄変動制御部233は、次に第1始動口121の入賞に係る保留数U1が1以上か判断する(S805)。保留数U1が1以上である場合(S805でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U1の値を1減算する(S806)。一方、保留数U1=0である場合は(S805でNo)、特別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動を開始せず、別ルーチンの客待ち設定処理を実行して処理を終了する(S816)。
S804またはS806で保留数U1または保留数U2を減算した後、特別図柄変動制御部233は、RAM203のフラグ設定においてセットされた客待ちフラグをOFFとする(S807)。客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためのフラグであり、客待ち設定処理(S816、図12参照)においてセットされる。
次に、特別図柄変動制御部233は、別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パターン選択処理を実行する(S808、S809)。詳しくは後述するが、この大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって、第1特別図柄表示器221に変動表示される特別図柄の変動用の設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定される。なお、これらの情報は演出制御部300に送られる変動開始コマンドに含まれる。
この後、特別図柄変動制御部233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定内容に基づき、図2に示す第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222により表示される特別図柄の変動を開始する(S810)。そして、この設定内容を示す設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAM203にセットする(S811)。S811でセットされた変動開始コマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
S802で特別図柄変動中と判断された場合(S802でYes)、またはS811で変動開始コマンドがセットされた後、特別図柄変動制御部233は、変動時間を経過したか否かを判断する(S812)。すなわち、S810で特別図柄の変動を開始してからの経過時間がS809の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(S812でNo)、特別図柄変動が継続されるので、そのまま特別図柄処理が終了する。
一方、変動時間を経過した場合(S812でYes)、特別図柄変動制御部233は、まず、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動をS808の大当たり判定処理で決定された図柄で停止する(S813)。後述する装飾図柄を停止させるための変動停止コマンドをRAM203にセットする(S814)。そして、別ルーチンの停止中処理を実行する(S815)。停止中処理の内容については後述する。S814でセットされた変動停止コマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による大当たり判定処理〕
図9は、大当たり判定処理(図8のS808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数値の判定を行い(S901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(S902、S905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図6のS603またはS610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(a)参照)。
S901の乱数判定の結果が大当たりだった場合(S902でYes)、次に特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数値の判定を行う(S903)。この判定の結果に応じて、大当たりの種類(高確率状態か低確率状態、時短状態か時短無状態、長当たり、短当たり)が決定される。何れの大当たりとなるかは、図6のS603またはS610で取得した大当たり図柄乱数の値が、大当たりの種類ごとに予め設定された値のうちの何れと一致したかによって決定される(図17(b)参照)。
以上の判定の後、特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S904)。
S901の乱数判定の結果が小当たりだった場合(S902でNo、S905でYes)、次に特別図柄判定部234は、小当たりであることを表す図柄(以下、小当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S906)。
S901の乱数判定の結果が大当たりでも小当たりでもない場合(S902、S905でNo)、次に特別図柄判定部234は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S907)。
〔遊技制御部による変動パターン選択処理〕
図10は、変動パターン選択処理(図8のS809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、パチンコ遊技機100の遊技状態(時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態か)を参照する(S1001)。そして、大当たり判定処理(図9のS902)の判断結果を用いて今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1002)。そして、大当たりだった場合(S1002でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1003)。
一方、大当たりしなかった場合(S1002でNo)、次に変動パターン選択部235は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数値の判定を行う(S1004)。リーチ演出を行うか否かは、図6のS603またはS610で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(c)参照)。
乱数値を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(S1005でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1006)。また、リーチ演出を行わない場合(S1005でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1007)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間3秒、7秒、13秒、15秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
次に、変動パターン選択部235は、図6のS603またはS610で取得した変動パターン乱数値およびS1003、S1006、S1007でセットされた変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数値の判定を行う(S1008)。すなわち、変動パターン選択部235は、RAM203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、変動パターン乱数の乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得された場合でも、パチンコ遊技機100の遊技状態(時短状態か時短無状態か、および高確率状態か低確率状態か)、特別図柄抽選の結果(大当たりしたか否か、大当たりしていない場合はリーチ演出を行うか否か等)の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なる。
この後、変動パターン選択部235は、S1008で選択した変動パターンを設定情報としてRAM203にセットする(S1009)。S1009でセットされた変動パターンの設定情報は、図8のS811でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。本実施の形態で選択される変動パターンおよびその設定の詳細については後述する。
〔遊技制御部による停止中処理〕
図11は、停止中処理(図8のS815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において時短状態であることを示すフラグ(以下、時短フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1101)。時短フラグがONである場合(S1101でYes)、遊技制御部200は、時短状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(S1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(S1103)。そして、抽選回数J=0であれば(S1103でYes)、時短フラグをOFFにする(S1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
時短フラグがOFFであった場合(S1101でNo)またはS1104で時短フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Jの値が0でない場合(S1103でNo)、次に遊技制御部200は、RAM203のフラグ設定において高確率状態であることを示すフラグ(以下、確変フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1105)。なお、この確変フラグと先の時短フラグが共にONである場合は、高確率時短遊技状態であり、確変フラグがONであり時短フラグがOFFである場合は、高確率時短無遊技状態である。
確変フラグがONである場合(S1105でYes)、遊技制御部200は、高確率状態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(S1106)、抽選回数Xが0になったか否かを調べる(S1107)。そして、抽選回数X=0であれば(S1107でYes)、確変フラグをOFFにする(S1108)。なお、確変フラグをONにする操作と、抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
確変フラグがOFFであった場合(S1105でNo)またはS1108で確変フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Xの値が0でない場合(S1107でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1109)。そして、大当たりだった場合(S1109でYes)、次に遊技制御部200は、大当たりの種類が長当たりか否かを判断する(S1110)。
ここで、大当たりか否かの判断は、大当たり判定処理(図9)の判定結果に基づいて判断することができる。例えば、後述する図17(b)の図表に示す図柄の何れかがセットされているならば、S1109でYesである。大当たり判定処理によりRAM203に、はずれ図柄または小当たり図柄がセットされているならば、S1109でNoである。
大当たりの種類が長当たりであった場合(S1110でYes)、遊技制御部200は、長当たり遊技フラグをONにする(S1111)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が長当たりである大当たり遊技状態(長当たり遊技状態)となる。なお、ここでは長当たりにおいて、高確率状態か低確率状態かを区別していない。高確率状態となるか低確率状態となるかは、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で該当するフラグをONにすることによって特定される。
大当たりの種類が長当たりでなかった場合(S1110でNo)、遊技制御部200は、短当たり遊技フラグをONにする(S1112)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が短当たりである大当たり遊技状態(短当たり遊技状態)となる。長当たりの場合と同様、短当たりの場合も高確率状態か低確率状態かを区別していない。
S1111またはS1112で大当たり遊技フラグをONにした後、遊技制御部200は、抽選回数J、Xの値を初期化する(S1113)。また、遊技制御部200は、S1101において時短フラグがONであって、S1103において抽選回数Jが0でなかった場合に、時短フラグをOFFにする(S1114)。同様に、S1105において確変フラグがONであって、S1107において抽選回数Xが0でなかった場合に、確変フラグをOFFにする(S1114)。
一方、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりでなかった場合(S1109でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選の結果が小当たりであったか否かを判断する(S1115)。小当たりでなかった場合は(S1115でNo)、停止中処理を終了する。
一方、小当たりであった場合(S1115でYes)、遊技制御部200は、小当たり遊技を開始する(S1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。なお、小当たり遊技では、前述したように、大入賞口125を所定回数開閉し、所定時間経過後に終了する。
S1113で抽選回数J、Xの値を初期化した後、遊技制御部200は、オープニング動作を開始する(S1117)。ここで、オープニング動作の内容は、S1111、S1112の何れで当たり遊技フラグがONとなったかに応じて異なる。すなわち、大当たり遊技フラグの状態に応じて、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたオープニング動作の何れかが行われることとなる。
この後、遊技制御部200は、演出制御部300において大当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(S1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による客待ち設定処理〕
図12は、客待ち設定処理(図8のS816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(S1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
客待ちフラグがONである場合、パチンコ遊技機100は客待ち状態であるので、そのまま処理を終了する(S1201でYes)。一方、客待ちフラグがOFFである場合、遊技制御部200は、客待ちコマンドを生成してRAM203にセットし(S1202)、客待ちフラグをONにする(S1203)。S1202でセットされた客待ちコマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。なお、客待ちフラグとは、特別図柄の変動が停止して、保留が無い状態でセットされるものである。
〔遊技制御部による普通図柄処理〕
図13は、図5−3のS503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄変動制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合にセットされるフラグである。補助遊技フラグが設定されている状態は、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図16)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易い状態である(補助遊技状態)。
補助遊技フラグがONである場合、既に補助遊技状態となっており、普通図柄が停止している状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(S1301でYes)。一方、補助遊技フラグがOFFである場合(S1301でNo)、次に普通図柄変動制御部236は、パチンコ遊技機100の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する(S1302)。普通図柄変動中でない場合(S1302でNo)、次に普通図柄変動制御部236は、普通図柄の未変動分の保留数G(図7参照)が1以上か判断する(S1303)。保留数G=0である場合は(S1303でNo)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(S1303でYes)、普通図柄変動制御部236は、保留数Gの値を1減算し(S1304)、今回の普通図柄抽選における当たり乱数の判定を行って、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(S1305)。当選したか否かは、図7のS703で取得した当たり乱数の値が、後述する図17(d)に示すテーブル等において当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄の設定を行う(S1306)。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合は、当選したことを表す図柄(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。一方、普通図柄抽選に当選しなかった場合は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄の変動時間の設定を行う(S1307)。この変動時間は、図11におけるS1104、S1114、後述の図15におけるS1504、S1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。すなわち、S1307による設定の際に時短フラグがONである場合は、短時間(例えば1.5秒)に設定され、時短フラグがOFFである場合は、長時間(例えば4.0秒)に設定される。この設定の後、普通図柄変動制御部236は、S1307の設定内容に基づき、図2(a)および図3に示す普通図柄表示器223における普通図柄の変動を開始する(S1308)。
S1308で普通図柄の変動を開始した後、またはS1302で普通図柄変動中と判断された場合(S1302でYes)、普通図柄変動制御部236は、変動時間を経過したか否かを判断する(S1309)。すなわち、S1308で普通図柄の変動を開始してからの経過時間がS1307で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(S1309でNo)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理が終了する。
一方、変動時間が終了した場合(S1309でYes)、普通図柄変動制御部236は、普通図柄表示器223における普通図柄の変動を停止する(S1310)。そして、普通図柄変動制御部236は、停止した普通図柄に基づき普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(S1311)。当選したならば(S1311でYes)、補助遊技フラグをONにする(S1312)。一方、抽選にはずれたならば(S1311でNo)、補助遊技フラグをONにすること無く普通図柄処理を終了する。
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図14は、図5−3のS504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において大当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1401)。大当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(S1401でNo)。一方、大当たり遊技フラグがONである場合(S1401でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(S1402)。
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(S1402でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(S1403)。オープニング時間を経過していないならば、大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1403でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(S1403でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動設定を行い(S1404)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(S1405)、大入賞口125の作動のラウンド数Rの値を現在の値から1加算して(S1406)、大入賞口125を作動開始(開放)する(S1407)。
S1404の作動設定では、大入賞口125の作動パターンと、その作動パターンで作動させるラウンド数(作動ラウンド数)とが設定される。大入賞口125が作動する場合としては、特別図柄抽選で、長当たりまたは短当たりの大当たりであった場合と、小当たりであった場合がある。作動パターンおよびラウンド数は、これらの当たりの種類に応じて様々に設定される。一例としては、長当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行う。短当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは0.1秒の開放を1回行う。小当たりの場合、例えば、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.1秒の開放を15回行う。ここで、短当たりでの作動と小当たりでの作動を上記の例で比較すると、共に0.1秒の開放が15回行われることとなる。すなわち、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同じであり、遊技盤110上の大入賞口125の動作のみから短当たりと小当たりとを区別することはできない。
また、別の例としては、長当たりでは、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行い、短当たりでは、2ラウンド(2R)作動させ、1ラウンドでは0.9秒の開放を2回行い、小当たりでは、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.9秒の開放を2回行う。この場合も、短当たりでの作動と小当たりでの作動を比較すると、共に0.9秒の開放が2回行われることとなり、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同様となる。
なお、小当たりの際には、大入賞口125の開放累積時間が1.8秒以内に設定されなければならないことが法令により定められている。一方で、大当たり(長当たりまたは短当たり)の際には、大入賞口125を複数回連続開放させなければならない。そこで、上記のように小当たりでの作動と短当たりでの作動を外見上区別し難くしようとする場合、小当たりでは、1作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で、大入賞口125が2回以上開放する作動形態が設定され、短当たりでは、小当たりの開放回数と同数のラウンド数が設定される。
次に、大入賞口動作制御部237は、S1404で設定された作動パターンにおける開放時間を経過したか否かを判断する(S1408)。大入賞口125での開放状態が開放時間を経過していない場合(S1408でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(S1409)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、大入賞口125の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1409でNo)。一方、開放時間を経過したか(S1408でYes)、または入賞個数Cが規定個数に達した場合(S1409でYes)、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125を作動終了(閉口)する(S1410)。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数RがS1404で設定された最大値に達したか否かを判断する(S1411)。そして、最大値に達していないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(S1411でNo)。
大入賞口125の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(S1411でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング動作を開始する(S1412)。ここで、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたエンディング動作のうち、大当たり遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部237は、演出制御部300において大当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(S1413)。このエンディングコマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数Rを0にリセットした後(S1414)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(S1417)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1417でNo)。一方、エンディング時間を経過したならば(S1417でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、遊技制御部200による遊技状態設定処理を経た後(S1418)、大当たり遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する(S1419)。遊技状態設定処理の内容については後述する。
S1402で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(S1402でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング中か否かを判断する(S1415)。そして、エンディング中であるならば(S1415でYes)、上記S1417以降の動作を実行する。
一方、パチンコ遊技機100がエンディング中でもないならば(S1415でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125が作動(開放)中か否かを判断する(S1416)。そして、作動中でないならば(S1416でNo)、上記S1405以降の動作を実行し、作動中であるならば(S1416でYes)、上記S1408以降の動作を実行する。
なお、前述した小当たり遊技で行われる演出は、短当たり遊技で行われる演出と同様であり、演出から短当たりと小当たりとを区別することはできない。
〔遊技状態設定処理〕
エンディング時間が経過した場合(S1417でYes)に実行される、遊技制御部200による遊技状態設定処理(S1418)の内容を図15に示す。
遊技状態設定処理が行われる場合、前提として、図14のS1401で大当たり遊技フラグがONとなっている。そこで、図15に示すように、遊技制御部200は、まず、その大当たりの種類を判断する(S1501、S1502、S1503、S1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のS902、S903、S905と概ね同様であるので、S902、S903、S905の判断結果を用いても良い。
小当たりである場合(S1501でYes)、遊技状態は変更しないので、遊技状態設定処理を終了する。
大当たりの種類が低確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1501でNo、S1502、S1503でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにする(S1504)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が低確率時短遊技状態となる。また、遊技制御部200は、抽選回数Jの初期値を設定し(S1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、低確率時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、低確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、大当たりの種類が低確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1501でNo、1502でYes、S1503でNo)、遊技制御部200は、時短フラグ、確変フラグともONにせずに処理を終了する。したがって、この大当たりの後の遊技に対するRAM203の遊技状態の設定は、低確率時短無遊技状態となる。
大当たりの種類が高確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1501、S1502でNo、S1506でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにし(S1507)、抽選回数Jの初期値を設定する(S1508)。この場合の抽選回数Jの初期値は、図示の例では10000回である。また、遊技制御部200は、確変フラグをONにし(S1509)、抽選回数Xの初期値を設定する(S1510)。抽選回数Xの初期値は、図示の例では10000回である。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短遊技状態となる。そして、この高確率時短遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、大当たりの種類が高確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1501、S1502、S1506でNo)、遊技制御部200は、確変フラグのみをONにし(S1509)、抽選回数Xの初期値(10000回)を設定する(S1510)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短無遊技状態となる。そして、この高確率時短無遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短無遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
〔遊技制御部による電動チューリップ処理〕
図16は、図5−3のS504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(S1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(S1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御部238は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(S1602)。
電動チューリップ123が作動中でない場合(S1602でNo)、電動チューリップ動作制御部238は、電動チューリップ123の作動パターンの設定を行い(S1603)、設定した作動パターンで電動チューリップ123を作動させる(S1604)。ここで、作動パターンは、図11におけるS1104、S1114、図15におけるS1504、S1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。例えば、S1603による設定の際に時短フラグがOFFである場合は、0.15秒の開放時間で1回開放する作動パターンが設定され、時短フラグがONである場合は、1.80秒の開放時間で3回開放する作動パターンが設定される。このように、通常、時短フラグがONであるとき(時短状態のとき)は、電動チューリップ123が長時間、複数回開放され、第2始動口122に入賞し易くなる入賞サポート(電チューサポート)が行われる。
S1602で電動チューリップ123が作動中と判断された場合(S1602でYes)、またはS1604で電動チューリップ123を作動させた後、電動チューリップ動作制御部238は、設定されている作動パターンにおける開放時間が経過したか否かを判断する(S1605)。開放時間を経過していなければ、電動チューリップ123の作動状態(開放状態)が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(S1605でNo)。一方、開放時間を経過したならば(S1605でYes)、電動チューリップ動作制御部238は、補助遊技フラグをOFFとして、電動チューリップ処理を終了する(S1606)。
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施の形態において特別図柄抽選および普通図柄抽選で用いられる乱数(判定テーブル)の構成例を示す図である。
図17(a)には特別図柄抽選で用いられる大当たり乱数の構成例、図17(b)には特別図柄抽選で用いられる大当たり図柄乱数の構成例、図17(c)には特別図柄抽選で用いられるリーチ乱数の構成例、図17(d)には普通図柄抽選で用いられる当たり乱数の構成例が、それぞれ示されている。
図17(a)を参照すると、大当たり乱数の判定値として、大当たり判定時のパチンコ遊技機100の遊技状態が低確率状態の場合の大当たりと大当たり判定時の遊技状態が高確率状態の場合の大当たりの2種類と、小当たりとが設定されている。乱数(大当たり乱数)の値の範囲は、何れも0〜299の300個である。低確率状態の特別図柄抽選(大当たり抽選)の場合、当選値は1つだけが設定され、当選確率は1/300である。また高確率状態の特別図柄抽選の場合、当選値は10個設定され、当選確率は10/300(=1/30)である。すなわち図示の例では、高確率状態で始動口121、122に入賞し特別図柄抽選が行われると、低確率状態で特別図柄抽選が行われる場合に比べて、当選確率が10倍となる。また、小当たりの当選値は、低確率状態か高確率状態かに関わらず3個設定され、当選確率は3/300(=1/100)である。
図17(b)を参照すると、大当たり図柄には、低確率図柄A、低確率図柄B、高確率図柄A、高確率図柄B、潜確図柄の5種類が用意されている。ここで、低確率図柄Aおよび低確率図柄Bは、低確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち低確率図柄Aは長当たり(低確率時短遊技状態)、低確率図柄Bは短当たり(低確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。高確率図柄Aおよび高確率図柄Bは、高確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち高確率図柄Aは長当たり(高確率時短遊技状態)、高確率図柄Bは短当たり(高確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。潜確図柄は、高確率時短無遊技状態の大当たりであることを表す図柄である。したがって、高確率図柄Bと潜確図柄とは大当たり遊技後の遊技状態が同じであるが、潜確図柄は、高確率状態であることを遊技者に明確に報知しない潜伏演出を行う条件とするために高確率図柄Bとは分けて設けられている。乱数の値の範囲は0〜249の250個である。また、大当たり図柄乱数では、特別図柄抽選が行われる契機となる第1始動口121と第2始動口122の各々について当選値が設定される。
低確率図柄Aでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として35個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Aでの当選となる確率は、35/250(=7/50)である。
低確率図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Bでの当選となる確率は、15/250(=3/50)である。
高確率図柄Aでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、175/250(=7/10)である。
高確率図柄Bでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として75個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、75/250(=3/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
潜確図柄では、第1始動口121に入賞した場合の当選値として100個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に潜確図柄での当選となる確率は、100/250(=2/5)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
以上のように、図17(b)に示す例では、第1始動口121に入賞した場合の大当たりは、高確率時短無遊技状態の大当たり(高確率図柄B、潜確図柄)となる確率が高く、第2始動口122に入賞した場合の大当たりは、高確率時短遊技状態の大当たり(高確率図柄A)となる確率が高い。このように、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合における大当たりの種類の当選確率を相違させることにより、様々な遊技性を持たせることができる。また、遊技盤110における第1始動口121と第2始動口122の配置を工夫し、特定の状態(モード)では第1始動口121と第2始動口122の何れか一方を狙い易くなるように構成することによって、遊技者にさらに積極的な遊技への参加を促すことも可能である。
次に、リーチ乱数の判定について説明する。
図17(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。
なお、リーチ乱数によって決定されるリーチ有り演出、リーチ無し演出というのは、画像表示部114において行われる演出の態様を示すものである。すなわち、特別図柄の変動表示中には、例えば1〜9の数字が縦方向に連続して記された数列からなる図柄が三列表示されており、特別図柄の変動表示が開始されるのと同時に、これら図柄がスクロールを開始する。
そして、リーチ有り演出においては、スクロールの開始後、所定時間経過後にスクロールが停止して各図柄を停止表示する際に、まず、いずれか2つの図柄(数列)が先に停止する。このとき、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が停止表示するとともに、最後の一列がスクロール速度を徐々に遅くして、一直線上に同一の数字が3つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与える。このようなリーチ有り演出のなかには、最後の1列のスクロールが停止する前に、さまざまなキャラクタが登場したり、ストーリーが展開したりするいわゆるSP(スーパー)リーチ演出や、SP・SPリーチ演出が含まれている。また、後述する図18に示すように、本実施の形態では、変動時間がより長い(例えば90秒や60秒)場合に、SPリーチやSP・SPリーチ演出を実行するように設定している。一方、リーチ無し演出は、リーチ有り演出とは異なり、遊技者に期待感を与えるような演出がなされることなく、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が揃わない状態で図柄が停止表示するものである。
このように、リーチ乱数は、大当たり乱数の判定の結果がハズレであった場合に、画像表示部114においてリーチ有り演出を行うか、リーチ無し演出を行うかを決定するためのもので、所定の確率でリーチ有り演出が出現するようにして、遊技者に対して適度に期待感を与えるようにしている。
付言すると、大当たりに当選した場合には、リーチ有り演出が必ず行われ、最終的に横または斜めにわたる一直線上に、同一の数字が揃った状態で装飾図柄が停止表示する。これに対して、小当たりに当選した場合やハズレの場合のリーチ有り演出は、上記一直線上に、同一の数字が揃わない状態で装飾図柄が停止表示する。
次に、普通図柄抽選に用いられる大当たり乱数の判定について説明する。
図17(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短無状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、9/10の確率で当選する。
各種の抽選に用いられる判定情報としての乱数値は、所定の初期値から始まって、図5−3に示す乱数更新処理(S501)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図6)およびゲートスイッチ処理(図7)で取得され、特別図柄処理(図8)や普通図柄処理(図13)で使用される。なお、この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば図17(a)に示した大当たり乱数では299)に達した後は再び0に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、これらの情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、一般に、適当なタイミングで各乱数の初期値をランダムに変更する仕組みが導入されている。
なお、図17の各乱数の構成例に示した乱数の範囲、当選値の割合、当選値の各値は例示に過ぎず、図示の値に限定されるものではない。
〔変動パターンの設定例〕
次に、図10に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンとテーブルの設定例について説明する。
図18は、図10に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンとテーブルの設定例を示す図である。なお、図18には、第1始動口121に遊技球が入賞した場合であって、遊技状態が低確率時短無遊技状態もしくは高確率時短無状態の場合に選択される設定例を示している。
なお、本実施の形態では、図示を省略しているが、変動パターン選択処理に用いられる変動パターンの設定として、遊技状態が低確率時短遊技状態もしくは高確率時短遊技状態の場合に選択される変動パターンも存在し、それらの変動パターンを選択する際に参照される時短状態用のテーブルも設けられている。また、各々のテーブルの設定内容は、本実施の形態においてそれぞれ異なるようにしている。さらに、第2始動口122に遊技球が入賞する場合に関しては、同様に、変動パターン選択処理において選択される変動パターンの設定のテーブルが設けられてもよいし、第1始動口121に遊技球が入賞した場合に参照するテーブルを共用して参照するようにしてもよい。
図18に示すように、変動パターンA〜Dは、特別図柄抽選の判定結果が大当たりの場合(図10のS1002でYesの場合)に選択される変動パターンである。また、変動パターンE〜Hは、リーチ演出が行われる場合(図10のS1005でYesの場合)に選択される変動パターンである。そして、変動パターンI〜Kは、リーチ演出が行われない場合(図10のS1005でNoの場合)に選択される変動パターンとして設定されている。なお、特別図柄抽選の判定結果が大当たりのときには必ずリーチ演出を行うように構成しているため、変動パターンA〜Dが選択される場合においてリーチ演出の有無は参照されない。
図18に示す例では、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合(図10のS1002でYesの場合)の変動パターンとして、4種類の変動パターンA〜Dが設定されている。また、特別図柄抽選の判定結果がはずれ(図10のS1002でNoの場合)であった場合の変動パターンとして、7種類の変動パターンE〜Kが設定されている。変動時間は、変動パターンAが90秒、変動パターンBが60秒、変動パターンCが30秒、
変動パターンDが15秒、変動パターンEが90秒、変動パターンFが60秒、変動パターンGが30秒、変動パターンHが15秒、変動パターンIが13秒、変動パターンJが7秒、変動パターンKが3秒にそれぞれ設定されている。
また、図18に示すように、乱数(変動パターン乱数)の値の範囲は、何れも0〜249の250個である。
そして、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合において、変動パターンAには、100個の乱数値が割り当てられ、100/250の確率で90秒の変動時間が設定される。また、変動パターンBには、75個の乱数値が割り当てられ、75/250の確率で60秒の変動時間が設定される。さらに、変動パターンCには、50個の乱数値が割り当てられ、50/250の確率で30秒の変動時間が設定される。そして、変動パターンDには、25個の乱数値が割り当てられ、25/250の確率で15秒の変動時間が設定される。
つまり、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合に選択される変動パターンA〜Dのうち、最も高い割合で変動パターンAが選択され、次に高い割合で変動パターンBが選択され、次に高い割合で変動パターンCが選択され、最も低い割合で変動パターンDが選択されるように設定することができる。そして、大当たりに当選した場合、比較的長い時間に亘っての変動演出が実行されやすくなっている。
また、特別図柄抽選の判定結果がはずれであってリーチ有り演出が行われる場合、変動パターンEには、25個の乱数値が割り当てられ、25/250の確率で90秒の変動時間が設定される。また、変動パターンFには、50個の乱数値が割り当てられ、50/250の確率で60秒の変動時間が設定される。さらに、変動パターンGには、75個の乱数値が割り当てられ、75/250の確率で30秒の変動時間が設定される。そして、変動パターンHには、100個の乱数値が割り当てられ、100/250の確率で15秒の変動時間が設定される。
つまり、特別図柄抽選の判定結果がはずれであってリーチ有り演出が行われる場合に選択される変動パターンE〜Hのうち、最も高い割合で変動パターンHが選択され、次に高い割合で変動パターンGが選択され、次に高い割合で変動パターンFが選択され、最も低い割合で変動パターンEが選択されるように設定することができる。そして、はずれであってリーチ有り演出が行われる場合には、比較的短い時間に亘っての変動演出が実行されやすくなっている。
そして、特別図柄抽選の判定結果がはずれであってリーチ無し演出が行われる場合、変動パターンI〜Kには、250個の乱数値が割り当てられる。そして、変動パターンIは保留数が0個であるとき、変動パターンJは保留数が1または2個であるとき、変動パターンKは保留数が3個または4個であるときにそれぞれ選択される変動パターンとして設定されている。すなわち、はずれであってリーチ無し演出が行われる場合、特別図柄抽選における判定の保留数が多いほど、図柄変動の平均時間が短くなるように設定されている。
遊技制御部200は、遊技球が始動口121、122に入賞した際に取得した変動パターン乱数値(図6のS603、S610参照)と、パチンコ遊技機100の遊技状態、リーチ演出の有無、保留数等の条件とに基づいて特別図柄の変動パターンを決定する。そして、決定された特別図柄の変動パターンの情報は、変動開始コマンドに含まれて、遊技制御部200から演出制御部300へ送られる。演出制御部300では、後述するように、特別図柄変動時の演出として、変動開始コマンドに含まれる変動パターンの情報に基づいて特定される変動時間に対応する(その変動時間で実行可能な)演出が選択されて実行される。
〔コマンドの構成および伝送方式〕
ここで、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンド(演出制御用コマンドおよび設定用コマンド)の構成および伝送方式について説明する。
図19−1は、コマンドの構成を示す図である。図19−1(a)はコマンドのデータ構造を示し、図19−1(b)はコマンドのビット列としての構造を示す。
図19−1(a)に示すように、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドは、1コマンドが2バイトで構成される。このコマンドは、第1データ部としての1バイトの「コード」と、第2データ部としての1バイトの「データ」で構成されている。「コード」は、コマンドの種類を示し、「データ」は、コマンドの値を示す。このコマンドは、1本のシリアル信号により調歩同期を用いて、遊技制御部200から演出制御部300へ送信される。なお、より一般的には、第1データ部である「コード」は、aビット(aは2以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定され、第2データ部である「データ」は、n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている。
調歩同期を用いるため、コマンドを構成する「コード」および「データ」の各々の先頭には1ビットのスタートビット(図中、「S」と記載されたビット)が設けられ、最後尾には1ビットのエンドビット(図中、「E」と記載されたビット)が設けられる。また、コマンドを構成する「コード」および「データ」の各々には1ビットのパリティビット(図中、「P」と記載されたビット)が設けられる。
図19−1(a)に示したように、コマンドを構成する「コード」と「データ」とは、どちらも1バイト(8ビット)のデータサイズを有する。そして、伝送される際、「コード」および「データ」には、それぞれ、スタートビット、エンドビットおよびパリティビットが設けられる。そのため、コマンドを受信する演出制御部300において、受信したデータ列がコマンドの「コード」であるのか「データ」であるのかを、データ列の外形から識別することは容易ではない。そこで、本実施の形態では、「コード」と「データ」とを識別するためのフラグを設定する。具体的には、「コード」を構成する8ビット値の特定箇所の値と、「データ」を構成する8ビット値のうち「コード」の特定箇所に対応する箇所の値とが異なるようにする。
図19−1(b)に示す例では、「コード」および「データ」のそれぞれの先頭の1ビットをフラグとして用いている。すなわち、「コード」を構成する8ビット値においては、先頭の1ビットの値を「1」とし、「データ」を構成する8ビット値においては、先頭の1ビットの値を「0」とする。これにより、演出制御部300は、受信したデータ列のスタートビットに続く先頭の1ビットの値を調べることにより、そのデータ列が「コード」か「データ」かを識別することができる。なお、フラグの具体的な値は例示に過ぎず、「コード」と「データ」とを識別可能であれば、上記に示す値とは異なる値を用いても良い。
ここで、「コード」は先頭の1ビットの値が「1」に特定されているので、「コード」が取り得る値の範囲は、10000000B(=80H)から11111111B(=FFH)までの128個である。なお、各値に付された文字「B」は2進数表記であることを示し、文字「H」は16進数表記であることを示す。また、「データ」は先頭の1ビットの値が「0」に特定されているので、「データ」が取り得る値の範囲は、00000000B(=00H)から01111111B(=7FH)までの128個である。すなわち、図19−1(a)、(b)に示す構成によれば、各々128種類の値を取り得る、128種類のコマンドを設定することができる。
ところで、パチンコ遊技機100では、遊技状態や特別図柄抽選の判定結果等に応じて多くの種類の演出が実行される。そのため、演出制御用のコマンドも多くのコマンド数が用意される。特に、コマンドの具体的な内容を示す値である「データ」は、上記の128個では不足することもあり得る。一方、コマンドの種類を示す「コード」は、通常、上記の128個よりも小さい数で足りる。そこで、「コード」のビット列の一部を、「データ」の値を記述するために用いることが考えられる。
例えば、「コード」の最後尾の1ビットを「データ」の値の記述に用いる場合を考える。以下、「コード」および「データ」を構成する8ビットのビット列における各ビットを、第1ビット〜第8ビットと呼ぶ。また、「コード」を構成するビット列とは別に、実際にコマンドの種類を示す「コード」の値を「コード値」と呼び、「データ」を構成するビット列とは別に、実際にコマンドの値を示す「データ」の値を「データ値」と呼ぶ。すると、コード値は、「コード」のビット列のうち、第1ビットから第7ビットまでを用いて記述され、データ値は、「データ」のビット列の全て(第1ビットから第8ビットまで)と、「コード」の第8ビットとを用いて記述される。
このように構成すれば、コード値の取り得る範囲は、第1ビットの値が「1」に特定されており、全体で7ビットのサイズであるので、1000000B(=40H)から1111111B(=7FH)までの64個である。また、データ値の取り得る範囲は、第1ビットの値が「0」に特定された「データ」の8ビットで表現される128個と「コード」の第8ビットの値「0」、「1」とを合わせて、256個である。したがって、データ値として256種類の値を持つコマンドを設定することが可能となる。
なお、「コード」の一部を用いてデータ値を記述する場合における上記の構成は例示に過ぎず、具体的なビット数や値は上記の構成例には限定されない。例えば、「コード」の第7ビットおよび第8ビットを用いてデータ値を記述するように構成しても良い。より一般的には、第1データ部である「コード」を構成する所定のビットと、第2データ部である「データ」を構成するビットとを用いて、所定の種類のデータ(データ値)が記録される。そして、第1データ部である「コード」における上記の所定のビットを除く残りのビットを用いて、所定の種類のデータ(データ値)とは異なる他の種類のデータ(コード値)が記録される。言い換えると、第2データ部である「データ」を構成するaビットと、第1データ部である「コード」を構成するbビット(bはa−1よりも小さく、1以上の整数)とを用いて、(a+b)ビットのサイズのデータ値が記録される。
また、扱うことができるデータ値の数を増やす手段としては、データ値を記述する「データ」のビット列を増やすことも考えられる。例えば、データ値を記述するビット列として、「第1データ」と「第2データ」とを用意することが考えられる。この場合、各ビット列を8ビットとすれば、合計で16ビットのビット列によりデータ値を記述することが可能となる。「第1データ」と「第2データ」とを識別するために、8ビットのビット列のうち第2ビットをフラグとして用いることにすると、例えば、「第1データ」の第1ビットおよび第2ビットを「00B」とし、「第2データ」の第1ビットおよび第2ビットは「01B」とすることができる。なお、第1ビットは、「コード」と識別するためのフラグとして値「0」となっている。すなわち、第2データ部である「データ」は、個々のデータ値を表すビット列(「第1データ」、「第2データ」、……)のサイズである8ビットごとに(より一般的には、上記aビットごとに)、先頭の1ビットの値と同じ値が設定される。
このように構成すると、「第1データ」の取り得る値の範囲は、00000000B(=00H)から00111111B(=3FH)までの64個であり、「第2データ」の取り得る値の範囲は、01000000B(=40H)から01111111B(=7FH)までの64個であるので、合計で4096(=64×64)個となる。なお、ここでは、「コード」と「データ」(「第1データ」および「第2データ」)を識別するためのフラグとして第1ビットを用い、「第1データ」と「第2データ」とを識別するためのフラグとして第2ビットを用いることとしたが、第1、第2ビットを用いて4種類のビット列を識別するためのフラグを設定しても良い。例えば、「コード」は第1、第2ビットの値を「11B」とし、「データ」は第1、第2ビットの値を「00B」、「01B」、「10B」の何れかとすることが考えられる。
〔遊技制御部のRAMにおけるコマンド出力のための構成例〕
図19−2は、RAM203におけるコマンド格納領域の構成例を示す図である。
図19−2に示すように、遊技制御部200のRAM203は、図5−3に示した主制御処理等の各種の処理により生成される個々のコマンドが割り当てられたコマンド格納領域(記憶領域)を有する。図19−2に示す例では、領域1から領域31までの31個のコマンド格納領域がRAM203に設定されている。ここで、各コマンド格納領域に対するコマンドの割り当ては、必ずしも1対1の対応関係とはならない。例えば、同時に生成されることがない複数のコマンドを、同一のコマンド格納領域に割り当てることが可能である。図19−2に示す例では、領域1、領域9、領域12、領域19、領域20、領域21、領域22、領域23、領域30に対して複数のコマンドが割り当てられており、その他のコマンド格納領域にはそれぞれ1個ずつのコマンドが割り当てられている。
図19−2に示す例において、領域1には、電源投入に関するコマンドが割り当てられている。電源投入に関するコマンドには、RAMクリア時の電源投入を制御するコマンドと、復旧時の電源投入を制御するコマンドとがある。これらのコマンドは、生成される場面が異なるので同時に生成されることがなく、いずれも領域1に割り当てられている。
領域2〜4には、第1始動口121への入賞に関する3つのコマンド(図では「始動口1入賞」と記載)が割り当てられている。第1始動口121への入賞に関するコマンドの一つは、第1始動口121への入賞に基づく事前判定(図6のS605参照)における判定(先読み)結果を示すコマンド(図では「特図1図柄先読み」と記載)であり、領域2に割り当てられている。他の一つは、判定結果と共に特定される変動パターンの先読み(事前判定)結果を示すコマンド(図では「特図1変動パターン先読み」と記載)であり、領域3に割り当てられている。さらに他の一つは、第1始動口121への入賞に基づき特別図柄抽選の保留数を更新(ここでは値を1増加)したことを示すコマンド(図では「特図1保留(+1)」と記載)であり、領域4に割り当てられている。
領域5〜7には、第2始動口122への入賞に関する3つのコマンド(図では「始動口2入賞」と記載)が割り当てられている。第2始動口122への入賞に関するコマンドの一つは、第2始動口122への入賞に基づく事前判定(図6のS612参照)における判定結果を示すコマンド(図では「特図2図柄先読み」と記載)であり、領域5に割り当てられている。他の一つは、判定結果と共に特定される変動パターンの先読み結果を示すコマンド(図では「特図2変動パターン先読み」と記載)であり、領域6に割り当てられている。さらに他の一つは、第2始動口122への入賞に基づき特別図柄抽選の保留数を更新(ここでは値を1増加)したことを示すコマンド(図では「特図2保留(+1)」と記載)であり、領域7に割り当てられている。
領域8〜10には、普通図柄抽選に関する5つのコマンド(図では、それぞれ「普図保留」、「普図種類」、「普図確定」、「普図開閉」、「普図保留」と記載)が割り当てられている。普通図柄抽選に関するコマンドのうち、「普図保留」コマンドの一つは、遊技球がゲート124を通過したことに基づき普通図柄抽選の保留数を更新(ここでは値を1増加)したことを示すコマンド(図では「普図保留(+1)」と記載)であり、領域8に割り当てられている。「普図種類」コマンドは、普通図柄抽選において、判定結果を表す普通図柄を指定し、普通図柄表示器223の変動表示を開始したことを示すコマンド(図では「普通図柄変動開始」と記載)であり、領域9に割り当てられている。「普図確定」コマンドは、普通図柄抽選において、普通図柄表示器223を停止表示させ、普通図柄抽選の判定結果を表す普通図柄を確定させたことを示すコマンド(図では「普通図柄確定」と記載)であり、領域9に割り当てられている。「普図開閉」コマンドは、普通図柄抽選の判定結果に基づき普通電動役物である電動チューリップ123を作動させること(補助遊技)を示すコマンド(図では「普電開放・閉鎖」と記載)であり、領域9に割り当てられている。「普図保留」コマンドの他の一つは、普通図柄抽選の処理が行われたことにより保留数を更新(ここでは値を1減少)したことを示すコマンド(図では「普図保留(−1)」と記載)であり、領域10に割り当てられている。
ここで、普通図柄抽選の処理において、普通図柄の変動表示、普通図柄の停止表示、補助遊技による電動チューリップ123の作動は、一連の操作として順次実行される。そして、電動チューリップ123の作動中に他の遊技球がゲート124を通過したことに基づく普通図柄の変動表示が開始されることはない(図13参照)。そのため、上記の「普図種類」、「普図確定」、「普電開閉」の3種類のコマンドは、いずれも同時に生成されることはない。そこで、図19−2に示す例では、これら3種類のコマンドを同一のコマンド格納領域(領域9)に割り当てている。
領域11〜14には、特別図柄抽選に関する9つのコマンド(図では、「特図変動」、「特図特電」と記載)が割り当てられている。特別図柄抽選に関するコマンドのうち、「特図変動」コマンドの一つは、パチンコ遊技機100の現在の遊技状態(高確率状態か低確率状態か、時短状態か時短無状態か)を示すコマンド(図では「遊技状態」と記載)であり、領域11に割り当てられている。「特図変動」コマンドの他の一つは、特別図柄抽選において、特別図柄抽選の判定結果を表す特別図柄を指定し、特別図柄表示器221、222の変動表示を開始したことを示すコマンド(図では「特図指定」と記載)であり、領域12に割り当てられている。「特図変動」コマンドのさらに他の一つは、特別図柄抽選において行われる特別図柄変動の変動パターンを特定するコマンド(図では「変動パターン」と記載)であり、領域13に割り当てられる。「特図変動」コマンドのさらに他の一つは、特別図柄抽選の処理が行われたことにより保留数を更新(ここでは値を1減少)したことを示すコマンド(図では「特図保留(−1)」と記載)であり、領域14に割り当てられている。
一方、「特図特電」コマンドの一つは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを示すコマンド(図では「客待ち」と記載)であり、領域12に割り当てられている。「特図特電」コマンドの他の一つは、特別図柄抽選の判定結果に基づき特別電動役物である大入賞口125を作動させること(特別遊技、大当たり遊技)を示すコマンド(図では「特電開放」と記載)であり、領域12に割り当てられている。「特図特電」コマンドのさらに他の一つは、大当たり遊技のオープニング動作が開始されたことを示すコマンド(図では「大当たりOP」と記載)であり、領域12に割り当てられている。「特図特電」コマンドのさらに他の一つは、大当たり遊技のエンディング動作が開始されたことを示すコマンド(図では「大当たりED」と記載)であり、領域12に割り当てられている。「特図特電」コマンドのさらに他の一つは、特別図柄表示器221、222を停止表示させ、特別図柄抽選の判定結果を表す特別図柄を確定させたことを示すコマンド(図では「特図確定」と記載)であり、領域12に割り当てられている。
ここで、特別図柄抽選の処理において、特別図柄の変動表示、特別図柄の停止表示、特別遊技による大入賞口125の作動は、一連の操作として順次実行される。そして、特別遊技の実行中に他の遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示が開始されることはない(図8参照)。また、大当たり遊技では、オープニング動作、大入賞口125の作動、エンディング動作が、一連の操作として順次実行される。そのため、上記の「特図変動」コマンドにおける「特図指定」コマンドおよび5種類の「特図特電」コマンドは、いずれも同時に生成されることはない。そこで、図19−2に示す例では、これら6種類のコマンドを同一のコマンド格納領域(領域12)に割り当てている。
領域15〜18には、スイッチ検出に関する4つのコマンド(図では「スイッチ通過」と記載)が割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドの一つは、遊技領域111の左側のゲート124Lを遊技球が通過したことを示すコマンド(図では「左ゲート通過」と記載)であり、領域15に割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドの他の一つは、遊技領域111の右側のゲート124Rを遊技球が通過したことを示すコマンド(図では「右ゲート通過」と記載)であり、領域16に割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドのさらに他の一つは、第2始動口122に遊技球が入賞したことを示すコマンド(図では「始動口SW2通過(電チュー)」と記載)であり、領域17に割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドのさらに他の一つは、大入賞口125に遊技球が入賞したことを示すコマンド(図では「大入賞口入賞」と記載)であり、領域18に割り当てられている。
領域19〜30には、エラーに関するコマンド(図では「エラー」と記載)が割り当てられている。パチンコ遊技機100の遊技制御部が検出するエラーとしては、例えば、払出球が皿153(図1、図2(b)参照)に一杯になったことを示す満タンエラー、枠部材150の前面枠が開状態となっていることを示す扉開放エラー、払い出しユニットによる遊技球の払い出しができなくなったことを示す払い出しエラー、ゲートスイッチ214や始動口スイッチ211、212等の各種の検知スイッチが未接続となっていることを示すスイッチ未接続エラー等がある。図19−2に示す例では、これらのエラーが、それぞれ領域19〜23に割り当てられている。また、エラーごとに、各エラーが発生したことを示すコマンド(図では「〜エラー開始」と記載)と、各エラーが解消したことを示すコマンド(図では「〜エラー終了」と記載)とが、同一のコマンド格納領域に割り当てられている。
この他、パチンコ遊技機100の仕様や機能に応じて種々の制御項目やエラー項目を設定し、制御項目に応じたコマンド、エラーが発生したことを示すコマンド、エラーの種類によってはエラーが解消したことを示すコマンド等を生成するように構成して良い。そして、これらのコマンドを、コマンド格納領域に適宜割り当てることができる。図19−2に示す例では、領域24〜30に、種々のエラーに関するコマンドが個別に割り当てられている。また、領域31に、特定の入賞を検出して通知するためのコマンド(図では「入賞通知指定」と記載)が割り当てられている。
以上のように、遊技制御部200のRAM203に設けられたコマンド格納領域は、1つのコマンド格納領域に対して一種類または複数種類のコマンドが対応付けられている。そして、図5−3に示した主制御処理において、遊技制御部200は、生成したコマンドを、そのコマンドに対応付けられているコマンド格納領域に格納していく。
ここで、主制御処理では、1サイクルの処理が実行される度に、必ずしも全てのコマンドが生成される訳ではない。例えば、第1始動口121や第2始動口122への入賞がないときは、上記の始動口121、122への入賞に関するコマンドや「特図変動」コマンドは生成されない。また、普通図柄抽選に関するコマンドのうちの「普図開閉」コマンドや「特図特電」コマンドは、これらの電動役物を作動させるべきタイミングでなければ生成されない。また、エラーの発生に関するコマンドは、そもそもエラーが発生していなければ生成されない。
したがって、主制御処理の出力処理(図5−3のS506参照)が行われる際には、通常、RAM203に設けられたコマンド格納領域のうち、いくつかのコマンド格納領域にはコマンドが格納されており、他のコマンド格納領域にはコマンドが格納されていない状態となる。
〔コマンドの出力動作〕
図19−3は、出力制御部240による出力処理の内容を示すフローチャートである。
本実施の形態では、出力制御部240は、図19−2に示したRAM203のコマンド格納領域の上から順に(領域番号の順に)着目し、各コマンド格納領域に格納されているコマンドを出力する。
図19−3に示すように、遊技制御部200の出力制御部240は、まず、RAM203に設けられたコマンド格納領域のうち、先頭のコマンド格納領域(図19−2に示す例では領域1)に着目し(S221)、コマンドが格納されているか否かを調べる(S222)。そして、コマンドが格納されているならば(S222でYes)、出力制御部240は、格納されているコマンドを読み出して演出制御部300へ出力する(S223)。
着目したコマンド格納領域(初期的には領域1)にコマンドが格納されていなかった場合(S222でNo)、またはS223でコマンド格納領域に格納されていたコマンドを出力した後、出力制御部240は、次の領域番号のコマンド格納領域が有るか否かを調べる(S224)。次のコマンド格納領域が有る場合(S224でYes)、出力制御部240は、そのコマンド格納領域に着目し(S225)、S222へ戻って、コマンドの有無の確認(S222)、出力(S223)を繰り返す。そして、最後のコマンド格納領域(図19−2に示す例では領域31)に対して処理を行ったならば、次の領域番号のコマンド格納領域が無いので(S224でNo)、出力処理を終了する。
〔コマンドの出力順の設定〕
主制御処理においては、図6乃至図16を参照して説明した各処理においてコマンドが生成されると、通常、直ちに生成されたコマンドがRAM203の対応するコマンド格納領域に格納される。すなわち、コマンド格納領域へのコマンドの格納は、一般に、コマンドが生成された順に行われる。
一方、図19−3を参照して説明したように、出力制御部240による出力処理では、一定の順序(上記の例では領域番号の順)で各コマンド格納領域に着目し、格納されているコマンドを出力する。すなわち、コマンドの出力は、コマンドが生成された順に関わらず、予め定められた特定の順序で行われる。これは、コマンドに基づく演出制御部300の演出制御において混乱を防ぐために、特定のコマンドに関しては特定の順序で演出制御部300に送信されることが望ましい場合があるためである。すなわち、詳しくは後述するが、演出制御部300は遊技制御部200から受信した順にコマンドに基づく演出制御を実行するため、コマンドを受信する順番が異なることによって、演出制御に矛盾が生じる等の混乱が生じる場合があるので、これを防止する必要がある。
〔演出制御部の動作〕
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図19−4は、演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図19−4(a)に示すメイン処理と、図19−4(b)に示す割り込み処理とからなる。図19−4(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(S1901)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(S1902)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(S1903)、割り込み処理を受け付ける。
割り込み処理は、S1902で設定された周期にしたがって定期的に行われる。図19−4(b)を参照すると、この割り込み処理において、演出制御部300は、遊技制御部200からのコマンドを受信してコマンド受信処理を行う(S1911)。このコマンド受信処理において、演出パターンが選択される。また、演出制御部300は、遊技者による演出ボタン161等の操作を受け付けるための演出ボタン処理を行う(S1912)。この後、演出制御部300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信するコマンド送信処理を行う(S1913)。これにより、画像表示部114への画像表示や音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等による演出が行われる。
〔演出制御部によるコマンド受信処理〕
図20は、コマンド受信処理(図19−4(b)のS1911)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、事前判定結果コマンドを受信したか否かを判断し(S2001)、事前判定結果コマンドを受信したのであれば(S2001でYes)、さらに、保留数増加コマンドを受信したか否かを判断する(S2002)。なお、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図6に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(S606、S607、S613、S614)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信されたものである。
そして、演出制御部300は、保留数増加コマンドを受信したと判断した場合(S2002でYes)、RAM303に保持されている保留数の値を1加算する(S2003)。さらに、演出制御部300は、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドに基づいて、演出選択処理を行う(S2004)。なお、演出選択処理の内容については後に説明する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドでない場合(S2001およびS2002でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが変動開始コマンドか否かを判断する(S2005)。この変動開始コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(S811)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(S2005でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(S2006)。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンドおよび変動開始コマンドでない場合(S2001、S2002およびS2005でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが変動停止コマンドか否かを判断する(S2007)。この変動停止コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(S814)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(S2007でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(S2008)。変動演出終了中処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンド、変動開始コマンドおよび変動停止コマンドでない場合(S2001、S2002、S2005、S2007でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるオープニングを開始するためのオープニングコマンドか否かを判断する(S2009)。このオープニングコマンドは、図11に示した停止中処理においてセットされ(S1118)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(S2009でYes)、演出制御部300は、大当たり演出選択処理を実行する(S2010)。大当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンドおよびオープニングコマンドでない場合(S2001、S2002、S2005、S2007およびS2009でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるエンディングを開始するためのエンディングコマンドか否かを判断する(S2011)。このエンディングコマンドは、図14に示した大入賞口処理においてセットされ(S1413)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(S2011でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(S2012)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンドおよびエンディングコマンドでない場合(S2001、S2002、S2005、S2007、S2009およびS2011でNo)、次に演出制御部300は、受信したコマンドが客待ち状態に移行するための客待ちコマンド受信処理を実行する(S2013)。客待ちコマンド受信処理の詳細については後述する。
図21は、モードフラグの設定例を示す図である。
演出制御部300により演出が行われる場合、設定される演出モードに基づき、種々の演出パターンが選択されて実行される。この演出モードは、RAM303にセットされるモードフラグによって決定される。ここで、モードフラグは、0〜4の値のいずれかが設定されており、それぞれAモードからEモードまでの5種類の演出モードが割り当てられている。なお、モードフラグは、特別図柄抽選の抽選結果または特別図柄抽選の抽選回数に応じて設定される。
高確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ1が、低確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ2が、高確率図柄Bおよび低確率図柄Bの大当たりにはモードフラグ3が、潜確図柄の大当たりおよび小当たりにはモードフラグ4が、それぞれ割り当てられている。ここで、これらの図柄の種類は、図17(b)に示したものと同様である。何れの大当たりにもモードフラグ0は割り当てられていない。なお、モードフラグ1〜4において、特別図柄抽選を所定回数実行することでモードフラグ0が設定される。
さらに、図21に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。
図22は、図20の演出選択処理(S2004、S2006)の内容を示すフローチャートである。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず、遊技制御部200のRAM203から受信した事前判定結果コマンドを解析する(S2201)。さらに、演出制御部300に事前判定情報は、遊技制御部200のRAM203から受信した保留数増加コマンドを解析する(S2202)。そして、演出制御部300は、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドに基づいて、事前判定演出パターンを選択する(S2203)。
ここで、事前判定演出パターンとしては、特別図柄処理による乱数の判定結果の報知の以前に、その特別図柄処理による乱数の判定結果を予告するような各種の演出パターンを設けることができる。例えば、保留表示に事前判定結果を反映させる場合には、大当たり乱数の判定結果に基づいて保留表示を行う保留表示演出を事前判定演出パターンとして設けることができる。その他、複数の図柄変動を跨ぐように連続的に演出を行う所謂連続予告などの演出パターンも事前判定演出パターンとして設けることができる。
そして、演出制御部300は、加算後の保留数の値と、演出選択処理において選択された事前判定演出パターンの情報とが含まれる保留数コマンドをRAM303にセットする(S2204)。なお、保留数コマンドには、CPU311に対して選択された事前判定演出パターンを通知するために、当該パターンを示す情報が含まれる。CPU311は保留数コマンドを受信することで、選択された事前判定演出パターンに対応する画像や音響をVDP314に描画、出力処理させるためのディスプレイリスト等の作成を行う。VDP314は当該ディスプレイリスト等に基づいて、選択された事前判定演出パターンを表すための画像データや音響データをCGROM315やSNDROM316から読み出して、事前判定演出を画像表示部114やスピーカ156を用いて表現する。
なお、演出選択処理において、受信したコマンドが、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドのいずれでもなければ、S2201〜S2204の処理は行われない。
そして、演出制御部300は、受信した変動開始コマンドを解析する(S2205)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照し(S2206)、RAM303に保持されている保留数の値を1減算する(S2207)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)およびモードフラグにより決定される演出モードに基づき、その演出モードで画像表示部114に表示する画像による図柄変動の変動演出パターンを選択する(S2208)。
最後に、演出制御部300は、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM303にセットする(S2209)。なお、変動演出開始コマンドには、CPU311に対して選択された変動演出パターンを通知するために、当該パターンを示す情報が含まれる。CPU311は保留数コマンドを受信することで、選択された変動演出パターンに対応する画像や音響をVDP314に描画、出力処理させるためのディスプレイリスト等の作成を行う。VDP314は当該ディスプレイリスト等に基づいて、選択された変動演出パターンを表すための画像データや音響データをCGROM315やSNDROM316から読み出して、変動演出を画像表示部114やスピーカ156を用いて表現する。
詳述しないが、S2208における図柄変動の変動演出パターンの選択処理では、演出モードと変動パターンと演出乱数(図19−4のS1903において更新されている乱数の一つであり、変動開始コマンド受信時に演出乱数値を取得している)とに基づいて変動演出パターンが決定される。ここで決定された変動演出パターンに基づいて、装飾図柄の変動表示、背景演出および予告演出が決定される。なお、装飾図柄の変動表示とは、第1特別図柄表示器221または第2特別図柄表示器222で行われる特別図柄の変動表示に伴い、画像表示部114にて行われる演出表示である。この装飾図柄の変動表示において、リーチ演出等が実行される。
図23は、図20の変動演出終了中処理(S2008)の内容を示すフローチャートである。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず受信した変動停止コマンドを解析する(S2301)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(S2302)。そして、演出制御部300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が大当たりまたは小当たりか否かを判断する(S2303)。大当たりまたは小当たりである場合は(S2303でYes)、その大当たりの種類または小当たりに応じて、図21に示した設定例に基づきRAM303にセットされているモードフラグを変更する(S2304)。
一方、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりまたは小当たりでない場合(S2303でNo)、次に演出制御部300は、モードフラグの値が0か否かを調べる(S2305)。モードフラグが0でない場合(S2305でNo)、演出制御部300は、パラメータMを1減算し(S2306)、Mの値が0になったか否かを調べる(S2307)。Mの値が0になったならば(S2307でYes)、演出制御部300は、モードフラグを0に設定する(S2308)。
S2305でモードフラグが0であった場合(S2305でYes)、S2307でパラメータMの値が0にならなかった場合(S2307でNo)、またはS2308でモードフラグを0に設定した後、あるいはS2304でモードフラグを変更した後、演出制御部300は、図柄変動の演出の終了を指示するための変動演出終了コマンドをRAM303にセットして、変動演出終了中処理を終了する(S2309)。ここで、図21を参照すると、S2304でモードフラグを変更した場合は、変動演出終了後の演出モードは大当たりの種類に応じた演出モードとなる。また、S2305でモードフラグが0であった場合およびS2308でモードフラグを0に設定した場合は、変動演出終了後の演出モードはAモードとなる。また、S2307でパラメータMの値が0にならなかった場合は、これまでの演出モードが継続される。
図24は、図20の大当たり演出選択処理(S2010)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(S2401)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(大当たり演出パターン)を選択する(S2402)。そして、演出制御部300は、選択した大当たり演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する大当たり演出開始コマンドをRAM303にセットして、大当たり演出選択処理を終了する(S2403)。これにより、大当たり中の演出が決定される。
図25は、図20のエンディング演出選択処理(S2012)の内容を示すフローチャートである。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンドを解析し(S2501)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(S2502)。そして、演出制御部300は、選択したエンディング演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM303にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(S2503)。
図26は、図20の客待ちコマンド受信処理(S2013)の内容を示すフローチャートである。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(S2601)。客待ちコマンドを受信した場合(S2601でYes)、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(S2602)、RAM303において計測フラグをONにする(S2603)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合(S2601でNo)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(S2604)。計測フラグがOFFであれば(S2604でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
計測フラグがONである場合(S2604でYesまたはS2603でONにした後)、次に演出制御部300は、計測時間があらかじめ定められたタイムアップ時間に達したか否かを判断する(S2605)。タイムアップしていない場合(S2605でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。一方、タイムアップした場合(S2605でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグをOFFにし(S2606)、客待ち演出を行うための客待ち演出コマンドをRAM303にセットして客待ちコマンド受信処理を終了する(S2607)。
以上のようにしてコマンド受信処理が完了すると、RAM303には、変動演出開始コマンド、変動演出終了コマンド、大当たり演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、客待ち演出コマンドの何れかがセットされている。
図27は、演出ボタン処理(図19−4(b)のS1912)の内容を示すフローチャートである。
この演出ボタン処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン161等の操作手段が操作されたか否かを判断する(S2701)。ここで、操作手段の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
演出ボタン161等の操作手段が操作されたならば(S2701でYes)、演出制御部300は、操作手段の操作内容を示す情報を含む演出ボタンコマンドをRAM303にセットして演出ボタン処理を終了する(S2702)。
この後、演出制御部300は、図19−4(b)のコマンド送信処理(S1913)を行って、上記のコマンド受信処理および演出ボタン処理でRAM303にセットされたコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信する。そして、画像/音響制御部310およびランプ制御部320が、受信したコマンドに基づき、画像表示部114への画像表示、音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等を制御して、設定された演出を実行する。
〔事前判定に基づく予告演出〕
次に、本実施の形態による事前判定に基づく予告演出について説明する。
本実施の形態では、図6を参照して説明したように、第1始動口121(図1または図3参照)に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211(図3参照)がONとなった場合、および第2始動口122(図1または図3参照)に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212(図3参照)がONとなった場合に、乱数の判定(図8のS808、S809参照)が行われる以前に、事前判定処理により事前判定を行う(図6のS605、S612参照)。
また、本実施の形態では、上記の事前判定の結果に基づいて、判定結果を遊技者に示唆する予告演出(示唆演出)を行う。この予告演出は、事前判定が行われた入賞球(保留球)に対する図柄変動よりも先に行われる他の入賞球に対する図柄変動の際に実行される。本実施の形態では、保留球は、一つの始動口(第1始動口121または第2始動口122)につき4個を上限としている(図6参照)。また、第2始動口122の保留球の消化を優先するものとする。この場合、例えば、第2始動口122のある保留球について事前判定を行った場合、その保留球についての図柄変動が行われる前に、現在変動中の変動(当該変動と呼ぶ)を含め、最大で4個の入賞球についての図柄変動が行われることとなる。事前判定が行われた保留球に係る予告演出において、その保留球についての図柄変動が行われる前に複数回の図柄変動が行われる場合、その複数回の図柄変動にまたがる予告演出を行っても良い。
〔予告演出を行うための遊技制御部のRAMおよび演出制御部のRAMの構成〕
このような事前判定に基づく予告演出を実行するために、本実施の形態における遊技制御部200のRAM203および演出制御部300のRAM303は、以下のような構成を有する。
図28は、本実施の形態に係る遊技制御部200のRAM203(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。図28(a)は、記憶領域204の構成を示すブロック図であり、図28(b)は、図28(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図28(a)に示すように、RAM203は、大当たり乱数抽選により取得した大当たり乱数を記憶する特別図柄保留記憶領域としての記憶領域204を備えている。この記憶領域204は、第1始動口121の保留数と第2始動口122の保留数の最大値に対応する8つの記憶部を有している(各保留数の上限値が4の場合)。具体的に説明すると、記憶領域204は、第1記憶部204a、第2記憶部204b、第3記憶部204c、第4記憶部204d、第5記憶部204e、第6記憶部204f、第7記憶部204g、第8記憶部204hを有している。
また、図28(b)に示すように、これらの記憶部204a〜204hの各々は、入賞した始動口(第1始動口121または第2始動口122)の別を表す情報が記憶される領域と、取得された大当たり乱数が記憶される領域と、図柄乱数が記憶される領域と、リーチ乱数が記憶される領域と、変動パターン乱数が記憶される領域と、を有する。すなわち、記憶部204a〜204hの各々には、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数が記憶される。
ここで、各乱数は、第1記憶部204aから順に記憶していく。より具体的に説明すると、例えば、第1記憶部204a〜第8記憶部204hの何れにも乱数が記憶されていないときには、取得した乱数が第1記憶部204aに記憶されることになる。また、例えば、第1記憶部204a〜第4記憶部204dに乱数がすでに記憶されているときには、取得した乱数が第5記憶部204eに記憶されることになる。
図29は、本実施の形態に係る演出制御部300のRAM303(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。図29(a)は、保留記憶領域305、306の構成を示すブロック図であり、図29(b)は、図29(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図29(a)に示すように、RAM303は、保留球が保留されている状況を記憶する保留状況記憶領域としての第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306を備えている。この第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306は、第1始動口121への入賞に対する保留および第2始動口122への入賞に対する保留にそれぞれ対応しており、各々4つの記憶部を有している。具体的には、第1保留記憶領域305は、第1記憶部305a、第2記憶部305b、第3記憶部305c、第4記憶部305dを有している。また、第2保留記憶領域306は、第1記憶部306a、第2記憶部306b、第3記憶部306c、第4記憶部306dを有している。
また、図29(b)に示すように、これらの記憶部305a〜305d、306a〜306dの各々は、保留フラグをON/OFFする保留フラグ記憶領域と、報知フラグをON/OFFする報知フラグ記憶領域と、を有している。保留フラグは、各記憶部305a〜305d、306a〜306dごとに保留球の有無を識別するためのフラグである。すなわち、例えば第1始動口121への入賞による保留数が3である場合、第1〜3記憶部305a、305b、305cの3つの保留フラグ記憶領域において、保留フラグがONとなる。報知フラグは、個々の保留球に関して事前判定結果に基づいて予告演出を行うと決定されたことを識別するためのフラグである。すなわち、例えば上記3つの保留球に対して事前判定処理(図6のS605、S612および後述の図30参照)が行われ、3番目の保留球に対して予告演出を行うと決定された場合、第3記憶部305cの報知フラグ記憶領域において、報知フラグがONとなる。
すなわち、RAM203およびRAM303は、遊技制御部200および演出制御部300において、所定数を限度として所定の始動条件の成立に基づく始動情報である保留情報を記憶する記憶手段として機能する。また、遊技制御部200は、この始動情報である保留情報に基づいて、この始動情報に対応する前記始動条件の成立を契機とする特別図柄判定部234の判定が行われる前に、特別遊技状態に移行するか否かに関する事前判定処理を行う事前判定手段である。演出制御部300は、事前判定結果を予告(示唆)するための予告演出を行う演出制御手段である。
また、特に図示しないが、図28(a)に示した構成とは別に、RAM203は、事前判定情報が記憶される領域(以下、事前判定情報格納領域)を有する。事前判定情報とは、上記の各乱数に基づく事前判定処理(図6のS605、S612参照)によって得られた情報である。事前判定情報の内容は、特別図柄処理(図8参照)における各種の判定結果として得られる情報と同様であり、具体的には、大当たりの種類(大当たり、小当たり、はずれ)、大当たりであった場合にはその大当たりの種類、演出の内容はリーチ有り演出であるのかリーチ無し演出であるのか、変動パターン(変動時間)の内容といったことを示すための情報である。
〔事前判定処理〕
次に、事前判定処理(図6のS605、S612参照)について詳細に説明する。
本実施の形態における事前判定処理では、遊技制御部200では、図17や図18を参照しながら説明した乱数の構成例と同様の乱数テーブルを用いて以下のとおり事前判定を行う。
図30は、本実施の形態に係る事前判定処理(図6のS605、S612)の内容を示すフローチャートである。
図30に示すように、遊技制御部200は、まず、遊技状態が高確率状態か否かを判断し(S3001)、高確率状態であると判断すると(S3001でYes)、高確率状態用のテーブルを選択して、大当たり乱数および大当たり図柄乱数の事前判定を行う(S3002)。一方、S3001でNoと判断した場合には、低確率状態用のテーブルを選択して、大当たり乱数および大当たり図柄乱数の事前判定を行う(S3003)。
S3002またはS3003の大当たり乱数および大当たり図柄乱数の事前判定の後、遊技制御部200は、遊技状態が時短状態か否かを判断し(S3004)、時短状態であると判断すると(S3004でYes)、時短状態用のテーブルを選択して、リーチ乱数の事前判定を行う(S3005)。さらに、時短状態用のテーブルを選択して、変動パターン乱数の事前判定を行う(S3006)。
一方、S3004でNoと判断した場合には、時短無状態用のテーブルを選択して、リーチ乱数の事前判定を行う(S3007)。さらに、時短無状態用のテーブルを選択して、変動パターン乱数の事前判定を行う(S3008)。
この後、遊技制御部200は、上述のとおり得られた大当たり乱数の事前判定の結果、大当たり図柄乱数の事前判定の結果、リーチ乱数の事前判定の結果、および変動パターンの事前判定の結果を、事前判定情報として事前判定情報格納領域に記憶する(S3009)。さらに、演出制御部300に事前判定情報を送信するために、事前判定情報を含む事前判定結果コマンドをRAM203にセットする(S3010)。
ここで、上述の事前判定は、始動口121、122への遊技球の入賞に応じて取得された乱数値(図6のS603、S610参照)と、大当たり判定処理で用いられる判定テーブル(図17参照)と同様の構成の判定テーブルとを用いて行った。すなわち、使用する判定テーブルを選択した後の判定自体は、大当たり判定処理における判定(図9のS901参照)と同様である。そこで、本実施の形態では、特別図柄処理(図8参照)で用いた大当たり判定処理のサブルーチン(図8のS808および図9参照)を呼び出し、上記の事前判定における乱数の判定を行う。
このような構成としたことにより、本実施の形態では、事前判定処理における乱数の判定を行うために、大当たり判定処理とは別に乱数を判定する処理機能(サブルーチン)を用意する必要がない。そのため、制御命令の数を削減し、大当たり判定処理および事前判定処理に関するプログラムのサイズの増大を抑制することができる。また、上記のように、事前判定に用いる判定テーブルを大当たり判定で用いる判定テーブルと同様の構成とする場合には、大当たり判定で用いる判定テーブルを事前判定においても用いるようにしても良い。
また、ここでは特別図柄抽選に関する事前判定(大当たりか否か)についてのみ説明したが、本実施の形態では、特別図柄の変動表示および停止表示を行う際の変動パターンについても、先読み(事前判定)を行う。特別図柄抽選における変動パターンの選択は、始動口121、122への遊技球の入賞に応じて取得された変動パターン選択用の乱数値(図6のS603、S610参照)と変動パターンテーブル(図18参照)とを用いて行われる(図8のS809および図10参照)。したがって、変動パターンの先読みにおいても、入賞時に取得した変動パターン選択用の乱数値と、特別図柄処理の変動パターン選択処理で用いた変動パターンテーブルと同様の構成の先読みテーブルを用いて、選択される変動パターンを先読みすることができる。
この場合、変動パターン選択処理で選択される変動パターンを先読みするために、特別図柄処理(図8参照)で用いた変動パターン選択処理のサブルーチン(図8のS809および図10参照)を呼び出して用いることができる。また、変動パターン選択の先読みに用いる先読みテーブルに関しても、特別図柄処理の変動パターン選択処理で用いられる変動パターンテーブルを用いて良い。このように構成すれば、変動パターン選択の先読みに関する制御命令の数を削減し、プログラムのサイズの増大を抑制することができる。
なお、事前判定処理と特別図柄変動時の大当たり判定処理とを、同様の判定テーブル群を用い同じサブルーチンにて行った場合、各処理の実行時が異なるために、事前判定結果と特別図柄変動時の大当たり判定処理による判定結果とが異なる場合があり得る。すなわち、事前判定処理の実行後、特別図柄変動開始時までにパチンコ遊技機100の遊技状態(高確率状態か低確率状態か、時短状態か時短無状態か)が変化した場合である。この場合、判定テーブルは遊技状態に応じて異なる種類のものが用いられるため、事前判定処理の実行時と大当たり判定処理の実行時とでは、判定に用いられる具体的な判定テーブルが異なることになる。そのため、始動口121、122への入賞時に獲得した同一の乱数値を使用しても、事前判定結果と大当たり判定処理の判定結果と異なる場合がある。このような場合、演出制御部300において、事前判定処理の実行後、特別図柄変動の開始時までに遊技状態が変化する場合は、事前判定結果に基づく演出を不実行とする(禁則)制御等を行っても構わない。
〔キャラクタ役物6の概略構成〕
図31は、キャラクタ役物6の正面図である。
さて、本実施の形態では、可動役物115がキャラクタ役物6を有している。以下では、このキャラクタ役物6について説明する。
図31に示すように、キャラクタ役物6は、パチンコ遊技機100(図1参照)の演出に関連するキャラクタの造形が施され遊技盤110(図1参照)に対して固定して設けられる固定部61と、キャラクタが保持する盾(武器)の造形が施され固定部61に対する相対位置が変化する移動部63と、第1モータ(ステッピングモータ)M1が設けられ移動部63を駆動する駆動部65とを有する。
ここで、移動部63は、固定部61よりも前側(紙面手前側)に設けられる。また、移動部63は、左下側と右上側との間に延びる直線に沿う方向で移動が可能である。さらに説明をすると、図示の例においては、移動部63は、固定部61に設けられたキャラクタ形状部611(後述)の長手方向(上下方向)と交差する方向に移動可能である。また、移動部63は、固定部61に設けられたキャラクタ形状部611の左腕(前腕)612の延長線上で移動可能である。
この移動部63は、第1モータM1の駆動力を受けることにより、固定部61に対して進退する。さらに説明をすると、図示の例においては、移動部63は、固定部61に対して近い第1位置(図中実線で示す移動部63参照)および固定部61に対して遠い第2位置(図中破線で示す移動部63参照)の間で移動する。なお、第1位置に配置された移動部63の一部(上側端部)は、キャラクタ役物6のキャラクタ頭部6111(後述)の一部(下側端部)を覆う。
〔キャラクタ役物6の詳細構成〕
図32は、キャラクタ役物6の分解斜視図である。
次に、図32を参照しながら、キャラクタ役物6の詳細構成について説明をする。
図32に示すように、固定部61は、キャラクタの形状を立体的(3次元的)に成形したキャラクタ形状部611を有する。
ここで、キャラクタ形状部611は、キャラクタの頭の造形が施されたキャラクタ頭部6111と、キャラクタの胴体および両腕の造形が施されたキャラクタ胴部6113とを有する。
このキャラクタ形状部611は、樹脂製であり、例えば厚さが略均一の薄板状の部材に凹凸が施された形状である。このキャラクタ形状部611の表面は塗装され、光を透過しにくい構成である。一方で、キャラクタ頭部6111に形成された一部の領域、すなわちキャラクタが被るマスクに形成された「A」の文字である頭部透過領域6111Aは、キャラクタ形状部611における他の部分と比較して光を透過しやすく構成されている。
移動部63は、キャラクタが保持する盾の形状(略楕円形状)で形成された板状部材である盾形状部631と、盾形状部631の後側に設けられる導光板633と、導光板633の後側に設けられる盾部基板635と、盾部基板635の後側に設けられ駆動部65に支持される盾ベース部637とを有する。
ここで、盾形状部631は、光を透過可能な樹脂製の板状部材である。盾形状部631は、板面中央が前側に突出するように湾曲している。また、盾形状部631は、前側は滑らな面を有し、後側は複数の凹凸6311(後述する図34参照)が形成された面を有する。なお、後側の面に形成された凹凸6311は、盾形状部631を透過する光および後側の面で反射する光を拡散する機能を有する。
導光板633は、光を透過可能な樹脂製の板状部材である。また、導光板633は、平面視略楕円形状であり、長手方向の両端(上側および下側)が切り欠かれた形状である。この導光板633は、後述する盾部前側LED6353の各々に対応する位置に形成されたレンズ部6331が形成されている。なお、このレンズ部6331は、盾部前側LED6353から出射される光を拡散させる機能を有する。図示の例においては、各々のレンズ部6331は、複数の円環状の突起が同心円状に形成されている。付言すると、各々のレンズ部6331は、所謂フレネルレンズとして機能する。
盾部基板635は、導光板633と対応する形状、すなわち平面視略楕円形状であり長手方向の両端(上側および下側)が切り欠かれた形状である盾部基板本体6351と、盾部基板本体6351の前側に設けられた盾部前側LED6353と、盾部基板本体6351の後側に設けられた盾部後側LED6355と、盾部基板本体6351の後側に設けられ盾部基板本体6351に電気信号を供給する盾部コネクタ6357とを有する。
ここで、図示の例における盾部基板本体6351は、光を透過しない板状部材である。また、盾部基板本体6351は、長手方向(上下方向)における長さが導光板633と略同一である。また、盾部基板本体6351は、長手方向における長さが盾形状部631および盾ベース部637よりも短い。付言すると、図示の例の盾形状部631および盾ベース部637は、盾部基板本体6351よりも長手方向における両端が突出するように構成されている。
なお、盾部前側LED6353および盾部後側LED6355については後述する。
盾ベース部637は、光を透過可能な樹脂製の板状部材である。盾ベース部637は、盾形状部631と対応する形状、すなわち略楕円形状の樹脂製の板状部材の盾ベース本体6371と、盾ベース本体6371における盾部後側LED6355に対応する位置に設けられるLED貫通孔6373を有する。なお、図示の例における盾ベース部637は、後側に配置されるキャラクタ頭部6111から離間する向きに凹む凹部6375(後述する図34参照)を有する。
駆動部65は、移動部63の盾ベース部637に連結されるとともに第1モータM1の駆動を受けて移動する駆動ベース部651と、両端が盾部コネクタ6357および頭部コネクタ6583(後述)に接続されるケーブル657と、キャラクタ形状部611の後側に設けられた頭部基板658とを有する。なお、駆動部65の構成については後述する。
ここで、頭部基板658は、キャラクタ形状部611のキャラクタ頭部6111によって覆われる頭部基板本体6581と、頭部基板本体6581の前側の面に設けられ頭部基板本体6581に電気信号を供給する頭部コネクタ6583と、頭部基板本体6581の前側の面に設けられたLED(Light Emitting Diode)である頭部LED6585とを有する。なお、図示の例における頭部LED6585は、白色LEDである。また、この頭部LED6585から出射した光は、キャラクタ形状部611の頭部透過領域6111Aを通過して前側に進む。
〔盾部前側LED6353および盾部後側LED6355〕
図33は盾部前側LED6353および盾部後側LED6355の詳細構成を説明する図である。より具体的には、図33(a)は盾部前側LED6353および盾部後側LED6355の発光態様を説明する図であり、図33(b)は盾部後側LED6355周辺を後側からみた斜視図である。
次に、図32および図33を参照しながら、盾部前側LED6353および盾部後側LED6355について説明をする。
上記のように、盾部基板635は前側と後側の両面に発光体(盾部前側LED6353および盾部後側LED6355)を備える。
ここで、図32に示すように、盾部前側LED6353は、盾部基板本体6351の前側全面にわたって多数(複数)設けられている。この盾部前側LED6353は、前後方向における前側に向けて光を照射する。また、盾部前側LED6353は白色LEDである。
また、図32に示すように、盾部後側LED6355は、盾部基板本体6351の後側における上側(一端側)に設けられている。
ここで、図33(a)に示すように、盾部後側LED6355は、光の照射する方向が互いに異なる2種類のLED、すなわち第1後側LED6355Aおよび第2後側LED6355Bを有する。第1後側LED6355Aは、盾部基板本体6351における上側の端部に設けられ、上側に向けて光を照射する。この第1後側LED6355Aは、所謂サイドビュー型のLEDである。第2後側LED6355Bは、盾部基板本体6351における第1後側LED6355Aよりも下側に設けられ、後側に向けて光を照射する。この第2後側LED6355Bは、所謂トップビュー型のLEDである。
図示の例においては、第1後側LED6355Aおよび第2後側LED6355Bが各々複数(3つ)設けられている。付言すると、第1後側LED6355Aは、盾部基板本体6351上側の端部に沿って設けられ、第2後側LED6355Bは盾部基板本体6351の右側の端部に沿って設けられる。また、第1後側LED6355Aおよび第2後側LED6355Bは、各々赤色LEDにより構成される。
ここで、図33(b)に示すように、第1後側LED6355Aおよび第2後側LED6355Bは、盾ベース部637に設けられるLED貫通孔6373と対峙する位置に設けられる。すなわち、第1後側LED6355Aおよび第2後側LED6355Bから発せられる光は、LED貫通孔6373を通過するよう構成されている。
〔キャラクタ役物6の発光態様〕
図34は、キャラクタ役物6の発光態様を説明する図である。より具体的には、図34はキャラクタ役物6の右側からみた側面図であり、盾形状部631および盾ベース部637を切断して示している。
図35は、キャラクタ役物6の発光態様を説明する他の図である。より具体的には、図35(a)はキャラクタ役物6を前側からみた正面図であり、図35(b)はキャラクタ役物6を後側からみた裏面図である。なお、図35(a)および(b)においては、移動部63が固定部61に対して遠い第2位置に配置されている。
次に、図34および図35を参照しながら、キャラクタ役物6の発光態様について説明をする。
図34および図35に示すように、盾部基板635に設けられた盾部前側LED6353および盾部後側LED6355が光を照射することにより、キャラクタ役物6が光り、キャラクタ役物6が遊技者に対してより目立つ状態となる。
ここで、図34を参照しながら、盾部前側LED6353から照射される光について説明をする。
盾部前側LED6353から照射される光は、導光板633および盾形状部631を通過して前側へと進む。このことにより、盾部前側LED6353は盾形状部631を光らせる。
付言すると、盾部前側LED6353からの光は、導光板633のレンズ部6331および盾形状部631の凹凸6311を通過する際に拡散する。そのため、盾形状部631の前側に位置する遊技者には、盾形状部631全体が光るように見える。さらに説明をすると、レンズ部6331および凹凸6311が、移動部63における発光強度の分布を抑制する。
また、盾部前側LED6353から照射された光の一部は、導光板633および盾形状部631において反射し、後側へと進む。この導光板633および盾形状部631において反射した光については、後述する。
次に、盾部前側LED6353が有する第1後側LED6355Aおよび第2後側LED6355Bから照射される光について説明をする。
第1後側LED6355Aから照射される光は、LED貫通孔6373を通過して上側へと進む。このことにより、第1後側LED6355Aは、キャラクタ形状部611のキャラクタ頭部6111を光らせる。さらに説明をすると、第1後側LED6355Aは、主にキャラクタ頭部6111の下側を光らせる。
第2後側LED6355Bから照射される光は、LED貫通孔6373を通過して後側へと進む。このことにより、キャラクタ形状部611のキャラクタ頭部6111およびキャラクタ胴部6113の上側を光らせる。さらに説明をすると、第2後側LED6355Bの光の一部は、キャラクタ頭部6111の下側を光らせる。
ここで、特にキャラクタ頭部6111の下側は、キャラクタの顔(皮膚)に対応する部分である。ここで、本実施の形態とは異なりキャラクタの顔面の後側から前側に向けて光を透過させ、顔面そのものを光らせる態様も考えられる。この態様と比較して、本実施の形態においては、キャラクタの顔が間接照明により照らされるため、遊技者が受けるキャラクタの印象が、より自然となり得る。
また、図示の例におけるキャラクタ形状部611(キャラクタ頭部6111)は立体的な形状である。すなわち、キャラクタ頭部6111は前側に凹凸を有した形状である。したがって、第1後側LED6355Aおよび第2後側LED6355Bからの光を受けることにより、キャラクタの顔に陰影(影)が形成される。このことにより、キャラクタの顔の立体的な形状がより強調される。
さて、上述のように、盾部前側LED6353から照射された光の一部は、導光板633および盾形状部631において反射するとともに、盾部基板635の上側および下側を通過しながら盾部基板635よりも後側へと進む。この盾部前側LED6353からの光も、キャラクタ形状部611を光らせる。
言い替えると、キャラクタ頭部6111は盾部後側LED6355(第1後側LED6355Aおよび第2後側LED6355B)からの光に加えて、盾部前側LED6353からの光も受ける。
このように、図示の例のキャラクタ頭部6111は、盾部後側LED6355からの直接の光と、盾部前側LED6353からの間接の光を受ける。付言すると、盾部前側LED6353から出射した光のうち、導光板633を通過した後に盾形状部631の後側の面で反射する光は、導光板633のレンズ部6331および盾形状部631の凹凸6311において光が拡散されている。したがって、盾部後側LED6355からの直接の光よりも、盾部前側LED6353からの間接の光のほうが、より広い範囲を照射し得る。
また、上記のように盾部後側LED6355は赤色LEDであるのに対して、盾部前側LED6353は白色LEDである。したがって、異なる色の光が、キャラクタ頭部6111の異なる範囲を照らすことにより、キャラクタの顔の立体的な形状がより強調される。
〔移動部63の移動にともなう陰影の変化〕
図36は、移動部63の移動にともなう陰影の変化を説明する図である。具体的には、図36(a)は移動部63が固定部61に対して近い第1位置に配置されている状態を示し、図36(b)は移動部63が固定部61に対して遠い第2位置に配置されている状態を示す。
さて、上述のように移動部63は、固定部61に対する相対位置が変化する。この固定部61に対する移動部63の位置の変化により、固定部61におけるキャラクタ頭部6111が光を受ける角度が変化する。この光の角度の変化により、立体的に形成されたキャラクタ頭部6111に形成される陰影が変化する。
以下、この陰影の変化について具体的に説明をする。
まず、図36(a)に示すように、移動部63が第1位置に配置される状態においては、キャラクタ頭部6111における頭の上側および鼻の上側などに陰影が形成される。
一方、図36(b)に示すように、移動部63が第2位置に配置される状態においては、キャラクタ頭部6111における頭の右側および鼻の右側などに陰影が形成される。
このように、移動部63の移動にともない、キャラクタ頭部6111に形成される陰影の位置や向きが変化する。このことにより、キャラクタの顔の立体的な形状がより強調され得る。
ここで、図36(a)に示すように、キャラクタ頭部6111における鼻、唇の中央、顎の先端など、キャラクタ頭部6111における左右方向における最も高い部分(前側に突出する部分)を通る仮想的な線(中心線)を、仮想線ILとする。
そして、図36(a)に示すように、移動部63が第1位置に配置されている状態においては、複数設けられた盾部後側LED6355のうちの一部は、仮想線ILよりも右側に配置される。一方、図36(b)に示すように、移動部63が第2位置に配置されている状態においては、複数設けられた盾部後側LED6355の全てが、仮想線ILよりも左側に配置される。
このように、移動部63の移動にともない、盾部後側LED6355の一部が仮想線ILを跨いで移動する。この仮想線ILを跨ぐ移動にともない、キャラクタ頭部6111に形成される陰影の位置や向きが大きく変化する。
付言すると、一般的には、キャラクタの役物にスポットライト状の光を照射する場合、上側から光を照射する。それに対して、図示の例においてはキャラクタ頭部6111の下側に盾部後側LED6355などを配置し、キャラクタ頭部6111の下側から光を照射させる。このことにより、キャラクタの存在感が強調される。
さらに説明をすると、図示の例においては、下側から光を照射しながら盾部後側LED6355(移動部63)を移動させる。このことにより、キャラクタの顔に形成される陰影を動かし、遊技者がキャラクタにより注目しやすくなる。
ここで、図36(a)に示すように、頭部透過領域6111Aは、頭部LED6585(図32参照)からの光を透過して光る。すなわち、頭部透過領域6111A自体が発光する。
また、移動部63の前側の面は、盾部前側LED6353からの光を透過して光る。すなわち、移動部63自体が発光する領域である。
一方で、キャラクタ頭部6111の下側は、盾部前側LED6353(図33(a)参照)および盾部後側LED6355の光を受けて光る。すなわち、キャラクタ頭部6111の下側は、自らは発光せずに他から光を受けて光る。
そして、図36(a)に示すように、移動部63が第1位置に配置されている状態においては、キャラクタ頭部6111の下側は、頭部透過領域6111Aと移動部63との間に配置される。すなわち、各々自ら発光する頭部透過領域6111Aと移動部63との間に、自らは発光せずに他から光を受けて光るキャラクタ頭部6111の下側が位置するよう配置される。このように、一つの役物であるキャラクタ役物6において、互いに異なる照射方法で照射される領域を並べて設けることで、キャラクタ役物6の立体感がより強調された印象を遊技者に与えることができる。
〔変形例〕
上記の説明においては、移動部63が移動しながら固定部61のキャラクタ頭部6111に光を照射することを説明したが、移動部63および固定部61の相対位置が変化する態様であればこれに限定されない。例えば、移動部63(発光源、照射体)の位置が固定されて固定部61(キャラクタ頭部6111、被照射体)が移動する態様や、移動部63および固定部61(キャラクタ頭部6111)の両者が移動する態様であってもよい。
また、キャラクタ頭部6111が立体的な造形が施されることを説明したが、これに限定されない。例えば、キャラクタ頭部6111が凹凸を備えない平板上の構成であってもよい。
また、盾部基板635が前後両面に発光源である盾部前側LED6353および盾部後側LED6355を有することを説明したが、盾部前側LED6353および盾部後側LED6355のいずれか一方を備える構成であってもよい。
〔駆動部65〕
図37は、駆動部65の分解斜視図である。
次に、図37を参照しながら、駆動部65の詳細構成について説明をする。
図37に示すように、駆動部65は、キャラクタ形状部611(図32参照)を支持するキャラクタベース部650と、移動部63(図32参照)に連結される駆動ベース部651と、駆動ベース部651へ駆動力を伝達するリンク部653と、駆動ベース部651の移動を案内するガイド部655と、電気信号や電力など伝送するケーブル657と、ケーブル657に接続される頭部基板658と、ケーブル657を押さえるケーブル抑え部659と、駆動源であるモータM1とを備える。
ここで、駆動ベース部651は、略板状部材である基部6510と、基部6510における左側端部に形成され移動部63(図32参照)が取り付けられる取付孔6511と、リンク部653と接続されるリンク溝6513と、ケーブル657を通す貫通孔6515とを有する。
また、駆動ベース部651は、基部6510とは別体であり、各々基部6510との間でケーブル657を押さえる弾性部材であるクッションC(第1クッションC1〜第4クッションC4)を有する。また、駆動ベース部651は、透明樹脂により形成され第3クッションC3を保持する第1ケーブル押部6516と、透明樹脂により形成され第4クッションC4を保持する第2ケーブル押部6517と、第1クッションC1および第2クッションC2を保持する第3ケーブル押部6518とを有する。なお、第1クッションC1〜第4クッションC4は、不図示の両面テープなどの固定材によって各々第1ケーブル押部6516乃至第3ケーブル押部6518に固定される。
また、図示の例における基部6510は、後側の面に、第2ロッド6553(後述)を貫通させて第2ロッド6553の両端を各々支持する駆動ロッド支持部F1、F2を有する。
リンク部653は、略板状部材である基部6530と、一端側がキャラクタベース部650に回転可能に支持され他端側がリンク溝6513と連結される第1アーム6531と、第1アーム6531に駆動力を伝達する第2アーム6533と、基部6530に設けられ第1アーム6531の一端側を回転可能に支持する支持ピン6535とを有する。なお、基部6530には、モータM1が取り付けられる。
ガイド部655は、略棒状部材である第1ロッド6551および第2ロッド6553と、第1ロッド6551および第2ロッド6553を跨いで設けられ、第1ロッド6551および第2ロッド6553をスライド可能に支持するスライド部6555と、略板状部材であるガイドベース部6557とを有する。
ここで、ガイドベース部6557は、前側の面に、第1ロッド6551を貫通させて第1ロッド6551の両端を各々支持する固定ロッド支持部D1、D2を有する。
なお、ガイド部655の詳細な構成については後述する。
ケーブル657の詳細な構成については後述する。
頭部基板658については、上記図32を参照しながら説明をしたため、ここでは説明を省略する。
ケーブル抑え部659の詳細な構成については後述する。なお、このケーブル抑え部659は、ガイドベース部6557の後側の面との間でケーブル657を押さえるクッションC(第5クッションC5)を保持する。この第5クッションC5は、不図示の両面テープなどの固定材によってケーブル抑え部659に固定される。
〔ケーブル657〕
図38は、ケーブル657を前側からみた斜視図である。
次に、図38を参照しながら、ケーブル657の詳細構成について説明をする。
ケーブル657は、複数の導線CW(後述する図45参照)を略平面状に並べた、帯状の配線部材であり、例えばフレキシブル・フラットケーブル(FFC;Flexible Flat Cable)により構成される。このケーブル657は、ケーブル本体6571、ケーブル本体6571の両端である第1ケーブル端子6573および第2ケーブル端子6575を有する。
このケーブル本体6571は、複数の箇所で曲げ処理や折り畳み処理が施されている。具体的には、ケーブル本体6571は、第1ケーブル端子6573から第2ケーブル端子6575に向けて、基準曲部R0、第1曲部R1、第2曲部R2、第3曲部R3、第1折返部R4、第2折返部R5、撓み部R6、第3折返部R7、第4曲部R8、第5曲部R9、第6曲部R10、第7曲部R11をこの順で有する。
ここで、ケーブル本体6571における第1ケーブル端子6573から第3曲部R3までを基部U10とする。同様に、第3曲部R3から第1折返部R4までを第1部U11、第1折返部R4から第2折返部R5までを第2部U12、第2折返部R5から撓み部R6までを第3部U13、撓み部R6から第3折返部R7までを第4部U14、第3折返部R7から第4曲部R8までを第5部U15とする。なお、第1部U11は上下方向(第1方向)に沿って延び、第2部U12〜第4部U14は、上下方向とは異なる方向に沿って延びる。
また、第1曲部R1〜第3曲部R3、および第4曲部R8〜第7曲部R11はケーブル本体6571を曲げる部分である。この第1曲部R1〜第3曲部R3、第6曲部R10、および第7曲部R11は、ケーブル本体6571の側方からみて約90度曲げる部分である。また、第4曲部R8および第5曲部R9は、ケーブル本体6571の側方からみて約30度曲げる部分である。
第1折返部R4は、ケーブル本体6571の表裏を反転させながら、ケーブル本体6571を折り返す部分である。なお、ここでの折り返す部分とは、ケーブル本体6571の面どうしが接触するようにケーブル本体6571を折る部分である。なお、詳細は後述するが、図示の例の第1折返部R4において、ケーブル本体6571の面方向からみて、第1部U11と第2部U12とで形成される角度は、90度ではない。
第2折返部R5および第3折返部R7は、ケーブル本体6571を折り返す部分である。なお、図示の例の第2折返部R5および第3折返部R7において、ケーブル本体6571の面方向からみて、第2部U12〜第5部U15は互いに重なる。付言すると、第2折返部R5、および第3折返部R7の各々の端部が、ケーブル本体6571の辺方向となす角度は、直角(90度)である。
撓み部R6は、表裏を反転させながら、ケーブル本体6571を折り返す部分である。この撓み部R6は、折り畳まれることなく(押し潰されずに)撓んだ状態で設けられる。言い替えると撓み部R6は、湾曲部により構成されている部分である。
〔ガイドベース部6557〕
図39は、ガイドベース部6557を後側からみた斜視図である。
次に、図39を参照しながら、ガイドベース部6557の詳細構成について説明をする。
ガイドベース部6557は、略板状部材である。このガイドベース部6557は、後側の面65570に、面65570から凹む凹部A(第1凹部A1、第2凹部A2)と、面65570から突出するボスB(第1ボスB1〜第12ボスB12)と、面65570に設けられた貫通孔H0とを有する。
凹部Aは、ケーブル本体6571を内部に収容可能な形状(幅および深さ)で形成されている。
具体的には、第1凹部A1は、平面視略長方形状である。この第1凹部A1は、ケーブル本体6571の第1部U11を受ける。なお、第1凹部A1は、ケーブル本体6571よりも広い幅で形成されている。
また、第2凹部A2は、平面視略長方形状であり、第1凹部A1とは異なる角度で面65570に形成されている。この第2凹部A2は、長手方向中央部で、第1凹部A1の一端と連続する。第2凹部A2は、ケーブル本体6571の第2部U12および第3部U13を受ける。なお、第2凹部A2は、ケーブル本体6571よりも広い幅で形成されている。
ボスBは、各々が互いに離間した突出部である。図示の例のボスBは、面65570から垂直方向に突出した略円柱状に形成されている。
ここで、第1ボスB1〜第4ボスB4は第1凹部A1に設けられ、第5ボスB5〜第8ボスB8は第2凹部A2に設けられる。第9ボスB9〜第11ボスB11は、第1凹部A1および第2凹部A2の近傍に設けられる。第12ボスB12は、第2凹部A2(第1凹部A1)の外側であって、第2凹部A2の長手方向に沿うとともに第5ボスB5および第6ボスB6の近傍に設けられている。
なお、第12ボスB12は、頂面に略円柱状の凹部が形成され、その内周面に雌ねじが形成されている。
また、貫通孔H0の内周面に雌ねじが形成されている。
さて、第1ボスB1および第2ボスB2は、第1凹部A1の長手方向一端側に設けられる。また、第1ボスB1および第2ボスB2は、第1凹部A1の幅方向両側に設けられる。
同様に、第3ボスB3および第4ボスB4は、第1凹部A1の長手方向他端側に設けられる。また、第3ボスB3および第4ボスB4は、第1凹部A1の幅方向両側に設けられる。
また、第5ボスB5および第6ボスB6は、第2凹部A2の長手方向一端側に設けられる。また、第5ボスB5および第6ボスB6は、第2凹部A2の幅方向両側に設けられる。
同様に、第7ボスB7および第8ボスB8は、第2凹部A2の長手方向他端側に設けられる。また、第7ボスB7および第8ボスB8は、第2凹部A2の幅方向両側に設けられる。
なお、ここではボスBが略円柱状であることを説明したが、これに限定されない。例えば、ボスBが断面略楕円形状や多角形状の柱状部材として形成されてもよい。
〔ケーブル抑え部659〕
図40は、ケーブル抑え部659を前側からみた斜視図である。
次に、図40を参照しながら、ケーブル抑え部659の詳細構成について説明をする。
図40に示すように、ケーブル抑え部659は、可視光を透過可能な樹脂(透明樹脂)により形成される略板状部材である。また、ケーブル抑え部659は、基部6590と、基部6590から上側に突出する第1部6591と、基部6590から右側に突出する第2部6593と、第1部6591の上側端部から後側に延びる第3部6595と、第2部6593の右側端部側において右側に進むに従い後側に突出する向きに傾斜する第4部6597とを有する。
また、ケーブル抑え部659は、後側の面6598から凹む凹部G(第1凹部G1〜第3凹部G3)と、貫通孔H(第1貫通孔H1〜第12貫通孔H12)とを有する。
凹部Gは、ケーブル本体6571を内部に収容可能な形状(幅および深さ)で形成されている。
具体的には、第1凹部G1は、平面視略長方形状である。この第1凹部G1は、ケーブル本体6571の第1部U11(図38参照)を受ける。なお、第1凹部G1は、ケーブル本体6571よりも広い幅で形成されている。
また、第2凹部G2は、平面視略長方形状であり、面6598において第1凹部G1とは異なる角度で形成されている。第2凹部G2は、第2凹部G2の一端で、第1凹部G1の一端と連続する。この第2凹部G2は、ケーブル本体6571の第2部U12(図38参照)および第3部U13(図38参照)を受ける。なお、第2凹部G2は、ケーブル本体6571よりも広い幅で形成されている。
また、第3凹部G3は、平面視略長方形状であり、第2凹部G2の一端と連続して形成される。この第3凹部G3は、第5クッションC5(図37参照)を受ける。なお、第3凹部G3の長手方向の長さおよび幅は、ケーブル本体6571の長手方向の長さおよび幅よりも長くなるように形成されている。また、第5クッションC5は、第3凹部G3に設けられた状態で、面6598よりも突出する寸法(厚み)で形成されている。
また、第1貫通孔H1〜第10貫通孔H10は、各々第1ボスB1〜第10ボスB10に対応する位置に設けられる。これらの第1貫通孔H1〜第10貫通孔H10の内径は、各々第1ボスB1〜第10ボスB10を挿入可能な寸法で形成されている。
また、第11貫通孔H11および第12貫通孔H12は、凹部Gの近傍に設けられる。
〔ケーブル657の保持構造〕
図41は、ケーブル657の保持構造を説明するための図である。さらに説明をすると、図41(a)はケーブル657における第1折返部R4周辺を前側からみた斜視図であり、図41(b)はケーブル657の位置決めについて説明する図である。なお、図41(a)におけるケーブル抑え部659は破線で示す。また、図41(b)は、図41(a)におけるIB−IBの断面を示す。
次に、図41を参照しながらケーブル657の保持構造について説明をする。
ここではまず、図41(a)を参照しながら、ガイドベース部6557、ケーブル657、およびケーブル抑え部659各々の関係を説明する。
図41(a)に示すように、ケーブル657は、ガイドベース部6557およびケーブル抑え部659に前後方向を挟まれて保持される。具体的には、ケーブル657の第1部U11〜第3部U13が、ガイドベース部6557およびケーブル抑え部659によって挟まれる。また、ケーブル657の第3曲部R3が、第3部6595によって覆われる。
ここで、第1部U11は前後方向を第1凹部A1および第1凹部G1に挟まれ、第2部U12および第3部U13は前後方向を第2凹部A2および第2凹部G2に挟まれて配置される。また、上記では説明を省略したが、第1凹部A1および第2凹部A2の底部には両面テープCTが設けられ、この両面テープCTによって、ケーブル657が第1凹部A1および第2凹部A2の底部に対して固定される(貼り付けられる)。なお、図示の例における両面テープCTとは異なり、ケーブル657と一致する幅を有してもよい。
ここで、図41に示すように、ガイドベース部6557に対してケーブル抑え部659が取り付けられた状態においては、ガイドベース部6557のボスB(第1ボスB1〜第10ボスB10)が、ケーブル抑え部659の貫通孔H(第1貫通孔H1〜第10貫通孔H10)の各々に挿入される。言い替えると、ガイドベース部6557のボスBが、ケーブル抑え部659の貫通孔Hの各々に嵌まる。
また、ガイドベース部6557の貫通孔H0と、ケーブル抑え部659の第12貫通孔H12との位置とを一致させる。この状態において、貫通孔H0および第12貫通孔H12に不図示のボルトを挿入し固定することで、ガイドベース部6557に対してケーブル抑え部659が固定される。
ここで、第1ボスB1および第2ボスB2と、第3ボスB3および第4ボスB4とが、第1部U11を挟む配置となる。すなわち、第1ボスB1〜第4ボスB4が、第1部U11を案内(位置決め)する。また、第1ボスB1〜第4ボスB4は、面65570に沿う方向における第1部U11の移動を抑制する。
また、第5ボスB5および第6ボスB6と、第7ボスB7および第8ボスB8とが、第2部U12および第3部U13を挟む配置となる。すなわち、第5ボスB5〜第8ボスB8が、第2部U12および第3部U13を案内する。また、第5ボスB5〜第8ボスB8は、面65570に沿う方向における第2部U12および第3部U13の移動を抑制する。
付言すると、第1ボスB1〜第8ボスB8は、ケーブル657の直線状に延びる部分(第1部U11〜第3部U13)に沿って不連続に形成される構成として捉えることができる。また、図示の例においては、直線状に延びる部分(第1部U11〜第3部U13)の両端が、第1ボスB1〜第8ボスB8によって挟まれる構成として捉えることができる。
さて、ここでケーブル657における第1折返部R4周辺の形状について説明をする。ケーブル657における第1部U11を基準に見ると、ケーブル657は、第1折返部R4にて折り返されて、第1部U11から第2部U12へと延びる。
さらに説明をすると、ケーブル657は、第1部U11から、図中矢印CD1の向きではなく、矢印CD2の向きに折り曲げられる。すなわち、第1部U11から最終的に向かうべき第5部U15側ではなく、一旦第5部U15側とは反対側に向けて折り返される。
このようにケーブル657が折り返されることにより、第3部U13の長さが長くなる。すなわち、ケーブル657において直線状に延びる部分が長くなる。このように第3部U13を長くすることにより、第3部U13が短い場合と比較して、第3部U13の配置(角度)の精度が向上する。特に図示の例のように、直線状に延びる第3部U13を、第5ボスB5〜第8ボスB8により位置決めする場合には、第3部U13が長くなることで、より正確な位置決めが実現される。
ここで、パチンコ遊技機100(図1参照)の製造時におけるケーブル657の位置のばらつきについて説明をする。本実施の形態においては、仮に、ガイドベース部6557に対するケーブル657の位置がずれて配置されたとすると、ケーブル657が第1ボスB1〜第8ボスB8を第1貫通孔H1〜第8貫通孔H8に挿入する作業を妨げる。
具体的には、図41(b−1)に示すように、ケーブル657が所定の位置に配置され位置ずれが無い場合、すなわち第5ボスB5および第6ボスB6の間にケーブル657が配置されている場合には、第5ボスB5および第6ボスB6が、第5貫通孔H5および第6貫通孔H6に挿入される。
しかしながら、図41(b−2)に示すように、ケーブル657の幅方向においてケーブル657の位置がずれている場合、すなわち第5ボスB5の上にケーブル657が配置されている場合には、ケーブル657が、第5貫通孔H5への第5ボスB5の挿入を妨げる。
したがって、図示の例においては、ガイドベース部6557にケーブル657を配置した後であって、ガイドベース部6557にケーブル抑え部659を設ける際に、ケーブル657の位置ずれの有無を判別することが可能となる。すなわち、ケーブル抑え部659を配置可能であるか否かで、例えば作業者が、ケーブル657の位置ずれを認識し得る。
なお、図示の例とは異なり、ケーブル657をボスBではなく、ケーブル657の長手方向に沿って設けられるリブ状の部材(不図示)により、ケーブル657の位置を案内するとともに、ケーブル抑え部659に貫通孔Hを設けない態様も考えられる。しかしながら、この態様においては、リブ状の部材とケーブル抑え部659との間にケーブル657が挟まれた状態であっても、ケーブル抑え部659が固定され得る。付言すると、上記本実施の形態においては、ボスBを用いる構成を採用することで、ケーブル657が挟まれた状態でケーブル抑え部659を固定することが抑制される。
ここで、図示の例においては、直線状に延びる部分(第1部U11〜第3部U13)の両端が、第1ボスB1〜第8ボスB8によって挟まれることを説明したが、これに限定されない。例えば直線状に延びる部分(第1部U11〜第3部U13)の一方の端部がボスBによって支持される構成でもよいし、直線状に延びる部分(第1部U11〜第3部U13)の両端に加えて、中央部がボスBによって支持される構成でもよい。
また、図示の例においては、第1ボスB1および第2ボスB2が、第1部U11の長手方向における位置を互いに一致させること、すなわち第1部U11を挟んで対向する位置に設けられることを説明したが、これに限定されない。第1ボスB1および第2ボスB2が、第1部U11の長手方向における位置を互いにずらして設けてもよい。なお、ここでは第1ボスB1および第2ボスB2について説明したが、第3ボスB3〜第8ボスB8についても同様である。
〔ケーブル657の取り付け手順〕
図42は、ケーブル657をガイドベース部6557に取り付ける手順を説明するための図である。なお、図42において示される駆動ベース部651は第2位置に配置されているものとする。
次に、図37および図42を参照しながら、ケーブル657の取り付け手順について説明をする。
図37に示すように、駆動部65においてケーブル657を取り付ける際には、ケーブル657における第2ケーブル端子6575側の部分から、第1ケーブル端子6573側に向けて順に、駆動ベース部651、ガイドベース部6557、およびキャラクタベース部650などに固定する。
ここで、図42を参照しながら、ケーブル657をガイドベース部6557に取り付ける手順について詳細に説明する。
まず、図42(a)に示すように、ケーブル657の予め定めた箇所には、不図示の治具などを用いて、第1折返部R4が予め形成されている。また、ケーブル657の第2ケーブル端子6575側、より具体的には第5部U15などは、駆動ベース部651に対して取り付けられているものとする。また、第1凹部A1および第2凹部A2の底部には、両面テープCTが予め貼り付けられている。
そして、図42(b)に示すように、第5部U15側が固定されたケーブル657を第7ボスB7および第8ボスB8の間に通した後に、第5ボスB5および第6ボスB6の間に通す。そして、ケーブル657における第7ボスB7(第8ボスB8)と第5ボスB5(第6ボスB6)との間の部分を、作業者が指で押すなどして両面テープCTで固定する。
次に、図42(c)に示すように、ケーブル657における第5ボスB5(第6ボスB6)と第12ボスB12との間において、ケーブル657を曲げる。この曲げられた部分は、第2折返部R5となる部分であるが、まだ折り畳まれておらず、膨らんだ状態(撓んだ状態)を維持している。
そして、この状態において、例えば作業者が第1折返部R4を指で押さえながら、第3ボスB3および第4ボスB4の間と、第1ボスB1および第2ボスB2の間とにケーブル657を順に通す。そして、ケーブル657における第3ボスB3(第4ボスB4)と第1ボスB1(第2ボスB2)との間の部分を、作業者が指で押すなどして両面テープCTで固定する。
次に、図42(d)に示すように、膨らんだ状態である第2折返部R5となる部分を、例えば作業者が指で押すなどして折り畳む(押し潰す)。このことにより、ケーブル657に第2折返部R5が形成される。
以上のような手順により、ケーブル657がガイドベース部6557に取り付けられる。
さて、図示の例とは異なり、第2折返部R5となる部分を曲げた際に(図42(c)参照)、第2折返部R5となる部分を押し潰し、その後に、ケーブル657を第7ボスB7および第8ボスB8の間などに通す手順も考えられる。しかしながら、この手順においては、ケーブル657の取り付け位置の誤差や、第2折返部R5となる部分を押し潰す位置のずれなどにより、ケーブル657が第7ボスB7および第8ボスB8の間などに通せないという不具合が生じる恐れがある。
一方、上述のように本実施の形態においては、第2折返部R5となる部分を折り畳む前に、予めケーブル657を第7ボスB7および第8ボスB8などに通すことから、このような不具合の発生が抑制される。すなわち、本実施の形態においては第2折返部R5となる部分を、折り曲げ位置を調整する領域として利用し得る。
〔第1折返部R4の折り角度〕
図43は、第1折返部R4の折り角度について説明をするための図である。具体的には、図43(a)は本実施の形態にかかる第1折返部R4を示し、図43(b)は比較例における第1折返部R40を示す。
次に、図43を参照しながら、第1折返部R4の折り角度について説明をする。
まず、図43(a)に示すように、本実施の形態にかかる第1折返部R4の折り角度、すなわち第1部U11および第2部U12(第3部U13)がなす角度は、鋭角である。
一方、図43(b)に示すように、比較例における第1折返部R40の折り角度、すなわち第1部U21および第2部U22(第3部U23)がなす角度は、鈍角である。
ここで、図43(a)の第1折返部R4の折り辺の長さLaと、図43(b)の第1折返部R40の折り辺の長さLbとを比較すると、第1折返部R4の折り辺の長さLaの方が短い。このことにより、製造時に第1折返部R4を折り返す作業、より具体的には、例えば作業者が第1折返部R4の折り辺を指で押し潰す作業が容易となる。さらに説明をすると、第1折返部R4を押し潰すために指を移動させる距離がより短くなる。したがって、本実施の形態においては、図43(a)に示すように、第1折返部R4を鋭角としている。
なお、第1折返部R4の角度は鋭角に必ずしも限定されるものではなく、直角あるいは鈍角であってもよい。
〔ケーブル657の姿勢の変化〕
図44は、駆動ベース部651の移動動作にともなうケーブル657の姿勢の変化を説明する図である。具体的には、図44(a)は駆動ベース部651が第1位置(図31の図中実線で示す移動部63参照)に配置されている際のケーブル657の姿勢を示し、図44(b)は駆動ベース部651が第2位置(図31の図中破線で示す移動部63参照)に配置されている際のケーブル657の姿勢を示す。
次に、図44を参照しながら、駆動ベース部651の移動動作にともなうケーブル657の姿勢の変化(ケーブル657の変形)について説明をする。
まず、上述のように駆動ベース部651が第1位置と第2位置との間で移動することにともない、駆動ベース部651に連結されるケーブル657の姿勢が変化する。具体的には、ケーブル657における撓み部R6の位置および曲率が変化する。
なお、このケーブル657の長さ方向における撓み部R6の両側は、第5クッションC5および第3クッションC3によって押圧されている。すなわち、図示の例における第5クッションC5および第3クッションC3は、駆動ベース部651の移動にともなうケーブル657の変形により、ケーブル657から受ける圧力が変化する部分に設けられている。また、図示の例における第5クッションC5は、両面テープCTよりも撓み部R6側に設けられている。
ここで、図44(a)に示すように、駆動ベース部651が第1位置に配置されている状態においては、第5クッションC5は、撓み部R6と第3部U13との境界を押圧する。また、第3クッションC3は、第4部U14における撓み部R6とは反対側の端部を押圧する。また、撓み部R6がケーブル抑え部659によって後側が覆われる位置となる。
一方、図44(b)に示すように、駆動ベース部651が第2位置に配置されている状態においては、第5クッションC5は、第3部U13の中央部側を押圧する。また、第3クッションC3は、第4部U14の端部を押圧する。また、撓み部R6がケーブル抑え部659から突出した位置となる。ここで、ケーブル抑え部659の第4部6597が、ケーブル657と接触する。このことにより、ケーブル657が後側に膨らむことが抑制される。言い替えると、ケーブル抑え部659の第4部6597が、ケーブル657の姿勢を矯正する。
ここで、図44(a)に示す状態から図44(b)に示す状態に移行する際に、駆動ベース部651が突出する(左側に進む)に従い、撓み部R6の位置も左側に移動する。このとき、撓み部R6における第3部U13側の長さが長くなり、第4部U14側の長さが短くなる。また、撓み部R6の曲率が変化し、撓み部R6がより大きく膨らむ。
また、上記とは反対に駆動ベース部651が移動する際、すなわち図44(b)に示す状態から図44(a)に示す状態に移行する際は、駆動ベース部651が退避する(右側に進む)に従い、撓み部R6の位置も右側に移動する。このとき、第3部U13側の長さが短くなり、第4部U14側の長さが長くなる。また、撓み部R6の曲率が変化し、撓み部R6の膨らみがより小さくなる。
〔クッションC〕
図45は、ケーブル657を押圧するクッションCを説明するための図である。具体的には、図45(a)は第5クッションC5がケーブル657を押圧する状態を示し、図45(b)は比較例における保持部材C50がケーブル657を押圧する状態を示す。
次に、図45を参照しながら、ケーブル657を押圧するクッションCについて詳細に説明する。
クッションCは、ウレタンなどの樹脂により形成されたスポンジ状の部材である。このクッションCは、略直方体状に形成されている。以下では、クッションCのうち、ケーブル657において変形する部分である撓み部R6(図44参照)の近傍を押圧する第5クッションC5を用いて説明をする。
ここで、図45(a)に示すように、ケーブル657は、樹脂などの所謂絶縁部材により薄膜状に形成されたフィルムCF(CF1、CF2)と、フィルムCFの間に挟み込まれる導線CW(第1導線CW1〜第5導線CW5)と、フィルムCFに対する導線CWの位置を固定する樹脂製の固定材(接着剤)CGとを有する。なお、図示の例における固定材CGの厚みは略均一である。
さて、パチンコ遊技機100(図1参照)には、上述のように画像表示部114(図1参照)や、遊遊技制御基板、演出制御基板などの各種の基板などが設けられている。また、パチンコ遊技機100の後側には、遊技球の貯留部(不図示)なども設けられている。したがって、パチンコ遊技機100の内部は外部よりも高温となる。
そして、この遊技機100内の温度上昇にともない、固定材CGが軟化することがある。このように固定材CGが軟化した状態においては、固定材CGが変形あるいは移動しやすくなる。さらに説明をすると、固定材CGによってフィルムCFに固定されている導線CWの位置が、変位しやすい状態となる。
ここで、図45(a―2)に示すように、第5クッションC5がケーブル657を押圧する。また、第5クッションC5が設けられる箇所は、上述のように撓み部R6(図44参照)の近傍である。したがって、ケーブル657が変形することにともない、第5クッションCから受ける圧力が変化し得る。しかしながら、上述のように第5クッションCが弾性変形可能な部材で形成されていることから、第5クッションCから受ける圧力が過度に大きくなることが抑制される。
また、図45(a−2)に示すように、第5クッションC5がケーブル657の幅方向を跨ぐ寸法で形成されているため、第5クッションC5がケーブル657の幅方向全体を押圧する。このことにより、ケーブル657において生じる応力が、ケーブル657の幅方向においてばらつくことが抑制される。
次に、図45(b)を参照しながら、比較例における保持部材C50がケーブル657を押圧する状態について説明をする。図示の保持部材C50は、例えば金属や樹脂など、弾性率が第5クッションC5よりも小さい、所謂剛体で形成される。
このような剛体の保持部材C50がケーブル657に押し当てられると、第5クッションC5が押し当てられる場合と比較して、ケーブル657から受ける圧力が大きくなる。また、保持部材C50の製造誤差などにより寸法がばらついた際に、ケーブル657が受ける圧力が大きく変化する。
ここで、遊技機100内の温度が上述のように高温である状態において、ケーブル657が外部から圧力を受けると、固定材CGが移動し、固定材CGの厚みにばらつきができ易くなる(図45(b−1)参照)。このとき、固定材CGが薄くなった領域においては、導線CWがより変位し易くなり、導線CWどうしが接触する状態となり得る。図示の例では、第2導線CW2〜第4導線CW4が互いに接触(ショート)している状態となる。
さらに、図45(b−2)に示すように、保持部材C50がケーブル657の幅方向よりも狭い寸法で形成されている場合には、保持部材C50がケーブル657の幅方向の一部を押圧する。このことにより、保持部材C50からの圧力に分布がより生じ易く、結果として導線CWどうしがより接触しやすい。
付言すると、図45(b)に示すように保持部材C50がケーブル657を押圧する構成と比較して、図45(a)に示すように第5クッションC5によりケーブル657を押圧する構成においては、導線CWどうしの接触が抑制される。いわば、第5クッションC5が、ケーブル657の変形にともなう損傷を抑制する。
さて、上記のように、ケーブル抑え部659は透明の板状部材である。第5クッションC5は、このケーブル抑え部659に対して不図示の両面テープなどにより固定される。そして、上記図41において説明したように、ケーブル抑え部659がケーブル657を覆うように配置することで、第5クッションC5がケーブル657に対して押し付けられる。ここで、ケーブル抑え部659を配置する際に、ケーブル抑え部659が透明であることから、ケーブル657に対する第5クッションC5の位置を目視することが可能となる。したがって、第5クッションC5がケーブル657を押圧していることを、作業者が確認可能となる。
なお、図示の例においては、第5クッションC5がケーブル657を押圧された状態に保持されることを説明したが、これに限定されない。例えば、ケーブル657が変形する前の状態においては、第5クッションC5がケーブル657から離間して設けられてもよい。そして、ケーブル657が変形することにともない、第5クッションC5がケーブル657と接触しこのケーブル657を押圧する態様であってもよい。
また、ここでは第5クッションC5について説明をしたが、第1クッションC1〜第4クッションC4も第5クッションC5と同様に構成される。
また、上記の説明においては、クッションCを弾性変形可能な部材として説明したが、ケーブル657に接触可能に設けられるとともに、ケーブル657とともに変形可能な部材であればよい。例えば、ゴム状の部材や、板ばねなどのばね部材を用いてもよい。
〔スライド部6555〕
図46は、スライド部6555を説明するための図である。具体的には、図46(a)はスライド部6555を後側からみた斜視図であり、図46(b)はスライド部6555を左側からみた側面図である。
次に、図46を参照しながら、スライド部6555について詳細に説明する。
図46(a)に示すように、スライド部6555は、平面視略直方形の板状部材である本体65550と、本体65550に略長方形状に形成された切り欠き65551と、本体65550の後側の面に設けられたスライドロッド支持部E1〜E4とを有する。
ここで、スライドロッド支持部E1、E2は、本体65550の長手方向に並ぶとともに、互いに離間して設けられる。このスライドロッド支持部E1、E2は、第1ロッド6551をスライド可能に支持する。
また、スライドロッド支持部E3、E4は、本体65550の長手方向に並ぶとともに、互いに離間して設けられる。また、スライドロッド支持部E3、E4は、スライドロッド支持部E1、E2よりも下側に設けられる。このスライドロッド支持部E3、E4は、第2ロッド6553をスライド可能に支持する。
なお、図示の例においては、スライドロッド支持部E1、E2の間、およびスライドロッド支持部E3、E4の間は、第1ロッド6551あるいは第2ロッド6553が露出する部分となる。このことにより、スライドロッド支持部E1、E2と第2ロッド6553との間で生じる摩擦力、およびスライドロッド支持部E3、E4と第1ロッド6551との間で生じる摩擦力が低減される。
ここで、図46(b)に示すように、スライドロッド支持部E3、E4の前後方向における位置と、スライドロッド支持部E1、E2の前後方向における位置は、互いに異なる。すなわち、スライドロッド支持部E3、E4は本体65550に近く、スライドロッド支持部E1、E2は本体65550から遠い。
詳細は後述するが、スライドロッド支持部E3、E4は、駆動ベース部651の駆動ロッド支持部F1、F2と同軸に配置される。また、スライドロッド支持部E1、E2は、ガイドベース部6557の固定ロッド支持部D1、D2と同軸に配置される。
したがって、図46(b)に示すように、スライドロッド支持部E3、E4を本体65550に近い配置とすることにより、駆動ベース部651の駆動ロッド支持部F1、F2の前後方向の長さが短くなる。また、スライドロッド支持部E1、E2を本体65550から遠い配置とすることにより、ガイドベース部6557の固定ロッド支持部D1、D2の前後方向の長さが短くなる。
その結果、駆動ベース部651に対してガイドベース部6557が傾くことが抑制される。
〔ガイド部655〕
図47は、ガイド部655を説明するための図である。具体的には、図47(a)は第1位置におけるガイド部655を示し、図47(b)は第1位置と第2位置との間におけるガイド部655を示し、図47(c)は第2位置におけるガイド部655を示す。
次に、図47を参照しながら、ガイド部655の構成および動作について説明をする。
図47に示すように、第1ロッド6551は、一方向に延びる向きでガイドベース部6557に設けられる。この第1ロッド6551は、固定ロッド支持部D1、D2によって両端が支持される。
第2ロッド6553は、第1ロッド6551に沿う向き(平行)で駆動ベース部651に設けられる。この第2ロッド6553は、駆動ロッド支持部F1、F2によって両端が支持される。
スライド部6555は、第1ロッド6551および第2ロッド6553に跨って設けられる。また、スライド部6555のスライドロッド支持部E1、E2は、第1ロッド6551における固定ロッド支持部D1、D2よりも内側で、第1ロッド6551をスライド可能に支持する。また、また、スライド部6555のスライドロッド支持部E3、E4は、第2ロッド6553における駆動ロッド支持部F1、F2よりも内側で、第2ロッド6553をスライド可能に支持する。
付言すると、スライド部6555の長手方向、すなわち駆動ベース部651の移動方向において、スライドロッド支持部E1、E2は、スライドロッド支持部E3、E4と異なる位置に設けられている。このことにより、スライド部6555は、長手方向の一端側で第1ロッド6551をスライド可能に支持し、長手方向の他端側で第2ロッド6553をスライド可能に支持する。
また、上述のケーブル657における第3部U13は、長手方向が第1ロッド6551および第2ロッド6553に沿う角度で設けられる。
次に、ガイド部655の動作について説明をする。
まず、図47(a)に示すように、ガイド部655が第1位置であるものとする。この第1位置においては、第1ロッド6551および第2ロッド6553が上下方向に並ぶ配置となる。この状態のガイド部655が、リンク部653(図37参照)を介してモータM1からの駆動力を受けて、スライド部6555が第1ロッド6551上をスライド移動する。
そして、図47(b)に示すように、スライドロッド支持部E2が、固定ロッド支持部D2に突き当たる。このことにより、第1ロッド6551に対するスライド部6555のスライド移動が制限された状態となる。この状態のガイド部655がさらに駆動力を受けて、第2ロッド6553がスライド部6555に対してスライド移動する。
そして、図47(c)に示すように、駆動ロッド支持部F1が、スライドロッド支持部E3に突き当たる。このことにより、スライド部6555に対する第2ロッド6553のスライドが制限された状態となる。このとき、ガイド部655が第2位置に配置された状態となる。
上記のように、図示のガイド部655においては、第1ロッド6551に対してスライド部6555がスライド移動し、スライド部6555に対して第2ロッド6553がスライド移動する。すなわち、ガイド部655は、2段階でスライド移動を実行する。このような構成により、ガイド部655の収納時の寸法は抑制しつつ、ガイド部655のストロークは大きくなる。
なお、詳細な説明は省略するが、第2位置のガイド部655が第1位置に移行する(収納される)場合には、図47(c)、図47(b)、図47(a)の順に変化する。
ここで、スライド部6555は、第1ロッド6551および第2ロッド6553のそれぞれにスライド可能に設けられ、第1ロッド6551および第2ロッド6553が平行となるように第1ロッド6551および第2ロッド6553を保持する部材として捉えることができる。また、スライド部6555は、移動部63(図31参照)の移動方向を規制する部材として捉えることができる。
さて、図47(a)に示すように第1位置に配置されたガイド部655における各部材間の距離を以下のように定義する。すなわち、スライドロッド支持部E1、E2間の距離を、距離L1とする。また、スライドロッド支持部E2および固定ロッド支持部D2間の距離を、距離L2とする。また、駆動ロッド支持部F1およびスライドロッド支持部E3間の距離を、距離L3とする。また、スライドロッド支持部E3、E4間の距離を、距離L4とする。
ここで、ガイド部655の伸縮距離(ストローク)を長くしたい場合には、距離L2、L3を長くする。また、第1ロッド6551および第2ロッド6553に対するスライド部6555が意図せず傾くことを抑制するには、距離L1、L4を長くする。さらに、距離L2、L3を長くすると、距離L1、L4が短くなる関係にある。
そこで、図示の例においては、距離L2を距離L1よりも大きくし、距離L3を距離L4よりも大きくなる配置としている。この配置により、スライド部6555の傾きを抑制することを担保しながら、ガイド部655のストロークをより長くしている。
なお、ここではスライド部6555が第1ロッド6551上をスライド移動した後に、第2ロッド6553がスライド部6555に対してスライド移動することを説明したがこの順に限定されるものではない。
例えば、スライド部6555と第1ロッド6551との相対位置の変化の時期と、スライド部6555と第2ロッド6553との相対位置の変化の時期が重複してもよい。また、スライド部6555と第1ロッド6551との相対位置の変化が、スライド部6555と第2ロッド6553との相対位置の変化の完了後に開始されてもよい。
また、上記の説明においては、第1ロッド6551および第2ロッド6553が棒状部材(円柱状部材)として説明したが、一方向に延びる部分を有する部材であればその形状は限定されない。例えば、四角柱を含む多角柱や、板状部材、帯状部材、あるいは所謂レールによって構成されてもよい。
〔変形例〕
図48は、ケーブル657を支持する部材の変形例を説明するための図である。
次に、図48を参照しながら、ケーブル657を支持する部材の変形例を説明する。
上記の説明においては、ケーブル657をクッションCにより押さえることを説明したが、これに限定されない。
例えば、ケーブル抑え部1659の前側面16591から前側に突出して設けられた突出部16595によってケーブル657を押さえる構成であってもよい。また、基部16510の後側面16511に基部16510と一体に設けられ後側面16511との間にケーブル657を挟むケーブル挟み部16513、16514によってケーブル657を押さえる構成であってもよい。これらの突出部16595およびケーブル挟み部16513、16514は、ケーブル657の幅全体を押さえる構成である。
なお、突出部16595およびケーブル挟み部16513、16514は、変形可能な弾性部材で形成されてもよいし、あるいは変形し難い剛体で形成されてもよい。また、突出部16595およびケーブル挟み部16513、16514は、ケーブル抑え部1659あるいは基部16510と別体として形成されてもよい。
また、上記の説明においては、ケーブル657を両面テープCTによって固定することを説明したが、両面テープCTによって固定しない構成であってもよい。
また、上記の説明においては、ケーブル657がフレキシブル・フラットケーブルにより構成されることを説明したが、これに限定されない。例えば、外被で覆われた電線により構成された導線(信号線)を複数備えた所謂ハーネスにより構成されてもよい。
〔他の変形例〕
図49は、キャラクタ役物6の他の変形例を説明するための図である。さらに説明をすると、図49は、キャラクタ役物6が設けられたスロットマシン900の概略側面図である。
さて、上記の説明においては、キャラクタ役物6がパチンコ遊技機100に設けられることを詳細に説明したが、パチンコ遊技機100以外の遊技機に設けられてもよい。
例えば、図49に示すように、スロットマシン900にキャラクタ役物6が設けられてもよい。
さらに説明をすると、図49に示すスロットマシン900は、回転しながら複数種類の図柄を例えば上から下へと循環させるように表示するリール901と、メダルが投入されるメダル投入口903と、リール901の回転を開始させるために操作される操作レバー905と、リール901の回転を停止させるために操作されるストップボタン907と、メダルが払い出されるメダル払出口909と、遊技に応じて表示による演出や情報表示を行う液晶ディスプレイ911とを備える。
そして、このスロットマシン900は、液晶ディスプレイ911の周辺にキャラクタ役物6を備える。
以上、本書にてキャラクタ役物6における種々の構造や制御等について説明したが、説明した内容の全部または一部を他の構造や制御等に応用ないし組み合わせることは、本書に言及がない場合であっても可能である。また、種々の変形例についても言及したが、かかる変形例の内容を他の構造や制御等に応用ないし組み合わせることは、本書に言及がない場合であっても可能である。
◆上記のように、本実施の形態では、興趣性を高めた遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、この遊技機は、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、第1装飾体(例えば、キャラクタ頭部6111)と、前記第1装飾体に対する相対移動が可能に設けられた第2装飾体(例えば、移動部63)と、前記第2装飾体に取り付けられ、前記第1装飾体に向けて光を照射する光源(例えば、盾部後側LED6355)とを有することを特徴とすることができる。
◆上記のように、本実施の形態では、興趣性を高めた遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、この遊技機は、所定の演出を行う役物に電気的に接続されるフラットケーブル(例えば、ケーブル657)を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、前記フラットケーブルは、第1方向に延びる第1部(例えば、第1部U11)と、前記第1方向とは異なる第2方向に延びる第2部(例えば、第5部U15)と、前記第1部と前記第2部との間の第3部(例えば、第2部U12および第3部U13)とを有し、前記第3部は、前記第1部から、前記第2方向に沿う方向であって当該第2部とは反対に向けて折り返す第1折返部と(例えば、第1折返部R4)、前記第1折返部から、前記第2方向に沿う方向であって前記第2部に向けて折り返す第2折返部(例えば、第2折返部R5)とを有することを特徴とすることができる。
◆上記のように、本実施の形態では、興趣性を高めた遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、この遊技機は、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、一方向に沿って延びる延伸部(例えば、第1部U11)を有するフラットケーブル(例えば、ケーブル657)と、前記フラットケーブルが設けられる支持部材(例えば、ガイドベース部6557)とを備え、前記支持部材は、前記フラットケーブルの前記延伸部に沿って不連続に形成され、当該フラットケーブルの幅方向において当該フラットケーブルを挟み込む挟込部(例えば、第1ボスB1〜第4ボスB4)を有することを特徴とすることができる。
ここで、前記挟込部に嵌るとともに、前記支持部材との間に前記フラットケーブルを挟むカバー(例えば、ケーブル抑え部659)を備えることを特徴とすることができる。
◆上記のように、本実施の形態では、興趣性を高めた遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、この遊技機は、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、第1部材(例えば、ガイドベース部6557)と、前記第1部材に対する相対位置が変化可能に設けられた第2部材(例えば、駆動ベース部651)と、前記第1部材と前記第2部材とを連結する連結体(例えば、ガイド部655)とを備え、前記連結体は、前記第1部材に設けられ一方向に延びる第1案内部(例えば、第1ロッド6551)と、前記第2部材に設けられ前記第1案内部に沿って延びる第2案内部(例えば、第2ロッド6553)と、前記第1案内部および前記第2案内部を跨いで当該第1案内部および当該第2案内部をスライド可能に支持するスライド体(例えば、スライド部6555)とを有することを特徴とすることができる。
◆上記のように、本実施の形態では、興趣性を高めた遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、この遊技機は、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、第1部材(例えば、ケーブル抑え部659)と、前記第1部材に対する相対位置が変化可能に設けられた第2部材(例えば、駆動ベース部651)と、前記第1部材および前記第2部材の間に設けられ、当該第1部材に対する当該第2部材の相対位置が変化することにともない変形するケーブル(例えば、ケーブル657)と、前記ケーブルに対して押し付けられる押付部材(例えば、第5クッションC5)とを備えることを特徴とすることができる。
651…駆動ベース部(第2部材の一例)
655…ガイド部(連結体の一例)
6551…第1ロッド(第1案内部の一例)
6553…第2ロッド(第2案内部の一例)
6555…スライド部(スライド体の一例)
6557…ガイドベース部(第1部材の一例)
100…パチンコ遊技機(遊技機の一例)
本発明は、収納時の寸法は抑制しつつ大きな動作を実行可能な役物を用いた遊技機などを提供することを目的とする。
上記の目的を達成する本発明は、次のような遊技機として実現される。この遊技機は、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、第1部材(例えば、ガイドベース部6557)と、前記第1部材に対する相対位置が変化可能に設けられた第2部材(例えば、駆動ベース部651)と、前記第1部材と前記第2部材とを連結する連結体(例えば、ガイド部655)とを備え、前記連結体は、前記第1部材に設けられ一方向に延びる第1案内部(例えば、第1ロッド6551)と、前記第2部材に設けられ前記第1案内部に沿って延びる第2案内部(例えば、第2ロッド6553)と、前記第1案内部および前記第2案内部に設けられ、当該第1案内部および当該第2案内部の各々に対してスライド可能であるスライド体(例えば、スライド部6555)とを有し、前記第1案内部に沿う第1の向きに前記スライド体がスライド移動し、当該スライド体によって支持される前記第2案内部が当該第1案内部に沿う当該第1の向きにスライド移動することを特徴とすることができる。
本発明によれば、収納時の寸法は抑制しつつ大きな動作を実行可能な役物を用いた遊技機などを提供することができる。

Claims (1)

  1. 所定の演出を行う遊技機であって、
    第1部材と、
    前記第1部材に対する相対位置が変化可能に設けられた第2部材と、
    前記第1部材と前記第2部材とを連結する連結体と
    を備え、
    前記連結体は、
    前記第1部材に設けられ一方向に延びる第1案内部と、
    前記第2部材に設けられ前記第1案内部に沿って延びる第2案内部と、
    前記第1案内部および前記第2案内部を跨いで当該第1案内部および当該第2案内部をスライド可能に支持するスライド体と
    を有する
    ことを特徴とする遊技機。
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