JP2017104349A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】演出体の動きにより、遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供する。【解決手段】所定の演出を行うパチンコ遊技機であって、飾り板72と、飾り板72に対して回転可能に複数設けられる羽根73とを有する演出体70を備える。また、羽根73は少なくとも一部が飾り板72に収容可能であり、羽根73が回転することにともない羽根73が飾り板72から突出し、演出体70の外寸が拡がる。【選択図】図42

Description

本発明は、遊技球の入賞によって大当たりの抽選を行うパチンコ遊技機や、遊技媒体の投入の際の抽選結果を複数リールの停止時に図柄の組み合わせで表示するスロットマシン等の遊技機に関するものである。
例えば、特許文献1には、筒状部側とは反対側の端部で開口する収納部が形成された羽根が開示されている。この収納部には、筒状部に対して近づく方向と離れる方向に移動可能な副羽根と、副羽根を近づく方向に付勢するコイルスプリングとが収納されている。羽根の回転時に、副羽根が遠心力でコイルスプリングの付勢力に抗して離れる方向に移動することにより、羽根からの副羽根の突出量が大きくなる。
特開2008−289608号公報
本発明は、演出体の動きにより、遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成する本発明は、次のような遊技機として実現される。この遊技機は、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、本体(例えば、飾り板72)と、当該本体に対して回転可能に複数設けられる回転体(例えば、羽根73)とを有する演出体(例えば、演出体70)を備え、前記回転体は少なくとも一部が前記本体に収容可能であり、当該回転体が回転することにともない当該回転体が当該収容された状態よりも当該本体から突出し、前記演出体の外寸が拡がることを特徴とすることができる。
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
本発明によれば、演出体の動きにより、遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供することができる。
本実施の形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。 (a)は遊技盤の右下に配設された表示器の一例を示す拡大図であり、(b)はパチンコ遊技機の部分平面図である。 本実施の形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示す図である。 本実施の形態の遊技制御部の機能構成を示すブロック図である。 遊技制御部による基本処理の動作を示すフローチャートである。 遊技制御部による電源遮断時処理の動作を示すフローチャートである。 遊技制御部の主制御処理を示すフローチャートである。 始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 ゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大当たり判定処理の内容を示すフローチャートである。 変動パターン選択処理の内容を示すフローチャートである。 停止中処理の内容を示すフローチャートである。 客待ち設定処理の内容を示すフローチャートである。 普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。 遊技状態設定処理の内容を示すフローチャートである。 電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。 本実施の形態で用いられる乱数の構成例を示す図であり、(a)は大当たり乱数の構成例を示す図であり、(b)は大当たり図柄乱数の構成例を示す図であり、(c)はリーチ乱数の構成例を示す図であり、(d)は当たり乱数の構成例を示す図である。 変動パターン選択処理において用いられる変動パターンとテーブルの設定例を示す図である。 コマンドの構成を示す図であり、(a)はコマンドのデータ構造を示す図であり、(b)はコマンドのビット列としての構造を示す図である。 RAMにおけるコマンド格納領域の構成例を示す図である。 出力制御部による出力処理の内容を示すフローチャートである。 演出制御部の動作を示すフローチャートであり、(a)はメイン処理を示す図、(b)は割り込み処理を示す図である。 コマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 モードフラグの設定例を示す図である。 図20の演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図20の変動演出終了中処理の内容を示すフローチャートである。 図20の大当たり演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図20のエンディング演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図20の客待ちコマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 演出ボタン処理の内容を示すフローチャートである。 遊技制御部のRAMの構成例を説明するブロック図であり、(a)は記憶領域の構成を示すブロック図であり、(b)は(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。 演出制御部のRAMの構成例を説明するブロック図であり、(a)は保留記憶領域の構成を示すブロック図であり、(b)は(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。 事前判定処理の内容を示すフローチャートである。 タイトル役物の斜視図である。 タイトル役物の動作を説明する図である。 タイトル役物の漸進動作を説明する図である。 タイトル役物の前後方向の動作を説明する図である。 タイトル役物と画像表示部および盤ランプとの関係を説明する図である。 タイトル役物などによる演出動作を説明する図である。 タイトル役物の他の動作例を示す図である。 支持体および演出体の詳細な構成を示す図である。 タイトル筺体および支持体の配置を示す図である。 第2固定片の変形例を示す図である。 爆発画像の変形例を説明する図である。 センター役物の斜視図である。 センター役物などによる演出動作を説明する図である。 センター役物などによる演出動作を説明する図である。 演出体が上側位置にあるときの支持体を示す図である。 演出体が下側位置にあるときの支持体を示す図である。 回転盤群の動作を説明する図である。 演出体の分解斜視図である。 カバーを開閉するための機構を説明する図である。 カバーの閉鎖状態を維持するための機構を説明する図である。 ストッパの動作を説明する図である。 カバーの開閉動作を説明する図である。 羽根の構成を説明する図である。 羽根の動作を説明する図である。 駆動切替部を説明する図である。 駆動切替部の動作を説明する図である。 駆動切替部の動作を説明する図である。 駆動切替部の動作を説明する図である。 演出体の変形例を示す図である。 演出体の他の変形例を示す図である。 タイトル役物およびセンター役物の他の変形例を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
図1に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
なお、以下の説明において、図1に示すパチンコ遊技機100の紙面上側と紙面下側との方向を上下方向と称し、紙面左側と紙面右側との方向を左右方向と呼ぶ。さらに、図1に示すパチンコ遊技機100に対して遊技者が遊技をする側を前側と呼び、その逆側を後側と呼ぶ。
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像や後述の保留表示を用いた演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する始動ゲート(以下、単にゲートと呼ぶ)124と、が遊技盤110に配設されている。なお、図1において、ゲート124は、遊技領域111の左右にそれぞれ設けられており、左側のゲート124は124Lと記載し、右側のゲート124は124Rと記載している。また、ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器の作動契機となる入賞口をいう。具体的には、第1始動口121および第2始動口122には、入賞の際に遊技球の通過を検知するスイッチ(後述の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212)が設けられている。そして、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した際にこのスイッチが遊技球の通過を検知することが、特別図柄表示器を作動させる契機となる。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ(開閉部材)123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば0.15秒ないし1.8秒間)および規定回数(例えば1回ないし3回)だけ開く。
パチンコ遊技機100は、遊技状態として、大当たり抽選の当選確率に基づき、当選確率の低い低確率状態と、低確率状態よりも当選確率の高い高確率状態とを有している。そして、所定の条件において低確率状態と高確率状態とのいずれかの状態に制御される。また、パチンコ遊技機100は、第2始動口122への入賞機会が少ない時短無状態と、時短無状態よりも第2始動口122への入賞機会が多い時短状態とを有している。そして、所定の条件において、時短無状態と、時短状態とのいずれかの状態に制御される。時短状態とは、たとえば、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する、のいずれか一つまたは複数の組合せによって制御される遊技状態である。なお、時短状態では、特別図柄の特別図柄変動時間が短縮されていてもよい。
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選を行わない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
また、遊技盤110の裏面には、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。枠ランプ157は、LED等の発光体で構成され、点灯・点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるともに、パチンコ遊技機100の外面を構成する透明板90(図34参照)を備えている。
図2は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100を説明する図であり、図2(a)は、遊技盤110の右下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、図2(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過したことに基づき、普通図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。本実施の形態では、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって特別図柄抽選の抽選結果が表示される。同様に、普通図柄表示器223も、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって普通図柄抽選の抽選結果が表示される。
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。本実施の形態では、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
ここで、保留について説明する。特別図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した場合、特別図柄が変動中であるために、後の入賞に基づく特別図柄の変動表示動作を開始することができない。そのため、後の入賞は規定個数(例えば4個)を限度に記憶され、その入賞した遊技球に対する特別図柄を始動させるための権利が、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、保留される。
なお、普通図柄に関しても、特別図柄と同様の処理を行う。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未変動数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
さらに、表示器130は、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224を備えている。本実施の形態では、状態表示器224は、3個のLEDを配列した表示装置で構成されている。3個のLEDのうち1つは、パチンコ遊技機100の状態が、特別図柄抽選の当選確率が高確率である高確率状態となっているか否かを点灯により報知するものである。また、他の1つは、パチンコ遊技機100の状態が、第2始動口122に入賞しやすい時短状態となっているか否かを点灯により報知するものである。さらに他の1つは、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)遊技者に有利な状態となっているか否かを点灯により報知するものである。
なお、状態表示器224が表示するパチンコ遊技機100の状態は上記の例に限らず、他の状態を表示することができる。例えばパチンコ遊技機100の状態として低確率状態よりも当選確率が高く高確率状態よりは当選確率が低い中確率状態が設定される場合、状態表示器224は、中確率状態となっているか否かを点灯により報知しても良い。
また、表示器130は、特別図柄抽選の抽選結果に応じて行われる大当たり遊技において大入賞口125が作動される際のラウンド数を表示するラウンド数表示器225を備えている。なお、大当たり遊技については後述する。ラウンド数表示器225は、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって大当たり遊技における大入賞口125の作動ラウンド数が表示される。
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。図示の例において、遊技者は、例えば、十字に配列された4つのキーからなる演出キー162を操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像の何れかを指示することが可能であり、また、演出ボタン161を操作することにより、指示した画像を選択することが可能である。また、入力装置の形態としては、図示した演出ボタン161および演出キー162の他、レバーやダイヤル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部330と、を備えている。
前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部330各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、その抽選結果を演出制御部300に送る。また、高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する制御を行う。また、遊技制御部200は、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
さらにまた、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、特別電動役物である大入賞口125が所定条件(例えば29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部330に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部330に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部330に指示しない。
払出制御部330が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部330から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
遊技制御部200には、検知手段として、図3に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
また、遊技制御部200には、特別図柄の変動中に第1始動口121へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、特別図柄の変動中に第2始動口122へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄の変動中にゲート124を通過した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板350が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部330から取得した、払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板350を介してホストコンピュータに送信する。
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン161等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
また、演出制御部300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、演出制御部300は、遊技制御部200より受信した高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、VDP(Video Display Processor)314と、CGROM315と、SNDROM316とを備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、CGROM315には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。また、SNDROM316には、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。
CPU311は、演出制御部300から送られた保留数コマンドもしくは変動開始コマンドに基づいて、アニメーションパターンの解析や、描画に関するコマンドをまとめたディスプレイリストの作成、およびディスプレイリストのVDP314への送信などを行う。
VDP314は、CPU311から受信したディスプレイリストに基づいて、CGROM315やSNDROM316にそれぞれ記憶された画像データや音響データ読み出す。さらには、VDP314は、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための描画処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。そして、VDP314は、描画処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、VDP314は、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
なお、本実施の形態では、VDP314が描画処理に併せて音声処理も行うよう構成しているが、これに限定されず、音声処理を専用で行うプロセッサを別途設けても構わない。
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部330は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU331と、CPU331にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM332と、CPU331の作業用メモリ等として用いられるRAM333と、を備えている。
そして、払出制御部330は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部330は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部334を制御する。ここでの払出駆動部334は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
また、払出制御部330には、払出駆動部334により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部335と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部336と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部337と、が接続されている。そして、払出制御部330は、払出球検出部335、球有り検出部336および満タン検出部337にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部330には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板340が接続されている。そして、払出制御部330は、例えば払出駆動部334に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部335にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板340を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部231と、普通図柄判定部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄判定部234と、普通図柄変動制御部236と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部237と、電動チューリップ動作制御部238と、賞球処理部239と、出力制御部240と、乱数制御部241と、を備えている。
乱数取得部231は、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞した場合に、特別図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、特別図柄判定部234による判定に用いられる。
乱数取得部231は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、普通図柄判定部232による判定に用いられる。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
特別図柄判定部234は、特別図柄の変動開始時に、図17に示すような乱数テーブルを用いて、その抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。すなわち、乱数取得部231は、検知手段である第1始動口スイッチ211または第2始動口スイッチ212により遊技球の通過が検知されたことを契機として特別図柄に関する乱数値を取得し、特別図柄判定部234は、取得した乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技等)を行うか否かを判定する。なお、前述した特別図柄の抽選(大当たり抽選)は、乱数取得部231および特別図柄判定部234における処理のことをいう。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態かの組み合わせによって大当たりの種類が決まる。すなわち、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に基づく大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、時短状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短遊技状態の大当たり)、時短状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短遊技状態の大当たり)、時短無状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短無遊技状態の大当たり)、時短無状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短無遊技状態の大当たり)が有り得る。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払い出しがほとんど期待できない大当たりとに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれる。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば29.5秒経過または10個の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが所定回数(例えば15回)繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間(例えば0.1秒)だけ大入賞口125が開状態となるラウンドが所定回数(例えば15回)繰り返される。
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、例えば0.1秒だけ大入賞口125が開状態となる態様が所定回数(例えば15回)行われる小当たり遊技が行われる。なお、小当たり当選時には、小当たり遊技が終了した後においても小当たり当選前の遊技状態を継続する。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても高確率時短遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が低確率時短無遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても低確率時短無遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
変動パターン選択部235は、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。ここでは、変動パターン選択部235は、大当たり遊技を行うか否かの判定結果およびリーチを行うか否かの判定結果等に基づいて、変動パターンを決定する。そして、変動パターン選択部235により選択された変動パターンに基づいて、特別図柄変動制御部233が特別図柄の変動を制御する。変動パターン選択部235および特別図柄変動制御部233の動作の詳細については後述する。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるための演出である。
普通図柄判定部232は、普通図柄の抽選が行われた場合に、普通図柄の抽選結果が「当選かはずれであるか」を判定する。
普通図柄変動制御部236は、普通図柄の抽選結果に応じて、普通図柄の変動を制御する。
電動チューリップ動作制御部238は、普通図柄の抽選により「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態を発生させない。
大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の開放動作を制御する。
賞球処理部239は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部240は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部330へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部241は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
〔遊技機の基本動作〕
次に、パチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の遊技制御部200は、電源が投入されると、起動時の基本処理として、各種装置の初期化や初期設定を行う。そして、基本処理を行った後、遊技制御部200は、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を繰り返し実行する。また、電源を遮断する際には、遊技制御部200は、一連の電源遮断時処理を実行する。
図5−1は、遊技制御部200による基本処理の動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源が投入されると、まず、RAM203(図3参照)へのアクセスを許可する(ステップ(以下、ステップを「S」と記載する)101)。そして、遊技制御部200は、RAM203をクリアするためのRAMクリアスイッチがONとなっているか否かを判断する(S102)。
RAMクリアスイッチがOFFである場合(S102でNo)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時の動作に関するバックアップフラグがONとなっているか否かを判断する(S103)。
バックアップフラグがONである場合(S103でYes)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時に作成されたチェックサムが正常か否かを判断する(S104)。
チェックサムが正常である場合(S104でYes)、次に、遊技制御部200は、復帰処理を実行する(S105)。この復帰処理において、遊技制御部200は、電源が遮断された状態からの復帰に伴う、演出制御部300等のサブ制御手段の設定を行う。具体的には、遊技制御部200は、電源が遮断される際におけるパチンコ遊技機100の遊技状態(大当たり遊技中か否か、高確率状態と低確率状態のいずれか、時短状態と時短無状態のいずれか)を反映させるように、サブ制御手段を設定するためのコマンドを演出制御部300へ出力する。また、この復帰処理において、遊技制御部200は、バックアップフラグをOFFにする。
一方、RAMクリアスイッチがON(S102でYes)、バックアップフラグがOFF(S103でNo)、チェックサムが異常(S104でNo)のいずれかに該当する場合、次に遊技制御部200は、初期化処理として、RAM203の記憶内容をクリアし(S106)、RAM203の作業領域を設定する(S107)。そして、遊技制御部200は、サブ制御手段を設定(初期化)するためのコマンドを演出制御部300へ出力し、サブ基板(サブ制御手段)の設定を行う(S108)。サブ基板の設定には、各サブ基板に搭載されているRAM303、RAM313、RAM323をクリアすること等が含まれる。
復帰処理(S105参照)が終了した後、またはサブ基板の設定(S108参照)が終了した後、遊技制御部200は、遊技制御に用いられる各種のカウンタおよびタイマーを設定する(S109)。そして、遊技制御部200は、割り込み許可(S110)、割り込み禁止(S111)、図柄乱数制御処理(S112)、初期値乱数更新処理(S113)、電源遮断フラグがONとなっているか否かの判断(S114)をループ処理として繰り返し実行する。
ここで、割り込み許可(S110)および割り込み禁止(S111)は、このループ処理(S110〜S114)の実行中に割り込み処理の実行を可能とするために設けられている。本実施の形態では、この割り込み処理により、遊技制御における主制御処理が実行される。主制御処理の詳細については後述する。
図柄乱数制御処理(S112)において、遊技制御部200は、特別図柄抽選で用いられる変動パターン乱数の更新を行う。
初期値乱数更新処理(S113)において、遊技制御部200は、遊技制御において用いられる各種の乱数値の初期値を更新する。
電源遮断フラグの判断において、電源遮断フラグがOFFである場合(S114でNo)、パチンコ遊技機100の電源は遮断されず、遊技制御部200は、ループ処理(S110〜S114)と共に割り込みによる主制御処理を繰り返し実行する。一方、電源遮断フラグがONである場合(S114でYes)、遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源を遮断するための処理(電源遮断時処理)を開始する。
図5−2は、遊技制御部200による電源遮断時処理の動作を示すフローチャートである。
電源遮断時処理において、遊技制御部200は、まず、各種の出力を行うための出力ポートの設定をクリアする(S115)。次に、遊技制御部200は、チェックサムを作成し、RAM203に格納する(S116)。次に、遊技制御部200は、バックアップフラグをONにし(S117)、RAM203へのアクセスを禁止して(S118)、無限ループに移行する。
〔遊技機の主制御処理〕
次に、パチンコ遊技機100の主制御処理を説明する。
遊技制御部200は、主制御処理において、パチンコ遊技機100における遊技を制御すると共に、サブ制御手段である演出制御部300に対して演出の制御を指示し、払出制御部330に対して賞球の払い出しの制御を指示する。
図5−3は、遊技制御部200の主制御処理を示すフローチャートである。
主制御処理は、遊技制御における一連の処理からなり、予め設定された一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行される。本実施の形態において、遊技制御部200は、予め設定された一定時間ごとに割り込みを発生させ、図5−1に示すループ処理の中で割り込みが許可(S110参照)されると、割り込み処理として主制御処理を実行する。図5−3に示すように、主制御処理では、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(S501〜S506)。
乱数更新処理(S501)では、遊技制御部200は、乱数制御部241の機能(サブルーチン)を呼び出し、遊技制御部200による遊技制御で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
スイッチ処理(S502)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行われる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200は、乱数取得部231の機能(サブルーチン)を呼び出し、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200は、普通図柄判定部232の機能(サブルーチン)を呼び出し、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
図柄処理(S503)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部200は、特別図柄変動制御部233、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235の各機能(サブルーチン)を呼び出し、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
普通図柄処理では、遊技制御部200は、普通図柄変動制御部236の機能(サブルーチン)を呼び出し、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
電動役物処理(S504)としては、大入賞口処理、電動チューリップ処理が行われる。
大入賞口処理では、遊技制御部200は、大入賞口動作制御部237の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200は、電動チューリップ動作制御部238の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
賞球処理(S505)では、遊技制御部200は、賞球処理部239の機能(サブルーチン)を呼び出し、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力処理(S506)では、遊技制御部200は、出力制御部240の機能(サブルーチン)を呼び出し、演出制御用のコマンドを演出制御部300へ出力し、払い出し制御用のコマンドを払出制御部330へ出力する。演出制御用コマンドは、S502からS504までの各処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。払い出し制御用コマンドは、S505の処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。RAM203には、制御用コマンドの種類ごとに格納領域が設定されている。
出力制御部240は、RAM203の各制御用コマンドの格納領域を順に調べ、個々の格納領域に制御用コマンドが格納されていれば(すなわち、S502〜S505の処理で制御用コマンドが生成されていれば)、その制御用コマンドを読み出し、出力先(演出制御部300または払出制御部330)へ出力する。
本実施の形態では、図5−3に示したように、一連の主制御処理の最後に出力処理を行う。すなわち、第1の処理手段としての上記各機能によるS502〜S505の各処理において生成されたコマンドを、その各処理においてはRAM203の対応する格納領域に格納しておく。そして、これらの処理の後に、第2の処理手段としての出力制御部240が、RAM203の格納領域に蓄積された、各処理で生成されたコマンドをまとめて出力する。言い換えれば、本実施の形態では、主制御処理を1サイクル実行すると、その1サイクルの実行において生成されたコマンドが、その1サイクルの実行における最後のコマンド生成が行われた後に、出力される。
〔遊技機の基本動作の変形例〕
なお、図5−1乃至図5−3を参照して説明した動作例では、基本処理におけるループ処理の部分で割り込みを許可し、割り込み処理として一連の処理からなる主制御処理を実行した。しかしながら、主制御処理は、一定時間ごとに繰り返し実行されるように構成されていれば良く、具体的な実現手段(実行手順)は、図5−1乃至図5−3に示した例には限定されない。例えば、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れておき、所定のタイミングで経過時間を計測し、一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに主制御処理へ戻る構成としても良い。また、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れる一方で、図5−1乃至図5−3を参照して説明した動作と同様に、一定時間ごとに割り込みを発生させ、割り込みが発生したならば基本処理中に組み入れられた主制御処理へ戻る構成としても良い。
また、基本処理で生成されたコマンドを出力する場合は、原則として、コマンドを生成する度に、RAM203のコマンド格納領域に格納し、第2の処理手段である出力制御部240の機能を呼び出して出力する。基本処理は、遊技の進行に関わる主制御処理とは異なり、電源投入時にのみ行われる初期動作等の特別な処理である。また、基本処理は、電源投入時のパチンコ遊技機100の状態等の条件に基づく分岐により処理手順が変動する場合があるため、出力処理に漏れが無いように、生成したコマンドを速やかに出力する処理である。なお、関連する複数の処理により連続的にコマンドが生成される場合等、具体的な処理の要請に応じて、複数のコマンドをRAM203のコマンド格納領域に格納し、まとめて出力する処理手順を採っても良い。
〔遊技制御部での始動口スイッチ処理〕
図6は、図5−3のS502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部200は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(S601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第1始動口121の入賞における未変動分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(S602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(S602でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U1が上限値未満である場合(S602でYes)、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による判定のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S603)。ここでは、第1始動口121の入賞なので、特別図柄抽選のための乱数値が取得される。このとき取得される乱数値は、S501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により、後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。ここにいう乱数値としては、大当たり、小当たりまたははずれを決定する大当たり乱数値、大当たりの種類(大当たり遊技の終了後における時短状態か時短無状態、高確率状態と低確率状態、長当たり、短当たり)を決定する図柄乱数値(大当たり図柄乱数値)、図柄変動における変動パターンを特定するための変動パターン乱数値、はずれのときにリーチ有り演出をするか否かを決定するリーチ乱数値、等が含まれる。
そして、遊技制御部200は、保留数U1の値を1加算する(S604)。
次に、遊技制御部200は、事前判定処理を行う(S605)。
ここで、事前判定処理とは、始動口における入賞により乱数の取得が既に行われているが後述する特別図柄処理によって乱数の判定が未だ行われていない入賞球(保留球)について、特別図柄処理によって乱数が判定されるよりも以前にその乱数の判定を行う(事前判定)処理である。
そして、本実施の形態の演出制御部300は、後述するように、事前判定処理によって判定された乱数の判定結果(事前判定結果)に基づいて、特別図柄処理によって乱数が判定され、その判定結果(抽選結果)が報知されるよりも以前に、その判定結果を示唆する予告演出を行うことができる。
事前判定に基づく予告演出として、例えば保留表示において行う例を挙げることができる。本実施の形態では、後述するように、始動口における入賞により乱数の取得が既に行われているが、後述する特別図柄処理によって乱数の判定が未だ行われていない入賞球(保留球)については画像表示部114において保留表示が行われる。そして、この保留表示に事前判定結果を反映させ、その保留球に関して、その後に特別図柄処理による乱数の判定が行われた際の判定結果を遊技者に示唆する。これによって、遊技者は、保留球に対して期待を抱きながら遊技を行うことができる。
なお、事前判定結果を用いた予告演出は、保留表示に限らず、特別図柄処理による乱数の判定結果(抽選結果)が報知されるよりも以前に行われる各種の演出内容に反映させることで、多様な予告演出を行うことが可能になる。
この後、遊技制御部200は、事前判定結果を演出制御部300に通知するために、S605の事前判定処理による事前判定情報を含む事前判定結果コマンドをRAM203にセットする(S606)。
さらに、遊技制御部200は、S604による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S607)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
次に、第2始動口122における入賞に対する処理が行われる。図6を参照すると、次に遊技制御部200は、第2始動口122に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212がONとなったか否かを判断する(S608)。第2始動口スイッチ212がONとなったならば、次に、遊技制御部200は、第2始動口122の入賞における未変動分の保留数U2が上限値未満か否かを判断する(S609)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U2が上限値に達している場合は(S609でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U2が上限値未満である場合(S609でYes)、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S610)。ここでは、第2始動口122の入賞なので、上記のS603と同様に、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値)、リーチ乱数値、変動パターン乱数値など)が取得される。このとき取得される乱数値は、S501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。
そして、遊技制御部200は、保留数U2の値を1加算する(S611)。
次に、遊技制御部200は、事前判定処理を行う(S612)。この事前判定処理の内容は、上記のS605と同様である。
この後、遊技制御部200は、事前判定結果を演出制御部300に通知するために、S612の事前判定処理による事前判定情報を含む事前判定結果コマンドをRAM203にセットする(S613)。
さらに、遊技制御部200は、S611による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S614)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
〔遊技制御部でのゲートスイッチ処理〕
図7は、ゲート124を遊技球が通過した場合のゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(S701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に遊技制御部200は、未変動分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(S702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(S702でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
一方、保留数Gが上限値未満である場合(S702でYes)、遊技制御部200は、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S703)。ここでは、ゲート124の入賞なので、普通図柄抽選のための乱数値(当たり乱数値など)が取得される。
次に、遊技制御部200は、保留数Gの値を1加算する(S704)。
S704で保留数Gの値が加算された後、遊技制御部200は、S704による保留数Gの増加を演出制御部300に通知するための保留数G増加コマンドをRAM203にセットし(S705)、ゲート124における入賞に対する処理を終了する。
〔遊技制御部での特別図柄処理〕
図8は、図5−3のS503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において大当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S801)。ここで、大当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを識別するためにセットされるフラグである。大当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグの何れかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して大当たり遊技フラグと呼ぶ。
大当たり遊技フラグがONである場合、既にパチンコ遊技機100は大当たり中であるので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(S801でYes)。一方、大当たり遊技フラグがOFFである場合(S801でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、パチンコ遊技機100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(S802)。特別図柄変動中でない場合(S802でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、特別図柄の未変動分の保留数U1、U2(図6参照)に関する処理を行う(S803〜S806)。本実施の形態では、第1始動口121の入賞に係る保留数U1と第2始動口122の入賞に係る保留数U2とを区別しているので、この処理も対応する始動口ごとに個別に行う。
具体的には、特別図柄変動制御部233は、まず第2始動口122の入賞に係る保留数U2が1以上か判断する(S803)。保留数U2が1以上である場合(S803でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U2の値を1減算する(S804)。一方、保留数U2=0である場合は(S803でNo)、特別図柄変動制御部233は、次に第1始動口121の入賞に係る保留数U1が1以上か判断する(S805)。保留数U1が1以上である場合(S805でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U1の値を1減算する(S806)。一方、保留数U1=0である場合は(S805でNo)、特別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動を開始せず、別ルーチンの客待ち設定処理を実行して処理を終了する(S816)。
S804またはS806で保留数U1または保留数U2を減算した後、特別図柄変動制御部233は、RAM203のフラグ設定においてセットされた客待ちフラグをOFFとする(S807)。客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためのフラグであり、客待ち設定処理(S816、図12参照)においてセットされる。
次に、特別図柄変動制御部233は、別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パターン選択処理を実行する(S808、S809)。詳しくは後述するが、この大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって、第1特別図柄表示器221に変動表示される特別図柄の変動用の設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定される。なお、これらの情報は演出制御部300に送られる変動開始コマンドに含まれる。
この後、特別図柄変動制御部233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定内容に基づき、図2に示す第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222により表示される特別図柄の変動を開始する(S810)。そして、この設定内容を示す設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAM203にセットする(S811)。S811でセットされた変動開始コマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
S802で特別図柄変動中と判断された場合(S802でYes)、またはS811で変動開始コマンドがセットされた後、特別図柄変動制御部233は、変動時間を経過したか否かを判断する(S812)。すなわち、S810で特別図柄の変動を開始してからの経過時間がS809の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(S812でNo)、特別図柄変動が継続されるので、そのまま特別図柄処理が終了する。
一方、変動時間を経過した場合(S812でYes)、特別図柄変動制御部233は、まず、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動をS808の大当たり判定処理で決定された図柄で停止する(S813)。後述する装飾図柄を停止させるための変動停止コマンドをRAM203にセットする(S814)。そして、別ルーチンの停止中処理を実行する(S815)。停止中処理の内容については後述する。S814でセットされた変動停止コマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による大当たり判定処理〕
図9は、大当たり判定処理(図8のS808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数値の判定を行い(S901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(S902、S905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図6のS603またはS610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(a)参照)。
S901の乱数判定の結果が大当たりだった場合(S902でYes)、次に特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数値の判定を行う(S903)。この判定の結果に応じて、大当たりの種類(高確率状態か低確率状態、時短状態か時短無状態、長当たり、短当たり)が決定される。何れの大当たりとなるかは、図6のS603またはS610で取得した大当たり図柄乱数の値が、大当たりの種類ごとに予め設定された値のうちの何れと一致したかによって決定される(図17(b)参照)。
以上の判定の後、特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S904)。
S901の乱数判定の結果が小当たりだった場合(S902でNo、S905でYes)、次に特別図柄判定部234は、小当たりであることを表す図柄(以下、小当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S906)。
S901の乱数判定の結果が大当たりでも小当たりでもない場合(S902、S905でNo)、次に特別図柄判定部234は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S907)。
〔遊技制御部による変動パターン選択処理〕
図10は、変動パターン選択処理(図8のS809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、パチンコ遊技機100の遊技状態(時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態か)を参照する(S1001)。そして、大当たり判定処理(図9)のS902の判断結果を用いて今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1002)。そして、大当たりだった場合(S1002でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1003)。
一方、大当たりしなかった場合(S1002でNo)、次に変動パターン選択部235は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数値の判定を行う(S1004)。リーチ演出を行うか否かは、図6のS603またはS610で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(c)参照)。
乱数値を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(S1005でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1006)。また、リーチ演出を行わない場合(S1005でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1007)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間3秒、7秒、13秒、15秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
次に、変動パターン選択部235は、図6のS603またはS610で取得した変動パターン乱数値およびS1003、S1006、S1007でセットされた変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数値の判定を行う(S1008)。すなわち、変動パターン選択部235は、RAM203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、変動パターン乱数の乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得された場合でも、パチンコ遊技機100の遊技状態(時短状態か時短無し状態か、および高確率状態か低確率状態か)、特別図柄抽選の結果(大当たりしたか否か、大当たりしていない場合はリーチ演出を行うか否か等、の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なる。
この後、変動パターン選択部235は、S1008で選択した変動パターンを設定情報としてRAM203にセットする(S1009)。S1009でセットされた変動パターンの設定情報は、図8のS811でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。本実施の形態で選択される変動パターンおよびその設定の詳細については後述する。
〔遊技制御部による停止中処理〕
図11は、停止中処理(図8のS815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において時短状態であることを示すフラグ(以下、時短フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1101)。時短フラグがONである場合(S1101でYes)、遊技制御部200は、時短状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(S1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(S1103)。そして、抽選回数J=0であれば(S1103でYes)、時短フラグをOFFにする(S1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
時短フラグがOFFであった場合(S1101でNo)またはS1104で時短フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Jの値が0でない場合(S1103でNo)、次に遊技制御部200は、RAM203のフラグ設定において高確率状態であることを示すフラグ(以下、確変フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1105)。なお、この確変フラグと先の時短フラグが共にONである場合は、高確率時短遊技状態であり、確変フラグがONであり時短フラグがOFFである場合は、高確率時短無遊技状態である。
確変フラグがONである場合(S1105でYes)、遊技制御部200は、高確率状態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(S1106)、抽選回数Xが0になったか否かを調べる(S1107)。そして、抽選回数X=0であれば(S1107でYes)、確変フラグをOFFにする(S1108)。なお、確変フラグをONにする操作と、抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
確変フラグがOFFであった場合(S1105でNo)またはS1108で確変フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Xの値が0でない場合(S1107でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1109)。そして、大当たりだった場合(S1109でYes)、次に遊技制御部200は、大当たりの種類が長当たりか否かを判断する(S1110)。
ここで、大当たりか否かの判断は、大当たり判定処理(図9)の判定結果に基づいて判断することができる。例えば、後述する図17(b)の図表に示す図柄の何れかがセットされているならば、S1109でYesである。大当たり判定処理によりRAM203に、はずれ図柄または小当たり図柄がセットされているならば、S1109でNoである。
大当たりの種類が長当たりであった場合(S1110でYes)、遊技制御部200は、長当たり遊技フラグをONにする(S1111)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が長当たりである大当たり遊技状態(長当たり遊技状態)となる。なお、ここでは長当たりにおいて、高確率状態か低確率状態かを区別していない。高確率状態となるか低確率状態となるかは、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で該当するフラグをONにすることによって特定される。
大当たりの種類が長当たりでなかった場合(S1110でNo)、遊技制御部200は、短当たり遊技フラグをONにする(S1112)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が短当たりである大当たり遊技状態(短当たり遊技状態)となる。長当たりの場合と同様、短当たりの場合も高確率状態か低確率状態かを区別していない。
S1111またはS1112で大当たり遊技フラグをONにした後、遊技制御部200は、抽選回数J、Xの値を初期化する(S1113)。また、遊技制御部200は、S1101において時短フラグがONであって、S1103において抽選回数Jが0でなかった場合に、時短フラグをOFFにする(S1114)。同様に、S1105において確変フラグがONであって、S1107において抽選回数Xが0でなかった場合に、確変フラグをOFFにする(S1114)。
一方、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりでなかった場合(S1109でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選の結果が小当たりであったか否かを判断する(S1115)。小当たりでなかった場合は(S1115でNo)、停止中処理を終了する。
一方、小当たりであった場合(S1115でYes)、遊技制御部200は、小当たり遊技を開始する(S1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。なお、小当たり遊技では、前述したように、大入賞口125を所定回数開閉し、所定時間経過後に終了する。
S1113で抽選回数J、Xの値を初期化した後、遊技制御部200は、オープニング動作を開始する(S1117)。ここで、オープニング動作の内容は、S1111、S1112の何れで当たり遊技フラグがONとなったかに応じて異なる。すなわち、大当たり遊技フラグの状態に応じて、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたオープニング動作の何れかが行われることとなる。
この後、遊技制御部200は、演出制御部300において大当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(S1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による客待ち設定処理〕
図12は、客待ち設定処理(図8のS816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(S1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
客待ちフラグがONである場合、パチンコ遊技機100は客待ち状態であるので、そのまま処理を終了する(S1201でYes)。一方、客待ちフラグがOFFである場合、遊技制御部200は、客待ちコマンドを生成してRAM203にセットし(S1202)、客待ちフラグをONにする(S1203)。S1202でセットされた客待ちコマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。なお、客待ちフラグとは、特別図柄の変動が停止して、保留が無い状態でセットされるものである。
〔遊技制御部による普通図柄処理〕
図13は、図5−3のS503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄変動制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合にセットされるフラグである。補助遊技フラグが設定されている状態は、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図16)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易い状態である(補助遊技状態)。
補助遊技フラグがONである場合、既に補助遊技状態となっており、普通図柄が停止している状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(S1301でYes)。一方、補助遊技フラグがOFFである場合(S1301でNo)、次に普通図柄変動制御部236は、パチンコ遊技機100の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する(S1302)。普通図柄変動中でない場合(S1302でNo)、次に普通図柄変動制御部236は、普通図柄の未変動分の保留数G(図7参照)が1以上か判断する(S1303)。保留数G=0である場合は(S1303でNo)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(S1303でYes)、普通図柄変動制御部236は、保留数Gの値を1減算し(S1304)、今回の普通図柄抽選における当たり乱数の判定を行って、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(S1305)。当選したか否かは、図7のS703で取得した当たり乱数の値が、後述する図17(d)に示すテーブル等において当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄の設定を行う(S1306)。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合は、当選したことを表す図柄(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。一方、普通図柄抽選に当選しなかった場合は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄の変動時間の設定を行う(S1307)。この変動時間は、図11におけるS1104、S1114、後述の図15におけるS1504、S1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。すなわち、S1307による設定の際に時短フラグがONである場合は、短時間(例えば1.5秒)に設定され、時短フラグがOFFである場合は、長時間(例えば4.0秒)に設定される。この設定の後、普通図柄変動制御部236は、S1307の設定内容に基づき、図2(a)および図3に示す普通図柄表示器223における普通図柄の変動を開始する(S1308)。
S1308で普通図柄の変動を開始した後、またはS1302で普通図柄変動中と判断された場合(S1302でYes)、普通図柄変動制御部236は、変動時間を経過したか否かを判断する(S1309)。すなわち、S1308で普通図柄の変動を開始してからの経過時間がS1307で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(S1309でNo)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理が終了する。
一方、変動時間が終了した場合(S1309でYes)、普通図柄変動制御部236は、普通図柄表示器223における普通図柄の変動を停止する(S1310)。そして、普通図柄変動制御部236は、停止した普通図柄に基づき普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(S1311)。当選したならば(S1311でYes)、補助遊技フラグをONにする(S1312)。一方、抽選にはずれたならば(S1311でNo)、補助遊技フラグをONにすること無く普通図柄処理を終了する。
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図14は、図5−3のS504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において大当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1401)。大当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(S1401でNo)。一方、大当たり遊技フラグがONである場合(S1401でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(S1402)。
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(S1402でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(S1403)。オープニング時間を経過していないならば、大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1403でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(S1403でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動設定を行い(S1404)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(S1405)、大入賞口125の作動のラウンド数Rの値を現在の値から1加算して(S1406)、大入賞口125を作動開始(開放)する(S1407)。
S1404の作動設定では、大入賞口125の作動パターンと、その作動パターンで作動させるラウンド数(作動ラウンド数)とが設定される。大入賞口125が作動する場合としては、特別図柄抽選で、長当たりまたは短当たりの大当たりであった場合と、小当たりであった場合がある。作動パターンおよびラウンド数は、これらの当たりの種類に応じて様々に設定される。一例としては、長当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行う。短当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは0.1秒の開放を1回行う。小当たりの場合、例えば、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.1秒の開放を15回行う。ここで、短当たりでの作動と小当たりでの作動を上記の例で比較すると、共に0.1秒の開放が15回行われることとなる。すなわち、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同じであり、遊技盤110上の大入賞口125の動作のみから短当たりと小当たりとを区別することはできない。
また、別の例としては、長当たりでは、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行い、短当たりでは、2ラウンド(2R)作動させ、1ラウンドでは0.9秒の開放を2回行い、小当たりでは、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.9秒の開放を2回行う。この場合も、短当たりでの作動と小当たりでの作動を比較すると、共に0.9秒の開放が2回行われることとなり、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同様となる。
なお、小当たりの際には、大入賞口125の開放累積時間が1.8秒以内に設定されなければならないことが法令により定められている。一方で、大当たり(長当たりまたは短当たり)の際には、大入賞口125を複数回連続開放させなければならない。そこで、上記のように小当たりでの作動と短当たりでの作動を外見上区別し難くしようとする場合、小当たりでは、1作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で、大入賞口125が2回以上開放する作動形態が設定され、短当たりでは、小当たりの開放回数と同数のラウンド数が設定される。
次に、大入賞口動作制御部237は、S1404で設定された作動パターンにおける開放時間を経過したか否かを判断する(S1408)。大入賞口125での開放状態が開放時間を経過していない場合(S1408でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(S1409)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、大入賞口125の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1409でNo)。一方、開放時間を経過したか(S1408でYes)、または入賞個数Cが規定個数に達した場合(S1409でYes)、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125を作動終了(閉口)する(S1410)。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数RがS1404で設定された最大値に達したか否かを判断する(S1411)。そして、最大値に達していないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(S1411でNo)。
大入賞口125の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(S1411でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング動作を開始する(S1412)。ここで、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたエンディング動作のうち、大当たり遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部237は、演出制御部300において大当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(S1413)。このエンディングコマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数Rを0にリセットした後(S1414)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(S1417)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1417でNo)。一方、エンディング時間を経過したならば(S1417でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、遊技制御部200による遊技状態設定処理を経た後(S1418)、大当たり遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する(S1419)。遊技状態設定処理の内容については後述する。
S1402で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(S1402でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング中か否かを判断する(S1415)。そして、エンディング中であるならば(S1415でYes)、上記S1417以降の動作を実行する。
一方、パチンコ遊技機100がエンディング中でもないならば(S1415でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125が作動(開放)中か否かを判断する(S1416)。そして、作動中でないならば(S1416でNo)、上記S1405以降の動作を実行し、作動中であるならば(S1416でYes)、上記S1408以降の動作を実行する。
なお、前述した小当たり遊技で行われる演出は、短当たり遊技で行われる演出と同様であり、演出から短当たりと小当たりとを区別することはできない。
〔遊技状態設定処理〕
エンディング時間が経過した場合(S1417でYes)に実行される、遊技制御部200による遊技状態設定処理(S1418)の内容を図15に示す。
遊技状態設定処理が行われる場合、前提として、図14のS1401で大当たり遊技フラグがONとなっている。そこで、図15に示すように、遊技制御部200は、まず、その大当たりの種類を判断する(S1501、S1502、S1503、S1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のS902、S903、S905と概ね同様であるので、S902、S903、S905の判断結果を用いても良い。
小当たりである場合(S1501でYes)、遊技状態は変更しないので、遊技状態設定処理を終了する。
大当たりの種類が低確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1501でNo、S1502、S1503でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにする(S1504)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が低確率時短遊技状態となる。また、遊技制御部200は、抽選回数Jの初期値を設定し(S1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、低確率時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、低確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、大当たりの種類が低確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1501でNo、1502でYes、S1503でNo)、遊技制御部200は、時短フラグ、確変フラグともONにせずに処理を終了する。したがって、この大当たりの後の遊技に対するRAM203の遊技状態の設定は、低確率時短無遊技状態となる。
大当たりの種類が高確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1501、S1502でNo、S1506でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにし(S1507)、抽選回数Jの初期値を設定する(S1508)。この場合の抽選回数Jの初期値は、図示の例では10000回である。また、遊技制御部200は、確変フラグをONにし(S1509)、抽選回数Xの初期値を設定する(S1510)。抽選回数Xの初期値は、図示の例では10000回である。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短遊技状態となる。そして、この高確率時短遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、大当たりの種類が高確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1501、S1502、S1506でNo)、遊技制御部200は、確変フラグのみをONにし(S1509)、抽選回数Xの初期値(10000回)を設定する(S1510)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短無遊技状態となる。そして、この高確率時短無遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短無遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
〔遊技制御部による電動チューリップ処理〕
図16は、図5−3のS504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(S1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(S1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御部238は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(S1602)。
電動チューリップ123が作動中でない場合(S1602でNo)、電動チューリップ動作制御部238は、電動チューリップ123の作動パターンの設定を行い(S1603)、設定した作動パターンで電動チューリップ123を作動させる(S1604)。ここで、作動パターンは、図11におけるS1104、S1114、図15におけるS1504、S1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。例えば、S1603による設定の際に時短フラグがOFFである場合は、0.15秒の開放時間で1回開放する作動パターンが設定され、時短フラグがONである場合は、1.80秒の開放時間で3回開放する作動パターンが設定される。このように、通常、時短フラグがONであるとき(時短状態のとき)は、電動チューリップ123が長時間、複数回開放され、第2始動口122に入賞し易くなる入賞サポート(電チューサポート)が行われる。
S1602で電動チューリップ123が作動中と判断された場合(S1602でYes)、またはS1604で電動チューリップ123を作動させた後、電動チューリップ動作制御部238は、設定されている作動パターンにおける開放時間が経過したか否かを判断する(S1605)。開放時間を経過していなければ、電動チューリップ123の作動状態(開放状態)が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(S1605でNo)。一方、開放時間を経過したならば(S1605でYes)、電動チューリップ動作制御部238は、補助遊技フラグをOFFとして、電動チューリップ処理を終了する(S1606)。
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施の形態において特別図柄抽選および普通図柄抽選で用いられる乱数(判定テーブル)の構成例を示す図である。
図17(a)には特別図柄抽選で用いられる大当たり乱数の構成例、図17(b)には特別図柄抽選で用いられる大当たり図柄乱数の構成例、図17(c)には特別図柄抽選で用いられるリーチ乱数の構成例、図17(d)には普通図柄抽選で用いられる当たり乱数の構成例が、それぞれ示されている。
図17(a)を参照すると、大当たり乱数の判定値として、大当たり判定時のパチンコ遊技機100の遊技状態が低確率状態の場合の大当たりと大当たり判定時の遊技状態が高確率状態の場合の大当たりの2種類と、小当たりとが設定されている。乱数(大当たり乱数)の値の範囲は、何れも0〜299の300個である。低確率状態の特別図柄抽選(大当たり抽選)の場合、当選値は1つだけが設定され、当選確率は1/300である。また高確率状態の特別図柄抽選の場合、当選値は10個設定され、当選確率は10/300(=1/30)である。すなわち図示の例では、高確率状態で始動口121、122に入賞し特別図柄抽選が行われると、低確率状態で特別図柄抽選が行われる場合に比べて、当選確率が10倍となる。また、小当たりの当選値は、低確率状態か高確率状態かに関わらず3個設定され、当選確率は3/300(=1/100)である。
図17(b)を参照すると、大当たり図柄には、低確率図柄A、低確率図柄B、高確率図柄A、高確率図柄B、潜確図柄の5種類が用意されている。ここで、低確率図柄Aおよび低確率図柄Bは、低確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち低確率図柄Aは長当たり(低確率時短遊技状態)、低確率図柄Bは短当たり(低確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。高確率図柄Aおよび高確率図柄Bは、高確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち高確率図柄Aは長当たり(高確率時短遊技状態)、高確率図柄Bは短当たり(高確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。潜確図柄は、高確率時短無遊技状態の大当たりであることを表す図柄である。したがって、高確率図柄Bと潜確図柄とは大当たり遊技後の遊技状態が同じであるが、潜確図柄は、高確率状態であることを遊技者に明確に報知しない潜伏演出を行う条件とするために高確率図柄Bとは分けて設けられている。乱数の値の範囲は0〜249の250個である。また、大当たり図柄乱数では、特別図柄抽選が行われる契機となる第1始動口121と第2始動口122の各々について当選値が設定される。
低確率図柄Aでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として35個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Aでの当選となる確率は、35/250(=7/50)である。
低確率図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Bでの当選となる確率は、15/250(=3/50)である。
高確率図柄Aでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、175/250(=7/10)である。
高確率図柄Bでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として75個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、75/250(=3/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
潜確図柄では、第1始動口121に入賞した場合の当選値として100個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に潜確図柄での当選となる確率は、100/250(=2/5)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
以上のように、図17(b)に示す例では、第1始動口121に入賞した場合の大当たりは、高確率時短無遊技状態の大当たり(高確率図柄B、潜確図柄)となる確率が高く、第2始動口122に入賞した場合の大当たりは、高確率時短遊技状態の大当たり(高確率図柄A)となる確率が高い。このように、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合における大当たりの種類の当選確率を相違させることにより、様々な遊技性を持たせることができる。また、遊技盤110における第1始動口121と第2始動口122の配置を工夫し、特定の状態(モード)では第1始動口121と第2始動口122の何れか一方を狙い易くなるように構成することによって、遊技者にさらに積極的な遊技への参加を促すことも可能である。
次に、リーチ乱数の判定について説明する。
図17(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。
なお、リーチ乱数によって決定されるリーチ有り演出、リーチ無し演出というのは、画像表示部114において行われる演出の態様を示すものである。すなわち、特別図柄の変動表示中には、例えば1〜9の数字が縦方向に連続して記された数列からなる図柄が三列表示されており、特別図柄の変動表示が開始されるのと同時に、これら図柄がスクロールを開始する。
そして、リーチ有り演出においては、スクロールの開始後、所定時間経過後にスクロールが停止して各図柄を停止表示する際に、まず、いずれか2つの図柄(数列)が先に停止する。このとき、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が停止表示するとともに、最後の一列がスクロール速度を徐々に遅くして、一直線上に同一の数字が3つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与える。このようなリーチ有り演出のなかには、最後の1列のスクロールが停止する前に、さまざまなキャラクタが登場したり、ストーリーが展開したりするいわゆるSP(スーパー)リーチ演出や、SP・SPリーチ演出が含まれている。また、後述する図18に示すように、本実施の形態では、変動時間がより長い(例えば90秒や60秒)場合に、SPリーチやSP・SPリーチ演出を実行するように設定している。一方、リーチ無し演出は、リーチ有り演出とは異なり、遊技者に期待感を与えるような演出がなされることなく、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が揃わない状態で図柄が停止表示するものである。
このように、リーチ乱数は、大当たり乱数の判定の結果がハズレであった場合に、画像表示部114においてリーチ有り演出を行うか、リーチ無し演出を行うかを決定するためのもので、所定の確率でリーチ有り演出が出現するようにして、遊技者に対して適度に期待感を与えるようにしている。
付言すると、大当たりに当選した場合には、リーチ有り演出が必ず行われ、最終的に横または斜めにわたる一直線上に、同一の数字が揃った状態で装飾図柄が停止表示する。これに対して、小当たりに当選した場合やハズレの場合のリーチ有り演出は、上記一直線上に、同一の数字が揃わない状態で装飾図柄が停止表示する。
次に、普通図柄抽選に用いられる大当たり乱数の判定について説明する。
図17(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短無状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、9/10の確率で当選する。
各種の抽選に用いられる判定情報としての乱数値は、所定の初期値から始まって、図5−3に示す乱数更新処理(S501)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図6)およびゲートスイッチ処理(図7)で取得され、特別図柄処理(図8)や普通図柄処理(図13)で使用される。なお、この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば図17(a)に示した大当たり乱数では299)に達した後は再び0に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、これらの情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、一般に、適当なタイミングで各乱数の初期値をランダムに変更する仕組みが導入されている。
なお、図17の各乱数の構成例に示した乱数の範囲、当選値の割合、当選値の各値は例示に過ぎず、図示の値に限定されるものではない。
〔変動パターンの設定例〕
次に、図10に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンとテーブルの設定例について説明する。
図18は、図10に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンとテーブルの設定例を示す図である。なお、図18には、第1始動口121に遊技球が入賞した場合であって、遊技状態が低確率時短無遊技状態もしくは高確率時短無状態の場合に選択される設定例を示している。
なお、本実施の形態では、図示を省略しているが、変動パターン選択処理に用いられる変動パターンの設定として、遊技状態が低確率時短遊技状態もしくは高確率時短遊技状態の場合に選択される変動パターンも存在し、それらの変動パターンを選択する際に参照される時短状態用のテーブルも設けられている。また、各々のテーブルの設定内容は、本実施の形態においてそれぞれ異なるようにしている。さらに、第2始動口122に遊技球が入賞する場合に関しては、同様に、変動パターン選択処理において選択される変動パターンの設定のテーブルが設けられてもよいし、第1始動口121に遊技球が入賞した場合に参照するテーブルを共用して参照するようにしてもよい。
図18に示すように、変動パターンA〜Dは、特別図柄抽選の判定結果が大当たりの場合(図10のS1002でYesの場合)に選択される変動パターンである。また、変動パターンE〜Hは、リーチ演出が行われる場合(図10のS1005でYesの場合)に選択される変動パターンである。そして、変動パターンI〜Kは、リーチ演出が行われない場合(図10のS1005でNoの場合)に選択される変動パターンとして設定されている。なお、特別図柄抽選の判定結果が大当たりのときには必ずリーチ演出を行うように構成しているため、変動パターンA〜Dが選択される場合においてリーチ演出の有無は参照されない。
図18に示す例では、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合(図10のS1002でYesの場合)の変動パターンとして、4種類の変動パターンA〜Dが設定されている。また、特別図柄抽選の判定結果がはずれ(図10のS1002でNoの場合)であった場合の変動パターンとして、7種類の変動パターンE〜Kが設定されている。変動時間は、変動パターンAが90秒、変動パターンBが60秒、変動パターンCが30秒、
変動パターンDが15秒、変動パターンEが90秒、変動パターンFが60秒、変動パターンGが30秒、変動パターンHが15秒、変動パターンIが13秒、変動パターンJが7秒、変動パターンKが3秒にそれぞれ設定されている。
また、図18に示すように、乱数(変動パターン乱数)の値の範囲は、何れも0〜249の250個である。
そして、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合において、変動パターンAには、100個の乱数値が割り当てられ、100/250の確率で90秒の変動時間が設定される。また、変動パターンBには、75個の乱数値が割り当てられ、75/250の確率で60秒の変動時間が設定される。さらに、変動パターンCには、50個の乱数値が割り当てられ、50/250の確率で30秒の変動時間が設定される。そして、変動パターンDには、25個の乱数値が割り当てられ、25/250の確率で15秒の変動時間が設定される。
つまり、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合に選択される変動パターンA〜Dのうち、最も高い割合で変動パターンAが選択され、次に高い割合で変動パターンBが選択され、次に高い割合で変動パターンCが選択され、最も低い割合で変動パターンDが選択されるように設定することができる。そして、大当たりに当選した場合、比較的長い時に亘っての変動演出が実行されやすくなっている。
また、特別図柄抽選の判定結果がはずれであってリーチ有り演出が行われる場合、変動パターンEには、25個の乱数値が割り当てられ、25/250の確率で90秒の変動時間が設定される。また、変動パターンFには、50個の乱数値が割り当てられ、50/250の確率で60秒の変動時間が設定される。さらに、変動パターンGには、75個の乱数値が割り当てられ、75/250の確率で30秒の変動時間が設定される。そして、変動パターンHには、100個の乱数値が割り当てられ、100/250の確率で15秒の変動時間が設定される。
つまり、特別図柄抽選の判定結果がはずれであってリーチ有り演出が行われる場合に選択される変動パターンE〜Hのうち、最も高い割合で変動パターンHが選択され、次に高い割合で変動パターンGが選択され、次に高い割合で変動パターンFが選択され、最も低い割合で変動パターンEが選択されるように設定することができる。そして、はずれであってリーチ有り演出が行われる場合には、比較的短い時間に亘っての変動演出が実行されやすくなっている。
そして、特別図柄抽選の判定結果がはずれであってリーチ無し演出が行われる場合、変動パターンI〜Kには、250個の乱数値が割り当てられる。そして、変動パターンIは保留数が0個であるとき、変動パターンJは保留数が1または2個であるとき、変動パターンKは保留数が3個または4個であるときにそれぞれ選択される変動パターンとして設定されている。すなわち、はずれであってリーチ無し演出が行われる場合、特別図柄抽選における判定の保留数が多いほど、図柄変動の平均時間が短くなるように設定されている。
遊技制御部200は、遊技球が始動口121、122に入賞した際に取得した変動パターン乱数値(図6のS603、S610参照)と、パチンコ遊技機100の遊技状態、リーチ演出の有無、保留数等の条件とに基づいて特別図柄の変動パターンを決定する。そして、決定された特別図柄の変動パターンの情報は、変動開始コマンドに含まれて、遊技制御部200から演出制御部300へ送られる。演出制御部300では、後述するように、特別図柄変動時の演出として、変動開始コマンドに含まれる変動パターンの情報に基づいて特定される変動時間に対応する(その変動時間で実行可能な)演出が選択されて実行される。
〔コマンドの構成および伝送方式〕
ここで、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンド(演出制御用コマンドおよび設定用コマンド)の構成および伝送方式について説明する。
図19−1は、コマンドの構成を示す図である。図19−1(a)はコマンドのデータ構造を示し、図19−1(b)はコマンドのビット列としての構造を示す。
図19−1(a)に示すように、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドは、1コマンドが2バイトで構成される。このコマンドは、第1データ部としての1バイトの「コード」と、第2データ部としての1バイトの「データ」で構成されている。「コード」は、コマンドの種類を示し、「データ」は、コマンドの値を示す。このコマンドは、1本のシリアル信号により調歩同期を用いて、遊技制御部200から演出制御部300へ送信される。なお、より一般的には、第1データ部である「コード」は、aビット(aは2以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定され、第2データ部である「データ」は、n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている。
調歩同期を用いるため、コマンドを構成する「コード」および「データ」の各々の先頭には1ビットのスタートビット(図中、「S」と記載されたビット)が設けられ、最後尾には1ビットのエンドビット(図中、「E」と記載されたビット)が設けられる。また、コマンドを構成する「コード」および「データ」の各々には1ビットのパリティビット(図中、「P」と記載されたビット)が設けられる。
図19−1(a)に示したように、コマンドを構成する「コード」と「データ」とは、どちらも1バイト(8ビット)のデータサイズを有する。そして、伝送される際、「コード」および「データ」には、それぞれ、スタートビット、エンドビットおよびパリティビットが設けられる。そのため、コマンドを受信する演出制御部300において、受信したデータ列がコマンドの「コード」であるのか「データ」であるのかを、データ列の外形から識別することは容易ではない。そこで、本実施の形態では、「コード」と「データ」とを識別するためのフラグを設定する。具体的には、「コード」を構成する8ビット値の特定箇所の値と、「データ」を構成する8ビット値のうち「コード」の特定箇所に対応する箇所の値とが異なるようにする。
図19−1(b)に示す例では、「コード」および「データ」のそれぞれの先頭の1ビットをフラグとして用いている。すなわち、「コード」を構成する8ビット値においては、先頭の1ビットの値を「1」とし、「データ」を構成する8ビット値においては、先頭の1ビットの値を「0」とする。これにより、演出制御部300は、受信したデータ列のスタートビットに続く先頭の1ビットの値を調べることにより、そのデータ列が「コード」か「データ」かを識別することができる。なお、フラグの具体的な値は例示に過ぎず、「コード」と「データ」とを識別可能であれば、上記に示す値とは異なる値を用いても良い。
ここで、「コード」は先頭の1ビットの値が「1」に特定されているので、「コード」が取り得る値の範囲は、10000000B(=80H)から11111111B(=FFH)までの128個である。なお、各値に付された文字「B」は2進数表記であることを示し、文字「H」は16進数表記であることを示す。また、「データ」は先頭の1ビットの値が「0」に特定されているので、「データ」が取り得る値の範囲は、00000000B(=00H)から01111111B(=7FH)までの128個である。すなわち、図19−1(a)、(b)に示す構成によれば、各々128種類の値を取り得る、128種類のコマンドを設定することができる。
ところで、パチンコ遊技機100では、遊技状態や特別図柄抽選の判定結果等に応じて多くの種類の演出が実行される。そのため、演出制御用のコマンドも多くのコマンド数が用意される。特に、コマンドの具体的な内容を示す値である「データ」は、上記の128個では不足することもあり得る。一方、コマンドの種類を示す「コード」は、通常、上記の128個よりも小さい数で足りる。そこで、「コード」のビット列の一部を、「データ」の値を記述するために用いることが考えられる。
例えば、「コード」の最後尾の1ビットを「データ」の値の記述に用いる場合を考える。以下、「コード」および「データ」を構成する8ビットのビット列における各ビットを、第1ビット〜第8ビットと呼ぶ。また、「コード」を構成するビット列とは別に、実際にコマンドの種類を示す「コード」の値を「コード値」と呼び、「データ」を構成するビット列とは別に、実際にコマンドの値を示す「データ」の値を「データ値」と呼ぶ。すると、コード値は、「コード」のビット列のうち、第1ビットから第7ビットまでを用いて記述され、データ値は、「データ」のビット列の全て(第1ビットから第8ビットまで)と、「コード」の第8ビットとを用いて記述される。
このように構成すれば、コード値の取り得る範囲は、第1ビットの値が「1」に特定されており、全体で7ビットのサイズであるので、1000000B(=40H)から1111111B(=7FH)までの64個である。また、データ値の取り得る範囲は、第1ビットの値が「0」に特定された「データ」の8ビットで表現される128個と「コード」の第8ビットの値「0」、「1」とを合わせて、256個である。したがって、データ値として256種類の値を持つコマンドを設定することが可能となる。
なお、「コード」の一部を用いてデータ値を記述する場合における上記の構成は例示に過ぎず、具体的なビット数や値は上記の構成例には限定されない。例えば、「コード」の第7ビットおよび第8ビットを用いてデータ値を記述するように構成しても良い。より一般的には、第1データ部である「コード」を構成する所定のビットと、第2データ部である「データ」を構成するビットとを用いて、所定の種類のデータ(データ値)が記録される。そして、第1データ部である「コード」における上記の所定のビットを除く残りのビットを用いて、所定の種類のデータ(データ値)とは異なる他の種類のデータ(コード値)が記録される。言い換えると、第2データ部である「データ」を構成するaビットと、第1データ部である「コード」を構成するbビット(bはa−1よりも小さく、1以上の整数)とを用いて、(a+b)ビットのサイズのデータ値が記録される。
また、扱うことができるデータ値の数を増やす手段としては、データ値を記述する「データ」のビット列を増やすことも考えられる。例えば、データ値を記述するビット列として、「第1データ」と「第2データ」とを用意することが考えられる。この場合、各ビット列を8ビットとすれば、合計で16ビットのビット列によりデータ値を記述することが可能となる。「第1データ」と「第2データ」とを識別するために、8ビットのビット列のうち第2ビットをフラグとして用いることにすると、例えば、「第1データ」の第1ビットおよび第2ビットを「00B」とし、「第2データ」の第1ビットおよび第2ビットは「01B」とすることができる。なお、第1ビットは、「コード」と識別するためのフラグとして値「0」となっている。すなわち、第2データ部である「データ」は、個々のデータ値を表すビット列(「第1データ」、「第2データ」、……)のサイズである8ビットごとに(より一般的には、上記aビットごとに)、先頭の1ビットの値と同じ値が設定される。
このように構成すると、「第1データ」の取り得る値の範囲は、00000000B(=00H)から00111111B(=3FH)までの64個であり、「第2データ」の取り得る値の範囲は、01000000B(=40H)から01111111B(=7FH)までの64個であるので、合計で4096(=64×64)個となる。なお、ここでは、「コード」と「データ」(「第1データ」および「第2データ」)を識別するためのフラグとして第1ビットを用い、「第1データ」と「第2データ」とを識別するためのフラグとして第2ビットを用いることとしたが、第1、第2ビットを用いて4種類のビット列を識別するためのフラグを設定しても良い。例えば、「コード」は第1、第2ビットの値を「11B」とし、「データ」は第1、第2ビットの値を「00B」、「01B」、「10B」の何れかとすることが考えられる。
〔遊技制御部のRAMにおけるコマンド出力のための構成例〕
図19−2は、RAM203におけるコマンド格納領域の構成例を示す図である。
図19−2に示すように、遊技制御部200のRAM203は、図5−3に示した主制御処理等の各種の処理により生成される個々のコマンドが割り当てられたコマンド格納領域(記憶領域)を有する。図19−2に示す例では、領域1から領域31までの31個のコマンド格納領域がRAM203に設定されている。ここで、各コマンド格納領域に対するコマンドの割り当ては、必ずしも1対1の対応関係とはならない。例えば、同時に生成されることがない複数のコマンドを、同一のコマンド格納領域に割り当てることが可能である。図19−2に示す例では、領域1、領域9、領域12、領域19、領域20、領域21、領域22、領域23、領域30に対して複数のコマンドが割り当てられており、その他のコマンド格納領域にはそれぞれ1個ずつのコマンドが割り当てられている。
図19−2に示す例において、領域1には、電源投入に関するコマンドが割り当てられている。電源投入に関するコマンドには、RAMクリア時の電源投入を制御するコマンドと、復旧時の電源投入を制御するコマンドとがある。これらのコマンドは、生成される場面が異なるので同時に生成されることがなく、いずれも領域1に割り当てられている。
領域2〜4には、第1始動口121への入賞に関する3つのコマンド(図では「始動口1入賞」と記載)が割り当てられている。第1始動口121への入賞に関するコマンドの一つは、第1始動口121への入賞に基づく事前判定(図6のS605参照)における判定(先読み)結果を示すコマンド(図では「特図1図柄先読み」と記載)であり、領域2に割り当てられている。他の一つは、判定結果と共に特定される変動パターンの先読み(事前判定)結果を示すコマンド(図では「特図1変動パターン先読み」と記載)であり、領域3に割り当てられている。さらに他の一つは、第1始動口121への入賞に基づき特別図柄抽選の保留数を更新(ここでは値を1増加)したことを示すコマンド(図では「特図1保留(+1)」と記載)であり、領域4に割り当てられている。
領域5〜7には、第2始動口122への入賞に関する3つのコマンド(図では「始動口2入賞」と記載)が割り当てられている。第2始動口122への入賞に関するコマンドの一つは、第2始動口122への入賞に基づく事前判定(図6のS612参照)における判定結果を示すコマンド(図では「特図2図柄先読み」と記載)であり、領域5に割り当てられている。他の一つは、判定結果と共に特定される変動パターンの先読み結果を示すコマンド(図では「特図2変動パターン先読み」と記載)であり、領域6に割り当てられている。さらに他の一つは、第2始動口122への入賞に基づき特別図柄抽選の保留数を更新(ここでは値を1増加)したことを示すコマンド(図では「特図2保留(+1)」と記載)であり、領域7に割り当てられている。
領域8〜10には、普通図柄抽選に関する5つのコマンド(図では、それぞれ「普図保留」、「普図種類」、「普図確定」、「普図開閉」、「普図保留」と記載)が割り当てられている。普通図柄抽選に関するコマンドのうち、「普図保留」コマンドの一つは、遊技球がゲート124を通過したことに基づき普通図柄抽選の保留数を更新(ここでは値を1増加)したことを示すコマンド(図では「普図保留(+1)」と記載)であり、領域8に割り当てられている。「普図種類」コマンドは、普通図柄抽選において、判定結果を表す普通図柄を指定し、普通図柄表示器223の変動表示を開始したことを示すコマンド(図では「普通図柄変動開始」と記載)であり、領域9に割り当てられている。「普図確定」コマンドは、普通図柄抽選において、普通図柄表示器223を停止表示させ、普通図柄抽選の判定結果を表す普通図柄を確定させたことを示すコマンド(図では「普通図柄確定」と記載)であり、領域9に割り当てられている。「普図開閉」コマンドは、普通図柄抽選の判定結果に基づき普通電動役物である電動チューリップ123を作動させること(補助遊技)を示すコマンド(図では「普電開放・閉鎖」と記載)であり、領域9に割り当てられている。「普図保留」コマンドの他の一つは、普通図柄抽選の処理が行われたことにより保留数を更新(ここでは値を1減少)したことを示すコマンド(図では「普図保留(−1)」と記載)であり、領域10に割り当てられている。
ここで、普通図柄抽選の処理において、普通図柄の変動表示、普通図柄の停止表示、補助遊技による電動チューリップ123の作動は、一連の操作として順次実行される。そして、電動チューリップ123の作動中に他の遊技球がゲート124を通過したことに基づく普通図柄の変動表示が開始されることはない(図13参照)。そのため、上記の「普図種類」、「普図確定」、「普電開閉」の3種類のコマンドは、いずれも同時に生成されることはない。そこで、図19−2に示す例では、これら3種類のコマンドを同一のコマンド格納領域(領域9)に割り当てている。
領域11〜14には、特別図柄抽選に関する9つのコマンド(図では、「特図変動」、「特図特電」と記載)が割り当てられている。特別図柄抽選に関するコマンドのうち、「特図変動」コマンドの一つは、パチンコ遊技機100の現在の遊技状態(高確率状態か低確率状態か、時短状態か時短無状態か)を示すコマンド(図では「遊技状態」と記載)であり、領域11に割り当てられている。「特図変動」コマンドの他の一つは、特別図柄抽選において、特別図柄抽選の判定結果を表す特別図柄を指定し、特別図柄表示器221、222の変動表示を開始したことを示すコマンド(図では「特図指定」と記載)であり、領域12に割り当てられている。「特図変動」コマンドのさらに他の一つは、特別図柄抽選において行われる特別図柄変動の変動パターンを特定するコマンド(図では「変動パターン」と記載)であり、領域13に割り当てられる。「特図変動」コマンドのさらに他の一つは、特別図柄抽選の処理が行われたことにより保留数を更新(ここでは値を1減少)したことを示すコマンド(図では「特図保留(−1)」と記載)であり、領域14に割り当てられている。
一方、「特図特電」コマンドの一つは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを示すコマンド(図では「客待ち」と記載)であり、領域12に割り当てられている。「特図特電」コマンドの他の一つは、特別図柄抽選の判定結果に基づき特別電動役物である大入賞口125を作動させること(特別遊技、大当たり遊技)を示すコマンド(図では「特電開放」と記載)であり、領域12に割り当てられている。「特図特電」コマンドのさらに他の一つは、大当たり遊技のオープニング動作が開始されたことを示すコマンド(図では「大当たりOP」と記載)であり、領域12に割り当てられている。「特図特電」コマンドのさらに他の一つは、大当たり遊技のエンディング動作が開始されたことを示すコマンド(図では「大当たりED」と記載)であり、領域12に割り当てられている。「特図特電」コマンドのさらに他の一つは、特別図柄表示器221、222を停止表示させ、特別図柄抽選の判定結果を表す特別図柄を確定させたことを示すコマンド(図では「特図確定」と記載)であり、領域12に割り当てられている。
ここで、特別図柄抽選の処理において、特別図柄の変動表示、特別図柄の停止表示、特別遊技による大入賞口125の作動は、一連の操作として順次実行される。そして、特別遊技の実行中に他の遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示が開始されることはない(図8参照)。また、大当たり遊技では、オープニング動作、大入賞口125の作動、エンディング動作が、一連の操作として順次実行される。そのため、上記の「特図変動」コマンドにおける「特図指定」コマンドおよび5種類の「特図特電」コマンドは、いずれも同時に生成されることはない。そこで、図19−2に示す例では、これら6種類のコマンドを同一のコマンド格納領域(領域12)に割り当てている。
領域15〜18には、スイッチ検出に関する4つのコマンド(図では「スイッチ通過」と記載)が割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドの一つは、遊技領域111の左側のゲート124Lを遊技球が通過したことを示すコマンド(図では「左ゲート通過」と記載)であり、領域15に割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドの他の一つは、遊技領域111の右側のゲート124Rを遊技球が通過したことを示すコマンド(図では「右ゲート通過」と記載)であり、領域16に割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドのさらに他の一つは、第2始動口122に遊技球が入賞したことを示すコマンド(図では「始動口SW2通過(電チュー)」と記載)であり、領域17に割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドのさらに他の一つは、大入賞口125に遊技球が入賞したことを示すコマンド(図では「大入賞口入賞」と記載)であり、領域18に割り当てられている。
領域19〜30には、エラーに関するコマンド(図では「エラー」と記載)が割り当てられている。パチンコ遊技機100の遊技制御部が検出するエラーとしては、例えば、払出球が皿153(図1、図2(b)参照)に一杯になったことを示す満タンエラー、枠部材150の前面枠が開状態となっていることを示す扉開放エラー、払い出しユニットによる遊技球の払い出しができなくなったことを示す払い出しエラー、ゲートスイッチ214や始動口スイッチ211、212等の各種の検知スイッチが未接続となっていることを示すスイッチ未接続エラー等がある。図19−2に示す例では、これらのエラーが、それぞれ領域19〜23に割り当てられている。また、エラーごとに、各エラーが発生したことを示すコマンド(図では「〜エラー開始」と記載)と、各エラーが解消したことを示すコマンド(図では「〜エラー終了」と記載)とが、同一のコマンド格納領域に割り当てられている。
この他、パチンコ遊技機100の仕様や機能に応じて種々の制御項目やエラー項目を設定し、制御項目に応じたコマンド、エラーが発生したことを示すコマンド、エラーの種類によってはエラーが解消したことを示すコマンド等を生成するように構成して良い。そして、これらのコマンドを、コマンド格納領域に適宜割り当てることができる。図19−2に示す例では、領域24〜30に、種々のエラーに関するコマンドが個別に割り当てられている。また、領域31に、特定の入賞を検出して通知するためのコマンド(図では「入賞通知指定」と記載)が割り当てられている。
以上のように、遊技制御部200のRAM203に設けられたコマンド格納領域は、1つのコマンド格納領域に対して一種類または複数種類のコマンドが対応付けられている。そして、図5−3に示した主制御処理において、遊技制御部200は、生成したコマンドを、そのコマンドに対応付けられているコマンド格納領域に格納していく。
ここで、主制御処理では、1サイクルの処理が実行される度に、必ずしも全てのコマンドが生成される訳ではない。例えば、第1始動口121や第2始動口122への入賞がないときは、上記の始動口121、122への入賞に関するコマンドや「特図変動」コマンドは生成されない。また、普通図柄抽選に関するコマンドのうちの「普図開閉」コマンドや「特図特電」コマンドは、これらの電動役物を作動させるべきタイミングでなければ生成されない。また、エラーの発生に関するコマンドは、そもそもエラーが発生していなければ生成されない。
したがって、主制御処理の出力処理(図5−3のS506参照)が行われる際には、通常、RAM203に設けられたコマンド格納領域のうち、いくつかのコマンド格納領域にはコマンドが格納されており、他のコマンド格納領域にはコマンドが格納されていない状態となる。
〔コマンドの出力動作〕
図19−3は、出力制御部240による出力処理の内容を示すフローチャートである。
本実施の形態では、出力制御部240は、図19−2に示したRAM203のコマンド格納領域の上から順に(領域番号の順に)着目し、各コマンド格納領域に格納されているコマンドを出力する。
図19−3に示すように、遊技制御部200の出力制御部240は、まず、RAM203に設けられたコマンド格納領域のうち、先頭のコマンド格納領域(図19−2に示す例では領域1)に着目し(S221)、コマンドが格納されているか否かを調べる(S222)。そして、コマンドが格納されているならば(S222でYes)、出力制御部240は、格納されているコマンドを読み出して演出制御部300へ出力する(S223)。
着目したコマンド格納領域(初期的には領域1)にコマンドが格納されていなかった場合(S222でNo)、またはS223でコマンド格納領域に格納されていたコマンドを出力した後、出力制御部240は、次の領域番号のコマンド格納領域が有るか否かを調べる(S224)。次のコマンド格納領域が有る場合(S224でYes)、出力制御部240は、そのコマンド格納領域に着目し(S225)、S222へ戻って、コマンドの有無の確認(S222)、出力(S223)を繰り返す。そして、最後のコマンド格納領域(図19−2に示す例では領域31)に対して処理を行ったならば、次の領域番号のコマンド格納領域が無いので(S224でNo)、出力処理を終了する。
〔コマンドの出力順の設定〕
主制御処理においては、図6乃至図16を参照して説明した各処理においてコマンドが生成されると、通常、直ちに生成されたコマンドがRAM203の対応するコマンド格納領域に格納される。すなわち、コマンド格納領域へのコマンドの格納は、一般に、コマンドが生成された順に行われる。
一方、図19−3を参照して説明したように、出力制御部240による出力処理では、一定の順序(上記の例では領域番号の順)で各コマンド格納領域に着目し、格納されているコマンドを出力する。すなわち、コマンドの出力は、コマンドが生成された順に関わらず、予め定められた特定の順序で行われる。これは、コマンドに基づく演出制御部300の演出制御において混乱を防ぐために、特定のコマンドに関しては特定の順序で演出制御部300に送信されることが望ましい場合があるためである。すなわち、詳しくは後述するが、演出制御部300は遊技制御部200から受信した順にコマンドに基づく演出制御を実行するため、コマンドを受信する順番が異なることによって、演出制御に矛盾が生じる等の混乱が生じる場合があるので、これを防止する必要がある。
〔演出制御部の動作〕
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図19−4は、演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図19−4(a)に示すメイン処理と、図19−4(b)に示す割り込み処理とからなる。図19−4(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(S1901)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(S1902)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(S1903)、割り込み処理を受け付ける。
割り込み処理は、S1902で設定された周期にしたがって定期的に行われる。図19−4(b)を参照すると、この割り込み処理において、演出制御部300は、遊技制御部200からのコマンドを受信してコマンド受信処理を行う(S1911)。このコマンド受信処理において、演出パターンが選択される。また、演出制御部300は、遊技者による演出ボタン161等の操作を受け付けるための演出ボタン処理を行う(S1912)。この後、演出制御部300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信するコマンド送信処理を行う(S1913)。これにより、画像表示部114への画像表示や音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等による演出が行われる。
〔演出制御部によるコマンド受信処理〕
図20は、コマンド受信処理(図19−4(b)のS1911)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、事前判定結果コマンドを受信したか否かを判断し(S2001)、事前判定結果コマンドを受信したのであれば(S2001でYes)、さらに、保留数増加コマンドを受信したか否かを判断する(S2002)。なお、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図6に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(S606、S607、S613、S614)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信されたものである。
そして、演出制御部300は、保留数増加コマンドを受信したと判断した場合(S2002でYes)、RAM303に保持されている保留数の値を1加算する(S2003)。さらに、演出制御部300は、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドに基づいて、演出選択処理を行う(S2004)。なお、演出選択処理の内容については後に説明する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドでない場合(S2001およびS2002でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが変動開始コマンドか否かを判断する(S2005)。この変動開始コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(S811)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(S2005でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(S2006)。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンドおよび変動開始コマンドでない場合(S2001、S2002およびS2005でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが変動停止コマンドか否かを判断する(S2007)。この変動停止コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(S814)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(S2007でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(S2008)。変動演出終了中処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンド、変動開始コマンドおよび変動停止コマンドでない場合(S2001、S2002、S2005、S2007でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるオープニングを開始するためのオープニングコマンドか否かを判断する(S2009)。このオープニングコマンドは、図11に示した停止中処理においてセットされ(S1118)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(S2009でYes)、演出制御部300は、大当たり演出選択処理を実行する(S2010)。大当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンドおよびオープニングコマンドでない場合(S2001、S2002、S2005、S2007およびS2009でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるエンディングを開始するためのエンディングコマンドか否かを判断する(S2011)。このエンディングコマンドは、図14に示した大入賞口処理においてセットされ(S1413)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(S2011でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(S2012)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンドおよびエンディングコマンドでない場合(S2001、S2002、S2005、S2007、S2009およびS2011でNo)、次に演出制御部300は、受信したコマンドが客待ち状態に移行するための客待ちコマンド受信処理を実行する(S2013)。客待ちコマンド受信処理の詳細については後述する。
図21は、モードフラグの設定例を示す図である。
演出制御部300により演出が行われる場合、設定される演出モードに基づき、種々の演出パターンが選択されて実行される。この演出モードは、RAM303にセットされるモードフラグによって決定される。ここで、モードフラグは、0〜4の値のいずれかが設定されており、それぞれAモードからEモードまでの5種類の演出モードが割り当てられている。なお、モードフラグは、特別図柄抽選の抽選結果または特別図柄抽選の抽選回数に応じて設定される。
高確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ1が、低確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ2が、高確率図柄Bおよび低確率図柄Bの大当たりにはモードフラグ3が、潜確図柄の大当たりおよび小当たりにはモードフラグ4が、それぞれ割り当てられている。ここで、これらの図柄の種類は、図17(b)に示したものと同様である。何れの大当たりにもモードフラグ0は割り当てられていない。なお、モードフラグ1〜4において、特別図柄抽選を所定回数実行することでモードフラグ0が設定される。
さらに、図21に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。
図22は、図20の演出選択処理(S2004、S2006)の内容を示すフローチャートである。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず、遊技制御部200のRAM203から受信した事前判定結果コマンドを解析する(S2201)。さらに、演出制御部300に事前判定情報は、遊技制御部200のRAM203から受信した保留数増加コマンドを解析する(S2202)。そして、演出制御部300は、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドに基づいて、事前判定演出パターンを選択する(S2203)。
ここで、事前判定演出パターンとしては、特別図柄処理による乱数の判定結果の報知の以前に、その特別図柄処理による乱数の判定結果を予告するような各種の演出パターンを設けることができる。例えば、保留表示に事前判定結果を反映させる場合には、大当たり乱数の判定結果に基づいて保留表示を行う保留表示演出を事前判定演出パターンとして設けることができる。その他、複数の図柄変動を跨ぐように連続的に演出を行う所謂連続予告などの演出パターンも事前判定演出パターンとして設けることができる。
そして、演出制御部300は、加算後の保留数の値と、演出選択処理において選択された事前判定演出パターンの情報とが含まれる保留数コマンドをRAM303にセットする(S2204)。なお、保留数コマンドには、CPU311に対して選択された事前判定演出パターンを通知するために、当該パターンを示す情報が含まれる。CPU311は保留数コマンドを受信することで、選択された事前判定演出パターンに対応する画像や音響をVDP314に描画、出力処理させるためのディスプレイリスト等の作成を行う。VDP314は当該ディスプレイリスト等に基づいて、選択された事前判定演出パターンを表すための画像データや音響データをCGROM315やSNDROM316から読み出して、事前判定演出を画像表示部114やスピーカ156を用いて表現する。
なお、演出選択処理において、受信したコマンドが、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドのいずれでもなければ、S2201〜S2204の処理は行われない。
そして、演出制御部300は、受信した変動開始コマンドを解析する(S2205)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照し(S2206)、RAM303に保持されている保留数の値を1減算する(S2207)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)およびモードフラグにより決定される演出モードに基づき、その演出モードで画像表示部114に表示する画像による図柄変動の変動演出パターンを選択する(S2208)。
最後に、演出制御部300は、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM303にセットする(S2209)。なお、変動演出開始コマンドには、CPU311に対して選択された変動演出パターンを通知するために、当該パターンを示す情報が含まれる。CPU311は保留数コマンドを受信することで、選択された変動演出パターンに対応する画像や音響をVDP314に描画、出力処理させるためのディスプレイリスト等の作成を行う。VDP314は当該ディスプレイリスト等に基づいて、選択された変動演出パターンを表すための画像データや音響データをCGROM315やSNDROM316から読み出して、変動演出を画像表示部114やスピーカ156を用いて表現する。
詳述しないが、S2208における図柄変動の変動演出パターンの選択処理では、演出モードと変動パターンと演出乱数(図19−4のS1903において更新されている乱数の一つであり、変動開始コマンド受信時に演出乱数値を取得している)とに基づいて変動演出パターンが決定される。ここで決定された変動演出パターンに基づいて、装飾図柄の変動表示、背景演出および予告演出が決定される。なお、装飾図柄の変動表示とは、第1特別図柄表示器221または第2特別図柄表示器222で行われる特別図柄の変動表示に伴い、画像表示部114にて行われる演出表示である。この装飾図柄の変動表示において、リーチ演出等が実行される。
図23は、図20の変動演出終了中処理(S2008)の内容を示すフローチャートである。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず受信した変動停止コマンドを解析する(S2301)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(S2302)。そして、演出制御部300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が大当たりまたは小当たりか否かを判断する(S2303)。大当たりまたは小当たりである場合は(S2303でYes)、その大当たりの種類または小当たりに応じて、図21に示した設定例に基づきRAM303にセットされているモードフラグを変更する(S2304)。
一方、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりまたは小当たりでない場合(S2303でNo)、次に演出制御部300は、モードフラグの値が0か否かを調べる(S2305)。モードフラグが0でない場合(S2305でNo)、演出制御部300は、パラメータMを1減算し(S2306)、Mの値が0になったか否かを調べる(S2307)。Mの値が0になったならば(S2307でYes)、演出制御部300は、モードフラグを0に設定する(S2308)。
S2305でモードフラグが0であった場合(S2305でYes)、S2307でパラメータMの値が0にならなかった場合(S2307でNo)、またはS2308でモードフラグを0に設定した後、あるいはS2304でモードフラグを変更した後、演出制御部300は、図柄変動の演出の終了を指示するための変動演出終了コマンドをRAM303にセットして、変動演出終了中処理を終了する(S2309)。ここで、図21を参照すると、S2304でモードフラグを変更した場合は、変動演出終了後の演出モードは大当たりの種類に応じた演出モードとなる。また、S2305でモードフラグが0であった場合およびS2308でモードフラグを0に設定した場合は、変動演出終了後の演出モードはAモードとなる。また、S2307でパラメータMの値が0にならなかった場合は、これまでの演出モードが継続される。
図24は、図20の大当たり演出選択処理(S2010)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(S2401)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(大当たり演出パターン)を選択する(S2402)。そして、演出制御部300は、選択した大当たり演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する大当たり演出開始コマンドをRAM303にセットして、大当たり演出選択処理を終了する(S2403)。これにより、大当たり中の演出が決定される。
図25は、図20のエンディング演出選択処理(S2012)の内容を示すフローチャートである。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンドを解析し(S2501)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(S2502)。そして、演出制御部300は、選択したエンディング演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM303にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(S2503)。
図26は、図20の客待ちコマンド受信処理(S2013)の内容を示すフローチャートである。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(S2601)。客待ちコマンドを受信した場合(S2601でYes)、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(S2602)、RAM303において計測フラグをONにする(S2603)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合(S2601でNo)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(S2604)。計測フラグがOFFであれば(S2604でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
計測フラグがONである場合(S2604でYesまたはS2603でONにした後)、次に演出制御部300は、計測時間があらかじめ定められたタイムアップ時間に達したか否かを判断する(S2605)。タイムアップしていない場合(S2605でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。一方、タイムアップした場合(S2605でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグをOFFにし(S2606)、客待ち演出を行うための客待ち演出コマンドをRAM303にセットして客待ちコマンド受信処理を終了する(S2607)。
以上のようにしてコマンド受信処理が完了すると、RAM303には、変動演出開始コマンド、変動演出終了コマンド、大当たり演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、客待ち演出コマンドの何れかがセットされている。
図27は、演出ボタン処理(図19−4(b)のS1912)の内容を示すフローチャートである。
この演出ボタン処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン161等の操作手段が操作されたか否かを判断する(S2701)。ここで、操作手段の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
演出ボタン161等の操作手段が操作されたならば(S2701でYes)、演出制御部300は、操作手段の操作内容を示す情報を含む演出ボタンコマンドをRAM303にセットして演出ボタン処理を終了する(S2702)。
この後、演出制御部300は、図19−4(b)のコマンド送信処理(S1913)を行って、上記のコマンド受信処理および演出ボタン処理でRAM303にセットされたコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信する。そして、画像/音響制御部310およびランプ制御部320が、受信したコマンドに基づき、画像表示部114への画像表示、音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等を制御して、設定された演出を実行する。
〔事前判定に基づく予告演出〕
次に、本実施の形態による事前判定に基づく予告演出について説明する。
本実施の形態では、図6を参照して説明したように、第1始動口121(図1または図3参照)に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211(図3参照)がONとなった場合、および第2始動口122(図1または図3参照)に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212(図3参照)がONとなった場合に、乱数の判定(図8のS808、S809参照)が行われる以前に、事前判定処理により事前判定を行う(図6のS605、S612参照)。
また、本実施の形態では、上記の事前判定の結果に基づいて、判定結果を遊技者に示唆する予告演出(示唆演出)を行う。この予告演出は、事前判定が行われた入賞球(保留球)に対する図柄変動よりも先に行われる他の入賞球に対する図柄変動の際に実行される。本実施の形態では、保留球は、一つの始動口(第1始動口121または第2始動口122)につき4個を上限としている(図6参照)。また、第2始動口122の保留球の消化を優先するものとする。この場合、例えば、第2始動口122のある保留球について事前判定を行った場合、その保留球についての図柄変動が行われる前に、現在変動中の変動(当該変動と呼ぶ)を含め、最大で4個の入賞球についての図柄変動が行われることとなる。事前判定が行われた保留球に係る予告演出において、その保留球についての図柄変動が行われる前に複数回の図柄変動が行われる場合、その複数回の図柄変動にまたがる予告演出を行っても良い。
〔予告演出を行うための遊技制御部のRAMおよび演出制御部のRAMの構成〕
このような事前判定に基づく予告演出を実行するために、本実施の形態における遊技制御部200のRAM203および演出制御部300のRAM303は、以下のような構成を有する。
図28は、本実施の形態に係る遊技制御部200のRAM203(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。図28(a)は、記憶領域204の構成を示すブロック図であり、図28(b)は、図28(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図28(a)に示すように、RAM203は、大当たり乱数抽選により取得した大当たり乱数を記憶する特別図柄保留記憶領域としての記憶領域204を備えている。この記憶領域204は、第1始動口121の保留数と第2始動口122の保留数の最大値に対応する8つの記憶部を有している(各保留数の上限値が4の場合)。具体的に説明すると、記憶領域204は、第1記憶部204a、第2記憶部204b、第3記憶部204c、第4記憶部204d、第5記憶部204e、第6記憶部204f、第7記憶部204g、第8記憶部204hを有している。
また、図28(b)に示すように、これらの記憶部204a〜204hの各々は、入賞した始動口(第1始動口121または第2始動口122)の別を表す情報が記憶される領域と、取得された大当たり乱数が記憶される領域と、図柄乱数が記憶される領域と、リーチ乱数が記憶される領域と、変動パターン乱数が記憶される領域と、を有する。すなわち、記憶部204a〜204hの各々には、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数が記憶される。
ここで、各乱数は、第1記憶部204aから順に記憶していく。より具体的に説明すると、例えば、第1記憶部204a〜第8記憶部204hの何れにも乱数が記憶されていないときには、取得した乱数が第1記憶部204aに記憶されることになる。また、例えば、第1記憶部204a〜第4記憶部204dに乱数がすでに記憶されているときには、取得した乱数が第5記憶部204eに記憶されることになる。
図29は、本実施の形態に係る演出制御部300のRAM303(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。図29(a)は、保留記憶領域305、306の構成を示すブロック図であり、図29(b)は、図29(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図29(a)に示すように、RAM303は、保留球が保留されている状況を記憶する保留状況記憶領域としての第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306を備えている。この第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306は、第1始動口121への入賞に対する保留および第2始動口122への入賞に対する保留にそれぞれ対応しており、各々4つの記憶部を有している。具体的には、第1保留記憶領域305は、第1記憶部305a、第2記憶部305b、第3記憶部305c、第4記憶部305dを有している。また、第2保留記憶領域306は、第1記憶部306a、第2記憶部306b、第3記憶部306c、第4記憶部306dを有している。
また、図29(b)に示すように、これらの記憶部305a〜305d、306a〜306dの各々は、保留フラグをON/OFFする保留フラグ記憶領域と、報知フラグをON/OFFする報知フラグ記憶領域と、を有している。保留フラグは、各記憶部305a〜305d、306a〜306dごとに保留球の有無を識別するためのフラグである。すなわち、例えば第1始動口121への入賞による保留数が3である場合、第1〜3記憶部305a、305b、305cの3つの保留フラグ記憶領域において、保留フラグがONとなる。報知フラグは、個々の保留球に関して事前判定結果に基づいて予告演出を行うと決定されたことを識別するためのフラグである。すなわち、例えば上記3つの保留球に対して事前判定処理(図6のS605、S612および後述の図30参照)が行われ、3番目の保留球に対して予告演出を行うと決定された場合、第3記憶部305cの報知フラグ記憶領域において、報知フラグがONとなる。
すなわち、RAM203およびRAM303は、遊技制御部200および演出制御部300において、所定数を限度として所定の始動条件の成立に基づく始動情報である保留情報を記憶する記憶手段として機能する。また、遊技制御部200は、この始動情報である保留情報に基づいて、この始動情報に対応する前記始動条件の成立を契機とする特別図柄判定部234の判定が行われる前に、特別遊技状態に移行するか否かに関する事前判定処理を行う事前判定手段である。演出制御部300は、事前判定結果を予告(示唆)するための予告演出を行う演出制御手段である。
また、特に図示しないが、図28(a)に示した構成とは別に、RAM203は、事前判定情報が記憶される領域(以下、事前判定情報格納領域)を有する。事前判定情報とは、上記の各乱数に基づく事前判定処理(図6のS605、S612参照)によって得られた情報である。事前判定情報の内容は、特別図柄処理(図8参照)における各種の判定結果として得られる情報と同様であり、具体的には、大当たりの種類(大当たり、小当たり、はずれ)、大当たりであった場合にはその大当たりの種類、演出の内容はリーチ有り演出であるのかリーチ無し演出であるのか、変動パターン(変動時間)の内容といったことを示すための情報である。
〔事前判定処理〕
次に、事前判定処理(図6のS605、S612参照)について詳細に説明する。
本実施の形態における事前判定処理では、遊技制御部200では、図17や図18を参照しながら説明した乱数の構成例と同様の乱数テーブルを用いて以下のとおり事前判定を行う。
図30は、本実施の形態に係る事前判定処理(図6のS605、S612)の内容を示すフローチャートである。
図30に示すように、遊技制御部200は、まず、遊技状態が高確率状態か否かを判断し(S3001)、高確率状態であると判断すると(S3001でYes)、高確率状態用のテーブルを選択して、大当たり乱数および大当たり図柄乱数の事前判定を行う(S3002)。一方、S3001でNoと判断した場合には、低確率状態用のテーブルを選択して、大当たり乱数および大当たり図柄乱数の事前判定を行う(S3003)。
S3002またはS3003の大当たり乱数および大当たり図柄乱数の事前判定の後、遊技制御部200は、遊技状態が時短状態か否かを判断し(S3004)、時短状態であると判断すると(S3004でYes)、時短状態用のテーブルを選択して、リーチ乱数の事前判定を行う(S3005)。さらに、時短状態用のテーブルを選択して、変動パターン乱数の事前判定を行う(S3006)。
一方、S3004でNoと判断した場合には、時短無状態用のテーブルを選択して、リーチ乱数の事前判定を行う(S3007)。さらに、時短無状態用のテーブルを選択して、変動パターン乱数の事前判定を行う(S3008)。
この後、遊技制御部200は、上述のとおり得られた大当たり乱数の事前判定の結果、大当たり図柄乱数の事前判定の結果、リーチ乱数の事前判定の結果、および変動パターンの事前判定の結果を、事前判定情報として事前判定情報格納領域に記憶する(S3109)。さらに、演出制御部300に事前判定情報を送信するために、事前判定情報を含む事前判定結果コマンドをRAM203にセットする(S3010)。
ここで、上述の事前判定は、始動口121、122への遊技球の入賞に応じて取得された乱数値(図6のS603、S610参照)と、大当たり判定処理で用いられる判定テーブル(図17参照)と同様の構成の判定テーブルとを用いて行った。すなわち、使用する判定テーブルを選択した後の判定自体は、大当たり判定処理における判定(図9のS901参照)と同様である。そこで、本実施の形態では、特別図柄処理(図8参照)で用いた大当たり判定処理のサブルーチン(図8のS808および図9参照)を呼び出し、上記の事前判定における乱数の判定を行う。
このような構成としたことにより、本実施の形態では、事前判定処理における乱数の判定を行うために、大当たり判定処理とは別に乱数を判定する処理機能(サブルーチン)を用意する必要がない。そのため、制御命令の数を削減し、大当たり判定処理および事前判定処理に関するプログラムのサイズの増大を抑制することができる。また、上記のように、事前判定に用いる判定テーブルを大当たり判定で用いる判定テーブルと同様の構成とする場合には、大当たり判定で用いる判定テーブルを事前判定においても用いるようにしても良い。
また、ここでは特別図柄抽選に関する事前判定(大当たりか否か)についてのみ説明したが、本実施の形態では、特別図柄の変動表示および停止表示を行う際の変動パターンについても、先読み(事前判定)を行う。特別図柄抽選における変動パターンの選択は、始動口121、122への遊技球の入賞に応じて取得された変動パターン選択用の乱数値(図6のS603、S610参照)と変動パターンテーブル(図18参照)とを用いて行われる(図8のS809および図10参照)。したがって、変動パターンの先読みにおいても、入賞時に取得した変動パターン選択用の乱数値と、特別図柄処理の変動パターン選択処理で用いた変動パターンテーブルと同様の構成の先読みテーブルを用いて、選択される変動パターンを先読みすることができる。
この場合、変動パターン選択処理で選択される変動パターンを先読みするために、特別図柄処理(図8参照)で用いた変動パターン選択処理のサブルーチン(図8のS809および図10参照)を呼び出して用いることができる。また、変動パターン選択の先読みに用いる先読みテーブルに関しても、特別図柄処理の変動パターン選択処理で用いられる変動パターンテーブルを用いて良い。このように構成すれば、変動パターン選択の先読みに関する制御命令の数を削減し、プログラムのサイズの増大を抑制することができる。
なお、事前判定処理と特別図柄変動時の大当たり判定処理とを、同様の判定テーブル群を用い同じサブルーチンにて行った場合、各処理の実行時が異なるために、事前判定結果と特別図柄変動時の大当たり判定処理による判定結果とが異なる場合があり得る。すなわち、事前判定処理の実行後、特別図柄変動開始時までにパチンコ遊技機100の遊技状態(高確率状態か低確率状態か、時短状態か時短無状態か)が変化した場合である。この場合、判定テーブルは遊技状態に応じて異なる種類のものが用いられるため、事前判定処理の実行時と大当たり判定処理の実行時とでは、判定に用いられる具体的な判定テーブルが異なることになる。そのため、始動口121、122への入賞時に獲得した同一の乱数値を使用しても、事前判定結果と大当たり判定処理の判定結果と異なる場合がある。このような場合、演出制御部300において、事前判定処理の実行後、特別図柄変動の開始時までに遊技状態が変化する場合は、事前判定結果に基づく演出を不実行とする(禁則)制御等を行っても構わない。
〔可動役物115〕
次に、可動役物115について説明する。本実施の形態では、可動役物115がタイトル役物4およびセンター役物6を備えている(図1参照)。以下、タイトル役物4およびセンター役物6について説明する。
〔タイトル役物4〕
次に、可動役物115が備えるタイトル役物4について説明する。
図31は、タイトル役物4の斜視図である。
図31に示すように、タイトル役物4は、右側タイトル役物4Aおよび左側タイトル役物4Bを有する。この右側タイトル役物4Aおよび左側タイトル役物4Bは、遊技者からみて、画像表示部114を挟む位置で対向して設けられる。さらに説明をすると、右側タイトル役物4Aおよび左側タイトル役物4Bの各々は、画像表示部114の左側および右側に設けられる。
右側タイトル役物4Aおよび左側タイトル役物4Bの各々は、駆動源である第1モータ(ステッピングモータ)M1が設けられた支持体40A、40Bと、この支持体40A、40Bによって支持される演出体50A、50Bとを有する。詳細は後述するが、この演出体50A、50Bは、第1モータM1の駆動力を受けることにより、上下方向において移動可能であり、かつ前側の面と後側の面とが入れ替わるように回転可能である。
支持体40A、40Bは、略直方体状の部材であり、各々の長手方向が上下方向に沿うように配置される。
演出体50A、50Bは、左右方向において互いに離間して配置される。また、演出体50A、50Bは、各々の左右方向の端部を支持体40A、40Bによって支持されるように設けられる。さらに説明をすると、演出体50A、50Bは、左右方向の両側を支持体40A、40Bによって挟まれて配置される。
ここで、演出体50A、50Bの各々は、板状(略直方体)の部材であり、両面に文字の造形を有する。図31の実線で示す状態においては、演出体50Aは前側の面に「信玄」の造形を有し、演出体50Bは前側の面に「武田」の造形を有する。これらにより形成される「武田信玄」の文字列は、パチンコ遊技機100の機種を示す文字列、所謂タイトルロゴである。言い替えると、演出体50A、50Bは、同一の観念を示す文字列の造形を各々有する。
また、図31における演出体50Aは後側の面に「火山」の造形を有し、演出体50Bは後側の面に「風林」の造形を有する(同図の破線で示す演出体50A、50B参照)。これらにより形成される「風林火山」の文字列は、パチンコ遊技機100のタイトルである「武田信玄」に関連する観念を形成する文字列である。言い替えると、演出体50A、50Bの各々は、表裏で互いに関連する観念を形成する造形を備える。なお、ここでの造形とは、演出体50A、50Bの外周面に形成された凹凸だけでなく、凹凸のない線や色により形成することや、凹凸、線、あるいは色を組み合わせることにより形成してもよい。
また、演出体50A、50Bの各々は、互いが対向する面に切り欠き(凹部)502(502A、502B)を有する。ここで、演出体50A、50Bにおける切り欠き502A、502B各々の位置は、互いに一致する。より具体的には、図31の実線で示す状態の演出体50A、50Bにおいては、上下方向下側の端部に形成されている。
さて、右側タイトル役物4Aおよび左側タイトル役物4Bは、左右方向における構成(配置)が互いに入れ替わった関係であり、基本的な構成および機能は互いに一致するように構成されている。さらに説明をすると、右側タイトル役物4Aおよび左側タイトル役物4Bの演出体50A,50Bに形成されている文字が互いに異なる点、および支持体40A、40Bにおける第1モータM1の位置など詳細のレイアウトが互いに異なる点を除き、右側タイトル役物4Aおよび左側タイトル役物4Bは、概ね鏡像の関係にある。
なお、以下の説明における、右側タイトル役物4Aおよび左側タイトル役物4Bを区別しない場合には、支持体40Aおよび支持体40Bを単に支持体40とし、演出体50Aおよび演出体50Bを単に演出体50とすることがある。また、右側タイトル役物4Aおよび左側タイトル役物4Bのうち、右側タイトル役物4Aについてのみ説明し、左側タイトル役物4Bについての説明を省略することがある。
〔タイトル役物4の動作1〕
図32は、タイトル役物4の動作を説明する図である。より詳細には、図32(a)は上側位置にある演出体50A、50Bを示し、図32(b)は回転可能位置にある演出体50A、50Bを示し、図32(c)は下側位置にある演出体50A、50Bを示す。
次に、図32を参照しながら、タイトル役物4の動作を説明する。
タイトル役物4は、第1モータM1を駆動させることにともない、図32(a)に示す状態から、図32(b)に示す状態を経て、図32(c)に示す状態へと変化する。なお、上記のように右側タイトル役物4Aおよび左側タイトル役物4Bは各々第1モータM1を有し別々に動作することが可能であるが、同図の例においては、この2つの第1モータM1は互いに同期しながら駆動するものとする。
タイトル役物4の動作を具体的に説明をすると、まず図32(a)に示す状態においては、演出体50A、50Bの各々は、上下方向における可動域の上端(上側位置、図中位置P1参照)に配置される。このとき演出体50A、50Bは、左右方向に並び「武田信玄」の文字列を形成する。
上側位置にある演出体50A、50Bは、各々の第1モータM1から駆動を受け下側に移動する(図中矢印参照)。なお、この演出体50A、50B各々の移動方向は、同一の方向(同一の向き)である。
そして、図32(b)に示すように、演出体50A、50Bは、上側位置よりも下側の回転可能位置(図中位置P2参照)に配置される。演出体50A、50Bは、この位置においても、図32(a)と同様に左右方向に並び「武田信玄」の文字列を形成する。
回転可能位置にある演出体50A、50Bは、第1モータM1の駆動を受けて、各々回転する。なお、この演出体50A、50B各々の回転運動は、同一の方向(同一の向き)である。
そして、図32(c)に示すように、演出体50A、50Bは、回転可能位置から上下反転した状態である下側位置(図中位置P3参照)に配置される。演出体50A、50Bは、この位置において左右方向に並び「風林火山」の文字列を形成する。すなわち、演出体50A、50Bが回転可能位置から下側位置に移動することにより、演出体50A、50Bが形成する文字列が「武田信玄」(図32(b)参照)から「風林火山」(図32(c)参照)へと切り替わる。
なお、詳細な説明は省略するが、第1モータM1を上記の説明と反対向きに駆動させることにより、図32(c)に示す状態から、図32(b)に示す状態を経て、図32(a)に示す状態へと戻る。
また、図示の例においては、演出体50A、50Bは、上昇および下降(落下)のいずれの動作を行う際にも、第1モータM1の駆動を受ける。この構成により、例えば演出体50A、50Bの自重で演出体50A、50Bを移動させる態様と比較して、第1モータM1の回転速度に応じて演出体50A、50Bの移動速度を定めることが可能となる。
ここで、図示の例とは異なり、演出体50A、50Bを左右方向に延びる長尺状の役物として一体で形成する構成も考えられ得る。しかしながら、このように長尺状の役物とすると、例えば長尺状の役物における左右両端の回転タイミングにずれが生じた場合、長尺状の役物が捩れ、第1モータM1の脱調を起こすなどの不具合が発生する可能性がある。しかしながら、図示の例においては演出体50A、50Bを別体として構成したことにより、このような不具合の発生が抑制される。
また、以下の説明においては、図32(a)および(b)に示すように、演出体50A、50Bが「武田信玄」の文字列を前側に向ける状態を「第1面表示状態」とし、図32(c)に示すように、演出体50A、50Bが「風林火山」の文字列を前側に向ける状態を「第2面表示状態」とすることがある。
また、図示の例においては、演出体50A、50Bは、上側位置で第1面表示状態となり、下側位置で第2面表示状態となる。すなわち、演出体50A、50Bは、上側位置および下側位置の間における移動にともない前側に向ける文字列を変化させる。
なお、ここでは2つの第1モータM1は互いに同期しながら駆動することを説明した。ここで、同期しながらの駆動とは、2つの第1モータM1が同一のタイミングで駆動を開始し、同一のタイミングで駆動を終了させることを意味するが、演出体50A、50Bが同じ動作をしていると遊技者が認識する程度であれば、各々のタイミングがずれてもよい。また同期しながら駆動する態様とは異なり、2つの第1モータM1のタイミングをずらすことにより、演出体50A、50Bが順に動作するような態様としてもよい。
〔タイトル役物4の漸進動作〕
図33は、タイトル役物4の漸進動作を説明する図である。
次に、図33を参照しながら、タイトル役物4の漸進動作を説明する。
上記図32の説明において、演出体50A、50Bが上側位置(図中位置P1参照)と回転可能位置(図中位置P2参照)との間で移動することを説明した。そして、この演出体50A、50Bの上側位置および回転可能位置の間の移動は、途中で停止することなく実行される。一方で、それ以外の移動態様として、一方向への移動と停止とを繰り返しながら徐々に進んでもよい。さらに説明をすると、演出体50A、50Bの上側位置および回転可能位置の間における移動は、スムーズな動作以外に、漸進動作により実行してもよい。
ここで、本実施の形態における漸進動作は、演出体50Aの移動タイミングと演出体50Bの移動タイミングとを一致(同期)させて実行することもできるし、各々の移動タイミングをずらして実行することもできる。
以下では、後者の移動タイミングをずらす態様について具体的に説明する。
まず、この態様においては、演出体50Aおよび演出体50Bによる一方向(下側)への移動が交互に実行される。例えば、演出体50Aが下側に向けて予め定めた距離(斬進距離)だけ移動して停止する。その後、演出体50Bが下側に向けて漸進距離だけ移動して停止する。そして、再び演出体50Aが下側に向けて漸進距離だけ移動して停止する。このことを繰り返しながら、演出体50A、50Bが順に下降し予め定めた位置(図中位置P4参照)に到達する。
なお、図示の例においては、演出体50A、50Bが漸進動作により予め定めた位置(図中位置P4参照)に到達した後に、演出体50A、50Bは回転可能位置(図中位置P2参照)まで同時に移動する。ここで、位置P4から位置P2(回転可能位置)までの距離は、漸進距離よりも大きい。そして、この回転可能位置に到達した演出体50A、50Bは、同期しながら回転し下側位置(図中位置P3参照)に到達する。
なお、ここでは演出体50A、50Bが、上側から下側に向けて移動する際に漸進動作を行うことを説明したが、下側から上側に向けて移動する際に漸進動作を行ってもよい。
〔タイトル役物4の前後方向の動作〕
図34は、タイトル役物4の前後方向の動作を説明する図である。
次に、図34を参照しながら、タイトル役物4の回転動作に伴う演出体50の前後方向における動きを説明する。
まず、演出体50は、回転可能位置(図中位置P2参照)にある演出体50における下側の端部(上下方向の一端)に、透明板90に沿う向きに延びる回転軸501を有する。なお、図示の例の回転軸501は左右方向に沿って設けられる。
そして、演出体50は、この回転軸501を中心として回転する。この回転にともない、演出体50は、回転可能位置(図中位置P2参照)から、90度回転した倒込位置(図中位置P5参照)を経て、180度回転した下側位置(図中位置P3参照)に配置される。言い替えると、演出体50は、回転軸501の後側を経由して、第1面表示状態から第2面表示状態に切り替わる。さらに言い替えると、演出体50は回転軸501を中心とした反転動作を行う。なお、図示の例においては演出体50が反転動作を行う際に、回転軸501の上下方向における位置は変化しないが、回転軸501の上下方向における位置を変化させてもよい。
さて、演出体50の回転可能位置から倒込位置への移動(図中位置P2から位置P5への移動)にともない、回転可能位置における演出体50の前側を向く第1の面500Aが、透明板90(遊技者)から離間する(遠ざかる)向きに移動する。また、演出体50が傾くことにともない、回転可能位置における第1の面500Aが上側を向く。この第1の面500Aの向きの変化により、演出体50に形成された文字(「武田」または「信玄」)が、遊技者から見て視認容易(視認可能)な状態から視認困難(視認不可能)な状態になる。
また、演出体50の倒込位置から下側位置への移動(図中位置P5から位置P3への移動)にともない、回転可能位置における演出体50の下側を向く第2の面500Bが、透明板90(遊技者)に接近する(近づく)向きに移動する。このとき、演出体50が傾くことにともない、回転可能位置における演出体50の第2の面500Bが前側を向く。この第2の面500Bの向きの変化により、演出体50に形成された文字(「風林」または「火山」)が、遊技者から見て視認困難(視認不可能)な状態から視認容易(視認可能)な状態になる。
上記のように、演出体50が回転することにともない、演出体50が遊技者から見て回転軸501よりも奥側の領域を通過する構成においては、回転開始前の原点位置(回転可能位置)で透明板90に近い位置に演出体50を配置できる。また、演出体50の回転後に第2の面500Bが遊技者に向いた状態においても、演出体50を透明板90に近い位置に配置することができる。すなわち、より遊技者に近い位置に演出体50を配置できるため、演出体50による演出に臨場感をより持たせ得る。言い替えると、演出体50の動作による装飾効果や演出のインパクトが高められる。
なお、図示の例とは異なり、演出体50が回転することにともない、演出体50が遊技者から見て回転軸501よりも手前側の領域を通過する構成であってもよい。この構成においては、回転開始前の原点位置(回転可能位置)で透明板90から遠い位置、言い替えると画像表示部114(図1参照)に近い位置に演出体50を配置できる。また、演出体50の回転後に第2の面500Bが遊技者に向いた状態においても、演出体50を画像表示部114に近い位置に配置することができる。したがって、演出体50の動作と画像表示部114により表示される画像とで連動する演出がより違和感なく実行できる。
〔画像表示部114および盤ランプ116〕
図35は、タイトル役物4と画像表示部114および盤ランプ116との関係を説明する図である。より詳細には、図35(a)は回転可能位置のタイトル役物4と画像表示部114および盤ランプ116との関係を示し、図35(b)は下側位置のタイトル役物4と画像表示部114および盤ランプ116との関係を示す。
次に、図35を参照しながら、タイトル役物4、画像表示部114、および盤ランプ116の関係を説明する。
まず、図35(a)に示す盤ランプ116は、画像表示部114の外周に複数設けられている。そして、各々の盤ランプ116は、正面視略長方形状であり、その長手方向が画像表示部114の中央部から外部に向けて延びる向きに沿って設けられている。言い替えると、複数の盤ランプ116は、画像表示部114の中央を中心とした放射状に配置される。
また、タイトル役物4の演出体50A、50Bは、画像表示部114および盤ランプ116よりも前側に設けられる。また、図示の例の演出体50A、50Bは画像表示部114の一部を覆うように配置される。なお、上記のように演出体50A、50Bは上下方向に移動可能であり、この上下方向にともない演出体50A、50Bは画像表示部114および盤ランプ116の前側領域を通過する。
次に、画像表示部114に表示される画像および盤ランプ116と、タイトル役物4との関係について説明をする。
まず、図35(a)に示すように、回転可能位置のタイトル役物4においては、演出体50Aの切り欠き502Aが、画像表示部114の中央部に配置される。
そして、例えば演出体50Aがこの回転可能位置に配置される際などの所定のタイミングで、画像表示部114は、切り欠き502Aを中心(起点)とした放射状に延びる爆発画像114Aを表示する。この爆発画像114Aは、画像表示部114の中央部から画像表示部114の外周に向けて延びる複数(例えば3つ以上)の直線を含む画像である。付言すると、図示の例における演出体50Aの切り欠き502Aは、画像表示部114の画像をより大きく見せるための構成として捉えることができる。
また、この爆発画像114Aが画像表示部114に表示される際に、消灯していた盤ランプ116が点灯する。上述のように各々の盤ランプ116は放射状に延びることから、画像表示部114は、盤ランプ116の長手方向に沿った画像を含む爆発画像114Aを表示する構成として捉えることができる。
次に、図35(b)に示すように、下側位置のタイトル役物4においても、演出体50Aの切り欠き502Aが画像表示部114の中央部に配置される。そして、例えば演出体50Aが下側位置に配置される際などの所定のタイミングで、画像表示部114は爆発画像114Aを表示し、消灯していた盤ランプ116は点灯する。
さて、爆発画像114Aは、上述のように画像表示部114の中央部から画像表示部114の外周に向けて延びる部分を含むものであり、遊技者にパチンコ遊技機100の前後方向の長さ(奥行き)を実際よりも大きく感じさせ得るものである。そして、演出体50A、50Bが反転動作を行うタイミングで、爆発画像114Aが表示されることで、遊技者に演出体50A、50Bの前後方向の移動をより大きく感じさせ得る。例えば、演出体50A、50Bが回転可能位置から回転し下側位置に到達する際、あるいは下側位置から回転し回転可能位置に到達する際に、爆発画像114Aが表示される。このことにより、演出体50A、50Bが実際よりも前後方向に大きく移動していると遊技者が錯覚し得る。
また、図示の例においては、演出体50A、50Bが反転動作を行うタイミングで、消灯していた盤ランプ116が点灯する。このことにより、爆発画像114Aと同様に、遊技者に演出体50A、50Bの前後方向の移動をより大きく感じさせ得る。さらに説明をすると、演出体50A、50Bが実際よりも後側から前側、あるいは前側から後側に大きく移動していると遊技者に感じさせ得る。
ここで、この爆発画像114Aが表示されるタイミング、および盤ランプ116が点灯するタイミングの各々は、演出体50A、50Bの反転動作にともなうタイミングであればよい。例えば、演出体50A、50Bが回転可能位置から下側位置まで回転する場合、爆発画像114Aの表示タイミングおよび盤ランプ116の点灯タイミングは、回転を開始する際でもいいし、倒込位置(図34の位置P5参照)を通過した後で下側位置に到達する前でもよいし、下側位置に到達する際でもよいし、下側位置に到達した後でもよい。
なお、画像表示部114に表示される爆発画像114Aの位置は、図35(a)および図35(b)で一致させてもよいし、異ならせてもよい。例えば、図35(a)よりも図35(b)の爆発画像114Aの位置を下側に配置してもよい。
また、図35(a)および図35(b)で爆発画像114Aの画像を一致させてもよいし、異ならせてもよい。
さらに、図35(a)から図35(b)に切り替わる際に、盤ランプ116および爆発画像114Aが一旦消えてもよい。例えば、演出体50A、50Bが回転にともない倒込位置(図34の位置P5参照)を通過する際に、盤ランプ116および爆発画像114Aが一旦消えてもよい。
さらにまた、図示の爆発画像114Aは、単なる例示である。爆発画像114Aは、長手方向が画像表示部114の中央部から画像表示部114の外周に向けて沿う画像を含むものであれば、直線状の画像であっても、曲線状の画像であってもよい。また、爆発画像114Aは、一方向(左右方向や上下方向など)に延びる線状の画像(不図示)であってもよい。
この一方向に延びる線状の画像は、例えば画像表示部114の全面が1色(黒あるいは白など)の画像に切り替わる演出であるブラックアウトあるいはホワイトアウトに移行する際に表示される。なお、この線状画像の表示位置も、切り欠き502の位置に対応させるとよい。また、左右方向の線状画像の場合は、画像表示部114の上下方向中央部の位置にこの画像を表示してもよい。また、上下方向の線状画像の場合は、画像表示部114の左右方向中央部の位置にこの画像を表示してもよい。
また、爆発画像114Aは、透明板90が割れた状態を模した画像であってもよい。この透明板90の割れを模した画像は、切り欠き502の位置を起点として外周方向に拡がる画像としてもよい。
さらにまた、盤ランプ116は、例えば画像表示部114の中央部から外側に向かう向きに複数のLED(不図示)を並べて構成してもよい。そして、この複数のLEDが中央側から外側に向かう向きなどの順で点灯させる態様であってもよい。また、盤ランプ116は、爆発画像114Aの表示にともない点滅する態様であってもよい。
さらに、演出体50Aは、切り欠き502を備えない構成でもよい。例えば、互いに離間して配置される演出体50Aおよび演出体50Bの間隙を中心として、爆発画像114Aが表示される態様であってもよい。あるいは、演出体50Aあるいは演出体50Bの一部分(例えば角など)を中心として、爆発画像114Aが表示される態様であってもよい。
〔タイトル役物4などによる演出動作〕
図36は、タイトル役物4などによる演出動作を説明する図である。なお、図36における盤ランプ116のうち、消灯している盤ランプ116は図示を省略し、点灯している盤ランプ116のみを図示している。
次に、図36を参照しながら、タイトル役物4、画像表示部114および盤ランプ116による一連の演出動作を説明する。なお、タイトル役物4、画像表示部114および盤ランプ116の動作は、演出制御部300(図3参照)によって制御される。
まず、タイトル役物4の演出動作は、遊技中における所定条件を満たすタイミングで実行される。例えば、タイトル役物4の演出動作は、変動演出におけるリーチ演出後の発展演出(例えば所謂SPリーチ)への移行の際または発展演出の際に実行される。
図36(a)に示すように、演出体50A、50Bは上側位置にあり、第1面表示状態であるとする。このとき、画像表示部114には、キャラクタ画像114Cが表示されるとともに、盤ランプ116は消灯している。
次に、図36(b)に示すように、演出体50A、50Bが下側への移動(下降)を開始する。なお、図示の例における下降動作は、図33を参照しながら説明した漸進動作により実行される。
そして、図36(c)に示すように、演出体50A、50Bがさらに下降し、回転可能位置に到達する。このとき画像表示部114には、ブラックアウト画像(不図示)が表示された後、演出体50A、50Bが回転可能位置に到達する際に爆発画像114Aが表示される。また、複数設けられている盤ランプ116の一部が点灯する。
そして、図36(d)に示すように、演出体50A、50Bが回転可能位置から回転を開始する。このとき、画像表示部114には、爆発画像114Aが継続して表示される。
そして、図36(e)に示すように、演出体50A、50Bが下側位置に到達する。このとき画像表示部114には、ブラックアウト画像(不図示)が表示された後、演出体50A、50Bが下側位置に到達する際に爆発激化画像114Dが表示される。また、盤ランプ116は、全て点灯する。すなわち、図36(d)に示す状態において消灯していた盤ランプ116が点灯する。
ここで、爆発激化画像114Dは、爆発画像114Aの一例であるとともに、爆発画像114Aよりも放射状に延びる部分の数が増える等、爆発がより激しくなったことを示す画像である。
そして、図36(f)に示すように、所定時間経過後、演出体50A、50Bが、下側位置から回転可能位置に向かう向きに回転を開始する。このとき画像表示部114には、爆発画像114Aが表示される。また、盤ランプ116の一部が消灯する。
そして、図36(g)に示すように、演出体50A、50Bが回転可能位置に到達する。このとき画像表示部114には、爆発画像114Aが継続して表示される。
そして、図36(h)に示すように、演出体50A、50Bが上昇し、上側位置に到達する。このとき画像表示部114には、例えば次回予告画像114Fが表示される。また、盤ランプ116は全て消灯する。
さて、図示の例とは異なり、演出体50A、50Bの外周面にLED(不図示)を設け、演出体50A、50Bの動作に合わせてこのLEDの点灯を制御してもよい。例えば、演出体50A、50Bが移動を開始する前はLEDを消灯させ、移動を開始する際に点灯させてもよい。また、演出体50A、50Bが回転を開始する前はLEDを消灯させ、回転を開始する際に点灯させてもよい。また、演出体50A、50Bが回転可能位置から下側位置への移行が完了した際に、点灯させてもよい。
〔タイトル役物4の他の動作例〕
図37は、タイトル役物4の他の動作例を示す図である。より詳細には、図37(a)は演出体50Bのみが上下方向に移動する例を示し、図37(b)は演出体50Bのみが上下方向に移動しかつ回転する例を示す。
次に、図37を参照しながら、タイトル役物4の他の動作例を説明する。
上記の実施の形態においては、演出体50A、50Bがともに動作することを説明したが、これに限定されない。例えば、演出体50A、50Bのうちの一方のみが駆動してもよい。
具体的には、図37(a)に示すように、例えば演出体50Bが下降(落下)する一方で、演出体50Aが上側位置に配置された状態を維持してもよい。また、図37(b)に示すように、演出体50Bが下降および回転する一方で、演出体50Aが上側位置に配置された状態を維持してもよい。
また、演出体50A、50Bが順に下降する態様でもよい。例えば、演出体50A、50Bのうちの一方が下降した後に他方が下降してもよい。また、演出体50A、50Bのうちの一方が下降して回転可能位置に配置された後に上昇し上側位置に戻った後に、他方が下降を開始してもよい。あるいは、一方が下降した後、上側位置に戻るタイミングで、他方が下降を開始してもよい。さらに、演出体50A、50Bが交互に下降および上昇することを繰り返してもよい。
〔支持体40および演出体50の構成〕
図38は、支持体40および演出体50の詳細な構成を示す図である。より詳細には、図38(a)は上側位置から下降した後で回転可能位置に到達するより前の演出体50および支持体40を示し、図38(b)は回転可能位置の演出体50および支持体40を示し、図38(c)は下側位置の演出体50および支持体40を示す。
次に、図38(a)を参照しながら、演出体50およびこの演出体50を駆動する支持体40の構成を説明する。
まず、演出体50の構成を説明する。演出体50は、タイトル体51を有する。このタイトル体51は、略直方体状の部材であり対向する一組の面に文字の造形が形成されたタイトル筺体511と、タイトル筺体511を回転させる回転軸501を含むギア群513と、ギア群513を内部に収容するギア筺体515とを備える。
次に、支持体40の構成を説明する。支持体40は、演出体50とともに上下方向に移動する移動体43と、上下方向に延び移動体43を案内するシャフト45と、上下方向の位置が固定された固定部47と、駆動源である第1モータM1と、移動体43の回転駆動部433(後述)の上下方向における位置を検知するセンサSr11、12、13、14とを備える。
ここで、移動体43、シャフト45、および固定部47の具体的な構成についてさらに説明をする。
まず、移動体43は、基部431と、基部431に対して上下方向に変位可能に設けられる回転駆動部433と、一端が基部431によって回転可能に支持され他端が回転駆動部433と掛かり合う第1レバー435と、一端が基部431によって回転可能に支持され他端が固定部47と掛かり合う第2レバー437と、基部431に設けられ回転駆動部433と掛かり合う移動体固定片439とを備える。
ここで、回転駆動部433は、不図示のタイミングベルトを介して第1モータM1の駆動を受け上下方向に移動する第1ラック4331と、第1ラック4331に対して固定される連結体4333と、連結体4333に対して固定されタイトル体51のギア群513と噛み合う第2ラック4335と、回転駆動部433の下側端部に位置する角部4337と、回転駆動部433の上端に位置するテーパ部4339とを備える。なお、これらの第1ラック4331、連結体4333、第2ラック4335、角部4337、テーパ部4339は、互いの位置を固定した一体として形成されているとともに、一体として基部431に対する上下方向の変位が許容されている。
また、第1レバー435は、長尺状の本体4350と、基部431に対して固定された回転軸4351と、角部4337を受ける形状の切り欠き4353と、回転軸4351とは反対側の本体4350の端部から前側に突出するレバーピン4355と、本体4350を一方向(図中左側)に付勢するスプリング(不図示)とを備える。
また、第2レバー437は、長尺状の本体4370と、基部431に対して固定された回転軸4371と、回転軸4371とは反対側の本体4370の端部から後側に突出する後側ピン4373と、同じく回転軸4371とは反対側の本体4370の端部から前側に突出する前側ピン4375と、本体4370を一方向(図中右側)に付勢するスプリング(不図示)とを備える。
移動体固定片439は、基部431に対して固定されるとともに、基部431に対して変位する回転駆動部433が突き当たる位置に設けられる。この移動体固定片439は、回転駆動部433の上側端部が突き当てられることにより、回転駆動部433の上側への移動を制限する。
次に、シャフト45について説明をする。シャフト45は、第1シャフト451および第2シャフト453を備える。第1シャフト451および第2シャフト453は、各々上下方向に沿って設けられる。第1シャフト451および第2シャフト453は、ともに移動体43を上下方向にスライド移動可能に支持する。なお、この移動体43は、第1シャフト451および第2シャフト453を跨ぐように設けられる。
次に、固定部47について説明をする。固定部47は、それぞれ遊技盤110(図1参照)における位置が固定された第1固定片471と、第2固定片473と、第3固定片475とを有する。
第1固定片471は、上下方向にスライド移動する基部431の通過領域に設けられる。この第1固定片471は、基部431の下側端部と突き当たり、基部431の下側への移動を制限する。
第2固定片473は、上下方向にスライド移動する第1レバー435のレバーピン4355の通過領域に設けられる。さらに説明をすると、第2固定片473は、第1レバー435のレバーピン4355と前後方向で一致する位置であり、第1レバー435の本体4350よりも前側に設けられる。また、第2固定片473は、上側端部にテーパ部4731を備える。この第2固定片473は、テーパ部4731によって第1レバー435のレバーピン4355を押圧しながら、第1レバー435による回転駆動部433の移動の制限および解除を切り替える(詳細は後述)。
第3固定片475は、上下方向にスライド移動する第2レバー437の前側ピン4375の通過領域に設けられる。さらに説明をすると、第3固定片475は、第2レバー437の前側ピン4375と前後方向で一致する位置であり、第2レバー437の本体4370よりも前側に設けられる。この第3固定片475は、第2レバー437の前側ピン4375と噛み合うことで、基部431(移動体43)の上側への移動を制限する(詳細は後述)。
ここで、タイトル体51、移動体43、シャフト45、および固定部47の相互の関係について説明をする。
まず、タイトル体51は、移動体43の基部431によって支持され、移動体43とともにシャフト45に沿ってスライド可能である。また、タイトル体51の回転軸501は基部431によって回転可能に支持される。また、タイトル体51のギア群513は、回転駆動部433の第2ラック4335と噛み合う。
また、移動体43の基部431は、回転駆動部433をスライド可能に支持する。すなわち、基部431と回転駆動部433とは、上下方向における相対位置を変化可能である。また、この相対位置の変化(以下、単に「位置ずれ」ということがある)にともない、
基部431によって回転可能に支持されるタイトル体51の回転軸501に対して、回転駆動部433が変位する。その結果、回転駆動部433の第2ラック4335が、タイトル体51のギア群513を回転させる。このように第2ラック4335がギア群513を回転させることにより、タイトル体51が反転動作を実行する。
さて、本実施の形態においては、移動体43の位置に応じて、移動動作および回転動作が切り替えられる。すなわち、移動体43がシャフト45に沿って移動することにともない、移動体43と固定部47との掛かり合いが変化し、移動体43の動作態様(移動および回転)が切り替わる。以下、この動作切り替えのための、具体的な構成を説明する。
第1レバー435は、移動体43が上下方向に移動することにともない、回転軸4351を中心として回転する。具体的には、第1レバー435のレバーピン4355が、第2固定片473のテーパ部4731によって押圧されることで、第1レバー435が回転する。そして、この回転により、切り欠き4353が基部431の角部4337と掛かり合い、回転駆動部433の位置ずれが制限された状態と、切り欠き4353が角部4337と掛かり合わずに、回転駆動部433の位置ずれの制限を解除した状態とが切り替わる。
第2レバー437は、移動体43が上下方向に移動することにともない、回転軸4371を中心として回転する。具体的には、第2レバー437の後側ピン4373が、回転駆動部433のテーパ部4339によって押圧されることで、第2レバー437が回転する。そして、この回転により、前側ピン4375が第3固定片475と掛かり合い、基部431(移動体43)の上下方向の移動を制限した状態と、第3固定片475と掛かり合わずに、この基部431の移動制限を解除した状態とが切り替わる。
〔支持体40および演出体50の動作〕
次に、図38(a)乃至(c)を参照しながら、支持体40および演出体50の動作について説明をする。なお、ここでは、支持体40および演出体50が下降し、図38(a)、図38(b)、図38(c)の順で変化する動作について説明をする。
まず、図38(a)に示す演出体50および支持体40において、回転駆動部433の基部431に対する位置は固定されている。すなわち、回転駆動部433の上側への移動は、移動体固定片439によって制限されている。また、回転駆動部433の下側への移動は、第1レバー435によって制限されている。
次に、図38(b)に示すように、第1モータM1の駆動を受けて、演出体50および支持体40が回転可能位置に到達するとき、第2固定片473のテーパ部4731が、回転駆動部433の位置ずれ制限を解除し、回転駆動部433が基部431に対して移動可能となる。また、基部431は、第1固定片471に突き当たり、下側への移動が制限された状態となる。
このことにより、基部431よって支持されているタイトル体51の下側への移動は制限された状態である一方、タイトル体51の回転動作は可能な状態となる。
そしてこの状態から、第1モータM1の駆動をさらに受けた回転駆動部433が下降し位置ずれすることで、タイトル体51が回転する(図38(c)参照)。また、第2レバー437の後側ピン4373が、回転駆動部433のテーパ部4339から離間することで、第3固定片475が第2レバー437の前側ピン4375と掛かり合う。このことにより、基部431の上昇が制限された状態となる。一方で、回転駆動部433は、移動体固定片439から離間しており、上昇が可能な状態である。
詳細な説明は省略するが、上記の説明とは反対に、支持体40および演出体50が上側に向けて移動する際には、図38(c)、図38(b)、図38(a)の順に変化する。
なお、上述のように、図38(c)に示す状態においては、基部431の上昇が制限されている一方で、回転駆動部433は上昇が可能な状態である。したがって、図38(c)から図38(b)へと移行する際には、基部431は上昇せずに回転駆動部433が上昇する。そして、回転駆動部433が上側に移動することにともない、回転駆動部433のテーパ部4339が、第2レバー437の後側ピン4353を押圧する。このことにより、第2レバー437による基部431(移動体43)の移動制限が解除される。
さて、本実施の形態においては、一つの駆動源である第1モータM1による駆動を受けて、演出体50のスライド移動が可能でかつ回転が制限された状態と、演出体50のスライド移動が制限されかつ回転が可能である状態とが切り替えられる。
ここで、図38(c)に示すように、回転駆動部433の上下方向における位置を基準に考えると、回転駆動部433が所定の位置(回転可能位置)よりも上側にあるときは、演出体50のスライド移動は可能でかつ回転が制限された状態であり、回転駆動部433が所定の位置よりも下側にあるときは、演出体50のスライド移動が制限されかつ回転可能な状態となる。そして、回転駆動部433の上下方向の移動にともないこれら2つの状態が切り替えられる。言い替えると、第1モータM1の回転数(回転角度)に応じて、演出体50のスライド移動および回転運動とが切り替わるよう構成されている。
なお、上記では説明を省略したが、センサSr11乃至14は上下方向に沿って一列に並べて配置される。このセンサ群(センサSr11乃至14)により、演出体50の移動方向における位置および回転角度が検知される。センサSr11乃至14の各々は、回転駆動部433の一部(図示の例では下端)を検出することにより、演出体50が上側位置(原点)、回転可能位置、倒込位置、反転終了位置のいずれの位置にあるかを検知する。
また、本実施の形態においては、センサSr11乃至14による回転駆動部433の検知信号に基づいて、第1モータM1の回転速度およびトルクを切り替える。
さらに説明をすると、演出体50が上下方向にスライド移動している際には第1モータM1を高速(フルステップ制御)で回転させ、演出体50が回転している際には第1モータM1を低速(ハーフステップ制御)で回転させる。このように演出体50の回転時における第1モータM1の速度を、演出体50のスライド移動時よりも低減することにより、演出体50が透明板90に衝突することが抑制される。また、演出体50が上下方向にスライド移動している際には第1モータM1を低トルクで回転させ、演出体50が回転している際には第1モータM1を高トルクで回転させる。このように演出体50の回転時における第1モータM1のトルクを、演出体50のスライド移動時よりも高めることにより、演出体50の回転をより確実に行う。
なお、上記の説明とは異なり、演出体50が上下方向に移動している際には第1モータM1を低速(高トルク)で回転させ、演出体50が回転している際には第1モータM1を高速(低トルク)で回転させてもよい。このことにより、演出体50の回転を高速にし、演出体50に形成された文字列が切り替わる演出における文字変化の速度を高めてもよい。
また、演出体50Aに設けられるセンサSr11乃至14が演出体50Aを検知しない場合、あるいは演出体50Bに設けられるセンサSr11乃至14が演出体50Bを検知しない場合、それ以降の演出体50A、50Bの2つを用いた演出動作を停止させてもよい。例えば、右側タイトル役物4A(図31参照)に設けられる原点センサであるセンサSr11、および右側タイトル役物4Aに設けられる進出位置センサであるセンサSr12乃至14のいずれもが演出体50Aを検知しない場合には、それ以降の演出体50A、50Bの動作を停止させる処理(禁則処理)を実行してもよい。言い替えると、演出体50A、50Bのいずれかが移動しなかった場合に、演出体50A、50Bによる同期した演出が実行できなくなるため、それ以降の演出体50A、50Bの動作を停止させてもよい。
〔タイトル筺体511および支持体40の配置〕
図39は、タイトル筺体511および支持体40の配置を示す図である。
次に、図39を参照しながら、タイトル筺体511および支持体40の配置について説明をする。
図39に示すように、ギア筺体515は、長手方向が前後方向に延びる略直方体状の部材である。すなわち、図示の例においては、タイトル筺体511と、支持体40との前後方向の位置がずれて配置される。また、タイトル筺体511と支持体40との間は、ギア筺体515(ギア群513)によって連結される。
このように、支持体40をより後側に配置し支持体40の前側の空間を確保することにより、支持体40による他の部材との干渉が抑制される。また、タイトル筺体511をより前側に配置することで、遊技者により接近した位置でタイトル筺体511による演出を実行することができる。
〔第2固定片473の変形例〕
図40は、第2固定片473の変形例を示す図である。より詳細には、図40(a)は第2固定片573およびその周辺の正面図であり、図40(b)は第2固定片573およびその周辺の側面図である。
次に、図40を参照しながら、第2固定片473の変形例について説明をする。
図38(a)乃至(c)などを参照しながら説明をしたように、上記実施の形態では、移動体43の下降にともない、第1レバー435が第2固定片473のテーパ部4731により押圧され、左右方向にずれることを説明した。
ここで、回転駆動部433を、図38(c)に示す下側位置よりも下降させようとすると、第1レバー435が第2固定片473など他の部材と干渉することが想定される。そこで、この干渉を回避するため、第1レバー435がテーパ部4731により押圧された後に、第2固定片473の後側に退避する構成であってもよい。
この構成をより具体的に説明すると、図40(a)に示すように、第1ラック5331が、第1ラック5331の前側面に設けられ上下方向に延びる案内部5331Aと、案内部5331Aの下側に連続して設けられる退避用テーパ部5331Bとを有する。
また、第2固定片573は、テーパ部5731と、第1ラック5331の案内部5331Aによって案内される被案内部5733と、被案内部5733の上側に配置される退避用テーパ部5735と、下側端部に設けられた回転軸5737とを備える。
この構成における第1レバー535の動作を説明する。
まず、移動体43(図38(a)参照)の下降にともない、第1レバー535のレバーピン5355が下側へ移動する(図中矢印F1参照)。そして、レバーピン5355がテーパ部5731に突き当たり、下側に移動しつつ右側に移動する(図中矢印F2参照)。そして、第1ラック5331の退避用テーパ部5331Bが、第2固定片573の退避用テーパ部5735と突き当たりながら、第1ラック5331の案内部5331Aが第2固定片573の被案内部5733の後側に配置される。このことにより、第2固定片573が前側に押し上げられる(図40(b)の破線で示す第2固定片573参照)。
このように第2固定片573が押し上げられることにともない、第2固定片573によるレバーピン5355の支持(押圧)が無くなり、レバーピン5355が左側に移動する。その結果、第2固定片573の後側にレバーピン5355が配置される(図中矢印F3参照)。このような配置となることにより、第1レバー535が、回転駆動部433など他の部材と干渉することが抑制される。
さて、詳細な説明は省略するが、例えば第2固定片573の後側の面に突起(不図示)を設け、第1ラック5331が上昇することにともない、この突起がレバーピン5355を右側に押圧する構成であってもよい。
また、第2固定片573が前側に押し上げられた後に、レバーピン5355がテーパ部5731に突き当たる位置に、レバーピン5355および第2固定片573を配置してもよい。この配置により、レバーピン5355と第2固定片573との突き当て角度が調整し得る。
〔爆発画像114Aの変形例〕
図41は、爆発画像114Aの変形例を説明する図である。なお、図41における演出体50A、50Bは、回転可能位置に配置されている。また、図41における盤ランプ116は、演出体50A、50Bよりも上方に位置するものが点灯し、演出体50A、50Bよりも下方に位置するものは消灯している。さらに、図41における盤ランプ116のうち、消灯している盤ランプ116は図示を省略し、点灯している盤ランプ116のみを図示している。
次に、図41を参照しながら、爆発画像114Aの変形例について説明をする。
上記では、図35(a)などを参照しながら、切り欠き502から放射状に延びる爆発画像114Aについて説明をしたが、爆発画像114Aの形状は特に限定されない。
例えば、図41に示すように、爆発画像114A1は、画像表示部114における領域114Kに対応する形状の画像を含むとよい。ここで、領域114Kは、演出体50A、50Bの間に形成される隙間に対応する領域であり、言い替えると演出体50A、50B間の隙間を通して見える、画像表示部114の一部分である。
図41の爆発画像114A1は、画像表示部114の中央部に位置する中央画像114Gと、中央画像114Gから画像表示部114の上側に伸びる上方延伸画像114Hと、中央画像114Gから画像表示部114の下側であって左右両側に複数伸びる下方延伸画像114Jとを有する。
ここで、中央画像114Gは、演出体50A、50Bの切り欠き502A、502Bに対応する形状である。さらに説明をすると、中央画像114Gは、切り欠き502A、502Bの形状に沿う輪郭を有する画像であり、図示の例においては略円形状である。すなわち、中央画像114Gは、演出体50A、50Bの切り欠き502A、502Bを充填させるような画像であり、演出体50A、50Bどうしの間隙を通して遊技者に見せる画像である。なお、中央画像114Gは、回転可能位置にある演出体50A、50Bよりも、遊技者に向ける面積(投影面積)が小さい。
また、上方延伸画像114Hは、演出体50A、50Bどうしの間隙の長手方向に沿う形状である。さらに説明をすると、上方延伸画像114Hは、演出体50A、50Bの対向する端部503A、503Bの形状に沿う輪郭を有する画像である。すなわち、上方延伸画像114Hは、演出体50A、50Bの対向する領域(スリット)を充填させる画像であり、演出体50A、50Bどうしの間隙を通して遊技者に見せる画像である。この上方延伸画像114Hは、回転可能位置にある演出体50A、50Bよりも、遊技者に向ける面積が小さい。
また、下方延伸画像114Jは、中央画像114Gを挟んで演出体50A、50Bとは反対側に複数伸びる画像である。
ここで、下方延伸画像114Jは、複数の盤ランプ116のうちの点灯する盤ランプ116の長手方向に沿う向きに伸びる下方延伸画像114J1、114J2を含む(図中一点鎖線で示す線FL1、FL2参照)。すなわち、図示の例においては、中央画像114Gを挟んで、下方延伸画像114J1の表示と、点灯する盤ランプ116とが並ぶ。また他の観点からみると、演出体50A、50Bが中央画像114Gによって覆われない側(図中下側)では下方延伸画像114Jが形成され、演出体50A、50Bが中央画像114Gによって覆われる側(図中上側)では盤ランプ116が点灯する。
さて、上記実施の形態においては、単一の第1モータM1のみで演出体50の移動および回転を実行することを説明したが、複数のモータを設ける構成であってもよい。すなわち、演出体50の移動を行う移動モータ(不図示)と、演出体50の回転を行う回転モータ(不図示)とを別に設けてもよい。
また、上記実施の形態においては、演出体50を第1モータM1により移動および回転をすることを説明したが、ソレノイドなど他の駆動源を用いて駆動してもよい。また、上記実施の形態においては、第1ラック4331などにより演出体50を移動および回転させることを説明したが、レールなど他の案内部材を用いてもよい。
また、上記では2つの演出体50A、50Bを備えるタイトル役物4を説明したが、1つの演出体、あるいは3つ以上の演出体を備える構成であってもよい。
また、演出体50A、50Bがともに所定装飾をなす構成であれば、文字の造形を備えない構成であってもよい。ここで、所定装飾とは遊技者に共通する観念を想起させる装飾であり、共通の文字列の他に、共通する形状、模様、あるいは色などが施される態様や、演出体50A、50Bを各々左右の手を模した形状とし演出体50A、50Bで両手を想起さる態様であってもよい。
また、上記では演出体50は回転運動をすることにともない前後方向における姿勢が変化することを説明したが、演出体50が回転運動をせずに、前後方向にのみ移動する構成であってもよい。さらに説明をすると、演出体50が遊技者から見て奥側から手前側に移動(進出)する動作や、演出体50が手前側から奥側に移動(後退)する動作であってもよい。
また、上記では演出体50が上下方向に移動することを説明したが、移動方向は特に限定されず、前後方向や左右方向に移動する態様、あるいは斜めに移動する態様であってもよい。
また、演出体50は、画像表示部114とは別に設けられ演出用の画像を表示する他の画像表示部(サブ液晶、不図示)に設けられてもよい。
また、演出体50をサブ液晶により構成してもよい。すなわち、複数または単数のサブ液晶が、上述のように移動および回転するよう構成してもよい。
〔センター役物6〕
次に、可動役物115が備えるセンター役物6について説明する。
図42は、センター役物6の斜視図である。より詳細には、図42(a)は上側位置にある演出体70を示し、図42(b)は下側位置にある演出体70を示し、図42(c)は下側位置で開放状態にある演出体70を示し、図42(d)は下側位置で展開状態にある演出体70を示す。
まず、図42(a)乃至(d)を参照しながら、センター役物6の構成を説明する。センター役物6は、画像表示部114の上側に設けられる支持体60と、この支持体60によって支持される演出体70と、支持体60に設けられた駆動源である第2モータ(ステッピングモータ)M2と、演出体70に設けられた駆動源である第3モータ(ステッピングモータ)M3とを有する。
ここで、演出体70は、略円盤状の形状である。また、演出体70は、図42(a)に示す状態でカバー71、カバー71に覆われる飾り板72(図42(d)参照)、飾り板72の後側に位置する羽根73(図42(d)参照)を備える。
また、演出体70は、支持体60によって支持されながら上下方向に移動する。すなわち、演出体70は、演出体70の可動域の上端である上側位置(図42(a)参照)と、下端である下側位置(図42(b)参照)との間で変位可能である。なお、図示は省略するが、演出体70は、上側位置と下側位置との間の位置(中間位置)で停止させることも可能である。
また、カバー71は、開閉可能に設けられており、開き動作および閉じ動作を実行する。すなわち、カバー71は、飾り板72などを露出させる開放状態(図42(c)および(d)参照)と、飾り板72などを覆う閉鎖状態(図42(a)および(b)参照)とを取り得る。
また、羽根73は、演出体70の径方向に移動可能に設けられており、飾り板72から突出する突出動作、および飾り板72の背後に隠れる没入動作を行う。すなわち、羽根73は、飾り板72の外周に突出した展開状態(図42(d)参照)と飾り板72の背後に隠れた収容状態(図42(a)乃至(c)参照)とを取り得る。ここで、羽根73は、カバー71が閉鎖状態にある場合には、カバー71に覆われ視認できない。また、カバー71が閉鎖状態から開放状態になることにより露出する領域から、羽根73は突出する。
なお、図示の例においては、カバー71および羽根73が衝突することを抑制するため、カバー71が閉鎖状態であるときに、羽根73を展開状態とさせないよう制御する。言い替えると、図示の例においては、カバー71が閉鎖状態で羽根73が収容状態(図42(a)および(b)参照)、カバー71が開放状態で羽根73が収容状態(図42(c)参照)、およびカバー71が開放状態で羽根73が展開状態(図42(d)参照)の3つの態様の間で切り替わる。
〔センター役物6の動作〕
次に、図42(a)乃至(d)を参照しながら、センター役物6の動作を説明する。なお、ここでは図42(a)乃至(d)の順でセンター役物6が変形することを説明する。
まず、図42(a)に示す状態においては、演出体70は上側位置に配置される。また、カバー71は閉鎖状態であり、羽根73は収容状態である。図示のように上側位置にある演出体70は、第2モータM2の駆動を受けて下降する。
そして、図42(b)に示すように、演出体70は下側位置に配置される。このとき、カバー71は閉鎖状態であり、羽根73は収容状態である。図示のように下側位置にある演出体70は、第3モータM3の駆動を受けて、カバー71の開き動作を行う。
そして、図42(c)に示すように、カバー71は開放状態となり、羽根73は収容状態となる。図示のようにカバー71が開放状態にある演出体70は、第3モータM3の駆動を受けて、羽根73の突出動作を行う。
そして、図42(d)に示すように、カバー71は開放状態となり、羽根73は展開状態となる。
〔センター役物6などによる演出動作〕
図43−1および図43−2は、センター役物6などによる演出動作を説明する図である。なお、図43−1および図43−2においては、複数の盤ランプ116のうちの消灯している盤ランプ116については図示を省略し、点灯している盤ランプ116のみを図示している。
次に、図43−1および図43−2を参照しながら、センター役物6、タイトル役物4、画像表示部114および盤ランプ116による一連の演出動作を説明する。
まず、センター役物6の演出動作は、遊技中における所定条件を満たすことで実行される。例えば、センター役物6の演出動作は、特別図柄が停止表示される際、言い替えると装飾図柄が停止する際であって、特別図柄抽選の判定結果が大当たりである場合に実行される。
まず、図43−1(a)に示すように、演出体70は上側位置にある。また、カバー71は閉鎖状態であり、羽根73(同図では不図示)は収容状態である。また、演出体70は、上側位置のタイトル役物4における演出体50A、50Bの後側に配置された状態である。さらに説明をすると、演出体70は演出体50A、50Bによって一部が覆われた状態である。また、画像表示部114には、キャラクタ画像114Mが表示される。また、タイトル役物4は上側位置である。また、盤ランプ116は消灯している。
そして、図43−1(b)に示すように、画像表示部114に大当たりであることを示す装飾図柄114Nが表示される際に、第2モータM2(図42参照)の駆動を受けて演出体70が下降し下側位置に到達する。
そして、図43−1(c)に示すように、閉鎖状態にあるカバー71が開き動作を行い開放状態となる。このとき、画像表示部114には爆発画像114Pが表示される。また、複数の盤ランプ116のうちの一部の盤ランプ116が点灯する。
ここで、爆発画像114Pは画像表示部114の中央部から画像表示部114の外周に向けて延びる画像を含むものであり、遊技者に、パチンコ遊技機100の前後方向を実際よりも大きく感じさせ得るものである。そして、カバー71が開放状態となる際に、爆発画像114Pが表示されることで、カバー71の前後方向の移動を遊技者により大きく感じさせ得る。さらに説明をすると、カバー71が実際よりも前側から後側に大きく移動したかのように遊技者に錯覚させ得る。
また、カバー71が開く前(閉鎖状態)において盤ランプ116は消灯しており(第1発光態様)、カバー71が開いた後(開放状態)において盤ランプ116は点灯している(第2発光態様)。そして、カバー71が開放状態となる際に、盤ランプ116が点灯することで、遊技者にカバー71の前後方向の移動をより大きく感じさせ得る。さらに説明をすると、カバー71が実際よりも前側から後側に大きく移動したかのように遊技者に錯覚させ得る。
なお、図示の例は、盤ランプ116の各々が延びる方向と、爆発画像114Pが延びる方向とが略一致する構成である。言い替えると、盤ランプ116の延びる方向に、爆発画像114Pが沿う構成である。
そして、図43−1(d)に示すように、収容状態にある羽根73が突出動作を行い展開状態となる。すなわち、下側位置の演出体70において、カバー71が開放状態でかつ羽根73が展開状態となる。
そして、図43−1(e)に示すように、タイトル役物4の演出体50A、50Bが下降し、下側位置に到達する。なお、このタイトル役物4の下降にともない、飾り板72(演出体70)の一部が、演出体50A、50Bによって覆われた状態となる。
そして、予め定めた時間が経過した後に、図43−1(f)に示すように、タイトル役物4の演出体50A、50Bが上昇し、上側位置に到達する。
そして、図43−2(g)に示すように、展開状態にある羽根73が、没入動作を行い収容状態となる。
そして、図43−2(h)に示すように、開放状態にあるカバー71が、閉じ動作を行い閉鎖状態となる。このとき、画像表示部114には、爆発激化画像114Qが表示される。この爆発激化画像114Qは、爆発画像114Pの一例であるとともに、放射状に延びる部分の数が増える等、爆発がより激しくなったことを示す画像である。また、カバー71が閉じた後(閉鎖状態)においては盤ランプ116が点滅を繰り返す(第3発光態様)。
そして、図43−2(i)に示すように、演出体70が上側に移動し上側位置に到達する。また、画像表示部114には、大当たり確定図柄114Rが表示される。
なお、ここでは、演出体70が下降した後にタイトル役物4の演出体50A、50Bが下降することを説明したが、タイトル役物4の演出体50A、50Bが下降した後に演出体70が下降する態様であってもよい。さらに説明をすると、タイトル役物4の演出体50A、50Bが下側位置に到達して反転動作を行った後に、演出体70が下降する態様であってもよい。
付言すると、演出体50の回転動作に応じて、演出体70の上下方向における移動の可否を切り替える制御を行ってもよい。具体的には、演出体50が回転にともない上述のような倒込位置(図34位置P5参照)となったことをセンサSr13(図38(a)参照)が検知することを契機として、演出体70が下側へ移動可能となるように制御してもよい。このように演出体50が倒込位置に配置された後に演出体70が下降することで、演出体70が演出体50に衝突することが抑制される。また、演出体50が回転運動により通過する領域と、演出体70の昇降により通過する領域とを重複させ、演出体50および演出体70を配置する空間の前後方向における寸法を抑制することが可能となる。
なお、爆発画像114Pは、上記爆発画像114Aと同様に、長手方向が画像表示部114の中央部から画像表示部114の外周に向けて沿う画像を含むものであれば、直線状の画像であっても、曲線状の画像であってもよい。
〔支持体60の構成〕
図44は、演出体70が上側位置にあるときの支持体60を示す図である。
図45は、演出体70が下側位置にあるときの支持体60を示す図である。
次に、図44および図45を参照しながら、支持体60の構成を説明する。
支持体60は、遊技盤110(図1参照)における位置が固定された基部61と、基部61に対して上下方向に移動可能に設けられ演出体70を支持する移動支持部62と、基部61に対して一端を回転可能に固定され他端を移動支持部62に連結された回転腕63と、移動支持部62を上下方向に案内する案内部64と、基部61および移動支持部62の間に設けられたスプリング対65と、演出体70を上下方向に案内するラックギア群66と、移動支持部62の前後方向の動きを抑制する回転盤群(コロ群)67と、駆動源である第2モータM2と、ギアピンG21を有するとともに第2モータM2からの駆動を受けて回転する第2ギアG2と、第2ギアG2の位置を各々が検知するよう周方向に沿って配置されるセンサSr21、22、23とを備える。
ここで、基部61は、遊技盤110(図1参照)における位置が固定された略板状部材である。図示の例の基部61は、枠材などの一部構成を金属製の部材により構成し剛性を高めている。
移動支持部62は、上下方向に移動可能な略板状部材である。この移動支持部62は、案内部64によって案内される被案内部62Aと、円弧状の造形部であり被案内部62Aに設けられた装飾部62Bとを有する。この移動支持部62は、基部61と同様に、板材などの一部構成を金属部材により構成し剛性を高めている。
回転腕63は、回転軸631と、内部を第2ギアG2のギアピンG21がスライド移動可能に収容される案内溝633と、回転軸631とは反対側で被案内部62Aに回転可能に連結される連結軸635とを有する。そして、回転腕63は、第2ギアG2が回転することにともない回転軸631を中心に回転する。この回転軸631を中心とした回転により、回転腕63は上下方向において移動支持部62を移動させる。
案内部64は、各々上下方向に沿って配置された、複数の長尺状部材により構成される。図示の例においては、案内部64は、第1シャフト641と、第2シャフト642と、レール643とを有する。
ここで、第1シャフト641は、基部61に固定される。また、第1シャフト641は、移動支持部62の一部分を構成する被案内部62Aを案内する。
第2シャフト642は、移動支持部62に固定される。また、第2シャフト642は、演出体70の左右方向中心領域を通過する位置に配置される。さらに、第2シャフト642は、演出体70の一部分を構成する被案内部70Aを案内する。
レール643は、基部61に固定されるレール体643Aと、移動支持部62に固定されるレール体643Bとを備える。レール体643Aおよびレール体643Bは、互いに噛み合った状態で上下方向における互いの位置がずれる。このことにより、レール643は、長手方向において伸縮する。なお、レール643は、左右方向において第1シャフト641および第2シャフト642に挟まれる位置に設けられる。
スプリング対65は、上下方向に沿って配置された複数のコイルばねにより構成される。図示の例においては、第1スプリング651と、第2スプリング653とを有する。ここで、第1スプリング651および第2スプリング653は、左右方向において第2シャフト642を挟む位置に設けられる。
ラックギア群66は、案内部64を挟んで、第2モータM2とは反対側に設けられる。また、ラックギア群66は、基部61に固定される第1ラックギア661と、演出体70に固定されるとともに移動支持部62によってスライド可能に支持される第2ラックギア662と、第1ラックギア661および第2ラックギア662を連結するギア群663とを有する。そして、ラックギア群66においては、ギア群663が回転しながら、第1ラックギア661および第2ラックギア662の上下方向における位置が互いにずれることにより、ラックギア群66全体が長手方向において伸縮する。
回転盤群67は、移動支持部62によって回転可能でかつ上下方向移動可能に支持される。この回転盤群67は、正面視で案内部64を挟んで、第2モータM2とは反対側に設けられる。さらに説明をすると、回転盤群67は、案内部64に対してラックギア群66と同じ側に設けられているが、このラックギア群66よりも案内部64(第2モータM2)から離間した、移動支持部62における左右方向の端部に設けられる。
また図示の例においては、回転盤群67は、上下方向の異なる位置に、第1回転盤671および第2回転盤672を有する。また、第1回転盤671および第2回転盤672は、各々左右方向に伸びる回転軸の周囲を回転可能である。
さらに、この回転盤群67は、長手方向が上下方向に沿う向きで基部61に固定された案内溝61A内に配置される。なお、この案内溝61Aは、図44における吹き出し内に示すように、断面略コの字状であり、回転盤群67の前後方向を挟む。この案内溝61Aは、内部を回転しながら移動する回転盤群67の前後方向における位置を制限する。
センサSr21、22、23は、ギアピンG21の移動方向(周方向)に沿って互いに離間して配置される。これらのセンサSr21、22、23は、各々演出体70が上側位置、中間位置、下側位置に配置されていることを検知する。
〔支持体60の動作〕
次に、図44および図45を参照しながら、支持体60の動作を説明する。なお、ここでは図44に示す状態から図45に示す状態に移行する動作を説明する。
まず、図44に示す状態において、第2モータM2の駆動を受けて第2ギアG2が回転する。このことにともない回転腕63が回転軸631を中心に回転し、移動支持部62を下降させる。このとき、移動支持部62は、案内部64に沿って移動する。そして、この移動支持部62の移動にともない、レール643が伸縮するとともに、ラックギア群66が伸縮する。その結果、移動支持部62に対して演出体70が下降する(図45参照)。
ここで、図示の例においては第2モータM2の駆動を受けて、移動支持部62が下降するとともに、移動支持部62に対して演出体70が下降する。すなわち、支持体60は、2段階(複数段)で伸縮するよう構成されている。
〔回転盤群67の動作〕
図46は、回転盤群67の動作を説明する図である。より詳細には、図46(a)は演出体70が上側位置にあるときの回転盤群67を示す図であり、図46(b)は演出体70が下側位置にあるときの回転盤群67を示す図である。
次に、図46を参照しながら回転盤群67の動作について説明する。
まず、図46(a)および(b)に示すように、支持体60は、上下方向で伸縮する構成である。
一方で、演出体70は、カバー71の開き動作および閉じ動作、羽根73の突出動作および没入動作という変形動作を行う。演出体70は、この変形動作のための駆動機構を備えており、例えばこの機構を有しない場合と比較して重量が大きい。
また、図46(b)に示すように、演出体70は下側位置において変形動作を行う。すなわち、支持体60が上下方向に延びた状態で重量が大きい演出体70が変形する。その結果、演出体70を支持する支持体60に対して加わるモーメントが大きくなり、支持体60および演出体70は前後方向においてより傾きやすくなる。
そこで本実施の形態においては、回転盤群67および案内溝61Aが、この支持体60および演出体70の前後方向における傾きを抑制する。すなわち、第1回転盤671および第2回転盤672が案内溝61Aによって支持されることにより、基部61および移動支持部62の前後方向における揺動が抑制される。
〔演出体70の構成〕
図47は、演出体70の分解斜視図である。
次に、図47を参照しながら、演出体70の構成について説明をする。
図47に示すように、演出体70は、前側から後側に向かう順に、カバー71と、飾り板72と、羽根73と、カバー71および飾り板72に伝達される駆動を切り替える切替機構74と、切替機構74などを支持する支持板76と、カバー71を開閉する開閉片78と、カバー71の開放を抑制するストッパ79と、切替機構74に駆動力を供給する第3ギアG3と、切替機構74の切り替え状態を検知するセンサSr31、32、33と、第3ギアG3を回転させる駆動源である第3モータM3とを備えている。
なお、以下の説明においては、回転盤745の周方向を単に「周方向」ということがあり、回転盤745の径方向を単に「径方向」ということがある。
カバー71は、互いに同一の形状である第1カバー711、第2カバー713、および第3カバー715を有する。閉じられた状態のカバー71は、第1カバー711乃至第3カバー715によって正面視略円形となる。さらに説明をすると、閉じられた状態のカバー71は、前側が覆われ後側が開放された略円筒状の形状となる。また、閉じられた状態のカバー71の前側の面には、4つの菱形(武田家の家紋)の造形が施されている。
なお、図示は省略するが、この菱形の造形は、表面に金属光沢のある薄膜を貼り付けることにより装飾性を高めている。この薄膜を貼り付ける部分は、薄膜を貼り付けない部分よりも突出した部分である。言い替えると、表面から予め定めた深さよりも深い部分には、薄膜が貼り付けられていない構成である。このように、予め定めた深さよりも深い部分に薄膜を貼り付けない構成とすることにより、薄膜の貼り付け作業の作業性が向上する。
飾り板72は、略円板状の板本体721と、板本体721の後側に設けられたLED723と、LED723の後側に設けられLED723を制御する飾り基板725とを備える。なお、LED723の電力および制御信号は、不図示のケーブルを介して支持体60(図42参照)から供給される。
羽根73は、互いに同一の形状である第1羽根731乃至第6羽根736を有する。図示の例における第1羽根731乃至第6羽根736は、略楕円形の板状部材である。ここで、第1羽根731乃至第6羽根736は、前側に設けられる第1羽根群737(第1羽根731、第2羽根732、第3羽根733)と、後側に設けられる第2羽根群738(第4羽根734、第5羽根735、第6羽根736)とに分けられる。
切替機構74は、切替板741と、噛合片743と、回転盤745と、スプリング747と、外環749とを有する。
切替板741は、略円板状の部材であり、周方向に延び噛合片743を案内する案内溝741Aを有する。
噛合片743は、切替板741の後側に設けられる略板状の部材であり、前側の面から突出する噛合片ピン743Aを有する。
回転盤745は、略円板状の部材であり、板面中央に貫通孔7450が形成されている。この回転盤745は、前側の面における外周側に設けられ噛合片743を受ける受け部745Aと、貫通孔7450の内周面に形成され第3ギアG3と噛み合うギア部745Bと、スプリング747の一端が固定される回転盤フック745Cと、後側の面に設けられ開閉片78を案内する案内溝745D(後述する図57(b)参照)とを有する。
スプリング747は、コイルスプリングにより形成されている。
外環749は、略円環状の部材であり、内側に回転盤745を配置可能である。この外環749は、外周面に形成されたギア部749Aと、噛合片743を受ける受け部749Bと、周方向において受け部749Bを挟む位置で前側面から前側に突出するよう設けられる円弧状突起部749C、749Dと、内周面から径方向内側に突出する突起749Eと、スプリング747の他端が固定される外環フック749Fとを備える。
支持板76は、略円板状(皿状)の部材であり、板面中央部に貫通孔760が形成されている。支持板76は、回転盤745を支持する領域である回転盤支持部761と、外環749を支持する領域である外環支持部763と、長手方向が径方向に沿う溝である開閉溝765と、貫通孔であるセンサ孔767とを有する。
なお、詳細は後述するが、開閉溝765は開閉片78を案内する部分である。そして、開閉溝765の数は、開閉片78の個数に対応する(図示の例では3つ)。また、センサ孔767は、センサSr31、32、33を配置する部分であり、センサ孔767の数は、センサSr31、32、33の数に対応する(図示の例では3つ)。
開閉片78は、互いに同一の形状である第1開閉片781乃至第3開閉片783を有する。これらの第1開閉片781乃至第3開閉片783は、各々第1カバー711乃至第3カバー715と連結して設けられる。そして、第1開閉片781乃至第3開閉片783は、各々が開閉溝765内で径方向に移動することにともない、第1カバー711乃至第3カバー715を開閉させる。
ストッパ79は、カバー71を構成する第3カバー715に突き当てられる突当部791と、突当部791を付勢するスプリング793とを有する。詳細は後述するが、このストッパ79は、第3カバー715が自重で開くことを抑制する。
第3ギアG3は、支持板76の貫通孔760を介して回転盤745のギア部745Bと噛み合う。
センサSr31、32、33は、回転盤745の一部を検知するよう回転盤745の周方向に沿って配置されている。また、センサSr31、32、33は、回転盤745の回転角度によって、カバー71が閉鎖状態で羽根73が収容状態である態様、カバー71が開放状態で羽根73が収容状態である態様、およびカバー71が開放状態で羽根73が展開状態である態様の3つの態様のうちのいずれであるかを検知する。
第3モータM3は、第3ギアG3と噛み合うように設けられ、第3ギアG3を介して駆動力を供給し、回転盤745および外環749を回転させる。
〔カバー71の開閉機構〕
図48は、カバー71を開閉するための機構を説明する図である。より詳細には、図48(a)は閉鎖状態の第1カバー711を示し、図48(b)は開放状態の第1カバー711を示す。
次に、図48を参照しながら、カバー71を開閉するための機構を説明する。
まず、カバー71は、開閉片78を介して第3モータM3からの駆動力を受けることで開閉する。
ここで、図48(a)に示すように、カバー71は、カバー本体717と、略円筒状に形成された円筒部716を有する回転部718と、円筒部716の外周に設けられたギア部719とを備える。なお、回転部718の回転中心を、回転軸718Aとする。
また、開閉片78は、前側の面から突出する開閉ピン785と、同じく前側の面に形成されたラックギア787とを備える。ここで、開閉ピン785は、支持板76に形成された開閉溝765内に配置される。さらに説明をすると、開閉ピン785は開閉溝765によって移動の向きが案内される。
そして、図48(b)に示すように、第3モータM3からの駆動を受けて開閉ピン785が移動する(図中矢印H1参照)ことにともない、開閉片78のラックギア787が、カバー71のギア部719を回転させる(図中矢印H2参照)。その結果として、カバー本体717が回転しカバー71が開く。すなわち、カバー71が閉鎖状態(図48(a)参照)と、開放状態(図48(b)参照)との間で切り替わる。
〔カバー71の閉鎖維持機構〕
図49は、カバー71の閉鎖状態を維持するための機構を説明する図である。より詳細には、図49(a)は閉鎖状態のカバー71の正面図であり、図49(b)は閉鎖状態のカバー71の側面図であり、図49(c)は後側からみた閉鎖状態のカバー71の斜視図である。
図50は、ストッパ79の動作を説明する図である。より詳細には、図50(a)は回転部718の斜視図であり、図50(b)はストッパ79と第3カバー715の回転部718との配置を示す図であり、図50(c)は第3カバー715の回転部718における回転角度と回転部718を回転させる際の抵抗力との関係を示す図である。
次に、図49を参照しながら、カバー71の閉鎖状態を維持するための機構を説明する。
上記では説明を省略したが、第1カバー711乃至第3カバー715は、閉鎖状態を維持するよう、言い替えるとカバー71を確実に閉じるよう、カバー磁石701A、701Bを各々有する。
ここで、カバー磁石701A、701Bは、カバー71(第1カバー711乃至第3カバー715)において遊技者の注意が集まりにくい位置に設けられる。図示の例においては、第1カバー711乃至第3カバー715における後側の位置に設けられる(図49(b)参照)。さらに説明をすると、第1カバー711乃至第3カバー715における後側の位置でかつ外周側の位置に設けられる。
また、カバー磁石701A、701Bは、第1カバー711乃至第3カバー715の各々における互いに対向する位置に設けられる(図49(c)参照)。そして、各々対峙する面が反対の磁極となるように配置されていることにより、互いに引き合い第1カバー711乃至第3カバー715を一体として保持する。すなわち、カバー磁石701A、701Bは、カバー71を確実に閉じる。
さて、図49(a)に示すように、第1カバー711、第2カバー713、第3カバー715は、放射状に広がる動作を行うことから、各々が開閉する際の移動の向き(回転の向き)は互いに異なる(図中矢印参照)。図示の例においては、第1カバー711および第2カバー713は上下方向に対して斜めの角度で開閉するのに対して、第3カバー715は上下方向に沿って開閉する。そして、第1カバー711および第2カバー713は自重に逆らって開くのに対して、第3カバー715は自重が加わる向きに開く。このことから、第3カバー715は、第1カバー711および第2カバー713と比較してより開きやすい。
そこで、本実施の形態の第3カバー715には、ストッパ79が設けられている。このストッパ79が第3カバー715の回転部718に力を付与することにより、閉鎖状態における第3カバー715の意図しない開きを抑制する。
ここで、図50(a)を参照しながら、ストッパ79から力を受ける回転部718の構成について説明をする。回転部718は、略円筒状に形成された円筒部716の一端面718Dに、軸方向に突出する突出部718Bを備える。この突出部718Bは、回転部718の周方向において、滑らかな傾斜面718Cを有する。なお、図示の例においては、ストッパ79が設けられるのは、第3カバー715に対してのみであるが、製造コストを抑制するため、第1カバー711および第2カバー713(ともに図47参照)の回転部718も図50(a)に示すように構成されている。
次に、図50(b)を参照しながら、ストッパ79の構成について説明をする。
ストッパ79は、上述のように突当部791とスプリング793とを有する。この突当部791は、略有底円筒状の本体7911と、本体7911の閉鎖端外側面に設けられた突起7913とを有する。また、スプリング793は、コイルスプリングとして形成され、一端が本体7911の内部に挿入される。
次に、図50(b)を参照しながら、ストッパ79と回転部718との配置を説明する。図50(b)に示すように、ストッパ79の突当部791は、回転部718の一端面718Dに突き当てられる。この突当部791が回転部718を抑えることにより、回転部718の回転に対する抵抗力を増加させ、第3カバー715が意図せず開くことが抑制される。
ここで、突当部791は、第3カバー715の閉鎖状態においては、一端面718Dの突出部718Bが形成されている領域に突き当てられる。そして、第3カバー715の開き動作、すなわちに回転部718の回転にともない突き当てられる位置が、一端面718Dの周方向に沿って変化する。より具体的には、突当部791は、回転部718の回転にともない、回転部718の一端面718Dにおける突出量がより小さい領域に突き当てられた状態となる。
さらに説明をすると、図50(c)に示すように、回転部718が回転することにともない、第3カバー715を開くために要する力、すなわち回転部718を回転させる際の抵抗力が減少する。よって、第3カバー715の開き動作の開始時は、抵抗力が大きい一方で、開き動作が進行すると、抵抗力が小さくなる。すなわち、第3カバー715を容易に開くことが可能となる。このことにより、ストッパ79が回転部718に付与する力が一定の場合と比較して、第3カバー715の開き動作が促進される。
なお、図示の例とは異なり、第3カバー715が閉じる動作を補助するようストッパ79を構成してもよい。
〔カバー71の開閉動作〕
図51は、カバー71の開閉動作を説明する図である。より詳細には、図51(a)は閉鎖状態であるカバー71を示し、図51(b)および(c)は開放状態のカバー71を示す。
次に、図51を参照しながら、カバー71の開閉動作について説明をする。なお、ここでは、カバー71の開閉動作にともない、図51(a)、図51(b)、図51(c)の順で変化する動作について説明をする。
まず、図51(a)に示すように、カバー71は閉鎖状態であり、かつ羽根73は収容状態における配置を説明する。この状態において、カバー71は飾り板72の前側を覆う。すなわち、遊技者側から見て、カバー71に飾り板72および羽根73が覆われている状態である。付言すると、図示の例のカバー71は、飾り板72の前側とともに飾り板72の外周側面を覆う。
この状態において、カバー71が開き動作を行うと、カバー71は各々の回転軸718Aを中心として回転する(矢印J1参照)。なお、カバー71が開き動作を行うことにより、演出体70の最大外径が大きくなる(変化する)。
そして、図51(b)に示すように、カバー71は開放状態であり、羽根73は収容状態となる。このとき、カバー71は、羽根73の移動経路から退避する位置まで移動している。
この状態において、羽根73が突出動作を行うと、羽根73が飾り板72よりも径方向外側に突出する(矢印J2参照)。なお、羽根73が突出動作を行うことにより、カバー71から露出した部分である飾り板72および羽根73の最大外径が変化する。
そして、図51(c)に示すように、カバー71は開放状態であり、羽根73は展開状態となる。
さて、本実施の形態においては、上述のように、カバー71が開く動作、および羽根73が突出する動作の2段階で、演出体70の径方向における寸法が変化する。また、図51(a)から図51(b)への変化においては、演出体70を構成する部材(カバー71)の前後方向の移動をともなう。一方、図51(b)から図51(c)への変化においては、演出体70を構成する部材の前後方向の移動をともなわない。
ここで、図51(b)の一点鎖線で示すように、カバー71の開き動作にともない、カバー71は、前後方向における透明板90と飾り板72との間の領域を通過する。さらに説明をすると、カバー71は開き動作にともない、透明板90に対して近付く状態を経由する。そこで、本実施の形態においては、開き動作を行うカバー71が透明板90と接触しないように回転軸718Aが配置される。言い替えると、カバー71の通過領域が、透明板90から離間するよう回転軸718Aの位置を定める。
また、カバー71の通過領域を透明板90に近づけることにより、演出体70による演出に臨場感をより持たせ得る。そこで、本実施の形態においては、カバー71の通過領域から透明板90までの前後方向の距離L1が、カバー71の最も透明板90に近づく部分の通過領域についての前後方向の長さL2よりも小さくなるように、回転軸718Aの位置を定める。あるいは、閉鎖状態のカバー71から透明板90までの前後方向の距離L3が、閉鎖状態の演出体70の前後方向の長さL4よりも小さくなるように、回転軸718Aの位置を定める。
また、図51(a)から図51(b)への変化においては、カバー71における遊技者からみた見える部分が、表側71Aから裏側71Bになる。すなわち、遊技者から見てカバー71が裏返しとなる。付言すると、カバー71が裏返しとなることにともない、カバー71における遊技者と対向する側の面が、略平坦な面から屈曲した面に切り替わる。
なお、図示の例においては、カバー本体717は閉鎖状態(図51(a)参照)から開放状態(図51(b)参照)になるまでに、回転部718を180度回転させるのではなく、180度よりも小さい角度(約135度)回転させる。このことにより、180度回転させる場合と比較して、カバー71が遊技者からみて奥行のある配置となる。ここで、図示の例とは異なり、回転部718を180度回転させる態様や、180度以上回転させカバー71全体が飾り板72の後側に隠れる態様であってもよい。
〔羽根73の構成〕
図52は、羽根73の構成を説明する図である。より詳細には、図52(a)は羽根73の配置を示し、図52(b)は図52(a)から第1羽根群737を除いた図であり、図52(c)は図52(a)における矢印III方向から見た図である。なお、図52(a)乃至(c)においては、カバー71および飾り板72の記載を省略している。また、図52(a)乃至(c)の羽根73は収容状態である。
次に、図52を参照しながら、羽根73の構成について説明する。
図52(a)に示すように、羽根73を構成する第1羽根731乃至第6羽根736は、上述のように各々略楕円形の板状部材である。また、第1羽根731乃至第6羽根736は、各々回転軸73Aと、回転軸73Aの外周に設けられたギア部73Bとを備える。さらに、第1羽根731乃至第6羽根736における回転軸73Aの位置は、略楕円形の板面の外周側であり、略楕円形の中心からずれた位置である。したがって、第1羽根731乃至第6羽根736の各々は、所謂偏心回転を行う。
また、第1羽根群737(第1羽根731、第2羽根732、第3羽根733)は、第2羽根群738(第4羽根734、第5羽根735、第6羽根736)よりも前側に位置し、第1羽根群737と第2羽根群738とは上下方向において互いに重なって設けられる。なお、このように複数の層に重ねて配置することにより、周方向の長さが長い羽根73を飾り板72の後側に収容する(隠す)ことが可能となる。
また、図52(b)に示すように、第1羽根731乃至第6羽根736各々の回転軸73Aは、外環749の外周に沿って設けられる。また、外環749のギア部749Aと、第1羽根731乃至第6羽根736各々のギア部73Bとを噛み合わせて設けられる。
そして、第3モータM3(図42参照)の駆動を受けた外環749の回転にともない、第1羽根731乃至第6羽根736が回転(自転、偏心回転)する。このとき、第1羽根731乃至第6羽根736の動作タイミングは互いに一致する(同期する)。
さらに説明をすると、図52(c)に示すように、第1羽根群737と第2羽根群738とは前後方向において異なる位置に設けられているものの、外環749と共通して噛み合うため、第1羽根群737および第2羽根群738の動作タイミングが一致する。
〔羽根73の動作〕
図53は、羽根73の動作を説明する図である。より詳細には、図53は、第3モータM3が一方向に回転することにともない実行される羽根73の動作を示す。なお、図53においては、カバー71の記載を省略している。
次に、図53を参照しながら、羽根73の動作について説明する。
まず、図53(a)に示すように、初期状態において羽根73は収容状態である。
そして、第3モータM3が一方向に回転を開始する。
そして、羽根73の各々が回転軸73Aを中心として回転し、回転軸73Aの周方向における一方の端部が飾り板72から突出する(図53(b)参照)。さらに、羽根73の各々が回転軸73Aを中心として回転を継続し(図53(c)参照)、羽根73は展開状態となる(図53(d)参照)。なお、この展開状態においては、羽根73における飾り板72から突出する面積が最も大きくなる。
さらに、羽根73の各々が回転軸73Aを中心として回転を継続し(図53(e)参照)、一方の端部が飾り板72の後側に配置(没入)され回転軸73Aの周方向における他方の端部が飾り板72から突出する状態(図53(f)参照)を経て、羽根73は収容状態へと戻る(図53(g)参照)。
このように、羽根73の回転角度に応じて、演出体70の形状が変化する。さらに説明をすると、羽根73の回転にともない、羽根73における飾り板72から突出する部分の形状が変化する。
なお、ここでは、第3モータM3が一方向に回転することにともない、収容状態から展開状態を経て再び収容状態に戻る動作を説明したが、収容状態に戻った後に再び展開状態となる動作、言い替えると展開収容を複数回繰り返す動作を行ってもよい。
また、詳細な説明は省略するが、第3モータM3が上記一方向とは反対の他方向に回転することにともない、図53(g)に示すように収容状態の羽根73が、図53(f)、図53(e)、図53(d)、図53(c)、図53(b)を経て、図53(a)に示すように再び収容状態となる。
なお、図示の例においては、羽根73が回転軸73Aを中心に180度回転する(半回転する)ことにより、収容状態と展開状態とが切り替わる。したがって、羽根73を整数回回転させる構成だけでなく、例えば収納状態の羽根73を2.5回転して展開状態とした後に、回転軸73Aを逆回転させながら羽根73を2.5回転して収容状態としてもよい。
〔駆動切替部740の概略構成〕
図54は、駆動切替部740を説明する図である。より詳細には、図54(a)は駆動切替部740の概念構成を説明するブロック図であり、図54(b)は第3モータM3の回転角度とカバー71および羽根73の動作の切り替わりについて説明する図であり、図54(c)は、駆動切替部740のレイアウトの概念構成を説明する図である。
次に、図54を参照しながら、カバー71および羽根73の駆動を切り替える駆動切替部740について説明する。
まず、図54(a)を参照しながら、駆動切替部740の概念構成を説明する。
本実施の形態においては、図54(a)に示すように、駆動切替部740は、切替機構74、支持板76、および開閉片78を含んで構成される。この駆動切替部740は、第3モータM3の駆動を受けカバー71と羽根73とを駆動させる。
ここで、駆動切替部740は、カバー71を駆動させる第1系統D1と、羽根73を駆動させる第2系統D2とを有する。
まず、第1系統D1には、支持板76および開閉片78が含まれる。この第1系統D1においては、開閉片78が、回転盤745を介して第3モータM3からの駆動を受けて動作(移動)する。このとき開閉片78の移動方向は、支持板76の開閉溝765(図47参照)によって案内される。そして、この開閉片78の移動にともないカバー71が駆動(開き動作および閉じ動作)する。
また、第2系統D2には、切替板741、噛合片743および外環749が含まれる。この第2系統D2においては、噛合片743が、回転盤745を介して第3モータM3からの駆動を受けて動作(移動)する。このとき、噛合片743の移動方向は、切替板741の案内溝741A(図47参照)によって案内される。また、この噛合片743の移動にともない、回転盤745および外環749の連結および連結解除が実行される。そして、回転盤745および外環749が連結され、回転盤745とともに外環749が回転することで、羽根73が駆動(展開動作および収容動作)する。
さて、図54(b)に示すように、図示の例においては、第3モータM3の回転角度に応じて、カバー71を駆動する状態と、羽根73を駆動する状態とが切り替わる。さらに説明をすると、第3モータM3が一方向(図54(b)における右側に進む向き)に回転することにともない、カバー71の開き動作から羽根73の展開動作へと切り替わる。また、第3モータM3が他方向(図54(b)における左側に進む向き)に回転することにともない、羽根73の収容動作からカバー71の閉じ動作へと切り替わる。この切り替わりは、回転盤745が回転することにともない、開閉片78および噛合片743の掛かり合いが変化することにより実行される。
さて、詳細は後述するが、切替板741は、羽根73を突出(没入)動作させる状態と、羽根73が停止している状態とを切り替える切替機構として機能する。また、回転盤745は、羽根73に駆動を伝達するための駆動機構として機能する。付言すると、回転盤745の回転にともない、第1系統D1(カバー71)への駆動の伝達および非伝達の切り替えと、第2系統D2(羽根73)への駆動の伝達および非伝達の切り替えとが実行される。
なお、図54(c)に示すように、図示の例の演出体70においては、切替機構である切替板741と、駆動機構である回転盤745とが前後方向に重ねられた配置である。また、図示の例においては、切替機構である切替板741が、駆動機構である回転盤745よりも前側に位置し、回転盤745を覆う配置である。
〔駆動切替部740の動作〕
図55乃至図57は、駆動切替部740の動作を説明する図である。
より詳細には、図55はカバー71が閉鎖状態であり羽根73が収容状態であるときの各部材の配置を示す図であり、図56はカバー71が開放状態であり羽根73が収容状態であるときの各部材の配置を示す図であり、図57はカバー71が開放状態であり羽根73が展開状態であるときの各部材の配置を示す図である。また、図55乃至図57の各々における(a)は前側から見た平面図であり、(b)は後側から見た平面図である。
なお、図55乃至図57においては、切替板741における案内溝741Aのみを示し、切替板741における他の部分については示していない。また、支持板76における開閉溝765のみを示し、支持板76における他の部分については示していない。
まず、図55(a)を参照しながら、演出体70が有する駆動切替部740を構成する部材間の関係について説明をする。上述のように、駆動切替部740は、切替板741と、噛合片743と、回転盤745と、外環749と、支持板76(図55(b)参照)と、開閉片78とを有する。
次に、切替板741について説明をする。切替板741は、第3モータM3が駆動しても回転せず、演出体70における位置は変化しない。したがって、切替板741に形成された案内溝741Aの位置も、第3モータM3の回転角度に関わらず一定である。
また、案内溝741Aは、内部に噛合片743の噛合片ピン743Aが配置される。そして、この案内溝741A内部における噛合片ピン743Aの位置が変化することにともない、噛合片743が径方向に移動する。
具体的に説明をすると、案内溝741Aは、径方向内側の領域において周方向に延びる内側領域741Bと、径方向外側の領域において周方向に延びる外側領域741Cと、周方向と交差する方向に延び内側領域741Bと外側領域741Cとを接続する接続領域741Dとを備える。
そして、図55(a)に示すように、噛合片ピン743Aが内側領域741Bに配置されている状態においては、噛合片743が径方向内側に配置される。また、図56(a)に示すように、噛合片ピン743Aが外側領域741Cに配置されている状態においては、噛合片743が径方向外側に配置される。なお、内側領域741Bは、カバー71の開放を開始するタイミングと、羽根73の回転を開始するタイミングとをずらす機能を有する。
次に、噛合片743について説明をする。噛合片743は、回転盤745の受け部745Aに配置される。そして、第3モータM3が駆動すると、噛合片743は回転盤745とともに回転する。
また、噛合片743は、径方向外側に外環749の円弧状突起部749Cまたは円弧状突起部749Dが配置されている状態においては、受け部745Aにおける径方向の移動が制限される。一方で、噛合片743は、径方向外側に外環749の受け部749Bが配置されている状態においては、受け部745Aにおける径方向の移動が許容される。
そして、図55(a)に示すように、噛合片743が径方向内側に配置されている状態においては、噛合片743が回転盤745と外環749とを連結しない。この回転盤745と外環749とが連結されていないとき、第3モータM3が駆動すると、回転盤745が回転する一方で、外環749は回転しない。
また、図56(a)および図57(a)に示すように、噛合片743が径方向外側に配置されている状態においては、噛合片743が回転盤745と外環749とを連結する。この回転盤745と外環749とが連結されているとき、第3モータM3が駆動すると、回転盤745とともに外環749が回転する。
次に、図55(b)を参照しながら、駆動切替部740における後側面の詳細な構成の説明をする。
まず、回転盤745に設けられる案内溝745Dは、内部に開閉片78の開閉ピン785が配置される。そして、この案内溝745D内部における開閉ピン785の位置が変化することにともない、開閉片78の径方向に移動する。
具体的に説明をすると、案内溝745Dは、径方向外側の領域において周方向に延びる外側領域745Eと、径方向内側の領域において周方向に延びる内側領域745Fと、周方向と交差する方向に延び外側領域745Eと内側領域745Fとを接続する接続領域745Gを備える。
そして、図55(b)に示すように、開閉ピン785が外側領域745Eに配置されている状態においては、開閉片78が径方向外側に配置される。また、図56(b)および図57(b)に示すように、開閉ピン785が内側領域745Fに配置されている状態においては、開閉片78が径方向内側に配置される。
また、開閉ピン785は、開閉溝765内に配置され、その周方向の移動は制限される一方で、径方向の移動は許容される。ここで、開閉ピン785が径方向内側の位置においてはカバー71が開放状態であり、反対に径方向外側においてはカバー71が閉鎖状態である。
そして、回転盤745の回転にともない、案内溝745Dにおける開閉ピン785の位置が変化する。このことにより、開閉片78の径方向の位置が変化し、カバー71の開放状態および閉鎖状態が切り替えられる。
次に図55乃至図57を参照しながら、駆動切替部740の詳細な動作を説明する。
図55(a)に示す状態においては、噛合片743が径方向内側であり、回転盤745と外環749とは連結されていない。すなわち、第3モータM3が回転すると、回転盤745は回転する一方で、外環749は回転しない。また、図55(b)に示すように、開閉片78は径方向外側に位置し、カバー71は閉鎖状態である。
この状態で回転盤745が回転すると、噛合片743は径方向外側へ移動する。また、回転盤745の回転にともない、案内溝745Dによって案内される開閉片78は径方向内側へ移動する。
そして、回転盤745が回転すると、図55(a)および(b)に示す状態から図56(a)および(b)に示す状態に移行する。図56(a)に示す状態においては、案内溝741Aによって案内された噛合片743が径方向外側に位置し、回転盤745と外環749とが連結される。また、図56(b)に示すように、案内溝745Dによって案内された開閉片78は径方向内側に移動し、カバー71は開放状態となる。
そして、回転盤745が外環749とともに回転すると、図56(a)および(b)に示す状態から図57(a)および(b)に示す状態に移行する。この外環749の回転にともない外環749と噛み合う回転軸73Aが回転し、羽根73が展開状態となる。
〔演出体70の変形例〕
図58は、演出体70の変形例を示す図である。
次に、図58を参照しながら、演出体70の変形例を説明する。
まず、上記の説明においては、演出体70が、カバー71、飾り板72、羽根73を備えることを説明したが、これに限定されない。
例えば、図58(a)に示す演出体701のように、羽根73が設けられない構成であってもよい。この演出体701においては、カバー710Aが飾り板720Aを覆う位置と、露出させる位置との間で移動(開閉)する。
また、図58(b)に示す演出体702のように、カバー71が設けられない構成であってもよい。この演出体702においては、飾り板720Bから羽根730Bが突出する位置と、飾り板720Bに覆われる位置との間で移動(回転)する。
また、図58(c)に示す演出体703のように、飾り板72が設けられない構成であってもよい。この演出体703においては、カバー710Cが羽根730Cを覆う位置と、露出させる位置との間で移動し、羽根730Bが径方向外側の位置と、径方向内側の位置との間で移動(回転)する。
さて、羽根73の形状および数は上記実施の形態および各変形例に限定されない。羽根73の形状は、多角形、円形、あるいはキャラクタや花の形状など種々の形状であってもよい。また、羽根73の数も、複数に限定されずに、単数であってもよい。また、互いに異なる形状の羽根73を複数備える構成であってもよい。
例えば、図58(d)に示す演出体704のように、羽根730Dが多角形(図示の例では菱形)の一部を構成する形状であってもよい。ここで、図示の例においては、飾り板720Dに多角形の他の部分を補完する造形721Dが施されている。そして、カバー710Dが開き、羽根730Dが展開することにより、羽根730Dと造形721Dとにより菱形が形成される。さらに、図示の例においては、4つの菱形、武田家の家紋である四つ割菱を完成させる。
なお、図示は省略するが、閉じた状態におけるカバー710Dの前側の面に四つ割菱の造形を施し、カバー710Dを開いた状態においても、この四つ割菱に対応する形状が形成される構成としてもよい。
また、羽根73は、偏心回転する構成でなくてもよい。例えば、図58(e)に示す演出体705のように、飾り板720Eの前側に設けられた羽根730Eが円形の板状部材で、この円形の中心に回転軸を設ける構成であってもよい。この演出体705においては、羽根730Eが回転しても演出体705の外径は変化しない。
さて、カバー71の形状および数は上記実施の形態および各変形例に限定されない。カバー71の形状は、多角形、円形、あるいはキャラクタや花の形状などの一部または全部であってもよい。また、カバー71の数も、複数に限定されずに、単数であってもよい。また、互いに異なる形状のカバー71を複数備える構成であってもよい。
例えば、図58(f)に示す演出体706のように、カバー710Fが正面から見て半円状の部材2つにより形成してもよい。この構成においては、カバー710Fが互いに離間する向きに開くことにより、内部の飾り板720Fが露出する。
また、図58(g)に示す演出体707のように、カバー710Gを正面から見て略長方形の部材2つにより形成してもよい。この構成においては、カバー710Gを扉(襖)として構成し得る。そして、カバー710Gが互いに離間する向きに開くことにより、扉が開く演出を実行し、内部の飾り板720Gが露出する。
〔演出体70の他の変形例〕
図59は、演出体70の他の変形例を示す図である。
次に、図59を参照しながら、演出体70の他の変形例を説明する。より具体的には、図59(a)は閉鎖状態の演出体708を示し、図59(b)は展開状態の演出体708を図59(a)よりも拡大して部分的に示す。
図59(a)に示すように、演出体708におけるカバー710Hの表面には、所定の装飾である第1装飾711Hが施されている。ここにいう所定の装飾とは、例えばパチンコ遊技機100(図1参照)のモチーフとなる形状、色彩、模様などの装飾をいう。本実施の形態では、第1装飾711Hは、同じ模様が周方向に沿って3つ配設された装飾となっている。
このため、演出体708が図59(a)に示す閉鎖状態の場合には、カバー710Hの表面に付されている3つの第1装飾711Hが遊技者に視認可能になる(第1の状態)。
なお、図示の例では、2つのカバー710Hにわたって一つの模様が形成されている。
また、図59(b)に示すように、演出体708が展開状態の場合には、飾り板720Hおよび羽根730Hに施されている装飾である第2装飾731Kが遊技者により視認可能になる。このとき、図59(a)で示すカバー710Hの第1装飾711Hは、遊技者が視認困難になる。
ここで、第2装飾731Kは、第1装飾711Hと相似(ないし類似、近似)するものである。また、第2装飾731Kは、第1装飾711Hよりも大きい。
また、第2装飾731Kの各々は、カバー710Hに付される第1装飾711Hの各々と周方向において対応する位置となるように、飾り板720Hの表面領域と、かかる表面領域に隣接する2つの羽根730Hとに付されている。
なお、図59(b)では、図示を省略しているが、展開状態の場合には第2装飾731Kが全部で3つ、遊技者に視認可能になる。
さらに説明すると、羽根730Hおよび移動板735の表面には、背後からの光を透過しない非透光部分731H(斜線部分で図示)と、背後からの光を透過する透光部分731Jとに区画された装飾が施されている。このため、光の透過・非透過により、遊技者は装飾を容易に認識することが可能になる。
また、飾り板720Hについても同じような透光・非透光とする例が考えられる。さらには、カバー710Hについても透光・非透光に区別する例が考えられる。
〔他の変形例1〕
さて、上記ではカバー71が覆う部材を飾り板72として説明したが、これに限定されない。例えば、カバー71が画像表示部114(図1参照)を覆う構成でもよいし、あるいは画像表示部114とは別に設けられ演出用の画像を表示する他の画像表示部(サブ液晶、不図示)を覆う構成でもよい。
また、上記では、複数の羽根73が収容状態および展開状態で切り替わる動作タイミング、すなわち複数の羽根73が突出動作および没入動作を行うタイミングが互いに一致することを説明したが、これに限定されない。例えば、複数の羽根73の各々の取り付け角度(位相)を互いに異ならせ、各々の突出動作および没入動作のタイミングを互いに異ならせてもよい。
付言すると、羽根73の収容状態とは、1つの羽根73の少なくとも一部が飾り板72の背後に隠れればよく、1つの羽根73の全体が飾り板72の背後に隠れなくともよい。同様に、羽根73の展開状態とは、1つの羽根73が収容状態よりも飾り板72から突出すればよく、1つの羽根73の全体が飾り板72から突出していなくともよい。
また、羽根73は、演出体70の径方向に移動しながら突出動作および没入動作を行うことを説明したが、これに限定されない。すなわち、羽根73は、上下方向や前後方向など他の方向に沿って移動しながら突出動作および没入動作を行ってもよい。
さて、上記実施の形態および各変形例においては、センター役物6が、上から下に延びる構成を説明したがこれに限定されない。センター役物6が、下から上に延びる構成や、横方向に延びる構成、あるいは斜め方向に延びる構成であってもよい。
また、演出体70が下側位置に移動しないとき、すなわちセンサSr23が演出体70の移動を検知しないときや、カバー71が開放状態とならないとき、すなわちセンサSr32がカバー71の動作を検知しないときは、羽根73が展開(回転)できないため、羽根73の回転動作を禁止する処理を実行してもよい。
また、タイトル役物4の演出体50が移動(落下)して回転すると、センター役物6における演出体70の移動(落下)動作、カバー71の開き動作、羽根73の突出動作により演出体50との干渉が発生する場合がある。反対に、センター役物6の演出体70が移動すると、タイトル役物4の演出体50の移動動作および反転動作により演出体70との干渉が発生する場合がある。これらの干渉を回避するため、例えば原点センサであるセンサSr11が演出体50を検知できない場合や、原点センサであるセンサSr21が演出体70を検知できない場合に、演出体50および演出体70の動作を禁止する処理を実行してもよい。
また、上記の説明においては、第3モータM3が演出体70に設けられることを説明したが、これに限定されない。例えば支持体60など、演出体70以外に第3モータM3が設けられる構成であってもよい。
また、上記の説明においては、演出体70が昇降することを説明したが、これに限定されない。例えば、位置が固定された演出体70において、カバー71の開き動作および閉じ動作、あるいは羽根73の突出動作および没入動作を行う構成であってもよい。
〔他の変形例2〕
図60は、タイトル役物4およびセンター役物6の他の変形例を説明するための図である。さらに説明をすると、図60は、タイトル役物4およびセンター役物6が設けられたスロットマシン900の概略側面図である。
さて、上記の説明においては、タイトル役物4およびセンター役物6がパチンコ遊技機100に設けられることを詳細に説明したが、パチンコ遊技機100以外の遊技機に設けられてもよい。
例えば、図60に示すように、スロットマシン900にタイトル役物4およびセンター役物6が設けられてもよい。
さらに説明をすると、図60に示すスロットマシン900は、回転しながら複数種類の図柄を例えば上から下へと循環させるように表示するリール901と、メダルが投入されるメダル投入口903と、リール901の回転を開始させるために操作される操作レバー905と、リール901の回転を停止させるために操作されるストップボタン907と、メダルが払い出されるメダル払出口909と、遊技に応じて表示による演出や情報表示を行う液晶ディスプレイ911と、液晶ディスプレイ911の前面を覆う透明板913とを備える。
そして、このスロットマシン900は、液晶ディスプレイ911と透明板913との間の前後方向における空間にタイトル役物4およびセンター役物6を備える。
さて、上記パチンコ遊技機100やスロットマシン900は、次のような遊技機として捉えることができる。すなわち、所定の演出を行う遊技機であって、前記所定の演出を行う装飾体と、駆動力を発生させる単一の駆動源と、前記単一の駆動源の駆動力を用いて前記装飾体の変位および回転を行うための機構とを備え、前記機構は、前記装飾体が前記変位することにともない、当該装飾体の回転が許容される状態と当該装飾体の回転が抑制される状態とを切り替えることを特徴とする遊技機である。
◆上記のように、本実施の形態では、可動物の動きにより、遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、この遊技機は、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、変位可能であるとともに回転可能であるように設けられる装飾体(例えば、演出体50A)と、駆動力を発生させる単一の駆動源(例えば、第1モータM1)と、前記単一の駆動源の駆動力を用いて前記装飾体の変位および回転を行うための機構(例えば、支持体40A)とを備え、前記機構は、前記装飾体を第1の位置から第2の位置に移動させ、当該第2の位置にて当該装飾体が遊技者に第1の面(例えば、第1の面500A)を向けた状態から当該装飾体を回転させ遊技者に第2の面(例えば、第2の面500B)を向けた状態とした後に当該第1の面を向け、当該第1の面を向けた当該装飾体を当該第2の位置から当該第1の位置へ移動させることを特徴とすることができる。
ここで、前記単一の駆動源は、前記装飾体の変位を行う際と前記回転を行う際とで互いに異なるトルクにて駆動することを特徴とすることができる。
◆上記のように、本実施の形態では、可動物の動きにより、遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、この遊技機は、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、移動可能に設けられた第1装飾体(例えば、演出体50A)と、移動可能に設けられ、前記第1装飾体とともに所定装飾をなす第2装飾体(例えば、演出体50B)とを備え、前記第1装飾体および前記第2装飾体は、前記所定の演出において同一のタイミングで同一方向に移動を開始し、同一のタイミングで当該同一方向の移動を終了することを特徴とすることができる。
◆上記のように、本実施の形態では、可動物の動きにより、遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、この遊技機は、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、前記所定の演出のための画像が表示される画像表示部(例えば、画像表示部114)と、前記画像表示部の一部を覆う覆い位置に進出可能に設けられる複数の可動体(例えば、演出体50A、50B)とを備え、前記複数の可動体は、前記覆い位置に配置される際に当該複数の可動体の各々の間に隙間を形成するとともに、前記画像表示部は、当該隙間を通して遊技者から見える領域(例えば、領域114K)に、当該領域と対応する形状の画像(例えば、上方延伸画像114H)を表示することを特徴とすることができる。
◆上記のように、本実施の形態では、可動物の動きにより、遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、この遊技機は、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、前記遊技機の外面を構成する透明板(例えば、透明板90)と、所定の造形が施された装飾体(例えば、演出体50A)と、前記所定の演出において前記装飾体を遊技者からみて奥側から手前側に移動させ、当該装飾体を前記透明板に対して近づける駆動部(例えば、支持体40A)とを備えることを特徴とすることができる。
また、本発明は、次のような遊技機としても実現される。この遊技機は、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、前記遊技機の外面を構成する透明板(例えば、透明板90)と、所定の造形が施された装飾体(例えば、演出体50A)と、前記所定の演出において前記装飾体を遊技者からみて手前側から奥側に移動させ、当該装飾体を前記透明板から遠ざける駆動部(例えば、支持体40A)とを備えることを特徴とすることができる。
また、この遊技機は、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、前記遊技機の外面を構成する透明板(例えば、透明板90)と、所定の造形が施された装飾体(例えば、演出体50A)と、前記所定の演出において前記装飾体を遊技者からみて手前側から奥側に移動させ、当該装飾体を前記透明板から遠ざけた後に、当該装飾体を遊技者からみて奥側から手前側に移動させ当該装飾体を当該透明板に対して近づける駆動部(例えば、支持体40A)とを備えることを特徴とすることができる。
◆上記のように、本実施の形態では、可動物の動きにより、遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、この遊技機は、所定の演出を行う役物(例えば、演出体70)を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、前記役物は、移動可能に設けられた第1可動体(例えば、飾り板72)と、前記第1可動体に対して移動可能に設けられるとともに、当該第1可動体よりも遊技者側から見て手前側に位置し当該第1可動体の少なくとも一部を覆う複数の第2可動体(例えば、カバー71)とを備え、前記複数の第2可動体の各々は、前記所定の演出を行う際に前記第1可動体よりも前記手前側の位置から奥側に向けて移動し当該第1可動体を露出させることを特徴とすることができる。
◆上記のように、本実施の形態では、可動物の動きにより、遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、この遊技機は、所定の演出を行う役物(例えば、センター役物6)を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、前記役物は、第1の位置(例えば、上側位置)から第2の位置(例えば、下側位置)へ移動する演出体(例えば、飾り板72)と、前記演出体に設けられ当該演出体の少なくとも一部を覆う覆い部(例えば、カバー71)と、前記演出体が前記第1の位置から前記第2の位置に移動した後に前記覆い部を裏返し当該演出体を露出させる露出手段(例えば、切替機構74)とを備えることを特徴とすることができる。
◆上記のように、本実施の形態では、可動物の動きにより、遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、この遊技機は、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、本体(例えば、飾り板72)と、当該本体に対して回転可能に複数設けられる回転体(例えば、羽根73)とを有する演出体(例えば、演出体70)を備え、前記回転体は少なくとも一部が前記本体に収容可能であり、当該回転体が回転することにともない当該回転体が当該収容された状態よりも当該本体から突出し、前記演出体の外寸が拡がることを特徴とすることができる。
以上、本書にて可動役物115における種々の構造や制御等について説明したが、説明した内容の全部または一部を他の構造や制御等に応用ないし組み合わせることは、本書に言及がない場合であっても可能である。また、種々の変形例についても言及したが、かかる変形例の内容を他の構造や制御等に応用ないし組み合わせることは、本書に言及がない場合であっても可能である。
なお、本実施の形態では、遊技制御部200の主制御処理において、主制御処理の各処理で生成されたコマンドを最後にまとめて演出制御部300へ出力する動作について説明した(図5−3参照)。
また、本実施の形態では、電源復帰時に、遊技制御部200により初期的に実行される基本処理において、設定の初期化を指示するコマンド等を演出制御部300へ出力するために、主制御処理で用いられる出力制御部240の機能(サブルーチン)を呼び出して実行することについて説明した(図5−1参照)。
また、本実施の形態では、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドを「コード部」と「データ部」とで構成し、各々の先頭ビットに識別用のフラグを設けることについて説明した(図19−1参照)。
また、本実施の形態では、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドの「コード部」の一部を、データ値を記述するために用いる構成について説明した。
〔本実施の形態の技術的特徴〕
◆上記のように、本実施の形態では、遊技制御手段の動作を制御する制御命令の増加を削減するため、遊技制御部200により所定の時間間隔で繰り返し実行される主制御処理において、1サイクルの主制御処理の最後に、その1サイクルの実行で生成されたコマンドをまとめて、演出制御部300へ出力することとした。すなわち、上記の目的を達成する遊技機は、
遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、
遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を所定の条件にしたがって繰り返し実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、
一連の前記主制御処理を1サイクル実行する度に、当該1サイクルの実行により生成された前記データを、当該1サイクルの実行における最後のデータの生成が行われた後に出力する出力手段(例えば、出力制御部240)と、
前記出力手段(例えば、出力制御部240)から出力されたデータを受け付け、受け付けたデータに基づき演出を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、
を備える。
このようにすれば、生成されたデータごとに出力処理を行う必要がないため、出力処理を行うための制御命令を削減し、プログラムサイズの増大を抑制することができる。また、データが生成される度に出力処理を行う必要がないため、出力処理全体に要する時間を短縮することができる。
また、より詳細には、上記の遊技機において、
前記主制御処理で生成されたデータを、データごとに設定された記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に記憶する記憶手段(例えば、RAM203)をさらに備え、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)は、前記主制御処理において生成した前記データを、生成したデータに対応付けられた前記記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に記憶させ、
前記出力手段(例えば、出力制御部240)は、前記記憶手段(例えば、RAM203)の各記憶領域に対してデータが記憶されているか否かを調べ、データが記憶されている記憶領域からデータを読み出して出力する。
このようにすれば、出力処理を行う度に、各記憶領域を確認して、記憶されているデータを出力するので、データ出力の漏れを防止することができる。
◆また、上記の目的を達成する他の遊技機は、
遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、
遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を所定の条件にしたがって繰り返し実行し、当該主制御処理とは異なる条件にしたがって当該主制御処理とは異なる特別処理を実行する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、前記データに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、
前記主制御処理において前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)による処理は、
遊技の進行に基づく処理を行うと共に、当該処理を実行して得られた情報を含むデータを生成する1または複数の第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)を呼び出して実行する部分と、
前記第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)の実行により生成されたデータを前記演出制御手段(例えば、演出制御部300)へ出力する第2の処理手段(例えば、出力制御部240)を呼び出して実行する部分と、を含み、
前記特別処理において前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)による処理は、
遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)の設定を行う設定処理を実行する部分と、
前記設定処理において生成されたデータを、前記主制御処理における前記第2の処理手段(例えば、出力制御部240)を呼び出して、前記演出制御手段(例えば、演出制御部300)へ出力する部分と、を含む、構成とすることができる。
このようにすれば、特別処理で生成されたデータの出力処理を行うために個別の制御命令を用意する必要がないため、出力処理を行うための制御命令を削減し、プログラムサイズの増大を抑制することができる。
また、より詳細には、上記の遊技機において、
前記主制御処理で生成されたデータを、データごとに設定された記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に記憶する記憶手段(例えば、RAM203)をさらに備え、
前記主制御処理における前記第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)は、処理の実行により生成した前記データを、生成したデータに対応付けられた前記記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に順次記憶させ、
前記主制御処理における前記第2の処理手段(例えば、出力制御部240)は、前記記憶手段(例えば、RAM203)の各記憶領域に対してデータが記憶されているか否かを調べ、データが記憶されている記憶領域からデータを読み出して出力し、
前記特別処理における前記設定処理では、前記設定処理において生成されたデータを、前記記憶手段(例えば、RAM203)における所定の前記記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に記憶させる。
このようにすれば、出力処理を行う度に、各記憶領域を確認して、記憶されているデータを出力するので、データ出力の漏れを防止することができる。
◆また、本実施の形態では、遊技制御手段から演出制御手段へのデータ伝送の精度を向上させるため、第1データ部である「コード」の所定のビットと、第2データ部である「データ」の所定のビットを、「コード」と「データ」とを識別するためのフラグとして用いた。すなわち、上記の目的を達成する遊技機は、
遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、
遊技の進行に関する主制御処理を実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成して出力する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、受け付けたデータに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データは、
aビット(aは2以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定されている第1データ部(例えば、「コード」)と、
n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部(例えば、「コード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている第2データ部(例えば、「データ」)と、を含む、構成とすることができる。
このようにすれば、先頭の1ビットの値を認識することにより、第1データ部と第2データ部とを明確に区別することができるため、遊技制御手段から演出制御手段へのデータ伝送の精度を向上させることができる。
また、より好ましくは、上記の遊技機において、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データの前記第2データ部(例えば、「データ」)は、先頭からaビットごとに、先頭の1ビットの値と同じ値が設定される。
このようにすれば、第2データ部のサイズが大きい場合でも、特定のサイズごとに切り分けて、各々が第2データ部であることを識別することが容易となる。
◆また、本実施の形態では、実行対象の変動パターンを特定するコマンドを送信する場合のように、大きなサイズのデータを送る必要がある場合にも、遊技制御手段から演出制御手段へ送られるデータ全体のサイズの増大を抑制するため、第1データ部である「コード」の所定のビットをデータ値を記述するために用い、「コード」の一部と第2データ部である「データ」とでデータ値を記述する手法を提案した。すなわち、上記の目的を達成する遊技機は、
遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、
遊技の進行に関する主制御処理を実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成して出力する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、当該データに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データは、
aビット(aは3以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定されている第1データ部(例えば、「コード」)と、
n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部(例えば、「コード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている第2データ部(例えば、「データ」)と、を含み、
前記第1データ部(例えば、「コード」)を構成する所定のビットと、前記第2データ部(例えば、「データ」)を構成するビットとを用いて、所定の種類のデータが記録され、当該第1データ部(例えば、「コード」)における当該所定のビットを除く残りのビットを用いて、当該所定の種類のデータとは異なる他の種類のデータが記録される構成とすることができる。
また、上記の目的を達成する他の本発明による遊技機は、
遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、
遊技の進行に関する主制御処理を実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成して出力する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、当該データに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データは、
aビット(aは3以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定されている第1データ部(例えば、「コード」)と、
aビットのサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部(例えば、「コード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている第2データ部(例えば、「データ」)と、を含み、
前記第1データ部(例えば、「コード」)を構成するbビット(bはa−1よりも小さく、1以上の整数)と、前記第2データ部(例えば、「データ」)を構成するaビットとを用いて、(a+b)ビットのサイズのデータが記録される構成とすることができる。
上記のような構成とすれば、第1データ部および第2データ部の合計サイズを変えることなく、第2データ部に記録されるべきデータのサイズを、より大きくすることが可能となるため、遊技制御手段から演出制御手段へ大きなサイズのデータを送る場合に、伝送されるデータ全体のサイズの増大を抑制することができる。
70…演出体(演出体の一例)
72…飾り板(本体の一例)
73…羽根(回転体の一例)
100…パチンコ遊技機(遊技機の一例)
上記の目的を達成する本発明は、次のような遊技機として実現される。この遊技機は、遊技枠を備え所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、前記遊技枠において内部を視認可能とする視認領域と、本体(例えば、飾り板72)と、当該本体に対して回転可能に複数設けられる回転体(例えば、羽根73)とを有する演出体(例えば、演出体70)を備え、前記回転体は前記本体よりも前記視認領域から遠い側に設けられ、少なくとも一部が当該本体によって覆われることが可能であり、前記回転体が回転することにともない当該回転体の前記少なくとも一部が前記本体によって覆われた状態よりも当該本体から突出し、前記演出体の外寸が拡がることを特徴とすることができる。

Claims (1)

  1. 所定の演出を行う遊技機であって、
    本体と、当該本体に対して回転可能に複数設けられる回転体とを有する演出体を備え、
    前記回転体は少なくとも一部が前記本体に収容可能であり、当該回転体が回転することにともない当該回転体が当該収容された状態よりも当該本体から突出し、前記演出体の外寸が拡がる
    ことを特徴とする遊技機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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