JP5946885B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、遊技球の入賞によって大当たりの抽選を行うパチンコ遊技機や遊技媒体の投入の際の抽選結果を複数リールの停止時に図柄の組み合わせで表示するスロットマシン等の遊技機に関するものである。
例えば、画像表示装置等で行われる画像演出とともに、実際の構造物である所謂ギミックといわれる演出体を作動させて、演出を盛り上げる遊技機が提案されている。
公報記載の従来技術として、例えば特許文献1には、電気的機器を搭載した可動体と、これと相対移動するドライバと、電気的機器に一端が接続されドライバに他端が接続されるフラットケーブルと、可動体に設けられてフラットケーブルの途中部分が挿通されるケーブル押え部と、ケーブル押え部を構成してフラットケーブルの板面に臨むように配置されて可動体が往復動する際にフラットケーブルが押し付けられると弾性変形する弾性部材とを有する遊技機が開示されている。
特開2010−187992号公報
ここで、従来は、可動する演出体における配線を設けるために必要となる空間が大きくなっていた。
本発明は、可動する演出体における配線をコンパクトにすることを目的とする。
上記の目的を達成する本発明は、次のような遊技機として実現される。この遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、演出動作を行う演出体(例えば、変形部53)を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、前記演出体(例えば、変形部53)は、配線パターンが形成され電子部品が実装されている第1配線基板(例えば、ベース中継基板55)と、配線パターンが形成され電子部品が実装されているとともに、前記第1配線基板(例えば、ベース中継基板55)に対して移動可能に設けられる移動部材(例えば、第1移動部材621)に対してさらに移動可能に設けられ当該第1配線基板(例えば、ベース中継基板55)に対して相対移動する第2配線基板(例えば、胸部中継基板56)と、配線パターンが形成されるとともに、前記移動部材(例えば、第1移動部材621)に接続する接続部(例えば、第2固定部677)と、当該接続部(例えば、第2固定部677)から前記第1配線基板(例えば、ベース中継基板55)に向けて反転する第1ループ部(例えば、第1ループ部672R)と、当該接続部(例えば、第2固定部677)から前記第2配線基板(例えば、胸部中継基板56)に向けて当該第1ループ部とは逆側に反転する第2ループ部(例えば、第2ループ部673R)とを有して、当該第1配線基板(例えば、ベース中継基板55)と当該第2配線基板(例えば、胸部中継基板56)とを電気的に接続する移動配線基板(例えば、第2FPC67)と、を有することを特徴とする。
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
本発明によれば、可動する演出体における配線をコンパクトにすることが可能になる。
本実施の形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。 (a)は遊技盤の右下に配設された表示器の一例を示す拡大図であり、(b)はパチンコ遊技機の部分平面図である。 本実施の形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示す図である。 本実施の形態の遊技制御部の機能構成を示すブロック図である。 遊技制御部による基本処理の動作を示すフローチャートである。 遊技制御部による電源遮断時処理の動作を示すフローチャートである。 遊技制御部の主制御処理を示すフローチャートである。 始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 ゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大当たり判定処理の内容を示すフローチャートである。 変動パターン選択処理の内容を示すフローチャートである。 停止中処理の内容を示すフローチャートである。 客待ち設定処理の内容を示すフローチャートである。 普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。 遊技状態設定処理の内容を示すフローチャートである。 電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。 本実施の形態で用いられる乱数の構成例を示す図であり、(a)は大当たり乱数の構成例を示す図であり、(b)は大当たり図柄乱数の構成例を示す図であり、(c)はリーチ乱数の構成例を示す図であり、(d)は当たり乱数の構成例を示す図である。 変動パターン選択処理において用いられる変動パターンの設定例を示す図である。 コマンドの構成を示す図であり、(a)はコマンドのデータ構造を示す図であり、(b)はコマンドのビット列としての構造を示す図である。 演出制御部の動作を示すフローチャートであり、(a)はメイン処理を示す図、(b)は割り込み処理を示す図である。 コマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 モードフラグの設定例を示す図である。 図20の演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図20の変動演出終了中処理の内容を示すフローチャートである。 図20の当たり演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図20のエンディング演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図20の客待ちコマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 演出ボタン処理の内容を示すフローチャートである。 遊技制御部のRAMの構成例を説明するブロック図であり、(a)は記憶領域の構成を示すブロック図であり、(b)は(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。 演出制御部のRAMの構成例を説明するブロック図であり、(a)は保留記憶領域の構成を示すブロック図であり、(b)は(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。 事前判定処理で用いられる乱数の構成例を示す図であり、(a)は事前判定処理での大当たり乱数の構成例を示す図であり、(b)は事前判定処理での大当たり図柄乱数の構成例を示す図であり、(c)は事前判定処理でのリーチ乱数の構成例を示す図である。 事前判定処理の内容を示すフローチャートである。 演出制御部による報知コマンドの受け付け処理の内容を示すフローチャートである。 車型ロボット部の移動部の待機状態を示す図である。 車型ロボット部の移動部の登場状態を示す図である。 本実施の形態の移動部の一連の動きを説明するための図である。 第1の期待演出を説明するための図である。 第2の期待演出を説明するための図である。 車型ロボット部の全体構成を示す図である。 本実施の形態の変形部ベースおよび左右方向移動部を示す図である。 本実施の形態の変形機構部を示す図である。 本実施の形態のベース部材を示す図である。 移動部の位置の移動を説明するための図である。 変形部の上下方向における振動動作を説明するための図である。 変形部における基準位置の位置決め機構の説明図である。 変形部における基準位置の位置決め機構の動作の説明図である。 移動部の内部構造を示す全体斜視図である。 胸部発光基板、レンズおよび導光部材の説明図である。 顔部および胸部における発光機構の動作の説明図である。 本実施の形態の第2FPCの詳細図である。 変形部に第2FPCを取り付けた状態を示す図である。 本実施の形態の第2FPCの動きの説明図である。 初期形態の変形部における第1ケーブルおよび第2ケーブルを示す図である。 変形形態の変形部における第1ケーブルおよび第2ケーブルを示す図である。 ベース部材における第1FPCに関わる構成部の説明図である。 第1FPCとベース部材を詳細に説明するための図である。 移動部が移動する際の第1FPCの動作の説明図である。 変形例の第1FPCの説明図である。 車型ロボット部の他の適用例を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
図1に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
なお、以下の説明において、図1に示すパチンコ遊技機100の紙面上側と紙面下側との方向を上下方向と称し、紙面左側と紙面右側との方向を左右方向と呼ぶ。さらに、図1に示すパチンコ遊技機100に対して遊技者が遊技をする側を前側と呼び、その逆側を後側と呼ぶ。
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像や後述の保留表示を用いた演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
そして、本実施の形態の可動役物115は、図1に示すように、造形可動体4、車型ロボット部5およびタイトルロゴ部7を有している。
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する始動ゲート(以下、単にゲートと呼ぶ)124と、が遊技盤110に配設されている。なお、図1において、ゲート124は、遊技領域111の左右にそれぞれ設けられており、左側のゲート124は124Lと記載し、右側のゲート124は124Rと記載している。また、ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器の作動契機となる入賞口をいう。具体的には、第1始動口121および第2始動口122には、入賞の際に遊技球の通過を検知するスイッチ(後述の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212)が設けられている。そして、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した際にこのスイッチが遊技球の通過を検知することが、特別図柄表示器を作動させる契機となる。
第2始動口122は、一枚の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ(開閉部材)123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば0.15秒ないし1.8秒間)および規定回数(例えば1回ないし3回)だけ開く。なお、電動チューリップ123は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉するように構成しても良い。
パチンコ遊技機100は、遊技状態として、大当たり抽選の当選確率に基づき、当選確率の低い低確率状態と、低確率状態よりも当選確率の高い高確率状態とを有している。そして、所定の条件において低確率状態と高確率状態とのいずれかの状態に制御される。また、パチンコ遊技機100は、第2始動口122への入賞機会が少ない時短無状態と、時短無状態よりも第2始動口122への入賞機会が多い時短状態とを有している。そして、所定の条件において、時短無状態と、時短状態とのいずれかの状態に制御される。時短状態とは、たとえば、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する、のいずれか一つまたは複数の組合せによって制御される遊技状態である。なお、時短状態では、特別図柄の特別図柄変動時間が短縮されていてもよい。
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125および第2大入賞口127と、遊技球が入賞しても抽選を行わない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
また、遊技盤110の裏面には、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。枠ランプ157は、LED等の発光体で構成され、点灯・点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
図2は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100を説明する図であり、図2(a)は、遊技盤110の右下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、図2(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過したことに基づき、普通図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。本実施の形態では、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって特別図柄抽選の抽選結果が表示される。同様に、普通図柄表示器223も、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって普通図柄抽選の抽選結果が表示される。
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。本実施の形態では、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
ここで、保留について説明する。特別図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した場合、特別図柄が変動中であるために、後の入賞に基づく特別図柄の変動表示動作を開始することができない。そのため、後の入賞は規定個数(例えば4個)を限度に記憶され、その入賞した遊技球に対する特別図柄を始動させるための権利が、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、保留される。なお、普通図柄に関しても、特別図柄と同様の処理を行う。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未変動数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
さらに、表示器130は、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224を備えている。本実施の形態では、状態表示器224は、3個のLEDを配列した表示装置で構成されている。3個のLEDのうち1つは、パチンコ遊技機100の状態が、特別図柄抽選の当選確率が高確率である高確率状態となっているか否かを点灯により報知するものである。また、他の1つは、パチンコ遊技機100の状態が、第2始動口122に入賞しやすい時短状態となっているか否かを点灯により報知するものである。さらに他の1つは、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)遊技者に有利な状態となっているか否かを点灯により報知するものである。
なお、状態表示器224が表示するパチンコ遊技機100の状態は上記の例に限らず、他の状態を表示することができる。例えばパチンコ遊技機100の状態として低確率状態よりも当選確率が高く高確率状態よりは当選確率が低い中確率状態が設定される場合、状態表示器224は、中確率状態となっているか否かを点灯により報知しても良い。
また、表示器130は、特別図柄抽選の抽選結果に応じて行われる大当たり遊技において大入賞口125が作動される際のラウンド数を表示するラウンド数表示器225を備えている。なお、大当たり遊技については後述する。ラウンド数表示器225は、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって大当たり遊技における大入賞口125の作動ラウンド数が表示される。
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。図示の例において、遊技者は、例えば、十字に配列された4つのキーからなる演出キー162を操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像の何れかを指示することが可能であり、また、演出ボタン161を操作することにより、指示した画像を選択することが可能である。また、入力装置の形態としては、図示した演出ボタン161および演出キー162の他、レバーやダイヤル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部330と、を備えている。
前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部330各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、その抽選結果を演出制御部300に送る。また、高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する制御を行う。また、遊技制御部200は、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
さらにまた、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、特別電動役物である大入賞口125が所定条件(例えば29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部330に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部330に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部330に指示しない。
払出制御部330が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部330から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
遊技制御部200には、検知手段として、図3に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
また、遊技制御部200には、特別図柄の変動中に第1始動口121へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、特別図柄の変動中に第2始動口122へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄の変動中にゲート124を通過した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板350が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部330から取得した、払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板350を介してホストコンピュータに送信する。
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン161等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
また、演出制御部300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、演出制御部300は、遊技制御部200より受信した高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。
ROM312には、さらに、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部330は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU331と、CPU331にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM332と、CPU331の作業用メモリ等として用いられるRAM333と、を備えている。
そして、払出制御部330は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部330は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部334を制御する。ここでの払出駆動部334は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
また、払出制御部330には、払出駆動部334により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部335と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部336と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部337と、が接続されている。そして、払出制御部330は、払出球検出部335、球有り検出部336および満タン検出部337にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部330には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板340が接続されている。そして、払出制御部330は、例えば払出駆動部334に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部335にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板340を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部231と、普通図柄判定部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄判定部234と、普通図柄変動制御部236と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部237と、電動チューリップ動作制御部238と、賞球処理部239と、出力制御部240と、乱数制御部241と、を備えている。
乱数取得部231は、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞した場合に、特別図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、特別図柄判定部234による判定に用いられる。
乱数取得部231は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、普通図柄判定部232による判定に用いられる。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
特別図柄判定部234は、特別図柄の変動開始時に、図17に示すような乱数テーブルを用いて、その抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。すなわち、乱数取得部231は、検知手段である第1始動口スイッチ211または第2始動口スイッチ212により遊技球の通過が検知されたことを契機として特別図柄に関する乱数値を取得し、特別図柄判定部234は、取得した乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技等)を行うか否かを判定する。なお、前述した特別図柄の抽選(大当たり抽選)は、乱数取得部231および特別図柄判定部234における処理のことをいう。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態かの組み合わせによって大当たりの種類が決まる。すなわち、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に基づく大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、時短状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短遊技状態の大当たり)、時短状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短遊技状態の大当たり)、時短無状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短無遊技状態の大当たり)、時短無状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短無遊技状態の大当たり)が有り得る。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払出がほとんど期待できない大当たりとに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれる。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば29.5秒経過または10個の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが所定回数(例えば15回)繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間(例えば0.1秒)だけ大入賞口125が開状態となるラウンドが所定回数(例えば15回)繰り返される。
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、例えば0.1秒だけ大入賞口125が開状態となる態様が所定回数(例えば15回)行われる小当たり遊技が行われる。なお、小当たり当選時には、小当たり遊技が終了した後においても小当たり当選前の遊技状態を継続する。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても高確率時短遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が低確率時短無遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても低確率時短無遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
変動パターン選択部235は、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。ここでは、変動パターン選択部235は、大当たり遊技を行うか否かの判定結果およびリーチを行うか否かの判定結果等に基づいて、変動パターンを決定する。そして、変動パターン選択部235により選択された変動パターンに基づいて、特別図柄変動制御部233が特別図柄の変動を制御する。変動パターン選択部235および特別図柄変動制御部233の動作の詳細については後述する。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるための演出である。
普通図柄判定部232は、普通図柄の抽選が行われた場合に、普通図柄の抽選結果が「当選かはずれであるか」を判定する。
普通図柄変動制御部236は、普通図柄の抽選結果に応じて、普通図柄の変動を制御する。
電動チューリップ動作制御部238は、普通図柄の抽選により「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態を発生させない。
大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の開放動作を制御する。
賞球処理部239は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部240は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部330へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部241は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機100は、図1に示すように、第2大入賞口127を備えている。この第2大入賞口127の制御は、大入賞口125と基本的に同じである。例えば、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、第2大入賞口127が開状態となる開放パターンを制御する。そして、本実施の形態では、第2大入賞口127に球技球が入球した場合には、大当たり遊技の終了後に所定の遊技状態に移行するように構成している。具体的には、第2大入賞口127に遊技球が入球した場合、本実施の形態では、高確率状態に移行するように設定している。なお、第2大入賞口127に入賞した場合に、大当たり遊技の終了後に移行させる所定の遊技状態としては、高確率状態に限らず、例えば時短状態に設定しても構わない。また、第2大入賞口127の内側に、さらに特別な入賞口を設けて、特別な入賞口に遊技球が入球した場合に、大当たり遊技の終了後に所定の遊技状態に移行するように構成しても良い。
〔遊技機の基本動作〕
次に、パチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の遊技制御部200は、電源が投入されると、起動時の基本処理として、各種装置の初期化や初期設定を行う。そして、基本処理を行った後、遊技制御部200は、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を繰り返し実行する。また、電源を遮断する際には、遊技制御部200は、一連の電源遮断時処理を実行する。
図5−1は、遊技制御部200による基本処理の動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源が投入されると、まず、RAM203(図3参照)へのアクセスを許可する(ステップ(以下、ステップを「S」と記載する)101)。そして、遊技制御部200は、RAM203をクリアするためのRAMクリアスイッチがONとなっているか否かを判断する(S102)。
RAMクリアスイッチがOFFである場合(S102でNo)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時の動作に関するバックアップフラグがONとなっているか否かを判断する(S103)。
バックアップフラグがONである場合(S103でYes)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時に作成されたチェックサムが正常か否かを判断する(S104)。
チェックサムが正常である場合(S104でYes)、次に、遊技制御部200は、復帰処理を実行する(S105)。この復帰処理において、遊技制御部200は、電源が遮断された状態からの復帰に伴う、演出制御部300等のサブ制御手段の設定を行う。具体的には、遊技制御部200は、電源が遮断される際におけるパチンコ遊技機100の内部状態(大当たり遊技中か否か、高確率状態と低確率状態のいずれか、時短状態と時短無状態のいずれか)を反映させるように、サブ制御手段を設定するためのコマンドを演出制御部300へ出力する。また、この復帰処理において、遊技制御部200は、バックアップフラグをOFFにする。
一方、RAMクリアスイッチがON(S102でYes)、バックアップフラグがOFF(S103でNo)、チェックサムが異常(S104でNo)のいずれかに該当する場合、次に遊技制御部200は、初期化処理として、RAM203の記憶内容をクリアし(S106)、RAM203の作業領域を設定する(S107)。そして、遊技制御部200は、サブ制御手段を設定(初期化)するためのコマンドを演出制御部300へ出力し、サブ基板(サブ制御手段)の設定を行う(S108)。サブ基板の設定には、各サブ基板に搭載されているRAM303、313、323をクリアすること等が含まれる。
復帰処理(S105参照)が終了した後、またはサブ基板の設定(S108参照)が終了した後、遊技制御部200は、遊技制御に用いられる各種のカウンタおよびタイマーを設定する(S109)。そして、遊技制御部200は、割り込み許可(S110)、割り込み禁止(S111)、図柄乱数制御処理(S112)、初期値乱数更新処理(S113)、電源遮断フラグがONとなっているか否かの判断(S114)をループ処理として繰り返し実行する。
ここで、割り込み許可(S110)および割り込み禁止(S111)は、このループ処理(S110〜S114)の実行中に割り込み処理の実行を可能とするために設けられている。本実施の形態では、この割り込み処理により、遊技制御における主制御処理が実行される。主制御処理の詳細については後述する。
図柄乱数制御処理(S112)において、遊技制御部200は、特別図柄抽選で用いられる変動パターン乱数の更新を行う。
初期値乱数更新処理(S113)において、遊技制御部200は、遊技制御において用いられる各種の乱数値の初期値を更新する。
電源遮断フラグの判断において、電源遮断フラグがOFFである場合(S114でNo)、パチンコ遊技機100の電源は遮断されず、遊技制御部200は、ループ処理(S110〜S114)と共に割り込みによる主制御処理を繰り返し実行する。一方、電源遮断フラグがONである場合(S114でYes)、遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源を遮断するための処理(電源遮断時処理)を開始する。
図5−2は、遊技制御部200による電源遮断時処理の動作を示すフローチャートである。
電源遮断時処理において、遊技制御部200は、まず、各種の出力を行うための出力ポートの設定をクリアする(S115)。次に、遊技制御部200は、チェックサムを作成し、RAM203に格納する(S116)。次に、遊技制御部200は、バックアップフラグをONにし(S117)、RAM203へのアクセスを禁止して(S118)、無限ループに移行する。
〔遊技機の主制御処理〕
次に、パチンコ遊技機100の主制御処理を説明する。
遊技制御部200は、主制御処理において、パチンコ遊技機100における遊技を制御すると共に、サブ制御手段である演出制御部300に対して演出の制御を指示し、払出制御部330に対して賞球の払い出しの制御を指示する。
図5−3は、遊技制御部200の主制御処理を示すフローチャートである。
主制御処理は、遊技制御における一連の処理からなり、予め設定された一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行される。本実施の形態において、遊技制御部200は、予め設定された一定時間ごとに割り込みを発生させ、図5−1に示すループ処理の中で割り込みが許可(S110参照)されると、割り込み処理として主制御処理を実行する。図7に示すように、主制御処理では、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(S501〜S506)。
乱数更新処理(S501)では、遊技制御部200は、乱数制御部241の機能(サブルーチン)を呼び出し、遊技制御部200による遊技制御で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
スイッチ処理(S502)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行われる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200は、乱数取得部231の機能(サブルーチン)を呼び出し、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200は、普通図柄判定部232の機能(サブルーチン)を呼び出し、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
図柄処理(S503)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部200は、特別図柄変動制御部233、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235の各機能(サブルーチン)を呼び出し、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
普通図柄処理では、遊技制御部200は、普通図柄変動制御部236の機能(サブルーチン)を呼び出し、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
電動役物処理(S504)としては、大入賞口処理、電動チューリップ処理が行われる。
大入賞口処理では、遊技制御部200は、大入賞口動作制御部237の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200は、電動チューリップ動作制御部238の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
賞球処理(S505)では、遊技制御部200は、賞球処理部239の機能(サブルーチン)を呼び出し、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力処理(S506)では、遊技制御部200は、出力制御部240の機能(サブルーチン)を呼び出し、演出制御用のコマンドを演出制御部300へ出力し、払い出し制御用のコマンドを払出制御部330へ出力する。演出制御用コマンドは、S502からS504までの各処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。払い出し制御用コマンドは、S505の処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。RAM203には、制御用コマンドの種類ごとに格納領域が設定されている。
出力制御部240は、RAM203の各制御用コマンドの格納領域を順に調べ、個々の格納領域に制御用コマンドが格納されていれば(すなわち、S502〜S505の処理で制御用コマンドが生成されていれば)、その制御用コマンドを読み出し、出力先(演出制御部300または払出制御部330へ出力する。
本実施の形態では、図5−3に示したように、一連の主制御処理の最後に出力処理を行う。すなわち、第1の処理手段としての上記各機能によるS502〜S505の各処理において生成されたコマンドを、その各処理においてはRAM203の対応する格納領域に格納しておく。そして、これらの処理の後に、第2の処理手段としての出力制御部240が、RAM203の格納領域に蓄積された、各処理で生成されたコマンドをまとめて出力する。言い換えれば、本実施の形態では、主制御処理を1サイクル実行すると、その1サイクルの実行において生成されたコマンドが、その1サイクルの実行における最後のコマンド生成が行われた後に、出力される。
〔遊技機の基本動作の変形例〕
なお、図5−1乃至図5−3を参照して説明した動作例では、基本処理におけるループ処理の部分で割り込みを許可し、割り込み処理として一連の処理からなる主制御処理を実行した。しかしながら、主制御処理は、一定時間ごとに繰り返し実行されるように構成されていれば良く、具体的な実現手段(実行手順)は、図5−1乃至図5−3に示した例には限定されない。例えば、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れておき、所定のタイミングで経過時間を計測し、一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに主制御処理へ戻る構成としても良い。また、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れる一方で、図5−1乃至図5−3を参照して説明した動作と同様に、一定時間ごとに割り込みを発生させ、割り込みが発生したならば基本処理中に組み入れられた主制御処理へ戻る構成としても良い。
また、基本処理で生成されたコマンドを出力する場合は、原則として、コマンドを生成する度に、RAM203のコマンド格納領域に格納し、第2の処理手段である出力制御部240の機能を呼び出して出力する。基本処理は、電源投入時に行われる初期動作等の特別処理であり、電源投入時のパチンコ遊技機100の状態等の条件に基づく分岐により処理手順が変動する場合があるため、出力処理に漏れが無いように、生成したコマンドを速やかに出力するためである。なお、関連する複数の処理により連続的にコマンドが生成される場合等、具体的な処理の要請に応じて、複数のコマンドをRAM203のコマンド格納領域に格納し、まとめて出力する処理手順を採っても良い。
〔遊技制御部での始動口スイッチ処理〕
図6は、図5−3のS502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部200は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(S601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第1始動口121の入賞における未変動分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(S602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(S602でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U1が上限値未満である場合(S602でYes)、次に遊技制御部200は、保留数U1の値を1加算する(S603)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S604)。ここでは、第1始動口121の入賞なので、特別図柄抽選のための乱数値が取得される。このとき取得される乱数値は、S501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により、後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。ここにいう乱数値としては、大当たり、小当たりまたははずれを決定する大当たり乱数値、大当たりの種類(大当たり遊技の終了後における時短状態か時短無状態、高確率状態と低確率状態、長当たり、短当たり)を決定する図柄乱数値(大当たり図柄乱数値)、図柄変動における変動パターンを特定するための変動パターン乱数値、はずれのときにリーチ有り演出をするか否かを決定するリーチ乱数値、等が含まれる。
次に、遊技制御部200は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(S605)。この事前判定処理は、抽選結果の判定を図柄変動開始時ではなく始動口入賞時に(すなわちS605において)行うものである。なお、事前判定に基づく予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、遊技制御部200は、S603による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S606)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。S605の事前判定処理が行われた場合は、保留数増加コマンドには、S605で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
次に、第2始動口122における入賞に対する処理が行われる。図6を参照すると、次に遊技制御部200は、第2始動口122に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212がONとなったか否かを判断する(S607)。第2始動口スイッチ212がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第2始動口122の入賞における未変動分の保留数U2が上限値未満か否かを判断する(S608)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U2が上限値に達している場合は(S608でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U2が上限値未満である場合(S608でYes)、次に遊技制御部200は、保留数U2の値を1加算する(S609)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S610)。ここでは、第2始動口122の入賞なので、上記のS604と同様に、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値)、リーチ乱数値、変動パターン乱数値など)が取得される。このとき取得される乱数値は、S501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。
次に、遊技制御部200は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(S611)。この事前判定処理の内容は、上記のS605と同様である。この事前判定処理も、事前判定に基づく予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、遊技制御部200は、S609による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S612)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。S611の事前判定処理が行われた場合は、保留数増加コマンドには、S611で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
〔遊技制御部でのゲートスイッチ処理〕
図7は、ゲート124を遊技球が通過した場合のゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(S701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に遊技制御部200は、未変動分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(S702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(S702でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
一方、保留数Gが上限値未満である場合(S702でYes)、次に遊技制御部200は、保留数Gの値を1加算する(S703)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S704)。ここでは、ゲート124の入賞なので、普通図柄抽選のための乱数値(当たり乱数値など)が取得される。
S704で乱数値が取得された後、遊技制御部200は、S703による保留数Gの増加を演出制御部300に通知するための保留数G増加コマンドをRAM203にセットし(S705)、ゲート124における入賞に対する処理を終了する。
〔遊技制御部での特別図柄処理〕
図8は、図5−3のS503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S801)。ここで、当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを識別するためにセットされるフラグである。当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグの何れかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して当たり遊技フラグと呼ぶ。
当たり遊技フラグがONである場合、既にパチンコ遊技機100は大当たり中であるので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(S801でYes)。一方、当たり遊技フラグがOFFである場合(S801でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、パチンコ遊技機100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(S802)。特別図柄変動中でない場合(S802でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、特別図柄の未変動分の保留数U1、U2(図6参照)に関する処理を行う(S803〜S806)。本実施の形態では、第1始動口121の入賞に係る保留数U1と第2始動口122の入賞に係る保留数U2とを区別しているので、この処理も対応する始動口ごとに個別に行う。
具体的には、特別図柄変動制御部233は、まず第2始動口122の入賞に係る保留数U2が1以上か判断する(S803)。保留数U2が1以上である場合(S803でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U2の値を1減算する(S804)。一方、保留数U2=0である場合は(S803でNo)、特別図柄変動制御部233は、次に第1始動口121の入賞に係る保留数U1が1以上か判断する(S805)。保留数U1が1以上である場合(S805でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U1の値を1減算する(S806)。一方、保留数U1=0である場合は(S805でNo)、特別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動を開始せず、別ルーチンの客待ち設定処理を実行して処理を終了する(S816)。
S804またはS806で保留数U1または保留数U2を減算した後、特別図柄変動制御部233は、RAM203のフラグ設定においてセットされた客待ちフラグをOFFとする(S807)。客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためのフラグであり、客待ち設定処理(S816、図12参照)においてセットされる。
次に、特別図柄変動制御部233は、別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パターン選択処理を実行する(S808、S809)。詳しくは後述するが、この大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって、第1特別図柄表示器221に変動表示される特別図柄の変動用の設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定される。なお、これらの情報は演出制御部300に送られる変動開始コマンドに含まれる。
この後、特別図柄変動制御部233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定内容に基づき、図2に示す第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222により表示される特別図柄の変動を開始する(S810)。そして、この設定内容を示す設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAM203にセットする(S811)。S811でセットされた変動開始コマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
S802で特別図柄変動中と判断された場合(S802でYes)、またはS811で変動開始コマンドがセットされた後、特別図柄変動制御部233は、変動時間を経過したか否かを判断する(S812)。すなわち、S810で特別図柄の変動を開始してからの経過時間がS809の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(S812でNo)、特別図柄変動が継続されるので、そのまま特別図柄処理が終了する。
一方、変動時間を経過した場合(S812でYes)、特別図柄変動制御部233は、まず、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動をS808の大当たり判定処理で決定された図柄で停止する(S813)。後述する装飾図柄を停止させるための変動停止コマンドをRAM203にセットする(S814)。そして、別ルーチンの停止中処理を実行する(S815)。停止中処理の内容については後述する。S814でセットされた変動停止コマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による大当たり判定処理〕
図9は、大当たり判定処理(図8のS808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数値の判定を行い(S901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(S902、S905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図6のS604またはS610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(a)参照)。
S901の乱数判定の結果が大当たりだった場合(S902でYes)、次に特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数値の判定を行う(S903)。この判定の結果に応じて、大当たりの種類(高確率状態か低確率状態、時短状態か時短無状態、長当たり、短当たり)が決定される。何れの大当たりとなるかは、図6のS604またはS610で取得した大当たり図柄乱数の値が、大当たりの種類ごとに予め設定された値のうちの何れと一致したかによって決定される(図17(b)参照)。
以上の判定の後、特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S904)。
S901の乱数判定の結果が小当たりだった場合(S902でNo、S905でYes)、次に特別図柄判定部234は、小当たりであることを表す図柄(以下、小当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S906)。
S901の乱数判定の結果が大当たりでも小当たりでもない場合(S902、S905でNo)、次に特別図柄判定部234は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S907)。
〔遊技制御部による変動パターン選択処理〕
図10は、変動パターン選択処理(図8のS809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、大当たり判定処理(図9)のS902の判断結果を用いて今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1001)。そして、大当たりだった場合(S1001でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1002)。
一方、大当たりしなかった場合(S1001でNo)、次に変動パターン選択部235は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数値の判定を行う(S1003)。リーチ演出を行うか否かは、図6のS604またはS610で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(c)参照)。
乱数値を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(S1004でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1005)。また、リーチ演出を行わない場合(S1004でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
次に、変動パターン選択部235は、図6のS604またはS610で取得した変動パターン乱数値およびS1002、1005、1006でセットされた変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数値の判定を行う(S1007)。すなわち、変動パターン選択部235は、RAM203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、変動パターン乱数の乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得された場合でも、特別図柄抽選の結果が、大当たりしたか否か、大当たりしていない場合はリーチ演出を行うか否か、といった状態の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なる。
この後、変動パターン選択部235は、S1007で選択した変動パターンを設定情報としてRAM203にセットする(S1008)。S1008でセットされた変動パターンの設定情報は、図8のS811でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。本実施の形態で選択される変動パターンおよびその設定の詳細については後述する。
〔遊技制御部による停止中処理〕
図11は、停止中処理(図8のS815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において時短状態であることを示すフラグ(以下、時短フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1101)。時短フラグがONである場合(S1101でYes)、遊技制御部200は、時短状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(S1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(S1103)。そして、抽選回数J=0であれば(S1103でYes)、時短フラグをOFFにする(S1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
時短フラグがOFFであった場合(S1101でNo)またはS1104で時短フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Jの値が0でない場合(S1103でNo)、次に遊技制御部200は、RAM203のフラグ設定において高確率状態であることを示すフラグ(以下、確変フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1105)。なお、この確変フラグと先の時短フラグが共にONである場合は、高確率時短遊技状態であり、確変フラグがONであり時短フラグがOFFである場合は、高確率時短無遊技状態である。
確変フラグがONである場合(S1105でYes)、遊技制御部200は、高確率状態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(S1106)、抽選回数Xが0になったか否かを調べる(S1107)。そして、抽選回数X=0であれば(S1107でYes)、確変フラグをOFFにする(S1108)。なお、確変フラグをONにする操作と、抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
確変フラグがOFFであった場合(S1105でNo)またはS1108で確変フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Xの値が0でない場合(S1107でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1109)。そして、大当たりだった場合(S1109でYes)、次に遊技制御部200は、大当たりの種類が長当たりか否かを判断する(S1110)。
ここで、大当たりか否かの判断は、大当たり判定処理(図9)の判定結果に基づいて判断することができる。例えば、後述する図17(b)の図表に示す図柄の何れかがセットされているならば、S1109でYesである。大当たり判定処理によりRAM203に、はずれ図柄または小当たり図柄がセットされているならば、S1109でNoである。
大当たりの種類が長当たりであった場合(S1110でYes)、遊技制御部200は、長当たり遊技フラグをONにする(S1111)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が長当たりである大当たり遊技状態(長当たり遊技状態)となる。なお、ここでは長当たりにおいて、高確率状態か低確率状態かを区別していない。高確率状態となるか低確率状態となるかは、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で該当するフラグをONにすることによって特定される。
大当たりの種類が長当たりでなかった場合(S1110でNo)、遊技制御部200は、短当たり遊技フラグをONにする(S1112)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が短当たりである大当たり遊技状態(短当たり遊技状態)となる。長当たりの場合と同様、短当たりの場合も高確率状態か低確率状態かを区別していない。
S1111またはS1112で当たり遊技フラグをONにした後、遊技制御部200は、抽選回数J、Xの値を初期化する(S1113)。また、遊技制御部200は、S1101において時短フラグがONであって、S1103において抽選回数Jが0でなかった場合に、時短フラグをOFFにする(S1114)。同様に、S1105において確変フラグがONであって、S1107において抽選回数Xが0でなかった場合に、確変フラグをOFFにする(S1114)。
一方、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりでなかった場合(S1109でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選の結果が小当たりであったか否かを判断する(S1115)。小当たりでなかった場合は(S1115でNo)、停止中処理を終了する。
一方、小当たりであった場合(S1115でYes)、遊技制御部200は、小当たり遊技を開始する(S1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。なお、小当たり遊技では、前述したように、大入賞口125を所定回数開閉し、所定時間経過後に終了する。
S1113で抽選回数J、Xの値を初期化した後、遊技制御部200は、オープニング動作を開始する(S1117)。ここで、オープニング動作の内容は、S1111、S1112の何れで当たり遊技フラグがONとなったかに応じて異なる。すなわち、当たり遊技フラグの状態に応じて、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたオープニング動作の何れかが行われることとなる。
この後、遊技制御部200は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(S1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による客待ち設定処理〕
図12は、客待ち設定処理(図8のS816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(S1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
客待ちフラグがONである場合、パチンコ遊技機100は客待ち状態であるので、そのまま処理を終了する(S1201でYes)。一方、客待ちフラグがOFFである場合、遊技制御部200は、客待ちコマンドを生成してRAM203にセットし(S1202)、客待ちフラグをONにする(S1203)。S1202でセットされた客待ちコマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。なお、客待ちフラグとは、特別図柄の変動が停止して、保留が無い状態でセットされるものである。
〔遊技制御部による普通図柄処理〕
図13は、図5−3のS503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄変動制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合にセットされるフラグである。補助遊技フラグが設定されている状態は、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図16)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易い状態である(補助遊技状態)。
補助遊技フラグがONである場合、既に補助遊技状態となっており、普通図柄が停止している状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(S1301でYes)。一方、補助遊技フラグがOFFである場合(S1301でNo)、次に普通図柄変動制御部236は、パチンコ遊技機100の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する(S1302)。普通図柄変動中でない場合(S1302でNo)、次に普通図柄変動制御部236は、普通図柄の未変動分の保留数G(図7参照)が1以上か判断する(S1303)。保留数G=0である場合は(S1303でNo)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(S1303でYes)、普通図柄変動制御部236は、保留数Gの値を1減算し(S1304)、今回の普通図柄抽選における当たり乱数の判定を行って、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(S1305)。当選したか否かは、図7のS704で取得した当たり乱数の値が、後述する図17(d)に示すテーブル等において当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄の設定を行う(S1306)。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合は、当選したことを表す図柄(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。一方、普通図柄抽選に当選しなかった場合は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄の変動時間の設定を行う(S1307)。この変動時間は、図11におけるS1104、S1114、後述の図15におけるS1504、S1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。すなわち、S1307による設定の際に時短フラグがONである場合は、短時間(例えば1.5秒)に設定され、時短フラグがOFFである場合は、長時間(例えば4.0秒)に設定される。この設定の後、普通図柄変動制御部236は、S1307の設定内容に基づき、図2(a)および図3に示す普通図柄表示器223における普通図柄の変動を開始する(S1308)。
S1308で普通図柄の変動を開始した後、またはS1302で普通図柄変動中と判断された場合(S1302でYes)、普通図柄変動制御部236は、変動時間を経過したか否かを判断する(S1309)。すなわち、S1308で普通図柄の変動を開始してからの経過時間がS1307で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(S1309でNo)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理が終了する。
一方、変動時間が終了した場合(S1309でYes)、普通図柄変動制御部236は、普通図柄表示器223における普通図柄の変動を停止する(S1310)。そして、普通図柄変動制御部236は、停止した普通図柄に基づき普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(S1311)。当選したならば(S1311でYes)、補助遊技フラグをONにする(S1312)。一方、抽選にはずれたならば(S1311でNo)、補助遊技フラグをONにすること無く普通図柄処理を終了する。
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図14は、図5−3のS504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1401)。当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(S1401でNo)。一方、当たり遊技フラグがONである場合(S1401でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(S1402)。
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(S1402でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(S1403)。オープニング時間を経過していないならば、大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1403でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(S1403でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動設定を行い(S1404)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(S1405)、大入賞口125の作動のラウンド数Rの値を現在の値から1加算して(S1406)、大入賞口125を作動開始(開放)する(S1407)。
S1404の作動設定では、大入賞口125の作動パターンと、その作動パターンで作動させるラウンド数(作動ラウンド数)とが設定される。大入賞口125が作動する場合としては、特別図柄抽選で、長当たりまたは短当たりの大当たりであった場合と、小当たりであった場合がある。作動パターンおよびラウンド数は、これらの当たりの種類に応じて様々に設定される。一例としては、長当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行う。短当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは0.1秒の開放を1回行う。小当たりの場合、例えば、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.1秒の開放を15回行う。ここで、短当たりでの作動と小当たりでの作動を上記の例で比較すると、共に0.1秒の開放が15回行われることとなる。すなわち、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同じであり、遊技盤110上の大入賞口125の動作のみから短当たりと小当たりとを区別することはできない。
また、別の例としては、長当たりでは、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行い、短当たりでは、2ラウンド(2R)作動させ、1ラウンドでは0.9秒の開放を2回行い、小当たりでは、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.9秒の開放を2回行う。この場合も、短当たりでの作動と小当たりでの作動を比較すると、共に0.9秒の開放が2回行われることとなり、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同様となる。
なお、小当たりの際には、大入賞口125の開放累積時間が1.8秒以内に設定されなければならないことが法令により定められている。一方で、大当たり(長当たりまたは短当たり)の際には、大入賞口125を複数回連続開放させなければならない。そこで、上記のように小当たりでの作動と短当たりでの作動を外見上区別し難くしようとする場合、小当たりでは、1作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で、大入賞口125が2回以上開放する作動形態が設定され、短当たりでは、小当たりの開放回数と同数のラウンド数が設定される。
次に、大入賞口動作制御部237は、S1404で設定された作動パターンにおける開放時間を経過したか否かを判断する(S1408)。大入賞口125での開放状態が開放時間を経過していない場合(S1408でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(S1409)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、大入賞口125の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1409でNo)。一方、開放時間を経過したか(S1408でYes)、または入賞個数Cが規定個数に達した場合(S1409でYes)、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125を作動終了(閉口)する(S1410)。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数RがS1404で設定された最大値に達したか否かを判断する(S1411)。そして、最大値に達していないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(S1411でNo)。
大入賞口125の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(S1411でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング動作を開始する(S1412)。ここで、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたエンディング動作のうち、当たり遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部237は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(S1413)。このエンディングコマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数Rを0にリセットした後(S1414)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(S1417)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1417でNo)。一方、エンディング時間を経過したならば(S1417でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、遊技制御部200による遊技状態設定処理を経た後(S1418)、当たり遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する(S1419)。遊技状態設定処理の内容については後述する。
S1402で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(S1402でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング中か否かを判断する(S1415)。そして、エンディング中であるならば(S1415でYes)、上記S1417以降の動作を実行する。
一方、パチンコ遊技機100がエンディング中でもないならば(S1415でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125が作動(開放)中か否かを判断する(S1416)。そして、作動中でないならば(S1416でNo)、上記S1405以降の動作を実行し、作動中であるならば(S1416でYes)、上記S1408以降の動作を実行する。
なお、前述した小当たり遊技で行われる演出は、短当たり遊技で行われる演出と同様であり、演出から短当たりと小当たりとを区別することはできない。
〔遊技状態設定処理〕
エンディング時間が経過した場合(S1417でYes)に実行される、遊技制御部200による遊技状態設定処理(S1418)の内容を図15に示す。
遊技状態設定処理が行われる場合、前提として、図14のS1401で当たり遊技フラグがONとなっている。そこで、図15に示すように、遊技制御部200は、まず、その当たりの種類を判断する(S1501、S1502、S1503、S1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のS902、S903、S905と概ね同様であるので、S902、S903、S905の判断結果を用いても良い。
小当たりである場合(S1501でYes)、遊技状態(パチンコ遊技機100の内部状態)は変更しないので、遊技状態設定処理を終了する。
当たりの種類が低確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1501でNo、S1502、S1503でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにする(S1504)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が低確率時短遊技状態となる。また、遊技制御部200は、抽選回数Jの初期値を設定し(S1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、低確率時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、低確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、当たりの種類が低確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1501でNo、1502でYes、S1503でNo)、遊技制御部200は、時短フラグ、確変フラグともONにせずに処理を終了する。したがって、この大当たりの後の遊技に対するRAM203の遊技状態の設定は、低確率時短無遊技状態となる。
当たりの種類が高確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1501、S1502でNo、S1506でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにし(S1507)、抽選回数Jの初期値を設定する(S1508)。この場合の抽選回数Jの初期値は、図示の例では10000回である。また、遊技制御部200は、確変フラグをONにし(S1509)、抽選回数Xの初期値を設定する(S1510)。抽選回数Xの初期値は、図示の例では10000回である。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短遊技状態となる。そして、この高確率時短遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、当たりの種類が高確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1501、S1502、S1506でNo)、遊技制御部200は、確変フラグのみをONにし(S1509)、抽選回数Xの初期値(10000回)を設定する(S1510)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短無遊技状態となる。そして、この高確率時短無遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短無遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
〔遊技制御部による電動チューリップ処理〕
図16は、図5−3のS504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(S1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(S1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御部238は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(S1602)。
電動チューリップ123が作動中でない場合(S1602でNo)、電動チューリップ動作制御部238は、電動チューリップ123の作動パターンの設定を行い(S1603)、設定した作動パターンで電動チューリップ123を作動させる(S1604)。ここで、作動パターンは、図11におけるS1104、S1114、図15におけるS1504、S1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。例えば、S1603による設定の際に時短フラグがOFFである場合は、0.15秒の開放時間で1回開放する作動パターンが設定され、時短フラグがONである場合は、1.80秒の開放時間で3回開放する作動パターンが設定される。このように、通常、時短フラグがONであるとき(時短状態のとき)は、電動チューリップ123が長時間、複数回開放され、第2始動口122に入賞し易くなる入賞サポート(電チューサポート)が行われる。
S1602で電動チューリップ123が作動中と判断された場合(S1602でYes)、またはS1604で電動チューリップ123を作動させた後、電動チューリップ動作制御部238は、設定されている作動パターンにおける開放時間が経過したか否かを判断する(S1605)。開放時間を経過していなければ、電動チューリップ123の作動状態(開放状態)が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(S1605でNo)。一方、開放時間を経過したならば(S1605でYes)、電動チューリップ動作制御部238は、補助遊技フラグをOFFとして、電動チューリップ処理を終了する(S1606)。
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施の形態において特別図柄抽選および普通図柄抽選で用いられる乱数(判定テーブル)の構成例を示す図である。
図17(a)には特別図柄抽選で用いられる大当たり乱数の構成例、図17(b)には特別図柄抽選で用いられる大当たり図柄乱数の構成例、図17(c)には特別図柄抽選で用いられるリーチ乱数の構成例、図17(d)には普通図柄抽選で用いられる当たり乱数の構成例が、それぞれ示されている。
図17(a)を参照すると、大当たり乱数の判定値として、パチンコ遊技機100の遊技状態が低確率状態の大当たりと高確率状態の大当たりの2種類と、小当たりとが設定されている。乱数(大当たり乱数)の値の範囲は、何れも0〜299の300個である。低確率状態の特別図柄抽選(大当たり抽選)の場合、当選値は1つだけが設定され、当選確率は1/300である。また高確率状態の特別図柄抽選の場合、当選値は10個設定され、当選確率は10/300(=1/30)である。すなわち図示の例では、高確率状態で始動口121、122に入賞し特別図柄抽選が行われると、低確率状態で特別図柄抽選が行われる場合に比べて、当選確率が10倍となる。また、小当たりの当選値は、低確率状態か高確率状態かに関わらず3個設定され、当選確率は3/300(=1/100)である。
図17(b)を参照すると、大当たり図柄には、低確率図柄A、低確率図柄B、高確率図柄A、高確率図柄B、潜確図柄の5種類が用意されている。ここで、低確率図柄Aおよび低確率図柄Bは、低確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち低確率図柄Aは長当たり(低確率時短遊技状態)、低確率図柄Bは短当たり(低確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。高確率図柄Aおよび高確率図柄Bは、高確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち高確率図柄Aは長当たり(高確率時短遊技状態)、高確率図柄Bは短当たり(高確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。潜確図柄は、高確率時短無遊技状態の大当たりであることを表す図柄である。したがって、高確率図柄Bと潜確図柄とは大当たり遊技後の遊技状態が同じであるが、潜確図柄は、高確率状態であることを遊技者に明確に報知しない潜伏演出を行う条件とするために高確率図柄Bとは分けて設けられている。乱数の値の範囲は0〜249の250個である。また、大当たり図柄乱数では、特別図柄抽選が行われる契機となる第1始動口121と第2始動口122の各々について当選値が設定される。
低確率図柄Aでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として35個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Aでの当選となる確率は、35/250(=7/50)である。
低確率図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Bでの当選となる確率は、15/250(=3/50)である。
高確率図柄Aでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、175/250(=7/10)である。
高確率図柄Bでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として75個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、75/250(=3/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
潜確図柄では、第1始動口121に入賞した場合の当選値として100個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に潜確図柄での当選となる確率は、100/250(=2/5)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
以上のように、図17(b)に示す例では、第1始動口121に入賞した場合の大当たりは、高確率時短無遊技状態の大当たり(高確率図柄B、潜確図柄)となる確率が高く、第2始動口122に入賞した場合の大当たりは、高確率時短遊技状態の大当たり(高確率図柄A)となる確率が高い。このように、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合における大当たりの種類の当選確率を相違させることにより、様々な遊技性を持たせることができる。また、遊技盤110における第1始動口121と第2始動口122の配置を工夫し、特定の状態(モード)では第1始動口121と第2始動口122の何れか一方を狙い易くなるように構成することによって、遊技者にさらに積極的な遊技への参加を促すことも可能である。
次に、リーチ乱数の判定について説明する。
図17(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。
なお、リーチ乱数によって決定されるリーチ有り演出、リーチ無し演出というのは、画像表示部114において行われる演出の態様を示すものである。すなわち、特別図柄の変動表示中には、例えば1〜9の数字が縦方向に連続して記された数列からなる図柄が三列表示されており、特別図柄の変動表示が開始されるのと同時に、これら図柄がスクロールを開始する。
そして、リーチ有り演出においては、スクロールの開始後、所定時間経過後にスクロールが停止して各図柄を停止表示する際に、まず、いずれか2つの図柄(数列)が先に停止する。このとき、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が停止表示するとともに、最後の一列がスクロール速度を徐々に遅くして、一直線上に同一の数字が3つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与える。このようなリーチ有り演出のなかには、最後の1列のスクロールが停止する前に、さまざまなキャラクタが登場したり、ストーリーが展開したりするいわゆるスーパーリーチ演出が含まれている。一方、リーチ無し演出は、リーチ有り演出とは異なり、遊技者に期待感を与えるような演出がなされることなく、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が揃わない状態で図柄が停止表示するものである。
このように、リーチ乱数は、大当たり乱数の判定の結果がハズレであった場合に、画像表示部114においてリーチ有り演出を行うか、リーチ無し演出を行うかを決定するためのもので、所定の確率でリーチ有り演出が出現するようにして、遊技者に対して適度に期待感を与えるようにしている。
付言すると、大当たりに当選した場合には、リーチ有り演出が必ず行われ、最終的に横または斜めにわたる一直線上に、同一の数字が揃った状態で装飾図柄が停止表示する。これに対して、小当たりに当選した場合やハズレの場合のリーチ有り演出は、上記一直線上に、同一の数字が揃わない状態で装飾図柄が停止表示する。
次に、普通図柄抽選に用いられる当たり乱数の判定について説明する。
図17(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短無状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、9/10の確率で当選する。
各種の抽選に用いられる判定情報としての乱数値は、所定の初期値から始まって、図5−3に示す乱数更新処理(S501)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図6)およびゲートスイッチ処理(図7)で取得され、特別図柄処理(図8)や普通図柄処理(図13)で使用される。なお、この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば図17(a)に示した大当たり乱数では299)に達した後は再び0に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、これらの情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、一般に、適当なタイミングで各乱数の初期値をランダムに変更する仕組みが導入されている。
なお、図17の各乱数の構成例に示した乱数の範囲、当選値の割合、当選値の各値は例示に過ぎず、図示の値に限定されるものではない。
〔変動パターンの設定例〕
次に、図10に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンの設定例について説明する。
図18は、図10に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンの設定例を示す図である。
図18に示す例では、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合(図10のS1001でYesの場合)の変動パターンとして、3種類の変動パターンA〜Cが設定されている。また、特別図柄抽選の判定結果がはずれ(図10のS1001でNoの場合)であった場合の変動パターンとして、6種類の変動パターンD〜Iが設定されている。変動時間は、変動パターンAが90秒、変動パターンBが60秒、変動パターンCが30秒、変動パターンDが60秒、変動パターンEが30秒、変動パターンFが15秒、変動パターンGが13秒、変動パターンHが7秒、変動パターンIが3秒にそれぞれ設定されている。すなわち、特別図柄の変動パターンは、特別図柄抽選における判定結果および特別図柄の変動時間を定める。
また、変動パターンD〜Fは、リーチ演出が行われる場合(図10のS1004でYesの場合)に選択される変動パターンであり、変動パターンG〜Iは、リーチ演出が行われない場合(図10のS1004でNoの場合)に選択される変動パターンとして設定されている。なお、特別図柄抽選の判定結果が大当たりのときには必ずリーチ演出を行うように構成しているため、変動パターンA〜Cが選択される場合においてリーチ演出の有無は参照されない。
さらに、変動パターンG〜Iのうち、変動パターンGは保留数が0個であるとき、変動パターンHは保留数が1個または2個であるとき、変動パターンIは保留数が3個または4個であるときにそれぞれ選択される変動パターンとして設定されている。すなわち、特別図柄抽選における判定の保留数が多いほど、特別図柄変動の平均時間が短くなるように設定されている。
遊技制御部200は、遊技球が始動口121、122に入賞した際に取得した変動パターン乱数値(図6のS604、S610参照)と、図18の設定例に示す判定結果、リーチ演出の有無、保留数等の条件とに基づいて特別図柄の変動パターンを決定する。そして、決定された特別図柄の変動パターンの情報は、変動開始コマンドに含まれて、遊技制御部200から演出制御部300へ送られる。演出制御部300では、後述するように、特別図柄変動時の演出として、変動開始コマンドに含まれる変動パターンの情報に基づいて特定される変動時間に対応する(その変動時間で実行可能な)演出が選択されて実行される。
なお、図示はしていないが、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合に選択される変動パターンA〜Cのうち、最も高い割合で変動パターンAが選択され、次に高い割合で変動パターンBが選択され、最も低い割合で変動パターンCが選択されるように設定することができる。
また、図18に示した例では、遊技球が第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合とを区別していないが、第1始動口121と第2始動口122の何れに入賞したかに応じて変動パターンの設定を異ならせることもできる。
〔コマンドの構成および伝送方式〕
ここで、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンド(演出制御用コマンドおよび設定用コマンド)の構成および伝送方式について説明する。
図19−1は、コマンドの構成を示す図である。図19−1(a)はコマンドのデータ構造を示し、図19−1(b)はコマンドのビット列としての構造を示す。
図19−1(a)に示すように、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドは、1コマンドが2バイトで構成される。このコマンドは、第1データ部としての1バイトの「コード」と、第2データ部としての1バイトの「データ」で構成されている。「コード」は、コマンドの種類を示し、「データ」は、コマンドの値を示す。このコマンドは、1本のシリアル信号により調歩同期を用いて、遊技制御部200から演出制御部300へ送信される。なお、より一般的には、第1データ部である「コード」は、aビット(aは2以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定され、第2データ部である「データ」は、n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている。
調歩同期を用いるため、コマンドを構成する「コード」および「データ」の各々の先頭には1ビットのスタートビット(図中、「S」と記載されたビット)が設けられ、最後尾には1ビットのエンドビット(図中、「E」と記載されたビット)が設けられる。また、コマンドを構成する「コード」および「データ」の各々には1ビットのパリティビット(図中、「P」と記載されたビット)が設けられる。
図19−1(a)に示したように、コマンドを構成する「コード」と「データ」とは、どちらも1バイト(8ビット)のデータサイズを有する。そして、伝送される際、「コード」および「データ」には、それぞれ、スタートビット、エンドビットおよびパリティビットが設けられる。そのため、コマンドを受信する演出制御部300において、受信したデータ列がコマンドの「コード」であるのか「データ」であるのかを、データ列の外形から識別することは容易ではない。そこで、本実施の形態では、「コード」と「データ」とを識別するためのフラグを設定する。具体的には、「コード」を構成する8ビット値の特定箇所の値と、「データ」を構成する8ビット値のうち「コード」の特定箇所に対応する箇所の値とが異なるようにする。
図19−1(b)に示す例では、「コード」および「データ」のそれぞれの先頭の1ビットをフラグとして用いている。すなわち、「コード」を構成する8ビット値においては、先頭の1ビットの値を「1」とし、「データ」を構成する8ビット値においては、先頭の1ビットの値を「0」とする。これにより、演出制御部300は、受信したデータ列のスタートビットに続く先頭の1ビットの値を調べることにより、そのデータ列が「コード」か「データ」かを識別することができる。なお、フラグの具体的な値は例示に過ぎず、「コード」と「データ」とを識別可能であれば、上記に示す値とは異なる値を用いても良い。
ここで、「コード」は先頭の1ビットの値が「1」に特定されているので、「コード」が取り得る値の範囲は、10000000B(=80H)から11111111B(=FFH)までの128個である。なお、各値に付された文字「B」は2進数表記であることを示し、文字「H」は16進数表記であることを示す。また、「データ」は先頭の1ビットの値が「0」に特定されているので、「データ」が取り得る値の範囲は、00000000B(=00H)から01111111B(=7FH)までの128個である。すなわち、図19−1(a)、(b)に示す構成によれば、各々128種類の値を取り得る、128種類のコマンドを設定することができる。
ところで、パチンコ遊技機100では、遊技状態や特別図柄抽選の判定結果等に応じて多くの種類の演出が実行される。そのため、演出制御用のコマンドも多くのコマンド数が用意される。特に、コマンドの具体的な内容を示す値である「データ」は、上記の128個では不足することもあり得る。一方、コマンドの種類を示す「コード」は、通常、上記の128個よりも小さい数で足りる。そこで、「コード」のビット列の一部を、「データ」の値を記述するために用いることが考えられる。
例えば、「コード」の最後尾の1ビットを「データ」の値の記述に用いる場合を考える。以下、「コード」および「データ」を構成する8ビットのビット列における各ビットを、第1ビット〜第8ビットと呼ぶ。また、「コード」を構成するビット列とは別に、実際にコマンドの種類を示す「コード」の値を「コード値」と呼び、「データ」を構成するビット列とは別に、実際にコマンドの値を示す「データ」の値を「データ値」と呼ぶ。すると、コード値は、「コード」のビット列のうち、第1ビットから第7ビットまでを用いて記述され、データ値は、「データ」のビット列の全て(第1ビットから第8ビットまで)と、「コード」の第8ビットとを用いて記述される。
このように構成すれば、コード値の取り得る範囲は、第1ビットの値が「1」に特定されており、全体で7ビットのサイズであるので、1000000B(=40H)から1111111B(=7FH)までの64個である。また、データ値の取り得る範囲は、第1ビットの値が「0」に特定された「データ」の8ビットで表現される128個と「コード」の第8ビットの値「0」、「1」とを合わせて、256個である。したがって、データ値として256種類の値を持つコマンドを設定することが可能となる。
なお、「コード」の一部を用いてデータ値を記述する場合における上記の構成は例示に過ぎず、具体的なビット数や値は上記の構成例には限定されない。例えば、「コード」の第7ビットおよび第8ビットを用いてデータ値を記述するように構成しても良い。より一般的には、第1データ部である「コード」を構成する所定のビットと、第2データ部である「データ」を構成するビットとを用いて、所定の種類のデータ(データ値)が記録される。そして、第1データ部である「コード」における上記の所定のビットを除く残りのビットを用いて、所定の種類のデータ(データ値)とは異なる他の種類のデータ(コード値)が記録される。言い換えると、第2データ部である「データ」を構成するaビットと、第1データ部である「コード」を構成するbビット(bはa−1よりも小さく、1以上の整数)とを用いて、(a+b)ビットのサイズのデータ値が記録される。
また、扱うことができるデータ値の数を増やす手段としては、データ値を記述する「データ」のビット列を増やすことも考えられる。例えば、データ値を記述するビット列として、「第1データ」と「第2データ」とを用意することが考えられる。この場合、各ビット列を8ビットとすれば、合計で16ビットのビット列によりデータ値を記述することが可能となる。「第1データ」と「第2データ」とを識別するために、8ビットのビット列のうち第2ビットをフラグとして用いることにすると、例えば、「第1データ」の第1ビットおよび第2ビットを「00B」とし、「第2データ」の第1ビットおよび第2ビットは「01B」とすることができる。なお、第1ビットは、「コード」と識別するためのフラグとして値「0」となっている。すなわち、第2データ部である「データ」は、個々のデータ値を表すビット列(「第1データ」、「第2データ」、……)のサイズである8ビットごとに(より一般的には、上記aビットごとに)、先頭の1ビットの値と同じ値が設定される。
このように構成すると、「第1データ」の取り得る値の範囲は、00000000B(=00H)から00111111B(=3FH)までの64個であり、「第2データ」の取り得る値の範囲は、01000000B(=40H)から01111111B(=7FH)までの64個であるので、合計で4096(=64×64)個となる。なお、ここでは、「コード」と「データ」(「第1データ」および「第2データ」)を識別するためのフラグとして第1ビットを用い、「第1データ」と「第2データ」とを識別するためのフラグとして第2ビットを用いることとしたが、第1、第2ビットを用いて4種類のビット列を識別するためのフラグを設定しても良い。例えば、「コード」は第1、第2ビットの値を「11B」とし、「データ」は第1、第2ビットの値を「00B」、「01B」、「10B」の何れかとすることが考えられる。
〔演出制御部の動作〕
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図19−2は、演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図19−2(a)に示すメイン処理と、図19−2(b)に示す割り込み処理とからなる。図19−2(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(S1901)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(S1902)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(S1903)、割り込み処理を受け付ける。
割り込み処理は、S1902で設定された周期にしたがって定期的に行われる。図19−2(b)を参照すると、この割り込み処理において、演出制御部300は、遊技制御部200からのコマンドを受信してコマンド受信処理を行う(S1911)。このコマンド受信処理において、演出パターンが選択される。また、演出制御部300は、遊技者による演出ボタン161等の操作を受け付けるための演出ボタン処理を行う(S1912)。この後、演出制御部300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信するコマンド送信処理を行う(S1913)。これにより、画像表示部114への画像表示や音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等による演出が行われる。
〔演出制御部によるコマンド受信処理〕
図20は、コマンド受信処理(図19−2(b)のS1911)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、受信したコマンドが保留数を増加するためのコマンド(保留数増加コマンド)か否かを判断する(S2001)。この保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図6に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(S606、S612)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。保留数増加コマンドであった場合(S2001でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている保留数の値を1加算し(S2002)、加算後の保留数の値を示す保留数コマンドをRAM303にセットする(S2003)。
受信したコマンドが保留数増加コマンドでない場合(S2001でNo)、またはS2003の保留数増加コマンドのセット後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動開始コマンドか否かを判断する(S2004)。この変動開始コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(S811)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(S2004でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(S2005)。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドでない場合(S2001およびS2004でNo)、またはS2005の演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動停止コマンドか否かを判断する(S2006)。この変動停止コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(S814)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(S2006でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(S2007)。変動演出終了中処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドおよび変動停止コマンドでない場合(S2001、S2004およびS2006でNo)、またはS2007の変動演出終了中処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるオープニングを開始するためのオープニングコマンドか否かを判断する(S2008)。このオープニングコマンドは、図11に示した停止中処理においてセットされ(S1118)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(S2008でYes)、演出制御部300は、当たり演出選択処理を実行する(S2009)。当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンドおよびオープニングコマンドでない場合(S2001、S2004、S2006およびS2008でNo)、またはS2009の当たり演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるエンディングを開始するためのエンディングコマンドか否かを判断する(S2010)。このエンディングコマンドは、図14に示した大入賞口処理においてセットされ(S1413)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(S2010でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(S2011)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンドおよびエンディングコマンドでない場合(S2001、S2004、S2006、S2008およびS2010でNo)、またはS2011のエンディング演出選択処理の終了後にコマンドを受信した場合、次に演出制御部300は、受信したコマンドが客待ち状態に移行するための客待ちコマンド受信処理を実行する(S2012)。客待ちコマンド受信処理の詳細については後述する。
図21は、モードフラグの設定例を示す図である。
演出制御部300により演出が行われる場合、設定される演出モードに基づき、種々の演出パターンが選択されて実行される。この演出モードは、RAM303にセットされるモードフラグによって決定される。ここで、モードフラグは、0〜4の値のいずれかが設定されており、それぞれAモードからEモードまでの5種類の演出モードが割り当てられている。なお、モードフラグは、特別図柄抽選の抽選結果または特別図柄抽選の抽選回数に応じて設定される。
高確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ1が、低確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ2が、高確率図柄Bおよび低確率図柄Bの大当たりにはモードフラグ3が、潜確図柄の大当たりおよび小当たりにはモードフラグ4が、それぞれ割り当てられている。ここで、これらの図柄の種類は、図17(b)に示したものと同様である。何れの当たりにもモードフラグ0は割り当てられていない。なお、モードフラグ1〜4において、特別図柄抽選を所定回数実行することでモードフラグ0が設定される。
さらに、図21に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。
図22は、図20の演出選択処理(S2005)の内容を示すフローチャートである。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信した変動開始コマンドを解析する(S2201)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照し(S2202)、RAM303に保持されている保留数の値を1減算する(S2203)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)およびモードフラグにより決定される演出モードに基づき、その演出モードで画像表示部114に表示する画像による図柄変動の演出パターン(変動演出パターン)を選択する(S2204)。最後に、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM303にセットして、演出選択処理を終了する(S2205)。
詳述しないが、S2204における図柄変動の演出パターンの選択処理では、演出モードと変動パターンと演出乱数(図19−2のS1903において更新されている乱数の一つであり、変動開始コマンド受信時に演出乱数値を取得している)とに基づいて演出パターンが決定される。ここで決定された演出パターンに基づいて、装飾図柄の変動表示、背景演出および予告演出が決定される。なお、装飾図柄の変動表示とは、第1特別図柄表示器221または第2特別図柄表示器222で行われる特別図柄の変動表示に伴い、画像表示部114にて行われる演出表示である。この装飾図柄の変動表示において、リーチ演出等が実行される。
図23は、図20の変動演出終了中処理(S2007)の内容を示すフローチャートである。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず受信した変動停止コマンドを解析する(S2301)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(S2302)。そして、演出制御部300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)か否かを判断する(S2303)。何らかの当たりである場合は(S2303でYes)、その当たりの種類に応じて、図21に示した設定例に基づきRAM303にセットされているモードフラグを変更する(S2304)。
一方、特別図柄抽選の抽選結果が当たりでない場合(S2303でNo)、次に演出制御部300は、モードフラグの値が0か否かを調べる(S2305)。モードフラグが0でない場合(S2305でNo)、演出制御部300は、パラメータMを1減算し(S2306)、Mの値が0になったか否かを調べる(S2307)。Mの値が0になったならば(S2307でYes)、演出制御部300は、モードフラグを0に設定する(S2308)。
S2305でモードフラグが0であった場合(S2305でYes)、S2307でパラメータMの値が0にならなかった場合(S2307でNo)、またはS2308でモードフラグを0に設定した後、あるいはS2304でモードフラグを変更した後、演出制御部300は、図柄変動の演出の終了を指示するための変動演出終了コマンドをRAM303にセットして、変動演出終了中処理を終了する(S2309)。ここで、図21を参照すると、S2304でモードフラグを変更した場合は、変動演出終了後の演出モードは当たりの種類に応じた演出モードとなる。また、S2305でモードフラグが0であった場合およびS2308でモードフラグを0に設定した場合は、変動演出終了後の演出モードはAモードとなる。また、S2307でパラメータMの値が0にならなかった場合は、これまでの演出モードが継続される。
図24は、図20の当たり演出選択処理(S2009)の内容を示すフローチャートである。
この当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(S2401)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(当たり演出パターン)を選択する(S2402)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する当たり演出開始コマンドをRAM303にセットして、当たり演出選択処理を終了する(S2403)。これにより、大当たり中の演出が決定される。
図25は、図20のエンディング演出選択処理(S2011)の内容を示すフローチャートである。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンドを解析し(S2501)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(S2502)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM303にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(S2503)。
図26は、図20の客待ちコマンド受信処理(S2012)の内容を示すフローチャートである。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(S2601)。客待ちコマンドを受信した場合(S2601でYes)、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(S2602)、RAM303において計測フラグをONにする(S2603)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合(S2601でNo)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(S2604)。計測フラグがOFFであれば(S2604でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
計測フラグがONである場合(S2604でYesまたはS2603でONにした後)、次に演出制御部300は、計測時間があらかじめ定められたタイムアップ時間に達したか否かを判断する(S2605)。タイムアップしていない場合(S2605でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。一方、タイムアップした場合(S2605でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグをOFFにし(S2606)、客待ち演出を行うための客待ち演出コマンドをRAM303にセットして客待ちコマンド受信処理を終了する(S2607)。
以上のようにしてコマンド受信処理が完了すると、RAM303には、変動演出開始コマンド、変動演出終了コマンド、当たり演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、客待ち演出コマンドの何れかがセットされている。
図27は、演出ボタン処理(図19−2(b)のS1912)の内容を示すフローチャートである。
この演出ボタン処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン161等の操作手段が操作されたか否かを判断する(S2701)。ここで、操作手段の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
演出ボタン161等の操作手段が操作されたならば(S2701でYes)、演出制御部300は、操作手段の操作内容を示す情報を含む演出ボタンコマンドをRAM303にセットして演出ボタン処理を終了する(S2702)。
この後、演出制御部300は、図19−2(b)のコマンド送信処理(S1913)を行って、上記のコマンド受信処理および演出ボタン処理でRAM303にセットされたコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信する。そして、画像/音響制御部310およびランプ制御部320が、受信したコマンドに基づき、画像表示部114への画像表示、音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等を制御して、設定された演出を実行する。
〔事前判定に基づく予告演出〕
次に、本実施の形態による事前判定に基づく予告演出について説明する。
本実施の形態では、図6を参照して説明したように、第1始動口121(図1または図3参照)に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211(図3参照)がONとなった場合、および第2始動口122(図1または図3参照)に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212(図3参照)がONとなった場合に、図柄変動時の抽選による判定(図8のS808、S809参照)に先立って、特別図柄抽選の抽選結果の事前判定(先読み)を行う(図6のS605、S611参照)。
また、本実施の形態では、上記の事前判定の結果に基づいて、判定結果を遊技者に示唆する予告演出(示唆演出)を行う。この予告演出は、事前判定が行われた入賞球(保留球)に対する図柄変動よりも先に行われる他の入賞球に対する図柄変動の際に実行される。本実施の形態では、保留球は、一つの始動口(第1始動口121または第2始動口122)につき4個を上限としている(図6参照)。また、第2始動口122の保留球の消化を優先するものとする。この場合、例えば、第2始動口122のある保留球について事前判定を行った場合、その保留球についての図柄変動が行われる前に、最大で4個の入賞球についての図柄変動が行われることとなる。事前判定が行われた保留球に係る予告演出において、その保留球についての図柄変動が行われる前に複数回の図柄変動が行われる場合、その複数回の図柄変動にまたがる予告演出を行っても良い。
〔予告演出を行うための遊技制御部のRAMおよび演出制御部のRAMの構成〕
このような事前判定に基づく予告演出を実行するために、本実施の形態における遊技制御部200のRAM203および演出制御部300のRAM303は、以下のような構成を有する。
図28は、本実施の形態に係る遊技制御部200のRAM203(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。図28(a)は、記憶領域204の構成を示すブロック図であり、図28(b)は、図28(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図28(a)に示すように、RAM203は、大当たり乱数抽選により取得した大当たり乱数を記憶する特別図柄保留記憶領域としての記憶領域204を備えている。この記憶領域204は、第1始動口121の保留数と第2始動口122の保留数の最大値に対応する8つの記憶部を有している(各保留数の上限値が4の場合)。具体的に説明すると、記憶領域204は、第1記憶部204a、第2記憶部204b、第3記憶部204c、第4記憶部204d、第5記憶部204e、第6記憶部204f、第7記憶部204g、第8記憶部204hを有している。
また、図28(b)に示すように、これらの記憶部204a〜204hの各々は、大当たりに当選した際の変動回数Nが記憶される領域と、入賞した始動口(第1始動口121または第2始動口122)の別を表す情報が記憶される領域と、を有する。また、記憶部204a〜204hの各々は、取得された大当たり乱数が記憶される領域と、図柄乱数が記憶される領域と、リーチ乱数が記憶される領域と、を有する。すなわち、記憶部204a〜204hの各々には、大当たり乱数、図柄乱数およびリーチ乱数が記憶される。また、記憶部204a〜204hの各々は、事前判定情報が記憶される領域を有する。事前判定情報とは、上記の各乱数に基づく事前判定処理(図6のS605、S611参照)によって得られた情報である。事前判定情報の内容は、特別図柄処理(図8参照)における各種の判定結果として得られる情報と同様であり、具体的には、当たりの種類(大当たり、小当たり、はずれ)、大当たりであった場合にはその大当たりの種類、演出の内容はリーチ有り演出であるのかリーチ無し演出であるのかといったことを示すための情報である。
ここで、各乱数は、第1記憶部204aから順に記憶していく。より具体的に説明すると、例えば、第1記憶部204a〜第8記憶部204hのいずれにも乱数が記憶されていないときには、取得した乱数が第1記憶部204aに記憶されることになる。また、例えば、第1記憶部204a〜第4記憶部204dに乱数がすでに記憶されているときには、取得した乱数が第5記憶部204eに記憶されることになる。
図29は、本実施の形態に係る演出制御部300のRAM303(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。図29(a)は、保留記憶領域305、306の構成を示すブロック図であり、図29(b)は、(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図29(a)に示すように、RAM303は、保留球が保留されている状況を記憶する保留状況記憶領域としての第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306を備えている。この第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306は、第1始動口121への入賞に対する保留および第2始動口122への入賞に対する保留にそれぞれ対応しており、各々4つの記憶部を有している。具体的には、第1保留記憶領域305は、第1記憶部305a、第2記憶部305b、第3記憶部305c、第4記憶部305dを有している。また、第2保留記憶領域306は、第1記憶部306a、第2記憶部306b、第3記憶部306c、第4記憶部306dを有している。
また、図29(b)に示すように、これらの記憶部305a〜305d、306a〜306dの各々は、保留フラグをON/OFFする保留フラグ記憶領域と、報知フラグをON/OFFする報知フラグ記憶領域と、を有している。保留フラグは、各記憶部305a〜305d、306a〜306dごとに保留球の有無を識別するためのフラグである。すなわち、例えば第1始動口121への入賞による保留数が3である場合、第1〜3記憶部305a、305b、305cの3つの保留フラグ記憶領域において、保留フラグがONとなる。報知フラグは、個々の保留球に関して後述する先読み結果の報知コマンドの有無を識別するためのフラグである。すなわち、例えば上記3つの保留球に対して事前判定処理(図6のS605、S611および後述の図30参照)が行われ、3番目の保留球に対して報知コマンドがセットされた場合、第3記憶部305cの報知フラグ記憶領域において、報知フラグがONとなる。
すなわち、RAM203およびRAM303は、遊技制御部200および演出制御部300において保留球に関して、事前判定の結果を含む情報(保留球情報)を記憶する保留球情報記憶手段として機能する。また、遊技制御部200は、大当たり抽選を行う抽選手段であり、事前判定処理を行う事前判定手段である。演出制御部300は、事前判定結果を予告(示唆)するための予告演出を行う演出制御手段である。
〔事前判定処理〕
次に、事前判定処理(図6のS605、S611参照)について詳細に説明する。
まず、事前判定処理での乱数による判定の手法について説明する。
図30は、本実施の形態における事前判定処理で用いられる乱数の構成例を示す図である。図30(a)には事前判定処理での大当たり乱数の構成例、図30(b)には事前判定処理での大当たり図柄乱数の構成例、図30(c)には事前判定処理でのリーチ乱数の構成例が、それぞれ示されている。
図30(a)を参照すると、事前判定処理での大当たり乱数は、図17(a)に示した大当たり判定処理における大当たり乱数と同様の構成となっている。すなわち、パチンコ遊技機100の遊技状態が低確率状態の大当たりと高確率状態の大当たりの2種類が設定されている。乱数の値の範囲は、何れも0〜299の300個である。事前判定における当選確率は、低確率状態では1/300であり、高確率状態では10/300(=1/30)である。
また、特別図柄抽選ではずれのときに行われる小当たりか否かの判定についても、図17(a)に示した乱数と同様の構成となっている。すなわち、小当たりの当選確率は、低確率状態か高確率状態かに関わらず、3/300(=1/100)である。
図30(b)を参照すると、事前判定処理での大当たり図柄乱数は、図17(b)に示した大当たり判定処理における大当たり図柄乱数と同様の構成となっている。すなわち、第1始動口121に入賞したことを契機とする特別図柄に基づく大当たりの種類として、低確率図柄Aの大当たり、低確率図柄Bの大当たり、高確率図柄Aの大当たり、高確率図柄Bの大当たり、潜確図柄の大当たりの5種類が用意されている。また、第2始動口122に入賞したことを契機とする特別図柄に基づく大当たりの種類として、低確率図柄Aの大当たり、低確率図柄Bの大当たり、高確率図柄Aの大当たり、高確率図柄Bの大当たりの4種類が用意されている。
乱数値の範囲は、第1始動口121と第2始動口122の何れに入賞した場合も0〜249の250個である。また、高確率図柄Aおよび高確率図柄Bについては、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合とで異なる当選値が設定されており、当選確率が異なっている。
図30(c)を参照すると、事前判定処理でのリーチ乱数は、図17(c)に示した変動パターン選択処理におけるリーチ乱数と同様の構成となっている。すなわち、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。したがって、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、事前判定により、8.8/100(=22/250)の確率でリーチ演出が行われると判定される。
〔遊技制御部による事前判定処理〕
図31は、本実施の形態に係る事前判定処理(図6のS605、S611)の内容を示すフローチャートである。
図31に示すフローチャートでは、遊技制御部200は、内部状態が高確率状態か否かを判断し(S3101)、高確率状態であると判断すると(S3101でYes)、始動口スイッチ処理(図6参照)において獲得した大当たりの抽選の権利が、現在の高確率状態に移行してから、何回目の大当たりの抽選の権利に相当するものであるのかを判断する。
すなわち、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態となる大当たり(図30(b)に示す例では、高確率図柄Aの大当たりおよび高確率図柄Bの大当たり)の当選が確定すると、大当たりに当選した際の変動回数Nが、基準回数Mに設定される。例えば、電源をONしてから200回目の大当たりの抽選(特別図柄の変動表示)によって、高確率図柄Aの大当たりに当選した場合には、RAM203に「200」というデータが記憶され、それに伴って、内部状態が高確率時短遊技状態となる。したがって、電源をONしてから、201回目に行われる大当たりの抽選は、高確率時短遊技状態に移行してから、1回目の大当たりの抽選に相当し、同様に、210回目に行われる大当たりの抽選は、高確率時短遊技状態に移行してから、10回目の大当たりの抽選に相当することとなる。このように、始動口スイッチ処理(図6参照)によって取得した大当たりの抽選の権利が、高確率時短遊技状態に移行してから何回目の大当たりの抽選に相当するのかを演算する。具体的には、遊技制御部200が変動回数Nから基準回数Mを減算することによって演算値Zを取得する(S3102)。
そして、遊技制御部200は、演算値Zが所定回数X以下であるか否かを判断する(S3103)。ここでいう所定回数Xというのは、高確率状態用の当たり判定用テーブル(図30(a)参照)に基づいて大当たり乱数が判定される上限回数である。
ここで、例えば、大当たり遊技後の遊技状態が高確率時短遊技状態となる大当たりに当選すると、以後、100回を上限として、大当たり乱数の判定が高確率状態用の当たり判定用テーブルに基づいて行われる場合を考える。この場合、所定回数Xは100と設定されることとなり、演算値Zが100以下であるか否かを判断することとなる。
すなわち、始動口スイッチ処理(図6参照)によって取得した大当たり乱数が、高確率状態用の当たり判定用テーブルに基づいて判定されるのか、それとも、高確率時短遊技状態が終了して低確率状態用の当たり判定用テーブル(図30(a)参照)に基づいて判定されるのかを、ここで判断することとなる。
例えば、電源をONしてから200回目の大当たりの抽選(変動回数N=200)によって高確率図柄Aの大当たり(高確率時短遊技状態となる長当たり)に当選したとする。その後、高確率時短率遊技状態になってから98回の大当たりの抽選が行われ、いまだ大当たりに当選していない状況で、変動回数N=299の保留A、変動回数N=300の保留B、変動回数N=301の保留Cが、RAM203に記憶されたとする。このとき、基準回数M=200と設定されているため、保留Aは演算値Z=99となり、保留Bは演算値Z=100となり、保留Cは演算値Z=101となる。したがって、保留Aおよび保留BはS3103で「YES」と判断され、保留CはS3103で「NO」と判断される。
このように、S3102およびS3103の処理によって、現在の内部状態ではなく、あくまでも特別図柄処理時の内部状態に基づいて、大当たりの判定を行うことが可能となる。したがって、高確率状態から低確率状態へと遊技状態が変化する場合にも、正確な判定結果を導き出すことができる。
遊技制御部200は、演算値Zが所定回数X以下であると判断すると(S3103でYes)、次に、大当たり遊技後の内部状態を低確率状態に変更する「大当たり」に係る事前判定情報が、始動口スイッチ処理(図6参照)の開始前に記憶されているか否かを判断する(S3104)。なぜなら、このような保留球が先に保留されているとなれば、始動口スイッチ処理(図6参照)において保留された保留球を消化するときに、遊技状態が低確率状態になってしまうからである。
したがって、S3104でNoと判断した場合には、高確率状態用の当たり判定用テーブルを選択し(S3106)、S3104でYesと判断した場合には、低確率状態用の当たり判定用テーブルを選択する(S3107)。
一方、現在の遊技状態が低確率状態である場合(S3101でNo)や、現在の遊技状態が高確率状態であっても演算値Zが所定回数Xを超えていると判断した場合(S3103でNo)には、次のような処理を行う。すなわち、遊技制御部200は、RAM203の記憶領域204(図28参照)に、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に変更する大当たりに係る事前判定情報が、始動口スイッチ処理(図6参照)の開始前に記憶されているか否かを判断する(S3105)。例えば、始動口スイッチ処理(図6参照)のS605において、記憶領域204の第6記憶部204f(図28参照)に乱数を記憶した場合には、第1記憶部204a〜第5記憶部204e(図28参照)に高確率状態となる大当たりのいずれかに係る事前判定情報が記憶されているか否かを判断する。すなわち、始動口スイッチ処理(図6参照)において今回生じた保留球よりも先に消化される保留球に、内部状態を高確率状態に変更するものがあるかを判断する。なぜなら、このような保留球が先に存在するとなれば、始動口スイッチ処理において今回生じた保留球を消化するときに、内部状態が高確率状態になってしまうからである。
したがって、S3105でNoと判断した場合には、低確率状態用の当たり判定用テーブルを選択し(S3107)、Yesと判断した場合には、高確率状態用の当たり判定用テーブルを選択する(S3106)。
なお、詳しくは図示しないが、S3104およびS3105において、仮に、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に変更する大当たりと、大当たり遊技後の遊技状態を低確率状態に変更する大当たりとが記憶領域204(図28参照)に記憶されている場合には、遊技制御部200は、これら2つの大当たりのうち、後に消化される保留球に係る事前判定情報に基づいて上記の判断(S3104、S3105)を行う。
このように、S3104およびS3105の処理によって、特別図柄処理の際の内部状態に基づいて、大当たりの判定を行うことが可能となる。したがって、高確率状態から低確率状態へと内部状態が変化する場合や、低確率状態から高確率状態へと内部状態が変化する場合にも、正確な事前判定の結果を導き出すことができる。
この後、遊技制御部200は、選択した判定用テーブルに基づいて各乱数の判定を行い(S3108)、その判定結果を事前判定情報として記憶領域204(図28参照)に記憶する(S3109)。そして、その判定結果が大当たりまたは小当たりであったか否かを判断し(S3110)、大当たりまたは小当たりであった場合には(S3110でYes)、先読み結果の報知コマンド(図では単に報知コマンドと記載)をセットし(S3111)、また、ハズレであった場合(S3110でNo)には、通常コマンドをセットして(S3112)、事前判定処理が終了する。通常コマンドとは、後述の保留表示演出において事前判定(先読み)の結果を報知せず保留数の表示のみを行わせるためのコマンドである。セットされたこれらのコマンドは、保留数増加コマンド(図6のS606、S612参照)に含まれ、出力処理(図5−3のS506参照)において演出制御部300に送信される。
なお、事前判定処理において、図31に図示されていない制御を採用することも考えられる。例えば、ハズレであった場合(S3110でNo)、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定し、リーチ演出が行われると判定したときはリーチコマンドをセットする。また、大当たりであると事前判定された場合には(S3110でYes)、大当たりの種類が事前判定される。
〔演出制御部による予告演出〕
パチンコ遊技機100では、特別図柄の変動中にさらに始動口へ遊技球が入賞して保留球が発生した場合に、表示器130(図1、2(a)参照)の第1特別図柄保留表示器218および第2特別図柄保留表示器219により保留数に応じた表示が行われる。また、この表示器130による表示に加えて、演出表示の一部として、画像表示部114に保留球に関する情報(有無、保留数等)を表示する演出(保留表示演出)を行うパチンコ遊技機100がある。さらに、上記のように保留球に関して事前判定を行った場合、判定結果を報知または示唆する予告演出を行うことができる。この予告演出を行うために、演出制御部300により上記の報知コマンドの受け付け処理が行われる。
上述したように、報知コマンドおよび通常コマンドは、保留数増加コマンドに含まれて遊技制御部200から演出制御部300へ送られる。したがって、コマンド受信処理(図19−2(b)のS1911および図20参照)において、保留数増加コマンドを受信した場合に、演出制御部300は、保留数の加算および保留数コマンドをセット(S2001〜S2003参照)するだけでなく、保留数増加コマンドから報知コマンドまたは通常コマンドを抽出し、RAM303に格納する。
〔報知コマンドの受け付け処理〕
図32は、演出制御部300による報知コマンドの受け付け処理の内容を示すフローチャートである。
上記の保留数増加コマンドの受信時の処理の後、演出制御部300は、保留数増加コマンドから抽出された報知コマンドがRAM303に記憶されているか否かを判断する(S3201)。報知コマンドが記憶されていると判断すると(S3201でYes)、演出制御部300は、RAM303における今回の保留球に対応する記憶領域(第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれか)において、保留フラグおよび報知フラグをONにする。保留数増加コマンドから報知コマンドではなく通常コマンドが抽出された場合は、保留フラグのみをONにする(S3202)。なお、報知コマンドが記憶されていない場合(S3201でNo)には、報知コマンド受け付け処理を終了する。
次に、演出制御部300は、RAM303の第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれかにおいて、報知フラグがONとなっているか否かを判断する(S3203)。記憶部305a〜305d、306a〜306dのいずれかにおいて報知フラグがONとなっていると判断した場合(S3203でYes)、次に演出制御部300は、変動時間Tが所定値Kよりも大きいか否かを判断する(S3204)。そして、変動時間Tが所定値Kよりも大きいと判断した場合には(S3204でYes)には、予告演出(報知演出)を行うための報知演出コマンドをセットし(S3205)、報知コマンド受け付け処理を終了する。
一方、第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれにおいても報知フラグがONとなっていないと判断した場合(S3203でNo)および変動時間Tが所定値K以下であると判断した場合(S3204でNo)、演出制御部300は、先読み結果を報知しない通常演出を行うための通常演出コマンドをセットし(S3206)、報知コマンド受け付け処理を終了する。
なお、これらのコマンドは、演出制御処理において、保留数を遊技者に報知するためのものであり、保留球ごとの個別情報(第1始動口121および第2始動口122のいずれ係る保留球か、各始動口における何番目の保留球か等)を有している。また、報知演出コマンドには、第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれにおいて報知フラグがONとなっているのかという情報も含まれている。
より詳しくは、ここにいう変動時間Tとは、大当たり判定処理(図9参照)による特別図柄が変動する時間であり、当該変動に係る変動時間ということもできる。また、所定値Kは、予告演出を行うのに必要な時間(尺)よりも大きな値である。例えば、実行しようとする予告演出の尺が3秒である場合、所定値Kとして4秒の値を採用することが考えられる。これは、変動時間Tが実行しようとする予告演出の尺よりも長くなければ、図柄変動中に予告演出を行うことができないためである。したがって、第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれにおいて報知フラグがONとなっている場合であっても、変動時間Tが所定値K以下である場合には、報知演出コマンドではなく通常演出コマンドがセットされる(S3203、S3204、S3206参照)。
なお、変動時間Tは、必ずしも、1回の特別図柄の変動時間(1個の入賞球(保留球)に係る特別図柄の変動が行われる時間)に限定しない。すなわち、変動時間Tとして、複数回(保留数の上限が4個である場合は2回または3回)の図柄変動が行われる時間を設定することができる。言い換えれば、複数回の変動時間を加算した時間がHの値となる。この場合、演出は、複数回の図柄変動にまたがって行われる予告演出(いわゆる連続予告)として行われる。
予告演出が複数回の図柄変動にまたがる場合は、図31のS3104に示したように全体の変動時間Tの下限値を保証するだけでなく、予告演出(連続予告)の尺に対して全体の変動時間Tの長さが余り過ぎないように、予告演出の対象となる図柄変動における変動時間を制限する必要がある。
〔可動役物115〕
次に、上述した可動役物115(図1参照)について説明する。
この可動役物115は、パチンコ遊技機100(図1参照)が行う演出のうち、動きの演出(動き演出)および光による演出(光演出)を担うように構成されており、パチンコ遊技機100の平面視で画像表示部114よりも前側に位置する。
なお、遊技盤110の一部を構成する遊技盤本体は、ベニヤ(合板、木)製ではなく、光を透過する樹脂製の板状部材であり、いわゆる透明遊技板である。このため、遊技盤110の後側にある可動役物115の部分も、遊技者が視認可能である。
付言すると、遊技盤本体は、凹凸形状や切欠き形状を成形により一体形成されるポリカーボネート(PC)製である。また、遊技盤本体を、素材としてのアクリル製の板材を切削加工により凹凸形状や切欠き形状を形成する場合に適用することも考えられる。
次に、可動役物115が備える車型ロボット部5について説明する。
<可動役物115の車型ロボット部5の構成>
図33は、車型ロボット部5の移動部51の待機状態を示す図である。
図34は、車型ロボット部5の移動部51の登場状態を示す図である。
さらに、本実施の形態のパチンコ遊技機100において、図33に示すように、遊技盤110は、中央部に開口部110Hが形成されている。そして、開口部110Hには、主に画像表示部114の表示画面114Sが対向するように設けられる。
なお、表示画面114Sには、遊技の進行に応じて装飾図柄30Aが表示される。装飾図柄30Aは、例えば複数の数字を用いて表示される。特に、本実施の形態では、装飾図柄30Aにおいて、各数字に対して、可動役物115を構成する造形可動体4や車型ロボット部5がそれぞれ関連付けられている。例えば、数字の「3」には、車型ロボット部5が関連付けられている。また、関連付けの具体例としては、車型ロボット部5の画に数字の「3」を重ねたり、数字の「3」の配色を車型ロボット部5と同じ色にしたり、数字の「3」自体を車型ロボット部5の特徴的な形状によって構成したりすることができる。
また、本実施の形態では、表示画面114Sの下側にて、保留表示演出を行うための保留表示アイコン30Bを表示する。ここで、本実施の形態では、表示画面114Sの上側に造形可動体4が位置し、表示画面114Sの下側であって左端部には車型ロボット部5の移動部51が位置している。従って、保留表示アイコン30Bは、表示画面114Sの下側であって右端部に表示する。さらに、保留球のうち消化が行われて変動する当該変動を表示する当該変動アイコン30Cは、表示画面114Sの下側であって中央部に表示する。
さらに、遊技盤110は、本実施の形態では第1始動口121の上方に配置されて遊技球を一旦受けた後に遊技球を第1始動口121側へと落下させるステージ110Sを備えている。また、遊技盤110は、ステージ110Sの上側に、画像表示部114や可動役物115などの演出体への遊技球の進入を防止する進入防止部110Gを有している。
車型ロボット部5は、図33に示すように、移動部51と、移動部51が移動する経路を形成するベース部材52とを有する。さらに、本実施の形態では、移動部51は、変形部53と、変形部53に隣り合って設けられる装飾部54とを有している。
(移動部51の概要)
そして、移動部51は、図33に示す初期の状態である「待機状態」から、図34に示すように待機状態から移動して目立つ位置に登場した「登場状態」に移行したり、逆に、登場状態から待機状態に移行したりする動作を行う。
具体的には、移動部51の変形部53は、ベース部材52が形成する移動経路上において、図33に示すように待機状態の位置(以下、「待機位置」と呼ぶ。)である左端部と、図34に示すように登場状態の位置(以下、「登場位置」と呼ぶ。)となる中央部とに、それぞれ停止する位置が設定されている。
また、移動部51の装飾部54は、ベース部材52が形成する移動経路上において、図33に示すように待機状態の位置である中央部左側と、図34に示すように登場位置となる中央部右側と、同様に登場位置となる右端部とに、停止する位置が設定される。このように、本実施の形態の装飾部54は、登場状態において2つの停止する位置が設けられている。なお、以下の説明では、登場状態に移行している装飾部54の位置について、装飾部54が位置する中央部右側を「第1登場位置」と呼び、装飾部54が位置する右端部を「第2登場位置」と呼ぶ。
また、変形部53は、図33に示す変形前の状態である「初期形態」と、図34に示す変形後の状態である「変形形態」との2つの形態をとれるように構成されている。本実施の形態では、変形部53は、初期形態では、フロントガラス部530を有し、自動車を前側からみた形を描く車の形態になっている。さらに、変形部53は、変形形態では、人型の機械生命体の形を描くロボットの形態になる。具体的には、移動部51は、図34に示すように、ロボットを形作るパーツとして、移動可能および変形可能に構成された、顔部531と、胸部532と、肩部533と、腕部534と、脚部535と備えている。また、肩部533は、肩部533に対して進退移動する角部536を更に備えている。
なお、顔部531は、顔部531の下側において左右一対の突起531Pを有している(後述する図40参照)。さらに、腕部534は、突起534Pを有している(後述する図38参照)。これら、突起531Pや突起534Pについては後に詳しく説明する。
そして、本実施の形態において、図34に示すように、肩部533、腕部534、脚部535および角部536は、左右一対に設けられる。そして、左右一対の各部の構造は、形状に若干の差異はあるものの、基本構成は同じである。なお、以下の説明において、左右一対の各部の構造を特に区別する必要が無い場合には、左右のうち一方の部材を代表して説明し、もう一方の部材についての詳細な説明を省略する場合がある。
一方、装飾部54は、本実施の形態では模様や「GO!!」といった文字の装飾が施された装飾板541を有している。そして、装飾部54は、図33に示すように変形部53に隣接して一体的になる「一体状態」と、図34に示すように変形部53に対して分離する「分離状態」との2つの状態をとれるように構成されている。
なお、本実施の形態では、「一体状態」とは、変形部53と装飾部54とが機械的に結合して接触するように合体した状態や、変形部53と装飾部54とが接触しているように見える程度に集合した状態を意味している。
(ベース部材52の概要)
ベース部材52は、図33に示すように、下向きに凸となる円弧状の移動部51の移動経路を形成している。なお、本実施の形態では、移動部51の移動経路は、遊技盤110の開口部110Hにおける下側の縁に沿って形成される。すなわち、移動部51の移動経路は、ステージ110Sおよび進入防止部110Gに沿って形成される。さらに、他の観点から捉えると、移動部51の移動経路は、開口部110Hの下側の縁と対向する画像表示部114の表示画面114Sの下側の端部に沿って形成される。
ここで、移動部51は、画像表示部114における画面表示にて装飾図柄30Aの変動開始から変動停止までの変動演出が行われる際に、遊技制御部200からの各種コマンドに基づいて演出制御部300が制御することによって動作する。本実施の形態では、例えば大当たりに当選する場合の変動演出を行う際とリーチ演出を行う際とで、移動部51を用いた演出動作を実行するようにしている。そして、大当たりの期待度に応じて、移動部51を動作させて登場状態に移行するようにしている。例えば、大当たり当選の際には、移動部51の変形部53を動作させて登場位置に移動させ、変形形態に移行させる。また、リーチ演出を行う際には、所定の確率で変形部53を登場状態に移行させ、変形形態に移行させる。
以上のように設定することで、移動部51の変形部53が動作する際には一定の確率で大当たりに当選するということが、遊技者にとって共通の認識となる。そのため、遊技者は、移動部51の変形部53が登場位置に移動し、変形形態に移行するという動作はもちろん、移動部51の変形部53や装飾部54の振動や揺動などの比較的小さい動きであっても、その挙動に注目しながら、大当たりの期待をもって遊技を楽しむことができる。
さらに、移動部51を実際に動作させるタイミングに関しては、例えば装飾図柄30Aの変動開始から変動停止までの間などの予め定めた時間帯において、演出ボタン161が遊技者によって押されたときに、移動部51を動作させるといった設定を行っている。このように、本実施の形態では、移動部51の動作のタイミングに関して、遊技者の操作に基づいて実行することによって、遊技者の遊技に対する参加をより促すようにしている。
<移動部51の基本的な演出動作>
図35は、本実施の形態の移動部51の一連の動きを説明するための図である。
本実施の形態の移動部51の基本的な演出動作を説明する。基本的な演出動作とは、例えば大当たりに当選する場合などにおいて、待機状態から、最終的な登場位置への移動および最終的な状態(変形形態、分離状態)への移行まで一気に行う動作のことである。また、本実施の形態では、移動部51の変形部53が待機位置から登場位置に移動して変形形態に移行し、また、装飾部54が待機位置から登場位置(第2登場位置)に移動するのに要する時間は、数秒に設定している。このように、基本的な演出動作を行う移動部51は、瞬く間に移動して、瞬く間に変形するという動きによって、スピード感のある演出を実現している。
なお、移動部51は、基本的な動作とは別に、待機状態から最終的な登場状態までの途中の状態において、途中で移動を停止したり振動したりする動作を行うが、この点については後に詳しく説明する。
まず、図35(a)に示すように、待機状態では、移動部51の変形部53が左端部に位置し、装飾部54が中央部左側に位置している。このとき、変形部53は初期形態であり、装飾部54は一体状態を形成している。
その後、図35(b)に示すように、移動部51が移動を開始すると、変形部53および装飾部54は、一体状態を維持しながら、右方向に向けて移動する。本実施の形態では、ベース部材52が形成する移動経路は、曲線である円弧状に形成されている。そのため、移動する際には、変形部53および装飾部54は、左右方向においては左端部から中央部に向けて、上下方向においては下方向に向けて移動する。すなわち、変形部53および装飾部54は、左斜め上から右斜め下に移動する。
ここで、初期形態の変形部53は、フロントガラス部530が遊技盤110の開口部110Hの下側の縁(進入防止部110Gの上側)から上方向に向けて突出した状態になっている。ここで、本実施の形態では、開口部110Hにて遊技者に対して画像表示部114の表示画面114S(図33参照)がのぞくように構成している。そして、本実施の形態では、初期形態の変形部53は、フロントガラス部530が画像表示部114の表示画面114Sに重なる。
ここで、フロントガラス部530は、透明部材によって構成されている。そのため、遊技者は、フロントガラス部530を通して、後側の表示画面114Sを見ることができる。このように、本実施の形態では、変形部53が変形形態に移行するまでにおいては、表示画面114Sに重なる一部であるフロントガラス部530を透明な部材によって構成することで、フロントガラス部530を通して表示画面114Sを遊技者が見ることができるようにしている。
そして、図35(c)に示すように、移動部51は、登場状態に移行する。登場状態において、変形部53は、登場位置である中央部に停止する。また、装飾部54は、第1登場位置である中央部右側に位置している。すなわち、このタイミングまでは、装飾部54は、一体状態を維持しており、変形部53と一体的になっている。
ただし、図35(d)に示すように、装飾部54は、移動を継続しており、第2登場位置に向けてさらに移動する。つまり、基本的な動作の場合、装飾部54は、変形部53と一体的となる一体状態を維持しながら移動し、変形部53の移動の停止した後も、そのまま移動を継続することで、分離状態を形成する。
なお、本実施の形態では、一体状態における変形部53および装飾部54の移動の速度と、分離状態における装飾部54の移動速度は、略等しく設定している。そのため、移動部51の動きとしては、変形部53および装飾部54が待機位置から勢いよく登場してきて、変形部53が登場位置にてぴたりと停止し、装飾部54はさらに滑るように移動していくように見える。
このように、装飾部54は、一体状態にて変形部53と共に移動し、その移動の途中で変形部53に対して分離状態を形成することで、例えば単に一つの部材が移動する場合と比較して、遊技者に対してスピード感のある複雑な動作を見せることができ、遊技者を楽しませることができる。
さらにその後、図35(e)に示すように、登場位置に位置する変形部53は、初期形態から変形形態に向けて変形を開始する。なお、この状態において、装飾部54は、最終的な第2登場位置にて停止している。
そして、図35(f)に示すように、変形部53は、初期形態から最終的な変形形態に移行する。本実施の形態では、変形部53は、初期形態では車の形を描く状態から、上下方向および左右方向に拡がるように変形し、変形形態となるロボットの形態に移行する。特に、変形形態の変形部53は、遊技盤110の開口部110Hの下側の縁から立ち上がるようにして、画像表示部114の表示画面114Sの中央部に顔部531が位置し、表示画面114S(図34参照)の下側半分の一部と重なるように位置する。
以上説明したように、変形部53および装飾部54は、上述した基本的な演出動作を行って、待機状態から登場状態に移行することで、遊技者に対してインパクトのある動きをみせることができる。
特に、変形部53は、待機位置から登場位置に移動した後に、初期形態から変形形態に移行する。従って、例えば単に予め中央部に位置が固定された部材が中央部にて変形する場合と比較して、遊技者が感じるインパクトが大きくなる。本実施の形態では、サイズが比較的小さい形態である初期形態を維持しながら待機位置(第1の位置)から登場位置(第2の位置)まで移動してきて、登場位置にて比較的大きい形態である変形形態に移行する。従って、端部側から移動してきた変形部53が、中央部に位置すると、大きく変形するという動作によって、遊技者をさらに驚かせることができる。
また、変形部53は、表示画面114Sの下端部になる、開口部110Hの下側の縁に沿って移動するため、待機位置から登場位置までは比較的に目立ち難い。その一方で、変形部53は、まさに変形するときには、表示画面114Sの左右方向における中央部にて大きく変形する。そのため、変形部53は、遊技者に対して、非常に大きなインパクトを与えることができる。
なお、上述した例では、変形部53は、登場位置に位置した状態で、初期形態から変形形態に変形しているが、例えば待機位置に位置した状態で変形形態に変形するように動作しても構わない。さらに、待機位置から登場位置まで移動する間に、初期形態から変形形態に移行するようにしても構わない。
引き続いて、移動部51の登場状態から待機状態への移行について説明する。
移動部51の登場状態から待機状態への移行は、基本的には、上述した図35(a)から図35(f)を用いて説明した登場状態への移行における逆の動作を行う。以下、具体的に説明する。
まず、図35(f)に示す変形形態の変形部53が、図35(e)に示すように上下方向および左右方向において縮むように変形する。具体的には、下方に移動しながら、外側から内側に縮むように各種部材が折りたたまれる。なお、このとき、装飾部54は、第2登場位置に位置した状態になっている。
その後、図35(d)に示すように、変形部53は、登場位置において、元の初期形態に変形する。また、装飾部54は、変形部53が初期形態に移行したタイミングで、装飾部54が円弧状の経路に沿って右端部から中央部に向けて左側に移動する。
そして、図35(c)に示すように、装飾部54は、変形部53と一体的になる一体状態に移行する。
さらに、図35(b)に示すように、変形部53は、装飾部54と一体的になったタイミングで、円弧状の経路に沿って装飾部54と共に移動する。本実施の形態では、変形部53および装飾部54は、中央部から左斜め上に向けて移動する。
そして、図35(a)に示すように、変形部53は待機位置である左端部にて停止し、装飾部54は待機位置である中央部左側にて停止する。
ところで、上述した基本的な演出動作とは別に、例えば変形部53が登場位置にて変形形態に移行しなかったり、装飾部54が分離状態に移行せず第2登場位置に位置しなかったり、変形部53や装飾部54が最終的な登場状態に移行する前の途中の段階で、所定の動作をさせる場合がある。そして、変形部53が変形形態に移行するかのように揺動したり、装飾部54が分離状態に移行するかのように揺動したりするという期待演出を行う。本実施の形態では、上述のとおり、変形部53が変形形態に移行することによって、大当たりに当選する期待度が高くなるように設定している。そのため、遊技者にとって、変形部53が変形形態に移行するかのような挙動は、遊技者にとって大当たりを期待させる演出となる。以下、期待演出に関する具体的な例として、第1の期待演出と第2の期待演出とを説明する。
<第1の期待演出>
図36は、第1の期待演出を説明するための図である。
第1の期待演出は、変形部53および装飾部54が各登場位置に位置している際に行う演出である。
第1の期待演出では、図35(a)〜図35(c)を参照しながら説明したように、まず、待機位置から登場位置に移動部51を移動させる。具体的には、変形部53を登場位置に停止させ、装飾部54を第1登場位置に停止させる。
そして、図36(a)に示すように、変形部53を所定の箇所を中心として上下方向において所定の距離間隔で往復移動するように揺動させる。一方、図36(a)に示すように、装飾部54を所定の箇所を中心として左右方向において所定の距離間隔で往復移動するように揺動させる。また、第1の期待演出においては、変形部53を揺動させながら装飾部54を揺動させることで、変形部53の上下方向における揺動と、装飾部54の左右方向における揺動とを同時に実行する。なお、この際に、変形部53は、変形前の形態である初期形態を維持したままで、上下方向において揺動する。
上述したとおり、本実施の形態では、変形部53が変形形態に移行する前に、変形部53が所定方向(例えば上下方向)において揺動しながら、装飾部54がその所定方向とは異なる方向(例えば左右方向)において揺動する。このように、移動部51として一組の変形部53と装飾部54とが、それぞれ異なる方向において揺動することによって、遊技者の目をひくこととなり、移動部51によってインパクトのある動きを実現している。
なお、上記の例では、変形部53の揺動と装飾部54の揺動とを同時に行うと説明したが、それぞれ別のタイミングで行っても構わない。
また、図36(a)に示す第1の期待演出では、例えば変形部53が変形形態に移行する際の方向である上下方向(図36(b)参照)において変形部53が揺動する。すなわち、変形部53が変形形態に移行する際の移動方向と、第1の期待演出にて変形部53が揺動する方向とが一致している。また、図36(a)に示す第1の期待演出では、例えば装飾部54が分離状態に移行する際の方向である左右方向(図36(b)参照)において装飾部54が揺動する。すなわち、装飾部54が変形形態に移行する際の移動方向と、第1の期待演出にて装飾部54が揺動する方向とが一致している。
そのため、第1の期待演出の際、遊技者は、変形部53が変形形態に移行し、また、装飾部54が分離状態に移行することの期待をもってドキドキしながら、これらの挙動をみることとなる。その結果、遊技者は、移動部51の動きを楽しみながら、遊技を行うことができる。
なお、上記の移動部51の異なる方向における揺動後の動作としては、例えば大当たり当選の期待度の異なる複数のパターンを準備することができる。例えば、大当たり当選の期待度が高い演出としては、図36(b)に示すように、変形部53を変形形態に変形させ、かつ、装飾部54を第2登場位置に移動させて分離状態に移行させることができる。一方で、例えば大当たり当選の期待度が低い演出として、図36(a)に示す状態から、移動部51を図33に示す待機状態に戻す動作を行うことができる。
また、変形部53が変形形態に移行する前に、初期形態を維持したままの状態で、変形部53が上下方向において揺動する。上述したとおり、変形部53は、上方向に移動しながら、変形形態に移行する。そのため、変形部53が初期形態を維持したままで、上下方向に移動することによって、遊技者の変形部53の変形形態への移行に対する期待が膨らむ。
例えば、変形部53を動作させて変形形態への移行と思わせる演出を行う場合に、例えば変形部53を半分程度までに変形させた状態と、初期形態とを反復させる動作の演出も考えられる。これに対して、本実施の形態では、変形部53に対して、変形形態に移行する前の初期形態を敢えて維持した状態で、上下方向において揺動するようにした。これによって、揺動している変形部53がその後に大きく変形するのか否かと遊技者の注目度が高まる。従って、変形部53が変形形態に移行することを望む遊技者の期待感をより高めることができる。
また、第1の期待演出では、変形部53は、表示画面114Sに表示される装飾図柄30Aの表示に併せて、以下のように動作させることができる。
図36(a)に示すように、変動演出において表示画面114Sには、例えば変動中の装飾図柄30Aが表示されている。図36(a)の例では、左側の装飾図柄30Aと、右側の装飾図柄30Aとが揃って停止している状態で、残りの中央の装飾図柄30Aが変動している状態(所謂リーチ状態)である。この状態で、変形部53は、初期形態を維持しながら待機位置に登場する。このとき、変形部53は、装飾図柄30Aに全く重ならないか、装飾図柄30Aに対してごく一部だけが重なった状態になっている。すなわち、装飾図柄30Aが変動表示されている状態では、変形部53は、装飾図柄30Aの全て、または、装飾図柄30Aの大部分を隠さないようになっている。
一方で、図36(b)に示すように、例えば、変動演出において表示画面114Sに表示される装飾図柄30Aの変動が停止する直前に、変形部53が変形形態に移行する。そして、変形部53が変形形態に移行した後に、装飾図柄30Aが変動停止する。このとき、変形部53は、装飾図柄30Aの大部分に重なった状態になっている。その後、変形部53が初期形態に戻ることで、遊技者は、3つ揃った装飾図柄30Aの全貌を確認することができる。つまり、変形部53が退くと、背後に、揃った装飾図柄30Aが現れるため、最初から中央の装飾図柄30Aの全てが見える状態で装飾図柄30Aが揃うような場合と比較して、遊技者のドキドキ感を高めることができる。
なお、図36(b)の例では、変形形態の変形部53は、装飾図柄30Aの一部が見えるように装飾図柄30Aと重なるように位置している。しかしながら、例えば変形形態の変形部53は装飾図柄30Aの全てを隠しても良いし、例えば左右の装飾図柄30Aが既に停止している場合には、残りの中央の装飾図柄30Aだけを全て隠す、または残りの中央の装飾図柄30Aの大部分を隠すように位置していても構わない。
<第2の期待演出>
図37は、第2の期待演出を説明するための図である。
第2の期待演出は、移動部51が待機位置に位置している際に行う演出である。
移動部51は、待機位置で登場位置に向けて移動する方向と、待機位置に戻る方向とに、所定箇所を中心として所定の距離間隔で往復移動する揺動を行う。本実施の形態では、ベース部材52が形成する移動部51の移動経路が下向きに凸となるように形成しているため、待機位置での揺動は、斜め左上から斜め右下の方向になる。すなわち、移動部51を構成する変形部53および装飾部54は、待機位置にて、斜め方向において揺動する。
そして、待機位置で移動部51が揺動すると、遊技者は、移動部51を用いた基本の演出動作の開始を期待する。すなわち、移動部51を用いた演出において、最も初期の段階である待機位置にて揺動することで、上述した図35(a)を参照しながら説明したとおり、遊技者は移動部51の動作が開始されると感じる。
これによって、移動部51に対する遊技者の注目度が高まるとともに、変形形態に移行することを願う遊技者の期待感を高めることが可能になる。
特に、第2の期待演出では、図37(a)に示すように、変形部53は、待機位置(第1の位置)にて斜め方向において揺動する。一方で、図37(b)に示すように、変形部53は、登場位置(第2の位置)にて上下方向において揺動する。このように、本実施の形態では、同一の演出体である変形部53が、待機位置で所定方向となる斜め方向において揺動し、登場位置にでその所定方向とは異なる方向となる上下方向において揺動する。すなわち、同一の演出体である変形部53が、異なる位置にて、それぞれ異なる方向に揺動する。そのため、遊技者に対して、例えば変形部53が揺動する方向に関して多彩な動きをみせることができるため、遊技者にインパクトのある演出動作を見せることが可能になる。
また、図37(a)に示すように、待機位置(第1の位置)で登場位置(第2の位置)に向けた方向において変形部53を揺動させ、その後に、図37(b)に示すように、登場位置(第2の位置)で変形形態(第2形態)に変形する方向において変形部53を揺動させるという2段階の演出動作を行っても良い。
本実施の形態では、例えば大当たりに当選する際、変形部53は、最終的に、登場位置に位置し変形形態に移行する。そのため、遊技者は、まず、変形部53が登場位置に位置することを期待する。従って、変形部53が待機位置にて登場位置に向けた方向に揺動することによって、遊技者の期待感を高めることができる。さらに、本実施の形態では、登場位置にて変形部53が変形する際に移動する方向に変形部53を揺動させることによって、遊技者の期待感がさらに高まる。このように、大当たりを期待させる演出として、変形部53の揺動による2段階の演出動作を行うことによって、遊技者の期待感を大いに高めることが可能になる。
なお、本実施の形態では、待機位置に位置した状態の変形部53は、車の形になっている。一方、登場位置において変形形態に移行した変形部53は、ロボットの形になっている。そのため、待機位置で変形部53を揺動させる際には、車のエンジンをふかすような音をスピーカ156から流す。一方、登場位置で変形部53を揺動させる際には、ロボットが動作するような音をスピーカ156から流すようにしても良い。すなわち、同一の演出体である変形部53が、異なる位置にて、それぞれ異なる方向に揺動し、それぞれ異なる音を出すようにしても良い。
また、第2の期待演出において、変形部53は、表示画面114Sに表示される装飾図柄30Aの表示に併せて、以下のように動作させることができる。
例えば、図37(a)に示すように、変動演出において表示画面114Sに、例えば変動中の装飾図柄30Aが表示されている。図37(a)の例では、左側の装飾図柄30Aと、右側の装飾図柄30Aとが揃って停止するか否か(所謂リーチになるか否か)の状態である。この状態で、変形部53は、待機位置にて、登場位置に向けて移動する方向に揺動することによって、遊技者の大当たりの期待が膨らむ。
さらに、図37(b)に示すように、左側の装飾図柄30Aと、右側の装飾図柄30Aとが揃って停止している状態で、残りの中央の装飾図柄30Aが変動している状態(所謂リーチ状態)である。この状態で、変形部53は、登場位置にて変形部53が変形形態に移行する際の移動方向において揺動することによって、遊技者の大当たりの当選に対する期待をさらに膨らませることができる。
なお、第2の期待演出においては、例えば図37(b)を参照しながら、登場位置における揺動として変形部53を上下方向に揺動させる例を用いているが、これに限定するものではない。例えば、装飾部54が分離状態に移行することによっても、変形部53がその後に変形形態に移行するなど最終的な形態に移行することを示唆することができる。従って、装飾部54を第1登場位置にて左右方向において揺動させることで、大当たりを期待させても構わない。
また、第1の期待演出と第2の期待演出とを適宜、組み合わせても構わない。すなわち、移動部51の動作と表示画面114Sに表示させる変動演出の動作との組み合わせに関して、例えば図37(a)、図37(b)(図36(a))、図36(b)の順に、段階的に行っても構わない。
さらに、変動演出を行う際に、移動部51の動作を契機として、例えば疑似連続予告(疑似連)を進行させるようにしても良い。なお、本実施の形態では、疑似連演出が実行される際には、例えば大当たりに当選する確率が高くなるように設定することができる。
そして、本実施の形態では、疑似連演出が開始される際、または疑似連演出が開始されると遊技者が感じるタイミングで、変形部53を登場位置に移動させ、図36(a)を参照しながら説明したように変形部53を上下方向に揺動させる。さらに、その後には、所定の割合で、図36(b)を参照しながら説明したように変形部53が変形形態に移行した後に疑似連演出を行ったり、変形部53が初期形態のまま変形形態に移行せずに疑似連演出を行ったりするように設定しておく。
これによって、遊技者は、まず、変形部53が登場位置に移動したことで、疑似連演出が開始されることを期待することができる。さらに、変形部53が変形形態に移行したときには、確実に疑似連演出が実行されるため、変形部53が変形形態に移行するか否かについて遊技者は期待しながら遊技を行うことができる。
また、本実施の形態では、装飾図柄30Aを構成する数字の「3」が、車型ロボット部5に関連付けられている。そこで、例えば装飾図柄30Aの数字の「3」の変動状態に対応させて、移動部51(変形部53,装飾部54)を動作させても良い。具体的には、装飾図柄30Aの数字の「3」が変動停止したり、変動が仮停止したりした際に、変形部53を登場位置に移動させ、図37(b)を参照しながら説明したように変形部53を上下方向に揺動させても良い。
なお、これは、造形可動体4と装飾図柄30Aの数字の「7」においても同様である。すなわち、装飾図柄30Aの数字の「7」の変動状態に対応させて、造形可動体4を動作させても良い。
さらに、上述したとおり、変形部53は、遊技者に表示画面114Sを透過させて見せるフロントガラス部530を有している。そこで、表示画面114Sにおいてフロントガラス部530に対応する位置に、所定の情報を表示させても良い。つまり、遊技者からみて、フロントガラス部530の奥に、所定の情報が映るようにする。所定の情報としては、例えば現在の遊技状態を示唆する情報や、変動演出に関わる情報や、特定の演出についての説明情報や、遊技者にとって有益となる特典情報などを用いることができる。
本実施の形態では、変形部53が中央部に移動すると、図33に示すように、フロントガラス部530が表示画面114Sの下側であって中央部に位置する。このとき、上述したとおり、表示画面114Sの下側であって中央部には、当該変動アイコン30Cが表示される。ただし、本実施の形態では、フロントガラス部530が表示画面114Sを透過させて遊技者に見せることができる。そのため、遊技者は、フロントガラス部530を通して、当該変動アイコン30Cを確認することができる。
一方、変形部53が変形形態に移行すると、図34に示すように、変形部53が表示画面114Sの中央部を隠してしまう。ただし、本実施の形態では、変形部53によって当該変動アイコン30Cを見せたり、隠したりするという動きによって、当該変動アイコン30Cを利用した事前判定に関わる演出を行うことができる。
具体的には、事前判定の結果に基づいて、例えば当該変動アイコン30Cの表示態様を、変動中に変更することが可能である。そこで、まず初期形態の変形部53を登場位置に位置させる。当該変動アイコン30Cは、フロントガラス部530を通して確認できる。その後、変形部53を変形形態に移行させる。このとき、当該変動アイコン30Cの色や模様等を変更して当該変動アイコン30Cの表示態様を異ならせる。さらに、その後、変形部53を初期形態に再び戻す。そうすると、遊技者は、変形部53の動作の前後で、当該変動アイコン30Cの変化に気づくことになる。そして、本実施の形態では、当該変動アイコン30Cの表示態様を単に変化させるのではなく、変形部53による表示画面114Sを隠すという動作に伴って表示態様を変化させることで、遊技者がより遊技を楽しませることができる。
次に、上述したとおりの演出動作を行う車型ロボット部5の機構について詳細に説明する。
図38は、車型ロボット部5の全体構成を示す図である。
図39は、本実施の形態の変形部ベース61および左右方向移動部64を示す図である。
なお、図38および図39は、車型ロボット部5を後側からみた図である。
変形部53は、図38に示すように、顔部531、胸部532、肩部533、腕部534、脚部535および角部536の変形動作および移動動作を実現する機構として、変形部53を構成する各部品の取り付けの基礎となる変形部ベース61と、主に変形部53の上下方向における移動機構を構成する上下方向移動部62と、変形部53における上下左右方向における変形機構を構成する変形機構部63と、主に変形部53および装飾部54の左右方向(円弧方向)の移動機構を構成する左右方向移動部64とを有している。
まず、変形部ベース61、上下方向移動部62および変形機構部63について説明する。
(変形部ベース61の構成)
変形部ベース61は、ベース本体部611と、第1ギア列612と、駆動モータ613とを有する。
ベース本体部611は、板状の部材であって、変形部53全体の左右方向における位置の移動と、上下方向における変形のための移動との基礎となる。そして、ベース本体部611は、上下方向移動部62の後述する第1移動部材621を上下方向において移動可能に支持する。また、ベース本体部611は、第1固定ラック611Rを有する。第1固定ラック611Rは、ラックギアが形成され上下方向に延びて形成される。
さらに、ベース本体部611は、図39に示すように、被ガイド突起611Pと、第1ガイド溝611G1と、第2ガイド溝611G2とを有している。
被ガイド突起611Pは、後述するベース部材52の縦溝522Tに上下方向に移動可能に嵌め込まれる。
第1ガイド溝611G1は、上下方向に延びて形成される溝である。本実施の形態では、第1ガイド溝611G1は、ベース本体部611の右側と左側とにおいて一対に設けられる。また、第1ガイド溝611G1には、後述する第1被ガイド部641に設けられる凸部641Pが嵌め込まれる。そして、第1ガイド溝611G1は、凸部641Pの移動を案内しながら、第1被ガイド部641とベース本体部611とを上下方向において相対的に移動可能にしている。
第2ガイド溝611G2は、主に略斜め方向に延びて形成される溝である。本実施の形態では、第2ガイド溝611G2、ベース本体部611の右側と左側とにおいて一対に設けられる。また、第2ガイド溝611G2には、後述する第2被ガイド部642に設けられる凸部642Pが嵌め込まれる。そして、第2ガイド溝611G2は、第2被ガイド部642が円弧状の経路を移動する際に、第2被ガイド部642とベース本体部611とを相対的に移動可能にしている。
第1ギア列612は、図38に示すように、第1移動部材621の後述するラックギア部6211に接続する。また、第1ギア列612は、駆動モータ613から駆動を受けて回転する。なお、本実施の形態では、第1ギア列612を構成する複数のギアのうち、ラックギア部6211に直接接続するギアが、ピニオンギアである。
駆動モータ613は、第1ギア列612に接続し、第1ギア列612を駆動する。なお、駆動モータ613は、ランプ制御部320によって制御され、所定のタイミングおよび所定方向での回転によって、第1ギア列612を動作させる。
(上下方向移動部62の構成)
上下方向移動部62は、図38に示すように、第1移動部材621と、第2ギア列622と、第2移動部材623と、第3ギア列624と、第3移動部材625とを有している。
第1移動部材621は、板状の部材であって、ベース本体部611により上下方向に移動可能に支持される。また、第1移動部材621は、ラックギア部6211が形成される。そして、ラックギア部6211は、第1ギア列612に接続している。
さらに、第1移動部材621は、第2移動部材623を上下方向において移動可能に支持する。また、第1移動部材621は、第2ギア列622の各ギアを回転可能に保持する。
さらに、第1移動部材621は、第2ラックギア部6212を有する。第2ラックギア部6212は、ラックギアが形成され上下方向に延びて形成される。また、第2ラックギア部6212は、上下方向において第1移動部材621に対して予め定めた距離だけ移動可能に第1移動部材621に支持されている。
そして、第1移動部材621は、前側にて脚部535を支持する。なお、脚部535は、上側の端部が第1移動部材621に回転可能に取り付けられ、下側の端部がベース本体部611に移動可能に接続している。
第2ギア列622は、下側にて第1固定ラック611Rに接続し、上側にて第2移動部材623の後述する第3ラックギア部623Rに接続する。
第2移動部材623は、第3移動部材625を上下方向において移動可能に支持する。また、第2移動部材623は、第3ギア列624の各ギアを回転可能に保持する。さらに、第2移動部材623は、第3ラックギア部623Rを有している。第3ラックギア部623Rは、ラックギアが形成され上下方向に延びて形成される。そして、本実施の形態では、第2移動部材623の前側には、胸部532、肩部533および腕部534が取り付けられる。
第3ギア列624は、下側にて第1移動部材621の第2ラックギア部6212に接続し、上側にて第3移動部材625の後述する第4ラックギア部625Rに接続する。
第3移動部材625は、第4ラックギア部625Rを有する。第4ラックギア部625Rは、上下方向に延びるとともにラックギアが形成される。そして、第4ラックギア部625Rは、第3ギア列624に接続している。また、本実施の形態では、第3移動部材625の前側には、顔部531が取り付けられる。
また、以上のように構成される変形部ベース61および上下方向移動部62の主要な部材の前後関係について説明する。本実施の形態では、後側から前側に、ベース本体部611、第1移動部材621、第2移動部材623、第3移動部材625の順に層状に配置される。そして、これらの板状の部材が互いの面が略平行になるように維持した状態で、相対的にスライド移動することによって、上下方向における変形部53の伸縮が行われる。以下、具体的な動作を説明する。
(上下方向移動部62の動作)
以上のように構成される変形部53は、上下方向移動部62によって、顔部531、胸部532、肩部533、腕部534および脚部535の上下方向における位置を移動させる。以下で、具体的に説明する。
まず、駆動モータ613によって第1ギア列612を駆動する。第1ギア列612は、ラックギア部6211を介して第1移動部材621を上下方向に移動させる。ここで、第1移動部材621には、脚部535が接続している。従って、第1移動部材621が上下方向に移動した際、脚部535は、第1移動部材621とともに上下方向に移動する。
また、第1移動部材621には第2ギア列622が回転可能に保持されているため、第1移動部材621の移動に伴って第2ギア列622も移動する。このとき、第2ギア列622に接続する第1固定ラック611Rは、第1移動部材621とともに移動しない。従って、第2ギア列622は、第1固定ラック611Rに引っ掛かって回転する。そして、第2ギア列622が回転することによって、第2ギア列622に接続する第3ラックギア部623Rを介して、第2移動部材623が移動する。
そして、第2移動部材623には、胸部532、肩部533および腕部534が取り付けられている。従って、第2移動部材623が上下方向に移動した際、胸部532、肩部533および腕部534は、第2移動部材623とともに上下方向に移動する。
その後、第2移動部材623の移動に伴って、第2移動部材623に保持される第3ギア列624が第2移動部材623とともに移動する。このとき、第3ギア列624に接続する第2ラックギア部6212は、第3ギア列624と共に上方向に予め定めた距離だけ移動する。そして、第2ラックギア部6212が予め定めた距離だけ移動すると、第2ラックギア部6212は第1移動部材621に対して相対的に移動しなくなる。そうすると、第1移動部材621に対して相対的に移動する第3ギア列624は、第1移動部材621に対して移動しなくなった第2ラックギア部6212に引っ掛かって回転する。
そして、回転する第3ギア列624は、第4ラックギア部625Rを介して第3移動部材625を上下方向に移動させる。第3移動部材625には、顔部531が取り付けられている。従って、第3移動部材625が上下方向に移動した際、顔部531は、第3移動部材625とともに上下方向に移動する。このようにして、顔部531が上側に突出した状態になる。
(変形機構部63の構成)
図40は、本実施の形態の変形機構部63を示す図である。なお、図40は、変形部53を後側からみた図である。
変形機構部63は、図40(a)に示すように、支持体631と、支持体631よりも後側に配置される接触移動部632と、接触移動部632の後側であって腕部534の前側に配置されるリンク部633とを有する。さらに、図38に示すように、変形機構部63は、第2リンク部634を有する。
なお、本実施の形態において、肩部533、腕部534、脚部535および角部536は、左右一対に設けられる。そのため、これら一対の部位を変形移動させるための機構として、接触移動部632、リンク部633および第2リンク部634も、左右一対に設けられる。ただし、左右一対の各部の構造は、形状に若干の差異はあるものの、基本構成は同じである。従って、以下の説明では、左右一対の各部の構造を特に区別する必要が無い場合には、左右のうち一方の部材を代表して説明し、もう一方の部材についての詳細な説明を省略する。
支持体631には、後側から第2移動部材623(図38参照)が取り付けられる。また、支持体631には、前側から胸部532(図38参照)が取り付けられる。そして、支持体631は、腕回転軸631Sと、ガイド溝631Gとを有する。
腕回転軸631Sは、腕部534の回転の軸を形成するとともに、腕部534を支持する。従って、腕回転軸631Sは、腕部534の回転中心となる。
ガイド溝631Gは、略上下方向に沿って形成される溝である。そして、ガイド溝631Gは、接触移動部632の上下方向における移動を案内する。なお、本実施の形態では、後述するとおり、接触移動部632には、肩部533が取り付けられる。従って、ガイド溝631Gは、肩部533の移動を案内している。
接触移動部632は、Y字状の概形を有している。そして、接触移動部632は、リンク回転軸632Sと、肩保持部632Hと、リンク回転軸632Sから一方向に延びる第1腕部6321と、リンク回転軸632Sから第1腕部6321とは異なる他方向に延びる第2腕部6322とを有する。
リンク回転軸632Sは、リンク部633が回転するための軸を形成する。
肩保持部632Hは、肩部533を支持するとともに、ガイド溝631Gによって移動が案内される。
第1腕部6321は、端部に後側に向けて突出する第1突起部6321Pを有する。また、第2腕部6322は、端部に後側に向けて突出する第2突起部6322Pを有する。そして、第1突起部6321Pおよび第2突起部6322Pは、それぞれ顔部531の位置に応じて顔部531に形成される突起531Pに接触するように構成されている。
リンク部633は、一端側がリンク回転軸632Sに回転可能に保持され、他端側にて腕部534に対して回転可能に接続している。従って、リンク部633は、接触移動部632とともに移動し、また、リンク回転軸632Sを回転軸として回転する。そして、リンク部633は、腕部534を上下方向に移動させる。
第2リンク部634は、図38に示すように、腕部534に形成される突起534Pに接触可能に構成されている。そして、第2リンク部634は、腕部534の動作に応じて、突起534Pに接触し、肩部533に対して角部536を進退させる。
(変形機構部63の動作)
以上のように構成される変形機構部63では、上述した上下方向移動部62によって顔部531が上下することによって、肩部533、腕部534および角部536が変形するように作用する。
まず、変形部53が初期形態から変形形態に変形する際の動作を説明する。
図40(a)に示す状態から、顔部531が上方向に移動すると、図40(b)に示すように、顔部531の突起531Pが接触移動部632の第1突起部6321Pに接触する。これによって、接触移動部632は、支持体631のガイド溝631Gに案内されながら上方向に移動する。そうすると、接触移動部632に取り付けられる肩部533が上方向に持ち上がるように移動する。また、接触移動部632に接続するリンク部633が移動することによって、腕部534が、腕回転軸631Sを支点として上方向に持ち上がるように移動する。
また、図38に示すように、腕部534が上方向に移動することで、突起534Pが第2リンク部634を押し上げる。その結果、第2リンク部634に接触する角部536が上方向に移動する。
そして、さらに、顔部531をさらに上方向に移動させると、図40(c)に示すように、接触移動部632がガイド溝631Gの上側の端部にて引っ掛かり、接触移動部632がそれ以上は移動しなくなる。このとき、肩部533が最も上方向に位置し、腕部534も最も上方向に位置し、角部536も最も上方向に移動した状態である変形形態になる。
以上のように、本実施の形態では、顔部531が上方向に移動することで、肩部533、腕部534および角部536が上方向に移動するようになっている。つまり、顔部531を上方向に移動させるだけで、他の肩部533、腕部534および角部536を上方向に移動させることができる。
なお、本実施の形態では、第2ラックギア部6212が第1移動部材621に対して一定の距離だけ移動可能にすることで、顔部531の上方向の移動のタイミングを、例えば胸部532等の上方向の移動のタイミングに対して遅らせるようにしている。これによって、第2移動部材623がある程度上方向にせり上がった状態から、第3移動部材625が上方向に移動する。そして、第3移動部材625の移動によって、上述したように、肩部533、腕部534および角部536が上方向に移動する。そのため、全体的に上方向に移動した後に、肩部533、腕部534および角部536が変形するという動きをみせることができる。
次に、変形部53が変形形態から初期形態に変形する際の動作を説明する。
図40(c)に示す状態から、顔部531を下方向に移動させる。顔部531の突起531Pは、下方向に移動する。そうすると、肩部533および腕部534は、接触移動部632による上方向に向けた支持がなくなり、自重で、下方向に移動する。そして、接触移動部632に取り付けられる肩部533が下方向に下がるように移動する。また、接触移動部632に接続するリンク部633が下向きに移動することによって、腕部534も腕回転軸631Sを支点として下方向に下りるように移動する。
なお、図38に示すように、本実施の形態では、腕部534が下方向に移動することで、突起534Pが下方に移動して、第2リンク部634も下方に下がる。その結果、第2リンク部634に接触する角部536が下方向に移動する。
以上のようにして、最終的には、図40(a)に示す初期形態に移行する。
このように、本実施の形態の変形部53では、持ち上げる際には、駆動される顔部531の動力を利用して、肩部533および腕部534を上方向に移動させている。一方で、下ろす際には、肩部533および腕部534が自重で下がるように構成し、機構を簡略化している。
なお、肩部533および腕部534が自重により下方向に下がらない場合も想定される。このような場合には、図40(a)に示すように、顔部531が下方向に移動することで、突起531Pが接触移動部632の第2突起部6322Pに接触する。そうすると、接触移動部632は、顔部531によって強制的に押し下げられる。その結果、接触移動部632に接続する肩部533および腕部534が下方向に移動する。このように、本実施の形態では、肩部533および腕部534を下方向に自重で移動させる構成を採用しつつ、肩部533および腕部534が自重で移動しない場合には、肩部533および腕部534を強制的に押し下げるようにしている。
(左右方向移動部64の構成)
左右方向移動部64は、図39に示すように、第1被ガイド部641および第2被ガイド部642を有している。
第1被ガイド部641は、円弧状の形状を有する円弧部6411と、ベース本体部611に連結されるベース連結部6412とを有する。また、円弧部6411とベース連結部6412とは、後述するベース本体部521の第1ベースガイド522が形成される箇所にてベース本体部521を間に挟むように取り付けられる。本実施の形態では、円弧部6411はベース本体部521の後側に配置され、ベース連結部6412はベース本体部521の前側に配置される(後述する図42参照)。
円弧部6411は、円弧状に形成された部材であって、ベース連結部6412に固定される。また、円弧部6411は、後述する第1ベースガイド522に嵌め込まれ、第1ベースガイド522に沿って第1ベースガイド522の一端部522Sから他端部522E(後述する図41参照)まで移動する。
ベース連結部6412は、略円弧状に形成された部材であって、ベース部材52(図33等参照)側に向けて突出する複数(本実施の形態では2つ)の凸部641Pを有している。そして、凸部641Pは、ベース本体部611の第1ガイド溝611G1に嵌め込まれる。
第2被ガイド部642は、円弧部6421と、円弧部6421に固定されるラックギア部6422とを有している。そして、円弧部6421とラックギア部6422とは、後述するベース本体部521の第2ベースガイド523が形成される箇所にてベース本体部521を間に挟むように取り付けられる。本実施の形態では、円弧部6421はベース本体部521の後側に配置され、ラックギア部6422はベース本体部521の前側に配置される(後述する図42参照)。
円弧部6421は、円弧状に形成された部材であって、ラックギア部6422に固定される。また、円弧部6421は、後述する第2ベースガイド523に嵌め込まれ、第2ベースガイド523に沿って第2ベースガイド523の一端部523Sから他端部523E(後述する図41参照)まで移動する。
ラックギア部6422は、略円弧状に形成された部材であって、ラックギア部642Gと、ベース部材52(図33等参照)側に向けて突出する複数の(本実施の形態では2つ)の凸部642Pとを有している。ラックギア部6422は、後述するピニオンギア525に対向する側に形成されたラックギアを有する。また、凸部642Pは、ベース本体部611の第2ガイド溝611G2に嵌め込まれる。
図41は、本実施の形態のベース部材52を示す図である。なお、図41は、ベース部材52を前側から見た図である。
(ベース部材52の構成)
ベース部材52は、ベース本体部521と、ベース本体部521に形成される第1ベースガイド522と、ベース本体部521に形成される第2ベースガイド523と、ベース本体部521の後側に設けられる第2駆動モータ524と、第2駆動モータ524のモータ軸に接続するピニオンギア525とを有している。
ベース本体部521は、各種部材を取り付ける基礎となる板状の部材である。本実施の形態では、ベース本体部521は、遊技盤110の後側の面に取り付けられる。そして、ベース本体部521は、パチンコ遊技機100の内部において所定の部材に固定される。
第1ベースガイド522は、下方向に凸となるように形成された円弧状の溝である。第1ベースガイド522は、左右方向における左側に一端部522Sを有し、右側に他端部522Eを有する。そして、一端部522Sは、移動部51の変形部53が待機位置に位置するように、左右方向移動部64の円弧部6411(図39参照)の位置を定める。また、他端部522Eは、変形部53が登場位置に位置するよう、左右方向移動部64の円弧部6411(図39参照)の位置を定める。
また、本実施の形態では、第1ベースガイド522は、左右方向における略中央部に、上下方向に沿って延びる縦溝522Tを有している。縦溝522Tは、ベース本体部611の被ガイド突起611P(図39参照)の移動を案内する。
第2ベースガイド523は、上方向に凸となるように形成された円弧状の溝である。第2ベースガイド523は、左右方向における左側に一端部523Sを有し、右側に他端部523Eを有する。また、一端部523Sは、左右方向において第1ベースガイド522の一端部522Sと略同じ位置に形成される。一方、他端部523Eは、左右方向において第1ベースガイド522の他端部522Eよりも右側の位置に形成される。そして、一端部523Sは、移動部51の装飾部54が待機位置に位置するように定める。また、他端部523Eは、装飾部54が第2登場位置に位置するように定める。
第2駆動モータ524は、ピニオンギア525に接続し、ピニオンギア525を駆動する。なお、第2駆動モータ524は、ランプ制御部320によって制御され、所定のタイミングおよび所定方向での回転によって、ピニオンギア525を動作させる。
ピニオンギア525は、移動部51のラックギア部642Gに接続する。そして、ピニオンギア525は、第2駆動モータ524の回転運動を、第2被ガイド部642の円弧に沿った移動に変換する。
(左右方向移動部64の動作)
図42は、移動部51の位置の移動を説明するための図である。
なお、図42は、ベース部材52を後側からみた図である。また、図42ではベース部材52および移動部51のうち位置の移動に関わる部材を図示し、他の部材の記載を省略している。
図42(a)に示すように、移動部51が待機位置に位置している状態では、第1被ガイド部641の円弧部6411が、第1ベースガイド522の一端部522Sに接触している。また、第2被ガイド部642の円弧部6421が第2ベースガイド523の一端部523Sに接触している。
その後、ピニオンギア525を駆動して、ラックギア部6422を介して第2被ガイド部642を左右方向における右側に移動させる。この第2被ガイド部642の移動に伴って、装飾部54および変形部53の全体が左右方向における右側に移動する。そして、図42(b)に示すように、第1被ガイド部641の円弧部6411が、他端部522Eに突き当たる。そうすると、左右方向において第1被ガイド部641とベース本体部611とは相対的に移動できない。従って、ベース本体部611によって支持されている変形部53の左右方向(円弧方向)の移動が登場位置にて停止する。
さらに、ピニオンギア525を駆動して、第2被ガイド部642を右側に移動させる。そうすると、第1被ガイド部641は上述とおり移動しないものの、第2被ガイド部642は右側に向けてさらに移動する。第2被ガイド部642には、装飾部54が固定されている。従って、変形部53の移動が停止した状態で、装飾部54はさらに移動する。
そして、図42(c)に示すように、第2被ガイド部642の円弧部6421が、第2ベースガイド523の他端部523Eに突き当たる。このとき、第2被ガイド部642に取り付けられる装飾部54の左右方向(円弧方向)の移動が第2登場位置にて停止する。
以上のようにして、本実施の形態では、左右方向移動部64およびベース部材52によって、移動部51を構成する変形部53と装飾部54の左右方向(円弧方向)に沿った移動と所定位置における停止とが実現される。
図43は、変形部53の上下方向における振動動作を説明するための図である。
続いて、図43を参照しながら、変形部53の移動が停止した状態で、装飾部54が移動する際に生じる、変形部53の上下方向の動きについて説明する。
図43(a)に示す状態は、図42(c)を参照しながら説明したとおり、変形部53が登場位置に位置した状態である。そして、この状態から、第2被ガイド部642を右側に向けて移動させる。このとき、第1被ガイド部641の円弧部6411が第1ベースガイド522の他端部522E(図43(b)参照)に突き当たった状態で、第2被ガイド部642を右側に向けて移動させることになる。
第2被ガイド部642の凸部642Pがベース本体部611の第2ガイド溝611G2に嵌っている。そのため、図43(b)に示すように、第2被ガイド部642が右側に移動すると、ベース本体部611に対して上向きの力が作用する。ここで、第2被ガイド部642および第1被ガイド部641は、それぞれ第2ベースガイド523および第1ベースガイド522に嵌っている。そのため、第2被ガイド部642および第1被ガイド部641は、上下方向には移動しない。
従って、図43(c)に示すように、ベース本体部611が、上方向に向けて移動することになる。すなわち、変形部53が上方向に向けて持ち上がるように移動する。
なお、ベース本体部611は、上下方向に延びる第1ガイド溝611G1を有しているため、第1被ガイド部641によっては上下方向の移動は妨げられない。また、ベース本体部611は、上下方向に移動する際には、被ガイド突起611Pが縦溝522Tによって案内される。
なお、図43(c)に示す状態から、第2被ガイド部642を左右方向における左側に移動させると、第2ガイド溝611G2と嵌る凸部642Pとによって、ベース本体部611に対して下向きの力が作用する。その結果、ベース本体部611が、下方向に向けて移動することになる。すなわち、変形部53が下方向に下がるように移動する。
以上のように構成される移動部51およびベース部材52において、登場位置にて、例えば変形部53から装飾部54を分離する方向に移動させる動作と、合体させる方向に移動させる動作を周期的に繰り返すことで、変形部53を上下方向に揺動させ、装飾部54を左右方向に揺動させることができる。例えば、上述した第1の期待演出や第2の期待演出における変形部53の上下方向における揺動および装飾部54の左右方向における揺動は、この動作によって実現することができる。
なお、本実施の形態での移動部51の移動方向は、本実施の形態に限られない。また、車型ロボット部5を配置する位置については、本実施の形態の遊技盤110の下側に限定されない。例えば遊技盤110における左右方向の右側または左側、上下方向の上側に車型ロボット部5を配置しても良い。
また、移動部51を動作させるタイミングは、上述したように、画像表示部114における装飾図柄30Aの変動開始から変動停止までの変動演出が行われる際に限定されるものではない。
例えば、大当たりに当選するか否かのタイミングとは別に、高確率状態や、時短状態など、パチンコ遊技機100の遊技状態を報知するために移動部51を動作させるようにしても良い。この際に、移動部51を動作させて遊技状態を報知するタイミングは、特定の遊技状態に移行する前や、特定の遊技状態にに行した後の所定のタイミングで構わない。
さらに、図1に示すように、第2大入賞口127に遊技球が入賞し、例えば高確率状態に移行する際や時短状態に移行する際に、移動部51を動作させるようにしても良い。
そして、移動部51が登場状態に移行することによって、遊技者に対して、遊技状態に何らかの変化が生じたときや、遊技状態の変化の前後のタイミングで、そのことを示唆または報知するようにしても構わない。
<基準位置の位置決め機構の構成>
ここで、本実施の形態の変形部53における基準位置の位置決め機構について説明する。
図44は、変形部53における基準位置の位置決め機構の説明図である。なお、図44では、変形部ベース61および上下方向移動部62を後側から見た図を示している。
変形部ベース61は、下方向の端部に基準部611Eと、ラック移動許容部611Hとを有している。
基準部611Eは、上下方向において上方向を向く面を有し、第1移動部材621の下側の下端部621Eに接触可能に構成されている。そして、基準部611Eは、ベース本体部611は、下側に第1移動部材621が原点位置に位置する際の位置を定める。なお、第1移動部材621の原点位置とは、変形部53が初期形態になっているときのベース本体部611に対する第1移動部材621の相対的な位置である。なお、本実施の形態では、図44に示すように、基準部611Eは、左右方向において2箇所に設けられている。
ラック移動許容部611Hは、本実施の形態では、左右方向において基準部611Eに隣接して設けられる。ラック移動許容部611Hは、基準部611Eとは異なり、ベース本体部611において切り欠かれている。本実施の形態では、ラック移動許容部611Hの開口する幅は、ラックギア部6211の下側の端部の幅よりも大きく形成される。そして、ラック移動許容部611Hは、第1移動部材621の移動方向において、ラックギア部6211の所定量の移動を許容する。つまり、本実施の形態では、ベース本体部611がラック移動許容部611Hを有することによって、ラックギア部6211が、第1移動部材621の移動方向において基準部611Eに近づく方向に所定量だけ移動可能にする空間を形成している。
第1移動部材621は、図44において上側の拡大図で示すように左右方向において突出する突出部621Mと、図44において下側の拡大図で示すように左右方向において窪む窪部621Vとを有している。本実施の形態では、突出部621Mは、ラックギア部6211に向けて突出するように形成される。より具体的には、突出部621Mは、第1移動部材621の上側にてラックギア部6211の凹部6211Vに向けて突出する。また、窪部621Vは、第1移動部材621の下側にてラックギア部6211に対して遠ざかる方向に窪むように形成される。
ラックギア部6211は、図44において上側の拡大図で示す凹部6211Vと、図44において下側の拡大図で示す凹部6211Vに対して下方に設けられる凸部6211Mとを有する。凹部6211Vは、移動方向である上下方向において上方を向く面である第1面R1と、下方を向く面である第2面R2とを有する。そして、凹部6211Vには、第1移動部材621の突出部621Mが内側に設けられる。また、ラックギア部6211が第1ギア列612によって駆動された際、凹部6211Vは、第1面R1と第2面R2とが第1移動部材621の突出部621Mに接触し、第1移動部材621を上下方向に移動させる。
また、凹部6211Vの上下方向の幅、すなわち第1面R1と第2面R2との間隔は、第1移動部材621の突出部621Mの上下方向の幅よりも大きく形成される。従って、本実施の形態では、上下方向において、凹部6211Vと突出部621Mとの間には、一定の間隔(隙間)が形成される。そして、本実施の形態では、凹部6211Vと突出部621Mとの間に一定の間隔が形成されることで、ラックギア部6211が、第1移動部材621の移動方向において基準部611Eに近づく方向に所定量だけ移動可能になるようにしている。なお、本実施の形態では、凹部6211Vと突出部621Mとの間における一定の間隔は、ラックギア部6211のラック歯の1つ分の送り量に設定している。
また、凸部6211Mは、上方を向く第3面R3を有している。そして、凸部6211Mは、第1移動部材621の窪部621Vに対向して設けられる。そして、また、ラックギア部6211が第1ギア列612によって駆動された際、凸部6211Mは、第3面R3が第1移動部材621の窪部621Vに接触し、第1移動部材621を上下方向に移動させる。なお、本実施の形態では、第3面R3が窪部621Vに接触する状態で、上述した第2面R2が突出部621Mに接触するように、第3面R3と第2面R2との位置関係を定めている。
<基準位置の位置決め機構の動作>
図45は、変形部53における基準位置の位置決め機構の動作の説明図である。
図45(a)に示す状態で、第1ギア列612を駆動させて、ラックギア部6211を上方向に移動させる。このとき、ラックギア部6211は、凹部6211Vの第1面R1が第1移動部材621の突出部621Mに接触し、凸部6211Mの第3面R3が第1移動部材621の窪部621Vに接触した状態になる。そして、第1面R1および第3面R3によって、第1移動部材621を上方向に持ち上げる。
一方、図44に示す状態で、第1ギア列612を駆動させて、ラックギア部6211を下方向に移動させる。ここで、図44では図示を省略しているが、第1移動部材621は、変形部53を構成する第2移動部材623等(図38参照)の他の部材を支持している。すなわち、第1移動部材621には、他の部材の重量によって下向きに一定の荷重がかかっている。従って、ラックギア部6211が下方向に移動する際においても、ラックギア部6211は、凹部6211Vの第1面R1が第1移動部材621の突出部621Mに接触し、凸部6211Mの第3面R3が第1移動部材621の窪部621Vに接触した状態になる。この状態にて、第1移動部材621は降下する。
そして、最終的には、第1移動部材621は、図45(a)に示すように、下端部621Eがベース本体部611の基準部611Eに接触し、基準位置に位置する。なお、駆動モータ613は、第1移動部材621が基準位置に位置した際に、第1ギア列612の回転が停止するように予め設定されている。
ここで、第1ギア列612、ラックギア部6211、第1移動部材621などの各部品については、例えば部品製造上の誤差や、製造時における組み付け誤差などが生じる可能性がある。そして、一方で、例えばこれらの部材を駆動する駆動モータ613は、予め定められた回転量で動作するように制御している。従って、例えば部品に誤差が生じている場合には、第1移動部材621が基準部611Eに既に到達したにもかかわらず、第1移動部材621を基準部611Eに対して過剰に送り込むという事態が生じる可能性がある。
これに対して、本実施の形態では、第1移動部材621に対してラックギア部6211が所定量の移動を可能に取り付けられている。そのため、第1移動部材621が基準部611Eに接触し、第1移動部材621がそれ以上移動できない状態で、駆動モータ613が第1ギア列612を回転させた場合であっても、図45(b)に示すように、第1移動部材621に対してラックギア部6211が移動することができる。本実施の形態では、ラックギア部6211の下端部は、ラック移動許容部611Hによって下方向への移動が許容される。このラックギア部6211の第1移動部材621に対する遊びによって、駆動モータ613、第1ギア列612およびラックギア部6211に生じ得る負荷が抑制される。
逆に、駆動モータ613の制御としては、遊びが設けられている分、第1移動部材621を確実に基準部611Eに到達するように設定することが可能となる。
なお、本実施の形態では、単一の第1移動部材621に対して、左右方向における一方側にて第1ギア列612が一本のラックギア部6211に接続しているが、この態様に限定されない。すなわち、単一の第1移動部材621に対して、例えば左右方向の両方に異なるラックギア部を設ける。また、これら異なる2つのラックギア部は、本実施の形態のラックギア部6211と同様に、所定方向(例えば、上下方向)において基準部611Eに近づく方向に所定量だけ移動可能に第1移動部材621に取り付ける。また、これら異なるラックギア部に対しては、それぞれ異なるピニオンギアを接続する。これによって、第1移動部材621を左右方向の両側から支持および駆動できるため、第1移動部材621が安定して動作する。さらに、異なるラックギア部にそれぞれ遊びが設けられているため、異なるピニオンギア(あるいは、異なる駆動モータ)によって駆動した場合であっても、機械的な誤差等を吸収することが可能になる。
次に、車型ロボット部5の電気系に係わる詳細な構造について説明する。
図46は、移動部51の内部構造を示す全体斜視図である。
図46に示すように、移動部51は、装飾部54に取り付けられる装飾部基板50と、ベース本体部611に取り付けられるベース中継基板55と、第2移動部材623に取り付けられる胸部中継基板56と、胸部532に取り付けられる胸部発光基板57と、右側の肩部533に取り付けられる肩部第1発光基板581と、左側の肩部533に取り付けられる肩部第2発光基板582とを備える。
さらに、移動部51は、後述するベース部基板527および装飾部基板50を電気的に接続する第1FPC(Flexible Printed Circuits)65と、装飾部基板50およびベース中継基板55を電気的に接続するケーブル661と、ベース中継基板55および胸部中継基板56を電気的に接続する第2FPC67と、胸部中継基板56および胸部発光基板57を電気的に接続するFFC(Flexible Flat Cable)662と、胸部発光基板57と肩部第1発光基板581とを電気的に接続する第1ケーブル681と、胸部発光基板57と肩部第2発光基板582とを電気的に接続する第2ケーブル682と、ベース中継基板55と駆動モータ613とを電気的に接続するモータケーブル663とを備える。
また、装飾部基板50は、第1FPC65に接続するコネクタ部(不図示)と、ケーブル661に接続するコネクタ部(不図示)とを有している。さらに、ベース中継基板55は、ケーブル661と接続するコネクタ部551と、第2FPC67に接続するコネクタ部552とを有している(後述する図49(b)参照)。そして、胸部中継基板56は、第2FPC67に接続するコネクタ部561と、FFC662に接続するコネクタ部562とを有している(後述する図49(b)参照)。また、胸部発光基板57は、FFC662に接続するコネクタ部573と、第1ケーブル681および第2ケーブル682にそれぞれ接続する第1コネクタ部5741および第2コネクタ部5742とを有している(後述の図47(a)参照)。
装飾部基板50は、図46に示すように、前側において、装飾板541を光らせる複数のLED5411が実装される。また、装飾部基板50は、後側において、LED5411の発光のための制限抵抗(不図示)、LED5411の発光を制御するためのLEDドライバ(不図示)、後述する胸部532の第1LED5711や肩部533の第1LED5811(図52参照)などの装飾部54以外の位置に設けられるLEDの発光を制御するためのLEDドライバ(不図示)、および駆動モータ613の動作を制御するモータドライバ(不図示)が実装される。従って、本実施の形態では、移動部51における発光動作および移動動作に関わる信号線や電力線は、全て装飾部基板50を経由する。
本実施の形態では、上述したとおり、変形部53の変形のための機構(上下方向移動部62、変形機構部63(図40参照)等)が設けられており、変形部53におけるスペースに余裕がない。一方で、装飾部54には比較的スペースに余裕がある。そこで、本実施の形態では、装飾部基板50に実装可能な電子部品は装飾部基板50に集約し、装飾部54にその装飾部基板50を取り付ける構成を採用している。
そして、移動部51は、図46に示すように、顔部531の後側であって、さらに胸部発光基板57の後側に設けられる導光部材69を有する。さらに、移動部51は、胸部532の後側であって、胸部発光基板57の前側に設けられるレンズ532Lを有する。
<顔部531および胸部532の発光機構の構成>
本実施の形態の移動部51では、図46に破線で示す顔部531および胸部532の発光機構として、胸部発光基板57、レンズ532Lおよび導光部材69が機能する。以下、これらの部材について詳細に説明する。
図47は、胸部発光基板57、レンズ532Lおよび導光部材69の説明図である。
胸部発光基板57は、図47(a)に示すように、遊技者側を向く面である第1面57Aと、遊技者側とは逆側を向く面である第2面57Bとを有する。そして、胸部発光基板57は、第1面57Aにて第1LED5711と、第1LED5711の隣に並べられる第2LED5712とを有する。また、胸部発光基板57は、第2面57Bにて第3LED5713と、第4LED5714とを有する。
レンズ532Lは、第1レンズ部532L1と、第1レンズ部532L1に隣り合って設けられる第2レンズ部532L2とを有する。なお、本実施の形態では、第1レンズ部532L1および第2レンズ部532L2としては、フレネルレンズを用いている。そして、第1レンズ部532L1には、第1LED5711が対向して設けられる。また、第2レンズ部532L2には、第2LED5712が対向して設けられる。このように、レンズ532Lは、後側に設けられるLEDの光を集束させて、遊技者側に向けて照射する。
導光部材69は、図47(b)に示すように、第3移動部材625に固定される。上述したように、第3移動部材625は、第2移動部材623に対して移動する。そのため、第2移動部材623に対して第3移動部材625が移動することによって、導光部材69は、第2移動部材623に対して移動する。
そして、導光部材69は、第1入光部6911と、第1入光部6911に隣接する第2入光部6912と、第1入光部6911に接続する第1導光部6921と、第2入光部6912に接続する第2導光部6922と、第1導光部6921に接続する第1発光部6931と、第2導光部6922に接続する第2発光部6932と、第1導光部6921および第2導光部6922に接続する第3発光部6933とを有する。
第1入光部6911は、導光部材69の移動位置に応じて、第3LED5713に対向できるように配置されている。同様に、第2入光部6912は、導光部材69の移動位置に応じて、第4LED5714に対向できるように配置されている。そして、本実施の形態では、顔部531が取り付けられる第3移動部材625が、第2移動部材623に対して最も伸びきった状態にて、第1入光部6911および第2入光部6912が、それぞれ第3LED5713および第4LED5714に対向するようにしている。
第1導光部6921は、第1入光部6911から入った光を反射させながら第1発光部6931および第3発光部6933まで導光する。同様に、第2導光部6922は、第2入光部6912から入った光を反射させながら第2発光部6932および第3発光部6933まで導光する。なお、第1導光部6921および第2導光部6922は、第3LED5713および第4LED5714にそれぞれ対向しても、その光は導光しないように構成されている。
第1発光部6931および第2発光部6932は、それぞれ第1導光部6921および第2導光部6922が導光する光を出射する。そして、本実施の形態では、顔部531における目の部分として光るように形状が設定される。また、第3発光部6933は、顔部531における口の部分として光るように形状が設定される。
<顔部531および胸部532の発光機構の動作>
図48は、顔部531および胸部532における発光機構の動作の説明図である。
まず、図48(a)に示すように、第1LED5711および第2LED5712が前側に向けて発光し、第3LED5713および第4LED5714が後側に向けて発光する。そうすると、第1LED5711および第2LED5712に対向するレンズ532Lが光る。第1LED5711および第2LED5712は、遊技者が位置する前側に向けて光を照射するという演出を行うことができる。
また、第3LED5713および第4LED5714は、顔部531を構成する部材の前側を向く面に光を照射する。そうすると、第3LED5713および第4LED5714の光は、顔部531を構成する部材の前側を向く面にて反射する。その結果、第3LED5713および第4LED5714は、前側に向けて間接的な光を出す。なお、第2移動部材623に対して第3移動部材625が伸びていない状態では、第1入光部6911および第2入光部6912は、第3LED5713および第4LED5714に対向しない。従って、第1発光部6931、第2発光部6932および第3発光部6933は発光しない。
以上のように、図48(a)に示す状態では、後側に向けて発光する第3LED5713および第4LED5714による間接的な光と、前側に向けて発光する第1LED5711および第2LED5712の光とによって演出を行う。
そして、図48(b)に示すように、第2移動部材623に対して第3移動部材625が伸びきった状態では、第1入光部6911および第2入光部6912に、第3LED5713および第4LED5714が対向する。その結果、第1発光部6931、第2発光部6932および第3発光部6933が発光する。つまり、第1発光部6931、第2発光部6932および第3発光部6933は、遊技者が位置する前側に向けて光を照射する演出を行うことができる。なお、この例では、加えて、遊技者が位置する前側に向けて発光する第3LED5713および第4LED5714による光の演出も行われるため、遊技者から見える明るさは特に大きくなる。
そして、本実施の形態では、変形部53が、車の状態である初期形態から、ロボットの状態である変形形態への移行が完了したタイミングで、顔部531において発光させることができるため、遊技者が感じるインパクトが大きい。さらに、本実施の形態では、顔部531が伸びきったタイミングで、第3LED5713および第4LED5714を発光させるために、例えばセンサ等を用いて位置を検知したり、電子制御的に発光タイミングを制御したりする必要がない。これに対して、本実施の形態では、顔部531および導光部材69の両方が設けられる第3移動部材625の移動位置に応じて機構的にタイミングを合わせることができる。
なお、第3LED5713および第4LED5714の発光タイミングは、上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、第1入光部6911および第2入光部6912に対向した時や、対向した後に、第3LED5713および第4LED5714を発光させるようにしても良い。また、上述した実施の形態では、顔部531が伸びきった状態にて顔部531において発光するようにしているが、これに限定されず、顔部531の移動の途中位置で光るようにしても良い。
また、例えば移動方向において複数の入光部を設ける構成を採用しても良い。さらに、例えば、移動方向において、異なる発光色のLEDを配置しても良い。これによって、移動位置に応じて、入光部を対向させることができ、移動位置に応じて異なる色による発光を行うことが可能になる。
さらに、本実施の形態では、胸部532に対して顔部531が移動する構成において、上記の導光部材69を用いて胸部532側にて配置された光源の光を顔部531側にて発光させる例を用いて説明している。しかしながら、この例に限定されず、例えば顔部531に対して胸部532が移動する場合において、本実施の形態の構成を採用することによっても、顔部531側にて発光させても構わない。
以上説明したように、本実施の形態では、LEDなど自ら発光する光源を設けていない顔部531において発光を行うことを実現している。特に、顔部531のように移動する部材においては、移動するための機構が設けられるなどして、例えばLEDやLEDを発光させるために必要となるデバイス(例えば、LED発光ドライバ、制限抵抗など)を設けるスペースに制約が生じる。そして、本実施の形態では、このような場合においても、移動する顔部531における発光を行うことができる。
なお、本実施の形態では、上述のとおり、顔部531は、LEDなど自ら発光する光源を有していない。これは、顔部531において、LEDなどの光源や、LEDを実装するための基板や配線ケーブルなどを設けるスペースを設けることができないというレイアウト上の理由からである。ただし、顔部531に光源を設けることを除外する訳ではない。例えば、顔部531に本実施の形態のように導光部材69を設けて発光させる構成を採用するとともに、別途、LEDなどの光源を設けても構わない。このように、多様な光源を用いることで、光を用いた演出のバリエーションを持たせることができ、遊技者を楽しませることができる。
また、本実施の形態では、導光部材69によって、発光源(第3LED5713および第4LED5714)の発光の方向を前後方向において異ならせるようにしている。また、本実施の形態では、導光部材69によって、上下方向において、発光源の発光位置と、遊技者側に向けて光を照射する位置とを異ならせるようにしている。
以上説明したとおり、本実施の形態では、光源を設ける位置に関して自由度が高められている。
<第2FPC67の構成>
図49は、本実施の形態の第2FPC67の詳細図である。図49(a)は変形前の状態の第2FPC67を示し、図49(b)は変形後の状態の第2FPC67を示す。
図50は、変形部53に第2FPC67を取り付けた状態を示す図である。
第2FPC67は、可撓性を有するプリント配線基板である。本実施の形態では、第2FPC67は、図49(a)に示すようにS字状の概形に形成されている。第2FPC67は、ポリイミドなどのベースフィルムに対して銅箔などの導線性金属を貼り合わせ、導電性金属に対してエッチングなどを施して、所定の配線パターンを形成する。さらに、第2FPC67は、ポリイミドなどの絶縁体の層によって配線パターン層を挟むように構成されている。
そして、第2FPC67は、プリント配線を構成する複数の配線が同一面内において並んで一体的に形成される。なお、同一面とは、平面のみならず、変形することで曲面を形成する状態も含む。例えば、後述する第1ループ部672Rでは、同一曲面内において複数の配線が並べて配置された状態が形成される。
また、第2FPC67は、後述する第1直線部671のような直線状の配線のみならず、その直線状の配線に対して同一面内において方向が変化する変化部を有している。本実施の形態では、変化部として、例えば、後述する第1円弧部674などのように同一面内において曲線を描く部分を例に挙げることができる。そして、第2FPC67は、直線状の部分と変化部とは連続的に形成される。
第2FPC67は、図50に示すように、ベース本体部611と、第1移動部材621とにぞれぞれ一部が固定される。そして、第2FPC67は、ベース中継基板55と胸部中継基板56とを電気的に接続する。つまり、本実施の形態では、第2FPC67の配線パターンは、複数のLEDを点灯させるための電力線を形成している。
第2FPC67は、図49(a)に示すように、直線状に形成される配線パターンである第1直線部671、第2直線部672および第3直線部673と、曲線である円弧状に形成される配線パターンである第1円弧部674および第2円弧部675と、取付けのための部位を形成する第1固定部676および第2固定部677とを有する。
第1直線部671は、本実施の形態では、同一面内において複数の配線が略並行に並べて配置される。そして、第1直線部671は、一端にベース中継基板55のコネクタ部552(図49(b)参照)との接続部位を形成する接続端部671Eを有し、他端が第1円弧部674に連続する。
なお、本実施の形態の第1直線部671は、図50に示すように、途中の箇所において折り返されて、左右方向に延びる方向に向けられてベース中継基板55のコネクタに接続される。
本実施の形態では、第2FPC67における断線の発生などを抑制するために、同一面内にて配線の方向を変える際には、上述のとおり円弧部を形成するようにして、基本的には第2FPC67を折り曲げないようにしている。しかしながら、後述する第2FPC67の製造時における後述の取り数を鑑みて、第1直線部671においては、敢えて折り曲げる構成を採用している。ただし、折り返される部分が形成される第1直線部671は、本実施の形態ではベース本体部611に対して一部が固定されている。そのため、第1直線部671においては変形部53における移動による負荷がかからない。そこで、本実施の形態では、移動による負荷がかかりにくい部分においては、例外的に第2FPC67に折り返す部分を設ける構成を採用している。
第2直線部672は、本実施の形態では、同一面内において複数の配線が略並行に並べて配置される。また、第2直線部672は、一端が第1円弧部674に連続し、他端が第2円弧部675に連続する。ここで、本実施の形態では、第1固定部676をベース本体部611に固定する際には、図49(a)に示す第2FPC67の紙面手前側の面を反転するようにして、図49(b)に示すように取り付ける。そして、第2直線部672は、図49(b)に示すように、変形した状態では、一方から延びる第2直線部672が反転して再び一方へと延びるように変形する第1ループ部672Rを描く部位が形成される。また、第2直線部672は、上下方向移動部62が動作する際に、第1ループ部672Rの前後においては互いに面が対向する状態を維持しながら、第1ループ部672Rが形成される箇所が上下方向に移動するように変形する。
第3直線部673は、本実施の形態では、同一面内において複数の配線が略並行に並べて配置される。また、第3直線部673は、一端が第2円弧部675に連続し、他端にて胸部中継基板56のコネクタ部561との接続部位を形成する接続端部673Eを有する。ここで、本実施の形態では、接続端部673Eをコネクタ部561に接続する際には、図49(a)に示す第2FPC67の紙面手前側の面を反転するようにして、図49(b)に示すように取り付ける。そして、第3直線部673は、図49(b)に示すように、変形した状態では、一方から延びる第3直線部673が反転して再び一方へと延びるように変形する第2ループ部673Rを描く部位が形成される。また、第3直線部673は、上下方向移動部62が動作する際に、第2ループ部673Rの前後においては互いに面が対向する状態を維持しながら、第2ループ部673Rが形成される箇所が上下方向に移動するように変形可能に構成されている。
第1円弧部674は、本実施の形態では、同一面内において複数の配線が湾曲しながら略並行に並べて配置される。そして、第1円弧部674は、第1直線部671と第2直線部672とを接続する箇所を形成する。
第2円弧部675は、本実施の形態では、同一面内において複数の配線が湾曲しながら略並行に並べて配置される。そして、第2円弧部675は、第2直線部672と第3直線部673とを接続する箇所を形成する。
第1固定部676は、他の箇所よりも厚みが厚く形成された矩形状の部分である。そして、第1固定部676は、第1円弧部674と重なる重複部676Dと、第1円弧部674とは重ならない端部676Eとを有する。本実施の形態では、重複部676Dは、第1円弧部674の全体と重なるように形成される。このように、本実施の形態の第1固定部676は、第1円弧部674を補強する補強部としても機能する。一方、端部676Eは、図50に示すように、第1円弧部674をベース本体部611に対して固定するための部位を形成する。
第2固定部677は、他の箇所よりも厚みが厚く形成された矩形状の部分である。そして、第2固定部677は、第2円弧部675と重なる重複部677Dと、第2円弧部675とは重ならない端部677Eとを有する。本実施の形態では、重複部677Dは、第2円弧部675の全体と重なるように形成される。このように、本実施の形態の第2固定部677は、第2円弧部675を補強する補強部としても機能する。一方、端部677Eは、図50に示すように、第2円弧部675をベース本体部611に対して固定するための部位を形成する。
図51は、本実施の形態の第2FPC67の動きの説明図である。
図51(a)に示すように、上下方向移動部62が上下方向において縮んだ状態にて、第2直線部672が第1ループ部672Rを形成し、第3直線部673が第2ループ部673Rを形成した状態で待機している。なお、第1ループ部672Rは、最も第2固定部677(第2円弧部675)に近い位置に形成されている(図49(b)参照)。また、第2ループ部673Rは、最も胸部中継基板56(接続端部673E)に近い位置に形成されている(図49(b)参照)。
そして、図51(b)に示すように、第1固定部676がベース本体部611に固定され、第2固定部677が第1移動部材621に固定されている。そのため、第2直線部672では、第2直線部672が形成される方向に沿って、第1ループ部672Rの位置が変化しながら変形する。また、第2固定部677が第1移動部材621に固定され、接続端部673Eが胸部中継基板56のコネクタ部562に固定されている。そのため、第3直線部673では、第3直線部673が形成される方向に沿って、第2ループ部673Rの位置が変化しながら変形する。
さらに、ベース本体部611に対して第1移動部材621が離れる方向に移動し、第1移動部材621に対して第2移動部材623が離れる方向に移動して、伸びきった状態になる。そうすると、図51(c)に示すように、第1ループ部672Rは、最も第1固定部676(第1円弧部674)に近い位置に形成されている。また、第2ループ部673Rは、最も第2固定部677(第2円弧部675)に近い位置に形成される。
なお、上下方向移動部62において縮む方向の移動についても同様で、上述した動作の逆の動きが生じる。
本実施の形態では、第2FPC67には、LEDや抵抗素子などの電子部品を実装せずに、第2FPC67を配線として用いている。本実施の形態では、第2FPC67を繰り返しの変形が生じる可動部分に設けているために敢えて電子部品を実装しないようにして配線としての信頼性を高めている。
なお、第2FPC67に電子部品を実装しないことを限定する訳ではなく、第2FPC67に抵抗素子やLEDなどの各種電子部品を実装しても構わない。
また、第2FPC67ではなく、例えば銅などの一本の電気導体に対してポリ塩化ビニルの被覆を施した線材である一般的な電線を用いることも考えられる。ただし、一般的な電線の場合には、複数の線を束ねて構成するため全体としてのサイズが太くなるとともに、変形させようとする際に複数の線が様々な方向に動く可能性が高く扱い難くなる可能性がある。
さらに、第2FPC67ではなく、例えば平板型の導体を複数本並べて被覆したリボン状の線材であるFFCなどを用いることも考えられる。ただし、FFCの場合には、本実施の形態のように曲線である円弧状の配線パターンの部分を同一面内にて形成することができない。従って、折り処理を施すなどして本実施の形態の円弧状の部分に対応する箇所を形成する必要が生じるが、その場合には、折り処理を複数箇所において行わなければならず製造上の工数の増加につながる。また、FFCにおける押し処理の部分に対してはループ部の移動に伴う負荷がかかり、FFCの断線につながる可能性もある。
これに対して、本実施の形態の第2FPC67では、円弧部によって配線の方向を変える部分を形成することで、前後方向における厚みを抑制するとともに、折り処理などによる従来技術と比較してかかる負荷を低減することができる。
また、本実施の形態では、図50に示すように、移動方向において複数のループ部(第1ループ部672Rおよび第2ループ部673R)を形成している。さらに、複数のループ部は、移動方向(本実施の形態では上下方向)と交差する方向(本実施の形態では左右方向)においてずれた位置に設けられる。これによって、本実施の形態では、第2FPC67が移動の際の変形に要する厚み方向のサイズを薄くしている。すなわち、移動方向において単数のループを形成すると、そのループの前後方向における膨らみが大きくなる。そこで、本実施の形態では、複数のループ部を設ける構成を採用し、移動方向におけるストロークを確保し、かつ移動の際に必要となる空間の縮小を実現している。
さらにまた、例えば複数のループ部を設けることによって、例えば同じ距離を単一のループ部によってつなぐ場合と比較して、ループの径が小さくなり、第2FPC67の変形動作を安定させることができる。特に、本実施の形態では、変形部53が比較的スピードの大きい動作を行うため、第2FPC67において複数のループ部を設けることによって、より安定させることができる。
さらに、本実施の形態の第2FPC67は、図49(a)に示すように、第1直線部671、第2直線部672および第3直線部673が略平行に並ぶようにしている。これによって、第2FPC67の製造時において、例えば一枚のベース部材に複数の第2FPC67を形成する際に、単位面積当たりの第2FPC67の数(いわゆる取り数)を多くすることができる。すなわち、直線部が略平行に並ぶことで、第1直線部671等が延びる方向と交差する方向における第1直線部671から第3直線部673までの幅が小さくなり、また、一枚のベース部材における第2FPC67として利用できない部分を小さくすることができる。
なお、本実施の形態の第2FPC67では、複数(本実施の形態では2つ)のループ部を形成するとともに給電部側となるベース中継基板55に電気的に接続するために、3つの直線部と、2つの円弧部を形成しているが、これに限定する訳ではない。例えば、1つのループ部を形成するとともに、給電部側となるベース中継基板55に電気的に接続する場合には、第2FPC67は、少なくとも2つの直線部と1つの円弧部を有して構成されていれば構わない。これによって、少なくともループ部以外の箇所においては、前後方向の厚さを薄くすることができるため、配線のために要するスペースをコンパクトにすることができる。さらに、第2FPC67においては、円弧部によって、例えば折り曲げ部の形成に起因する断線などの配線の不具合を防止することが可能になる。
同様に、例えば、4つ以上の部材が互いに相対的に移動するように構成される場合においては、これらの4つ以上の部材に対して第2FPC67を接続する際に、3つ以上のループ部が形成されるようにして第2FPC67を取り付けても構わない。
以上のように、本実施の形態では、可撓性を有する配線パターンが形成された基板であるFPCにおいて、ループ部と円弧部との組み合わせによって、移動する部材に対する信頼の高い配線と、コンパクト化とを両立させている。
また、本実施の形態の第2FPC67は、上下方向に沿って直線状に移動する第1移動部材621や第2移動部材623に接続するために、直線状の配線パターンおよび直線形状の概形を有する第2直線部672や第3直線部673を用いている。これに対して、例えば第1移動部材621や第2移動部材623が、直線上ではなく、曲線上を移動する場合には、第2FPC67の第2直線部672や第3直線部673に対応する部分の配線パターンや概形を、その曲線に沿って形成すれば良い。
<第1ケーブル681および第2ケーブル682の配置構成>
図52は、初期形態の変形部53における第1ケーブル681および第2ケーブル682を示す図である。
まず、肩部第1発光基板581および肩部第2発光基板582について説明する。
肩部第1発光基板581は、図52に示すように、発光する第1LED5811と、第1ケーブル681に接続するコネクタ部581Cとを有している。コネクタ部581Cの形成位置は特に限定されるものではないが、本実施の形態では、コネクタ部581Cは、肩部第1発光基板581において胸部発光基板57に近い側の端部側に配置している。
また、肩部第2発光基板582は、発光する第2LED5821と、第2ケーブル682が接続するコネクタ部582Cとを有している。コネクタ部582Cの形成位置は特に限定されるものではないが、本実施の形態では、コネクタ部582Cは、肩部第2発光基板582において胸部発光基板57に近い側の端部側に配置している。
続いて、胸部発光基板57について説明する。
そして、本実施の形態では、第1コネクタ部5741は、胸部発光基板57において、肩部第1発光基板581に対して遠い側となる胸部発光基板57の端部に設けられる。より具体的には、第1コネクタ部5741は、左右方向において肩部第1発光基板581に対して近い端部となる右側の端部側ではなく、左側の端部側に設けられる。
また、第2コネクタ部5742は、胸部発光基板57において、肩部第2発光基板582に対して遠い側となる胸部発光基板57の端部に設けられる。より具体的には、第2コネクタ部5742は、左右方向において肩部第2発光基板582に対して近い端部となる左側の端部側ではなく、右側の端部側に設けられる。
そして、第1ケーブル681は、一端が肩部第1発光基板581のコネクタ部581Cに接続し、他端が胸部発光基板57の第1コネクタ部5741に接続する。一方で、第2ケーブル682は、一端が肩部第2発光基板582のコネクタ部582Cに接続し、他端が胸部発光基板57の第2コネクタ部5742に接続する。そして、本実施の形態では、第1ケーブル681と第2ケーブル682とは、互いに交差するように設けられる。
そして、図52に示すように、初期形態の変形部53において、胸部発光基板57、肩部第1発光基板581および肩部第2発光基板582は、左右方向に沿って略直線状に配置される。そして、これらの基板を接続する第1ケーブル681および第2ケーブル682についても、左右方向に沿った方向に延びて設けられる。
なお、肩部533(肩部第1発光基板581および肩部第2発光基板582)は、上述したとおり、変形形態に移行した際に上下方向に移動する。従って、第1ケーブル681および第2ケーブル682は、それぞれ肩部533(肩部第1発光基板581および肩部第2発光基板582)の移動の方向に対して交差する方向に沿って設けられると捉えることができる。より詳細には、例えば第1ケーブル681の一端部(本実施の形態では第1コネクタ部5741との接続端部)と他端部(本実施の形態ではコネクタ部581Cとの接続端部)とを結ぶ仮想線(図52に示す一点鎖線)が、例えば肩部第1発光基板581を搭載する肩部533の移動方向となる上下方向と交差するように設けられる。
そして、本実施の形態では、例えば第1ケーブル681の移動領域と、第2ケーブル682の移動領域がほぼ同じになる。これによって、第1ケーブル681が移動するために設けられた移動領域を利用して、第2ケーブル682も移動させることができる。
<第1ケーブル681および第2ケーブル682の動き>
図53は、変形形態の変形部53における第1ケーブル681および第2ケーブル682を示す図である。
なお、図53(a)は変形形態に移行した変形部53を示す。また、図53(b)は本実施の形態の第1ケーブル681と、比較例である比較第1ケーブルH681との動作時の挙動の違いを説明するための図である。
変形部53が変形形態に移行すると、図53(a)に示すように、肩部第1発光基板581および肩部第2発光基板582は、それぞれ胸部発光基板57に対して上方向に相対的に移動する。このとき、第1ケーブル681は、右側に位置するコネクタ部581C側の端部が引っ張り上げられた状態になる。一方、第2ケーブル682は、左側に位置するコネクタ部582C側の端部が引っ張り上げられた状態になる。
そして、上述のとおり、胸部発光基板57において、肩部第1発光基板581および肩部第2発光基板582に対してそれぞれ遠い側の端部側にて第1ケーブル681および第2ケーブル682が接続するようにしている。これによって、本実施の形態では、第1ケーブル681および第2ケーブル682や、各部にかかる負荷を低減している。
ここで、図53(b)に示すように、比較のために、比較第1ケーブルH681を胸部発光基板57の近い側の端部側に接続させた場合を考える。この場合において、肩部第1発光基板581が上方向に移動すると、比較第1ケーブルH681の変形量は、本実施の形態の第1ケーブル681よりも大きくなる。より具体的には、例えば比較第1コネクタ部H5741側の比較第1ケーブルH681の端部の移動角度θ2は、例えば第1コネクタ部5741側の第1ケーブル681の端部の移動角度θ1と比較して大きくなる。その分、比較第1ケーブルH681にかかる負荷が大きくなる。
これに対して、本実施の形態では、第1ケーブル681および第2ケーブル682の変形量が小さくなり、第1ケーブル681および第2ケーブル682や、各コネクタ部にかかる負荷を低減することができる。
また、本実施の形態の第1ケーブル681は、比較第1ケーブルH681よりも長くなる。一般に、ケーブルを製造する際には、材料となる長尺なケーブルから所望とする長さのケーブルを切り出し、さらにケーブルの端部にコネクタ等と接続するための機械加工を施す。ただし、本実施の形態のように、パチンコ遊技機100の可動役物115の内側の配線など比較的小さい部材を対象とした配線では、自動機械による加工が可能な長さを下回る可能性も生じる。これに対して、第1ケーブル681のように、比較第1ケーブルH681よりも長くなるように構成することで、ケーブルの製造時におけるハンドリングを高めることができる。
また、本実施の形態の第1ケーブル681は、比較第1ケーブルH681よりも長い分、重量も増加する。この一定の重量によって、例えば第1ケーブル681の動きがある程度制約される。その結果、変形部53が変形する際に、例えば移動によって上下方向等に第1ケーブル681が暴れたりすることが抑制され、第1ケーブル681の動作を安定させることができる。
なお、本実施の形態では、胸部532に対して肩部533が移動する構成において、上記の第1ケーブル681および第2ケーブル682の配置を採用する例を用いて説明している。しかしながら、この例に限定されず、例えば肩部533に対して胸部532が移動する場合においても、本実施の形態の構成を採用することによって、第1ケーブル681および第2ケーブル682や、各コネクタ部にかかる負荷を低減することができる。つまり、移動する複数の部材同士に対して、ケーブルの一端部と他端部とを結ぶ仮想線がその移動の方向と交差するように設けられる場合において、上述した第1ケーブル681および第2ケーブル682の配置を適用することができる。この場合に、複数の部材のうちいずれか一方のみが移動する場合や、両方が移動する場合に適用することができる。
<第1FPC65の構成>
図54は、ベース部材52における第1FPC65に関わる構成部の説明図である。図54(a)はベース部材52を前側から見た図であり、図54(b)はベース部材52を後側から見た図である。
図55は、第1FPC65とベース部材52を詳細に説明するための図である。図55(a)はベース部材52に取り付ける前の状態の第1FPC65の斜視図を示し、図55(b)はベース部材52の収容部526周辺の拡大図である。
ベース部材52は、図54(a)に示すように、前側に、第1FPC65を収容する収容部526を有する。
また、ベース部材52は、図54(b)に示すように、後側に、ベース部基板527を有する。ベース部基板527は、第1FPC65と接続するコネクタ部5271と、図示しない複数の信号ケーブルおよび電力ケーブルと接続するコネクタ部5272とを有する。この複数の信号ケーブルおよび電力ケーブルは、本実施の形態のランプ制御部320を構成するランプ制御基板(不図示)に接続している。
また、収容部526は、図55(a)に示すように、第1FPC65と略同じ形状を有する円弧状の溝によって構成される。また、収容部526は、端部において貫通する開口部526Hを有している。ベース部材52の前側に形成される収容部526に収容される第1FPC65は、この開口部526Hを介して後側に取り付けられるベース部基板527に接続する。
第1FPC65は、可撓性を有するプリント配線基板である。本実施の形態では、第1FPC65は、図55(b)に示すように円弧状の概形に形成されている。第1FPC65自体の基本構造は、第2FPC67と同様である。
そして、第1FPC65は、プリント配線を構成する複数の配線が同一面内において並んで一体的に形成される。なお、同一面とは、平面のみならず、変形することで曲面を形成する状態も含む。後述する例えばループ部65Rなどは、同一曲面内において複数の配線が並べて配置された状態である。
また、第1FPC65は、後述する第1端部651のような直線状の配線のみならず、その直線状の配線に対して同一面内において方向が変化する変化部を有している。本実施の形態では、変化部として、後述する例えば第1円弧部653などのように同一面内において曲線を描く部分を例に挙げることができる。そして、第1FPC65は、直線状の部分と変化部とは連続的に形成される。
そして、第1FPC65は、第1端部651と、第2端部652と、第1円弧部653と、第2円弧部654とを有している。なお、複数の配線により構成される配線パターンは、第1端部651から第2端部652まで形成される。また、本実施の形態では、第1FPC65の配線パターンは、移動部51における複数のLEDの発光や駆動モータの動作をさせるための電力線および信号線を形成している。
第1端部651は、直線状に伸びる配線パターンを有する。そして、第1端部651は、ベース部基板527に電気的に接続する。また、第1端部651と第1円弧部653との間には、第1円弧部653が形成される面に対して屈曲し、その面に対して略直交する方向に伸びる立上部651Vが形成される。
第2端部652は、直線状に伸びる配線パターンを有する。そして、第2端部652は、装飾部基板50に電気的に接続する。また、第2端部652と第2円弧部654との間には、第2円弧部654が形成される面に対して屈曲し、その面に対して略直交する方向に伸びる立上部652Vが形成される。
第1円弧部653は、曲率半径が例えば第2円弧部654よりも大きい。また、本実施の形態では、第1円弧部653は、ベース部材52の収容部526に沿って形成される。そして、第1円弧部653にて形成される配線パターンは、一方にて第1端部651の配線パターンと連続し、他方にて第2円弧部654の配線パターンに連続する。
第2円弧部654は、曲率半径が例えば第1円弧部653よりも小さい。第2円弧部654は、後述するように、ループ部65Rの移動方向と交差する方向に向けて配線パターンを伸ばし、装飾部基板50に接続するために第1円弧部653に対して曲がっている。そして、第2円弧部654にて形成される配線パターンは、一方にて第2端部652の配線パターンと連続し、他方にて第1円弧部653の配線パターンに連続する。
なお、本実施の形態では、第1FPC65には、LEDや抵抗素子などの電子部品を実装せずに、第1FPC65を配線として用いている。本実施の形態では、第1FPC65を繰り返しの変形が生じる可動部分に設けているため、敢えて電子部品を実装しないようにして配線としての信頼性を高めている。
なお、第1FPC65に電子部品を実装しないことを限定する訳ではなく、第1FPC65に抵抗素子やLEDなどの各種電子部品を実装しても構わない。
また、第1FPC65は、移動部51(装飾部54)の移動方向に沿って形成されている。すなわち、本実施の形態では、移動部51(装飾部54)は、円弧状に移動する。そのため、第1FPC65は、曲線である円弧状に形成している。
さらに、第1FPC65は、後述する図56(a)〜図56(b)に示すように、一方から延びる第1FPC65が反転して再び一方へと延びるようにループ部65Rを描く部位が形成される。そして、第1FPC65は、移動部51が移動する際に、ループ部65Rの前後においては互いに面が対向する状態を維持しながら、ループ部65Rが形成される箇所が左右方向(円弧方向)に移動するように変形可能に構成されている。
<第1FPC65の動作>
図56は、移動部51が移動する際の第1FPC65の動作の説明図である。
図56(a)に示すように、移動部51が待機位置に位置する際には、第1FPC65がループ部65Rを形成した状態になっている。また、ループ部65Rは、収容部526の左側の位置に形成されている。
そして、図56(b)に示すように、移動部51(装飾部54)が右側に向けて移動すると、第1FPC65は、第1FPC65が形成される方向に沿って、ループ部65Rの位置が変化しながら変形する。
さらに、移動部51が右側に移動すると、図56(c)に示すように、ループ部65Rは、右側の位置に形成される。なお、移動部51において、装飾部54が分離状態に移行するためにさらに右側に移動する際も、同様に、ループ部65Rは、第1FPC65が形成される方向に沿って移動する。
なお、移動部51が左側に向けて移動する際も同様で、上述した動作の逆の動きが生じる。
以上のように、本実施の形態の第1FPC65は、収容部526に収容された状態でループ部65Rを形成しながら変形する。このように、第1FPC65は、収容部526の形状に沿って移動するため、移動に必要とするサイズ(例えば配線を形成するための幅方向や高さ方向の空間サイズ)を最小限に抑えることができる。また、このような形状と動作を実現するに当たっては、同一面に湾曲した形状を形成する配線パターンを形成することが可能な第1FPC65によって実現することができる。
例えば、FFCであれば、そもそも湾曲した形状の配線を同一面内に形成することができない。また、通常の電線を用いた場合には、複数の線を移動方向に沿って繰り返しスムーズに移動させること自体が難しい。さらに、FFCや通常の電線を採用する場合には、例えば円弧状に形成された経路に沿って変形させることができない。そのため、例えばベース本体部521に形成する収容部526のサイズを本実施の形態よりも大きく形成する必要が生じる。その結果、FFCや通常の電線を採用する場合には、装置の小型化が難しくなる可能性がある。
これに対して、本実施の形態では、可撓性を有する第1FPC65を用いることで、第1FPC65自体の薄型化と、さらに第1FPC65が変形する際に変形に要するサイズをも小型化することができる。
また、本実施の形態では、ループ部65Rは、第1円弧部653に沿うように形成されるため、例えば第1FPC65がねじれるような力が第1FPC65には掛からないようになっている。そのため、本実施の形態では、第1FPC65にかかる負荷が低減される。
次に、変形例の第1FPC65について説明する。
図57は、変形例の第1FPC65の説明図である。
なお、図57は、本実施の形態の移動部51、ベース部材52および第1FPC65の横方向断面図であって、上下方向における下側から見た図である。
変形例の第1FPC65の基本構成は、上述した実施形態と同じである。ただし、変形例の第1FPC65は、装飾部54およびベース部材52に取り付けられた状態で、ループ部65Rの形成位置が上述した実施の形態とは異なるものである。
図57に示すように、第1FPC65は、第1端部651がベース部材52(ベース部基板527(図54(b)参照))に固定され、第2端部652が装飾部54(装飾部基板50(図46参照))に固定される。そして、変形例の第1FPC65は、移動部51が待機位置に位置している状態で、第1円弧部653の第1端部651からループ部65Rまでの長さL1と、第1円弧部653の第2端部652からループ部65Rまでの長さL2とが略等しくなるようにしている。すなわち、第1FPC65は、移動部51が待機位置に位置している状態で、第1FPC65の長手方向において、第1端部651と第2端部652との間の略中央部にループ部65Rが形成されるように取り付けられる。
本実施の形態では、上述したように、移動部51(変形部53,装飾部54)は、予め定められたタイミングにて登場位置に向けて移動する。従って、基本的には、移動部51が待機位置に位置した状態の時間は、登場位置に位置した状態のときよりも長い。そして、移動部51が待機状態に位置した状態で、第1FPC65において形成されるループ部65Rが形成される箇所は、常に同様な位置となる。そうすると、移動部51が待機状態に位置した状態で、第1FPC65においてループ部65Rが形成される箇所の負荷は他の箇所よりも大きくなる。
さらに、本実施の形態では、例えば図37(a)を参照しながら説明したように、移動部51は、待機位置において揺動する揺動演出も行う。この場合、移動部51が待機状態に位置した状態で、第1FPC65において形成されるループ部65Rが形成される箇所の負荷はさらに大きくなる。
そして、ループ部65Rに対して固定箇所が近いほど、固定箇所に無理な力がかかったり、ループ部65Rが小さくなることでループ部65Rが無理な形状になったりする可能性がある。そこで、本実施の形態では、ループ部65Rに対して、第1FPC65を拘束する固定箇所がより遠くなるようにしている。本実施の形態では、ループ部65Rの一方には装飾部54が接続し、他方にはベース部材52が接続している。従って、本実施の形態では、移動部51が待機位置に位置した状態では、装飾部54やベース部材52にてそれぞれ固定される箇所からループ部65Rが形成される箇所までの長さに偏りがなくなるようにすることで、第1FPC65の負荷を低減している。
なお、第1FPC65は、必ずしも上述のとおりに、第1端部651からループ部65Rまでの第1円弧部653の長さと、第2端部652からループ部65Rまでの第1円弧部653の長さとを略等しくする必要はない。
本実施の形態では、ベース部材52は移動せず、装飾部54は移動するように構成されている。従って、第1FPC65は、装飾部54との接続箇所である第2端部652にかかる負荷は、例えばベース部材52との接続箇所である第1端部651と比較して大きいことが想定される。そこで、移動部51が待機位置に位置した状態で、第2端部652からループ部65Rまでの第1円弧部653の長さを、第1端部651からループ部65Rまでの第1円弧部653の長さと比較して長くしておく。これによって、第1端部651からループ部65Rまでの第1円弧部653の長さに余裕をもたせ、第2端部652と装飾部54との接続箇所における負荷を低減させるようにしても良い。
図58は、車型ロボット部5の他の適用例を説明するための図である。
なお、図58は、車型ロボット部5が設けられたスロットマシン900の概略側面図である。
例えば、図58に示すように、スロットマシン900に車型ロボット部5が設けられても良い。
具体的には、スロットマシン900は、回転しながら複数種類の図柄を例えば上から下へと循環させるように表示するリール901と、メダルが投入されるメダル投入口903と、リール901の回転を開始させるために操作される操作レバー905と、リール901の回転を停止させるために操作されるストップボタン907と、メダルが払い出されるメダル払出口909と、遊技に応じて表示による演出や情報表示を行う液晶ディスプレイ911と、液晶ディスプレイ911の前面を覆う透明板913とを備える。
また、このスロットマシン900は、液晶ディスプレイ911と透明板913との間の前後方向における空間に車型ロボット部5を備える。そして、この車型ロボット部5は、上記のように、左右方向および上下方向に移動することで、上述した演出を行うことができる。
〔本実施の形態の車型ロボット部5の技術的特徴〕
◆上記のように、本実施の形態では、演出体を用いて遊技機の興趣性を高めるために、以下の構成を採用した。
すなわち、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、第1形態と当該第1形態から変形する第2形態とを有する第1演出体(例えば、変形部53)と、前記第1演出体(例えば、変形部53)と一体的な状態と当該第1演出体(例えば、変形部53)に対して分離する分離状態とを形成する第2演出体(例えば、装飾部54)と、を備え、前記第1演出体(例えば、変形部53)が前記第2形態に移行する前に、当該第1演出体(例えば、変形部53)が所定方向において揺動しながら、前記第2演出体(例えば、装飾部54)が当該所定方向とは異なる方向において揺動することを特徴とする。
また、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、第1形態と当該第1形態から変形する第2形態とを有する第1演出体(例えば、変形部53)と、前記第1演出体(例えば、変形部53)と一体的な状態と当該第1演出体(例えば、変形部53)に対して分離する分離状態とを形成する第2演出体(例えば、装飾部54)と、を備え、前記第2演出体(例えば装飾部54)は、前記一体的な状態にて前記第1演出体(例えば、変形部53)と共に移動し、当該移動の途中で第1演出体(例えば、変形部53)に対して分離状態を形成することを特徴とする。
◆さらに、本実施の形態では、演出体を用いて遊技機の興趣性を高めるために、以下の構成を採用した。
すなわち、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、第1形態から当該第1形態とは異なる第2形態に変形する演出動作を行う演出体(例えば、変形部53)を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、前記演出体(例えば、変形部53)を第1の位置から第2の位置に移動させる移動手段(例えば、左右方向移動部64,ベース部材52)と、前記演出体(例えば、変形部53)を前記第1形態および前記第2形態に変形させる変形手段(例えば、上下方向移動部62,変形機構部63)とを備えることを特徴とする。
◆また、本実施の形態では、演出体を用いて遊技機の興趣性を高めるために、以下の構成を採用した。
すなわち、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、第1形態と、当該第1形態とは異なる第2形態とを有する演出体(例えば、変形部53)と、前記演出体(例えば、変形部53)の位置を移動させる移動手段(例えば、左右方向移動部64,ベース部材52)と、を備え、前記移動手段(例えば、左右方向移動部64,ベース部材52)は、前記演出体(例えば、変形部53)が前記第2形態に移行する前に、当該演出体(例えば、変形部53)を揺動させることを特徴とする。
◆そして、本実施の形態では、演出体を用いて遊技機の興趣性を高めるために、以下の構成を採用した。
すなわち、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、演出動作を行う演出体(例えば、変形部53)を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、第1の位置から当該第1の位置とは異なる位置である第2の位置まで前記演出体(例えば、変形部53)を移動させる移動手段(例えば、左右方向移動部64,ベース部材52)と、前記第1の位置で前記演出体(例えば、変形部53)を所定方向に揺動させる第1揺動手段(例えば、変形部ベース61,左右方向移動部64,ベース部材52)と、前記第2の位置で前記演出体を前記所定方向とは異なる方向に揺動させる第2揺動手段(例えば、変形部ベース61,左右方向移動部64,ベース部材52)とを備えることを特徴とする。
また、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、演出動作を行う演出体(例えば、変形部53)を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、第1の位置から当該第1の位置とは異なる位置である第2の位置まで前記演出体(例えば、変形部53)を移動させる移動手段と、前記第2の位置にて前記演出体(例えば、変形部53)を第1形態から当該第1形態とは異なる第2形態に変形させる変形手段(例えば、上下方向移動部62,変形機構部63)と、前記第1の位置で前記第2の位置に向けた方向において前記演出体(例えば、変形部53)を揺動させる第1位置揺動手段(例えば、左右方向移動部64,ベース部材52)と、前記第2の位置で前記第2形態に変形する方向において前記演出体(例えば、変形部53)を揺動させる第2位置揺動手段(例えば、変形部ベース61,左右方向移動部64,ベース部材52)と、を備えることを特徴とする。
◆また、本実施の形態では、演出体において光源の配置の自由度を高めるために、以下の構成を採用した。
すなわち、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、第1演出部(例えば、第2移動部材623)と、当該第1演出部(例えば、第2移動部材623)に対して相対移動する第2演出部(例えば、第3移動部材625)とを有して演出動作を行う演出体(例えば、変形部53)を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、前記演出体(例えば、変形部53)は、前記第1演出部(例えば、第2移動部材623)に設けられる光源(例えば、第3LED5713,第4LED5714)と、前記第2演出部(例えば、第3移動部材625)に設けられ、前記相対移動によって前記第1演出部(例えば、第2移動部材623)に対して所定の位置にある際に前記光源(例えば、第3LED5713,第4LED5714)の光を導光する導光部材(例えば、導光部材69)と、を有することを特徴とする。
◆また、本実施の形態では、可動する演出体においてケーブルにかかる負荷を低減するために、以下の構成を採用した。
すなわち、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、動作演出を行う演出体(例えば、変形部53)を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、前記演出体(例えば、変形部53)は、第1基板(例えば、胸部発光基板57)を有する第1演出部(例えば、胸部532)と、第2基板(例えば、肩部第1発光基板581,肩部第2発光基板582)を有し、前記第1演出部(例えば、胸部532)に対して相対移動する第2演出部(例えば、肩部533)と、前記第1基板(例えば、胸部発光基板57)と前記第2基板(例えば、肩部第1発光基板581,肩部第2発光基板582)とを電気的に接続するケーブル(例えば、第1ケーブル681,第2ケーブル682)と、を備え、前記ケーブル(例えば、第1ケーブル681,第2ケーブル682)は、一方が前記第2基板(例えば、肩部第1発光基板581,肩部第2発光基板582)に接続し、他方が前記第1基板(例えば、胸部発光基板57)における当該第2基板(例えば、肩部第1発光基板581,肩部第2発光基板582)に対して遠い側の端部に接続することを特徴とする。
◆また、本実施の形態では、ラックギアおよびピニオンギアが設けられて演出動作を行う演出体において、部品にかかる負荷を抑制するために、以下の構成を採用した。
すなわち、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、動作演出を行う演出体(例えば、変形部53)を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、前記演出体(例えば、変形部53)は、所定方向(例えば、上下方向)において移動可能に設けられた移動部(例えば、第1移動部材621)と、前記移動部(例えば、第1移動部材621)の位置を定める基準部(例えば、基準部611E)と、ピニオンギア(例えば、第1ギア列612)を駆動して前記基準部(例えば、基準部611E)に対して前記移動部(例えば、第1移動部材621)を移動させる駆動部(例えば、駆動モータ613)と、前記ピニオンギア(例えば、第1ギア列612)に接続するとともに、前記所定方向(例えば、上下方向)において前記基準部(例えば、基準部611E)に近づく方向に所定量だけ移動可能に前記移動部(例えば、第1移動部材621)に取り付けられたラックギア部(例えば、ラックギア部6211)と、を有することを特徴とする。
◆また、本実施の形態では、可動する演出体における配線をコンパクトにするために、以下の構成を採用した。
すなわち、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、演出動作を行う演出体(例えば、変形部53)を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、前記演出体(例えば、変形部53)は、配線パターンが形成され電子部品が実装されている第1配線基板(例えば、ベース中継基板55,ベース部基板527)と、配線パターンが形成され電子部品が実装されているとともに、前記第1配線基板(例えば、ベース中継基板55,ベース部基板527)に対して相対移動する第2配線基板(例えば、胸部中継基板56,装飾部基板50)と、配線パターンが形成されるとともに、前記第1配線基板(例えば、ベース中継基板55,ベース部基板527)と前記第2配線基板(例えば、胸部中継基板56,装飾部基板50)とを電気的に接続する移動配線基板(例えば、第1FPC65,第2FPC67)と、を有することを特徴とする。
◆また、本実施の形態では、可動する演出体における配線をコンパクトにするために、以下の構成を採用した。
すなわち、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、演出動作を行う演出体(例えば、変形部53)を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、前記演出体(例えば、変形部53)は、第1演出部(例えば、ベース本体部611,ベース中継基板55)と、前記第1演出部(例えば、ベース本体部611,ベース中継基板55)に対して相対移動する第2演出部(例えば、第2移動部材623,胸部中継基板56)と、前記第2演出部(例えば、第2移動部材623,胸部中継基板56)に電力を供給する給電部と、配線パターンが形成され、前記給電部から前記第2演出部(例えば、第2移動部材623,胸部中継基板56)に対する給電経路を形成する移動配線基板(例えば、第2FPC67)と、を備え、前記移動配線基板(例えば、第2FPC67)は、前記第2演出部(例えば、第2移動部材623,胸部中継基板56)に電気的に接続するとともに、前記第1演出部(例えば、ベース本体部611,ベース中継基板55)と当該第2演出部(例えば、第2移動部材623,胸部中継基板56)の前記相対移動に伴って変形する第1配線パターン部(例えば、第2直線部672)と、曲線状の配線が形成され、前記第1配線パターン部(例えば、第2直線部672)と前記給電部側とを電気的に接続する第2配線パターン部(例えば、第1円弧部674)と、を有することを特徴とする。
◆また、本実施の形態では、可動する演出体における配線をコンパクトにするために、以下の構成を採用した。
すなわち、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、演出動作を行う演出体(例えば、移動部51)を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、前記演出体(例えば、移動部51)は、曲線に沿って移動する演出部(例えば、装飾部54)と、前記演出部(例えば、装飾部54)の移動方向に沿う曲線状の配線パターンが形成されるとともに当該演出部(例えば、装飾部54)に電気的に接続し、当該演出部(例えば、装飾部54)の前記移動に伴って変形する配線基板(例えば、第1FPC65)と、を有することを特徴とする。
なお、本実施の形態では、遊技制御部200の主制御処理において、主制御処理の各処理で生成されたコマンドを最後にまとめて演出制御部300へ出力する動作について説明した(図5−3参照)。
また、本実施の形態では、電源復帰時に、遊技制御部200により初期的に実行される基本処理において、設定の初期化を指示するコマンド等を演出制御部300へ出力するために、主制御処理で用いられる出力制御部240の機能(サブルーチン)を呼び出して実行することについて説明した(図5−1参照)。
また、本実施の形態では、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドを「コード部」と「データ部」とで構成し、各々の先頭ビットに識別用のフラグを設けることについて説明した(図19−1参照)。
また、本実施の形態では、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドの「コード部」の一部を、データ値を記述するために用いる構成について説明した。
〔本実施の形態の技術的特徴〕
◆上記のように、本実施の形態では、遊技制御手段の動作を制御する制御命令の増加を削減するため、遊技制御部200により所定の時間間隔で繰り返し実行される主制御処理において、1サイクルの主制御処理の最後に、その1サイクルの実行で生成されたコマンドをまとめて、演出制御部300へ出力することとした。すなわち、上記の目的を達成する遊技機は、
遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、
遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を所定の条件にしたがって繰り返し実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、
一連の前記主制御処理を1サイクル実行する度に、当該1サイクルの実行により生成された前記データを、当該1サイクルの実行における最後のデータの生成が行われた後に出力する出力手段(例えば、出力制御部240)と、
前記出力手段(例えば、出力制御部240)から出力されたデータを受け付け、受け付けたデータに基づき演出を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、
を備える。
このようにすれば、生成されたデータごとに出力処理を行う必要がないため、出力処理を行うための制御命令を削減し、プログラムサイズの増大を抑制することができる。また、データが生成される度に出力処理を行う必要がないため、出力処理全体に要する時間を短縮することができる。
また、より詳細には、上記の遊技機において、
前記主制御処理で生成されたデータを、データごとに設定された記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に記憶する記憶手段(例えば、RAM203)をさらに備え、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)は、前記主制御処理において生成した前記データを、生成したデータに対応付けられた前記記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に記憶させ、
前記出力手段(例えば、出力制御部240)は、前記記憶手段(例えば、RAM203)の各記憶領域に対してデータが記憶されているか否かを調べ、データが記憶されている記憶領域からデータを読み出して出力する。
このようにすれば、出力処理を行う度に、各記憶領域を確認して、記憶されているデータを出力するので、データ出力の漏れを防止することができる。
◆また、上記の目的を達成する他の遊技機は、
遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、
遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を所定の条件にしたがって繰り返し実行し、当該主制御処理とは異なる条件にしたがって当該主制御処理とは異なる特別処理を実行する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、前記データに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、
前記主制御処理において前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)による処理は、
遊技の進行に基づく処理を行うと共に、当該処理を実行して得られた情報を含むデータを生成する1または複数の第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)を呼び出して実行する部分と、
前記第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)の実行により生成されたデータを前記演出制御手段(例えば、演出制御部300)へ出力する第2の処理手段(例えば、出力制御部240)を呼び出して実行する部分と、を含み、
前記特別処理において前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)による処理は、
遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)の設定を行う設定処理を実行する部分と、
前記設定処理において生成されたデータを、前記主制御処理における前記第2の処理手段(例えば、出力制御部240)を呼び出して、前記演出制御手段(例えば、演出制御部300)へ出力する部分と、を含む、構成とすることができる。
このようにすれば、特別処理で生成されたデータの出力処理を行うために個別の制御命令を用意する必要がないため、出力処理を行うための制御命令を削減し、プログラムサイズの増大を抑制することができる。
また、より詳細には、上記の遊技機において、
前記主制御処理で生成されたデータを、データごとに設定された記憶領域に記憶する記憶手段(例えば、RAM203)をさらに備え、
前記主制御処理における前記第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)は、処理の実行により生成した前記データを、生成したデータに対応付けられた前記記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に順次記憶させ、
前記主制御処理における前記第2の処理手段(例えば、出力制御部240)は、前記記憶手段(例えば、RAM203)の各記憶領域に対してデータが記憶されているか否かを調べ、データが記憶されている記憶領域からデータを読み出して出力し、
前記特別処理における前記設定処理では、前記設定処理において生成されたデータを、前記記憶手段(例えば、RAM203)における所定の前記記憶領域に記憶させる。
このようにすれば、出力処理を行う度に、各記憶領域を確認して、記憶されているデータを出力するので、データ出力の漏れを防止することができる。
◆また、本実施の形態では、遊技制御手段から演出制御手段へのデータ伝送の精度を向上させるため、第1データ部である「コード」の所定のビットと、第2データ部である「データ」の所定のビットを、「コード」と「データ」とを識別するためのフラグとして用いた。すなわち、上記の目的を達成する遊技機は、
遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、
遊技の進行に関する主制御処理を実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成して出力する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、受け付けたデータに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データは、
aビット(aは2以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定されている第1データ部(例えば、「コード」)と、
n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部(例えば、「コード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている第2データ部(例えば、「データ」)と、を含む、構成とすることができる。
このようにすれば、先頭の1ビットの値を認識することにより、第1データ部と第2データ部とを明確に区別することができるため、遊技制御手段から演出制御手段へのデータ伝送の精度を向上させることができることができる。
また、より好ましくは、上記の遊技機において、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データの前記第2データ部(例えば、「データ」)は、先頭からaビットごとに、先頭の1ビットの値と同じ値が設定される。
このようにすれば、第2データ部のサイズが大きい場合でも、特定のサイズごとに切り分けて、各々が第2データ部であることを識別することが容易となる。
◆また、本実施の形態では、実行対象の変動パターンを特定するコマンドを送信する場合のように、大きなサイズのデータを送る必要がある場合にも、遊技制御手段から演出制御手段へ送られるデータ全体のサイズの増大を抑制するため、第1データ部である「コード」の所定のビットをデータ値を記述するために用い、「コード」の一部と第2データ部である「データ」とでデータ値を記述する手法を提案した。すなわち、上記の目的を達成する遊技機は、
遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、
遊技の進行に関する主制御処理を実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成して出力する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、当該データに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データは、
aビット(aは3以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定されている第1データ部(例えば、「コード」)と、
n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部(例えば、「コード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている第2データ部(例えば、「データ」)と、を含み、
前記第1データ部(例えば、「コード」)を構成する所定のビットと、前記第2データ部(例えば、「データ」)を構成するビットとを用いて、所定の種類のデータが記録され、当該第1データ部(例えば、「コード」)における当該所定のビットを除く残りのビットを用いて、当該所定の種類のデータとは異なる他の種類のデータが記録される構成とすることができる。
また、上記の目的を達成する他の本発明による遊技機は、
遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、
遊技の進行に関する主制御処理を実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成して出力する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、当該データに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データは、
aビット(aは3以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定されている第1データ部(例えば、「コード」)と、
aビットのサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部(例えば、「コード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている第2データ部(例えば、「データ」)と、を含み、
前記第1データ部(例えば、「コード」)を構成するbビット(bはa−1よりも小さく、1以上の整数)と、前記第2データ部(例えば、「データ」)を構成するaビットとを用いて、(a+b)ビットのサイズのデータが記録される構成とすることができる。
上記のような構成とすれば、第1データ部および第2データ部の合計サイズを変えることなく、第2データ部に記録されるべきデータのサイズを、より大きくすることが可能となるため、遊技制御手段から演出制御手段へ大きなサイズのデータを送る場合に、伝送されるデータ全体のサイズの増大を抑制することができる。
なお、パチンコ遊技機100(図1参照)は遊技機の一例である。遊技制御部200(図3参照)は遊技制御手段の一例である。演出制御部300(図3参照)は演出制御手段の一例である。出力制御部240(図4参照)は出力手段の一例である。RAM203(図3参照)は記憶手段の一例である。コマンド格納領域は記憶領域の一例である。
以上、本書にて可動役物115における種々の構造や制御等について説明したが、説明した内容の全部または一部を他の構造や制御等に応用ないし組み合わせることは、本書に言及がない場合であっても可能である。また、種々の変形例についても言及したが、かかる変形例の内容を他の構造や制御等に応用ないし組み合わせることは、本書に言及がない場合であっても可能である。
50…装飾部基板(第2配線基板の一例)
53…変形部(演出体の一例)
55…ベース中継基板(第1配線基板の一例)
56…胸部中継基板(第2配線基板の一例)
65…第1FPC(移動配線基板の一例)
67…第2FPC(移動配線基板の一例)
100…パチンコ遊技機
527…ベース部基板(第1配線基板の一例)

Claims (1)

  1. 演出動作を行う演出体を備える遊技機であって、
    前記演出体は、
    配線パターンが形成され電子部品が実装されている第1配線基板と、
    配線パターンが形成され電子部品が実装されているとともに、前記第1配線基板に対して移動可能に設けられる移動部材に対してさらに移動可能に設けられ当該第1配線基板に対して相対移動する第2配線基板と、
    配線パターンが形成されるとともに、前記移動部材に接続する接続部と、当該接続部から前記第1配線基板に向けて反転する第1ループ部と、当該接続部から前記第2配線基板に向けて当該第1ループ部とは逆側に反転する第2ループ部とを有して、当該第1配線基板と当該第2配線基板とを電気的に接続する移動配線基板と、
    を備えることを特徴とする遊技機。
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