JP2009016458A - 半導体レーザ装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 モノリシック型2波長半導体レーザ装置において、従来から使用されている半導体層の組成変更または設計変更をする必要がなく、リッジ導波路の形成が容易な半導体レーザ装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 リッジ導波路の形成において、第1および第2キャップ層を選択的にエッチング可能なエッチャントで、第1および第2キャップ層を同時にエッチングする。次に、第3クラッド層の一部と、中間層と、第6クラッド層の一部とを選択的にエッチング可能なエッチャントで、3クラッド層の一部と、中間層と、第6クラッド層の一部とを同時にエッチングする。第3クラッド層の残部を選択的にエッチング可能なエッチャントで、第3クラッド層の残部をエッチングし、第6クラッド層の残部を選択的にエッチング可能なエッチャントで、第6クラッド層の残部をエッチングする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、相互に異なる波長の光を発する2つのレーザ素子を単一基板上に搭載した半導体レーザ装置の製造方法に関する。
近年、動画の記録が可能な光ディスクとしてDVD(Digital Versatile Disk)が広く使われるようになったが、DVDだけではなく、CD(Compact Disk)も併せて利用できるドライブ装置がユーザから望まれている。DVDへの情報の記録およびDVDに記録された情報の再生には発振波長が650nm帯の赤色レーザ素子が必要であり、CDの記録および再生には発振波長が780nm帯の赤外レーザ素子が必要である。従来、赤外レーザ素子と赤色レーザ素子とがそれぞれ単独で光ピックアップ装置に設けられており、ピックアップ装置の小型化および低価格化が困難であることから、単一のレーザパッケージで赤外、赤色両方のレーザ発振が可能な半導体レーザ装置が開発されている。このような半導体レーザ装置としては、赤外レーザ光および赤色レーザ光それぞれ出射可能なレーザチップを1つのパッケージに組み込んだハイブリッド型の2波長レーザ装置と、単一の基板上に赤外レーザ光および赤色レーザ光を発振するレーザ素子を搭載するモノリシック型の2波長レーザ装置とが提案されている。
ハイブリッド型の2波長レーザ装置は、2つのレーザチップを1つのパッケージに組み込むため、2つの発光点位置精度を上げることが困難であり、発光点位置精度の高いモノリシック型の2波長レーザ装置が望まれている。しかしながら、モノリシック型の2波長レーザ装置では、赤外レーザ部と赤色レーザ部の半導体層の組成が異なっているので、電流狭窄部である半導体層をエッチングしてリッジ導波路を形成する場合、従来の単体レーザ素子の製造方法におけるエッチング方法をそのまま適用するのは困難である。
図12は、従来の単一の赤外レーザ素子100のリッジ導波路を形成する工程を示す断面図である。図12(1)は、p型GaAsキャップ層まで形成された赤外レーザ素子の構造を示す断面図である。図12(2)は、エッチングマスク作成後の赤外レーザ素子の構造を示す断面図である。図12(3)は、p型キャップ層108およびp型AlGaAs第2クラッド層107の一部をエッチングした赤外レーザ素子の構造を示す断面図である。図12(4)は、GaAsエッチングストップ層106までエッチングした赤外レーザ素子の構造を示す断面図である。図12(5)は、リッジ導波路形成後の赤外レーザ素子の構造を示す断面図である。
有機金属気相成長(MOVPE;Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy)法などで図12(1)に示すように、n型GaAs基板101上に、n型GaAsバッファ層102、n型AlGaAsクラッド層103、AlGaAs量子井戸活性層104、p型AlGaAs第1クラッド層105、GaAsエッチングストップ層106、p型AlGaAs第2クラッド層107、p型GaAsキャップ層108の順で結晶成長を行う。次に、p型GaAsキャップ層108の表面上にフォトリソグラフィおよびウェットエッチングによって、図12(2)に示すように、フォトレジストから成るエッチングマスク109を作成する。次に、GaAs、AlGaAsに対して選択性がないエッチャント、たとえば硫酸・過酸化水素系エッチャントを用いて、図12(3)に示すように、p型キャップ層108およびp型AlGaAs第2クラッド層107の一部をエッチングする。さらに、AlGaAsはエッチングするが、GaAsはエッチングしない選択性のあるエッチャント、たとえばフッ酸を用いて、図12(4)に示すように、リッジ幅が所定の幅になるようにエッチング時間を調整してp型AlGaAs第2クラッド層107の残部、すなわちGaAsエッチングストップ層106が露出するようにエッチングを行い、リッジ導波路を形成する。その後、図12(5)に示すように、有機溶剤などでエッチングマスク109を除去し、工程を完了する。
図13は、従来の単一の赤色レーザ素子150のリッジ導波路を形成する工程を示す断面図である。
分子線エピタキシャル成長(MBE;Molecular Beam Epitaxy)法によって、図13(1)に示すように、n型GaAs基板151上にn型GaInP中間層152、n型AlGaInPクラッド層153、量子井戸活性層154、p型AlGaInP第1クラッド層155、GaInPエッチングストップ層156、p型AlGaInP第2クラッド層157、p型GaInP中間層158、p型GaAsキャップ層159の順で結晶成長を行う。次に、p型GaAsキャップ層159の表面上にフォトリソグラフィおよびウェットエッチングによって、図13(2)に示すように、Al2O3から成るエッチングマスク160を作成する。次に、GaInPに対してはエッチングレートが非常に遅く、GaAsに対してはエッチングレートが速いエッチャント、たとえば硫酸・過酸化水素系エッチャントを用いて、図13(3)に示すように、p型GaAsキャップ層159をエッチングする。さらに、GaInP、AlGaInPに対して選択性のないエッチャント、たとえば臭素・リン酸系エッチャントを用いて、図13(4)に示すように、p型GaInP中間層158、およびp型AlGaInP第2クラッド層157の一部をエッチングする。次に、AlGaInPに対してはエッチングレートが高く、GaInPに対してはエッチングレートが非常に低いエッチャント、たとえば熱リン酸を用いて、図13(5)に示すように、p型AlGaInP第2クラッド層157の残部、すなわちGaInPエッチングストップ層156が露出するようにエッチングを行い、リッジ導波路を形成する。最後に、図13(6)に示すように、フッ化水素酸などでエッチングマスク160を除去し、工程を完了する。
上述のように、エッチングする半導体層の組成が異なれば使用するエッチャントが異なるので、モノリシック型の2波長レーザにおいて、従来の製造方法におけるエッチング方法をそのまま適用して赤外レーザ部と赤色レーザ部を形成しようとする場合、赤外レーザ部および赤色レーザ部で使用するお互いのエッチャントでリッジが侵され、正常な形状を実現するのが難しい。
第1の従来技術では、モノリシック型の2波長レーザにおいて、赤外レーザ部と赤色レーザ部とで製造工程の条件を統一するために、赤外レーザ部と赤色レーザ部とのp型クラッド層を同じ組成にし、リッジ導波路を形成している。第2の従来技術では、赤外レーザ部のp型クラッド層をAlGaInP系材料にし、赤色レーザのp型クラッド層と同じ材料にしているため、赤外レーザ部および赤色レーザ部は、リッジ導波路形成ためのエッチングを同時に行うことができる。(たとえば、特許文献1参照)
また、リッジ導波路形成をウェットエッチングではなくドライエッチングで行うことによって、赤外レーザ部および赤色レーザ部で組成の異なるキャップ層とp型クラッド層とを同時にエッチングして形成している従来技術もある。
また、リッジ導波路形成をウェットエッチングではなくドライエッチングで行うことによって、赤外レーザ部および赤色レーザ部で組成の異なるキャップ層とp型クラッド層とを同時にエッチングして形成している従来技術もある。
従来の2波長レーザ装置のリッジ導波路形成方法には以下のような問題点がある。従来、単体レーザで用いていたウェットエッチングによるリッジ形成方法をそのままAlGaAs系赤外レーザ部およびAlGaInP系赤色レーザ部からなる2波長レーザ装置に適用した場合において、赤外レーザ部、赤色レーザ部の順番でウェットエッチングを行うと、形成された赤外レーザ部のリッジが赤色レーザ部の臭素・リン酸系エッチャントで侵されてリッジ形状が崩れてしまう。具体的には、赤外レーザ部のGaAsエッチングストップ層とp型AlGaAsクラッド層が臭素・リン酸系エッチャントでエッチングされてしまう。
上記問題を解決するために赤外レーザ部と赤色レーザ部を独立にエッチングする方法がある。赤外レーザ部のエッチングを行うときは赤色レーザ部をたとえばフォトレジストでカバーし、赤色レーザ部をエッチングするときは赤外レーザ部をフォトレジストでカバーして赤外レーザ部および赤色レーザ部を別々にエッチングする。この方法では、リッジ導波路形成のためのフォトリソグラフィを赤外レーザ部および赤色レーザ部で別々に行うことになるため、工程が増えることになる。
第1の従来技術のように、モノリシック型2波長レーザ装置において、赤外レーザ部と赤色レーザ部のp型クラッド層を同じ組成にし、リッジ導波路形成のために同時にエッチングする方法では、工程が簡単になるメリットがあるが、2波長レーザ装置専用にレーザ素子構造を設計しなければならず、従来の単体レーザで実績がある設計を活かすことができない。
さらに、リッジ導波路をドライエッチングで作成する方法では、活性層付近までプラズマエッチングをするため、活性層にダメージが生じた場合、レーザ装置の信頼性に影響を及ぼすことになる。
したがって本発明の目的は、赤外レーザ部および赤色レーザ部を単一基板上に搭載する半導体レーザ装置において、従来から使用されている半導体層の組成変更または設計変更をする必要がなく、リッジ導波路を容易に形成することができ、活性層へのダメージが少ない半導体レーザ装置の製造方法を提供することである。
本発明は、相互に異なる波長の光を発する2つのレーザ素子を単一基板上に搭載したリッジ導波路型半導体レーザ装置の製造方法であって、
第1導電型半導体基板上に、少なくとも第1導電型の第1クラッド層、第1活性層、第2導電型の第2クラッド層、第1エッチングストップ層、第2導電型の第3クラッド層、第2導電型の第1キャップ層がこの順に積層される第1積層体を形成する工程と、
前記基板上で前記第1積層体が形成された領域とは異なる領域に、第1導電型の第4クラッド層、第1活性層とは異なる波長の光を発する第2活性層、第2導電型の第5クラッド層、第2エッチングストップ層、第2導電型の第6クラッド層、第2導電型の中間層、第2導電型の第2キャップ層がこの順に積層される第2積層体を形成する工程と、
リッジ導波路を形成すべき部位に積層してマスクを形成する工程と、
前記第1および第2キャップ層を選択的にエッチング可能なエッチャントで、前記第3クラッド層および前記中間層が露出するように、前記第1および前記第2キャップ層を同時にエッチングする工程と、
前記第3クラッド層の一部と、前記中間層と、前記第6クラッド層の一部とを選択的にエッチング可能なエッチャントで、前記第3および第6クラッド層のうちのリッジ導波路を形成すべき部位を除く残余の部位における、厚みを低減するように前記第3クラッド層と、前記中間層と、前記第6クラッド層とを同時にエッチングする工程と、
前記第3クラッド層の残部を選択的にエッチング可能なエッチャントで、第1エッチングストップ層が露出するように前記第3クラッド層の残部をエッチングする工程と、
前記第6クラッド層の残部を選択的にエッチング可能なエッチャントで、第1エッチングストップ層が露出するように前記第6クラッド層の残部をエッチングする工程とを含み、リッジ導波路を形成することを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法である。
第1導電型半導体基板上に、少なくとも第1導電型の第1クラッド層、第1活性層、第2導電型の第2クラッド層、第1エッチングストップ層、第2導電型の第3クラッド層、第2導電型の第1キャップ層がこの順に積層される第1積層体を形成する工程と、
前記基板上で前記第1積層体が形成された領域とは異なる領域に、第1導電型の第4クラッド層、第1活性層とは異なる波長の光を発する第2活性層、第2導電型の第5クラッド層、第2エッチングストップ層、第2導電型の第6クラッド層、第2導電型の中間層、第2導電型の第2キャップ層がこの順に積層される第2積層体を形成する工程と、
リッジ導波路を形成すべき部位に積層してマスクを形成する工程と、
前記第1および第2キャップ層を選択的にエッチング可能なエッチャントで、前記第3クラッド層および前記中間層が露出するように、前記第1および前記第2キャップ層を同時にエッチングする工程と、
前記第3クラッド層の一部と、前記中間層と、前記第6クラッド層の一部とを選択的にエッチング可能なエッチャントで、前記第3および第6クラッド層のうちのリッジ導波路を形成すべき部位を除く残余の部位における、厚みを低減するように前記第3クラッド層と、前記中間層と、前記第6クラッド層とを同時にエッチングする工程と、
前記第3クラッド層の残部を選択的にエッチング可能なエッチャントで、第1エッチングストップ層が露出するように前記第3クラッド層の残部をエッチングする工程と、
前記第6クラッド層の残部を選択的にエッチング可能なエッチャントで、第1エッチングストップ層が露出するように前記第6クラッド層の残部をエッチングする工程とを含み、リッジ導波路を形成することを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法である。
また本発明は、前記第1クラッド層、前記第2クラッド層および前記第3クラッド層は、AlGaAsによって形成され、
前記第1エッチングストップ層および前記第1キャップ層は、GaAsによって形成され、
前記第4クラッド層、前記第5クラッド層および前記第6クラッド層は、AlGaInPによって形成され、
前記第2エッチングストップ層および前記中間層は、GaInPによって形成され、
前記第2キャップ層は、GaAsによって形成されることを特徴とする。
前記第1エッチングストップ層および前記第1キャップ層は、GaAsによって形成され、
前記第4クラッド層、前記第5クラッド層および前記第6クラッド層は、AlGaInPによって形成され、
前記第2エッチングストップ層および前記中間層は、GaInPによって形成され、
前記第2キャップ層は、GaAsによって形成されることを特徴とする。
また本発明は、前記第1キャップ層および前記第2キャップ層を選択的にエッチングする工程では、アンモニア系のエッチャントが用いられることを特徴とする。
また本発明は、前記第3クラッド層の一部と、前記中間層および前記第6クラッド層の一部を選択的にエッチングする工程では、臭素・リン酸系のエッチャントが用いられることを特徴とする。
また本発明は、前記第3クラッド層の残部を選択的にエッチングする工程では、フッ化水素酸のエッチャントが用いられることを特徴とする。
また本発明は、前記第6クラッド層の残部を選択的にエッチングする工程では、熱リン酸のエッチャントが用いられることを特徴とする。
また本発明は、前記第1キャップ層および前記第2キャップ層の層厚は、略同一であることを特徴とする。
また本発明は、前記マスクを形成する工程では、前記第1および第2積層体にそれぞれ積層されるマスクは、フォトリソグラフィで1つのフォトマスクを用いて作成されることを特徴とする。
本発明によれば、リッジ導波路を形成するための第3および第6クラッド層のエッチングは、それぞれ2回にわたって行われる。第3および第6クラッド層のエッチングは、1回目は、両者をエッチング可能なエッチャントを用いて行われるが、2回目は、それぞれを個別にエッチング可能なエッチャントを用いて行われる。このように2回に分けてエッチングすることによって、わざわざ第3および第6クラッド層の組成および厚さを等しくする必要がない。第3および第6クラッド層を、同様の組成および同様の厚さにしなくてよいので、2波長の半導体レーザ素子であっても、赤外レーザ素子および赤色レーザ素子を個別に設計する場合と比較して、特別な設計をしなくてもよい。また、赤外レーザ素子および赤色レーザ素子を単体で形成する場合に用いられる半導体によって、半導体積層体をそれぞれ形成して、信頼性の高い半導体レーザを実現することができる。
さらに、リッジ導波路をウェットエッチング処理のみを用いて形成するので、ドライエッチングを用いる場合と比較して、活性層へのダメージを軽減することができる。
図1〜図11は、本発明の実施の一形態であるリッジ導波路型半導体レーザ装置50の製造工程を示す断面図である。図1は、赤外レーザとなる第1前駆体1の構成を示す断面図であり、図2は、第1前駆体1から形成された第1積層体2の構成を示す断面図である。また、図3は、赤色レーザとなる第2前駆体3の構成を示す断面図であり、図4は、第2前駆体3から形成された第2積層体4の構成を示す断面図である。図5は、エッチングマスク39を作成した後の第1積層体2および第2積層体4の構造を示す断面図である。図6は、p型キャップ層28,38をエッチングした第1積層体2および第2積層体4の構造を示す断面図である。図7は、第1積層体2のp型第2クラッド層27の一部、第2積層体4のp型中間層37およびp型第2クラッド層36の一部をエッチングした第1積層体2および第2積層体4の構造を示す断面図である。図8は、第1積層体2のp型第2クラッド層27のリッジ形成後の第1積層体2および第2積層体4の構造を示す断面図である。図9は、第2積層体4のp型第2クラッド層36のリッジ形成後の第1積層体2および第2積層体4の構造を示す断面図である。図10は、n型GaAs電流狭窄層40形成後の第1積層体2および第2積層体4の構造を示す断面図である。図11は、電極41,42まで形成が完了した第1積層体2および第2積層体4の構造を示す断面図である。
図1に示すように、第1導電型半導体基板であるn型GaAs基板20上に、Siドープn型GaAsバッファ層21を0.45μm、第1導電型の第1クラッド層であるn型AlxGa1−xAs第1クラッド層(x=0.485)22を1.5μm、n型AlxGa1−xAs第2クラッド層(x=0.550)23を0.2μm、第1活性層であるノンドープAlGaAs多重量子井戸活性層24を0.45μm、第2導電型の第2クラッド層であるp型AlxGa1−xAs第1クラッド層(x=0.550)25を0.1μm、第1エッチングストップ層であるp型GaAsエッチングストップ層26を28Å、第2導電型の第3クラッド層であるp型AlxGa1−xAs第2クラッド層(x=0.550)27を1.15μm、第2導電型の第1キャップ層であるp型GaAsキャップ層28を0.8μmの厚さで、MOVPE法によって順次結晶成長を行い、第1前駆体1を形成する。
次に、図2に示すように、第1前駆体1をレジスト膜29でマスキングし、幅80μm〜100μmのストライプ状に結晶成長膜が残るようエッチングして第1積層体2を形成する。エッチング工程では、AlGaAs系材料に対して選択性のないエッチャント、たとえば、体積比において、硫酸(濃度97%):過酸化水素水(濃度31%):水=1:8:50の硫酸系エッチャントを用いて、液温10℃で、p型GaAsキャップ層28からn型AlxGa1−xAs第1クラッド層(x=0.485)22の厚み方向の中央付近までをエッチングし、n型AlxGa1−xAs第1クラッド層(x=0.485)22の残りの部分をフッ化水素酸でエッチング除去する。フッ化水素酸はGaAsに対して選択性があるので、n型GaAsバッファ層21でエッチングが停止する。
この後、第2前駆体3を形成する。図3に示すように、第2前駆体3は、第1積層体1を形成したn−GaAs基板20の上に、n型GaAsバッファ層30を0.2μm、n型GaInP中間層31を0.25μm、第1導電型の第4クラッド層であるn型AlGaInPクラッド層32を1.3μm、第2活性層である発振波長が650nmの多重量子井戸構造の活性層33を0.14μm、第2導電型の第5クラッド層であるp型AlGaInP第1クラッド層34を0.2μm、第2エッチングストップ層であるp型GaInPエッチングストップ層35を80Å、第2導電型の第6クラッド層であるp型AlGaInP第2クラッド層36を1.1μm、第2導電型の中間層であるp型GaInP中間層37を0.05μm、第2導電型の第2キャップ層であるp型GaAsキャップ層38を0.8μm、MBE法によって、順次結晶成長する。
次に第2前駆体3をエッチングして第2積層体4を形成する。第2前駆体3は、第1積層体2と隣り合うように、幅80μm〜100μmのストライプ状に結晶成長膜が残るようにレジスト膜で保護した後にエッチングして、図4に示すように、第2積層体4を形成する。図3を参照して、エッチング工程では、GaInPに対して選択性がありGaAsをエッチングするエッチャント、たとえば、体積比において、硫酸(濃度97%):過酸化水素水(濃度31%):水=1:8:50の硫酸系エッチャントを用いて、液温10℃でp型GaAsキャップ層38のみをエッチングし、p型GaInP中間層37からn型GaInP中間層31までをGaAsに対して選択性があるエッチャント、たとえば、塩酸(液温10℃)でエッチングする。続いてn型GaAsバッファ層30をエッチングするため、GaAs系材料に対して選択性のないエッチャント、たとえば、体積比において、硫酸(濃度97%):過酸化水素水(濃度31%):水=1:8:50の硫酸系エッチャントを用い、液温10℃でエッチングする。n型GaAsバッファ層30の下に積層されているp型GaAsキャップ層28を残し、n型GaAsバッファ層30のみをエッチングするために、エッチング時間の調整を行う。第1積層体2と第2積層体4とは、底辺が約40μm〜60μm離間して形成される。
次に、図5に示すように、フォトリソグラフィによって第1積層体2および第2積層体4の上に1つのフォトマスクを用いてエッチングマスク39をそれぞれ積層する。各エッチングマスク39は、フォトリソグラフィで1つのフォトマスクを用いて作成されるので、別個に作成する場合と比較して、赤外レーザ部と赤色レーザ部のリッジ導波路の間隔で決まる発光点間隔の精度、およびリッジ導波路の平行度をフォトマスクの精度のみで管理することができる。各エッチングマスク39のストライプ線幅の精度は、約±0.3μm程度であるので、赤外レーザ部と赤色レーザ部のリッジ導波路の間隔で決まる発光点間隔の精度を良好にすることができる。
この後、第1積層体2および第2積層体4のリッジ導波路を形成する。
図6に示すように、アンモニア系エッチャント、たとえば、体積比において、アンモニア水溶液(濃度28%):過酸化水素水(濃度31%):水=1:30:50、液温10℃で、第1積層体2のp型GaAsキャップ層28と、第1積層体2のp型GaAsキャップ層38とをエッチングする。アンモニア系エッチャントはp型AlxGa1−xAs第2クラッド層(x=0.550)27およびp型GaInP中間層37に対して非常にエッチング速度が遅いので、p型GaAsキャップ層28,38のみをエッチングすることが可能である。
図6に示すように、アンモニア系エッチャント、たとえば、体積比において、アンモニア水溶液(濃度28%):過酸化水素水(濃度31%):水=1:30:50、液温10℃で、第1積層体2のp型GaAsキャップ層28と、第1積層体2のp型GaAsキャップ層38とをエッチングする。アンモニア系エッチャントはp型AlxGa1−xAs第2クラッド層(x=0.550)27およびp型GaInP中間層37に対して非常にエッチング速度が遅いので、p型GaAsキャップ層28,38のみをエッチングすることが可能である。
また、第1積層体2のp型GaAsキャップ層28と、第1積層体2のp型GaAsキャップ層38との層厚は、等しいので、第1積層体のキャップ層および第2積層体のキャップ層の層厚が異なる場合のように、層厚が厚い方にエッチング時間を合わせてしまうことによって、層厚が薄い方のキャップ層においてエッチングされる量が増えてしまうということがなく、両者のキャップ層28,38でエッチングされる量が等しいので、エッチング時間の決定およびマスク幅の設計が容易である。
次に、図7に示すように、GaAs系およびAlGaAsP系に対して選択性がない臭素・リン酸系エッチャント、たとえば、体積比において、リン酸(濃度85%):飽和臭素水(濃度100%):水=1:2:5を用いて、液温20℃で、第1積層体2のp型AlxGa1−xAs第2クラッド層(x=0.550)27の一部(深さ約0.7μm)、第2積層体4のp型GaInP中間層37、およびp型AlGaInP第2クラッド層36の一部(深さ約0.7μm)のエッチングを行う。臭素・リン酸系エッチャントを用いることによって、第1積層体2のp型AlxGa1−xAs第2クラッド層(x=0.550)27、第2積層体4のp型GaInP中間層37、およびp型AlGaInP第2クラッド層36を所望の厚さでエッチングすることができる。この臭素・リン酸系エッチャントは、GaAs系およびAlGaInP系に対して選択性がないので、第1積層体2のp型GaAsエッチングストップ層26および第2積層体4のp型GaInPエッチングストップ層35に到達する前にエッチングを終了する必要がある。p型AlxGa1−xAs第2クラッド層(x=0.550)27の一部、第2積層体4のp型GaInP中間層37、およびp型AlGaInP第2クラッド層36の一部のエッチングは、p型AlxGa1−xAs第2クラッド層(x=0.550)27およびp型AlGaInP第2クラッド層36のうちのリッジ導波路を形成すべき部位を除く残余の部位における、厚みを低減するように行われる。
次に、図8に示すように、第1積層体2のp型AlxGa1−xAs第2クラッド層(x=0.550)27のリッジ形成を行うためにフッ化水素酸(10℃)でエッチングを行う。フッ化水素酸はGaAs系およびAlGaInP系に対してエッチングレートが非常に低く、AlGaAs系に対してはエッチングレートが高いので、第1積層体2のp型AlxGa1−xAs第2クラッド層(x=0.550)27の残りの層をエッチングした後、p型GaAsエッチングストップ層26でエッチングが止まり、この間において、第2積層体4はエッチングされることがない。第1積層体2のリッジ幅はフッ化水素酸によるエッチング時間で調整する。
次に、図9に示すように、第2積層体4のp型AlGaInP第2クラッド層36のリッジ形成を行うために熱リン酸(70℃)でエッチングを行う。熱リン酸はAlGaAs系とGaInP系に対してエッチングレートが非常に低くp型AlGaInP第2クラッド層36に対してはエッチングレートが高いので、第2積層体4のp型AlGaInP第2クラッド層36の残りの層をエッチングした後、p型GaInPエッチングストップ層35でエッチングが止まり、この間において、第1積層体2はエッチングされることがない。第2積層体4のリッジ幅は熱リン酸によるエッチング時間で調整する。
リッジ導波路形成後は、エッチングマスク39を除去し、図10に示すように、n型GaAs電流狭窄層40を積層させる。
次に、図11に示すように、n型GaAs電流狭窄層40のうち、第1積層体2および第2積層体4のリッジ導波路上ならびに第1積層体2および第2積層体4間の不要な部分をエッチング除去する。最後に、第1積層体2のp型GaAsキャップ層28と第2積層体4のp型GaAsキャップ層38との上にそれぞれp型AuZn/Mo/Au電極41を形成し、n型GaAs基板20の、リッジ導波路側と反対側の表面に、n型AuGe/Ni/Mo/Au電極42を形成して工程が完了する。p型AuZn/Mo/Au電極41は、AuZnとMoとAuとが積層された電極であり、n型AuGe/Ni/Mo/Au電極42は、AuGeとNiとMoとAuが積層された電極である。
以上のように本発明による半導体レーザの製造方法を用いれば、AlGaAs系の赤外レーザ部およびAlGaInP系の赤色レーザ部を単一基板上に搭載する半導体レーザ装置において、従来から単体レーザ素子用に使用されている半導体層の組成変更または設計変更をすることなく、活性層へのダメージが少ないウェットエッチングを用いて、容易にリッジ導波路型のモノリシック2波長半導体レーザ装置を製造することができる。
2 第1積層体2
4 第2積層体4
22 n型AlxGa1−xAs第1クラッド層
24 AlGaAs活性層
25 p型AlxGa1−xAs第1クラッド層
26 p型GaAsエッチングストップ層
27 p型AlxGa1−xAs第2クラッド層
28 p型GaAsキャップ層
32 n型AlGaInPクラッド層
33 活性層
34 p型AlGaInP第1クラッド層
35 p型GaInPエッチングストップ層
36 p型AlGaInP第2クラッド層
37 p型GaInP中間層
38 p型GaAsキャップ層
39 エッチングマスク
40 n型GaAs電流狭窄層
50 リッジ導波路型半導体レーザ装置
4 第2積層体4
22 n型AlxGa1−xAs第1クラッド層
24 AlGaAs活性層
25 p型AlxGa1−xAs第1クラッド層
26 p型GaAsエッチングストップ層
27 p型AlxGa1−xAs第2クラッド層
28 p型GaAsキャップ層
32 n型AlGaInPクラッド層
33 活性層
34 p型AlGaInP第1クラッド層
35 p型GaInPエッチングストップ層
36 p型AlGaInP第2クラッド層
37 p型GaInP中間層
38 p型GaAsキャップ層
39 エッチングマスク
40 n型GaAs電流狭窄層
50 リッジ導波路型半導体レーザ装置
Claims (8)
- 相互に異なる波長の光を発する2つのレーザ素子を単一基板上に搭載したリッジ導波路型半導体レーザ装置の製造方法であって、
第1導電型半導体基板上に、少なくとも第1導電型の第1クラッド層、第1活性層、第2導電型の第2クラッド層、第1エッチングストップ層、第2導電型の第3クラッド層、第2導電型の第1キャップ層がこの順に積層される第1積層体を形成する工程と、
前記基板上で前記第1積層体が形成された領域とは異なる領域に、第1導電型の第4クラッド層、第1活性層とは異なる波長の光を発する第2活性層、第2導電型の第5クラッド層、第2エッチングストップ層、第2導電型の第6クラッド層、第2導電型の中間層、第2導電型の第2キャップ層がこの順に積層される第2積層体を形成する工程と、
リッジ導波路を形成すべき部位に積層してマスクを形成する工程と、
前記第1および第2キャップ層を選択的にエッチング可能なエッチャントで、前記第3クラッド層および前記中間層が露出するように、前記第1および前記第2キャップ層を同時にエッチングする工程と、
前記第3クラッド層の一部と、前記中間層と、前記第6クラッド層の一部とを選択的にエッチング可能なエッチャントで、前記第3および第6クラッド層のうちのリッジ導波路を形成すべき部位を除く残余の部位における、厚みを低減するように前記第3クラッド層と、前記中間層と、前記第6クラッド層とを同時にエッチングする工程と、
前記第3クラッド層の残部を選択的にエッチング可能なエッチャントで、第1エッチングストップ層が露出するように前記第3クラッド層の残部をエッチングする工程と、
前記第6クラッド層の残部を選択的にエッチング可能なエッチャントで、第1エッチングストップ層が露出するように前記第6クラッド層の残部をエッチングする工程とを含み、リッジ導波路を形成することを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。 - 前記第1クラッド層、前記第2クラッド層および前記第3クラッド層は、AlGaAsによって形成され、
前記第1エッチングストップ層および前記第1キャップ層は、GaAsによって形成され、
前記第4クラッド層、前記第5クラッド層および前記第6クラッド層は、AlGaInPによって形成され、
前記第2エッチングストップ層および前記中間層は、GaInPによって形成され、
前記第2キャップ層は、GaAsによって形成されることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置の製造方法。 - 前記第1キャップ層および前記第2キャップ層を選択的にエッチングする工程では、アンモニア系のエッチャントが用いられることを特徴とする請求項2記載の半導体レーザ装置の製造方法。
- 前記第3クラッド層の一部と、前記中間層および前記第6クラッド層の一部を選択的にエッチングする工程では、臭素・リン酸系のエッチャントが用いられることを特徴とする請求項2または3記載の半導体レーザ装置の製造方法。
- 前記第3クラッド層の残部を選択的にエッチングする工程では、フッ化水素酸のエッチャントが用いられることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の半導体レーザ装置の製造方法。
- 前記第6クラッド層の残部を選択的にエッチングする工程では、熱リン酸のエッチャントが用いられることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の半導体レーザ装置の製造方法。
- 前記第1キャップ層および前記第2キャップ層の層厚は、略同一であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の半導体レーザ装置の製造方法。
- 前記マスクを形成する工程では、前記第1および第2積層体にそれぞれ積層されるマスクは、フォトリソグラフィで1つのフォトマスクを用いて作成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の半導体レーザ装置の製造方法。
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JP2007174585A JP2009016458A (ja) | 2007-07-02 | 2007-07-02 | 半導体レーザ装置の製造方法 |
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JP2007174585A Pending JP2009016458A (ja) | 2007-07-02 | 2007-07-02 | 半導体レーザ装置の製造方法 |
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- 2007-07-02 JP JP2007174585A patent/JP2009016458A/ja active Pending
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