JP2009013206A - インクジェットインク及びその製造方法、カラーフィルタ及びその製造方法、表示装置、並びに機能膜の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】非浸透性の基板上に吐出する際の基板に対する濡れ性を向上させる。
【解決手段】非浸透性の基板上にインクジェット方式により液を吐出して機能膜を形成するために使用されるインクジェットインクであって、濡れ性促進剤として、アミノ基及びアルキレングリコール部位を分子内に有する化合物を含有している。
【選択図】なし

Description

本発明は、非浸透性の基板上にインクジェット方式により液滴付与するのに好適なインクジェットインク及びその製造方法、並びにこのインクジェットインクを用いたカラーフィルタ及びその製造方法、表示装置、及び機能膜の形成方法に関する。
近年、パーソナルコンピューター、特に大画面液晶テレビの発達に伴い、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。しかしながら、カラー液晶ディスプレイが高価であることから、コストダウンの要求が高まっており、特にコスト的に比重の高いカラーフィルタに対するコストダウンの要求が高い。
このようなカラーフィルタにおいては、通常赤(R)、緑(G)、及び青(B)の3原色の着色パターンを備え、R、G、及びBのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッタとして作動し、R、G、及びBのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われるものである。
従来の製造方法としては、例えば染色法が挙げられる。この染色法は、まずガラス基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料を形成し、これをフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。これを3回繰り返すことによりR、G、及びBのパターンで構成されたカラーフィルタを形成する。
また、他の方法として顔料分散法がある。この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。さらにこの工程を3回繰り返すことにより、R、G、及びBのパターンで構成されたカラーフィルタを形成する。
さらに、他の方法としては、電着法や、熱硬化樹脂に顔料を分散させてR、G、及びBの3回印刷を行った後、樹脂を熱硬化させる方法等を挙げることができる。
しかしながら、いずれの方法も、R、G、及びBの3色を着色するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるという問題や、同様の工程を繰り返すため歩留まりが低下するという問題がある。これらの問題を解決するカラーフィルタの製造方法として、インクジェット方式で着色インクを吹き付けして着色層(画素部)を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
かかるインクジェット方式によるカラーフィルタ製造方法では、遮光性の隔壁により区画された凹部にそれぞれR、G、Bに着色されたインクを吐出して画素部を形成する。この際に、凹部からのインクの溢れを防ぐために、隔壁の表面を撥インク処理する。撥インク処理の方法としては、例えば撥インク性の無い隔壁を形成した後に、表面にフッ素ガスを含んだプラズマ処理を行う方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。ところが、隔壁表面を撥インク処理する際に、画素を形成する画素領域もフッ素プラズマ処理の影響を受けるためにインクの濡れ性が低下し、画素領域の隅にインクが行き渡らず、色抜けが発生するという問題が生じる。このような画素領域の濡れ性を改良する方法としては、例えば隔壁のパターンを形成する前に撥インク処理を行い、その後パターン露光及び現像を行うことで画素領域が直接、撥インク処理の影響を受けないようにする方法や、フッ素プラズマ処理を行わず、予め遮光性の隔壁中に撥インク性を有する素材を添加し、加熱により表面へ撥インク性素材を移行させて撥インク性を付与する等の方法が提案されている(例えば、特許文献4、5参照)。
また、画素領域におけるインクの濡れ性を改良する方法として、インクジェットインクの表面張力を低下させるようなフッ素系の界面活性剤を添加する方法や、インク中にアルカン物質を添加する方法が提案されている(例えば、特許文献6、7参照)。
特開昭59−75205号公報 特開2004−339332号公報 特開2002−372921号公報 特開2007−47441号公報 特開平7−35915号公報 特開2007−3945号公報 特開2006−284752号公報
しかしながら、上記した画素領域の濡れ性を改良する方法では、パターンを形成する際の現像性に問題が生じたり、加熱時の熱により撥インク性素材が画素領域へ移行し、画素領域におけるインクの濡れ性を悪化させる等の問題がある。また、撥インク処理後に酸素アッシング処理等の親インク処理を行う方法があるが、この方法では画素領域の濡れ性は良化するものの、隔壁部分の撥インク性も同時に低下してしまう等の問題がある。
また、上記したフッ素系の界面活性剤やアルカン物質の添加は、効果が不充分であったり、インク中に泡が発生しやすい等の問題があり、充分満足できるものではなかった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、非浸透性の基板上に吐出した際の基板に対する濡れ性に優れており、例えば撥インク性を有する隔壁により区画された基板上の凹部にインクジェット方式で液滴付与する場合には色ムラの発生及び前記凹部の隅での色抜けの発生を防止できるインクジェットインク及びその製造方法を提供することを目的とし、更に、色ムラ、色抜けが抑制されたカラーフィルタ及びその製造方法並びに表示装置、並びに、インクジェット方式で均一な機能膜を形成可能な機能膜の形成方法を提供することを目的とし、これらの目的を達成することを課題とする。
本発明は、鋭意検討の結果、特定の構造の化合物を濡れ性促進剤として用いることが、基板上(基板表面及び下塗り層等を有するときは下塗り層等の表面など)の機能膜(例えば着色画素)を形成しようとする領域に対して濡れ性の良好なインクジェットインクが得られ、色ムラ、色抜けの発生を抑えたカラーフィルタ等の機能膜を製造するのに有効であるとの知見を得、かかる知見に基づいて達成されたものである。
すなわち、上記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 非浸透性の基板上にインクジェット方式により液滴を吐出して機能膜を形成するために用いられるインクジェットインクであって、アミノ基及びアルキレングリコール部位を分子内に有する化合物を濡れ性促進剤として含有するインクジェットインクである。
<2> 前記アルキレングリコール部位が、エチレングリコール及び/又はプロピレングリコールであることを特徴とする前記<1>に記載のインクジェットインクである。
<3> 前記化合物が、アミノ基を末端に有するエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドの開環共重合体であることを特徴とする前記<1>又は前記<2>に記載のインクジェットインクである。
<4> 前記アミノ基が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載のインクジェットインクである。
Figure 2009013206
前記一般式(1)において、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数6〜15のアリール基、炭素数1〜8のアルケニル基、又は炭素数1〜8のアルキニル基を表し、これらの基は炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4のアルコキシ基により置換されていてもよい。また、RとRとは、アルキレン基、アルコキシアルキレン基で連結されて環状構造を形成していてもよい。
<5> 溶剤及び色材を更に含有することを特徴とする前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載のインクジェットインクである。
<6> 前記溶剤のうち、全溶剤量の70質量%以上が、下記一般式(2)で表されるアルカンジオールの誘導体であることを特徴とする前記<5>に記載のインクジェットインクである。
<一般式(2)>
A−O−(C2m−O)−B
前記一般式(2)において、mは2〜7の整数を表し、nは1〜4の整数を表し、A及びBはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はアセチル基を表し、該誘導体の総炭素数は12以下である。A及びBは、同一でも異なっていてもよいが、AとBとが同時に水素原子となることはない。
<7> 前記溶剤のうち、全溶剤量の70質量%以上が、常温常圧(25℃、760mmHg)下での沸点が220℃以上であることを特徴とする前記<5>又は前記<6>に記載のインクジェットインクである。
<8> 前記色材が顔料であることを特徴とする前記<5>〜前記<7>のいずれか1つに記載のインクジェットインクである。
<9> 前記顔料が、C.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・ブルー15:6、及びC.I.ピグメント・バイオレット23から選択される1種以上であること特徴とする前記<8>に記載のインクジェットインクである。
<10> 前記顔料の数平均粒径が10〜100nmの範囲にあること特徴とする前記<8>又は前記<9>に記載のインクジェットインクである。
<11> 重合性モノマーを更に含有し、該重合性モノマーが、(メタ)アクリル系モノマー、エポキシ系モノマー、及びオキセタニル系モノマーから選択される1種以上であることを特徴とする前記<1>〜前記<10>のいずれか1つに記載のインクジェットインクである。
<12> 顔料分散剤を更に含有することを特徴とする前記<1>〜前記<11>のいずれか1つに記載のインクジェットインクである。
<13> 25℃における粘度が5mPa・s以上50mPa・s以下であることを特徴とする前記<1>〜前記<12>のいずれか1つに記載のインクジェットインクである。
<14> 25℃における表面張力が15mN/m以上40mN/m以下であることを特徴とする前記<1>〜前記<13>のいずれか1つに記載のインクジェットインクである。
<15> 基板上に形成された隔壁により区画された凹部にインクジェット方式により液滴を吐出することによりカラーフィルタを形成するために用いられ、前記機能膜の少なくとも一部が着色膜であることを特徴とする前記<1>〜前記<14>のいずれか1つに記載のインクジェットインクである。
<16> 基板上に形成された隔壁により区画された凹部に、インクジェット方式を用いて前記<1>〜前記<15>のいずれか1つに記載のインクジェットインクを吐出し、機能膜(色材を含むときには着色領域(例えば着色画素))を形成するカラーフィルタの製造方法である。
<17> 前記隔壁が撥インク性を有していることを特徴とする前記<16>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<18> 前記凹部にインクジェット方式によりインクジェットインクを吐出後、該インクジェットインク中の有機溶剤の少なくとも一部を除去した後に、活性エネルギー線を照射する工程及び/又は加熱する工程を設けて前記着色領域を重合硬化させることを特徴とする前記<16>又は前記<17>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<19> 前記<16>〜前記<18>のいずれか1つに記載のカラーフィルタの製造方法により作製されたカラーフィルタである。
<20> 前記<19>に記載のカラーフィルタを備えた表示装置である。
<21> 前記<1>〜前記<15>のいずれか1つに記載のインクジェットインクの製造方法であって、アミノ基及びアルキレングリコール部位を分子内に有する化合物を、顔料を分散した後に添加するインクジェットインクの製造方法である。
<22> 前記<1>〜前記<15>のいずれか1つに記載のインクジェットインクを、インクジェット方式により非浸透性の基板上に吐出し、溶剤の少なくとも一部を蒸発させて機能膜を形成する機能膜の形成方法である。
本発明によれば、非浸透性の基板上に吐出した際の基板に対する濡れ性に優れており、例えば撥インク性を有する隔壁により区画された基板上の凹部にインクジェット方式で液滴付与する場合には色ムラの発生及び前記凹部の隅での色抜けの発生を防止できるインクジェットインク及びその製造方法を提供することができる。更に、
本発明によれば、色ムラ、色抜けが抑制されたカラーフィルタ及びその製造方法、並びに表示装置を提供することができる。更に、
本発明によれば、インクジェット方式で均一な機能膜を形成可能な機能膜の形成方法を提供することができる。
以下、本発明のインクジェットインクの構成成分及びその製造方法、前記インクジェットインクを用いたカラーフィルタ及びその製造方法、表示装置、並びに機能膜の形成方法について詳細に説明する。
<インクジェットインク及びその製造方法>
まず、本発明のインクジェットインク及びその製造方法について詳細に説明する。
本発明のインクジェットインクは、非浸透性の基板上に液体をインクジェット方式により吐出して機能膜を形成する形態に用いられるものである。本発明のインクジェットインクは、少なくとも濡れ性促進剤を含有し、該濡れ性促進剤がアミノ基及びアルキレングリコール部位を有することを特徴とするものである。本発明のインクジェットインクは、更に、色材、溶剤、重合性モノマー、顔料分散剤を用いて好適に構成することが可能であり、必要に応じて、更にその他の添加物を添加することができる。
本発明のインクジェットインクは、上記の構成とすることにより、非浸透性の基板(例えば基板上に隔壁を有する場合は隔壁で区画された凹部の基板面や基板上の層表面)に対する濡れ性、基板上でのインクの濡れ拡がりが良好となり、該インクジェットインクを用いて作製されたカラーフィルタは、色ムラや色抜けの発生が抑えられ、表示品質の優れたものとなる。
(濡れ性促進剤)
本発明のインクジェットインクは、少なくともアミノ基とアルキレングリコール部位とを有する濡れ性促進剤の少なくとも一種(以下、「本発明における濡れ性促進剤」ということがある。)を含有する。
前記濡れ性促進剤がインクジェットインク中に占める割合は、インクジェットインク全体(質量)の0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%がさらに好ましい。濡れ性促進剤の占める割合は、0.01質量%以上であると濡れ性促進剤としての効果が発現し易く、非浸透性の基板に対する濡れ拡がりが良好になる。また、20質量%以下であると、溶剤除去後の機能膜(例えば画素部)に占める割合が抑えられ、機能膜として(例えばカラーフィルタを構成する画素として)充分な硬度が得られる。
本発明における濡れ性促進剤中のアルキレングリコール部位は、化合物としての入手が容易であり、コストメリットの点で、エチレングリコール及び/又はプロピレングリコールであることが好ましい。更には、本発明における濡れ性促進剤は、非浸透性の基板との濡れ性が良好になる点で、アミノ基を末端に有するエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドの開環共重合体であることが好ましい。
ここで、前記開環共重合体のエチレングリコール部位(EG)とプロピレングリコール部位(PG)との比率(EG:PG)は、特に制限はなく、0:100〜100:0の間で、任意の比率をとることが可能である。中でも、溶剤に対する溶解性などの点で、エチレングリコール部位とプロピレングリコール部位との双方が含まれていることが好ましい。具体的には、同様の理由から、比率EG:PGとしては1:10〜10:1がより好ましく、1:5〜5:1がさらに好ましい。
また、アミノ基としては、非浸透性の基板との濡れ性が良好になる点で、下記一般式(1)で表される基が好ましい。
Figure 2009013206
前記一般式(1)において、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数6〜15のアリール基、炭素数1〜8のアルケニル基、又は炭素数1〜8のアルキニル基を表し、これらの基は炭素数1〜4のアルキル基、Cl,Br,F原子等のハロゲン原子、又は炭素数1〜4のアルコキシ基により置換されていてもよい。また、RとRとは、アルキレン基、アルコキシアルキレン基で連結されて環状構造を形成していてもよい。
及びRとしては、上記範囲に入っていれば特に制限はないが、これらの中で、RNHとして、一般に上市されている2級アミンに由来のアミノ基が、入手が容易でコストメリットが高い点で好ましい。好ましいアミノ基の具体例としては、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジ−n−プロピルアミノ基、N,N−ジ−n−ブチルアミノ基、N,N−ジ−n−ペンチルアミノ基、N,N−ジーn−ヘキシルアミノ基、N−エチル−N−n−プロピルアミノ基、N−エチル−N−i−アミルアイノ基、N−エチル−N−2−エチルヘキシルアミノ基、N,N−ジ−(エトキシエチル)アミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基、N−エチル−N−ベンジルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
これらの中で、汎用性及びコストメリットの点で、N,N−ジエチルアミノ基やN,N−ジ−n−プロピルアミノ基が特に好ましい。
また、濡れ性促進剤がアミノ基を末端に有するエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドの開環共重合体である場合、該開環共重合体は、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの共存下において、公知の方法で前記2級アミンによる開環共重合反応を行うことにより製造することが可能である。
前記開環共重合体におけるアミノ基(Am)とアルキレンオキシド部位(Rox)とのモル比率(Am:Rox)は、1:5〜1:100が好ましく、1:10〜1:80がより好ましく、1:15〜1:60がさらに好ましい。アミノ基とアルキレンオキシド部位のモル比率は、1:5以上であると共重合体中に含まれる低分子量成分が少なくなり、ポストベーク等の熱処理時の揮発を防止することができる。また、1:100以下であると、共重合体中に含まれるアミノ基の割合が保たれ、濡れ性促進剤としての効果が得られる。
(溶剤)
本発明のインクジェットインクは、溶剤の少なくとも一種を含有する。溶剤としては、アルコール等の水溶性有機溶剤、及びエステルやエーテル等の非水溶性有機溶剤が挙げられる。
これらの溶剤が本発明のインクジェットインク中に占める割合は、30質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。溶剤の占める割合は、30質量%以上であると所定領域内(例えば1画素内)に打滴されるインク量が保たれ、該領域(例えば画素)内でのインクの濡れ広がりが良好である。また、95質量%以下であると、インク中の機能膜(例えば画素等)を形成するための溶剤以外の成分の量を所定量以上に保つことができる。これより、カラーフィルタを形成する場合には、1画素当たりのインク必要量が多くなり過ぎることがなく、例えば隔壁で区画された凹部にインクジェット方式でインクを付与する場合に、凹部からのインク溢れや隣の画素との混色の発生を抑制することができる。
非水溶性有機溶剤は、用いるモノマー、バインダー、分散剤などに高極性基がなくても溶解させることができるため、インクとしての粘度を低く抑えることが可能な点でより好ましい。
本発明のインクジェットインクは、基板に対する濡れ性の点で、前記溶剤のうち、インク中の全溶剤量の70質量%以上が、下記一般式(2)で表されるアルカンジオールの誘導体であることが好ましい。
<一般式(2)>
A−O−(C2m−O)−B
前記一般式(2)で表されるアルカンジオールの誘導体の総炭素数は、12以下である。また、一般式(2)において、mは2〜7の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、A及びBはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はアセチル基を表す。A及びBは、同一でも異なっていてもよいが、AとBとが同時に水素原子となることはない。
前記一般式(2)で表される溶剤が全溶剤量の70%以上含まれることで、非浸透性の基板に対する濡れ性促進剤の効果をより顕著に発現させることができる。この理由は明らかではないが、前記溶剤と本発明における濡れ性促進剤とが類似の構造を持つことで、両者の親和性が高くなり、効果が発現しやすくなるものと推測される。
アルカンジオール部位の好ましい例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール等が挙げられる。
前記アルカンジオールの誘導体としては、モノエーテル、ジエーテル、モノエーテルアセテート、ジアセテートが好ましい。
前記アルカンジオールの誘導体の例示化合物であるモノエーテルとしては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ブタンジオールモノメチルエーテル、ブタンジオールモノエチルエーテル、ブタンジオールモノプロピルエーテル、ブタンジオールモノブチルエーテル、ペンタンジオールモノメチルエーテル、ペンタンジオールモノエチルエーテル、ペンタンジオールモノプロピルエーテル、ペンタンジオールモノブチルエーテル、ヘキサンジオールモノメチルエーテル、ヘキサンジオールモノエチルエーテル、ヘキサンジオールモノプロピルエーテル、ヘキサンジオールモノブチルエーテル、ヘプタンジオールモノメチルエーテル、ヘプタンジオールモノエチルエーテル、ヘプタンジオールモノプロピルエーテル、ヘプタンジオールモノブチルエーテル、オクタンジオールモノメチルエーテル、オクタンジオールモノエチルエーテル、オクタンジオールモノプロピルエーテル、オクタンジオールモノブチルエーテル等が挙げられる。
前記アルカンジオールの誘導体の例示化合物であるジエーテルとしては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジプロピルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、ブタンジオールジメチルエーテル、ブタンジオールジエチルエーテル、ブタンジオールジプロピルエーテル、ブタンジオールジブチルエーテル、ペンタンジオールジメチルエーテル、ペンタンジオールジエチルエーテル、ペンタンジオールジプロピルエーテル、ペンタンジオールジブチルエーテル、ヘキサンジオールジメチルエーテル、ヘキサンジオールジエチルエーテル、ヘキサンジオールジプロピルエーテル、ヘプタンジオールジメチルエーテル、ヘプタンジオールジエチルエーテル、オクタンジオールジメチルエーテル、オクタンジオールジエチルエーテル等が挙げられる。
前記アルカンジオールの誘導体の例示化合物であるモノエーテルアセテートとしては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルエーテルアセテート、ブタンジオールモノメチルエーテルアセテート、ブタンジオールモノエチルエーテルアセテート、ブタンジオールモノプロピルエーテルアセテート、ブタンジオールモノブチルエーテルアセテート、ペンタンジオールモノメチルエーテルアセテート、ペンタンジオールモノエチルエーテルアセテート、ペンタンジオールモノプロピルエーテルアセテート、ペンタンジオールモノブチルエーテルアセテート、ヘキサンジオールモノメチルエーテルアセテート、ヘキサンジオールモノエチルエーテルアセテート、ヘキサンジオールモノプロピルエーテルアセテート、ヘキサンジオールモノブチルエーテルアセテート、ヘプタンジオールモノメチルエーテルアセテート、ヘプタンジオールモノエチルエーテルアセテート、ヘプタンジオールモノプロピルエーテルアセテート、オクタンジオールモノメチルエーテルアセテート、オクタンジオールモノエチルエーテルアセテート、等が挙げられる。
前記アルカンジオールの誘導体の例示化合物であるジアセテートとしては、例えば、ジエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、プロパンジオールジサエテート、ジプロピレングリコールジアセテート、ブタンジオールジアセテート、ペンタンジオールジアセテート、ヘキサンジオールジアセテート等が挙げられる。
また、本発明のインクジェットインクは、ノズルに対するインクの吐出性及び基板に対する濡れ性の点で、前記溶剤のうち、沸点の高い溶剤を含有していることが好ましい。沸点の低い溶剤は、インクジェットヘッド上でもすばやく蒸発するため、ヘッド上でのインクの粘度上昇や固形分の析出等を容易に引き起こし、吐出性の悪化を伴う場合が多い。また、インクが基板に着弾し、基板上を濡れ拡がる場合も、濡れ拡がりの縁の部分において溶剤が蒸発することでインクの粘度上昇が起こり、ピニング(PINNING)という現象により、濡れ拡がりが抑えられる場合がある。
具体的には、良好な濡れ拡がり効果が得られる点で、含有する溶剤のうち全溶剤量の70質量%以上が、常温常圧(25℃、760mmHg)下で220℃以上の沸点を有する化合物で構成されることが好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。該常温常圧下で220℃以上の沸点を有する化合物(溶剤)としては、特開2000−310706号公報の段落番号[0031]〜[0037]に記載の高沸点溶媒や、アルキレングリコールモノエーテル、アルキレングリコールモノエーテルアセテート、アルキレングリコールモノアセテート、アルキレングリコールジアセテート等が挙げられる。
また、前記アルカンジオールの誘導体の中でも、常温常圧下での沸点が220℃以上の溶剤について良好に用いることが可能である。
中でも、非浸透性の基板上に着弾した後の濡れ拡がりが良好な点で、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコール−n−ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1,3−ブタンジオールジアセテート、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレンカーボネート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテルアセテート等が特に好ましい。
また、溶剤の沸点の上限については、本発明のインクジェットインクを用いてインクジェット方式により機能膜(例えばカラーフィルタ)を作製することができる限り、特に制約されるものではないが、インクの調製工程及びカラーフィルタを作製する場合の製造工程における操作性の観点からみると、沸点は290℃以下、好ましくは280℃以下の、常温(25℃)で比較的低粘度の液体である有機溶剤が望ましい。
(色材)
本発明のインクジェットインクは、少なくとも1種の色材を含有する。
本発明において使用される色材は、有機顔料、無機顔料、染料など、公知のものを使用できるが、充分な透過濃度や耐光性、基板への密着性、その他の諸耐性が要求されるため、種々の顔料が好適である。
色材の具体例としては、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists社発行)において、ピグメント(Pigment)に分類されている化合物や、特開2005−17716号公報の段落番号[0038]〜[0054]に記載の顔料及び染料や、特開2004−361447号公報の段落番号[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報の段落番号[0080]〜[0088]に記載の色材を好適に用いることができる。色材として顔料を含有することで、着色された機能膜(例えば着色画素)の保存安定性が向上する。
色材のインクジェットインク中における含有量は、特に限定されるものではないが、所望の色相、濃度を得るという観点から、10質量%以上が好ましく、12〜70質量%がさらに好ましく、15〜60質量%がより好ましく、20〜50質量%が特に好ましい。
顔料としては、赤色、緑色、又は青色の顔料を含むことが好ましい。これにより、本発明のインクジェットインクを用いて、カラーフィルタを構成する赤色画素、緑色画素、及び青色画素を好適に形成できる。
前記顔料としては、C.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・ブルー15:6、及びC.I.ピグメント・バイオレット23から選択される1種以上であることが好ましい。これらの顔料を含有することにより、インクジェットインク中の顔料の分散状態が安定化し、また、色純度も良好となる。
赤色画素形成用のインクジェットインク中の顔料は、少なくとも1種の赤色顔料を含むことが好ましいが、1種のみの赤色顔料を用いる形態に限定されることはなく、2種以上の赤色顔料を組み合わせて混合系顔料として用いる形態や、赤色顔料とその他の色の顔料とを組み合わせて混合系顔料として用いる形態も好適である。このような組み合わせとしては、例えば、C.I.ピグメント・レッド254では、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド224、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー150、又は、C.I.ピグメント・バイオレット23との組み合わせが挙げられる。
緑色画素形成用のインクジェットインク中の顔料は、少なくとも1種の緑色顔料を含むことが好ましいが、1種のみの緑色顔料を用いる形態に限定されることはなく、2種以上の緑色顔料を組み合わせて混合系顔料として用いる形態や、緑色顔料とその他の色の顔料とを組み合わせて混合系顔料として用いる形態も好適である。このような組み合わせとしては、例えば、C.I.ピグメント・グリーン36では、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・イエロー138、又は、C.I.ピグメント・イエロー180との組み合わせが挙げられる。C.I.ピグメント・グリーン7は、C.I.ピグメント・グリーン36に代えて、又は共に用いることができる。
青色画素形成用のインクジェットインク中の顔料は、少なくとも1種の青色顔料を含むことが好ましいが、1種のみの青色顔料を用いる形態に限定されることはなく、2種以上の青色顔料を組み合わせて混合系顔料として用いる形態や、青色顔料とその他の色の顔料とを組み合わせて用いる形態も好適である。このような組み合わせとしては、例えば、C.I.ピグメント・ブルー15:6では、C.I.ピグメント・バイオレット23、又は、C.I.ピグメント・ブルー60との組み合わせが挙げられる。
このように複数種の顔料を併用する場合の、顔料中のC.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・グリーン36及び/又はC.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・ブルー15:6の含有量としては、C.I.ピグメント・レッド254については色純度の観点等から30質量%以上が好ましく、特に40質量%以上が好ましい。また、C.I.ピグメント・グリーン36については、色純度の観点等から40質量%以上が好ましく、特に50質量%以上が好ましい。また、C.I.ピグメント・ブルー15:6については、色純度の観点等から70質量%以上が好ましく、特に80質量%以上が好ましい。
本発明で用いる顔料は、数平均粒径1〜200nmのものが好ましく、10〜100nmのものがより好ましく、10〜50nmのものが特に好ましい。顔料の数平均粒径が1nm以上であれば、粒子の表面エネルギーが小さくなるため凝集しにくくなり、顔料分散が容易になると共に、分散状態を安定に保つのが容易になるため好ましい。また、顔料の数平均粒径が200nm以下であれば、顔料による偏光の解消が生じにくいため、コントラストが向上し、好ましい。
なお、ここでの「粒径」とは、粒子の電子顕微鏡写真画像と同面積の円を考えたときの該円の直径をいい、また「数平均粒径」とは、多数の粒子について上記の粒径を求め、この100個平均値をいう。
上記の顔料は、分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記顔料と前記溶剤とを、好ましくは後述する顔料分散剤を予め混合して得られる組成物を、公知の分散機を用いて分散させることによって調製することができる。この際に、顔料の分散安定性を付与するために、少量の樹脂を添加してもよい。また、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述するモノマーに添加して分散させることによって調製することも可能である。前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438頁に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310頁記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
また、本発明では必要に応じて、無機顔料あるいは体質顔料を用いることができる。無機顔料又は体質顔料を用いることで、機能膜(例えば着色画素)の厚みを適度に調整したり、インクジェットインクの粘度を適度に調節し、機能膜(例えば着色画素)の硬度や形状さらには耐久性を向上させたりすることができる。
無機顔料又は体質顔料の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等を挙げることができる。体質顔料の添加量は目的に応じて、適宜調節することができるが、全顔料に対して1質量%〜70質量%の範囲が好ましく、5質量%〜50質量%の範囲がより好ましい。
(顔料分散剤)
本発明のインクジェットインクには、顔料の分散安定性を得るために、顔料分散剤を添加することが好ましい。
その使用量はインクジェットインク全質量に対して0.1〜10質量%の範囲が好ましく、0.1〜9質量%がより好ましく、0.1〜8質量%での範囲が特に好ましい。
顔料分散剤として、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルとの塩、高分子量不飽和エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルりん酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、顔料誘導体などを用いることができる。
顔料分散剤の具体例としては、特開2005−15672号公報の段落番号[0021]〜[0023]に記載の例が、本発明に好適なものとして使用できる。
(重合性モノマー)
本発明のインクジェットインクは、重合性モノマー(以下、「硬化性成分」ともいう)の少なくとも1種を用いて構成することができる。この重合性モノマーとしては、特に制限は無いが、各種置換基のバリエーションが多く、入手が容易な点で、(メタ)アクリル系モノマー、エポキシ系モノマー、及びオキセタニル系モノマーから選択される1種以上を含有することが好ましい。
重合性モノマーとしては、重合性基を2つ以上有するモノマー(以下、「2官能以上のモノマー」ともいう)が好ましい。重合性モノマーとしては、活性エネルギー線及び/又は熱により重合反応可能であれば特に限定されるものではないが、膜の強度や耐溶剤性等の点から、重合性基を3つ以上有するモノマー(以下、「3官能以上のモノマー」ともいう)がより好ましい。
前記重合性基の種類としては、特に制限はないが、上記の通り、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、オキセタニル基が特に好ましい。
重合性モノマーの具体例としては、特開2001−350012号公報の段落番号[0061]〜[0065]に記載のエポキシ基含有モノマー、特開2002−371216号公報の段落番号[0016]に記載のアクリレートモノマー及びメタクリレートモノマー、特開2001−220526号公報、特開2001−310937号公報、特開2003−341217号公報の段落番号[0021]〜[0084]及び特開2004 −91556号公報の段落番号[0022]〜[0058]等に記載のオキセタニル基含有モノマー、並びに、シーエムシー出版「反応性モノマーの市場展望」に記載のモノマー等が挙げられる。
エポキシ系モノマーであるエポキシ基含有モノマーとしては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、3官能型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA含核ポリオール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂などを挙げることができる。
より具体的には、商品名エピコート828(油化シェルエポキシ社製)などのビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名YDF−175S(東都化成社製)などのビスフェノールF型エポキシ樹脂、商品名YDB−715(東都化成社製)などの臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名EPICLON EXA1514(大日本インキ化学工業社製)などのビスフェノールS型エポキシ樹脂、商品名YDC−1312(東都化成社製)などのハイドロキノン型エポキシ樹脂、商品名EPICLON EXA4032(大日本インキ化学工業社製)などのナフタレン型エポキシ樹脂、商品名エピコートYX4000H(油化シェルエポキシ社製)などのビフェニル型エポキシ樹脂、商品名エピコート157S70(油化シェルエポキシ社製)などのビスフェノールA型ノボラック系エポキシ樹脂、商品名エピコート154(油化シェルエポキシ社製)、商品名YDPN−638(東都化成社製)などのフェノールノボラック型エポキシ樹脂、商品名YDCN−701(東都化成社製)などのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、商品名EPICLON HP−7200(大日本インキ化学工業社製)などのジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、商品名エピコート1032H60(油化シェルエポキシ社製)などのトリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、商品名VG3101M80(三井化学社製)などの3官能型エポキシ樹脂、商品名エピコート1031S(油化シェルエポキシ社製)などのテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、商品名デナコールEX−411(ナガセ化成工業社製)などの4官能型エポキシ樹脂、商品名ST−3000(東都化成社製)などの水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名エピコート190P(油化シェルエポキシ社製)などのグリシジルエステル型エポキシ樹脂、商品名YH−434(東都化成社製)などのグリシジルアミン型エポキシ樹脂、商品名YDG−414(東都化成社製)などのグリオキザール型エポキシ樹脂、商品名エポリードGT−401(ダイセル化学社製)などの脂環式多官能エポキシ化合物、トリグリシジルイソシアネート(TGIC)などの複素環型エポキシ樹脂などを例示することができる。また、必要であれば、エポキシ反応性希釈剤として、商品名ネオトートE(東都化成社製)などを混合することができる。
また、(メタ)アクリル系モノマーであるアクリレートモノマー及びメタクリレートモノマーとしては、3官能モノマーとして例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンPO(プロピレンオキサイド)変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO(エチレンオキサイド)変性トリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどが挙げられる。また、4官能以上のモノマーとして例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートなどが挙げられる。
また、オキセタニル系モノマーであるオキセタニル基含有モノマーとしては、特開2003−341217号公報の段落番号[0021]〜[0084]に記載の化合物を好適に使用できる。更に、特開2004 −91556号公報の段落番号[0022]〜[0058]に記載の化合物も使用することができる。
以下、オキセタニル基含有モノマーの具体例([O−1]〜[O−25])を挙げる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
Figure 2009013206
Figure 2009013206
Figure 2009013206
Figure 2009013206
これらのオキセタニル基を有する化合物(オキセタニル基含有モノマー)は、インクジェットインクの固形分に対して、好ましくは0.1〜70質量%、より好ましくは0.5〜60質量%、さらに好ましくは1〜50質量%の割合で添加することができる。また、前記オキセタニル基含有モノマー(オキセタン系化合物)は、1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。
インクジェットインクの粘度を低下させ、吐出後のインク(例えば画素部)の重合反応を促進する目的で、単官能モノマーや2官能モノマーを適宜併用してもよい。これらの単官能モノマーや2官能モノマーを併用すると、インクの粘度が低下し、ノズル詰まりを防止できる効果が得られる。これらの単官能モノマーや2官能モノマーとしては、例えば特開2001−350012号公報の段落番号[0065]に記載の単官能のエポキシ基含有モノマーや、特開2002−371216号公報の段落番号0015〜0016に記載の単官能又は2官能のアクリレートモノマーやメタクリレートモノマー及びシーエムシー出版による「反応性モノマーの市場展望」に記載の1〜2官能のモノマー等が挙げられる。
また、膜の強度を補ったり、基板との密着を付与したりする目的で、高粘度の多官能モノマーやウレタンアクリレート等の高極性モノマー、オリゴマー等を使用してもよい。好ましい多官能モノマーや高極性モノマー、及びオリゴマーとしては特に制限はなく、汎用のものを使用可能である。例えばジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタンアクリレート(例えば東亜合成(株)製アロニクスM−1000、M−1200、M−1210、M−1600)、ポリエステルアクリレート(例えば東亜合成(株)製アロニクスM−6100、M−6200、M−6250、M−6500、M−7100、M−7300K、M−8030、M−8060、M−8100、M−8530、M−8560、M−9050)、等が挙げられる。
前記重合性モノマーの含有量は、インクジェットインクの固形分中の20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましい。モノマーの使用量が20質量%以上であれば、機能膜(例えば着色画素)の重合が十分となるため、機能膜(例えば着色画素)の膜強度の不足に起因する傷の発生が起こりにくくなったり、透明導電膜を付与する際にクラックやレチキュレーションが発生しにくくなったり、配向膜を設ける際の耐溶剤性が向上したり、電圧保持率を低下させない等の効果が得られる。ここで、配合割合を特定するためのインクジェットインクの固形分とは、溶剤を除く全ての成分を含み、液状の重合性モノマー等も固形分に含まれる。
(バインダー樹脂)
本発明のインクジェットインクには、例えば、粘度の調整、機能膜(例えば着色画素)の硬度の調整、機能膜(例えば着色画素)の形状制御の目的で、バインダー樹脂を用いることが好ましい。
バインダー樹脂としては、それ自体は重合反応性のない樹脂のみから構成されるような単に乾燥固化するバインダー樹脂を用いてもよい。具体的には、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アイオノマー樹脂、エチレンエチルアクリレート樹脂、アクリロニトリルアクリレートスチレン共重合樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、アクリロニトリル塩化ポリエチレンスチレン共重合樹脂、エチレン酢ビ樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、酢酸セルロース樹脂、フッ素樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリレート樹脂、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、ポリスチレンマレイン酸共重合樹脂、ポリスチレンアクリル酸共重合樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート樹脂、ブチラール樹脂、ホルマール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、及びこれらの共重合樹脂などを挙げることができる。これらは、膜強度、粘度、インクジェットインクの残部粘度、顔料の分散安定性、熱安定性、非着色性、耐水性、耐薬品性を考慮し、適宜選択することができる。
バインダー樹脂の添加量は、特に制限はないが、インクジェットインクの固形分100質量部に対して、0.1質量部〜70質量部が好ましい。バインダー樹脂は溶剤に溶解させて用いてもよく、また溶剤に分散させて用いることも可能である。溶剤に分散させて用いる場合は、分散されるバインダー樹脂の平均粒径は1.0μm以下が好ましく、0.1μm以下がより好ましい。平均粒径が1.0μm以下であると、ヘッドでの詰まり、膜の透明性、平滑性の低下を防止することができる。
また、バインダー樹脂は、インクジェットインクの粘度を上昇させる場合があり、本質的にこれを用いないことも好ましい。
また、硬化後に充分な強度、耐久性、密着性を付与するためには、インクジェット方式により基板上にインクジェットインクを付与後、インクジェットインクを重合反応により硬化させることのできるバインダー樹脂を用いるのが好ましい。例えば、可視光線、紫外線、電子線等により重合硬化させることができる光硬化性バインダー樹脂や、加熱により重合硬化させることができる熱硬化性バインダー樹脂のような、重合硬化可能なバインダー樹脂を用いることができる。
(1)光硬化性バインダー樹脂
紫外線、電子線等の光により重合硬化させることができる光硬化性樹脂(光硬化性バインダー樹脂)においては、付与されたインクジェットインクの液滴の形状安定性や基盤に対する密着性を付与することを目的として比較的分子量の大きい重合体を含むことができる。ここでいう比較的分子量が大きいとは、所謂モノマーやオリゴマーよりも分子量が大きいことをいう。比較的分子量の大きい重合体としては、それ自体は重合反応性のない重合体、及び、それ自体が重合反応性を有する重合体のいずれを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合反応性のない重合体としては、例えば、次のモノマーの2種以上からなる共重合体を用いることができる。
モノマー:アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、スチレン、ポリスチレンマクロモノマー、及びポリメチルメタクリレートマクロモノマー。
重合反応性のない重合体は、より具体的には、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレートマクロモノマー/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレンマクロモノマー共重合体などを例示することができる。
それ自体が重合反応性を有する重合体としては、光照射を受けてそれ自体が重合反応を生じるか、又は、光照射を受けて活性化した光重合開始剤などの他の成分の作用により重合反応を誘起するものを用いることができる。
各種のエチレン性二重結合含有化合物は、それ自体が重合反応性を有し、光硬化性樹脂として利用できる。従来において、例えばインク、塗料、接着剤などの各種分野で用いられているUV硬化性樹脂組成物に配合されているプレポリマーは、本発明における比較的分子量の高い重合体として使用できる。従来から知られているプレポリマーとしては、ラジカル重合型プレポリマー、カチオン重合型プレポリマー、チオール・エン付加型プレポリマーなどがあるが、いずれを用いてもよい。
この中で、ラジカル重合型プレポリマーは、市場において最も容易に入手でき、例えば、エステルアクリレート類、エーテルアクリレート類、ウレタンアクリレート類、エポキシアクリレート類、アミノ樹脂アクリレート類、アクリル樹脂アクリレート類、不飽和ポリエステル類などを例示できる。
本発明においては、インクジェットインクの粘度が高すぎて吐出ヘッドからの吐出性に悪影響を及ぼさないように、それ自体が重合反応性を有する重合体として用いられるエチレン性二重結合含有化合物の分子量は、重量平均分子量で100,000以下であることが好ましい。
前記比較的分子量の大きい重合体は、インクジェットインクの固形分全質量に対して、通常、1〜50質量%の割合で配合することができる。
(2)熱硬化性バインダー樹脂
熱硬化性バインダー樹脂としては、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物と硬化剤との組み合わせが通常用いられ、更に、熱硬化反応を促進できる触媒を添加してもよい。熱硬化性官能基としてはエポキシ基が好ましく用いられる。また、これらにそれ自体は重合反応性のない重合体を更に用いてもよい。
1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物として、通常は、1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物が用いられる。1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物は、エポキシ基を2個以上、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜20個を1分子中に有するエポキシ化合物(エポキシ樹脂と称されるものを含む)である。エポキシ基は、オキシラン環構造を有する構造であればよく、例えば、グリシジル基、オキシエチレン基、エポキシシクロヘキシル基等を示すことができる。エポキシ化合物としては、カルボン酸により硬化しうる公知の多価エポキシ化合物を挙げることができ、このようなエポキシ化合物は、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)等に広く開示されており、これらを用いることが可能である。
エポキシ化合物としては、硬化膜に耐溶剤性や耐熱性を付与するために、比較的分子量の大きい重合体と、硬化膜の架橋密度を高くしたり、低粘度化によりインクジェット吐出性能を向上させたりするために、比較的分子量の小さい化合物とを併用することが好ましい。
比較的分子量の大きい重合体であるエポキシ化合物(以下、「バインダー性エポキシ化合物」ということがある)として、少なくとも下記一般式(11)で表される構成単位の少なくとも1種と下記一般式(12)で表される構成単位の少なくとも1種とから構成され且つグリシジル基を2個以上有する重合体を用いることができる。
Figure 2009013206
式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、Rは炭素数1〜12の炭化水素基である。また、Rは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。
前記一般式(11)で表される構成単位は、下記一般式(13)で表されるモノマーから誘導することができる。
Figure 2009013206
前記一般式(13)中、R及びRは、前記一般式(11)におけるR及びRと同義である。
前記一般式(13)で表されるモノマーをバインダー性エポキシ化合物の構成単位の少なくとも1種として用いることにより、本発明のインクジェットインクにより形成される機能膜(例えば着色画素)に良好な硬度及び透明性を付与することができる。一般式(13)において、Rは、炭素数1〜12の炭化水素基であり、直鎖脂肪族、脂環式、芳香族いずれの炭化水素基であってもよく、さらに付加的な構造、例えば二重結合、炭化水素基の側鎖、スピロ環の側鎖、環内架橋炭化水素基等を含んでいてもよい。
前記一般式(13)で表されるモノマーとして、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、パラ−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等を例示することができる。
前記一般式(13)において、Rとして好ましいのは水素原子又はメチル基であり、Rとして好ましいのは炭素数1〜12のアルキル基であり、その中でも特にメチル基及びシクロヘキシル基が好ましい。前記一般式(13)で表されるモノマーの中で好ましいものとして、具体的にはメチルメタクリレート(MMA)及びシクロヘキシルメタクリレート(CHMA)を挙げることができる。
重合体中の前記一般式(12)で表される構成単位は、下記一般式(14)で表されるモノマーから誘導される。下記一般式(14)中、Rは前記一般式(12)におけるRと同義である。
Figure 2009013206
前記一般式(14)で表されるモノマーは、例えば、重合体中にエポキシ基(エポキシの反応点)を導入するために用いることができる。
前記一般式(14)において、Rとして好ましいのは水素原子又はメチル基である。一般式(14)で表されるモノマーとして、具体的にはグリシジル(メタ)アクリレートを例示することができ、特にグリシジルメタクリレート(GMA)が好ましい。
比較的分子量の大きい重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。また、この重合体は、カラーフィルタの各細部に必要とされる性能、例えば硬度や透明性等が確保できる限り、前記一般式(11)あるいは前記一般式(12)以外の主鎖構成単位を含んでいてもよい。そのようなモノマーとして具体的には、アクリロニトリル、スチレン等を例示することができる。
前記バインダー性エポキシ化合物中の前記一般式(11)で表される構成単位と前記一般式(12)で表される構成単位の含有量は、一般式(11)で表される構成単位を誘導する単量体と一般式(12)で表される構成単位を誘導する単量体との仕込み質量比(一般式(11)を誘導する単量体:一般式(12)を誘導する単量体)で表したとき、10:90〜90:10の範囲内であるのが好ましい。
一般式(11)で表される構成単位の割合が上記の質量比90:10以下であることにより、硬化の反応点の比率を多くすることができ架橋密度をより高くすることができる。また、一般式(12)の構成単位の量が上記の比10:90以下であることにより、嵩高い骨格の比率を多くすることができ硬化収縮を抑制することができる。
また、バインダー性エポキシ化合物の重量平均分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で表したときに、3,000以上、特に4,000以上であることが好ましい。上記バインダー性エポキシ化合物の重量平均分子量が3,000以上であることにより、カラーフィルタの細部としての機能膜(例えば着色画素)に要求される強度、耐溶剤性等の物性が良好になる。
更に、バインダー性エポキシ化合物の重量平均分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で表したときに、20,000以下であることが好ましく、更に15,000以下であることが特に好ましい。当該分子量が20,000以下であることにより、粘度上昇を抑制することができ、吐出ヘッドから吐出する時の吐出量の安定性や吐出方向の直進性が良好になる。また、長期保存の安定性が良好になる。
上記バインダー性エポキシ化合物としては、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が上記範囲にあるグリシジルメタクリレート(GMA)/メチルメタクリレート(MMA)系共重合体を用いるのが特に好ましい。なお、GMA/MMA系共重合体は本発明の目的を達成し得るものである限り、他のモノマー成分を含有していてもよい。
(重合開始剤)
本発明のインクジェットインクは、重合性モノマー及びバインダー樹脂の重合反応を促進する目的で、重合開始剤を併用してもよい。重合開始剤は、インクジェットインクに用いる重合性モノマー及びバインダーの種類、重合経路にあわせて選択することができる。
(1)アクリレート(メタクリレート)モノマー、光硬化性バインダー樹脂に好適な重合開始剤
アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、光硬化性バインダー樹脂に好適な重合開始剤としては、重合反応を活性エネルギー線により行わせる場合には光重合開始剤が用いられ、重合反応を熱により行わせる場合には熱重合開始剤が用いられる。光重合開始剤としては、例えば特開2006−28455号公報の段落番号[0079]〜[0088]に記載のものが挙げられ、好ましい具体例としては、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾールや、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチルアミノ)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジンが挙げられる。
また、熱重合開始剤としては、一般に知られている有機過酸化物系化合物やアゾ系の化合物を用いることができる。これにより、機能膜(例えば着色画素)の強度を向上させることが可能となる。また、熱重合開始剤の他に、イミダゾールなどの硬化触媒を用いることもできる。有機過酸化物系化合物及びアゾ系化合物は、1種単独で用いる以外に2種以上を併用することができる。ここで、有機過酸化物は、過酸化水素(H−O−O−H)の誘導体であり、分子内に−O−O−結合を持つ有機化合物をいう。
化学構造で分類すると、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。具体的には、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ベンゾイルパーオキサイド、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ビス(m−トルイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、
t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、メチルヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が好ましく、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール系化合物、ベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド系化合物、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル系化合物が好ましい。
また、前記アゾ系化合物としては、例えば特開平5−5014号公報の段落番号[0021]〜[0023]に記載の化合物が挙げられる。これらの化合物の中でも、好ましくは分解温度がある程度高く常温では安定なもので、熱をかけると分解してラジカルを発生し、重合開始剤となる化合物である。有機過酸化物系化合物又はアゾ系化合物(熱重合開始剤)の中でも、半減期温度の比較的高いもの(好ましくは50℃以上、更に好ましくは80℃以上)のものを使用すると、組成物の粘度が経時変化することなく好適に構成でき、例えば、アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等が好ましい熱重合開始剤として挙げられる。
アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、光硬化性バインダー樹脂に好適な光重合開始剤及び/又は熱重合開始剤の含有量としては、インクジェットインクの固形分質量に対して、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜5質量%である。重合開始剤の含有量は、重合性モノマーに対して0.1質量%以上であると重合開始剤としての効果を十分に発揮することができ、また、10質量%以下であるとインクジェットインクの粘度の経時変化を抑制したり、重合開始剤の分解物による着色の発生を防いだりすることができる。
これらの重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
(2)オキセタニル基含有モノマー又はバインダー樹脂に好適な重合開始剤
オキセタニル基含有モノマー又はバインダー樹脂に好適な重合開始剤としては、酸を発生させる化合物を挙げることができる。酸を発生させる化合物とは、インクジェットインクの吐出後に光又は熱により酸を発生させうる化合物を意味し、吐出後のインクジェットインクの液滴中で、光及び/又は熱の作用によりブレンステッド酸、ルイス酸を発生するものであれば、いかなる化合物も使用することができる。
発生させる酸としては、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、硫酸、硫酸モノエステル、スルフィン酸、塩酸、硝酸、ホウ酸、トリフルオロホウ酸、ホウ素錯体、アンチモン誘導体、ヘキサフルオロリン酸などを挙げることができる。
その中でも、前記オキセタニル基含有モノマー(オキセタン化合物)を光及び/又は熱により効果的に硬化させることのできる酸としては、塩酸、スルホン酸、又は、ホウ素原子若しくはリン原子を有する酸を発生させることが好ましく、リン原子を有する酸を発生させることが最も好ましい。
このような酸を発生させる具体的な化合物(光重合開始剤)としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、有機ホウ酸塩化合物、ジスルホン化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物が挙げられる。中でも、ヨードニウム塩又はスルホニウム塩などのオニウム塩酸発生剤が好適に用いられる。
有機ハロゲン化化合物としては、具体的には、若林等、「Bull Chem.Soc Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号公報、特開昭48−36281号公報、特開昭55−32070号公報、特開昭60−239736号公報、特開昭61−169835号公報、特開昭61−169837号公報、特開昭62−58241号公報、特開昭62−212401号公報、特開昭63−70243号公報、特開昭63−298339号公報、M.P.Hutt“Jurnal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)」等に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基を有するオキサゾール化合物、s−トリアジン化合物が挙げられる。
有機ホウ酸塩化合物としては、例えば、特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開平9−188685号、特開平9−188686号、特開平9−188710号、特開2000−131837号、特開2002−107916号、特許第2764769号、特願2000−310808号、等の各公報、及び、Kunz,Martin“Rad Tech’98.Proceeding April 19−22,1998,Chicago”等に記載された有機ホウ酸塩、特開平6−157623号公報、特開平6−175564号公報、特開平6−175561号公報に記載の有機ホウ素スルホニウム錯体あるいは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報に記載の有機ホウ素ヨードニウム錯体、特開平9−188710号公報に記載の有機ホウ素ホスホニウム錯体、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が具体例として挙げられる。
ジスルホン化合物としては、特開昭61−166544号公報、特開2002−328465号公報(特願2001−132318号明細書)等に記載された化合物等が挙げられる。
オキシムエステル化合物としては、J.C.S. Perkin II (1979 )1653−1660)、J.C.S. Perkin II (1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報等に記載の化合物等が挙げられる。
オニウム塩化合物としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、特開平4−365049号公報等に記載のアンモニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号の各明細書に記載のホスホニウム塩、欧州特許第104、143号、米国特許第339,049号、同第410,201号の各明細書、特開平2−150848号、特開平2−296514号の各公報に記載のヨードニウム塩などが挙げられる。
本発明に好適に用いることのできるヨードニウム塩は、ジアリールヨードニウム塩であり、安定性の観点から、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基等の電子供与性基で2つ以上置換されていることが好ましい。より好ましくは、アルコキシ基が3置換以上、最も好ましくは、4置換以上置換されていることが好ましい。また、光による硬化性が良好なその他の好ましいジアリールヨードニウム塩の形態として、ジアリールの少なくとも1つが300nm以上に吸収を有するクロモフォアの一部を形成している。又は置換基として、300nm以上に吸収を有する官能基を有するヨードニウム塩などが好ましい。
本発明に好適に用いることのできるスルホニウム塩としては、欧州特許第370,693号、同390,214号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号の各明細書に記載のスルホニウム塩が挙げられ、安定性の感度点から好ましくは電子吸引性基で置換されていることが好ましい。電子吸引性基としては、ハメット値が0より大きいことが好ましい。好ましい電子吸引性基としては、ハロゲン原子、カルボン酸などが挙げられる。
また、その他の好ましいスルホニウム塩としては、熱分解性、安定性のバランス、また、増感剤などと併用した場合の光硬化性の観点から、トリアリールスルホニウム塩であり、ハロゲン原子、カルボキシ基などの電子吸引性基を少なくとも1つ有することが好ましく、更に好ましくは2置換以上、最も好ましくは3置換以上であることが好ましい。
また、その他の好ましいスルホニウム塩の形態として、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。別の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩は、トリアリールの少なくとも1つが300nm以上に吸収を有するクロモフォアの一部を形成している。又は置換基として、300nm以上に吸収を有する官能基を有するトリアリールスルホニウム塩などが好ましい。
また、オニウム塩化合物としては、J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
前記オキセタニル基含有モノマー又はバインダー樹脂に好適な重合開始剤の含有量は、インクジェットインク中の全固形分に対して、0.1〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜25質量%、特に好ましくは1〜20質量%である。含有量が前記範囲内であると、より良好な感度と強固な硬化部を形成することができる。また、上記、酸を発生させる化合物は1種又は2種以上を混合して使用することができる。
(硬化剤)
エポキシ系モノマー(エポキシ基含有モノマー)、熱硬化性バインダー樹脂には、通常、硬化剤を組み合わせて配合することができる。硬化剤としては、エポキシ樹脂技術協会発行の「総説エポキシ樹脂基礎編I」2003年11月19日発行、第3章に記載の硬化剤、促進剤を好適に用いることができ、例えば、多価カルボン酸無水物又は多価カルボン酸を用いることができる。
多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ジメチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂肪族又は脂環族ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸二無水物;無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸無水物;エチレングリコールビストリメリテート、グリセリントリストリメリテートなどのエステル基含有酸無水物を挙げることができ、特に好ましくは、芳香族多価カルボン酸無水物を挙げることができる。また、市販のカルボン酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適に用いることができる。
また、本発明に用いられる多価カルボン酸の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸などの脂肪族多価カルボン酸、及びフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸を挙げることができ、好ましくは芳香族多価カルボン酸を挙げることができる。
また、本発明に用いることができる多価カルボン酸には、ビニルエーテルブロックカルボン酸を用いることが好ましい。具体的にはエポキシ樹脂技術協会発行の「総説エポキシ樹脂基礎編I」P193〜194、特開2003−66223号公報、特開2004−339332号公報、に記載のビニルエーテルブロックカルボン酸をあげることができる。カルボン酸をビニルエーテルでブロック化することで、カルボン酸とエポキシ化合物の付加反応(エステル化反応)が室温で徐々に進行し、インクジェットインクの粘度が経時で上昇することを抑制することができる。また、各種溶剤やエポキシモノマー、エポキシ樹脂への溶解性が向上し均一な組成を作ることができる。このビニルエーテルブロックカルボン酸は後述の熱潜在性触媒と併用することが好ましい。熱潜在性触媒と併用することで加熱時に脱ブロック化反応が促進され、加熱時の膜ベリが少なく、より強度の高いカラーフィルタを形成することが出来る。
これら多価カルボン酸無水物及び多価カルボン酸は、1種単独でも2種以上の混合でも用いることができる。本発明に用いられる硬化剤の配合量は、エポキシ基を含有する成分(モノマーと樹脂)100質量部当たり、通常は1〜100質量部の範囲であり、好ましくは5〜50質量部である。硬化剤の配合量を1質量部以上とすることで、硬化性が良好となり、強靭な機能膜(例えば着色画素)を形成することができる。また、硬化剤の配合量を100質量部以下とすることで、形成された機能膜(例えば着色画素)の基板に対する密着性を良好にすることができるうえに、均一で平滑な機能膜(例えば着色画素)を形成することができる。
(熱潜在性触媒)
また、本発明において、エポキシ基含有モノマー、熱硬化性バインダー樹脂を用いる場合には、機能膜(例えば着色画素)の硬度及び耐熱性を向上させるために、酸−エポキシ間の熱硬化反応を促進できる触媒を添加してもよい。そのような触媒としては、加熱硬化時に活性を示す熱潜在性触媒を用いることができる。
熱潜在性触媒は、加熱されたとき、触媒活性を発揮し、硬化反応を促進し、硬化物に良好な物性を与えるものであり、必要により加えられるものである。この熱潜在性触媒は、60℃以上の温度で酸触媒活性を示すものが好ましく、このようなものとしてプロトン酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、オニウム化合物類等が挙げられ、特開平4−218561号公報に記載されているような各種の化合物を使用することができる。
具体的には、
(イ)ハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、リン酸モノ及びジエステル類などを、アンモニア、モノメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、エタノールアミン類などの各種アミン若しくはトリアルキルホスフィン等で中和した化合物。
(ロ)BF、FeCl、SnCl、AlCl、ZnClなどのルイス酸を前述のルイス塩基で中和した化合物。
(ハ)メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などと第一級アルコール、第二級アルコールとのエステル化合物。
(ニ)第一級アルコール類、第二級アルコール類のリン酸モノエステル化合物、リン酸ジエステル化合物等を挙げることができる。
また、オニウム化合物としては、アンモニウム化合物[RNR、スルホニウム化合物[RSR、オキソニウム化合物[ROR等を挙げることができる。なお、R〜Rは、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基等を表し、Xは対アニオンを表す。
また、熱潜在性触媒は、液晶汚染性等の面から、ハロゲンフリーの酸性触媒であることが好ましい。ハロゲンフリーの酸性触媒として具体的には、ノフキュアーLC‐1及びノフキュアーLC‐2(いずれも商品名、日本油脂(株)製)を例示することができる。
(界面活性剤)
本発明のインクジェットインクには、さらに界面活性剤を用いてもよい。
界面活性剤の例として、特開平7−216276号公報の段落番号[0021]や、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。界面活性剤の含有量は、インクジェットインクの全量に対して5質量%以下が好ましい。
その他の添加剤としては、特開2000−310706号公報の段落番号[0058]〜[0071]に記載のその他の添加剤が挙げられる。
《インクジェットインクの製造方法》
本発明のインクジェットインクの製造には、公知のインクジェットインクの製造方法を適用することが可能である。すなわち、溶剤中にインクジェットインクに必要な各成分(例えば重合性モノマーやバインダーなど)を溶解させてモノマー液を調製した後に、このモノマー液と顔料が分散された顔料分散液とを混合してインクジェットインクを調製することができる。このとき、混合時の溶剤による顔料の凝集を避けるために、顔料分散液を攪拌しているところにモノマー液を少量づつ添加していくことが好ましい。
モノマー液を作製する際には、溶剤に対して使用する素材の溶解性が低い場合には、モノマー液が重合反応を起こさない範囲内で、加熱や超音波処理等の処理を適宜行うことが可能である、また、攪拌速度や顔料分散液へのモノマー液の添加速度等も適宜調節可能である。
本発明における濡れ性促進剤(アミノ基及びアルキレングリコール部位を分子内に有する化合物)は、インクジェットインクの調製に用いる顔料分散液中に添加されていてもよいし、モノマー液中に添加されていてもよい。本発明においては、モノマー液中に添加されていることが、非浸透性の基板に対する濡れ性を良好にする点でより好ましい。すなわち、顔料非吸着の濡れ性促進剤の存在量を増して濡れ性を効果的に高める観点から、本発明における濡れ性促進剤は、顔料を分散した後に添加することが好ましい。顔料分散液中に本発明における濡れ性促進剤を含有させる場合には、顔料への吸着等により、添加した量に対する濡れ性促進の効果が目減りしてしまい、有効な効果が発現しにくくなる場合がある。
(インクジェットインクの物性値)
本発明のインクジェットインクの物性値としては、インクジェットヘッドで吐出可能な範囲であれば特に限定されないが、25℃における粘度は、非浸透性の基板に対して良好な濡れ性を得る観点から、2mPa・s以上100mPa・s以下であることが好ましい。また、装置で吐出する際には、インクジェットインクの温度を20〜90℃の範囲でほぼ一定温度に保持することが好ましく、このときの粘度は2mPa・s以上40mPa・s以下とすることが好ましい。装置の温度を高温に設定すると、インクの粘度が低下し、より高粘度のインクを吐出可能となるが、温度が高くなることにより、熱によるインクの変性や熱重合反応がヘッド内で発生したり、インクを吐出するノズル表面で溶剤が蒸発しやすくなり、ノズル詰まりが起こりやすくなるため、装置の温度は50℃以下が好ましく、インクジェットインクの粘度は、25℃で5mPa・s以上50mPa・s以下が好ましい。
なお、粘度は、25℃にインクジェットインクを保持した状態で、一般に用いられるE型粘度計(例えば、東機産業(株)製E型粘度計(RE−80L)を用いることにより測定される値である。
また、インクジェットインクの25℃の表面張力としては、非浸透性の基板に対する濡れ性を向上する点で、10mN/m以上50mN/m以下が好ましく、15mN/m以上40mN/m以下がより好ましい。また、装置で吐出する際には、インクジェットインクの温度を20〜90℃の範囲で略一定温度に保持することが好ましく、そのときの表面張力を20〜40mN/mとすることが好ましい。インクジェットインクの温度を所定精度で一定に保持するためには、インク温度検出手段と、インク加熱もしくは冷却手段と、検出されたインク温度に応じて加熱もしくは冷却を制御する制御手段とを備えていることが好ましい。あるいは、インク温度に応じてインクを吐出させる手段への印加エネルギーを制御することにより、インク物性変化に対する影響を軽減する手段を有することも好適である。
前記表面張力は、一般的に用いられる表面張力計(例えば、協和界面科学(株)製、表面張力計FACE SURFACE TENSIOMETER CBVB−A3等)を用いて、ウィルヘルミー法で液温25℃、60%RHにて測定される値である。
また、インクジェットインクが基板着弾後に濡れ拡がる形状を適正に保つためには、基板に着弾後のインクジェットインクの液物性を所定に保持することが好ましい。このためには、基板もしくは/及び基板の近傍を所定温度範囲内に保持することが好ましい。あるいは、基板を支持する台の熱容量を大きくする等により、温度変化の影響を低減することも有効である。
<機能膜の製造方法>
本発明の機能膜の製造方法は、既述の本発明のインクジェットインクを、インクジェット方式により非浸透性の基板上に吐出し、溶剤の少なくとも一部を蒸発させて機能膜を形成する。上記した本発明のインクジェットインクを用いるので、非浸透性の基板上に吐出して膜形成する際に、基板上でインクが良好に濡れ拡がるので、均一な機能膜を形成することができる。
機能膜には、カラーフィルタを構成する着色画素などの着色膜やカラーフィルタに用いられる保護膜、配向膜や一般的なレジスト膜などの他に、基板上に塗布・乾燥して通常使用される全ての膜が含まれる。
以下、機能膜の製造方法の詳細については、以下のカラーフィルタの製造方法を例に説明する。
<カラーフィルタ及びその製造方法>
本発明のカラーフィルタは、前記本発明のインクジェットインクを用いて作製したことを特徴とする。本発明のカラーフィルタは、前記インクジェットインクを用いて作製されることにより、色ムラ、色抜けが抑制されており、しかも着色画素の平坦性に優れたものである。
本発明のカラーフィルタは、具体的には、隔壁により区画された基板上の凹部に、インクジェット方式により既述の本発明のインクジェットインクを吐出し、前記凹部にインク滴を付与して機能膜(好ましくは着色画素などの着色領域)を形成する工程(以下、「インク付与工程」ということがある。)を少なくとも設けることにより作製することができる。インク付与工程以外に、更に、少なくとも吐出されたインクジェットインクに対して、活性エネルギー線を照射する工程及び/又は加熱する工程を設けることができ、この場合には活性エネルギー線の照射及び/又は加熱により、少なくとも1つの機能膜(好ましくは着色画素などの着色領域)を重合硬化させることにより作製される。活性エネルギー線を照射する工程(照射工程)及び/又は加熱する工程(加熱工程)は、インクジェットインクを吐出後、該インクジェットインク中の有機溶剤の少なくとも一部を除去した後に設けることが画素の平坦性の点で好ましく、有機溶剤の少なくとも一部を除去した後に機能膜(好ましくは着色画素などの着色領域)を重合硬化させるようにすることができる。
基板上に形成される隔壁は、インク付与工程前に予め基板上に形成されたものであり、隔壁の形成方法の詳細については後述する。
インク付与工程は、隔壁(例えば濃色離画壁)により区画された基板上の凹部に、インクジェットインクの液滴を、インクジェット方式で吐出することで付与して機能膜(好ましくは着色画素などの着色領域)を形成する。この機能膜は、例えば、カラーフィルタを構成する赤色(R)、緑色(G)、青色(B)等の着色画素とすることができる。
機能膜の形成は、後述のようにして基板上に形成された隔壁により区画された基板上の凹部に、着色画素(例えばRGB3色の画素パターン)を形成するためのインクジェットインクを侵入させて、2色以上の複数の画素で構成されるように形成することができる。
なお、インクジェット方式については後述する。
カラーフィルタパターンの形状については、特に限定はなく、ブラックマトリクス形状として一般的なストライプ状であっても、格子状であっても、さらにはデルタ配列状であってもよい。
(基板)
本発明においては、非浸透性の基板を用いる。すなわち、非浸透性の基板の上にインクジェット方式により吐出されたときに、吐出されたインク滴は良好な濡れ広がりを示す。ここで、非浸透性の被記録媒体とは、実質的に液滴が浸透しない被記録媒体をいい、「実質的に浸透しない」とは、例えば1分後の液滴の浸透率が5%以下であることをいう。
基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、ホウケイ酸ガラス(例えば、パイレックス(登録商標)ガラス)、石英ガラス、無アルカリガラス及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)、合成樹脂フィルム等が挙げられる。また、これらの基板上には、必要に応じて、上部の層との密着改良、物質の拡散防止あるいは基板表面の平坦化のためにシランカップリング処理等による下塗り層を設けてもよい。
(隔壁)
本発明では、基板上に形成された隔壁により区画された基板上の凹部に、インクジェット方式によりインクジェットインクを吐出し、インク滴を付与して機能膜(例えば着色画素)が形成される。この隔壁はどのようなものでもよいが、カラーフィルタを作製する場合は、ブラックマトリクス(BM)としての機能を持つ遮光性を有する隔壁が好ましい。該隔壁は、公知のカラーフィルタ用ブラックマトリクスと同様の素材、方法により作製することができる。例えば、特開2005−3861号公報の段落番号[0021]〜[0074]や特開2004−240039号公報の段落番号[0012]〜[0021]に記載のブラックマトリクスや、特開2006−17980号公報の段落番号[0015]〜[0020]や特開2006−10875号公報の段落番号[0009]〜[0044]に記載のインクジェット用ブラックマトリクスなどが挙げられる。
前記公知の作製方法の中でも、コスト削減の観点から、感光性樹脂転写材料を用いることが好ましい。感光性樹脂転写材料は、仮支持体上に少なくとも遮光性を有する樹脂層を設けたものであり、所望の永久基板に圧着して、遮光性を有する樹脂層を該永久基板に転写することができる。
感光性樹脂転写材料は、特開平5−72724号公報に記載されている感光性樹脂転写材料、すなわち一体型となったフィルムを用いることが好ましい。該一体型フィルムの構成の例としては、仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性樹脂層(光照射により硬化しうる樹脂層であり、遮光性を有するときには「遮光性を有する樹脂層」である)/保護フィルムを、仮支持体側から順に積層した構成が挙げられる。
感光性樹脂転写材料を構成する仮支持体、熱可塑性樹脂層、中間層、保護フィルムや、転写材料の作製方法については、特開2005−3861号公報の段落番号[0023]〜[0066]に記載のものが好適なものとして挙げられる。
また、前記隔壁は、インクジェットインクの混色を防ぐために、隔壁の少なくとも一部が撥インク処理が施されて撥インク性を有していることが好ましい。撥インク処理については、例えば、(1)撥インク性物質を隔壁に練りこむ方法(例えば、特開2005−36160号公報参照)、(2)撥インク層を新たに設ける方法(例えば、特開平5−241011号公報参照)、(3)プラズマ処理により撥インク性を付与する方法(例えば、特開2002−62420号公報参照)、(4)隔壁の壁上面に撥インク材料を塗布する方法(例えば、特開平10−123500号公報参照)、などが挙げられ、特に(3)基板上に形成された隔壁にプラズマによる撥インク化処理を施す方法が好ましい。
(濡れ性可変層)
本発明においては、非浸透性の基板上に、基板表面の所定領域内の濡れ性を選択的に変化させて、周囲と比べて親インク性の大きいインク層形成領域を形成する工程を設けてもよい。この場合、例えば、カラーフィルタを構成する透明基板の上に、光触媒の作用により親インク性が大きくなる方向に濡れ性を変化させる濡れ性可変層を形成し、該濡れ性可変層の表面の所定領域内の濡れ性を露光により選択的に変化させて、周囲と比べて親インク性の大きいインク層形成領域を形成することができる。
具体的には、特開2006−284752号公報の段落番号[0113]〜[0121]等に詳しく記載されている。
(インクジェット方式)
本発明においては、隔壁により区画された基板上の凹部にインクの液滴が、インクジェット方式により付与される。本発明において用いられるインクジェット方式としては、帯電したインクジェットインクを連続的に噴射し電場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクジェットインクを噴射する方法、インクジェットインクを加熱してその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等の、各種の方法を採用できる。
本発明のカラーフィルタは、RGB等の少なくとも3色のインクジェットインクをブラックマトリクス(隔壁)で区画された非浸透性の基板上の凹部に前記インクジェット方式により付与して、ブラックマトリクスと少なくとも3色の着色画素からなる画素群とで構成された形態が好ましい。
本発明においては、インク付与工程での基板上へのインク付与の終了から後述する加熱工程における加熱処理の開始までの時間は30秒以上であることが好ましい。この時間が30秒以上の場合、形成される画素の平坦性が良好となり、表示装置を構成した場合に色ムラが発生しにくい傾向がある。
(照射工程)
本発明のカラーフィルタの製造方法は、前記インク付与工程の終了後に、少なくとも付与されたインクジェットインクの液滴に活性エネルギー線を照射する照射工程を含むことが好ましい。具体的には、インク液滴に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去してインク残部とした後に、紫外線、電子線、レーザー等の活性エネルギー線を照射することができる。
(加熱工程)
本発明のカラーフィルタの製造方法は、前記インク付与工程の終了後に、少なくとも付与されたインクジェットインクの液滴を加熱処理する加熱工程を含むことが好ましい。具体的には、インク液滴に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去してインク残部とした後に、前記インク残部を加熱することでインク残部を硬化させて機能膜(例えば着色画素)を形成することができる。この加熱工程は、1段階で行うことも、多段階で行うことも可能である。
1段階での加熱とは、溶剤の除去後、初めから完全にインク残部を硬化させる所定の温度にて加熱することで、多段階での加熱とは初めは比較的低温で加熱を開始し、順次加熱温度を上げて最終的に完全にインクジェットインクを硬化させる所定の温度で加熱することである。加熱方法としては、ホットプレート、電気炉、乾燥器等による加熱、あるいは赤外線を照射することによる加熱が挙げられるが、これに限られるものではない。
この加熱工程の前にインク残部を活性エネルギー線で硬化させる工程を行ってもよい。
加熱工程での加熱温度及び加熱時間は、インクジェットインクの組成や機能膜の厚みに依存するが、一般に充分な膜(例えば着色画素)強度、耐溶剤性、耐アルカリ性などを確保する観点から、約120℃〜約250℃で約10分〜約120分間加熱することが好ましい。
本発明のカラーフィルタの製造方法において、前記インク付与工程から加熱工程までを、24時間以内で行うことが好ましく、12時間以内で行うことがより好ましく、6時間以内に行うことが更に好ましい。機能膜が形成された後、最終の硬化工程(加熱工程)まで長時間放置しないことにより、インク中の顔料の凝集や各種バインダー等の析出が抑制され、機能膜(例えば着色画素)の面状が良化する。
上記のように着色領域(例えば着色画素)及び隔壁(例えばブラックマトリクス)を形成してカラーフィルタを作製した後には、耐性向上の目的で、着色領域及び隔壁の全面を覆うようにしてオーバーコート層を形成することができる。
オーバーコート層は、R、G、B等の着色領域及び隔壁を保護すると共に表面を平坦にすることができる。但し、工程数が増える点からは設けないことが好ましい。
オーバーコート層は樹脂(OC剤)を用いて構成することができ、樹脂(OC剤)としては、アクリル系樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物などが挙げられる。中でも、可視光領域での透明性で優れており、カラーフィルタ用光硬化性組成物の樹脂成分が通常アクリル系樹脂を主成分としており、密着性に優れることから、アクリル系樹脂組成物が望ましい。オーバーコート層の例として、特開2003−287618号公報の段落番号[0018]〜[0028]に記載のものや、オーバーコート剤の市販品として、JSR社製のオプトマーSS6699Gが挙げられる。
本発明のカラーフィルタは、既述のカラーフィルタの製造方法により作製されたものであり、例えば、テレビ、パーソナルコンピューター、液晶プロジェクター、ゲーム機、携帯電話などの携帯端末、デジタルカメラ、カーナビなどの用途に特に制限なく好適に適用できる。本発明のカラーフィルタにおいては、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、白色(W)、紫色(V)等の色画素の少なくとも一つが本発明のカラーフィルタの製造方法により形成されていればよい。
<表示装置>
本発明の表示装置は、既述の本発明のカラーフィルタを備えるものであれば、特に限定するものではなく、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などが含まれる。
表示装置の定義や各表示装置の説明については、例えば、「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。
本発明の表示装置としては、液晶表示装置が特に好ましい。液晶表示装置については例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。本発明はこれらの中で特に、カラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに、本発明はもちろんIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置にも適用できる。これらの方式については、例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
液晶表示装置は、カラーフィルタ以外に、電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角補償フィルムなど様々な部材から構成される。これらの部材については、例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行 )」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉 (株)富士キメラ総研 2003年発行)」に記載されている。
本発明の表示装置は、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、GH(Guest Host)のような様々な表示モードが採用できる。
本発明の表示装置は、既述したようなカラーフィルタを備えることを特徴とし、これにより、テレビ、モニターに搭載したときに表示ムラが無く、広い色再現域と高コントラスト比を有することができ、ノートパソコン用ディスプレイやテレビモニター等の大画面の表示装置等にも好適に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特に断りのない限り「%」及び「部」は、「質量%」及び「質量部」を表し、分子量とは「重量平均分子量」を表す。
−ブラックマトリクス形成用の濃色組成物の調製−
まず下記表1に記載の量のK顔料分散物1と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌し、攪拌しながら表1に記載の量のメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、バインダー1、フェノチアジン、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、及び界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150r.p.m.で30分間攪拌することによって濃色組成物K1を得た。なお、下記表1に記載の量は質量部であり、詳しくは以下の組成となっている。
<K顔料分散物1>
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) ・・・13.1%
・顔料分散剤(下記化合物1) ・・・0.65%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3.7万) ・・・6.72%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・79.53%
Figure 2009013206
<バインダー1>
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物、分子量3.8万) ・・・27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・73%
<DPHA液>
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) ・・・76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・24%
<界面活性剤1>
・下記構造物1 ・・・30%
・メチルエチルケトン ・・・70%
Figure 2009013206
Figure 2009013206
−ブラックマトリクス(隔壁)の形成−
(感光性転写材料の作製)
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフイルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方Cからなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させて熱可塑性樹脂層を形成した。次に、この熱可塑性樹脂層上に、下記処方P1からなる酸素遮断層用塗布液を塗布、乾燥させて酸素遮断層を形成した。この酸素遮断層上に更に、前記表1に記載の濃色組成物K1を塗布、乾燥させ、感光性樹脂層を形成した。
このようにして仮支持体の上に、乾燥膜厚が6.0μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの酸素遮断層と、乾燥膜厚が2.5μmの感光性樹脂層を設け、最後に保護フィルム(厚さ12μmポリプロピレンフイルム)を圧着し、仮支持体と熱可塑性樹脂層と酸素遮断層とブラック(K)の感光性樹脂層とが一体となった感光性転写材料K1を作製した。
<熱可塑性樹脂層用塗布液:処方C>
・メタノール ・・・11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル ・・・6.36部
・メチルエチルケトン ・・・52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃) ・・・5.83部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、分子量=1万、Tg≒100℃) ・・・13.6部
・ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタクリートを2当量脱水縮合した化合物(新中村化学(株)製BPE−500) ・・・9.1部
・前記界面活性剤1 ・・・0.54部
<酸素遮断層用塗布液:処方P1>
・PVA205(ポリビニルアルコール、クラレ(株)製、鹸化度=88%、重合度550) ・・・32.2部
・ポリビニルピロリドン(BASF社製、K−30) ・・・14.9部
・蒸留水 ・・・524部
・メタノール ・・・429部
(ブラックマトリクス(隔壁)の形成)
無アルカリガラス基板に、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3%水溶液、商品名:KBM603、信越化学(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。洗浄後のガラス基板を基板予備加熱装置にて100℃で2分間加熱した。
前記感光性転写材料K1の保護フィルムを剥離後、ラミネーター(株式会社日立インダストリイズ製(LamicII型))を用い、上記の100℃で2分間加熱したガラス基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。
仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング(株)製)にて、ガラス基板とマスク(画像パターンを有する石英露光マスク)とを垂直に立てた状態で、マスク面と感光性樹脂層との間の距離を200μmに設定し、露光量90mJ/cmでパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、感光性樹脂層の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を純水で100倍に希釈したもの)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し、パターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、マトリックス状にブラック(K)の画像を得た。その後更に、該ガラス基板に対してKの画像が形成された側から超高圧水銀灯で1000mJ/cmの光でポスト露光した。更に、該ガラス基板に対してKの画像が形成された側とは反対側から超高圧水銀灯で1000mJ/cmの光でポスト露光した。その後、220℃で30分間、熱処理し、ブラックマトリクス(隔壁)を形成した。
(撥インク化プラズマ処理)
ガラス基板上に形成されたブラックマトリクスに対して、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にて撥インク化プラズマ処理を行った。
(条件)
使用ガス :CF
ガス流量 :80sccm
圧力 :40Pa
RFパワー:50W
処理時間 :30sec
−インクジェットインクの調製1−
(顔料分散液の調製)
ジケトピロロピロール(C.I.Pigment Red254、商品名:Irgaphor Red B−CF、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)に、顔料分散剤としてソルスパール24000GR(日本ルーブリゾール(株)製)及びソルスパース22000(日本ルーブリゾール(株)製)と、1,3−ブタンジオールジアセテート(溶剤;以下、1,3−BGDAと略記する。)とを下記表2に示すように配合し、プレミキシングの後、モーターミルM−50(アイガー・ジャパン社製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを充填率80%で用い、周速9m/sで9時間分散し、赤色(R)用顔料分散液(R1)を調製した。R用顔料分散液(R1)において、顔料と顔料分散剤及び溶剤を下記表2に示すように配合した以外は、R用顔料分散液(R1)と同様にして、R用顔料分散液(R2)、(R3)、(R4)、(R5)、(R6)、G用顔料分散液(G1)、(G2)、並びにB用顔料分散液(B1)、(B2)を調製した。
Figure 2009013206
(R用インクジェットインクの調製)
次いで、下記表3に示す処方のとおり、溶剤、重合性モノマー、バインダー、界面活性剤成分、熱重合禁止剤、硬化剤、及び濡れ性促進剤を混合して、25℃で30分間攪拌した後、不溶物が無いことを確認し、モノマー溶液を調製した。次に、R用顔料分散液(R1)及びR用顔料分散液(R2)を混合し、この混合液を撹拌しながら前記モノマー溶液をゆっくりと添加し、25℃で30分間撹拌して、R用インクジェットインク(インクR−1)を調製した。
そして、下記表3に示すように混合成分を変えて、前記インクR−1の調製と同様にして、R用インクジェットインク(インクR−2〜インクR−10)を調製した。
調製に用いた素材の詳細を以下に示す。
・C.I.Pigment Red 254(商品名:Irgaphor Red B−CF、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
・C.I.Pigment Red 177(商品名:Cromophtal Red A2B、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
・C.I.Pigment Green 36(商品名:Rionol Green6YK、東洋インキ製造(株)製)
・C.I.Pigment Yellow 150(商品名:Bayplast Yellow 5GN 01、バイエル(株)製)
・C.I.Pigment Blue 15:6(商品名:Rionol Blue ES、東洋インキ製造(株)製)
・C.I.Pigment Violet 23(商品名:Hostaperm Violet RL−NF、 クラリアントジャパン(株)製)
・DPHA(日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA)
・エピコート157S70(ジャパンエポキシレジン(株)製)
・界面活性剤2:下記構造物2の1%1,3−BGDA溶液
・濡れ性促進剤1: N,N−ジエチルアミノ基/エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドの平均組成が1/11/19からなるランダム共重合体
・濡れ性促進剤2:N,N−ジエチルアミノ基/エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドの平均組成が1/17/20からなるランダム共重合体
・濡れ性促進剤3:N,N−ジプロピルアミノ基/エチレノキサイド/プロピレンオキサイドの平均組成が1/15/6からなるランダム共重合体
・アクリル樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=78/22[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量3.8万)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分40質量%)
・バインダー性エポキシ樹脂:グリシジルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート(=6/4[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量9600)
・カルボキシル基ブロック化トリメリット酸:n-プロピルビニルエーテルでトリメリット酸のカルボキシル基をブロック化したもの(固形分69.9%、溶剤:シクロヘキサノン)
《カルボキシル基ブロック化トリメリット酸の合成》
温度計、還流冷却器、攪拌機、及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、シクロヘキサノン14.5部、1,2,4−トリメリット酸31.4部、及びn−プロピルビニルエーテル54.1部を仕込み、攪拌しながら加熱し、70℃に昇温した。次いで、70℃の温度を保ちながら攪拌し続け、混合物の酸価が3以下になったところで反応を終了し、カルボキシル基ブロック化トリメリット酸を得た。
・1,6−HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアセテート(沸点260℃、n=6、総炭素数10)
・TPNB:トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル(沸点274℃)
・BCA:ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(沸点247℃)
・PEGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート;沸点147℃)
・1,3−BGDA(1,3−ブタンジオールジアセテート;沸点232℃、n=3、総炭素数7)
・ソルスパール24000GR(日本ルーブリゾール(株)製)
・ソルスパース22000(日本ルーブリゾール(株)製)
・ソルスパース5000(日本ルーブリゾール(株)製)
Figure 2009013206
Figure 2009013206
−インクジェット方式による画素部(R画素)の形成−
ここでは、上記で作製したインクR−1を用い、インクの打滴を以下の形態で行った場合を説明する。
インクジェットヘッドとしてDimatix社製SE−128を備えたヘッド部を有し、吐出制御装置として専用のピエゾ駆動回路及びステージ制御専用回路を有するインクジェットインク打滴装置を用い、インクR−1の打滴を行った。SE−128は、オンデマンド型ピエゾ駆動のヘッドであって、1つのヘッドに128のノズルが508μmの間隔で配置されている。ピエゾを駆動するにあたり、電圧の中心値を100V、パルス幅を8マイクロ秒として、飛翔形状観察及び吐出量計測により各々のノズルからの吐出量の差が2%以内となるようにノズル毎の電圧を調整した。吐出量の中心値は35ng/滴であった。なお、飛翔形状観察は、ノズルから吐出された液滴の形状を高速ビデオカメラを用いて直接観察した。また吐出量計測は、各ノズルから一定時間インクの吐出を行い、吐出されたインクの総重量を吐出周波数及び吐出時間から算出した総吐出数で割ることにより行った。
上記工程でブラックマトリクスが形成されたガラス基板を、専用自動2次元移動ステージ上に固定された基板台の上に載置した。
ヘッドとガラス基板の間隔は500μmに調整されており、ヘッドのピエゾが駆動されてからインク滴が形成され、基板に着弾するまでの時間は約63μ秒であった。
基板上の画素のサイズは、X方向が200μm、Y方向が120μmであり、画素を区画するブラックマトリクスの幅が45μmであって、Y方向の同一色の画素ピッチが495μmとなっており、X方向に対してヘッドを傾けることにより、Y方向の見かけ上のノズル間隔が495μmとなるように調整した。
ピエゾは、連続打滴する場合の駆動周波数が10KHzに設定されており、ガラス基板を8.2cm/秒の等速度で移動させてブラックマトリクス(隔壁)で区画された凹部への打滴数を1滴から順に変更し、インク打滴量を変化させた複数の画素を形成した。
その後、ホットプレートにより90℃で2分間、加熱乾燥させて溶剤の少なくとも一部を除去した後、220℃オーブン中で30分間加熱処理することにより、ブラックマトリクス(隔壁)、画素部ともに完全に硬化させ、カラーフィルタを構成する赤色(R)画素を形成した。このとき、インク打滴終了から最初の加熱乾燥までの時間を600秒に設定した。
続いて、インクR−1を、インクR−2〜R−10に変更した以外は、インクR−1と同様にして、インク打滴量を変化させた複数の赤色(R)画素をインクR−2〜R−10のそれぞれについて作製した。
−評価1−
得られた複数の画素に対して、以下の評価を行った。評価、測定の結果は下記表4に示す。
1.粘度、表面張力の測定
(1−1)粘度
得られたインクR−1〜R−10を25℃に調温したまま、東機産業(株)製E型粘度計(RE−80L)を用いて以下の条件で測定した。
(測定条件)
・ 使用ロータ:1° 34’×R24
・ 測定時間 :2分間
・ 測定温度 :25℃
(1−2)表面張力
得られたインクR−1〜R−10を25℃に調温したまま、協和界面科学(株)製表面張力計(FACE SURFACE TENSIOMETER CBVB−A3)を用いて測定した。
2.画素の平均高さの測定
インク打滴数を変化させて作製した複数の画素を、非接触式表面形状測定装置New View 6K(Zygo社製)を用いて観察し、表面形状のプロファイルを算出した。ここで、最も低い部分の高さをA、最も高い部分の高さをBとし、AとBの平均値を平均高さとし、これがブラックマトリクス(隔壁)の高さと同じになる打滴量を基準の打滴量とした。基準の打滴量は、インクR−1では9滴、315ngであった。
3.濡れ拡がり性の評価
(3−1)画素部の濡れ拡がり
前記画素の平均高さをもとに、下記評価基準に基づいて濡れ拡がり性を評価した。
−評価基準−
○:画素の平均高さが隔壁の高さと同じになる打滴量の0.8倍の打滴量で濡れ拡がりに問題はなかった。
△:画素の平均高さが隔壁の高さと同じになる打滴量で濡れ広がりに問題はなかった。
×:画素の平均高さが隔壁の高さと同じになる打滴量で濡れ広がりが不十分であった。
(3−2)1滴の濡れ拡がり
−評価基準−
○:インクを1滴打滴した場合、乾燥後の着色部の直径が80μm以上であった。
△:インクを1滴打滴した場合、乾燥後の着色部の直径が50μm以上80μm未満であった。
×:インクを1滴打滴した場合、乾燥後の着色部の直径が50μm未満であった。
Figure 2009013206
−G用/B用インクジェットインクの調製−
次いで、下記表5〜表6に示す処方のとおり、インクジェットインクR−1と同様にしてモノマー液を調製し、このモノマー液を顔料分散液と混合して、G用インクジェットインク(インクG−1〜G−6)及びB用インクジェットインク(インクB−1〜B−6)を作製した。
−インクジェット方式による画素部(G画素,B画素)の形成−
そして、これらのインクの各々を用い、上記したインクR−1と同様にして打滴を行い、インク打滴量を変化させた複数の緑色(G)画素、青色(B)画素をインクG−1〜G−6、インクB−1〜B−6のそれぞれについて作製した。さらに、インクR−1を用いたR画素における場合と同様の評価、測定を行った。評価、測定の結果は下記表5〜表6に示す。
Figure 2009013206
Figure 2009013206
−カラーフィルタの作製−
下記表7に示すR用、G用、B用インクジェットインクのインクセット1〜6を用いて、3色のインクジェットヘッドとしてDimatix社製SE−128を3個備えたヘッド部を有し、吐出制御装置として専用のピエゾ駆動回路及びステージ制御専用回路を有するインクジェットインク打滴装置を用いて、上記の「インクジェット方式による画素部(R画素)の形成」に記載の打滴条件により、撥インク化プラズマ処理が行われたブラックマトリクス(隔壁)を有するガラス基板の該隔壁で区画された凹部にインクを打滴した。この時のインクの打滴量は、インクで構成される画素部の平均高さが、隔壁の高さと同じになるようにそれぞれ調節して行った。
次に、上記の「インクジェット方式による画素部(R画素)の形成」に記載の方法と同様に、ホットプレートにより90℃で2分間、加熱乾燥させた後、220℃オーブン中で30分間加熱処理することにより硬化させ、RGBの画素が形成されたカラーフィルタ(CF1〜6;以下、「カラーフィルタ基板」と称する。)を作製した。
Figure 2009013206
−液晶表示装置の作製−
上記より得たカラーフィルタ基板(CF1〜6)の各々について、R画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリクス(隔壁)の上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルタ基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施した。
前記ITOの透明電極上のブラックマトリクス(隔壁)の上部に相当する部分にフォトスペーサを設け、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられた隔壁外枠に相当する位置に紫外線硬化樹脂のシール剤をディスペンサ方式により塗布し、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板をUV照射した後、熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、冷陰極管のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置1〜6を作製した。
−評価2−
得られたカラーフィルタ及び液晶表示装置について、以下の評価を行った。結果は下記表8に示す。
4.カラーフィルタの色ムラ評価
得られたカラーフィルタの赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各画素部について、光学顕微鏡で1画素内の濃度ムラの有無を目視により確認した。
−評価基準−
○:反射像、透過像ともに色ムラは観察されなかった。
△:透過像では反射ムラが観察されなかったが、反射像に若干色ムラが観察された。
×:透過像で色ムラが観察された。
5.液晶表示装置の色ムラ評価
得られた液晶表示装置1〜6についてグレー画像を表示し、色ムラの程度を下記の評価基準にしたがって目視により評価した。
−評価基準−
○:色ムラが観察されない。
△:色ムラがやや観察される。
×:色ムラがはっきりと観察される。
Figure 2009013206
また、本実施例中の本発明のインクR1〜R7、インクG1〜G3、インクB1〜B3は、ブラックマトリクス(隔壁)を有しないガラス基板上にインクジェット方式を用いて膜形成を行った場合にも、ブラックマトリクス(隔壁)を有する基板上に吐出した場合と同様に良好な濡れ拡がりを得ることができ、比較例のインクR8〜R10、インクG4〜G6、インクB4〜B6を用いた場合に比べ、ムラのない膜を得ることができた。
前記表4〜表6、表8から明らかな通り、本発明のインクジェットインクは、ブラックマトリクス(隔壁)で囲まれた凹部内でのインクの濡れ拡がりに優れていた。また、本発明のインクジェットインクを用いて形成したカラーフィルタは、色ムラや色抜けの発生が少ないことが判る。また、本発明のカラーフィルタを用いて作製した液晶表示装置は、色ムラや色抜けの発生が少なく、表示品質に優れていた。更に、本発明のインクジェットインクを用いてインクジェット方式により膜形成を行った場合にも、ムラのない膜を得ることが可能であった。

Claims (22)

  1. 非浸透性の基板上にインクジェット方式により液滴を吐出して機能膜を形成するために用いられるインクジェットインクであって、アミノ基及びアルキレングリコール部位を分子内に有する化合物を濡れ性促進剤として含有するインクジェットインク。
  2. 前記アルキレングリコール部位が、エチレングリコール及び/又はプロピレングリコールであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. 前記化合物が、アミノ基を末端に有するエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドの開環共重合体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェットインク。
  4. 前記アミノ基が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
    Figure 2009013206

    〔式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数6〜15のアリール基、炭素数1〜8のアルケニル基、又は炭素数1〜8のアルキニル基を表し、これらの基は炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4のアルコキシ基により置換されていてもよい。また、RとRとは、アルキレン基、アルコキシアルキレン基で連結されて環状構造を形成していてもよい。〕
  5. 溶剤及び色材を更に含有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  6. 前記溶剤のうち、全溶剤量の70質量%以上が、下記一般式(2)で表されるアルカンジオールの誘導体であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットインク。
    <一般式(2)>
    A−O−(C2m−O)−B
    〔式中、mは2〜7の整数を表し、nは1〜4の整数を表し、A及びBはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はアセチル基を表し、該誘導体の総炭素数は12以下である。A及びBは、同一でも異なっていてもよいが、AとBとが同時に水素原子となることはない。〕
  7. 前記溶剤のうち、全溶剤量の70質量%以上が、常温常圧(25℃、760mmHg)下での沸点が220℃以上であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のインクジェットインク。
  8. 前記色材が顔料であることを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  9. 前記顔料が、C.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・ブルー15:6、及びC.I.ピグメント・バイオレット23から選択される1種以上であること特徴とする請求項8に記載のインクジェットインク。
  10. 前記顔料の数平均粒径が10〜100nmの範囲にあること特徴とする請求項8又は請求項9に記載のインクジェットインク。
  11. 重合性モノマーを更に含有し、該重合性モノマーが、(メタ)アクリル系モノマー、エポキシ系モノマー、及びオキセタニル系モノマーから選択される1種以上であることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  12. 顔料分散剤を更に含有することを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  13. 25℃における粘度が5mPa・s以上50mPa・s以下であることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  14. 25℃における表面張力が15mN/m以上40mN/m以下であることを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  15. 基板上に形成された隔壁により区画された凹部にインクジェット方式により液滴を吐出することによりカラーフィルタを形成するために用いられ、前記機能膜の少なくとも一部が着色膜であることを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  16. 基板上に形成された隔壁により区画された凹部に、インクジェット方式を用いて請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載のインクジェットインクを吐出し、機能膜を形成するカラーフィルタの製造方法。
  17. 前記隔壁が撥インク性を有していることを特徴とする請求項16に記載のカラーフィルタの製造方法。
  18. 前記凹部にインクジェット方式によりインクジェットインクを吐出後、該インクジェットインク中の有機溶剤の少なくとも一部を除去した後に、活性エネルギー線を照射する工程及び/又は加熱する工程を設けて前記機能膜を重合硬化させることを特徴とする請求項16又は請求項17に記載のカラーフィルタの製造方法。
  19. 請求項16〜請求項18のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法により作製されたカラーフィルタ。
  20. 請求項19に記載のカラーフィルタを備えた表示装置。
  21. 請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載のインクジェットインクの製造方法であって、アミノ基及びアルキレングリコール部位を分子内に有する化合物を、顔料を分散した後に添加するインクジェットインクの製造方法。
  22. 請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載のインクジェットインクを、インクジェット方式により非浸透性の基板上に吐出し、溶剤の少なくとも一部を蒸発させて機能膜を形成する機能膜の形成方法。
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