JP2015206842A - 塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物、それを用いて形成した保護層、保護層付き塗布型偏光膜、及びその塗布型偏光膜を備えた表示装置 - Google Patents
塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物、それを用いて形成した保護層、保護層付き塗布型偏光膜、及びその塗布型偏光膜を備えた表示装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】塗布型偏光膜の機能を阻害することなく、その上に保護層を形成すると共に塗布型偏光膜ごとパターニング(塗布不要部分の除去)でき、さらに得られた保護層は塗布型偏光膜をその後の積層プロセスから保護する役割も果たす感光性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】
少なくとも、(A)少なくとも環状エーテル基を有する重合体、(B)光カチオン重合開始剤を含有する塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】
少なくとも、(A)少なくとも環状エーテル基を有する重合体、(B)光カチオン重合開始剤を含有する塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物、それを用いて形成した保護層、その保護層を備えた保護層付き塗布型偏光膜、及び保護層付き塗布型偏光膜を備えた表示装置に関する。
液晶表示装置では、表示における旋光性や複屈折性を制御するために直線偏光板や円偏光板が用いられている。OLED(有機EL素子)においても、外光の反射防止のために円偏光板が使用されている。
従来、これらの偏光板(偏光子)には、ヨウ素や二色性を有する有機色素をポリビニルアルコール等の高分子材料に溶解または吸着させ、その膜を一方向にフィルム状に延伸して二色性色素を配向させることにより得られる偏光膜が広く使用されてきた。しかしながら、このようにして製造される従来の偏光膜では、用いる色素や高分子材料によっては耐熱性や耐光性が十分でない、液晶表示装置製造時における偏光膜の貼り合せの歩留まりが悪い等の問題があった。また、素子構造の簡略化により輝度向上をさせるためセル内に偏光膜を形成する試みがなされている。
従来、これらの偏光板(偏光子)には、ヨウ素や二色性を有する有機色素をポリビニルアルコール等の高分子材料に溶解または吸着させ、その膜を一方向にフィルム状に延伸して二色性色素を配向させることにより得られる偏光膜が広く使用されてきた。しかしながら、このようにして製造される従来の偏光膜では、用いる色素や高分子材料によっては耐熱性や耐光性が十分でない、液晶表示装置製造時における偏光膜の貼り合せの歩留まりが悪い等の問題があった。また、素子構造の簡略化により輝度向上をさせるためセル内に偏光膜を形成する試みがなされている。
一方、ガラスや透明フィルムなどの基材上に二色性色素を含む溶液を、剪断力を加えつつ塗布することにより、二色性色素を配向させて偏光膜を製造する方法が検討されている(特許文献1参照)。
又、1枚の基板母材から複数個の液晶セル用の基板を切り出す製造方法として、ダイを間欠塗布にて得る方法が検討されている(特許文献2参照)。
一方で、薄膜トランジスタ(TFT)用の層間絶縁膜、保護膜又はスペーサー等の硬化膜の形成材料として、エポキシ基を有する重合体及び感放射線性重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物か知られている(特許文献3参照)。
又、1枚の基板母材から複数個の液晶セル用の基板を切り出す製造方法として、ダイを間欠塗布にて得る方法が検討されている(特許文献2参照)。
一方で、薄膜トランジスタ(TFT)用の層間絶縁膜、保護膜又はスペーサー等の硬化膜の形成材料として、エポキシ基を有する重合体及び感放射線性重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物か知られている(特許文献3参照)。
1枚の基板母材から複数個の液晶セル用の基板を切り出す場合、偏光膜は所定パターンの形状のものを基板上に複数形成し、これを各々分割して基板として用いることが多い。また、基板の内面側に塗布型偏光膜を備えたIn−Cell型の液晶表示装置として用いる場合には、偏光膜は、電極やカラーフィルター等の液晶セル内に設けられる各層が基板に積層された上、つまり基板と比較して凸となった段差構造がある部分に形成することになる。しかしながら、特許文献1等に記載の方法を用いて基板母材全体に、二色性色素を含む溶液を塗布する場合、上述した段差構造以外、つまり塗布不要の部分にまで塗布することとなると考えられるが、塗布後不要部分を削除する方法については特許文献1には開示されていない。
一方、1枚の基板母材から複数個の液晶セル用の基板を切り出す方法において、特許文献2に記載の間欠塗布方法を用いて偏光膜を塗布した場合、上述した段差構造のみを選択して塗布する際に、基板母材上に複数設けられた段差構造の間隔が短い場合などにおいては、吐出制御が難しく塗布欠陥が生じ、光学的に均質な偏光膜ひいては光学的に均質な光学素子が得られないという問題が生じると考えられる。
1枚の基板母材から複数個の液晶セル用の基板を切り出すために用いられる、光学的に均質な偏光膜を形成する方法について本発明者が検討したところ、塗布型偏光膜をフォトリソグラフィーによりパターニングする方法が考えられたが、塗布型偏光膜を単独でパターニングすることが困難であることを見出した。
他方、偏光膜、特にIn−Cell型の液晶表示装置における塗布型偏光膜には、これを保護する目的で保護層を設けるのが一般的である。
本発明者がこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、塗布型偏光膜上に保護層を形成すると共に、露光及び現像処理により保護層と塗布型偏光膜とを同時にパターニングすることにより、光学的に均質な、パターニングされた塗布型偏光膜を形成することができることを見出した。
さらに検討を重ねた結果、保護層形成用の感光性樹脂組成物の構成成分によっては、現像処理時に偏光膜がダメージを受けてしまうことがあり、また、保護層や偏光膜の耐久性が十分なものとはならないという新たな課題が存在することを見出した。
さらに検討を重ねた結果、保護層形成用の感光性樹脂組成物の構成成分によっては、現像処理時に偏光膜がダメージを受けてしまうことがあり、また、保護層や偏光膜の耐久性が十分なものとはならないという新たな課題が存在することを見出した。
特許文献3には薄膜トランジスタの保護膜としてエポキシ基を有する重合体及び感放射線性重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物を用いることが記載されているが、塗布型偏光膜保護層用として用いることについては記載も示唆もなされておらず、その用途で用いた場合の特性についても不明である。
そこで本発明は、光学的に均質である、パターニングされた塗布型偏光膜を製造するための塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物であって、現像処理時の偏光膜のダメージを抑制でき、かつ、保護層自身及び偏光膜の耐久性を高くすることが可能な保護層を形成可能な、塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく種々検討を行った。その結果、特定の官能基を有する重合体、及び特定の重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物が、塗布型偏光膜上に成膜した後に、露光及び現像処理により保護層と塗布型偏光膜とを同時にパターニングすることができ、さらに、現像処理時の偏光膜のダメージを抑制でき、かつ、保護層自身及び偏光膜の耐久性を高くすることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1] (A)少なくとも環状エーテル基を有する重合体、及び(B)光カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
[2] (A)重合体が、さらに環状脂肪族基を有することを特徴とする[1]に記載の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
[3] さらに(C)アルコキシ基含有ナフタレン化合物を含有することを特徴とする[1]又は[2]に記載の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
[4] 前記環状エーテル基が、エポキシ基及び/又はオキセタニル基であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
[2] (A)重合体が、さらに環状脂肪族基を有することを特徴とする[1]に記載の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
[3] さらに(C)アルコキシ基含有ナフタレン化合物を含有することを特徴とする[1]又は[2]に記載の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
[4] 前記環状エーテル基が、エポキシ基及び/又はオキセタニル基であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
[5] (B)光カチオン重合開始剤が芳香族ヨードニウム塩であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
[6] さらに(D)エチレン性不飽和基含有化合物、及び(E)ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
[7] (E)ラジカル重合開始剤として、10時間半減期温度が70〜140℃のアゾ化合物を含むことを特徴とする[6]に記載の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
[6] さらに(D)エチレン性不飽和基含有化合物、及び(E)ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
[7] (E)ラジカル重合開始剤として、10時間半減期温度が70〜140℃のアゾ化合物を含むことを特徴とする[6]に記載の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
[8] 塗布型偏光膜上に湿式成膜し、露光後、極性溶剤を含有する現像液で、塗布型偏光膜ごと現像して用いることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物を用いて形成したことを特徴とする保護層。
[10] 塗布型偏光膜上に、[9]に記載の保護層を備えた保護層付き塗布型偏光膜。
[11] [10]に記載の保護層付き塗布型偏光膜を備えた表示装置。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物を用いて形成したことを特徴とする保護層。
[10] 塗布型偏光膜上に、[9]に記載の保護層を備えた保護層付き塗布型偏光膜。
[11] [10]に記載の保護層付き塗布型偏光膜を備えた表示装置。
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物によれば、光学的に均質である、パターニングされた塗布型偏光膜を製造することができ、さらに、現像処理時の偏光膜のダメージを抑制でき、かつ、保護層自身及び偏光膜の耐久性を高くすることが可能な保護層を形成可能である。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。但し、以下に記載する説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に限定されるものではない。
本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸とメタクリル酸の双方を含み、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロイル」なども同様の意味を表す。また、モノマー名の前に「(ポリ)」をつけたものは、該モノマー及び該ポリマーを意味する。
本発明において、「全固形分」とは、本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物の構成成分のうち、溶剤を除くすべての成分を意味する。
本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸とメタクリル酸の双方を含み、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロイル」なども同様の意味を表す。また、モノマー名の前に「(ポリ)」をつけたものは、該モノマー及び該ポリマーを意味する。
本発明において、「全固形分」とは、本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物の構成成分のうち、溶剤を除くすべての成分を意味する。
[感光性樹脂組成物]
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物は、(A)少なくとも環状エーテル基を有する重合体、及び(B)光カチオン重合開始剤を含む。本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物は、さらに(C)アルコキシ基含有ナフタレン化合物、(D)エチレン性不飽和基含有化合物、(E)ラジカル重合開始剤を含有していてもよい。又、シリコン及び/又はフッ素系界面活性剤を含有していてもよく、その他の添加剤を適宜含有することもできる。
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物は、(A)少なくとも環状エーテル基を有する重合体、及び(B)光カチオン重合開始剤を含む。本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物は、さらに(C)アルコキシ基含有ナフタレン化合物、(D)エチレン性不飽和基含有化合物、(E)ラジカル重合開始剤を含有していてもよい。又、シリコン及び/又はフッ素系界面活性剤を含有していてもよく、その他の添加剤を適宜含有することもできる。
[(A)少なくとも環状エーテル基を有する重合体]
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物は、(A)少なくとも環状エーテル基を有する重合体を含むことで、乾燥時の凝集や収縮が起きにくくなり、低温硬化性と薄膜における浸透性を抑えた優れた膜質を両立できるため、現像時やその後のプロセスにおいて溶剤などの侵入を防ぐことができ、塗布型偏光膜を劣化させることなく保護することができる。
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物は、(A)少なくとも環状エーテル基を有する重合体を含むことで、乾燥時の凝集や収縮が起きにくくなり、低温硬化性と薄膜における浸透性を抑えた優れた膜質を両立できるため、現像時やその後のプロセスにおいて溶剤などの侵入を防ぐことができ、塗布型偏光膜を劣化させることなく保護することができる。
(A)少なくとも環状エーテル基を有する重合体を得るには、重合成分として環状エーテル基含有ラジカル重合性モノマーを用いる方法が挙げられる。環状エーテル基含有ラジカル重合性モノマーとしては、例えばエポキシ基含有不飽和化合物や、オキセタニル基含有不飽和化合物等が挙げられる。
エポキシ基含有不飽和化合物としては、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、グリシジルエーテルグリシジルクロトネート、グリシジルイソクロトネート、クロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノアルキルモノグリシジルエステル、フマル酸モノアルキルモノグリシジルエステル、マレイン酸モノアルキルモノグリシジルエステル等の脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2,3−エポキシシクロペンチルメチル(メタ)アクリレート、7,8−エポキシ〔トリシクロ[5.2.1.0]デシ−2−イル〕オキシメチル(メタ)アクリレート等の脂環式エポキシ基含有不飽和化合物等が挙げられる。
オキセタニル基含有不飽和化合物としては、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)アクリレート、(3−メチルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組合せと比率で用いてもよい。これらの中でも、基板との接着性との観点からは脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物を用いることが好ましく、(メタ)アクリレート化合物を用いることがより好ましく、グリシジル(メタ)アクリレート又は4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテルを用いることがさらに好ましい。又、架橋度を向上させることが期待出来るので(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)アクリレートを併用することも好ましい。
(A)重合体における環状エーテル基含有ラジカル重合性モノマー由来の繰り返し単位構造の含有率は、50mol%以上であることが好ましく、60mol%以上であることがより好ましい。又99mol%以下であることが好ましく、90mol%以下であることがより好ましい。前記下限値以上とすることで現像時に下層の機能性有機層を保護することができる傾向があり、前記上限値以下とすることで優れたパターニング特性を確保することができる傾向がある。
(A)重合体は、さらに環状脂肪族基を有していてもよい。環状脂肪族基を有する重合体を得るには、重合成分としてさらに、環状脂肪族基含有ラジカル重合性モノマーを用いることが好ましい。環状脂肪族基含有ラジカル重合性モノマーとしては、例えばヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(A)重合体におけるこれら環状脂肪族基含有ラジカル重合性モノマー由来の繰り返し単位構造の含有割合は、1mol%以上であることが好ましく、10mol%以上であることがより好ましい。又40mol%以下であることが好ましく、35mol%以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで塗布形成した膜の強度を確保出来る傾向があり、前記上限値以下とすることで現像時に下層の機能性有機層を保護することができる傾向がある。
(A)重合体を得る際には、前記2種類の重合成分の他にその他の共重合成分として、その他のラジカル重合性モノマーを用いても良い。その他のラジカル重合性モノマーとしては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン等のスチリル化合物、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリレート系化合物、酢酸ビニル等のビニル化合物、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸等が挙げられる。これらは(A)の重合体中にそれに由来する繰り返し単位構造として50mol%より少ない量であれば、任意の組み合わせと比率で用いて良い。これらの中でも反応性の観点からは(メタ)アクリレート化合物を用いることが好ましい。
環状エーテル基含有ラジカル重合性モノマーや、環状脂肪族基含有ラジカル重合モノマーやその他のラジカル重合性モノマーを重合させる方法については何ら限定されないが、例えば有機溶剤中でラジカル重合開始剤を用いて、必要に応じて連鎖移動剤を添加して、ラジカル重合開始剤の活性温度で加熱するなどの周知の方法で合成することが出来る。
本発明の(A)重合体の重量平均分子量は、3000以上であることが好ましく、5000以上であることがより好ましい。又、100000以下であることが好ましく、70000以下であることがより好ましい。前記下限値以上とすることで現像時に下層の機能性有機層を保護することができる傾向があり、前記上限値以下とすることで優れたパターニング特性を確保することができる傾向がある。
なお、本発明における重量平均分子量は、株式会社島津製作所製「ゲル浸透クロマトグラフシステムLS Solution」で、株式会社島津製作所製「カラムGPC−804」を用いて測定したポリスチレン換算の値とする。
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物における(A)重合体の含有割合は、塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物の全固形分に対して、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、98質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。上記下限より少ない場合は下層の機能性有機層を現像時に侵してしまう傾向があり、一方上記上限より多い場合は充分な硬化性を確保することが困難となる傾向がある。
[(B)光カチオン重合開始剤]
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物に含まれる(B)光カチオン重合開始剤は、可視光線、紫外線等の照射によりカチオン種又はルイス酸を発生し、カチオン硬化性成分である環状エーテル基の重合反応を開始するものである。光カチオン重合開始剤としては例えば、芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩のようなオニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、鉄−アレーン錯体などを挙げることができるが、硬化性の点で芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩が好ましい。
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物に含まれる(B)光カチオン重合開始剤は、可視光線、紫外線等の照射によりカチオン種又はルイス酸を発生し、カチオン硬化性成分である環状エーテル基の重合反応を開始するものである。光カチオン重合開始剤としては例えば、芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩のようなオニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、鉄−アレーン錯体などを挙げることができるが、硬化性の点で芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩が好ましい。
芳香族ヨードニウム塩は、ジアリールヨードニウムカチオンを有する化合物であり、芳香族スルホニウム塩は、トリアリールスルホニウムカチオンを有する化合物である。これらのカチオンは、アニオン(陰イオン)と対になって光カチオン重合開始剤を構成する。光カチオン重合開始剤を構成するアニオンの例を挙げると、ヘキサフルオロホスフェートアニオンPF6-、ヘキサフルオロアンチモネートアニオンSbF6-、ペンタフルオロヒドロキシアンチモネートアニオンSbF5(OH)-、ヘキサフルオロアーセネートアニオンAsF6-、テトラフルオロボレートアニオンBF4-、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンB(C6F5)4-などがある。
芳香族スルホニウム塩としては、例えばサンアプロ社のCPI−100P、CPI−101A、CPI−200K、CPI−210S、ADEKA社のアデカオプトマーSP−150、SP−170、SP−171、等が具体例として挙げられる。
又、芳香族ヨードニウム塩としては、ソルベイジャパン社のPHOTOINITIATOR2074、BASFジャパン社のIRGACURE250(IRGACUREは登録商標)、日本曹達社のCI−5102、和光純薬社のWPI−113、WPI−116、等が具体例として挙げられる。
又、芳香族ヨードニウム塩としては、ソルベイジャパン社のPHOTOINITIATOR2074、BASFジャパン社のIRGACURE250(IRGACUREは登録商標)、日本曹達社のCI−5102、和光純薬社のWPI−113、WPI−116、等が具体例として挙げられる。
尚、芳香族スルホニウム塩と芳香族ヨードニウム塩では、芳香族スルホニウム塩の方が感度が高く効率的に光硬化することが出来るが、電気信頼性に劣る傾向があるため、配合量は少なく抑えることが望ましい。その点において、電気信頼性を求める用途には芳香族ヨードニウム塩を使用することが好ましい。
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物中の(B)光カチオン重合開始剤の含有割合は、塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物の全固形分に対して、芳香族スルホニウム塩を使用する場合は0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、3質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。一方、芳香族ヨードニウム塩を使用する場合は0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、10重量部以下が好ましく、7質量%以下がより好ましい。上記下限以下の場合、充分な光硬化性が確保され辛くなる傾向があり、上記上限以上である場合、電気信頼性を悪化させたり、着色したりなど膜性能へ悪影響を与える傾向がある。
[(C)アルコキシ基含有ナフタレン化合物]
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物には、感度を高めて膜の耐久性を高めるとの観点からは(C)アルコキシ含有ナフタレン化合物が含まれていてもよい。(C)アルコキシ含有ナフタレン化合物としては、例えば、4−アルコキシ−1−ナフトールやナフタレン−1,4−ジエ−テルなどが挙げられる。
4−アルコキシ−1−ナフトールの具体例としては、4−メトキシ−1−ナフトール、4−エトキシ−1−ナフトール、4−(n−プロポキシ)−1−ナフトール、4−(i−プロポキシ)−1−ナフトール、4−(n−ブトキシ)−1−ナフトール、4−(i−ブトキシ)−1−ナフトール等が挙げられる。
また、ナフタレン−1,4−ジエーテルの例としては、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジ(n−プロポキシ)ナフタレン、1,4−ジ(i−プロポキシ)ナフタレン、1,4−ジ(n−ブトキシ)ナフタレン、1,4−ジ(i−ブトキシ)ナフタレン、1−エトキシ−4−メトキシナフタレン等が挙げられる。
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物には、感度を高めて膜の耐久性を高めるとの観点からは(C)アルコキシ含有ナフタレン化合物が含まれていてもよい。(C)アルコキシ含有ナフタレン化合物としては、例えば、4−アルコキシ−1−ナフトールやナフタレン−1,4−ジエ−テルなどが挙げられる。
4−アルコキシ−1−ナフトールの具体例としては、4−メトキシ−1−ナフトール、4−エトキシ−1−ナフトール、4−(n−プロポキシ)−1−ナフトール、4−(i−プロポキシ)−1−ナフトール、4−(n−ブトキシ)−1−ナフトール、4−(i−ブトキシ)−1−ナフトール等が挙げられる。
また、ナフタレン−1,4−ジエーテルの例としては、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジ(n−プロポキシ)ナフタレン、1,4−ジ(i−プロポキシ)ナフタレン、1,4−ジ(n−ブトキシ)ナフタレン、1,4−ジ(i−ブトキシ)ナフタレン、1−エトキシ−4−メトキシナフタレン等が挙げられる。
4−アルコキシ−1−ナフトールの中でも、感度の観点から、4−メトキシ−1−ナフトール又は4−エトキシ−1−ナフトールが好ましい。また、ナフタレン−1,4−ジエ−テルの中でも、感度の観点から、1,4−ジメトキシナフタレン又は1,4−ジエトキシナフタレンが好ましく、1,4−ジエトキシナフタレンがより好ましい。
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物中に含まれる(C)アルコキシ基含有ナフタレン化合物の含有割合は、塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、5質量%以下であることが好ましい。上記下限以下の場合、充分な光硬化性が確保され辛い傾向があり、上記上限以上である場合、量に応じた効果が見られない傾向がある。
[(D)エチレン性不飽和基含有化合物]
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物は、(D)エチレン性不飽和基含有化合物を含んでいてもよい。(D)エチレン性不飽和基含有化合物は、分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも1個有する化合物である。本発明の感光性樹脂組成物は、(D)エチレン性不飽和基含有化合物を含むことで、低温硬化樹脂組成物の化学的、物理的強度の強化の他、パターニング性も向上させる効果が得られる傾向がある。
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物は、(D)エチレン性不飽和基含有化合物を含んでいてもよい。(D)エチレン性不飽和基含有化合物は、分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも1個有する化合物である。本発明の感光性樹脂組成物は、(D)エチレン性不飽和基含有化合物を含むことで、低温硬化樹脂組成物の化学的、物理的強度の強化の他、パターニング性も向上させる効果が得られる傾向がある。
エチレン性不飽和基は分子内に多くあるほど、架橋(硬化)時のネットワークが緻密になり、耐薬品性や電気信頼性を確保し易い傾向がある。又、低温のベークに起因して全エチレン性不飽和基中の架橋化比率が低くなったとしても、それなりのネットワークが確保される点からも有利である。
このことから、(D)エチレン性不飽和基含有化合物は、エチレン性不飽和基を多数有するものであることが好ましく、具体的には、2個以上有することが好ましく、3個以上有することがより好ましく、5個以上有することがさらに好ましい。また、エチレン性不飽和結合の数に上限は無いが、通常6個以下である。
このことから、(D)エチレン性不飽和基含有化合物は、エチレン性不飽和基を多数有するものであることが好ましく、具体的には、2個以上有することが好ましく、3個以上有することがより好ましく、5個以上有することがさらに好ましい。また、エチレン性不飽和結合の数に上限は無いが、通常6個以下である。
(D)エチレン性不飽和基含有化合物が有するエチレン性不飽和基は、反応性の観点から、アリル基及び/又は(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。
(D)エチレン性不飽和基含有化合物は、1種類のみを用いても、2種類以上を任意の比率と組合せで用いても良い。なお、複数種のエチレン性不飽和基含有化合物を用いる場合において、エチレン性不飽和基の数については、この複数種のエチレン性不飽和基含有化合物が有するエチレン性不飽和基の数のモル平均値を上述の好ましい範囲とするのが良い。
(D)エチレン性不飽和基含有化合物は、1種類のみを用いても、2種類以上を任意の比率と組合せで用いても良い。なお、複数種のエチレン性不飽和基含有化合物を用いる場合において、エチレン性不飽和基の数については、この複数種のエチレン性不飽和基含有化合物が有するエチレン性不飽和基の数のモル平均値を上述の好ましい範囲とするのが良い。
以下、(D)エチレン性不飽和基含有化合物のうち、特に好適な化合物について説明する。具体的には、例えば、(D1)不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類、(D2)ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類、及び(D3)(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
(D1)不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類としては、例えば、不飽和カルボン酸と糖アルコールとの反応物、不飽和カルボン酸と糖アルコールのアルキレンオキサイド付加物との反応物、不飽和カルボン酸とアルコールアミンとの反応物などが挙げられる。
ここで、不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などが挙げられる。
ここで、不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などが挙げられる。
糖アルコールとしては、具体的には、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(付加数2〜14)、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(付加数2〜14)、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールなど挙げられる。
糖アルコールのアルキレンオキサイド付加物としては、具体的には、上述の糖アルコールなどに、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド等が付加した化合物などが挙げられる。
アルコールアミンとしては、具体的には、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の多価アルコールアミンなどが挙げられる。
アルコールアミンとしては、具体的には、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の多価アルコールアミンなどが挙げられる。
そして、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類としては、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールプロピレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等、及びこれらのクロトネート、イソクロトネート、マレエート、イタコネート、シトラコネートなどが挙げられる。なお、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類には、これらの化合物の誘導体なども含まれる。
また、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類としては、不飽和カルボン酸と、ヒドロキノン、レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノールF、ビスフェノールA等の芳香族ポリヒドロキシ化合物、或いはそれらのエチレンオキサイド付加物との反応物なども挙げられる。具体的には、例えば、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAビス〔オキシエチレン(メタ)アクリレート〕、ビスフェノールAビス〔グリシジルエーテル(メタ)アクリレート〕等が挙げられる。
また、前記の不飽和カルボン酸と、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリヒドロキシ化合物との反応物、例えば、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート等も挙げられる。
また、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸とポリヒドロキシ化合物との反応物、例えば、(メタ)アクリル酸とフタル酸とエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とマレイン酸とジエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とテレフタル酸とペンタエリスリトールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とアジピン酸とブタンジオールとグリセリンとの縮合物等も挙げられる。
また、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸とポリヒドロキシ化合物との反応物、例えば、(メタ)アクリル酸とフタル酸とエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とマレイン酸とジエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とテレフタル酸とペンタエリスリトールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とアジピン酸とブタンジオールとグリセリンとの縮合物等も挙げられる。
(D2)ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類としては、例えば、ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート又は複素環式ポリイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物との反応物等が挙げられる。
具体的には、例えば、ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物としては、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、ポリイソシアネート化合物は、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン等の脂肪族ポリイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等の芳香族ポリイソシアネート及びイソシアヌレート等の複素環式ポリイソシアネート等が挙げられる。
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類の市販品としては、例えば、新中村化学社製「U−4HA」、「UA−306A」、「UA−MC340H」、「UA−MC340H」及び「U6LPA」等が挙げられる。
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類としては、硬化物の耐薬品性などを充分確保するためには、4個以上のウレタン結合〔−NH−CO−O−〕及び4個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が好ましい。このような化合物は、例えば、4個以上の水酸基を有する化合物とジイソシアネート化合物とを反応させる、2個以上の水酸基を有する化合物と3個以上のイソシアネート基を有する化合物とを反応させる、4個以上のイソシアネート基を有する化合物と1個以上の水酸基と2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物とを反応させるなどの方法により得ることができる。
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類としては、硬化物の耐薬品性などを充分確保するためには、4個以上のウレタン結合〔−NH−CO−O−〕及び4個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が好ましい。このような化合物は、例えば、4個以上の水酸基を有する化合物とジイソシアネート化合物とを反応させる、2個以上の水酸基を有する化合物と3個以上のイソシアネート基を有する化合物とを反応させる、4個以上のイソシアネート基を有する化合物と1個以上の水酸基と2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物とを反応させるなどの方法により得ることができる。
具体的には、例えば、以下の化合物などが挙げられる。すなわち、4個以上の水酸基を有する化合物とジイソシアネート化合物とを反応させることにより得られる化合物としては、ペンタエリスリトール、ポリグリセリン等の4個以上の水酸基を有する化合物と、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物とを反応させて得られる化合物などが挙げられる。
2個以上の水酸基を有する化合物と3個以上のイソシアネート基を有する化合物とを反応させることにより得られる化合物としては、エチレングリコール等の2個以上の水酸基を有する化合物と、旭化成ケミカルズ社製「デュラネート(登録商標)24A−100」、同「デュラネート(登録商標)22A−75PX」、同「デュラネート(登録商標)21S−75E」、同「デュラネート(登録商標)18H−70B」等のビウレットタイプ及び同「デュラネート(登録商標)P−301−75E」、同「デュラネート(登録商標)E−402−90T」、同「デュラネート(登録商標)E−405−80T」等のアダクトタイプ等の3個以上のイソシアネート基を有する化合物とを反応させて得られる化合物などが挙げられる。
4個以上のイソシアネート基を有する化合物と1個以上の水酸基と2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物とを反応させることにより得られる化合物としては、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等を重合若しくは共重合させて得られる化合物等の4個以上、好ましくは6個以上のイソシアネート基を有する化合物等と、旭化成ケミカルズ社製「デュラネート(登録商標)ME20−100」と、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の1個以上の水酸基と2個以上、好ましくは3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物とを反応させて得られる化合物などが挙げられる。
(D3)(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類としては、例えば、(メタ)アクリル酸又は前記のヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、脂肪族ポリエポキシ化合物、芳香族ポリエポキシ化合物、複素環式ポリエポキシ化合物等のポリエポキシ化合物との反応により得られる化合物などが挙げられる。
具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸又は前記のヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、(ポリ)エチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)テトラメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ペンタメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ヘキサメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ソルビトールポリグリシジルエーテル等の脂肪族ポリエポキシ化合物;フェノールノボラックポリエポキシ化合物、ブロム化フェノールノボラックポリエポキシ化合物、(o−,m−,p−)クレゾールノボラックポリエポキシ化合物、ビスフェノールAポリエポキシ化合物、ビスフェノールFポリエポキシ化合物等の芳香族ポリエポキシ化合物;ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリエポキシ化合物等のポリエポキシ化合物との反応により得られる化合物などが挙げられる。
(D1)〜(D3)以外のエチレン性不飽和基含有化合物としては、例えば、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、フタル酸ジアリル等のアリルエステル類、ジビニルフタレート等のビニル基を有する化合物類、エーテル結合を有するエチレン性不飽和化合物のエーテル結合を5硫化燐等により硫化してチオエーテル結合に変えたチオエーテル結合を有する化合物類などが挙げられる。
この他にも要求特性に応じて、マクロモノマーやデンドリマーアクリレートといった特殊なエチレン性不飽和基含有化合物を用いても良い。例えばデンドリマーとしては大阪有機社のSTAR−501やSIRIUS−501といったものが挙げられる。マクロモノマーとしては、例えば東亜合成社のAA−6、AS−6、AB−6、AN−6S等が挙げられる。
この他にも要求特性に応じて、マクロモノマーやデンドリマーアクリレートといった特殊なエチレン性不飽和基含有化合物を用いても良い。例えばデンドリマーとしては大阪有機社のSTAR−501やSIRIUS−501といったものが挙げられる。マクロモノマーとしては、例えば東亜合成社のAA−6、AS−6、AB−6、AN−6S等が挙げられる。
これらのエチレン性不飽和基含有化合物は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良いが、高い電気信頼性や耐薬品性の確保の点で(D1)不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類を用いることが好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和結合を5個以上有する化合物が特に好ましい。
尚、本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物は、極性有機溶剤を含有する現像液で現像するが、現像液への現像性の最適化の目的で、カルボキシル基や水酸基、ポリエチレングリコールや、ポリプロピレングリコール基を導入したエチレン性不飽和基含有化合物を用いても良いが、充分なポットライフを確保のためには、カルボキシル基の導入はあまり好ましくない。
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物中の(D)エチレン性不飽和基含有化合物の含有割合は、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対して、3質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。上記下限より少ない場合はエチレン性不飽和基含有化合物を用いる効果が得難くなる傾向があり、上記上限より多い場合は、充分な膜強度を得るには200℃を超えるベーク処理が必要となり、下層の機能性有機層を劣化させてしまう傾向がある。
[(E)ラジカル重合開始剤]
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物は、(E)ラジカル重合開始剤を含有していてもよい。(E)ラジカル重合開始剤は、熱や光などのエネルギーにより(D)エチレン性不飽和基含有化合物を重合させることができる化合物であれば良く、従来公知のラジカル重合開始剤を用いることができ、例えば、熱ラジカル重合開始剤や光ラジカル重合開始剤が挙げられ、(E)ラジカル重合開始剤が熱ラジカル重合開始剤及び/又は光ラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物は、(E)ラジカル重合開始剤を含むことで耐薬品性をさらに向上できると考えられる。
熱ラジカル重合開始剤としては、たとえば有機過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物は、(E)ラジカル重合開始剤を含有していてもよい。(E)ラジカル重合開始剤は、熱や光などのエネルギーにより(D)エチレン性不飽和基含有化合物を重合させることができる化合物であれば良く、従来公知のラジカル重合開始剤を用いることができ、例えば、熱ラジカル重合開始剤や光ラジカル重合開始剤が挙げられ、(E)ラジカル重合開始剤が熱ラジカル重合開始剤及び/又は光ラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物は、(E)ラジカル重合開始剤を含むことで耐薬品性をさらに向上できると考えられる。
熱ラジカル重合開始剤としては、たとえば有機過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。
有機過酸化物の具体例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等のパーオキシケタール、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等のパーオキシエステル等が挙げられる。
アゾ化合物の具体例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリック酸、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス−[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、等が挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤は、10時間半減期温度が70℃以上であることが好ましく、80℃以上であることがより好ましく、90℃以上であることが特に好ましい。また、140℃以下であることが好ましく、130℃以下であることがより好ましく、120℃以下であることが特に好ましい。前記下限値未満の場合は保存安定性が確保し辛くなる場合があり、又前記上限値超過の場合は充分な低温硬化性を確保し辛くなる場合がある。
10時間半減期温度と、安全性の観点で、(E)ラジカル重合開始剤がアゾ化合物を含むことが好ましく、10時間半減期温度が70〜140℃のアゾ化合物を含むことがより好ましく、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)を含むことが特に好ましい。
10時間半減期温度と、安全性の観点で、(E)ラジカル重合開始剤がアゾ化合物を含むことが好ましく、10時間半減期温度が70〜140℃のアゾ化合物を含むことがより好ましく、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)を含むことが特に好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号各公報に記載のチタノセン化合物を含むメタロセン化合物;特開2000−56118号公報に記載のヘキサアリールビイミダゾール誘導体;特開平10−39503号公報記載のハロメチル化オキサジアゾール誘導体、ハロメチル−s−トリアジン誘導体、N−フェニルグリシン等のN−アリール−α−アミノ酸類、N−アリール−α−アミノ酸塩類、N−アリール−α−アミノ酸エステル類等のラジカル活性剤、α−アミノアルキルフェノン誘導体;特開2000−80068号公報、特開2006−36750号公報等に記載されているオキシムエステル誘導体等が挙げられる。これらの中でも、(E)ラジカル重合開始剤がオキシムエステル誘導体類及び/又はα−アミノアルキルフェノン誘導体類を含むことが好ましい。
具体的には、例えば、チタノセン誘導体類としては、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロライド、ジシクロペンタジエニルチタニウムビスフェニル、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムジ(2,6−ジフルオロフェニ−1−イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムジ(2,4−ジフルオロフェニ−1−イル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,6−ジフルオロフェニ−1−イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウム〔2,6−ジ−フルオロ−3−(ピロ−1−イル)−フェニ−1−イル〕等が挙げられる。
また、ビイミダゾール誘導体類としては、2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ビス(3’−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(2’−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(2’−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、(4’−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体等が挙げられる。
また、ハロメチル化オキサジアゾール誘導体類としては、2−トリクロロメチル−5−(2’−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2’−ベンゾフリル)ビニル〕−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2’−(6”−ベンゾフリル)ビニル)〕−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−フリル−1,3,4−オキサジアゾール等が挙げられる。
また、ハロメチル−s−トリアジン誘導体類としては、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
また、α−アミノアルキルフェノン誘導体類としては、2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、4−ジメチルアミノエチルベンゾエ−ト、4−ジメチルアミノイソアミルベンゾエ−ト、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエート、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等が挙げられる。
更に、例えば、特開2000−80068号公報や、特開2006−36750号公報に記載されているオキシム及びケトオキシムエステル系化合物が挙げられる。
その他に、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン誘導体類;ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体類;2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−(4’−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン等のアセトフェノン誘導体類;チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体類;p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体類;9−フェニルアクリジン、9−(p−メトキシフェニル)アクリジン等のアクリジン誘導体類;9,10−ジメチルベンズフェナジン等のフェナジン誘導体類;ベンズアンスロン等のアンスロン誘導体類等も挙げられる。
その他に、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン誘導体類;ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体類;2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−(4’−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン等のアセトフェノン誘導体類;チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体類;p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体類;9−フェニルアクリジン、9−(p−メトキシフェニル)アクリジン等のアクリジン誘導体類;9,10−ジメチルベンズフェナジン等のフェナジン誘導体類;ベンズアンスロン等のアンスロン誘導体類等も挙げられる。
これらの光ラジカル重合開始剤の中では、感度の点からオキシムエステル誘導体類が特に好ましく、又1μm以下の薄膜を形成させる場合には、α−アミノアルキルフェノン誘導体類が比較的表面硬化性に優れているので好ましい。
(E)ラジカル重合開始剤として光ラジカル重合開始剤を用いる場合は、光感度を向上させることが出来るため、カチオン重合の露光感度を補う効果も期待出来るが、一方で、光ラジカル重合開始剤の光硬化性を利用せずに、熱硬化性のみを利用してもよい。
(E)ラジカル重合開始剤として光ラジカル重合開始剤を用いる場合は、光感度を向上させることが出来るため、カチオン重合の露光感度を補う効果も期待出来るが、一方で、光ラジカル重合開始剤の光硬化性を利用せずに、熱硬化性のみを利用してもよい。
(E)ラジカル重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)ラジカル重合開始剤を2種以上併用する場合の組み合わせについては特に限定されないが、優れた耐熱性を得るとの観点からはアゾ化合物とオキシムエステル誘導体類の組み合わせ又はアゾ化合物とα−アミノアルキルフェノン誘導体類の組み合わせが好ましい。
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物中の(E)ラジカル重合開始剤の含有割合は、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、10質量%以下であることが好ましく、7質量%以下であることがより好ましい。上記下限より少ない場合は、エチレン性不飽和基含有化合物を使用する効果が充分に得られない傾向があり、一方上記上限より多い場合は電気信頼性を悪化させる傾向がある。
(E)ラジカル重合開始剤を2種以上併用する場合の組み合わせについては特に限定されないが、優れた耐熱性を得るとの観点からはアゾ化合物とオキシムエステル誘導体類の組み合わせ又はアゾ化合物とα−アミノアルキルフェノン誘導体類の組み合わせが好ましい。
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物中の(E)ラジカル重合開始剤の含有割合は、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、10質量%以下であることが好ましく、7質量%以下であることがより好ましい。上記下限より少ない場合は、エチレン性不飽和基含有化合物を使用する効果が充分に得られない傾向があり、一方上記上限より多い場合は電気信頼性を悪化させる傾向がある。
[レベリング剤]
液晶表示素子の液晶セル内に設ける保護層付き塗布型偏光膜を形成する場合、塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物を用いて形成した保護層の膜厚が厚いと電界を弱めてしまうため、膜厚が100nm〜1μmと極めて薄い状態で成膜する必要があるが、そういった薄膜で下層の塗布型偏光膜を充分保護しなければならないためハジキなどの塗布欠陥は避けなければならず、又、膜厚が不均一だと電界がバラツキその結果表示ムラの原因となる。よって、膜厚が均一な薄膜を塗布欠陥なく形成させる必要があり、レベリング剤を用いることが好ましい。レベリング剤としては各種界面活性剤が挙げられるが、電気信頼性の確保から、シリコン及び/又はフッ素系界面活性剤を使用することが好ましい。
液晶表示素子の液晶セル内に設ける保護層付き塗布型偏光膜を形成する場合、塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物を用いて形成した保護層の膜厚が厚いと電界を弱めてしまうため、膜厚が100nm〜1μmと極めて薄い状態で成膜する必要があるが、そういった薄膜で下層の塗布型偏光膜を充分保護しなければならないためハジキなどの塗布欠陥は避けなければならず、又、膜厚が不均一だと電界がバラツキその結果表示ムラの原因となる。よって、膜厚が均一な薄膜を塗布欠陥なく形成させる必要があり、レベリング剤を用いることが好ましい。レベリング剤としては各種界面活性剤が挙げられるが、電気信頼性の確保から、シリコン及び/又はフッ素系界面活性剤を使用することが好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、例えばビックケミー社のBMシリーズ、DIC社のメガファックシリーズ(メガファックは登録商標)、住友スリーエム社のフロラードシリーズ、AGC社のサーフロンシリーズ(サーフロンは登録商標)、ネオス社のフタージェントシリーズ(フタージェントは登録商標)等が挙げられる。
又シリコン系の界面活性剤としては、例えばビックケミー社のBYKシリーズ、東レ・ダウコーニング社のSH・SZ・DC等のシリーズ、東芝シリコーン社のTSFシリーズ等が挙げられる。
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物中のレベリング剤の含有割合は、塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.01質量%以上であることが好ましく0.02質量%以上であることがより好ましく、又、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。上記下限より少ない場合は、充分なレベリング効果得られにくい傾向があり、上記上限より多い場合は、泡立ちのため、かえってハジキなどの塗布欠陥が出現し易くなる傾向がある。
[有機溶剤]
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物は有機溶剤で希釈されたものであることが好ましい。
有機溶剤を用いる場合には、本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物中の全固形分の含有率が3質量%以上となるように用いることが好ましく、5質量%以上となるように用いることがより好ましく、また、25質量%以下となるように用いることが好ましく、20質量%以下となるように用いることがより好ましい。前記下限値以上とすることで膜厚の制御を容易とすることができる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物のポットライフを維持しやすくすることができる傾向がある。尚、全固形分とは、有機溶剤以外の成分の合計を示す。
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物は有機溶剤で希釈されたものであることが好ましい。
有機溶剤を用いる場合には、本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物中の全固形分の含有率が3質量%以上となるように用いることが好ましく、5質量%以上となるように用いることがより好ましく、また、25質量%以下となるように用いることが好ましく、20質量%以下となるように用いることがより好ましい。前記下限値以上とすることで膜厚の制御を容易とすることができる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物のポットライフを維持しやすくすることができる傾向がある。尚、全固形分とは、有機溶剤以外の成分の合計を示す。
本発明で用いる有機溶剤は、例えば、グリコールモノアルキルエーテル類;グリコールジアルキルエーテル類;グリコールジアセテート類;アルキルアセテート類;エーテル類;ケトン類;1価又は多価アルコール類;脂肪族炭化水素類;脂環式炭化水素類;芳香族炭化水素類;鎖状又は環状エステル類;アルコキシカルボン酸類;ハロゲン化炭化水素類;エーテルケトン類;ニトリル類等が挙げられ、具体的にはイソプロピルアルコール、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、1.4−ジオキサン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルラクテート)、ジメチルホルムアミド、エチルラクテート、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、3−エトキシプロピオネート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ブチルセロソルブ、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられるが、下層の塗布型偏光膜を侵さないものとするとの観点からは、塗布型偏光膜が水溶性の二色性色素からなる場合は、エーテル基及び/又はカルボニル基を含有するものが好ましく、極性が高すぎるアルコール等は用いないことが好ましい。この場合、好適に用いられる有機溶剤はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートやエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートが挙げられる。これら有機溶剤は単独で用いても良く、2種以上を併用しても良く、塗布性、表面張力、沸点などのバランスを考慮して決めるのが良い。
[その他の成分]
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物は、本発明の優れた効果を大幅に妨げなければ、必要に応じてその他の成分を含有することが出来る。その他の成分としては、例えばエポキシ化合物やオキセタン化合物、エポキシ基やオキセタニル基を含有しない樹脂、増感剤、メラミン樹脂等のアミノ化合物、シランカップリング剤等の密着性改善剤、エチレン性不飽和基やエポキシ基等の架橋基を有するフッ素含有化合物等の撥液剤、染料や顔料等の色剤、シリカ・アルミナ・チタニア・ジルコニア等の無機フィラー等が挙げられる。
エポキシ化合物としては例えば、三菱化学社のJERシリーズや、ダイセル社のセロキサイドシリーズ(セロキサイドは登録商標)、新日鉄住金化学社のエポトートシリーズ(エポトートは登録商標)、日本化薬社のNC−、XD−、EPPN−、EOCN−等のシリーズ、DIC社のEPICLON(登録商標)等が挙げられる。
オキセタンとしては、東亜合成社のOXTシリーズや、大阪有機社のOXE−10や30等が挙げられる。
又、エポキシ基やオキセタニル基を含有しない樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ノボラック樹脂などが好ましい例として挙げられる。尚、これらの樹脂にはラジカル重合性不飽和基やカチオ重合性基、その他の架橋基が導入されていても良い。ラジカル重合性不飽和基含有樹脂としては、例えば日本化薬社のZAR、ZCR、CCR等のエポアク樹脂などの他、グリシジル(メタ)アクリレートなどを共重合成分として重合させた樹脂を(メタ)アクリル酸などで開環させた樹脂などが挙げられる。
さらに増感剤としては、川崎化成工業社のANTHRACURE等のジアルコキシアントラセンが有効であるが、着色があるので、着色を好まない用途には使用出来ない。
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物は、本発明の優れた効果を大幅に妨げなければ、必要に応じてその他の成分を含有することが出来る。その他の成分としては、例えばエポキシ化合物やオキセタン化合物、エポキシ基やオキセタニル基を含有しない樹脂、増感剤、メラミン樹脂等のアミノ化合物、シランカップリング剤等の密着性改善剤、エチレン性不飽和基やエポキシ基等の架橋基を有するフッ素含有化合物等の撥液剤、染料や顔料等の色剤、シリカ・アルミナ・チタニア・ジルコニア等の無機フィラー等が挙げられる。
エポキシ化合物としては例えば、三菱化学社のJERシリーズや、ダイセル社のセロキサイドシリーズ(セロキサイドは登録商標)、新日鉄住金化学社のエポトートシリーズ(エポトートは登録商標)、日本化薬社のNC−、XD−、EPPN−、EOCN−等のシリーズ、DIC社のEPICLON(登録商標)等が挙げられる。
オキセタンとしては、東亜合成社のOXTシリーズや、大阪有機社のOXE−10や30等が挙げられる。
又、エポキシ基やオキセタニル基を含有しない樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ノボラック樹脂などが好ましい例として挙げられる。尚、これらの樹脂にはラジカル重合性不飽和基やカチオ重合性基、その他の架橋基が導入されていても良い。ラジカル重合性不飽和基含有樹脂としては、例えば日本化薬社のZAR、ZCR、CCR等のエポアク樹脂などの他、グリシジル(メタ)アクリレートなどを共重合成分として重合させた樹脂を(メタ)アクリル酸などで開環させた樹脂などが挙げられる。
さらに増感剤としては、川崎化成工業社のANTHRACURE等のジアルコキシアントラセンが有効であるが、着色があるので、着色を好まない用途には使用出来ない。
[塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物の調製]
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物の調製方法は特に限定されないが、例えば、上述の各成分を有機溶剤と共に混合し、撹拌や超音波印加により、溶解又は分散させることにより、調製することができる。なお、組成物を調製する時に、(D)エチレン性不飽和基含有化合物や、液体状のエポキシ樹脂やオキセタンを使用する場合は、それらを有機溶剤の代わりとしても良い。
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物の調製方法は特に限定されないが、例えば、上述の各成分を有機溶剤と共に混合し、撹拌や超音波印加により、溶解又は分散させることにより、調製することができる。なお、組成物を調製する時に、(D)エチレン性不飽和基含有化合物や、液体状のエポキシ樹脂やオキセタンを使用する場合は、それらを有機溶剤の代わりとしても良い。
調製する際に、各成分を同時に添加し混合してもよいが、任意の順番で順次添加して混合してもよい。順次添加する際の順番については特に限定されない。例えば、まず(B)カチオン重合開始剤と(C)アルコシキ基含有ナフタレン化合物と(E)ラジカル重合開始剤とを有機溶剤を混合して混合物1を得て、その後に(A)重合体溶液を添加して混合して混合物2を得て、さらに該混合物2に(D)エチレン性不飽和基含有化合物を添加して混合して得てもよい。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、上述の各成分を有機溶剤と共に混合した後に、フィルターを用いて濾過することにより、不溶物、樹脂などの合成時生じる可能性のあるゲル成分、ゴミ、微量金属などを除去することが好ましい。フィルターとしては、例えば、インテグリスオプチマイザー、CUNOナノシールド、ゼータプラスECなどを使用することが出来る。なお、不溶物、ゲル成分、ゴミ、微量金属などは、薄膜を形成した場合にハジキの原因となり、下層の機能性有機層を保護出来ない部分が生じるため、フィルターの目は0.02μm以下の細かいものが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に含有される各成分の化学構造は、NMRやGPCやIR等により分析することにより、確認できる。
本発明の感光性樹脂組成物に含有される各成分の化学構造は、NMRやGPCやIR等により分析することにより、確認できる。
[保護層付き塗布型偏光膜の製造方法]
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物を基板に成膜された塗布型偏光膜上に湿式成膜し、露光後、極性溶剤を含有する現像液で、塗布型偏光膜ごと現像し、さらにベークして感光性樹脂組成物層をメルトフローさせて塗布型偏光膜の側面を塞ぐことで保護層付き塗布型偏光膜を製造することができる。下層となる塗布型偏光膜はそれ自体ではパターニングが困難であり、耐薬品性や耐熱性も不十分である傾向がある。
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物を基板に成膜された塗布型偏光膜上に湿式成膜し、露光後、極性溶剤を含有する現像液で、塗布型偏光膜ごと現像し、さらにベークして感光性樹脂組成物層をメルトフローさせて塗布型偏光膜の側面を塞ぐことで保護層付き塗布型偏光膜を製造することができる。下層となる塗布型偏光膜はそれ自体ではパターニングが困難であり、耐薬品性や耐熱性も不十分である傾向がある。
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物を、塗布型偏光膜の上に塗布する方法としては、例えば、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、ダイコート法、ブレードコート法、ロッドコート法、ロールコート法、スプレーコート法、インクジェット法、エレクトロスプレイデポジション法などが挙げられる。中でも、ダイコート法は、少量塗布が可能で、スピンコート法などの方法に比べ、ミストが付着する危険性が少なく、異物が発生し難いため、好ましい。
この他、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、ステンシル印刷、インクジェット印刷、ノズルプリント、スタンピング(マイクロコンタクト印刷)などで印刷しても良い。
この他、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、ステンシル印刷、インクジェット印刷、ノズルプリント、スタンピング(マイクロコンタクト印刷)などで印刷しても良い。
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物が有機溶剤を含む場合は、基板に製膜された塗布型偏光膜上に塗布又は印刷した後に、通常、これを乾燥させる。乾燥は、クリーンオーブン、ホットプレート、赤外線、ハロゲンヒーター、マイクロ波照射などの加熱機器を用いて加熱することにより行うことができる。中でも、膜全体を均等に加熱しやすいことから、クリーンオーブン及びホットプレートが好ましい。乾燥条件は、有機溶剤の種類や下層の塗布型偏光膜の耐熱性などに応じて、適宜選択すればよい。十分に乾燥させた方が安定した硬化性を得やすい点では、高温で長時間乾燥させることが好ましいが、また、一方で、乾燥に要する時間が短く、生産性に優れ、又、機能性有機層や基板に加熱の影響を及ぼし難い点では、低温で短時間乾燥させることが好ましい。そこで、乾燥温度は、通常40℃以上、好ましくは50℃以上であり、また、一方、通常120℃以下、好ましくは100℃以下である。また、乾燥時間は、15秒以上が好ましく、30秒以上が更に好ましいが、また、一方で、5分以下が好ましく、3分以下が更に好ましい。また、乾燥は、減圧乾燥法により行ってもよく、加熱法と減圧乾燥法を併用してもよい。
塗布した(有機溶剤を含む場合は更に乾燥させた)塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物層に露光マスクを介して露光、若しくはレーザーで直接描画し、露光部を不溶化させた後、露光マスクで光照射が遮られていた部分、若しくはレーザー照射をしなかった部分の保護層とその下部にある塗布型偏光膜を取り除くため、現像処理により行う。
露光に使用される光源は、本発明の感光性樹脂組成物を不溶化できれば、特に限定されない。具体的には、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプ、LEDなどのランプ光源及びアルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、青紫色半導体レーザー、近赤外半導体レーザーなどのレーザー光源などが挙げられる。
ここで、特定波長の光を使用する場合には、光学フィルターを用いてもよい。
露光量は、通常0.01mJ/cm2以上、好ましくは0.1mJ/cm2以上、より好ましくは1mJ/cm2以上であり、また、一方、通常1000mJ/cm2以下、好ましくは800mJ/cm2以下、より好ましくは500mJ/cm2以下である。
ここで、特定波長の光を使用する場合には、光学フィルターを用いてもよい。
露光量は、通常0.01mJ/cm2以上、好ましくは0.1mJ/cm2以上、より好ましくは1mJ/cm2以上であり、また、一方、通常1000mJ/cm2以下、好ましくは800mJ/cm2以下、より好ましくは500mJ/cm2以下である。
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物は、露光時に光の照射を受けなかった部分を現像処理にて除去することでパターニングして用いる。現像液としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドのようなアルカリ水溶液を用いるのが一般的であるが、本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物は塗布型偏光膜の上に直接設けてフォトリソ処理を実施するため、塗布型偏光膜に悪影響を及ぼしやすいアルカリを含むものではないことが好ましく、有機溶剤を含むものが好ましい。
尚、本発明では、塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物層とその下層の塗布型偏光膜を共に溶解させることが出来る現像液を適宜選定することで、2層を同時にパターニングすることが出来る。その場合に用いる現像液は塗布型偏光膜にもよるが、例えば水溶性の2色性色素であれば、アルコール、エーテル、エステル、ケトン、ラクタム、アミド、アミン、スリホキシド、カルボン酸から選ばれる少なくとも1種の極性溶剤を含有するものが好適に用いることが出来る。具体的には水溶性の塗布型偏光膜を緩やかに溶解し、塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物層を白化させない程度の極性であることが望ましいため、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、メチルグリコールアセテート、エチルジグリコールアセテート、3−メトキシブタノール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、グリセリン、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの極性溶剤が挙げられる。これらは、単独若しくは混合して調整して用いても良く、又、非極性溶剤を混合しても良いが、現像液中の極性溶剤の含有割合が、現像液全体に対して、50体積%以上であることが好ましく、70体積%以上であることがさらに好ましい。上記下限より少ない場合、塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物層や、下層の塗布型偏光膜の現像が困難となる場合がある。
尚、本発明では、塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物層とその下層の塗布型偏光膜を共に溶解させることが出来る現像液を適宜選定することで、2層を同時にパターニングすることが出来る。その場合に用いる現像液は塗布型偏光膜にもよるが、例えば水溶性の2色性色素であれば、アルコール、エーテル、エステル、ケトン、ラクタム、アミド、アミン、スリホキシド、カルボン酸から選ばれる少なくとも1種の極性溶剤を含有するものが好適に用いることが出来る。具体的には水溶性の塗布型偏光膜を緩やかに溶解し、塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物層を白化させない程度の極性であることが望ましいため、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、メチルグリコールアセテート、エチルジグリコールアセテート、3−メトキシブタノール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、グリセリン、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの極性溶剤が挙げられる。これらは、単独若しくは混合して調整して用いても良く、又、非極性溶剤を混合しても良いが、現像液中の極性溶剤の含有割合が、現像液全体に対して、50体積%以上であることが好ましく、70体積%以上であることがさらに好ましい。上記下限より少ない場合、塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物層や、下層の塗布型偏光膜の現像が困難となる場合がある。
さらに、本発明の現像液には水やノニオン系の界面活性剤が含まれていても良い。水を含む場合は0.5体積%以上が好ましく、1体積%以上がより好ましく、20体積%以下が好ましく、10体積%以下がより好ましい。上記下限より少ない場合、水を混合する効果が充分得られず、上記上限より多い場合は、下層の塗布型偏光膜の溶解速度が速くなり過ぎ、パターニングの制御が出来なくなってしまう場合がある。
尚、本発明の保護層付き塗布型偏光膜の製造方法では、後述のベーク工程にて塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物層をメルトフローさせることで、露出していた塗布型偏光膜の側面を塞ぐものであるが、これをより効果的にするために、図1(2)の様に露光及び現像後の塗布型偏光膜は、塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物層のパターンより若干内側まで浸食させることが好ましい。浸食の程度としては、塗布型偏光膜の膜厚の1.1倍〜10倍程度、塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物のエッジよりも内側まで浸食することが好ましい。ベーク時の、塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物層のメルトフローの際、この部分が充分な糊代となることで、塗布型偏光膜を後の工程からより強固に保護することが可能となる。
ベークの目的の一つは保護層の硬化を促進し膜強度を上げることであるが、本発明においてはもう一つの目的として、現像後に、むき出しになっている下層の塗布型偏光膜の側面を、図1(3)の様に感光性樹脂組成物層をメルトフローさせることで塞ぎ、その後の工程から保護することが挙げられる。
ベーク温度は、100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましく、また、200℃以下であることが好ましく、180℃以下であることがより好ましい。これより低温の場合は硬化に必要な時間が長くかかり生産性が悪くなったり充分に硬化されなかったり、メルトフローが充分進行しなかったりする傾向があり、下層の塗布型偏光膜にダメージを与えたり、又プラスチック基板を用いている場合は基板が変形したり着色したりといった問題を生じる傾向がある。又ベークにかける時間は短い方が効率的に好ましいが、充分な硬化性を確保するという点で3分〜2時間が適当であり、特に10分〜1時間が最適である。
なお、本発明の保護層付き塗布型偏光膜の製造方法において塗布型偏光膜の支持体として用いる基板としては、特に限定されるものではないが、良好な表面性状、接触角特性と吸水特性を有する基板であることが好ましい。そのような基板を形成する基材としては、例えば、ガラス等の無機材料;トリアセテート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、トリアセチルセルロース系樹脂、ノルボルネン系樹脂、環状ポレオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、又はウレタン系樹脂等の高分子材料等を挙げることができる。これらは1種を単独で、または2種以上を併用してもよい。特に基板は高分子材料を含有する高分子基材を含む基板であることが好ましい。
基板の吸水率としては、通常、5%以下、好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下である。吸水率が過度に大きいと、湿式成膜法にて異方性偏光材料の膜を形成する際に基板が吸湿して基板が反り、塗布欠陥が生じやすくなる場合がある。また、塗布法にて偏光層が形成された後に基板が膨潤して光学欠陥が発生する場合がある。なお、「吸水率」とは、ASTM D570の試験方法を用い、23℃の水に4時間浸漬させたときの重量変化率を測定した値である。
基板面である、塗布型偏光膜が形成される面には、塗布型偏光膜に含まれる色素などの異方性偏光材料をよりよく一定方向に配向させるとの観点から、予め配向処理層等を設けることができる。配向処理層の形成方法については「液晶便覧」(丸善株式会社、平成12年10月30日発行)226頁〜239頁などに記載の公知の方法によることができる。また、基板の形状としては、一定寸法のフィルム状(枚葉状)であってもよいし、連続フィルム状(帯状)であってもよい。また、基板の膜厚としては、通常、0.01mm〜3mm、好ましくは0.02mm〜2mmである。
基板の全光線透過率としては、通常、80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上である。なお、「全光線透過率」とは、積分球色測定装置を使用して測定されるもので、拡散透過光と平行光線透過光とをあわせた値である。
[表示装置]
本発明の表示装置は、少なくとも本発明の保護層付き塗布型偏光膜を備えたものである。具体的には、液晶表示装置が挙げられる。液晶表示装置の構成例としては、層間絶縁膜とITO配線と保護層付き偏光膜とを有するTFT素子アレイ基板と、配向膜と保護層付き偏光膜とを有するカラーフィルター基板がスペーサーを挟んで対向しており、その隙間に液晶が注入されている。さらにそのTFT素子アレイ基板の外側にバックライトが配置されて構成されたものが挙げられる。本発明の表示装置はこれに限定されるものではなく、他にも有機EL表示装置等が挙げられえる。
本発明の表示装置は、少なくとも本発明の保護層付き塗布型偏光膜を備えたものである。具体的には、液晶表示装置が挙げられる。液晶表示装置の構成例としては、層間絶縁膜とITO配線と保護層付き偏光膜とを有するTFT素子アレイ基板と、配向膜と保護層付き偏光膜とを有するカラーフィルター基板がスペーサーを挟んで対向しており、その隙間に液晶が注入されている。さらにそのTFT素子アレイ基板の外側にバックライトが配置されて構成されたものが挙げられる。本発明の表示装置はこれに限定されるものではなく、他にも有機EL表示装置等が挙げられえる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において、任意に変更して実施できる。
[実施例1〜3、比較例1〜4]
実施例及び比較例で用いた各成分の詳細は、以下の通りである。
実施例及び比較例で用いた各成分の詳細は、以下の通りである。
<塗布型偏光膜用組成物−1>
水79質量部に、下記式(1)で表わされる色素のリチウム塩20質量部と、下記式(2)で表わされる色素1質量部とを撹拌溶解させることにより、偏光層膜用組成物−1を調製した。
水79質量部に、下記式(1)で表わされる色素のリチウム塩20質量部と、下記式(2)で表わされる色素1質量部とを撹拌溶解させることにより、偏光層膜用組成物−1を調製した。
<重合体−1>
還流冷却器、攪拌機、窒素吹込み管を備えたフラスコに、トリシクロデカン骨格を有するモノメタクリレート(日立化成(株)製「FA−513M」)47質量部、グリシジルメタクリレート61質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート400質量部、ジメチル2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)8.0質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながら液温を80℃に上昇させ、80℃で6時間反応し、さらに100℃で1時間ジメチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)の分解処理をした後、80℃の減圧下でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを蒸留して、固形分濃度50質量%程度まで濃縮し、重合体−1を得た。この樹脂の重量平均分子量(Mw)は、約11,000であった。
還流冷却器、攪拌機、窒素吹込み管を備えたフラスコに、トリシクロデカン骨格を有するモノメタクリレート(日立化成(株)製「FA−513M」)47質量部、グリシジルメタクリレート61質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート400質量部、ジメチル2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)8.0質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながら液温を80℃に上昇させ、80℃で6時間反応し、さらに100℃で1時間ジメチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)の分解処理をした後、80℃の減圧下でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを蒸留して、固形分濃度50質量%程度まで濃縮し、重合体−1を得た。この樹脂の重量平均分子量(Mw)は、約11,000であった。
なお、重量平均分子量は、島津製作所製「ゲル浸透クロマトグラフシステムLS Solution」で、島津製作所製「カラムGPC−804」を用いて測定した。
重合体−1におけるエポキシ基含有不飽和化合物由来の繰り返し単位構造の含有割合は66.8モル%である。
重合体−1におけるエポキシ基含有不飽和化合物由来の繰り返し単位構造は以下のとおりである。
重合体−1におけるエポキシ基含有不飽和化合物由来の繰り返し単位構造の含有割合は66.8モル%である。
重合体−1におけるエポキシ基含有不飽和化合物由来の繰り返し単位構造は以下のとおりである。
<重合体−2>
Joncryl586(BASF社製、Joncrylは登録商標):スチレンとメタクリル酸とメタクリル酸メチルの共重合体
Joncryl586(BASF社製、Joncrylは登録商標):スチレンとメタクリル酸とメタクリル酸メチルの共重合体
<樹脂−3>
YX−8034(三菱化学社製):エポキシ樹脂
YX−8034(三菱化学社製):エポキシ樹脂
<樹脂−4>
OXT−121(東亜合成社製):オキセタン樹脂
OXT−121(東亜合成社製):オキセタン樹脂
<感光性樹脂組成物1〜7の調整>
表1の各成分をそれぞれ量り取り、マグネチックスターラーを用いて撹拌し完全に溶解させ、さらに10分間撹拌を続けた。次にインテグリス社のオプチマイザーV47 0.02μm FD5A XFRを用いて濾過して、感光性樹脂組成物1〜7を得た。
表1の各成分をそれぞれ量り取り、マグネチックスターラーを用いて撹拌し完全に溶解させ、さらに10分間撹拌を続けた。次にインテグリス社のオプチマイザーV47 0.02μm FD5A XFRを用いて濾過して、感光性樹脂組成物1〜7を得た。
<保護層付き塗布型偏光膜の作成>
ガラス製基板(10×10cm、厚さ0.7mm)上に配向膜(ポリイミド膜厚約60nm)を形成し、端面に水平な方向にラビング処理を施したものを基板として用意した。
この配向膜の上に、塗布型偏光膜用組成物−1をダイコーター(ウェット膜厚2μm、ヘッド速度15mm/s)で塗布し、自然乾燥させることにより、膜厚約0.4μmの偏光層を形成した。尚、塗布時の環境条件は23℃、50RH%であった。
ガラス製基板(10×10cm、厚さ0.7mm)上に配向膜(ポリイミド膜厚約60nm)を形成し、端面に水平な方向にラビング処理を施したものを基板として用意した。
この配向膜の上に、塗布型偏光膜用組成物−1をダイコーター(ウェット膜厚2μm、ヘッド速度15mm/s)で塗布し、自然乾燥させることにより、膜厚約0.4μmの偏光層を形成した。尚、塗布時の環境条件は23℃、50RH%であった。
得られた偏光膜の上に、感光性樹脂組成物1〜7を約0.5cc滴下し、ベーク後の膜厚が500nmとなるようにスピンコーターの回転数を調整し、50秒間回転させて塗布した。その後、ホットプレート上で90℃、90秒間加熱乾燥して、保護層を形成させた。このサンプルを、3kW高圧水銀灯を用いて、500mJ/cm2(ただし実施例3のみ、感度が低かったため、2J/cm2)の露光量でネガパターンのあるマスクを介して露光させた。
次にこのサンプルを、プロピレングリコールモノメチルエーテルを95体積%、水を5体積%の比率で混合させた現像液に30秒間揺らしながら浸漬し、現像した。現像後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートでかけ流した後、圧空で乾かした。
この時の、保護層の下にある偏光膜の状態を観察し、ダメージの有無を表−1に示した。
保護層下の偏光膜に溶出したような跡が見られれば×、問題なければ○とした。
次にこのサンプルを、プロピレングリコールモノメチルエーテルを95体積%、水を5体積%の比率で混合させた現像液に30秒間揺らしながら浸漬し、現像した。現像後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートでかけ流した後、圧空で乾かした。
この時の、保護層の下にある偏光膜の状態を観察し、ダメージの有無を表−1に示した。
保護層下の偏光膜に溶出したような跡が見られれば×、問題なければ○とした。
次に、これらのサンプルを180℃のオーブンで30分加熱して、保護層付き塗布型偏光膜のサンプルを得た。
<耐薬品性評価>
得られた保護層付き塗布型偏光膜の保護層の上にN−メチルピロリドンを一滴たらし、15分放置した後、液滴を綿棒で吸い取った。液滴跡が充分乾燥した後、液滴跡を観察して保護層と偏光膜のダメージの有無を評価した。液滴があった部位の保護層及び偏光膜の様子が、溶けたり、色味が変わったなど、何らかの変化があれば×、全く違いが見られなければ○とした。
これらの評価結果を表1に示した。なお、表1に示した各成分の量は、上段が質量部、下段の()内の数値が全固形分に対する質量%を示す。
得られた保護層付き塗布型偏光膜の保護層の上にN−メチルピロリドンを一滴たらし、15分放置した後、液滴を綿棒で吸い取った。液滴跡が充分乾燥した後、液滴跡を観察して保護層と偏光膜のダメージの有無を評価した。液滴があった部位の保護層及び偏光膜の様子が、溶けたり、色味が変わったなど、何らかの変化があれば×、全く違いが見られなければ○とした。
これらの評価結果を表1に示した。なお、表1に示した各成分の量は、上段が質量部、下段の()内の数値が全固形分に対する質量%を示す。
表1より、実施例1〜3と比較例1〜4との比較から、比較例1は重合体を用いていることから現像後の偏光膜ダメージの少ない保護層の形成はできているが、環状エーテル基を有さない重合体を用いたことにより保護層及び偏光膜の耐薬品性が不十分となっている。一方で比較例2〜4は、重合体に代えてエポキシ樹脂やオキセタン樹脂を用いているため、現像後の偏光膜ダメージが不十分であり、また、環状エーテル基を有する樹脂を用いていることから耐薬品性が良好な保護層は得られているものの、浸透性を有するものとなり偏光膜の耐薬品性が不十分となっている。
一方で実施例1〜3は、環状エーテル基を有する重合体を用いていることにより、現像後の偏光膜ダメージもなく、保護層及び偏光膜の耐薬品性も十分なものとなっている。特に、開始剤成分として光カチオン重合開始剤を用いていることから、環状エーテル基の開環重合が十分に進み強固な保護層が得られている。
一方で実施例1〜3は、環状エーテル基を有する重合体を用いていることにより、現像後の偏光膜ダメージもなく、保護層及び偏光膜の耐薬品性も十分なものとなっている。特に、開始剤成分として光カチオン重合開始剤を用いていることから、環状エーテル基の開環重合が十分に進み強固な保護層が得られている。
<偏光膜封止状態の観察>
実施例1の保護層付き塗布型偏光膜における偏光膜の側断面のSEMを観察したところ、保護層がメルトフローして偏光膜の側面を塞いでいることを確認した。
実施例1の保護層付き塗布型偏光膜における偏光膜の側断面のSEMを観察したところ、保護層がメルトフローして偏光膜の側面を塞いでいることを確認した。
<偏光特性の評価>
実施例1の保護層付き塗布型偏光膜について、得られたサンプルを半分に分割し、それぞれの偏光膜が直交になる様に、又は平行になる様に重ね合せた時の様子を観察したところ、光を均質に遮光又は透過できていることが確認できた。
実施例1の保護層付き塗布型偏光膜について、得られたサンプルを半分に分割し、それぞれの偏光膜が直交になる様に、又は平行になる様に重ね合せた時の様子を観察したところ、光を均質に遮光又は透過できていることが確認できた。
本発明の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物によれば、光学的に均質である、パターニングされた塗布型偏光膜を製造することができ、さらに、現像処理時の偏光膜のダメージを抑制でき、かつ、保護層自身及び偏光膜の耐久性を高くすることが可能な保護層を形成可能であり、産業上有用である。
1:塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物層
2:塗布型偏光膜
3:基板
4:保護層
2:塗布型偏光膜
3:基板
4:保護層
Claims (11)
- (A)少なくとも環状エーテル基を有する重合体、及び(B)光カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
- (A)重合体が、さらに環状脂肪族基を有することを特徴とする請求項1に記載の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
- さらに(C)アルコキシ基含有ナフタレン化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
- 前記環状エーテル基が、エポキシ基及び/又はオキセタニル基であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
- (B)光カチオン重合開始剤が芳香族ヨードニウム塩であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
- さらに(D)エチレン性不飽和基含有化合物、及び(E)ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
- (E)ラジカル重合開始剤として、10時間半減期温度が70〜140℃のアゾ化合物を含むことを特徴とする請求項6に記載の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
- 塗布型偏光膜上に湿式成膜し、露光後、極性溶剤を含有する現像液で、塗布型偏光膜ごと現像して用いることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物を用いて形成したことを特徴とする保護層。
- 塗布型偏光膜上に、請求項9に記載の保護層を備えた保護層付き塗布型偏光膜。
- 請求項10に記載の保護層付き塗布型偏光膜を備えた表示装置。
Priority Applications (1)
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JP2014085757A JP2015206842A (ja) | 2014-04-17 | 2014-04-17 | 塗布型偏光膜保護層用感光性樹脂組成物、それを用いて形成した保護層、保護層付き塗布型偏光膜、及びその塗布型偏光膜を備えた表示装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017072832A (ja) * | 2015-10-06 | 2017-04-13 | 三菱化学株式会社 | 感光性樹脂組成物、それを用いて得られる光学素子、スペーサー、絶縁膜及び表示装置 |
KR101870372B1 (ko) * | 2017-02-15 | 2018-06-22 | 엘지엠엠에이 주식회사 | 보호필름용 공중합체 및 이를 포함하는 보호필름, 편광판 |
-
2014
- 2014-04-17 JP JP2014085757A patent/JP2015206842A/ja active Pending
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