JP2009010254A - 半導体装置 - Google Patents

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敏郎 上野
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Abstract

【課題】半導体装置の耐電圧を高めることにより、信頼性の高い半導体装置を提供する。
【解決手段】
シリコン層上に誘電体分離膜122、132を閉ループ状に形成することによりシリコン層上の第一の半導体層領域123、133を絶縁分離し、その内側に拡散抵抗124、134を形成する。第一の誘電体分離膜122、132の閉ループの外側には第二の半導体層領域143が形成されている。この第二の半導体層領域143は、第二の誘電体分離膜142により閉ループ状に囲まれて、配線151の電位を与えられている。サージ電圧が印加されたとしても、第二の半導体層143は二つの拡散抵抗124、134の中点電位に固定されているため、第一の半導体層123、133と第二の半導体層143との間の電位差が半減し、誘電体分離膜122、132の破壊を防ぐことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置に関し、特に基板上の誘電体分離された半導体層に形成された拡散抵抗を有する半導体装置に関する。
従来、半導体集積回路に形成される素子を保護するための抵抗素子として拡散抵抗が用いられている。この拡散抵抗の形成は、まず支持基板上に絶縁膜を介して半導体層が形成されたSOI(silicon on insulator)基板において、絶縁膜に達するように矩形の閉ループ状のトレンチを形成し、この閉ループ状のトレンチ内に絶縁膜を埋め込むことで誘電体分離膜を形成する。そして、この誘電体分離膜を閉ループ状に形成することによりSOI基板の半導体層を例えば矩形領域に分割して絶縁分離する。この絶縁分離された半導体層上に不純物を拡散させて拡散抵抗を形成する。
SOI基板の表面に回路領域を有する半導体集積回路装置において、複数の回路領域を複数の絶縁分離トレンチにより区画し、これらの区画された領域を拡散抵抗で接続することにより、回路領域の耐電圧を高める構成が知られている(特許文献1参照)。
しかし、半導体装置内の拡散抵抗に対してサージ電圧が印加された場合、拡散抵抗の形成された半導体層と誘電体分離膜の外部の半導体層との電位差が大きくなり、拡散抵抗の周囲に形成される誘電体分離膜が耐圧を超えて破壊される。特に拡散抵抗の形成された半導体層の周囲に近接して低電位領域や配線が形成されていた場合には、これらに対してもサージ電圧が印加されるため誘電体分離膜の破壊が生じやすい。
特開2002−57295号公報
本発明は、半導体装置の耐電圧を高めることにより、信頼性の高い半導体装置を提供することを目的とする。
本発明の一の態様に係る半導体装置は、複数の第一半導体層と、前記複数の第一半導体層のそれぞれを閉ループ状に囲って前記第一半導体層を閉ループの外側から絶縁分離する複数の第一誘電体分離膜と、前記複数の第一半導体層にそれぞれ不純物を拡散して形成される複数の拡散領域と、前記拡散領域同士を電気的に接続する導電部と、前記第一誘電体分離膜の閉ループの外側に形成され前記導電部の電位を与えられる第二半導体層と、前記第二半導体層を閉ループ状に囲って前記第二半導体層を閉ループの外側から絶縁分離する第二誘電体分離膜とを備えたことを特徴とする。
本発明の他の態様に係る半導体装置は、複数の第一半導体層と、前記複数の第一半導体層のそれぞれを閉ループ状に囲って前記第一半導体層を閉ループの外側から絶縁分離する複数の第一誘電体分離膜と、前記複数の第一半導体層にそれぞれ不純物を拡散して形成される複数の拡散領域と、前記拡散領域同士を電気的に接続する導電部と、前記第一誘電体分離膜の閉ループの外側に形成される第二半導体層と、前記第二半導体層を閉ループ状に囲って前記第二半導体層を閉ループの外側から絶縁分離する第二誘電体分離膜とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、半導体装置の耐電圧を高めることにより、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
次に添付した図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の第一の実施の形態に係る半導体装置を示す平面図である。図2は、本発明の第一の実施の形態に係る半導体装置を示す図1のA−A’断面図である。
本発明の第一の実施の形態に係る半導体装置100は、支持シリコン基板110上に絶縁膜111を介してシリコン層112が形成されたSOI(silicon on insulator)基板に形成されている。シリコン層112にはその表面から絶縁膜111に達するようにトレンチが形成され、このトレンチの側壁に例えば熱酸化により酸化膜120が形成される。このトレンチ内に酸化膜120を介して導電体、例えばポリシリコン121が埋め込まれることにより、第一の誘電体分離膜122が形成される。即ち、第一の誘電体分離膜122は酸化膜120とポリシリコン121とからなる。この第一の誘電体分離膜122が形成された部分は、シリコン層112、酸化膜120及びポリシリコン121からなるコンデンサを直列に二つ接続した構造となる。第一の誘電体分離膜122はシリコン層112中に矩形の閉ループ状に形成され、この第一の誘電体分離膜122に囲まれた第一の半導体層領域123が形成される。第一の半導体層領域は、シリコン層112中に複数形成される。本実施の形態においては、第一の誘電体分離膜122に囲まれた第一の半導体層領域123と、第一の誘電体分離膜132に囲まれた第一の半導体層領域133との二つが形成されている。複数の第一の半導体層領域123、133は第一の誘電体分離膜122、132により、その閉ループの外側(後述する第二の半導体層領域143等)から絶縁分離されている。第一の半導体層領域123、133にそれぞれ高濃度のn型不純物(例えばリン(P))を拡散させることにより、帯状の拡散抵抗124、134が形成される。本実施の形態における拡散抵抗124、134の有する抵抗値は、例えば等量の同種の不純物を注入することにより互いに等しくされている。
第一の誘電体分離膜122、132の閉ループの外側には第二の半導体層領域143が形成されている。この第二の半導体層領域143は、複数の第一の半導体層領域123、133を内包するように形成される。第二の半導体層領域143は更に、第二の誘電体分離膜142により矩形の閉ループ状に囲まれて、その閉ループの外側(シリコン層112等)から絶縁分離されている。第二の誘電体分離膜142は、第一の誘電体分離膜122と同様にシリコン層112に形成されたトレンチ内に酸化膜140を介してポリシリコン141が埋め込まれることにより形成される。
第一の半導体層領域123の内部に形成された拡散抵抗124は、第二の半導体層領域143上に形成された絶縁膜170を介して形成された金属配線150とコンタクト160により接続される。図示しないパッドを介して外部に接続されている配線150は、第一の半導体層領域123に形成された帯状の拡散抵抗124の一の端部にコンタクト160により接続される。第二の半導体層領域143上に形成された絶縁膜170を介して形成された配線151は、拡散抵抗124の他の端部にコンタクト161により接続される。また、配線151は第一の半導体層領域133に形成された拡散抵抗134の一の端部にコンタクト163により接続される。この配線151により二つの拡散抵抗124、134は電気的に接続される。第二の半導体層領域143上に形成された絶縁膜170を介して形成された配線152は、拡散抵抗134の他の端部にコンタクト164により接続される。また、配線152は例えばSOI基板上に形成される他の半導体装置に接続される。二つの第一の半導体層領域123、133の拡散抵抗124、134を接続する配線151は第二の半導体層領域143上にまで延長して、コンタクト162を介して第二の半導体層領域143に接続される。これにより第二の半導体層領域143は配線151の電位が与えられる。
以下、本実施の形態の作用を説明する。簡単化のため、配線152は接地電位が与えられていると仮定する。本実施の形態における半導体装置100に対して入力側の配線である配線150から正のサージ電圧が印加された場合、第一の半導体層領域123の電位は最も高電位のところでもサージ電圧以下となる。一方、拡散抵抗124により配線151に現れる電位はサージ電圧の半分に低減される。なぜならば、拡散抵抗124、134の抵抗値が等しいためである。第二の半導体層領域143は配線151に接続されているため、その電位は最も高電位のところでもサージ電圧の半分となる。さらに、拡散抵抗134の電圧降下により第一の半導体層領域133の電位は最も低電位のところでも配線152に与えられる電位(ここでは接地電位)以上になる。
第二の半導体層領域143に与えられる電位は、拡散抵抗124、134により低減されたサージ電圧の中点電位(サージ電圧と接地電位の中間の値)となる。ここで、第一の半導体層領域123と第二の半導体層領域143との間の電位差は、最大でもサージ電圧の半分程度の電圧である。電位差がサージ電圧よりも半減されることにより、第一の誘電体分離膜122にかかる電圧がその耐電圧を超えることを防ぎ、第一の誘電体分離膜122の破壊を防ぐことができる。また、第一の半導体層領域133と第二の半導体層領域143との間の電位差も同様に、サージ電圧の半分程度の電圧となる。従って、第一の誘電体分離膜132の破壊を防ぐことができる。負のサージ電圧が配線150に印加された場合には、配線152は接地電位が与えられていると仮定すると、上述の電位の高低が逆となる。この場合においても本実施の形態の半導体装置によれば第一の誘電体分離膜122、132にかかる電圧がその耐電圧を超えることがない。
このように本実施の形態の半導体装置100によればサージ電圧が印加されたとしても、誘電体分離膜122、132の破壊を防ぐことができる。拡散抵抗124、134が形成される複数の第一の半導体層領域123、133の周囲に第一の誘電体分離膜122、132を介して第二の半導体層領域143を形成し、この第二の半導体層領域143の電位を上述の中点電位に固定することにより、耐電圧を高めた信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
次に本発明の第二の実施の形態について説明する。図3は、本発明の第二の実施の形態に係る半導体装置を示す平面図である。
第二の実施の形態に係る半導体装置200におけるシリコン層212、第一の半導体層領域223、233、第一の誘電体分離膜222、232、拡散抵抗224、第二の半導体層領域243、第二の誘電体分離膜242、配線250〜252及びコンタクト260〜264の構成は、第一の実施の形態に係る半導体装置100におけるシリコン層112、第一の半導体層領域123、133、第一の誘電体分離膜122、132、拡散抵抗124、第二の半導体層領域143、第二の誘電体分離膜142、配線150〜152及びコンタクト160〜164と同様である。第二の実施の形態に係る半導体装置200は、第一の半導体層領域233内に形成される拡散抵抗234の形状が第一の実施の形態に係る半導体装置100と異なる。断面は第一の実施の形態と同一である(図2参照)。
第二の実施の形態に係る半導体装置200は、第一の半導体層領域223に形成される拡散抵抗224の長さと、第一の半導体層領域233に形成される拡散抵抗234の長さとが異なる。これにより、拡散抵抗224と拡散抵抗234とは異なる抵抗値を有する。ここで長さとは、拡散抵抗224のコンタクト260からコンタクト261の間及び拡散抵抗234のコンタクト263からコンタクト264の間に電流が流れる方向に平行な方向における拡散抵抗の長さのことである。
以下、本実施の形態の作用を説明する。第一の実施の形態と同様に、配線252は接地電位が与えられていると仮定する。本実施の形態における半導体装置200に対し配線250から正のサージ電圧が印加された場合、第一の半導体層領域223の電位は最も高電位のところでもサージ電圧以下となる。一方、拡散抵抗224により配線251に現れる電位は、拡散抵抗224、234の有する抵抗値(分圧値)に応じて決まる電位に低減される。第二の半導体層領域243は配線251に接続されているため、その電位は最も高電位のところでも拡散抵抗224、234の有する抵抗値に応じて決まる電位となる。さらに、拡散抵抗234の電圧降下により、第一の半導体層領域233の電位は最も低電位のところでも配線252に与えられる電位(ここでは接地電位)以上になる。
ここで、第一の半導体層領域223と第二の半導体層領域243との間の電位差は、サージ電圧と拡散抵抗224、234の有する抵抗値に応じて決まる電圧に対応する電位差である。電位差がサージ電圧よりも低減されたことにより、第一の誘電体分離膜222にかかる電圧がその耐電圧を超えることを防ぎ、第一の誘電体分離膜222の破壊を防ぐことができる。また、第一の半導体層領域233と第二の半導体層領域243との間の電位差も同様に、サージ電圧よりも低減されることとなり、第一の誘電体分離膜232の破壊を防ぐことができる。
このように異なる抵抗値の拡散抵抗224、234が形成される複数の第一の半導体層領域223、233の周囲に第二の半導体層領域243を形成し、この第二の半導体層領域243の電位を分圧された電位に固定することによっても、耐電圧を高めた信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
次に本発明の第三の実施の形態について説明する。図4は、本発明の第三の実施の形態に係る半導体装置を示す平面図である。
第三の実施の形態に係る半導体装置300におけるシリコン層312、第一の半導体層領域323、333、第一の誘電体分離膜322、332、拡散抵抗324、第二の半導体層領域343、第二の誘電体分離膜342、配線350〜352及びコンタクト360〜364の構成は、第一の実施の形態に係る半導体装置100におけるシリコン層112、第一の半導体層領域123、133、第一の誘電体分離膜122、132、拡散抵抗124、第二の半導体層領域143、第二の誘電体分離膜142、配線150〜152及びコンタクト160〜164と同様である。第三の実施の形態に係る半導体装置300は、第一の半導体層領域333内に形成される拡散抵抗334の形状が第一の実施の形態に係る半導体装置100と異なる。断面は第一の実施の形態と同一である(図2参照)。
第三の実施の形態に係る半導体装置300は、第一の半導体層領域323に形成される拡散抵抗324の幅と、第一の半導体層領域333に形成される拡散抵抗334の幅とが異なる。これにより、拡散抵抗324と拡散抵抗334とは異なる抵抗値を有する。ここで幅とは、拡散抵抗324のコンタクト360からコンタクト361の間及び拡散抵抗334のコンタクト363からコンタクト364の間に電流が流れる方向に垂直な方向における拡散抵抗の長さのことである。
本実施の形態においても第二の実施の形態と同様に、第二の半導体層領域の電位を分圧された電位に固定することによって、耐電圧を高めた信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
次に本発明の第四の実施の形態について説明する。図5は、本発明の第四の実施の形態に係る半導体装置を示す平面図である。
第四の実施の形態に係る半導体装置400におけるシリコン層412、第一の半導体層領域423、433、第一の誘電体分離膜422、432、第二の半導体層領域443、第二の誘電体分離膜442、配線450〜452及びコンタクト460〜464の構成は、第一の実施の形態に係る半導体装置100におけるシリコン層112、第一の半導体層領域123、133、第一の誘電体分離膜122、132、第二の半導体層領域143、第二の誘電体分離膜142、配線150〜152及びコンタクト160〜164と同様である。第四の実施の形態に係る半導体装置400は、第一の半導体層領域433内に形成される拡散抵抗434のために埋め込まれる不純物が第一の実施の形態に係る半導体装置100と異なる。
本実施の形態において、第一の半導体層領域423には高濃度のn型不純物(例えばリン(P))を拡散させることにより、帯状の拡散抵抗424が形成されている。一方、第一の半導体層領域433にはp型不純物(例えばボロン(B))を拡散させることにより、帯状の拡散抵抗434が形成されている。これにより、拡散抵抗424と拡散抵抗434とは異なる抵抗値を有する。
本実施の形態においても第二の実施の形態と同様に、第二の半導体層領域の電位を分圧された電位に固定することによって、耐電圧を高めた信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
本実施の形態において、第一の半導体層423、433に拡散される異なる不純物はn型のリンとp型のボロンとしたが、これは同じ型の異なる不純物(例えばn型のリンとn型のヒ素(As))としても良い。また、同じ種類の不純物であって第一の半導体層433に拡散させる量を変えることにより、異なる抵抗値を持たせても良い。
次に本発明の第五の実施の形態について説明する。図6は、本発明の第五の実施の形態に係る半導体装置を示す平面図である。
第五の実施の形態に係る半導体装置500におけるシリコン層512、第一の半導体層領域523、533、第一の誘電体分離膜522、532、拡散抵抗524、534、配線550〜552、コンタクト560〜564の構成は、第一の実施の形態に係る半導体装置100におけるシリコン層112、第一の半導体層領域123、133、第一の誘電体分離膜122、132、拡散抵抗124、134、配線150〜152、コンタクト160〜164と同様である。第五の実施の形態に係る半導体装置500は、第二の半導体層領域543及び第二の誘電体分離膜542の形成される領域が第一の実施の形態に係る半導体装置100と異なる。
第五の実施の形態に係る半導体装置500は、複数の第一の半導体層領域523、533のうち一つの第一の半導体層領域523の外周にのみ第二の半導体層領域543が形成されている点において、第一の実施の形態に係る半導体装置100と異なる。第二の半導体層領域543は、第一の半導体層領域523、533のうち入力側の配線550に接続された拡散抵抗524が形成された第一の半導体層領域523に設けられている。
以下、本実施の形態の作用を説明する。第一の実施の形態と同様に、配線552は接地電位が与えられていると仮定する。本実施の形態における半導体装置500に対し配線550から正のサージ電圧が印加された場合、第一の半導体層領域523の電位は最も高電位のところでもサージ電圧以下となる。一方、拡散抵抗524により配線551に現れる電位はサージ電圧の半分に低減される。なぜならば、拡散抵抗524、534の抵抗値が等しいためである。第二の半導体層領域543は配線551に接続されているため、その電位は最も高電位のところでもサージ電圧の半分となる。さらに、拡散抵抗534の電圧降下により第一の半導体層領域533の電位は最も低電位のところでも配線552に与えられる電位(ここでは接地電位)以上になる。
ここで、第一の半導体層領域523と第二の半導体層領域543との間の電位差は、最大でもサージ電圧の半分程度の電圧である。電位差がサージ電圧よりも半減されることにより、第一の誘電体分離膜522にかかる電圧がその耐電圧を超えることを防ぎ、第一の誘電体分離膜522の破壊を防ぐことができる。また、サージ電圧が拡散抵抗524により低減されているため、第一の半導体層領域533の周囲に第二の半導体層543が形成されていなくとも、第一の誘電体分離膜532に過剰な電位差がかかることがない。
本実施の形態の半導体装置500によればサージ電圧が印加されたとしても、誘電体分離膜522、532の破壊を防ぐことができる。このように複数の第一の半導体層領域523、533のうち入力側の配線550に接続される拡散抵抗524が形成されたものの周囲に第二の半導体層領域543を形成する。この第二の半導体層領域543の電位を中点電位に固定することにより、耐電圧を高めた信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
次に本発明の第六の実施の形態について説明する。図7は、本発明の第六の実施の形態に係る半導体装置を示す平面図である。
第六の実施の形態に係る半導体装置600におけるシリコン層612、第一の半導体層領域623、633、第一の誘電体分離膜622、632、拡散抵抗624、634、配線650〜652、コンタクト660〜664の構成は、第一の実施の形態に係る半導体装置100におけるシリコン層112、第一の半導体層領域123、133、第一の誘電体分離膜122、132、拡散抵抗124、134、配線150〜152、コンタクト160〜164と同様である。第六の実施の形態に係る半導体装置600は、複数の第一の半導体層領域623、633のそれぞれに第二の半導体層領域643、645が別々に設けられている点において第一の実施の形態に係る半導体装置100と異なる。
第六の実施の形態において、第一の半導体層領域623の周囲には、第二の誘電体分離膜642により閉ループ状に囲まれた第二の半導体層領域643が形成され、第一の半導体層領域633の周囲には、第二の誘電体分離膜644により閉ループ状に囲まれた第二の半導体層領域645が形成されている。第二の半導体層領域645はコンタクト665を介して配線651に接続されている。
以下、本実施の形態の作用を説明する。第一の実施の形態と同様に、配線652は接地電位が与えられていると仮定する。本実施の形態における半導体装置600に対し配線650から正のサージ電圧が印加された場合、第一の半導体層領域623及び第二の半導体層領域643の電位は第五の実施の形態に係る半導体装置500と同様である。また、第二の半導体層領域645は配線651に接続されているため、その電位は最も高電位のところでもサージ電圧の半分となる。そして、拡散抵抗634の電圧降下により配線652に現れる電位が低減され、第一の半導体層領域633の電位は最も低電位のところでも配線652に与えられる電位(ここでは接地電位)以上になる。
ここで、第一の半導体層領域623と第二の半導体層領域643との間の電位差及び第一の半導体層領域633と第二の半導体層領域645との間の電位差は、それぞれサージ電圧による電位差よりも半減されたものであり、第一の誘電体分離膜622、632に過剰な電位差がかかることがない。
本実施の形態の半導体装置600によればサージ電圧が印加されたとしても、誘電体分離膜の破壊を防ぐことができる。このように複数の第一の半導体層領域623、633のそれぞれの周囲に複数の第二の半導体層領域643、645を別々に形成し、この第二の半導体層領域の電位を中点電位に固定することにより、耐電圧を高めた信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
次に本発明の第七の実施の形態について説明する。図8は、本発明の第七の実施の形態に係る半導体装置を示す平面図である。
第七の実施の形態に係る半導体装置700におけるシリコン層712、第一の半導体層領域723、733、第二の半導体層領域743、第二の誘電体分離膜742、拡散抵抗724、734、配線750〜752、コンタクト760〜764の構成は、第一の実施の形態に係る半導体装置100におけるシリコン層112、第一の半導体層領域123、133、第二の半導体層領域143、第二の誘電体分離膜142、拡散抵抗124、134、配線150〜152、コンタクト160〜164と同様である。第七の実施の形態に係る半導体装置700は、複数の第一の半導体層723、733を閉ループ状に囲む第一の誘電体分離膜722がひとつながりの膜として形成されている。
このように第一の誘電体分離膜722を形成したとしても第二の半導体層領域743は拡散抵抗724により低減された電位を与えられるため、誘電体分離膜722に過剰な電位差がかかることがなく、誘電体分離膜722の破壊を防ぐことができる。
次に本発明の第八の実施の形態について説明する。図9は、本発明の第八の実施の形態に係る半導体装置を示す平面図である。
本発明の第八の実施の形態に係る半導体装置800は、第一から第七の実施の形態に係る半導体装置と同様にSOI基板に形成されている。誘電体分離膜822はシリコン層812中に矩形の閉ループ状に形成され、この誘電体分離膜822に囲まれた半導体層領域823が形成される。半導体層領域823は誘電体分離膜822によりその閉ループの外側から絶縁分離されている。半導体層領域823には帯状の拡散抵抗824が形成される。
誘電体分離膜822の閉ループの外側には半導体層領域833が形成され、この半導体層領域833は半導体層領域823を内包するように形成される。半導体層領域833は誘電体分離膜832により矩形の閉ループ状に囲まれて、その閉ループの外側から絶縁分離されている。半導体層領域833にも帯状の拡散抵抗834が形成される。ここで、半導体層領域823及び誘電体分離膜822は拡散抵抗824における第一の半導体層領域及び第一の誘電体分離膜に相当する。半導体層領域833及び誘電体分離膜832は拡散抵抗824における第二の半導体層領域及び第二の誘電体分離膜に相当するとともに、拡散抵抗834における第一の半導体層領域及び第一の誘電体分離膜に相当する。
誘電体分離膜832の閉ループの外側には更に半導体層領域843が形成され、この半導体層領域843は半導体層領域833を内包するように形成される。半導体層領域843も誘電体分離膜842により矩形の閉ループ状に囲まれて、その閉ループの外側から絶縁分離されている。半導体層領域843にも更に帯状の拡散抵抗844が形成される。ここで、半導体層領域843及び誘電体分離膜842は拡散抵抗834における第二の半導体層領域及び第二の誘電体分離膜に相当するとともに、拡散抵抗844における第一の半導体層領域及び第一の誘電体分離膜に相当する。本実施の形態における拡散抵抗824、834、844の有する抵抗値は、例えば等量の同種の不純物を注入することにより互いに等しくされている。
半導体層領域823の内部に形成された拡散抵抗824は、配線850とコンタクト860により接続される。図示しないパッドを介して外部に接続されている配線850は、半導体層領域823に形成された帯状の拡散抵抗824の一の端部にコンタクト860により接続される。配線851は、拡散抵抗824の他の端部にコンタクト861により接続され、拡散抵抗834の一の端部にコンタクト862により接続される。この配線851により二つの拡散抵抗824、834は電気的に接続される。また配線851は、半導体層領域833上にまで延長してコンタクト866を介して半導体層領域833に接続される。これにより半導体層領域833は配線851の電位が与えられる。
配線852は、拡散抵抗834の他の端部にコンタクト863により接続され、拡散抵抗844の一の端部にコンタクト864により接続される。この配線により二つの拡散抵抗834、844は電気的に接続される。また配線852は半導体層領域843上にまで延長してコンタクト867を介して半導体層領域843に接続される。これにより半導体層領域843は配線852の電位が与えられる。配線853は、拡散抵抗844の他の端部にコンタクト865により接続され、例えばSOI基板上に形成される他の半導体装置に接続される。
以下、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態において、配線853は接地電位が与えられていると仮定する。本実施の形態における半導体装置800に対し配線850から正のサージ電圧が印加された場合、半導体層領域823の電位は最も高電位のところでもサージ電圧以下となる。また、拡散抵抗824の電圧降下により配線851に現れる電位はサージ電圧の三分の二に低減される。なぜならば、拡散抵抗824、834、844の抵抗値が等しいためである。半導体層領域833は配線851に接続されているため、その電位は最も高電位のところでもサージ電圧の三分の二となる。そして、拡散抵抗834の電圧降下により配線852に現れる電位はサージ電圧の三分の一に低減される。半導体層領域843は配線852に接続されているため、その電位は最も高電位のところでもサージ電圧の三分の一となる。更に拡散抵抗844の電圧降下により半導体層領域843の電位は最も低電位のところでも配線853に与えられる電位(ここでは接地電位)以上になる。
ここで、半導体層領域823と半導体層領域833との間の電位差は、最大でもサージ電圧の三分の一の電圧である。電位差がサージ電圧よりも低減されることにより、誘電体分離膜822にかかる電圧がその耐電圧を超えることを防ぎ、誘電体分離膜822の破壊を防ぐことができる。また、半導体層領域833と半導体層領域834との間の電位差も同様に、サージ電圧よりも低減されることとなり、誘電体分離膜832の破壊を防ぐことができる。
このように三つの拡散抵抗を設け、その周囲の半導体層の電位を分圧された電位に固定する構成とすることもできる。拡散抵抗を多段に設けサージ電圧を適当に分圧することにより、耐電圧を高めた信頼性の高い半導体装置を提供することができる。本実施の形態において拡散抵抗は三つ設けられているが、これは更に多く設けても良い。
次に本発明の第九の実施の形態について説明する。図10は、本発明の第九の実施の形態に係る半導体装置を示す平面図である。
第九の実施の形態に係る半導体装置900におけるシリコン層912、半導体層領域923、933及び943、誘電体分離膜922、932及び942、拡散抵抗924、934及び944、配線950、953及びコンタクト960〜965の構成は第八の実施の形態に係る半導体装置におけるシリコン層812、半導体層領域823、833及び843、誘電体分離膜822、832及び842、拡散抵抗824、834及び844、配線850、853及びコンタクト860〜865と同様である。第九の実施の形態に係る半導体装置900は、配線951、952の形状が第八の実施の形態に係る半導体装置800と異なる。
第九の実施の形態に係る半導体装置900は、拡散抵抗924と拡散抵抗934とを接続する配線951が半導体層領域933に接続されていない。また、拡散抵抗934と拡散抵抗944とを接続する配線952も半導体層領域943に接続されていない。しかし、半導体層領域933、943は拡散抵抗934、944を介して配線951、952の電位を与えられている。
本実施の形態における半導体装置900に対し配線950から正のサージ電圧が印加された場合、半導体層領域923の電位は最も高電位のところでもサージ電圧以下となる。また、半導体層領域933の電位は最も高電位のところでもサージ電圧の三分の二となる。そして、半導体層領域943の電位は最も高電位のところでもサージ電圧の三分の一となる。更に拡散抵抗944の電圧降下により半導体層領域943の電位は最も低電位のところでも配線953に与えられる電位以上になる。
本実施の形態においても第八の実施の形態と同様に、三つの拡散抵抗を設け、その周囲の半導体層の電位を分圧された電位に固定する構成とすることができる。拡散抵抗を多段に設けサージ電圧を適当に分圧することにより、耐電圧を高めた信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、追加、組み合わせ等が可能である。
本発明の実施の形態において、半導体装置の誘電体分離膜としてトレンチ内に酸化膜を介してポリシリコンからなる導電体を埋め込む構成としたが、図11に示すように誘電体分離膜122をトレンチ内に形成された酸化膜120’のみで構成することもできる。また、図12に示すようにトレンチ内に酸化膜以外の絶縁膜125を埋め込む構成とすることもできる。この場合は誘電体分離膜が形成された部分は、シリコン層112、酸化膜120’又は絶縁膜125、シリコン層112からなるコンデンサが一つ形成された構造となる。第二の誘電体分離膜についても同様である。
また、第五乃至第九の実施の形態において、それぞれの半導体層に形成される拡散抵抗の有する抵抗値を異なるものとすることも可能である。
本発明の第一の実施の形態に係る半導体装置を示す平面図である。 本発明の第一の実施の形態に係る半導体装置を示す断面図である。 本発明の第二の実施の形態に係る半導体装置を示す平面図である。 本発明の第三の実施の形態に係る半導体装置を示す平面図である。 本発明の第四の実施の形態に係る半導体装置を示す平面図である。 本発明の第五の実施の形態に係る半導体装置を示す平面図である。 本発明の第六の実施の形態に係る半導体装置を示す平面図である。 本発明の第七の実施の形態に係る半導体装置を示す平面図である。 本発明の第八の実施の形態に係る半導体装置を示す平面図である。 本発明の第九の実施の形態に係る半導体装置を示す平面図である。 本発明の実施の形態の誘電体分離膜の他の例を示す断面図である。 本発明の実施の形態の誘電体分離膜の他の例を示す断面図である。
符号の説明
100、200、300、400、500、600、700、800、900・・・半導体装置、 110・・・支持シリコン基板、 111・・・絶縁膜、 112・・・シリコン層、 120・・・酸化膜、 121・・・ポリシリコン、 122、132・・・第一の誘電体分離膜、 123、133・・・第一の半導体層、 124、134・・・拡散抵抗、 150、151、152・・・配線、 160、161、162、163、164・・・コンタクト、 170・・・絶縁膜。

Claims (5)

  1. 複数の第一半導体層と、
    前記複数の第一半導体層のそれぞれを閉ループ状に囲って前記第一半導体層を閉ループの外側から絶縁分離する複数の第一誘電体分離膜と、
    前記複数の第一半導体層にそれぞれ不純物を拡散して形成される複数の拡散領域と、
    前記拡散領域同士を電気的に接続する導電部と、
    前記第一誘電体分離膜の閉ループの外側に形成され前記導電部の電位を与えられる第二半導体層と、
    前記第二半導体層を閉ループ状に囲って前記第二半導体層を閉ループの外側から絶縁分離する第二誘電体分離膜と
    を備えたことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記複数の拡散領域の有する抵抗値は互いに等しいことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記第二半導体層は前記複数の第一半導体層のうち入力側の配線に接続される前記拡散領域が形成されたものに設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
  4. 前記第二半導体層は複数設けられ、前記複数の第一半導体層のそれぞれに設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
  5. 複数の第一半導体層と、
    前記複数の第一半導体層のそれぞれを閉ループ状に囲って前記第一半導体層を閉ループの外側から絶縁分離する複数の第一誘電体分離膜と、
    前記複数の第一半導体層にそれぞれ不純物を拡散して形成される複数の拡散領域と、
    前記拡散領域同士を電気的に接続する導電部と、
    前記第一誘電体分離膜の閉ループの外側に形成される第二半導体層と、
    前記第二半導体層を閉ループ状に囲って前記第二半導体層を閉ループの外側から絶縁分離する第二誘電体分離膜と
    を備えたことを特徴とする半導体装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012072213A (ja) * 2010-09-27 2012-04-12 Panasonic Corp 熱硬化性樹脂組成物及び半導体部品実装基板
JP2014075499A (ja) * 2012-10-05 2014-04-24 Panasonic Corp 半導体装置および当該半導体装置を用いた半導体リレー

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