JP2009010176A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、部品供給部から供給された部品を移動可能な移載ヘッドにより吸着して搬送し、所定距離離れた載置部に載置する部品移載装置に関する。
従来、下記特許文献1に示されるように、複数の吸着ノズルを備えた移動可能な移載ヘッドにより、ウェハ保持部に保持された半導体ウェハからチップ部品を取り出して搬送し、所定距離離れた基板に実装する部品実装装置において、上記移載ヘッドとは独立して移動可能な撮像手段を設け、この撮像手段を用いて、上記移載ヘッドにより次に取り出される予定のチップ部品をあらかじめ撮像することが行われている。
この特許文献1に開示された部品実装装置によれば、部品搬送用の移載ヘッドと独立して移動可能な撮像手段を設けたことにより、移載ヘッドによるチップ部品の搬送動作と並行して、次に吸着される予定のチップ部品を認識することができるため、タクトタイムを短縮して基板の生産効率を向上させることができる。
特開2003−59955号公報
ところで、上記特許文献1のように、移載ヘッドと独立して移動可能な撮像手段により吸着予定部品の位置を認識するようにした場合、これら移載ヘッドおよび撮像手段の座標系が相対的にずれることがあり、このような座標系のずれが生じると、上記撮像手段により位置認識されるウェハ保持部内のチップ部品が移載ヘッドに対しどのような相対位置にあるかが正確に把握できず、上記移載ヘッドによる部品の吸着動作に支障が生じるおそれがある。しかしながら、上記特許文献1の技術では、このような問題に対して何ら対策が施されておらず、上記のような座標系のずれに起因した部品の吸着ミスの発生を有効に防止することができなかった。
このことは、部品供給部から供給された部品を移載ヘッドにより搬送して検査用の検査ソケットに装着する部品試験装置など、他の種類の部品移載装置についても同様である。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、移載ヘッドと独立して移動可能な吸着位置認識用の撮像手段を備えながら、これら移載ヘッドと撮像手段との間の座標系のずれに起因した部品の吸着ミスの発生を効果的に防止することが可能な部品移載装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明の一の局面に係る部品移載装置は、部品供給部から供給された部品を移動可能な移載ヘッドにより吸着して搬送し、所定距離離れた基板に載置する部品移載装置であって、上記移載ヘッドと独立して移動可能に設けられ、上記移載ヘッドが上記部品供給部から部品を吸着する前にその部品を撮像する吸着位置撮像手段と、上記移載ヘッドに取り付けられてこれと一体に移動し、上記基板の位置を特定するために当該基板の上面に付された位置認識用のフィデューシャルマークを撮像するヘッド側撮像手段と、上記移載ヘッド、上記吸着位置撮像手段及び上記ヘッド側撮像手段の動作を統括的に制御するとともに、部品吸着時に、上記吸着位置撮像手段によりあらかじめ撮像された部品の撮像データに基づいて、上記移載ヘッドをその部品の位置へ移動させる制御手段とを備え、上記制御手段は、所定のタイミングで、上記部品供給部もしくはその周辺に付された共通の位置認識マークの上に上記吸着位置撮像手段およびヘッド側撮像手段を移動させ、これら各撮像手段により撮像された上記位置認識マークの撮像データに基づいて、上記移載ヘッドと吸着位置撮像手段との間の座標系のずれを調べ、その座標系のずれに基づいて、上記移載ヘッドが上記部品供給部内の部品にアクセスする際の移動量を補正することを特徴とするものである(請求項1)。
また、本発明の他の局面に係る部品移載装置は、部品供給部から供給された部品を移動可能な移載ヘッドにより吸着して搬送し、所定距離離れた前記部品の検査用ソケットに載置する部品移載装置であって、上記移載ヘッドと独立して移動可能に設けられ、上記移載ヘッドが上記部品供給部から部品を吸着する前にその部品を撮像する吸着位置撮像手段と、上記移載ヘッドに取り付けられてこれと一体に移動し、上記検査用ソケットの位置を特定するために当該検査用ソケットを撮像するヘッド側撮像手段と、上記移載ヘッド、上記吸着位置撮像手段及び上記ヘッド側撮像手段の動作を統括的に制御するとともに、部品吸着時に、上記吸着位置撮像手段によりあらかじめ撮像された部品の撮像データに基づいて、上記移載ヘッドをその部品の位置へ移動させる制御手段とを備え、上記制御手段は、所定のタイミングで、上記部品供給部もしくはその周辺に付された共通の位置認識マークの上に上記吸着位置撮像手段およびヘッド側撮像手段を移動させ、これら各撮像手段により撮像された上記位置認識マークの撮像データに基づいて、上記移載ヘッドと吸着位置撮像手段との間の座標系のずれを調べ、その座標系のずれに基づいて、上記移載ヘッドが上記部品供給部内の部品にアクセスする際の移動量を補正することを特徴とするものである(請求項2)。
本発明によれば、部品を吸着して搬送する移載ヘッドと独立して移動可能な吸着位置撮像手段を設けたことにより、部品供給部内の部品を撮像してその位置を認識する動作を、前に吸着された部品が載置部まで搬送されている間に効率よく行うことができ、タクトタイムを短縮して部品移載作業の効率を効果的に向上させることができる。しかも、上記移載ヘッドと吸着位置撮像手段との間の座標系のずれが所定のタイミングで調べられ、その座標系のずれに基づいて、上記移載ヘッドが上記部品供給部内の部品にアクセスする際の移動量が補正されるように構成されているため、上記移載ヘッドと吸着位置撮像手段との間に存在する座標系のずれにかかわらず、吸着すべき部品の位置へ上記移載ヘッドを正確に移動させることができ、上記のような座標系のずれに起因した部品の吸着ミスの発生を効果的に防止することができる。
また、上記移載ヘッドに取り付けられてこれと一体に移動するヘッド側撮像手段をさらに備え、上記制御手段は、上記部品供給部もしくはその周辺に付された共通の位置認識マークの上に上記吸着位置撮像手段およびヘッド側撮像手段を移動させ、これら各撮像手段により撮像された上記位置認識マークの撮像データに基づいて、上記移載ヘッドと吸着位置撮像手段との間の座標系のずれを調べるように構成されている。
従って、部品供給部等に付された共通の位置認識マークを吸着位置撮像手段およびヘッド側撮像手段で撮像するだけの簡単な構成で、上記移載ヘッドと吸着位置撮像手段との間の座標系のずれを効率よく調べられるという利点がある。
上記位置認識マークが互いに離間した箇所に複数付されている場合、上記制御手段は、上記複数の位置認識マークをそれぞれ基準として上記移載ヘッドと吸着位置撮像手段との間の座標系のずれを調べ、これら複数の座標ずれデータに基づいて、上記移載ヘッドが上記部品供給部内の部品にアクセスする際の移動量を補正するように構成されていることが好ましい(請求項3)。
このように、複数の位置認識マークを基準に求められた複数の座標ずれデータに基づき、移載ヘッドの移動量を補正するようにした場合には、移載ヘッドによる部品の吸着動作をより正確に行わせることができるという利点がある。
本発明は、上記部品供給部が、ダイシングされたウェハからなる多数のチップ部品の集合体を供給するウェハ用フィーダである場合に、特に好適である(請求項4)。
すなわち、部品供給部がウェハ用フィーダである場合には、密集したチップ部品の中から所望のチップ部品を取り出すのにより高い吸着精度が要求されるため、上記移載ヘッドと吸着位置撮像手段との間の座標系のずれを考慮して正確に部品を吸着するようにした本発明の構成は、上記のような高い吸着精度が要求される状況下で特に有効である。
以上説明したように、本発明によれば、移載ヘッドと独立して移動可能な吸着位置認識用の撮像手段を備えながら、これら各撮像手段の座標系のずれに起因した部品の吸着ミスの発生を効果的に防止することが可能な部品移載装置を提供することができる。
(実施形態1)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる部品実装装置1を概略的に示す平面図である。本図に示される部品実装装置1は、基台2と、この基台2上に設置されて基板Pの搬送ラインを構成するコンベア3と、多数のチップ部品6,6…の集合体としてのウェハ7を供給する部品供給部5と、この部品供給部5から供給されたチップ部品6を吸着して搬送し、基板Pに実装する移載ヘッド4とを備えている。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる部品実装装置1を概略的に示す平面図である。本図に示される部品実装装置1は、基台2と、この基台2上に設置されて基板Pの搬送ラインを構成するコンベア3と、多数のチップ部品6,6…の集合体としてのウェハ7を供給する部品供給部5と、この部品供給部5から供給されたチップ部品6を吸着して搬送し、基板Pに実装する移載ヘッド4とを備えている。
上記コンベア3は、基台2上においてX軸方向(基板Pの搬送方向)に延びるように設置され、基板Pを上流側(−X側)から搬送して所定の実装作業位置(図示されている位置)で保持し、その基板Pに対する実装作業が終了するのを待って上記実装作業位置の下流側(+X側)に基板Pを搬出するように構成されている。なお、上記コンベア3には、基板Pを上記実装作業位置に保持するための図略のクランプ機構等が設けられている。また、当実施形態では、上記実装作業位置に位置決めされた基板Pが、本発明にかかる載置部(つまり部品供給部5から取り出されたチップ部品6の搬送先)に相当する。
上記部品供給部5は、円盤状のシリコンウェハからなるウェハ7が碁盤目状にダイシングされて形成された多数のチップ部品6,6…(ベアチップ)の集合体を、トレイ8上に載置した状態で供給するウェハ用フィーダとして構成されている。具体的に、部品供給部5は、ウェハ7をトレイ8上に載置した状態で上下多段に収納するウェハ収納エレベータ9と、このウェハ収納エレベータ9の前方側(−Y側)に位置する基台2上に設置されたウェハステージ10と、上記ウェハ収納エレベータ9からウェハステージ10上にトレイ8を引き出すためのコンベア11等からなる引出ユニットとを備えている。
上記移載ヘッド4は、X軸方向およびY軸方向に移動可能に支持されており、上記部品供給部5のウェハステージ10上に位置決めされたウェハ7の上方と、上記実装作業位置に保持された基板Pの上方とにわたって自在に移動し得るように構成されている。
すなわち、基台2上には、Y軸方向に延びる一対の固定レール13と、第1Y軸サーボモータ14により回転駆動されるボールねじ軸15とが配設され、上記移載ヘッド4を支持するための支持フレーム16が、上記固定レール13に沿ってY軸方向に移動可能に支持されるとともに、この支持フレーム16の内部に設けられたナット部分17が上記ボールねじ軸15に螺合している。また、上記支持フレーム16には、X軸方向に延びる図略のガイド部材と、第1X軸サーボモータ18により回転駆動されるボールねじ軸19とが配設され、上記移載ヘッド4が上記ガイド部材に沿ってX軸方向に移動可能に支持されるとともに、この移載ヘッド4の内部に設けられた図略のナット部分が上記ボールねじ軸19に螺合している。そして、第1Y軸サーボモータ14が作動してボールねじ軸15が回転駆動されることにより、上記支持フレーム16が移載ヘッド4と一体にY軸方向に移動し、かつ第1X軸サーボモータ18が作動してボールねじ軸19が回転駆動されることにより、移載ヘッド4が支持フレーム16に対してX軸方向に移動するように構成されている。
図2のブロック図に示すように、上記第1X軸サーボモータ18および第1Y軸サーボモータ14には、エンコーダ等からなる位置検出手段18a,14aがそれぞれ設けられており、これら各手段18a,14aの検出値に基づいて、上記移載ヘッド4の理論上の位置が認識されるようになっている。
上記移載ヘッド4は、図1に示すように、上記ウェハステージ10上のウェハ7から個々のチップ部品6を吸着するための複数の(図例では3つの)ノズルユニット30を有している。これら各ノズルユニット30は、その下端部に中空状のノズル部材(図示省略)を有しており、部品吸着時には、真空ポンプ等からなる図略の負圧供給手段から上記ノズル部材の先端部に負圧が供給され、その負圧による吸引力で上記ノズル部材にチップ部品6が吸着されるようになっている。
また、上記ノズルユニット30は、移載ヘッド4の本体部に対し上下方向(Z軸方向)に移動可能でかつノズル中心軸(R軸)回りに回転可能な状態で取り付けられ、図略のZ軸サーボモータおよびR軸サーボモータによりそれぞれ各方向に駆動されるように構成されている。
以上のように構成された移載ヘッド4には、基板Pの上面に付された位置認識用のフィデューシャルマーク(図示省略)を認識するための基板認識カメラ31(本発明にかかるヘッド側撮像手段)が取り付けられている。具体的に、この基板認識カメラ31は、基板Pがコンベア3によって実装作業位置まで搬送された後の所定のタイミングで、移載ヘッド4とともに上記フィデューシャルマークの上方まで移動してこれを撮像することにより、基板Pの正確な位置を特定するように構成されている。
一方、上記部品供給部5の上方には、そのウェハステージ10上に位置決めされたウェハ7の各チップ部品6を撮像してその正確な位置を特定するための吸着位置認識カメラ32(本発明にかかる吸着位置撮像手段に相当)が設けられている。この吸着位置認識カメラ32は、上記移載ヘッド4と同様の機構によりX,Y軸の各方向に移動可能に支持されている。
すなわち、吸着位置認識カメラ32は、Y軸方向に沿って延びる一対のガイドレール33に沿って移動可能な支持フレーム36に、カメラ取付部33を介して支持されており、上記支持フレーム36の内部に設けられたナット部分37に螺合するボールねじ軸35が、第2Y軸サーボモータ34により回転駆動されることで、上記支持フレーム36と一体にY軸方向に移動するように構成されている。また、上記支持フレーム36には、上記カメラ取付部33の内部に設けられた図略のナット部分と螺合するボールねじ軸39が配設されており、このボールねじ軸39が第2X軸サーボモータ38により回転駆動されることで、上記吸着位置認識カメラ32がX軸方向に移動するように構成されている。
図2のブロック図に示すように、上記第2X軸サーボモータ38および第2Y軸サーボモータ34には、上記移載ヘッド4駆動用のサーボモータ18,14と同様に、エンコーダ等からなる位置検出手段38a,34aがそれぞれ設けられており、これら各手段38a,34aの検出値に基づいて、上記吸着位置認識カメラ32の理論上の位置が認識されるようになっている。
以上のように、当実施形態の部品実装装置1には、移載ヘッド4と一体に移動して基板Pを撮像する基板認識カメラ31とは別に、移載ヘッド4用の駆動機構(サーボモータ14,18等)とは異なる駆動機構(サーボモータ34,38等)により駆動されることで移載ヘッド4と独立に移動可能な吸着位置認識カメラ32が設けられ、この吸着位置認識カメラ32により、部品供給部5内のチップ部品6が撮像されてその位置が認識されるようになっている。ただし、このように吸着位置認識カメラ32が移載ヘッド4とは独立して移動可能であると、これら移載ヘッド4および吸着位置認識カメラ32の座標系が相対的にずれるおそれがある。
すなわち、吸着位置認識カメラ32により認識された位置と同一座標に移載ヘッド4を移動させたつもりでも、上記位置検出手段14a,18aの検出値に基づく移載ヘッド4の理論上の座標と、位置検出手段34a,38aの検出値に基づく吸着位置認識カメラ32の理論上の座標とが、上記各位置検出手段の検出誤差等に起因して必ずしも一致しないことから、上記移載ヘッド4および吸着位置認識カメラ32の座標系にずれが生じることがある。そして、このようなずれが生じると、部品供給部5内のチップ部品6が移載ヘッド4に対しどのような相対位置にあるかが正確に把握できなくなり、上記移載ヘッド4によるチップ部品6の吸着動作に支障が生じるおそれがある。
そこで、当実施形態の部品実装装置1では、あらかじめ定められた所定のタイミングで、上記移載ヘッド4と吸着位置認識カメラ32との間の座標系のずれが調べられ、その座標系のずれに基づいて、上記移載ヘッド4が上記部品供給部5内のチップ部品6にアクセスする際の移動量が補正されるように構成されている。そして、上記のような座標系のずれを調べるための基準マークとして、上記部品供給部5のウェハステージ10には、位置認識マークMが付されている。具体的には、ウェハステージ10の側辺部に突片10aが設けられ、この突片10aの上面に、上記位置認識マークMが付されている。また、当実施形態において、位置認識マークMは、XY平面上で座標(X0,Y0)に付されているものとする。
次に、以上のように構成された部品実装装置1の制御系について、図2のブロック図を用いて説明する。
部品実装装置1には、CPUや各種メモリ、HDD等からなる制御ユニット40(本発明にかかる制御手段に相当)が内蔵されており、この制御ユニット40に、上記各サーボモータ14,18,34,38、基板認識カメラ31、吸着位置認識カメラ32等がそれぞれ電気的に接続されることにより、これら各部の動作が上記制御ユニット40によって統括的に制御されるようになっている。
上記制御ユニット40は、その機能要素として、上記各サーボモータ14,18,34,38の駆動を制御するとともに、これら各モータに取り付けられた上記位置検出手段14a,18a,34a,38aから送信される検出信号を受け付ける軸制御部42と、上記基板認識カメラ31および吸着位置認識カメラ32から送信される撮像データを受け付けて所定の画像処理を施す画像処理部43と、実装プログラム等の各種プログラムや各種データを記憶する記憶部44と、これら各部42〜44を統括的に制御するとともに、各種の演算処理を実行する主演算部41とを有している。
そして、このような制御ユニット40は、上記各サーボモータ14,18,34,38の駆動や、上記基板認識カメラ31および吸着位置認識カメラ32による撮像動作等をあらかじめ定められた実装プログラムに基づいて制御することにより、上記移載ヘッド4にチップ部品6の吸着や搬送等の一連の動作を実行させるとともに、その動作前や動作中において、上記基板認識カメラ31による基板Pの撮像や、吸着位置認識カメラ32によるチップ部品6の撮像等を実行させるように構成されている。
また、制御ユニット40は、部品実装装置1の起動時や、基板Pの生産枚数が所定数に達したとき等の所定のタイミングで、上記移載ヘッド4と吸着位置認識カメラ32との間の座標系のずれを調べるべく、上記基板認識カメラ31および吸着位置認識カメラ32を、部品供給部5のウェハステージ10に付された位置認識マークMの上方に移動させ、この位置認識マークMを上記各カメラ31,32に撮像させるように構成されている。そして、この位置認識マークMの撮像データから得られた上記移載ヘッド4と吸着位置認識カメラ32との間の座標系のずれに基づいて、上記移載ヘッド4が部品供給部5内のチップ部品6にアクセスする際の移動量を補正するように構成されている。
次に、このような制御ユニット40による制御に基づき部品実装装置1が行う実装動作の具体的内容について、図3および図4のフローチャートに基づき説明する。
図3に示すように、基板Pの実装が開始されると、制御ユニット40は、その記憶部44から適当な生産プログラムを読み込むとともに(ステップS1)、基板Pの生産枚数を記憶するカウンタのカウント値Cをリセット(C=0)する制御を実行する(ステップS3)。
次いで、制御ユニット40は、現時点が、後述するステップS7で行われる座標系誤差認識制御を行うべきタイミング(座標系誤差認識タイミング)にあるか否かを判定する(ステップS5)。具体的に、図3のフローチャートでは、基板Pの生産枚数が所定枚数Nに達したときに、上記座標系誤差認識タイミングになったと判定される。なお、この所定枚数Nは、例えばN=n×100(n=1,2…)など、所定数ごとに間隔を空けた複数の値に設定されることが好ましい。また、上記座標系誤差認識タイミングとしては、このような基板Pの生産枚数に基づくものだけに限らず、例えば、部品実装装置1の起動時など、その他の適宜のタイミングに設定することが可能である。
上記ステップS5でYESと判定されて現時点が座標系誤差認識タイミングにあることが確認された場合、制御ユニット40は、次のステップS7に移行して、上記移載ヘッド4と吸着位置認識カメラ32との間の座標系のずれを認識する座標系誤差認識制御を実行する。
図4は、この座標系誤差認識制御の具体的内容を示すサブルーチンである。このサブルーチンがスタートすると、制御ユニット40は、まず、部品供給部5のウェハステージ10に付された上記位置認識マークMの上方へ基板認識カメラ31を移動させる制御を実行する(ステップS41)。具体的には、第1X軸サーボモータ18および第1Y軸サーボモータ14を作動させて基板認識カメラ31を移載ヘッド4とともにX,Y軸の各方向に駆動するとともに、上記各サーボモータ18,14に設けられた位置検出手段18a,14aにより検出される上記基板認識カメラ31の移動量が、あらかじめ記憶された上記位置認識マークMの位置データに基づく目標移動量に一致するように、上記基板認識カメラ31を移動させる。
次いで、制御ユニット40は、上記基板認識カメラ31に位置認識マークMの撮像を実行させるとともに(ステップS43)、この位置認識マークMの撮像データから、基板認識カメラ31の実際の座標(実座標)を算出して記憶部44に記憶させる制御を実行する(ステップS45)。例えば、図5に示すように、基板認識カメラ31の撮像視野をA1、この撮像視野A1の中心点をO1(当実施形態ではこの中心点O1の座標が基板認識カメラ31の実座標に一致するものとする)、位置認識マークMの座標(既知)を(X0,Y0)としたときに、この位置認識マークMから上記中心点O1までのXY方向の座標誤差が図示のように(+α1,+β1)であるとすると、上記基板認識カメラ31の実座標は、位置認識マークMの座標に上記誤差を加えた(X0+α1,Y0+β1)として算出されることになる。
このようにして基板認識カメラ31に対し位置認識マークMを基準とした実座標を調べる処理が完了すると、制御ユニット40は、次に、吸着位置認識カメラ32に対して上記と同様の処理を行うべく、上記と同じ位置認識マークMの上方へ吸着位置認識カメラ32を移動させる制御を実行する(ステップS47)。具体的には、第2X軸サーボモータ38および第2Y軸サーボモータ34を作動させて吸着位置認識カメラ32をX,Y軸の各方向に駆動するとともに、上記各サーボモータ38,34に設けられた位置検出手段38a,34aにより検出される上記吸着位置認識カメラ32の移動量が、あらかじめ記憶された上記位置認識マークMの位置データに基づく目標移動量に一致するように、上記吸着位置認識カメラ32を移動させる。なお、このとき、先に位置認識マークMに移動していた上記基板認識カメラ31に対し吸着位置認識カメラ32が干渉するのを防止するため、制御ユニット40は、上記基板認識カメラ31を、移載ヘッド4とともに上記マークMから所定距離離れた場所まで退避させる。
次いで、制御ユニット40は、上記吸着位置認識カメラ32に位置認識マークMの撮像を実行させるとともに(ステップS49)、この位置認識マークMの撮像データから、吸着位置認識カメラ32の実座標を算出して記憶部44に記憶させる制御を実行する(ステップS51)。例えば、図6に示すように、吸着位置認識カメラ32の撮像視野をA2、この撮像視野A2の中心点をO2(当実施形態ではこの中心点O2の座標が吸着位置認識カメラ32の実座標に一致するものとする)、位置認識マークMの座標(既知)を(X0,Y0)としたときに、この位置認識マークMから上記中心点O2までのXY方向の座標誤差が図示のように(+α2,+β2)であるとすると、上記吸着位置認識カメラ32の実座標は、位置認識マークMの座標に上記誤差を加えた(X0+α2,Y0+β2)として算出されることになる。
以上のようにして基板認識カメラ31および吸着位置認識カメラ32に対しそれぞれ実座標を調べる処理が完了すると、制御ユニット40は、上記移載ヘッド4と吸着位置認識カメラ32との間の座標系のずれを算出して記憶部44に記憶させる制御を実行する(ステップS53)。具体的には、図7に示すように、上記ステップS51で求めた吸着位置認識カメラ32の実座標O2(X0+α2,Y0+β2)から、上記ステップS45で求めた基板認識カメラ31の実座標O1(X0+α1,Y0+β1)に至るずれベクトルd(α1−α2,β1−β2)を算出し、このずれベクトルdを、上記移載ヘッド4と吸着位置認識カメラ32との間の座標系のずれとして記憶する。すなわち、吸着位置認識カメラ32の実座標O2から基板認識カメラ31の実座標O1に至るずれベクトルdが求まることで、直接的には、上記各カメラ31,32の間の座標系のずれが算出されるが、この各カメラ31,32間の座標系のずれは、基板認識カメラ31と一体に移動する移載ヘッド4と、吸着位置認識カメラ32との間の座標系のずれと同一であるため、上記ずれベクトルdを求めることで、上記移載ヘッド4と吸着位置認識カメラ32との間の座標系のずれを算出することができる。
再び図3のメインフローに戻って説明を行う。上記ステップS5でNOと判定されて現時点が座標系誤差認識タイミングでないことが確認された場合、もしくは、上記ステップS5でYESと判定されて次のステップS7での座標系誤差認識制御が完了した場合、制御ユニット40は、コンベア3を作動させて基板Pを図1に示される実装作業位置まで搬入する制御を実行する(ステップS9)。
次いで、制御ユニット40は、基板認識カメラ31を移載ヘッド4とともに基板Pの上方に移動させ、この基板Pの上面に付された位置認識用のフィデューシャルマークを上記基板認識カメラ31で撮像することにより、上記実装作業位置に位置決めされた基板Pの位置を認識する制御を実行する(ステップS11)。
次いで、制御ユニット40は、吸着位置認識カメラ32を、部品供給部5のウェハステージ10の上方に移動させ、このウェハステージ10上のウェハ7に含まれる多数のチップ部品6,6…のうち、吸着する予定のチップ部品6を上記吸着位置認識カメラ32で撮像することにより、そのチップ部品6の位置を認識する制御を実行する(ステップS13)。すなわち、このステップS13では、吸着する予定のチップ部品6が吸着位置認識カメラ32で撮像され、その撮像データに基づき特定されるチップ部品6の位置が、当該チップ部品6を吸着する上記移載ヘッド4の移動目標地点として認識される。
このようにして吸着すべきチップ部品6の位置が認識されると、制御ユニット40は、移載ヘッド4が上記チップ部品6の上方まで移動するのに必要な移動量を、上記ステップS53で算出された移載ヘッド4と吸着位置認識カメラ32との間の座標系のずれを考慮して決定するとともに(ステップS14)、その決定された移動量に基づいて、上記移載ヘッド4をチップ部品6の上方に移動させる制御を実行する(ステップS15)。
すなわち、当実施形態の部品実装装置1では、チップ部品6の位置が、移載ヘッド4(および基板認識カメラ31)とは独立して移動可能な吸着位置認識カメラ32により認識されるため、上記移載ヘッド4と吸着位置認識カメラ32との間の座標系のずれを考慮して移載ヘッド4を移動させないと、この移載ヘッド4のノズルユニット30が、上記チップ部品6の上方に正確に到達しないおそれがある。そこで、移載ヘッド4をチップ部品6の上方へ移動させる際には、上記のような座標系のずれを考慮して移動量を決定する。より具体的には、上記移載ヘッド4の目標地点を、上記吸着位置認識カメラ32によって認識されたチップ部品6の座標から、図7で求めたずれベクトルdの分だけオフセットされた座標に補正設定し、この補正後の目標地点に上記移載ヘッド4が到達するように、移載ヘッド4の移動量を決定する。これにより、上記のような座標系のずれにかかわらず、吸着すべきチップ部品6の上方に上記移載ヘッド4のノズルユニット30が正確に到達する。
上記のようにして移載ヘッド4が吸着位置に移動すると、制御ユニット40は、上記移載ヘッド4の本体部からノズルユニット30を下降させる等により、このノズルユニット30にチップ部品6を吸着させる制御を実行する(ステップS17)。なお、当実施形態では、移載ヘッド4に3つのノズルユニット30が設けられているため、これら各ノズルユニット30にそれぞれチップ部品6を吸着させることにより、最大3つのチップ部品6を移載ヘッド4により吸着することが可能である。
次いで、制御ユニット40は、移載ヘッド4を基板P上の実装箇所の上方に移動させるとともに(ステップS19)、上記移載ヘッド4のノズルユニット30を下降させる等により、このノズルユニット30の下端部に吸着された上記チップ部品6を基板Pに実装する制御を実行する(ステップS21)。このとき、移載ヘッド4の3つのノズルユニット30にそれぞれチップ部品6が吸着されている場合、移載ヘッド4は、その各ノズルユニット30を基板P上の各実装箇所に順次移動させてチップ部品6を実装する。また、このとき、ノズルユニット30により吸着されたチップ部品6を下から撮像することが可能な不図示の部品認識カメラが基台2に設けられている場合には、チップ部品6を基板Pに実装する前に、各ノズルユニット30に対するチップ部品6の吸着位置のずれ(吸着ずれ)が上記部品認識カメラで認識され、吸着ずれが存在する場合には、そのずれの分だけ、基板Pに対する各ノズルユニット30の移動量が補正される。
なお、上記のようにしてチップ部品6を基板Pに実装する場合において、その実装箇所の正確な位置は、上記ステップS11で基板認識カメラ31により認識された基板Pの位置に基づいて決定される。このとき、基板認識カメラ31の実座標に図5に示したような座標誤差が含まれている場合でも、基板Pに対するチップ部品6の実装動作が、上記基板認識カメラ31と一体に移動する移載ヘッド4、つまり、基板認識カメラ31と同一量だけずれた座標系を有する移載ヘッド4によって行われることから、部品実装時において上記のような誤差は問題とならず、チップ部品6の実装は適正に行われる。
上記ステップS21での移載ヘッド4によるチップ部品6の実装動作が完了すると、制御ユニット40は、基板Pに実装すべき全てのチップ部品6が実装されたか否かを判定し(ステップS23)、ここでNOと判定されて実装すべきチップ部品6が未だに残っていることが確認された場合には、そのチップ部品6を基板Pに実装すべく、上記ステップS13に戻ってそれ以降の処理を同様に繰り返す。
一方、上記ステップS23でYESと判定されて基板Pに実装すべき全てのチップ部品6が実装されたことが確認された場合には、コンベア3を作動させて基板Pを装置外に搬出するとともに(ステップS25)、基板Pの生産枚数を記憶するカウンタのカウント値Cをインクリメント(C=C+1)する制御を実行し(ステップS27)、さらにその値が生産予定枚数Ntよりも小さいか否かを判定する(ステップS29)。そして、ここでYESと判定されて現状の累積生産枚数が生産予定枚数Ntに達していないことが確認された場合には、上記ステップS5以降の処理に戻り、新たな基板Pに対し上記と同様の実装処理を実行する。一方、上記ステップS29でNOと判定されて現状の累積生産枚数が生産予定枚数Ntに達したことが確認された場合、生産は終了する。
上記のように部品供給部5から供給されたチップ部品6を移動可能な移載ヘッド4により吸着して搬送し、所定距離離れた基板Pに実装(載置)する部品実装装置1において、上記移載ヘッド4と独立して移動可能で、かつ上記移載ヘッド4が上記部品供給部5からチップ部品6を吸着する前にそのチップ部品6を撮像する吸着位置認識カメラ32と、上記移載ヘッド4や吸着位置認識カメラ32等の動作を統括的に制御するとともに、部品吸着時に、上記吸着位置認識カメラ32によりあらかじめ撮像されたチップ部品6の撮像データに基づいて、上記移載ヘッド4をそのチップ部品6の位置へ移動させる制御ユニット40とを設け、この制御ユニット40による制御の下、所定のタイミングで、上記移載ヘッド4と吸着位置認識カメラ32との間の座標系のずれを調べるとともに、その座標系のずれに基づいて、上記移載ヘッド4が上記部品供給部5内のチップ部品6にアクセスする際の移動量を補正するようにした上記第1実施形態の構成によれば、移載ヘッド4と独立して移動可能な吸着位置認識カメラ32により吸着位置の認識を効率よく行いながら、これら移載ヘッド4と吸着位置認識カメラ32との間の座標系のずれに起因したチップ部品6の吸着ミスの発生を効果的に防止できるという利点がある。
すなわち、上記構成では、移載ヘッド4と独立して移動可能な吸着位置認識カメラ32により、上記移載ヘッド4が部品供給部5から吸着する予定のチップ部品6が撮像されるように構成されているため、当該チップ部品6(吸着予定部品)を撮像してその位置を認識する動作を、前に吸着されたチップ部品6が移載ヘッド4により搬送されて基板Pに実装されている間に効率よく行うことができ、タクトタイムを短縮して基板Pの生産効率を効果的に向上させることができる。
しかも、上記移載ヘッド4と吸着位置認識カメラ32との間の座標系のずれが所定のタイミングで調べられ、その座標系のずれに基づいて、上記移載ヘッド4が上記部品供給部5内のチップ部品6にアクセスする際の移動量が補正されるように構成されているため、上記移載ヘッド4と吸着位置認識カメラ32との間に存在する座標系のずれにかかわらず、上記移載ヘッド4に対する上記チップ部品6の相対位置を正確に把握してそのチップ部品6の位置へ移載ヘッド4を正確に移動させることができ、当該移載ヘッド4にチップ部品6の吸着動作を適正かつ確実に行わせることができる。したがって、上記のように移載ヘッド4と独立した吸着位置認識カメラ32を用いて吸着位置の認識を効率よく行いながら、上記移載ヘッド4と吸着位置認識カメラ32との間の座標系のずれに起因したチップ部品6の吸着ミスの発生を効果的に防止できるという利点がある。
特に、上記第1実施形態では、移載ヘッド4に、基板Pの位置を認識するための基板認識カメラ31を一体に設けるとともに、上記制御ユニット40による制御に基づき、上記部品供給部5に付された共通の位置認識マークMの上方に上記基板認識カメラ31および吸着位置認識カメラ32を移動させ、これら各カメラ31,32により撮像された上記位置認識マークMの撮像データに基づいて、上記移載ヘッド4と吸着位置認識カメラ32との間の座標系のずれを調べるようにしたため、共通の位置認識マークMを各カメラ31,32で撮像するだけの簡単な構成で、上記座標系のずれを効率よく調べられるという利点がある。
また、上記第1実施形態では、部品供給部5が、ダイシングされたウェハ7からなる多数のチップ部品6,6…の集合体を供給するウェハ用フィーダとして構成されているため、密集したチップ部品6,6…の中から所望のチップ部品6を取り出すのにより高い吸着精度が要求されるが、移載ヘッド4と吸着位置認識カメラ32との間の座標系のずれを考慮してチップ部品6を吸着するようにした当実施形態の構成によれば、上記のように高い吸着精度が要求される状況下でも、適正に所望のチップ部品6を吸着できるという利点がある。
なお、上記第1実施形態では、上記移載ヘッド4と吸着位置認識カメラ32との間の座標系のずれ(ずれベクトルd)を単一の位置認識マークMを基準として算出し、移載ヘッド4を部品供給部5内のチップ部品6に移動させる際には、上記座標系のずれの分だけ移載ヘッド4の移動量を一律に補正することにより、吸着すべきチップ部品6の位置へ上記移載ヘッド4が正確に移動し得るように構成したが、部品供給部5のウェハステージ10に位置認識マークMを複数付して、これら複数の位置認識マークMをそれぞれ基準として上記移載ヘッド4と吸着位置認識カメラ32との間の座標系のずれを算出し、その複数の座標ずれデータに基づいて、上記移載ヘッド4が部品供給部5にアクセスする際の移動量を補正するようにしてもよい。
例えば、図8に示すように、部品供給部5のウェハステージ10の周囲に2つの位置認識マークM1,M2が付されている場合、上記移載ヘッド4と吸着位置認識カメラ32との間の座標系のずれは、上記各マークM1,M2を基準してそれぞれ求められることになるが、この場合における移載ヘッド4の移動量の補正値は、一方のマークM1を基準として算出された座標系のずれと、他方のマークM2を基準として算出された座標系のずれとの2つの座標ずれデータを元に、補間法によって求めることが可能である。このように、複数の座標ずれデータに基づいて移載ヘッド4の移動量を補正するようにした場合には、その補正値をより高精度に算出することができ、移載ヘッド4による部品の吸着動作をより正確に行わせることができるという利点がある。
なお、上記のように複数の座標ずれデータに基づいて移載ヘッド4の移動量を補正する場合において、そのずれデータを求める基準となる位置認識マークの数は、上記位置認識マークM1,M2の2つに限らず、3つ以上であってもよい。位置認識マークを3つ以上にすれば、移載ヘッド4による部品の吸着精度をさらに向上させることができる。
また、上記第1実施形態では、部品を供給する部品供給部5が、ダイシングされたウェハ7からなる多数のチップ部品6,6…の集合体を供給するウェハ用フィーダである場合について説明したが、例えば図9に示す部品実装装置100のように、部品供給部105が、トレイフィーダ107やテープフィーダ108により構成されている場合にも、本発明の構成を好適に適用することができる。具体的に、この図9の例では、部品供給部105が、パッケージ化された複数の電子部品106(例えばセラミック製のケーシング等に収容されてパッケージ化された集積回路部品や、トランジスタ、コンデンサ等)をトレイ109上に載置した状態で供給するトレイフィーダ107と、間欠的に繰り出し可能に設けられた多数列のテープ108aの内部に比較的小型のチップ部品等(図示省略)を収容した状態で供給するテープフィーダ108とによって構成されている。なお、図9では、トレイフィーダ107およびテープフィーダ108からなる部品供給部105を除いたその他の構成については、上記第1実施形態と同様である。
そして、図9の部品実装装置100では、上記トレイフィーダ107およびテープフィーダ108からそれぞれ供給される部品の位置が、移載ヘッド4(および基板認識カメラ31)と独立して移動可能な吸着位置認識カメラ32によりそれぞれ認識され、その位置に基づいて上記移載ヘッド4が各フィーダ107,108から部品を吸着するように構成されている。また、上記トレイフィーダ107およびテープフィーダ108には、上記移載ヘッド4と吸着位置認識カメラ32との間の座標系のずれを調べるための基準マークとして、位置認識マークM1,M2がそれぞれ付されている。
また、上記第1実施形態では、部品供給部5のウェハステージ10に付された共通の位置認識マークMの上方に上記基板認識カメラ31および吸着位置認識カメラ32を移動させ、これら各カメラ31,32により撮像された上記位置認識マークMの撮像データに基づいて、上記移載ヘッド4と吸着位置認識カメラ32との間の座標系のずれを調べるようにしたが、例えば図9の二点鎖線に示すように、移載ヘッド4に吸着された部品を下から撮像してその吸着状態を認識する部品認識カメラ110が基台2上に設置されている場合には、この部品認識カメラ110を利用して上記座標系のずれを調べるようにしてもよい。すなわち、移載ヘッド4もしくは基板認識カメラ31の下面と、吸着位置認識カメラ32の下面とにそれぞれマークを付して、このマークを上記部品認識カメラ110で撮像することにより、上記移載ヘッド4と吸着位置認識カメラ32との間の座標系のずれを調べるようにしてもよい。この場合でも、両者の座標系のずれを上記第1実施形態と同様に適正に調べることができ、部品の吸着動作を正確に行わせることができる。また、上記構成では、移載ヘッド4に吸着された部品の吸着状態を調べる部品認識カメラ110を利用して、各カメラ31,32に付されたマークを撮像するようにしたため、新たなカメラを設ける必要がなく、装置のコストアップを効果的に抑制することができる。
また、上記第1実施形態では、位置認識マークMがXY平面上で座標(X0,Y0)に付されているものとし、この位置認識マークMを目標に基板認識カメラ31および吸着位置認識カメラ32を移動させてそこで撮像を行うことにより、これら各カメラ31,32の実座標を割り出して両者の座標ずれを調べ、そのずれを考慮して移載ヘッド4の移動量を補正するようにしたが、上記各カメラ31,32の位置を上記位置認識マークMに一致させるようにその移動量を補正することにより、上記移載ヘッド4および吸着位置認識カメラ32の座標系の整合性を取るようにしてもよい。
例えば、図5に示したように、基板認識カメラ31を位置認識マークMの上方に移動させてこれを撮像することにより、その撮像視野A1の中心O1(つまり基板認識カメラ31の実座標)が、上記位置認識マークMの実座標(X0,Y0)から(+α1,+β1)だけずれた位置に認識された場合、以後は、このずれ量がゼロになるように、上記基板認識カメラ31が移動する際の制御上の目標地点を上記ずれ分だけ差し引くようにする。すなわち、図5の例では、位置検出手段14a,18aの検出値に基づき基板認識カメラ31を位置認識マークMの座標(X0,Y0)に移動させたつもりでも、実際には(X0+α1,Y0+β1)に移動してしまうことから、上記基板認識カメラ31を位置認識マークMの上方に正確に移動させる(つまり撮像視野A1の中心O1を位置認識マークMに一致させる)には、その制御上の目標地点を、位置認識マークMの実座標(X0,Y0)から上記ずれ分だけ差し引いて、(X0−α1,Y0−β1)に設定すればよい。そして、このような補正を、他の目標地点に移動する際にも同様に行う。
一方、図6に示したように、吸着位置カメラ32を位置認識マークMの上方に移動させてこれを撮像することにより、その撮像視野A2の中心O2(つまり吸着位置認識カメラ32の実座標)が、上記位置認識マークMの実座標(X0,Y0)から(+α2,+β2)だけずれた位置に認識された場合には、以後、吸着位置認識カメラ32の制御上の目標地点を、上記ずれ分だけ差し引くようにする(つまり制御上の目標地点を(−α2,−β2)だけシフトする)。
このように、基板認識カメラ31(および移載ヘッド4)と、吸着位置認識カメラ32とにおける制御上の座標が、図5および図6で認識された座標誤差を考慮して補正されることにより、移載ヘッド4および吸着位置認識カメラ32の座標系どうしの整合性が、上記位置認識マークMを媒体として確保される。したがって、以後は、吸着位置認識カメラ32により吸着位置を認識し、この吸着位置に移載ヘッド4を移動させた場合に、移載ヘッド4を上記吸着位置に正確に到達させることができる。
また、この手法による場合、基板認識カメラ31および吸着位置認識カメラ32でそれぞれ位置認識マークMを撮像する時点において、当該マークMの位置が同じ位置に存在していれば、上記のような位置合わせを正確に行うことができる。したがって、上記位置認識マークMは、基台2上において常に同じ位置に固定されている必要はない。
(実施形態2)
上記第1実施形態では、部品供給部5から供給された部品(チップ部品6)を移載ヘッド4により搬送して基板Pに実装する部品実装装置1に、本発明の構成を適用した例について説明したが、本発明の構成は、このような部品実装装置1に限らず、部品を部品供給部から取り出して搬送する部品移載装置の部類であれば広く適用することが可能であり、例えば、図10に示される部品試験装置200に好適に適用することが可能である。以下では、このような部品試験装置200について簡単に説明する。
上記第1実施形態では、部品供給部5から供給された部品(チップ部品6)を移載ヘッド4により搬送して基板Pに実装する部品実装装置1に、本発明の構成を適用した例について説明したが、本発明の構成は、このような部品実装装置1に限らず、部品を部品供給部から取り出して搬送する部品移載装置の部類であれば広く適用することが可能であり、例えば、図10に示される部品試験装置200に好適に適用することが可能である。以下では、このような部品試験装置200について簡単に説明する。
図10に示すように、部品試験装置200の基台201上には、検査対象となる複数の部品206をトレイ208上に載置した状態で供給するトレイフィーダからなる部品供給部205と、この部品供給部205から搬送されてきた部品206に対し導通チェック等の所定の検査処理を施す複数の(図例では3つの)検査ソケット210(本発明にかかる載置部に相当)と、この検査ソケット210による検査結果が良とされた部品206を収容する良品トレイ211と、検査結果が不良とされた部品206を収容する不良品トレイ212とが配設されている。
また、基台201上には、上記部品供給部5、良品・不良品トレイ211,212、および検査ソケット210の上方にわたってX,Y軸の各方向に移動可能な移載ヘッド204が設けられている。この移載ヘッド204は、上記部品供給部205から供給された部品206を3つのノズルユニット213の下端部にそれぞれ吸着して各検査ソケット210まで搬送するとともに、この検査ソケット210で各部品206に対し所定の検査処理が施されている間、各部品206を上記検査ソケット210に装着された状態に保持した後、そこでの検査結果に応じて、上記検査ソケット210から各部品206を上記良品・不良品トレイ211,212のいずれかに搬送するように構成されている。なお、移載ヘッド204は、上記第1実施形態における移載ヘッド4と同様に、サーボモータやボールねじ軸等からなる駆動機構により駆動されるが、図10ではその駆動機構の図示を省略している。
上記移載ヘッド204には、上記検査ソケット210を撮像するための検査ソケット用カメラ214(本発明にかかる第1の撮像手段に相当)が取り付けられている。この検査ソケット用カメラ214は、部品試験装置200が起動されたとき等の所定のタイミングで、上記移載ヘッド204と一体に各検査ソケット210の上方まで移動してこれを撮像することにより、上記3つの検査ソケット210の正確な位置を特定するように構成されている。
一方、上記部品供給部205の上方には、そのトレイ208上に載置された各部品206を撮像するための吸着位置認識カメラ215が設けられている。この吸着位置認識カメラ215は、上記移載ヘッド204用の駆動機構とは別の駆動機構により駆動されることにより、上記移載ヘッド204と独立してX,Y軸の各方向に移動し得るように構成されている。そして、このような吸着位置認識カメラ215は、上記部品供給部205内の部品206が移載ヘッド204により吸着される前の所定のタイミングで、上記部品供給部205内の部品206を撮像してその正確な位置を特定するように構成されている。
また、上記部品供給部5の側辺部には、上記第1実施形態と同様の位置認識マークMが付されている。
以上のように構成された部品試験装置200では、その各部の動作を統括的に制御する図外の制御ユニットによる制御に基づき、部品試験装置200の起動時や、部品206の検査処理数が所定数に達したとき等の所定のタイミングで、上記検査ソケット用カメラ214および吸着位置認識カメラ215がそれぞれ上記位置認識マークMの上方に移動してこれを撮像し、その撮像データに基づいて、移載ヘッド204と吸着位置認識カメラ215との間の座標系のずれが調べられるように構成されている。そして、このようにして調べられた座標系のずれに基づいて、上記移載ヘッド204が上記部品供給部205内の部品206にアクセスする際の移動量が補正されるようになっている。なお、これらの処理の具体的な内容については上記第1実施形態と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
上記のように部品供給部205から供給された部品206を移動可能な移載ヘッド204により吸着して搬送し、所定距離離れた検査ソケット210に装着する部品試験装置200において、上記移載ヘッド204と独立して移動可能で、かつ上記移載ヘッド204が上記部品供給部205から部品206を吸着する前にその部品206を撮像する吸着位置認識カメラ215を設け、上記移載ヘッド204や吸着位置認識カメラ215等の各部の動作を制御する制御ユニットによる制御に基づき、所定のタイミングで、上記移載ヘッド204と吸着位置認識カメラ215との間の座標系のずれを調べるとともに、その座標系のずれに基づいて、上記移載ヘッド204が上記部品供給部205内の部品206にアクセスする際の移動量を補正するようにした上記第2実施形態の構成によれば、移載ヘッド204と独立して移動可能な吸着位置認識カメラ215により吸着位置の認識を効率よく行いながら、これら移載ヘッド204と吸着位置認識カメラ215との間の座標系のずれに起因した部品206の吸着ミスの発生を効果的に防止できるという利点がある。
すなわち、上記構成では、移載ヘッド204とは独立して移動可能な吸着位置認識カメラ215により、上記移載ヘッド204が部品供給部205から吸着する予定の部品206が撮像されるように構成されているため、当該部品206(吸着予定部品)を撮像してその位置を認識する動作を、前に吸着された部品206が移載ヘッド204により検査ソケット210や良品・不良品トレイ211,212へと搬送されている間に効率よく行うことができ、タクトタイムを短縮して部品206の検査効率を効果的に向上させることができる。
しかも、上記移載ヘッド204と吸着位置認識カメラ215との間の座標系のずれが所定のタイミングで調べられ、その座標系のずれに基づいて、上記移載ヘッド204が上記部品供給部205内の部品206にアクセスする際の移動量が補正されるように構成されているため、上記移載ヘッド204と吸着位置認識カメラ215との間に存在する座標系のずれにかかわらず、上記移載ヘッド204に対する上記部品206の相対位置を正確に把握してその部品206の位置へ移載ヘッド204を正確に移動させることができ、当該移載ヘッド204に部品206の吸着動作を適正かつ確実に行わせることができる。したがって、上記のように移載ヘッド204と独立した吸着位置認識カメラ215を用いて吸着位置の認識を効率よく行いながら、上記移載ヘッド204と吸着位置認識カメラ215との間の座標系のずれに起因した部品206の吸着ミスの発生を効果的に防止できるという利点がある。
なお、上記第2実施形態では、部品供給部205が、複数の部品206をトレイ208上に載置した状態で供給するトレイフィーダである場合について説明したが、この部品供給部205が、上記第1実施形態と同様のウェハ用フィーダである場合にも、本発明の構成を好適に適用することが可能である。
また、以上説明したような第1および第2の実施形態では、部品移載装置の一種としての部品実装装置1や部品試験装置200に本発明の構成を適用した例について説明したが、本発明の構成は、さらに他の種類の部品移載装置に適用することも可能である。このような他の種類の部品移載装置としては、例えば、トレイフィーダ等からなる部品供給部から供給された部品を移載ヘッドにより吸着して搬送し、別のトレイに移し変える部品ソーティング装置等を挙げることができる。
1,100 部品実装装置
4 移載ヘッド
5,105 部品供給部
6(106) チップ部品(部品)
7 ウェハ
31 基板認識カメラ(ヘッド側撮像手段)
32 吸着位置認識カメラ(吸着位置撮像手段)
40 制御ユニット(制御手段)
P 基板(載置部)
M,M1,M2 位置認識マーク
200 部品試験装置
204 移載ヘッド
205 部品供給部
206 部品
210 検査ソケット(載置部)
214 検査ソケット用カメラ(ヘッド側撮像手段)
215 吸着位置認識カメラ(吸着位置撮像手段)
4 移載ヘッド
5,105 部品供給部
6(106) チップ部品(部品)
7 ウェハ
31 基板認識カメラ(ヘッド側撮像手段)
32 吸着位置認識カメラ(吸着位置撮像手段)
40 制御ユニット(制御手段)
P 基板(載置部)
M,M1,M2 位置認識マーク
200 部品試験装置
204 移載ヘッド
205 部品供給部
206 部品
210 検査ソケット(載置部)
214 検査ソケット用カメラ(ヘッド側撮像手段)
215 吸着位置認識カメラ(吸着位置撮像手段)
Claims (4)
- 部品供給部から供給された部品を移動可能な移載ヘッドにより吸着して搬送し、所定距離離れた基板に載置する部品移載装置であって、
上記移載ヘッドと独立して移動可能に設けられ、上記移載ヘッドが上記部品供給部から部品を吸着する前にその部品を撮像する吸着位置撮像手段と、
上記移載ヘッドに取り付けられてこれと一体に移動し、上記基板の位置を特定するために当該基板の上面に付された位置認識用のフィデューシャルマークを撮像するヘッド側撮像手段と、
上記移載ヘッド、上記吸着位置撮像手段及び上記ヘッド側撮像手段の動作を統括的に制御するとともに、部品吸着時に、上記吸着位置撮像手段によりあらかじめ撮像された部品の撮像データに基づいて、上記移載ヘッドをその部品の位置へ移動させる制御手段とを備え、
上記制御手段は、所定のタイミングで、上記部品供給部もしくはその周辺に付された共通の位置認識マークの上に上記吸着位置撮像手段およびヘッド側撮像手段を移動させ、これら各撮像手段により撮像された上記位置認識マークの撮像データに基づいて、上記移載ヘッドと吸着位置撮像手段との間の座標系のずれを調べ、その座標系のずれに基づいて、上記移載ヘッドが上記部品供給部内の部品にアクセスする際の移動量を補正することを特徴とする部品移載装置。 - 部品供給部から供給された部品を移動可能な移載ヘッドにより吸着して搬送し、所定距離離れた前記部品の検査用ソケットに載置する部品移載装置であって、
上記移載ヘッドと独立して移動可能に設けられ、上記移載ヘッドが上記部品供給部から部品を吸着する前にその部品を撮像する吸着位置撮像手段と、
上記移載ヘッドに取り付けられてこれと一体に移動し、上記検査用ソケットの位置を特定するために当該検査用ソケットを撮像するヘッド側撮像手段と、
上記移載ヘッド、上記吸着位置撮像手段及び上記ヘッド側撮像手段の動作を統括的に制御するとともに、部品吸着時に、上記吸着位置撮像手段によりあらかじめ撮像された部品の撮像データに基づいて、上記移載ヘッドをその部品の位置へ移動させる制御手段とを備え、
上記制御手段は、所定のタイミングで、上記部品供給部もしくはその周辺に付された共通の位置認識マークの上に上記吸着位置撮像手段およびヘッド側撮像手段を移動させ、これら各撮像手段により撮像された上記位置認識マークの撮像データに基づいて、上記移載ヘッドと吸着位置撮像手段との間の座標系のずれを調べ、その座標系のずれに基づいて、上記移載ヘッドが上記部品供給部内の部品にアクセスする際の移動量を補正することを特徴とする部品移載装置。 - 請求項1又は2に記載の部品移載装置において、
上記位置認識マークが互いに離間した箇所に複数付されており、
上記制御手段は、上記複数の位置認識マークをそれぞれ基準として上記移載ヘッドと吸着位置撮像手段との間の座標系のずれを調べ、これら複数の座標ずれデータに基づいて、上記移載ヘッドが上記部品供給部内の部品にアクセスする際の移動量を補正することを特徴とする部品移載装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の部品移載装置において、
上記部品供給部が、ダイシングされたウェハからなる多数のチップ部品の集合体を供給するウェハ用フィーダであることを特徴とする部品移載装置。
Priority Applications (4)
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