JP2009009716A - 燃料電池およびそのガスシール方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール性能を確保ないしはさらに向上させうる燃料電池およびそのガスシール方法を提供する。
【解決手段】電解質膜31と、該電解質膜31の両面に形成された電極32,33と、該電極32,33を構成する層であって電解質膜31に供給される反応ガスを拡散させる拡散層32b,33bと、該拡散層32b,33bに反応ガスを供給するセパレータ20と、を有する燃料電池に対し、拡散層32b,33bのうち外周寄りの部分を加圧して圧密化し、反応ガスのシールとして機能させる。膜−電極−拡散層接合体30の圧密化された部分の膜厚が、当該燃料電池の発電時に加わる面圧が膜−電極−拡散層接合体30のうち発電に対応しないシール部分に加わるのを抑制しうる程度に薄く形成されていることが好ましい。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池およびそのガスシール方法に関する。さらに詳述すると、本発明は、燃料電池の内部構造の改良に関する。
一般に、燃料電池(例えば固体高分子型燃料電池)は電解質膜およびその両面に配した一対の電極からなる接合体(例えばMEA)と、該接合体を挟持する一対のセパレータとで構成されている。また、このようなセルが複数積層されていわゆる燃料電池スタックが形成されている。
従来、このような燃料電池において、接合体とセパレータとの間やセパレータとセパレータとの間にはガスケット等のシール部材が設けられている。具体例を挙げると、シール部材は、接合体の周縁部とセパレータのうちガス流路の周囲の部分との間に介在するように設けられ、あるいは、セパレータにおける冷却水流路の周囲の部分とこれに隣接するセパレータにおける冷却水流路の周囲の部分との間に介在するように設けられ、これらの間をシールしている(例えば特許文献1,2参照)。
特開2004−039385号公報 WO2002/089240号公報
しかしながら、既存の例えばO(オー)リングやガスケットといったシール部材によっては隙間が完全に埋まらずシール性能が十分とはいえない場合がある。
そこで、本発明は、シール性能を確保ないしはさらに向上させうる燃料電池およびそのガスシール方法を提供することを目的とする。
上述のように、Oリングなどのシール部材では十分なシール性能が確保できないことがある。このことについて鋭意検討した本発明者は以下のごとき知見を得た。すなわち、例えば電極(多孔体、拡散層)の脇(つまりは縁の周囲の部分)に隙間があると、本来ならばこれら多孔体や拡散層を通って発電反応に使われるはずのガスの一部が流れやすい隙間に流出してしまい(いわば脇流れ、バイパス)、その分だけ発電に使われないことから発電性能が低下する。この場合、僅かな隙間でもシール性能が不十分となるおそれがある。
また、上述した多孔体や拡散層の端(脇、または縁)は揃わずに段差を含んでいる場合があり、こうした場合、極小ながらも隙間が生じることになり、しかも隙間のサイズにばらつきがあるため、既存のOリングやシールでは隙間を埋め切れず十分なシール性能が得られない可能性がある。
加えて、シールする際に当該シールと溝等との間に境界が発生して当該部分に隙間が生じることがある。また、多孔体や拡散層の周囲をシールするための機構やスペースが別途必要になる。
これらのことに着目してさらに検討を重ねた本発明者は、かかる課題の解決に結び付く新たな知見を得るに至った。本発明はかかる知見に基づくもので、電解質膜と、該電解質膜の両面に形成された電極と、該電極を構成する層であって電解質膜に供給される反応ガスを拡散させる拡散層と、該拡散層に反応ガスを供給するセパレータと、を有する燃料電池において、拡散層のうち外周寄りの部分が加圧されて圧密化され、反応ガスのシールとして機能していることを特徴としている。
また、本発明にかかる燃料電池のガスシール法は、電解質膜と、該電解質膜の両面に形成された電極と、該電極を構成する層であって電解質膜に供給される反応ガスを拡散させる拡散層と、該拡散層に反応ガスを供給するセパレータと、を有する燃料電池に対し、拡散層のうち外周寄りの部分を加圧して圧密化し、反応ガスのシールとして機能させるというものである。
このように、本発明においては、燃料電池の電極において拡散層の端を加圧して圧密化し、これによって反応ガスをシールするという点で特徴的である。こうした場合、当該部分を圧密化してガス通過性や拡散性を低下させ、例えばシール部材のような境界がない状態(いわば境界レスの状態)で反応ガスをシールすることが可能となる。この点、そもそも、従来の燃料電池においてはシール部を圧縮処理するものはあっても、ガスシールを目的として拡散層の端(例えばMEGAの端)を圧密化しているものはないが、本発明においては当該被圧縮部のみでシールすることが可能である。しかも、こうした場合には、発電時の面圧確保や組付け時の位置決め精度向上のため、当該被圧縮部(加圧されて圧密化した部分)と発電反応部(反応ガスの化学反応により発電する部分)との厚さの違いを利用することも可能である。
上述の燃料電池において、電解質膜と電極とが膜−電極接合体(MEA)を形成していてもよいし、あるいは電解質膜、電極および拡散層が膜−電極−拡散層接合体(MEGA)を形成していてもよい。また、膜−電極接合体の圧密化された部分の膜厚が、当該燃料電池の発電時に加わる面圧が膜−電極接合体のうち発電に対応しないシール部分に加わるのを抑制しうる程度に薄く形成されていることが好ましい。同様に、膜−電極−拡散層接合体の圧密化された部分の膜厚が、当該燃料電池の発電時に加わる面圧が膜−電極−拡散層接合体のうち発電に対応しないシール部分に加わるのを抑制しうる程度に薄く形成されていることも好ましい。
本発明によれば、シール部材によることなくシール性能の確保ないしは向上を図ることができる。しかも、被圧縮部と発電反応部の厚さの違いを利用して発電時の面圧確保や組付け時の位置決め精度向上を図ることも可能である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1〜図3に本発明の実施形態を示す。本発明にかかる燃料電池1は、電解質膜31と、該電解質膜31の両面に形成された電極(ガス拡散電極)32,33と、該電極32,33を構成する層であって電解質膜31に供給される反応ガスを拡散させるガス拡散層32b,33bと、該ガス拡散層32b,33bに反応ガスを供給するセパレータ20と、を有するものであり、さらに本実施形態においては、ガス拡散層32b,33bのうち外周寄りの部分が加圧されて圧密化され、反応ガスのシールとして機能するようになっている(図3等参照)。
以下に説明する実施形態においては、まず、燃料電池1を構成するセル(発電セル)2および複数のセル2が積層されてなる燃料電池スタックの概略構成について説明し、その後、圧密化されたガス拡散層32b,33b等の構造について説明することとする。
図1に本実施形態における燃料電池1のセル2の概略構成を示す。図示するように構成されるセル2は、順次積層されてセル積層体3を構成している(図2参照)。また、このセル積層体3等で構成される燃料電池スタックは、例えばスタック両端を一対のエンドプレート7で挟まれ、さらにこれらエンドプレート7どうしを繋ぐようにテンションプレート8からなる拘束部材が配置された状態で積層方向への荷重がかけられて締結されている(図2参照)。
なお、このような燃料電池スタック等で構成される燃料電池1は、例えば燃料電池車両(FCHV;Fuel Cell Hybrid Vehicle)の車載発電システムにおいて利用可能なものであるがこれに限られることはなく、各種移動体(例えば船舶や飛行機など)やロボットなどといった自走可能なものに搭載される発電システム、さらには定置の発電システムにおいても利用することが可能である。
セル2に含まれる電解質としては、膜−電極接合体(MEA;Membrane Electrode Assembly)あるいは膜−電極−拡散層接合体(MEGA:Membrane Electrode & Gas Diffusion Layer Assembly)を用いることができる。例えば本実施形態では、膜−電極−拡散層接合体(以下、MEGAともいう)30を用いている(図1等参照)。
セル2は、MEGA30、該MEGA30を挟持する一対のセパレータ20(図1等においてはそれぞれ符号20a,20bで示している)等で構成されている(図1参照)。MEGA30および各セパレータ20a,20bはおよそ矩形の板状に形成されている。また、MEGA30はその外形が各セパレータ20a,20bの外形よりも小さくなるように形成されている。
MEGA30は、高分子材料のイオン交換膜からなる高分子電解質膜(以下、単に電解質膜ともいう)31と、電解質膜31を両面から挟んだ一対の電極(アノード側拡散電極およびカソード側拡散電極)32,33とで構成されている(図1参照)。電解質膜31は、各電極32,33よりも大きく形成されている。この電解質膜31には、その周縁部34を残した状態で各電極32,33が例えばホットプレス法により接合されている。
MEGA30を構成する電極32,33は、その表面に付着された白金などの触媒を担持した例えば多孔質のカーボン素材(拡散層32b,33b)で構成されている。一方の電極(アノード)32には燃料ガス(反応ガス)としての水素ガス、他方の電極(カソード)33には空気や酸化剤などの酸化ガス(反応ガス)が供給され、これら2種類の反応ガスによりMEGA30内で電気化学反応が生じてセル2の起電力が得られるようになっている。
セパレータ20(20a,20b)はガス不透過性の導電性材料で構成されている。導電性材料としては、例えばカーボンや導電性を有する硬質樹脂のほか、アルミニウムやステンレス等の金属(メタル)が挙げられる。本実施形態のセパレータ20(20a,20b)の基材は板状のメタルで形成されているものであり(メタルセパレータ)、この基材の電極32,33側の面には耐食性に優れた膜(例えば金メッキで形成された皮膜)が形成されている。
また、セパレータ20a,20bの両面には、複数の凹部によって構成される溝状の流路が形成されている。これら流路は、例えば板状のメタルによって基材が形成されている本実施形態のセパレータ20a,20bの場合であればプレス成形によって形成することができる。このようにして形成される溝状の流路は、酸化ガスのガス流路35や水素ガスのガス流路36、あるいは冷却水流路37を構成している。より具体的に説明すると、セパレータ20aの電極32側となる内側の面には水素ガスのガス流路36が形成され、その裏面(外側の面)には冷却水流路37が形成されている(図1参照)。同様に、セパレータ20bの電極33側となる内側の面には酸化ガスのガス流路35が形成され、その裏面(外側の面)には冷却水流路37が形成されている(図1参照)。例えば本実施形態の場合、隣接する2つのセル2,2に関し、一方のセル2のセパレータ20aの外面と、これに隣接するセル2のセパレータ20bの外面とを付き合わせた場合に両者の冷却水流路37が一体となり断面が例えば矩形あるいはハニカム形の流路が形成される構造となっている。
さらに、上述したように各セパレータ20a,20bは、少なくとも流体の流路をなすための凹凸形状が表面と裏面とで反転した関係になっている。より具体的に説明すると、セパレータ20aにおいては、水素ガスのガス流路36を形成する凸形状(凸リブ)の裏面が冷却水流路37を形成する凹形状(凹溝)であり、ガス流路36を形成する凹形状(凹溝)の裏面が冷却水流路37を形成する凸形状(凸リブ)である。さらに、セパレータ20bにおいては、酸化ガスのガス流路35を形成する凸形状(凸リブ)の裏面が冷却水流路37を形成する凹形状(凹溝)であり、ガス流路35を形成する凹形状(凹溝)の裏面が冷却水流路37を形成する凸形状(凸リブ)である。
また、セパレータ20a,20bの長手方向の端部付近(本実施形態の場合であれば、図1中向かって左側に示す一端部の近傍)には、酸化ガスの入口側のマニホールド15a、水素ガスの出口側のマニホールド16b、および冷却水の入口側のマニホールド17aが形成されている。例えば本実施形態の場合、これらマニホールド15a,16b,17aは各セパレータ20a,20bに設けられた略矩形ないしは台形、あるいは両端が半円形状の長細矩形の透孔によって形成されている(図1等参照)。さらに、セパレータ20a,20bのうち反対側の端部には、酸化ガスの出口側のマニホールド15b、水素ガスの入口側のマニホールド16a、および冷却水の出口側のマニホールド17bが形成されている。本実施形態の場合、これらマニホールド15b,16a,17bも略矩形ないしは台形、あるいは両端が半円形状の長細矩形の透孔によって形成されている(図1参照)。
上述のような各マニホールドのうち、セパレータ20aにおける水素ガス用の入口側マニホールド16aと出口側マニホールド16bは、セパレータ20aに形成されている入口側の連絡通路61および出口側の連絡通路62を介してそれぞれが水素ガスのガス流路36に連通している。同様に、セパレータ20bにおける酸化ガス用の入口側マニホールド15aと出口側マニホールド15bは、セパレータ20bに形成されている入口側の連絡通路63および出口側の連絡通路64を介してそれぞれが酸化ガスのガス流路35に連通している(図1参照)。さらに、各セパレータ20a,20bにおける冷却水の入口側マニホールド17aと出口側マニホールド17bは、各セパレータ20a,20bに形成されている入口側の連絡通路65および出口側の連絡通路66を介してそれぞれが冷却水流路37に連通している。ここまで説明したような各セパレータ20a,20bの構成により、セル2には、酸化ガス、水素ガスおよび冷却水が供給されるようになっている。ここで具体例を挙げておくと、セル2が積層された場合、例えば水素ガスは、セパレータ20aの入口側マニホールド16aから連絡通路61を通り抜けてガス流路36に流入し、MEGA30の発電に供された後、連絡通路62を通り抜けて出口側マニホールド16bに流出することになる。
なお、本実施形態においては、冷却水の入口側マニホールド17aと出口側マニホールド17bとをそれぞれセパレータ20の冷却水流れ方向両側の一方寄りおよび他方寄りに配置している(図1、図3参照)。すなわち、本実施形態においては冷却水の入口側マニホールド17aと出口側マニホールド17bをセパレータ20の対角線上に配置することとし、これによってセパレータ20に対し冷却水が全面的に行き渡りやすくなるようにしている。
第1シール部材13a、第2シール部材13bは必要に応じて設けられる(図1参照)。セパレータ20a,20b間に設けられる場合、これら第1シール部材13a、第2シール部材13bは、例えば、ともに複数の部材(例えば独立した小型の4つの矩形枠体と、流体流路を形成するための大きな枠体)で形成される(図1参照)。これらのうち、第1シール部材13aはMEGA30とセパレータ20aとの間に設けられるもので、より詳細には、その一部が、電解質膜31の周縁部34と、セパレータ20aのうちガス流路36の周囲の部分との間に介在するように設けられる。また、第2シール部材13bは、MEGA30とセパレータ20bとの間に設けられるもので、より詳細には、その一部が、電解質膜31の周縁部34と、セパレータ20bのうちガス流路35の周囲の部分との間に介在するように設けられる。
さらに、隣接するセル2,2のセパレータ20bとセパレータ20aとの間には、複数の部材(例えば独立した小型の4つの矩形枠体と、流体流路を形成するための大きな枠体)で形成された第3シール部材13cが設けられている(図1参照)。この第3シール部材13cは、セパレータ20bにおける冷却水流路37の周囲の部分と、セパレータ20aにおける冷却水流路37の周囲の部分との間に介在するように設けられてこれらの間をシールする部材である。
なお、第1〜第3シール部材13a〜13cとしては、隣接する部材との物理的な密着により流体を封止する弾性体(ガスケット)や、隣接する部材との化学的な結合により接着する接着剤などを用いることができる。例えば本実施形態では各シール部材13a〜13cとして弾性によって物理的にシールする部材を採用しているが、この代わりに上述した接着剤のような化学結合によってシールする部材を採用することもできる。
枠状部材40は、MEGA30とともにセパレータ20a,20b間に挟持される例えば樹脂からなる部材(以下、樹脂フレームともいう)である。例えば本実施形態では、薄い枠形状の樹脂フレーム40をセパレータ20a,20b間に介在させ、当該樹脂フレーム40によってMEGA30の少なくとも一部、例えば周縁部34に沿った部分を表側と裏側から挟持するようにしている。このように設けられる樹脂フレーム40は、締結力を支持するセパレータ20(20a,20b)間のスペーサとしての機能、絶縁部材としての機能、セパレータ20(20a,20b)の剛性を補強する補強部材としての機能を発揮する。
続いて、燃料電池1の構成について簡単に説明する(図2参照)。本実施形態における燃料電池1は、複数のセル2を積層してなるセル積層体3を備え、当該セル積層体3の両端に位置するセル(端セル)2,2の外側に順次、断熱セル4、出力端子5a付のターミナルプレート5、インシュレータ(絶縁プレート)6およびエンドプレート7をさらに備えた構成となっている。セル積層体3に対しては、両エンドプレート7をつなぐように架け渡されたテンションプレート8によって積層方向への所定の圧縮力が加えられている。さらに、セル積層体3の一端側のエンドプレート7とインシュレータ6との間にはプレッシャプレート9とばね機構9aとが設けられており、セル2に作用する荷重の変動が吸収されるようになっている。
断熱セル4は例えば2枚のセパレータとシール部材とで断熱層が形成されているもので、発電に伴い生じる熱が大気等に放熱されるのを抑える役割を果たす。すなわち、一般に、セル積層体3の端部は大気との熱交換により温度が低くなりやすいことから、当該セル積層体3の端部に断熱層を形成することによって熱交換(放熱)を抑えることが行われている。このような断熱層としては、例えば、セル2におけるものと同様の一対のセパレータに、膜−電極アッセンブリの代わりとして導電板などの断熱部材10を挟み込んだ構成のものがある。この場合に用いられる断熱部材10は断熱性に優れるほど好適であり、具体的には例えば導電性多孔質シートなどが用いられる。また、このような断熱部材10の周囲をシール部材で封止することによって空気層が形成される。
ターミナルプレート5は集電板として機能する部材であり、例えば鉄、ステンレス、銅、アルミニウム等の金属で板状に形成されている。ターミナルプレート5のうち断熱セル4側の表面には、めっき処理等の表面処理が施されており、かかる表面処理により断熱セル4との接触抵抗が確保されている。めっきとしては、金、銀、アルミ、ニッケル、亜鉛、すず等を挙げることができ、例えば本実施形態では導電性、加工性および低廉性を勘案してすずめっき処理を施している。
インシュレータ6は、ターミナルプレート5とエンドプレート7等とを電気的に絶縁する機能を果たす部材である。このような機能を果たすため、かかるインシュレータ6は例えばポリカーボネートなどの樹脂材料により板状に形成されている。
エンドプレート7は、ターミナルプレート5と同様、各種金属(鉄、ステンレス、銅、アルミニウム等)で板状に形成されている。例えば本実施形態では銅を用いてこのエンドプレート7を形成しているがこれは一例に過ぎず、他の金属で形成されていても構わない。
テンションプレート8は両エンドプレート7,7間を架け渡すようにして設けられているもので、例えば一対がセル積層体3の両側に対向するように配置される(図2参照)。テンションプレート8は、各エンドプレート7,7にボルト等で固定され、単セル2の積層方向に所定の締結力(圧縮力)を作用させた状態を維持する。このテンションプレート8の内側面(セル積層体3を向く面)には漏電やスパークが生じるのを防止すべく絶縁膜が形成されている。絶縁膜は、具体的には例えば当該テンションプレート8の内側面に貼り付けられた絶縁テープ、あるいは当該面を覆うように塗布された樹脂コーティングなどによって形成されている。
続いて、燃料電池1における圧密化されたガス拡散層32b,33b等の構造について説明する(図3等参照)。
上述したように、本実施形態の燃料電池1は、MEGA30のガス拡散層32b,33bのうち外周寄りの部分が加圧されて圧密化され、反応ガスのシールとして機能する構造となっている(図3等参照)。すなわち、本実施形態では、燃料電池1の電極32,33において拡散層32b,33bの外周寄りの端部分を加圧し圧密化することでガスをシールする。こうした場合、圧密化した当該部分のガス通過性や拡散性を低下させ、シール(例えばシール部材13a,13b)のような境界がないいわば境界レスの状態で反応ガスをシールすることが可能となる。
この場合、圧密化するための圧縮処理としては、例えばロール接合などローラの段差を利用して行うものや、ブラスト処理を利用したもの等がある。また、これらのごとき圧縮処理は、MEGA30の接合時に同時に実施することが好ましい。
このように、本実施形態では、ガスシールを目的としてガス拡散層32b,33bを圧密化するための圧縮処理を行い、当該被圧縮部のみで反応ガスをシールすることを可能としている。これによれば、シール部材によることなくシール性能の確保ないしは向上を図ることができる。このような本実施形態における燃料電池1の作用効果を、従前の構造の燃料電池との比較で説明すると以下のとおりである(図4、図5参照。
すなわち、例えば触媒層32a,33a、ガスを通す拡散層32b,33b、ガスを通す多孔体32c,33cを含む電極32,33の脇に隙間がある場合(図4に示すように外周部分が圧密化されておらず外部に開放した状態になっている場合)、本来ならば拡散層32b,33bや多孔体32c,33cを通過して化学反応(つまり発電)に使われるはずの反応ガスが、より流れやすい隙間に流出してしまうことがある(図4中の矢印参照)。そうすると、燃料電池1の発電反応部(図5中において符号Rで示す)を回避するような反応ガスのいわば脇流れが生じ(図5中の破線矢印参照)、バイパスする分だけ発電に使用されず発電性能が低下してしまう。一般に、このような事態は隙間が僅かであっても生じうる。
しかも、拡散層32b,33bや多孔体32c,33cの端(縁の部分)においては位置が揃わずに細かな段差が生じている場合もある(図4参照)。こうした場合、極小であっても隙間が存在し、尚かつ各隙間のサイズにばらつきもあるため、既存のシール部材(Oリング、ガスケットなど)では隙間が埋まらず十分なシール性が得られないこともある。
この点、ここまで説明したように、本実施形態の燃料電池1はシール部材によることなくシール性能の確保ないしは向上を図ることができる。このため、シール部材を設けるための機構やスペースを別途必要としないという利点もある。
しかも、圧密化された被圧縮部と発電反応部Rの厚さの違いを利用して発電時の面圧確保や組付け時の位置決め精度向上を図ることも可能である。すなわち、MEGA30のうち圧密化された部分の膜厚を薄くすることで、当該MEGA(ないしはMEA)に発電時に加える面圧がシール部分(被圧縮部)に加わるのを抑制することができる。つまり、発電反応部Rに対する面圧がシール圧の影響で管理し難くなることを回避しうるという点で有利になる。この点からすれば、MEGA(膜−電極−拡散層接合体)30の圧密化された部分の膜厚は、当該燃料電池1の発電時に加わる面圧がMEGA30のうち発電に対応しないシール部分(被圧縮部)に加わるのを抑制しうる程度に薄く形成されていることが好ましい。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば本実施形態ではMEGA(膜−電極−拡散層接合体)30が用いられている場合を例示して説明したが、これがMEA(膜−電極接合体)であっても同様の作用効果を実現しうる。
また、図1においてはシール部材13a,13bを想像線で示すこととしたが(図1参照)、上述した燃料電池1の作用効果からすればこれらシール部材13a,13bが設けられていなくてもシール性能を確保することができることはいうまでもない。
本実施形態における燃料電池のセルの構造例を示す分解斜視図である。 燃料電池の構造例を示す側面図である。 本発明の概念を示す燃料電池のセルの側面図である。 本発明にかかる燃料電池の作用効果を比較により示すための従前構造の燃料電池の部分側面図である。 燃料電池の発電反応部をバイパスするガスの脇流れの様子を示す概略図である。
符号の説明
1…燃料電池、30…MEGA(膜−電極−拡散層接合体)、31…高分子電解質膜(電解質膜)、32…アノード側拡散電極(電極)、33…カソード側拡散電極(電極)、32b…ガス拡散層(拡散層)、33b…ガス拡散層(拡散層)

Claims (6)

  1. 電解質膜と、該電解質膜の両面に形成された電極と、該電極を構成する層であって前記電解質膜に供給される反応ガスを拡散させる拡散層と、該拡散層に前記反応ガスを供給するセパレータと、を有する燃料電池において、
    前記拡散層のうち外周寄りの部分が加圧されて圧密化され、前記反応ガスのシールとして機能していることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記電解質膜と前記電極とが膜−電極接合体を形成している請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記電解質膜、前記電極および前記拡散層が膜−電極−拡散層接合体を形成している請求項1に記載の燃料電池。
  4. 前記膜−電極接合体の圧密化された部分の膜厚が、当該燃料電池の発電時に加わる面圧が前記膜−電極接合体のうち発電に対応しないシール部分に加わるのを抑制しうる程度に薄く形成されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池。
  5. 前記膜−電極−拡散層接合体の圧密化された部分の膜厚が、当該燃料電池の発電時に加わる面圧が前記膜−電極−拡散層接合体のうち発電に対応しないシール部分に加わるのを抑制しうる程度に薄く形成されていることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池。
  6. 電解質膜と、該電解質膜の両面に形成された電極と、該電極を構成する層であって前記電解質膜に供給される反応ガスを拡散させる拡散層と、該拡散層に前記反応ガスを供給するセパレータと、を有する燃料電池に対し、前記拡散層のうち外周寄りの部分を加圧して圧密化し、前記反応ガスのシールとして機能させることを特徴とする燃料電池のガスシール方法。
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