JP2007242260A - 燃料電池およびその弾性モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】セル面を流れる流体のシール性を確保しつつ、セル面内の発電領域において作用する圧力を適度に低減し、反応ガスの拡散性を向上ないしは確保することができるようにする。
【解決手段】発電セル積層体3とともに挟持され、弾性力にて発電セル積層体3に圧縮力を作用させる燃料電池1の弾性モジュール4に関し、弾性力が少なくとも2種類あって互いに並列に配置される弾性体5と、複数の弾性体5を積層方向で挟持する一対の板状部材6と、を有し、発電領域の周囲に配置されるシール部材に対応する部分には弾性力の高い弾性体5が設けられる一方、発電領域に対応する部分には弾性力が相対的に低い弾性体5が設けられている構造とする。また、当該弾性モジュール4のさらにセル積層方向外側に配置されるエンドプレート8からの荷重をねじ部付き接続部材7を介して受けるようにする。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池およびその弾性モジュールに関する。さらに詳述すると、本発明は、発電セル積層体に荷重を付与するための締結構造、特に弾性モジュールの構造の改良に関する。
一般に、燃料電池(例えば固体高分子形燃料電池)は電解質をセパレータで挟んだセルを複数積層することによって構成されている。
このようにセルが積層されることによって構成される発電セル積層体(セルスタック、本明細書ではセル積層体ともいう)には、その積層方向両端にエンドプレートが設けられ、さらに、当該エンドプレートとセル積層体との間に弾性体を有する弾性モジュール(例えばスプリングボックス)が配置されている場合がある。弾性モジュールは、セル積層体に対して適切な荷重を作用させるためのモジュール、特に、発電時に生じうる熱膨張を吸収して荷重が適度に作用し続けるためのモジュールとして利用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−288618号公報
しかしながら、スプリングボックスによって作用する荷重により、セル面内の拡散層が過度に押圧されてしまうことある。そうすると、例えばセル面内の発電領域にMEA(膜−電極アッセンブリ)が配置されている場合に、当該発電領域に荷重が過度に作用した結果、ガス等の拡散性が低下してしまうといった問題があった。
そこで、本発明は、セル面を流れる流体のシール性を確保しつつ、セル面内の発電領域において作用する圧力を適度に低減し、反応ガスの拡散性を向上ないしは確保することができるようにした燃料電池およびその弾性モジュールを提供することを目的とする。
かかる課題を解決するべく本発明者は種々の検討を行った。セルを積層した構造の発電セル積層体においては、化学的反応により電流および水が多く生み出される中央部付近ほど発熱も多くなる。このため、積層されたセルのうち、中央付近の方が大きく熱膨張する、つまり熱の影響を受けやすいという点に着目した。また、このように中央付近ほど熱の影響を大きく受ける結果、セル周囲における流体のシール性を確保し難いことがあるという点にも着目し、さらに検討を重ね、かかる課題を解決しうる技術を知見するに至った。
本発明はかかる知見に基づくものであり、複数のセルが積層されてなる発電セル積層体とともに挟持され、弾性力にて前記発電セル積層体に圧縮力を作用させる燃料電池の弾性モジュールであって、弾性力が少なくとも2種類あって互いに並列に配置される弾性体と、前記複数の弾性体を積層方向で挟持する一対の板状部材と、を有し、発電領域の周囲に配置されるシール部材に対応する部分には弾性力の高い弾性体が設けられる一方、前記発電領域に対応する部分には弾性力が相対的に低い弾性体が設けられることを特徴としているものである。
例えば従前の弾性モジュールの場合には、中央付近に配置された発電領域の周囲をシール部材で囲繞するという構造をとっていることが一般的であり、シール性を確保したい外周付近から反応ガスや水分が漏出することがあった。この主因としては、発電を行うことによって熱が生じた場合、中央に寄るほど熱膨張の影響の度合いが大きくなるため、こういった状況下で外周寄り部分のシール性を確保することは相対的に難しいということがある。この点、本発明にかかる燃料電池の弾性モジュールの場合には、セル面の外周付近での押圧力が高くなる構造となっているため、ガス等の漏れを極力少なくしつつ、発電領域に作用する荷重を相対的に減少させ、当該発電領域における流体の拡散性を確保して効率の高い発電を実現する。
ここで、上記のような燃料電池の弾性モジュールは、当該弾性モジュールのさらにセル積層方向外側に配置されるエンドプレートからの荷重をねじ部付き接続部材を介して受けるものとなっていることが例えば以下のような点において好ましい。
第一に、燃料電池セルスタックは例えば200〜400個(枚)程度のセルが積層されてなるという構造上、積層厚み(積層長さ)にばらつきが生じやすいという性質があるが、この点、弾性モジュールとエンドプレートとの間にねじ部付きの接続部材を介在させた構造とすれば、セルスタックの全体厚み(全体長さ)を微調整することが容易となる。これは、当該位置に介在するねじ部付き接続部材を相対的に回転させることにより、ねじ部を利用して軸方向長さを調整できるため、上述のような個体ごとのばらつきを吸収しつつ、締結力を微調整しやすい。
第二に、板状の部材の間(具体的には、弾性体を挟持している板状部材の一方と上述したエンドプレートとの間)にねじ部付き接続部材を点状に介在させることとすれば、当該接続部材自体の可撓性などを利用していわば首振り可能な構造とすることができるということである。上述のように数百個(枚)というオーダーのセルを積層した場合、どうしても左右(あるいは手前と奥)のいずれかが厚くなってしまい、例えば台形に近似した状態になるなど偏りが生じやすい。ところが、このように偏りが生じて歪んだ形になったとしても中心軸に沿った均等な荷重を作用させるためには、どこかの部位に歪みを吸収しうる構造としなければならない。この点、上述のように点状に介在している本発明にかかる燃料電池の場合、セルスタックはエンドプレートからの荷重伝達をねじ部付き接続部材を介して受けることなり、このとき仲介する接続部材はいわば首振り機構として機能し、偏りに応じて適宜角度を変えることによって歪みを矯正するように働く。このため、数百ものセルを積層するという構造に起因する不具合の影響を容易に軽減することができる。
さらに、本発明にかかる弾性モジュールにおいて、前記弾性力の高い弾性体はセル面の外縁に沿って周回するように配置されている。このように外縁に沿って周回するように配置された弾性体はセル面を強く押圧することにより、当該セルの外周付近におけるシール性を確保して流体(反応ガスや冷媒)が漏れ出ないようにする。また、この場合にはセル面の中央付近における作用する押圧力を相対的に低い状態にすることができるから、セル面内の拡散層が過度に押圧されるのを抑制することが可能である。この場合、セル内に形成されている発電領域においてガスの拡散性が劣化してしまうのを抑えることができるようになる。
また、本発明にかかる弾性モジュールの場合、弾性体を以下の2通りのいずれとすることも可能である。すなわち、第一に、2種類の弾性力の前記弾性体が配置されている弾性モジュールとすることができる。こうした場合には、弾性モジュールを形成するにあたり原則として2種類の弾性体を用意すれば足りるから特にコストという面で有利である。
さらに、第二として、少なくとも3種類以上の弾性力の前記弾性体が、セル面の中央に近づくほど弾性力が徐々に低くなるように配置されている弾性モジュールとすることもできる。こうした場合、セル面の中央付近から外周に向かうにつれて(あるいは逆に外周付近から中央に向かうにつれて)徐々に弾性力を変化させることが可能となるから、セル面に実際に作用している荷重の大きさに対応して弾性力を変化させることもできるようになる。
また、本発明にかかる燃料電池は、請求項1から5のいずれかに記載の弾性モジュールを備えているというものである。これにより、当該燃料電池は、シール性とガス拡散性の両方を確保することが可能である。
本発明によれば、セルの外周付近における流体(反応ガスや冷媒)のシール性を確保しつつ、セル面内(特に中央付近)の発電領域において作用する圧力を低減し、反応ガスの拡散性を向上させることができる。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1〜図4に本発明にかかる燃料電池およびこの燃料電池を構成する弾性モジュールの実施形態を示す。本発明にかかる弾性モジュール4は、複数のセル2が積層されてなる発電セル積層体(以下、単にセル積層体ともいう)3とともに挟持され、弾性力にて発電セル積層体3に圧縮力を作用させるためのモジュールとして形成されているものである。本実施形態の弾性モジュール4は、弾性力が少なくとも2種類あって互いに並列に配置される弾性体5と、複数の弾性体5を積層方向で挟持する一対の板状部材6と、を有し、発電領域の周囲に配置されるシール部材13に対応する部分には弾性力の高い弾性体5が設けられる一方、発電領域に対応する部分には弾性力が相対的に低い弾性体5が設けられているというものである。
以下においては、まず、燃料電池1を構成するセル2およびセル積層体3の概略構成について説明し、その後、上述のように形成された弾性モジュール4の形態について詳細に説明することとする。
図1に本実施形態における燃料電池1のセル2の概略構成を示す。図示するように構成されるセル2は、順次積層されることによってセル積層体(スタック)3を構成する。このように形成されたセル積層体(スタック)3は、スタック両端を例えばエンドプレート8で挟まれ(図2参照)、さらにこれら対向するエンドプレート8どうしを繋ぐようにテンションプレート(図示省略)が配置された状態で積層方向への荷重がかけられて締結される。
なお、このようなセル2が積層されたセル積層体(スタック)3によって構成される燃料電池1は、例えば燃料電池車両(FCHV;Fuel Cell Hybrid Vehicle)の車載発電システムとして利用可能なものであるがこれに限られることはなく、各種移動体(例えば船舶や飛行機など)やロボットなどといった自走可能なものに搭載される発電システムとして用いることができる。また、場合によっては定置の燃料電池1としても用いることも可能である。
セル2は、電解質、具体例として膜−電極アッセンブリ(以下MEA;Membrane Electrode Assemblyと呼ぶ)30と、MEA30を挟持する一対のセパレータ20(図1においてはそれぞれ符号20a,20bを付して示している)とで構成されている(図1参照)。MEA30および各セパレータ20a,20bはおよそ矩形の板状に形成されている。また、MEA30はその外形が各セパレータ20a,20bの外形よりも僅かに小さくなるように形成されている。さらに、MEA30と各セパレータ20a,20bとは、それらの間の周辺部を第1シール部材13a、第2シール部材13bとともに成形樹脂によってモールドされている。
MEA30は、高分子材料のイオン交換膜からなる高分子電解質膜(以下、単に電解質膜ともいう)31と、電解質膜31を両面から挟んだ一対の電極(アノードおよびカソード)32a,32bとで構成されている(図1参照)。これらのうち、電解質膜31は、各電極32a,32bよりも僅かに大きくなるように形成されている。この電解質膜31には、その周縁部33を残した状態で各電極32a,32bが例えばホットプレス法により接合されている。
MEA30を構成する電極32a,32bは、その表面に付着された白金などの触媒を担持した例えば多孔質のカーボン素材(拡散層)で構成されている。一方の電極(アノード)32aには燃料ガス(反応ガス)としての水素ガス、他方の電極(カソード)32bには空気や酸化剤などの酸化ガス(反応ガス)が供給され、これら2種類の反応ガスによりMEA30内で電気化学反応が生じてセル2の起電力が得られるようになっている。
セパレータ20a,20bは、ガス不透過性の導電性材料で構成されている。導電性材料としては、例えばカーボンや導電性を有する硬質樹脂のほか、アルミニウムやステンレス等の金属(メタル)が挙げられる。本実施形態のセパレータ20a,20bの基材は板状のメタルで形成されているものであり(メタルセパレータ)、この基材の電極32a,32b側の面には耐食性に優れた膜(例えば金メッキで形成された皮膜)が形成されている。
また、セパレータ20a,20bの両面には、複数の凹部によって構成される溝状の流路が形成されている。これら流路は、例えば板状のメタルによって基材が形成されている本実施形態のセパレータ20a,20bの場合であればプレス成形によって形成することができる。このようにして形成される溝状の流路は、酸化ガスのガス流路34や水素ガスのガス流路35、あるいは冷却水流路36を構成している。より具体的に説明すると、セパレータ20aの電極32a側となる内側の面には水素ガスのガス流路35が複数形成され、その裏面(外側の面)には冷却水流路36が複数形成されている(図1参照)。同様に、セパレータ20bの電極32b側となる内側の面には酸化ガスのガス流路34が複数形成され、その裏面(外側の面)には冷却水流路36が複数形成されている(図1参照)。例えば本実施形態の場合、セル2におけるこれらガス流路34およびガス流路35は互いに平行となるように形成されている。さらに、本実施形態においては、隣接する2つのセル2,2に関し、一方のセル2のセパレータ20aの外面と、これに隣接するセル2のセパレータ20bの外面とを付き合わせた場合に両者の冷却水流路36が一体となり断面が例えば矩形あるいはハニカム形の流路が形成される構造となっている(図1参照)。なお、隣接するセル2,2のセパレータ20aとセパレータ20bは、それらの間における周辺の部分が成形樹脂によりモールドされるようになっている。
さらに、上述したように各セパレータ20a,20bは、少なくとも流体の流路をなすための凹凸形状が表面と裏面とで反転した関係になっている。より具体的に説明すると、セパレータ20aにおいては、水素ガスのガス流路35を形成する凸形状(凸リブ)の裏面が冷却水流路36を形成する凹形状(凹溝)であり、ガス流路35を形成する凹形状(凹溝)の裏面が冷却水流路36を形成する凸形状(凸リブ)である。さらに、セパレータ20bにおいては、酸化ガスのガス流路34を形成する凸形状(凸リブ)の裏面が冷却水流路36を形成する凹形状(凹溝)であり、ガス流路34を形成する凹形状(凹溝)の裏面が冷却水流路36を形成する凸形状(凸リブ)である。
また、セパレータ20a,20bの長手方向の端部付近(本実施形態の場合であれば、図1中向かって左側に示す一端部の近傍)には、酸化ガスの入口側のマニホールド15a、水素ガスの出口側のマニホールド16b、および冷却水の出口側のマニホールド17bが形成されている。例えば本実施形態の場合、これらマニホールド15a,16b,17bは各セパレータ20a,20bに設けられた略矩形ないしは台形の透孔によって形成されている(図1参照)。さらに、セパレータ20a,20bのうち反対側の端部には、酸化ガスの出口側のマニホールド15b、水素ガスの入口側のマニホールド16a、および冷却水の入口側のマニホールド17aが形成されている。本実施形態の場合、これらマニホールド15b,16a,17aも略矩形ないしは台形の透孔によって形成されている(図1参照)。
上述のような各マニホールドのうち、セパレータ20aにおける水素ガス用の入口側マニホールド16aと出口側マニホールド16bは、セパレータ20aに溝状に形成されている入口側の連絡通路61および出口側の連絡通路62を介してそれぞれが水素ガスのガス流路35に連通している。同様に、セパレータ20bにおける酸化ガス用の入口側マニホールド15aと出口側マニホールド15bは、セパレータ20bに溝状に形成されている入口側の連絡通路63および出口側の連絡通路64を介してそれぞれが酸化ガスのガス流路34に連通している(図1参照)。さらに、各セパレータ20a,20bにおける冷却水の入口側マニホールド17aと出口側マニホールド17bは、各セパレータ20a,20bに溝状に形成されている入口側の連絡通路65および出口側の連絡通路66を介してそれぞれが冷却水流路36に連通している。ここまで説明したような各セパレータ20a,20bの構成により、セル2には、酸化ガス、水素ガスおよび冷却水が供給されるようになっている。ここで具体例を挙げておくと、例えば水素ガスは、セパレータ20aの入口側マニホールド16aから連絡通路61を通り抜けてガス流路35に流入し、発電領域(MEA30や各電極32a,32bが設けられていて発電が行われる領域)での発電に供された後、連絡通路62を通り抜けて出口側マニホールド16bに流出することになる。
第1シール部材13a、第2シール部材13bは、ともに複数の部材(例えば小型の4つの矩形枠体と、流体流路を形成するための大きな枠体)で形成されているものである(図1参照)。これらのうち、第1シール部材13aはMEA30とセパレータ20aとの間に設けられるもので、より詳細には、その一部が、電解質膜31の周縁部33と、セパレータ20aのうちガス流路35の周囲の部分との間に介在するように設けられる。また、第2シール部材13bは、MEA30とセパレータ20bとの間に設けられるもので、より詳細には、その一部が、電解質膜31の周縁部33と、セパレータ20bのうちガス流路34の周囲の部分との間に介在するように設けられる。
さらに、隣接するセル2,2のセパレータ20bとセパレータ20aとの間には、複数の部材(例えば小型の4つの矩形枠体と、流体流路を形成するための大きな枠体)で形成された第3シール部材13cが設けられている(図1参照)。この第3シール部材13cは、セパレータ20bにおける冷却水流路36の周囲の部分と、セパレータ20aにおける冷却水流路36の周囲の部分との間に介在するように設けられてこれらの間をシールする部材である。
また、セル積層体3には、燃料電池1の運転状態を監視し制御するためにセル2の電圧を測定するためのセルモニタ(図示省略)が設けられている。燃料電池1においては、この電圧測定結果に基づく出力等の制御が行われるようになっている。
続いて、本実施形態にかかる燃料電池1の弾性モジュール4の形態について詳細に説明する(図2等参照)。弾性モジュール4は、セル積層体3が熱膨張もしくは熱収縮し、あるいは両者を繰り返しているような場合にも変化を吸収しつつ荷重を作用させ続けるようにした部材である。本実施形態の弾性モジュール4は、上述したように複数の弾性体5と板状部材6とを有しており、シール部材13(図1中では符号13a,13b,13cで表示)に対応する部分には弾性力の高い弾性体5が設けられる一方、発電領域に対応する部分には弾性力が相対的に低い弾性体5が設けられているというものである。
弾性体5は板状部材6によって挟持され、その状態で弾性力を発揮してセル積層体3に圧縮力を作用させるよう設けられている部材である。このような弾性体5としては、弾性力の異なるものが少なくとも2種類用意され、セル積層体3に対し適度な荷重を付与しうるように配置されている(図2参照)。この場合の弾性体5の具体例は特に限定されるものではないが、本実施形態においては扱い易さやコスト等の面で優れるコイルスプリングをこの弾性体5として用いることとし、これら複数のコイルスプリングを積層方向両側に位置する一対の板状部材6で挟み込んだ形態としている(図2参照)。
板状部材6は、上述した複数の弾性体5を挟持する部材であり、セル2の積層方向に対向するように一対が設けられてそれらの間に弾性体5が配置されている(図2参照)。例えば本実施形態の場合、セル面とほぼ同形状かつ同サイズの積層面を有する板状の部材を用いることとしている。また、特に図示していないが、各板状部材6の互いに対向する面には弾性体5を位置決めするための凸部ないしは凹部が設けられている。
ここで、上述した弾性体5は互いに並列となるように配置されている。より具体的に説明すると、例えば本実施形態においては、一列毎に半ピッチずつずらしながら各弾性体5が等間隔となるように配置することとしている(図3参照)。このように各弾性体5を並列となるように等間隔に配置することは、板状部材6を介して均一でムラの少ない荷重を付与するという観点、できるだけ多くの弾性体5を配置することによって更に均一な荷重を付与できるようにするという観点などから好ましい。
さらに、複数の弾性体5は、シール部材13(図1中では符号13a,13b,13cで表示)に対応する部分には弾性力の高いものが設けられ、発電領域に対応する部分には弾性力が相対的に低いものが設けられている。概略図を使って例示すると、例えば、セル面の外縁に沿って周回する列部分(1列)には弾性力の高い弾性体5が配置され、それ以外の部分つまりそれよりも内側に位置する部分(図4中において破線よりも内側の部分)には相対的に弾性力の低い弾性体5が配置されている(なお、図4中では弾性力の高い弾性体を符号5a、弾性力の低い弾性体を符号5bで示している)。こうした場合、外縁に沿って周回するように配置された弾性体5はシール部材13に対応する部分を積層方向に強く押圧し、当該セル2の外周付近におけるシール性を確保して流体(反応ガスや冷媒)が漏れ出ないようにする。また、これよりも内側の部分における弾性体5の弾性力は相対的に低いものとなっていることから、セル面の中央付近における作用する押圧力が相対的に低い状態となる。このため、セル面内に形成されている拡散層が過度に押圧されるのを抑制することが可能であり、これにより、セル内に形成されている発電領域においてガス等の流体の拡散性が劣化してしまうのを抑えることが可能となっている。
すなわち、従前の弾性モジュールの場合には、外周寄り部分における面圧の低下に十分対応することができていなかったために、シール性が悪化ないしは劣化するという問題を免れない場合があった。つまり、中央付近に配置された発電領域の周囲をシール部材13で囲繞するという構造をとっており、シール性を確保したい部分は外周側に存在するが、そこから反応ガスや水分が漏出することがあった。これは、第一に、発電を行うことによって熱が生じるが、このとき電極部32a,32bの熱膨張がもっとも激しく、中央に寄るほど膨張の度合いが大きくなるため、こういった状況下で外周寄り部分のシール性を確保することは相対的に難しいということがある。この理由としては、化学的反応により電流および水が多く生み出される中央部付近ほど発熱も多くなることから、積層されたセル2のうち中央付近の方が大きく熱膨張するということが挙げられる。
また、第二に、セル積層体3の熱膨張分による変化は弾性モジュール4の作用によって吸収できるようにしているが、当該弾性モジュール4が板状部材6によって構成され、さらに当該板状部材6がねじ部付き接続部材7によって点状に支持された構造となっていることがある。この場合、板状部材6は所定の剛性を有しているものの、外周部とねじ部付き接続部材7とが離れており、荷重の作用時に当該板状部材6が僅かに撓んでしまうのは免れないから、その分だけ外周寄り部分の押圧力が逃げてしまいシール性の確保が難しいということがある。
この点、本実施形態にかかる燃料電池1およびその弾性モジュール4によれば、上述したようにセル2の外周付近での押圧力が高くなる構造としているため、流体の漏れを極力少なくすることができるという利点がある。しかも、このような構造によれば、発電領域に作用する荷重が相対的に減少することになるから、当該発電領域における流体の拡散性を確保して効率の高い発電を実現することにもつながる。
ここで、本実施形態では弾性力の異なる2種類の弾性体5を用いているが、このように弾性力が異なる理由は特に限定されない。すなわち、線径の太さに応じて弾性係数(ばね定数)が異なる弾性体5を用いてもよいし(図2参照)、あるいは、弾性係数が等しく全ばね長の異なる弾性体5を用意して長い方を外周側に配置することとしてもよい。要は、弾性体5が全体として発揮する弾性力を外側と内側とで異ならせることができれば足りる。
また、一対の板状部材6の一方とエンドプレート8との間には、ねじ部付き接続部材7が設けられている(図2参照)。このねじ部付き接続部材7は、当該位置において回転することにより板状部材6とエンドプレート8との間隔を変化させることが可能となっている。したがって、セル積層時、積層厚みにばらつきが生じた場合にもこのようにねじ部付き接続部材7を相対的に回転させて軸方向長さを変えることによりセル積層体3の全体厚み(全体長さ)を微調整することが容易となる。このため、セル積層体3に作用する締結力の微調整も行いやすい。
加えて、このようなねじ部付き接続部材7を板状部材6とエンドプレート8との間に点状に介在させることにより、当該接続部材7自体の可撓性などを利用して首振り可能な構造を実現している(図2参照)。このため、多数(例えば200〜400程度)のセル2を積層して例えば台形に近似した状態になるなど偏りが生じて歪んだ場合に、当該ねじ部付き接続部材7を中心として首を振る動きをすることにより、偏りに応じた分だけ適宜角度を変えて歪みを矯正することが可能である。したがって、本実施形態の燃料電池1においては、数百ものセルを積層するという構造に起因する不具合の影響を容易に軽減することが可能となっている。
以上のようなねじ部付き接続部材7として、例えば本実施形態では「いもねじ」等と呼ばれるねじ(一例として、すりわり付き止めねじ等)を用いることとしている(図2参照)。ただし、これは好適な一例に過ぎず、接続部材7がこのようなねじに限られるというわけではない。例えば、図2に示すように全長にわたってねじが切られていてもよいし、あるいは両端付近にだけねじが切られていてもよい。
以上のような本実施形態の燃料電池1によれば、セル積層体3において、各セル2の外周付近における流体(反応ガスや冷媒)のシール性を確保しやすい。しかも、セル面内(特に中央付近)において作用する面圧を低減することによって反応ガスの拡散性を向上させることができるという利点もある。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述した実施形態では2種類の弾性力の弾性体5を外周側と内側とに配置しており、このときセル面に作用する圧力の分布を概略的に示せばおよそ図5に表すような凹形になる。こうした場合には、弾性モジュール4を形成するにあたり原則として2種類の弾性体5を用意すれば足りるから特にコストという面で有利である。
その一方で、少なくとも3種類以上の弾性力の弾性体5を用意し、セル面の中央に近づくほど弾性力が徐々に低くなるようにこれらを段階的に配置することも好ましい。こうした場合、セル面の中央付近から外周に向かうにつれて(あるいは逆に外周付近から中央に向かうにつれて)弾性力を徐々に変化させることが可能となるから、セル面に実際に作用している荷重の大きさに対応して弾性力を変化させることもできるようになる。この場合、セル面に作用する圧力の分布は実際には階段状に変化することになるが、種類を増やしていけば図6に示すような連続的に変化する曲線に近似することになる(図6参照)。
本実施形態における燃料電池のセル積層体を構成するセルを分解して示す分解斜視図である。 弾性モジュールの構成の一例を概略的に示す図である。 セル面内における弾性体の配置の一例を概略的に示す図である。 セル面内における弾性体の配置の一例を概略的に示す図で、シール部材に対応する部分には弾性力の高いもの、発電領域に対応する部分には弾性力が相対的に低いものを配置した場合の一例を表すものである。 本実施形態においてセル面に作用する圧力の分布を概略的に示すグラフである。 本発明の他の実施形態においてセル面に作用する圧力の分布を概略的に示すグラフである。
符号の説明
1…燃料電池、2…セル、3…セル積層体(発電セル積層体)、4…弾性モジュール、5…弾性体、6…板状部材、7…ねじ部付き接続部材、8…エンドプレート、13(13a,13b,13c)…シール部材

Claims (6)

  1. 複数のセルが積層されてなる発電セル積層体とともに挟持され、弾性力にて前記発電セル積層体に圧縮力を作用させる燃料電池の弾性モジュールであって、
    弾性力が少なくとも2種類あって互いに並列に配置される弾性体と、
    前記複数の弾性体を積層方向で挟持する一対の板状部材と、を有し、
    発電領域の周囲に配置されるシール部材に対応する部分には弾性力の高い弾性体が設けられる一方、前記発電領域に対応する部分には弾性力が相対的に低い弾性体が設けられることを特徴とする弾性モジュール。
  2. 当該弾性モジュールのさらにセル積層方向外側に配置されるエンドプレートからの荷重をねじ部付き接続部材を介して受けるものであることを特徴とする請求項1に記載の弾性モジュール。
  3. 前記弾性力の高い弾性体はセル面の外縁に沿って周回するように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の弾性モジュール。
  4. 2種類の弾性力の前記弾性体が配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の弾性モジュール。
  5. 少なくとも3種類以上の弾性力の前記弾性体が、セル面の中央に近づくほど弾性力が徐々に低くなるように配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の弾性モジュール。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の弾性モジュールを備えていることを特徴とする燃料電池。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007242278A (ja) * 2006-03-06 2007-09-20 Toyota Motor Corp 燃料電池およびその弾性モジュール
US8343688B2 (en) 2007-06-06 2013-01-01 Panasonic Corporation Polymer electrolyte fuel cell having a fastening structure including elastic members
CN110854407A (zh) * 2018-08-20 2020-02-28 现代自动车株式会社 具有弹性构件的燃料电池

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