JP5780490B2 - 燃料電池スタックの締結方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発電セルを積層させたセル積層体を有する燃料電池スタックの締結方法に関する。
燃料電池スタックは、電解質膜の両面に一対の電極を配した接合体(MEA)やMEAの両面に拡散層を配した接合体(MEGA)と、そのような接合体を挟持して反応ガスの流路を形成する一対のセパレータとで構成されたセルを複数積層して構成されている。また、燃料電池スタックには、セル内に供給される酸化ガス及び燃料ガスやセル間に供給される冷却水の漏れを防止するべく、セル内及びセル間にガスケット等のシール部材が設けられている。
そして、燃料電池スタックは、セル積層体の両端側から所定の締結荷重が付与された状態で組み立てられる(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、接合体のへたりによる燃料電池運転時の荷重抜けを抑制する技術として、燃料電池スタックの組立時に低温変動を含む発電時の荷重変動を超える加圧変動を予め付与しておく技術が開示されている。
特開2010−153174号公報
ところで、セル積層体に所定の締結荷重を付与して組み立てられる定寸構造の燃料電池スタックでは、セル内及びセル間に配されているゴム製のガスケット(シール部材)や、前記接合体(MEGA)の一構成部材であるガス拡散層(GDL;Gas Diffusion Layer)に、初期クリープや経時によるへたりが生じることがある。
このように、ガスケットやガス拡散層に初期クリープやへたりが生じると、燃料電池スタックの締結荷重が早期に低下し、その結果、電極部分での十分な面圧の確保が困難となり、出力(発電電圧)や耐衝撃性能(剛性)が低下するおそれがある。その対策として特許文献1の技術が既に発案されているが、当該技術のように瞬間的に最大荷重を付与することを繰り返しても、経時的なへたりを考慮した荷重抜けを防止できない虞がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、良好な出力及び耐衝撃性能を得ることが可能な燃料電池スタックの締結方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の燃料電池スタックの締結方法は、
複数のセルが積層されたセル積層体と、該セル積層体の積層方向の外側に配置されたエンドプレートと、エンドプレート同士を連結して前記セル積層体に締結荷重を付与する締結部材とを有する燃料電池スタックの締結方法であって、
前記セルの構成部材の中から選択された1又は複数の構成部材の荷重に対する変位特性に基づき、前記燃料電池スタックの運転中に前記セル積層体に付与され得る最大締結荷重の下で前記選択された構成部材の初期変位が完了するまでの初期変位完了時間を求め、
前記初期変位完了時間の間前記セル積層体に前記最大締結荷重を付与した後、設計値として予め設定された締結荷重で前記セル積層体を締結するものである。
この構成では、燃料電池スタック組立時にセル積層体に最大締結荷重を付与する時間として、セル構成部材の初期変位が完了するまでの時間を採用しているので、燃料電池スタックの運転時に生じ得る早期の初期変位及びこれに起因する荷重抜けを締結時に予め終了させておくことできる。
上記締結方法において、選択された前記構成部材が複数の場合には、前記セル積層体に前記最大締結荷重を付与する時間を前記初期変位完了時間の長い方に設定してもよい。
また、本発明の発明者は、燃料電池スタックの締結方法について鋭意研究を行った結果、ガスケットやガス拡散層がセルの構成部材の中でも早期に熱クリープやへたりが発生する部材であり、早期荷重抜けに対して例えば96%もの寄与度を占める部材であるとの知見を得た。
かかる知見に基づき、前記変位特性としては、前記セル内及び前記セル間に設けられて当該セル内及び当該セル間を流通する流体をシールするガスケットの初期クリープ特性及び/または前記セルの一構成部材であるガス拡散層の荷重変位特性を用いることが可能である。
本発明の燃料電池スタックの締結方法によれば、良好な出力及び耐衝撃性能を得ることが可能な燃料電池スタックを得ることができる。
本実施形態における燃料電池スタックの締結方法によって締結する燃料電池スタックの構造例を示す分解斜視図である。 燃料電池スタックの構造例を示す側面図である。 経時による締結荷重の変動を示すグラフ図である。 ガスケットの時間とクリープとの関係を示すグラフ図である。 ガスケットの温度と初期クリープ完了時までの時間との関係を示すグラフ図である。 ガス拡散層の荷重変位特性を示すグラフ図である。
以下、本発明に係る燃料電池スタックの実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態における燃料電池スタックの締結方法によって締結される燃料電池スタックの構造例を示す分解斜視図、図2は、燃料電池スタックの構造例を示す側面図である。
図1及び図2に示すように、燃料電池スタック1は、複数のセル2を有しており、セル2は、順次積層されてセル積層体3を構成している(図2参照)。また、このセル積層体3等で構成される燃料電池スタック1は、例えばスタック両端を一対のエンドプレート7で挟まれ、さらにこれらエンドプレート7どうしを繋ぐようにテンションプレート8からなる拘束部材が配置された状態で積層方向への荷重がかけられて締結されている(図2参照)。
なお、このような燃料電池スタック1は、例えば燃料電池車両(FCHV;Fuel Cell Hybrid Vehicle)の車載発電システムにおいて利用可能なものであるがこれに限られることはなく、各種移動体(例えば船舶や飛行機など)やロボットなどといった自走可能なものに搭載される発電システム、さらには定置の発電システムにおいても利用することが可能である。
セル2に含まれる電解質としては、膜−電極接合体(MEA;Membrane Electrode Assembly)あるいは膜−電極−拡散層接合体(MEGA:Membrane Electrode & Gas Diffusion Layer Assembly)を用いることができる。例えば本実施形態では、膜−電極−拡散層接合体(以下、MEGAともいう)30を用いている(図1等参照)。
セル2は、MEGA30、該MEGA30を挟持する一対のセパレータ20(図1等においてはそれぞれ符号20a,20bで示している)等で構成されている(図1参照)。MEGA30および各セパレータ20a,20bはおよそ矩形の板状に形成されている。また、MEGA30はその外形が各セパレータ20a,20bの外形よりも小さくなるように形成されている。
MEGA30は、高分子材料のイオン交換膜からなる高分子電解質膜(以下、単に電解質膜ともいう)31と、電解質膜31を両面から挟んだ一対の電極(アノード側拡散電極およびカソード側拡散電極)32,33と(図1参照)を含む。電解質膜31は、各電極32,33よりも大きく形成されている。この電解質膜31には、その周縁部34を残した状態で各電極32,33が例えばホットプレス法により接合されている。
MEGA30を構成する電極32,33は、その表面に付着された白金などの触媒を担持した例えば多孔質のカーボン素材からなるガス拡散層で構成されている。一方の電極(アノード)32には燃料ガス(反応ガス)としての水素ガス、他方の電極(カソード)33には空気や酸化剤などの酸化ガス(反応ガス)が供給され、これら2種類の反応ガスによりMEGA30内で電気化学反応が生じてセル2の起電力が得られるようになっている。
ガス拡散層は、電解質膜31に供給される反応ガスを適度に拡散させるように形成されている層である。例えば本実施形態におけるガス拡散層は、電解質膜31(および電極32,33)よりも小さく形成されている。
セパレータ20(20a,20b)はガス不透過性の導電性材料で構成されている。導電性材料としては、例えばカーボンや導電性を有する硬質樹脂のほか、アルミニウムやステンレス等の金属(メタル)が挙げられる。本実施形態のセパレータ20(20a,20b)の基材は板状のメタルで形成されているものであり(メタルセパレータ)、この基材の電極32,33側の面には耐食性に優れた膜(例えば金メッキで形成された皮膜)が形成されている。
また、セパレータ20a,20bの両面には、複数の凹部によって構成される溝状の流路が形成されている。これら流路は、例えば板状のメタルによって基材が形成されている本実施形態のセパレータ20a,20bの場合であればプレス成形によって形成することができる。このようにして形成される溝状の流路は、酸化ガスのガス流路21や水素ガスのガス流路22、あるいは冷却水流路23を構成している。より具体的に説明すると、セパレータ20aの電極32側となる内側の面には水素ガスのガス流路22が形成され、その裏面(外側の面)には冷却水流路23が形成されている(図1参照)。
同様に、セパレータ20bの電極33側となる内側の面には酸化ガスのガス流路21が形成され、その裏面(外側の面)には冷却水流路23が形成されている(図1参照)。例えば本実施形態の場合、隣接する2つのセル2,2に関し、一方のセル2のセパレータ20aの外面と、これに隣接するセル2のセパレータ20bの外面とを付き合わせた場合に両者の冷却水流路23が一体となり断面が例えば矩形あるいはハニカム形の流路が形成される構造となっている。
さらに、上述したように各セパレータ20a,20bは、少なくとも流体の流路をなすための凹凸形状が表面と裏面とで反転した関係になっている。より具体的に説明すると、セパレータ20aにおいては、水素ガスのガス流路22を形成する凸形状(凸リブ)の裏面が冷却水流路23を形成する凹形状(凹溝)であり、ガス流路22を形成する凹形状(凹溝)の裏面が冷却水流路23を形成する凸形状(凸リブ)である。
さらに、セパレータ20bにおいては、酸化ガスのガス流路21を形成する凸形状(凸リブ)の裏面が冷却水流路23を形成する凹形状(凹溝)であり、ガス流路21を形成する凹形状(凹溝)の裏面が冷却水流路23を形成する凸形状(凸リブ)である。
また、セパレータ20a,20bの長手方向の端部付近(本実施形態の場合であれば、図1中向かって左側に示す一端部の近傍)には、酸化ガスの入口側のマニホールド21a、水素ガスの出口側のマニホールド22b、および冷却水の入口側のマニホールド23aが形成されている。例えば本実施形態の場合、これらマニホールド21a,22b,23aは各セパレータ20a,20bに設けられた略矩形ないしは台形、あるいは両端が半円形状の長細矩形の透孔によって形成されている(図1等参照)。
さらに、セパレータ20a,20bのうち反対側の端部には、酸化ガスの出口側のマニホールド21b、水素ガスの入口側のマニホールド22a、および冷却水の出口側のマニホールド23bが形成されている。本実施形態の場合、これらマニホールド21b,22a,23bも略矩形ないしは台形、あるいは両端が半円形状の長細矩形の透孔によって形成されている(図1参照)。
上述のような各マニホールドのうち、セパレータ20aにおける水素ガス用の入口側マニホールド22aと出口側マニホールド22bは、セパレータ20aに形成されている入口側の連絡通路22cおよび出口側の連絡通路22dを介してそれぞれが水素ガスのガス流路22に連通している。
同様に、セパレータ20bにおける酸化ガス用の入口側マニホールド21aと出口側マニホールド21bは、セパレータ20bに形成されている入口側の連絡通路21cおよび出口側の連絡通路21dを介してそれぞれが酸化ガスのガス流路21に連通している(図1参照)。
さらに、各セパレータ20a,20bにおける冷却水の入口側マニホールド23aと出口側マニホールド23bは、各セパレータ20a,20bに形成されている入口側の連絡通路23cおよび出口側の連絡通路23dを介してそれぞれが冷却水流路23に連通している。
ここまで説明したような各セパレータ20a,20bの構成により、セル2には、酸化ガス、水素ガスおよび冷却水が供給されるようになっている。
ここで具体例を挙げておくと、セル2が積層された場合、例えば水素ガスは、セパレータ20aの入口側マニホールド22aから連絡通路22cを通り抜けてガス流路22に流入し、MEGA30の発電に供された後、連絡通路22dを通り抜けて出口側マニホールド22bに流出することになる。
セパレータ20a,20b間には、ガスケット25a,25bが設けられる(図1参照)。これらガスケット25a,25bは、例えば、ともに複数の部材(例えば独立した小型の4つの矩形枠体と、流体流路を形成するための大きな枠体)で形成される(図1参照)。これらのうち、ガスケット25aはMEGA30とセパレータ20aとの間に設けられるもので、より詳細には、その一部が、電解質膜31の周縁部34と、セパレータ20aのうちガス流路22の周囲の部分との間に介在するように設けられる。
また、ガスケット25bは、MEGA30とセパレータ20bとの間に設けられるもので、より詳細には、その一部が、電解質膜31の周縁部34と、セパレータ20bのうちガス流路21の周囲の部分との間に介在するように設けられる。
さらに、隣接するセル2,2のセパレータ20bとセパレータ20aとの間には、複数の部材(例えば独立した小型の4つの矩形枠体と、流体流路を形成するための大きな枠体)で形成されたガスケット25cが設けられている(図1参照)。このガスケット25cは、セパレータ20bにおける冷却水流路23の周囲の部分と、セパレータ20aにおける冷却水流路23の周囲の部分との間に介在するように設けられてこれらの間をシールする部材である。
続いて、燃料電池スタック1の構成について簡単に説明する(図2参照)。本実施形態における燃料電池スタック1は、複数のセル2を積層してなるセル積層体3を備え、当該セル積層体3の両端に位置するセル(端セル)2,2の外側に順次、出力端子5a付のターミナルプレート5、インシュレータ(絶縁プレート)6およびエンドプレート7をさらに備えた構成となっている。セル積層体3に対しては、両エンドプレート7をつなぐように架け渡されたテンションプレート(締結部材)8によって積層方向への所定の圧縮力(締結力)が加えられている。なお、本発明の締結部材は、テンションプレート8に限定されるものではなく、例えばタイロッド等の使用も可能である。
ターミナルプレート5は集電板として機能する部材であり、例えば鉄、ステンレス、銅、アルミニウム等の金属で板状に形成されている。インシュレータ6は、ターミナルプレート5とエンドプレート7等とを電気的に絶縁する機能を果たす部材であり、ポリカーボネート等の樹脂材料で板状に形成されている。エンドプレート7は、ターミナルプレート5と同様、各種金属(鉄、ステンレス、銅、アルミニウム等)で板状に形成されている。
テンションプレート8は両エンドプレート7,7間を架け渡すようにして設けられているもので、例えば一対がセル積層体3の両側に対向するように配置される(図2参照)。テンションプレート8は、各エンドプレート7,7にボルト等で固定され、単セル2の積層方向に所定の締結荷重を作用させた状態を維持する。
ところで、上記のような定寸構造の燃料電池スタック1では、セル積層体3の構成部材に、初期クリープや経時によるへたりが生じることがある。セル積層体3の構成部材に初期クリープやへたりが生じると、図3に示すように、初期締結荷重で締結されていた燃料電池スタックの締結荷重が早期に低下し、最低締結荷重を下回るおそれがある。すると、電極32,33での十分な面圧の確保が困難となり、出力や耐衝撃性能が低下してしまう。
このような早期での締結荷重の低下は、その殆どがガスケット25a,25b,25cの初期クリープ及び電極32,33の一構成部材であるガス拡散層のへたりが原因となる。本実施形態では、かかる締結荷重の低下を抑制すべく、燃料電池スタック1の組み付けを次のように行う。
(変位特性の把握)
(1)ガスケットの初期クリープ特性の把握
図4に示すように、燃料電池スタック1を実際に運転させた場合にセル積層体3へ付与され得る最大荷重Nmaxを想定し、複数の環境温度の下で最大荷重Nmaxを付与した際における経過時間に対するガスケット25a,25b,25cの厚み変化を測定する。図4では、代表例として、室温及び90℃の場合でのガスケット25a,25b,25cの厚みの変化を示している。
ガスケット25a,25b,25cは、時間の経過とともに、その厚みが減少し、また、その厚みの減少の割合が変化する変化点が現れる。この変化点以降では、ガスケット25a,25b,25cの厚みの減少が緩やかとなる。そこで、この変化点で初期クリープが完了したと判断する。このような変化点を様々な温度で測定する。その結果、この初期クリープ完了までの時間と環境温度との関係、すなわち、ガスケットの初期クリープ特性は、図5に示すような近似曲線で表されることになる。
(2)ガス拡散層の荷重変位特性の把握
図6に示すように、ガス拡散層に荷重を付与した際の変位量を測定し、その荷重と変位量との関係を割り出す。ここで、図6中A,B,Cは、最大荷重Nmaxを付与して所定時間保持したときのガス拡散層の変位量であり、それぞれ最大荷重Nmaxでの保持時間Ta,Tb,Tcを変化させている。保持時間は、Tc>Tb>Taである。
(初期変位完了時間の算出)
ガスケット25a,25b,25cの初期クリープ特性、すなわち、図5に基づいて、セル積層体3を締結する際の環境温度tにおける初期クリープが完了するまでのクリープ完了時間T1を求める。
さらに、ガス拡散層の荷重変位特性、すなわち、図6に基づいて、セル積層体3への締結荷重Nでの変位率が例えば3.5%以下となる荷重変位特性を選択し、その特性が得られたガス拡散層での最大荷重Nmaxの荷重保持時間T2を求める。ここで、締結荷重Nは、設計値として予め設定される締結荷重であり、燃料電池スタック1を締結する際にセル積層体3に付与する締結荷重である。また、変位率の3.5%は、へたりを判断するための閾値の一例であり、ガス拡散層の仕様に応じて適宜設定される。
例えば、保持時間Tcのガス拡散層Aにおける締結荷重Nでの変位率を求めるには、最大荷重Nmaxを付与した時の寸法S1(図6参照)と最大荷重Nmaxを付与したガス拡散層Aへの荷重が締結荷重Nとなった際の寸法S2(図6参照)とから変位量ΔS(ΔS=S1−S2)を求め、このΔSから次式で変位率を算出する。そして、この変位率が3.5%以下であるかを判定する。
変位率=(ΔS/S1)×100(%)
次に、クリープ完了時間T1と荷重保持時間T2とを比較し、いずれか長い方の時間を選択し、その時間を初期変位完了時間Tとする。
(最大荷重の付与)
初期変位完了時間Tを設定したら、燃料電池スタック1を締結する際の環境温度tにおいて、セル積層体3に対して初期変位完了時間Tが経過するまで、最大荷重Nmaxを付与し続ける。
なお、クリープ完了時間T1が荷重保持時間T2よりも長い場合には、最大荷重Nmaxの付与時における環境温度tを高くし、T1を荷重保持時間T2に近づけても良い。このようにすると、クリープ完了時間T1と荷重保持時間T2との差を小さくし、最大荷重Nmaxを付与する初期変位完了時間Tを極力短くしてセル積層体3への影響を抑えることができる。
(締結荷重の付与)
セル積層体3に初期変位完了時間Tが経過するまで最大荷重Nmaxを付与し続けたら、その後、締結荷重Nを付与した状態で締結する。
以上、説明したように、本実施形態に係る燃料電池スタックの締結方法によれば、燃料電池スタック1の組立時にセル積層体3に最大締結荷重Nmaxを付与する時間として、セル2の構成部材の初期変位が完了するまでの時間を採用しているので、燃料電池スタック1の運転時に生じ得る早期の初期変位を締結時に予め終了させておくことできる。
これにより、セル積層体3における構成部材の初期クリープやへたりを抑え、早期に締結荷重が低下することによる出力や耐衝撃性能の低下を抑制することができる。つまり、良好な出力及び耐衝撃性能を得ることができる燃料電池スタック1の組立が可能となる。
特に、本実施形態のように、初期クリープが大きなガスケット25a,25b,25cや初期のへたりが大きなガス拡散層の変位特性に基づいて締結荷重を設定すれば、早期の締結荷重の低下を良好に抑えることができる。
1 燃料電池スタック
2 セル
3 セル積層体
7 エンドプレート
8 テンションプレート(締結部材)
25a,25b,25c ガスケット(構成部材)
32,33 電極(ガス拡散層:構成部材)
N 締結荷重
Nmax 最大締結荷重
T 初期変位完了時間

Claims (1)

  1. 複数のセルが積層されたセル積層体と、該セル積層体の積層方向の外側に配置されたエンドプレートと、エンドプレート同士を連結して前記セル積層体に締結荷重を付与する締結部材とを有する燃料電池スタックを、前記セル内及び前記セル間に設けられて当該セル内及び当該セル間を流通する流体をシールするガスケットの初期クリープ特性及び/または前記セルの一構成部材であるガス拡散層の荷重変位特性に基づき締結する燃料電池スタックの締結方法であって、
    前記燃料電池スタックの運転中に前記セル積層体に付与され得る最大締結荷重の下で、前記ガスケットの厚みの減少の割合が変化する変化点までの時間として定義される初期クリープ完了までの時間及び/またはガス拡散層の荷重保持時間を求め、
    前記初期クリープ完了までの時間及び前記荷重保持時間のうち、いずれか長い方の時間の間、前記セル積層体に前記最大締結荷重を付与した後、設計値として予め設定された締結荷重で前記セル積層体を締結する燃料電池スタックの締結方法。
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