JP2009002912A - 発光する対象物の3次元プロフィールの計測方法および装置 - Google Patents
発光する対象物の3次元プロフィールの計測方法および装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 計測対象物4の表面に400〜680nm間の一定波長のレーザースリット光3を照射し、ステレオカメラ対7a、7bによりレーザースリット光3の照射された計測対象物4の表面を撮像してステレオ画像処理することにより、第1の3次元プロフィールデータ11を得る。また、ステレオカメラ対7a、7bにより環境光20と計測対象物4の表面からの自発光21とによる陰影を含む画像を撮像してステレオ画像処理することにより、第2の3次元プロフィールデータ17を得る。そして、第1の3次元プロフィールデータ11と第2の3次元プロフィールデータ17との和集合をもって全体の3次元プロフィールデータ17を得る。
【選択図】図3
Description
まず、光源に非レーザー光(レーザー光以外の光)のスリット光を用いた場合では、S/N比(ノイズに対する信号成分の強さ)が低下して計測が不可能となったり、精度や効率が著しく低下したりする。一方、光源にレーザー光を用いると、スポット光の投射領域よりも大きな領域であるライン状の投射領域で充分な輝度を得るためには、大きな出力の光源が必要となる。よって、安全基準内での計測には限界があった。
したがって、特許文献1で開示されたシステムは、高温耐火物のプロフィール測定の実用には適さない。
(1)所定の間隔で設置されたステレオカメラ対を用いて、発光する対象物を撮像して3次元プロフィールを求めるステレオ計測であり、400〜680nm間の一定波長のレーザースリット光を対象物に照射して行う計測である、発光する対象物の3次元プロフィールの計測方法において、
モード切替手段によって前記レーザースリット光を照射する撮像モード(以下、レーザー光撮像モードという)に撮像モードを切り替え、
前記レーザー光撮像モードに撮像モードが切り替えられた後に、前記対象物の表面に前記レーザースリット光を照射し、
前記ステレオカメラ対により、前記レーザースリット光の照射された前記対象物の表面の画像を撮像し、
当該撮像された画像をステレオ画像処理することにより、前記レーザースリット光に基づく第1の3次元プロフィールデータを得、
前記モード切替手段によって前記レーザースリット光の照射をしない撮像モード(以下、環境光撮像モードという)に撮像モードを切り替え、
前記環境光撮像モードに撮像モードが切り替えられた後に、前記ステレオカメラ対により、環境光と前記対象物の表面から自己発光している自発光とに基づき前記対象物の表面に生じている陰影を含む画像を撮像し、
当該撮像された画像をステレオ画像処理することにより、前記環境光および前記自発光に基づく第2の3次元プロフィールデータを得、
前記第2の3次元プロフィールデータと前記第1の3次元プロフィールデータとの和集合をもって、前記対象物全体の3次元プロフィールデータを得ることを特徴とする、発光する対象物の3次元プロフィールの計測方法。
(3)前記レーザースリット光は、発光時間が、発光間隔の100分の1以上1000万分の1以下の間欠的なパルスであり、
前記ステレオカメラ対での露光時間が、前記ステレオカメラ対で前記レーザースリット光の反射光の観測される時間を含むように、前記ステレオカメラ対におけるシャッターの開閉動作と、前記レーザースリット光の発光動作とを同期させることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測方法。
事前に設定された限界値より前記乖離量が大きい場合、前記第2の3次元プロフィールデータ全体を前記ステレオカメラ対の光軸方向に平行移動させることと、前記ステレオカメラ対の光軸に直交し、かつ互いに直交する2つの軸を回転軸として前記第2の3次元プロフィールデータ全体を回転移動させることとを行って、前記乖離量が最小となるように前記第2の3次元プロフィールデータを修正して、修正第2の3次元プロフィールデータとし、
当該修正第2の3次元プロフィールデータを当初の第2の3次元プロフィールデータの代わりに用いて、前記第1の3次元プロフィールデータとの和集合を計算して、前記対象物全体の3次元プロフィールデータを得ることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測方法。
前記第1および前記第2の3次元プロフィールデータ全体での前記近傍点対の集合である近傍点群の内から任意に選んだ少なくとも4個以上の前記近傍点対について、前記光軸方向の距離である偏差距離を求め、
当該求めた各偏差距離の二乗和を前記乖離量として求めることを特徴とする、前記(4)に記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測方法。
(6)前記乖離量が最小となるように、前記第2の3次元プロフィールデータ全体を前記ステレオカメラ対の光軸方向に平行移動させ、これを平行移動修正3次元プロフィールデータとし、
前記平行移動修正3次元プロフィールデータの重心、または、前記平行移動修正3次元プロフィールデータの各点の座標の値の算術平均を座標の値として持つ点を通り、かつ前記ステレオカメラ対の光軸に直交する任意の1軸を回転軸として、前記平行移動修正3次元プロフィールデータを回転移動させ、これを1軸回転移動修正3次元プロフィールデータとし、
当該1軸回転移動修正3次元プロフィールデータの重心を通り、かつ、前記ステレオカメラ対の光軸と前記任意の1軸とに直交する軸を回転軸として、前記1軸回転移動修正3次元プロフィールデータを、前記乖離量が最小となるように再度回転移動させ、これを前記修正第2の3次元プロフィールデータとすることを特徴とする、前記(4)または(5)に記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測方法。
(7)前記ステレオカメラ対は、前記レーザー光撮像モードで画像を撮像する第1のステレオカメラ対と、前記環境光撮像モードで画像を撮像する第2のステレオカメラ対とを備えることを特徴とする、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測方法。
前記レーザースリット光を照射する撮像モード(以下、レーザー光撮像モードという)と、前記レーザースリット光を照射しない撮像モード(以下、環境光撮像モードという)とに撮像モードを切り替えるモード切替手段と、
前記対象物の表面に前記レーザースリット光を照射するレーザースリット光照射手段と、
前記レーザースリット光の照射された前記対象物の表面の画像、並びに、環境光と前記対象物の表面から自己発光している自発光とに基づき前記対象物の表面に生じている陰影を含む画像を撮像する前記ステレオカメラ対と、
前記レーザースリット光の照射された対象物の表面の画像を画像処理することにより第1の3次元プロフィールデータを得ると共に、前記環境光および前記自発光に基づき前記対象物の表面に生じている陰影を含む画像を画像処理することにより第2の3次元プロフィールデータを得るステレオ画像処理手段と、
前記第2の3次元プロフィールデータと前記第1の3次元プロフィールデータとの和集合をもって、前記対象物全体の3次元プロフィールデータを得るデータ融合手段と、
を有することを特徴とする、発光する対象物の3次元プロフィールの計測装置。
前記レーザースリット光の照射された対象物の表面の画像を前記ステレオカメラ対により撮像する際に、前記受光波長選択手段を介在させることを特徴とする、前記(8)に記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測装置。
(10)前記レーザースリット光の発光時間が、発光間隔の100分の1以上1000万分の1以下の間欠的なパルス光を前記レーザースリット光として照射するパルスレーザー発光手段と、
前記ステレオカメラ対で前記レーザースリット光の反射光を撮像できるように、前記パルスレーザー発光手段による前記レーザースリット光の発光動作と、前記ステレオカメラ対におけるシャッターの開閉動作とを同期させる撮像同期手段とを有することを特徴とする、前記(8)または(9)に記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測装置。
(11)前記第1の3次元プロフィールデータと前記第2の3次元プロフィールデータとの乖離量を所定の方法で求め、当該求めた乖離量と事前に設定された限界値とを比較して、前記乖離量を評価する乖離量評価手段と、
前記第2の3次元プロフィールデータ全体を、前記ステレオカメラ対の光軸方向に平行移動をさせる第1のデータ変換手段と、
前記ステレオカメラ対の光軸に直交し、かつ互いに直交する2つの軸を回転軸として前記第2の3次元プロフィールデータ全体を回転移動させる第2のデータ変換手段とを有し、
前記第1のデータ変換手段と前記第2のデータ変換手段とを用いて前記乖離量が最小となるように、前記第2の3次元プロフィールデータを修正して修正第2の3次元プロフィールデータとし、
当該修正第2の3次元プロフィールデータを当初の第2の3次元プロフィールデータの代わりに用いて、前記第1の3次元プロフィールデータとの和集合を計算して、前記対象物全体の3次元プロフィールデータを得ることを特徴とする、前記(8)〜(10)のいずれかに記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測装置。
前記近傍点対の集合である近傍点群の内から任意に選んだ少なくとも4個以上の前記近傍点対について、当該近傍点対の前記光軸方向の距離である偏差距離を求める偏差距離導出手段とを有し、
前記乖離量評価手段は、前記偏差距離の夫々の二乗和を前記乖離量として求めることを特徴とする、前記(11)に記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測装置。
前記第2のデータ変換手段は、当該平行移動修正3次元プロフィールデータの重心、または、当該平行移動修正3次元プロフィールデータの各点の座標の値の算術平均を座標の値として持つ点を通り、かつ前記ステレオカメラ対の光軸に直交する任意の1軸を回転軸として、前記平行移動修正3次元プロフィールデータを、前記第2のデータ変換手段を用いて回転移動させ、これを1軸回転移動修正3次元プロフィールデータとし、当該1軸回転移動修正3次元プロフィールデータの重心を通り、かつ、前記ステレオカメラ対の光軸と前記任意の1軸とに直交する軸を回転軸として、前記1軸回転移動修正3次元プロフィールデータを、前記乖離量が最小となるように再度回転移動させ、これを前記修正第2の3次元プロフィールデータとすることを特徴とする、前記(11)または(12)に記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測方法。
(14)前記ステレオカメラ対は、前記レーザー光撮像モードで画像を撮像する第1のステレオカメラ対と、前記環境光撮像モードで画像を撮像する第2のステレオカメラ対とを備えることを特徴とする、前記(8)〜(13)のいずれかに記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測装置。
また、前記(3)のように本発明のその他の特徴によればパルス型出力のレーザースリット光を用いるようにしたので、レーザースリット光による撮像の際に、ステレオカメラ対の露光時間を短縮する事ができ、対象物の表面の発光による外乱の影響を低減することができる。つまりS/N比を高くすることが出来るので、レーザースリット光の出力をさらに下げることができる。加えてステレオカメラ対の露光時間の調整だけで、レーザースリット光の撮像と、自発光および環境光の撮像とを切り替えられるので、両映像の光学的な差が殆ど無くなり、計測精度を高められる。
前記(9)の装置を用いれば、前記(2)の方法による効果を実現することができる。
前記(10)の装置を用いれば、前記(3)の方法による効果を実現することができる。
前記(11)〜(13)の何れかの装置を用いれば、前記(4)〜(6)の何れかの方法による効果を実現することができる。
以下、本発明の第1の実施形態について図面に基づいて説明する。尚、本実施形態は、主に、前記(1)、(2)、(9)、(10)の発明の実施形態である。
図1〜図3は、本発明の実施形態に係わるステレオ計測装置を示す概念図である。具体的に図1は、レーザースリット光による一対のステレオ画像を得るステレオ計測装置の外観の一例を説明する斜視図である。図2は、ステレオ計測装置におけるデータの流れと制御の概念の一例を示す図である。図3は、計測対象物の一例と、計測対象物にレーザー光を照射して得られるデータとレーザー光を照射せずに(計測対象物の自己発光による光と環境光とに基づき)得られるデータとの融合の概念の一例とを示す斜視図である。
以上のように本実施形態では、レーザー発光手段1、スリット化手段2、およびレーザー走査手段6により、レーザースリット光照射手段が実現される。尚、スリット化手段2は、必ずしもシリンドリカルレンズを備えていなくてもよい。例えば、シリンドリカルレンズの代わりに放物面鏡を備えていてもよい。
尚、レーザー発光手段1、ステレオカメラ対7a、7b、及びレーザー走査手段6は、計測対象物4から所定の距離を隔てて設置された耐熱性の筐体の内部に取り付けられている。この筐体は、図1に示したものに限定されず、例えば、レーザー走査手段6にて走査されるレーザースリット光3が出射される領域と、レーザー輝線5からの反射光が入射される領域以外の部分を塞ぐようにして、筐体内部にある装置の耐熱性をより高めるようにしてもよい。
モード切替手段12では、レーザー発光手段1からレーザー光を発光させるレーザー光撮像モードと、レーザー発光手段1からのレーザー光の発光を停止させる環境光撮像モードとの何れかに撮像モードを切り替える。モード切替手段12は、この切り替えの信号をレーザー発光手段1に送り、この切り替えに必要な制御信号をシャッター手段13へも送る。すなわち、モード切替手段12は、シャッター手段13によりステレオカメラ対7a、7bのシャッターが開放される時間(シャッター開放時間、すなわち露光時間)の制御も行う。これによって、レーザースリット光3による計測と、環境光20を反射した光および計測対象物4の自己発光による光(自発光)21による計測とを切り替える事が出来る。尚、モード切替手段12は、レーザー光撮像モードと環境光撮像モードとを、コンピュータ制御によって自動的に切り替えるようにしてもよいし、ユーザによる操作に基づいて切り替えるようにしてもよい。
以上のように、本実施形態のステレオ計測装置100では、同一の計測対象物4を二通りの撮像モードで計測する事で、2種類の3次元プロフィール線群(第1の3次元プロフィールデータ11および第2の3次元プロフィールデータ16)を得る。そして、データ融合手段14にて、2種類の3次元プロフィール線群を融合し、高精度かつ分解能の高い3次元プロフィールデータ17を得る。
図3(a)は、計測対象物4の一例を示す斜視図であり、図3(b)は、第1の3次元プロフィールデータ11の一例を示す斜視図であり、図3(c)は、第2の3次元プロフィールデータ16を示す斜視図であり、図3(d)は、3次元プロフィールデータ17の一例を示す斜視図である。この図3に示す例では、計測対象物4に、レーザースリット光3と平行な段差51と、自己発光において全体の平均よりも暗い領域(陰影)52と、その平均よりも明るい領域(陰影)53と、その平均の明るさを有する凹形状の領域(段差)54と、凸形状の領域(段差)55とがある場合を示している。
一方、より高温の物体は赤い光から自発光21を発光し始めるので、レーザー輝線5のコントラストを高めるには、より短波長のレーザースリット光3、すなわち緑、青、又は紫などの色相となる波長を有するレーザースリット光3を用いるのが望ましい。例えば1000℃以上の耐火物の形状を測定するには、400nm以上550nm以下の一定波長を有するレーザースリット光3を用いることが望ましい。但し、400nm未満の波長を有する光は、紫外線となるので、可視光ではなく、人体に有害である恐れがある。よって、400nm未満の波長を有する光をレーザースリット光3として用いないほうが良い。
さらに、受光波長選択手段9を用いて、レーザースリット光3の反射光である輝線を選択的に撮像すれば、よりコントラストを高めることができるので、計測精度が向上する。
図3(d)に示すように、例えば、第2の3次元プロフィールデータ16のうち、輝度の変化している領域52、53部分の形状データも、レーザー輝線5の反射光から求めた第1の3次元プロフィールデータ11と重ねると、領域52、53の近傍が平坦である事が判る。よって、第1の3次元プロフィールデータ11および第2の3次元プロフィールデータ16を融合した3次元プロフィールデータ17を、計測対象物4の全体の形状を認識するのに有効に利用できる。また、図3(d)に示す3次元プロフィールデータ17では、段差51と形状全体との関係も明瞭となる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態と前述した第1の実施形態とは、レーザースリット光の発光形態が主として異なる。よって、本実施形態の説明において、前述した第1の実施形態と同一の部分については、例えば図1〜図3に付した符号と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。尚、本実施形態は、主に、前記(3)、(10)の発明の実施形態である。
図4において、モード切替手段12が撮像モードをレーザー光撮像モードに切り替えた場合、レーザースリット光が間欠的なパルス光であるので、モード切替手段12は、この切り替えの信号をパルスレーザー発光手段41に送り、更にこの切り替えに必要な制御信号を直接シャッター手段13へ送らずに撮像同期手段15へ送る。
以上のようにレーザー発光をパルスとすると、瞬間的に高エネルギーで出力されても平均すると低エネルギーとすることができる。高エネルギーならばS/N比を上げることが可能であるが、出力を上げることは危険につながることがある。そこで、レーザー発光をパルスにすることによって、露光している瞬間のみ高エネルギーであるのでS/N比を高くし、平均すると低エネルギーとすることができる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態と前述した第1および第2の実施形態では、第1の3次元プロフィールデータ11と第2の3次元プロフィールデータ16との融合方法が主として異なる。よって、本実施形態の説明において、前述した第1および第2の実施形態と同一の部分については、例えば図1〜図4に付した符号と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。尚、本実施形態は、主に、前記(4)〜(6)、(11)〜(13)の発明の実施形態である。
図5(d)に示すように、データ融合手段14は、第1および第2の3次元プロフィールデータ11、16を構成する第1および第2の計測点群を比較し、重なった点、または、事前に定めた所定の距離より近い計測点の対を求める。以下の説明では、この計測点の対を近傍点対56a、56b、56c、56d・・・と称する。近傍点対56を構成する2つの近傍点は、微少ではあるが、ステレオカメラ対7a、7bの光軸方向で間隔(距離)を有している。以下の説明では、この間隔(距離)を偏差距離と称する。この偏差距離は、図形的には、近傍点対56を構成する2つの近傍点間の光軸方向の距離である。尚、第1および第2の3次元プロフィールデータ11、16の計測点が重なっている場合には、偏差距離は0(ゼロ)となる。以上のように本実施形態では、データ融合手段14により、近傍点対設定手段が実現される。
図6(a)は、第1の3次元プロフィールデータ11と第2の3次元プロフィールデータ16とをそのまま重ねた斜視図である(すなわち、図6(a)は、図5(d)と視点が異なるだけである)。図6において太い線分の両端は近傍点対56であり、その長さは偏差距離57を示す。
データ融合手段14は、偏差距離57の数値を、近傍点対56の集合である近傍点対群の中に適切に分散させて、その近傍点群の内から近傍点対56を、少なくとも4個以上、出来れば10個程度任意に選び、選んだ近傍点対56における偏差距離57(図6(a)に示す例では偏差距離57a〜57d)を求め、各偏差距離57の二乗の総和(二乗和)を乖離量として求める。以上のように本実施形態では、データ融合手段14により、偏差距離導出手段と、乖離量評価手段とが実現される。
以上のように本実施形態では、データ融合手段14により、第1のデータ変換手段が実現される。
この算術平均点又は重心点59を通り、かつ、ステレオカメラ対7a、7bの光軸に直交する横軸58を回転軸として(横軸58のまわりに)前記平行移動修正3次元プロフィールデータを回転移動させると前記乖離量が増減する。そこで、データ融合手段14は、前記乖離量が最小となるように、前記平行移動修正3次元プロフィールデータを、この横軸58を回転軸として(横軸58の方向の)正負両方向に、所定の範囲内で回転させる。以下の説明では、このようにして回転させた前記平行移動修正3次元プロフィールデータを1軸回転移動修正3次元プロフィールデータと称する。図6(c)は、第1の3次元プロフィールデータ11と、1軸回転移動修正3次元プロフィールデータとを重ねて示した斜視図である。
以上のように本実施形態では、データ融合手段14により、第2のデータ変換手段が実現される。
尚、以上のようにして行う第2の3次元プロフィールデータ16の移動は、事前に設定された限界値より前記乖離量(偏差距離57)が大きい場合に行うようにするのが好ましい。
また、第2の3次元プロフィールデータ16の並進移動による誤差の影響は、回転移動の誤差による影響よりも大きい。よって、本実施形態のように、第2の3次元プロフィールデータ16の並進移動の偏差を修正してから、第2の3次元プロフィールデータ16の回転移動の偏差を低減すると、より高精度かつ分解能の高い3次元プロフィールを得ることができる。
尚、実施例では、転炉の耐火物の損耗を測定するのに用いたものだが、本発明は、これに限るものではなく、高温であることによって自己発光する計測対象物であれば、どのような計測対象物の形状を測定することができる。例えば、加熱炉の内張りの耐火物や、加熱炉で加熱されるスラブの酸化による消耗を測定するのに本発明を用いてもよい。
2 スリット化手段
3 レーザースリット光
4 計測対象物
5 レーザー輝線
6 レーザー走査手段
7a、7b ステレオカメラ対
8 ベース線(各カメラの撮像素子の中心を結ぶ線分)
9a、9b 受光波長選択手段
10 ステレオ画像処理手段
11 第1の3次元プロフィールデータ
12 モード切替手段
13 シャッター手段
14 データ融合手段
15 撮像同期手段
16 第2の3次元プロフィールデータ
17 3次元プロフィールデータ
20 環境光
21 自発光
41 パルスレーザー発光手段
51 平行な段差
52 全体の平均より暗い領域(陰影)
53 全体の平均より明るい領域(陰影)
54 凹形状の領域(段差)
55 凸形状の領域(段差)
56a、56b、56c、56d 近傍点対
57 偏差距離
58 横軸
59 算術平均点又は重心点
60 縦軸
Claims (14)
- 所定の間隔で設置されたステレオカメラ対を用いて、発光する対象物を撮像して3次元プロフィールを求めるステレオ計測であり、400〜680nm間の一定波長のレーザースリット光を対象物に照射して行う計測である、発光する対象物の3次元プロフィールの計測方法において、
モード切替手段によって前記レーザースリット光を照射する撮像モード(以下、レーザー光撮像モードという)に撮像モードを切り替え、
前記レーザー光撮像モードに撮像モードが切り替えられた後に、前記対象物の表面に前記レーザースリット光を照射し、
前記ステレオカメラ対により、前記レーザースリット光の照射された前記対象物の表面の画像を撮像し、
当該撮像された画像をステレオ画像処理することにより、前記レーザースリット光に基づく第1の3次元プロフィールデータを得、
前記モード切替手段によって前記レーザースリット光の照射をしない撮像モード(以下、環境光撮像モードという)に撮像モードを切り替え、
前記環境光撮像モードに撮像モードが切り替えられた後に、前記ステレオカメラ対により、環境光と前記対象物の表面から自己発光している自発光とに基づき前記対象物の表面に生じている陰影を含む画像を撮像し、
当該撮像された画像をステレオ画像処理することにより、前記環境光および前記自発光に基づく第2の3次元プロフィールデータを得、
前記第2の3次元プロフィールデータと前記第1の3次元プロフィールデータとの和集合をもって、前記対象物全体の3次元プロフィールデータを得ることを特徴とする、発光する対象物の3次元プロフィールの計測方法。 - 前記ステレオ画像処理によって、前記第1の3次元プロフィールデータを得る際において、前記レーザースリット光の反射光を優先的に通過させる受光波長選択手段を通して、前記レーザースリット光の照射された前記対象物の表面の画像を撮像することを特徴とする、請求項1に記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測方法。
- 前記レーザースリット光は、発光時間が、発光間隔の100分の1以上1000万分の1以下の間欠的なパルスであり、
前記ステレオカメラ対での露光時間が、前記ステレオカメラ対で前記レーザースリット光の反射光の観測される時間を含むように、前記ステレオカメラ対におけるシャッターの開閉動作と、前記レーザースリット光の発光動作とを同期させることを特徴とする、請求項1または2に記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測方法。 - 前記第1の3次元プロフィールデータと前記第2の3次元プロフィールデータとにおいて、両データの乖離量を所定の方法で評価し、
事前に設定された限界値より前記乖離量が大きい場合、前記第2の3次元プロフィールデータ全体を前記ステレオカメラ対の光軸方向に平行移動させることと、前記ステレオカメラ対の光軸に直交し、かつ互いに直交する2つの軸を回転軸として前記第2の3次元プロフィールデータ全体を回転移動させることとを行って、前記乖離量が最小となるように前記第2の3次元プロフィールデータを修正して、修正第2の3次元プロフィールデータとし、
当該修正第2の3次元プロフィールデータを当初の第2の3次元プロフィールデータの代わりに用いて、前記第1の3次元プロフィールデータとの和集合を計算して、前記対象物全体の3次元プロフィールデータを得ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測方法。 - 前記ステレオカメラ対の光軸方向視で、前記第1の3次元プロフィールデータと前記第2の3次元プロフィールデータとの各点の位置を比較し、重なった点、又は、所定の距離より近い点の対を近傍点対とし、
前記近傍点対の前記光軸方向の距離を偏差距離とし、
前記第1および前記第2の3次元プロフィールデータ全体での前記近傍点対の集合である近傍点群の内から任意に選んだ少なくとも4個以上の前記近傍点対について、前記偏差距離を求め、
当該求めた各偏差距離の二乗和を前記乖離量として求めることを特徴とする、請求項4に記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測方法。 - 前記乖離量が最小となるように、前記第2の3次元プロフィールデータ全体を前記ステレオカメラ対の光軸方向に平行移動させ、これを平行移動修正3次元プロフィールデータとし、
前記平行移動修正3次元プロフィールデータの重心、または、前記平行移動修正3次元プロフィールデータの各点の座標の値の算術平均を座標の値として持つ点を通り、かつ前記ステレオカメラ対の光軸に直交する任意の1軸を回転軸として、前記平行移動修正3次元プロフィールデータを回転移動させ、これを1軸回転移動修正3次元プロフィールデータとし、
当該1軸回転移動修正3次元プロフィールデータの重心を通り、かつ、前記ステレオカメラ対の光軸と前記任意の1軸とに直交する軸を回転軸として、前記1軸回転移動修正3次元プロフィールデータを、前記乖離量が最小となるように再度回転移動させ、これを前記修正第2の3次元プロフィールデータとすることを特徴とする、請求項4または5に記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測方法。 - 前記ステレオカメラ対は、前記レーザー光撮像モードで画像を撮像する第1のステレオカメラ対と、前記環境光撮像モードで画像を撮像する第2のステレオカメラ対とを備えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測方法。
- 発光する対象物に、400〜680nm間の一定波長のレーザースリット光を照射して、所定の間隔で設置されたステレオカメラ対を用いてステレオ計測する3次元プロフィールの計測装置において、
前記レーザースリット光を照射する撮像モード(以下、レーザー光撮像モードという)と、前記レーザースリット光を照射しない撮像モード(以下、環境光撮像モードという)とに撮像モードを切り替えるモード切替手段と、
前記対象物の表面に前記レーザースリット光を照射するレーザースリット光照射手段と、
前記レーザースリット光の照射された前記対象物の表面の画像、並びに、環境光と前記対象物の表面から自己発光している自発光とに基づき前記対象物の表面に生じている陰影を含む画像を撮像する前記ステレオカメラ対と、
前記レーザースリット光の照射された対象物の表面の画像を画像処理することにより第1の3次元プロフィールデータを得ると共に、前記環境光および前記自発光に基づき前記対象物の表面に生じている陰影を含む画像を画像処理することにより第2の3次元プロフィールデータを得るステレオ画像処理手段と、
前記第2の3次元プロフィールデータと前記第1の3次元プロフィールデータとの和集合をもって、前記対象物全体の3次元プロフィールデータを得るデータ融合手段と、
を有することを特徴とする、発光する対象物の3次元プロフィールの計測装置。 - 前記レーザースリット光の反射光を優先的に通過させる受光波長選択手段を有し、
前記レーザースリット光の照射された対象物の表面の画像を前記ステレオカメラ対により撮像する際に、前記受光波長選択手段を介在させることを特徴とする、請求項8に記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測装置。 - 前記レーザースリット光の発光時間が、発光間隔の100分の1以上1000万分の1以下の間欠的なパルス光を前記レーザースリット光として照射するパルスレーザー発光手段と、
前記ステレオカメラ対で前記レーザースリット光の反射光を撮像できるように、前記パルスレーザー発光手段による前記レーザースリット光の発光動作と、前記ステレオカメラ対におけるシャッターの開閉動作とを同期させる撮像同期手段とを有することを特徴とする、請求項8または9に記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測装置。 - 前記第1の3次元プロフィールデータと前記第2の3次元プロフィールデータとの乖離量を所定の方法で求め、当該求めた乖離量と事前に設定された限界値とを比較して、前記乖離量を評価する乖離量評価手段と、
前記第2の3次元プロフィールデータ全体を、前記ステレオカメラ対の光軸方向に平行移動をさせる第1のデータ変換手段と、
前記ステレオカメラ対の光軸に直交し、かつ互いに直交する2つの軸を回転軸として前記第2の3次元プロフィールデータ全体を回転移動させる第2のデータ変換手段とを有し、
前記第1のデータ変換手段と前記第2のデータ変換手段とを用いて前記乖離量が最小となるように、前記第2の3次元プロフィールデータを修正して修正第2の3次元プロフィールデータとし、
当該修正第2の3次元プロフィールデータを当初の第2の3次元プロフィールデータの代わりに用いて、前記第1の3次元プロフィールデータとの和集合を計算して、前記対象物全体の3次元プロフィールデータを得ることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか1項に記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測装置。 - 前記ステレオカメラ対の光軸方向視で、前記第1の3次元プロフィールデータと前記第2の3次元プロフィールデータとの各点の位置を比較し、重なった点、または、所定の距離より近い点の対を近傍点対として設定する近傍点対設定手段と、
前記近傍点対の集合である近傍点群の内から任意に選んだ少なくとも4個以上の前記近傍点対について、当該近傍点対の前記光軸方向の距離である偏差距離を求める偏差距離導出手段とを有し、
前記乖離量評価手段は、前記偏差距離の夫々の二乗和を前記乖離量として求めることを特徴とする、請求項11に記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測装置。 - 前記第1のデータ変換手段は、前記乖離量が最小となるように、前記第2の3次元プロフィールデータ全体を、前記ステレオカメラ対の光軸方向に平行移動させ、これを平行移動修正3次元プロフィールデータとし、
前記第2のデータ変換手段は、当該平行移動修正3次元プロフィールデータの重心、または、当該平行移動修正3次元プロフィールデータの各点の座標の値の算術平均を座標の値として持つ点を通り、かつ前記ステレオカメラ対の光軸に直交する任意の1軸を回転軸として、前記平行移動修正3次元プロフィールデータを、前記第2のデータ変換手段を用いて回転移動させ、これを1軸回転移動修正3次元プロフィールデータとし、当該1軸回転移動修正3次元プロフィールデータの重心を通り、かつ、前記ステレオカメラ対の光軸と前記任意の1軸とに直交する軸を回転軸として、前記1軸回転移動修正3次元プロフィールデータを、前記乖離量が最小となるように再度回転移動させ、これを前記修正第2の3次元プロフィールデータとすることを特徴とする、請求項11または12に記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測装置。 - 前記ステレオカメラ対は、前記レーザー光撮像モードで画像を撮像する第1のステレオカメラ対と、前記環境光撮像モードで画像を撮像する第2のステレオカメラ対とを備えることを特徴とする、請求項8〜13のいずれか1項に記載の発光する対象物の3次元プロフィールの計測装置。
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