JP2009002046A - 木造建物の外張り断熱構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 木造建物の外張り断熱工法に於て、断熱層及び通気層を備えた通気性断熱複合パネルを用いて、断熱被覆及び通気層形成を合理化し、外張り工法の作業性を向上する。

【解決手段】 発泡プラスチック系断熱材の断熱層1Bの層着面1Sに、通気用の条溝Gと層着用の肉厚部1Cとを交互に、縦方向に配置し、該層着面1Sに成形薄剛板の外装下地材(セメント板)1Aを層着一体化して通気性断熱複合パネル1とし、該パネル1の下端を、コンクリート基礎立上り部5の前面に固定したパネル受金具6によって支承し、各条溝G群内への空気流入可能に保持すると共に、パネル1を木造躯体WFに外壁として固定し、外壁の下端から上端へ、ドラフト上昇空気流aを、パネル1内の縦条溝Gを介して貫流させる。

【選択図】 図1

Description

本発明は、木造建築物を断熱複合パネルで外張りした、外張り断熱構造に関するものであって、より詳しくは、通気用縦条溝群を備えた断熱層に、成形薄剛板を層着一体化した密着型の通気性断熱複合パネルを、受金具を採用して木造の躯体外面に外張りした、通気性外張り断熱構造に関するものであり、木造建築の技術分野に属するものである。
木造建築物に断熱材を外張りして外断熱建物とすることは、従来より常用されている。
従来例1として挙げる図6は、外張り木造建物であって、非特許文献1に示すものであり、図6(A)に示す如く、柱、間柱などの外壁躯体に構造用面材を介して断熱材を張着し、更に、断熱材の外側に、上下方向の通気胴縁を配置し、胴縁上から断熱材を貫通する固定釘によって通気胴縁を躯体に固定し、該通気胴縁上に外装下地材を固定釘で張設して、断熱材によって木造建物を外断熱被覆すると共に、断熱材外面の通気胴縁間に形成した断熱材と外装下地材間の間隔を通気層とし、空気流を外壁下端の腰水切金具から流入上昇させて、外壁上端から軒天井換気口を介して外方に流出させるものである。
そして、基礎部にあっては、図6(B)に示す如く、コンクリート基礎立上り部の外面を断熱層で被覆し、該断熱層の外面を樹脂モルタルで保護し、基礎立上り部の天端には気密パッキンを介して土台を固定し、土台、及び土台上に立設固定した柱、間柱の前面に構造用面材を固定するものである。
また、従来例2として挙げる図7は、特許文献1に開示された木造建物の外張り断熱工法であって、鋼板製の基材とクラフト紙の被覆材とを、中間層の合成樹脂の発泡凝固接着力で一体化層着した断熱パネルを、柱、間柱に固定具で張着する密着型の断熱パネルを採用した外張り外壁構造である。
また、従来例3として挙げる図8は、特許文献2に開示されたものであり、本願発明者が開発し、本願出願人が鉄筋コンクリートの外断熱建物の構築に実施している密着型の通気性断熱複合パネルであって、図8(A)に示す如く、通気用の条溝群を内面に備えた、板厚25mmの押出成形セメント板を、板厚75mm の板状断熱材と層着一体化したものであり、セメント板幅が490mmで、断熱材幅が500mm で、セメント板は、一側端縁が小段差(10mm)突出し、他側端縁が大段差(20mm)入り込んでおり、条溝は、深さ13mm、幅30mm のものである。
また、従来例3の図8(B)は、図8(A)に示した通気性断熱複合パネルの変形例であって、条溝の通気機能を改善したものである。
即ち、断熱材のセメント板と層着する面上にも、セメント板の条溝と同幅で、深さ10mm の断熱材条溝を対向配置しておき、セメント板条溝と断熱材条溝とを整合して、セメント板と断熱材とを層着し、層着一体化した複合パネルの内部の通気用条溝の深さを、セメント板条溝深さ13mm+断熱材条溝深さ10mm の23mm深さとし、図8(A)の複合パネルと同一厚さの複合パネルでありながら、セメント板厚を増大することなく、通気用条溝の深さを増大し、空気の条溝内貫流機能を向上させたものである。
財団法人、建築環境・省エネルギー機構、平成14年6月1日発行「住宅の省エネルギー基準の解説」第1版、199〜206頁、「6.4外張断熱工法」 特開平11−159032号公報 実用新案登録第3084180号公報(平成14年3月8日発行)
〔従来例1(図6)の課題〕
非特許文献1に開示された外張断熱壁工法にあっては、図6に示す如く、通気層の形成は、通気胴縁を断熱材上に配置して、通気胴縁固定釘により断熱材、及び構造用面材を貫通して柱に固定し、外装下地材(面材)を通気胴縁に、外装下地材固定釘によって固定するため、及び基礎立上り部の断熱材と外壁断熱材との間の断熱欠損(気密欠損)を阻止するための、基礎立上り部と土台との間の気密パッキン等での空密処理のため、所望断熱機能を備えた通気構造の構築は、工数が多く、煩雑な作業である。
しかも、長期耐用中に、釘がクリープ変形し、外装下地材が垂れ下りを生じ、外壁仕上材にひび割れ、剥離を生じ、外壁の損傷を生じる。
また、タイル等の、自重の大な外装仕上材を外装下地材上に配置する場合は、外装下地材の垂れ下りを防止するために、断熱材と同厚の横桟を適宜間隔で断熱材内に配置するか、或いは、断熱材厚+通気層厚の通気胴縁を採用して、通気胴縁を柱に釘固定する必要があり、断熱材中への、横桟の配置、或いは通気胴縁の配置、及び、固定作業は熟練を要し、工数が多く、外張り断熱壁の施工性が悪い。
しかも、プラスチック系断熱材は、紫外線の影響で表面が劣化剥離するため、断熱材の表面を透湿防水シート等で被覆して、紫外線劣化を抑制することも必要である。
〔従来例2(図7)の課題〕
従来例2の外張り断熱工法は、図7に示す如く、鋼製の基材とクラフト紙等の被覆材とを、合成樹脂の発泡断熱層の凝固接着力で一体化層着した工場生産品の断熱パネルを、木造躯体に外張りするため、断熱層の外張りのみは合理的に施工出来るが、被覆材の外側には、外装下地材、及び/又は、外装仕上材の張着が必須であり、断熱パネルの外側に通気層を形成する場合は、パネルの外側への外装下地材、及び/又は、外装仕上材の配置は、従来例1同様の、胴縁を介在した施工となり、従来例2も、通気性外張り断熱外壁の施工は、工数が多く、作業性が悪い。
〔従来例3(図8)の課題〕
従来例3の通気性複合パネルは、本願発明者が、鉄筋コンクリート外断熱建物の構築に、外壁の捨型枠として採用するために開発したものであって、外装下地材の押出成形セメント板は、セメント、硅酸質原料、繊維系原料を主原料とし、通気用条溝を一面に備えた板状に、押出成形してオートクレーブ養生したものであって、断熱材と一体化層着した複合パネルは、乾式密着型の複合パネルでありながら、パネル内面に条溝群による通気層を備えたものである。
従って、図8(A)に示すパネルは、コンクリート外壁の捨型枠としての十分な強度を備えてはいるが、セメント板は、通気機能発揮に必要な深さ13mmの条溝群を備えているため、セメント板厚が25mmとなり、しかも、製造過程で反りが発生し易く、断熱材との一体化層着時のプレス加工時でのひび割れを避けるために、セメント板幅は広幅に形成出来なくて、490mm幅で実施している。
また、コンクリート捨型枠としての必要剛性を備えたセメント板は、比重が1.8〜2.0であるため、セメント板自体が35kg/mとなって重く、標準サイズの複合パネルは、セメント板が、高さ2840mm、幅490mm であって、重量約1.5kgで75mm厚の平板状断熱材と層着したパネルは、重量が約50kgとなる。
そのため、該パネルは、重くて取扱い難く、その上、小幅であるため、外壁への、パネル相互の接続張着の作業性も悪い。
しかも、通気用条溝がセメント板に存在すること、パネルの上下接続はセメント板の上下端辺間に目地間隔を設けることが必須であること、により、パネル相互の上下接続部での条溝群による通気構造確保は、本願発明者が開発した特別な通気バッカーを採用する必要がある。
また、図8(B)に示すパネルは、図8(A)のパネルの変形例として提案したものであって、パネル内の条溝を深くして通気機能の増大を図ったものであり、セメント板厚を25mmのままで、75mmの断熱材に断熱欠損を生ずる10mm深さの条溝を付設し、条溝深さを、セメント板側13mm+断熱材側10mmの、合計23mmとしたものであるが、セメント板と断熱板との層着時の、型成形のセメント板側条溝と、切欠加工した断熱板側条溝との整合形態での一体化層着作業は、煩雑、且つ心労の伴う精緻な作業となる。
従って、図8(B)に提示したパネルは、図8(A)のパネルの条溝深さ(13mm)より深く(23mm)出来て、通気機能の若干の向上が得られるものの、断熱材(75mm厚)が10mm厚の条溝のための断熱欠損を生じて、外断熱機能が低下すること、及び層着作業性が悪いことより、実施効果が期待出来ないため、従来例3のパネルは、図8(A)のタイプで実施している。
本発明は、これら従来例の問題点を解決、又は改善して木造建物での新規な外張り工法を提供するものであり、木造外張り用に開発した軽量、且つ、広幅の新規な通気性外断熱複合パネルを採用して、従来の木造外張り断熱工法より遥かに構築容易、且つ高機能な外張り断熱構造を提供するものである。
本発明は、例えば、図1に示す如く、通気性断熱複合パネルを木造建物の躯体に外張りした木造建物の外張り断熱構造であって、外壁複合パネル1は、発泡プラスチック系断熱材の断熱層1Bの層着面1Sに、通気用条溝Gと、層着用の肉厚部1Cとを、縦方向に、交互に、且つ、両側が肉厚部1Cとなるように配置し、成形薄剛板のセメント板1Aを断熱層1Bの層着面1Sに一体化層着したものであり、外壁複合パネル1の下端を、コンクリート基礎立上り部5に固定したパネル受金具6で支承して、条溝G群への空気流入可能に保持すると共に、外壁複合パネル1を木造躯体WFに外壁として固定し、外壁複合パネル1の下端から条溝G群内を上昇する空気流aを、外壁複合パネル1の上端から軒天換気口24Cを介して放出可能としたものである。
この場合、発泡プラスチック系断熱材の板状断熱層1Bは、成形薄剛板のセメント板1Aに一体化層着出来る保形性を備えた板状材で良く、押出法ポリスチレンフォーム、ビーズ法ポリスチレンフォーム、硬質ウレタンフォーム等の、JISA9511の発泡プラスチック系断熱材が良く、典型的には、厚さ75mm、熱伝導率0.024kcal/mh℃以下の、JISA9511の押出法ポリスチレンフォーム板である。
また、通気用条溝G群は、最低限のドラフト空気流aの貫流を保証し、且つ、断熱欠損を最小限に保つ深さにカッターで切欠すれば良く、典型的には、各条溝は、図2(C)に示す如く、深さGdが15mm、幅a1が45.5mmであり、条溝Gの幅a1と、肉厚部1Cの幅a2とは等幅である。
また、成形薄剛板のセメント板(外装下地材)1Aは、外壁の外装下地材としての強度、耐衝撃性、寸法安定性を備えた最小限の薄剛板(セメント板)であれば良く、板厚15mm以下であって、酸化マグネシウムと硅砂とを主成分とし、両面にガラス繊維不織布を埋設した、軽量(10kg/m)、高強度(100kgf/cm)で12mm厚のマグネシウムセメント板や、硅砂、消石灰、パルプを水に分散させて紙を漉く要領で層状に成形し、オートクレーブ養生によって発生するカルシウムと化合して生ずる硅酸カルシウムの基材にバーミキュライトを加えた、軽量(13.2kg/m)、高強度(100kgf/cm)で12mm厚のケイ酸カルシウム板や、火山礫とフライアッシュとを原料とし、ガラス繊維を補強材に用いてフェノール樹脂で固めた、軽量(12.4kg/m)、高強度(100kgf/cm)で、13mm厚のフェノール樹脂板が好ましい。
また、複合パネル1の下端での条溝Gへの空気流入は、複合パネル1を支承するパネル受金具6の条溝Gとの対応位置に空気孔を配置しても、図4(A)の如く、複合パネル1内に条溝G群と連通する横断条溝G´を形成しておき、条溝G群に対してポート機能を奏する横断条溝G´に、パネル受金具6、或いはパネルセメント板に配置した空気孔によって空気流入可能としても良い。
従って、内部に条溝G群による通気層を備えた通気性断熱複合パネル1の全高さの重量を、下端ではパネル受金具6によって支承し、更に、適所を長ねじ11Aで躯体WFの柱21Aに固定するか、複合パネル1の断熱層1B面を躯体WFに張設した構造用面材13に接着固定するか、だけで、木造建物の外壁を通気性外断熱に施工出来、従来例1の、慣用されている木造外張り断熱工法より、遥かに簡便、且つ、作業性良く、木造外張り通気性断熱の外壁が得られる。
また、複合パネル1は工場生産の均質製品であるため、及び、複合パネル1の木造躯体への張着作業は、製品にバラツキの生じない単純作業であるため、複合パネル1を張着した木造外張り外壁構造は、品質に信頼性のある通気性外張り断熱構造となる。
また、セメント板(外装下地材)1Aは、薄板で軽量化出来たため、従来例3の複合パネルより、単位面積当りが遥かに軽量となり、広幅(標準:910mm)パネルとしても取扱いが容易であり、パネルの張着の枚数の減少による作業量の減少と相俟って、施工期間の短縮化も可能となる。
また、通気用の条溝G群は、断熱層1Bのみに配置したため、複合パネル1の層着前に、カッター自体の寸法調整によって、条溝の幅、深さが自在に設定出来、縦条溝G群に対する所望のバイパス条溝、横断条溝等の付設も自在となる。
そして、セメント板1Aは、単なる薄剛板の選択だけとなるため、各種の軽量薄剛板の採用が可能となって、機能面、用途面、デザイン面から複合パネルが自在に形成出来る。
しかも、複合パネル1内の通気用の条溝G群は、断熱層1B側のみに形成してあるため、図5(A)の如く、上下パネルの接続部にあっては、上下パネル1の断熱層1B相互を衝合当接するだけで、上下の各条溝G群が接続形態となり、また、図1に示す如く、パネル上端でのドラフト上昇空気流aの放出も、セメント板1Aから突出させた断熱層1Bの露出面での条溝G群からの放出となり、ドラフト上昇空気流aの流通経路の確保が容易となる。
また、本発明にあっては、図4に示す如く、パネル受金具6は、アングル形態であって、水平辺6Fが空気孔H6を備え、ボルト挿入用孔H6´を備えた垂直辺6Wを、後打ちボルトアンカー5Bで鉄筋コンクリート基礎立上り部5の前面に固定するのが好ましい。
この場合、パネル受金具6は、典型的には、4mm厚の鋼板の折り曲げ材で、水平辺幅Whが110mm、垂直辺幅Wvが75mmの、アングル形態である。
また、空気孔H6はパネル1の条溝G群への空気流入を保証すれば良い。
また、パネル受金具6の水平辺6Fは、外装下地材1Aの表面に付設する外装仕上材2より突出させれば、シーリング15Aの充填に有利であり、安定感を現出する。
従って、基礎立上り部5に強固に固定されたパネル受金具6は、複合パネル1の強固な支承を保証し、経年によるパネル1の垂下がりを阻止し、且つ、複合パネル1の下端からの条溝G群へのドラフト上昇空気流aの導入を保証して、外壁の断熱機能、及び通気機能を保証する。
また、本発明にあっては、図4(A)に示す如く、パネル受金具6に載置した外壁複合パネル1は、条溝G群の下端を連通する横断条溝G´を備え、パネル受金具6の水平辺6Fに配置した空気孔H6が、横断条溝G´に連通しているのが好ましい。
この場合、横断条溝G´は、複合パネル1の形成の際の断熱層1Bへのカッター(図示せず)での縦条溝G群の切欠形成時に、同時にカッターで切欠形成すれば良く、横断条溝Gの深さは、条溝Gの深さGdと同一寸法で、横断条溝G´の高さは、条溝Gの幅a1(標準:45.5mm)と同一に形成すれば良く、この場合、断熱層1B下端でのセメント板1Aの入り込み寸法d1(標準:10mm)に対応する通気バッカー15Cを配置しても尚、通気バッカー15Cの上部に、横断条溝G´のポート機能部が確保出来る。
従って、図4(A)に示す如く、パネル受金具6の水平辺6Fによって、全高さの複合パネル重量が支承された複合パネル1は、縦方向の条溝G群の下端に、断熱層1Bの全幅を貫通する横断条溝G´が、各条溝Gに対するポート機能を奏するため、横断条溝G´へ空気流aを流入させるための、パネル受金具6の空気孔H6は、横断条溝G´に対応する適宜位置で、且つ、丸孔、長孔等、自在の孔形態で連通すれば良く、パネル受金具6の水平辺6Fへの空気孔H6の穿孔配置は、水平辺6Fの強度低下を抑制して配置出来、穿孔作業も容易となる。
また、図4(A)に示す如く、パネル受金具6に載置した外壁複合パネル1は、横断条溝G´下端位置で、通気バッカー15Cを水平辺6F上に載置し、通気バッカー15Cの前面の、セメント板1A下端辺edと、水平辺6F上面との間隔sdには、バックアップ材15Bを介してシーリング15Aを充填するのが好ましい。
この場合、通気バッカー15Cは、図4(C)に示す如く、両側面板Cf間に仕切板CPを配置したハニカム状に上下連通したものであり、通気バッカー15Cは、幅w15が、横断条溝G´の幅に納まり、高さh15が、間隔sdと同等、又は大であっても良く、通気バッカー15C上に、尚、横断条溝G´が存在すれば良い。
従って、図4(A)に示す如く、通気バッカー15Cは、横断条溝G´内の、下端部を占め、通気バッカー15Cの上方の横断条溝G´は、通気バッカー15Cから上昇する空気流aの横方向移動を可能として、各縦条溝Gに対するポート機能を奏するものとなり、パネル受金具6の水平辺6Fに間隔を保って配置した空気孔H6が、通気バッカー15Cを介して横断条溝G´に連通出来る。
そして、間隔sdに対向する横断条溝G´内の通気バッカー15Cは、間隔sd内に押し込む慣用の平板状のバックアップ材15Bを当接支承するため、バックアップ15Bを介したシーリング15Aの充填作業が、複合パネル1の通気機能を損なうことなく容易に実施出来る。
また、外壁複合パネル1は、図1に示す如く、木造躯体WFの柱21A、間柱21Bの外面に構造用面材13を張設し、構造用面材13の外面に複合パネル1を一体化張設するのが好ましい。
この場合、構造用面材13の張設は、慣用技法によって、従来例1(図6)同様に実施すれば良い。
そして、本発明の複合パネル1の木造躯体WFへの張設は、従来例1の如き、通気胴縁+横桟の配置が不要となったため、単に構造用面材13に一体化すれば良い。
従って、複合パネル1の木造躯体WFへの張設は、下端でのパネル受金具6での支承と、パネル内側面の断熱層1Bでの構造用面材13への接着一体化で可能となり、柱21Aや間柱21Bの配置位置での制約を受けずに、パネル1の外壁Wへの割付けが出来るため、複合パネル1の張設は、作業性良く実施出来る。
また、本発明の外壁構造にあって、外壁複合パネル1の上下接続は、図5(A)に示す如く、下方複合パネル1の上端での、断熱層1Bのセメント板1Aに対する大段差d3突出と、上方複合パネル1の下端での、断熱層1Bのセメント板1Aに対する小段差d2入り込みとで、断熱層1B相互を衝合当接し、下方のセメント板上端辺euと、上方のセメント板下端辺edとの目地間隔d2には、平板状バックアップ材15Bを断熱層1Bの前面に当接延展し、バックアップ材15Bの前面をシーリング15Aで充填して横目地dxとするのが好ましい。
この場合、例えば、1階パネルと2階パネルとの上下接合にあっては、1階パネルの上端は、図2(B)に示す如く、断熱層1Bをセメント板1Aよりd3(標準:40mm)突出させておき、2階パネルの下端は、図2(A)に示す如く、断熱層1Bをセメント板1Aよりd2(標準:20mm)入り込ませておけば、図5(A)に示す如く、下方パネルのセメント板上端辺euと上方パネルのセメント板下端辺edとに間隔d2(標準:20mm)の横目地dx間隔が形成出来る。
そして、図5(A)に示す如く、上下パネルの断熱層の水平当接界面hfはセメント板1A内面で保護されて、空気流入による断熱機能低下は抑制出来、且つ、条溝G群が断熱層1B側にのみ配置されているため、上下パネルの断熱層1B相互の衝合当接で、各上下パネルの条溝G群は連通形態となり、断熱層1Bの、横目地dx間隔での、条溝G群の露出部を閉止するだけで、上下パネルの条溝G群の空気連通が保証出来るものとなる。
従って、上下セメント板の間隔d2(目地間隔)を、慣用の、平板状バックアップ材15Bを介したシール充填だけで、パネル上下接続部の通気構造確保が可能となり、従来のセメント板に条溝を備えた複合パネル(図8)相互の、目地間隔での、上下セメント板間の上下接続より、遥かに簡便、且つ確実に、通気構造確保が可能となる。
また、図4(A)に示す如く、パネル受金具6は、コンクリート基礎立上り部5と一体化した基礎複合パネル3の上方位置で、且つ、水平辺6Fが基礎立上り部5の天端5uより下方位置で、基礎立上り部5前面に固定し、パネル受金具6の水平辺6Fの下面と、基礎複合パネル3の上端面とに亘り、後貼り基礎複合パネル4を空密的に張設するのが好ましい。
この場合、基礎複合パネル3は、コンクリート基礎立上り部5に捨枠として一体化すれば良く、基礎複合パネル3の上部のコンクリート基礎立上り部5のコンクリート露出部は、慣用のコンクリート型枠で施工すれば良い。
そして、水平辺6Fが基礎立上り部天端5uより下方cd1位置であれば、垂直辺6Wのボルト挿入用孔H6´を介して打込む後打ちボルトアンカー5Bの位置は、天端5uの下方cd2位置となり、後打ちボルトアンカー5Bは、コンクリート基礎立上り部5に対して、天端5uから十分な寸法cd2の位置での後打ち施工となり、コンクリートにひび割れを生ずる怖れ無く、コンクリート基礎立上り部5に強固に固定出来る。
そして、パネル受金具6の基礎立上り部への取付けは、露出コンクリート面の前面への後打ちボルトアンカー5Bの締着施工であるため、墨出し位置への所定の施工が容易であり、パネル受金具6の取付け後の、後貼り基礎複合パネル4の張設は、基礎複合パネル3の上端と、パネル受金具6との間の、コンクリート基礎立上り部5の前面の空密張設であるため、パネル受金具6の取付け域、即ち、パネル受金具水平辺6Fと基礎複合パネル3上端との範囲での断熱欠損は阻止出来る。
この場合、後貼り基礎複合パネル4は、図4(A)に示す如く、上端では、パネル受金具水平辺6F下面との間を、バックアップ材15Bを介してシーリング15Aを施し、下端では、基礎複合パネル3上端と空密接続すれば良い。
従って、パネル受金具6は、コンクリート基礎立上り部5に、コンクリートひび割れを生ずることなく強固に取付けられると共に、外断熱外壁として必要な断熱性を保証した取付けが、作業性良く実施出来る。
また、基礎複合パネル3、及び後貼り基礎複合パネル4は、図4(A)に示す如く、共に、断熱層3Bにセメント板1Aを、上端でセメント板1Aが入り込んだ形態の層着であり、後貼り基礎複合パネル4を基礎複合パネル3上に相欠け接続で張設し、且つ、後貼り基礎複合パネル4のセメント板上端辺euと、パネル受金具6の水平辺6F下面との間隔suは、バックアップ材15Bを介してシーリング15Aするのが好ましい。
この場合、基礎複合パネル3も後貼り基礎複合パネル4も、共に、セメント板1A及び断熱層3Bは、外壁複合パネル1のセメント板1A及び断熱層1Bと同材質を採用し、通気用条溝Gの存在しない断熱複合パネル3,4とすれば良い。
従って、基礎複合パネル3は、基礎コンクリート立上り部5とコンクリート打設で一体化したものであり、後貼り基礎複合パネル4を基礎複合パネル3上に相欠け接合するため、両パネル3,4の当接界面の空密化は容易であり、後貼り基礎複合パネル4の上端も、セメント板1Aが入り込んで間隔suを保っているため、後貼り基礎複合パネル4は、嵌め込みが容易であり、且つ、それ自体慣用の、平板状バックアップ材15B、及びシーリング15Aの施工によって、後貼り基礎複合パネル4は、気密欠損(断熱欠損)の存在しない形態に、簡便に配置出来る。
勿論、基礎複合パネル3、後貼り基礎複合パネル4共、外壁複合パネル1同様に、左右接続も相欠け接続で実施する。
また、後貼り基礎複合パネル4は、図4(A)に示す如く、断熱層厚T31が、基礎複合パネル3の断熱層厚T30より小であり、断熱層3Bの背面を接着剤18Dで基礎立上り部5の前面に貼着し、且つ、セメント板1A表面から後打ちアンカー18Cを基礎立上り部5に打込むのが好ましい。
この場合、後打ちアンカー18Cは、それ自体慣用の、6mm径、90mm長の、サンコーテクノ(株)製Pレスアンカー(商品名)の長ねじを採用すれば良い。
そして、図4(A)に示す如く、後貼り基礎複合パネル4は、断熱層厚T31が基礎複合パネル断熱層厚T30より小であるため、コンクリート基礎立上り部5の前面の、不陸で生ずる断熱層3Bとコンクリート前面との間隙Psには、間隙調整用の鋼製パッキンPKの介在により、パネル受金具6の面一形態での固定にも好適に対応出来、また、間隙Psに対処する団子状接着剤18Dの付与による後貼り基礎複合パネル4の面一貼着にも対応出来る。
従って、後貼り基礎複合パネル4は、コンクリート基礎立上り部5の前面の不陸に関わらず、パネル受金具6の適正位置での固定を可能とし、面一の後貼りを可能とし、且つ、コンクリート基礎立上り部5前面に対する、パネル受金具6の強力な固定を可能とする。
また、外壁複合パネル1の断熱層1Bは、条溝G間に散在する肉厚部1Cが、層着面1S上の面積の実質上50%を占め、且つ、両端に存在し、セメント板1Aは、厚さT2が12〜13mmで、比重が0.8〜1.1で、曲げ強度が100〜120kgf/cmであるのが好ましい。
この場合、厚さT2が12〜13mm で、比重が0.8〜1.1で、曲げ強度が100〜120kgf/cmのセメント板(外装下地材)1Aとしては、典型的には、マグネシウムセメント板、ケイ酸カルシウム板、フェノール樹脂板である。
そして、条溝G間に散在する肉厚部1Cが層着面1Sの実質上50%の面積を占めておれば、十分な接着力を保つ一体化層着構造となり、断熱層1Bの両側に肉厚部1Cが存在するため、複合パネルの取扱い過程での層剥離を生ずることもない。
しかも、断熱層1Bの層着面1Sの面積の実施上50%を層着用の肉厚部1Cとすることにより、断熱層1Bからの水蒸気(湿気)を放出し、且つ、セメント板1Aの過加熱を冷却するための通気用条溝Gも散在して、断熱層1Bの層着面1Sの1/2の面積を占めることとなり、条溝G群の配置を、図2(C)の如く、適正分散配置すれば、外壁として張着したパネル面の全面に、均斉な通気効果の期待出来る複合パネルとなる。
従って、外装下地材(セメント板)1Aは、1m当り重量が9〜15kgのものとなって、従来例3(図8)の押出成形セメント板(35.0kg/m)の半分以下の重量となるため、本発明に用いる複合パネル1は、セメント板1Aを、従来の複合パネルのセメント板幅(490mm)より、遥かに広幅(910mm )としても、尚、従来の複合パネルよりも軽いものとなり、複合パネルは、施工現場での取扱いが容易となって作業性が向上し、高品質の外断熱外壁の構築を可能とする。
そして、100〜120kgf/cmの強度を備えておれば、パネルの構造材としての強度が十分であり、外装下地材として十分な強度を発揮する。
また、外壁複合パネル1は、図2(C)に示す如く、断熱層1Bの厚さT3が75mm であり、条溝Gの深さGdが12〜20mmであり、条溝幅a1が肉厚部1Cの幅a2と同一であり、且つ、両側の肉厚部1Cの幅a3が中間肉厚部C1の幅a2の1/2であるのが好ましい。
この場合、図2(C)の如く、断熱層1Bの幅BWが910mmの場合は、条溝幅a1を45.5mmとすれば、肉厚部1Cの幅a2も45.5mm、両側端の肉厚部幅a3が22.75mmとなる。
従って、複合パネル1を並列接続した状態では、各45.5mmの肉厚部1Cと、各45.5mmの条溝Gとの交互配置となり、複合パネル1の外壁面は、全面に亘って、断熱層1Bからの均斉な放湿機能、及び全面に亘って、均斉な通気によるセメント板1Aの均斉な吸熱冷却機能を発揮する。
また、断熱層1Bの厚さは、被覆一体化した木造外壁での熱貫流抵抗(Rt)が規定(次世代省エネ基準での壁の熱貫流率の基準)値を満たすように決定すれば良く、日本での基準値の最も厳しいI地区(北海道)の基準は、外壁が、2.46mh℃/kcal以上(鉄筋コンクリート造等以外の、その他住宅の壁の基準値)であり、内装用面材及び構造用面材を備えた木造外壁に、75mm厚で、熱伝導率0.024kcal /mh℃以下の断熱層1Bを張着した外壁は、条溝Gの深さGdを20mmで形成し、75mm厚の断熱層1Bに20mm深さの断熱欠損を発生させても、尚、日本国I地区(北海道)の基準値を満足することになる。
また、条溝Gの深さGdは、ドラフト上昇空気流の最大流速が得られる40mmまで、条溝深さGdが大きくなる程、上昇空気流の流速も大となるものであって、断熱層1Bでの条溝深さGdが大きくなる程、断熱欠損も大となり、断熱層1Bでの、条溝Gによる断熱欠損と通気機能とは二律背反関係にあるが、各条溝Gの深さGdが12mmであれば、断熱欠損は無視出来る程度の下で、最小限の有効ドラフト空気流速≒0.026m/sが得られ、Gdが20mmであれば、断熱欠損は許容限界値に近くなるが、高いドラフト空気流速(≒0.034m/s)が得られる。
従って、JISA9511の発泡プラスチック系断熱材を適用した、75mm厚の断熱層1Bに於いて、条溝深さGdを12〜20mmに選定したため、断熱欠損による断熱機能低下を許容範囲内に抑え、且つ、通気層としての必要なドラフト上昇空気流aの有効速度での生起が達成出来る。
また、本発明は、図1に示す如く、層着面に通気用条溝G群を備えた発泡プラスチック系断熱層2Bに、屋根下地材2Aを層着した屋根断熱複合パネル2を、条溝Gが軒部8から棟部7への通気可能に、野地垂木23Bに載置支承して、木造躯体WFに屋根として固定し、外壁複合パネル1の上端の断熱層1Bと、屋根複合パネル2の下面とを空密閉止するのが好ましい。
この場合、屋根複合パネル2も、外壁複合パネル1同様に、断熱層2Bの層着面には、通気路としての条溝G群と、接着面としての肉厚部とを交互に配置し、断熱層2Bの材質も、外壁用パネルの断熱層1Bと同質材を用い、厚さは、外壁パネル1の断熱層1Bより厚くすれば良く、屋根下地材2Aとしては、典型的には、12mm厚の構造用合板を用いれば良い。
そして、屋根複合パネル2も、外壁複合パネル1も、基礎複合パネル3も、後貼り基礎複合パネル4も、共に、断熱層として同一材質が採用出来、また、各複合パネルは、単に、断熱層と、セメント板、又は構造用合板との層着であるため、工場製品としての、均質、且つ品質の保証された製品となり、パネルの外張りによる外断熱木造建物の均質、且つ合理的提供が可能となる。
しかも、外断熱建物で、必須である外壁と屋根との空密閉止も、断熱層1Bと2Bとを介した複合パネル1,2相互の空密閉止作業であるため、必要気密閉止が簡便に実施出来る。
また、外壁と屋根との空密閉止は、図5(B)に示す如く、外壁複合パネル1の最上端面は、屋根勾配に整合する勾配面Fuとすると共に、断熱層1Bの勾配面Fuを屋根複合パネル2の下面Fdと隙間追従シート14Bで空密閉止するのが好ましい。
この場合、屋根複合パネル2と、外壁複合パネル1との接着は、屋根パネル2の断熱層下面Fdと外壁パネル断熱層上端の勾配面Fuとの間は、間隙(標準:5mm)を設け、厚さ2mm、幅20mmの隙間追従シート14Bを、図5(B)の如く、勾配面Fu上に配置すれば良い。
従って、屋根パネル2の下面Fdと外壁パネル1の上端勾配面Fuとの隙間の存在は、パネル1,2相互の組み付け作業を容易とし、屋根パネル2と外壁パネル1との接着は、隙間追従シート14Bを介した断熱層同士の接着となり、接着性も良く、隙間追従シート14Bを介した接着では、パネル1,2間の多少の誤差当接であっても、確実に空密閉止となる。
勿論、屋根複合パネル2と当接する外壁の構造用面材13の上端にも、隙間追従シート14Bを介在させても良い。
本発明の外張り断熱構造にあっては、通気性断熱の外壁複合パネル1を木造躯体WFの外壁に張設するだけで、木造建物が断熱層1Bによって外断熱被覆出来、且つ、断熱層1Bの外面と外装下地材(セメント板)1Aとの界面には、ドラフト上昇空気流aの貫流する通気層が縦条溝G群によって形成出来るため、従来(図7)の木造外張り断熱工法より、遥かに簡便、且つ、単純な作業で、施工性良く構築出来る。
しかも、外壁複合パネル1は、工場生産品であり、施工作業による品質のバラツキも少ないため、本発明で得られる外壁構造は、従来(図6〜図8)の工法で得られる外壁構造よりも、断熱機能面、通気機能面で、均斉、且つ高品質で、信頼性に富むものとなる。
また、外壁複合パネル1の通気用条溝G群は、パネル製作過程で断熱層1Bのみに配置したため、断熱層1Bの、厚さに対する断熱欠損の支障を許容範囲内に抑え、且つ、ドラフト上昇空気流aの好適流速を生起する条件の下に、例えば、断熱欠損を最少に抑えて、同時に通気機能も低いものとするか、断熱欠損を許容限界値として、通気機能の優れたものとするか、所望に応じて、カッターで自在に切欠出来、断熱機能と通気機能との両面から、適切に複合パネルを選定することにより、施工地域、及び需要者の希望、に応じた外張り断熱木造住宅が構築出来る。
しかも、外壁複合パネル1の通気層としての条溝Gは、断熱層1Bにのみ存在するため、2階建、3階建等、複合パネル1を上下接続する際にも、パネル相互の、上下接続での、相互衝合当接の必須である断熱層衝合によって、条溝Gの連通構造確保が容易である。
また、複合パネル1の外装下地材(セメント板)1Aは、軽量な薄剛板でさえあれば、選択使用出来るため、需要者の希望に応じることが出来、外装下地材1Aの外面に施工する外装仕上材2も、需要者が選択可能となり、外張り外壁構造は、機能面、デザイン面、コスト面から需要者の好みに自在に対応出来る。
〔外壁複合パネル1(図2)〕
外壁複合パネル1は、木造躯体WFに外張りするものであって、図2(A)は2階用のパネルの斜視図、図2(B)は1階用のパネルの斜視図であって、一般壁部に外張りするパネル1は、1階(下階)用と2階(上階)用とは、パネルの上下端で相違するが、横断面構造は同一物である。
即ち、図2(C)に示す如く、外壁複合パネル1は、幅BWが910mmで、厚さT3が75mmの押出法ポリスチレンフォーム(熱伝導率:0.024kcal/mh℃以下、JISA9511)の断熱層1Bの層着面1Sに、深さGdが15mm、幅a1が45.5mmの条溝G群を、各条溝G間に、幅a2が45.5mmの肉厚部1Cが存在するように、且つ、両端には幅a3が22.75mmの肉厚部1Cが存在するように、各条溝Gをカッターで、上下方向(長さ方向)に貫通配置し、断熱層1Bの層着面1Sに、幅AWが910mm、厚さT2が12mmのマグネシウムセメント板1Aを、左右幅方向にd1(10mm)ずらして層着一体化したものである。
そして、標準パネルにあっては、1階用断熱層1Bも2階用断熱層1Bも同幅BW(910mm)、同高Bh(2910mm)であり、セメント板(外装下地材)1Aは、1階用にあっては、図2(B)に示す如く、断熱層1Bに対して、上端がd3(40mm)入り込み、下端がd1(10mm)入り込んだものとし、2階用にあっては、図2(A)に示す如く、セメント板1Aは、断熱層1Bに対して、上端がd4(95mm)入り込み、下端がd2(20mm)突出したものとし、断熱層1Bの上端には、屋根勾配と整合してd5(22.5mm)の勾配の、勾配面Fuを形成する。
また、1階用の外壁複合パネル1の、断熱層1Bの層着面下端には、図4(A)に示す如く、縦条溝G群を横断貫通する横断条溝G´を、縦条溝Gと同一幅、同一深さで、各条溝Gへのポートとして、条溝Gのカッターでの切欠時に、同時に形成しておく。
〔基礎複合パネル3(図1、図4)〕
基礎複合パネル3は、図4(A)に示す如く、パネル受金具6の下方で、コンクリート基礎立上り部5を外断熱被覆するものであって、基礎立上り部5のコンクリート捨型枠として適用するものであり、外壁複合パネル1の断熱層1Bと同質で、厚さT30が50mmの断熱層3Bに、セメント板1Aを、上端は、断熱層3Bがセメント板1Aより10mm(d1)突出し、且つ、同一幅寸法のセメント板1Aと断熱層3Bとを、一般外壁用複合パネル1同様に、左右相欠け接続可能に、左右に10mmずらして層着一体化しておく。
尚、基礎複合パネル3の高さは、建物の基礎立上り部5の高さに応じて準備する。
〔後貼り基礎複合パネル4(図1、図4)〕
後貼り基礎複合パネル4は、図4(A)に示す如く、パネル受金具6の垂直辺6W、及び後打ちボルトアンカー5Bを隠蔽するパネルであり、パネル受金具6の水平辺6F下面と、基礎複合パネル3の上端、との間に嵌め込むパネルであって、基礎複合パネル3と同材質の、セメント板1A及び断熱層3Bを採用し、断熱層3Bの厚さT31は40mmとし、断熱層3Bは高さを150mmとし、上端では、セメント板1Aより10mm突出し、下端では、セメント板1Aより10mm入り込んだ形態で、且つ、断熱層3Bとセメント板1Aとは、同幅で、左右に10mmずらして層着一体化し、各後貼り基礎複合パネル4は、相互に、左右相欠け接続可能、且つ、下方の基礎複合パネル3と上下相欠け接続可能とする。
〔屋根複合パネル2(図1)〕
屋根複合パネル2は、木造躯体FWに断熱屋根として外張りするものであり、外壁複合パネル1同様に、通気用条溝Gを付設した断熱層2Bに、屋根下地材としての構造用合板2Aを、外壁複合パネル1同様に、上下左右の相欠け接続可能に、層着して準備する。
この場合、断熱層2Bの厚さ(標準:135mm)は、外壁複合パネル1の断熱層1Bより厚くし、必要に応じて、断熱層2B内に縦木等の補強材を配置しておく。
〔パネル受金具6(図4(B))〕
パネル受金具6は、図4(A)に示す如く、コンクリート基礎立上り部5の前面に、後打ちボルトアンカー5Bで固定し、外壁複合パネル1の下端を、長期に亘って安定支承する長尺金物であり、図4(A)はパネル受金具6の使用状態説明図、図4(B)はパネル受金具の斜視図である。
即ち、パネル受金具6は、幅Wvが75mmの垂直辺6Wと、幅Whが110mmの水平辺6Fとを備えた、肉厚4mmの鋼板の折り曲げ材であり、垂直辺6Wの高さ方向中央には、径12mmのボルト挿入用孔H6´を1200mm間隔で備え、水平辺6F上の、外壁複合パネル1の横断条溝G´対応位置には、径15mmの空気孔H6を適宜間隔(標準:150mm)穿孔し、水平辺6Fの前端には、外壁の仕上げ面より突出(標準:10mm)し、雨水の水切り可能としておく。
〔基礎コンクリート部の施工(図1、図4)〕
基礎立上り部5のコンクリート打設に際しては、基礎複合パネル3を、並列相欠け接続し、基礎複合パネル3の上部に慣用の型枠を連設して、コンクリート外型枠として採用し、合板の内型枠と共に、慣用の型枠組み手法で、厚さ120mmの基礎立上り部5の型枠を構築し、図4(A)に示す如く、基礎複合パネル3に挿通した、固定ボルト18Bの先端の落下防止アンカー18Aを、型枠内に埋設配置してコンクリートを打設し、コンクリート固化後に型枠を解体すれば、基礎立上り部5の前面下部では、基礎複合パネル3が、コンクリート基礎立上り部5内に埋設した落下防止アンカー18Aで、位置確保された固定ボルト18B群によって、コンクリート基礎立上り部5の外面に一体化固着し、基礎複合パネル3の上部は、基礎立上り部5のコンクリート露出面となる。
そして、コンクリート基礎立上り部5の天端5uに均しモルタル18Eを充填して、基礎立上り部5の天端5uの不陸を調整する。
次いで、均しモルタル18Eの上面よりcd1(標準:60mm)下方位置に、パネル受金具6の水平辺6Fを配置するように、パネル割付図に基づき墨出しし、基礎複合パネル3の上方の、コンクリート基礎立上り部5の、コンクリート露出部前面の設定位置に、ドリルを用いてコンクリート穴H5を設け、該穴H5に、パネル受金具6の垂直辺6Wのボルト挿入用孔H6´を整合し、座金を介在して、外径10mm、長さ50mmの後打ちボルトアンカー5Bを、垂直辺6Wのボルト挿入用孔H6´からコンクリート基礎立上り部5のコンクリート穴H5に、インパクトドライバーで螺入打込む。
この場合、後打ちボルトアンカー5Bは、1本当り、引張り最大荷重:918kgf、剪断最大荷重:1122kgfの支持力を発揮し、1200mm間隔で配置する。
尚、後打ちボルトアンカー5Bの打込みに際し、必要に応じて、パネル受金具6の垂直辺6Wとコンクリート基礎立上り部5の前面との間には、鋼製パッキンPKを介在して、基礎立上り部5の前面の不陸を調整する。
次いで、基礎コンクリート立上り部5の前面へのパネル受金具6の取付けが完了した後、後貼り基礎複合パネル4相互を、左右相欠け接続しながら、下方の基礎複合パネル3の上端とパネル受金具6の水平辺6F下面との間に配置する。
この場合、図4(A)から明らかな如く、後貼り基礎複合パネル4の断熱層3Bの背面には、後打ちボルトアンカー5Bの頭部収納用の凹部C3を形成しておき、且つ、団子状の接着剤18Dを散在添着して、コンクリート基礎立上り部5の前面に押し付け、基礎複合パネル3と上下相欠け接続、且つ、面一に配置する。
そして、各後貼り基礎複合パネル4の両端部に、表面から、径6mm、長さ90mmの長ねじの後打ちアンカー18Cをコンクリート基礎立上り部に打込む。
この場合、後打ちアンカー18Cとしては、サンコーテクノ(株)製のPレスアンカー(商品名)を用いれば、後打ちアンカー1本当り、550kgfの引張り最大応力を発揮する。
次いで、パネル受金具6の水平辺6F下面と後貼り基礎複合パネル4のセメント板上端辺euとの間隔suには、慣用の、平板状バックアップ材15Bを介してシーリング15Aを充填閉止する。
そして、後貼り基礎複合パネル4と基礎複合パネル3との各セメント板1A接続部には、慣用の、樹脂モルタル塗布+ガラスネット張着+樹脂モルタル塗布、の手段で空密仕上げする。
〔木造躯体の構築(図1、図3)〕
コンクリート基礎立上り部5の均しモルタル18E上に、前面を揃えて断面正方形の木材の土台21Cを配置し、図4(A)に示す如く、座金19C、ナット19Bでの、アンカーボルト19Aによる締着により、土台21Cを基礎立上り部5上に固定する。
そして、慣用の手段で、土台21C上に1階の柱21Aを立設し、柱21A上に胴差21Dを配置し、胴差21D上に2階の柱21Aを立設し、2階柱21A上に敷桁21Eを配置し、次いで、土台21Cと胴差21D間、胴差21Dと敷桁21E間に、間柱21Bを配置して木造外壁Wを形成する。
次いで、対面する柱21A間に梁22Dを配置し、梁22D上に小屋束22Cを立設し、小屋束22C上に棟木、母屋を、棟木、母屋上に小屋垂木23Bを配置して屋根Rを形成する。
そして、パネル受金具6の垂直辺6Wの上面から小屋垂木23B上面までの、柱21A及び間柱21Bなどの外壁Wに、図3の如く、12mm厚の構造用面材13を、36mm長のねじで張着し、構造用面材13の接合部J13は、慣用の気密テープ14Aを貼着して気密性を保持する。
〔外壁複合パネル1の張設(図1、図4、図5)〕
図1は、本発明を2階建木造住宅に適用した状態の外壁構造縦断面図であり、図3は、外壁の説明図であり、図4(A)は、外壁下端部を、図5(A)は、外壁中間のパネル1の接続部を、図5(B)は、外壁上端部の説明図である。
下段の複合パネル1の張設は、図4(A)に示す如く、パネル受金具6の水平辺6F上に載置し、パネル断熱層1B後面を構造用面材13の前面に当接する。
そして、パネル1の肉厚部1Cに穿孔したボルト挿入用孔hbに長ねじ11Aを挿入し、図4(A)、図5(A)の如く、長ねじ11Aを、複合パネル1及び構造用面材13を貫通して、土台21C、柱21A及び間柱21Bに締着する。
この場合、長ねじ11Aとしては、径5.3mm、長さ130mmの、サンコーテクノ(株)のコーススレッド(商品名)を採用すれば、該長ねじ11Aは、JISA5508の木工事用鉄丸くぎ(許容剪断耐力:70kgf/本)の5倍の強度を有するので、長ねじ11Aの使用間隔が広く出来、柱、間柱を長ねじ11Aが割ることも抑制出来て、作業性も良い。
また、複合パネル1相互の左右接続、及び上下接続は、各断熱層1B相互の衝合当接による相欠け接続で実施する。
そして、1階用複合パネル1への2階用複合パネル1の上下接合部では、図5(A)に示す如く、下側セメント板上端辺euと上側セメント板下端辺edとの間隔、即ち、横目地dx間隔、が生ずるが、該dx間隔では、慣用の目地用の平板形態のバックアップ材15Bを、露見した断熱層1Bの前面に延展配置し、該バックアップ材15B前面を慣用のシーリング15Aで充填し、下方の複合パネル条溝G群と、上方の複合パネル条溝G群とを、密閉空気流路とする。
また、1階の複合パネル1の下端では、セメント板1Aが断熱層1Bよりd1(10mm)入り込んでいるため、セメント板1A下端辺edと、パネル受金具の水平辺6F上面との間に、sd(10mm)の隙間が出来るが、該隙間は、図4(C)の如く、平行な両側面板cf間に仕切板CPを定間隔で配置した通気バッカー15Cを、図4(A)の如く、横断条溝G´内で水平辺6F上に配置し、該通気バッカー15C前面を、慣用のバックアップ材15Bを介してシーリング15Aで充填閉止する。
この場合、横断条溝G´は、幅、即ち、図4(A)では高さ、は、条溝Gの幅45.5mmと同一であるため、通気バッカー15Cの上部が縦条溝G群に対するポートとなる。
また、2階の複合パネル1の上端にあっては、図5(B)に示す如く、屋根勾配に整合して傾斜切断した断熱層1Bの上端の勾配面Fuに、厚さ2mm、幅20mmの隙間追従シート14Bを添着し、勾配面Fuと屋根パネル2の下面とを空密閉止する。
従って、外壁複合パネル1の断熱層1Bと屋根複合パネル2の断熱層2Bとは、空密接合形態となって、木造躯体WFを外壁と屋根とで断熱被覆する。
そして、2階の複合パネル1の上端での、セメント板1Aから突出した断熱層1Bの条溝G群から放出される上昇空気流aを、軒天野縁24Aに張設した軒天仕上材24Bに配置した軒天換気口24Cから放出可能とする。
〔屋根複合パネル2の張設(図1、図5(B))〕
屋根用複合パネル2の張設は、図1に示す如く、小屋組みの上面に、棟部7から軒部8に架け渡した野地垂木23B上面に、複合パネル2の下面を当接して載置し、図5(B)の如く、長ねじ11Aを、複合パネル2の上面から野地垂木23Bに貫通締着する。
この場合、長ねじ11Aは、径5.3mm、長さ180mmの、サンコーテクノ(株)製コーススレッド(商品名)を採用すれば、該長ねじ11Aは、JISA5508の木工事用の鉄丸釘の5倍の強度を有するので、長ねじ11Aの配置間隔が広く出来、野地垂木23Bを長ねじ11Aが割ることも抑制出来る。
また、屋根複合パネル2相互の上下接続、及び左右接続は、外壁複合パネル1のそれと同様、相欠け接続で実施する。
また、最下段の複合パネル2の下端は鼻隠し23Aとの隙間adからパネル条溝G群に空気流入可能に配置する。
そして、複合パネル2の屋根下地材2A上には、アスファルトルーフリング(JISA6006)等の防水シート9を全面敷設し、防水シート9上に、慣用の屋根仕上材10を張設する。
〔その他〕
実施例では、本発明を木造2階建に適用したが、本発明が、木造1階建にも、木造3階建にも適用可能であることは、当業者にとって自明である。
また、パネル受金具6の複合パネル1への空気流入可能手段として、実施例では、複合パネル1の下端の横断条溝G´内に通気バッカー15Cを配置したが、セメント板1A下端辺edとパネル受金具の水平辺6Fとの間隔sd(標準:10mm)を、3mm程度とすれば、通気バッカー15Cを配置しないでも慣用のシーリング技法によって、横断条溝G´に干渉しないで、間隔sdのシーリング充填が可能である。
また、複合パネル1の木造躯体WFへの固定は、実施例では、長ねじ11Aの柱21A、間柱21Bへの固定で実施したが、木造躯体WFの構造用面材13は柱21A、間柱21Bに固定された構造物であるため、そして、複合パネルが軽量であって、パネル受金具によって下端が支承されるため、複合パネル1の断熱層1B面の構造用面材13への接着によって実施することも可能である。
本発明の木造建物の一部切欠縦断面図である。 外壁パネルの説明図であって、(A)は1階用パネルを、(B)は2階用パネルの斜視図であり、(C)は横断面を示す図である。 本発明外壁の説明図であって、(A)は切欠斜視図、(B)は横断面図である。 外壁パネル支承説明図であって、(A)は支承状態縦断面図、(B)はパネル受金具の斜視図、(C)は通気バッカー斜視図である。 木造建物の要部縦断面図であって、(A)は外壁パネル上下接続部を、(B)は外壁パネルと屋根パネルとの接合部を示す図である。 従来例1の説明図であって、(A)は、木造建物の要部縦断面図であって、(B)は(A)の部分拡大図である。 従来例2の説明図であって、(A)はパネル斜視図、(B)は構築方法説明図、(C)は外壁斜視図、(D)は要部横断面図である。 従来例3の説明図であって、(A)はパネルの横断面図、(B)は変形例の横断面図である。
符号の説明
1 外壁複合パネル(外壁パネル、パネル)
1A セメント板(外装下地材)
1B,2B,3B 断熱層
1C 肉厚部
1S 層着面
2 屋根複合パネル(屋根パネル、パネル)
2A 屋根下地材(構造用合板)
3 基礎複合パネル(基礎パネル、パネル)
4 後貼り基礎複合パネル(後貼り基礎パネル、パネル)
5 基礎立上り部(コンクリート基礎立上り部)
5B 後打ちボルトアンカー
5u 天端
6 パネル受金具
6F 水平辺
6W 垂直辺
7 棟部
8 軒部
9 防水シート
10 屋根仕上材
11A 長ねじ
11M、12B 樹脂モルタル
12A ガラスネット
13 構造用面材
14A 気密テープ
14B 隙間追従シート
15A シーリング
15B バックアップ材
15C 通気バッカー
17 内装用面材(内装面材)
18A 落下防止アンカー
18B 固定ボルト
18C 後打ちアンカー
18D 接着剤
18E 均しモルタル
19A アンカーボルト(ボルト)
19B ナット
19C 座金
21A 柱
21B 間柱(柱)
21C 土台
21D 胴差
21E 軒桁
22A 棟木
22C 小屋束
22D 梁
23A 鼻隠し
23B 野地垂木
24A 軒天野縁
24B 軒天仕上材
24C 軒天換気口
a 空気流(ドラフト上昇空気流)
C3 凹部
dx 横目地
ed 下端辺
eu 上端辺
Fd 下面
Fu 勾配面
G 条溝(縦条溝)
G´ 横断条溝
Gd 条溝深さ
hb ボルト挿入用孔
hf 水平当接界面
H5 コンクリート穴
H6 空気孔
H6´ ボルト挿入用孔
PK 鋼製パッキン
sd,su 間隔
R 屋根
Vf 垂直当接界面
W 木造外壁(外壁)
WF 木造躯体(躯体)

Claims (13)

  1. 通気性断熱複合パネルを木造建物の躯体に外張りした木造建物の外張り断熱構造であって、外壁複合パネル(1)は、発泡プラスチック系断熱材の断熱層(1B)の層着面(1S)に、通気用条溝(G)と、層着用の肉厚部(1C)とを、縦方向に、交互に、且つ、両側が肉厚部(1C)となるように配置し、成形薄剛板のセメント板(1A)を断熱層(1B)の層着面(1S)に一体化層着したものであり、外壁複合パネル(1)の下端を、コンクリート基礎立上り部(5)に固定したパネル受金具(6)で支承して、条溝(G)群への空気流入可能に保持すると共に、外壁複合パネル(1)を木造躯体(WF)に外壁として固定し、外壁複合パネル(1)の下端から条溝(G)群内を上昇する空気流(a)を、外壁複合パネル(1)の上端から軒天換気口(24C)を介して放出可能とした、木造建物の外張り断熱構造。
  2. パネル受金具(6)は、アングル形態であって、水平辺(6F)が空気孔(H6)を備え、ボルト挿入用孔(H6´)を備えた垂直辺(6W)を、後打ちボルトアンカー(5B)で鉄筋コンクリート基礎立上り部(5)の前面に固定した、請求項1の外張り断熱構造。
  3. パネル受金具(6)に載置した外壁複合パネル(1)は、条溝(G)群の下端を連通する横断条溝(G´)を備え、パネル受金具(6)の水平辺(6F)に配置した空気孔(H6)が、横断条溝(G´)に連通している請求項1又は2の外張り断熱構造。
  4. パネル受金具(6)に載置した外壁複合パネル(1)は、横断条溝(G´)下端位置で、通気バッカー(15C)を水平辺(6F)上に載置し、通気バッカー(15C)の前面の、セメント板(1A)下端辺(ed)と、水平辺(6F)上面との間隔(sd)にはバックアップ材(15B)を介してシーリング(15A)を充填した、請求項3の外張り断熱構造。
  5. 外壁複合パネル(1)は、木造躯体(WF)の柱(21A)及び間柱(21B)の外面に構造用面材(13)を張設し、構造用面材(13)の外面に外壁複合パネル(1)を一体化張設した、請求項1乃至4のいずれか1項の外張り外壁構造。
  6. 外壁複合パネル(1)の上下接続は、下方複合パネル(1)の上端での、断熱層(1B)のセメント板(1A)に対する大段差(d3)突出と、上方複合パネル(1)の下端での、断熱層(1B)のセメント板(1A)に対する小段差(d2)入り込みとで、断熱層(1B)相互を衝合当接し、下方のセメント板上端辺(eu)と、上方のセメント板下端辺(ed)との目地間隔(d2)には、平板状バックアップ材(15B)を断熱層(1B)の前面に当接延展し、バックアップ材(15B)の前面をシーリング(15A)で充填して横目地(dx)とした、請求項1乃至5のいずれか1項の外張り外壁構造。
  7. パネル受金具(6)は、コンクリート基礎立上り部(5)と一体化した基礎複合パネル(3)の上方位置で、且つ、水平辺(6F)が基礎立上り部(5)の天端(5u)より下方位置で、基礎立上り部(5)前面に固定し、パネル受金具(6)の水平辺(6F)の下面と基礎複合パネル(3)の上端面とに亘り、後貼り基礎複合パネル(4)を空密的に張設した、請求項1乃至6のいずれか1項の外張り断熱構造。
  8. 基礎複合パネル(3)、及び後貼り基礎複合パネル(4)は、共に、断熱層(3B)にセメント板(1A)を、上端でセメント板(1A)が入り込んだ形態の層着であり、後貼り基礎複合パネル(4)を基礎複合パネル(3)上に相欠け接続で張設し、且つ、後貼り基礎複合パネル(4)のセメント板上端辺(eu)と、パネル受金具(6)の水平辺(6F)下面との間隔(su)は、バックアップ材(15B)を介してシーリング(15A)した、請求項1乃至7のいずれか1項の外張り断熱構造。
  9. 後貼り基礎複合パネル(4)は、断熱層厚(T31)が、基礎複合パネル(3)の断熱層厚(T30)より小であり、断熱層(3B)の背面を接着剤(18D)で基礎立上り部(5)の前面に貼着し、且つ、セメント板(1A)表面から後打ちアンカー(18C)を基礎立上り部(5)に打込んだ、請求項1乃至8のいずれか1項の外張り断熱構造。
  10. 外壁複合パネル(1)の断熱層(1B)は、条溝(G)間に散在する肉厚部(1C)が、層着面(1S)上の面積の実質上50%を占め、且つ、両端に存在し、セメント板(1A)は、厚さ(T2)が12〜13mmで、比重が0.8〜1.1で、曲げ強度が100〜120kgf/cmである、請求項1乃至9のいずれか1項の外張り断熱構造。
  11. 外壁複合パネル(1)は、断熱層(1B)の厚さ(T3)が75mm であり、条溝(G)の深さ(Gd)が12〜20mmであり、条溝幅(a1)が肉厚部(1C)の幅(a2)と同一であり、且つ、両側の肉厚部(1C)の幅(a3)が中間肉厚部(1C)の幅(a2)の1/2である、請求項10の外張り断熱構造。
  12. 層着面に通気用条溝(G)群を備えた発泡プラスチック系断熱層(2B)に、屋根下地材(2A)を層着した屋根断熱複合パネル(2)を、条溝(G)が軒部(8)から棟部(7)への通気可能に、野地垂木(23B)に載置支承して、木造躯体(WF)に屋根として固定し、外壁複合パネル(1)の上端の断熱層(1B)と、屋根複合パネル(2)の下面とを空密閉止した、請求項1乃至11のいずれか1項の外張り断熱構造。
  13. 外壁複合パネル(1)の最上端面は、屋根勾配に整合する勾配面(Fu)とすると共に、断熱層(1B)の勾配面(Fu)を屋根複合パネル(2)の下面(Fd)と隙間追従シート(14B)で空密閉止した、請求項12の外張り断熱構造。
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