JP2002227320A - 鉄筋コンクリート造の外断熱建築物 - Google Patents

鉄筋コンクリート造の外断熱建築物

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 鉄筋コンクリート造で壁式構造の外断熱建築
物に於いて、建築コストの低減化と高耐久性化を達成す
る。 【解決手段】外側のセメント板と内側の断熱層とを備え
た外断熱乾式密着型の複合パネルA,Bを用いて耐力壁
1部と帳壁W2部とから成る外壁を備えた鉄筋コンクリ
ート造の壁式構造とし、耐力壁W1部では複合パネル
A,Bをコンクリート打ち型枠に用いて耐力壁W1部の
鉄筋コンクリート壁と一体化し、帳壁W部では複合パ
ネルA,Bのみの張設で外壁を形成して、従来の非耐力
壁部での鉄筋コンクリート打設を全て廃し、屋上を含む
外周全体に断熱層を配置してコンクリート躯体全体を外
断熱とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄筋コンクリート
造の外断熱建築物に関するものであって、省エネルギー
で住環境に優れ、且つ高耐久性の外断熱建築物の低コス
ト化を実現した新規な建築物に関するものであり、鉄筋
コンクリート建築の分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】〔外断熱工法〕従来の外断熱工法として
は、例えば図16(A)に示す如く、A.外装材と断熱
材との間に通気層を設け、断熱材の湿潤による機能低下
防止と外装材の温度上昇を防止する通気層型、B.外装
材と断熱材とが密着した型であって、断熱複合パネルを
取付ける乾式工法(B1型)と、断熱材を躯体に取付け
た後に外装材としてモルタル等を断熱材表面に塗る湿式
工法(B2型)との密着型、C.外装材と断熱材の間に
密閉空気層を設ける密閉空気層型、D.他の各工法の外
装材を二重に用いて二重壁構造とする型であって中断熱
と称されている型、等が典型的工法である。
【0003】上記従来工法にあって、Aの通気層型は、
断熱材として定形材、不定形材のいずれも使用可能であ
るが防火上の対策が必要であり、また、外装材にはPC
版、金属パネル、組積等を使用するため、コスト高とな
る。また、B1の乾式密着型は他の工法と比べてコスト
が安価ではあるが、外装材と断熱材との間に結露(境界
面結露)を発生させる問題がある。また、B2の湿式密
着型にあっては、モルタル等塗布の湿式工法であるた
め、塗布外装材の乾燃収縮でひび割れが発生し易く、信
頼性に乏しく工期も長くかかる。また、Cの密閉空気層
型にあっては、空気層が断熱層として機能するが、内部
結露を発生する問題がある。
【0004】〔外断熱複合パネル〕外装材としては、B
1の乾式密着型やCの密閉空気層型等に使用される外断
熱複合パネルとしては、セメントモルタルと耐アルカリ
ガラス繊維を構成素材としたセメント板(GRC系)
や、セメント、石灰質原料、ケイ酸質原料、ガラス繊
維、スラグ、石膏、パーライト等を用いて板状に成形
し、養生、硬化させた防火材料(窯業サイディング)
や、火山れきとフライアッシュを主原料に耐アルカリガ
ラス繊維を補強材に用い、フェノール樹脂で固めた防火
材料(GFPC系)等が典型的に採用されている。
【0005】そして、B1の乾式密着型外断熱工法での
複合パネルのコンクリート躯体への取付けは、これら外
装材を備えた複合パネルを、図16(B)に示す如くコ
ンクリート外側型枠とし、内側型板66と共に、Pコン
63,KPコン64,パネルセパレータ65を備えたセ
パレータ62を介してコンクリート型を構成し、図16
(C)に示す如き複合パネル固定用のアンカー68を備
えたボルト67を複合パネルの適所に配置固定してコン
クリート壁5を打設し、型板66を取外して、コンクリ
ート壁5に複合パネル(60,61)を一体化張設して
いる。
【0006】〔鉄筋コンクリート造壁式構造〕図17
は、従来の4階建集合住宅としての鉄筋コンクリート造
壁式構造体の略示斜視図であって、鉄筋コンクリート打
設で建物の外壁、内壁を壁梁WLや小梁で一体化してい
る。そして、コンクリート躯体には、建物の自重や積載
荷重などの鉛直荷重(垂直荷重)と地震力などの水平荷
重とを支える耐力壁W1と窓枠等の開口部R1上下の非耐
力壁W0が各所に散在して、耐力壁W1の必要基準壁量を
充足した壁式構造となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】外断熱建築物は、結露
が防止出来て健康的な省エネルギー、且つ高耐久性の建
物であることは業界の常識ではあるが、内断熱建築物と
比べて建築コストが割高となるため、コスト要因が普及
の阻害要因となっていた。外断熱工法の中で、前述のB
1(図16(A))の外装材と断熱材との密着した複合
パネルを用いる乾式工法は、比較的にコストが安いが、
外装材と断熱材との間に境界面結露を発生させる問題を
有している。
【0008】また、外装材と断熱材との密着した従来の
GRC系、窯業サイディング、GFPC系等各種複合パ
ネルは、コンクリート躯体と一体化使用するものであ
り、しかも外装材自体も薄いため、強度、耐凍害性等の
問題を有している。また、押出成形セメント板(EC
P)は、曲げ強度はコンクリートの約5倍、圧縮強度は
コンクリートの約2倍と高い強度を有し、吸水率が16
%以下で耐凍害性に優れてECP板は外部に素地のまま
使用が可能ではあるが重いために、従来は、単体で外装
材として使用するのが普通である。
【0009】また、図17の鉄筋コンクリート造の壁式
構造体にあっては、耐力壁をバランス良く配置して上階
の荷重をスムーズに基礎へ伝達する必要上、大きな空間
を作ることが出来ないため、例えば、店舗兼用賃貸マン
ション等の併用建物には無理があった。また、戸境いや
間仕切などの壁が多くてコンクリート型枠組みは煩雑で
手間がかかり、しかも多くのコンクリート仕切壁の制約
によって、建物の間取り計画の自由性がなく、使用上も
かなりの制約を受けていた。更に、鉄筋コンクリート造
として壁を連続させるために、例えば窓枠等の開口部R
1の壁は、壁量として利用出来ない非耐力壁W0となるに
もかかわらず鉄筋コンクリートとせねばならず、開口部
1周囲のコンクリート型組みが煩雑である上に、非耐
力壁W0部のコンクリートの存在により建物の重量も大
となって基礎への負荷の増大を生じ、建物の根入れ(基
礎土木工事)の負担増となっていた。
【0010】また、非耐力壁W0部を空間として、例え
ば、異材料のコンクリートブロック仕立てでモルタル塗
布仕上げしても美観が悪く、且つ、取合い部分にひび割
れが生じる等の問題が発生し、非耐力壁W0の壁コスト
低減も出来なかった。更には、床スラブのスパンが長い
場合には、床スラブの厚さも大となり、建物の重量を支
えるために鉄筋使用量も増え、小梁を設けなくてはなら
ず、小梁が居住空間に突出して居室の利用性を悪化す
る。
【0011】本発明は、これら外断熱工法面、外装材
面、鉄筋コンクリート造壁式構造面等、個々の観点か
ら、従来の外断熱建築物に内存する問題点とその解決手
段を研究し、複合パネル面、断熱工法面、及び壁式構造
体面上の各種問題点を、建築物としての相互関連技術と
して改善、開発し、従来の外断熱建築での種々の問題を
一挙に解決したものであり、高耐久性で建築コスト低減
化を可能とした、画期的な鉄筋コンクリート造外断熱建
築物を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】例えば、図1、
図7に示す如く、外側のセメント板1a,1bと内側の
断熱層2とを備えた外断熱乾式密着型の複合パネルA,
Bを用いて耐力壁W1部と帳壁W2部とから成る外壁を備
えた鉄筋コンクリート造の壁式構造とし、耐力壁W1
では複合パネルA,Bをコンクリート打ち外側型枠に用
いて耐力壁W1部の鉄筋コンクリート壁5と一体化し、
帳壁W2部では複合パネルA,Bのみの張設で外壁を形
成し、屋上を含む外周全体を外断熱とした鉄筋コンクリ
ート造の外断熱建築物とした(請求項1)。
【0013】尚、「帳壁W2部」とは、外壁のうち、耐
力壁W1部以外の壁であって、図1、図2から明らかな
如く、窓枠の上下の壁部等、構造設計上耐力壁に計算出
来ない壁部分であって、コンクリート躯体の外壁のうち
耐力壁W1部以外の部分である。また、「セメント板」
は、押出成形セメント板(ECP)や、セメントモルタ
ルと耐アルカリガラス繊維から成るセメント板(GRC
P)等、各種セメント板を含むものであり、「断熱層」
は、押出法ポリスチレンフォーム、硬質発泡ウレタンフ
ォーム等の合成樹脂発泡断熱材層をはじめ、断熱材とし
てセメント板に積層一体化されるものを広く意味するも
のである。また、「複合パネルA,Bのみの張設」は、
コンクリート壁5の存在しない壁面の開口部を複合パネ
ルAやBを張っただけで外壁を形成することであって、
複合パネルがコンクリート躯体の開口部に、外壁として
の機能を奏するように取付けられておれば良く、複合パ
ネルの選択や取付構造は問わない。勿論、帳壁として用
いる複合パネルA,Bは、パネル自体が外壁として耐え
られるだけの強度を有するものである。また、「外断熱
密着型」とは、従来技術の説明中で断熱工法B1型とし
て述べた如く、セメント板と断熱層とが乾式密着したタ
イプを指すものであり、湿式密着型(B2型)は含まな
い。
【0014】上記解決手段で得られる建築物は、壁式構
造ではあるが帳壁W2部、即ち、耐力壁として壁量に算
入することの出来ない、耐力壁以外のコンクリート壁部
でのコンクリート壁打が無いため、窓枠上下部等の非耐
力壁部での鉄筋配置、型枠組、コンクリート打設が省略
出来て、施工量が低減出来、使用材料の減少によって建
物も軽量化出来、建物の軽量化に伴う基礎の根入れ(土
工事)もコストダウン出来、使用材料面、施工量面、施
工日数面から合理化出来る結果、建築費の大幅なコスト
ダウンが達成出来る。
【0015】しかも、外断熱工法も安価な乾式密着型の
複合パネル使用であり、複合パネルのみで外周壁全体の
外断熱化が達成出来るため外周壁の構造面からもコスト
ダウンが達成出来る。従って、外断熱によって省エネル
ギー化され、結露防止によって居室内のカビ、ダニ発生
が阻止出来ると共に、コンクリート壁のヒートストレス
によるひび割れや、コンクリート中性化の抑制も出来、
高耐久化された快適な住環境の建築物が低コストの建築
費で得られる。
【0016】また、複合パネルA,Bは、セメント板1
a,1bに外部からの空気を上下に貫流させる通気層3
a,3bを備えたものとした(請求項2)。従って、安
価な乾式密着型複合パネルであり、セメント板が断熱層
より透湿抵抗が大であるにもかかわらず、セメント板が
通気層を備えているため、乾式密着型パネルの重大欠陥
である断熱層とセメント板との境界面結露が完全に防止
出来て、外断熱による結露防止がより一層達成出来、壁
体結露に起因するカビやダニの発生及び建物の劣化も、
長期間にわたって抑えることが出来る。しかも、外装材
としてのセメント板自体も、通気層によって熱応力(ヒ
ートストレス)の影響が最低限に抑えられて耐久性が向
上し、セメント板自体のヒートストレスに伴う目地シー
リングや外装塗膜の劣化も防止出来、外装材(セメント
板)の仕上げ(タイル貼り、塗装)の自由性が保障出来
る。
【0017】また、窓枠等の開口部R1とその側方に存
在する開口側面部Rsを含む大開口部Rは、通気層3
a,3bを備えたセメント板1bと合成樹脂発泡体断熱
層2と内装材4との一体化積層された複合パネルBを張
設して帳壁W2部とした(請求項3)。尚、「一体化」
は、複合パネルBとして各構成材料が一体となった構造
を意味し、セメント板、合成樹脂発泡体断熱層、内装材
の既成形3部材相互を接着剤を介在させて一体化したも
のも、セメント板と内装材との間(キャビティ)に発泡
性合成樹脂を注入発泡して合成樹脂の発泡凝固接着力で
3部材相互を一体化したもの(特許第2999980号
パネル)も含むものである。
【0018】従って、図1に示すとおり帳壁W2部が、
図17に示す従来の鉄筋コンクリート造壁式構造の非耐
力壁部、即ち開口部R1、よりはるかに広範囲となり、
鉄筋コンクリート壁部がはるかに少なくなるため、鉄
筋、コンクリート、型枠等の使用量低減化、型枠施工量
の低減化、施工日数の短縮化がより一層達成出来、建築
コストの大幅なコストダウンが達成出来る。しかも、複
合パネルは内装材4をも具備しているため、内装材4を
そのまま仕上材とすることも、内装下地材に用いること
も可能であって、居室内仕上げが省力化出来る。
【0019】また、耐力壁W1部のコンクリート壁厚T
を、鉄筋コンクリート造壁式構造の設計基準壁厚T0
り厚くし、打設コンクリート壁5として、水セメント比
55%、スランプ値12cm、呼び強度24N/mm2のコ
ンクリートを用いた(請求項4)。尚、「設計基準壁厚
0」は、日本建築学会の壁式鉄筋コンクリート造計算
基準に規定の壁厚であり、建物の高さ及び各階毎の耐力
壁厚を決めた数値である。
【0020】従って、鉄筋コンクリート造壁式構造の設
計基準から、使用コンクリートの規定強度の18N/mm
2(一般)よりも強度の大なコンクリートを使用するこ
とによる許容壁量低減と、耐力壁厚Tが基準壁厚T0
り大であることによる許容壁量低減とにより、耐力壁W
1部の水平方向長さがより低減出来て大開口部Rが広範
囲に設定出来、耐力壁W1として充分な強度を有するコ
ンクリート壁5の打設の使用型枠量がより一層低減出
来、建築費のコストダウンが達成出来る。
【0021】また、コンクリート躯体は、床スラブSを
無梁床のフラットプレート構造とし、床スラブSの外側
に壁を配したチューブ構造とすると共に、各床スラブS
間の適所に鉄骨柱P0,P1をピン接合構造で配置して、
柱列帯が直角の2方向に存在する床スラブ(ツーウェイ
スラブ)とした(請求項5)。
【0022】従って、コンクリート躯体は、壁式構造と
フラットプレート構造の合体であって、ツーウェイスラ
ブで床スラブへの水平、垂直荷重をチューブ構造の外壁
に伝達するため、梁が不要となる。また、床スラブを区
切る小梁等の耐力壁も存在しないフラットプレートのた
め、型枠施工、鉄筋施工、内装の作業性が向上し、間取
り設計の自由度も向上すると共に、建物の使用期間中で
の間取り変更も自由となる。そして、各柱Pはピン接合
構造で水平力を受けない構造となるため断面の小さな柱
とすることが出来、床スペースの有効利用上有利であ
る。
【0023】また、帳壁W2部は、内部に多数の並設貫
通孔3bを有する押出成形セメント板1bと、該セメン
ト板内側面に固定したアングル鋼材から成る上枠6a及
び下枠6bと、上下枠間に充填一体化した合成樹脂発泡
体断熱層2と、内装材4とを備えた複合パネルBを、床
スラブSに固定した取付金具10に、該複合パネルBの
上枠6a及び下枠6bを介して固定張設した(請求項
6)。尚、合成樹脂発泡体断熱層の「充填一体化」は、
押出成形断熱板を接着剤を介して充填一体化したものも
含む。
【0024】該複合パネルは、典型的には特許第299
9980号の複合パネルB1であり、押出成形セメント
板がコンクリートに対して約5倍の曲げ強度と、約2倍
の圧縮強度を有し、しかも複合パネルの上下枠及び両側
縦枠が共にアングル鋼材で充分な強度を有するため、複
合パネルBのみで充分な外壁強度を備えており、複合パ
ネルBを取付金具10を介して床スラブに固定するだけ
で帳壁が容易に形成出来、帳壁W2の内装仕上げも省力
化出来る。
【0025】また、複合パネルBは、押出成形セメント
板1bの通気層として、内部の多数の貫通孔3bに加え
て内側面に多数の条溝3aを備えている(請求項7)。
従って、貫通孔3bの存在によってセメント板のハニカ
ム構造による軽量化、ヒートストレス軽減化を達成する
と共に、条溝3aが断熱層の界面結露を有効に阻止し
て、貫通孔3bと条溝3aでの通気によりパネルの断熱
機能低下をより一層抑える。また、複合パネルBは、押
出成形セメント板1bの条溝3a面と合成樹脂発泡体断
熱層2との間に防護シート8を有している(請求項
8)。尚、保護シート8は典型的にはクラフト紙であ
る。従って、この複合パネルBにあっては、合成樹脂発
泡体断熱層2の充填一体化を発泡性合成樹脂の注入発泡
成形で実施可能となり、複合パネルBの製造が容易とな
る。
【0026】また、窓枠アルミサッシ17の雨切17a
及び水切17bに空気孔H17を配置して、アルミサッシ
17上下の複合パネルBの貫通孔3bを空気孔H17と連
通構造とした(請求項9)。従って、開口側面部Rsに
張設した複合パネルBと共に、窓枠開口部R1上下の短
寸の複合パネルBも貫通孔3bでの空気貫流が達成出
来、耐力壁W1部の複合パネルと共に建物全外周の壁面
が空気貫流するため、建物全外周壁が均質の外断熱及び
結露防止能を発揮し、住環境に優れた建物の省エネルギ
ー化、高耐久化に有利である。
【0027】また、複合パネルBの床スラブSへの張設
は、アンカー片10bを床スラブSに埋設して固定した
アングル鋼片から成るプレート受10aに対し、下方複
合パネルBの上枠6aの取付孔H6と上方複合パネルB
の下枠6bの取付孔H6とに貫通した連結ピン10eを
後部に有する取付プレート10dの前部を位置調整して
プレート受10aの水平板10a´上に固定した(請求
項10)。従って、上下複合パネルBは1本の連結ピン
10eへの挿通によって垂直レベルが維持され、取付プ
レート10dの前後調整によって複合パネルBの床スラ
ブSへの位置も均斉に出来、アンカー片10bを備えた
プレート受10aをコンクリート壁打設時に床スラブS
に固定しておけば、帳壁W2部の複合パネル張設が、コ
ンクリート壁5打設後の後取付け手段で、均斉且つ容易
に実施出来る。
【0028】また、複合パネルBの床スラブSへの張設
は、上方複合パネルBの下枠6bと下方複合パネルBの
上枠6aとの各取付孔H6に貫通した連結ピン10eを
後部に固定した取付プレート10dの前部を、該プレー
ト10d前方から延出したアンカー片10bと共に床ス
ラブS内に埋設した(請求項11)。従って、コンクリ
ート型枠施工時にアンカー片10bを配筋中に設定する
ことにより、床スラブSのコンクリート打設によって複
合パネルBの床スラブSへの固定が出来、耐力壁W1
の複合パネルと帳壁W2部の複合パネルが同時に施工出
来、施工工数の低減化が達成出来る。
【0029】また、複合パネルBの下端面Beが床スラ
ブSの上面Sfより若干下方に位置している(請求項1
2)。従って、上方複合パネルBの下端面Beと下方複
合パネルBの上端面Btとの間隙d1(図5、図6)に
は外仕上げ時にシーリング9(図9)が施されるが、例
えシーリングが劣化して間隙d1から雨水が浸入して
も、床スラブの上面Sfへの侵入は防止出来る。
【0030】また、 複合パネルBの上下各連接部Bc
では、押出成形セメント板1bの外面板1b´相互間、
及び内面板1b´´相互間にシーリング9(図9)を付
与した(請求項13)。従って、外面板1b´間のシー
リング9が劣化して雨水がセメント板1bの連接部Bc
から浸入しても、該侵入雨水はセメント板内部の多数の
貫通孔3bから下方へ流下するので、内面板1b´´相
互間のシーリング9さえ機能すれば雨水侵入が阻止出
来、外面板1b´に施すシーリングは、メンテナンスの
必要がなく、シーリングフリーとなる。
【0031】また、耐力壁W1部は、内側面に通気層と
しての多数の条溝3aを有する押出成形セメント板1a
と、該セメント板1a内側面に当接一体化した合成樹脂
発泡体断熱層2とを備えた複合パネルAを、合成樹脂発
泡体断熱層2と打設コンクリート壁5との間にプラスチ
ックシート等の水不透性シート7を介在してコンクリー
ト壁5と一体化した(請求項14)。従って、打設コン
クリート壁5の乾燃により放出される水分は室内側へ流
れ、断熱層2の水分吸収による機能劣化が阻止出来る。
【0032】また、複合パネルAが、内側面の条溝3a
面と断熱層2との間に防護シート8を備えている(請求
項15)。従って、セメント板1a内面に合成樹脂の注
入発泡によって断熱層を一体化成形しても条溝3a群を
ふさぐ心配がなく、複合パネルAの製造が容易となる。
【0033】また、複合パネルA,Bの上下連接部A
c,Bcでは、条溝3aの空気流aの上下連通を保障す
るバッカ−材9aを介してシーリング9を付与した(請
求項16)。尚、バッカ−材は条溝と略同一形態の凹凸
面を備えておれば良く、また材料自体の空気貫流機能で
空気連通を保障しても良い。従って、バッカ−材9aも
上下の条溝3a間を連通させるための凹凸条3a´(図
8)等で上下セメント板1a間に上下連通機能を奏する
ため、シーリング9の充填付与によっても複合パネル
A,Bの条溝3aによる空気の上下貫流は保障出来る。
【0034】また、複合パネルAと複合パネルBとは、
断熱層厚は同じであるが、セメント板厚が異なり、セメ
ント板1aよりセメント板1bの方が厚いようにした
(請求項17)。従って、同一断熱機能を奏するため、
耐力壁W1部内にパネルA,Bを併用して、セメント板
厚の相違によりデザイン効果を得ることも可能であり、
また、複合パネルAの耐力壁W1部と複合パネルBの帳
壁W2部とは壁厚差による識別が出来、美観上も、メン
テナンス上も有利である。
【0035】また、本発明の建築物に好適な複合パネル
2としては、内部に上下貫通孔3bを多数並設配置し
た形態の押出成形セメント板1bの上下内面に、等辺山
形鋼から成る上枠6a及び下枠6bの垂直辺をZクリッ
プ70で固定してセメント板1bの複数枚を上下枠に並
列一体化すると共に、上下枠6a,6bの各端部から離
間寸法L71を有する形態に補強平鋼板71をクロス掛け
して各平鋼板71の適所を固定ボルト72でセメント板
1bに固定し、上下枠6a,6b間に平鋼板71及びセ
メント板1bを覆う形態で、厚さt2が上下枠6a,6
bの水平突出幅L70より厚い合成樹脂発泡体断熱層2
を、合成樹脂発泡体断熱層2上には内装材を一体化積層
した(請求項18)。
【0036】尚、「一体化積層」は、押出成形断熱板及
び内装材(図示せず)をセメント板と接着剤を介して相
互面接着しても、セメント板1bと内装材とを型枠にセ
ットして注入発泡合成樹脂の凝固接着力によって3層を
一体化積層しても良い。従って、該複合パネルB2は、
セメント板が通気層としての貫通孔3bを有し、上下枠
6a,6bを備え、断熱層2及び内装材を備えているた
め、本発明建築物の帳壁用複合パネルとして適してお
り、補強平鋼板71を内在し、しかも補強平鋼板71が
各所でセメント板と固着しているため外壁用帳壁として
充分な強度を備え、両側縦枠6cを省略しても支障な
い。更に、平鋼板の端部が枠体と離間寸法L71を保って
非接触であるため、及び断熱層が枠6a,6bの水平突
出幅より厚いために、熱橋防止効果も奏し、結露防止に
優れている。
【0037】
【発明の実施の形態】〔耐力壁用複合パネルA(図4、
図7)〕図4及び図7に示す如く、厚さt1が25mmで
深さt3が13mmの条溝3aを内面に多数並設した形態
に、セメント、ケイ酸質原料及び繊維質原料を用いて押
出成形し、オートクレーブ養生して押出成形セメント板
を構成する。そして、断熱層2として、厚さt2が75m
mの押出法ポリスチレンフォーム板を該セメント板の条
溝3a面に、各条溝がつぶれないように接着剤で積層一
体化して複合パネルAを構成する。
【0038】〔帳壁用複合パネルB(図7、図9、図1
5)〕図7及び図9に示す如く、外装板としての押出成
形セメント板1bは、厚さt 6が12mmの外面板1b´
及び内面板1b´´を備え、幅t5が36mmの上下方向
貫通孔3bを内部に並列配置し、板厚t4が60mmの形
態に、複合パネルAのセメント板1aと同一材料で型押
出し成形したものを用いる。
【0039】そして、該押出成形セメント板1bの3枚
を1組とし、等辺山形鋼のアングル鋼材の上枠6a及び
下枠6b(図5、図15)を該セメント板1bとZクリ
ップ70(図15)により固定し、上下枠間には縦枠6
c(図7)を渡して各アングル片の枠6a,6b,6c
の各内方への起立辺によってセメント板1b内側面四周
に枠囲いを形成し、該枠囲い内に厚さt2が75mmで硬
質発泡ウレタンフォーム板の断熱層2を、更に断熱層2
上に12.5mm厚の石膏ボード4の2枚を、共に接着剤
を介して圧接積層一体化し、複合パネルBとする。
【0040】尚、帳壁用複合パネルBとしては、特許第
2999980号の複合パネル(断熱層の注入発泡形成
により積層一体化)B1を用いても良い。また、複合板
パネルBとして、図15に示す如く、辺幅L70が50mm
の等辺山形鋼を枠材として使用し、セメント板1bの内
側面に、幅d3が50mm、厚さ6mmの平鋼板71の2枚
を、各先端が各枠と接触しない離間寸法L71を有する形
態にクロス掛けし、固定ボルト72により固定し、厚さ
2が75mmの押出法ポリスチレンフォーム板又は硬質
発泡ウレタンフォーム板を断熱層2とし、断熱層2上に
12.5mm厚の内装材(石膏ボード)を用い、セメント
板、断熱層、内装材相互を接着積層一体化し、熱橋防止
に好適な複合パネルB2を用いても良い。
【0041】〔コンクリート躯体構造(図1、図2、図
3)〕図1、図2に示す如く、4階建て(但し図面では
4階を切除)、長さXが22.65m、奥行きYが7.
85mで中階段の開口部Oが2.45mの建物を対象とす
る。窓を配置する前面には各窓開口部R1と開口側面部
Rsを含む大開口部Rを配置し、耐力壁厚T1は220m
mであって、大開口部R側方の各耐力壁W1は幅W10が8
00mmであり、床スラブSは1枚のフラットプレートで
あって、床スラブS上には図17に示す如き耐力壁や小
梁等のコンクリート構造物は存在しない構造である。ま
た、床スラブ厚は、大開口部R1を有するX1側では18
0mm、X 2側では150mmとする。そして、慣用の配
筋、型枠を施して、水セメント比55%、スランプ12
cm、呼び強度24N/mm2のコンクリート(基準値18
N/mm2)を用いて打設構築する。
【0042】図4に示す如く、建物の外壁の耐力壁W1
部には、コンクリート型枠工時に複合パネルAの適所に
皿ボルト12aで断熱層2の内側に断熱アンカー12を
突出固定した形態で複合パネルAをコンクリート外側型
枠とし、慣用のセパレータ手段(コンクリートセパレー
タ62,Pコン63,KPコン64,パネルセパレータ
65)を介して内側型枠(図示せず)と共に型枠を形成
し、コンクリート打設による躯体構築と共に、複合パネ
ルAが外面に固着された耐力壁W1部を形成する。図4
に於いて、h0は皿ボルト頭部の入り込んだ凹穴(図4
(C))であり、h1はセパレータ孔であり、仕上時に
はh0,h1共充填物を付与する。尚、図12に示す如
く、複合パネルAの外側に桟木13で厚さ補充すれば、
複合パネルA,Bの型枠としての併用が可能となり、内
装材4を省略した複合パネルBを耐力壁W1部に複合パ
ネルAと共に用いると、両パネルの各セメント板の厚み
差(パネルAのセメント板厚t3:25mm、パネルBの
セメント板厚t4:50mm)により、建物外観のデザイ
ン効果が得られる。
【0043】〔柱の配置(図2、図3)〕内外柱は角鋼
管を用い、内柱P1は1階が125×125×9(タテ
125mm、ヨコ125mm、厚さ9mm)、2階及び3階が
125×125×6、4階が125×125×4.5と
し、外柱P0は1階が100×100×9、2階が10
0×100×6、3階が100×100×4.5、4階
が100×100×3.2とする。また、図3に示す如
く、各角鋼管は、下端にはアンカー用ボルト孔H31を有
する柱脚プレート31を、角鋼管上端にはスタッドボル
ト33を上面に固設した柱頭プレート32を予め溶接固
定したものである。
【0044】柱脚プレート31及び柱頭プレート32
は、柱の配置間隔、負荷荷重等から選定するが、本実施
例の建物にあっては、柱間隔PXを5.95m、PY
2.8mとし、各柱P0,P1がX方向、Y方向に柱列帯
をなすツーウェイスラブとする。また、柱脚プレート3
1を1階、2階は245×245×20(タテ245m
m、ヨコ245mm、厚さ20mm)、3階、4階は245
×245×16とし、柱頭プレート32を、1階、2階
は245×245×20、3階、4階は200×200
×16とし、柱脚プレート31下面の床スラブSへの剪
断破壊(パンチングシャー)の生じない構造とする。
【0045】各角鋼管柱P0,P1の固定は、外階の床ス
ラブSが固まった時点で柱脚プレート31をそのアンカ
ー用のボルト孔H31を介してケミカルアンカーボルト
(図示せず)で床スラブSに固定し、上階床スラブの型
組み時に、柱頭プレート32のスタッドボルト33を型
内に入れ、上階床スラブSのコンクリート打設によって
スタッドボルト33及びアンカー機能を有する頭部33
´を配筋と共にコンクリート中に埋設固定する。
【0046】〔帳壁の張設〕 〔例1(図5)後取付け〕図5に示す如く、取付金具1
0の固定片10fとして、75mm×75mmで厚さ6mmの
等辺山形鋼から成る長さ200mmのプレート受10aの
垂直辺に直径19mmで先端に下方屈曲部10b´を備え
た150mm長のアンカー片10bを溶接固定し、プレー
ト受水平辺上面の両側及び前端を囲うための幅10tが
20mmのコンクリート止10cを図5(B)の如く水平
辺下面に溶接し、該固定片10fを予め床スラブSの型
枠内に配置して、コンクリート打設によって図5(A)
の如くコンクリート止10c内にはコンクリートが流入
せず、且つ、アンカー片10bがコンクリート内に強固
に把持固定された形態に固定しておく。
【0047】複合パネルB側は、前後幅160mm、長さ
180mmで9mm厚の取付プレート10dの後方のピン孔
Heに上下に突出固定した連結ピン10eを固定し、該
連結ピン10eの上半を上方パネル下枠6bの連結孔H
6に、下半を下方パネル上枠6aの連結孔H6に挿通した
状態で、取付プレート10dをプレート受10a上で前
後左右の位置調整した後、取付プレート10dをプレー
ト受10a上に溶接孔Hmを介して溶接固定し、下枠6
bの下端レベル(下端面Be)、即ち、取付プレート1
0dの上面が、図5(A)の如く、床スラブ上面Sf
りd2(11mm)下方に位置する状態で固定する。
【0048】図5に示す如く、下方複合パネルBの上端
面Btと上方複合パネルBの下端面Be間d1は20mm
であって、取付プレート10d部以外は断熱板22を挟
着させ(図9)、取付プレート部の上下枠6a,6b間
には現場注入で硬質発泡ウレタンフォームを充填し、コ
ンクリート止内にはモルタル充填する。勿論、床スラブ
Sと複合パネルB間に出来た間隔(図9)にもモルタル
23を充填する。また、複合パネルBの上枠6aの取付
金具以外の部分には、図9の如く、厚さ20mm、幅75
mmの硬質ウレタンフォーム板一側にシーリングゴム9b
を接着した断熱板22を予め接着しておき、複合パネル
Bを床スラブS間に張設して帳壁形成後には、各帳壁パ
ネル間の隙間、及びコンクリート壁形成時に同時形成し
た耐力壁パネルAとの隙間にシーリングを充填付与し、
建物の全壁を仕上げる。尚、帳壁W2部は、複合パネル
Bや複合パネルB1(特許第2999980号パネル)
や複合パネルB2(図15)を自由に選択採用する。
【0049】〔例2(図6)先取付け〕図6(B)に示
す如く、後取付けで用いたのと同一の取付プレート10
dを用いて、該取付プレート10dの前方下面には屈曲
延出したL字形態のアンカー片10b(19mm径)を溶
接固定し、プレート10d後部には貫通形態に連結ピン
10eを固着した取付金具10を用意する。次いで、取
付プレート10dと複合パネルBの上枠6aとの間に
は、厚さ11mm、幅100mmの木製飼物60を挟み、取
付プレート10d上には厚さ12mm、幅100mmの型枠
合板片61を載置して飼物60及び合板片61を間隔閉
止型枠とし、取付プレート10dの連結ピン10eの下
方を上枠6aの取付孔H6に挿入して複合プレートBの
上枠6aを取付プレート10dと係止した状態で、金具
10のアンカー片10bを型枠内のスラブ鉄筋(配筋)
内に配置して型組みする。勿論、複合パネルBの上枠6
a上での取付金具10以外の部分には例1と同様に、一
側にシーリングゴム9bを接着した断熱板22が予め接
着してある。
【0050】次いで、スラブコンクリート打設により取
付金具10をスラブコンクリートに固定し、型枠の解体
と共に飼物60及び型枠合板片61も外し、上方パネル
Bの下枠6bの取付孔(図示せず)を連結ピン10eの
上方突出部に嵌挿して下枠6bを取付プレート10d上
に載置し、上方複合パネルBは、下端面が床スラブの上
面Sfより下方レベル(11mm下方)位置に係止固定す
る。
【0051】上方複合パネルBの上端部、即ち上枠6a
の床スラブへの張設は、対向する上方床スラブSの次工
程型枠組み、コンクリート打設時に同様の仕方で実施す
る。飼物60の介在させていた間隔は例1の後取付けで
の間隔処理と同じに処理する。以上のとおり、先取付け
は、床スラブのコンクリート打設と同時に複合パネル上
枠6aと取付金具10との床スラブへの取付けが実施出
来るため、例1の後取付けと比べて、取付金具10が簡
略化出来、施工も工数減により合理化出来る。
【0052】〔窓枠開口部への張設(図13、図1
4)〕図13に示す如く、窓枠は上下の帳壁複合パネル
B間に設置するが、窓枠上下に用いる複合パネルBは、
工場で予め所定寸法に製作した物であって、パネル構造
自体は開口側面部Rsに適用する物と同一である。そし
て、窓枠側に特別の通気手段を付与した。即ち、図6に
示す如く、木製窓枠18及び窓枠固定材19を用い、取
付ピース20でアルミサッシ17の窓枠を固定形成し、
アルミサッシ17の雨切17b及び水切17aには空気
孔H17を穿孔し、複合パネルBの貫通孔3bと水切17
a及び雨切17bに空気流aを生じる構成とし、複合パ
ネルBとアルミサッシ17の各隙間にはシーリング9を
付与する。
【0053】〔外壁天井、屋上(図10、図11)〕1
階に駐車場等を形成して天井部が外壁となる場合は、図
10に示す如く、天井スラブSの下面及び側面に複合パ
ネルAを天井床スラブSの打設と同時に複合パネルAを
外型枠に用いて一体化張設する。床スラブSには複合パ
ネルBを既述の後取付け手段又は先取付け手段により張
設し、水切17aの空気孔H17から貫通孔3bへの空気
流aが生ずるように、パネルBの取付け隙間を処理す
る。勿論耐力壁W1部にあっても、コンクリート壁5に
一体化された複合パネルAの最下端部は水切17と空気
層としての条溝3aとは空気流aが生ずるように始末処
理する。
【0054】屋上部にあっても、図11に示す如く、コ
ンクリート床スラブS及びコンクリート壁5の上部にあ
っても、スラブS上には防水下地モルタル上にアスファ
ルト防水層をコンクリート壁5上端にわたって形成し、
アスファルト上に断熱層として40mm厚のポリスチレン
フォーム板(スキンボード)を2枚敷設し、コンクリー
ト壁5上端の壁梁WLには、断熱層として厚さ30mmの
ポリスチレンフォーム板を敷設し、断熱層上に押えの厚
さ50mmのコンクリート及び笠木下地としての厚さ30
mmのモルタルを施し、耐力壁W1部上端と帳壁W2部上端
との壁厚の相違に対応して幅315mmのアルミ笠木A
(パネルA部分)及び幅350mmのアルミ笠木B(パネ
ルB部分)を施し、各複合パネルA,Bの空気層(条溝
3a、貫通孔3b)をアルミ笠木外端下部(図示せず)
へ連通させ、各複合パネルA,Bの壁面最下端からアル
ミ笠木までの空気流aの貫流を可能とする。
【0055】〔実施例効果〕コンクリート躯体に関して
は、鉄筋コンクリート壁式構造の4階建、中階段で両側
に2LDK8戸の延480m2の建物で、本発明と従来例
とをコンクリート、型枠、鉄筋の使用量の面から比較し
たところ、表1のとおりであった。 (表1) コンクリート量(m3 ) 型枠量(m2 ) 鉄筋量(トン) 従来 284 1930 29.5 本発明 218 1187 19.8 対比(本発明減少%)24.2% 38.5% 23.9% 表1に基づいてコスト面(出願時)で比較したところ、
表2のとおりとなった。 (表2) 従来: コンクリート・・・ (21N/mm2)284m3×(7200円(単価)+2700円(手間)) =2811600円 型枠・・・1930m2×2650(単価) =2967500円鉄筋・・・29.5トン×72000円(材料+工事) =2124000円 計 10050100円 本発明: コンクリート・・・ (24N/mm2)218m3×(7350+2700) =2190900円 型枠・・・1187m2×2500 =2967500円 鉄筋・・・19.8トン×70000 =1386000円鉄骨・・・694kg×250 = 173500円 計 6717900円
【0056】以上のとおり、使用材料面からの単純比較
の下でも、本発明建物は同一規模の従来物に対して3
3.1%のコストダウンとなる。更に、上記比較例での
建物の重量(コンクリート、鉄筋、鉄骨)は、従来建物
が682.7トンで本発明建物が521.9トンであ
り、本発明は23%軽量化出来る。尚、表2に於いて、
従来と本発明とで単価相違があるが、コンクリートは、
設計基準強度が異なるため、型枠は、本発明には梁や、
仕切小壁や、窓枠四周での型工事が無いため、鉄筋は、
手間のかからない床スラブ及び土間の鉄筋の比率の相違
及び施工の難易差によるものであり、本発明は、異形棒
鋼の直径の大きいものを用いていないこと、梁がないの
で肋筋などの手間のかかるものが少ないこと、床スラブ
筋に折曲げ加工筋が無いことにもよる。
【0057】また、本発明建物にあっては、建物が軽量
化して基礎工事費が軽減出来ること、構造体の全体数量
が少ないことや、型枠のスラブが平坦で壁が少ないこと
や、鉄筋の組立の作業性が良いことから工期も短縮出来
ること、壁の開口部に複合パネルBを用いることによ
り、軽量間仕切下地付与や断熱材の吹付けなどの省力化
も出来ること等の面からも建築費がコストダウン出来
る。即ち、本発明建築物は従来物と比べて、実際には、
設計上での計算可能な使用材料面からの33.1%のコ
ストダウンよりも、より大きなコストダウンが可能とな
る。
【0058】また、本発明のコンクリートは、水セメン
ト比55%であり、従来(通常)のコンクリートの水セ
メント比65%と比較すると、中性化期間(硬化したコ
ンクリートが表面から空気中の炭酸ガスを吸収し、コン
クリート中の水酸化カルシウムがカルシウムに変化し、
その結果アルカリ性が失われていく期間)は、鉄筋に対
するコンクリートの被り厚が4cmでは、水セメント比6
5%(従来物)では68年、水セメント比55%(本発
明)では142年となり、コンクリート被り厚3cm(基
準)では、水セメント比65%で38年、水セメント比
55%で80年となる。
【0059】そして、本発明は、コンクリート自体でも
高耐久性である上に、外断熱でコンクリート躯体全外面
を保護しているため、コンクリート壁の結露等による中
性化促進要因が除去されて躯体コンクリートの中性化
も、公称中性化期間値(JASS5、鉄筋コンクリート
工事、日本建築学会)より長期となり、また、外断熱で
保護されたコンクリート躯体はひび割れの要因であるヒ
ートストレスも、本発明が75mm厚の断熱層であるた
め、内断熱のそれに比して約1/25に抑制出来、本発
明の建築物は高耐久建物となる。
【0060】また、本発明建築物は、床が無梁床で15
cm厚以上(図2のX1側18cm,X2側15cm)のフラッ
トプレートでチューブ構造であり、床スラブ上の柱もピ
ン接合タイプで断面の小さな鉄骨柱のツーウェイスラブ
となったため、床スラブSがチューブ構造建物として充
分な強度を備えると共に、上下階の遮音機能も充分有
し、床スラブS上のスペースが有効に利用出来て、間取
りの自由度が高く、しかも居室利用期間内での間取り変
更も自由になる。また、各床スラブ間の高さも、出梁等
が無いため比較的に低く設定出来、10mの高さ規制の
下でも4階建マンションの建築が可能であり、賃貸マン
ションでは事業効率が高くなる。従って、5階建以下の
中低層の建築物としては、建築費、利用性、居住性各面
からみても、画期的な実用性に富んだ外断熱建築物とな
る。
【0061】また、建物の外周壁全体を工場生産品とし
ての複合パネルA,Bで形成するため、製造時の設計ど
おりの機能を備えた外断熱壁が得られ、施工面でも、耐
力壁W1部はコンクリート型枠形成と共に張ることが出
来、帳壁W2部でも取付金具10によって複合パネルの
上下枠を固定するだけの比較的簡単な作業で合理的に施
工出来、しかも、各複合パネルA,Bが通気層を備えて
いるために結露防止機能により建物の耐久性向上に寄与
するのは勿論、コンクリート躯体やパネルのセメント板
のヒートストレスも抑制し、外壁表面への外装塗布等の
自由度及び耐久性も保障するため、施工面、耐久面のみ
ならず、デザイン性付加の面からも、従来の外断熱建築
物よりはるかに有利な建物である。
【0062】
【発明の効果】鉄筋コンクリート造壁式構造でありなが
ら、外周壁の耐力壁として算入出来ない鉄筋コンクリー
ト(図17の非耐力壁W0)を全て工場生産パネルによ
る帳壁としたため、コンクリート、鉄筋、型枠の使用量
の低減化と、施工期間の短縮化が達成出来、耐力壁W1
部及び帳壁W2部の外周壁全部を工場生産品の複合パネ
ルで形成するために、均質な外断熱機能の付与も簡便、
且つ合理的に達成出来、しかも、コンクリート、鉄筋等
の使用量低減によって建物自体の軽量化に伴う基礎土木
工事すらコスト低減出来、壁式構造による柱の出張りの
ない居室空間利用スペースの大な外断熱建築物が、従来
の壁構造外断熱建物に比して、低い建築コストで、しか
も、短い期間で建築出来、建築業界で画期的な実用性の
高い建築物の提供が可能となる。
【0063】また、耐力壁W1及び帳壁W2として用いる
複合パネルは、外側のセメント板が通気層を備えていて
建物の結露を防ぎ、複合パネル及びコンクリート躯体の
ヒートストレスを抑制するため、建物の高耐久化を実現
し、外壁表面に対する外装の自由化を保障してデザイン
性付与にも優れた建築物となる。
【0064】しかも、コンクリート躯体が、壁式構造で
フラットスラブのチューブ構造であるためと、床スラブ
上の柱がピン接合構造であって小断面柱であるために、
居住間取りの自由化、及び間取り変更の自由化が実現
し、居室内に出梁等も存在しないために床スラブ上下間
の高さも比較的に低く出来、一定の高さ制約下でも階数
の多い建物が建築出来、利用効率が良く、居住性の良い
建築物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明建築物の全体斜視図である。
【図2】本発明建築物のコンクリート躯体のみの斜視説
明図である。
【図3】鉄骨柱の斜視説明図である。
【図4】耐力壁部への複合パネルAの付設説明図であっ
て、(A)はコーナー部の部分斜視図、(B)は複合パ
ネルAの外側型枠としての使用状態断面図、(C)は
(B)のC部拡大図である。
【図5】複合パネルBの床スラブSへの後取付け説明図
であって、(A)は取付状態図、(B)は取付金具10
の分解説明図である。
【図6】複合パネルBの床スラブSへの先取付け説明図
であって、(A)は取付状態図、(B)は型枠組み状態
図である。
【図7】耐力壁部と帳壁部との各複合パネル相互の接合
関係を示す斜視図である。
【図8】耐力壁部での上下接合部説明図であって、
(A)は上下接合部の部分斜視図、(B)は通気孔付与
シーリング構造の説明図である。
【図9】複合パネルBの上下接合関係説明斜視図であ
る。
【図10】床スラブSの天井部への複合パネルBの取付
構造を示す図である。
【図11】屋上部への断熱構造付与形態の説明図であ
る。
【図12】複合パネルBを複合パネルAと共にコンクリ
ート壁外型枠として用いる状態の説明図である。
【図13】帳壁内への窓枠の配置状態説明図である。
【図14】複合パネルBと窓枠との取合い状態説明図で
ある。
【図15】帳壁用に用いる変形複合パネルの説明用斜視
図である。
【図16】従来例の説明図であって、(A)は外断熱工
法の説明図、(B)は乾式密着型パネルをコンクリート
外枠に用いた説明図、(C)は(B)の複合パネルのコ
ンクリート壁との固着形態の説明図である。
【図17】従来の鉄筋コンクリート造壁式構造に於ける
コンクリート躯体の説明用斜視図である。
【符号の説明】
1a,1b・・・セメント板、 1b´・・・外面板、 1b
´´・・・内面板、3a・・・条溝(通気層)、 3b・・・貫
通孔(通気層)、 4・・・内装材、5・・・コンクリート
壁、 6a・・・上枠、 6b・・・下枠、 6c・・・縦枠、
7・・・水不透性シート、 8・・・保護シート、 9・・・シ
ーリング、9a・・・バッカ−材、 9b・・・シーリングゴ
ム、 10・・・取付金具、10a・・・プレート受、 10
b・・・アンカー片、 10c・・・コンクリート止、10d
・・・取付プレート、 10e・・・連結ピン、 12・・・断
熱アンカー、12a・・・皿ボルト、 13・・・桟木、 1
4・・・横端太、15・・・フォームタイ、 16・・・セパレ
ータ、 17・・・アルミサッシ、17a・・・雨切、 17
b・・・水切、 18・・・木製窓枠、19・・・窓枠固定材、
20・・・取付ピース、 21・・・現場発泡ウレタン、2
2・・・断熱板、 23・・・モルタル、31・・・柱脚プレー
ト、 32・・・柱頭プレート、 33・・・スタッドボル
ト、60・・・飼物、 61・・・合板片、 62・・・コンク
リートセパレータ、63・・・Pコン、 64・・・KPコ
ン、 65・・・パネルセパレータ、70・・・Zクリップ、
71・・・補強平鋼板、 72・・・固定ボルト、Ac,B
c・・・複合パネル連接部、 A,B,B1,B2・・・複合パ
ネル、P(P0,P1)・・・鉄骨柱、 R・・・大開口部、
1・・・開口部、Rs・・・開口側面部、 S・・・床スラブ、
f・・・床スラブ表面、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 安英 札幌市中央区北2条西28丁目1番18号 有 限会社 ジャック井上アンド・アソシエイ ツ内 Fターム(参考) 2E001 DA03 DD01 FA02 FA03 FA11 FA14 GA17 GA42 HA01 HA04 HA05 HB02 HD01 HD09 HE07 JA01 JA02 JA04 JA06 JA12 JA22 JD09 KA05 LA01 LA04

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外側のセメント板(1a,1b)と内側
    の断熱層(2)とを備えた外断熱乾式密着型の複合パネ
    ル(A,B)を用いて耐力壁(W1)部と帳壁(W2)部
    とから成る外壁を備えた鉄筋コンクリート造の壁式構造
    とし、耐力壁(W1)部では複合パネル(A,B)をコ
    ンクリート打ち外側型枠に用いて耐力壁(W1)部の鉄
    筋コンクリート壁(5)と一体化し、帳壁(W2)部で
    は複合パネル(A,B)のみの張設で外壁を形成し、屋
    上を含む外周全体を外断熱とした鉄筋コンクリート造の
    外断熱建築物。
  2. 【請求項2】 複合パネル(A,B)がセメント板(1
    a,1b)に外部からの空気を上下に貫流させる通気層
    (3a,3b)を備えている請求項1の外断熱建築物。
  3. 【請求項3】 窓枠等の開口部(R1)とその側方に存
    在する開口側面部(Rs)を含む大開口部(R)は、通
    気層(3a,3b)を備えたセメント板(1b)と合成
    樹脂発泡体断熱層(2)と内装材(4)との一体化積層
    された複合パネル(B)を張設して帳壁(W2)部とし
    た請求項1又は2の外断熱建築物。
  4. 【請求項4】 耐力壁(W1)部のコンクリート壁厚
    (T)を、鉄筋コンクリート造壁式構造の設計基準壁厚
    (T0)より厚くし、水セメント比55%、スランプ値
    12cm、呼び強度24N/mm2のコンクリートを用いた
    請求項1乃至3のいずれか1項の外断熱建築物。
  5. 【請求項5】 コンクリート躯体は、床スラブ(S)を
    無梁床のフラットプレート構造とし、床スラブ(S)の
    外側に壁を配したチューブ構造とすると共に、各床スラ
    ブ(S)間の適所に鉄骨柱(P0,P1)をピン接合構造
    で配置して、柱列帯が直角の2方向に存在する床スラブ
    (ツーウェイスラブ)とした請求項1乃至4のいずれか
    1項の外断熱建築物。
  6. 【請求項6】 帳壁(W2)部は、内部に多数の並設貫
    通孔(3b)を有する押出成形セメント板(1b)と、
    該セメント板内側面に固定したアングル鋼材から成る上
    枠(6a)及び下枠(6b)と、上下枠間に充填一体化
    した合成樹脂発泡体断熱層(2)と、内装材(4)とを
    備えた複合パネル(B)を、床スラブ(S)に固定した
    取付金具(10)に、該複合パネル(B)の上枠(6
    a)及び下枠(6b)を介して固定張設した請求項1乃
    至5のいずれか1項の外断熱建築物。
  7. 【請求項7】 複合パネル(B)が、押出成形セメント
    板(1b)の通気層として内部の多数の貫通孔(3b)
    に加えて内側面に多数の条溝(3a)を備えている請求
    項1乃至6のいずれか1項の外断熱建築物。
  8. 【請求項8】 複合パネル(B)が、押出成形セメント
    板(1b)の条溝(3a)面と合成樹脂発泡体断熱層
    (2)との間に防護シート(8)を有する請求項1乃至
    7のいずれか1項の外断熱建築物。
  9. 【請求項9】 窓枠アルミサッシ(17)の雨切(17
    a)及び水切(17b)に空気孔(H17)を配置して、
    アルミサッシ(17)上下の複合パネル(B)の貫通孔
    (3b)を空気孔(H17)と連通構造とした請求項1乃
    至8のいずれか1項の外断熱建築物。
  10. 【請求項10】 複合パネル(B)の床スラブ(S)へ
    の張設は、アンカー片(10b)を床スラブ(S)に埋
    設して固定したアングル鋼片から成るプレート受(10
    a)に対し、下方複合パネル(B)の上枠(6a)の取
    付孔(H6)と上方複合パネル(B)の下枠(6b)の
    取付孔(H6)とに貫通した連結ピン(10e)を後部
    に有する取付プレート(10d)の前部を位置調整して
    プレート受(10a)の水平板(10a´)上に固定し
    た、請求項1乃至9のいずれか1項の外断熱建築物。
  11. 【請求項11】 複合パネル(B)の床スラブ(S)へ
    の張設は、上方複合パネル(B)の下枠(6b)と下方
    複合パネル(B)の上枠(6a)との各取付孔(H6
    に貫通した連結ピン(10e)を後部に固定した取付プ
    レート(10d)の前部を、該プレート(10d)前部
    から延出したアンカー片(10b)と共に床スラブ
    (S)内に埋設固定した請求項1乃至10のいずれか1
    項の外断熱建築物。
  12. 【請求項12】 複合パネル(B)の下端面(Be)を
    床スラブ(S)の上面(Sf)より若干(d2)下方位置
    に固定した請求項1乃至11のいずれか1項の外断熱建
    築物。
  13. 【請求項13】 複合パネル(B)の上下各連接部(B
    c)では、押出成形セメント板(1b)の外面板(1b
    ´)相互間、及び内面板(1b´´)相互間にシーリン
    グ(9)を付与した請求項1乃至12のいずれか1項の
    外断熱建築物。
  14. 【請求項14】 耐力壁(W1)部は、内側面に通気層
    としての多数の条溝(3a)を有する押出成形セメント
    板(1a)と、該セメント板(1a)内側面に当接一体
    化した合成樹脂発泡体断熱層(2)とを備えた複合パネ
    ル(A)を、合成樹脂発泡体断熱層(2)と打設コンク
    リート壁(5)との間にプラスチックシート等の水不透
    性シート(7)を介在してコンクリート壁(5)と一体
    化した請求項1乃至13のいずれか1項の外断熱建築
    物。
  15. 【請求項15】 複合パネル(A)が、内側面の条溝
    (3a)面と断熱層(2)との間に防護シート(8)を
    備えた請求項1乃至14のいずれか1項の外断熱建築
    物。
  16. 【請求項16】 複合パネル(A,B)の上下連接部
    (Ac,Bc)では、条溝(3a)の空気流(a)の上
    下連通を保障するバッカ−材(9a)を介してシーリン
    グ(9)を付与した請求項1乃至15項のいずれか1項
    の外断熱建築物。
  17. 【請求項17】 複合パネル(A)と複合パネル(B)
    とは断熱層(2)の厚さ(t2)が同じであり、複合パ
    ネル(A)の押出成形セメント板(1a)の厚さ
    (t1)より複合パネル(B)の押出成形セメント板
    (1b)の厚さ(t4)が大である請求項1乃至16の
    いずれか1項の外断熱建築物。
  18. 【請求項18】 内部に上下貫通孔(3b)を多数並設
    配置した形態の押出成形セメント板(1b)の上下内面
    に、等辺山形鋼から成る上枠(6a)及び下枠(6b)
    の垂直辺をZクリップ(70)で固定してセメント板
    (1b)の複数枚を上下枠に並列一体化すると共に、上
    下枠(6a,6b)の各端部から離間寸法(L71)を有
    する形態に補強平鋼板(71)をクロス掛けして各平鋼
    板(71)の適所を固定ボルト(72)でセメント板
    (1b)に固定し、上下枠(6a,6b)間に平鋼板
    (71)及びセメント板(1b)を覆う形態で、厚さ
    (t2)が上下枠(6a,6b)の水平突出幅(L70
    より厚い合成樹脂発泡体断熱層(2)を、合成樹脂発泡
    体断熱層(2)上には内装材を一体化積層した外断熱建
    築用複合パネル。
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