JP2000309987A - 高断熱・高気密住宅 - Google Patents

高断熱・高気密住宅

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JP2000309987A
JP2000309987A JP11118692A JP11869299A JP2000309987A JP 2000309987 A JP2000309987 A JP 2000309987A JP 11118692 A JP11118692 A JP 11118692A JP 11869299 A JP11869299 A JP 11869299A JP 2000309987 A JP2000309987 A JP 2000309987A
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roof
space
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wall
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Kenji Matsui
健司 松井
Masahiko Sunakawa
雅彦 砂川
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YAMAUCHI SEKKEISHITSU KK
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YAMAUCHI SEKKEISHITSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 壁内空間又は屋根内空間への小動物等の侵入
および熱エネルギー損失を防止しつつ内部結露の発生を
一掃する。 【解決手段】 外側空気流通層20の上端部20uおよ
び下端部20dに外気と連通する開口部(50u,50
d)を設け、当該開口部(50u,50d)を水蒸気の
みを通す透湿部材60で塞いだ構成とした。また、屋根
側空気流通層24の上端部24uおよび下端部24dに
外気と連通する開口部(51u,51d)を設け、当該
開口部(51u,51d)を水蒸気のみを通す透湿部材
61で塞いだ構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高断熱・高気密住
宅に関する。
【0002】
【従来の技術】冷暖房効率が良く冬暖かく夏涼しい高断
熱・高気密住宅が普及しつつある。高断熱・高気密住宅
の工法は種々あるが、構造躯体の間や内側に断熱材を設
ける内断熱工法の代表例を図7に示す。
【0003】図において、2は外壁、3は屋根、4は内
壁、5は部屋、6は土台である。また、10、11は断
熱材である。内壁4の外面側に気密シートが張られた
り、高気密窓などが採用されるなどして、住宅内への外
気の侵入が防止されている。また、断熱材(10,1
1)には、グラスウール等の断熱性能が良い材料が使用
されて外部と熱遮断されている。
【0004】上記構成の高断熱・高気密住宅(以下、第
1の高断熱・高気密住宅と称する)では、在来木造住宅
に比べて熱の流出入が少なく冷暖房エネルギー消費量を
大幅に削減できる。
【0005】ところで、かかる第1の高断熱・高気密住
宅では、湿気が篭りやすく結露が発生しやすいといわれ
ている。結露には、内装材(部屋の壁等)の表面に起こ
ってカビ等を繁殖させる原因となる表面結露と、壁内空
間や屋根内空間で起こって土台や柱等の構造材を濡らし
て腐朽させたり、白蟻の繁殖を招く原因となる内部結露
とがある。
【0006】ここに、内部結露は、外部結露に比べて見
つけにくく住宅の構造強度を弱らせる元ともなるので、
大変おそろしいものであるが、特に暖房器具等を用いて
部屋等を暖める冬期に発生しやすい。すなわち、暖房器
具、例えば燃料消費が2000kcal/h程度の石油
ストーブを図8に示す部屋5で使用した場合、1時間当
り220gの水蒸気が発生する。
【0007】このように、部屋5で暖められて水蒸気を
多量に含んだ空気(温度t1℃)が内壁4の隙間などを
通過して壁内空間に入ると温度が低下する。そして、外
気に冷やされた外壁2の内面で露点以下の温度t2℃と
なると、空気中の水蒸気が凝結して水(Aq)となる。
すなわち、内部結露が発生する。なお、こうした内部結
露は屋根3の内面でも発生する。
【0008】そこで、内部結露が生じないように、図9
に示す通気構造が採り入れられることがある。この通気
構造では、外壁2と断熱材10との間および屋根3と断
熱材11との間にそれぞれ通気層(AE1,AE2)が
形成され、この通気層(AE1,AE2)中に外気(A
R)を流すことによって壁内空間や屋根内空間の水蒸気
を多く含んだ空気を外部へ排出して内部結露を防止する
ものとされている。
【0009】特に、最近では、暖められると上昇する空
気の性質を利用して通気を行うと共に一段と冷暖房効率
を向上させた高断熱・高気密住宅(以下、第2の高断熱
・高気密住宅と称する)が開発されている。かかる第2
の高断熱・高気密住宅を図10および図11に示す。
【0010】これらの図において、外壁2と内壁4との
間の壁内空間は、断熱材10によって区画されて、断熱
材10と外壁2との間に外側空気流通層20が形成され
るとともに、断熱材10と内壁4との間に内側空気流通
層22が形成されている。
【0011】一方、屋根部7は、屋根3と、屋根3の下
面から離れて設けられた断熱材11とから構成されてお
り、両者(11,3)間には屋根側空気流通層24が形
成されている。
【0012】なお、上記した各断熱材(10,11)の
上部および下部には、それぞれ上部一方向弁(12,1
3)および下部一方向弁(14,15)が設けられてい
る。各一方向弁(12,13,14,15)は、上昇す
る空気は通すが下降する空気は通さないように形成され
ている。
【0013】上記した構造の第2の高断熱・高気密住宅
では、寒い冬には、図10(A),(B)に示すよう
に、小屋裏換気口45と床下換気口35とが閉じられ
る。
【0014】これにより、昼間、日が当たる側(図中左
側)の外側空気流通層20および屋根側空気流通層24
内の空気は、外壁2および屋根3を通じて太陽熱で暖め
られる。この暖められて軽くなった空気は、図10
(B)に矢印で示すように、外側空気流通層20および
屋根側空気流通層24内を上昇する。
【0015】すると、床下空間30の空気は、内側空気
流通層22を介して上方へ移動して小屋裏空間40へ流
入する。小屋裏空間40の空気は、日の当たらない側
(図10(B)中右側)の内側空気流通層24を下降し
て床下空間30へ流入する。
【0016】このような空気の循環が繰り返されること
によって、各部屋5が均一に暖められる。
【0017】また、冬の夜間は、図10(A)に示すよ
うに、外側空気流通層(20,21)および屋根側空気
流通層(25,26)内に空気が閉じ込められて断熱層
となり、断熱材(10,11)とともに住宅内を外部か
ら熱遮断する。したがって、各部屋5の温度低下が抑え
られる。
【0018】次に、暑い夏には、図11(A),(B)
に示すように、小屋裏換気口45と床下換気口35とが
開放される。
【0019】これにより、夜間には、図11(A)に示
すように、冷えた外気が床下空間30に取り込まれる。
この冷えた空気は、外側空気流通層20および内側通気
層22内を上昇し、小屋裏換気口45から自然排出され
る。こうした通風によって各部屋5は涼しくなる。
【0020】夏の昼間は、図11(B)に示すように、
日が当たる側の外側空気流通層20および屋根側空気流
通層24内の空気が暖められて上昇気流となるので、こ
の上昇気流に引き寄せられて床下空間30に夜間蓄えら
れていた冷気は上昇する。これにより、各部屋5の温度
上昇が抑えられる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した図
9に示す通気構造では、通気層(AE1,AE2)の下
端部および上端部が開口されているため、この開口部か
ら蟻や蜂あるいは蝙蝠などの小動物が入り込んで壁内や
屋根内を荒らすなどの不都合が生じる。また、何らかの
原因で通気層(AE1,AE2)の空気抵抗が増大する
などして通風が円滑に行えなくなってしまった場合に
は、壁内空間や屋根内空間の湿度を下げることができな
くなり、その結果、白蟻、木材腐朽菌、カビ、ダニなど
が繁殖して、土台6や柱等に大損害を与えることがあ
る。また、壁内空間や屋根内空間の空気層を断熱層とし
て有効に使用できず、熱エネルギーの損失を招くことに
なる。
【0022】一方、図10および図11に示す第2の高
断熱・高気密住宅では、四季を通じて外側空気流通層2
0および屋根側空気流通層22を空気が流通することが
多く、第1の高断熱・高気密住宅に比べて内部結露を心
配する必要はほとんどないといえる。
【0023】しかし、冬期には住宅内温度に比べて外気
温度が大幅に低下するため、内部結露が発生するおそれ
がある。特に、冬期の夜間には、外気温度が昼間に比べ
て特に低下するとともに、図10(A)に示すように外
側空気流通層20等で空気流動が停止するため、内部結
露が発生する確率が高くなるといわれている。
【0024】かかる内部結露の発生を完全に防止するに
は、壁内空間や屋根内空間の温度低下を防止する、ま
たは壁内空間や屋根内空間の空気の相対湿度を減少す
る、必要があるが、は内部断熱工法を採っている第2
の高断熱・高気密住宅では至難である。次に、である
が、第2の高断熱・高気密住宅は、外側空気流通層20
および屋根側空気流通層24中を床下空間からの空気を
流通させることによって部屋5の温度を夏涼しく冬暖か
くすることを前提としているので、水蒸気密度の低い外
気を直接導入することによって空気中の水蒸気量を減少
させることは許されない。そのため、も実行するのが
至難で、内部結露を完全に防止できていないのが現状で
ある。
【0025】本発明の目的は、壁内空間又は屋根内空間
への小動物等の侵入および熱エネルギー損失を防止しつ
つ内部結露の発生を一掃できる高断熱・高気密住宅を提
供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は、内部結露を防
止するために壁内空間および屋根内空間に外気を導入し
て、壁内空間等の空気の相対湿度を減少させるのでは、
小動物の侵入を許してしまうこと及び熱エネルギーの損
失を招くなどの不具合が発生することを再確認するとと
もに、壁内空間等の空気中の水蒸気圧力が外気中の水蒸
気圧力よりも高くなることが多い(内部結露が特に問題
となる冬期にはこの傾向が顕著である)ことに着目し、
この水蒸気圧差を利用して上記空気中の水蒸気のみを外
部へ排出して、上記不具合の発生を阻止しつつ内部結露
を防止するように構成されたものである。
【0027】すなわち、請求項1の発明は、壁内空間に
断熱材が介装された高断熱・高気密住宅において、前記
壁内空間の上端部および下端部のうちの少なくとも一方
に、外気と連通する開口部を設け、当該開口部を水蒸気
のみを通す透湿部材で塞いだことを特徴とする。
【0028】かかる発明の場合、壁内空間の空気中の水
蒸気圧力が外気中の水蒸気圧力よりも高くなることが多
い(内部結露が特に問題となる冬期にはこの傾向が顕著
である)ので、当該空気中の水蒸気は透湿部材を通過し
て外部へ排出される。したがって、壁内空間の空気の相
対湿度が100%となるようなことはなく内部結露の発
生が防止される。
【0029】また、透湿部材は、水や風(空気)は通さ
ないので、これらよりも大きい小動物(例えば、白蟻、
蜂、毛虫)等はもとより通すことはない。したがって、
小動物の壁内空間への侵入を確実に防止できる。また、
壁内空間の空気は排気されないので、当該空気による断
熱効果が損なわれることはなく熱エネルギーの損失を抑
えることができる。
【0030】請求項2の発明は、屋根内空間に断熱材が
介装された高断熱・高気密住宅において、前記屋根内空
間の上端部および下端部のうちの少なくとも一方に、外
気と連通する開口部を設け、当該開口部を水蒸気のみを
通す透湿部材で塞いだ透湿部材で塞いだことを特徴とす
る。
【0031】かかる発明の場合、屋根内空間の空気中の
水蒸気圧力が外気中の水蒸気圧力よりも高くなることが
多い(内部結露が特に問題となる冬期にはこの傾向が顕
著である)ので、当該空気中の水蒸気は透湿部材を通過
して外部へ排出される。したがって、屋根内空間の空気
の相対湿度が100%となるようなことはなく内部結露
の発生が防止される。また、透湿部材によって小動物の
屋根内への侵入を確実に防止できる。また、屋根内空間
の空気は排気されないので、当該空気による断熱効果が
損なわれることはなく熱エネルギーの損失を抑えること
ができる。
【0032】請求項3の発明は、屋根と断熱材との間に
屋根側空気流通層が形成された屋根部を有し、かつ壁内
空間が断熱材で厚さ方向に区画されて断熱材と外壁との
間に外側空気流通層が形成されるとともに断熱材と内壁
との間に内側空気流通層が形成され、当該外側空気流通
層および内側空気流通層を介して床下空間の空気が屋根
部下の小屋裏空間へ流動して排気又は循環可能に形成さ
れた高断熱・高気密住宅において、前記外側空気流通層
の上端部および下端部のうちの少なくとも一方に、外気
と連通する開口部を設け、当該開口部を水蒸気のみを通
す透湿部材で塞いだことを特徴とする。
【0033】かかる発明の場合、壁内空間の空気中の水
蒸気圧力が外気中の水蒸気圧力よりも高くなることが多
い(内部結露が特に問題となる冬期にはこの傾向が顕著
である)ので、当該空気中の水蒸気は透湿部材を通過し
て外部へ排出される。したがって、外側空気流通層内の
空気の相対湿度が100%となるようなことはなく内部
結露の発生が防止される。
【0034】また、外側空気流通層の上端部(下端部)
は開口されているが、当該開口部は透湿部材で塞がれて
いるので、当該外側空気流通層の気密状態は保たれる。
したがって、外側空気流通層の断熱効果が損なわれるの
を抑えて熱エネルギーの損失を防止できるとともに、外
側空気流通層等を介して床下空間の空気を小屋裏空間へ
円滑に流動させて排気又は循環できる。
【0035】また、透湿部材によって小動物(例えば、
白蟻、蜂、毛虫)等の外側空気流通層内への侵入を確実
に防止できる。したがって、外側空気流通層内で例えば
小動物が大量死することによって空気流通経路を塞いで
しまい空気流動抵抗が増大してしまうようなこともな
く、この点からも外側空気流通層等を介して床下空間の
空気を小屋裏空間へ円滑に流動させて排気又は循環でき
る。
【0036】請求項4の発明は、前記屋根側空気流通層
の上端部および下端部のうちの少なくとも一方に、外気
と連通する開口部を設け、当該開口部を水蒸気のみを通
す透湿部材で塞いだことを特徴とする。
【0037】かかる発明の場合、壁内等の空気中の水蒸
気圧力が外気中の水蒸気圧力よりも高くなることが多い
(内部結露が特に問題となる冬期にはこの傾向が顕著で
ある)ので、当該空気中の水蒸気は透湿部材を通過して
外部へ排出される。したがって、内部結露の発生が防止
される。また、屋根側空気流通層は、透湿部材によって
気密状態に保たれるので、屋根側空気流通層の断熱効果
が損なわれるのを抑えて熱エネルギーの損失を防止でき
る。また、透湿部材によって小動物の屋根側空気流通層
内への侵入を確実に防止できる。
【0038】したがって、外側空気流通層内で例えば小
動物が大量死することによって空気流動経路を塞いでし
まい空気流動抵抗が増大してしまうようなこともなく、
この点からも外側空気流通層等を介して床下空間の空気
を小屋裏空間へ円滑に流動させて排気又は循環できる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。 (第1の実施形態)
【0040】第1の実施形態に係る高断熱・高気密住宅
は、図1〜図5に示すように、外側空気流通層20の上
端部20uおよび下端部20dに外気と連通する開口部
(50u,50d)を設け、当該開口部(50u,50
d)を水蒸気のみを通す透湿部材60で塞いだ構成とさ
れている。また、屋根側空気流通層24の上端部24u
および下端部24dに外気と連通する開口部(51u,
51d)を設け、当該開口部51u,51d)を水蒸気
のみを通す透湿部材61で塞いだ構成とされている。
【0041】なお、本高断熱・高気密住宅の全体構成
は、従来例(図10および図11)の題の高断熱・高気
密住宅と同様であるので、共通する構成要素については
同一の符号を付し、その説明を簡略化又は省略する。
【0042】外側空気流通層20の上端部20uの開口
部50uは、当該空気流通層20の上部を外部から遮断
する上部横胴縁55uの一部を切り欠くことにより形成
されている。具体的には、開口部50uは、上部横胴縁
55uの外面側に長手方向に所定間隔だけ離れて複数個
形成されている。
【0043】同様に、外側空気流通層20の下端部20
dの開口部50dは、当該流通層20の下部を外部から
遮断する下部横胴縁55dの一部を切り欠くことにより
形成されている。具体的には、開口部50dは、上部横
胴縁55dの外面側に長手方向に所定間隔だけ離れて複
数個形成されている。
【0044】両開口部(50u,50d)は、透湿部材
としてのタイベック(デュポン社の登録商標)60で塞
がれている。タイベック60は、外壁2の内側に防水・
防風の役目を果たすものとして使用されており、この実
施形態では当該タイベック60の上下端部で上記両開口
部(50u,50d)を塞ぐものとされている。このタ
イベック60は、水蒸気は通すが空気や水は通さない性
質(透湿・防風・防水性)を有しており、シート状では
あるが耐水性があり破裂強度が大きい。
【0045】この実施形態では、透湿度が4147(g
/平方メートル・24時間)、通気度が0.24(立方
センチメートル/平方センチメートル/秒)、破裂強度
が9(kgf/平方センチメートル)、耐水度が131
3(mm)のタイベックが使用されている。
【0046】同様に、屋根側空気流通層24の上端部2
4uの開口部51uは、当該流通層24の上部を外部か
ら遮断する上部横胴縁56uの一部を切り欠くことによ
り形成されている。開口部51uは、上部横胴縁56u
の外面側に長手方向に所定間隔だけ離れて複数個形成さ
れている。
【0047】また、屋根側空気流通層24の下端部24
dの開口部51dは、当該流通層24の下部を外部から
遮断する下部横胴縁56dの一部を切り欠くことにより
形成されている。開口部51dは、上部横胴縁56dの
外面側に長手方向に所定間隔だけ離れて複数個形成され
ている。
【0048】上記開口部(51u,51d)は、上記し
た場合と同一種類のタイベック61の上下端部で塞がれ
ている。
【0049】特に、この実施形態では、上記各開口部
(50u,50d,51u,51d)を塞ぐ各タイベッ
ク(60,61)部分が直接に雨水や風などが当たらな
いように、各タイベック(60,61)は、防風・防水
部材でカバーされている。
【0050】例えば、外側空気流通層20の開口部50
dを塞ぐタイベック60の下端部は、図2に示すよう
に、防風・防水部材としての水切75でカバーされてい
る。また、外側空気流通層20の開口部50uを塞ぐタ
イベック60の上端部は、図1に示すように、防風・防
水部材としての有孔ボード70でカバーされている。
【0051】一方、屋根側空気流通層24の上端部24
uの開口部51uを塞ぐタイベック61の上端部は、防
風・防水部材としての小屋裏換気口45でカバーされて
いる。また、屋根側空気流通層24の下端部24dの開
口部51dを塞ぐタイベック61の下端部は、上記有孔
ボード71等でカバーされている。
【0052】次に、この実施形態の作用について説明す
る。
【0053】例えば、内部結露が特に問題となる冬の夜
間には、外側空気流通層20および屋根側空気流通層2
4内の空気は流動せず停滞する。この際、各空気流通層
(20,24)内の空気中の水蒸気の圧力は、外気中の
水蒸気の圧力よりも高くなる。なお、冬の夜間以外で
も、部屋内で暖房等している場合などにも、各空気流通
層(20,24)内の空気中の水蒸気圧力が外気中の水
蒸気圧力よりも高くなる傾向にある。
【0054】このように、各空気流通層(20,24)
内の水蒸気圧力が外気中の水蒸気圧力よりも高い状態で
は、当該空気中の水蒸気(Vp)はタイベック(60,
61)で塞がれた開口部(50u,50d,51u,5
1d)を通過して外部へ排出される。
【0055】なお、この際、開口部50uを通過した水
蒸気(Vp)は、有孔ボード70の孔71を通って外部
排出される。また、開口部51dを通過した水蒸気(V
p)は、通し孔73および有孔ボード70の孔71を通
って外部排出される。さらに、開口部51uを通過した
水蒸気(Vp)は、小屋裏換気口45を通って外部へ排
出される。
【0056】ここに、有孔ボード70の孔71および小
屋裏換気口45は、外部の風の圧力等の影響を受けにく
い構造とされているので、上記空気中の水蒸気(Vp)
は円滑に外部へ排出される。
【0057】これにより、各空気流通層(20,24)
内の空気の相対湿度が100%となるようなことはなく
内部結露の発生が防止される。
【0058】また、各空気流通層(20,24)の上端
部(20u,24u)および下端部(20d,24d)
は開口されているが、各開口部(50u,50d,51
u,51d)はタイベック(60,61)で塞がれてい
るので、当該両空気流通層(20,24)の気密状態は
保たれる。したがって、両空気流通層(20,24)の
断熱効果が損なわれるのを抑えることができるととも
に、外側空気流通層20等を介して床下空間30の空気
を小屋裏空間40へ円滑に流動させて排気又は循環でき
る。
【0059】また、タイベック(60,61)は、水や
風(空気)は通さないので、これらよりも大きい小動物
(例えば、白蟻、蜂、毛虫)等はもとより通すことはな
い。そのため、小動物の壁内および屋根内への侵入を確
実に防止できる。したがって、外側空気流通層20内お
よび屋根側空気流通層24内で例えば小動物が大量死す
ることによって空気流通経路を塞いでしまい空気流動抵
抗が増大してしまうようなこともなく、この点からも外
側空気流通層20等を介して床下空間30の空気を小屋
裏空間40へ円滑に流動させて排気又は循環できる。
【0060】さらに、各開口部(50u,50d,51
u,51d)を塞ぐタイベック(60,61)部分を防
風・防水部材(45,70,75)でカバーしたので、
当該タイベック(60,61)部分に過大な負荷がかか
らず、耐久性を一段と向上させることができる。また、
外部で風が吹いていても風圧等の影響を受けることなく
水蒸気(Vp)を円滑に外部排出できる。
【0061】さらにまた、透湿部材をシート状のタイベ
ック(60,61)から形成したので、切断・折り曲げ
等がしやすく、一段と現場での施工性を向上させること
ができる。
【0062】なお、開口部(50u,50d,51u,
51d)を各横胴縁(55u,55d,56u,56
d)の一部を切り欠くことにより形成したが、これに限
定されるものではなく、どのように形成してもよい。
【0063】また、透湿部材をシート状のタイベック
(60,61)から形成したが、これに限定されるもの
ではなく、透湿・防風・防水性を有するものであればよ
い。
【0064】また、外側空気流通層20の上端部20u
および下端部20dに、それぞれ開口部(50u,50
d)を設けたが、いずれか一方のみに設けてもよい。同
様に、屋根側空気流通層24の上端部24uおよび下端
部24dに、それぞれ開口部(51u,51d)を設け
たが、いずれか一方のみに設けてもよい。 (第2の実施形態)
【0065】第2の実施形態は、図6に示される。
【0066】図6における高断熱・高気密住宅は、従来
(図7)の第1の高断熱・高気密住宅と基本的構成は同
様であるが、壁内空間(AE1)の上端部および下端部
のうちの少なくとも一方に、外気と連通する開口部(5
2u,52d)を設け、当該開口部(52u,52d)
を水蒸気のみを通す透湿部材(第1の実施形態と同一種
類のタイベック62)で塞いだ構成とされている。ま
た、屋根内空間(AE2)の上端部および下端部に、外
気と連通する開口部(53u,53d)を設け、当該開
口部(53u,53d)を水蒸気のみを通す透湿部材
(第1の実施形態と同一種類のタイベック63)で塞い
だ構成とされている。
【0067】かかる構成の高断熱・高気密住宅の場合、
壁内空間(AE1)の空気中の水蒸気圧力が外気中の水
蒸気圧力よりも高くなることが多い(内部結露が特に問
題となる冬期にはこの傾向が顕著である)ので、当該空
気中の水蒸気は透湿部材(62)を介して外部へ排出さ
れる。したがって、壁内空間(AE1)の空気の相対湿
度が100%となるようなことはなく内部結露の発生が
防止される。
【0068】また、透湿部材(62)は、水や風(空
気)は通さないので、小動物(例えば、白蟻、蜂、毛
虫)等はもとより通すことはない。したがって、小動物
の壁内空間(AE1)への侵入を確実に防止できる。ま
た、壁内空間(AE1)の空気は排気されないので、当
該空気による断熱効果が損なわれることはなく熱エネル
ギーの損失を抑えることができる。
【0069】同様に、屋根内空間(AE2)の空気中の
水蒸気の圧力は外気中の水蒸気の圧力よりも暖かく内圧
は外圧よりも高くなることが多い(内部結露が特に問題
となる冬期にはこの傾向が顕著である)ので、当該空気
中の水蒸気は透湿部材(62)を介して外部へ排出され
る。したがって、屋根内空間(AE2)の空気の相対湿
度が100%となるようなことはなく内部結露の発生が
防止される。また、透湿部材(63)によって小動物の
屋根内空間(AE2)への侵入を確実に防止できる。ま
た、屋根内空間(AE2)の空気は排気されないので、
当該空気による断熱効果が損なわれることはなく熱エネ
ルギーの損失を抑えることができる。
【0070】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、壁内空間の上
端部および下端部のうちの少なくとも一方に、外気と連
通する開口部を設け、当該開口部を水蒸気のみを通す透
湿部材で塞いだので、壁内空間への小動物等の侵入およ
び熱エネルギー損失を防止しつつ内部結露の発生を一掃
できる。
【0071】請求項2の発明によれば、屋根内空間の上
端部および下端部のうちの少なくとも一方に、外気と連
通する開口部を設け、当該開口部を水蒸気のみを通す透
湿部材で塞いだ透湿部材で塞いだので、屋根内空間への
小動物等の侵入および熱エネルギー損失を防止しつつ内
部結露の発生を一掃できる。
【0072】請求項3の発明によれば、外側空気流通層
の上端部および下端部のうちの少なくとも一方に、外気
と連通する開口部を設け、当該開口部を水蒸気のみを通
す透湿部材で塞いだので、外側空気流通層を介して壁内
空間へ小動物等が侵入するのを防止しつつ内部結露の発
生を一掃できる。また、外側空気流通層の断熱効果が損
なわれるのを抑えて熱エネルギーの損失を防止すること
ができるとともに、外側空気流通層を介して床下空間の
空気を屋根部下の小屋裏空間へ円滑に流動させて排気又
は循環できる。
【0073】請求項4の発明によれば、屋根側空気流通
層の上端部および下端部のうちの少なくとも一方に、外
気と連通する開口部を設け、当該開口部を水蒸気のみを
通す透湿部材で塞いだので、屋根側空気流通層を介して
屋根内空間へ小動物等が侵入するのを防止しつつ内部結
露の発生を一掃できる。また、屋根側空気流通層の断熱
効果が損なわれるのを抑えて熱エネルギーの損失を防止
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を説明するための図で
ある。
【図2】同じく、外側空気流通層の下部の開口部および
透湿部材(タイベック)を介して壁内の空気中の水蒸気
が排出する様子を示す図である。
【図3】同じく、屋根側空気流通層の上部の開口部およ
び透湿部材(タイベック)を介して屋根内の空気中の水
蒸気が排出する様子を示す図である。
【図4】同じく、外側空気流通層の上部の開口部および
透湿部材(タイベック)並びに屋根側空気流通層の下部
の開口部および透湿部材(タイベック)を説明するため
の図である。
【図5】同じく、外側空気流通層の下部の開口部および
透湿部材(タイベック)を説明するための図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を説明するための図で
ある。
【図7】従来の第1の高断熱・高気密住宅の構成を説明
するための図である。
【図8】同じく、内部結露の発生を説明するための図で
ある。
【図9】従来の通気構造を説明するための図である。
【図10】従来の第2の高断熱・高気密住宅の構成を説
明するための図である。
【図11】同じく、夏期における壁内空間および屋根内
空間の空気流動を説明するための図である。
【符号の説明】
2 外壁 3 屋根 4 内壁 5 部屋 7 屋根部 10,11 断熱材 20 外側通気層 22 内側通気層 24 屋根下通気層 30 床下空間 35 床下換気口 40 小屋裏空間 45 小屋裏換気口 50u,50d 開口部 51u,51d 開口部 60,61 タイベック(透湿部材) 62,63 タイベック(透湿部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 砂川 雅彦 東京都港区虎ノ門3−8−2 虎ノ門吾妻 ビル6階 株式会社山内設計室内 Fターム(参考) 2E001 DA01 DB02 DB04 DC01 DD01 DH13 FA03 FA16 FA17 GA18 GA24 NB01 ND06 ND14 ND15 ND17 ND26 ND28

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 壁内空間に断熱材が介装された高断熱・
    高気密住宅において、 前記壁内空間の上端部および下端部のうちの少なくとも
    一方に、外気と連通する開口部を設け、当該開口部を水
    蒸気のみを通す透湿部材で塞いだことを特徴とする高断
    熱・高気密住宅。
  2. 【請求項2】 屋根内空間に断熱材が介装された高断熱
    ・高気密住宅において、 前記屋根内空間の上端部および下端部のうちの少なくと
    も一方に、外気と連通する開口部を設け、当該開口部を
    水蒸気のみを通す透湿部材で塞いだことを特徴とする高
    断熱・高気密住宅。
  3. 【請求項3】 屋根と断熱材との間に屋根側空気流通層
    が形成された屋根部を有し、かつ壁内空間が断熱材で厚
    さ方向に区画されて断熱材と外壁との間に外側空気流通
    層が形成されるとともに断熱材と内壁との間に内側空気
    流通層が形成され、当該外側空気流通層および内側空気
    流通層を介して床下空間の空気が屋根部下の小屋裏空間
    へ流動して排気又は循環可能に形成された高断熱・高気
    密住宅において、 前記外側空気流通層の上端部および下端部のうちの少な
    くとも一方に、外気と連通する開口部を設け、当該開口
    部を水蒸気のみを通す透湿部材で塞いだことを特徴とす
    る高断熱・高気密住宅。
  4. 【請求項4】 前記屋根側空気流通層の上端部および下
    端部のうちの少なくとも一方に、外気と連通する開口部
    を設け、当該開口部を水蒸気のみを通す透湿部材で塞い
    だことを特徴とする請求項3記載の高断熱・高気密住
    宅。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009002046A (ja) * 2007-06-21 2009-01-08 Tesuku:Kk 木造建物の外張り断熱構造
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