JP2009001833A - 繊維複合材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維及びカーボンナノファイバーが均一に分散された繊維複合材料であって、特に広い温度範囲において熱膨張が小さい繊維複合材料を提供する。
【解決手段】繊維複合材料は、エラストマーと、エラストマーに分散された平均直径が0.7〜15nmかつ平均長さが0.5〜100μmのカーボンナノファイバーと、平均直径が1〜100μmかつアスペクト比が50〜500の繊維と、を含む。繊維複合材料は、−80〜300℃において、平均線膨張係数が100ppm(1/K)以下でありかつ線膨張係数の微分値が120ppm(1/K)以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、繊維複合材料に関する。
一般に、複合材料としては、マトリクス材料と強化繊維もしくは強化粒子を組み合わせて用途に応じた物理的性質を付与していた。特に、半導体製造機器、光学機器、超微細化加工機器などの分野では、部品の熱膨張による影響を低減することが求められており、そのため、種々の強化繊維例えば炭素繊維による複合材料が提案されていた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、繊維を用いた複合材料は、粒子を用いた複合材料に比べ熱膨張の等方性を得ることが難しい。そのため、用途がシート状・板状に限定されたり、繊維で二軸、三軸織物等の立体構造を構成するなどの工程が必要となっていた。また、エラストマーは、複数の温度条件において線膨張係数が大きく変化し、特に比較的低い温度で分子鎖の切断による熱劣化が始まるため、その温度付近において急激に線膨張係数が高くなる(この熱劣化が始まる温度を、以下耐熱温度という)。そのため、エラストマー系のマトリクスを用いた複合材料において、広い温度範囲で低く安定した線膨張係数を有した複合材料は提案されていなかった。
また、本発明者等が先に提案した複合材料として、エラストマーにカーボンナノファイバーを均一に分散させた繊維複合材料がある(例えば、特許文献2参照)。このような繊維複合材料は、エラストマーとカーボンナノファイバーを混練することで、凝集性の強いカーボンナノファイバーの分散性を向上させている。
国際公開00/64668号パンフレット 特開2005−68386号公報
そこで、本発明の目的は、繊維及びカーボンナノファイバーが均一に分散された繊維複合材料であって、特に広い温度範囲において熱膨張が小さい繊維複合材料を提供することにある。
本発明にかかる繊維複合材料は、ロール温度が0ないし50℃、ロール間隔が0.5mm以下のオープンロール法を用いてエラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させて得られた繊維複合材料であって、
前記エラストマーと、該エラストマーに分散された平均直径が0.7〜15nmかつ平均長さが0.5〜100μmの前記カーボンナノファイバーを1〜30体積%と、平均直径が1〜100μmかつアスペクト比が50〜500の繊維を3〜40体積%と、を含み、
−80〜300℃において、平均線膨張係数が100ppm(1/K)以下でありかつ線膨張係数の微分値が120ppm(1/K)以下である。
本発明にかかる繊維複合材料によれば、広い温度範囲で低い線膨張係数で安定する。したがって、繊維複合材料を、線膨張係数が低い材質例えば金属やセラミックスなどと組み合わせて利用することができる。特に、一般のエラストマーと比べて広い温度範囲で利用することができるため、線膨張係数の低い材質と組み合わせた製品設計を容易に行うことができる。
また、本発明にかかる繊維複合材料によれば、エラストマーの不飽和結合または基が、カーボンナノファイバーの活性な部分、特にカーボンナノファイバーの末端のラジカルと結合することにより、カーボンナノファイバーの凝集力を弱め、その分散性を高めることができる。その結果、繊維複合材料は、基材であるエラストマーにカーボンナノファイバーが均一に分散されたものとなる。
このように繊維によってエラストマー全体を補強することで、比較的少量のカーボンナノファイバーで繊維複合材料の熱膨張を抑え、線膨張係数を下げる効果が得られる。
本発明にかかる繊維複合材料において、
−80〜300℃において、任意の方向Xの線膨張係数と、該方向Xに直交する方向Yにおける線膨張係数との比が0.7〜1.3倍である。
本発明にかかる繊維複合材料によれば、均一に分散したカーボンナノファイバーと繊維とによって、線膨張係数の異方性がない。したがって、本発明にかかる繊維複合材料によれば、従来のようにシート状・板状の形態に限らず、多様な形態に採用することが可能である。
本発明にかかる繊維複合材料において、
前記カーボンナノファイバーのアスペクト比は、50以上とすることができる。
本発明にかかる繊維複合材料の繊維は、天然繊維または金属繊維とすることができる。
本発明にかかる繊維複合材料は、耐熱温度が300℃以上とすることができる。耐熱温度が300℃以上と高温であるので、高温の環境で使用される部品にも用いることができる。
本発明におけるエラストマーは、ゴム系エラストマーあるいは熱可塑性エラストマーのいずれであってもよい。また、ゴム系エラストマーの場合、エラストマーは架橋体あるいは非架橋体のいずれであってもよいが、非架橋体を用いることが好ましい。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施の形態にかかる繊維複合材料は、ロール温度が0ないし50℃、ロール間隔が0.5mm以下のオープンロール法を用いてエラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させて得られた繊維複合材料であって、前記エラストマーと、該エラストマーに分散された平均直径が0.7〜15nmかつ平均長さが0.5〜100μmの前記カーボンナノファイバーを1〜30体積%と、平均直径が1〜100μmかつアスペクト比が50〜500の繊維を3〜40体積%と、を含み、−80〜300℃において、平均線膨張係数が100ppm(1/K)以下でありかつ線膨張係数の微分値が120ppm(1/K)以下である。
エラストマーは、例えば、カーボンナノファイバーと親和性が高いことの他に、分子長がある程度の長さを有すること、柔軟性を有すること、などの特徴を有することが望ましい。また、エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程は、できるだけ高い剪断力で混練されることが望ましい。
(I)まず、エラストマーについて説明する。
エラストマーは、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって、30℃で測定した、非架橋体におけるネットワーク成分のスピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)が好ましくは100ないし3000μ秒、より好ましくは200ないし1000μ秒である。上記範囲のスピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)を有することにより、エラストマーは、柔軟で充分に高い分子運動性を有することができ、すなわちカーボンナノファイバーを分散させるために適度な弾性を有することになる。また、エストラマーは粘性を有しているので、エラストマーとカーボンナノファイバーとを混合したときに、エラストマーは高い分子運動によりカーボンナノファイバーの相互の隙間に容易に侵入することができる。スピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)が100μ秒より短いと、エラストマーが充分な分子運動性を有することができない。また、スピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)が3000μ秒より長いと、エラストマーが液体のように流れやすく、弾性が小さいため、カーボンナノファイバーを分散させることが困難となる。
パルス法NMRを用いたハーンエコー法によって得られるスピン−スピン緩和時間は、物質の分子運動性を表す尺度である。具体的には、パルス法NMRを用いたハーンエコー法によりエラストマーのスピン−スピン緩和時間を測定すると、緩和時間の短い第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)を有する第1の成分と、緩和時間のより長い第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)を有する第2の成分とが検出される。第1の成分は高分子のネットワーク成分(骨格分子)に相当し、第2の成分は高分子の非ネットワーク成分(末端鎖などの枝葉の成分)に相当する。そして、第1のスピン−スピン緩和時間が短いほど分子運動性が低く、エラストマーは固いといえる。また、第1のスピン−スピン緩和時間が長いほど分子運動性が高く、エラストマーは柔らかいといえる。
パルス法NMRにおける測定法としては、ハーンエコー法でなくてもソリッドエコー法、CPMG法(カー・パーセル・メイブーム・ギル法)あるいは90゜パルス法でも適用できる。ただし、本発明にかかるエラストマーは中程度のスピン−スピン緩和時間(T2)を有するので、ハーンエコー法が最も適している。一般的に、ソリッドエコー法および90゜パルス法は、短いT2の測定に適し、ハーンエコー法は、中程度のT2の測定に適し、CPMG法は、長いT2の測定に適している。
エラストマーは、主鎖、側鎖および末端鎖の少なくともひとつに、カーボンナノファイバーの末端のラジカルに対して親和性を有する不飽和結合または基を有するか、もしくは、このようなラジカルまたは基を生成しやすい性質を有する。かかる不飽和結合または基としては、二重結合、三重結合及び官能基から選択される少なくともひとつであることができる。このような官能基としては、カルボニル基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、ニトリル基、ケトン基、アミド基、エポキシ基、エステル基、ハロゲン基、ウレタン基、ビューレット基、アロファネート基および尿素基などがある。
カーボンナノファイバーは、通常、側面は炭素原子の6員環で構成され、先端は5員環が導入されて閉じた構造となっているが、構造的に無理があるため、実際上は欠陥を生じやすく、その部分にラジカルや官能基を生成しやすくなっている。本実施の形態では、エラストマーの主鎖、側鎖および末端鎖の少なくともひとつに、カーボンナノファイバーのラジカルと親和性(反応性または極性)が高い不飽和結合や基を有することにより、エラストマーとカーボンナノファイバーとを結合することができる。このことにより、カーボンナノファイバーの凝集力にうち勝ってその分散を容易にすることができる。そして、エラストマーと、カーボンナノファイバーと、を混練する際に、エラストマーの分子鎖が切断されて生成したフリーラジカルは、カーボンナノファイバーの欠陥を攻撃し、カーボンナノファイバーの表面にラジカルを生成すると推測できる。
エラストマーとしては、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPR,EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロブチルゴム(CIIR)、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)、ブタジエンゴム(BR)、エポキシ化ブタジエンゴム(EBR)、エピクロルヒドリンゴム(CO,CEO)、ウレタンゴム(U)、ポリスルフィドゴム(T)などのエラストマー類;オレフィン系(TPO)、ポリ塩化ビニル系(TPVC)、ポリエステル系(TPEE)、ポリウレタン系(TPU)、ポリアミド系(TPEA)、スチレン系(SBS)、などの熱可塑性エラストマー;およびこれらの混合物を用いることができる。特に、エラストマーの混練の際にフリーラジカルを生成しやすい極性の高いエラストマー、例えば、天然ゴム(NR)、ニトリルゴム(NBR)などが好ましい。また、極性の低いエラストマー、例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM)であっても、混練の温度を比較的高温(例えばEPDMの場合、50℃〜150℃)とすることで、フリーラジカルを生成するので本発明に用いることができる。
本実施の形態のエラストマーは、ゴム系エラストマーあるいは熱可塑性エラストマーのいずれであってもよい。また、ゴム系エラストマーの場合、エラストマーは架橋体あるいは非架橋体のいずれであってもよいが、非架橋体を用いることが好ましい。
(II)次に、繊維及びカーボンナノファイバーについて説明する。
繊維は、しなやかで屈曲性に優れ、平均直径が1〜100μmかつアスペクト比が50〜500である。繊維の平均直径が1μm未満だと加工(混練)が困難であり、平均直径が100μmより太いと補強効果が劣る。
カーボンナノファイバーは、平均直径が0.7〜15nmかつ平均長さが0.5〜100μmである。カーボンナノファイバーの平均直径が0.7nmより細いと混練時にダメージを受け易く、平均直径が15nmより太いとカーボンナノファイバーと繊維による閉じ込め効果が得られず補強効果が劣る。カーボンナノファイバーの平均長さが0.5μmより短いと補強効果が劣り、平均長さが100μmより長いと加工(混練)が困難である。
また、カーボンナノファイバーは、アスペクト比が50以上が好ましく、さらに好ましくはアスペクト比が100〜2万である。アスペクト比が50未満であると、エラストマーを閉じ込める効果が得られず、繊維複合材料は例えば300℃以下において流動や熱劣化が生じることがある。
繊維複合材料は、カーボンナノファイバーを1〜30体積%、好ましくは1〜15体積%含有し、繊維を3〜40体積%含有することが好ましい。このような体積割合で繊維とカーボンナノファイバーを含有する繊維複合材料は、−80〜300℃において、平均線膨張係数が100ppm(1/K)以下でありかつ線膨張係数の微分値が120ppm(1/K)以下という低く安定した線膨張係数となる。カーボンナノファイバーが1体積%未満だとエラストマーを拘束できないので線膨張係数を下げることができず、15体積%を超えると線膨張係数を下げることができるが、特に30体積%を超えるのは高価なカーボンナノファイバーを大量に用いることになり実用上望ましくない。また、繊維が3体積%未満だとカーボンナノファイバーを大量に含有しないと線膨張係数を下げることができず、40体積%を越えると加工(混練)が困難になり望ましくない。
繊維としては、屈曲性に優れたしなやかな繊維が好ましく、例えば、天然繊維、金属繊維、合成繊維またはこれらの繊維の混合物を用いることができる。
天然繊維としては、例えば、綿、麻などの植物繊維、羊毛、絹などの動物繊維を適宜選択して用いることができる。金属繊維としては、例えば、ステンレス繊維、銅繊維などを適宜選択して用いることができる。合成繊維としては、例えば、脂肪族ポリアミド系の繊維を用いることができる。なお、ポリエステル系繊維、芳香族ポリアミド系繊維、セラミックス繊維などは剛直であり、屈曲性がないので適当ではない。
カーボンナノファイバーとしては、例えば、いわゆるカーボンナノチューブなどが例示できる。カーボンナノチューブは、炭素六角網面のグラフェンシートが円筒状に閉じた単層構造あるいはこれらの円筒構造が入れ子状に配置された多層構造を有する。すなわち、カーボンナノチューブは、単層構造のみから構成されていても多層構造のみから構成されていても良く、単層構造と多層構造が混在していてもかまわない。また、部分的にカーボンナノチューブの構造を有する炭素材料も使用することができる。なお、カーボンナノチューブという名称の他にグラファイトフィブリルナノチューブといった名称で称されることもある。
単層カーボンナノチューブもしくは多層カーボンナノチューブは、アーク放電法、レーザーアブレーション法、気相成長法などによって望ましいサイズに製造される。
アーク放電法は、大気圧よりもやや低い圧力のアルゴンや水素雰囲気下で、炭素棒でできた電極材料の間にアーク放電を行うことで、陰極に堆積した多層カーボンナノチューブを得る方法である。また、単層カーボンナノチューブは、前記炭素棒中にニッケル/コバルトなどの触媒を混ぜてアーク放電を行い、処理容器の内側面に付着するすすから得られる。
レーザーアブレーション法は、希ガス(例えばアルゴン)中で、ターゲットであるニッケル/コバルトなどの触媒を混ぜた炭素表面に、YAGレーザーの強いパルスレーザー光を照射することによって炭素表面を溶融・蒸発させて、単層カーボンナノチューブを得る方法である。
気相成長法は、ベンゼンやトルエン等の炭化水素を気相で熱分解し、カーボンナノチューブを合成するもので、より具体的には、流動触媒法やゼオライト担持触媒法などが例示できる。
カーボンナノファイバーは、エラストマーと混練される前に、あらかじめ表面処理、例えば、イオン注入処理、スパッタエッチング処理、プラズマ処理などを行うことによって、エラストマーとの接着性やぬれ性を改善することができる。
(III)次に、エラストマーに、上述した繊維と、上述したカーボンナノファイバーと、を混合させ、かつ剪断力によって分散させる工程について説明する。
本実施の形態では、エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程として、ロール間隔が0.5mm以下のオープンロール法を用いた例について述べる。
図1は、2本のロールを用いたオープンロール法を模式的に示す図である。図1において、符号10は第1のロールを示し、符号20は第2のロールを示す。第1のロール10と第2のロール20とは、所定の間隔d、例えば1.5mmの間隔で配置されている。第1および第2のロールは、正転あるいは逆転で回転する。図示の例では、第1のロール10および第2のロール20は、矢印で示す方向に回転している。
まず、第1,第2のロール10,20が回転した状態で、第2のロール20に、エラストマー30を巻き付けると、ロール10,20間にエラストマーがたまった、いわゆるバンク32が形成される。このバンク32内に上述した繊維50とカーボンナノファイバー40とを加えて、第1、第2のロール10,20を回転させると、エラストマーに繊維とカーボンナノファイバーとが混合された混合物が得られる。この混合物をオープンロールから取り出す。さらに、第1のロール10と第2のロール20の間隔dを、0.5mm以下、より好ましくは0.1ないし0.5mmの間隔に設定し、得られたエラストマーとカーボンナノファイバーの混合物をオープンロールに投入して薄通しを行なう。薄通しの回数は、例えば10回程度行なうことが好ましい。第1のロール10の表面速度をV1、第2のロール20の表面速度をV2とすると、薄通しにおける両者の表面速度比(V1/V2)は、1.05ないし3.00であることが好ましく、さらに1.05ないし1.2であることが好ましい。このような表面速度比を用いることにより、所望の剪断力を得ることができる。
また、エラストマーに繊維とカーボンナノファイバーを投入する順番としては、繊維をカーボンナノファイバーよりも先に投入することが好ましい。
このようにして得られた剪断力により、エラストマー30に高い剪断力が作用し、凝集していたカーボンナノファイバー40がエラストマー分子に1本づつ引き抜かれるように相互に分離し、エラストマー30に分散される。
また、この工程では、できるだけ高い剪断力を得るために、エラストマーとカーボンナノファイバーとの混合は、0ないし50℃、より好ましくは5ないし30℃の比較的低い温度で行われる。なお、エラストマーとしてEPDMを用いた場合には、2段階の混練工程を行なうことが望ましく、第1の混練工程では、できるだけ高い剪断力を得るために、EPDMとカーボンナノファイバーとの混合は、第2の混練工程より50〜100℃低い第1の温度で行なわれる。第1の温度は、好ましくは0ないし50℃、より好ましくは5ないし30℃の第1の温度である。ロールの第2の温度は、50〜150℃の比較的高い温度に設定することでカーボンナノファイバーの分散性を向上させることができる。
また、この工程では、剪断力によって剪断されたエラストマーにフリーラジカルが生成され、そのフリーラジカルがカーボンナノファイバーの表面を攻撃することで、カーボンナノファイバーの表面は活性化される。例えば、エラストマーに天然ゴム(NR)を用いた場合には、各天然ゴム(NR)分子はロールによって混練される間に切断され、オープンロールへ投入する前よりも小さな分子量になる。このように切断された天然ゴム(NR)分子にはラジカルが生成しており、混練の間にラジカルがカーボンナノファイバーの表面を攻撃するので、カーボンナノファイバーの表面が活性化する。
このとき、本実施の形態にかかるエラストマーは、上述した特徴、すなわち、エラストマーの分子形態(分子長)や、分子運動によって表される弾性と、粘性と、特にカーボンナノファイバーとの化学的相互作用などの特徴と、を有することによってカーボンナノファイバーの分散を容易にするので、カーボンナノファイバーの分散性および分散安定性(一端分散したカーボンナノファイバーが再凝集しにくいこと)に優れた繊維複合材料を得ることができる。より具体的には、エラストマーとカーボンナノファイバーとを混合すると、粘性を有するエラストマーがカーボンナノファイバーの相互に侵入し、かつ、エラストマーの特定の部分が化学的相互作用によってカーボンナノファイバーの活性の高い部分と結合する。この状態で、分子長が適度に長く、分子運動性の高い(弾性を有する)エラストマーとカーボンナノファイバーとの混合物に強い剪断力が作用すると、エラストマーの変形に伴ってカーボンナノファイバーも移動し、さらに剪断後の弾性によるエストラマーの復元力によって、凝集していたカーボンナノファイバーが分離されて、エラストマー中に分散されることになる。本実施の形態によれば、混合物が狭いロール間から押し出された際に、エラストマーの弾性による復元力で混合物はロール間隔より厚く変形する。その変形は、強い剪断力の作用した混合物をさらに複雑に流動させ、カーボンナノファイバーをエラストマー中に分散させると推測できる。そして、一旦分散したカーボンナノファイバーは、エラストマーとの化学的相互作用によって再凝集することが防止され、良好な分散安定性を有することができる。
この工程では、凝集したカーボンナノファイバーを分離でき、かつエラストマー分子を切断してラジカルを生成する剪断力をエラストマーに与えることができればよい。
上述したエラストマーにカーボンナノファイバーを分散させる工程の後は、公知の方法によって、押出工程、成形工程、架橋工程などを行うことができる。
エラストマーにカーボンナノファイバーを分散させる工程において、あるいはこの工程の前後に、通常、ゴムなどのエラストマーの加工で用いられる配合剤を加えることができる。配合剤としては公知のものを用いることができる。配合剤としては、例えば、着色剤の繊維、増量剤の炭酸カルシウム、補強剤のシリカ、タルク、クレー、架橋剤のパーオキサイドなど、さらには、加硫剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、軟化剤、可塑剤、硬化剤、充填剤、老化防止剤などを挙げることができる。
(IV)次に、前記(III)の工程によって得られた繊維複合材料について述べる。
本実施の形態にかかる繊維複合材料は、エラストマーと、該エラストマーに分散された3〜40体積%の繊維と、1〜30体積%のカーボンナノファイバーと、を含み、−80〜300℃において、平均線膨張係数が100ppm(1/K)以下でありかつ線膨張係数の微分値が120ppm(1/K)以下である。
繊維複合材料の平均線膨張係数は、繊維及びカーボンナノファイバーの体積割合によって異なり、繊維及びカーボンナノファイバーの体積割合が高いと平均線膨張係数は低くなり、繊維及びカーボンナノファイバーの体積割合が低いと平均線膨張係数は高くなる。つまり、繊維複合材料の平均線膨張係数を繊維及びカーボンナノファイバーの体積割合によって制御することができる。カーボンナノファイバーが1体積%未満だとエラストマーを拘束できないので線膨張係数を下げることができず、15体積%を越えると線膨張係数を下げることができるが、特に30体積%を超えるのは高価なカーボンナノファイバーを大量に用いることになり実用上望ましくない。繊維が3体積%未満だとカーボンナノファイバーを大量に含有しないと線膨張係数を下げることができず、40体積%を越えると加工(混練)が困難になり望ましくない。
カーボンナノファイバーと繊維との体積割合には相関関係があり、カーボンナノファイバーの体積割合が低い場合には繊維の体積割合を高くし、繊維の体積割合が低い場合にはカーボンナノファイバーの体積割合を高くして、線膨張係数を低く制御する。
繊維複合材料の線膨張係数の微分値は、120ppm(1/K)以下と低く、広い温度範囲において安定しており、瞬間的に熱膨張が大きくならない。繊維複合材料の線膨張係数の微分値の最大値は、繊維及びカーボンナノファイバーの体積割合によって異なり、繊維及びカーボンナノファイバーの配合割合が高いと小さくなり、繊維及びカーボンナノファイバーの体積割合が低いと大きくなる。つまり、繊維複合材料の線膨張係数の微分値の最大値を繊維及びカーボンナノファイバーの体積割合によって制御することができる。また、カーボンナノファイバーが1体積%未満であると、−80〜300℃の線膨張係数が安定せず、耐熱温度も300℃よりも低くなる。さらに、カーボンナノファイバーの体積割合が15体積%未満で繊維が3体積%未満の場合、線膨張係数の微分値の最大値は120ppm(1/K)を超え、−80〜300℃の温度範囲において線膨張係数の微分値が大きく変動し、熱膨張が特定の温度域で不安定になる。
本実施の形態にかかる繊維複合材料は、−80〜300℃において、任意の方向Xの線膨張係数と、該方向Xに直交する方向Yにおける線膨張係数との比が0.7〜1.3倍である。
任意の方向Xを例えばオープンロールの回転方向とすると、一般に剛直な繊維例えばポリエステル繊維は配向し、方向Xに直交する方向Yにおける線膨張係数が極端に小さくなり異方性を示すが、本実施の形態にかかる繊維複合材料の線膨張係数は等方性を有する。
本実施の形態にかかる繊維複合材料は、マトリクスであるエラストマーを繊維及びカーボンナノファイバーによって囲むことによって、拘束領域を形成する。この拘束領域は、エラストマーの動きを制限し、拘束する。平均直径が0.7〜15nmの細いカーボンナノファイバーを1〜30体積%と、繊維を3〜40体積%と、を含む繊維複合材料は、任意の面における拘束領域が非常に小さくなるため、エラストマーが物理的に架橋されたように拘束される。しかも、カーボンナノファイバーによる拘束領域は、広い温度範囲例えば−80〜300℃において熱に対して安定した線膨張係数を与えることができる。
繊維複合材料は、非架橋体であっても架橋体であってもよく、用途に応じて適宜選択することができる。繊維複合材料が非架橋体であれば、リサイクルして使用することができる。
本実施の形態にかかる繊維複合材料は、耐熱温度が300℃以上である。
耐熱温度は、繊維複合材料を構成するエラストマーの分子鎖が切断し始めることによっておこる線膨張係数の急激な上昇によって判断することができる。
本実施の形態の繊維複合材料は、基材であるエラストマーに繊維及びカーボンナノファイバーが均一に分散されている。このことは、エラストマーが繊維及びカーボンナノファイバーによって拘束されている状態であるともいえる。この状態では、繊維及びカーボンナノファイバーによって拘束を受けたエラストマー分子の運動性は、繊維及びカーボンナノファイバーの拘束を受けない場合に比べて小さくなる。そのため、本実施の形態にかかる繊維複合材料の第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)及びスピン−格子緩和時間(T1)は、繊維及びカーボンナノファイバーを含まないエラストマー単体の場合より短くなる。
また、エラストマー分子が繊維及びカーボンナノファイバーによって拘束された状態では、以下の理由によって、非ネットワーク成分(非網目鎖成分)は減少すると考えられる。すなわち、繊維及びカーボンナノファイバーによってエラストマーの分子運動性が全体的に低下すると、非ネットワーク成分は容易に運動できなくなる部分が増えて、ネットワーク成分と同等の挙動をしやすくなること、また、非ネットワーク成分(末端鎖)は動きやすいため、繊維及びカーボンナノファイバーの活性点に吸着されやすくなること、などの理由によって、非ネットワーク成分は減少すると考えられる。
以上のことから、本実施の形態にかかる繊維複合材料は、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって得られる測定値が以下の範囲にあることが望ましい。
すなわち、非架橋体の繊維複合材料において、150℃で測定した、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は100ないし3000μ秒であり、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)は1000ないし10000μ秒であり、さらに第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は0.2未満であることが好ましい。
また、架橋体の繊維複合材料において、150℃で測定した、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は100ないし2000μ秒であり、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)は存在しないかあるいは1000ないし5000μ秒であり、前記第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は0.2未満であることが好ましい。
パルス法NMRを用いた反転回復法により測定されたスピン−格子緩和時間(T1)は、スピン−スピン緩和時間(T2)とともに物質の分子運動性を表す尺度である。具体的には、エラストマーのスピン−格子緩和時間が短いほど分子運動性が低く、エラストマーは固いといえ、そしてスピン−格子緩和時間が長いほど分子運動性が高く、エラストマーは柔らかいといえる。したがって、繊維及びカーボンナノファイバーが均一に分散した繊維複合材料は、分子運動性が低くなり、上述のT2n,T2nn,fnnの範囲となる。
本実施の形態にかかる繊維複合材料は、動的粘弾性の温度依存性測定における流動温度が、原料エラストマー単体の流動温度より20℃以上高温であることが好ましい。本実施の形態の繊維複合材料は、エラストマーに繊維及びカーボンナノファイバーが良好に分散されている。このことは、上述したように、エラストマーが繊維及びカーボンナノファイバーによって拘束されている状態であるともいえる。この状態では、エラストマーは、繊維及びカーボンナノファイバーを含まない場合に比べて、その分子運動が小さくなり、その結果、流動性が低下する。このような流動温度特性を有することにより、本実施の形態の繊維複合材料は、動的粘弾性の温度依存性が小さくなり、その結果、優れた耐熱性を有する。
本実施の形態にかかる繊維複合材料は、上述のように熱膨張の特性が広い温度範囲で安定している。しかも、繊維複合材料の平均線膨張係数が低いことから、広い温度範囲で熱膨張が小さい。さらに、繊維複合材料の線膨張係数の微分値の最大値が小さいことから、広い温度範囲において安定しており、瞬間的に熱膨張が大きくならない。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。(実施例1〜8、比較例1〜3)
(1)サンプルの作製
表1に示すエラストマーに所定量の繊維及びカーボンナノファイバーをオープンロール法によって混練してサンプルを得た。サンプルは、以下の方法によって非架橋サンプルと架橋サンプルとを作製した。
(a)非架橋サンプルの作製
1)6インチオープンロール(ロール温度10〜20℃)に、エラストマーを投入して、ロールに巻き付かせた。
2)エラストマーに対して繊維及びカーボンナノファイバー(表1では「CNT1」、「CNT13」と記載する)をエラストマーに投入した。このとき、ロール間隙を1.5mmとした。
3)繊維及びカーボンナノファイバーを投入し終わったら、エラストマーと繊維とカーボンナノファイバーとの混合物をロールから取り出した。
4)ロール間隙を1.5mmから0.3mmと狭くして、混合物を投入して薄通しをした。このとき、2本のロールの表面速度比を1.1とした。薄通しは繰り返し10回行った。
5)ロールを所定の間隙(1.1mm)にセットして、薄通しした混合物を投入し、分出しした。
このようにして、実施例1〜8および比較例1〜3の非架橋サンプルを得た。表1において、原料エラストマーは、「NR」が天然ゴム、「EPDM」がエチレン・プロピレンゴムである。また、表1において、「CNT1」は平均直径(繊維径)が約1nm、平均長さが1〜10μmのシングルウォールカーボンナノチューブであり、「CNT13」は平均直径が約13nm、平均長さが1〜25μmのマルチウォールカーボンナノチューブである。表1において、「綿」は平均直径(繊維径)が約10μm、平均長さが約6mmの綿糸であり、「絹」は平均直径が約3μm、平均長さが約6mmの絹糸であり、「ステンレス繊維」は平均直径が約10μm、平均長さが約6mmの屈曲性の高いステンレス製の繊維である。実施例1、3〜8及び比較例1〜3においては、カーボンナノファイバー及び繊維の投入に先立って、エラストマー100phrに対して架橋剤のパーオキサイド(PO)を2phrを投入した。なお、実施例2は、実施例1の非架橋サンプルである。
(b)架橋サンプルの作製
実施例1、3〜8及び比較例1〜3の非架橋サンプルを、金型サイズに切り取り、金型にセットし、175℃、100kgf/cmにて、20分間プレス架橋を行った。
実施例1、3〜8および比較例1〜3の繊維複合材料における各配合物質の体積割合を表1に示す。
(2)電子顕微鏡による観察
各非架橋サンプルおよび架橋サンプルについて、電子顕微鏡(SEM)を用いて、カーボンナノファイバー及び繊維の分散の状態を観察した。全てのサンプルでカーボンナノファイバー及び繊維がエラストマー中に均一に分散している様子が観察された。
(3)線膨張係数及び耐熱温度の測定
実施例2の非架橋サンプルと、実施例1、3〜8及び比較例1〜3の架橋サンプルと、について、線膨張係数及び耐熱温度を測定した。これらの結果を表1に示す。測定装置はSII社製TMASS、測定試料形状は1.5mm×1.0mm×10mm、側長荷重は25KPa、測定温度は−80〜350℃、昇温速度は2℃/分であった。図2は、実施例1(図中B)及び比較例1(図中A)の温度(℃)−微分線膨張係数ppm(1/K)のグラフである。
Figure 2009001833
図2から、実施例1は、比較例1に比べて、測定温度範囲において線膨張係数が小さく、安定していることがわかった。比較例1は、複数の温度範囲において、線膨張係数の微分値が大きく変化していた。それに対し、本発明の実施例1は、測定温度範囲において線膨張係数の微分値の変化が小さく、安定していた。さらに、実施例1の線膨張係数の微分値は、比較例1に比べて、小さいことがわかった。
また、表1から、本発明の実施例1〜8によれば、以下のことが確認された。すなわち、−80〜300℃における実施例1〜8の繊維複合材料の平均線膨張係数は100ppm(1/K)以下であり、線膨張係数の微分値の最大値は120ppm(1/K)以下であった。また、実施例1〜8及び比較例1の繊維複合材料の耐熱温度は、300℃以上であった。なお、比較例1の繊維複合材料の平均線膨張係数は121ppm(1/K)であり、線膨張係数の微分値の最大値は141ppm(1/K)であった。また、−80〜300℃における比較例2の線膨張係数は不安定であったので計算しておらず、比較例2の耐熱温度は250℃であった。比較例3は混練加工できなかったので、線膨張係数、耐熱温度及び低伸長応力比は測定できなかった。
実施例2の非架橋サンプルも、実施例1の架橋サンプルとほぼ同様の結果が得られた。
以上のことから、本発明の繊維複合材料は広い温度範囲において熱膨張が小さく、安定していることが明かとなった。
本実施の形態で用いたオープンロール法によるエラストマーとカーボンナノファイバーとの混練法を模式的に示す図である。 実施例1及び比較例1の温度−線膨張係数の微分値のグラフである。
符号の説明
10 第1のロール
20 第2のロール
30 エラストマー
40 カーボンナノファイバー
50 繊維

Claims (9)

  1. ロール温度が0ないし50℃、ロール間隔が0.5mm以下のオープンロール法を用いてエラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させて得られた繊維複合材料であって、
    前記エラストマーと、該エラストマーに分散された平均直径が0.7〜15nmかつ平均長さが0.5〜100μmの前記カーボンナノファイバーを1〜30体積%と、平均直径が1〜100μmかつアスペクト比が50〜500の繊維を3〜40体積%と、を含み、
    −80〜300℃において、平均線膨張係数が100ppm(1/K)以下でありかつ線膨張係数の微分値が120ppm(1/K)以下である、繊維複合材料。
  2. 請求項1において、
    −80〜300℃において、任意の方向Xの線膨張係数と、該方向Xに直交する方向Yにおける線膨張係数との比が0.7〜1.3倍である、繊維複合材料。
  3. 請求項1または2において、
    前記カーボンナノファイバーのアスペクト比は、50以上である、繊維複合材料。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記繊維複合材料は、前記エラストマーが架橋されていない非架橋体である、繊維複合材料。
  5. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記繊維複合材料は、前記エラストマーが架橋された架橋体である、繊維複合材料。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    前記カーボンナノファイバーが混合される前の前記エラストマーは、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって30℃で測定した、非架橋体における、ネットワーク成分のスピン−スピン緩和時間(T2n)が100ないし3000μ秒である、繊維複合材料。
  7. 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記繊維は、天然繊維である、繊維複合材料。
  8. 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記繊維は、金属繊維である、繊維複合材料。
  9. 請求項1ないし8のいずれかにおいて、
    耐熱温度が300℃以上である、繊維複合材料。
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