JP2004051853A - 高分子複合材料成形体及びその製造方法 - Google Patents

高分子複合材料成形体及びその製造方法 Download PDF

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Masayuki Hida
飛田 雅之
Toru Kimura
木村 亨
Naoyuki Shimoyama
下山 直之
Fumio Saito
齋藤 文雄
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Abstract

【課題】異方性機能を有する高性能な高分子複合材料成形体及びその実用的な製造方法を提供する。
【解決手段】高分子複合材料成形体は、ポリイミド繊維が高分子材料中に配合されたものである。そして、ポリイミド繊維は高分子材料中で一定方向に配向されている。ポリイミド繊維は、芳香族ポリイミド繊維であることが好ましい。また、ポリイミド繊維の繊維長が、10mm以下であることが好ましい。さらに、ポリイミド繊維の異方性反磁性磁化率χは、1×10−9以上であることが好ましい。高分子複合材料成形体を製造するには、ポリイミド繊維が高分子材料中に配合された高分子組成物に、磁場を印加する。そして、ポリイミド繊維を磁化させて一定方向に配向させた後、高分子組成物を硬化又は固化させて所定の形状に成形する。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機能性繊維が高分子材料中に配合されて複合化された高分子複合材料成形体及びその製造方法に関するものである。より具体的には、機能性合成樹脂繊維としてポリイミド繊維が高分子材料中で一定方向に配向された高分子複合材料成形体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、マトリックスとしての高分子材料に、ガラス繊維や炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維などの機能性繊維が配合されて複合化された高分子複合材料成形体が広く知られている。例えば、弾性率や強度等の機能性を向上させた繊維強化樹脂や繊維強化ゴムなどが知られ、宇宙、航空機、自動車、電気製品やスポーツ、レジャー用品などの成形部品として幅広く実用化されている。
【0003】
そして、高弾性率、高強度、耐熱性、低比重など、種々の優れた機能を有する機能性合成樹脂繊維としてポリイミド繊維が知られ、高分子組成物中でポリイミド繊維がランダムに分散配合されて複合化された高分子複合材料成形体が実現されている。
【0004】
一方、最近の複雑な機構部品などにおいては、弾性率や強度などの機械的性質、熱膨張係数や熱伝導率などの熱的性質、光学的性質、電気的性質などの異方性機能を有する新しい高分子複合材料成形体の実現が切望されている。
【0005】
これらの異方性機能を有する高分子複合材料成形体を製造する方法としては、成形加工時にマトリックスの高分子材料の流動場やせん断場を利用して高分子組成物中の複合化される繊維を一定方向に配向させる方法が知られている。これらの製造方法は、炭素繊維或いは黒鉛化炭素繊維又はガラス繊維、アラミド繊維を一定方向に配向させて異方性機能を発現させた高分子複合材料成形体の製造方法として実現されている。
【0006】
また、高分子組成物中の炭素繊維を、磁場を印加することにより一定方向に配向させて、異方性機能を発現させた高分子複合材料成形体の製造方法が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のポリイミド繊維を機能性合成樹脂繊維として用いた高分子複合材料成形体は、ポリイミド繊維が高分子組成物中で一定方向に配向されずにランダムに分散配合されていたため、機能性が等方的に発現され、異方性機能を有する高分子複合材料成形体ではなかった。すなわち、ポリイミド繊維を機能性合成樹脂繊維として用いた高分子複合材料成形体において、異方性機能を有する高性能な高分子複合材料成形体は未だ実現されていなかった。
【0008】
そのため、高分子材料中に配合されるポリイミド繊維を任意の一定方向に配向させることにより、異方性機能を有する高性能な高分子複合材料成形体が実現されることが期待されていた。
【0009】
ところが、上記従来の高分子材料の流動場やせん断場、或いは電場を利用して複合化される繊維を一定方向に配向させる高分子複合材料成形体の製造方法においては、成形条件や設備上の制約が多く、設計上の自由度が狭いという問題があった。また、流動する高分子組成物が衝突するマトリックスのウェルド部分などにおいては、複合化される繊維が必ずしも一定方向に配向されないため、異方性機能を十分に発現させることが困難であるという問題があった。そのため、上記従来の高分子材料の流動場やせん断場、或いは電場を利用した高分子複合材料成形体の製造方法は、異方性機能を有する高性能な高分子複合材料成形体の製造方法として実用的な製造方法でなかった。
【0010】
また、無機繊維としての炭素繊維を一定方向に磁場配向させた高分子複合材料成形体の製造方法については上述したように知られていたが、合成樹脂繊維を一定方向に磁場配向させた高分子複合材料成形体の製造方法については、未だ報告されていない。例えば、合成樹脂繊維を磁場配向させた報告として、超高分子量ポリエチレン繊維を水とエタノールの溶液中に分散させた状態で磁場を印加することにより、ポリエチレン繊維を磁場方向に対して垂直に配向させた報告(例えば、Polymer Preprint,Japan,Vol.47,No.14,4075(1998))があるが、この報告においても合成樹脂繊維としてのポリエチレン繊維を任意の一方向に配向させることができなかった。すなわち、ポリエチレン繊維は磁力線の方向に対して垂直方向、すなわち磁力線に対する垂直面内の不定方向へ配向されてしまい、任意の一方向に配向させたものではなかった。また、ポリエチレン繊維は融点が130℃程度であるため、得られる高分子複合材料成形体の耐熱性が低いという欠点がある。さらに合成樹脂繊維としてのポリイミド繊維を一定方向に配向させる方法については何ら開示されていない。
【0011】
従って、合成樹脂繊維としてのポリイミド繊維を高分子組成物中で任意の一定方向に配向させることにより、異方性機能を有する高性能な高分子複合材料成形体が実現されることが期待されていた。しかし、そのような高性能な高分子複合材料成形体及びその実用的な製造方法は何ら開示されていないため、実現することが不可能であった。
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高分子材料中に配合され複合化される機能性合成樹脂繊維としてのポリイミド繊維を任意の一定方向に配向させることにより、異方性機能を有する高性能な高分子複合材料成形体及びその実用的な製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明者らは、ポリイミド繊維が高分子材料中で任意の一定方向に配向された高分子複合材料成形体が、機械的性質、熱的性質、光学的性質、電気的性質などの異方性機能に優れること、及びその異方性機能を有する高性能な高分子複合材料成形体の実用的な製造方法を見出し、本発明に到達した。
【0014】
すなわち、請求項1に記載の発明は、ポリイミド繊維が高分子材料中に配合された高分子複合材料成形体であって、前記ポリイミド繊維が高分子材料中で一定方向に配向されていることを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ポリイミド繊維が芳香族ポリイミド繊維であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記ポリイミド繊維の繊維長が、10mm以下であることを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、ポリイミド繊維が高分子材料中に配合された高分子組成物に、磁場を印加することにより、ポリイミド繊維を磁化させて一定方向に配向させた後、高分子組成物を硬化又は固化させて所定の形状に成形することを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記ポリイミド繊維の異方性反磁性磁化率χが、1×10−9以上であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の発明において、前記ポリイミド繊維が、芳香族ポリイミド繊維であることを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の発明において、前記ポリイミド繊維の繊維長が、10mm以下であることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の高分子複合材料成形体は、機能性合成樹脂繊維としてのポリイミド繊維が高分子材料中に配合された高分子複合材料成形体であって、前記ポリイミド繊維が高分子材料中で一定方向に配向されていることを特徴とする。
【0020】
<ポリイミド繊維>
まず、機能性合成樹脂繊維として用いられるポリイミド繊維について、説明する。
【0021】
ポリイミド繊維は、特に限定されるものではなく、公知のポリイミド繊維を用いることができる。具体的には、芳香族ポリイミド繊維、液晶性ポリイミド繊維、脂肪族ポリイミド繊維などが含まれる。
【0022】
これらのなかでも、耐熱性、機械的強度、耐久性などに優れる芳香族ポリイミド繊維を用いることが好ましい。芳香族ポリイミド繊維は、一般的に、弾性率、強度、伸度、耐熱性、低温特性、耐薬品性、電気的性質、耐候性などに優れ、得られる高分子複合材料成形体の機械的性質、熱的性質などの機能性を飛躍的に向上させることができる。
【0023】
このようなポリイミド繊維としては、構造が下記一般式(1)で表されるが、特にこれらに限定するものではない。
【0024】
【化1】
Figure 2004051853
(Arは4価の有機基を、Arは2価の有機基を、nは1以上の整数を表す。)
一般式(1)中の具体的なArとしては、
【0025】
【化2】
Figure 2004051853
【0026】
【化3】
Figure 2004051853
で表される少なくとも一種が挙げられる。
【0027】
また、一般式(1)中の具体的なArとしては、
【0028】
【化4】
Figure 2004051853
【0029】
【化5】
Figure 2004051853
で表される少なくとも一種が挙げられる。
【0030】
このようなポリイミド繊維としては、例えば、インスペックファイバー社製のポリイミド繊維、P84(商品名)が市販されていて容易に入手することができる。主鎖或いは側鎖にシロキサン結合を有するポリイミドシロキサン繊維、フッ素基を導入したフッ素化ポリイミド繊維なども使用できる。そして、これらの繊維は、上記の性質の他に、低吸水性、耐摩耗性、衝撃吸収性等についても優れていることから、これらの性質を生かして種々の機能性を有する高性能な高分子複合材料成形体を製造することができる。
【0031】
さらに、ポリイミド繊維は、耐熱性や成形加工性などの機能性を改良する目的で、その一部が、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系重合体、アクリル系重合体、ポリアミド系重合体などの公知の重合体に置き換えられたものであってもよい。
【0032】
ポリイミド繊維の断面形状については、特に限定されるものではなく、例えば、ウィスカー状、パルプ状などの断面形状であっても構わない。また、ポリイミド繊維と他の繊維とから構成される芯鞘構造を有する複合繊維などであっても適用可能である。
【0033】
ポリイミド繊維の直径については、特に限定されるものではないが、繊維の生産性や取り扱い、高分子材料への配合などを考慮すると、実用的に好ましい繊維の直径は0.1〜30μmである。
【0034】
ポリイミド繊維の繊維長については、特に限定するものではないが、好ましくは10mm以下であり、より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは2mm以下である。ポリイミド繊維の繊維長が10mmよりも長くなると、高分子材料中に均一に分散しにくくなり、また、粘度が上昇して成形性が悪化するので好ましくない。さらに、繊維長が長いほど繊維同士が絡み合い、ポリイミド繊維を一定方向に配向させにくくなる。
【0035】
ポリイミド繊維の異方性機能を発現させ、得られる高分子複合材料成形体の機能性を一層向上させるためには、一般的には繊維のアスペクト比(=繊維長/直径)が大きい方が好ましい。ポリイミド繊維のアスペクト比は、好ましくは100〜5000、さらに好ましくは100〜1000である。このアスペクト比が100未満であると、ポリイミド繊維が異方性機能を十分に発現しにくくなるおそれがある。一方、5000を超えると、繊維同士が絡み合い、ポリイミド繊維を一定方向に配向させにくくなるおそれがある。
【0036】
なお、ポリイミド繊維の繊維長の下限は特に限定されるものではない。この繊維長の下限は、繊維直径により異なるが、10μm以上であることが好ましく、より好ましくは50μm以上である。ポリイミド繊維の繊維長が10μm未満であると、繊維の直径が0.1μmの場合であってもアスペクト比が100未満となり、得られる高分子複合材料成形体の異方性機能が発現されにくくなるため好ましくない。
【0037】
ポリイミド繊維の異方性反磁性磁化率χ(CGS単位系)は、1×10−9以上であることが好ましい。異方性反磁性磁化率χが1×10−9よりも小さいと、ポリイミド繊維を一定方向に磁場配向させることが困難となる。より好ましい異方性反磁性磁化率χは、5×10−9以上、さらに好ましくは1×10−8以上である。ポリイミド繊維の異方性反磁性磁化率χが大きいほど、ポリイミド繊維を高度に磁場配向させることが容易となる。なお、ポリイミド繊維の異方性反磁性磁化率χは、1×10−5〜1×10−6程度が上限であると推定される。
【0038】
ここで、異方性反磁性磁化率χとは、外部より磁場を印加することにより生じる、繊維の繊維軸方向の磁化率χ//から、繊維軸に対して垂直方向の磁化率χを差し引いた反磁性磁化率の異方性を示す値(CGS単位系)である。この異方性反磁性磁化率χが正の値を示す繊維、例えば、ポリイミド繊維などは、磁場雰囲気下で繊維軸が磁力線に沿って平行に配向され、また、この異方性反磁性磁化率χの絶対値が大きくなればなるほど、磁場を印加することにより高度に一定方向に配向させることができる。一方、異方性反磁性磁化率χが負の値を示す繊維、例えば、上記従来のポリエチレン繊維などを用いると、磁力線に対して繊維軸が垂直となるように磁場が作用され、繊維が磁力線の方向に対して垂直方向、すなわち磁力線に対する垂直面の不定方向へ配向されてしまい、任意の一定方向に配向させることができない。なお、異方性反磁性磁化率χは、磁気異方性トルク計、振動式磁力計、SQUID(超伝導量子干渉素子)、サスペンジョン法などの公知の方法で測定することができる。
【0039】
<高分子材料>
次にマトリックスとしての高分子材料について説明する。
高分子材料としては、特に限定されるものではなく、目的とする高分子複合材料成形体の機械的性質、熱的性質、光学的性質、電気的性質、耐久性、信頼性などの要求性能に応じて、例えば、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、各種硬化性樹脂、架橋ゴム及びその類似物などを好適に用いることができる。
【0040】
具体的な熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのエチレン−α−オレフィン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ABS樹脂、ポリフェニレンエーテル及び変性PPE樹脂、脂肪族及び芳香族ポリアミド類、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメタクリル酸及びそのメチルエステルなどのポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル酸類、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルケトン、ポリケトン、液晶ポリマー、シリコーン樹脂、アイオノマー等が挙げられる。
【0041】
具体的な熱可塑性エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン又はスチレン−イソプレンブロック共重合体とその水添ポリマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0042】
具体的な硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミドシリコーン樹脂、熱硬化型ポリフェニレンエーテル及び変性PPE樹脂等が挙げられる。
【0043】
具体的な架橋ゴム及びその類似物としては、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、ブチルゴム及びハロゲン化ブチルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、液状ゴム等が挙げられる。
【0044】
これらの高分子材料のなかでも、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂及び液状ゴムよりなる群から選択される少なくとも1種の高分子材料を用いることが、耐熱性などの温度特性や電気的信頼性の観点から好ましい。加えて、これらの高分子材料を用いると、ポリイミド繊維を混合する際に低粘度の液体であるか、或いは加熱溶融時に低粘度化することができるため、高分子材料に配合されるポリイミド繊維の配向制御が容易となる。より具体的には、液状のエポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂、液状ゴムなどの高分子前駆体や溶融状態において低粘度の高分子材料を用いることが好適である。
【0045】
また、これらの高分子材料は、一種を単独で用いても、二種以上を適宜組み合わせて用いてもよく、さらに、これらの高分子材料から選択される複数の高分子材料からなるポリマーアロイを使用しても差し支えない。なお、硬化性樹脂又は架橋ゴムの架橋方法については、特に限定されず、熱硬化法、光硬化法、湿気硬化法、放射線又は電子線照射法などの公知の架橋方法を採用することができる。
【0046】
<高分子複合材料成形体>
高分子複合材料成形体は、上述した機能性合成樹脂繊維としてのポリイミド繊維が高分子材料中で一定方向に配向されていることを特徴とする。このようにポリイミド繊維が高分子材料中で一定方向に配向されることにより、機能性合成樹脂繊維としての繊維長さ方向の弾性率や強度などの様々な高機能性が発揮され、異方性機能を有する高性能な高分子複合材料成形体を実現することができるようになる。
【0047】
具体的には、ポリイミド繊維の高い引張破断強度を利用することにより高分子複合材料成形体の強度を向上させることができる。また、ポリイミド繊維の繊維軸方向の高い弾性率を利用することにより、高分子複合材料成形体の特定方向の弾性を向上させることができる。さらに、ポリイミド繊維の繊維軸方向の低熱膨張性を利用することにより高分子複合材料成形体の特定方向の熱膨張係数や寸法変化などを小さくしたりすることなどが可能となる。
【0048】
高分子複合材料成形体の形状については、特に限定されず、公知の形状を採用することができ、例えば、立方体状、球状、円柱状、板状、フィルム状、棒状、チューブ状などの形状が挙げられる。なお、高分子複合材料成形体は、成形体の部分的個所のみのポリイミド繊維が一定方向に配向されたものであっても構わない。
【0049】
そして、高分子複合材料成形体は、弾性率や強度などの機械的性質、熱膨張係数、熱伝導率などの熱的性質、電気的性質、光学的性質などの異方性機能が要求されるあらゆる用途の成形体に応用することができる。例えば、機械部品、機構部品、自動車部品、電気製品等に応用したり、電気製品や自動車製品のハウジング、基板、伝導ベルト、タイヤ、ローラ、フィルターなどの部品や異型成形体に応用することができる。
【0050】
<製造方法>
本発明の高分子複合材料成形体の製造方法は、機能性合成樹脂繊維としてのポリイミド繊維が高分子材料中に配合された高分子組成物に、磁場を印加することにより、ポリイミド繊維を磁化させて一定方向に配向させた後、高分子組成物を硬化又は固化させて所定の形状に成形することを特徴とする。
【0051】
(高分子組成物の調製)
高分子組成物は、上述したポリイミド繊維を、例えば、ブレンダー、ミキサー、ロール、押出機などの公知の混合・混練装置を用いて上述した高分子材料中に配合することにより得ることができる。なお、混合分散する際には、減圧或いは加圧することにより、混入した気泡を除去する工程を加えることが好ましい。
【0052】
高分子材料中に配合されるポリイミド繊維の配合量は、特に限定されず、目的とする最終製品の要求性能などにより適宜決定されるが、高分子材料100重量部に対して0.01〜50重量部であることが好ましい。ポリイミド繊維の配合量が多い程、得られる高分子複合材料成形体の異方性機能の向上が達成されるが、ポリイミド繊維の配合量が50重量部を越えると、高分子組成物の粘度が増大して流動性が損なわれ、ポリイミド繊維の配向制御が困難となるため好ましくない。また、ポリイミド繊維の配合量が0.01重量部よりも少ないと、得られる高分子複合材料成形体の機能性の向上効果が小さくなるため好ましくない。より好ましいポリイミド繊維の配合量は、高分子材料100重量部に対して0.02〜30重量部であり、さらに好ましくは0.05〜20重量部である。
【0053】
また、高分子組成物は、上記ポリイミド繊維以外の繊維として、少量のアラミド繊維、脂肪族ポリアミド繊維、ポリベンザゾール繊維、ポリエステル繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、フェノール繊維、ポリオレフィン繊維、ビニロン繊維などの有機繊維、天然繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミックス繊維や、これらの繊維を複合した複合繊維、ニッケルなどの金属を表面に被覆した炭素繊維や有機繊維、あるいはそれらの少量の織布や不織布などを混在されたものであってもよい。これらの少量の繊維或いは織布や不織布などを混在させることにより、得られる高分子複合材料成形体の種々の機能性を向上させることができる。さらに、高分子組成物は、必要に応じて他の充填剤や可塑剤、架橋剤、着色剤、安定剤、溶剤などの少量の添加剤を併用しても差し支えない。
【0054】
なお、高分子材料との濡れ性や接着性を向上させるために、ポリイミド繊維の表面をあらかじめ脱脂や洗浄処理したり、紫外線照射処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理或いはイオン注入などの活性化処理を施すことが好ましい。また、これらの表面処理に加えて、シラン系やチタン系、アルミニウム系などの通常のカップリング剤やレゾルシンホルマリンラテックスなどでポリイミド繊維の表面を処理することが好ましい。その結果、さらに多量のポリイミド繊維を高分子材料中に分散混合させやすくなる。
【0055】
また、揮発性の有機溶剤や反応性可塑剤を添加するなどして高分子組成物を低粘度化させてポリイミド繊維の配合量を増大させたり、ポリイミド繊維と高分子材料との比重差を小さくすることにより高分子組成物中でのポリイミド繊維の沈降を抑制させて配向を促進させたりすることもできる。
【0056】
(高分子複合材料成形体の成形)
高分子複合材料成形体は、上述した高分子組成物を、各種硬化反応や冷却処理などの公知の方法を利用して硬化又は固化させ、所定の形状に成形することにより得られる。
【0057】
高分子複合材料成形体の成形方法については、特に限定されるものではなく、押出成形法、射出成形法、圧縮成形法、トランスファー成形法、ブロー成形法、真空成形法、回転成形法などが適用可能である。
【0058】
(配向)
高分子組成物中のポリイミド繊維は、外部より磁場を印加することにより磁化され、磁力線に対してその繊維軸が平行となるように配向される。これにより、任意の一定方向にポリイミド繊維を配向させることができ、ポリイミド繊維の繊維軸方向の高弾性、低熱膨張性などの異方性特性を生かして、弾性率や強度などの機械的性質、熱的性質、光学的性質、電気的性質などの異方性機能を有する高性能な高分子複合材料成形体を簡便に製造することができる。
【0059】
より具体的には、例えば、板状の高分子複合材料成形体を成形する際に、厚み方向にポリイミド繊維を配向させる場合には、厚み方向に永久磁石や電磁石のN極とS極を対向するように設置して磁力線の向きが厚み方向に向くように磁場を印加することにより、ポリイミド繊維を厚み方向に配向させることができる。そして、ポリイミド繊維を厚み方向に配向させた状態で高分子組成物を硬化又は固化させることにより、厚み方向にポリイミド繊維が配向された高分子複合材料成形体を得ることができる。
【0060】
一方、例えば、板状の高分子複合材料成形体を成形する際に、面内の一方向にポリイミド繊維を配向させる場合には、厚み方向に対して垂直の方向に磁石のN極とS極を対向するように設置する。そして、磁力線の向きが面内の一方向に向くように磁場を印加することによって、ポリイミド繊維を面内の一方向に配向させることができる。このように、ポリイミド繊維を面内の一方向に配向させた状態で高分子組成物を硬化又は固化させることにより、面内の一方向にポリイミド繊維が配向された高分子複合材料成形体を得ることができる。なお、磁石のN極とN極、又はS極とS極を厚み方向に対向させてもポリイミド繊維を面内の一方向に配向させることができる。
【0061】
ここで、前述した超高分子量ポリエチレン繊維とは異なり、ポリイミド繊維が磁力線に対してその繊維軸が平行となるように配向するのは、
(a)ポリエチレン繊維は異方性反磁性磁化率χが負の値を示すため、磁力線に対して繊維軸が垂直となるように磁場が作用されるが、ポリイミド繊維は異方性反磁性磁化率χが正の値を示すため、磁力線に対して繊維軸が平行となるように磁場が作用されること、
(b)芳香環が磁力線に対して垂直に配置されると渦電流が生じるため、芳香環が磁力線に対して平行になるように、すなわち、主鎖に芳香環を含む高分子化合物を延伸して得られるポリイミド繊維などの繊維の場合には、磁力線に対して繊維軸が平行となるように磁場が作用されること、
(c)芳香環の異方性磁化率を考慮すると、配向されるポリイミド繊維中のできるだけ多くの芳香環が磁力線に対して平行となる配向方向がエネルギー的に最も安定であること、
等の理由によるものと推定される。
【0062】
従って、配合するポリイミド繊維として芳香族ポリイミド繊維を用いると、磁力線に対して繊維軸が平行となるように高分子組成物中で高度に配向させることができ、異方性機能を有する高分子複合材料成形体を、より一層、簡便に製造することができる。
【0063】
磁場発生手段としては、特に限定されず、例えば、永久磁石、電磁石、超電導磁石、コイルなどが好適に用いられる。また、その磁場の強さを表す磁束密度は、特に限定されないが、0.1〜30テスラであると、実用的で効果的なポリイミド繊維の配向を達成することができる。また、ポリイミド繊維の非常に弱い異方性反磁性磁化率χを利用してポリイミド繊維を一定方向に配向させるため、より強い磁束密度であることが好ましく、より好ましい磁束密度は0.5テスラ以上、さらに好ましくは2テスラ以上である。
【0064】
なお、磁力線は必ずしも直線状でなくてもよく、曲線状や矩形であっても、或いは2方向以上であっても構わない。また、高分子組成物の一部のみが磁場雰囲気下に配置されるような構成であっても構わない。また、磁石については必ずしも両側に対向させる必要はなく、片側のみに配置した磁石によっても高分子組成物中のポリイミド繊維を任意の一定方向に配向させることが可能である。さらに、高分子組成物に振動を加えたり、磁力線の方向を反転させたりすることにより、高分子組成物中のポリイミド繊維の配向を促進させることもできる。
【0065】
<応用例>
図1(a)〜(d)及び図2(a)〜(d)に、本発明の高分子複合材料成形体の製造方法の応用例を示す。
【0066】
金型11の成形凹部11a内に、高分子組成物13aを充填し、磁場発生手段としての超電導磁石12のN極とS極が対向する磁場雰囲気下で、ポリイミド繊維14を磁力線に沿って平行に配向させた後、高分子組成物13aを硬化又は固化させて所定の形状に成形し、高分子複合材料成形体13を製造する。これにより、磁力線に対してその繊維軸が平行となるようにポリイミド繊維が配向された高分子複合材料成形体13が容易に得られる。なお、図1(a)〜(d)は、面内に一定方向にポリイミド繊維14が配向された高分子複合材料成形体13の製造方法の例を示し、図2(a)〜(d)は、厚み方向にポリイミド繊維14が配向された高分子複合材料成形体13の製造方法の例を示す。
【0067】
以上の実施形態により発揮される効果を以下にまとめて記載する。
・ 機能性合成樹脂繊維が高分子材料中に配合されて複合化された高分子複合材料成形体において、ポリイミド繊維を機能性合成樹脂繊維として用い、ポリイミド繊維を高分子材料中で一定方向に配向させた。これにより、高弾性率、高強度、耐熱性、低比重などの種々の優れた機能を有するポリイミド繊維の特性を生かして、異方性機能を有する高性能な高分子複合材料成形体を実現することができるようになる。
【0068】
・ ポリイミド繊維が高分子材料中に配合された高分子組成物に、磁場を印加してポリイミド繊維を一定方向に配向させた後、高分子組成物を硬化又は固化させて所定の形状に成形することにより高分子複合材料成形体を製造した。これにより、機械的にポリイミド繊維を配向させる従来の製法と比較して、ポリイミド繊維を一定方向に高度に配向させることができるとともに、異方性機能を有する高分子複合材料成形体を簡易に得ることができる。また、ポリイミド繊維の異方性反磁性磁化率χが、1×10−9以上であると、磁場を印加することにより、一定方向にポリイミド繊維を高度に配向させることができ、ポリイミド繊維の配向制御が容易となるとともに、異方性機能を有する高分子複合材料成形体をより一層簡易に得ることができる。
・ 機能性合成樹脂繊維としてのポリイミド繊維として、芳香族ポリイミド繊維を用いた。これにより、上述した芳香環に対する磁場作用を利用して、磁力線に対して繊維軸が平行となるように高度に配向させることができるとともに、より一層、弾性率、強度、耐熱性、耐候性などに優れた高分子複合材料成形体を得ることができる。特に、芳香族ポリイミド繊維を用いると、磁場雰囲気下で、より一層、高度に配合させることができ、また、より一層高性能な高分子複合材料成形体を実現することができる。
【0069】
・ ポリイミド繊維の繊維長を、10mm以下とした。これにより、高分子材料中にポリイミド繊維を均一に分散させることができるとともに、成形加工性を良好にすることができ、また、高分子組成物中におけるポリイミド繊維の配向制御が容易となる。
【0070】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【0071】
(異方性反磁性磁化率χの測定)
芳香族ポリイミド繊維であるインスペックファイバー社製の直径10μmの芳香族ポリイミド繊維、P84(商品名)の異方性反磁性磁化率χ(CGS単位系)を磁気異方性トルク計(株式会社玉川製作所製 磁気異方性トルク計)で測定したところ、6.87×10−8あった。
【0072】
(実施例1)
高分子材料として不飽和ポリエステル樹脂(株式会社日本触媒製 エポラックG157)100重量部に、表面をエタノールで脱脂したポリイミド繊維(インスペックファイバー社製 P84(商品名):直径10μm、長さ0.5mm)2重量部を混合し真空脱泡して高分子組成物13aを調製した。
【0073】
得られた高分子組成物13aを、図1(a)〜(d)に示すように、表面がフッ素樹脂コーティングされたアルミニウム製の板状の金型11の成形凹部11a内に充填する。次に、磁場発生手段としての超電導磁石12のN極とS極が対向する磁束密度8テスラの磁場雰囲気下で、ポリイミド繊維を面内の横方向に十分に配向させた後、加熱硬化させて固化させ、板状の高分子複合材料成形体13を作製した。得られた高分子複合材料成形体13中のポリイミド繊維14は、図1(d)に示すように、面内の一方向に配向していた。
【0074】
同様に、高分子組成物13aを、図2(a)〜(d)に示すように、表面がフッ素樹脂コーティングされたアルミニウム製の板状の金型11の成形凹部11a内に充填する。次に、磁場発生手段としての超電導磁石12のN極とS極が対向する磁束密度8テスラの磁場雰囲気下で、ポリイミド繊維を厚み方向に十分に配向させた後、加熱硬化させて固化させ、板状の高分子複合材料成形体13を作製した。得られた高分子複合材料成形体13中のポリイミド繊維14は、図2(d)に示すように、厚み方向に配向していた。
【0075】
得られた各々の高分子複合材料成形体13の曲げ弾性率(JIS K7055)及び線膨張係数(JIS K7197)を測定した結果を表1に示す。なお、この曲げ弾性率及び線膨張係数の測定は、得られた高分子複合材料成形体13を切削加工して作製した評価用試験片(曲げ弾性率:厚み5mm、縦15mm、横120mm、線膨張係数:厚み5mm、縦5mm、横5mm)を用いて測定した。ここで、曲げ弾性率及び線膨張係数の測定は、各々の母材となる高分子複合材料成形体13の厚み方向に評価用試験片を測定したものである。従って、図1(d)に示す配向方向の評価用試験片では、面内方向に配向されたポリイミド繊維14を折り曲げる方向となる繊維軸に垂直な方向(以下、軸垂直方向という)の高分子複合材料成形体13の曲げ弾性率及び線膨張係数が得られる。また、図2(d)に示す配向方向の評価用試験片では、繊維軸に平行方向(以下、軸平行方向という)の高分子複合材料成形体13の曲げ弾性率及び線膨張係数が得られることとなる。
【0076】
(実施例2、実施例3)
ポリイミド繊維の配合量をそれぞれ表1に示す配合量とした以外は、実施例1と同様の方法により、板状の高分子複合材料成形体13を作製した。得られた高分子複合材料成形体13中のポリイミド繊維14は、実施例1と同様に、一方の高分子複合材料成形体13のポリイミド繊維14は、図1(d)に示すように面内の一方向に配向し、他方の高分子複合材料成形体13のポリイミド繊維14は、図2(d)に示すように、厚み方向に配向していた。
【0077】
実施例1と同様に測定した曲げ弾性率及び線膨張係数の測定結果を表1に示す。
(比較例1)
比較用として、高分子材料としての不飽和ポリエステル樹脂(株式会社日本触媒製 エポラックG157)のみを、図1(a)〜(b)に示すように、表面がフッ素樹脂コーティングされたアルミニウム製の板状の金型11の成形凹部11a内に充填し、加熱硬化させて固化させ、板状の高分子材料成形体を作製した。
【0078】
実施例1と同様に測定した曲げ弾性率及び線膨張係数の測定結果を表1に示す。なお、本比較例においてはポリイミド繊維が配合されていないため、この曲げ弾性率及び線膨張係数の測定結果は、実施例1の高分子複合材料成形体13の各測定方向に対応する方向の高分子材料成形体の曲げ弾性率及び線膨張係数を測定したものである。
【0079】
(比較例2)
比較用として、実施例2の高分子組成物13aを、磁場を印加せずに加熱硬化させて固化させた以外は、実施例2と同様の方法により、板状の高分子複合材料成形体13を作製した。得られた高分子複合材料成形体13中のポリイミド繊維14は、図3に示すようにランダムに分散し、配向性は認められなかった。
【0080】
実施例1と同様に測定した曲げ弾性率及び線膨張係数の測定結果を表1に示す。なお、本比較例においてはポリイミド繊維14が一定方向に配向されていないため、この曲げ弾性率及び線膨張係数の測定結果は、実施例1の高分子複合材料成形体13の各測定方向に対応する方向の曲げ弾性率及び線膨張係数を測定したものである。
【0081】
【表1】
Figure 2004051853
(実施例4)
高分子材料としての液状シリコーンゴム(GEシリコーン株式会社製 TSE3070)100重量部に溶剤としてヘキサン50重量部を加えて低粘度化した後、表面をメタノールで脱脂してシランカップリング剤処理したポリイミド繊維(インスペックファイバー社製 P84(商品名):直径10μm、長さ1mm)3重量部を混合して高分子組成物13aを調製した。
【0082】
得られた高分子組成物13aを、図1(a)〜(d)に示すように、表面がフッ素樹脂コーティングされたアルミニウム製の厚み2mm、縦40mm、横120mmの板状の金型11の成形凹部11a内に充填する。次に、磁場発生手段としての超電導磁石12のN極とS極が対向する磁束密度10テスラの磁場雰囲気下で、ポリイミド繊維14を面内の横方向に十分に配向させ、溶剤のヘキサンを揮発させた後、加熱硬化させて固化させ、板状の高分子複合材料成形体13を作製した。得られた高分子複合材料成形体13中のポリイミド繊維14は、図1(d)に示すように、面内の一方向に配向していた。
【0083】
同様に、高分子組成物13aを、図2(a)〜(d)に示すように、表面がフッ素樹脂コーティングされたアルミニウム製の厚み2mm、縦40mm、横120mmの板状の金型11の成形凹部11a内に充填する。次に、磁場発生手段としての超電導磁石12のN極とS極が対向する磁束密度10テスラの磁場雰囲気下で、ポリイミド繊維を厚み方向に十分に配向させ、溶剤のヘキサンを揮発させた後、加熱硬化させて固化させ、板状の高分子複合材料成形体13を作製した。得られた高分子複合材料成形体13中のポリイミド繊維14は、図2(d)に示すように、厚み方向に配向していた。
【0084】
得られた各々の高分子複合材料成形体13の面方向の引張強度(JIS K6251)を測定したところ、ポリイミド繊維14の軸平行方向の高分子複合材料成形体13の引張強度は25kPa、軸垂直方向の高分子複合材料成形体13の引張強度は17kPaであった。
【0085】
(比較例3)
比較用として、実施例4の高分子組成物13aを、磁場を印加せずに加熱硬化させた以外は、実施例4と同様の方法により、板状の高分子複合材料成形体13を作製した。得られた各々の高分子複合材料成形体13中のポリイミド繊維14は、図3に示すようにランダムに分散し、配向性は認められなかった。
【0086】
実施例4と同様に、得られた高分子複合材料成形体13の引張強度(JIS K6251)を測定したところ、引張強度に異方性はなく、22kPaであった。
【0087】
(実施例5)
高分子材料としてエポキシ樹脂(スリーボンド株式会社製 TB2280C)100重量部に、表面をエタノールで脱脂したポリイミド繊維(インスペックファイバー社製 P84(商品名):直径10μm、長さ1mm)2重量部を混合し、真空脱泡して高分子組成物13aを調製した。
【0088】
得られた高分子組成物13aを、図1(a)〜(d)に示すように、表面がフッ素樹脂コーティングされたアルミニウム製の板状の金型11の成形凹部11a内に充填する。次に、磁場発生手段としての超電導磁石12のN極とS極が対向する磁束密度5テスラの磁場雰囲気下で、ポリイミド繊維を面内の横方向に十分に配向させた後、加熱硬化させて固化させ、板状の高分子複合材料成形体13を作製した。得られた高分子複合材料成形体13中のポリイミド繊維14は、図1(d)に示すように、面内の一方向に配向していた。
【0089】
同様に、高分子組成物13aを、表面がフッ素樹脂コーティングされたアルミニウム製の板状の金型11の成形凹部11a内に充填する。次に、磁場発生手段としての超電導磁石12のN極とS極が対向する磁束密度5テスラの磁場雰囲気下で、ポリイミド繊維14を厚み方向に十分に配向させた後、加熱硬化させて固化させ、板状の高分子複合材料成形体13を作製した。得られた高分子複合材料成形体13中のポリイミド繊維14は、図2(d)に示すように、厚み方向に配向していた。
【0090】
実施例1と同様に、得られた各々の高分子複合材料成形体13の線膨張係数(JIS K7197)を測定したところ、ポリイミド繊維14の軸平行方向の高分子複合材料成形体13の線膨張係数は3.1×10−5/℃、軸垂直方向の高分子複合材料成形体13の線膨張係数は17.6×10−5/℃であった。
【0091】
(比較例4)
比較用として、高分子材料としてのエポキシ樹脂(スリーボンド株式会社製 TB2280C)のみを、図1(a)〜(b)に示すように、表面がフッ素樹脂コーティングされたアルミニウム製の板状の金型11の成形凹部11a内に充填し、加熱硬化させて固化させ、板状の高分子材料成形体を作製した。
【0092】
実施例5と同様に、得られた高分子材料成形体の線膨張係数(JIS K7197)を測定したところ、線膨張係数には異方性はなく、15.4×10−5/℃であった。なお、本比較例においてはポリイミド繊維が配合されていないため、この曲げ弾性率の測定結果は、実施例5の高分子複合材料成形体13の各測定方向に対応する方向の高分子材料成形体の線膨張係数を測定したものである。
【0093】
(比較例5)
比較用として、実施例5の高分子組成物13aを、磁場を印加せずに加熱硬化させた以外は、実施例5と同様の方法により、板状の高分子複合材料成形体13を作製した。得られた高分子複合材料成形体13中のポリイミド繊維14は、図3に示すようにランダムに分散し、配向性は認められなかった。
【0094】
実施例5と同様に、得られた高分子複合材料成形体13の線膨張係数(JISK7197)を測定したところ、線膨張係数には異方性はなく、13.7×10−5/℃であった。なお、本比較例においてはポリイミド繊維14が一定方向に配向されていないため、この線膨張係数の測定結果は、実施例1の高分子複合材料成形体13の各測定方向に対応する方向の線膨張係数を測定したものである。
【0095】
(実施例6)
高分子材料として不飽和ポリエステル樹脂(株式会社日本触媒製 エポラックG157)100重量部に、ポリイミド繊維(インスペックファイバー社製 P84(商品名):直径10μm、長さ1mm)2重量部を混合して、高分子組成物13aを調製した。
【0096】
得られた高分子組成物13aを、図2(a)〜(c)に示すように、表面がフッ素樹脂コーティングされたアルミニウム製の厚み2mm、縦40mm、横40mmの板状の金型11の成形凹部11a内に充填する。次に、磁場発生手段としての超電導磁石12のN極とS極が厚み方向に対して垂直方向に対向する磁束密度10テスラの磁場雰囲気下で、ポリイミド繊維を厚み方向に十分に配向させた後、加熱硬化させて固化させ、板状の高分子複合材料成形体13を得た。得られた高分子複合材料成形体13中のポリイミド繊維14は、図2(d)に示すように、厚み方向に配向していた。
【0097】
得られた高分子複合材料成形体13の厚み方向の透過率スペクトルを測定した結果を図4に示す。なお、透過率スペクトルは、高分子複合材料成形体13の厚み方向の透過率スペクトルを紫外可視分光光度計で測定したものであり、これにより、高分子複合材料成形体13のポリイミド繊維14の軸平行方向の透過率スペクトルが得られる。
【0098】
(比較例6)
比較用として、実施例6の高分子組成物13aを、磁場を印加せずに常温硬化させた以外は、実施例6と同様の方法により、板状の高分子複合材料成形体13を作製した。得られた高分子複合材料成形体13中のポリイミド繊維14は、図3に示すようにランダムに分散し、配向性は認められなかった。
【0099】
実施例6と同様に、得られた高分子複合材料成形体13の厚み方向の透過率スペクトルを測定した結果を図4に示す。
<実施例の効果>
比較例1は不飽和ポリエステル樹脂のみからなる高分子材料成形体、比較例2はポリイミド繊維が不飽和ポリエステル樹脂ランダムに分散配合された従来の高分子複合材料成形体である。また、比較例3はポリイミド繊維が液状シリコーンゴムにランダムに分散配合された従来の高分子複合材料成形体、比較例4はエポキシ樹脂単体のみからなる高分子材料成形体である。さらに、比較例5はポリイミド繊維がエポキシ樹脂にランダムに分散配合された従来の高分子複合材料成形体、比較例6はポリイミド繊維が不飽和ポリエステル樹脂にランダムに分散配合された従来の高分子複合材料成形体である。いずれの比較例も、線膨張係数、曲げ弾性率、引張強さ、透過率において異方性は認められない。
【0100】
一方、本発明の実施例1〜実施例6の高分子複合材料成形体は、ポリイミド繊維が高分子材料中に配合された高分子組成物に、磁場を印加することにより、ポリイミド繊維を磁化させて一定方向に配向させている。そして、高分子組成物を硬化又は固化させることによって高分子複合材料成形体を得ている。従って、ポリイミド繊維の軸平行方向と軸垂直方向の曲げ弾性率や引張強度で示される機械的性質、線膨張係数で示される熱的性質、透過率で示される光学的性質において、異方性が発現されたことが認められた。
【0101】
(変更例)
なお、前記実施形態を以下のように変更して実施することもできる。
・ 機能性合成樹脂繊維として、他の合成樹脂繊維、例えは、ポリアミド繊維やアラミド繊維、ポリベンザゾール繊維、ポリフェニレンベンゾイミダゾール繊維、ポリパラフェニレン繊維、ポリパラフェニレンビニレン繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維などを用いること。これにより、これら各種の合成樹脂繊維の高機能性を反映させた、異方性機能を有する高性能な高分子複合材料成形体を得ることができる。
【0102】
(把握される技術的思想)
さらに、前記実施形態及び変更例より把握される技術的思想について記載する。
【0103】
(1) 異方性反磁性磁化率χが正の値を示す合成樹脂繊維が、高分子材料中に配合された高分子組成物に、磁場を印加することにより、合成樹脂繊維を磁化させて繊維軸方向に配向させた後、高分子組成物を硬化又は固化させて所定の形状に成形することを特徴とする高分子複合材料成形体の製造方法。これによると、磁場を印加することにより合成樹脂繊維を磁力線に沿って平行に配向させることができる。従って、機械的に繊維を配向させる従来の製法と比較して、合成樹脂繊維を一定方向に高度に配向させることができるとともに、任意の一定方向に配向させて異方性機能を有する高分子複合材料成形体を簡易に得ることができる。
【0104】
(2) 合成樹脂繊維の異方性反磁性磁化率χが、1×10−9以上であることを特徴とする上記(1)に記載の高分子複合材料成形体の製造方法。これにより、磁場を印加することにより一定方向に合成樹脂繊維を高度に配向させることができるため、繊維の配向制御が容易となるとともに、任意の一定方向に配向させて異方性機能を有する高分子複合材料成形体を、より一層、簡易に得ることができるようになる。
【0105】
(3) 合成樹脂繊維が、芳香環を有する合成樹脂繊維であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の高分子複合材料成形体の製造方法。これにより、上述した芳香環に対する磁場作用を利用して、磁力線に対して繊維軸が平行となるように高度に配向させることができるとともに、合成樹脂繊維を任意の一定方向に高度に配向させて異方性機能を有する高分子複合材料成形体を、より一層、簡易に得ることができるようになる。
【0106】
(4) 合成樹脂繊維の繊維長が、10mm以下であることを特徴とする上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の高分子複合材料成形体の製造方法。これにより、高分子材料中に合成樹脂繊維を均一に分散させることができるとともに、成形加工性を良好にすることができ、また、高分子組成物中における合成樹脂繊維の配向制御が容易となる。
【0107】
(5) 合成樹脂繊維の配合量が、高分子材料100重量部に対し、0.01〜50重量部であることを特徴とする上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の高分子複合材料成形体の製造方法。これにより、合成樹脂繊維の配向制御が容易となるとともに、得られる高分子複合材料成形体の実用的な機能性の向上を図ることができる。
【0108】
(6) 高分子材料が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂及び液状ゴムよりなる群から選択される少なくとも1種の高分子材料であることを特徴とする上記(1)から(5)のいずれか一項に記載の高分子複合材料成形体の製造方法。これにより、合成樹脂繊維を混合する際に低粘度の液体であるか、或いは加熱溶融時に低粘度化することができるため、高分子材料に配合される合成樹脂繊維の配向制御が容易となるとともに、耐熱性などの温度特性や電気的信頼性を向上させることができる。
【0109】
(7) 合成樹脂繊維が、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維及びポリオレフィン繊維よりなる群から選択される少なくとも一種の合成樹脂繊維であることを特徴とする上記(1)から(6)のいずれか一項に記載の高分子複合材料成形体の製造方法。これにより、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維又はポリオレフィン繊維の高機能性を反映させた、異方性機能を有する高性能な高分子複合材料成形体を容易に得ることができる。
【0110】
(8) 異方性反磁性磁化率χが正の値を示す合成樹脂繊維が、高分子材料中に配合された高分子複合材料成形体であって、前記合成樹脂繊維が高分子材料中で一定方向に配向されていることを特徴とする高分子複合材料成形体。
【0111】
(9) 合成樹脂繊維の異方性反磁性磁化率χが、1×10−9以上であることを特徴とする上記(8)に記載の高分子複合材料成形体。
(10) 合成樹脂繊維が、芳香環を有する合成樹脂繊維であることを特徴とする上記(8)又は(9)に記載の高分子複合材料成形体。
【0112】
(11) 合成樹脂繊維の繊維長が、10mm以下であることを特徴とする上記(8)から(10)のいずれか一項に記載の高分子複合材料成形体。
(12) 合成樹脂繊維の配合量が、高分子材料100重量部に対し、0.01〜50重量部であることを特徴とする上記(8)から(11)のいずれか一項に記載の高分子複合材料成形体。
【0113】
(13) 高分子材料が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂及び液状ゴムよりなる群から選択される少なくとも1種の高分子材料であることを特徴とする上記(8)から(12)のいずれか一項に記載の高分子複合材料成形体。
【0114】
(14) 合成樹脂繊維が、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維及びポリオレフィン繊維よりなる群から選択される少なくとも一種の合成樹脂繊維であることを特徴とする上記(8)から(13)のいずれか一項に記載の高分子複合材料成形体。
【0115】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、高分子材料中に配合され複合化されるポリイミド繊維を任意の一定方向に配向させることにより、弾性率や強度などの機械的性質、熱膨張係数、熱伝導率などの熱的性質、光学的性質、電気的性質などの異方性機能を有する高性能な高分子複合材料成形体を提供することができる。
【0116】
また、ポリイミド繊維が高分子材料中に配合された高分子組成物に、磁場を印加することにより、ポリイミド繊維を磁化させて一定方向に配向させた後、高分子組成物を硬化又は固化させて所定の形状に成形することにより、ポリイミド繊維を任意の方向に高度に配向させることができる。従って、異方性機能を有する高性能な高分子複合材料成形体を容易に製造可能な製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は高分子複合材料成形体の製造方法を示す要部断面図及び斜視図(面内の一方向にポリイミド繊維が配向)。
【図2】(a)〜(d)は高分子複合材料成形体の他の製造方法を示す要部断面図及び斜視図(厚み方向にポリイミド繊維が配向)。
【図3】ポリイミド繊維がランダムに分散配合された従来の高分子複合材料成形体を示す斜視図。
【図4】実施例6及び比較例6の高分子複合材料成形体の透過率スペクトルを示す図。
【符号の説明】
12…磁場発生手段としての磁石、13…高分子複合材料成形体、13a…高分子組成物、14…機能性合成樹脂繊維としてのポリイミド繊維、χ…異方性反磁性磁化率。

Claims (7)

  1. ポリイミド繊維が高分子材料中に配合された高分子複合材料成形体であって、前記ポリイミド繊維が高分子材料中で一定方向に配向されていることを特徴とする高分子複合材料成形体。
  2. 前記ポリイミド繊維が、芳香族ポリイミド繊維であることを特徴とする請求項1に記載の高分子複合材料成形体。
  3. 前記ポリイミド繊維の繊維長が、10mm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の高分子複合材料成形体。
  4. ポリイミド繊維が高分子材料中に配合された高分子組成物に、磁場を印加することにより、ポリイミド繊維を磁化させて一定方向に配向させた後、高分子組成物を硬化又は固化させて所定の形状に成形することを特徴とする高分子複合材料成形体の製造方法。
  5. 前記ポリイミド繊維の異方性反磁性磁化率χが、1×10−9以上であることを特徴とする請求項4に記載の高分子複合材料成形体の製造方法。
  6. 前記ポリイミド繊維が、芳香族ポリイミド繊維であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の高分子複合材料成形体の製造方法。
  7. 前記ポリイミド繊維の繊維長が、10mm以下であることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の高分子複合材料成形体の製造方法。
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