JP2000141392A - 高分子複合材料の成形方法および磁場配向プレス成形装置 - Google Patents

高分子複合材料の成形方法および磁場配向プレス成形装置

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JP2000141392A
JP2000141392A JP31821698A JP31821698A JP2000141392A JP 2000141392 A JP2000141392 A JP 2000141392A JP 31821698 A JP31821698 A JP 31821698A JP 31821698 A JP31821698 A JP 31821698A JP 2000141392 A JP2000141392 A JP 2000141392A
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polymer composite
magnetic
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Masayuki Hida
雅之 飛田
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Polymatech Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱成形金型から取り出す時に成形品が変形
したり破損せず、また磁性充填材の配向の乱れが生じな
い賦形性の良い加熱冷却成形およびそのための磁場配向
プレス成形装置用成形金型。 【解決手段】 磁性充填材と高分子材料を混合した高分
子複合材料を、加熱機構ならびに冷却機構を備える成形
金型に充填し、磁場雰囲気で加熱冷却成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子複合材料中
に磁性充填材を一定方向に高度に配向させる高熱伝導材
料用の高分子複合材料の成形方法および磁場配向プレス
成形装置用成形金型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁性体粒子と高分子材料から
なる高分子複合材料を磁場雰囲気で加熱成形する方法は
公知である。たとえば、特開昭49−51593号公報
には、導電性磁性体粉末と絶縁材料の混合物を流動状態
で外部磁場を加えながら硬化させる基本的製法が開示さ
れている。特開昭53−53796号公報によれば、磁
性線状体をシートの厚み方向に磁場配向させる製法で異
方導電性シートを得ている。特公平4−74804号公
報には、特定粒径の導電性磁性体粒子と絶縁性高分子弾
性体を主成分とする未硬化複合体を磁場処理して架橋さ
せた特定硬度、特定厚さの異方性導電性ゴムシートが開
示されている。
【0003】これら従来の製造方法によって得られる成
形体の用途は、主に異方性導電性部品や感圧導電性部品
が主体であった。また、磁性成分が多いこれらの導電性
磁性粒子と高分子材料の混合物の磁場配向成形方法とし
ては、磁場雰囲気で加熱成形する従来の方法で特に問題
はなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、高い熱伝導
性などの特定の物理的性質を有する繊維状物質に強磁性
体を被覆して磁性充填材として使用する場合は、磁力線
に沿って配向する強磁性体の成分は被覆層のみとなり少
ないので、従来の単純な磁場加熱成形方法では十分に磁
性充填材を配向させることができなかった。
【0005】マトリックスの高分子材料が熱硬化性樹脂
あるいは熱架橋ゴムの場合には、熱硬化反応後でも高温
では硬化物の弾性率が低いため、加熱成形金型から取り
出す時に成形品が変形したり破損してしまうことがあ
る。一方、マトリックスが熱可塑性高分子の場合には、
磁性充填材との混合物を加熱溶融させた状態で、シリコ
ーンゴムなどと同様に磁場雰囲気で加熱成形しても、加
熱金型から取出す工程で磁場が除去されてしまうので磁
性充填材の配向が乱れてしまい、また賦形性の悪いもの
となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、磁性充
填材と高分子材料を混合した高分子複合材料を、加熱機
構ならびに冷却機構を備える成形金型に充填し、磁場雰
囲気で加熱冷却成形するようにした。さらに本発明は、
磁性充填材と高分子材料を混合した高分子複合材料を磁
場雰囲気で加熱成形する際に、成形金型に冷却機構を備
えた磁場配向プレス成形装置を使用して行うものであ
る。
【0007】本発明の高分子複合材料の成形方法は、磁
性充填材と高分子材料を混合した高分子複合材料を、加
熱機構ならびに冷却機構を備える成形金型に充填し、磁
場雰囲気で加熱および冷却成形するものである。成形金
型に加熱機構に加えて冷却機構も備え、加熱硬化後に冷
却機構を作用させることによって、熱硬化性樹脂あるい
は熱架橋ゴムの場合には熱硬化反応後でも硬化した成形
品の弾性率が大きくなり、成形品の形状保持性が改善さ
れ、取り出し時などに生じる成形品の破損を防ぐことが
できる。
【0008】さらに、加熱硬化時に磁場雰囲気で一定方
向に十分に配向した磁性充填材は、冷却時も磁場雰囲気
におかれるために、最終成形品中でより高度の配向を保
つことができる。一方、マトリックスの高分子材料が熱
可塑性の場合には、磁場雰囲気で熱可塑性高分子を加熱
溶融させて磁性充填材を一定方向に配向させ、かつ、磁
場雰囲気で溶融した熱可塑性高分子中の磁性充填材の配
向を保持した状態で成形金型を冷却して固化させるの
で、賦形性が良好で、磁性充填材がより高度に配向した
成形体を得ることができる。
【0009】磁場雰囲気を発生させる手段としては、永
久磁石による方法あるいは電磁石による公知の方法が適
用できる。磁性充填材の配向方向を決定する磁場の方向
については、N極とS極の引き合う磁場、あるいはN極
とN極、S極とS極の反発する磁場のいずれかを目的に
応じて選択できる。磁場の強度を表す磁束密度は、50
0〜18000ガウスの範囲が好ましい。500ガウス
未満では磁性充填材の十分な配向が不可能であり、18
000ガウスを越える強い磁束密度を得ることは容易で
はなく経済的にも不利である。
【0010】また、磁場発生手段として永久磁石を使用
する際には、永久磁石を固定する部分と加熱機構ならび
に冷却機構を構成する部分とは、別体でも一体化された
構造でも差し支えない。しかし、一体化してよりコンパ
クトな構成にした方が成形金型内の高分子複合材料へ高
い磁束密度を与えられるので好適である。加熱温度およ
び冷却温度については制御機構を備える方が好ましい。
なお、冷却機構に関しては必ずしも温度制御が必要でな
く、常温まで一斉に冷却する方法を採用してもかまわな
い。
【0011】本発明で使用する磁性充填材としては、ニ
ッケル系およびニッケル系合金、鉄系および鉄系合金、
窒化鉄系、フェライト系、バリウムフェライト系、コバ
ルト系合金、マンガン系合金、ネオジウム/鉄/ホウ素
系やサマリウム/コバルト系などの希土類系合金から選
ばれる少なくとも1種の粒子状あるいは繊維状の磁性充
填材が挙げられる。また、他の組成や形状の充填材物質
に、ニッケル系およびニッケル系合金、鉄系および鉄系
合金、窒化鉄系、フェライト系、バリウムフェライト
系、コバルト系合金、マンガン系合金、ネオジウム/鉄
/ホウ素系やサマリウム/コバルト系などの希土類系合
金から選ばれる少なくとも1種の強磁性体を被覆した磁
性充填材を使用できる。
【0012】さらに他の組成や形状の充填材物質として
は、熱伝導性、電気伝導性、誘電性、圧電性、焦電性、
熱膨張係数、弾性率などの特定の性質に優れる繊維状物
質が好ましい。具体的には、黒鉛化炭素などの高弾性
率、高熱伝導率、高電気伝導度の繊維状物質、あるい
は、銅、銀、金、白金、アルミニウムなどの高熱伝導
率、高電気伝導度の金属繊維状物質、フッ化ビニリデン
やチタン酸ジルコン酸鉛などの高分子系あるいは無機系
の強誘電性繊維状物質、焦電性繊維状物質が挙げられ
る。これらの特定の性質に優れる繊維状物質に強磁性体
を被覆し、本発明の成形方法によって特定の性質が優れ
た異方性を有する成形品を得ることができる。
【0013】繊維状物質に強磁性体を被覆する方法とし
ては、無電解メッキ法、電解メッキ法、真空蒸着やスパ
ッタリングなどによる物理的蒸着法、化学的蒸着法、塗
装、浸漬などの公知の方法が利用できる。被覆する強磁
性体の膜厚については限定するものではないけれども、
0.01μm〜5μmの範囲が好ましい。0.01μmより
も薄いと強磁性体を被覆した磁性充填材を配向させる場
合に磁性が不十分なために磁場配向しにくい。5μmを
越えると磁力線に沿って配向しやすくなるけれども、特
定の性質の異方性の発現程度が少なくなるので好ましく
ない。さらに好ましい強磁性体の膜厚は、0.05μm〜
2μmの範囲である。
【0014】高分子複合材料中の磁性充填材とマトリッ
クスの高分子材料との濃度については特定するものでは
ないけれども、高分子複合材料中の磁性充填材が3〜9
7重量%、高分子材料が97〜3重量%の範囲であるこ
とが好ましい。磁性充填材の濃度が3重量%未満の場合
は磁性充填材の所望の特性を発揮するのに不十分であ
る。一方、磁性充填材の濃度が97重量%を越えると、
複合材料としての粘度が大きくなって磁場雰囲気での磁
性充填材の配向が不十分になる。
【0015】本発明で使用するマトリックスの高分子材
料は特定するものではない。目的とする成形品の硬さや
機械的強度、耐熱性、電気的特性、耐久性、信頼性など
の要求性能に応じて選択できる。熱可塑性の高分子材料
としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプ
ロピレン共重合体などのエチレンαオレフィン共重合
体、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合
体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポ
リフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレン等の
フッ素系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リスチレン、ポリアクリロニトリル、スチレンアクリロ
ニトリル共重合体、ABS樹脂、ポリフェニレンエーテ
ルおよび変性PPE樹脂、脂肪族および芳香族ポリアミ
ド類、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメタクリル
酸およびそのメチルエステルなどのポリメタクリル酸エ
ステル類、ポリアクリル酸類、ポリカーボネート、ポリ
フェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサ
ルホン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルケトン、
ポリケトン、液晶ポリマー、シリコーン樹脂、アイオノ
マー等の熱可塑性樹脂、スチレンブタジエンまたはスチ
レンイソプレンブロック共重合体とその水添ポリマーお
よびスチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱
可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマ
ー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタ
ン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラ
ストマー等の熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0016】熱硬化性高分子材料としては、天然ゴム、
ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエン
共重合ゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、クロロ
プレンゴム、エチレンプロピレンゴム、塩素化ポリエチ
レン、クロロスルホン化ポリエチレン、ブチルゴムおよ
びハロゲン化ブチルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、
シリコーンゴム等の架橋ゴム、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジ
アリルフタレート樹脂等が挙げられる。また、これらの
高分子材料から選択される複数の高分子材料からなるポ
リマーアロイを使用したり公知の可塑剤や安定剤などの
添加剤を配合しても差し支えない。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、磁性充填材と高分子材
料からなる高分子複合材料中の磁性充填材を一定方向
に,より高度に配向させる高分子複合材料の成形方法お
よび磁場配向プレス成形装置用成形金型である。本発明
で使用する磁場配向プレス成形装置の例を図1に示す。
磁場配向プレス成形装置は、成形金型1の両側に永久磁
石ユニット2を配置し、さらに冷却ユニット3、加熱板
4を配置して、加圧装置5でプレス成形する。成形金型
1は温度制御装置を備える加熱板4と冷却ユニット3に
よって加熱温度および冷却温度を制御することができ
る。
【0018】磁性充填材としてニッケルを無電解メッキ
法で被覆した炭素繊維20重量%と、高分子材料として
熱可塑性エラストマー80重量%を混合した高分子複合
材料を、図1に示す磁場配向プレス成形装置の加熱機構
ならびに冷却機構を備える成形金型1に入れ、磁場雰囲
気で320℃で加熱溶融させる。さらに同一の磁場雰囲
気で図3に示す冷却ユニットの冷媒配管6に冷却水を流
して室温まで冷却させてからシート状の成形品Aを取り
出した。磁石のS極とN極とが引き合うような構成で
は、磁性充填材13は図7に示すようにシートAの厚さ
方向に配向し、S極とS極、あるいはN極とN極のよう
に反発する磁場の構成では磁性充填材13は、図8に示
すように成形したシートの面内方向に配向する。
【0019】図4に、本発明の磁場配向プレス成形装置
用成形金型を示す。この磁場配向プレス成形装置では、
永久磁石を内蔵する加熱冷却ユニット8を使用してお
り、図5に示す加熱ヒーター部9と冷却温度を制御する
冷媒配管6および永久磁石10を一体化したコンパクト
な構造としてある。このように一体化してコンパクトな
構成にすることによって成形金型内の高分子複合材料へ
強い磁場を与えることが可能になる。図6には磁場発生
手段として電磁石11を使用した本発明の磁場配向プレ
ス成形装置用成形金型の例を示してある。
【0020】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳し
く説明する。
【実施例1】磁性充填材としてニッケルを0.3μmの厚
さで被覆した炭素繊維(大阪ガス株式会社製 S249
直径13μm、長さ100μm)5重量%と、高分子材
料としてスチレン系熱可塑性エラストマー(三菱化学製
ラバロンT320C)95重量%からなる混合物を単
軸押出機で溶融混合してペレット化した。このペレット
をTダイで押出成形して厚さ2.05mmのシート状物を
得た。
【0021】図1に示す本発明の磁場配向プレス成形装
置の加熱機構ならびに冷却機構を備える成形金型1に、
厚さ2.05mmのシート状物を充填し、磁束密度500
0ガウスのS極とN極の引き合うサマリウムコバルト系
永久磁石を内蔵するユニットの間に挟んで加圧し、32
0℃で5分間、加熱溶融させた。その後、同一の加圧お
よび磁場雰囲気下で15分間で室温まで冷却させた。得
られた厚さ2mmの磁性充填材とスチレン系熱可塑性エラ
ストマーからなる高分子複合材料のシート状成形品は、
厚さが均一で反りが無かった。光学顕微鏡で観察する
と、ニッケルを被覆した炭素繊維が厚さ方向に高度に配
向していた。
【0022】
【実施例2】磁性充填材としてニッケルを0.3μmの厚
さで被覆した炭素繊維(大阪ガス株式会社製 S24
9)30重量%と、高分子材料として熱硬化型1液性エ
ポキシ樹脂(株式会社スリーボンド製 TB2280
C)70重量%を混合して脱泡した液状の高分子複合材
料を、図4に示す本発明の磁場配向プレス成形装置の加
熱機構ならびに冷却機構を備える成形金型1に充填し、
磁束密度5000ガウスのS極とN極の引き合うサマリ
ウムコバルト系永久磁石を内蔵するユニットの間に挟ん
で加圧し、150℃で30分間、加熱硬化させた。硬化
後は同一の加圧および磁場雰囲気下で10分間で室温ま
で冷却させた。得られた厚さ1mmの磁性充填材とエポキ
シ樹脂からなるシート状成形品は、厚さが均一で反りは
無かった。光学顕微鏡観察によればニッケルを被覆した
炭素繊維が厚さ方向に高度に配向していた。シートの厚
さ方向の2端子抵抗値は1.2Ω、熱伝導率は0.6W/
mKであった。
【0023】
【比較例1】磁性充填材としてニッケルを0.3μmの厚
さで被覆した炭素繊維(大阪ガス株式会社製 S249
直径13μm、長さ100μm)5重量%と、高分子材
料としてスチレン系熱可塑性エラストマー(三菱化学製
ラバロンT320C)95重量%からなる混合物を単
軸押出機で溶融混合してペレットを得た。このペレット
をTダイで押出成形して厚さ2.05mmのシート状物を
得た。
【0024】冷却機構を備えない従来の磁場配向プレス
成形装置の成形金型に、厚さ2.05mmのシート状物を
充填して、磁束密度5000ガウスのS極とN極の引き
合うサマリウムコバルト系永久磁石を内蔵するユニット
の間に挟んで加圧し、320℃で5分間、加熱溶融させ
た。加熱溶融させた複合材料を含む成形金型を装置から
取り出し、外部の圧力および磁場の無い雰囲気で室温ま
で冷却した。得られた厚さ2mmの磁性充填材とスチレン
系熱可塑性エラストマーからなるシート状成形品は、反
りや厚さむらは無かったけれども、光学顕微鏡で観察す
るとニッケルを被覆した炭素繊維の厚さ方向の配向は不
十分であった。
【0025】
【比較例2】磁性充填材としてニッケルを0.3μmの厚
さで被覆した炭素繊維(大阪ガス株式会社製 S24
9)30重量%と、高分子材料として熱硬化型1液性エ
ポキシ樹脂(株式会社スリーボンド製 TB2280
C)70重量%を混合して脱泡した液状の高分子複合材
料を、冷却機構を備えない従来の磁場配向プレス成形装
置の成形金型に充填し、磁束密度5000ガウスのS極
とN極の引き合うサマリウムコバルト系永久磁石を内蔵
するユニットの間に挟んで加圧し、150℃で30分
間、加熱硬化させて数分後に取り出した。厚さ1mmの磁
性充填材とエポキシ樹脂からなるシート状成形品は、取
り出し時にかかった応力で変形し反っていた。また、光
学顕微鏡観察によればニッケルを被覆した炭素繊維の厚
さ方向の配向は不十分であった。シートの厚さ方向の2
端子抵抗値は24Ω、熱伝導率は0.2W/mKであっ
た。
【0026】従来の装置と成形方法による比較例1は、
磁性被覆した炭素繊維と熱可塑性エラストマーからなる
高分子複合材料を磁場雰囲気で加圧加熱成形した後に、
磁場の無い状態で冷却したものであり、磁性充填材の配
向が不十分である。同様に比較例2はマトリックスが熱
硬化性エポキシ樹脂の場合で、磁性充填材の配向が不十
分であるとともに成形後に取り出したシートは変形して
いた。実施例1、実施例2の本発明の成形方法および磁
場配向プレス成形装置用成形金型によれば、厚さが均一
で反りが無くて賦形性に優れた成形品を得ることができ
る。また、磁性充填材が高度に配向しているために、導
電性や熱伝導性など特定の異方性成形体が得られた。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明の高分子複合材料
の成形方法および磁場配向プレス成形装置用金型は、反
りや厚さのむらが無く、賦形性が良好で、かつ、磁性充
填材が高度に配向した実用的で有用な異方性導電性材料
や異方性熱伝導性材料などの成形品を得ることができ
る。また、本発明の成形方法および磁場配向プレス成形
装置用成形金型は、射出成形、トランスファー成形、押
出成形、ブロー成形、回転成形等の成形方法および装置
に応用し様々な形状の成形品を提供することも可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する磁場配向プレス成形装置の例
【図2】本発明の磁場配向プレス成形装置用成形金型の
冷却ユニットの例
【図3】本発明の磁場配向プレス成形装置用成形金型の
冷却ユニットの例
【図4】本発明で使用する磁場配向プレス成形装置の例
【図5】本発明の磁場配向成形装置用成形金型の永久磁
石付き加熱冷却ユニットの例
【図6】本発明の磁場配向プレス成形装置の例
【図7】本発明の成形方法で製造した成形品の例
【図8】本発明の成形方法で製造した成形品の例
【図9】本発明の成形方法で製造した成形品の例
【符号の説明】
1 成形金型 2 永久磁石ユニット 3 冷却ユニット 4 加熱板 5 加圧ユニット 6 冷媒配管 7 冷却媒体入出力口 8 永久磁石付き加熱冷却ユニット 9 加熱ヒーター部 10 永久磁石 11 電磁石 12 加熱冷却ユニット 13 配向した磁性充填材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年11月24日(1998.11.
24)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 高分子複合材料の成形方法
および磁場配向プレス成形装置用成形金型
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】磁性充填材としてニッケルを無電解メッキ
法で被覆した炭素繊維20重量%と、高分子材料として
熱可塑性エラストマー80重量%を混合した高分子複合
材料を、図1に示す磁場配向プレス成形装置の加熱機構
ならびに冷却機構を備える成形金型1に入れ、磁場雰囲
気で320℃で加熱溶融させる。さらに同一の磁場雰囲
気で図3に示す冷却ユニットの冷媒配管6に冷却水を流
して室温まで冷却させてからシート状の成形品を取り出
した。磁石のS極とN極とが引き合うような構成では、
磁性充填材13は図7に示すようにシートの厚さ方向に
配向し、S極とS極、あるいはN極とN極のように反発
する磁場の構成では磁性充填材13は、図8に示すよう
に成形したシートの面内方向に配向する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 B29K 105:16 505:00 Fターム(参考) 4F202 AB11 AD03 AD19 AM29 AR06 AR12 AR15 CA09 CB01 CD27 CN01 CN05 CN21 CS10 4F204 AB11 AD03 AD19 AM29 AR06 AR12 AR15 FA01 FB01 FF06 FF21 FN11 FN15 FQ01 FQ15 4J002 AC011 AC031 AC061 AC071 AC081 AC091 AC111 BB031 BB051 BB121 BB151 BB171 BB221 BB241 BC031 BC061 BD041 BD141 BE031 BE061 BF031 BG041 BG101 BN151 CC031 CD001 CF061 CF071 CG001 CH091 CL001 CM041 CN011 CN031 CP031 DC006 DE116 FA046 FB076 FD016 FD116 GQ00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性充填材と高分子材料を混合した高分
    子複合材料を、磁場配向プレス成形装置の成形金型に充
    填し、磁場雰囲気で加熱した後、同様に磁場雰囲気で冷
    却成形することを特徴とする高分子複合材料の成形方
    法。
  2. 【請求項2】 高分子複合材料が、磁性充填材3〜97
    重量%および高分子材料97〜3重量%の混合割合であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の高分子複合材料の
    成形方法。。
  3. 【請求項3】 磁性充填材が、繊維状物質に強磁性体を
    被覆してなることを特徴とする請求項1あるいは2に記
    載の高分子複合材料の成形方法。
  4. 【請求項4】 強磁性体の膜厚が、0.01μm〜5μm
    の範囲であることを特徴とする請求項3に記載の高分子
    複合材料の成形方法。
  5. 【請求項5】 冷却が、磁場配向プレス成形装置の成形
    金型に備えた冷却機構により行なわれることを特徴とす
    る請求項1から4のいずれか1に記載の高分子複合材料
    の成形方法。
  6. 【請求項6】 成形金型が加熱温度および冷却温度の制
    御機構を備えていることを特徴とする請求項5に記載の
    高分子複合材料の成形方法。
  7. 【請求項7】 加熱冷却機構および永久磁石を内蔵する
    ことを特徴とする請求項1から6のうちの1に記載の成
    形方法に使用する磁場配向プレス成形装置用成形金型。
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