JP2005146219A - 強化ポリカーボネート樹脂組成物および成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 難燃性と剛性に優れ、線膨張係数が低く、かつ反りの小さい強化ポリカーボネート樹脂組成物及び該樹脂組成物からなる成形品を提供する。
【解決手段】 ポリカーボネート樹脂(A)100重量部及びリン酸エステル化合物(B)1〜40重量部を含有する樹脂組成物(i)40〜80重量%と、白マイカ(C)20〜80重量部、ガラスフレーク(D)20〜80重量部、及び繊維状充填材(E)0〜40重量部を含み、合計100重量部の無機充填材(ii)60〜20重量%らなることを特徴とする強化ポリカーボネート樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 ポリカーボネート樹脂(A)100重量部及びリン酸エステル化合物(B)1〜40重量部を含有する樹脂組成物(i)40〜80重量%と、白マイカ(C)20〜80重量部、ガラスフレーク(D)20〜80重量部、及び繊維状充填材(E)0〜40重量部を含み、合計100重量部の無機充填材(ii)60〜20重量%らなることを特徴とする強化ポリカーボネート樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は難燃性を有する強化ポリカーボネート樹脂組成物及び該組成物からなる成形品に関する。さらに詳しくは、特定の難燃剤及び無機充填材を含有し、難燃性と剛性に優れ、線膨張係数が低く、かつ反りの小さい強化ポリカーボネート樹脂組成物及び該組成物からなる成形品に関する。
ポリカーボネート樹脂は機械的性質、電気的性質、耐熱性等に優れているので、エンジニアリングプラスチックとして広く使用されており、さらに各種難燃剤やガラス繊維、炭素繊維、ガラスフレーク、マイカ、タルクなどの強化材を配合して、難燃性、高剛性、低線膨張係数、低反りなどの要求される分野に広く使用されている。しかしながら、近年の電気・電子・OA機器等の高性能化、小型化に伴い、従来より厳しい難燃性、高剛性、低線膨張係数でかつ反りの小さい樹脂組成物及び成形品が要求されている。このような要求に対して、特許文献1は非結晶性熱可塑性樹脂に鱗片状の無機質充填剤、または鱗片状の無機質充填剤と強化充填剤を配合した樹脂組成物からなるCD−ROM機構部品に係わる発明であり、具体的な樹脂組成物として、ポリカーボネートとガラスフレークからなる組成物が開示されているが、剛性と線膨張係数の点で満足できなかった。
また、特許文献2及び特許文献3には、無機質充填剤と、特定のリン酸エステル化合物を含有するポリカーボネート系樹脂組成物からなる機構部品が開示され、さらに、前記無機充填剤としてはガラスフレークとマイカ、またはマイカとガラスフレークとガラス繊維をポリカーボネート系樹脂に配合して用いるのが好ましいことが開示されている。これらの特許文献の機構部品に使用される樹脂組成物の具体例として開示されている、ポリカーボネート樹脂、リン酸エステル、ガラスフレーク、金マイカ(レプコ(株)製・レプコS200HG−CT)、及びポリカーボネート樹脂、リン酸エステル、ガラスフレーク、金マイカ(レプコ(株)製・レプコS200HG−CT)、ガラス繊維を含む組成物は、いずれも剛性や線膨張係数の点で不満足であった。
特許文献4には、ポリカーボネート樹脂とガラスフレーク、金属フレーク、マイカおよびタルクから選択された少なくとも1種の無機充填剤、特定のオレフィン系ワックスより実質的になる強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が開示されている。しかし、この特許文献記載の樹脂組成物には、リン酸エステルの配合及び難燃性のレベルについて具体的な説明はなく、剛性や線膨張係数の点で満足できなかった。
また、特許文献5及び特許文献6は、熱可塑性樹脂、及び、特定の粒径及び厚みを有するマイカを主成分とする充填剤からなる樹脂組成物より形成された光学ディスク用ピックアップシャーシに関する発明で、組成物はさらに難燃剤を配合することが好ましく、難燃剤としては、臭素化ポリカーボネートオリゴマーが難燃性を付与するだけでなく剛性を高めるので好ましいことが記載されている。これらの特許文献には、具体的に、ポリカーボネート樹脂、白マイカ、ガラスフレーク又はガラス繊維及び臭素化ポリカーボネートオリゴマーが配合された樹脂組成物が開示されている。しかしながら、ハロゲン化合物を含有することにより環境汚染を招くおそれがあり、また、これらの樹脂組成物からなるシャーシは線膨張係数の点で満足とはいえなかった。
また、特許文献5及び特許文献6は、熱可塑性樹脂、及び、特定の粒径及び厚みを有するマイカを主成分とする充填剤からなる樹脂組成物より形成された光学ディスク用ピックアップシャーシに関する発明で、組成物はさらに難燃剤を配合することが好ましく、難燃剤としては、臭素化ポリカーボネートオリゴマーが難燃性を付与するだけでなく剛性を高めるので好ましいことが記載されている。これらの特許文献には、具体的に、ポリカーボネート樹脂、白マイカ、ガラスフレーク又はガラス繊維及び臭素化ポリカーボネートオリゴマーが配合された樹脂組成物が開示されている。しかしながら、ハロゲン化合物を含有することにより環境汚染を招くおそれがあり、また、これらの樹脂組成物からなるシャーシは線膨張係数の点で満足とはいえなかった。
特許文献7には、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、リン酸エステル系難燃剤、ケイ酸塩充填剤よりなるポリカーボネート樹脂組成物が開示されている。この特許文献には、具体的にポリカーボネート70重量部、ABS樹脂20重量部、リン酸エステル10重量部、白マイカ2重量部、PTFE0.5重量部からなる樹脂組成物が開示されている。しかし、該樹脂組成物は白マイカの配合量が2重量部と少なく、ガラスフレークが配合されていないため、本発明者らの試験では剛性、線膨張係数、反りの点で不満足であった。
また、特許文献8には、芳香族ポリカーボネート樹脂、特定のハロゲン化カーボネート化合物、スチレン系樹脂および芳香族ポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂、強化充填剤からなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物が開示されている。しかしながら、該樹脂組成物にはハロゲン化カーボネート化合物が含まれているので環境汚染の恐れがあり、白マイカの配合について具体的説明がなく、さらには剛性、線膨張係数、反りに関する具体的説明もなかった。
また、特許文献8には、芳香族ポリカーボネート樹脂、特定のハロゲン化カーボネート化合物、スチレン系樹脂および芳香族ポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂、強化充填剤からなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物が開示されている。しかしながら、該樹脂組成物にはハロゲン化カーボネート化合物が含まれているので環境汚染の恐れがあり、白マイカの配合について具体的説明がなく、さらには剛性、線膨張係数、反りに関する具体的説明もなかった。
特許文献9には、熱可塑性樹脂、有機リン化合物、マイカおよびタルクから選択された少なくとも1種の板状充填材からなる熱可塑性樹脂組成物が開示されている。しかし、この特許文献にはリン酸エステル、ガラスフレーク、マイカを含むポリカーボネート樹脂組成物についての具体的説明がなく、また、この文献に記載された組成物は、線膨張係数や反りの点で不満足であった。さらに特許文献10には、ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂、無機充填材、含ケイ素化合物、含フッ素ポリマーを含んでなる難燃性熱可塑性樹脂組成物が開示されている。しかし、この特許文献には、白マイカとガラスフレークを併用したポリカーボネート樹脂組成物についての具体的説明がなく、線膨張係数や反りに関する具体的説明もない。
以上のように、難燃性と剛性に優れ、線膨張係数が低く、かつ反りの小さい強化ポリカーボネート樹脂組成物に対する要求は未だ十分満たされているとはいなかった。
以上のように、難燃性と剛性に優れ、線膨張係数が低く、かつ反りの小さい強化ポリカーボネート樹脂組成物に対する要求は未だ十分満たされているとはいなかった。
本発明の目的は、難燃性と剛性に優れ、線膨張係数が低く、かつ反りの小さい強化ポリカーボネート樹脂組成物及び該樹脂組成物からなる成形品を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するため検討を重ね、特定の難燃剤及び少なくとも2種類の無機充填材を配合することによりかかる目的が達成されることを知り、本発明に到達した。即ち、本発明の要旨は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部及びリン酸エステル化合物(B)1〜40重量部を含有する樹脂組成物(i)40〜80重量%と、白マイカ(C)20〜80重量部、ガラスフレーク(D)20〜80重量部、及び繊維状充填材(E)0〜40重量部を含み合計が100重量部である無機充填材(ii)60〜20重量%らなることを特徴とする強化ポリカーボネート樹脂組成物、及び該樹脂組成物から形成される成形品に存する。
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物は、難燃性と剛性に優れ、線膨張係数が低く、かつ反りが小さいので、電気・電子・OA機器等の成形材料としてその工業的有用性は極めて大きい。また、本発明の成形品は、難燃性と剛性及び寸法安定性に優れているので、特に光書き込みユニット固定シャーシとして非常に有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に使用されるポリカーボネート樹脂(A)としては、芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂、芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂などが挙げられるが、これらの中では芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。芳香族ポリカーボネート樹脂としては、芳香族ジヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物をホスゲン又は炭酸ジエステルと反応させることによって得られる、分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体が挙げられる。ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されず、公知の方法、すなわち、ホスゲン法(界面重合法)、溶融法(エステル交換法)等が採用される。本発明では、溶融法で製造され且つ末端基のOH基量が調整された芳香族ポリカーボネート樹脂を使用することも出来る。
原料の芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられるが、これらの中ではビスフェノールAが好ましい。また、難燃性を更に高める目的で上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物および/またはシロキサン構造を有する両末端フェノール性OH基含有のポリマー又はオリゴマーを使用することも出来る。
分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂を得るには、前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部として、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニルヘプテン−3、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のポリヒドロキシ化合物の他、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5−ブロムイサチン等を使用すればよい。これらの使用量は、通常0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜2モル%である。
ポリカーボネート樹脂の分子量を調節するには、一価芳香族ヒドロキシ化合物を使用すればよく、その具体例としては、m−及p−メチルフェノール、m−及びp−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール及びp−長鎖アルキル置換フェノール等が挙げられる。
本発明に使用される芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した値として、通常16,000〜30,000が好ましく、より、好ましくは17,000〜25,000、更に好ましくは18,000〜23,000である。粘度平均分子量が16,000未満である場合は機械的強度が不足し、30,000を超える場合は成形品外観に不良を生じ易い。
本発明に使用される芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した値として、通常16,000〜30,000が好ましく、より、好ましくは17,000〜25,000、更に好ましくは18,000〜23,000である。粘度平均分子量が16,000未満である場合は機械的強度が不足し、30,000を超える場合は成形品外観に不良を生じ易い。
本発明に使用される芳香族ポリカーボネート樹脂としては、好ましくは、2、2ービス(4ーヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるポリカーボネート樹脂や2、2ービス(4ーヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるポリカーボネート共重合体が挙げられる。難燃性を更に高める目的のため、シロキサン構造を有するポリマー又はオリゴマーを共重合することが出来る。芳香族ポリカーボネート樹脂としては、2種以上の樹脂を混合して使用してもよい。
本発明に用いるリン酸エステル化合物(B)は、樹脂の難燃剤として知られている物質であって、好ましくはハロゲン非含有リン酸エステル化合物であり、具体的には、下式(1)で示されるリン酸エステル化合物が好ましい。
(式中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立して、水素原子または有機基を表し、Xは2価以上の有機基を表し、pは0または1であり、qは1以上の整数であり、rは0以上の整数を表す。)。
式(1)において、R1、R2、R3、R4の定義における有機基とは、置換基を有していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基などである。また置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基,あるいはさらに、これらの置換基を組み合わせた基であるアリールアルコキシアルキル基など、またはこれらの置換基を酸素原子、窒素原子、イオウ原子などにより結合して組み合わせたアリールスルホニルアリール基などを置換基としたものなどが挙げられる。
式(1)において、R1、R2、R3、R4の定義における有機基とは、置換基を有していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基などである。また置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基,あるいはさらに、これらの置換基を組み合わせた基であるアリールアルコキシアルキル基など、またはこれらの置換基を酸素原子、窒素原子、イオウ原子などにより結合して組み合わせたアリールスルホニルアリール基などを置換基としたものなどが挙げられる。
また、式(1)において、Xとしては、有機化合物の炭素原子に結合している水素原子を2個以上除いてできる2価以上の基であり、例えば、アルキレン基、アリーレン基(例えばフェニレン基)、シクロアルキレン基、多核フェノール基(例えばビスフェノール類から誘導される基)である。Xとして、好ましくは、ビスフェノールA、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジフエニルメタン、ジヒドロキシジフェニル、ジヒドロキシナフタレン等から誘導される基である。これらの基は上述したR1、R2、R3、R4の定義における有機基と同様の置換基で置換されていても良い。なお、R1、R2、R3、R4及びXはハロゲン原子を含有しないものである。
式(1)において、rは0以上の整数、すなわち、式(1)は、燐酸エステルのモノマー、オリゴマー、ポリマー、あるいはこれらの混合物であってもよい。このようなリン酸エステル化合物(B)の具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジイソプロピルフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、ビスフェノールAビスホスフェート、ヒドロキノンビスホスフェート、レゾルシンビスホスフェート、レゾルシノール−ジフェニルホスフェート、トリオキシベンゼントリホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、あるいはこれらの置換体、縮合体などを例示できる。
本発明の(B)成分として好適に用いることができるハロゲン非含有リン酸エステル化合物としては、たとえば、大八化学工業(株)より、「TPP」(トリフェニルホスフェート)、「CR733S」(レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート))、「CR741」(ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート))、旭電化工業(株)より「FP500」(レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート))といった商品名で販売されており、容易に入手可能である。これらの中でも、縮合型のリン酸エステルである、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)が特に好ましい。
本発明に関わる(i)樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、リン酸エステル化合物(B)を1〜40重量部配合したものである。リン酸エステル化合物(B)が1重量部未満では、難燃性や剛性、線膨張係数の改良効果が不十分であり、40重量部を超えると耐熱性の低下が著しくなるので好ましくない。リン酸エステル化合物(B)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、好ましくは3〜30重量部、更に好ましくは5〜20重量部である。
更に本発明の(i)樹脂組成物には、滴下防止性を付与するため、フッ化ポリオレフィンを配合することが好ましい。使用されるフッ化ポリオレフィンとしては、ポリオレフィンの水素原子の全てあるいは大部分がフッ素原子によって置換された構造の重合体であり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、四フッ化エチレンと六フッ化プロピレンとの共重合体などが挙げられ、好ましくはポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。ポリテトラフルオロエチレンとしては、例えば、フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン、即ち、重合体同士を結合して繊維状構造を形成する傾向を示すポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンはASTM規格でタイプ3に分類され、燃焼時の滴下を防止する。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンとしては、例えば三井・デュポンフロロケミカル(株)より、テフロン(R)6Jまたはテフロン(R)30Jとして、あるいはダイキン化学工業(株)よりポリフロン(R)として市販されている。
フッ化ポリオレフィンの配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し0.01〜5重量部であり、好ましくは0.02〜3重量部であり、より好ましくは0.05〜2重量部である。フッ化ポリオレフィンの配合量が0.01重量部未満であると滴下防止効果が低く難燃性が不十分となる傾向があり、5重量部を越えると押出し性、成形性が損なわれる傾向がある。
フッ化ポリオレフィンの配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し0.01〜5重量部であり、好ましくは0.02〜3重量部であり、より好ましくは0.05〜2重量部である。フッ化ポリオレフィンの配合量が0.01重量部未満であると滴下防止効果が低く難燃性が不十分となる傾向があり、5重量部を越えると押出し性、成形性が損なわれる傾向がある。
本発明の(i)樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、さらにスチレン系樹脂(F)を1〜40重量部含有することにより流動性や剛性を改良できる。本発明に使用できるスチレン系樹脂(F)とは、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ゴム強化ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−α−アルキルスチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−α−メチルスチレン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−マレイミド共重合体等である。ゴム強化ポリスチレンはジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、アクリルゴムまたはエチレン−プロピレンゴム、エチレン−オクテンゴム、EPDMゴム等で形成することができる。本発明において特に好ましいスチレン系樹脂は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、及びアクリロニトリル−スチレン共重合体であり、アクリロニトリル−スチレン共重合体が最も好ましい。なお、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、スチレン系樹脂(F)の配合量が40重量部を越えると、耐熱性が低下し過ぎるので好ましくない。
マイカはへき(劈)開性を有する珪酸アルミニウム系の鉱物であり、例えばKAl2(AlSi3O10)(OH)2(白マイカ)、K(Mg,Fe)3(AlSi3O10)(OH)2(黒マイカ)、KMg3(AlSi3O10)(OH)2(金マイカ)、KLi2Al(Si4O10)(OH)2(鱗マイカ)、NaAl2(AlSi3O10)(OH)2(ソーダマイカ)、KMg3(AlSi3O10)F2(フッ素金マイカ)の化学式で示される種々のマイカが知られている。これらのマイカの中、本発明で使用できるマイカは、白マイカ(C)である。白マイカ(C)を用いると、得られる樹脂組成物の剛性が高く、かつ線膨張係数が低いという特徴を有している。さらに、白マイカ(C)は、他のマイカに比較して鉄分が少ないので色相が良いことも好ましい。本発明では、得られる樹脂組成物の剛性、線膨張係数、反り改良の点から、白マイカ(C)は、マイクロトラックレーザー回折法により測定された平均粒子径が5〜300μmのものが好ましい。平均粒子径は、より好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは15〜50μmである。白マイカの平均粒径が5μm未満では剛性と線膨張係数の改良効果が小さく、300μmを超えると溶融加工の段階でマイカが破損してしまい、剛性と線膨張係数の改良効果が小さくなる恐れがある。
また、電子顕微鏡により観察した白マイカ(C)の厚みは0.01〜2μmであることが好ましく、より好ましくは0.02〜1μmである。白マイカの厚みが0.01μm未満では、溶融加工の段階でマイカが破損し易く、剛性と線膨張係数の改良効果が小さく、2μmを超えると剛性と線膨張係数の改良効果が小さくなる傾向があり好ましくない。
また、白マイカを製造する際の粉砕には、乾式粉砕法と湿式粉砕法があるが、本発明においては所望する平均粒径と厚みを満足するために、湿式粉砕法が好ましい。
白マイカは、その原石の原産地によってそのへき開性が異なり、その結果として得られる白マイカの平均粒径や厚みが異なってくる。本発明では、所望する平均粒径と厚みを満足するために、インドを原産とする白マイカが好ましい。更に、本発明では結合剤を用いたり、圧縮したりして顆粒状にした白マイカを用いることもできる。
また、電子顕微鏡により観察した白マイカ(C)の厚みは0.01〜2μmであることが好ましく、より好ましくは0.02〜1μmである。白マイカの厚みが0.01μm未満では、溶融加工の段階でマイカが破損し易く、剛性と線膨張係数の改良効果が小さく、2μmを超えると剛性と線膨張係数の改良効果が小さくなる傾向があり好ましくない。
また、白マイカを製造する際の粉砕には、乾式粉砕法と湿式粉砕法があるが、本発明においては所望する平均粒径と厚みを満足するために、湿式粉砕法が好ましい。
白マイカは、その原石の原産地によってそのへき開性が異なり、その結果として得られる白マイカの平均粒径や厚みが異なってくる。本発明では、所望する平均粒径と厚みを満足するために、インドを原産とする白マイカが好ましい。更に、本発明では結合剤を用いたり、圧縮したりして顆粒状にした白マイカを用いることもできる。
本発明で使用されるガラスフレーク(D)は、Aガラス、Cガラス、Eガラス等のガラス組成からなり、特に、Eガラス(無アルカリガラス)からなるガラスフレークがポリカーボネート樹脂に悪影響を及ぼさない点で好ましい。
ガラスフレーク(D)は、厚さ1〜20μm、一辺の長さ0.05〜1.0mmの鱗片状であることが好ましい。ガラスフレークの厚さが1μm未満では、溶融加工の段階でガラスフレークが破損して、剛性と線膨張係数の改良効果が小さくなり易く、20μmを超えると剛性と線膨張係数の改良効果が小さくなり易く、好ましくない。ガラスフレークの一辺の長さが0.05mm未満では剛性と線膨張係数の改良効果が小さく、1.0mmを超えると溶融加工の段階でガラスフレークが破損してしまい、剛性と線膨張係数の改良効果が小さくなり易く、好ましくない。
かかるガラスフレークは、例えば、日本板硝子社より、「フレカ」の商品名で市販されており、容易に入手可能である。
ガラスフレーク(D)は、厚さ1〜20μm、一辺の長さ0.05〜1.0mmの鱗片状であることが好ましい。ガラスフレークの厚さが1μm未満では、溶融加工の段階でガラスフレークが破損して、剛性と線膨張係数の改良効果が小さくなり易く、20μmを超えると剛性と線膨張係数の改良効果が小さくなり易く、好ましくない。ガラスフレークの一辺の長さが0.05mm未満では剛性と線膨張係数の改良効果が小さく、1.0mmを超えると溶融加工の段階でガラスフレークが破損してしまい、剛性と線膨張係数の改良効果が小さくなり易く、好ましくない。
かかるガラスフレークは、例えば、日本板硝子社より、「フレカ」の商品名で市販されており、容易に入手可能である。
本発明で使用される繊維状充填材(E)としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ワラストナイト、各種ウイスカー等を用いることができるが、剛性と線膨張係数の観点からガラス繊維、炭素繊維が好ましい。
ガラス繊維は、断面の形状が一般的な真円状の他に、真円状の繊維を平行に重ね合わせたものに代表される各種の異形断面形状のものを使用しても良い。かかるガラス繊維は、平均繊維径が1〜25μm、好ましくは5〜17μmである。平均繊維径が1μm未満のガラス繊維を使用したのでは、成形加工性が損なわれ、平均繊維径が25μmより大きいガラス繊維を使用したのでは、外観が損なわれ、補強効果も十分ではない。また、ガラス繊維としては、連続的に巻き取った「ガラスロービング」や長さ1〜10mmに切りそろえた「チョップドストランド」、長さ10〜500μm程度に粉砕した「ミルドファイバー」を用いることができ、これらを併用することもできる。ガラス繊維としては、旭ファイバーグラス社より、「グラスロンチョップドストランド」や「グラスロンミルドファイバー」の商品名で市販されており、容易に入手可能である。
本発明で使用される炭素繊維としては、一般にアクリル繊維、石油又は炭素系特殊ピッチ、セルロース繊維、リグニン、等を原料として焼成によって製造されたものであり、耐炎質、炭素質または、黒鉛質等の種々のタイプのものがあるが特に基材を問わない。かかる炭素繊維は、平均繊維径が1〜20μmが好ましく、より好ましくは3〜15μmである。平均繊維径が1μm未満の炭素繊維を使用したのでは、成形加工性が損なわれ、平均繊維径が20μmより大きい炭素繊維を使用したのでは、外観が損なわれ、補強効果も不十分となる恐れがある。
ガラス繊維は、断面の形状が一般的な真円状の他に、真円状の繊維を平行に重ね合わせたものに代表される各種の異形断面形状のものを使用しても良い。かかるガラス繊維は、平均繊維径が1〜25μm、好ましくは5〜17μmである。平均繊維径が1μm未満のガラス繊維を使用したのでは、成形加工性が損なわれ、平均繊維径が25μmより大きいガラス繊維を使用したのでは、外観が損なわれ、補強効果も十分ではない。また、ガラス繊維としては、連続的に巻き取った「ガラスロービング」や長さ1〜10mmに切りそろえた「チョップドストランド」、長さ10〜500μm程度に粉砕した「ミルドファイバー」を用いることができ、これらを併用することもできる。ガラス繊維としては、旭ファイバーグラス社より、「グラスロンチョップドストランド」や「グラスロンミルドファイバー」の商品名で市販されており、容易に入手可能である。
本発明で使用される炭素繊維としては、一般にアクリル繊維、石油又は炭素系特殊ピッチ、セルロース繊維、リグニン、等を原料として焼成によって製造されたものであり、耐炎質、炭素質または、黒鉛質等の種々のタイプのものがあるが特に基材を問わない。かかる炭素繊維は、平均繊維径が1〜20μmが好ましく、より好ましくは3〜15μmである。平均繊維径が1μm未満の炭素繊維を使用したのでは、成形加工性が損なわれ、平均繊維径が20μmより大きい炭素繊維を使用したのでは、外観が損なわれ、補強効果も不十分となる恐れがある。
白マイカ(C)、ガラスフレーク(D)、繊維状充填材(E)は、本発明の樹脂組成物の特性を損なわない限りにおいて、樹脂との親和性を増すために、表面処理、例えばシラン処理、エポキシ処理、ウレタン処理、酸化処理等が施されていても良い。
本発明で使用される(ii)無機充填剤は、白マイカ(C)、ガラスフーク(D)、繊維状充填材(E)の合計を100重量部とした時に、白マイカ20〜80重量部、ガラスフレーク20〜80重量部、繊維状充填材0〜40重量部の範囲で含有するもので、好ましくは白マイカ25〜70重量部、ガラスフレーク25〜70重量部、繊維状充填材0〜35重量部、特に好ましくは白マイカ30〜60重量部、ガラスフレーク30〜60重量部、繊維状充填材0〜30重量部を含有するものである。
白マイカ(C)、ガラスフレーク(D)、繊維状充填材(E)の合計を100重量部とした時に、白マイカが20重量部未満では剛性の改良効果が小さく、80重量部を超えるとポリカーボネート樹脂の劣化を招き、衝撃強度に劣り好ましくない。ガラスフレークが20重量部未満では衝撃強度に劣り、80重量部を越えると剛性の改良効果が小さく好ましくない。また、繊維状充填材が40重量部を越えると反りが大きくなる。
白マイカ(C)、ガラスフレーク(D)、繊維状充填材(E)の合計を100重量部とした時に、白マイカが20重量部未満では剛性の改良効果が小さく、80重量部を超えるとポリカーボネート樹脂の劣化を招き、衝撃強度に劣り好ましくない。ガラスフレークが20重量部未満では衝撃強度に劣り、80重量部を越えると剛性の改良効果が小さく好ましくない。また、繊維状充填材が40重量部を越えると反りが大きくなる。
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物は、前記樹脂組成物(i)40〜80重量%と無機充填材(ii)60〜20重量%からなる。無機充填材が60重量%を越えると流動性が低下し、20重量%未満では剛性、線膨張係数の改良効果が小さく好ましくない。
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物には、上記(A)〜(E)成分の他、必要に応じ、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの安定剤、顔料、染料、滑剤、離型剤などの樹脂添加剤、タルクやガラスビーズ等の他の充填材を添加することが出来る。
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、この種組成物の製法として公知の方法を採用することができる。すなわち、各種混練機、例えば、一軸又は多軸混練機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダープラストグラム等により、上記の各成分を一括、あるいは順次、配合して混練した後、冷却固化する溶融混練法、適当な溶媒、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素およびその誘導体に上記成分を添加し、溶解する成分同志または溶解する成分と不溶解成分を懸濁状態で混合する溶液混合法などが挙げられるが、溶融混練が最も好ましい。
本発明では、二軸押し出し機を用いて、ガラスフレーク、繊維状充填材等を途中からフィードしながら溶融混練することが好ましい。
本発明では、二軸押し出し機を用いて、ガラスフレーク、繊維状充填材等を途中からフィードしながら溶融混練することが好ましい。
本発明の強化ポリカーボネート樹脂組成物の成形方法は、特に限定されず、熱可塑性樹脂組成物について一般に使用されている成形法、例えば、射出成形、中空成形、押し出し成形、シート成形、熱成形、回転成形、積層成形などの各種成形方法を採用し得る。
本発明における強化ポリカーボネート樹脂組成物は、難燃性、高い剛性と低い線膨張係数、優れた寸法精度を有していることから、特に、光書き込みユニット固定シャーシの材料として最適である。これらの部品は、製品強度の意味からの剛性に加えて、振動時の振幅を抑える意味からも高い剛性が要求されている。また、寸法精度としては、反りが小さいことに加えて環境温度変化時の寸法変化が小さいことが要求されており、小さい線膨張係数が要求されている。
具体的には、レーザービームプリンター、複写機、ファクシミリ、イメージスキャナー、バーコードスキャナー、及び製版機等の光書き込みユニット固定シャーシである。光書き込みユニット固定シャーシとは、レーザービームを感光体ドラム表面上または読み取り装置の正しい位置に結像させる光路上に必要な各種部品(ミラー、レンズ、モータ等)を固定する部品である。
具体的には、レーザービームプリンター、複写機、ファクシミリ、イメージスキャナー、バーコードスキャナー、及び製版機等の光書き込みユニット固定シャーシである。光書き込みユニット固定シャーシとは、レーザービームを感光体ドラム表面上または読み取り装置の正しい位置に結像させる光路上に必要な各種部品(ミラー、レンズ、モータ等)を固定する部品である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、実施例は本発明の単なる例示を意図するものに過ぎない。本発明はその要旨を超えない限り以下の例によって限定されることはない。
なお、実施例および比較例においては次に記載の原材料を用いた。
(A)PC(ポリカーボネート樹脂):ポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニルカーボネート、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名:S3000、粘度平均分子量21,000。
(B1)リン酸エステル:レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)、旭電化工業(株)製、商品名「FP500」。
(B2)臭素化ポリカーボネート:テトラブロムビスフェーノールAを重合、三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名「FR53」
(C1)白マイカ:マイクロトラックレーザー回折法による平均粒径が40μm、電子顕微鏡観察による厚さが0.03〜0.3μmのインド産の湿式粉砕された白マイカ、山口雲母工業所製、商品名:A−41。
(C2)白マイカ:マイクロトラックレーザー回折法による平均粒径が30μm、電子顕微鏡観察による厚さが0.03〜0.3μmのカナダ産の乾式粉砕された金マイカ、クラレ社製、商品名「325HK」。
(D)ガラスフレーク:平均粒径600μm、厚み2〜6μmのガラスフレーク、日本板硝子社製、商品名「REFG−101」。
(E1)ガラス繊維:直径13μm、長さ3mmのチョップドストランド、日本電気硝子社製、商品名:ECS03T571
(E2)炭素繊維:直径7μm、長さ6mmのチョップドストランド、三菱レイヨン社製、商品名:パイロフィルTR06U
(F1)スチレン系樹脂:アクリロニトリル−スチレン共重合体、テクノポリマー社製、商品名「SAN−C」。
(F2)フッ素樹脂:ポリテトラフルオロエテレン、ダイキン工業(株)製、商品名「ポリフロンF−201L」。
なお、実施例および比較例においては次に記載の原材料を用いた。
(A)PC(ポリカーボネート樹脂):ポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニルカーボネート、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名:S3000、粘度平均分子量21,000。
(B1)リン酸エステル:レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)、旭電化工業(株)製、商品名「FP500」。
(B2)臭素化ポリカーボネート:テトラブロムビスフェーノールAを重合、三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名「FR53」
(C1)白マイカ:マイクロトラックレーザー回折法による平均粒径が40μm、電子顕微鏡観察による厚さが0.03〜0.3μmのインド産の湿式粉砕された白マイカ、山口雲母工業所製、商品名:A−41。
(C2)白マイカ:マイクロトラックレーザー回折法による平均粒径が30μm、電子顕微鏡観察による厚さが0.03〜0.3μmのカナダ産の乾式粉砕された金マイカ、クラレ社製、商品名「325HK」。
(D)ガラスフレーク:平均粒径600μm、厚み2〜6μmのガラスフレーク、日本板硝子社製、商品名「REFG−101」。
(E1)ガラス繊維:直径13μm、長さ3mmのチョップドストランド、日本電気硝子社製、商品名:ECS03T571
(E2)炭素繊維:直径7μm、長さ6mmのチョップドストランド、三菱レイヨン社製、商品名:パイロフィルTR06U
(F1)スチレン系樹脂:アクリロニトリル−スチレン共重合体、テクノポリマー社製、商品名「SAN−C」。
(F2)フッ素樹脂:ポリテトラフルオロエテレン、ダイキン工業(株)製、商品名「ポリフロンF−201L」。
<実施例1〜8、比較例1〜8>
表−1及び表−2に示す成分、割合にて配合した樹脂組成物をタンブラーミキサーにて均一に混合した後、二ヶ所のフィード口を有する二軸押出機(30mmφ)を用いて、シリンダー温度280℃で、樹脂組成物とマイカをメインホッパーより、ガラスフレークと繊維状充填材を下流のホッパーよりフィードし、溶融、混練し、ペレット化した。
得られたペレットを、射出成形機(住友重機械工業製、サイキャップM−2、型締め力75T)を用い、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件でISO多目的試験片を射出成形して成形品を作成し、下記の方法で評価を行った。
結果を表−1及び表−2に示す。
表−1及び表−2に示す成分、割合にて配合した樹脂組成物をタンブラーミキサーにて均一に混合した後、二ヶ所のフィード口を有する二軸押出機(30mmφ)を用いて、シリンダー温度280℃で、樹脂組成物とマイカをメインホッパーより、ガラスフレークと繊維状充填材を下流のホッパーよりフィードし、溶融、混練し、ペレット化した。
得られたペレットを、射出成形機(住友重機械工業製、サイキャップM−2、型締め力75T)を用い、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件でISO多目的試験片を射出成形して成形品を作成し、下記の方法で評価を行った。
結果を表−1及び表−2に示す。
[評価方法]
(1)曲げ弾性率:ISO178による曲げ試験法に従い、三点曲げ試験を行った。
(2)シャルピー衝撃強度:ISO179により非ノッチにて測定を行った。
(3)難燃性:UL94垂直燃焼性試験に基づき、2.0mm厚みでの燃焼性を試験した。
(4)線膨張係数:ASTM D696に基づき、ISOの多目的試験片の中央部より流れ方向(MD)と流れに垂直方向(TD)に切り出した試験片を用いて、23〜80℃にて測定を行った。
(5)異方性:線膨張係数の異方性=TD/MDを算出した。
異方性は寸法精度の指標であり、TD/MDが小さいほど異方性が小さく、寸法精度の高い材料といえる。
(1)曲げ弾性率:ISO178による曲げ試験法に従い、三点曲げ試験を行った。
(2)シャルピー衝撃強度:ISO179により非ノッチにて測定を行った。
(3)難燃性:UL94垂直燃焼性試験に基づき、2.0mm厚みでの燃焼性を試験した。
(4)線膨張係数:ASTM D696に基づき、ISOの多目的試験片の中央部より流れ方向(MD)と流れに垂直方向(TD)に切り出した試験片を用いて、23〜80℃にて測定を行った。
(5)異方性:線膨張係数の異方性=TD/MDを算出した。
異方性は寸法精度の指標であり、TD/MDが小さいほど異方性が小さく、寸法精度の高い材料といえる。
表−1及び表−2から明らかなように、本発明に規定する特定の成分を特定量で含有する組成物から成形された試験片は、比較例で得られた組成物から成形された試験片に比し、いずれも、優れた難燃性、剛性、低い線膨張係数と優れた寸法精度を示す。一方、本発明の規定する成分を欠いたり、本発明と同じ成分を含有するがその含有量が本発明の範囲外である比較例の組成物は、剛性、難燃性などが不十分であったり、線膨張係数や異方性が大きく寸法精度が不十分である。
Claims (5)
- (i)と(ii)の合計を100%とする時、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部及びリン酸エステル化合物(B)1〜40重量部を含有する樹脂組成物(i)40〜80重量%と、白マイカ(C)20〜80重量部、ガラスフレーク(D)20〜80重量部、及び繊維状充填材(E)0〜40重量部を含み、合計が100重量部である無機充填材(ii)60〜20重量%からなることを特徴とする強化ポリカーボネート樹脂組成物。
- 樹脂組成物(i)が、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、さらにスチレン系樹脂(F)を1〜40重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の強化ポリカーボネート樹脂組成物。
- スチレン系樹脂(F)がスチレン−アクリロニトリル共重合体であることを特徴とする請求項2に記載の強化ポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の強化ポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品。
- 成形品が、光書き込みユニット固定シャーシであることを特徴とする請求項4記載の成形品。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008045040A (ja) * | 2006-08-17 | 2008-02-28 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 低線膨張押出シート |
JP2009001833A (ja) * | 2005-06-30 | 2009-01-08 | Nissin Kogyo Co Ltd | 繊維複合材料 |
JP2010275449A (ja) * | 2009-05-29 | 2010-12-09 | Toray Ind Inc | 熱可塑性樹脂組成物 |
JP2010275413A (ja) * | 2009-05-28 | 2010-12-09 | Teijin Chem Ltd | ガラス強化樹脂組成物 |
WO2018163562A1 (ja) * | 2017-03-06 | 2018-09-13 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 |
JPWO2017131018A1 (ja) * | 2016-01-29 | 2018-11-22 | 株式会社クラレ | 成形品及びその製造方法 |
JP2019151702A (ja) * | 2018-03-01 | 2019-09-12 | 旭ファイバーグラス株式会社 | サンルーフ用外装部品及びサンルーフ用複合部品 |
-
2003
- 2003-11-19 JP JP2003389773A patent/JP2005146219A/ja active Pending
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