JP2009079185A - 炭素繊維複合材料及びその製造方法 - Google Patents

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徹 野口
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Abstract

【課題】カーボンナノファイバーが均一に分散された炭素繊維複合材料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の炭素繊維複合材料の製造方法は、工程(a)と、工程(b)と、工程(c)と、を含む。工程(a)は、溶剤にエラストマーを溶解し、さらに平均直径が0.5ないし500nmのカーボンナノファイバーを混合して分散液を得る。工程(b)は、分散液を乾燥してゴム状弾性体の混合物50を得る。工程(c)は、ゴム状弾性体の混合物50を混練し、剪断力によってカーボンナノファイバーをエラストマー中に分散させて炭素繊維複合材料を得る。
【選択図】図2

Description

本発明は、カーボンナノファイバーが均一に分散された炭素繊維複合材料及びその製造方法に関する。
一般に、カーボンナノファイバーはマトリックスに分散させにくいフィラーであった。本発明者等が先に提案した炭素繊維複合材料の製造方法は、これまで困難とされていたカーボンナノファイバーの分散性を改善し、エラストマーにカーボンナノファイバーを均一に分散させることができた(例えば、特許文献1参照)。このような炭素繊維複合材料の製造方法によれば、エラストマーとカーボンナノファイバーを混練し、剪断力によって凝集性の強いカーボンナノファイバーの分散性を向上させている。より具体的には、エラストマーとカーボンナノファイバーとを混合すると、粘性を有するエラストマーがカーボンナノファイバーの相互に侵入し、かつ、エラストマーの特定の部分が化学的相互作用によってカーボンナノファイバーの活性の高い部分と結合し、この状態で、分子長が適度に長く、分子運動性の高い(弾性を有する)エラストマーとカーボンナノファイバーとの混合物に強い剪断力が作用すると、エラストマーの変形に伴ってカーボンナノファイバーも移動し、さらに剪断後の弾性によるエラストマーの復元力によって、凝集していたカーボンナノファイバーが分離されて、エラストマー中に分散していた。
また、本発明者等は、カーボンナノファイバーが均一に分散した炭素繊維複合材料を用いて他のマトリックス、例えば金属のマトリックスにカーボンナノファイバーを均一に分散させる炭素繊維複合金属材料の製造方法を提案した(例えば、特許文献2参照)。
このように、マトリックスへのカーボンナノファイバーの分散性を向上させることで、高価なカーボンナノファイバーを効率よく複合材料のフィラーとして用いることができるようになった。
特開2005−97525号公報 特開2005−97534号公報
本発明の目的は、カーボンナノファイバーが均一に分散された炭素繊維複合材料及びその製造方法を提供することにある。
本発明にかかる炭素繊維複合材料の製造方法は、
溶剤にエラストマーを溶解し、さらに平均直径が0.5ないし500nmのカーボンナノファイバーを混合して分散液を得る工程(a)と、
前記分散液を乾燥してゴム状弾性体の混合物を得る工程(b)と、
前記ゴム状弾性体の混合物を混練し、剪断力によって前記カーボンナノファイバーをエラストマー中に分散させて炭素繊維複合材料を得る工程(c)と、
を含む。
本発明にかかる炭素繊維複合材料の製造方法によれば、工程(a)によってエラストマーとカーボンナノファイバーとの混合前にエラストマーの粘度を低下させることで、エラストマー中にカーボンナノファイバーが従来よりも均一に分散された炭素繊維複合材料が得られる。より詳細には、従来のように粘性の高いエラストマーにカーボンナノファイバーを混合するよりも、工程(a)によって溶剤に溶けたエラストマーは凝集したカーボンナノファイバーの空隙に侵入しやすく、工程(c)においてカーボンナノファイバーをより均一に分散させることができる。
本発明にかかる炭素繊維複合材料の製造方法において、
前記工程(a)のエラストマーは、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって30℃、観測核がHで測定した、未架橋体における、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)が100ないし3000μ秒であることができる。
本発明にかかる炭素繊維複合材料の製造方法において、
前記工程(a)は、超音波によってカーボンナノファイバーを溶液中に分散させることができる。
本発明にかかる炭素繊維複合材料の製造方法において、
前記炭素繊維複合材料は、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって150℃、観測核がHで測定した、未架橋体における、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は100ないし3000μ秒であり、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)を有する成分の成分分率(fnn)は0.2未満であることができる。
本発明にかかる炭素繊維複合材料の製造方法において、
前記工程(c)によって得られた炭素繊維複合材料を架橋する工程(d)をさらに含むことができる。
本発明にかかる炭素繊維複合材料の製造方法において、
前記工程(c)は、ロール間隔が0.5mm以下のオープンロール法を用いて行われることができる。
本発明にかかる炭素繊維複合材料の製造方法において、
前記工程(c)は、ロール温度が0ないし50℃に設定されることができる。
本発明にかかる炭素繊維複合材料は、前記炭素繊維複合材料の製造方法によって得られる。
本発明にかかる炭素繊維複合材料は、エラストマー中にカーボンナノファイバーが均一に分散されている。したがって、本発明にかかる炭素繊維複合材料は、カーボンナノファイバーをより均一に分散させたことで、例えば従来と同じ剛性の炭素繊維複合材料を得る場合にもカーボンナノファイバーの充填量は少なくてよく、高価なカーボンナノファイバーを効率よく使用することができる。
本発明の工程(a)に用いられるエラストマーは、ゴム系エラストマーあるいは熱可塑性エラストマーのいずれであってもよい。また、ゴム系エラストマーの場合、カーボンナノファイバーの混合し易さから未架橋体が好ましい。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1及び図2は、本実施の形態で用いたオープンロール法による工程(c)を模式的に示す図である。
本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料の製造方法は、溶剤にエラストマーを溶解し、さらに平均直径が0.5ないし500nmのカーボンナノファイバーを混合して分散液を得る工程(a)と、前記分散液を乾燥してゴム状弾性体の混合物を得る工程(b)と、前記ゴム状弾性体の混合物を混練し、剪断力によって前記カーボンナノファイバーをエラストマー中に分散させて炭素繊維複合材料を得る工程(c)と、を含む。
(I)工程(a)
本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料の製造方法における工程(a)について説明する。
工程(a)は、溶剤に原料のエラストマーを溶解し、さらに平均直径が0.5ないし500nmのカーボンナノファイバーを混合して分散液を得る。溶剤に原料のエラストマーを溶解することで、原料のままでは粘性が高いエラストマーを低粘度の溶液とし、その状態でカーボンナノファイバーを混合することで凝集しているカーボンナノファイバーの空隙にエラストマーを浸透しやすくできる。溶剤にエラストマーを溶解して得られた溶液において、エラストマーの濃度は、2〜20重量%が好ましい。溶液におけるエラストマーの濃度が2重量%以上であると工程(b)における適度な乾燥処理を設定でき、また20重量%以下であると適度な低粘度によってエラストマーがカーボンナノファイバーの空隙に浸透しやすく特に加工性に優れているため好ましい。
溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。溶剤に対するエラストマーやカーボンナノファイバーなどの混合は、超音波などを用いることが好ましいが、例えば、インクロール(例えば三本ミキサー)、ヘンシェルミキサー、ボールミル、サンドミル、ビーズミルなどでもよい。
工程(a)に用いられる原料のエラストマーは、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって30℃、観測核がHで測定した、未架橋体における、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)が100ないし3000μ秒である。パルス法NMRを用いたハーンエコー法によって得られるスピン−スピン緩和時間(T2)は、物質の分子運動性を表す尺度である。具体的には、パルス法NMRを用いたハーンエコー法によりエラストマーのスピン−スピン緩和時間(T2)を測定すると、緩和時間の短い第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)を有する第1の成分と、緩和時間のより長い第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)を有する第2の成分とが検出される。第1の成分は高分子のネットワーク成分(骨格分子)に相当し、第2の成分は高分子の非ネットワーク成分(末端鎖などの枝葉の成分)に相当する。そして、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)が短いほど分子運動性が低く、エラストマーは固いといえる。また、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)が長いほど分子運動性が高く、エラストマーは柔らかいといえる。第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)が3000μ秒を越えると、エラストマーは流動し、液体状となるため、弾性をほとんど有していない。第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)が3000μ秒を越える物質の状態は、例えば常温(30℃)における水のT2nは143m秒、パラフィンオイル(PW180)のT2nは15m秒、液状ゴムのT2nは4000μ秒〜10000μ秒であるように、液体状であることが判っている。
パルス法NMRにおける測定法としては、ハーンエコー法でなくてもソリッドエコー法、CPMG法(カー・パーセル・メイブーム・ギル法)あるいは90゜パルス法でも適用できる。ただし、本発明にかかる炭素繊維複合材料は中程度のスピン−スピン緩和時間(T2)を有するので、ハーンエコー法が最も適している。一般的に、ソリッドエコー法および90゜パルス法は、短いT2の測定に適し、ハーンエコー法は、中程度のT2の測定に適し、CPMG法は、長いT2の測定に適している。エラストマーは、工程(c)における加工性から、分子量が好ましくは5000ないし500万、さらに好ましくは2万ないし300万である。
また、エラストマーは、主鎖、側鎖および末端鎖の少なくともひとつに、カーボンナノファイバー、特にその末端のラジカルに対して親和性を有する不飽和結合または基を有するか、もしくは、このようなラジカルまたは基を生成しやすい性質を有することが好ましい。かかる不飽和結合または基としては、二重結合、三重結合、カルボニル基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、ニトリル基、ケトン基、アミド基、エポキシ基、エステル基、ビニル基、ハロゲン基、ウレタン基、ビューレット基、アロファネート基および尿素基などの官能基から選択される少なくともひとつであることが好ましい。
カーボンナノファイバーは、通常、側面は炭素原子の6員環で構成され、先端は5員環が導入されて閉じた構造となっているが、構造的に無理があるため、実際上は欠陥を生じやすく、その部分にラジカルや官能基を生成しやすくなっている。本実施の形態では、エラストマーの主鎖、側鎖および末端鎖の少なくともひとつに、カーボンナノファイバーのラジカルと親和性(反応性または極性)が高い不飽和結合や基を有することが好ましく、そのようなエラストマーを用いることでエラストマーとカーボンナノファイバーとを結合することができる。
エラストマーとしては、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPR,EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロブチルゴム(CIIR)、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)、ブタジエンゴム(BR)、エポキシ化ブタジエンゴム(EBR)、エピクロルヒドリンゴム(CO,CEO)、ウレタンゴム(U)、ポリスルフィドゴム(T)などのエラストマー類;オレフィン系(TPO)、ポリ塩化ビニル系(TPVC)、ポリエステル系(TPEE)、ポリウレタン系(TPU)、ポリアミド系(TPEA)、スチレン系(SBS)、などの熱可塑性エラストマー;およびこれらの混合物を用いることができる。特に、エラストマーの混練の際にフリーラジカルを生成しやすい極性の高いエラストマー、例えば、天然ゴム(NR)、ニトリルゴム(NBR)などが好ましい。なお、例えば天然ゴムなどは、通常素練りして分子量を下げてから混練加工に用いるようなものは、工程(a)で溶剤に混合する前に素練りを行なうことが望ましい。
カーボンナノファイバーとしては、例えば、いわゆるカーボンナノチューブなどが例示できる。カーボンナノチューブは、炭素六角網面のグラファイトの1枚面を1層に巻いた単層カーボンナノチューブ(シングルウォールカーボンナノチューブ:SWNT)、2層に巻いた2層カーボンナノチューブ(ダブルウォールカーボンナノチューブ:DWNT)、3層以上に巻いた多層カーボンナノチューブ(MWNT:マルチウォールカーボンナノチューブ)などがあるが、工程(b)に用いられるカーボンナノチューブは、単層構造のみから構成されていても多層構造のみから構成されていても良く、単層構造と多層構造が混在していてもかまわない。多層カーボンナノチューブ(MWNT:マルチウォールカーボンナノチューブ)としては、特に欠陥の少ない気相成長炭素繊維(VGCF:昭和電工社の登録商標)を用いることもできる。また、部分的にカーボンナノチューブの構造を有する炭素材料も使用することができる。なお、カーボンナノチューブという名称の他にグラファイトフィブリルナノチューブといった名称で称されることもある。また、カーボンナノファイバーは、ホウ素、炭化ホウ素、ベリリウム、アルミニウム、ケイ素等の黒鉛化触媒と共に約2300℃〜3200℃で黒鉛化処理したものを用いてもよい。
単層カーボンナノチューブもしくは多層カーボンナノチューブは、アーク放電法、レーザーアブレーション法、気相成長法などによって望ましいサイズに製造される。
アーク放電法は、大気圧よりもやや低い圧力のアルゴンや水素雰囲気下で、炭素棒でできた電極材料の間にアーク放電を行うことで、陰極に堆積した多層カーボンナノチューブを得る方法である。また、単層カーボンナノチューブは、前記炭素棒中にニッケル/コバルトなどの触媒を混ぜてアーク放電を行い、処理容器の内側面に付着するすすから得られる。
レーザーアブレーション法は、希ガス(例えばアルゴン)中で、ターゲットであるニッケル/コバルトなどの触媒を混ぜた炭素表面に、YAGレーザーの強いパルスレーザー光を照射することによって炭素表面を溶融・蒸発させて、単層カーボンナノチューブを得る方法である。
気相成長法は、ベンゼンやトルエン等の炭化水素を気相で熱分解し、カーボンナノチューブを合成するもので、より具体的には、流動触媒法やゼオライト担持触媒法などが例示できる。
カーボンナノファイバーは、工程(a)でエラストマーと混練される前に、あらかじめ表面処理、例えば、イオン注入処理、スパッタエッチング処理、プラズマ処理などを行うことによって、エラストマーとの接着性やぬれ性を改善することができる。
(II)工程(b)
本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料の製造方法における工程(b)について説明する。
工程(b)は、前記工程(a)で得られた分散液を乾燥してゴム状弾性体の混合物を得る。分散液の乾燥は、溶剤を気化させるものであって、加熱して乾燥する方法や、風乾、真空乾燥(減圧乾燥を含む)、遠心乾燥、吸収剤による乾燥、吸引乾燥、加圧乾燥、超音波乾燥などを単独もしくは組み合わせて採用することができる。分散液を乾燥して得られた混合物は、ゴム状弾性体であることで、工程(c)における混練によってカーボンナノファイバーをエラストマー中に均一に分散させることができる。
(III)工程(c)
本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料の製造方法における工程(c)について説明する。
工程(c)は、前記工程(b)で得られたゴム状弾性体の混合物を混練し、剪断力によって前記カーボンナノファイバーをエラストマー中に分散させて炭素繊維複合材料を得る。工程(b)で得られたゴム状弾性体の混合物は、好ましい弾性を有しており、このような混合物に剪断力を与えることによってカーボンナノファイバーをエラストマー中に均一に分散させることができる。また、前記工程(c)で得られた炭素繊維複合材料の第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は、カーボンナノファイバーが均一に分散することによって前記工程(a)で用いられた原料のエラストマー単体の場合の第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)より短くすることができる。
図1及び図2は、2本ロールを用いたオープンロール法による工程(c)を模式的に示す図である。図1において、第1のロール10と第2のロール20とは、所定の間隔d、例えば1.5mmの間隔で配置されている。まず、第1,第2のロール10,20が回転した状態で、第2のロール20に、工程(b)で得られたゴム状弾性体の混合物50を巻き付ける。このゴム状弾性体の混合物50をオープンロールから取り出す。さらに、図2に示すように、ロール間隔dを、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.1ないし0.5mmの間隔に設定し、混合物50をオープンロールに投入して薄通しを複数回行なう。薄通しの回数は、例えば5回〜10回程度行なうことが好ましい。第1のロール10の表面速度をV1、第2のロール20の表面速度をV2とすると、薄通しにおける両者の表面速度比(V1/V2)は、1.05ないし3.00であることが好ましく、さらに1.05ないし1.2であることが好ましい。このような表面速度比を用いることにより、所望の剪断力を得ることができる。薄通しされた炭素繊維複合材料は、ロールで圧延されてシート状に分出しされる。
また、この工程(c)では、できるだけ高い剪断力を得るために、混合物50の混練は、ロール温度を好ましくは0ないし50℃、より好ましくは5ないし30℃の比較的低い温度に設定して行われ、混合物50の実測温度もロール設定温度と同じ例えば0ないし50℃に調整されることが好ましい。このようにして得られた剪断力により、混合物50に高い剪断力が作用し、凝集していたカーボンナノファイバーがエラストマー分子に1本づつ引き抜かれるように相互に分離し、エラストマー中に分散される。特に、混合物50は、工程(a)によってエラストマーがカーボンナノファイバー凝集体の空隙に侵入すると共にエラストマーとカーボンナノファイバーが結合し、工程(b)によってエラストマーの粘度と共に弾性を回復していることによって、弾性と、粘性と、カーボンナノファイバーとの化学的相互作用と、を有することになり、工程(c)によってカーボンナノファイバーを容易に分散することができる。そして、カーボンナノファイバーの分散性および分散安定性(カーボンナノファイバーが再凝集しにくいこと)に優れた炭素繊維複合材料を得ることができる。
より具体的には、工程(a)において溶剤にエラストマーを溶解した溶液に、カーボンナノファイバーを混合すると、粘度が低下したエラストマーがカーボンナノファイバーの相互に侵入し、かつ、エラストマーの特定の部分が化学的相互作用によってカーボンナノファイバーの活性の高い部分と結合する。特に、エラストマーが液体の状態でカーボンナノファイバーと混合することで、従来のゴム状弾性体のエラストマーにカーボンナノファイバーを混合する場合に比べてカーボンナノファイバーの凝集体内部へエラストマー分子が侵入しやすくなる。しかし、このまま分散液に剪断力を与えても凝集したカーボンナノファイバーを分散させる力をエラストマーに与えることができないため、カーボンナノファイバーをエラストマー中に均一に分散させることはできない。そこで、次に、工程(b)によって分散液を乾燥して溶剤を気化させ、エラストマーの分子運動性を回復させ(弾性を回復させ)、工程(c)によってゴム状弾性体の混合物に強い剪断力が作用すると、エラストマーの移動に伴ってカーボンナノファイバーも移動し、さらに剪断後の弾性によるエラストマーの復元力によって、凝集していたカーボンナノファイバーが分離されて、エラストマー中に分散されることになる。本実施の形態によれば、混合物が狭いロール間から押し出された際に、ゴム状弾性体の弾性による復元力で混合物はロール間隔より厚く変形する。その変形は、強い剪断力の作用した混合物をさらに複雑に流動させ、カーボンナノファイバーをエラストマー中に分散させると推測できる。そして、一旦分散したカーボンナノファイバーは、エラストマーとの化学的相互作用によって再凝集することが防止され、良好な分散安定性を有することができる。
エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程は、前記オープンロール法に限定されず、密閉式混練法あるいは多軸押出し混練法を用いることもできる。要するに、この工程では、凝集したカーボンナノファイバーを分離できる剪断力をエラストマーに与えることができればよい。特に、オープンロール法は、ロール温度の管理だけでなく、混合物の実際の温度を測定し管理することができるため、工程(c)に用いることが好ましい。
炭素繊維複合材料の製造方法は、工程(c)によって得られた未架橋体の炭素繊維複合材料を架橋する工程(d)をさらに含んでもよい。工程(d)は、例えば、工程(a)のカーボンナノファイバー投入時あるいは工程(c)の混練の際に架橋剤を適量投入しておき、工程(c)によって得られた炭素繊維複合材料を金型内で所定温度で加熱加圧して架橋体の炭素繊維複合材料を得ることができる。また、炭素繊維複合材料は、架橋させずに成形してもよい。炭素繊維複合材料は、オープンロール法によって得られたシート状のままでもよいし、工程(c)で得られた炭素繊維複合材料を一般に採用されるゴムの成形加工例えば、射出成形法、トランスファー成形法、プレス成形法などで複雑な形状としてもよいし、押出成形法、カレンダー加工法などによってシート状、角棒状、丸棒状などの連続形状品として成形してもよい。
本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料の製造方法において、通常、ゴムなどのエラストマーの加工で用いられる配合剤を加えることができる。配合剤としては公知のものを用いることができる。配合剤としては、例えば、架橋剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、軟化剤、可塑剤、硬化剤、補強剤、充填剤、老化防止剤、着色剤などを挙げることができる。これらの配合剤は、例えば工程(c)においてエラストマーに投入することができる。
(IV)炭素繊維複合材料
本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料について説明する。
前記炭素繊維複合材料の製造方法によって得られた炭素繊維複合材料は、マトリックスであるエラストマーにカーボンナノファイバーが均一に分散されている。このことは、エラストマーがカーボンナノファイバーによって拘束されている状態であるともいえる。この状態では、カーボンナノファイバーによって拘束を受けたエラストマー分子の運動性は、カーボンナノファイバーの拘束を受けない場合に比べて小さくなる。そのため、本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料の第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)及びスピン−格子緩和時間(T1)は、カーボンナノファイバーを含まないエラストマー単体の場合より短くなり、特にカーボンナノファイバーが均一に分散することでより短くなる。なお、架橋体におけるスピン−格子緩和時間(T1)は、カーボンナノファイバーの混合量に比例して変化する。
また、エラストマー分子がカーボンナノファイバーによって拘束された状態では、以下の理由によって、非ネットワーク成分(非網目鎖成分)は減少すると考えられる。すなわち、カーボンナノファイバーによってエラストマーの分子運動性が全体的に低下すると、非ネットワーク成分は容易に運動できなくなる部分が増えて、ネットワーク成分と同等の挙動をしやすくなること、また、非ネットワーク成分(末端鎖)は動きやすいため、カーボンナノファイバーの活性点に吸着されやすくなること、などの理由によって、非ネットワーク成分は減少すると考えられる。そのため、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)を有する成分の成分分率(fnn)は、カーボンナノファイバーを含まないエラストマー単体の場合より小さくなる。なお、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)を有する成分の成分分率(fn)は、fn+fnn=1であるので、カーボンナノファイバーを含まないエラストマー単体の場合より大きくなる。
以上のことから、本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料は、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって得られる高温における測定値が以下の範囲にあることが望ましい。
すなわち、炭素繊維複合材料は、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって150℃、観測核がHで測定した、未架橋体における、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は100ないし3000μ秒であり、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)を有する成分の成分分率(fnn)は0.2未満であることが好ましい。
パルス法NMRを用いた反転回復法により測定されたスピン−格子緩和時間(T1)は、スピン−スピン緩和時間(T2)とともに物質の分子運動性を表す尺度である。具体的には、エラストマーのスピン−格子緩和時間が短いほど分子運動性が低く、エラストマーは固いといえ、そしてスピン−格子緩和時間が長いほど分子運動性が高く、エラストマーは柔らかいといえる。
本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料は、動的粘弾性の温度依存性測定における流動温度が、原料エラストマー単体の流動温度より20℃以上高温であることが好ましい。本実施の形態の炭素繊維複合材料は、エラストマーにカーボンナノファイバーが良好に分散されている。このことは、上述したように、エラストマーがカーボンナノファイバーによって拘束されている状態であるともいえる。この状態では、エラストマーは、カーボンナノファイバーを含まない場合に比べて、その分子運動が小さくなり、その結果、流動性が低下する。このような流動温度特性を有することにより、本実施の形態の炭素繊維複合材料は、動的粘弾性の温度依存性が小さくなり、その結果、優れた耐熱性を有する。
本実施の形態の炭素繊維複合材料は、天然ゴム、合成ゴムあるいは熱可塑性エラストマーをそのままエラストマー系材料として用いることができ、あるいは金属や樹脂などの複合材料の原料すなわちカーボンナノファイバーの供給源としてのいわゆるマスターバッチとして用いることができる。カーボンナノファイバーは、通常、相互に絡み合って媒体に分散しにくい性質を有する。しかし、本実施の形態の炭素繊維複合材料を金属あるいは樹脂の複合材料の原料として用いると、カーボンナノファイバーがエラストマーに既に分散した状態で存在するので、この原料と金属や樹脂などの媒体とを混合することでカーボンナノファイバーを媒体に容易に分散させることができる。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)実施例1〜6のサンプルの作製
工程(a):溶剤に、表1及び表2に示す所定量のエラストマー(100重量部(phr))を投入して溶解し、さらに表1及び表2に示す量のカーボンナノファイバーを投入し、混合して分散液を得た。
工程(b):工程(a)で得られた分散液を乾燥してゴム状弾性体の混合物を得た。
工程(c):工程(b)で得られたゴム状弾性体の混合物を6インチオープンロール(ロール温度10〜20℃、ロール間隔0.3mm)に投入して混練し、薄通しを繰り返し5回行なった。このとき、2本のロールの表面速度比を1.1とした。さらに、ロール間隙を1.1mmにセットして、薄通しして得られた炭素繊維複合材料を投入し、分出しした。分出ししたシートを90℃、5分間圧縮成形して厚さ1mmの実施例1〜6の未架橋体の炭素繊維複合材料0サンプルを得た。
また、薄通しして得られた炭素繊維複合材料にパーオキサイド2重量部(phr)(架橋剤の最適量の1/2以下である)を混合し、ロール間隙を1.1mmにセットしたオープンロールに投入し、分出しした。分出しした架橋剤を含むシートを175℃、20分間圧縮成形して厚さ1mmの実施例1〜6の架橋体の炭素繊維複合材料サンプルを得た。なお、実施例6のE−SBSの場合は、パーオキサイドは配合しない。
(2)比較例1〜4のサンプルの作製
6インチオープンロール(ロール温度10〜20℃、ロール間隔1.5mm)に、表2に示す所定量のエラストマー(100重量部(phr))を投入して、ロールに巻き付かせ、5分間素練りした後、カーボンナノファイバーを投入し、混合物をオープンロールから取り出した。そして、ロール間隔を1.5mmから0.3mmへと狭くして、混合物を再びオープンロールに投入して薄通しを繰り返し5回行なった。このとき、2本のロールの表面速度比を1.1とした。さらに、ロール間隙を1.1mmにセットして、薄通しして得られた炭素繊維複合材料を投入し、分出しした。分出ししたシートを90℃、5分間圧縮成形して厚さ1mmの比較例1〜4の未架橋体の炭素繊維複合材料サンプルを得た。
また、薄通しして得られた炭素繊維複合材料にパーオキサイド1重量部(phr)(架橋剤の最適量の1/2以下である)を混合し、ロール間隙を1.1mmにセットしたオープンロールに投入し、分出しした。分出しした架橋剤を含むシートを175℃、20分間圧縮成形して厚さ1mmの比較例1〜4の架橋体の炭素繊維複合材料サンプルを得た。
なお、表1及び表2において、原料エラストマーは、「NR」が天然ゴム、「EPDM」がエチレンプロピレンゴム、「E−SBS」がエポキシ化スチレンゴムであり、「CNT10」が平均直径が約13nmのILJIN社製マルチウォールカーボンナノチューブ、「CNT100」が平均直径が約100nmの気相成長マルチウォールカーボンナノチューブである。
(3)パルス法NMRを用いた測定
実施例1〜6及び比較例1〜4の各サンプルについて、パルス法NMRを用いてハーンエコー法による測定を行った。実施例1〜6については、原料エラストマーと工程(c)で得られた未架橋体の炭素繊維複合材料サンプルの測定を行なった。また、比較例1〜4については、原料エラストマーと薄通し後の未架橋体の炭素繊維複合材料サンプルの測定を行なった。
この測定は、日本電子(株)製「JMN−MU25」を用いて行った。測定は、観測核がH、共鳴周波数が25MHz、90゜パルス幅が2μsecの条件で行い、ハーンエコー法のパルスシーケンス(90゜x−Pi−180゜x)にて、Piをいろいろ変えて減衰曲線を測定した。また、サンプルは、磁場の適正範囲までサンプル管に挿入して測定した。測定温度は30℃と150℃であり、表1及び表2のカッコ内に測定温度を記入した。この測定によって、各サンプルについて、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)と第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)を有する成分の成分分率(fnn)とを求めた。測定結果を表1及び表2に示した。
なお、原料エラストマーの30℃で測定した第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は、天然ゴムが700μ秒、EPDMが520μ秒、E−SBSが860μ秒であった。
(4)M10(10%モジュラス)の測定
実施例1〜6及び比較例1〜4の架橋体の炭素繊維複合材料サンプル(幅5mm×長さ50mm×厚さ1mm)を10mm/minで伸長し、10%変形時の応力(M10:10%モジュラス(MPa))を求めた。
(5)TB(引張強度)の測定
実施例1〜6及び比較例1〜4の架橋体の炭素繊維複合材料サンプルを1A形のダンベル形状に切り出した試験片について、東洋精機社製の引張試験機を用いて、23±2℃、引張速度500mm/minでJIS K6251に基づいて引張試験を行いTB(引張強度(MPa))を測定した。
(6)E’(動的貯蔵弾性率)の測定
実施例1〜6及び比較例1〜4の架橋体の炭素繊維複合材料サンプルを短冊形(40×1×5(巾)mm)に切り出した試験片について、SII社製の動的粘弾性試験機DMS6100を用いて、チャック間距離20mm、30℃、動的ひずみ±0.05%、周波数10HzでJIS K6394に基づいて動的粘弾性試験を行い30℃におけるE’(動的弾性率(MPa))を測定した。
(7)EB(切断伸び)の測定
実施例1〜6及び比較例1〜4の架橋体の炭素繊維複合材料サンプルをJIS−K6251のダンベル型に切り出した試験片について、東洋精機社製の引張試験機を用いて、23±2℃、引張速度500mm/minで引張破壊試験を行いEB(破断伸び(%))を測定した。これらの結果を表1、表2に示す。
(8)完全線形範囲
実施例1〜6及び比較例1〜4の架橋体の炭素繊維複合材料サンプルで実際に測定された応力−ひずみ曲線(以下SS1という)と、動的粘弾性試験によって得られたE’から求めた応力−ひずみ曲線(以下SS2という)と、を比較して、SS2とほぼ同じ値を示すSS1の上限ひずみ値(SS2とSS1が重なる上限ひずみ値)までの範囲を完全線形範囲として求めた。図3及び図4は、実施例2及び比較例1を用いて完全線形範囲を説明するための図である。図3における点線で示した直線は実施例2のE’から求めたSS2であり、実線で示した曲線は実施例2のSS1である。図3に示すように、SS1の初期はSS2にほぼ重なっており、ひずみが0.2%からSS1の傾斜が変化してSS2と外れている。したがって、実施例2の完全線形範囲は、0.2%である。また、図4における点線で示した直線は比較例1のE’から求めたSS2であり、実線で示した曲線は比較例1のSS1である。図4に示すように、SS1の初期はSS2にほぼ重なっており、ひずみが0.01%からSS1の傾斜が変化してSS2と外れている。したがって、比較例1の完全線形範囲は、0.01%である。この完全線形範囲が大きい値を示すほど炭素繊維複合材料サンプルの複合材料としての完全性が高く、初期応力(剛性)が大きいと判断できる。
Figure 2009079185
Figure 2009079185
表1及び表2から、本発明の実施例1〜6によれば、以下のことが確認された。すなわち、本発明の実施例1〜6の架橋体の炭素繊維複合材料サンプルは、比較例1〜4の炭素繊維複合材料サンプルよりも完全線形範囲が大きく、比較例1〜4に比べてエラストマー中にカーボンナノファイバーがより均一に分散されたことによって複合材料としての完全性が高くなることがわかった。
また、本発明の実施例1〜6の架橋体の炭素繊維複合材料サンプルは、比較例1〜4の架橋体の炭素繊維複合材料サンプルよりもM10の値が高いことがわかった。例えば、実施例1はカーボンナノファイバーの配合量が5重量部あったのに対し、M10がほぼ同じ値を示した比較例2はカーボンナノファイバーの配合量が20重量部であった。したがって、本発明の実施例1〜6の架橋体の炭素繊維複合材料サンプルであれば、比較例1〜4の架橋体の炭素繊維複合材料サンプルと同じ初期応力(剛性)を得るために、カーボンナノファイバーの配合量が少量で達成することができ、経済性が向上した。
工程(c)の混練方法を模式的に示す図である。 工程(c)の薄通し方法を模式的に示す図である。 実施例2の応力−ひずみ曲線を示す図である。 比較例1の応力−ひずみ曲線を示す図である。
符号の説明
10 第1のロール
20 第2のロール
50 混合物
d ロール間隔
V1 第1のロールの表面速度
V2 第2のロールの表面速度
SS1 実際に測定した応力−ひずみ曲線
SS2 E’から求めた応力−ひずみ曲線

Claims (8)

  1. 溶剤にエラストマーを溶解し、さらに平均直径が0.5ないし500nmのカーボンナノファイバーを混合して分散液を得る工程(a)と、
    前記分散液を乾燥してゴム状弾性体の混合物を得る工程(b)と、
    前記ゴム状弾性体の混合物を混練し、剪断力によって前記カーボンナノファイバーをエラストマー中に分散させて炭素繊維複合材料を得る工程(c)と、
    を含む、炭素繊維複合材料の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記工程(a)のエラストマーは、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって30℃、観測核がHで測定した、未架橋体における、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)が100ないし3000μ秒である、炭素繊維複合材料の製造方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記工程(a)は、超音波によってカーボンナノファイバーを溶液中に分散させる、炭素繊維複合材料の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記炭素繊維複合材料は、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって150℃、観測核がHで測定した、未架橋体における、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は100ないし3000μ秒であり、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)を有する成分の成分分率(fnn)は0.2未満である、炭素繊維複合材料の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記工程(c)によって得られた炭素繊維複合材料を架橋する工程(d)をさらに含む、炭素繊維複合材料の製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    前記工程(c)は、ロール間隔が0.5mm以下のオープンロール法を用いて行われる、炭素繊維複合材料の製造方法。
  7. 請求項6において、
    前記工程(c)は、ロール温度が0ないし50℃に設定される、炭素繊維複合材料の製造方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の製造方法によって得られた炭素繊維複合材料。
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