JP2008539167A5 - - Google Patents

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Description

【書類名】 明細書
【発明の名称】紫外線保護
【技術分野】
【0001】
本発明は、自身ではUV−AまたはUV−B領域において本質的に紫外吸収を示さないが、使用中にUV−AまたはUV−B保護の発現が見られる使用条件の下で活性を持つ化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明による化合物の応用分野の一つは、例えば化粧品である。ケア化粧品の目的は、可能な限り若々しい皮膚の印象を得ることにある。原理上は、この目的を達成する方法はたくさんある。
【0003】
例として、不規則な色素沈着やしわの形成といった皮膚へのダメージは、パウダーやクリームで被覆することで補正される。他のアプローチは、皮膚に永久的な損傷と老化をもたらす環境の影響から皮膚を保護することである。したがってこの考えは、予防方法に介在することにより、老化の過程を遅らせるものである。この一例が紫外線フィルターであり、ある波長範囲を吸収する結果として、皮膚へのダメージを防ぎ、あるいは少なくとも軽減する。
【0004】
紫外線フィルターの場合、損傷事象となる紫外線が皮膚から排除されるのに対し、もう一つの手段は損傷事象に対する皮膚の自然の防御もしくは修復機構を支える試みに関する。
【0005】
最後に、さらなるアプローチは、有害な影響に対する皮膚の防御機能の加齢による弱体化を補うものであり、衰えていく防御もしくは修復機能に代わりうる物質を外部から供給するものである。例えば、皮膚には外的または内的ストレス要因により生じたフリーラジカルを取り除く能力がある。この能力は加齢とともに進行する老化過程によって、加齢とともに衰える。
【0006】
ある程度の皮膚の日焼けは近代社会においては魅力的であり、活力と軽快さを表現するものと見なされている。この太陽の皮膚への望ましい作用の他に、多くの好ましくない副作用が起こる。例えば、日光皮膚炎あるいは早発性の皮膚の老化およびしわの形成である。ここで特に重要なのは280〜400nmの波長範囲である。この範囲は、日光紅斑の形成に重要な役割を演じる波長280〜320nmを有する紫外線B(UV−B)、および皮膚を日焼けさせるだけでなく、老化させ、紅斑反応を引き起こし、あるいはある人々においては悪化させ、さらには光毒性のまたは光アレルギー性および刺激性の反応を引き起こす、波長320〜400nmを有する紫外線A(UV−A)をもカバーするものである。
【0007】
皮膚へのダメージは、日光により起こるだけではなく、他の外部の影響、例えば寒さあるいは暑さによっても起こる。さらに、皮膚は、しわの形成および皮膚の弾力性の低下を伴う自然の老化を被る。
【0008】
化粧品の調製をさらに困難にしているのは、化粧品組成物中に組み込むことを意図した活性成分が多くの場合不安定で、組成物中で損傷されやすいということである。こうした損傷は、例えば空気中の酸素と反応し、あるいは紫外線を吸収することによって起こる。このようにして損傷された分子は、構造が変化することにより、例えば変色し、および/または活性が失われている。
【0009】
これは特に従来の紫外線フィルターについて言えることである。しかしながら、最近では、例えばBASF社のユビナール(登録商標)Aプラスのように、保存時には十分に安定ないわゆる光安定性紫外線フィルターが市場で次第に出回ってきている。
【0010】
さらに、単なる典型的な日焼け止めだけではなく、紫外線保護を伴った日頃の手入れのための製品を供給する傾向が顕著である。この背景には、前述のような紫外線による皮膚老化の進行がある。
【0011】
しかしながら、とりわけ皮膚におけるビタミンDのためには、ある一定量の紫外線が皮膚に当たることが必要である。例えば冬のような紫外線強度の低い時には、この量がいつも保証されるわけではない。前記紫外線保護ケア製品はさらに皮膚に到達する紫外線量を低下させる。
【0012】
したがって、もし、低い紫外線量を透過する一方でその有害な作用および高い線量における作用そのものを抑制できるような紫外線保護を行うことができれば、特に日常の手入れのための製品においては、非常に望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって本発明の目的は、必要なときに紫外線に対する保護作用を有し、および/または体細胞への酸化性ストレスに対して保護作用を発揮し、および/または皮膚の早発性の老化に対抗するような組成物を供給することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
したがって本発明は、自身ではUV−AまたはUV−B領域において本質的に紫外吸収を示さないが、使用中にUV−AまたはUV−B保護の発現が見られる使用条件の下で活性をもつ化合物の使用に関する。
【0015】
紫外線保護物質の生成は、様々な機構によって行われることが見出されている。したがって、好ましい化合物は使用条件下において反応種、例えば特にフリーラジカルと反応することでUV−AまたはUV−B保護を行う生成物を形成する。好ましくは本発明に従って使用されるさらなる化合物群は、使用条件下において皮膚酵素と反応することで、UV−AまたはUV−B保護を行う生成物を形成する。好ましくは本発明に従って使用されるさらなる化合物群は、使用条件下において熱を加えることにより分解することで、UV−AまたはUV−B保護を行う生成物を形成する。
【0016】
本発明に従う使用において特に好ましいのは、下記化学式Iaの化合物またはその塩の使用である。
【0017】
【化1】
Figure 2008539167
【0018】
ここで、
は、分岐もしくは非分岐のC 1−30 −アルキル基を表し、
は、単結合を表し、
とR は、それぞれ、互いに独立に、直鎖もしくは分岐のC 1−4 −アルコキシ基および直鎖もしくは分岐のC 1−6 −アルキル基から選択され、
、R およびR は、それぞれ互いに独立に、HおよびOHから選択され、そして、これらの少なくとも1つがOHであり、
Xは、基−C(=O)−Z −R を表し、分子内の2つの基−C(=O)−Z −R は同じものであり、
Yは、Hを表し、
は、Oである。
【0019】
本発明の特に好ましい実施形態において、化学式Iaは次のように単純化される。
【0020】
【化2】
Figure 2008539167
【0021】
記載されている化合物は、本発明に従って、局所適用のためまたは化粧品もしくは皮膚科用の組成物の調製のため、あるいは家庭用品の調製のために使用される。記載されている化合物は、製品の保護のために用いることができる。本発明の目的のために、製品の保護手段とは、特に酸化されやすい処方成分、例えば有機または無機染料、抗酸化物質、ビタミン、香料成分、油成分あるいは例えば乳化剤、増粘剤、被膜剤および界面活性剤のような基質成分の保護を意味する。
【0022】
本発明は特に好ましくは化学式Iaの少なくとも1つの化合物の、紫外線および/または例えば酸素フリーラジカルのような活性酸素種によって活性化することができる紫外線フィルター前駆体としての使用に関する。家庭用品本発明は化粧品もしくは皮膚科用の組成物の、または食品もしくは健康食品の調製、あるいは家庭用品の調製のための化合物の使用にも関する。
【0023】
本発明のさらなる変形においては、化学式Iaの化合物の少なくとも1つの使用において、RおよびR 少なくとも1つがt−ブチルを表すことを特徴とする。これらの化合物は、特に顕著な抗酸化性能を示す。
【0024】
本発明においては、長鎖炭化水素基、特に分岐長鎖炭化水素基を含む少なくとも1つの化学式Iaの化合物の使用もさらに好ましい。これらの化合物はしばしば、特に即座に媒体、例えば油と混合することができ、したがって特に容易に処方して用いることができる。本発明にとって特に好ましい変形においては、Rは分岐もしくは非分岐Cの7−30−アルキルもしくはC6−30−ヒドロキシアルキル基を表す。
【0025】
本発明にとってさらに好ましいのは、化学式Iaの化合物において、Xが−C(=O)−Z−Rで、かつ二つの基−Z−Rは同一であり、またR〜Rはそれぞれ、互いに独立に、好ましくはH、ヒドロキシまたはメトキシを表すものである。
【0026】
ここで特に好ましいのは、化学式Iaの化合物として、ジ−2−エチルヘキシル4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジルマロネートを使用することである。
【0027】
ここで特に好ましくは、2−エチルヘキシル4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニルプロピオネート、エチル4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−フェニルプロピオネート、メチル4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニルプロピオネート、2−エチルヘキシル4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニルプロピオネート、エチル4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニルプロピオネート、メチル4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニルプロピオネート、エチル4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニルプロピオネート、メチル4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニルプロピオネート、エチル4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニルプロピオネート、メチル4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニルプロピオネート、ジエチル4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジルマロネート、ジエチル4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルマロネート、ジメチル4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルマロネートなどの化合物は、本発明では用いない。
【0028】
本発明はさらに、少なくとも1つの化学式Iaの化合物を含む組成物に関する。この組成物は通常、局所的に適用されるもの、例えば化粧品または皮膚科用の処方であり、あるいは食品または健康食品または家庭用品である。この場合は、組成物は美容上あるいは皮膚科学的に、食品に適したあるいは家庭用品にとって適切な媒体および、所望の特性プロファイルによっては任意にさらに適切な原料を含む。
【0029】
本発明による化合物の使用の優位性は、特に以下に示す点にある。
− 紫外線吸収が、活性化、特に紫外線の照射によって起こり、必要であれば、例えば強い紫外線のもとで、これらを含む組成物紫外線保護が増大する。
− 好ましい化学式Iaの化合物は、組成物中の油成分として適切である。
− 好ましい化学式Iaの化合物は、例えば皮膚感触のような組成物の処方特性を改善するために適切である。
− 好ましい化学式Iaの化合物は、優れた溶解性および溶液特性を示し、好ましくは例えば溶媒として結晶性の成分が用いられる。
− 本発明による化合物の好ましい群は皮膚の適切な日焼け(タンニング)を起こすこともでき、あるいは皮膚のタンニング物質、例えばジヒドロキシアセトンの作用を改善する。
− 皮膚耐容性が良好である
− 好ましい化合物においては、フリーラジカルに対する抗酸化性作用が紫外線もしくは例えば喫煙のような熱分解プロセスによって誘発され、例えば超酸化物フリーラジカル陰イオンやNOフリーラジカルに対して、あるいは例えば単原子酸素や過酸化物のような反応性の酸素種に対して作用する。
好ましい化学式Iaの化合物は、光保護因子、例えばLSF、SPF、PPDまたはIPD、あるいはフリーラジカル保護因子の生成あるいは増幅において適切である。
【0030】
− 化粧品、医薬品特に皮膚科用の製品あるいは家庭用品または食品および健康食品、特に染料、粘稠物質あるいは匂い物質を含むこれらの製品の安定化作用。
− 色素および表面コーティングに対する製品の安定化作用。
ポリエチレングリコール(PEG)またはポリグリセリン(PG)誘導体、例えば、特に、本願において下記で述べるPEG−またはPGを含む乳化剤の自動酸化に対する安定化作用、あるいは自動酸化性のポリエチレングリコール(PEG)またはポリグリセリン(PG)誘導体の劣化産物による損傷作用の低減。
− 着色剤、粘稠物質もしくは匂い物質、あるいは抗酸化剤またはビタミン、および紫外線フィルター、そしてもちろん特に化粧品、医薬品、特に皮膚科用の製品あるいは家庭用品または食品および健康食品中の二酸化チタンを含む色素に対する安定化作用。
− 大抵の抗酸化剤がフリーラジカルとの反応後は不活性となるのに対し、化学式Iaの好ましい化合物はこうした作用の後も紫外線フィルター作用を示し、したがってその保護機能は持続する。
− 抗酸化特性をもつ本発明による好ましい化合物は、皮膚領域を明色化する作用を有するため、色素沈着の抑制にも用いられる。
【0031】
さらに、染料、粘稠物質もしくは匂い物質、またはあるいは抗酸化剤またはビタミン、および紫外線フィルター、そしてもちろん特に二酸化チタンを含む色素が、好ましい化学式Iaの化合物を紫外線吸収酸化産物へ転換することを加速することも見出されている。
【0032】
加えて、ここで記載した好ましい化合物は、無色もしくは極めて薄い色であり、したがって組成物の色を損なうことはないか、あっても極めて小さい範囲である。
【0033】
すでに前述したとおり、本発明はさらに化粧品または皮膚科用の組成物あるいは家庭用品にとって適切な少なくとも1つの媒体および少なくとも1つの、自身ではUV−AまたはUV−B領域において本質的に紫外吸収を示さないが、UV−AまたはUV−B保護の発現が見られる使用条件の下で活性をもつ化合物を含む組成物に関する。
【0034】
ここで好ましい組成物は、前記に詳細を述べた化学式Iaの化合物を含む。
【0035】
本発明に従う特に好ましい組成物は、化学式Ia enaまたはIa enbの化合物の少なくとも1つを含む。
【0036】
【化3】
Figure 2008539167
【0037】
ここで、基X、Y、ZおよびZおよびR〜R は、化学式Iaの化合物について前記で示した意味を有する。
【0038】
ここで、少なくとも1つの化学式Iaの化合物および少なくとも1つの化学式Ia enaまたはIa enbの化合物における、特に好ましい基X、Y、ZおよびZおよびR〜Rは同一である。この場合は、化学式Iaの化合物は、化学式Ia enaまたはIa enbの化合物の紫外線吸収ポテンシャルのための貯蔵庫として同時に供給することができる。言い換えれば、化学式Iaの化合物の使用は、化学式Ia enaまたはIa enb化合物の紫外線フィルターの使用濃度を減らし、あるいは続いて化学式Iaの化合物の紫外線誘導酸化による化学式Ia enaまたはIa enbの化合物の紫外線フィルターの形成は、したがって、多くの化学式Ia enaまたはIa enbの化合物が紫外線の照射による光反応の結果損傷することによる性能の低下を補償し、あるいは、続く化学式Iaの化合物の紫外線誘導酸化による化学式Ia enaまたはIa enbの化合物の紫外線フィルターの形成は、したがって、必要に応じて、すなわち強い紫外線を浴びた場合にそれらを含む組成物の紫外線保護ポテンシャルを高める。化学式Iaの化合物および化学式Ia enaまたはIa enbの化合物の混合比は、特定の応用(例えば紫外線誘導紫外線保護が増強されるか、あるいは紫外線による作用の損失を補償するものであるか)および化学式Ia enaまたはIa enbの化合物の光活性によって決まり、ここで使用濃度を調整することは、当業者にとっては絶対的に容易である。
【0039】
ここで特に好ましい少なくとも1つの化学式Ia enaまたはIa enbの化合物は、ジ−2−エチルヘキシル4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジリデンマロネートである
【0040】
自身ではUV−AまたはUV−B領域において本質的に紫外吸収を示さないが、UV−AまたはUV−B保護の発現が見られる使用条件の下で活性をもつ化合物は、一般的に本発明においては0.01〜20重量%の割合で、好ましくは0.1〜10重量%の割合で、および特に好ましくは1〜8重量%の割合で使用される。当業者は、組成物の目的とする作用に応じて適切に用量を選択することが絶対的に容易にできる。
【0041】
本発明による化合物を、皮膚上のフリーラジカル捕捉物質としての積極的な作用を特によく行わせるには、本発明による化合物を皮膚層の深部にまで浸透させることが好ましい。この目的のためにはいくつかの可能な方法がある。まず、本発明による化合物は皮膚の外層から表皮層へと浸透する十分な親油性を持つことができる。さらなる可能性としては、対応する輸送媒介物、例えばリポソームは本発明による化合物を皮膚の外層を通して輸送することを可能にするものであるが、これを組成物中に供給することもできる。最後に、本発明による化合物の全身の輸送も考えられる。この場合組成物は、例えば経口投与に適したように設計される。
【0042】
一般に、化学式Iaの物質はフリーラジカル捕捉物質として働く。この種のフリーラジカルは日光により外部から生成するだけでなく、反応物質、例えばオゾン、窒素酸化物(例えばたばこの煙)または重金属への暴露(例えば食品中)の作用によっても発生する。さらなる例としては酸素欠乏症があり、これはシトクロム酸化酵素の上流側の電子の流れを阻害することで、超酸化物フリーラジカル陰イオンの形成を引き起こす;とりわけ、白血球の膜NADPH酸化酵素により超酸化物陰イオンの形成に関連し、そのほかヒドロキシルフリーラジカルの形成(鉄(II)イオンの存在下における不均化によって起こる)および通常ファゴサイトーシス(細胞貪食)に関与する他の反応種にも関連する、炎症;および脂質の自動酸化であり、これは一般にヒドロキシルフリーラジカルにより開始され脂質アルコキシフリーラジカルおよびハイドロパーオキサイドを生成する。
【0043】
これらの特性のため、本発明による化合物および 組成物は、一般に、免疫保護ならびにDNAおよびRNAの保護にとって適切である。特に、この化合物および組成物は、酸化攻撃に対する、フリーラジカルに対する、および放射線、特に紫外線による損傷に対する、DNAおよびRNAの保護にとって適切である。本発明による化合物および組成物のさらなる利点は、細胞の保護であり、特に前記影響による損傷に対する、ランゲルハンス細胞の保護である。これらすべての用途および対応して使用される本発明による化合物の組成物調製のための使用も、明確に本発明の内容である。
【0044】
特に、本発明による好ましい化合物および組成物はまた、分化および細胞増殖に影響を与える角質化の欠陥に関連する皮膚病の治療、特に尋常性座瘡、面皰性座瘡、多様型の座瘡、酒さ、結節性座瘡、集簇性座瘡、加齢性座瘡、副作用として発症する座瘡、例えば太陽座瘡、薬剤誘発性座瘡すなわち職業性座瘡の治療、他の角質化における欠陥、特に魚鱗癬、魚鱗癬様状態、ダリエ病、手掌足底角化症、白板症、白板症様状態、皮膚および粘膜(頬)(苔癬)の疱疹の治療、角質化における欠陥に関連しかつ炎症および/または免疫アレルギー性要素を持つ他の皮膚病、および特にあらゆる形態の皮膚、粘膜ならびに手指および足指の爪を侵す乾癬、および乾癬性リウマチおよび湿疹のような皮膚アトピー、または呼吸器のアトピー、歯肉肥大の治療、さらにこの化合物は、角質化の欠陥に関係のない炎症に対して、すべての良性もしくは悪性の真皮もしくは表皮の病的増殖、ウイルス起源の可能性のある、例えば尋常性疣贅(いぼ),扁平疣贅,疣贅状表皮発育異常症,口腔内乳頭腫,フロリダ乳頭腫,および紫外線により引き起こされる可能性のある、病的増殖、特に基底細胞エピテリオーマおよび棘細胞エピテリオーマの治療、他の皮膚病、例えば水疱性皮膚炎およびコラーゲンを侵す疾病の治療、ある種の眼の疾病、特に角膜の疾病の治療、老化に関連する光によって引き起こされる皮膚の老化の克服、あるいは効能、色素沈着および角化症光線性の低減、および通常の加齢もしくは光によって引き起こされる老化に関連するすべての疾病の治療、局所的にまたは全身的に適用されたコルチステロイドにより引き起こされた表皮および/または真皮の萎縮の傷/瘢痕の防止または治療、傷の治療中の欠陥の防止または治療、妊娠により引き起こされた皮膚線条の防止もしくは消去に対してあるいは傷治療の促進、皮脂産生の欠陥、例えば座瘡における過度の皮漏、あるいは単純皮漏症への効能、癌類似状態または前癌状態、特に前骨髄球性白血病への効能または予防、炎症性疾病、例えば関節炎の治療、ウイルスによって引き起こされるすべての皮膚あるいは体の他の範囲の疾病の治療、脱毛症の防止または治療、免疫学的要素による皮膚病あるいは体の他の範囲の疾病の治療、心臓血管の疾病、例えば動脈硬化または高血圧,およびインスリン非依存性糖尿病の治療、紫外線により引き起こされた皮膚疾患の治療、にも適切である。
【0045】
化学式Iの化合物の抗酸化作用は、例えば2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジル(DPPH)分析の手段によって実証される。2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジルは、溶液中で安定なフリーラジカルである。不対電子が515nmに強い吸収帯をもたらし、溶液は暗いすみれ色を呈する。フリーラジカル捕捉物質の存在下において、電子が対になり、吸収が消滅し、また脱色は化学量論的に取り上げた電子を考慮に入れながら進行する。吸光度は光度計により測定される。試験される物質の抗フリーラジカル特性は、使用された2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジルの50%がフリーラジカル捕捉物質と反応する濃度を測定することで決定する。この濃度はEC50で表され、値は与えられた測定条件下での物質の特性とみなされるべきものである。この調査された物質は標準(例えばトコフェロール)と比較される。EC50値はここではフリーラジカルを取り除くそれぞれの化合物の能力の指標である。EC50値が低くなればなるほど、フリーラジカルを取り除く能力は高くなる。本発明の目的のためには、表現「大きな、または高いフリーラジカルを取り除く能力」は、EC50値がトコフェロールのそれより低い場合に用いられる。
【0046】
抗酸化物質の作用のためのさらに重要な観点は、EC50値が達成されるまでの時間である。この時間は分の単位で測定され、TEC50の値を与えるが、これはこれらの抗酸化物質がフリーラジカルを取り除く速度を表現するものと結論づけることが可能である。本発明の目的のためには、この値を60分以内に達成するような物質は即効性とみなされ、EC50値が120分以上後になって漸く達成されるような物質は遅効性とみなされる。
【0047】
抗フリーラジカル効率(AE)(C.Sanchez−Moreno、J.A.LarrauriおよびF.Saura−Calixto著、J.Sci.Food Agric.1998年,76巻(2),270−276頁に記載)は、下記の関係をもつように前記の量から与えられる:
AE=1/EC50EC50
低いAE(×10)の値とは約10までを指し、中間的なAEの値は10〜20であり、高いAEの値は本発明によれば20より大きな値である。
【0048】
本発明では、即効性の抗酸化物質を低速ないしは遅効性のものと組み合わせるのが特に好ましい。即効性の抗酸化物質の、遅効性の抗酸化物質に対する典型的な重量比は、10:1〜1:10の範囲であり、好ましくは10:1〜1:1の範囲であり、また皮膚を保護する組成物のためには特に好ましくは5:1〜2:1の範囲である。しかしながら本発明による同様に好ましい他の組成物においては、遅効性の抗酸化物質を即効性の抗酸化物質より多く存在させたほうが作用の最適化の目的のためには有利である。典型的な組成物はしたがって即効性の抗酸化物質の遅効性の抗酸化物質に対する重量比で1:1〜1:10の範囲、好ましくは1:2〜1:8の範囲を示す。
【0049】
対酸化ストレスや対フリーラジカル作用の保護作用は、したがって組成物が1つ以上のさらなる抗酸化物質を含む場合によりさらに改善されるが、当業者は絶対的に容易に即効性の抗酸化物質や遅効性の抗酸化物質を適切に選択することができる。
【0050】
本発明の好ましい実施形態においては、組成物はしたがって人体の細胞を酸化性のストレスから保護し、特に皮膚の老化を低減するような組成物であり、好ましくは1以上の化学式Iの化合物の他にさらに1以上の他の抗酸化物質を含むことを特徴としている。
【0051】
専門文献で知ることができる多くの同定された抗酸化物質として用いられる物質が存在する、例えばアミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびそれらの誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)およびそれらの誘導体、ペプチド、例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびそれらの誘導体(例えばアンセリン)、カロチノイド、カロテン(例えばα−カロテン、β−カロテン、リコピン)およびそれらの誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポ酸およびそれらの誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびそれらのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびそれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオタイド、ヌクレオシドおよび塩)、およびスルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン;ペンタ、ヘキサ、およびヘプタチオニンスルホキシミン)を非常に低い耐用量(例えばpmol〜μmol/kg)において、そしてまた(金属)キレート剤、(例えばα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、胆緑素、EDTA、EGTAおよびそれらの誘導体、不飽和脂肪酸およびそれらの誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えばパルミチン酸アスコルビル、マグネシウムアスコルビルホスフェート、酢酸アスコルビル)、トコフェロールおよび誘導体(例えば酢酸ビタミンE)、ビタミンAおよび誘導体(例えばビタミンAパルミテート)、および安息香樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸およびその誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、ケルセチン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(例えばZnO、ZnSO)、セレンおよびその誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベンおよびそれらの誘導体(例えばスチルベンオキサイド、トランス−スチルベンオキサイド)。
【0052】
抗酸化物質の混合物は本発明による化粧品組成物にも同様に適切に用いられる。既知の、市販の混合物は、例えば活性原料レシチン、L−(+)−アスコルビルパルミテートおよびクエン酸(例えばオキシネックス(登録商標)AP),天然トコフェロール、L−(+)−アスコルビルパルミテート(パルミチン酸塩/エステル)、L−(+)−アスコルビン酸およびクエン酸(例えばオキシネックス(登録商標)Kリキッド)、天然供給源からのトコフェロール抽出物、L−(+)−アスコルビルパルミテート、L−(+)−アスコルビン酸およびクエン酸(例えばオキシネックス(登録商標)Lリキッド)、DL−α−トコフェロール、L−(+)−アスコルビルパルミテート、クエン酸およびレシチン(例えばオキシネックス(登録商標)LM)またはブチルヒドロキシトルエン(BHT)、L−(+)−アスコルビルパルミテートおよびクエン酸(例えばオキシネックス(登録商標)2004)を含む混合物である。この種の抗酸化物質は通常本発明による化合物との組成物として、1000:1〜1:1000の範囲の割合で、好ましくは100:1〜1:100の量で用いられる。
【0053】
本発明による組成物はさらなる成分としてビタミンを含んでよい。本発明による化粧品組成物は好ましくはビタミンA、ビタミンAプロピオネート、ビタミンAパルミテート、ビタミンAアセテート、レチノール、ビタミンB、塩化チアミン塩酸塩(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ニコチンアミド、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD、エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、ビタミンE、DL−cc−トコフェロール、酢酸トコフェロールE、トコフェロール水素スクシネート、ビタミンK1、エスクリン(ビタミンP活性成分)、チアミン(ビタミンB1)、ニコチン酸(ナイアシン)、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン(ビタミンB6)、パントテン酸、ビオチン、葉酸およびコバラミン(ビタミンB12)、特に好ましくはビタミンAパルミテート(パルミチン酸塩/エステル)、レチノール、ビタミンCおよびその誘導体、DL−α−トコフェロール、酢酸トコフェロールE、ニコチン酸、パントテン酸およびビオチン、から選択されるビタミンおよびビタミン誘導体を含む。ビタミンは通常ここで本発明による化合物とともに、1000:1〜1:1000の範囲の割合で、好ましくは100:1〜1:100の量で用いられる。
【0054】
抗酸化物質、例えばβ−カロテンおよびトコフェロールなどは本発明による化合物を紫外線フィルター化合物に転換するのを促進することが見出されている。本出願はしたがってさらに抗酸化物質を本発明による化合物の活性化に使用することに関する。
【0055】
本発明による化合物は、好ましくは本発明に従って使用されるが、通常、照射後において、UV−Aおよび/またはUV−B領域に紫外線吸収を有する。本発明に従って使用される、本発明による化合物は、広帯域紫外線フィルターの前駆体を含み、これは単独で使用しても別の紫外線フィルターと組み合わせてもよい。本発明による同様に好ましい他の化合物も、UV−BおよびUV−A放射線の境界領域において最大の吸収を有する紫外線フィルターの前駆体である。UV−AIIフィルターについては、それゆえに市販のUV−BおよびUV−Aフィルターの吸収スペクトルを補う点で有利である。
【0056】
加えて、この種の好ましい化合物は、組成物中に組み込むことが有利である:
− 直鎖もしくは分岐のC−ないしC20−アルコキシ基、特に長鎖アルコキシ官能基、例えばエチルヘキシロキシ基は、化合物の油溶性を増大させる。
− ある場合には、この種の化合物は油成分の形態であり、それゆえ組成物に組み込まれやすく、あるいは他の処方成分のための溶媒として働くことが可能である。
【0057】
しかしながら、本発明の同様に好ましい実施形態では、本発明による組成物は、組成物基質に対して溶解度が低いかもしくは不溶である本発明による化合物を含んでもよい。この場合は、この化合物は好ましくは化粧品組成物中に微細に分けられた形態で分散している。
【0058】
本発明に従う特に好ましい組成物は、本発明による化合物に加えて純粋な紫外線フィルターも含む。
【0059】
ジベンゾイルメタン誘導体はUV−Aフィルターとしての使用が特に好ましいが、UV−Bフィルターとしても用いられ、あるいは桂皮酸誘導体は特にUV−Bフィルターとして用いられるが、本発明による化合物と組み合わせることにより、さらなる優位性が生じる:紫外線感受性のジベンゾイルメタン誘導体および桂皮酸誘導体は本発明による化合物の存在によりさらに安定化する。したがって本発明はさらに化学式Iの化合物の、組成物中におけるジベンゾイルメタン誘導体および/または桂皮酸誘導体の安定化のための使用に関する。
【0060】
原理上は、すべての紫外線フィルターが本発明による化合物との組み合わせとして適切である。特に好ましいのは生理的受容性がすでに実証されているような紫外線フィルターである。UV−AおよびUV−Bフィルターの双方について、専門文献で知ることができる多くの同定された物質が存在する、例えば
【0061】
ベンジリデンカンファ誘導体、例えば3−(4’−メチルベンジリデン)−dl−カンファ(例えばユーソレックス(登録商標)6300)、3−ベンジリデンカンファ(例えばメギゾリル(登録商標)SD)、N−{(2および4)−[(2−オキソボルン−3−イリデン)メチル]−ベンジル}アクリルアミドのポリマー(例えばメギゾリル(登録商標)SW)、N,N,N−トリメチル−4−(2−オキソボルン−3−イリデンメチル)アニリニウムメチルサルフェート/硫酸塩(例えばメギゾリル(登録商標)SK)または(2−オキソボルン−3−イリデン)トルエン−4−スルホン酸(例えばメギゾリル(登録商標)SL)、
【0062】
ベンゾイル−またはジベンゾイルメタン、例えば1−(4−t−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン(例えばユーソレックス(登録商標)9020)または4−イソプロピル−ジベンゾイルメタン(例えばユーソレックス(登録商標)8020)、
【0063】
ベンゾフェノン、例えば2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(例えばユーソレックス(登録商標)4360)または2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびそのナトリウム塩(例えばユビナール(登録商標)MS−40)、
【0064】
メトキシ桂皮酸エステル、例えばオクチルメトキシシンナメート(例えばユーソレックス(登録商標)2292)、イソペンチル4−メトキシシンナメート、例えば異性体の混合物として(例えばネオ・ヘリオパン(登録商標)E1000)、
【0065】
サリチレート誘導体、例えば2−エチルヘキシルサリチレート(例えばユーソレックス(登録商標)OS)、4−イソプロピルベンジルサリチレート(例えばメガソール(登録商標))または3,3,5−トリメチルシクロヘキシルサリチレート(例えばユーソレックス(登録商標)HMS)、
【0066】
4−アミノ安息香酸および誘導体,例えば4−アミノ安息香酸,2−エチルヘキシル4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート(例えばユーソレックス(登録商標)6007)、エトキシル化エチル4−アミノベンゾエート(例えばユビナール(登録商標)P25)、
【0067】
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、例えば2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびそのカリウム、ナトリウムおよびトリエタノールアミン塩(例えばユーソレックス(登録商標)232)、2,2−(1,4−フェニレン)ビスベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸およびその塩(例えばネオヘリパン(登録商標)AP)または2,2−(1,4−フェニレン)ビスベンズイミダゾール−6−スルホン酸;
【0068】
およびさらなる物質、例えば
2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(例えばユーソレックス(登録商標)OCR)、
3,3’−(1,4−フェニレンジメチレン)ビス(7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホン酸およびその塩(例えばメギゾリル(登録商標)SX)および
2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン(例えばユビナール(登録商標)T150)
ヘキシル2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート(例えばユビナール(登録商標)UVAプラス、BASF)である。
【0069】
リスト中において言及された化合物は、単なる例示とみなされるべきである。もちろん、他の紫外線フィルターを使用することも可能である。
【0070】
これらの有機紫外線フィルターは、通常0.5〜10重量%、好ましくは1〜8%の分量で化粧品組成物中に組み込まれる。
【0071】
他の適切な有機紫外線フィルターとしては、例えば、
− 2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フェノール(例えばシラトリゾール(登録商標))、
− 2−エチルヘキシル4,4’−[(6−[4−((1,1−ジメチルエチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ]ビス(ベンゾエート)(例えばUvasorb(登録商標)HEB)、
− α−(トリメチルシリル)−ω−[トリメチルシリル)オキシ]ポリ[オキシ(ジメチル[および約6%メチル[2−[p−[2,2−ビス(エトキシカルボニル]ビニル]フェノキシ]−1−メチレンエチル]および約1.5%メチル[3−[p−[2,2−ビス(エトキシカルボニル)ビニル)フェノキシ)プロペニル)および0.1〜0.4%(メチル水素]シリレン]](n≒60)(CAS No.07 574−74−1)
− 2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール)(CASNo.103 597−45−1)、
− 2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸1ナトリウム塩)(CASNo.180898−37−7)および
− 2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシロキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(CASNo.103597−45−,187393−00−6)
挙げられる。
【0072】
他の適切な紫外線フィルターもメトキシフラボンであり、先行するドイツ特許出願DE−A−10232595に対応する。
【0073】
有機紫外線フィルターは、通常0.5〜20重量%、好ましくは1〜15重量%で化粧品処方に通常組み込まれる
【0074】
考えられる無機紫外線フィルターとしては、例えば、被覆された二酸化チタン(例えばユーソレックス(登録商標)T−2000、ユーソレックス(登録商標)T−AQUA、ユーソレックス(登録商標)−AVO)のような二酸化チタン、酸化亜鉛(例えばSachtotec(登録商標))、酸化鉄または酸化セリウムの群に含まれるものが挙げられる。これらの無機紫外線フィルターは通常0.5〜20重量%、好ましくは2〜10%の分量で化粧品組成物中に組み込まれる。
【0075】
紫外線フィルタリング特性を有する好ましい化合物は、3−(4’−メチル−ベンジリデン)−dl−カンファー1−(4−t−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、オクチルメトキシシンナメート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルサリチレート、2−エチルヘキシル4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびそのカリウム、ナトリウムおよびトリエタノールアミン塩である。
【0076】
1つ以上の本発明による化合物を他の紫外線フィルターと組み合わせることで、紫外線の傷害作用に対する保護作用を適正化することができる。
【0077】
最適化された組成物は、例えば有機紫外線フィルターである4’−メトキシ−6−ヒドロキシフラボンと1−(4−t−ブチル−フェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオンおよび3−(4’−メチルベンジリデン)−dl−カンファの組み合わせを含む。この組み合わせは、無機紫外線フィルター、例えば二酸化チタンの微粒子を加えることにより補足される広帯域にわたる保護を生み出す。
【0078】
前記のすべての紫外線フィルターおよび本発明による化合物はカプセル封入された形態で使用することもできる。特に、有機紫外線フィルターをカプセル封入された形態で使用することが有利である。詳しくは、下記の有利な点が生じる:
− カプセル壁の親水性は、化学式Iaの化合物の紫外線フィルターの溶解性とは独立に決定することが可能である。したがって、例えば、疎水性の紫外線フィルターや本発明による化合物を純然たる水性組成物中に組み入れることも可能になる。加えて、疎水性紫外線フィルターを含む組成物の適用の際の油っこい感じは多くの場合不快とされるが、これが抑制される。
− ある紫外線フィルター,特にジベンゾイルメタン誘導体は化粧品組成物中では低い光安定性しか示さない。これらのフィルター、あるいはこれらのフィルターの光安定性を損なう例えば桂皮酸誘導体のような化合物をカプセル封入することで、組成物全体の光安定性を増大させることができる。
− 人体皮膚への直接適用における、有機紫外線フィルターの皮膚浸透およびそれによる潜在的な刺激については文献中でしばしば議論されている。ここで提案した対応する物質で被覆することでこの影響は抑制される。
− 一般に、個々の紫外線フィルターまたは本発明による化合物あるいは他の成分のカプセル封入により、組成物の個々の成分が、例えば結晶化工程、沈殿および塊形成などの相互反応によって引き起こす組成物にまつわる問題は、相互作用が抑制されるため避けることができる。
【0079】
したがって、1つ以上の前記紫外線フィルターまたは本発明による化合物をカプセル封入形態とすることは本発明において好ましい。ここでカプセルは肉眼で見えないほど小さくするのが有利である。前記効果を達成するために、さらに、カプセルは十分な安定性を持ち、カプセル封入された活性成分(紫外線フィルター)が環境中へ非常に少ししか放出されないか、あるいは全く放出されないことが必要である。
【0080】
適切なカプセルは無機または有機ポリマーの壁を有する。例えば、米国特許第6,242,099号公報(B1)にはキチン、キチン誘導体またはポリヒドロキシル化されたポリアミンからなる壁を持った適切なカプセルについて記載されている。本発明に従って使用される特に好ましいカプセルは、WO00/09652、WO00/72806およびWO00/71084に記載されているようなゾル−ゲルプロセスにより得られる壁を有する。シリカゲル(シリカ;不明確なケイ素の酸化・水酸化物)によって構築された壁を有するカプセルも同様に好ましい。対応するカプセルの製造方法は当業者に公知であり、例えばここで引用した特許出願の内容は本願の内容に明確に含まれる。
【0081】
本発明による組成物におけるカプセルは、好ましくは封入された紫外線フィルターが組成物中に前記の量で存在することを確実にするような量で存在する。
【0082】
加えて、本発明による組成物はさらに従来の皮膚保護もしくは皮膚ケア成分を含んでよい。これらは原理当業者に公知のいかなる活性成分であってもよい。
【0083】
特に好ましい活性成分はピリミジンカルボン酸および/またはアリールオキシムである。
【0084】
ピリミジンカルボン酸は好塩性微生物中に存在し、これらの生物の浸透調節の役割を演じている(E.A.Galinski et al.、Eur.J.Blochem.,149(1985)135−139頁)。ピリミジンカルボン酸の中でも、ここで特に言及されるべきものは、エクトイン((S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)およびヒドロキシエクトイン((S,S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸およびそれらの誘導体である。これらの化合物は酵素および他の生体分子を水溶液および有機溶媒中で安定化させる。さらに、これらは特に酵素を変性状態、例えば塩、極端なpH値、界面活性剤、尿素、塩化グアニジンおよび他の化合物に対して安定化させる。
【0085】
エクトインおよびエクトイン誘導体,例えばヒドロキシエクトインは薬剤中で有利に使用される。特に,ヒドロキシエクトインは皮膚病治療薬の調製に使用される。ヒドロキシエクトインおよび他のエクトイン誘導体の他の応用分野は一般に、例えばトレハロースを添加剤として用いるような分野である。したがって、エクトイン誘導体,例えばヒドロキシエクトインは乾燥した酵母およびバクテリア細胞の保護剤としても用いられる。医薬品、例えば糖化していない薬剤活性のあるペプチドおよびタンパク質、例えばt−PAもエクトインまたはその誘導体により保護することができる。
【0086】
化粧品への応用で特に言及されるべきものとしては、老化、乾燥もしくは炎症を起こした皮膚のケアのためのエクトインおよびエクトイン誘導体の使用がある。したがって、欧州特許出願EP−A−0671161には、特に、エクトインおよびヒドロキシエクトインが化粧品組成物、例えば粉末、石鹸、界面活性剤含有クレンジング製品、リップスティック、ほお紅、メイクアップ、ケアクリームおよび日焼け止め調製品に用いられることが記載されている。
【0087】
ここでは下記化学式のピリミジンカルボン酸を用いるのが好ましい。
【0088】
【化4】
Figure 2008539167
【0089】
ここで、Rは、基HまたはC1−8−アルキル、Rは基HまたはC1−4−アルキル、およびR、R、RおよびRはそれぞれ、互いに独立にH、OH、NHおよびC1−4−アルキルの群からの基である。好ましくは、Rがメチルまたはエチル基であり、またRまたはRおよびRがHであるピリミジンカルボン酸を使用する。特に好ましくはピリミジンカルボン酸エクトイン、((S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)およびヒドロキシエクトイン((S,S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)を使用する。本発明による組成物は好ましくはこの種のピリミジンカルボン酸を15重量%まで含む。ピリミジンカルボン酸はここでは好ましくは本発明による化合物と、1000:1〜1:1000の範囲の割合で、好ましくは100:1〜1:100の量で用いられる。
【0090】
アリールオキシムの中ではHMLO、LPOまたはF5としても知られている2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムを用いるのが好ましい。この化粧品組成物への使用における好適性については、例えばドイツ特許公開DE−A−4116123に記載されている。2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムを含む組成物は、それゆえ炎症を伴った皮膚病の治療に好適である。この種の組成物は、例えば乾癬、湿疹の様々な形態、刺激性のおよび中性の皮膚炎、紫外線皮膚炎および他の皮膚および皮膚付属器のアレルギー性および/または炎症性疾病の治療に用いることができる。本発明による組成物は、化学式Iaの化合物に加えて他にアリールオキシム、好ましくは2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムを含み、驚くべき抗炎症性を示す。ここに挙げた組成物は好ましくは0.01〜10重量%のアリールオキシムを含み、特に組成物が0.05〜5重量%のアリールオキシムを含むのが好ましい。
【0091】
さらに、本発明の同様に好ましい実施形態では、本発明による組成物は少なくとも1つのセルフタンニング剤を含む。
【0092】
使用できる有利なセルフタンニング剤はとりわけ,三炭糖および四炭糖であり、例えば下記のような化合物である:
【0093】
【化5】
Figure 2008539167
【0094】
【化6】
Figure 2008539167
【0095】
新鮮なクルミ(胡桃)の殻から抽出される5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(ユグロン)、およびヘンナ葉に生じる2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(ロウソン)についても言及する必要がある。フラボノイドジオスメチンおよびその配糖体もしくはサルフェートも使用可能である。これらの化合物はここでは純物質の形態でも植物抽出物の形態でも使用できる。ジオスメチンは、好ましくは例えば菊抽出物の形態で使用できる。
【0096】
特に非常に好ましいのは人体で生じる三官能基性糖である1,3−ジヒドロキシアセトン(DHA)、およびその誘導体である。
【0097】
【化7】
Figure 2008539167
【0098】
前記セルフタンニング剤は単独で用いても混合してもよい。ここで特に好ましいは、DHAを前記で言及した他のセルフタンニング剤と混合して用いることである。
【0099】
セルフタンニング剤を本発明による化合物と組み合わせることで、セルフタンニング剤単独で用いるよりもタンニングが促進されることが見出された。したがって本発明はさらに本発明による化合物の、セルフタンニング剤のタンニング作用の促進に対応した使用に関する。
【0100】
組成物中で用いることのできるすべての化合物または要素は既知の市販されているものであるか、もしくは既知の方法で合成できるものである。
【0101】
本発明による化合物の1つ以上を、定法によって化粧品または皮膚科用の組成物に組み込むことができる。適切な組成物は、外用のためのもの、例えばクリーム、ローション、ジェルの形態で、または皮膚上に噴霧可能な溶液として使用されるものである。内服用として適切なのは、例えばカプセル、コーティング錠、粉末、錠剤溶液または溶液のような投与形態である。
【00102】
本発明による組成物の適用形態として言及される例としては:溶液、懸濁液、乳濁液、PIT乳濁液、ペースト、軟膏、ジェル、クリーム、ローション、粉末、石鹸、界面活性剤含有クレンジング調製品、油、エアロゾルおよびプレーがある。
【0103】
他の適用形態の例としては、スティック、シャンプーおよびシャワー用組成物がある。望ましい通例の媒体、助剤および、必要に応じて他の活性成分のいずれも、組成物に加えることができる。
【0104】
好ましい助剤は、保存料、酸化物質、安定剤、可溶化剤、ビタミン、着色剤、臭気改善剤の群に由来する。
【0105】
軟膏、ペースト、クリームおよびジェルは、通例の媒体、例えば動物および植物性脂肪、蝋、パラフィン、澱粉、トラガガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、シリカ、タルクおよび酸化亜鉛、あるいはこれらの物質の混合物を含んでよい。
【0106】
粉末およびスプレーは、通例の媒体、例えば乳糖、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、あるいはこれらの物質の混合物を含んでよい。スプレーはさらに通例の高圧ガス、例えばクロロフルオロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルを含んでよい。
【0107】
溶液および乳濁液通例の媒体,例えば溶媒,可溶化剤および乳化剤を含んでよく、例えば水、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸塩ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコール、油、特に綿実油、ピーナッツ油、小麦胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油および胡麻油、グリセロール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールおよびソルビタン脂肪酸エステル、あるいはこれらの物質の混合物が挙げられる。
【0108】
懸濁液は通例の媒体を含んでよく、例えば、水、エタノールまたはプロピレングリコールのような液体希釈剤、懸濁液媒体、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステルおよびポリオキシエチレンソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化ナトリウム、ベントナイト、寒天およびトラガガント、またはこれらの物質の混合物が挙げられる。
【0109】
石鹸は通例の媒体,例えば脂肪酸アルカリ金属塩、脂肪酸モノエステルの塩、脂肪酸タンパク質加水分解物、イソチオン酸塩、ラノリン(羊毛油)、脂肪アルコール、植物性油、植物抽出物、グリセロール、糖、またはこれらの物質の混合物を含んでよい。
【0110】
界面活性剤含有クレンジング製品は通例の媒体を含んでよく、例えば脂肪アルコールサルフェートの塩、脂肪アルコールエーテルサルフェート、スルホコハク酸モノエステル、脂肪酸タンパク質加水分解物,イソチオン酸塩,イミダゾリニウム誘導体,メチルタウレート、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物性および合成の油、ラノリン誘導体、エトキシル化グリセロール脂肪酸エステルあるいはこれらの物質の混合物が挙げられる。
【0111】
顔面用および身体用油は通例の媒体を含んでよく、例えば合成油、例えば脂肪酸エステル、脂肪アルコール、シリコーン油、天然油、例えば植物性油および油性植物抽出物、パラフィン油、ラノリン油、あるいはこれらの物質の混合物が挙げられる。
【0112】
他の代表的な化粧品への適用形態としては、リップスティック、ケア用リップスティック、マスカラ、アイライナー、アイシャドー、ほお紅,粉末メイクアップ、乳濁液メイクアップおよび蝋メイクアップ、および日焼け止め剤、日焼け前用および日焼け後用調製品が挙げられる。
【0113】
本発明による好ましい組成物形態としては、特に、乳濁液が挙げられる。
【0114】
本発明による乳濁液は優位性があり、例えば、前記脂肪、油、蝋および他の脂肪質の物質の他に、水およびこの種の組成物で通常使用される乳化剤を含む。
【0115】
脂質相は下記の物質群から有利に選択される:
− 鉱物油、鉱蝋;
− 油、例えばカプリン酸またはカプリル酸のトリグリセリド、さらに、例えばヒマシ油のような天然油;
− 脂肪、蝋および他の天然および合成の脂肪質の物質、好ましくは脂肪酸と炭素数の少ないアルコールのエステル、例えばイソプロパノール、プロピレングリコールまたはグリセロールとのエステル、または脂肪アルコールと炭素数の少ないアルカン酸とのまたは脂肪酸とのエステル;
− シリコーン油、例えばジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサンおよびこれらの混合物。
【0116】
本発明の目的のためには、乳濁液の油相、オレオジェルまたは水性分散液または脂質分散液は、以下の群から有利に選択される:3〜30個のC原子の鎖長を有する飽和したおよび/または不飽和の、分岐および/または非分岐のアルカンカルボン酸と3〜30個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の、分岐および/または非分岐のアルコールのエステルの群、または芳香族カルボン酸と3〜30個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の、分岐および/または非分岐のアルコールのエステル。この種のエステル油は下記群から有利に選択することができる:イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルステアレート、イソプロピルオレエート、ステアリン酸n−ブチル、ラウリン酸n−ヘキシル、n−デシルオレエート、イソオクチルステアレート、イソノニルステアレート、イソノニルイソノナノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−エチルラウリン酸ヘキシル、2−ヘキシルデシルステアレート、2−オクチルドデシルパルミテート、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシルおよびこの種のエステルの合成、半合成および天然の混合物、例えばホホバ油。
【0117】
油相はさらに、分岐および非分岐の炭化水素および蝋、シリコーン油、ジアルキルエーテルの群、飽和もしくは不飽和、分岐もしくは非分岐のアルコール、および脂肪酸トリグリセリド、特に8〜24個、特に12〜18個のC原子の鎖長を有する飽和したおよび/または不飽和の、分岐および/または非分岐のアルカンカルボン酸のトリグリセロールエステル、の群から有利に選択される。脂肪酸トリグリセリドは、例えば合成、半合成および天然油の群から有利に選択することができ、天然油としては例えばオリーブ油、ヒマワリ油、大豆油、ピーナッツ油、菜種油、アーモンド油、ヤシ油、ココナッツ油、パーム核油などが挙げられる。
【0118】
この種の油および蝋成分の望ましい混合物は、いずれも、本発明の目的のために有利に使用することができる。蝋、例えばパルミチン酸セチルのみを油相の脂質成分とするものも有利に使用できる。
【0119】
油相は2−エチルヘキシルイソステアレート、オクチルドデカノール、イソトリデシルイソノナノエート、イソエイコサン、2−エチルヘキシルココエート、C12−15−アルキルベンゾエート、カプリル/カプリン酸トリグリセリドおよびジカプリルエーテルの群から有利に選択される。
【0120】
特に有利なのは、C12−15−アルキルベンゾエートと2−エチルヘキシルイソステアレートの混合物、C12−15−アルキルベンゾエートとイソトリデシルイソノナノエートの混合物の他に、C12−アルキルベンゾエート、2−エチルヘキシルイソステアレートおよびイソトリデシルイソノナノエートの混合物である。
【0121】
炭化水素の中では、パラフィン油、スクアランおよびスクアレンが本発明の目的のために有利に使用される。
【0122】
さらに、油相としては環式もしくは直鎖のシリコーン油を含んだもの、あるいはすべてこの種の油からなるものも有利であるが、単独または複数のシリコーン油に加えて他の油相要素を内容として含むものを使用するのが好ましい。
【0123】
本発明に従って使用されるシリコーン油としてはシクロメチコン(オクタメチルシクロテトラシロキサン)が有利である。しかしながら、本発明の目的のためには、他のシリコーン油,例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサンまたはポリ(メチルフェニルシロキサン)を用いるのも有利である。
【0124】
同様に特に有利なのはシクロメチコンおよびイソトリデシルイソノナノエートの混合物、シクロメチコンおよび2−エチルヘキシルイソステアレートの混合物である。
【0125】
本発明による組成物の水相は、任意に炭素数の少ないアルコール、ジオールまたはポリオール、およびそれらのエーテルを含むのが有利であり、好ましくはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルまたはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチルあるいはモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテルおよび類似の製品さらに少ない炭素数のアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、1,2−プロパンジオール、グリセロール、および、特に、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、多糖類およびそれらの誘導体、例えばヒアルロン酸、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、特に有利にはポリアクリレートの群から、好ましくはいわゆるカーボポール(Carbopol)の群、例えばカーボポールグレード980、981、1382、2984または5984などから、有利に選択される1つ以上の増粘剤、それぞれの場合において単独もしくは組み合わせで含まれる。
【0126】
特に、前記溶媒の混合物が使用される。アルコール溶媒の場合、他の成分は水であってよい。
【0127】
本発明による乳濁液は優位性があり、例えば、前記脂肪、油、蝋および他の脂肪質の物質の他に、水およびこの種の組成物で通常使用される乳化剤を含む。
【0128】
好ましい実施形態では、本発明による組成物は親水性の界面活性剤を含む。
【0129】
親水性の界面活性剤は、好ましくはアルキルグルコシド、アシル乳酸、ベタインおよびココヤシ両性酢酸塩の群から選択される。
【0130】
アルキルグルコシドはそれ自身下記構造式で識別されるアルキルグルコシドの群から有利に選択される。
【0131】
【化8】
Figure 2008539167
【0132】
ここでRは4〜24個の炭素原子を有する分岐もしくは非分岐のアルキル基を意味し、およびここでDPは2までのグルコシル化の平均の度合いを意味する。
【0133】
DPの値は、本発明に従って用いられたアルキルグルコシドのグルコシド化の度合いを意味し、次のように定義される:
【0134】
【数1】
Figure 2008539167
【0135】
ここで、p、p、p・・・、pは、一重、二重、三重・・・、i重のグルコシド化産物の重量%で示した割合を意味する。本発明において有利なのは、グルコシル化の度合いが1〜2である産物を選択することであり、特に有利には1.1〜1.5、特に非常に有利には1.2〜1.4、とりわけ1.3である。
【0136】
値DPは、アルキルグルコシドが通常、調製の結果として、モノ−およびオリゴグルコシドの混合物の形態である事実を考慮に入れたものである。本発明においてはモノグルコシドの割合が相対的に高いこと、一般的に40〜70重量%のオーダーであることが相対的に有利である。
【0137】
本発明において特に有利に使用されるアルキル配糖体は、次の群から選択される:オクチルグルコピラノシド、ノニルグルコピラノシド、デシルグルコピラノシド、ウンデシルグルコピラノシド、ドデシルグルコピラノシド、テトラデシルグルコピラノシドおよびヘキサデシルグルコピラノシド。
【0138】
天然または合成の原料および助剤または混合物を使用するのも同様に有利であり、これらは本発明の活性原料の有効量とは区別される。例えばプランタレン(Plantaren)(登録商標)1200(ヘンケル株式合資会社(Henkel KGaA))、オラミックス(Oramix)(登録商標)NS10(セピック(Seppic))がある。
【0139】
アシル乳酸はそれ自身下記構造式で識別される物質の群から有利に選択される:
【0140】
【化9】
Figure 2008539167
【0141】
ここでRは1〜30個の炭素原子を有する分岐もしくは非分岐のアルキル基を意味し、Mはアルカリ金属イオンの群、および1つ以上のアルキル基および/または1つ以上のヒドロキシアルキル基で置換されたアンモニウムイオンの群、あるいは半分の当量のアルカリ土類金属イオンから選択される。
【0142】
有利なものの例として、例えば、アメリカン・イングレディエント社(American Ingredients Company)からPathionic(登録商標)ISLの商品名で出ているイソステアリル乳酸ナトリウムがある。
【0143】
ベタインは下記構造式で識別される物質の群から有利に選択される:
【0144】
【化10】
Figure 2008539167
【0145】
ここでRは1〜30個の炭素原子を有する分岐もしくは非分岐のアルキル基を意味する。
【0146】
は特に有利には6〜12個の炭素原子を有する分岐もしくは非分岐のアルキル基を意味する。
【0147】
有利なものの例としては、例えば、Th.ゴルトシュミット社(Th.Goldschmidt AG)からテゴ(Tego)(登録商標)ベタイン(Betain)810の商品名で出ているカプロアミドプロピルベタインがある。
【0148】
本発明において有利なココヤシ両性酢酸塩としては、例えばミラノールケミカル社(Miranol Chemical Corp)からミラノール(Miranol)(登録商標)ウルトラ(Ultra)C32の商品名で出ているココヤシ両性酢酸ナトリウムがある。
【0149】
本発明による組成物は、有利には、親水性の界面活性剤が0.01〜20重量%の濃度で存在し、好ましくは0.05〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%、それぞれについて組成物の総重量に対して存在することを特徴とする。
【0150】
使用する際は、本発明による化粧品および皮膚科用の組成物は、化粧品の通常の方法において十分な量が皮膚および/または毛髪に適用される。
【0151】
本発明による化粧品および皮膚科用の組成物は様々な形態で存在してよい。したがって、それらは、例えば、溶液、水を含まない組成物、油中水(W/O)型もしくは水中油(O/W)型の乳濁液もしくはマイクロエマルジョン、多重乳濁液、例えば水中油中水(W/O/W)型、ジェル、固体スティック、軟膏またはエアロゾルである。カプセル封入された形態の活性成分を投与するのも有利であり、例えばコラーゲン基質、および他の従来の封入材料、例えばセルロースカプセルとして、またゼラチン、蝋基質あるいはリポソームでカプセル封入する。特に、ドイツ特許公開DE−A4308282号に記載の蝋基質が好ましいことが証明されている。乳濁液が好ましい。O/W乳濁液が特に好ましい。乳濁液、W/O乳濁液およびO/W乳濁液は従来の方法で得ることができる。
【0152】
使用可能な乳化剤は、例えば既知のW/OおよびO/W乳化剤である。本発明による好ましいO/W乳濁液中では、さらに従来の共乳化剤を使用するのが好ましい。
【0153】
本発明における有利な共乳化剤は、例えば、O/W乳化剤であって、O/W乳化剤が飽和した基RおよびR’をもつ限りにおいて、大抵の場合はHLB値が11〜16であり、特に非常に有利にはHLB値が14.5〜15.5である物質の群から選ばれる。もしO/W乳化剤が不飽和基Rおよび/またはR’を有し、あるいはイソアルキル誘導体である場合は、この種の乳化剤の好ましいHLB値は高くなったり低くなったりする。
【0154】
エトキシル化ステアリルアルコール、セチルアルコール、セチルステアリルアルコール(セテアリルアルコール)の群から脂肪アルコールエトキシレートを選択するのが有利である。
【0155】
特に好ましいのは下記の通りである:ポリエチレングリコール(13)ステアリルエーテル(ステアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)ステアリルエーテル(ステアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)ステアリルエーテル(ステアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)ステアリルエーテル(ステアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)ステアリルエーテル(ステアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)ステアリルエーテル(ステアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)ステアリルエーテル(ステアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)ステアリルエーテル(ステアレス−20)、ポリエチレングリコール(12)イソステアリルエーテル(イソステアレス−12)、ポリエチレングリコール(13)イソステアリルエーテル(イソステアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)イソステアリルエーテル(イソステアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)イソステアリルエーテル(イソステアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)イソステアリルエーテル(イソステアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)イソステアリルエーテル(イソステアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)イソステアリルエーテル(イソステアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)イソステアリルエーテル(イソステアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)イソステアリルエーテル(イソステアレス−20)、ポリエチレングリコール(13)セチルエーテル(セテス−13)、ポリエチレングリコール(14)セチルエーテル(セテス−14)、ポリエチレングリコール(15)セチルエーテル(セテス−15)、
ポリエチレングリコール(16)セチルエーテル(セテス−16)、ポリエチレングリコール(17)セチルエーテル(セテス−17)、ポリエチレングリコール(18)セチルエーテル(セテス−18)、ポリエチレングリコール(19)セチルエーテル(セテス−19)、ポリエチレングリコール(20)セチルエーテル(セテス−20)、ポリエチレングリコール(13)イソセチルエーテル(イソセテス−13)、ポリエチレングリコール(14)イソセチルエーテル(イソセテス−14)、ポリエチレングリコール(15)イソセチルエーテル(イソセテス−15)、ポリエチレングリコール(16)イソセチルエーテル(イソセテス−16)、ポリエチレングリコール(17)イソセチルエーテル(イソセテス−17)、ポリエチレングリコール(18)イソセチルエーテル(イソセテス−18)、ポリエチレングリコール(19)イソセチルエーテル(イソセテス−19)、ポリエチレングリコール(20)イソセチルエーテル(イソセテス−20)、ポリエチレングリコール(12)オレイルエーテル(オレス−12)、ポリエチレングリコール(13)オレイルエーテル(オレス−13)、ポリエチレングリコール(14)オレイルエーテル(オレス−14)、ポリエチレングリコール(15)オレイルエーテル(オレス−15)、ポリエチレングリコール(12)ラウリルエーテル(ラウレス−12)、ポリエチレングリコール(12)イソラウリルエーテル(イソラウレス−12)、ポリエチレングリコール(13)セチルステアリルエーテル(セテアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)セチルステアリルエーテル(セテアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)セチルステアリルエーテル(セテアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)セチルステアリルエーテル(セテアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)セチルステアリルエーテル(セテアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)セチルステアリルエーテル(セテアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)セチルステアリルエーテル(セテアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)セチルステアリルエーテル(セテアレス−20)。
【0156】
脂肪酸エトキシレートは下記の群から選択するのがさらに有利である:ポリエチレングリコール(20)ステアレート、ポリエチレングリコール(21)ステアレート、ポリエチレングリコール(22)ステアレート、ポリエチレングリコール(23)ステアレート、
ポリエチレングリコール(24)ステアレート、ポリエチレングリコール(25)ステアレート、ポリエチレングリコール(12)イソステアレート、ポリエチレングリコール(13)イソステアレート、ポリエチレングリコール(14)イソステアレート、ポリエチレングリコール(15)イソステアレート、ポリエチレングリコール(16)イソステアレート、ポリエチレングリコール(17)イソステアレート、ポリエチレングリコール(18)イソステアレート、ポリエチレングリコール(19)イソステアレート、ポリエチレングリコール(20)イソステアレート、ポリエチレングリコール(21)イソステアレート、ポリエチレングリコール(22)イソステアレート、ポリエチレングリコール(23)イソステアレート、ポリエチレングリコール(24)イソステアレート、ポリエチレングリコール(25)イソステアレート、ポリエチレングリコール(12)オレエート、ポリエチレングリコール(13)オレエート、ポリエチレングリコール(14)オレエート、ポリエチレングリコール(15)オレエート、ポリエチレングリコール(16)オレエート、ポリエチレングリコール(17)オレエート、ポリエチレングリコール(18)オレエート、ポリエチレングリコール(19)オレエート、ポリエチレングリコール(20)オレエート。
【0157】
有利に用いることができるエトキシル化アルキルエーテルカルボン酸又はその塩は、ラウレス−11カルボン酸ナトリウムである。有利に用いることができるアルキルエーテル硫酸塩は、ラウレス−14硫酸ナトリウムである。有利に用いることができるエトキシル化コレステロール誘導体は、ポリエチレングリコール(30)コレステリルエーテルである。ポリエチレングリコール(25)大豆ステロールも良好であるとわかった。有利に用いることができるエトキシル化トリグリセリドは、ポリエチレングリコール(60)月見草グリセリドである。
【0158】
さらに、ポリエチレングリコール(20)グリセリルラウレート、ポリエチレングリコール(21)グリセリルラウレート、ポリエチレングリコール(22)グリセリルラウレート、ポリエチレングリコール(23)グリセリルラウレート、ポリエチレングリコール(6)グリセリルカプレート/カプリネート、ポリエチレングリコール(20)グリセリルオレエート、ポリエチレングリコール(20)グリセリルイソステアレート及びポリエチレングリコール(18)グリセリルオレエート/ココエートの群からポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステルを選択することが有利である。
【0159】
同様に、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノラウレート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノイソステアレート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノパルミテート及びポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノオレエートの群からソルビタンエステルを選択することが好ましい。
【0160】
任意のW/O乳化剤は、しかしながら本発明にとっていずれにせよ有利に使用されるが、下記の通りである:8〜30個の炭素原子を有する脂肪アルコール、8〜24個、特に12〜18個のC原子の鎖長を有する飽和したおよび/または不飽和の、分岐および/または非分岐のアルカンカルボン酸のモノグリセロールエステル、8〜24個、特に12〜18個のC原子の鎖長を有する飽和したおよび/または不飽和の、分岐および/または非分岐のアルカンカルボン酸のジグリセロールエステル、8〜24個、特に12〜18個のC原子の鎖長を有する飽和したおよび/または不飽和の、分岐および/または非分岐のアルコールのモノグリセロールエーテル8〜24個、特に12〜18個のC原子の鎖長を有する飽和したおよび/または不飽和の、分岐および/または非分岐のアルコールのジグリセロールエーテル8〜24個、特に12〜18個のC原子の鎖長を有する飽和したおよび/または不飽和の、分岐および/または非分岐のアルカンカルボン酸のプロピレングリコールエステルおよび8〜24個、特に12〜18個のC原子の鎖長を有する飽和したおよび/または不飽和の、分岐および/または非分岐のアルカンカルボン酸のソルビタンエステル。
【0161】
特に有利なW/O乳化剤は、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノイソステアレート、グリセリルモノミリステート、グリセリルモノオレエート、ジグリセリルモノステアレート、ジグリセリルモノイソステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノイソステアレート、プロピレングリコールモノカプリレート、プロピレングリコールモノラウレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノカプリレート、ソルビタンモノイソオレエートスクロースジステアレートセチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、イソベヘニルアルコール、セラキルアルコール、キミルアルコール、ポリエチレングリコール(2)ステアリルエーテル(ステアレス−2)、グリセリルモノラウレート、グリセリルモノカプリネート、グリセリルモノカプリレートである。
【0162】
本発明に従う好ましい組成物は、人体皮膚を老化過程に対して、および、酸化ストレスに対して、すなわち、例えば日照、熱あるいは他の影響により生成するフリーラジカルにより引き起こされるダメージに対して保護するために特に適切である。これに関しては、一般的に使用される様々な投与形態において当てはまる。例えば、特にローションまたは乳濁液の形態、例えばクリームもしくは乳液(O/W、W/O、O/W/O、W/O/W)のような形態であり、油性−アルコール性、油性−水性または水性−アルコール性のジェルまたは溶液の形態であり、固体スティックの形態であり、あるいはエアロゾルとして処方される。
【0163】
この組成物は、この種の組成物で通常使用される化粧品補助剤を含んでよい。例えば増粘剤、柔軟剤、保湿剤、界面活性剤、乳化剤、保存料、消泡剤、香料、蝋、ラノリン、高圧ガス、組成物そのものまたは皮膚を着色する染料および/または色素および通常化粧品に用いられる他の原料である。
【0164】
他の好ましい実施形態は、油性ローションであり、天然または合成の油および蝋、ラノリン、脂肪酸エステル、特に脂肪酸トリグリセリドをベースとするものであり、あるいは油性−アルコール性ローションであり、低級アルコール、例えばエタノール、またはグリセロール、例えばプロピレングリコール、および/またはポリオール、例えばグリセロール、および油、蝋および脂肪酸エステル、例えば脂肪酸トリグリセリドをベースとするものである。
【0165】
本発明による組成物はアルコール性ジェルの形態であってもよく、1以上の低級アルコールもしくはポリオール、例えばエタノール、プロピレングリコールもしくはグリセロール、および増粘剤、例えばケイ藻土を含む。油性−アルコール性ジェルは天然または合成の油または蝋をも含む。
【0166】
化粧品組成物は毛髪を光化学的損傷から保護するためにも用いられ、それによって色変化、脱色、または機械的性質の損傷を防ぐことができる。この場合は、適切な処方は洗浄用シャンプー、ローション、ジェルまたは乳濁液の形態であり、問題の組成物はシャンプーの前または後、染色もしくは脱色の前または後、あるいはパーマをかける前または後に適用される。整髪および毛髪の処理のためのローションまたはジェルの形態、ブラッシングまたはブローウェーブ整髪のためのローションまたはジェルの形態、毛髪のためのヘアラッカー、パーマをかける組成物、着色剤または脱色剤の形態の組成物を選択することも可能である。本発明による化合物に加えて、光保護特性を有する組成物は、この種の組成物で用いられる様々な補助剤を含んでもよく、例えば界面活性剤、増粘剤、ポリマー、柔軟剤、保存料、気泡安定剤、電解質、有機溶媒、シリコーン誘導体、油、蝋、抗油剤、組成物自身または毛髪を染める染料および/または色素、またはヘアケアに通常用いられる他の成分が挙げられる。
【0167】
本発明はさらに組成物の調製方法に関し、家庭用品ここで少なくとも1つの、自身ではUV−AまたはUV−B領域において本質的に紫外吸収を示さないが、UV−AまたはUV−B保護の発現が見られる使用条件の下で活性をもつ化合物が、化粧品または皮膚科用の組成物あるいは家庭用品にとって適切な少なくとも1つの媒体と混合されること、および抗酸化特性を有する組成物の調製のために化学式Iaの化合物を使用することを特徴とする。
【0168】
本発明による組成物は、当業者によく知られた技術の助けがあれば調製が可能である。
【0169】
混合の結果、本発明による化合物は媒体中に溶解、乳化または分散しうる。
【0170】
本発明に従う好ましい方法においては、化学式Iaの化合物が化学式Ia enaもしくはIa enbの少なくとも1つの化合物の水素化によって調製される。
【0171】
例えば、分子状の水素は、水素化にとって適切である。分子状の水素が化学式Ia enaもしくはIa enbの少なくとも1つの化合物の水素化に用いられる場合、水素化は好ましくは触媒もしくは触媒系の存在下で実施される。
【0172】
水素化にとって適切な触媒はすべての一般的な均一系および不均一系触媒であり、特に好ましくは少なくとも1つの貴金属、好ましくは元素Pt、PdおよびRhから選択され、あるいは遷移金属、例えばMo、W、Cr、しかしながら特にFe、CoおよびNiを、単独でもしくは混合物中で用いる。触媒もしくは触媒混合物はここでは担体上で用いることもできる。例えば炭素、活性炭、酸化アルミニウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウムまたはケイ藻土が使用できる。金属はここではラネー化合物、例えばラネーニッケルの形態で使用することもできる。触媒反応が均一系プロセスで実施される場合、触媒として、1つ以上の例えばウィルキンソン(Wilkinson)の触媒[クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム]のような前記金属のより複雑な化合物を使用するのが好ましい。さらに前記金属の塩を使用することも可能であり、これらは還元剤によりその場で還元され、その場において細かく分割された金属(0)種を形成することができる。適切な貴金属塩は、例えば、酢酸パラジウム、臭化パラジウムおよび塩化パラジウムであり、適切な還元剤は、例えば、水素、ヒドラジン、ホウ化水素ナトリウムおよびギ酸塩である。本発明の好ましい変形では、不均一系触媒が使用され、本発明の方法で使用される特に好ましい触媒はPdまたはPt、好ましくは活性炭担体上のものであり、例えばC上の5重量%のPdまたはPtである。
【0173】
水素化は通常20〜150℃の温度範囲で実施される。水素化は、水素圧1〜200barの下でさらに有利に実施される。
【0174】
適切な溶媒はプロトン性溶媒、特に当業者にとって既知の通常のプロトン性溶媒であり、例えば水、低級アルコール、例えば、メタノール、エタノールおよびイソプロパノール、および第一および第二アミン、およびこの種の、プロトン性溶媒の混合物であり、ここで溶媒として使用される特に好ましいものは水である。
【0175】
この反応にとって適切な溶媒には、さらに従来の非プロトン性溶媒も使用できる。例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドおよびN−メチルピロリドンが使用できる。
【0176】
本発明による調製方法の同様に好ましい実施形態では、水素化は固相で行われ、すなわち溶媒を加える必要はない。
【0177】
反応が終わると、仕上げが従来の方法により実施される。例えば、触媒は濾別することができ、濾液は大気圧に比べて減圧下で加熱することで溶媒から分離され、および得られた製品はさらに従来の方法で精製される。
【0178】
反応生成物のさらなる精製も同様に従来の方法で実施することができ、例えば適切な溶媒からの再結晶化、またはクロマトグラフィー法により行われる。
【0179】
本発明による化合物は組成物に対して安定化効果を持ちうることにも留意されている。対応する製品において用いるとき、後者も長い間安定なまま残り、その薬理学的および感覚的性質は変化しない。特に、成分例えばビタミンの効力は長期にわたって適用した場合あるいは長期保存した場合も保たれる。これは、とりわけ、皮膚を紫外線の作用に対して保護する組成物の場合に特に有利である。なぜならば、これらの化粧品は特に紫外線による強度のストレスに曝されるからである。
【0180】
本発明による化合物の効能は、化粧品もしくは医薬組成物に用いるための格別な適合性をもたらす。
【0181】
化学式Iaの化合物の特性は、食品または健康食品としてあるいは機能性食品としての使用にとっても好ましいものとみなされるべきである。食品についてのさらなる言及は健康食品および機能性食品についても同様に当てはまる。
【0182】
本発明による1つ以上の化合物により強化しうる、本発明による食品は、動物による消費もしくは人間による消費にとって適切なすべての原料を含むことができ、例えばビタミンおよびそのプロビタミン、脂肪、ミネラルまたはアミノ酸が挙げられる。(食品は固体であってよいが、液体、すなわち飲料の形態も可能である)。
【0183】
本発明はしたがってさらに化学式Iaの化合物の、人間あるいは動物の栄養摂取のための食品添加物としての使用、および食品または健康食品であり、さらに対応する媒体を含む組成物に関する。
【0184】
本発明による1つ以上の化合物により強化しうる、本発明による食品は、例えば、単一の自然源から由来する食品、例えば糖、単一植物種の甘味を加えていないジュース、スカッシュまたはピューレ、例えば甘味を加えていないリンゴジュース(例えば異なるタイプのリンゴジュースの混合物も)、グレープフルーツジュース、オレンジジュース、リンゴシロップ煮、アンズスカッシュ、トマトジュース、トマトソース、トマトピューレ等も挙げることができる。本発明による1つ以上の化合物により強化しうる、本発明による食品の他の例としては、単一植物種からの穀物またはシリアル、およびこの種の植物種から製造された物質、例えばシリアルシロップ、ライ麦粉、小麦粉またはオートブランが挙げられる。この種の食品の混合物も本発明にしたがって本発明による1つ以上の化合物により強化するのに好適であり、例えばマルチビタミン調製品、ミネラル混合物または加糖ジュースが挙げられる。本発明による1つ以上の化合物により強化しうる、本発明による食品の他の例としては、食品組成物、例えば調製穀類、ビスケット、混合飲料、特に子供向けに調製された食品、例えばヨーグルト、減量食、低カロリー食品または動物の飼料について言及することができる。
【0185】
本発明による1つ以上の化合物により強化しうる、本発明による食品は、したがって炭水化物、脂質、タンパク質、無機元素、微量元素、ビタミン、水または植物および動物の活性代謝産物、のすべての食用となる組み合わせを含む。
【0186】
本発明による1つ以上の化合物により強化しうる、本発明による食品は、好ましくは経口的に与えられ、例えば粗挽き穀粉、状剤、タブレット、カプセル、粉末、シロップ、溶液または懸濁液の形態である。
【0187】
本発明による1つ以上の化合物により強化しうる、本発明による食品は、当業者の既知の技術の助けにより調製することができる。
【0188】
抗酸化物質またはフリーラジカル捕捉物質としての作用により、本発明による化合物は薬理成分としても適切であり、ここでこれらは人体中のフリーラジカルを取り除く自然の機構を支え、あるいはそれに代わるものである。本発明による化合物はある場合にはフリーラジカル捕捉物質、例えばビタミンCの作用と比較される。本発明による化合物は、例えば皮膚の炎症およびアレルギーの予防的な処置のために、またある場合はある種の癌の防止に用いられる。本発明による化合物は、炎症、アレルギーおよび過敏症の治療のための医薬品の調製に好適であり、とりわけ皮膚の症状に適する。さらに、静脈強化剤、血管の強度を増すための薬として、発赤抑制剤として、化学的、物理的あるいは光化学的紅斑の抑制剤として、敏感皮膚の治療薬として、充血除去剤として、脱水剤として、減量薬として、しわ取り剤として、細胞外基質の要素の合成の刺激剤として、皮膚弾力性を改善する強化剤として、および抗老化剤として働く薬剤の調製も可能である。さらに、この関連において好ましい本発明による化合物は抗アレルギーおよび抗炎症性および抗刺激性の作用を示す。これらはしたがって炎症またはアレルギー反応の治療のための医薬調製品として適切である。
【実施例】
【0189】
本発明は下記の実施例を参照してより詳細に説明される。本発明は請求された範囲の全体について実施可能であり、ここで与えられた実施例に限定されるものではない。
【0190】
実施例1:ジ−2−エチルヘキシル4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジルマロネートの調製
【0191】
【化11】
Figure 2008539167
【0192】
ジ−2−エチルヘキシル4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジリデンマロネート(この化合物の合成はWO2003/007906に記載されており、この点についての開示内容は明確に本願の主題の一部をなしている)をメタノール(14ml/mmol)に溶解し、5%Pd/C(56%水;メルク:Art.No.275175;0.54g/mmol)を添加する。続いて室温、大気圧で水素3.0を用いて水素化を実施する。触媒は濾別して分離する。濾液は真空により溶媒から分離され、残った緑がかった油をt−ブチルメチルエーテル(MTBE)中に投入し、続いて2倍の1N HCl、1倍の飽和NaHCO水溶液および1倍の飽和NaCl水溶液で抽出する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒は真空除去する。精製はシリカゲルを通した濾過により実施される。この終わりには、粗製品を石油エーテル(PE)に投入し、PE/MTBEで溶離することで、分析的に純粋で無色の油を得る。
【0193】
実施例22−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルプロピオネートの調製
【0194】
【化12】
Figure 2008539167
【0195】
2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(ユーソレックス(登録商標)OCR;メルク)をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、5%Pd/C(56%水;メルク:Art.No.275175)を添加する。続いて室温、大気圧で水素3.0を用いて水素化を実施する。触媒は濾別して分離する。濾液は真空により溶媒から分離され、残渣は洗浄される。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒は真空除去する。精製はシリカゲルを通した濾過により実施され、分析的に純粋な製品を得る。
【0196】
原理上は、化学式Iaのすべての化合物は実施例1または2と同じように調製される。例えば、下記の化合物が対応するベンジリデン化合物から得ることができる:
ジエチル4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジルマロネート
【0197】
実施例3紫外線中での酸化
図1にジ−2−エチルヘキシル4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジルマロネートの紫外スペクトルの紫外線照射時における変化を示す。
【0198】
曲線は、照射されていない物質(暴露量0kJ/m)、15分の照射後(暴露量86kJ/m)、65分の照射後(暴露量373kJ/m)、235分の照射後(暴露量1349kJ/m)および405分の照射後(暴露量2325kJ/m)を表す。スペクトルはCarry300bioスペクトロメータ上に記録される。照射はアトラス(Atlas)社のサンテスト(Sun Test)CPS、すなわち290〜400nmの範囲において95.69W/mの出力である紫外線特殊ガラスフィルターを有するキセノン・ランプを手段として実施される。
【0199】
わずか65分後には、化合物による紫外線吸収の増大がUV−A領域(Emax範囲320〜340nmにおける)において顕著に見られ、長く照射するとさらに増大が顕著である。
【0200】
実施例3a:追加の抗酸化物質の存在下での紫外線下での酸化
図2は、0.5重量%のβ−カロテンおよび4重量%のジ−2−エチルヘキシル4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジルマロネートを含む乳濁液(曲線AおよびB)を0.5重量%のβ−カロテンを含むが、ジ−2−エチルヘキシル4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジルマロネートを含まない乳濁液(曲線CおよびD)と比較した、紫外線照射時の(実施例3参照)紫外線/可視光スペクトルの変化を示す。
【0201】
曲線は照射されていない乳濁液(曲線AおよびC)および90分の乳濁液照射後(曲線BおよびD)を表す。スペクトルはCarry50bioスペクトロメータ上に記録される。照射はアトラス社のサンテストCPS+紫外線特殊ガラスフィルター付キセノン・ランプを手段として実施される。4回測定(n=4)して結果を得る。
【0202】
ジ−2−エチルヘキシル4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジルマロネートを含む照射された試料(B)の場合、反応産物の吸収がUV−A領域(Emax範囲320〜340nmにおける)においてやはり顕著に見られる。加えて、しかしながら、この試料ではβ−カロテン(Emax範囲440〜480nmにおける)の吸収も照射試料Dと比べると格段に強い。その結果として、本発明による乳濁液中のβ−カロテンの分解は減少している;ジ−2−エチルヘキシル4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジルマロネートがβ−カロテンを安定化させている。
【0203】
実施例4組成物
実施例1または2による化合物を含む化粧品組成物の実例となる処方を下記に示す。対応する組成物は、本発明によるすべての化合物から同様の方法で調製することができる。
【0204】
さらに、市販の化合物のINCI名を示した。
UV−パールOMCは、INCI名を有する組成物を表す
水(EU名:アクア)、エチルヘキシルメトキシシンナメート、シリカ、PVP、クロルフェネシン、BHT;この組成物はメルク株式合資会社(Merck KGaA)、Darmstadtより、ユーソレックス(登録商標)UVパール(UVPearl)(商標)OMCの商品名で市販されている。
【0205】
表中に示した他のUV−パールも似たような組成物を有し、OMCを表示した紫外線フィルターで置き換えたものである。
【0206】
【表1−1】
Figure 2008539167
【0207】
【表1−2】
Figure 2008539167
【0208】
【表1−3】
Figure 2008539167
【0209】
【表2−1】
Figure 2008539167
【0210】
【表2−2】
Figure 2008539167
【0211】
【表3−1】
Figure 2008539167
【0212】
【表3−2】
Figure 2008539167
【0213】
【表3−3】
Figure 2008539167
【0214】
図面の索引
図1aおよび1b:
図1(図1bは図1aの詳細を示す)は、ジ−2−エチルヘキシル4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジルマロネートの紫外スペクトルの、紫外線照射時における変化を示す(実施例3を参照のこと):曲線は、照射されていない物質(暴露量0kJ/m)、15分の照射後(暴露量86kJ/m)、65分の照射後(暴露量373kJ/m)、235分の照射後(暴露量1349kJ/m)および405分の照射後(暴露量2325kJ/m)を表す。スペクトルはCarry300bioスペクトロメータ上に記録される。照射はアトラス(Atlas)社のサンテスト(Sun Test)CPS、すなわち290〜400nmの範囲において95.69W/mの出力である紫外線特殊ガラスフィルターを有するキセノン・ランプを手段として実施される。
【0215】
図2:
図2は、0.5重量%のβ−カロテンおよび4重量%のジ−2−エチルヘキシル4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジルマロネートを含む乳濁液(曲線AおよびB)を、0.5重量%のβ−カロテンを含むが、ジ−2−エチルヘキシル4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジルマロネートを含まない乳濁液(曲線CおよびD)と比較した、紫外線照射時の紫外線/可視光スペクトルの変化を示す(実施例3a参照)。曲線は照射されていない乳濁液(曲線AおよびC)および90分の乳濁液照射後(曲線BおよびD)を表す。スペクトルはCarry300bioスペクトロメータ上に記録される。照射はアトラス社のサンテストCPS、すなわち290−400nmの範囲において95.69W/mの出力である紫外線特殊ガラスフィルターを有するキセノン・ランプを手段として実施される。4回測定(n=4)して結果を得る。
【図面の簡単な説明】
【0216】
【図1a】ジ−2−エチルヘキシル4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジルマロネートの紫外スペクトルの紫外線照射時における変化を示す図である。
【図1b】図1aの拡大図である。
【図2】乳濁液の紫外線照射時の紫外線/可視光スペクトルの変化を示す図である。

Claims (6)

  1. 前記化学式Iの化合物が、化学式Iaの化合物または化学式Iaの化合物の塩であることを特徴とする請求項5に記載の使用
    Figure 2008539167


    ここで、R1、R7およびR8、Z1およびZ2、XおよびYは請求項5で与えられた意味を有し、R2〜R6は、それぞれ互いに独立に、H、OH、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−アルコキシ基、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−アルキル基、直鎖もしくは分岐のC3−ないしC20−アルケニル基、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−ヒドロキシアルキル基、から選択され、ここで水酸基は鎖の第1または第2炭素原子と結合していてよく、さらにアルキル鎖は、酸素、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−ヒドロキシアルコキシ基で中断されていてもよく、ここで水酸基は鎖の第1または第2炭素原子と結合していてよく、さらにアルキル鎖は、酸素で中断されていてもよく、
    ここで基R2〜R6のうち1つは分岐もしくは非分岐のC1-20−アルコキシまたは分岐もしくは非分岐のC2-20−アルキレンオキシスペーサーであって、オリゴまたはポリシロキサン鎖とSi原子を介して結合しているものでもよい。
  2. 紫外線照射により活性化される紫外線フィルター前駆体としての、請求項5に記載の化学式Iまたは請求項6に記載の化学式Iaの少なくとも1つの化合物の使用。
  3. 請求項6〜8の少なくとも1つに記載の化学式Iaの化合物の少なくとも1つの使用において、R3およびR5は、それぞれ互いに独立に、H、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−アルコキシ基、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−アルキル基、直鎖もしくは分岐のC3−ないしC20−アルケニル基、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−ヒドロキシアルキル基、から選択され、ここで水酸基は鎖の第1または第2炭素原子と結合していてよく、さらにアルキル鎖は、酸素、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−ヒドロキシアルコキシ基で中断されていてもよく、ここで水酸基は鎖の第1または第2炭素原子と結合していてよく、さらにアルキル鎖は、酸素で中断されていてもよく、ここでR3およびR5は、それぞれ、互いに独立に,好ましくは直鎖もしくは分岐のC1−ないしC4−アルコキシ基、特にメトキシ、イソプロポキシおよびt−ブトキシ、および直鎖もしくは分岐のC1−ないしC6−アルキル基、特にメチル、イソプロピルおよびt−ブチルから選択され、さらに、
    2、R4およびR6は、それぞれ互いに独立に、H、OH、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−アルコキシ基、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−アルキル基、直鎖もしくは分岐のC3−ないしC20−アルケニル基、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−ヒドロキシアルキル基、から選択され、ここで水酸基は鎖の第1または第2炭素原子と結合していてよく、さらにアルキル鎖は、酸素、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−ヒドロキシアルコキシ基で中断されていてもよく、ここで水酸基は鎖の第1または第2炭素原子と結合していてよく、さらにアルキル鎖は、酸素で中断されていてもよく、ここでR2、R4およびR6は、好ましくはHおよびOHから選択され、またここで基R2〜R6のうち1つは分岐もしくは非分岐のC1-20−アルコキシあるいは分岐もしくは非分岐のC2-20−アルキレンオキシスペーサーであって、1以上の化学式Iの化合物を含むオリゴまたはポリシロキサン鎖とSi原子を介して結合しているものでもよいことを特徴とする使用。
  4. 請求項6〜12の少なくとも1つに記載の化学式Iaの化合物の少なくとも1つの使用において、R4が分岐もしくは非分岐のC1-20−アルコキシまたは分岐もしくは非分岐のC2-20−アルキレンオキシスペーサーであって、1以上の化学式Iの化合物を含むオリゴまたはポリシロキサン鎖とSi原子を介して結合していることを表し、ここでR4は好ましくはプロパニルオキシ、イソプロパニルオキシ、プロペニルオキシ、イソプロペニルオキシあるいは特にアリルオキシスペーサーを表し、ここでケイ素原子は好ましくはスペーサー二重結合の第1または第2炭素原子と結合していることを表すことを特徴とする使用。
  5. 前記化学式Iの化合物が、化学式Iaの化合物または化学式Iaの化合物の塩であることを特徴とする請求項18に記載の化合物。
    Figure 2008539167


    ここで、R1、R7およびR8、Z1およびZ2、XおよびYは請求項5で与えられた意味を有し、R2〜R6は、それぞれ、互いに独立に、H、OH、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−アルコキシ基、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−アルキル基、直鎖もしくは分岐のC3−ないしC20−アルケニル基、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−ヒドロキシアルキル基、から選択され、ここで水酸基は鎖の第1または第2炭素原子と結合していてよく、さらにアルキル鎖は、酸素、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−ヒドロキシアルコキシ基で中断されていてもよく、ここで水酸基は鎖の第1または第2炭素原子と結合していてよく、さらにアルキル鎖は、酸素で中断されていてもよく、ここで基R2〜R6のうち1つは分岐もしくは非分岐のC1-20−アルコキシあるいは分岐もしくは非分岐のC2-20−アルキレンオキシスペーサーであって、オリゴまたはポリシロキサン鎖とSi原子を介して結合しているものでもよい。
  6. 化学式Iaの化合物において、
    3およびR5は、それぞれ互いに独立に、H、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−アルコキシ基、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−アルキル基、直鎖もしくは分岐のC3−ないしC20−アルケニル基、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−ヒドロキシアルキル基、から選択され、ここで水酸基は鎖の第1または第2炭素原子と結合していてよく、さらにアルキル鎖は、酸素、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−ヒドロキシアルコキシ基で中断されていてもよく、ここで水酸基は鎖の第1または第2炭素原子と結合していてよく、さらにアルキル鎖は、酸素で中断されていてもよく、ここでR3およびR5は、それぞれ互いに独立に、好ましくは直鎖もしくは分岐のC1−ないしC4−アルコキシ基、特にメトキシ、イソプロポキシおよびt−ブトキシ、および直鎖もしくは分岐のC1−ないしC6−アルキル基、特にメチル、イソプロピルおよびt−ブチルから選択され、さらに、
    2、R4およびR6は、それぞれ互いに独立に、H、OH、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−アルコキシ基、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−アルキル基、直鎖もしくは分岐のC3−ないしC20−アルケニル基、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−ヒドロキシアルキル基、から選択され、ここで水酸基は鎖の第1または第2炭素原子と結合していてよく、さらにアルキル鎖は、酸素、直鎖もしくは分岐のC1−ないしC20−ヒドロキシアルコキシ基で中断されていてもよく、ここで水酸基は鎖の第1または第2炭素原子と結合していてよく、さらにアルキル鎖は、酸素で中断されていてもよく、
    ここでR2、R4およびR6は、好ましくはHおよびOHから選択され、またここで基R2〜R6のうち1つは分岐もしくは非分岐のC1-20−アルコキシあるいは分岐もしくは非分岐のC2-20−アルキレンオキシスペーサーであって、1以上の化学式Iの化合物を含むオリゴまたはポリシロキサン鎖とSi原子を介して結合しているものでもよいことを特徴とする、請求項19または20に記載の化合物。
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