JP2008536878A - ウシ胎盤から免疫調節ポリペプチドを分離し精製するための方法 - Google Patents

ウシ胎盤から免疫調節ポリペプチドを分離し精製するための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、ウシ胎盤から免疫調節ポリペプチドを抽出するための方法を提供することである。本発明の別の目的は、ウシ胎盤から抽出された免疫調節ポリペプチドを提供することである。
【解決手段】本発明は、ウシ胎盤から免疫調節ポリペプチドを分離し精製するための方法であって、陰イオン交換クロマトグラフィー、ゲル排除クロマトグラフィー、および逆相高速液体クロマトグラフィーのステップを使用して、ウシ胎盤から免疫調節ポリペプチドを分離し精製し、MTT法によってin vitroでのリンパ球増殖を刺激する活性を同定し、次いでMALDI−TOF−MSによって分子量を測定し、CIEFによって等電点を測定し、タンパク質配列決定のための分析器によってアミノ酸配列を決定することを特徴とする方法を提供する。本発明による方法によって得られた免疫調節ポリペプチドは、90%超の純度を有するので、その生物学的利用能は、医薬品の基準に達することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、生物学および薬剤抽出の分野に関する。より詳細には、本発明は、ウシ胎盤から免疫調節ポリペプチドを分離し精製するための方法に関する。
より多くの人々が、自身の生活を現代的な生活スタイルに変えるにつれて、免疫の低下により疾患が生ずる可能性が出て来る。免疫を高めることは、疲労に耐え、作業効率を改善し、疾患を予防するのに欠くことのできない手法の1つである。
胎盤の免疫調節因子の研究は、中国から始まった。その活性成分は、健康な産褥胎盤から抽出された。1985年、LIU Yuexinは、均質化−透析によって初めて、健康な産褥胎盤から小分子活性物質を抽出することを開示し、この活性物質を胎盤因子と名付けた(非特許文献1参照)。1994年、HUANG Chuhua他(非特許文献2参照)は、下記のステップ、すなわち新鮮な胎盤を洗浄し切断するステップ、ホモジネートを2倍の生理食塩水で調製するステップ、遠心分離を行うステップ、分子量カットオフが10000の限外濾過膜によって上澄みを限外濾過するステップ、および濾液を滅菌し分散させるステップとによって、胎盤注射液を得た。1996年、ZHANG Xuerong他(非特許文献3参照)は、胎盤の筋膜を切り取り、無菌水で洗浄し、切断し計量し、1:1の生理食塩水を用いて高速組織ホモジナイザにより均質化物を調製し、次いでこの均質化物を冷蔵庫内で48時間超−20℃で凍結し、25℃の水浴中で解凍し、水晶体破砕法を15分間施し、複数回の凍結−解凍処理を行い、低温で遠心分離し、上澄みを透析し、膜で濾過することによって、胎盤注射液を得た。2001年、XU Daidi他(非特許文献4参照)は、LIU Yuexinを参照しながら胎盤免疫調節因子を調製した。
これらの研究は、ヒト胎盤免疫調節因子の主成分が、小分子ポリペプチドであることを示している。大量の動物実験および臨床適用例は、胎盤免疫調節因子が安全で、無毒性であり、抗原性がなく、長期使用により抗体が誘導されて活性が低下することがなく、胎盤免疫調節因子は、安全で効果が高い免疫調節剤および免疫賦活剤であることを示している。しかし、胎盤免疫調節因子に関する現在の研究は、ほとんどがその機能および適用例に焦点を当てており、その主要な活性成分をどのように分離し精製するかについての報告は、ほとんど見られない。
新しい種類の胎盤供給源として、ウシ胎盤は、本来の構造および成分がヒトに類似しているが、これらの間に相違点は確かに存在する。したがって、理論上および技術上の両方において、ヒト胎盤免疫調節因子に関する研究を参照しつつも、異なる技術を用いて、ウシ胎盤から免疫調節因子を分離し精製することが重要である。
LIU Yuexin,Preparation and Study on Placenta Factor−−A New Immunomodulator,Chinese Journal of Immunology,1985,1(5) HUANG Chuhua他,Laboratory Study of Placenta Polypeptide on Physical and Chemical Properties and Bioactivity,PHARMACEUTICAL BIOTECHNOLOGY,1995,2(2) ZHANG Xuerong他,Experimental Study on Placenta Immuno−modulating Factor,GUANGXI SCIENCES,1996,3 XU Daidi他,Preparing Placenta Immuno−modulating Factor,Guangxi Medical Journal,2001,8
本発明の目的は、ウシ胎盤から免疫調節ポリペプチドを抽出するための方法を提供することである。
本発明の別の目的は、ウシ胎盤から抽出された免疫調節ポリペプチドを提供することである。
イオン交換クロマトグラフィーは、固定相としてイオン交換剤を用い、移動相として液体を用いるシステムにおいて実施されることが知られている。イオン交換剤は、母材、イオン基、および対イオンを含む。イオン交換剤と、液体中のイオンまたはイオン化合物との反応は、主にイオン交換に基づいており、またはイオン交換剤のイオン基と溶液中のイオンまたはイオン化合物との吸着に基づいている。イオン交換クロマトグラフィーは、電荷状態(または極性)の相違に基づいて実施される。適切なイオン交換剤は、対象の解離性または電荷状態によって選択されるべきである。吸着および溶出の条件は制御されるべきであり、その主な条件は、イオン強度と溶出剤のpH値である。次いで混合物中の成分を、親和性に応じて順次、クロマトグラフィー・カラムから溶出する。
ゲル排除クロマトグラフィーは、分子が低流速でクロマトグラフィー・カラム内を通過する間の、分子の垂直下向きの移動と無方向性拡散とによって実施される。巨大分子は、その直径が大きく、ゲル粒子の小さい孔の中ではなく粒子間の空間内に拡がり、溶出中により速く垂直方向に移動する。しかし小さい分子は、ゲル粒子間の空間内に拡散するだけではなく、ゲル粒子の内部にも進入する。垂直移動中、小分子は、粒子内部から粒子間の空間へと拡散し、次いでその他の粒子内部に進入する。拡散および進入の運動は、連続的なものである。したがって、小分子の垂直移動の速度は、巨大分子の場合よりも遅い。その結果、巨大分子、中型分子、小分子は、順に、かつ首尾よく分離してカラムの外に出て行く。ゲル排除クロマトグラフィーの明らかな利点は、使用される担体が不活性であり、電荷を持たず、吸着性が弱く、操作環境が穏やかであり、操作温度範囲が広く、有機溶媒を必要とせず、化合物の物理的および化学的性質を維持するのに特別な利点があることである。
逆相クロマトグラフィーは、分離に広く使用される。このシステムでは、溶質が、主に疎水的相互作用によって保持される。疎水的相互作用とは、無極性溶質が水溶液中にある場合、溶質分子間、または溶質分子と水分子との間の相互作用が、水分子間よりもずっと少ないことを意味する。したがって、溶質分子を容易に溶液から除去することができる。種々の化合物は、種々の疎水特性に応じて異なる保持時間を有し、その結果、これらの化合物が分離される。
本発明者は、多くの研究を行っており、これら3つの方法、すなわち陰イオン交換クロマトグラフィー、ゲル排除クロマトグラフィー、および逆相高速液体クロマトグラフィーを一緒に創造的に組み合わせて、免疫調節ポリペプチドをウシ胎盤から抽出し、分子量および等電点と、分離され精製された免疫調節ポリペプチドの配列を決定した。
本発明は、ウシ胎盤から分離された免疫調節ポリペプチドに関する。免疫調節ポリペプチドの特徴は、下記の通りである:MALDI−TOF−MS(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間質量分析)によって決定された分子量が2133.52Daであり、CIEF(キャピラリー等電点電気泳動)によって決定された等電点が3.82であり、491−タンパク質配列決定器(Applied Biosystems,米国)によって決定されたTyr−X−Phe−Leu−Gly−Leu−Pro−Gly−X−Thr配列であって、Xはアミノ酸である。
また本発明は、ウシ胎盤から分離された免疫調節ポリペプチドを調製するための方法にも関する。前記方法は、当業者に知られる下記のステップ、すなわち新鮮なウシ胎盤を洗浄し切断するステップと、胎盤の2倍(w/vol.)のpH6.8〜7.5のリン酸緩衝液を添加するステップと、ホモジネートを調製するステップと、12000r/mで遠心分離するステップと、沈殿させるステップと、分子量カットオフが10000の限外濾過膜によって上澄みを限外濾過するステップと、芳香族ポリアミド・ナノ濾過膜で脱塩するステップと、凍結乾燥するステップとを含み、したがって、免疫調節ポリペプチドを含有する凍結乾燥された粉末サンプルが得られる。この方法は、前記凍結乾燥された粉末をリン酸緩衝液中で溶解するステップと、陰イオン交換クロマトグラフィー、ゲル排除クロマトグラフィー、および逆相高速液体クロマトグラフィーを使用して、溶液を分離するステップと、RP−HPLCおよびキャピラリー電気泳動(この結果は、両者とも、シングル・ピークであった。)によって逆相高速液体クロマトグラフィーから収集された活性物質を決定するステップと、次いでMALDI−TOF−MSにより分子量を、CIEFにより等電点を、およびタンパク質配列決定機によりペプチド配列を、決定するステップも含む。
本発明の実施形態によれば、前記陰イオン交換クロマトグラフィーは、溶液サンプルとして10〜30mmol/L(pH6.8〜7.5)のリン酸緩衝液中に前記凍結乾燥粉末を4〜10:1(w:vol)で溶解し、この溶液サンプルを、0.5〜1.5mL/分の流速で陰イオン交換カラムに投入し、0.5〜1.5mL/分の流速で勾配溶出する。前記勾配溶出は、溶出溶液Aが、リン酸緩衝液10〜30mol/Lであり、溶出溶液Bが、溶液Aに0.5〜1.5mol/LのNaClを添加することによって調製された溶液であり、0〜600分では溶液Aで溶出し、600〜1000分では0〜100%の溶液Bで溶出する。in vitroでのリンパ球増殖の刺激を介したMTT法による決定が行われ、スクリーニングが行われ、そして、陰イオン交換クロマトグラフィーによって分離した後に、免疫調節ポリペプチドを含有する成分が収集される。
前記凍結乾燥粉末と、この粉末を溶解するのに使用される緩衝液との比が、4〜8:1(w:vol.)であることが好ましく、前記比が5〜8:1であることがより好ましい。
また、本発明による凍結乾燥粉末を溶解するのに用いられる緩衝液は、NaHPO−NaHPO、KHPO−KHPO、KHPO−NaHPO、および/またはNaHPO−KHPO溶液から選択された、1種または複数の溶液である。
本発明の別の実施形態によれば、前記凍結乾燥粉末溶液サンプルは、10〜30mmol/L(pH6.8〜7.5)のNaHPO−NaHPO緩衝液である。
また、陰イオン交換クロマトグラフィーによって用いられる溶出溶液Aは、NaHPO−NaHPO、KHPO−KHPO、KHPO−NaHPO、およびNaHPO−KHPO溶出溶液から選択された、1種または複数の溶液である。
本発明の別の実施形態によれば、前記ゲル排除クロマトグラフィーは、以下の条件で行われる。即ち、陰イオン交換クロマトグラフィーから収集された免疫調節ポリペプチド成分を、8〜12mL/時の流速で、10〜30mmol/L(pH6.8〜7.5)のリン酸緩衝液である移動相で、ゲル排除カラム上に直接投入し、8〜12mL/時の流速で、同じ勾配溶出により溶出し、in vitroでのリンパ球増殖の刺激を介したMTT法による決定が行われ、スクリーニングが行われ、そして、陰イオン交換クロマトグラフィーによって分離した後に、免疫調節ポリペプチドを含有する成分が収集される。
前記ゲル排除カラムは、その長さ/直径の比が60〜90であり、サンプルの体積は、カラム床の1〜10%に達する。
ゲル排除カラムで使用される前記移動相は、NaHPO−NaHPO、KHPO−KHPO、KHPO−NaHPO、およびNaHPO−KHPO溶液から選択された、1種または複数の溶液であることが好ましい。
本発明の別の実施形態によれば、前記逆相高速液体クロマトグラフィーは、以下の条件で行われる。即ち、ゲル排除クロマトグラフィーから収集された免疫調節ポリペプチド成分を、逆相高速液体クロマトグラフィー・カラムに、0.8〜1.2mL/分の流速で、直接投入し、移動相Aは、0.01〜0.1%のトリフルオロ酢酸を含む5〜10%のアセトニトリルであり、移動相Bは、0.01〜0.1%のトリフルオロ酢酸を含む40〜60%のアセトニトリルであり、0〜8分は溶液Aで、8〜12分は溶液B(0〜100%)で、12〜16分は溶液Bで、流速0.8〜1.2mL/時で勾配溶出するように行われる。
前記逆相高速液体クロマトグラフィー・カラムは、その長さ/直径の比が25〜50であり、サンプルの体積は、カラム床の場合の1〜10%に達する。
本発明で使用される前記移動相Aは、0.02〜0.08%のトリフルオロ酢酸を含む5〜8%のアセトニトリルであり、移動相Bは、0.02〜0.08%のトリフルオロ酢酸を含む40〜60%のアセトニトリルであることが好ましい。
本発明の別の実施形態によれば、前記陰イオン交換カラムは、ジエチルアミノエチルで官能化された、アガロースDEAEセファロースCL−6B、DEAE−セファロースFF、あるいはグルカンDEAE−セファデックスA−25またはDEAE−セファデックスA−50から選択された陰イオン交換媒体を備えている。
前記陰イオン交換カラムは、DEAEセファロースCL−6B、DEAE−セファロースFF、またはDEAE−セファデックスA−25を備えていることが好ましい。
本発明の別の実施形態によれば、前記ゲル排除クロマトグラフィー・カラムは、不活性多孔質網状構造を有するグルカン セファデックスG−25、セファデックスG−50、あるいはポリアクリルアミン・ゲル バイオ−ゲル−P−4、バイオ−ゲル−P−6、またはバイオ−ゲル−P−10であり、タンパク質混合物中の物質を、分子のサイズに基づいて分離する。
前記ゲル排除クロマトグラフィー・カラムは、セファデックスG−25、セファデックスG−50、バイオ−ゲル−P−4、およびバイオ−ゲル−P−6から選択された媒体を有するカラムであることが好ましい。
本発明の別の実施形態によれば、前記逆相高速液体クロマトグラフィー・カラムは、ODS(オクタデシルシリル−シリカ)が充填されたSephasilペプチドC18またはポリマーC18である。
本発明から得られた免疫調節ポリペプチドの純度は、90%よりも高く、その生物学的利用能は、薬剤調製の基準を満たしている。
本発明から得られた免疫調節ポリペプチドは、免疫調節活性を有する健康食品を調製するための、十分な材料を提供する。
本発明から得られた免疫調節ポリペプチドの工業的収量は、1%であり、100gのウシ胎盤から1gの免疫調節ポリペプチドが得られる(乾燥ベースに基づく)。
本発明をより明瞭に理解するために、これより以降、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に記述する。
(実験方法の詳細な記述)
(1)in vitroでのリンパ球増殖の刺激
−細胞の培養−
1.脾臓リンパ球懸濁液の調製
滅菌条件下でマウスの脾臓を取り出し、リンパ球分離媒体によってリンパ球を分離し、細胞濃度を完全1640培養溶液で1×10/mlに調節する。
2.実験構成
対照群および実験群を別々に設定して、全ての成分による脾臓リンパ球増殖の刺激の活性を確認する。
3.実験方法
100μLのマウス脾臓リンパ球懸濁液(1×10/mL)を、96ウェル培養皿に添加する。100μLの生理食塩水/サンプルを、対照群および実験群に別々に添加する。均質になるまで穏かに混合し、インキュベータ内で、5%CO中37℃で68時間培養する。20μlのMTTを、滅菌条件下で全てのウェルに添加し、均質になるまで穏かに混合し、培養を4時間続け、100μlのジメチルスルホキシドを全てのウェルに添加し、室温に10分間保ち、次いでELISAにより570nmで、全てのウェルのODを測定する。
4.データ処理
実験群の脾臓リンパ球増殖率を、下式によって計算する。
Pの値を、分散分析によって計算し、有意差をT検定によって計算する。
(2)MALDI−TOF−MSによる、免疫調節ポリペプチドの分子量の測定。
(3)CIEFによる、免疫調節ポリペプチドの等電点の測定。
(4)タンパク質配列決定器による、免疫調節ポリペプチドの配列の決定。
(5)RP−HPLCおよびキャピラリー電気泳動による測定。
前述の方法(2)〜(5)は、当業者に知られている通常の方法である。
(実施例1)
A.胎盤の調製
新鮮なウシ胎盤を、洗浄し切断し、胎盤の2倍(w/v)のリン酸緩衝液(pH7.0)を添加し、ホモジネートを調製し、12000r/mで3分間遠心分離し、沈殿させ、上澄みを、分子量カットオフが10000の限外濾過膜によって限外濾過し、芳香族ポリアミド・ナノ濾過膜で脱塩し、凍結乾燥し、このようにして、免疫調節ポリペプチドを含有する凍結乾燥粉末サンプルを得た。
B.陰イオン交換クロマトグラフィー
30mgの凍結乾燥粉末を、濃度が20mmol/LのNaHPO−NaHPOを含む5mlのリン酸緩衝液(pH7.4)に溶解し、この溶液サンプルを、流速1ml/分で2.6×35cmのDEAEセファロースCL−6B陰イオン交換カラムに投入し、次いで勾配溶出した。前記勾配溶出は、溶出溶液Aが、20mmol/LのNaHPO−NaHPOリン酸緩衝液であり、溶出溶液Bが、1mol/LのNaCl溶液が添加された20mmol/LのNaHPO−NaHPOリン酸緩衝液であり、0〜600分では溶液Aで溶出し、600〜1000分では0〜100%の溶液Bで溶出した(0〜100%とは、溶液A100%および溶液B0%から、溶液A0%および溶液B100%までを意味する)。
陰イオン交換クロマトグラムを図1に示した。in vitroでのリンパ球増殖を刺激することによって決定された活性は、図2に示した。活性決定の結果は、陰イオン交換クロマトグラフィーから得られた組成物が、免疫調節ポリペプチドを含有することを示していた(矢印が示すピーク)。
C.ゲル排除クロマトグラフィー
陰イオン交換クロマトグラフィーから収集された、前述の免疫調節ポリペプチド成分1aを、流速8mL/時で、1.0×75cmのセファデックスG−25ゲル排除カラムに投入した。移動相は、20mmol/L(pH7.4)のNaHPO−NaHPOリン酸緩衝液であった。同じ勾配で溶出した。
ゲル排除クロマトグラムを、図3に示した。in vitroでのリンパ球増殖を刺激することによって決定された活性は、図4に示した。活性決定の結果は、ゲル排除クロマトグラフィーから得られた組成物が、免疫調節ポリペプチドを含有することを示していた(矢印が示すピーク)。
D.逆相高速液体クロマトグラフィー
ゲル排除クロマトグラフィーから収集された前述の免疫調節ポリペプチド成分1bを、流速1mL/分で、SephasilペプチドC18逆相高速液体クロマトグラフィー・カラムに投入した。移動相Aは、0.05%のトリフルオロ酢酸を含む10%アセトニトリルであり、移動相Bは、0.05%のトリフルオロ酢酸を含む60%アセトニトリルであり、0〜8分は溶液Aで、8〜12分は溶液Bで(0〜100%)、次いで12〜16分は溶液Bで勾配溶出した。
逆相高速液体クロマトグラムを、図5に示した。in vitroでリンパ球増殖を刺激することによって決定された活性は、図6に示した。活性決定の結果は、成分4が、高純度の免疫調節ポリペプチドであることを示した。
E.同定および分析
成分4をナノ濾過膜で脱塩し、凍結乾燥して、免疫調節ポリペプチド生成物を得た。SephasilペプチドC18RP−HPLCおよびキャピラリー電気泳動によって、生成物の純度を同定した。この結果を図7および図8にそれぞれに示したが、どちらもシングル・ピークであった。
MALDI−TOF−MSによって測定された免疫調節ポリペプチドの分子量は、2133.52Daであった。
CIEFによって測定された免疫調節ポリペプチドの等電点は、3.82であった。
491−タンパク質配列決定機によって決定された免疫調節ポリペプチドのペプチド配列は、Tyr−X−Phe−Leu−Gly−Leu−Pro−Gly−X−Thr(X、アミノ酸)であった。
(実施例2)
A.胎盤の調製
新鮮なウシ胎盤を、洗浄し切断し、胎盤の2倍(w/v)のリン酸緩衝液(pH7.0)を添加し、ホモジネートを調製し、12000r/mで遠心分離し、沈殿させ、上澄みを、分子量カットオフが10000の限外濾過膜によって限外濾過し、芳香族ポリアミド・ナノ濾過膜で脱塩し、凍結乾燥し、このようにして、免疫調節ポリペプチドを含有する凍結乾燥粉末サンプルを得た。
B.陰イオン交換クロマトグラフィー
30mgの凍結乾燥粉末を、濃度が20mmol/LのNaHPO−NaHPOを含む5mlのpH6.8リン酸緩衝液に溶解し、この溶液サンプルを、流速1ml/分で2.6×35cmのDEAEセファロースCL−6B陰イオン交換カラムに投入し、次いで勾配溶出した。前記勾配溶出は、溶出溶液Aが、20mmol/LのNaHPO−NaHPOリン酸緩衝液であり、溶出溶液Bが、1mol/LのNaCl溶液が添加された20mmol/LのNaHPO−NaHPOリン酸緩衝液であり、0〜600分は溶液Aで溶出し、600〜1000分は0〜100%の溶液Bで溶出した。
陰イオン交換クロマトグラム、およびin vitroでのリンパ球増殖を刺激することによって決定された活性は、それぞれ図1および図2と類似していた。活性決定の結果は、陰イオン交換クロマトグラフィーから得られた組成物が、免疫調節ポリペプチド1を含有することを示していた(矢印が示すピーク)。
C.ゲル排除クロマトグラフィー
陰イオン交換クロマトグラフィーから収集された、前述の免疫調節ポリペプチド成分1aを、流速10mL/時で、1.0×75cmのセファデックスG−25ゲル排除カラムに投入した。移動相は、20mmol/L(pH6.8)のNaHPO−NaHPOリン酸緩衝液であった。同じ勾配で溶出した。
ゲル排除クロマトグラム、およびin vitroでのリンパ球増殖を刺激することによって決定された活性は、それぞれ図3および図4と類似していた。活性決定の結果は、ゲル排除クロマトグラフィーから得られた組成物が、免疫調節ポリペプチドを含有することを示していた(矢印が示すピーク)。
D.逆相高速液体クロマトグラフィー
ゲル排除クロマトグラフィーから収集された前述の免疫調節ポリペプチド成分1bを、流速1mL/分で、SephasilペプチドC18逆相高速液体クロマトグラフィー・カラムに投入した。移動相Aは、0.05%のトリフルオロ酢酸を含む8%アセトニトリルであり、移動相Bは、0.05%のトリフルオロ酢酸を含む55%アセトニトリルであり、0〜8分は溶液Aで、8〜12分は溶液Bで(0〜100%)、次いで12〜16分は溶液Bで勾配溶出した。
逆相高速液体クロマトグラム、およびin vitroでリンパ球増殖を刺激することによって決定された活性は、それぞれ図5および図6と類似していた。活性決定の結果は、成分4が、高純度の免疫調節ポリペプチドであることを示した。
E.同定および分析
成分4をナノ濾過膜で脱塩し、凍結乾燥して、免疫調節ポリペプチド生成物を得た。SephasilペプチドC18RP−HPLCおよびキャピラリー電気泳動によって、生成物の純度を同定した。これらの結果は、それぞれ図7および図8と類似しており、どちらもシングル・ピークであった。
MALDI−TOF−MSによって測定された免疫調節ポリペプチドの分子量は、2133.52Daであった。
CIEFによって測定された免疫調節ポリペプチドの等電点は、3.82であった。
491−タンパク質配列決定器によって決定された免疫調節ポリペプチドのペプチド配列は、Tyr−X−Phe−Leu−Gly−Leu−Pro−Gly−X−Thr(X、アミノ酸)であった。
(実施例3)
A.胎盤の調製
新鮮なウシ胎盤を、洗浄し切断し、胎盤の2倍(w/v)のリン酸緩衝液(pH7.0)を添加し、ホモジネートを調製し、12000r/mで遠心分離し、沈殿させ、上澄みを、分子量カットオフが10000の限外濾過膜によって限外濾過し、芳香族ポリアミド・ナノ濾過膜で脱塩し、凍結乾燥し、このようにして、免疫調節ポリペプチドを含有する凍結乾燥粉末サンプルを得た。
B.陰イオン交換クロマトグラフィー
30mgの凍結乾燥粉末を、濃度が20mmol/LのNaHPO−NaHPOを含む5mlのpH7.2リン酸緩衝液に溶解し、この溶液サンプルを、流速1ml/分で2.6×35cmのDEAEセファロースCL−6B陰イオン交換カラムに投入し、次いで勾配溶出した。前記勾配溶出は、溶出溶液Aが、20mmol/LのNaHPO−NaHPOリン酸緩衝液であり、溶出溶液Bが、1mol/LのNaCl溶液が添加された20mmol/LのNaHPO−NaHPOリン酸緩衝液であり、0〜600分は溶液Aで溶出し、600〜1000分は0〜100%の溶液Bで溶出した。
陰イオン交換クロマトグラム、およびin vitroでのリンパ球増殖を刺激することによって決定された活性は、それぞれ図1および図2と類似していた。活性決定の結果は、陰イオン交換クロマトグラフィーから得られた組成物が、免疫調節ポリペプチド1を含有することを示していた(矢印が示すピーク)。
C.ゲル排除クロマトグラフィー
陰イオン交換クロマトグラフィーから収集された、前述の免疫調節ポリペプチド成分1aを、流速12mL/時で、1.0×75cmのセファデックスG−25ゲル排除カラムに投入した。移動相は、20mmol/L(pH7.2)のNaHPO−NaHPOリン酸緩衝液であった。同じ勾配で溶出した。
ゲル排除クロマトグラム、およびin vitroでのリンパ球増殖を刺激することによって決定された活性は、それぞれ図3および図4と類似していた。活性決定の結果は、ゲル排除クロマトグラフィーから得られた組成物が、免疫調節ポリペプチドを含有することを示していた(矢印が示すピーク)。
D.逆相高速液体クロマトグラフィー
ゲル排除クロマトグラフィーから収集された前述の免疫調節ポリペプチド成分1bを、流速1mL/分で、SephasilペプチドC18逆相高速液体クロマトグラフィー・カラムに投入した。移動相Aは、0.05%のトリフルオロ酢酸を含む5%アセトニトリルであり、移動相Bは、0.05%のトリフルオロ酢酸を含む45%アセトニトリルであり、0〜8分は溶液Aで、8〜12分は溶液Bで(0〜100%)、次いで12〜16分は溶液Bで勾配溶出した。
逆相高速液体クロマトグラム、およびin vitroでリンパ球増殖を刺激することによって決定された活性は、それぞれ図5および図6と類似していた。活性決定の結果は、成分4が、高純度の免疫調節ポリペプチドであることを示した。
E.同定および分析
成分4をナノ濾過膜で脱塩し、凍結乾燥して、免疫調節ポリペプチド生成物を得た。SephasilペプチドC18RP−HPLCおよびキャピラリー電気泳動によって、生成物の純度を同定した。これらの結果は、それぞれ図7および図8と類似しており、どちらもシングル・ピークであった。
MALDI−TOF−MSによって測定された免疫調節ポリペプチドの分子量は、2133.52Daであった。
CIEFによって測定された免疫調節ポリペプチドの等電点は、3.82であった。
491−タンパク質配列決定器によって決定された免疫調節ポリペプチドのペプチド配列は、Tyr−X−Phe−Leu−Gly−Leu−Pro−Gly−X−Thr(X、アミノ酸)であった。
(実施例4)
A.胎盤の調製
新鮮なウシ胎盤を、洗浄し切断し、胎盤の2倍(w/v)のリン酸緩衝液(pH7.0)を添加し、ホモジネートを調製し、12000r/mで遠心分離し、沈殿させ、上澄みを、分子量カットオフが10000の限外濾過膜によって限外濾過し、芳香族ポリアミド・ナノ濾過膜で脱塩し、凍結乾燥し、このようにして、免疫調節ポリペプチドを含有する凍結乾燥粉末サンプルを得た。
B.陰イオン交換クロマトグラフィー
30mgの凍結乾燥粉末を、濃度が20mmol/LのNaHPO−NaHPOを含む5mlのpH7.2リン酸緩衝液に溶解し、この溶液サンプルを、流速1ml/分で2.6×35cmのDEAEセファロースCL−6B陰イオン交換カラムに投入し、次いで勾配溶出した。前記勾配溶出は、溶出溶液Aが、20mmol/LのNaHPO−NaHPOリン酸緩衝液であり、溶出溶液Bが、1mol/LのNaCl溶液が添加された20mmol/LのNaHPO−NaHPOリン酸緩衝液であり、0〜600分は溶液Aで溶出し、600〜1000分は0〜100%の溶液Bで溶出した。
陰イオン交換クロマトグラム、およびin vitroでのリンパ球増殖を刺激することによって決定された活性は、それぞれ図1および図2と類似していた。活性決定の結果は、陰イオン交換クロマトグラフィーから得られた組成物が、免疫調節ポリペプチド1を含有することを示していた(矢印が示すピーク)。
C.ゲル排除クロマトグラフィー
陰イオン交換クロマトグラフィーから収集された、前述の免疫調節ポリペプチド成分1aを、流速12mL/時で、1.0×75cmのセファデックスG−25ゲル排除カラムに投入した。移動相は、20mmol/L(pH7.2)のNaHPO−NaHPOリン酸緩衝液であった。同じ勾配で溶出した。
ゲル排除クロマトグラム、およびin vitroでのリンパ球増殖を刺激することによって決定された活性は、それぞれ図3および図4と類似していた。活性決定の結果は、ゲル排除クロマトグラフィーから得られた組成物が、免疫調節ポリペプチドを含有することを示していた(矢印が示すピーク)。
D.逆相高速液体クロマトグラフィー
ゲル排除クロマトグラフィーから収集された前述の免疫調節ポリペプチド成分1bを、流速1mL/分で、SephasilペプチドC18逆相高速液体クロマトグラフィー・カラムに投入した。移動相Aは、0.05%のトリフルオロ酢酸を含む5%アセトニトリルであり、移動相Bは、0.05%のトリフルオロ酢酸を含む60%アセトニトリルであり、0〜8分は溶液Aで、8〜12分は溶液Bで(0〜100%)、次いで12〜16分は溶液Bで勾配溶出した。
逆相高速液体クロマトグラム、およびin vitroでリンパ球増殖を刺激することによって決定された活性は、それぞれ図5および図6と類似していた。活性決定の結果は、成分4が、高純度の免疫調節ポリペプチドであることを示した。
E.同定および分析
成分4をナノ濾過膜で脱塩し、凍結乾燥して、免疫調節ポリペプチド生成物を得た。SephasilペプチドC18RP−HPLCおよびキャピラリー電気泳動によって、生成物の純度を同定した。これらの結果は、それぞれ図7および図8と類似しており、どちらもシングル・ピークであった。
MALDI−TOF−MSによって測定された免疫調節ポリペプチドの分子量は、2133.52Daであった。
CIEFによって測定された免疫調節ポリペプチドの等電点は、3.82であった。
491−タンパク質配列決定器によって決定された免疫調節ポリペプチドのペプチド配列は、Tyr−X−Phe−Leu−Gly−Leu−Pro−Gly−X−Thr(X、アミノ酸)であった。
(実施例5)
A.胎盤の調製
新鮮なウシ胎盤を、洗浄し切断し、胎盤の2倍(w/v)のリン酸緩衝液(pH7.0)を添加し、ホモジネートを調製し、12000r/mで遠心分離し、沈殿させ、上澄みを、分子量カットオフが10000の限外濾過膜によって限外濾過し、芳香族ポリアミド・ナノ濾過膜で脱塩し、凍結乾燥し、このようにして、免疫調節ポリペプチドを含有する凍結乾燥粉末サンプルを得た。
B.陰イオン交換クロマトグラフィー
30mgの凍結乾燥粉末を、濃度が20mmol/LのNaHPO−NaHPOを含む5mlのpH7.4リン酸緩衝液に溶解し、この溶液サンプルを、流速1ml/分で2.6×35cmのDEAEセファロースCL−6B陰イオン交換カラムに投入し、次いで勾配溶出した。前記勾配溶出は、溶出溶液Aが、20mmol/LのNaHPO−NaHPOリン酸緩衝液であり、溶出溶液Bが、1mol/LのNaCl溶液が添加された20mmol/LのNaHPO−NaHPOリン酸緩衝液であり、0〜600分は溶液Aで溶出し、600〜1000分は0〜100%の溶液Bで溶出した(0〜100%とは、100%の溶液Aおよび0%の溶液Bから、0%の溶液Aおよび100%の溶液Bまでを意味する)。
陰イオン交換クロマトグラム、およびin vitroでのリンパ球増殖を刺激することによって決定された活性は、それぞれ図1および図2と類似していた。活性決定の結果は、陰イオン交換クロマトグラフィーから得られた組成物が、免疫調節ポリペプチド1を含有することを示していた(矢印が示すピーク)。
C.ゲル排除クロマトグラフィー
陰イオン交換クロマトグラフィーから収集された、前述の免疫調節ポリペプチド成分1aを、流速10mL/時で、1.0×75cmのセファデックスG−25ゲル排除カラムに投入した。移動相は、20mmol/L(pH7.4)のNaHPO−NaHPOリン酸緩衝液であった。同じ勾配で溶出した。
ゲル排除クロマトグラム、およびin vitroでのリンパ球増殖を刺激することによって決定された活性は、それぞれ図3および図4と類似していた。活性決定の結果は、ゲル排除クロマトグラフィーから得られた組成物が、免疫調節ポリペプチドを含有することを示していた(矢印が示すピーク)。
D.逆相高速液体クロマトグラフィー
ゲル排除クロマトグラフィーから収集された前述の免疫調節ポリペプチド成分1bを、流速1mL/分で、SephasilペプチドC18逆相高速液体クロマトグラフィー・カラムに投入した。移動相Aは、0.05%のトリフルオロ酢酸を含む10%アセトニトリルであり、移動相Bは、0.05%のトリフルオロ酢酸を含む40%アセトニトリルであり、0〜8分は溶液Aで、8〜12分は溶液Bで(0〜100%)、次いで12〜16分は溶液Bで勾配溶出した。
逆相高速液体クロマトグラムは、図5と類似しており、in vitroでのリンパ球増殖を刺激することによって決定された活性は、図6と類似していた。活性決定の結果は、成分4が、高純度の免疫調節ポリペプチドであることを示した。
E.同定および分析
成分4をナノ濾過膜で脱塩し、凍結乾燥して、免疫調節ポリペプチド生成物を得た。SephasilペプチドC18RP−HPLCおよびキャピラリー電気泳動によって、生成物の純度を同定した。これらの結果は、それぞれ図7および図8と類似しており、どちらもシングル・ピークであった。
MALDI−TOF−MSによって測定された免疫調節ポリペプチドの分子量は、2133.52Daであった。
CIEFによって測定された免疫調節ポリペプチドの等電点は、3.82であった。
491−タンパク質配列決定器によって決定された免疫調節ポリペプチドのペプチド配列は、Tyr−X−Phe−Leu−Gly−Leu−Pro−Gly−X−Thr(X、アミノ酸)であった。
逆相高速液体クロマトグラフィーによって使用された溶液Bは、0.05%のトリフルオロ酢酸を含む40%アセトニトリルであり、その他の操作条件は、実施例1と同じであった。
前述の実施形態は、ウシ胎盤から免疫調節ポリペプチドを分離するための方法を説明するのに使用され、本発明の範囲を限定するものではない。しかし、本発明の同じ目的を達成するために、本発明の技術的思想および範囲を逸脱することなく様々な修正および変更を行うことができることは、当業者にしてみれば明らかなことである。
DEAEセファロースCL−6B陰イオン交換カラム上での、本発明の一実施形態で免疫調節ポリペプチドの分離から得られたクロマトグラムである。図1のピーク1aは、免疫調節ポリペプチドを含有する成分である。 DEAEセファロースCL−6B陰イオン交換カラム上での、本発明の一実施形態で免疫調節ポリペプチドから分離された、in vitroでのリンパ球増殖を刺激するための4成分の棒グラフである。図2の成分1aは、免疫調節ポリペプチドを含有する成分である。 セファデックスG−25ゲル排除クロマトグラフィー・カラム上での、本発明の一実施形態で免疫調節ポリペプチドの分離から得られたクロマトグラムである。図3のピーク1bは、免疫調節ポリペプチドを含有する成分である。 セファデックスG−25ゲル排除クロマトグラフィー・カラム上での、本発明の一実施形態で免疫調節ポリペプチドから分離された、in vitroでのリンパ球増殖を刺激するための2成分の棒グラフである。図4の成分1bは、免疫調節ポリペプチドを含有する成分である。 SephasilペプチドC18逆相高速液体クロマトグラフィー・カラム上での、本発明の一実施形態で免疫調節ポリペプチドの分離から得られたクロマトグラムである。図5のピーク4は、免疫調節ポリペプチドを含有する成分である。 SephasilペプチドC18逆相高速液体クロマトグラフィー・カラム上での、本発明の一実施形態で免疫調節ポリペプチドの分離から得られた、in vitroでのリンパ球増殖を刺激するための7成分の棒グラフである。図6の成分4は、免疫調節ポリペプチドを含有する成分である。 SephasilペプチドC18逆相高速液体クロマトグラフィーによって測定された、本発明の一実施形態における免疫調節ポリペプチドの純度を示す図である。純度は、90%よりも高い。 キャピラリー電気泳動によって測定された、本発明の一実施形態における免疫調節ポリペプチドの純度を示す図である。

Claims (9)

  1. 免疫調節ポリペプチドの分子量が2133.52Daであり、等電点が3.82であり、ペプチド配列がTyr−X−Phe−Leu−Gly−Leu−Pro−Gly−X−ThrであってXがアミノ酸であることを特徴とする、ウシ胎盤から分離された免疫調節ポリペプチド。
  2. 新鮮なウシ胎盤を取り出し、水を加え、切断し、均質化し、遠心分離し、限外濾過し、ナノ濾過膜で脱塩し、凍結乾燥することを含む、ウシ胎盤から分離された免疫調節ポリペプチドを調製するための方法であって、前記凍結乾燥するステップによって得られた凍結乾燥粉末をリン酸緩衝液に溶解し、陰イオン交換クロマトグラフィー、ゲル排除クロマトグラフィー、および逆相高速液体クロマトグラフィーを使用して溶液を分離し、逆相高速液体クロマトグラフィーから収集された成分をナノ濾過膜で脱塩し、凍結乾燥し、RP−HPLCおよびキャピラリー電気泳動によって免疫調節ポリペプチド生成物を測定し、どちらの結果もシングル・ピークであり、次いでMALDI−TOF−MSによって分子量を測定し、CIEFによって等電点を測定し、タンパク質配列決定機によってペプチド配列を決定することを含むことを特徴とする方法。
  3. 前記陰イオン交換クロマトグラフィーが、溶液サンプルとして10〜30mmol/L(pH6.8〜7.5)のリン酸緩衝液中に前記凍結乾燥粉末を4〜10:1(w:vol)で溶解し、前記溶液サンプルを、0.5〜1.5mL/分の流速で陰イオン交換カラムに投入し、0.5〜1.5mL/分の流速で勾配溶出し、in vitroでリンパ球増殖の刺激を介したMTT法による決定が行われ、スクリーニングが行われ、免疫調節ポリペプチドを含有する成分を、陰イオン交換クロマトグラフィーによって分離した後に収集されるように行われ、
    前記勾配溶出において、溶出溶液Aは、リン酸緩衝液10〜30mol/Lであり、溶出溶液Bは、溶液Aに0.5〜1.5mol/LのNaCl溶液を添加することによって調製された溶液であり、0〜600分では溶液Aで、600〜1000分では0〜100%の溶液Bで溶出することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ゲル排除クロマトグラフィーが、陰イオン交換クロマトグラフィーから収集された免疫調節ポリペプチド成分を、8〜12mL/時の流速で、10〜30mmol/L(pH6.8〜7.5)のリン酸緩衝液である移動相で、ゲル排除カラム上に直接投入し、8〜12mL/時の流速で、同じ勾配溶出により溶出し、in vitroでのリンパ球増殖の刺激を介したMTT法による決定が行われ、スクリーニングが行われ、そして、陰イオン交換クロマトグラフィーによって分離した後に、免疫調節ポリペプチドを含有する成分が収集されるように行われることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  5. 前記逆相高速液体クロマトグラフィーは、ゲル排除クロマトグラフィーから収集された免疫調節ポリペプチド成分を、逆相高速液体クロマトグラフィー・カラムに、0.8〜1.2mL/分の流速で、直接投入し、移動相Aは、0.01〜0.1%のトリフルオロ酢酸を含む5〜10%のアセトニトリルであり、移動相Bは、0.01〜0.1%のトリフルオロ酢酸を含む40〜60%のアセトニトリルであり、0〜8分は溶液Aで、8〜12分は溶液B(0〜100%)で、12〜16分は溶液Bで、流速0.8〜1.2mL/時で勾配溶出するように行われることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  6. 前記陰イオン交換カラムが、ジエチルアミノエチルで官能化された、アガロースDEAEセファロースCL−6BまたはDEAEセファロースFF、あるいはグルカンDEAE−セファデックスA−25またはDEAE−セファデックスA−50から選択された陰イオン交換媒体を備えることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  7. 前記ゲル排除クロマトグラフィー・カラムが、不活性多孔質網状構造を有する、グルカン セファデックスG−25、セファデックスG−50、またはポリアクリルアミン・ゲル バイオ−ゲル−P−4、バイオ−ゲル−P−6、またはバイオ−ゲル−P−10であり、タンパク質混合物中の物質を、分子のサイズに基づいて分離することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  8. 前記逆相高速液体クロマトグラフィー・カラムが、ODS逆相充填材が充填されたSephasilペプチドC18またはポリマーC18であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  9. 前記溶液サンプルが、10〜30mmol/L(pH6.8〜7.5)のNaHPO−NaHPO緩衝液であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
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