JP2008535490A - pH操作によるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖からの混入物の分離 - Google Patents
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Abstract
Description
(a)(i)ダイズベースの培地が入っている第1容器に、選択された血清型の種培養原液を接種し、成長必要量を満たすまでその第1容器をインキュベートすること、および
(ii)ダイズベースの培地が入っている第2容器に工程(i)からの培養物を、第2容器中で安定なpHおよび温度を維持しながら接種すること
を含む、ダイズベースの培地で選択されたエス.ニューモニエ血清型を成長させる工程と;
(b)界面活性剤を用いて、工程(a)で生産された細菌細胞を溶解することによって、可溶性タンパク質、細胞の残骸、核酸、および多糖を含有する溶解物を生産する工程と;
(c)完全な溶解および多糖の放出を確実にするのに十分な時間、細胞溶解物を撹拌する工程と;
(d)細胞溶解物のpHを5.5未満に低下させて界面活性剤および大部分の可溶性タンパク質を沈殿させる工程と;
(e)工程(d)で形成した溶液および沈殿を、沈殿を沈降させるのに十分な時間撹拌せずに維持する工程と;
(f)遠心分離および/または濾過により、溶液および沈殿を処理する工程と
を含み、それにより、溶液中の莢膜多糖は維持され、可溶性タンパク質は効果的に減少する。
(a)ダイズベースの培地中で、出発容器から生産規模の容器まで漸増する容量で、選択されたエス.ニューモニエ血清型を増大させ、細胞の成長の間に安定なpHおよび温度を維持する工程と;
(b)界面活性剤を用いて、工程(a)で生産された細菌細胞を溶解させることにより、可溶性タンパク質、細胞の残骸、核酸、および多糖を含有する溶解物を生産する工程と;
(c)完全な溶解および多糖の放出を確実にするのに十分な時間、細胞溶解物を撹拌する工程と;
(d)細胞溶解物のpHを5.5未満に低下させて界面活性剤および大部分の可溶性タンパク質を沈殿させる工程と;
(e)工程(d)で形成した溶液および沈殿を、沈殿を沈降させるのに十分な時間撹拌せずに維持する工程と;
(f)遠心分離および/または濾過により溶液および沈殿を処理する工程と
を含み、それにより、溶液中の莢膜多糖は維持され、可溶性タンパク質は効果的に低減する。
エス.ニューモニエ血清型1、6A、および7Fの細胞溶解物中のタンパク質の減少
マスターセルバンクおよびワーキングセルバンクの調製
エス.ニューモニエ血清型1をAmerican Type Culture Collection(ATCC)6301株から得た。エス.ニューモニエ血清型6Aおよび7Fはニューヨーク州立大学のGerald Shiffman博士から得た。その株を増大させ、動物起源の成分を除去するために数世代の種培養原液を作った(F1、F2、およびF3世代)。種培養原液のさらなる2世代を生産した。このさらなる第1世代はF3バイアルから作り、次の世代は追加の第1世代のバイアルから作った。凍結保存剤として合成グリセロールを用いて、種培養バイアルを凍結保存した(<−70℃)。凍結したバイアルに加えて、F4世代について凍結乾燥バイアルを用意した。細胞バンクの調製物について、全ての培養物をダイズベースの培地中で成長させた。凍結前に、遠心分離により細胞を濃縮し、使用済みの培地を除去し、合成グリセロールなどの凍結保存剤を含有する新鮮培地中に細胞のペレットを再懸濁した。
ワーキングセルバンクからの培養物を使用して、ダイズベースの培地が入っている種培養ボトルに接種した(表2)。成長必要量を満たすまで、撹拌せずにボトルを36±2℃でインキュベートした。種培養ボトルを使用して、ダイズベースの培地が入っている種培養発酵槽に接種した。3N NaOHでpHを約7に維持した。標的吸光度に達した後で、種培養発酵槽を使用してダイズベースの培地が入っている生産発酵槽に接種した。3N NaOHでpHを維持した。成長の停止後に、または発酵槽の作業容量に達したときに発酵を終了した。ブロス中に0.12%〜0.13%濃度となり、細菌細胞を溶解させ細胞関連多糖を放出させるように、適切な量の滅菌12%デオキシコール酸ナトリウムを培養物に添加した。溶解後に、発酵槽の内容物を7℃から13℃の温度で8から24時間の時間間隔で撹拌して、完全な細胞溶解および多糖の放出を確実に起こした。この維持時間中の撹拌は、溶解物の沈渣が発酵槽の壁およびpHプローブに付着するのを防止することにより、pHプローブの完全性を維持させた。次に、50%酢酸を用いて、溶解された培養ブロスのpHを約pH5.0に調整した。温度15℃から25℃で12から24時間の時間間隔で撹拌しない維持時間後に、以前に可溶性であったタンパク質のかなりの部分が固体沈殿として溶液から沈み、溶液中に残留した多糖の損失も分解もほとんどなかった。次に、連続フロー遠心分離に続くデプスフィルター処理および0.45μmの精密濾過により、沈殿を有する溶液を清澄にした。
エス.ニューモニエ血清型5の細胞溶解物中のタンパク質の減少
エス.ニューモニエ血清型5は、ニューヨーク州立大学(ブルックリン、ニューヨーク)のGerald Schiffman博士から入手した。細胞バンクシステムの調製については、実施例1を参照されたい。
ワーキングセルバンクからの培養物を使用して、上(表2)に記載したダイズベースの培地が入っている種培養ボトルに接種した。この培地には滅菌NaHCO3溶液を10mM濃度で補充してあった。成長必要量を満たすまで、撹拌せずにボトルを36±2℃でインキュベートした。種培養ボトルを使用して、10mM濃度のNaCO3を有するダイズベースの培地が入っている種培養発酵槽に接種した。3N NaOHでpHを約7.0に維持した。標的吸光度に達した後で、種培養発酵槽を使用して10mM濃度のNaCO3を有するダイズベースの培地が入っている生産発酵槽に接種した。3N NaOHでpHを維持した。成長の停止後に、または発酵槽の作業容量に達したときに発酵を終了した。ブロス中に0.12%〜0.13%濃度となり、細菌細胞を溶解させ細胞関連多糖を放出させるように、適切な量の滅菌12%デオキシコール酸ナトリウムを培養物に添加した。溶解後に、発酵槽の内容物を7℃から13℃の温度で8から24時間の時間間隔で撹拌して、完全な細胞溶解および多糖の放出を確実に起こした。この維持時間中の撹拌は、溶解物の沈渣が発酵槽の壁およびpHプローブに付着するのを防止することにより、pHプローブの完全性を維持させた。次に、50%酢酸を用いて、溶解された培養ブロスのpHを約pH4.8に調整した。温度15℃から25℃で12から24時間の時間間隔で撹拌しない維持時間後に、以前に可溶性であったタンパク質のかなりの部分が固体沈殿として溶液から沈み、溶液中に残留した多糖の損失も分解もほとんどなかった。次に、連続フロー遠心分離に続くデプスフィルター処理および0.45μmの精密濾過により、沈殿を有する溶液を清澄にした。
Claims (19)
- 精製前にストレプトコッカス・ニューモニエの複合細胞溶解物ブロス中のタンパク質含量を減少させ、莢膜多糖含量を維持するための方法であって、
(a)(i)ダイズベースの培地を含有する第1容器に、選択された血清型の種培養原液を接種し、成長必要量を満たすまでその第1容器をインキュベートし、および
(ii)ダイズベースの培地を含有する第2容器に、工程(i)からの培養物を、第2容器中で安定なpHおよび温度を維持しながら接種すること
を含む、ダイズベースの培地にて選択されたエス.ニューモニエ血清型を成長させる工程と;
(b)界面活性剤を用いて、工程(a)で生産された細菌細胞を溶解させ、それによって、可溶性タンパク質、細胞の残骸、核酸、および多糖を含有する溶解物を生産する工程と;
(c)完全な溶解および多糖の放出を確実にするのに十分な時間、細胞溶解物を撹拌する工程と;
(d)細胞溶解物のpHを5.5未満に低下させて界面活性剤および大部分の可溶性タンパク質を沈殿させる工程と;
(e)工程(d)で形成した溶液および沈殿物を、沈殿物を沈降させるのに十分な時間撹拌せずに維持する工程と;
(f)遠心分離および/または濾過により、溶液および沈殿物を処理する工程と
を含み、それにより、溶液中の莢膜多糖が維持され、可溶性タンパク質を効果的に減少させる、方法。 - 選択されるストレプトコッカス・ニューモニエの血清型が1、4、5、6A、6B、7Fまたは19Aであるところの、請求項1記載の方法。
- 界面活性剤がデオキシコール酸ナトリウムであるところの、請求項1記載の方法。
- 工程(d)のpHを4.5と5.5未満の間に低下させるところの、請求項1記載の方法。
- 工程(a)のpHが水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムまたはその組合せの塩基の供給により維持されるところの、請求項1記載の方法。
- 精製前にストレプトコッカス・ニューモニエの複合細胞溶解物ブロス中のタンパク質含量を減少させ、莢膜多糖含量を維持するための方法であって、
(a)ダイズベースの培地中で、出発容器から生産規模の容器まで漸増する容量で、選択されたエス.ニューモニエ血清型を増大させ、細胞の成長の間に安定なpHおよび温度を維持する工程と;
(b)界面活性剤を用いて、工程(a)で生産された細菌細胞を溶解させ、それにより可溶性タンパク質、細胞の残骸、核酸、および多糖を含有する溶解物を生産する工程と;
(c)完全な溶解および多糖の放出を確実にするのに十分な時間、細胞溶解物を撹拌する工程と;
(d)細胞溶解物のpHを5.5未満に低下させて界面活性剤および大部分の可溶性タンパク質を沈殿させる工程と;
(e)工程(d)で形成した溶液および沈殿物を、沈殿物を沈降させるのに十分な時間撹拌せずに維持する工程と;
(f)遠心分離および/または濾過により溶液および沈殿物を処理する工程と
を含み、それにより、溶液中の莢膜多糖が維持され、可溶性タンパク質を効果的に低減させる、方法。 - 選択されるストレプトコッカス・ニューモニエの血清型が1、4、5、6A、6B、7Fまたは19Aであるところの、請求項6記載の方法。
- 界面活性剤がデオキシコール酸ナトリウムであるところの、請求項6記載の方法。
- 工程(d)のpHを4.5と5.5未満の間に低下させるところの、請求項6記載の方法。
- 工程(a)のpHが水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムまたはその組合せの塩基の供給により維持されるところの、請求項6記載の方法。
- 精製前にストレプトコッカス・ニューモニエの複合細胞溶解物ブロス中のタンパク質含量を減少させ、莢膜多糖含量を維持するための方法であって、
(a)ダイズベースの培地中で、出発容器から生産規模の容器まで漸増する容量で、血清型1、4、6A、6Bおよび7Fからなる群より選択されたエス.ニューモニエ血清型を増大させ、細胞の成長の間に安定なpHおよび温度を維持し、そのpHが水酸化ナトリウムで維持される工程と;
(b)界面活性剤を用いて、工程(a)で生産された細菌細胞を溶解させ、それにより可溶性タンパク質、細胞の残骸、核酸、および多糖を含有する溶解物を生産する工程と;
(c)完全な溶解および多糖の放出を確実にするのに十分な時間、細胞溶解物を撹拌する工程と;
(d)細胞溶解物のpHを5.5未満に低下させて界面活性剤および大部分の可溶性タンパク質を沈殿させる工程と;
(e)工程(d)で形成した溶液および沈殿物を、沈殿物を沈降させるのに十分な時間撹拌せずに維持する工程と;
(f)遠心分離および/または濾過により溶液および沈殿物を処理する工程と
を含み、それにより、溶液中の莢膜多糖は維持され、可溶性タンパク質を効果的に低減させる、方法。 - 界面活性剤がデオキシコール酸ナトリウムであるところの、請求項11記載の方法。
- 工程(d)のpHを4.5と5.5未満の間に低下させるところの、請求項11記載の方法。
- 精製前にストレプトコッカス・ニューモニエの複合細胞溶解物ブロス中のタンパク質含量を減少させ、莢膜多糖含量を維持するための方法であって、
(a)炭酸水素ナトリウムを補足したダイズベースの培地中で、出発容器から生産規模の容器まで漸増する容量で、エス.ニューモニエ血清型5を増大させ、細胞の成長の間に安定なpHおよび温度を維持し、そのpHが水酸化ナトリウムで維持される工程と;
(b)界面活性剤を用いて、工程(a)で生産された細菌細胞を溶解させ、それにより可溶性タンパク質、細胞の残骸、核酸、および多糖を含有する溶解物を生産する工程と;
(c)完全な溶解および多糖の放出を確実にするのに十分な時間、細胞溶解物を撹拌する工程と;
(d)細胞溶解物のpHを5.5未満に低下させて界面活性剤および大部分の可溶性タンパク質を沈殿させる工程と;
(e)工程(d)で形成した溶液および沈殿物を、沈殿物を沈降させるのに十分な時間撹拌せずに維持する工程と;
(f)遠心分離および/または濾過により溶液および沈殿物を処理する工程と
を含み、それにより、溶液中の莢膜多糖が維持され、可溶性タンパク質を効果的に低減させる、方法。 - 界面活性剤がデオキシコール酸ナトリウムであるところの、請求項14記載の方法。
- 工程(d)のpHを4.5と5.5未満の間に低下させるところの、請求項14記載の方法。
- 精製前にストレプトコッカス・ニューモニエの複合細胞溶解物ブロス中のタンパク質含量を減少させ、莢膜多糖含量を維持するための方法であって、
(a)炭酸水素ナトリウムを補足したダイズベースの培地中で、出発容器から生産規模の容器まで漸増する容量で、エス.ニューモニエ血清型19Aを増大させ、細胞の成長の間に安定なpHおよび温度を維持し、そのpHが水酸化ナトリウムで維持される工程と;
(b)界面活性剤を用いて、工程(a)で生産された細菌細胞を溶解させ、それにより可溶性タンパク質、細胞の残骸、核酸、および多糖を含有する溶解物を生産する工程と;
(c)完全な溶解および多糖の放出を確実にするのに十分な時間、細胞溶解物を撹拌する工程と;
(d)細胞溶解物のpHを5.5未満に低下させて界面活性剤および大部分の可溶性タンパク質を沈殿させる工程と;
(e)工程(d)で形成した溶液および沈殿物を、沈殿物を沈降させるのに十分な時間撹拌せずに維持する工程と;
(f)遠心分離および/または濾過により溶液および沈殿物を処理する工程と
を含み、それにより、溶液中の莢膜多糖が維持され、可溶性タンパク質を効果的に低減させる、方法。 - 界面活性剤がデオキシコール酸ナトリウムであるところの、請求項17記載の方法。
- 工程(d)のpHを4.5と5.5未満の間に低下させるところの、請求項17記載の方法。
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