JP2008533231A - 特性の改良された硫酸セルロースを製造する方法 - Google Patents

特性の改良された硫酸セルロースを製造する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は硫酸セルロースの生産方法に関し、それは完全に水溶性であり水溶液中で調節可能な溶液粘度を有することから、生成された硫酸セルロースナトリウム(SCS)は、生物学的および医療用途のために理想的な生物学的適合性がある補助材料として適格になり、それは特に例えば組織、細胞、微生物、酵素またはウイルスなどの生物学的対象物のマイクロカプセル内へのカプセル封入および固定化に適する。

Description

本発明は、特性の改良された位置選択的置換の硫酸セルロースナトリウム(SCS)の製造プロセス、ならびに、生物学的活性物質のマイクロカプセル封入のためのこの改良されたSCSの応用に関する。シンプレックスマイクロカプセルとしても知られているこれらの種類のマイクロカプセルは、改良された硫酸セルロースの水溶液を、ポリカチオン、好ましくはpDADMAC(ポリ(塩化アンモニウムジアリルジメチル))または類似体の水溶液中に滴下して作られる。
硫酸セルロースナトリウム(SCS)は、以前から知られているセルロースの硫酸半エステルの水溶性ポリマーである。SCSは、例えば無水硫酸、硫酸またはそれらの誘導体などの硫酸化剤によるセルロースの水酸基のエステル化と、それに続く酸性化半エステルの中性ナトリウム塩への変換によって形成される。
SCSの生産について基本的方法が知られており、不均一系中においてポリマー(不均一)を溶解することなく、または均一系中においてポリマー(準均一)の溶解と共に、またはポリマー(均一)の事前溶解後に、硫酸化を実施できる。
ルカノフ(Lukanoff),B.およびダウツェンベルグ(Dautzenberg),H.(1994,Das Papier、6号、287〜298頁)は、硫酸およびプロパノールを反応媒質および硫酸化剤として使用して、よく知られている不均一系の製造法をさらに改良した(米国特許第2,539,451号明細書、米国特許第2,969,355号明細書)。このタイプの不均一製造法では、ボールマン(Bohlmann)ら(2002年、Chemie Ingenieur Technik、74、359〜363頁)によると、最初にモル比1.8:1の96%硫酸およびイソプロパノールから反応媒質が調製される。セルロースの硫酸化は、この中で150分間にわたり−5℃で実施される。反応を中断するために、アルコールでセルロース硫酸半エステルから反応混合物を除去して洗い流す。最後に水酸化ナトリウムを使用して、洗浄生成物をナトリウム塩にする。
このセルロース硫酸化の不均一法の根本的欠点は、ポリマー鎖に沿ったおよびポリマー鎖間の置換基の分布に不規則さを必然的にもたらし、得られた硫酸セルロースの溶解性および重合レベルに影響する制御困難な発熱反応があるという事実にある。この不均一製造法の別の困った欠点は、前述の硫酸化中のセルロース鎖の迅速で効率的な分解において見られる。セルロース分解を低下させるために、熱を適切に除去することでさらなる温度上昇を防止する洗浄ステップで硫酸化反応を終了させる。しかし、拡散プロセスおよび原料加工、ならびにセルロースの形態学的構造は、反応がセルロースの固定的物理構造を全体的に維持しながら起きるので、反応過程にかなりの影響を及ぼす。
置換度(DS)<0.8の不溶性部分の分離なしに、不均一に製造された硫酸セルロースの完全な水溶性を得るために、DD 295858 A5号明細書およびDE 4019116 A1号明細書ではセルロースの予備活性化が奨励され、そこでは1%水溶液中で最大8.5mPasの非常に低粘度の生成物のみが得られる。シンプレックスマイクロカプセルの生産のためのこの硫酸セルロースの挿入中に、非常に狭い機械的硬度のマイクロカプセルのみが形成されることに留意すべきである。
DE 4021049号明細書によれば、発生した反応生成物から高粘度の硫酸セルロースが単離でき、さらに、プロセス中の追加的ステップを通じて、水不溶性部分を分離でき、含有される非常に低粘度の可溶性部分を洗い流すことができる(ルカノフ(Lukanoff),B.およびダウツェンベルグ(Dautzenberg),H.著(1994,Das Papier、6号、287〜298頁)を参照されたい)。
その結果、不均一製造法は、セルロースを完全に水溶性のものに転換することにより、低粘度の高分子出発セルロースの使用にもかかわらず、比較的高い置換度(最小DS=0.7)の生成物、ひいては不均一な置換基分布をもたらす。
セルロースの均一な硫酸化は、通常、それを通じて硫酸化反応中に許容可能な範囲内でセルロース鎖分解を抑止できる有機的に可溶性のセルロース中間体の形成をもたらす。双極性非プロトン性溶剤中への固相構造の完全な溶解の後、またはそれと同時に、硫酸化が実施されると、置換基の均等交換が起きる。最終産物はより高い溶液粘度を有し、0.25のDS値で既にある程度完全に水溶性である。例として、比較的低いDPの酢酸セルロース(クオキサム−DP約250、DS=2.4)を使用して、合成されたSCSの溶液の粘度が10mPasの範囲で達成される(ウベローデ粘度計内における2N NaOH中の2%溶液の測定)(DE 4435180号明細書を参照されたい)。
部分的に置換された酢酸セルロースの均一なエステル化に基づく製造プロセスのさらなる修正を通じて、セルロースの無水グルコース単位の様々なC原子上のOH基の位置選択的置換が達成できる。ワーゲンクネヒト(Wagenknecht)ら著(DE 4435082号明細書;DE 4435180号明細書;およびDas Papier、1996年、712〜720頁)は、出発ポリマーとして有機的に可溶性の酢酸セルロースが使用される、C2/C3またはC6位置上の位置選択的硫酸化について記載している。
根本的欠点は、市販される酢酸セルロース中のセットの低い重合度であり(クオキサム−DP約200〜350)、技術の現状では、酢酸セルロースは、1%水溶液中で約10mPasよりも高い溶液粘度の硫酸セルロースを製造できない。酢酸セルロースの所定出発DPからの、得られるSCSの所望の溶液粘度範囲の調節がなおも望ましい。
混合エステル化を通じた、酢酸硫酸セルロース、酢酸セルロースまたは硫酸セルロースの生産のための原理としての天然セルロースの酢酸−硫酸化は、長きにわたって知られている。したがって、反応媒質としての氷酢酸中に、無水酢酸と共に試薬として硫酸を導入する(米国特許第2,683,143号明細書、米国特許第2,969,356号明細書、米国特許第3,086,007号明細書、米国特許第3,075,963号明細書、米国特許第4,005,251号明細書)。硫酸の代わりにナトリウムクロロスルホネートもまた使用できる(米国特許第2,969,355号明細書)。水溶性酢酸硫酸セルロースの生産のためのショーブロン(Chauvelon)による試験(ショーブロン(Chauvelon),G.ら著、Carbohydrate Research、338(2003年)743〜750頁)の結果として、この不均一反応の強力な不一致が現れるので、分画のみによって最終生成物を得ることができる。
さらに、反応媒質としてN,N−ジメチルホルムアミドを使用して、形成される酢酸硫酸セルロースエステルの溶解下で、セルロースの酢酸−硫酸化が可能であることが知られている。この場合、無水酢酸/三酸化硫黄(ワーゲンクネヒト(Wagenknecht),W.ら著「セルロース誘導体:選択的分離およびその他の技術のための材料(Cellulosics:materials for selective separations and other technologies)」、ケネディ(Kennedy)、フィリップス(Phillips)、ウィリアムズ(Williams)編、Horwood(1993年)205〜211頁)または無水酢酸/クロロスルホン酸(ワーゲンクネヒト(Wagenknecht),W.著、Das Papier 50(1996年)12、712〜720頁)を反応混合物として使用できる。不安定アセチル基のアルカリ除去後に、無水グルコース単位置換水溶性硫酸セルロース中のC6位に限定される約0.8までのDS−硫酸塩が得られる。
この方法に従って合成される硫酸セルロースの欠点は、DS<0.6による置換分布の非対称性であり、それは水溶液中に不均一をもたらすために、シンプレックス膜の生産には役に立たない。
規定サイズ、十分な機械的堅さ、および長期安定性を有する球状シンプレックスマイクロカプセルの自動化生産のための本発明に従った必要性を満たすべきポリアニオンとしてのSCSは、要件の一覧を満たさねばならない:
−残留物を残さない水性媒質中での溶解性
−調節可能な特定濃度の溶液粘度
−高滴下速度の場合でさえも規則的なマイクロカプセルを維持するための低構造粘度
−安定シンプレックス形成のための調節可能な0.3〜0.7の範囲の硫酸−DS
−C6位中の位置選択的硫酸化
−pH値7で水溶液を滅菌する可能性
−例えば無菌および内毒素フリー、低重金属含量などの生体適合性。
不均一ならびに均一製造プロセスの最大の欠点は、硫酸化反応中における鎖長の制御されない分解である。この鎖長の分解の結果として、0.3から1近く、好ましくは0.3〜0.6のDS中で完全に水溶性であり、酢酸−硫酸化反応を通じて1%溶液中のその溶液粘度が、小さな範囲、すなわち15〜60mPasにあるSCSを製造することは、今までは可能でなかった。
溶解されたSCSの十分に高い調節可能な溶液粘度は、SCSを使用して生物学的活性物質をカプセル化する場合に特に興味深く、次にこのために使用されるプロセス中で、水性SCS溶液中の生物学的活性物質の懸濁液が、ノズルから対イオン溶液中に滴下される。液滴形成、液滴均一性、および液滴サイズの再現性は、溶解SCSの溶液粘度に直接依存する。一方、カプセル壁の厚さおよび堅さは、SCSの重合度および濃度の影響を受ける。
非常に低い溶液粘度は、液滴形成ひいては生物学的材料の潜在的カプセル封入を可能にするが、それはまた、言及される液滴形成およびそれから生じるマイクロカプセル内に不規則さももたらす。これらの種類の不規則さは、均一性の欠如、不均等なサイズ分布、安定性の欠如、および生物学的材料の不規則な封入に現れる。したがって水に溶解されたSCSの非常に低い溶液粘度は、従来法で生成されたSCSおよびそれから発生する全ての生成物の困った欠点である。
この欠点、すなわち非常に低い溶液粘度は、ある程度、特定のセルロース原料を使用する様々な製造プロセスの制限によって引き起こされる。一般的に使用される市販の酢酸セルロース(セルロース−2,5−アセテート)は、平均で250〜270ポリマー単位(DP)を有する。このDP制限のみからでは、高粘度のSCSを得ることができない。SCSの生産中、特に強力酸性試薬での硫酸化中、それは、それによって溶液粘度がさらに低下する鎖のさらなる分解をもたらす。典型的に10mPas未満の溶液粘度が達成される(例えばDE 4435180号明細書を参照されたい)。
時に原料として使用される木材パルプは、600程度のDP値を有する。上述のよく知られている製造プロセスにおける木材パルプの使用は、鎖の明らかな分解、そしてそれに対応する非常に低い溶液粘度の最終産物をもたらす。
理想的には、可能な最も長いポリマー鎖ひいては高溶液粘度を得るために、約1250〜1400ポリマー単位の高DP値を有する綿リンターなどの天然高分子セルロースをSCSに形質転換する。
綿リンターは、不均一硫酸/プロパノール法中で原料として使用されるが、この製造法は既述のようにかなりの数の鎖破断をもたらすので、合成後に得られた生成物は低溶液粘度のみを示す。不均一製造プロセスはまた硫酸基に均一な分布をさせないので、例えばSCSの水溶性などの製品特性が悪影響を被る。
したがって、位置選択的置換SCSのためのさらに別の改良された製造プロセスを提供することが本発明の目的であり、それは現状技術の欠点を回避し、使用したセルロース原料の所定DPで、最終産物に完全な水溶性がある溶液粘度の所望の調節を可能にする。
目的は主請求項1のプロセスステップを通じて取り組まれる。例外的な実施態様については、従属請求項の特徴として記載される。
この方法のために、好ましくは綿リンターであるセルロースをアセチル化剤および硫酸化剤からなる試薬混合物での混合エステル化により、極性溶剤中での準均一反応によって溶解し、酢酸−硫酸−混合エステルにする。利点として、最初にセルロースを継続的撹拌下で好ましくは0.5〜12時間の長い時間枠で、好ましくは30〜100℃の範囲の高温において反応媒質中で膨潤させ、さらなる膨潤のために室温で静置する。最後に継続的撹拌下で、好ましくは確定組成のアセチル化剤、硫酸化剤、および極性溶剤を含有するあらかじめ調製した試薬混合物を添加する。DS−硫酸エステルおよびDS−酢酸エステルの部分置換レベルは、試薬相互のモル濃度関係およびセルロースに対するモル濃度関係を使用して、当業者に既知のやり方で最大全DS=3まで調節できる。酢酸−硫酸化反応は好ましくは30〜80℃の温度範囲で起き、生成された酢酸硫酸セルロースは反応系においてそれ自体溶解して粘稠な溶液になる。温度が主に一定の所定レベルに維持される場合、反応継続に従ってポリマー溶液の粘度は低下するので、この粘度は所定のレベルに調節できる。
本発明に従って、規定の中和によってさらなる分解が停止されることによって、再加工後に得られる硫酸セルロースの重合レベルと溶液粘度が固定されることが重要である。
中和のために、そのナトリウム塩形態での沈殿前に、またはそれと同時にも、アセチル基を除外することなく、硫酸半エステル基を形質転換する。本発明に従った条件下ではこれに加えて、適切な中和剤および/または沈殿剤に溶解された好ましくはNaOHである塩基性中和剤で沈殿する前に、またはそれと同時にもいずれにしてもアセチル基の分解なしに、硫酸半エステル基を注意深く中和する。
引き続いて好ましくは特定形態で沈殿した硫酸セルロース混合エステルを適切な洗浄剤で、好ましくは酢酸ナトリウム含有エタノールで、またはエタノールと水の混合物で洗浄する。
次にエタノール性NaOHを用いた不均一系内のアセチル基のアルカリ性加水分解、pH7に近い値に戻す中和、好ましくは水性エタノールによる塩フリーになるまでの反復洗浄、および真空中で約40℃における硫酸セルロースナトリウムの引き続く乾燥を通じて、最終産物の再加工を実施する。
この合成プロセス後、DS0.3以上で、残留物フリーの明瞭に可溶性の硫酸セルロースナトリウムが生成でき、それはC6位における硫酸半エステル基の置換基の非常に有利な均一で位置選択的な交換を示し、水中1%の所定濃度での10mPas〜500mPas、好ましくは15〜400mPas、さらに好ましくは20〜300mPas、さらに好ましくは15〜100mPas、さらに好ましくは20〜60mPasの範囲の調節可能な溶液粘度によって識別される。
得られた生成物は実質的に純粋であるので、それらを透析または超遠心によってさらに精製する必要はない。
これまでに既知の方法では、中和が洗浄ステップおよび/または脱アセチル化に続いて最後に実施されたが、本発明者らは、先行する脱アセチル化または洗浄ステップなしに、硫酸化ステップ直接に中和を実施すると、生成されるSCSの質が明白により良いことを示す。中和を沈殿と同時に実施しても、十分に良好な結果を得ることができる。
中和のために、本発明のプロセスに従って、好ましくはNaOHである塩基またはアルカリ性溶液が反応混合物に添加され、そこで塩基、アルカリ性溶液またはNaOHは、硫酸化試薬と正確に合わせられる。例えば1モルのクロロスルホン酸などの三塩基酸は3モルのNaOHで中和され、1モルの硫酸などの二塩基酸は2モルのNaOHで中和される。
酸性媒質中ではポリマー鎖は常に攻撃され分解するので、中和中には迅速な作業が有利であり、それゆえに中和中の時間帯の短縮は、ポリマー鎖長のこのような分解を低下させる。
本発明に従ったSCS製造プロセスに関するプロセスステップにおける調節、および酸性系中での初期中和によって、製造プロセスをポリマー鎖長の分解に関して制御できる。本発明に従って生じるSCSは、25℃における1%水溶液中での構造的な粘度が皆無または非常に低く、同時に、1%水溶液中における25℃での測定で10〜500mPas、さらに好ましくは15〜400mPas、さらに好ましくは20〜300mPas、さらに好ましくは15〜100mPas、さらに好ましくは20〜60mPasの溶液粘度の範囲内で調節可能である。
さらに本発明のプロセスに従って作り出されるSCSは残留物を残すことなく水溶性であり、HSO/イソプロパノール反応を使用して不均一プロセスによって生成されたものと比べて、0.25以上のDS値を有するので、追加的処理によって水不溶性の構成要素を除去する必要がない。
本発明の方法に従って、異なる起源で様々なDS値のセルロースを出発原料として使用することが可能である。好ましくは高分子セルロース、特に超純粋で実質的に重金属フリーの綿リンターを使用できる。したがって重合度が、粘度の調節可能範囲を制限する。
製造プロセスのための本発明に従ったオプションとして、例えばN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などの極性溶剤中で、セルロースを膨潤させる。好ましくはDMFが使用される。
さらに有機溶剤可溶性で3までの総DSを有する酢酸硫酸セルロースの混合エステル化のために、硫酸、アミド硫酸、三酸化硫黄、塩化スルフリルまたはクロロスルホン酸を硫酸化剤として使用するオプションで、本発明に従ったプロセスを実施できる。好ましくはクロロスルホン酸が硫酸化剤として使用される。
有機溶剤可溶性で3までの総DSを有する酢酸硫酸セルロースの混合エステル化のために、塩化アセチルまたは無水酢酸をアセチル化剤として組み合わせて使用するオプションで、本発明に従ったプロセスを実施できる。好ましくは無水酢酸がアセチル化剤として使用される。
本発明に従ったSCSの生産は、好ましくは下述の条件下で行うべきである。天然セルロースを最初に温度150℃まで、好ましくは30〜100℃、さらに好ましくは40〜80℃の昇温下で、24時間まで、好ましくは12時間まで、さらに好ましくは3〜8時間、それ以降は室温で膨潤させ、室温(RT)でのさらなる冷却と膨潤が48時間行われるようにする。全膨潤期間中に、懸濁液を好ましくは撹拌する。RTでのさらなる膨潤中は、撹拌はもはや必要ない。
引き続いて絶えず撹拌しながら、好ましくは20〜80℃、さらに好ましくは30〜70℃、さらに好ましくは40〜65℃、さらに好ましくは50〜60℃などの0℃〜110℃の反応温度で、膨潤セルロースに硫酸化剤およびアセチル化剤を添加する。
絶えず撹拌する間に、得られた酢酸硫酸セルロース半エステルは完全に溶解し、実験的に画定できる、ポリマー溶液の所望のそして意図される流動性が達成されるまで粘度が緩慢に低下する。
直接に引き続く中和は、好ましくは室温(RT)での持続的な注意深い撹拌下で実施され、ポリマー溶液は反応温度と比べてなおも暖かくあることができ、すなわち例えば反応を50℃で実施して、それを少し冷却させた後、それがまだ暖かい内に中和/沈殿浴に添加する。ポリマー溶液に対する中和溶液/沈殿溶液の比率は3〜10、好ましくは3〜5である。条件として、この製造プロセスに従って生成されたSCSは基本的に無菌で、内毒素および/または重金属フリーである。この目的で、プロセスを無菌条件および特に胚芽フリー条件下で実施する。特に条件および原料は、最終製品中に、酵母、好気性細菌、サルモネラ(Salmonella)、大腸菌(E.Coli)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)などが検出可能でないように選択される。最終産物の内毒素含量は0.02〜0.11I.E/mlの範囲内であり、SCSの1%水溶液を用いて欧州薬局方Ph.Eur.4.00方法C(比濁法−動力学的)に従ったLAL試験によって検出される。
さらに、使用原料が、それから製造されるSCSが次の閾値を超えないように、例えばCd、Pb、Hg、Fe、Ni、Ti、Mn、Zn、およびCuなどの重金属フリーであるという事実に注意を払うべきである。
鉄なしの総重金属含量:≦10ppm
鉄含量:≦20ppm
鉄なしの総重金属含量は、考えられる全ての重金属の総計を含有する。
このため、上述のいずれかの重金属のいかなる検出可能な量も放出しない材料および装置のみを反応に用いることが好ましい。
さらなる実施態様に従って、この方法によって生成されるSCSは、位置選択的に置換されるべきである。C6位の置換基の排他的な均一な交換、またはC2/3位の硫酸エステル基の30%までの交換を有することが好ましい。使用される試薬は、現状技術の方法に従って所望の位置選択的硫酸化を制御する(ワーゲンクネヒト(Wagenknecht)ら著、1996年)。
本発明に従ったSCSは、生物学的材料のマイクロカプセル封入で使用するのに特に適する。その調節可能な溶液粘度に基づいて、ポリマー溶液の濃度を本質的に変化させることなく、粘度範囲を10〜50mPas、40〜70mPas、60〜100mPas、80〜200mPas、150〜300mPasまたは250〜500mPas(ウベローデ粘度計内での1%水溶液の測定による)に調節することが容易に達成可能である。したがってこのSCSは、生物学的材料のカプセル封入中に、単純な取り扱いと驚くほど高速の作業速度を可能にする。
これとは対照的に、水溶性硫酸セルロースの生産のための多数の方法において、マイクロカプセル製品の生産のために使用でき、かなりの機械的堅さを有し、潜在的医学用途のための生化学要件を満たすものについては、非常に限定的に記載されている。
したがって、DD 218734 A4号明細書およびDE 3306259 C2号明細書では、マイクロカプセルの生産のための方法が提示されており、生存可能な生物学的対象物の固定化について記載されている。使用されるSCSは、N/SO/DMF法を使用して生成される。毒性の高いスティック(stick)な窒素の使用がこの方法の根本的欠点であり、最初に酸化還元プロセスによって亜硝酸硫酸混合エステルが形成され、それはジメチルホルムアミド(DMF)に可溶性である。不安定なセルロース亜硝酸エステル基の単離後、生きている生物学的対象と共に使用できる前に、特にそれを生医学用途で使用する場合に、得られた有毒副産物、特に発癌性ジメチルニトロソアミンを硫酸セルロースから除去しなくてはならない。しかし本発明のプロセスに従って生成されるマイクロカプセルは、医学用途に適する。
DE 4021050 A1号明細書およびEP 0892852号明細書では、不均一HSO/プロパノール法を使用したSCSの生産について記載されている。シンプレックスマイクロカプセル生産で使用するため、そして生きている生物学的対象を固定化するためにこのSCSを用いることが試みられている。SCS生産中の鎖長の分解および不規則な硫酸化のために、水不溶性部分の単離および/または高度に置換された低分子部分の除去は避けられない。このようにして製造されたSCSからのマイクロカプセルは、安定性に劣り非常に非均一に形成される。したがってそれらは、例えば注射形態などの医学用途に適さない。
DD 298643 A5号明細書およびDD 299313 A5号明細書は、無機溶剤可溶性のトリアルキルシリルセルロースを用いて生じさせた、位置選択的にC6位で置換された硫酸セルロースを製造する方法を開示し、それは広範な溶液粘度の生成物をもたらす。これらの生成物が、バイオテクノロジー、薬学、および医学分野で使用できることにもさらに言及される。しかし、これらの潜在的使用分野は、いかなる実験的データによっても支持されていない。これはこの技術の重篤な不都合と見なされ、DSは安定に保たれるが、所望の溶液粘度を確立することは可能であるように見えず、溶液粘度は明白に出発原料のDPおよび硫酸化レベルに左右される(フィリップ(Philipp)ら著、Das Papier 49(1995年)2、58〜64頁)。
DE 19837673 A1号明細書、DE 19838535 A1号明細書、および国際公開第2000/010694 A1号パンフレットは、平膜の生産のためのアニオン性シンプレックス構成要素としてのスルホアルキルセルロースのアニオン性エステルの使用について記載している。シンプレックス平膜の生産は、カプセルの生産とは根本的に異なる。したがってマイクロカプセル生産のためのSCS使用について結論を出すことはできない。
またリショー(Richau),K.ら著、J Membr.Sci、1996年、113、31〜41頁、およびDD 298790 A5号明細書では、市販されるセルロース−2.5−アセテートから製造された低粘度のSCSが、シンプレックス平膜の生産のために使用できると記載されている(Cellulose Chem.Technol.25(1991年)343〜354頁)。シンプレックス平膜の製造は、カプセル製造とは根本的に異なり、マイクロカプセル生産、特に生医学分野で有用なマイクロカプセル生産のためのSCS使用について結論を出すことはできない。
ワーゲンクネヒト(Wagenknecht)ら(DE 4435180 C1号明細書;Das Papier 50(1996)12、712〜720)は、酢酸セルロースから生成されるシンプレックス平膜のためのSCSの合成および使用について記載している。このようにしてSCSは、大部分低分子のセルロース−2.5−アセテートのN,N−ジメチルホルムアミド中における異なる硫酸化剤による均一な硫酸化と、引き続くアセチル基の分解によって生成され、再加工は塩フリーで実施される。このようにして生成されたSCSの溶液粘度は、不十分に低い。このSCSは、溶剤分離に使用できるシンプレックス平膜製造のために有用であるかもしれないが、このようにして生成されるSCSから生成されたマイクロカプセルは安定性に劣り、非常に非均一に形成される。したがってそれらは、例えば注射形態などの医学用途に適さない。
DE 4435180号明細書で記載されるような低粘稠のSCSもまた、例えば浸透気化法を通じた蒸留なしの溶剤分離のためには適格である。DE 4435180号明細書で記載されるSCSは、市販される酢酸セルロースの硫酸化によって製造され、短縮されたポリマー鎖ならびに低い溶液粘度を示す。この種のSCSから生成されるマイクロカプセルは滅多に安定でなく、非均一に形成される。したがってそれらは例えば注射形態の医学用途、および医薬品の再現可能な放出に適さない。
要約すると、SCS生産のための多数の方法が知られているが、全て、非常に低い溶液粘度で不規則な置換基分布を有し、多数の鎖分解に起因する完全にまたは大部分短繊維から構成され、または有毒試薬の使用によって汚染されている最終産物を与えると断定される。
生物学的材料のマイクロカプセル封入のために、このようなSCSが試験室レベルで使用される場合、カプセルは不安定であり、それらのサイズおよび膜厚において非均質であることが分かっている。また製造プロセスによって引き起こされる有毒負荷を通じて、封入細胞の生存度、またはむしろカプセルの生体適合性にかなりの否定的影響が見られる。
本発明の別の目的は、このようにして天然セルロースから確定した分子構造がある明らかに可溶性の酢酸硫酸セルロースを製造すること、ならびに生物学的および医療用途のための補助材料として使用できる、そして特にシンプレックス膜からのマイクロカプセル内への活性生物学的対象物固定化のために使用できる、溶解性特性が改良された、完全に水溶性で生物学的に適合性のSCSをそれから製造することである。
これまでに記載されている製造法および最終産物とは異なり、本発明に従って生成されるSCSは、例えば適切に高い重合度(DP)の出発原料を使用することで、そして製造プロセスの均質相中に緩慢な鎖分解を制御することで達成できる、画定された調節可能な溶液粘度範囲によって際立っている。ここで記載される方法によって生成されるSCSは、これらの特性を通じて、前述の生物学的材料のマイクロカプセル封入中の問題を解決する。
基本的にマイクロカプセルは、固体球、被覆球、および中空球の3つのカテゴリーに分割できる。
固体球は、糊化物質(例えばアガロース、ゼラチン)を流体中に散逸させて、液滴として凝集させ、それらの融点以下に冷却してそれらを凝固する間に生成できる。固体球のために使用されるマトリックスは、例えばアルギン酸塩および塩化カルシウム(CaCl)またはその他の多価の金属イオンの組み合わせを提示する。中空球は、ポリマー溶液を対抗荷電イオンの溶液中に滴下して固体球のように生成できる。使用される対抗荷電イオンは、拡散限界に基づいてその中に滴下される液滴に浸透しない。結果的に、液滴の上面でのみ結合反応が起き、それを通じて流体コア周囲に安定膜が発生する。結合コアを溶解し、または固体球のコアを溶解してもまた、中空球を生じさせることができる。被覆球は、反対に荷電したポリイオン(例えばPLL(ポリ−L−リジン)、キトサン)からできた、1つまたはいくつかの追加層の複合構築物質の付着によって、固体または中空球から生成できる。
本発明に従って生成されたSCSは、特に中空球または被覆球の生産のために適格である。
マイクロカプセルの製造のための既知の多様な方法および対応する技術的変形形態がある。最も単純な場合では、カニューレを通って流れる流体の単なる滴下により、カプセルを製造する。重量力および界面張力の結果およびカニューレ外径によって、滴下液滴サイズが定まる。この手順はカプセルが1mmよりも大きい場合にのみ適用可能であるが、限定的生産性のみを有する。
エアストリッピング法とも称されるいわゆるエアジェット法により、毛細管周辺を流れる層気流を通じて、重量測定的に噴出される流体液滴を供給同心毛細管の終端に運ぶ。このプロセスを通じて、液滴の直径を低下できる。
エアナイフ法を通じて、旋回する乱流によって、噴出流体ジェットを小さい小滴に砕く。しかしどちらのプロセスも約0.1〜2ml/分の低い生産性を有する。
液滴形成が純粋に重量測定的に実施されるため、高粘度溶液には適さないエアジェット法とは対照的に、ジェットカッター法は所定圧で持続的な流体の流れを提供する。流体ジェットは回転ワイヤを使用して機械的に散逸される。球状粒子は、流体表面張力と対応する落下経路との相互依存で別個の流体シリンダーから作り出される。このプロセスに不利なのは、システム関連のスライスおよび噴霧損失である。
静電が支持する液滴形成は、毛細管と組み込み浴間への強力電界の印加を通じて、毛細管における液滴形成を加速することで、重量測定的な滴下の場合のように、実質的に小さな液滴が毛細管から滴下する。
回転ディスクを用いた液滴形成プロセス中に、迅速に回転するディスクの中点近くに水様流体が導入され、次にそれがディスクの縁に作り出される遠心力を通じて流れる。ディスクの縁では、流体フィルムが小さな小滴に引き裂かれる。液滴形成は、流体にヘテロダイン振動を発生させることで改良される。
回転シリンダーによる液滴形成プロセス中に、水様流体は画定された開口部のある回転シリンダーを通って流れる。遠心力は、シリンダー縁における液滴形成を容易にし、そこで流体は極めて小さな小滴に引き裂かれる。
流体ジェットからの液滴形成は、体積流量ひいては生産性を増大させることを可能にする。ここで主に3つの方法を区分できる。浸漬ストリーム法の場合、流体ストリームが高速で別の流体に注入される。高剪断力のために、ジェットは細かい小滴に散逸するが、サイズに大きなばらつきがある。
振動法の場合、適切な周波数の正弦振動を重ね合わせて、ノズルから排出される流体の層流ジェットを散逸させる。原理はレイリー卿(Lord Rayleigh)(Proc.London Math.Soc.10(4)、4〜13頁、1878年)にさかのぼり、彼はそれほど粘稠でない流体の流れを配分し、それは回転対称振動の波長が増大すると流体シリンダーを分解し、未撹乱ジェットの範囲も同じだった。最適波長は、流体の直径、動的粘度、密度、および表面張力に左右される。
これに加えて、多数のその他の方法および上述の方法の修正がある。レンケン(Renken)およびハンケラー(Hunkeler)は、このプロセスの概要を与える(レンケン(Renken)A.およびハンケラー(Hunkeler)D.著、「マイクロカプセル封入:人工臓器に注目したポリマーおよび技術のレビュー(Microencapsulation:A Review of Polymers and Technologies with a Focus on Bioartificial Organs、Polimery、43(9)、530〜537頁(1998年))。
上述したようなこれらの全方法は、本発明で記載されるようなマイクロカプセルの生産に適する。
均一なサイズ分布のSCS小滴からのマイクロカプセルの生産のために、スイス国ドッティコンのイノテック社(Inotech(Dottikon,Switzerland))によって製造される封入機(IE−50R)を使用した。これらの作業は、上述の振動法に基づいた。生医学用途のために、本願明細書で言及される全てのプロセスステップはまた、無菌条件下でも実施できる。このような封入機の説明および機能性は、例えばEP 1062032B1号明細書にある。
レイリー卿(Lord Rayleigh)に従って、封入プロセス中に一定の流体ジェットを発生させるために、一定の空気圧または蠕動ポンプまたは線形推進力を用いて、SCSの水様溶液が保存容器からノズルを通って送達される。このようにして持続的な体積の流れを調節でき、その結果、等サイズのカプセルを発生させることができる。本発明に従ってSCSの化学特性によって調節され、広い範囲内の所定ノズルについて自由に調節できる、溶解性および溶液粘度次第で、高い作業速度が可能である。排出毛細管次第で、1〜15ml/分、好ましくは6〜9ml/分の範囲の体積流量が使用できる。
目的次第で、SCSの水様溶液は異なる部分に追加的構成要素を保持できる。このために、カプセル化された材料がまず重要である。さらに追加的構成要素(例えば基質、凍結防止剤(例えばグリセリン、DMSO)タンパク質、溶剤または例えば0.9%NaClなどの塩)が異なる比率で添加でき、またはSCSが特別な溶液(例えば細胞培養液)中に直接溶解できる。
振動伝送器は、ノズルを通って流れる流体上に、100〜4000Hzの可変範囲の垂直正弦振動を作り出して伝送する。マイクロカプセルの生産のために、600〜3000Hzの範囲の周波数が好ましくは使用される。周波数に加えて、振動の振幅はまた0〜100%で変動できる。この作り出された垂直振動で、流体の排出ジェットの同一容積の小滴への散逸が達成できる。主に垂直正弦振動で、画定されたカプセルサイズの生産が得られる。
飛行相中の小滴の衝突を妨害するために、ノズルと正に帯電した電極(陽極)との間に高電圧を印加して、流体の排出ジェット中に0.8〜1.5kVの範囲の電荷偏位を作り出す。電圧アームを通じて電流を流し、ノズル上で負に分極した負に帯電した小滴を陽極の方向に引っ張り、したがって水平に誘導する。
得られたアニオン性小滴は、その表面に非錯化流体のコアを取り囲むシェル型のシンプレックス膜を生じ、シェルは、小滴の相境界面の複合体形成溶液中に含有されるカチオンポリ電解質(例えばpDADMAC)と、小滴中に含有されるアニオン性ポリ電解質との複合体形成を通じて形成される。膜の厚さは、それがポリマーカチオンの水様溶液中に残留する時間と共に増大する。
複合体形成溶液は、異なる分子量のポリマーカチオンの水様溶液からなる。したがって形成されたシンプレックス膜の安定性を化学特性(官能基、置換基の数と分布)によって判定する。例えばドデシルアミン、エチレンジアミン、ピペラジン、メチレンブルー、アルギニン、ポリ(アリルアミン塩酸塩)、トリエチルテトラミンまたはスペルミンが、封入プロセスに適する。好ましくは四級アンモニウム基のあるポリマー、より好ましくはポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)またはポリ(ビニルベンジルトリメチルアンモニウム)の塩、優先的にはポリ(塩化アンモニウムジアリルジメチル)(pDADMAC)またはポリ(塩化アンモニウムビニルベンジルトリメチル)が使用される。
組み込みのレベル、すなわち作り出されたマイクロカプセルの安定性は、使用されるポリカチオン鎖の長さとさらに相関する。pDADMACの場合、平均分子量は10,000〜500,000、好ましくは15,000〜50,000の範囲にあることができる。カプセル封入ためのpDADMAC適切な濃度は、0.5〜5%(w/v)の範囲、好ましくは0.8〜2%(w/v)の範囲である。
水様ポリカチオン溶液は、目的次第で、例えば水溶液の表面張力を低下させる物質、有機溶剤、凍結防止剤(グリセリン、DMSO)または例えば0.9%NaClなどの塩などのさらなる構成要素を変動する割合で含有でき、またはポリカチオンを特別な溶液(例えば培養液)中に直接に溶解できる。
複合体形成溶液中には磁気撹拌機があり、液滴の液滴方向に向けて垂直の流れを作り出すことで、新しい液滴が落ちる領域から形成された小滴を輸送することで、まだ完全に形成されていないマイクロカプセルの凝集リスクを最小化する。さらに、撹拌機は浮遊する小滴を保持し、膜構築反応の対流および引き続く洗浄ステップにも有利である。
本発明によるマイクロカプセルの生産のために、最初にSCS水溶液を生成する。SCS溶液は1%〜4%(w/v)、好ましくは1.5%(w/v)〜3%(w/v)の濃度を有さなくてはならない。剪断力次第で、適切なパラメーターは粘度ダイアグラムを読み取れる。したがって、例えば本発明によるSCSの1%溶液は、10〜500mPas、好ましくは10〜200mPas、さらに好ましくは15〜80mPas、さらに好ましくは20〜50mPasまたは40〜60mPasの範囲の溶液粘度を示すべきである。
実施態様に従って、本発明に従って製造されるSCSは、基本的に球状粒子、すなわち本発明の意味においては、0.1〜50μm、1〜100μm、50〜250μm、50〜500μm、100〜250μm、100〜500μm、250〜500μm、250〜700μm、500〜1000μm、700〜1500μm、1000〜2500μm、1500〜3000μm、2500〜4000μm、3000〜5000μmの直径を示す。マイクロカプセルは、好ましくは200〜1500μm、さらに好ましくは600〜800μmの直径を示すマイクロカプセルを形成する。
生医学用途のためには、本発明に従って生じさせたSCSから作り出されるSCS溶液は、現行の方法によって例えば放射線照射を通じて滅菌できる。本発明に従って生じるSCSの安定性は、121℃で30分間の水蒸気中での滅菌中にそれ自体を立証した。
本発明に従って生成されたSCSは、特により安定してより均一なマイクロカプセルを生成するのに適する。このようなマイクロカプセルは、生医学用途のために、例えば細菌、ウイルス、酵母、細胞、および組織などの生物学的対象物を封入するのに適するが、また生物工学規模での薬理学的活性成分の生産のためにも適する。それらはまた、例えば粉末触媒、コロイド、金属錯体、酵素、抗体、染料、および技術的用途顔料などの薬理学的に活性成分の固定化のためにも使用できる。
したがって、本発明に従って生成されたカプセルは、以下で説明する高い要求を満たすので、特に獣医薬品およびヒト医薬品で使用するのに適する。
血液循環系における、または動物またはヒト組織、すなわち臓器における、例えば癌治療のためのマイクロカプセルの使用のために、マイクロカプセルが多様なサイズにおいて相応して均一で再現可能でなくてはならない一方で、注射カニューレおよび/または血管の鬱血/閉塞を避けられる必要がある。さらに、カプセルあたり一定量のカプセル化剤の適用(例えばカプセルあたりの薬理学的活性成分、酵素、細胞数)を保証することができる。カプセルの球状形状は、例えばカテーテル内での良好な流れ、および薬理学的活性成分の全方向に等しく理想的な放出を保証する。
さらに、カプセルのわずかな圧縮性は、例えばカプセルが詰まって、圧縮カプセルによってカテーテルが閉塞する確率を低下させるために有用である。特に生体液中においてカプセル上面の粘着性が微量であることは、カプセルの凝塊形成を防止する。調節可能な溶液粘度に基づいて、上述した本発明の方法によって生成されるSCSは、生物学的材料のカプセル封入中に簡単な取り扱いおよび意外にも高速の作業を可能にし、これはマイクロカプセルをベースとして医薬品化合物を工業製造するのに特に有利である。
図に関して実施された実施例に基づいて、上述した発明の追加的利点および用途について以下に記載する。
図1は、カプセルサイズ分布判定のために、イノテック(Inotech)カプセル化ツールIE−50Rおよびツァイス・アキシオバート(Zeiss Axiovert)を使用して、異なるバッチで製造された異なる所望のサイズ(図1A〜D)を有するSCSカプセルのサイズ分布の顕微鏡下測定を示す。各場合でSCS溶液ならびにpDADMAC溶液は、1%NaCl(w/v)を含んでなった。ノズルの振動振幅は毎回100%に達した。その他の変数パラメーターは下のように調節された。
Figure 2008533231
カプセル生成のために適切なパラメーターを選択することで、生成されるマイクロカプセルの広範なサイズを得ることができる。本発明に従って生成されたSCSの調節可能な溶液粘度次第で、帯域幅は10〜5000μmの範囲である。全ての試験されたサイズの形成されたマイクロカプセルは、ほとんど完全な理想的球状形状および高レベルの再現性を示す。
図2aおよび2bにおいて見られる図2は、様々な時点におけるSCSカプセル内のHEK293細胞の生育動態を示す。ここでカプセルはグラスゴーのギブコ(Gibco(Glasgow))からの4.5%グルコース(w/v)およびグラスゴーのギブコ(Gibco(Glasgow))からの10%ウシ胎仔血清(FCS)添加DMEM培地中で36日間にわたり培養された。アリコートを様々な時間に採取した。
図2aは、マイクロカプセル内の細胞数増大を左上から右下に定性的に示し、サンプルはカプセル封入後1、2、3、7、14、および21日目に採取された。最初に2×10細胞/mLを含有するカプセル封入のために水様SCS溶液(2%w/v)、さらに1%NaCl(w/v)を使用した。カプセル封入のためのその他のパラメーターは、pDADMAC溶液濃度:1.1%(w/v)、カプセルの所望の直径:600μm、ノズル径:200μm、体積流量:6.1mL/min、振幅:100%、周波数:900Hz、および分散体電圧:1100Vであった。
図2bは、生きている固定化細胞のためのマンハイムのロッシュ(Roche(Mannheim))からのMTT試験施行下における、所望の直径600〜1200μmのカプセル内のカプセル化されたHEK293細胞の生育動態を示す。カプセルをこのためにT75細胞培養フラスコ内で36日間の期間にわたり培養した。600μmカプセル(−−)内へのカプセル封入のためのパラメーターは、図2aで記載されるものに対応した。1200μmカプセル(−−)内へのカプセル封入のために、次のパラメーターを使用した。カプセル封入のために使用される2%SCS溶液は、最初に1.5×10細胞/mL、さらに1%NaCl(w/v)を含有した。カプセル封入のためのその他のパラメーターは、pDADMAC溶液濃度:2.5%(w/v)、ノズル径:300μm、体積流量:12.9mL/min、振幅:100%、周波数:600Hz、および分散体電圧:1200Vであった。
どちらの曲線も直接比較できないが、どちらもHEK293細胞の理想的な対数生育動態を示す。これは見たところ、カプセル内の複合SCS、または非複合SCSのどちらもカプセル化細胞に対して細胞毒性または悪影響を与えないことを示す。
図3は、低温凍結および解凍後のHEK293細胞を含有するSCSカプセルの顕微鏡的観察を示す。低温凍結に先だって、グラスゴーのギブコ(Gibco(Glasgow))からの4.5g/Lグルコースおよびグラスゴーのギブコ(Gibco(Glasgow))からの10%ウシ胎仔血清添加DMEM培地中でカプセルを21日間培養した。低温凍結を10%DMSO(v/v)添加DMEM培地中で実施した。2時間のインキュベーション期間後、カプセルを−80℃に冷却した。水浴中でわずかに撹拌しながら37℃で解凍プロセスを実施した。さらなる培養のために、過剰なDMSOを除去するために、DMSO媒質を繰り返し新鮮なDMEM培地で置き換えた。MTT試験の手段によって、固定化細胞がカプセル内の細胞の高密度にもかかわらず凍結および解凍手順を乗り切って、それらがさらに培養できることを同定することができる。解凍後、膜の巨視的構造およびカプセルの形状は無傷のままであった。
図4は、実施例1b2のバッチb2の13CNMRスペクトルを示す。C位における硫酸基による水酸基の位置選択的置換の結果として、シグナルは60から67ppmに移行する。酢酸基、またはCまたはC位における硫酸基のいかなる置換も検出できなかった。判定されたDS値(DS=0.4)は、イオウ定量から計算されるDS値との良好な一致を示す。
以下の実施態様または実施例は、本発明の限定を意図するものではない。さらに、説明の文脈で、組み合わせにおいてまたはそれ自体の修正で一般説明に含まれる特性を有するような変形形態、要素、および組み合わせのような実施例または実施態様については、実施例、特許請求の範囲またはダイアグラムにおいて、これらの特性の組み合わせまたは変更が実施態様で明示的に示されるかまたは記載されていなくても、変更された主題、またはプロセス中の新しいステップ、すなわちプロセスステップの新しい順序をもたらす場合、公然的に記載されているものとする。
実施例1:硫酸セルロースナトリウム(SCS)の生成
実施例1a:
乾燥含量93.73%の10.7gのセルロース(1230のクオキサム−DP添加綿リンター)を333mlジメチルホルムアミド(DMF)に入れる。セルロースをおよそ14時間にわたり室温で膨潤化する。
成功裏の膨潤後、アセチル化剤として8mol/mol無水グルコース単位(AGU)無水酢酸(47ml)、および硫酸化剤として0.7mol/molAGUクロロスルホン酸(2.9ml)ならびに100mlのDMFからできた反応混合物を添加して、混合エステル化を開始する。合成を50℃の温度で実施したところセルロースは溶解し始め、約3時間後に明瞭な透明なポリマー溶液が得られる。
5時間後、42.9g水酸化ナトリウム(NaOH)、80g HOおよび20g酢酸ナトリウムをエタノールで1.5lに満たした好ましくは室温の中和/沈殿媒質中に、ポリマー溶液を(約15分間以内に)緩慢に注いで、持続的に撹拌しながら中和/沈殿を実施する。ポリマー溶液を中和/沈殿媒質中に完全に注いだ後、それをさらに1時間撹拌する。引き続いてそれを濾過し、毎回エタノール−水混合物(1:1、w/w)中の4%(w/w)酢酸ナトリウムからなる600mlの洗浄液で3回洗浄する。
引き続いて333mlの脱アセチル化試薬(13g NaOH、27g HO、エタノールで333mlに満たす)を添加して脱アセチル化を実施する。混合物を約1時間撹拌して、約12時間静置する。酢酸−エタノール混合物(1:1、w/w)でpH値を8.0に調節して、混合物の中和を引き起こす。引き続いて、1lのエタノールで3回洗浄する。真空中で、40℃で乾燥させる。
使用するアセチル化剤および硫酸化剤の割合と量は、C、C、およびC位における所望の位置選択的置換に左右される。混合物の適切な割合は、当業者に知られている。得られたSCSは、明らかに水可溶性であり、DS=0.33および1%水溶液中で粘度25mPasを有する。
本発明に従った硫酸セルロースの分析的特性決定のために以下の方法を使用した。
A.元素分析によるイオウの測定:
SCSサンプルの定量的燃焼後、元素分析の手段(カルロ・エルバ(Carlo Erba)からの装置)によって元素C、H、N、およびSを%で測定し、
Figure 2008533231
に従って、硫酸エステル基の置換度をイオウ含量から計算する(製剤の水分含量を考慮する)。
B.発光分析を使用した微量金属分析:
パーキン・エルマー(Perkin−Elmer)からのICP−OES(nductively Coupled Plasma Optical Emission Spectrometry(誘導結合プラズマ発光分析)の手段によって、セルロースおよびセルロース誘導体の特別なパルプ化後に分析を行った。
C.全DS、C6位の部分的DS、液体13CNMRによるアセチル基の完全な除去の検出:
シグナル面積を積分して、置換および非置換SCSの面積分を比較し、AGUの個々の位置における部分的置換度をDO中の硫酸セルロースナトリウム溶液の液体13CNMRスペクトルから計算する。化学シフトのためにテトラメチルシランを基準として使用し、100.63MHzの周波数でブルカー(Bruker)MSL400分光計を使用して、スペクトルを測定した。
D.水性硫酸セルロース溶液の透明な溶解性:
硫酸セルロースナトリウムの1%水溶液の光学的評価に加えて、ドイツ国デュッセルドルフのハック・ラング(Hach−Lange GmbH(Duesseldorf,Germany))からのタイプ2100AN濁度計中で、90°の角度における濁度値をNTU(Nephelometric Turbidity Units(比濁分析濁度単位))で測定する。
E.溶液粘度:
ドイツ国のラウダ(Lauda(Germany))からのビスコボーイ(Viscoboy)2+SAE/KM2自動毛細管粘度計内で、硫酸セルロースナトリウムの1%水溶液の動粘度を25℃で測定する。密度を使用して、変換後に粘度をmPasで得る。
実施例1.b1および1.b2
21.1gの綿リンター(94.86%乾燥含量、DP=1264)を80℃で持続的に撹拌しながら、550mlのDMF(ジメチルホルムアミド)に8時間かけて緩慢に添加し、室温(RT)に冷却してさらに12時間撹拌する。膨潤後、無水グルコース単位(AGU)8mol/molの無水酢酸(93ml)およびAGU 0.9mol/molのクロロスルホン酸(7.4ml)をDMFで200mlの総容積に満たした試薬混合物を添加して、混合エステル化を開始した。次に迅速に撹拌しながら試薬混合物をセルロース溶液に50℃で迅速に添加した。酢酸硫酸セルロース形成の結果として、およそ1.5時間後に黄色がかった透明なポリマー溶液が得られた。4.5時間後、バッチを2つの部分に分割した。ポリマー溶液の半分を取り出して、42.9g NaOH、80g HO、および20g酢酸ナトリウムをエタノールで1.5lの容積に満たした中和および沈殿媒質に添加した(b1)。残りの半分(b2)を50℃でさらに3.5時間撹拌し、次に中和および沈殿媒質に添加した。沈殿が起きたら双方のバッチを別々に濾過し、600ml洗浄溶液(エタノール−水混合物(1:1、w/w)中の4%酢酸ナトリウム(w/w))で3回洗浄した。333mlの脱アセチル化試薬(13g NaOH、27g HO、エタノールで容積333mlに満たす)を添加して、脱アセチル化を開始した。双方のバッチを1時間撹拌し、室温に約12時間静置した。酢酸−エタノール混合物(1:1、w/w)を使用してpHを調節した。次に双方の硫酸セルロース調製物を毎回1lのエタノールで3回洗浄し、真空中で、40℃で乾燥させた。得られたSCSの特性を表aaに示す。図4はバッチb2の13CNMRスペクトルを示す。C位における硫酸基による水酸基の位置選択的置換の結果として、シグナルは60から67ppmに移行する。酢酸基、またはCまたはC位における硫酸基のいかなる置換も検出できなかった。判定されたDS値(DS=0.4)はイオウ定量から計算されるDS値との良好な一致を示す。
Figure 2008533231
実施例1.c1および1.c2:
実施例1bで記載されるように、異なる出発化学薬品を使用して2つの異なるSCS調合物を調製した。バッチc1では、出発化学薬品の金属含量に注意を払わなかった。化学薬品の秤量または添加は、金属スパチュラを使用して実施した。沈殿プロセスのために金属撹拌機を使用した。バッチc2では、極めて低い金属含量を有する化学薬品のみを使用した。さらに合成中に、撹拌機、スパチュラなどの金属含有器具とのあらゆる接触を避けた。双方の調合物の重金属含量の分析を表bbに示す。
Figure 2008533231
実施例1.d1
綿リンターの代わりに、ドイツ国のレッテンマイアー(Rettenmayer(Germany))からの粉砕セルロース粉末アルボセル(Arbocell)M80を使用したこと以外は、実施例1bと同一手順に従った。21.2gのクオキサム(DP=750、乾燥含量=94.16%)を200mlDMF中の11mol/molの無水グルコース単位(AGU)の無水酢酸と1mol/mol AGUのクロロスルホン酸で転換した。脱アセチル化後、得られた生成物を透析によって精製し、引き続いて凍結乾燥した。水中で得られた透明な可溶性硫酸セルロースナトリウム(SCS)は、DS=0.49を有し、1%水溶液は15mPasの粘度を有する。
実施例1.d2
実施例1aのように綿リンターを使用したが、200mlDMF中の11mol/molの無水グルコース単位(AGU)の無水酢酸および1.1mol/mol AGUのクロロスルホン酸を代わりに使用した。水中に得られた透明な可溶性硫酸セルロースナトリウム(SCS)は、DS=0.57を有し、1%水溶液は120mPasの粘度を有する。
実施例1.e1および1.e2
実施例1aで記載されるようにして硫酸セルロースナトリウム(SCS)を生成した。さらに脱アセチル化後の合成ステップを実施例1aで記載されるようにして実施したが、実施例e2では、汚染度の比較のためにこれを層流ボックス内で実施した。結果を表ddに示す。
「欧州薬局方4」の推奨基準に従って、嫌気性微生物では「チオグリコーレートブロス」、好気性微生物では「トリプチカーゼソイブロス」の液体培地中で無菌性試験を実施した。さらに低栄養素液体培地「1/4強度ペプトン酵母抽出物ブロス」も使用した。栄養培地を調製した後、ねじふた付きバイアルに10mlずつ注いだ。次にこれらを121℃でオートクレーブ処理した。各バイアルに1mlのサンプルを接種して、次に14日間28℃に温度管理した。2つの調合物を使用して各試験を実施した。無菌対照としては、各培地の2つの非接種バイアルを同一条件下で使用した。
濁度または沈降物が観察されたバイアルを汚染されたと見なした。無菌条件下で調製されたサンプルe2は、濁度または沈降物を示さず細菌フリーと見なされた。
Figure 2008533231
実施例1.f
実施例1aで記載されているようにして10.7gの綿リンター(TG=93.9%、DP=1351)を230mlのDMFに添加し、8時間にわたって連続的に撹拌しながら膨潤させた。出発温度を80℃に調節した。室温に冷却後、混合物を撹拌せずにさらに12時間放置した。膨潤が起きたら、試薬混合物を添加して混合エステル化を開始した。11mol/molの無水グルコース単位(AGU)の無水酢酸(64ml)および1mol/mol AGUの塩化スルフリル(5ml)を100mlのDMFに連続的に添加し、冷却して撹拌することで試薬混合物を別に生成した。次に持続的に撹拌しながら、試薬混合物をセルロースに迅速に添加した。引き続いて反応温度を50℃にした。6時間後、なおも持続的に撹拌しながら、42.9gのNaOH、80gのHO、および20gの酢酸ナトリウムをエタノールで1.5lの容積に満たした、好ましくは室温である中和および沈殿媒質にポリマー溶液を緩慢に(約15分間で)添加することで、中和および沈殿が起きる。ポリマー溶液を中和および沈殿媒質に添加した後、混合物全体をさらに1時間撹拌した。引き続いて、調合物を濾過し、エタノール−水混合物(1:1、w/w)中の硝酸ナトリウムの洗浄溶液(4%w/w)を使用して、毎回600mlで3回洗浄した。毎回333mlの脱アセチル化試薬(13g NaOH、27g HOをエタノールで333mlの容積に満たす)を添加して、脱アセチル化が起きた。調合物を1時間撹拌し、室温に約12時間静置した。次に、酢酸−エタノール混合物(1:1、w/w)を使用してpHを8.0に調節した。次に、調合物を1lのエタノールで3回洗浄し、真空内で40℃で乾燥させた。得られたSCSは6.49%のイオウ含量を有し、置換度DS=0.51をもたらす。NMR(DS合計=DSc6)を使用して判定されたDS値は0.55であった。1%水溶液は40mPas(mm/s)の粘度を有する。
実施例1g:
250mlのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶剤として使用したこと以外は、実施例1fと同一手順に従った。アセチル化剤として11mol/mol無水グルコース単位(AGU)の無水酢酸(64ml)、および硫酸化剤として0.5mol/molAGUのアミド硫酸(2.9ml)、および100mlのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)からなる反応混合物を添加して、膨潤後に混合エステル化を開始した。70℃の温度で合成を実施した。実施例1fで記載されるようにして、生成物の沈殿、脱アセチル化、洗浄、および乾燥を実施する。水中に得られた、明白に可溶性のSCSは5.12%(DS=0.31)のイオウ含量を有する。NMR(DS合計=DSc)を使用して判定されたDS値の結果は0.33であった。1%水溶液は12mPasの粘度を有する。
実施例1h:
350mlのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)を溶剤として使用したこと以外は、実施例1fと同一手順に従った。アセチル化剤として11mol/mol無水グルコース単位(AGU)の無水酢酸(64mL)、および硫酸化剤として0.9mol/mol AGUの硫酸(3mL、98%HSO)、ならびに150mLのDMAcからなる反応混合物を添加して、膨潤後に混合エステル化を開始した。70℃の温度で合成を実施する。実施例1fで記載されるようにして、生成物の沈殿、脱アセチル化、洗浄、および乾燥を実施する。水中に得られた、透明なに可溶性のSCSは6.93%(DS=0.45)のイオウ含量を有する。1%水溶液は5mPasの粘度を有する。
実施例1i:
350mlのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)を溶剤として使用すること以外は、実施例1fと同一手順に従う。アセチル化剤として6mol/mol無水グルコース単位(AGU)の塩化アセチル(29ml)、および硫酸化剤として1.5mol/mol AGUの硫酸(4.9ml)、ならびに150mlのDMAcからなる反応混合物を添加して、膨潤後に混合エステル化を開始する。70℃の温度で合成を実施する。実施例1fで記載されるようにして、生成物の沈殿、脱アセチル化、洗浄、および乾燥を実施する。水中に得られた、透明な可溶性のSCSは10.73%(DS=0.82)のイオウ含量を有する。1%水溶液は13mPasの粘度、および2.5NTUの濁度を有する。
実施例1j:
350mlのNMPを溶剤として使用したこと以外は、実施例1fと同一手順に従う。アセチル化剤として6mol/mol無水グルコース単位(AGU)の塩化アセチル(29mL)、および硫酸化剤として1.5mol/mol AGUのSO/DMF複合体(14g、1:1複合体として市販される)、ならびに150mlのNMPからなる反応混合物を添加して、膨潤後に混合エステル化を開始する。60℃の温度で合成を実施する。実施例1fで記載されるようにして、生成物の沈殿、脱アセチル化、洗浄、および乾燥を実施する。水中に得られた、透明な可溶性のSCSは9.83%(DS=0.72)のイオウ含量を有する。1%水溶液は12mPasの粘度および6.6NTUの濁度を有する。
実施例2:本発明に従ったSCSからのSCSマイクロカプセル製造
マイクロカプセル調製のために知られている方法(空気ジェット法、ジェットカッター法、振動法)(オリブ(Orive)ら2004、Trends Biotechnol.1022(2):87〜92頁)に従って、カプセル封入装置(イノテック(Inotech)モデルIE−50R)を用いて、ポリカチオン溶液(例えばpDADMAC)中での複合体形成のために硫酸セルロース溶液を滴下して添加した。
撹拌されるポリカチオン(pDADMAC)水溶液への硫酸セルロース小滴の浸漬は、自然発生的に進行する複合体形成反応を通じた、相境界面において非複合液体コアを封入する半透膜の形成をもたらす。反応時間の経過と共に、形成する三次元網目状組織の密度がポリ電解質のための拡散バリアを作り出すまで、膜強度はカプセル膜中へのポリカチオンの拡散を通じて増大する。
カプセルを作成するために、硫酸セルロース濃度1.5〜3.5%(w/v)のSCSの均一な水溶液を生じさせる。このために使用されたSCSは、0.3〜0.99の置換後度(DS)を有した。このSCS溶液を層流速度1〜15ml/分で100〜300μmのノズルを通して、0.8〜2%pDADMAC溶液(w/v)中に滴下して添加した。本発明に従った、高い表面張力を同時に有するSCS溶液の低い構造的粘度のために、高い作業速度が可能である。液滴形成および液滴サイズは、一つには体積流量、物理的流体特性、ノズル径の選択によって定まり、振動法の場合には、それによって液体ジェットの液滴への分解が制御される励起周波数と周波数振幅によっても定まる。この周波数は、直径約650〜700μmの球状マイクロカプセルを発生させるためには、600〜1100Hzに設定された。周波数を増大させると、より小さなカプセルサイズが得られ、周波数が低くなるとサイズはより大きくなる。250μmのノズルで、直径700μmの平均サイズを有するカプセルを発生させるためには、好ましくは650Hzの周波数が選択される。平均サイズ500μmのカプセルを発生させるためには1100Hzの周波数が選択され、平均サイズ800μmのカプセルを発生させるためには500Hzの周波数が選択される。その他のパラメーターを調節することで微調整が可能である。
さらに、カプセルサイズは、硫酸セルロースとpDADMACとの反応によっても影響される。反応時間の増大、高濃度および低分子量のpDADMACは、カプセルサイズを低下させる。本発明に従ってSCSを使用して調製されたシンプレックスマイクロカプセルは、再現可能で準理想的な球状形態を示し、同時にサイズのばらつきが低いことが示された(図1)。
実施例3:生物学的対象物によるSCSカプセルの製造
SCSマイクロカプセルを製造するプロセスは、重要なステップとして、(a)SCS溶液の調製、(b)SCS−細胞懸濁液の調製、(c)カプセルの液滴への変換、(d)複合体形成溶液内での複合体形成、および(e)複合体形成反応の終結を含む。
本発明に従ったSCSは、最初に室温で撹拌しながら生理学的緩衝食塩水(0.8〜1.0%(w/v))に1.5〜3.5%(w/v)の濃度で溶解され、pH値は0.1N NaOHまたは0.1N HClで7.2に調節される。調製されたSCS溶液は、細胞との混合前に121℃でオートクレーブ処理される。
SCS細胞懸濁液の調製:
SCSカプセルの封入のために、HEK293細胞(ATCC CRL−2828)、ジャーカット細胞(ATCC TIB−152)またはHIT細胞(ATCC CRL−1777)を使用する。しかし、原理上は、いくつかの接着細胞ならびに懸濁液細胞が使用できる。細胞培養は、例えば、T75フラスコまたはローラーボトル内で、適切な従来の細胞培養方法において指数関数的に増殖し、90%密集での単層形成後に採集される。使用される細胞系を英国グラスゴーのギブコ(Gibco(Glasgow,UK))からの4.5g/lグルコースと、英国グラスゴーのギブコ(Gibco(Glasgow,UK))からの10%ウシ胎仔血清添加DMEM培地中でインキュベートする。放出された細胞を50mlファルコン(Falcon)チューブに移して5分間200gで遠心分離し、上清流体を捨てる。次に細胞ペレットをPBS緩衝液で注意深く洗浄し、最後にSCS溶液中に組み込み、SCS溶液中に均一に懸濁して無菌のシリンジに移し、引き続いて無菌条件下で、全てのホース接続部および容器を装着したカプセル封入ユニットに接続し、それをオートクレーブ処理する。その直接にカプセル封入プロセスを開始した。
液滴への変換およびカプセル生成:
カプセル封入のために、速度を最初に毛細管から均一の液体流が流出する程度まで増大させ、その後、体積流量を液滴への変換に最適な速度に低下できる。この時までに液滴に転換された廃SCS細胞懸濁液は、固化浴に落下する前に旋回貯水タンクによって遮られそれは均一の液体ジェット(安定相)形成後に、カプセル形成が起きることができるように端に旋回する。発生したマイクロカプセルは、反応領域から連続的に汲み出すことができ、非複合pDADMACを除去するために、生理学的緩衝食塩水、PBS(リン酸緩衝食塩水)または培養液で洗浄または希釈されるべきである。全てのステップは、無菌条件下で実行できる。
その後、無菌の作業場で、カプセルが沈降し、培養液によって置換された後、ピペットの手段によって上清流体を捕集容器から取り出す。その直接に、37℃、5%CO、飽和湿度、および2rpmで、Tフラスコ内、またはローラーボトル内でカプセル化細胞を培養する。4〜8時間後、残留pDADMACを除去するために、媒質をもう一度取り替える。カプセルを調製する間、全ての構成要素および溶液の無菌性に注意を払わなくてはならない。
トリパンブルー着色を通じた活力度の判定:
トリパンブルー着色を通じた活力度の判定は、総細胞数(死細胞および生細胞)を判定する役割を果たす。ドイツ国ダイゼンホッフェンのシグマアルドリッチ(Sigma−Aldrich、(Deisenhofen,Germany))からのトリパンブルー(PBS中の0.8mM)は負に帯電した着色剤であり、損傷細胞膜がある細胞中に選択的に拡散でき、その細胞質に青い着色を与えることができる。その結果、死細胞は光学顕微鏡下で青紫に見えるのに対し、生細胞は白色から黄色みがかった色を有する。次にノイバウアー(Neubauer)計数チャンバーを用いて、顕微鏡的に生細胞および死細胞数を判定する。
MTT−Test試験を用いた活力度判定
ドイツ国マンハイムのロシュ(Roche(Mannheim,Germany))からのMTT試験(MTT増殖キット)を用いた活力度の判定は、上述のトリパンブルー染色とは違って、生細胞カウントのみを含む。
この測定方法は熱量試験であり、その中では黄色のテトラゾリウム塩である3−[4,5−ジメチルチアゾール−2−yl]−2,5−ジフェニル−テトラゾリウム−ブロミド(MTT)が、受動的に生細胞に吸収されて、デヒドロゲナーゼの作用によって、水不溶性の紫色のホルマザン結晶に還元される。形成されるホルマザンの量は、恒常的で十分に長いインキュベーション期間において、生細胞カウントに比例する。判定は37℃で4時間のインキュベーション期間の後に、λ=570nmで測光法で行われる。
カプセル化細胞のMTT−活力度試験
最初は細胞懸濁液の生細胞カウントを判定するために、MTT試験が開発された。定性的MTT試験はまた、無傷のカプセルでも行うことができる。しかし、定量的な判定のためには、カプセルを超音波浴内において、ドイツ国のシグマアルドリッチ(Sigma−Aldrich(Germany))からの20%SDS溶液中で1時間インキュベーションして、細胞をカプセルから溶かし出さなくてはならない。なおも得られるカプセルおよび細胞断片は遠心分離される。MTT試験は、供給元ドイツ国マンハイムのロシュ(Roche(Mannheim,Germany))からのMTT増殖キットの取扱説明書に従って実施された。MTT濃度は分光光度法で測定される。
実施例4:
異なるSCS製造バッチを使用したカプセル品質の再現性の判定
600μmカプセルを製造するために、1%NaCl(w/v)添加2%SCS(w/v)溶液、および1%NaCl(w/v)添加1.0%pDADMAC(w/v)溶液を調製する。pDADMAC溶液を30℃に調節する。20mlのSCSを、300mlの撹拌される1.0%pDADMAC溶液に滴下して添加する。反応時間は3分間である。
ノズル径は200μmである。体積流量は6.1ml/分である。ノズル振動の振幅は100%に設定され、周波数900Hzに設定される。分散体電圧は1100Vである。
固定化細胞を使用して600μmカプセルを生成するために、実施例3で記載されるような方法を応用する。さらに90%の集密に生育した細胞をT75フラスコ内でトリプシン処理して、英国グラスゴーのギブコ(Gibco(Glasgow))からのNM培地(4.5g/lグルコース+10%FCS添加DMEM培地)に吸収させ、200gで5分間ペレット化する。ペレットをPBSに再度懸濁し、細胞濃度を判定する。2×10細胞/mlSCSの細胞濃度達成するために、細胞懸濁液のアリコートをペレット化する。洗浄したペレットをSCS溶液に再度懸濁してインジェクションに充填する。細胞懸濁液の液滴への変換はその直後に起きる。
カプセルサイズの判定:
カプセルサイズはノイバウアー(Neubauer)計数チャンバー内において、4倍の倍率下で顕微鏡的に判定される(ドイツ国イエナのカールツァイスイエナ(Carl Zeiss Jena(Jena,Germany))からの光学顕微鏡M200およびソフトウェア「ツァイスイメージング(Zeiss Imaging)Vers.4」)。
マイクロカプセルの安定性測定:
SCSマイクロカプセルの機械的特性を判定するために、ドイツ国ベルリンのレルヒェ)(Lerche GmbH、(Berlin,Germany))からの力−変位測定装置、ルミテクスチャ(LUMiTexture)を使用した。
スタンプがプログラム可能な速度で試験対象物に負荷をかけ、一方電子秤が生じた力を測定する。力−変位曲線から、シンプレックス膜中に現れた破裂圧力および最大張力のパラメーターを判定できる。安定性測定は固定化細胞のないカプセルのため、ならびに固定化細胞があるカプセルの長期安定性を研究するためにも使用される。
Figure 2008533231
同一カプセル封入パラメーターであるが、4つの異なる製造バッチで調製されたカプセルの測定は、達成されたカプセル安定性が絶対的に同程度であることを示す。平均安定性は約6%変動する。個々のバッチ間のばらつきは、それぞれの測定範囲の標準偏差よりも低い。この結果は、それを通じてシンプレックス膜形成が進行する複合体形成反応が、再現可能なSCS合成と選択されるプロセス管理により、非常に良好に制御できることを例示する。常に高いカプセル安定性は、高い機械的負荷の特別な目的のために生成されたカプセルの有用性の推定を可能にし、ひいてはカプセルの機械的損傷のリスクを最小化する。カプセルは静置および撹拌される培養容器内での培養のため、ならびに静脈内注射のため、そしてヒトおよび動物組織中への移植のために十分に安定である。
実施例5
カプセル安定性に対するカプセル化細胞の効果:
カプセル調製は、実施例3で記載されるようにして実施された。安定性を実施例4で言及されるプロセスに従って測定した。カプセルを最初に細胞300個/カプセルで装填した。測定を14日間後に行った。
Figure 2008533231
懸濁細胞が小滴表面にあれば、それらはSCSとpDADMACの間の複合体形成反応中に、膜内に恒久的に固定されることがあり得る。測定されるカプセル安定性は、SCS中に懸濁された細胞が、カプセル膜の安定性に悪影響を与えないことを例示する。これは、組織、ヒトおよび動物細胞、微生物、マイクロ粒子、ナノ粒子、固定化酵素、触媒、および水不溶性結晶性物質などの非可溶性固形物の固定化のための基本的必須条件である。
実施例6
固定化細胞のあるSCSカプセルの長期安定性:
実施例3で記載される方法に従って、カプセルを調製して培養する。実施例4で記載されるようにして安定性測定を行う。最初に細胞300個/カプセルをカプセル化し、2rpmのローラーボトル内において、4.5g/lグルコース+英国グラスゴーのギブコ(Gibco(Glasgow))からの10%ウシ胎仔血清添加DMEM培地中で37℃および5%COで60日間培養する。
Figure 2008533231
カプセル破壊の直前に現れるカプセル膜内の最大応力の測定は、60日間の培養期間中にカプセル安定性が18%低下するが、カプセルの完全性を維持するのになおも十分に高いことを示す。形成されたシンプレックス膜は、細胞培養液中での固定化細胞の培養中に起きる浸透圧、化学、および物理的応力に対して抵抗性である。これによって高塩濃度、変化するpH値、および恒久的な機械的応力下における使用が可能になる。
実施例7
規定の直径のSCSマイクロカプセルの製造および再現性
基準径250μmのカプセルを調製するために、1%NaCl(w/v)添加1.5%SCS(w/v)の溶液を調製し、1%NaCl(w/v)添加0.85%pDADMAC(w/v)溶液を調製する。pDADMAC溶液を30℃に調節する。10mlのSCSを300mlの撹拌される0.85%pDADMAC溶液に滴下して添加する。pDADMACとSCSの濃度比は17(g/g)である。反応時間は2分間である。
インジェクション駆動装置に10mlのプラスティックインジェクションを装着する。ノズル径は100μmである。体積流量は1.5ml/分である。ノズル振動の振幅は100%であり、周波数は2000Hzに設定される。分散体電圧は1300Vである。結果を図1Aに示す。
基準径520μmのカプセルを調製するために、1%NaCl(w/v)添加1.8%SCS(w/v)の溶液、および1%NaCl(w/v)添加1.0%pDADMAC(w/v)溶液を調製する。pDADMAC溶液を30℃に調節する。20mlのSCSを300mlの撹拌される1.0%pDADMAC溶液に滴下して添加する。pDADMACとSCSの濃度比は11.1(g/g)である。反応時間は3分間である。
インジェクション駆動装置にプラスティックインジェクションを装着する。ノズル径は200μmである。体積流量は6.1ml/分である。ノズル振動の振幅は100%であり、周波数は1100Hzに設定される。分散体電圧は1100Vである。結果を図1Bに示す。
基準径700μmのカプセルを調製するために、1%NaCl(w/v)添加2.8%SCS(w/v)の溶液、および1%NaCl(w/v)添加1.5%pDADMAC(w/v)溶液を調製する。pDADMAC溶液を30℃に調節する。15mlのSCSを8.5mlの撹拌される1.5%pDADMAC溶液に滴下して添加する。pDADMACとSCSの濃度比は10.7(g/g)である。反応時間は3分間である。
インジェクション駆動装置にプラスティックインジェクションを装着する。ノズル径は250μmである。体積流量は8.5ml/分である。ノズル振動の振幅は100%であり、周波数は700Hzに設定される。分散体電圧は1100Vである。結果を図1Cに示す。
基準径1200μmのカプセルを調製するために、1%NaCl(w/v)添加2%SCS(w/v)の溶液、および1%NaCl(w/v)添加2.5%pDADMAC(w/v)溶液を調製する。pDADMAC溶液を30℃に調節する。30mlのSCSを300mlの撹拌される2.5%pDADMAC溶液に滴下して添加する。pDADMACとSCSの濃度比は10.7(g/g)である。反応時間は5分間である。
インジェクション駆動装置にプラスティックインジェクションを装着する。ノズル径は300μmである。体積流量は12.9ml/分である。ノズル振動の振幅は100%であり、周波数は600Hzに設定される。分散体電圧は1200Vである。結果を図1Dに示す。
カプセルサイズはノイバウアー(Neubauer)計数チャンバー内において、4倍の倍率下で顕微鏡的に判定される(ドイツ国イエナのカールツァイスイエナ(Carl Zeiss Jena(Jena,Germany))からの光学顕微鏡M200およびソフトウェア「ツァイスイメージング(Zeiss Imaging)Vers.4」)。
異なるSCS製造バッチを使用したカプセルサイズの判定および再現性
異なる製造の再現性を比較するために、1%NaCl(w/v)添加1.7%SCS(w/v)溶液および1%NaCl(w/v)添加1.5%pDADMAC(w/v)溶液を使用して、基準径710μmのSCSカプセルのバッチを調製する。pDADMAC溶液を30℃に調節する。15mlのSCSを8.1ml/分で300mlの撹拌される1.5%pDADMAC溶液に滴下して添加する。pDADMACとSCSの濃度比は10.7(g/g)である。反応時間は3分間である。
インジェクション駆動装置にプラスティックシリンジを装着する。ノズル径は250μmである。体積流量は8.1ml/分である。ノズル振動の振幅は100%であり、周波数は750Hzに設定される。分散体電圧は1350Vである。結果を表5に示す。
カプセルサイズはノイバウアー(Neubauer)計数チャンバー内において、4倍の倍率下で顕微鏡的に判定される(ドイツ国イエナのカールツァイスイエナ(Carl Zeiss Jena(Jena,Germany))からの光学顕微鏡M200およびソフトウェア「ツァイスイメージング(Zeiss Imaging)Vers.4」)。
Figure 2008533231
さらなる製造規格は、実施例2で記載される方法に対応する。
図1に示す例は、単分散SCSマイクロカプセルが異なる直径で製造できることを例示し、それはカプセルの幅広い使用可能性を開く。カプセル径の標準偏差は、平均で4%と低い。バッチ間のばらつきは直径710μmを有するカプセルでは3.3%と低く、したがって本発明のプロセスで生成されるSCSを使用した際の高再現性は、達成可能である。これはノズルから流出する液体ジェットが一定の流速を有するという事実に起因し、これは非常に均質なポリマー溶液のみにおいて可能である。これは特に直径がより小さいカプセルの調製において、流速の小さな変化がカプセルサイズに大きなばらつきをもたらすことから、関連性が高い。不均質なSCS溶液によって引き起こされる最小容積変化は、サイズ分布に劇的な悪影響を与えることができるが、本発明のSCSにより、265μmの小さい平均径でも4%の標準偏差が得られる(図1a)。520μmのカプセルでは、2%の標準偏差が実現できる(図1b)。生成された単分散のカプセルは、カプセル表面が正確に計算できるので、固定化材料の非常に正確な投薬量が可能になる。固定化細胞は、単分散粒子中で均一に生育する。撹拌される培養容器の場合、単分散カプセルは、全ての培養細胞のために均一の分散、ひいては最適生育条件を保証する。カニューレを使用したマイクロカプセルの適用は、閉塞のリスクを最小化することから、ばらつきが小さいカプセルのみで可能である。より大きなノズル径は、小さな単離された組織の最小閉塞リスクでの固定化を可能にする。単分散カプセルは、これらによっても調製できる(図1C)。製造できるカプセルの最小サイズは、使用するSCS溶液でなく、液滴発生のために選択された方法によってのみ制限される。
実施例8
細胞生育動態に関するSCSカプセルの影響の研究
経時変化実験において、HEK293細胞の生育動態を行った。
SCSカプセルの生産のために、90%の集密のT75フラスコの分裂細胞をトリプシン処理し、DMEM培地中に収集して200gで5分間遠心分離した。塊をPBSに再懸濁し、細胞濃度を判定した。細胞懸濁液のアリコートをペレット化し、細胞濃度を2×10細胞/mlSCSに再度調節した。洗浄したペレットをSCS溶液に再懸濁し、シリンジに充填した。細胞懸濁液から液滴への変換は、その直後に起きた。
600μmカプセルの生産のために、1%NaCl(w/v)添加2%SCS(w/v)および1%NaCl(w/v)添加1.1%pDADMAC(w/v)溶液を用いた。pDADMAC溶液を30℃の中程度の温度に保った。20mlのSCS溶液を300mlの撹拌される1.1%のpDADMAC溶液に滴下した。反応時間は3分間であった。
ノズル直径は200μmであった。流速は6.1ml/分に調節された。ノズル振動の振幅は100%に達し、周波数は900Hzに調節した。分散体電圧は1100Vであった。
1200μmカプセルの生産のために、1%NaCl(w/v)添加2%SCS(w/v)溶液、および1%NaCl(w/v)添加2.5%pDADMAC(w/v)溶液を使用した。pDADMAC溶液を30℃に加熱した。
30mlのSCS溶液を300mlの撹拌される2.5%pDADMAC溶液に滴下した。反応持続時間は5分間であった。ノズル径は300μmであった。流速は12.9ml/分であった。ノズル振動の振幅は100%であり、周波数は600Hzに調節された。分散体電圧は1200Vであった。
図2aは左上から右下に、マイクロカプセル内の細胞カウント増大の質を示し、試験サンプルはカプセル封入の1、2、3、7、14、および21日後に採取された。
顕微鏡写真である図2aは、SCSカプセル内の固定化HEK293細胞の明らかに良好な細胞生育を示す。細胞は単一非凝集細胞として固定化され、最初にカプセル膜の内表面に付着して最後にカプセルを満たす。次に細胞はカプセル腔内に稠密な組織様細胞集塊で存在する。
図2bでは、600μmおよび/または1200μmのカプセル中に固定化HEK293細胞の生育曲線が示される。グラフは36日間の期間にわたる、閉じ込まれたHEK293細胞の増加を明らかにする。カプセルをこのためにT175フラスコ内で30mlのNM培地と共に培養した。SCS溶液1mlあたりの生細胞カウントをドイツ国マンハイムのロッシュから(Roche(Mannheim,Germany))のMTT試験によって、製造業者の取扱説明書に従って判定した。
図2bは対数生育相をさらに示し、それは最初のカプセル封入を基準にして低下する生育速度での拡大移行相を越えて、最後の静止期に転換する。静止期培養を使用した場合でさえ、直径600μmを有するカプセルではSCS 1mlあたり5.61×10個の細胞、直径1200μmを有するカプセルではSCS 1mlあたり3.1×10個の細胞の非常に高い細胞密度が得られた。より小さいカプセル内のより高い細胞密度は、比交換表面の増大に比例し、気体および栄養素の曖昧な材料移行を制限する(表6)。
Figure 2008533231
初期対数生育相で測定される倍増時間(t)は、この時点では拡散が細胞生育の限定要因ではないため比較的高く、tD600μm=73時間およびtD1200μm=86時間である。
実施例9
凍結解凍後のSCSカプセルの安定性
試験のために、90%の集密のT75フラスコの分裂細胞をDMEM培地に懸濁して200gで5分間遠心分離した。ペレットをPBSに再懸濁し、細胞濃度を判定した。細胞懸濁液のアリコートをペレット化し、細胞濃度を2×10細胞/ml SCSに調節した。洗浄したペレットをSCS溶液に再懸濁し、シリンジに充填した。カプセル封入プロセスは、その直接に開始された。
600μmカプセルの生産のために、1%NaCl(w/v)添加2%SCS(w/v)および1%NaCl(w/v)添加1.1%pDADMAC(w/v)溶液を用いた。pDADMAC溶液を30℃の温度に保った。20mlのSCSを300mlの撹拌される1.1%のpDADMAC溶液に滴下した。反応持続時間は3分間であった。
ノズル直径は200μmであった。流速は6.1ml/分に調節された。ノズル振動の振幅は100%であり、周波数は900Hzに調節した。分散体電圧は1100Vであった。
T175フラスコ内で4.5g/lグルコース+10%FCS添加30ml DMEM培地と共に凍結する前に、カプセルを21日間培養した。
凍結は、10%DMSO(v/v)をさらに添加した4.5g/lグルコース+10%FCS添加DMEM培地中で行った。2時間のインキュベーション時間の後、カプセルを一定の冷却速度で−80℃に冷却した。使用時までカプセルを−80℃で保存した。
顕微鏡画像(図3)は、ドイツ国マンハイムのロッシュ(Roche(Mannheim,Germany))からのMTT試験で製造業者の取扱説明書に従って生染色した後の、解凍後DMEM培地内で24時間培養された固定化細胞入りカプセルを示す。
解凍後、カプセルの巨視的な膜構造は完全に無傷のままである。カプセルはまた、この手順後にも固定化細胞を安定に保つ。MTT試験を使用して見られるように、固定化細胞は、カプセル内における非常に高い細胞密度にもかかわらず、凍結解凍手順に耐えて容易に再度培養できる。カプセル膜は全体的に不透明に見える。これは工業生産法を使用して、高濃度のヒト細胞カプセルを提供することを可能にする。また妥当な費用で、アリコートとしての保存および冷凍保存が提供できる。
(原文に記載なし)

Claims (23)

  1. a)極性非プロトン性の溶剤中で天然セルロースを膨潤させるステップと、
    b)同時エステル化ならびにポリマー鎖に沿っておよびポリマー鎖間での酢酸基および硫酸基の分布のために、硫酸化試薬およびアセチル化試薬を添加するステップと、
    c)直後に塩基、好ましくは水酸化ナトリウムで完全に中和して、アセチル基を切断することなく硫酸基を硫酸セルロース(SCS)のナトリウム塩内に転移して、中和直後に酢酸基の開裂、ひいてはセルロース鎖の分解もまた避けるステップと、
    d)引き続いて、水中で1%の濃度で10mPasを超える溶液粘度を特徴とするSCSを沈殿、脱アセチル化、洗浄、および乾燥させるステップと
    の組み合わせを特徴とする、位置選択的置換硫酸セルロース(CS)の生産方法。
  2. 中和ステップが沈殿と同時に達成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 生成されたSCSの溶液粘度範囲が、水中の1%溶液を基準にして、10〜500mPasの間、特に15〜400mPasの間、さらに特に20〜300mPasの間、さらに特に15〜100mPasの間、さらに特に20〜50mPasの間で調節可能であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 天然セルロースが、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)の群から選択される極性溶剤中で膨潤されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 膨潤セルロースが、硫酸、アミド硫酸、三酸化硫黄、塩化スルフリル、およびクロロスルホン酸からなる群から選択される硫酸化試薬により硫酸化されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 膨潤セルロースが、塩化アセチルまたは無水酢酸でアセチル化されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 膨潤が、室温から150℃まで、特に20°〜100℃またはさらに特に40°〜80℃の温度で達成されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. アセチル化および硫酸化が、室温から110℃まで、特に20°〜80℃、特に30°〜70℃またはさらに特に40°〜65℃の温度で達成されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 全ての出発原料が本質的にCd、Pb、Hg、Fe、Ni、Ti、Mn、ZnまたはCuなどの重金属フリーであり、生成されたSCSの鉄含量が≦20ppmであり、したがって生成されたSCSの鉄なしでの総重金属含量が≦10ppmであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 生成されたSCSの溶液粘度範囲が、水に溶解した1%溶液を基準にして、10〜500mPas、特に15〜400mPas、さらに特に20〜300mPas、さらに特に15〜100mPas、さらに特に20〜50mPasの間で調節可能であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法によって得られる硫酸セルロースナトリウム(SCS)。
  11. 生成されたSCSがCd、Pb、Hg、Fe、Ni、Ti、Mn、ZnまたはCuなどの重金属フリーであり、生成されたSCSの鉄含量が≦20ppmであり、生成されたSCSの鉄なしでの総重金属含量が≦10ppmであることを特徴とする、請求項10に記載の硫酸セルロースナトリウム(SCS)。
  12. a)請求項10または11に記載のSCSから0.5〜10%水溶液を調製するステップと、
    b)カプセル化する材料の水性SCS溶液への添加によって、そして任意に1つ以上のさらに別の基質、キャリア添加剤、溶液、保存料、塩、グリセリンまたはDMSOの添加によって、カプセル封入プロセスのためのSCS懸濁液を調製するステップと、
    c)b)の懸濁液を複合体形成浴中に滴下するステップと、
    d)水溶液中にカチオンポリマーを含有する溶液中でカプセルを複合体形成するステップと
    を特徴とする、マイクロカプセルの生産方法。
  13. カプセル化された材料が、生物学的起源、特にヒトまたは動物の天然または改質細胞、天然または改質細菌、天然または改質ウイルス、天然または改質酵母、単離タンパク質またはタンパク質混合物、抗体または抗体断片、および/または核酸分子であることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  14. 滴下のために、振動手順および100〜4000Hzの範囲の周波数が用いられることを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。
  15. 複合体形成が溶液中で達成され、ポリマーカチオンが、ドデシルアミン、エチレンジアミン、ピペラジン、メチレンブルー、アルギニン、トリエチルテトラミン、ポリ(アリルアミン塩酸塩)、スペルミン、ポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)(pDADMAC)、ポリ(塩化ビニルベンジルトリメチルアンモニウム)、およびそれらの混合物の群から選択されることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 複合体形成が、平均分子量10,000〜500,000、好ましくは10,000〜50,000を有するポリ(塩化ジメチルアリルアンモニウム)(pDADMAC)溶液中で達成されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  17. 生物学的材料のマイクロカプセル封入のための請求項10または11に記載のSCSの使用。
  18. 請求項12〜16のいずれか一項に記載の方法における、請求項10または11に記載のSCSの使用。
  19. 請求項10または11に記載のSCSからのマイクロカプセル。
  20. 請求項12〜16のいずれか一項に記載の方法で製造される、SCSからのマイクロカプセル。
  21. 平均直径0.1〜50μm、1〜100μm、50〜250μm、50〜500μm、100〜250μm、100〜500μm、250〜500μm、250〜700μm、200〜1500μm、500〜1000μm、600〜800μm、700〜1500μm、1000〜2500μm、1500〜3000μm、2500〜4000μmまたは3000〜5000μmの均一なサイズ分布を有することを特徴とする、請求項19または20に記載のSCSからのマイクロカプセル。
  22. 薬剤としての請求項19〜21のいずれか一項に記載のSCSからのマイクロカプセルの使用。
  23. 移植および/または注射のための薬剤を製造するための、請求項19〜21のいずれか一項に記載のSCSからのマイクロカプセルの使用。
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