JP2008520504A - 自動車内張り部品及び標識付け方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、自動車内張り部品(100;200)の標識付け方法に関し、標識付けがレーザ光線(106;206)で行われ、またレーザ標識を備えた自動車内張り部品例えば計器盤、扉内張り又は柱内張りに関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば計器盤、扉内張り又は柱内張りのような自動車内張り部品、及び自動車内張り部品の標識付け方法に関する。
従来技術から、種々のエアバッグ装置、特に自動車の内部空間から見えないようなエアバッグ装置が公知である(例えばドイツ連邦共和国の特許出願公開第10106661号、第10311854号、第10316226号明細書、及び欧州特許第0711627号明細書参照)。
エアバッグ装置の存在を示すため、従来技術において、自動車内部空間にエアバッグ装置の表示部を設けることが一般に普通である。これは、特に見えないエアバッグ装置において、助手席にエアバッグが存在しないことを仮定して、そこに小さい子供が例えば助手席に置かれるのを回避するために、重要である。
助手用エアバッグ、運転者用エアバッグ、側面エアバッグ、カーテンエアバッグであっても、通常エアバッグ装置の表示部の取付けは、エアバッグ装置の範囲に設けられている自動車内張り部品に文字「SRSエアバッグ」を取付けることによって、行われる。
このためSRSエアバッグのロゴを持つプラスチック射出成形部品が製造される。これらのプラスチック射出成形部品は、適当な自動車内張り部品にクリップばめされる。これは組立ての際比較的高い費用を生じ、更に美的に特に気に入らないことがしばしばある。別の欠点は、衝突の際例えば膨らむエアバッグの重さにより、プラスチック射出成形部品が外れる可能性のあることである。
エアバッグの存在の表示部をエアバッグ装置に取付ける別の可能性は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19932327号明細書に記載されている。ドイツ連邦共和国特許出願公開第1932327号明細書は、エアバッグの範囲に乗員には見えないエアバッグ蓋を持つ自動車内張り部品を記載しており、このエアバッグ蓋は少なくとも部分的に内側に環状所定破断線により形成され、内張り部品の外側にエアバッグ蓋の存在を示す標識が設けられている。この標識は、エアバッグ蓋又は所定破断線の輪郭に対してずれて設けられている。標識は、レーザにより形成される環状溝によって形成することができる。内張り部品は異なる材料から成っていてもよい。公開明細書には、射出、引抜き、吹込み、型押しされた硬質プラスチック、箔被覆又は裏発泡された支持体、被覆又は裏発泡された木質繊維成形材料又は裏射出又は裏圧縮成形された箔又は物質があげられる。
これに対し本発明の基礎になっている課題は、改善された自動車内張り部品及び自動車内張り部品を標識付けするための改善された方法を提供することである。
本発明の基礎になっている課題は、独立請求項の特徴によってそれぞれ解決される。本発明の好ましい実施形態は従属請求項に示されている。
本発明によれば、自動車内張り部品の標識付けがレーザ光線で行われる。これは、自動車内張り部品に標識を取付けるために別個の部材又は取付け段階をなくすことができる、という利点を持っている。
本発明の実施形態によれば、自動車内張り部品が、標識を設けるためレーザ光線により分離される上層を持っている。レーザ光線により上層が分離されるところでは、自動車内部空間から見える下層が現れる。上層は、例えば繊維のポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオレフィン及び/又はTPO成分を持つ装飾層である。例えば装飾層は繊維起原であり、ポリエルテル(PES)繊維又はポリオレフィン(PP)繊維から成っている。しかし装飾層の表面はPVC箔又はTPO箔から成っていてもよい。
本発明の実施形態によれば、装飾層が支持層上に設けられている。装飾層がレーザ光線により分離されるため、その下にある支持層が見える。支持層は、標識の範囲に印刷されるか又は塗装される色層を持つことができ、装飾層の分離のためこの色層が現れる。
別の実施形態によれば、自動車内張り部品の上層が、レーザ光線を当てる際色を変化する色顔料を持っている。このような色顔料は従来技術から公知である(ドイツ連邦共和国実用新案第9421868号参照)。
標識は、例えばSRSエアバッグロゴのように、標識の範囲にあるエアバッグ装置の指示部である。しかし本発明による方法によって、情報及び/又は装飾的な種類の別の標識を自動車内張り部品に設けることもできる。
本発明の実施形態によれば、標識が範囲内の色顔料の配置によって規定され、色顔料を含む上層の範囲が、レーザ光線で照らされ、その際色顔料がその色を変化し、それにより標識が見えるようになる。例えば色顔料の配置がエアバッグの語を模写するように、色顔料を上層に適切に配置することによって、色顔料の配置が存在する範囲の上層がレーザ光線で照らされるようにすることができる。それによりエアバッグの語が見えるようになる。これは特に簡単なレーザ装置を使用できるという利点を持っている。なぜならば、エアバッグの語をレーザ光線により上層に模写するために必要な制御はもはや必要とされないからである。
本発明による自動車内張り部品は計器盤、扉内張り、例えばいわゆるA柱、B柱、C柱又はD柱のような柱の内張り、又はエアバッグの射出通路を閉鎖するエアバッグカバーである。
本発明の実施形態によれば、自動車内張り部品は、例えばいわゆる扁平ポリプロピレン(PP)のように天然繊維材料から成る支持層を持っている。支持層はプラスチック例えばPPLGF30%から成っている。支持層上には繊維ウエブがあり、この繊維ウエブがその上にある装飾層用の接着手段として作用する、支持層の他方の側には、例えばエアバッグ用射出通路を振動溶接により取付けるために継ぎ合わせ層が存在していてもよい。
本発明の別の実施形態によれば、支持層が分離可能なエアバッグカバーを実現するための予備弱化部を持っている。予備弱化部は所定破断個所であり、例えば膨らむエアバッグが支持層の裏側に当たると、この破断個所が分離されて、計器盤から出口開口をあけるためエアバッグカバーを分離する。例えば予備弱化部はU字状溝として形成され、前窓ガラスの基部に面するエアバッグカバーの側は弱められていない。エアバッグカバーが開く際、この側が蝶番の機能を引受ける。
本発明の別の実施形態によれば、支持層上に電界発光箔がある。この箔は、上層のレーザ標識により車両内部空間から見えるようになる。電界発光箔は制御装置から制御可能である。例えばエアバッグが投入されているか遮断されているか及び/又はエアバッグが正常であるか故障しているかを表示するため、電圧が電界発光箔に印加される。これは特に助手用エアバッグに対して有利である。なぜならば、その場合小さい子供を助手席へ移すことができるか否かが、よく見えるように表示されるからである。
レーザ標識及び弱化部のためにCOレーザを使用するのがよい。なぜならば、これにより製造費を節約できるからである。
文字を直接エアバッグカバーに設けることができると、更に有利である。これは、部材上に設けられる文字であり、別個の部材ではないので、負傷の危険が完全に防止される。
図面を参照して本発明の好ましい実施例が更に詳細に説明される。
図1は、例えばエアバッグの射出通路を閉鎖するエアバッグカバー、計器盤、扉内張り、又はいわゆるA柱、B柱、C柱又はD柱のような自動車の柱の内張りのような自動車内張り部品100を示している。
自動車内張り部品100は支持層102を持ち、この支持層上に装飾層104がある。自動車内張り部品100の標識付けは、レーザ108から供給されて光学系110により装飾層104の標識付けすべき個所へ向けられるレーザ光線106により行われる。レーザ108はなるべくCOレーザであり、装飾層104を分離するのに充分な強さのレーザ光線106を供給する。
図2は、標識を設けた後の自動車内張り部品100を示している。レーザ光線106により、支持層102まで達する溝112が切込まれているので、自動車内張り部品100の組込み位置において、支持層102の表面は自動車内部空間から見える。なるべく装飾層104及び支持層102は色のコントラストを持っているので、溝112を通して装飾層104とは色の異なる文字が見える。
図3は、標識の範囲で支持層102上に設けられる色層114を持つ自動車内張り部品100を示している。色層114は塗装又は印刷であってもよい。特に装飾層104と支持層102の表面との色のコントラストが標識を明確に認識するのに充分でない時、このような色層114を設けるのが有利である。更に色層114のため、例えばレーザ標識付けにより現れる文字を自動車の他の色の内部空間構成に合わせることのように、大きい造形の自由度が与えられる。
図4は、支持層102上に繊維ウエブ116を持つ自動車内張り部品100の別の実施例を示している。繊維ウエブ116は、装飾層104と支持層102との接着手段として役立つ。この場合繊維ウエブ116の表面は、レーザ光線106により切込まれる溝112を通して見えるようになる。
図5は、図4による実施例の展開としての自動車内張り部品の実施例を示している。図5の実施例では、自動車内張り部品100は、その繊維ウエブ116とは反対の側に継ぎ合わせ層118を持っている。継ぎ合わせ層118は、例えばポリプロピレンから成る継ぎ合わせ箔とすることができる。継ぎ合わせ箔は例えば100μm以下の厚さを持っている。
継ぎ合わせ層118は、エアバッグ122の射出通路120の取付けに役立つ。継ぎ合わせ層118への射出通路120の取付けのため、例えば振動溶接方法を使用することができる。
支持層102は、支持層102を弱めるのに役立つ溝124を持っている。それにより分離可能なエアバッグカバーが実現される。エアバッグ122の始動後、膨らむエアバッグ122が支持層102の裏側に当たる。この衝突により、溝124の間にある支持層102が範囲が分離されるので、エアバッグ用の出口開口があけられる。
装飾層104にある溝112及び支持層102にある溝124は、同じレーザなるべくCOレーザにより形成されるのがよい。
指摘すべきことは、溝112が必ずしも装飾層104を完全に分離しなくてよいことである。支持層102又は色層114又は繊維ウエブ116(これに対して図3及び4の実施例参照)まで達しない装飾層104の溝構造も、車両乗員により文字、装飾及び/又はロゴとして認められる。
図6は本発明による自動車内張り部品200の別の実施例を示している。自動車内張り部品200は支持層202を持ち、この支持層上に装飾層204がある。装飾層204は色顔料を持っている。
レーザ光線206を装飾層204の標識付けすべき範囲へ向けることによって、装飾層204の標識付けが行われる。レーザ光線206はレーザ208から供給され、適当な光学系210を介して標識付けすべき範囲へ向けられる。レーザ光線206が装飾層204へ当たる所で、装飾層204にある色顔料が科学的及び/又は物理的に変換されるので、局部的な変化が起こる。レーザ208はYAKレーザであるのがよい。
図7aは本発明による自動車内張り部品300の別の実施例の断面を概略的に示している。自動車内張り部品300は支持層302及び装飾層304から成っている。装飾層304は色顔料312を含み、装飾層304の範囲314内の色顔料の配置により、標識が規定されている。範囲314にレーザ光線306を照射することにより、色顔料がその色を変化する。レーザ光線306はレーザ308により発生される。レーザ光線306は光学系310により広げられて、範囲314が全体としてレーザ光線306により照射されるか、光学系310がレーザ光線306を制御して、範囲314がレーザ光線306により次第に照らされるようにする。
図7bは、図7aに断面で示されている自動車内張り部品300の平面図を示している。範囲314は装飾層の表面316の一部を含んでいる。範囲314内における色顔料の配置は、この配置が「エアバッグ」の語を模写するように、規定されている。即ちこの場合標識318は、「エアバッグ」の語に相当している。標識318従って「エアバッグ」の語は、レーザ光線を当てる際における色顔料の色変化によって見えるようになる。
レーザ標識付け前における自動車内張り部品の断面図を示す。 レーザ標識付け後における自動車内張り部品を示す。 色層が見えるようにするレーザ標識付けを持つ別の自動車内張り部品を示す。 繊維ウエブを持つ自動車内張り部品の別の実施例を示す。 エアバッグ装置を持つ自動車内張り部品の別の実施例を示す。 色顔料を持つ自動車内張り部品の別の実施例を示す。 色顔料を持つ自動車内張り部品の別の実施例の断面図を概略的に示す。 色顔料を持つ自動車内張り部品の別の実施例の平面図を示す。
符号の説明
100,200,300 自動車内張り部品
102,202,302 支持層
104,204,304 上層(装飾層)
106,206,306 レーザ光線
108,208,308 レーザ
110,210,310 光学系
112,124 溝
114 色層
116 繊維ウエブ
118 継ぎ合わせ層
120 射出通路
122 エアバッグ
312 色顔料
314 範囲
316 上層の範囲
318 標識

Claims (34)

  1. 自動車内張り部品(100;200)の標識付け方法であって、標識付けがレーザ光線(106;206)で行われる、方法。
  2. レーザ光線により自動車内張り部品の上層(104)が分離され、従って下層(102;114;116)が見えるようになる、請求項1に記載の方法。
  3. 上層が装飾層である、請求項2に記載の方法。
  4. 上層が繊維のPVC及び/又はTPO部分を持っている、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 自動車内張り部品が装飾層(104)を持ち、装飾層がレーザ光線により分離される、先行する請求項の1つに記載の方法。
  6. 自動車内張り部品が、レーザ光線(206)を当てる際色を変化する色顔料を有する上層(204)を持っている、請求項1に記載の方法。
  7. 標識(318)が範囲内の色顔料(312)の配置によって規定され、色顔料(312)を含む上層(304)の範囲が、レーザ光線(306)で照らされ、その際色顔料(312)画素の色を変化し、それにより標識(318)が見えるようになる、請求項6に記載の方法。
  8. 上層(204)が装飾層(204)である、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 自動車内張り部品が計器盤である、先行する請求項の1つに記載の方法。
  10. 自動車内張り部品がエアバッグカバーである、先行する請求項の1つに記載の方法。
  11. 標識付けがエアバッグカバーの範囲で行われる、先行する請求項の1つに記載の方法。
  12. 組込み位置で自動車内部空間から見えかつレーザ標識を持つ上層(104;204)を有する自動車内張り部品。
  13. 上層(104)がレーザ標識付けにより分離され、従って組込み位置で自動車内張り部品の下層(102;114;116)が見える、請求項12に記載の自動車内張り部品。
  14. 上層が、レーザ光線(206)により変化可能な色を持ちかつレーザ光線により除去可能な色顔料を持っている、請求項12又は13に記載の自動車内張り部品。
  15. 上層が装飾層である、請求項12又は13又は14に記載の自動車内張り部品。
  16. 装飾層が繊維のPVC及び/又はTPO部分を持っている、請求項15に記載の自動車内張り部品。
  17. 下層が支持層(102;202)である、先行する請求項の1つに記載の自動車内張り部品。
  18. 下層が支持層上にある色層(114)である、先行する請求項の1つに記載の自動車内張り部品。
  19. 色層が支持層上に印刷されている、請求項18に記載の自動車内張り部品。
  20. 標識が色顔料の配置によって規定されるように、色層が支持層上に印刷されている、請求項18に記載の自動車内張り部品。
  21. 色層が塗装である、請求項18又は19又は20に記載の自動車内張り部品。
  22. 下層が繊維ウエブ(116)である、請求項13〜21の1つに記載の自動車内張り部品。
  23. 支持層(102;202)が天然繊維マットである、請求項12〜22の1つに記載の自動車内張り部品。
  24. エアバッグ(122)用射出通路を取付けるための継ぎ合わせ層(118)を持つ支持層(102)を有する、請求項12〜23の1つに記載の自動車内張り部品。
  25. 支持層が分離可能なエアバッグカバーを実現するための予備弱化部(124)を持っている、請求項12〜24の1つに記載の自動車内張り部品。
  26. レーザ標識がエアバッグカバーの範囲にある、請求項12〜25の1つに記載の自動車内張り部品。
  27. 内張り部品が計器盤である、請求項12〜26の1つに記載の自動車内張り部品。
  28. 内張り部品がエアバッグカバーである、請求項12〜27の1つに記載の自動車内張り部品。
  29. 内張り部品が扉内張りである、請求項12〜28の1つに記載の自動車内張り部品。
  30. 内張り部品が柱の内張りである、請求項12〜29の1つに記載の自動車内張り部品。
  31. 下層のレーザ標識の範囲に電界発光層が設けられている、請求項13〜30の1つに記載の自動車内張り部品。
  32. 作動状態に応じて電界発光層を開閉する制御装置を有する、請求項31に記載の自動車内張り部品。
  33. エアバッグが投入されているか遮断されているかを表示するため、制御装置が電界発光層を制御する、請求項23に記載の自動車内張り部品。
  34. エアバッグが誤作動しているか否かを表示するため、制御装置が電界発光層を制御することを特徴とする、請求項32又は33に記載の自動車内張り部品。
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