JP2008510001A - β−ケトイミナト金属錯体を使用するアルケン重合 - Google Patents

β−ケトイミナト金属錯体を使用するアルケン重合 Download PDF

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Abstract

ケトイミナト配位子とのグループ(IV)および(X)金属錯体を、ケトイミン配位子を脱プロトン化し、続いて適切な金属ハロゲン化物と反応させることによって製造する。好ましい場合において、該化合物は、(アリールイミノ-アルキル)-スピロ[4,5]デカン-6-オン配位子との、チタン(IV)、ジルコニウム(IV)およびハフニウム(IV)錯体である。該化合物は、エチレン、C〜C10-αオレフィンおよびC〜C10環状アルケンの重合用触媒、およびエチレンとコモノマーとの共重合用触媒として有用である。

Description

本発明は、β-ケトイミナト配位子とのグループ(IV)およびグループ(X)金属錯体、ならびに、エチレン、C〜C10αオレフィンおよびC〜C10環状アルケンの重合用触媒およびエチレンとコモノマーとの共重合用触媒としてのこれらの錯体の使用に関する。
エチレンおよびαオレフィンの重合に使用するためのβ-ケトイミナト配位子とのグループ(IV)およびグループ(X)金属錯体触媒は、既知である。Kim、J.ら、Journal of Organometallic Chemistry 620、1〜7頁(2001年);Li、X.-F.ら、Organometallics 23、1223〜1230頁(2004年);Zhang、D.ら、Organometallics 23、3270〜3275頁(2004年)を参照のこと。
これらの取り組みは、炭素αからカルボニル炭素までが、平面(sp-混成)であるか、メチルまたはトリフルオロメチルであるβ-ケトイミナト配位子との錯体に焦点が当てられていた。
配位子の新しいファミリーは、触媒発見のためのプールを豊富にするために重要である。
炭素αからカルボニル炭素までが四面体炭素(すなわち、4つの結合が異なる方向に伸びている炭素)である配位子の新しいファミリーが利用可能であることを発見した。
本発明の実施態様(第一の実施態様)において、構造式:
Figure 2008510001
〔式中、Mは、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選択され、Xは、ハロゲン、C〜C20炭化水素、C〜C20アルコキシドおよびC〜C20アミドからなる群から選択され、Rは、水素、C〜C20炭化水素、C〜C20フッ化炭素(例えば、HおよびF置換基の両方を有するものを含む、フルオロアルキルおよびフルオロアリールを含む)およびC〜C20ヘテロ環からなる群から選択され、Rは、四面体炭素原子によって結合したC〜C20炭化水素(すなわち、炭素αからカルボニル炭素(すなわち、ケトイミン部分の酸素に結合した炭素)までが四面体炭素である)からなる群から選択され、Rは、水素、C〜C20炭化水素、C〜C20フッ化炭素(例えば、HおよびF置換基の両方を有するものを含む、フルオロアルキルおよびフルオロアリールを含む)およびC〜C20ヘテロ環からなる群から選択され、Rは、C〜C20炭化水素、C〜C20フッ化炭素(例えば、HおよびF置換基の両方を有するものを含む、フルオロアルキルおよびフルオロアリールを含む)およびC〜C20ヘテロ環からなる群から選択され、二以上のR、R、RおよびRは、互いに結合して環を形成し得る〕または構造式:
Figure 2008510001
〔式中、Mは、ニッケルおよびパラジウムからなる群から選択され、Lは、中性の二電子供与体であり(すなわち、Mの配位数(coordination valance)を満たす機能を果たす非荷電基、例えば、エーテル、ホスフィンまたはニトリル基)、X、R、R、RおよびRは、上記と同義であり、および二以上のR、R、RおよびRは、互いに結合して環を形成し得る〕
を有する化合物が提供される。
好ましい場合において、RおよびRは、互いに結合して(アリールイミノ-アルキル)-スピロ[4,5]デカン-6-オン配位子((I)について2つおよび(II)について1つ)を形成する(すなわち、スピロ[4,5]デカン-6-オネート部分を含有する)。この場合において、化合物は、構造式:
Figure 2008510001
〔式中、Mは、チタン、ジルコニウム、およびハフニウムからなる群から選択され、および、RおよびRは、上記と同義であり、および、RおよびRは、互いに結合して環を形成し得る〕または構造式:
Figure 2008510001
〔式中、Mは、ニッケルおよびパラジウムからなる群から選択され、およびL、RおよびRは、上記と同義であり、および、RおよびRは、互いに結合して環を形成し得る〕を有する。
好ましくは、Xは、Clであり、Rは、HまたはCFであり、およびRは、フェニルまたはフッ素化フェニルであり、およびより一層好ましくは、化合物は、少なくとも一つのフッ素原子を含有する。
化合物(I)、(II)、(III)および(IV)は、エチレン、C〜C10αオレフィンおよびC〜C10環状アルケンの重合用触媒、およびエチレンと、C〜C10αオレフィン、スチレン、C〜C10ジエン、ハロゲン化(C〜C10)アルケニルおよびC〜C10環状アルケンからなる群から選択されるコモノマーとの共重合用触媒として有用である。
本発明の別の実施態様(第二の実施態様)において、エチレンを、触媒有効量の活性化化合物(I)(例えば、活性化化合物(III))の存在下で重合して、1,000〜3,000,000の範囲のMおよび1〜3の範囲の多分散度(PDI)を有するポリエチレンを製造する。
本発明のさらに別の実施態様(第三の実施態様)において、C〜C10αオレフィンを、触媒有効量の活性化化合物(I)(例えば、活性化化合物(III))の存在下で重合して、1,000〜3,000,000の範囲のMおよび1〜3の範囲のPDIを有するポリ(C〜C10αオレフィン)を製造する。
本発明のさらに別の実施態様(第四の実施態様)において、C〜C10環状アルケンを、触媒有効量の活性化化合物(I)(例えば、活性化化合物(III))の存在下で重合して、1,000〜3,000,000の範囲のMおよび1〜3の範囲のPDIを有するポリ(C〜C10環状アルケン)を製造する。
本発明のさらに別の実施態様(第五の実施態様)において、エチレンおよびコモノマーを、1:99〜99:1の範囲のエチレンとコモノマーとのモル比で、触媒有効量の活性化化合物(I)(例えば、活性化化合物(III))の存在下で共重合して、1,000〜3,000,000の範囲のMを有するエチレンと上記コモノマーとの共重合体を製造する。
MがTiであり、XがClである場合、重合/共重合は、活性化有効量のメチルアルミノオキサンによって、[Al]:[Ti]モル比が100〜200:1の範囲、例えば、125〜175:1になるように行われる活性化によって、有利に行われる。
MがZrであり、XがClである場合、重合/共重合は、活性化有効量のメチルアルミノオキサンによって、[Al]:[Zr]モル比が100〜200:1の範囲、例えば、150:1になるように行われる第一の実施態様の化合物の活性化によって、有利に行われる。
MがHfであり、XがClである場合、重合/共重合は、活性化有効量のメチルアルミノオキサンによって、[Al]:[Hf]モル比が100〜200:1の範囲、例えば、150:1になるように行われる活性化によって、有利に行われる。
また、上記重合/共重合は、[Al]:[B]:[M]モル比が10〜100:2:1の範囲、例えば、40:2:1になるように、活性化有効量のトリアルキルアルミニウム/フッ素化ホウ酸塩、例えばi-BuAl/PhB(C) の存在下に行うことができる。
分子量および多分散度(PDI)は、単分散ポリエチレン標準を使用する高温ゲル透過クロマトグラフィーによって決定される。
本発明の第一の実施態様を説明する。
構造式(I)で示される化合物の合成を説明する。
Figure 2008510001

化合物(V)〔式中、R、R、RおよびRは、構造式(I)についてのものと同義である〕を、溶媒中、例えば、1当量のブチルリチウムによって、−78℃にて、脱プロトン化し、次いで、MXと反応させる。BuLiのリチウムは、化合物(V)中のHと置き換わり、および2Lig-Li+MXは、(Lig)MX+2LiXを与える。
構造式(III)で示される化合物の合成を記載する。スピロケトン(VI):
Figure 2008510001
を、例えば、ピナコール転位を通じて[1,1'-ビシクロペンチル]-1,1'-ジオールから得る。この合成は、Kita、Y.ら、Tetrahedron Lett 38、8315〜8318頁(1997年)およびKita、Y.、Tetrahedron 54、14689〜14704頁(1998年)中に記載されている。RがC〜C20炭化水素またはC〜C20フッ化炭素である場合、RN=C(R)Clとスピロケトンとの結合により、脱プロトン化に際して対応する配位子を生成し、続いて上記のようにMXと反応させて化合物(III)を得る。化合物RN=C(R)Clは、CCl中のRNHおよびRC(O)OHと、PhPおよびEtNとの反応により製造される。RがHである場合、スピロケトン(VI)を、ギ酸エチルを使用して最初にホルミル化してアルデヒドを生成し、これをp-トルエンスルホン酸および五酸化リンの存在下、適切な条件のもとRNHと結合させて、脱プロトン化に際して配位子を生成し、続いて上記のようにMXと反応させて化合物(III)を得る。
次に、構造式(II)で示される化合物の合成を記載する。
Figure 2008510001
化合物(V)を、溶媒中、例えば、−78℃にて、1当量のブチルリチウムで脱プロトン化し、続いて1当量のトランス-[(L)NiX(Cl)]と反応させる。
次に、化合物(IV)の合成を記載する。配位子は、化合物(III)について上記したように形成される。脱プロトン化、それに続くトランス-[(L)NiX(Cl)]との反応により化合物(IV)を得る。
次に、本発明の方法の実施態様を記載する。
モノマーの1モル当たりの化合物(I)または化合物(II)の量は、例えば、1〜1×10−6mmol/mol;すなわち、この量は、触媒的に有効量を与え得る。
上記メチルアルミノオキサンは、化合物(I)/(III)用の活性化剤である。
メチルアルミノオキサンの代替物は、金属アルキル、例えば、AlRまたはZnRと反応させ、続いて(PhC)(BAr)、(PhNMeH)(BAr)、ArBまたはArAlと反応させた反応物、例えば、トリアルキルアルミニウム/フッ素化ホウ酸塩、例えば、i-BuAl/PhB(C) である。
化合物(II)/(IV)用活性化剤は、ルイス酸、例えば、(1,5-シクロオクタジエン)Ni、ArBまたはArAlである。
本明細書で使用されるように、用語「活性化剤」は、化合物(I)または(II)とインサイチュで反応して活性触媒種を生成する任意の化合物を意味する。用語「活性化」は、化合物(I)または(II)を活性化剤と反応させて、化合物(I)または(II)のMを陽イオン性形態に変換すること、および/または化合物(I)または(II)をより活性化または選択的形態に転位させることを意味する。
量は、メチルアルミノオキサン活性化有効量について上記で例示された量である。
反応時間は、典型的に5分〜1時間の範囲である。
反応温度は、例えば、0〜50℃の範囲であり得る。
重合/共重合用触媒に適当な溶媒は、トルエンである。
本発明は、以下の実施例に例示される。
実施例I
MがTi、XがCl、RがCFおよびRがPhである化合物(III)−化合物1aの合成
この合成を以下に記載する。以下、この化合物を時々「CAT」と称する。
・7-(2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルイミノ-エチル)-スピロ[4,5]デカン-6-オン
Fustero、S.ら、J. Org. Chem. 61、8849〜8859頁(1996年)に記載される2-アルキル-2-オキサゾリンおよびN-アリールイミドイルクロリドからN-置換β-エナミノ酸誘導体を製造するのに使用される手順と同様の手順を使用した。したがって、攪拌したTHF(15mL)中のジイソプロピルアミン(2.8mL、20mmol)の溶液に、0℃にてn-ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、12.5mL、20mmol)を滴下した。さらに30分間攪拌した後、該溶液を−78℃に冷却し、およびTHF(15ml)中のスピロ[4,5]-デカン-6-オン(1.52g、10mmol)を添加した。該反応混合物を2時間攪拌し、次いで、ドライアイス/アセトン浴から取り出し、20分間室温(RT)に温めた。−78℃に冷却した後、THF(15mL)中のN-フェニル-2,2,2-トリフルオロアセチミドイルクロリド(2.07g、10mmol)の溶液を、該反応混合物にゆっくりと添加した。TLC分析が出発材料が消失したのを示したとき、該反応を飽和塩化アンモニウム水溶液によって停止させた。該水層をCHCl(25mL×3)で抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、次いでNaSOで乾燥させた。ろ過後、溶媒を減圧下で除去し、茶色油として粗生成物を得た。シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(5〜7%(v/v)酢酸エチル/ヘキサン、R=0.5)によって精製し、黄色油として1.3g(41%)の純生成物を得た。1H NMR(300 MHz):δ10.95(s, 0.5H, OH/CH), 7.24(m, 2H, ArH), 7.08(t, J = 7.5, 1H, ArH), 6.95(d, J = 8.1, 2H, ArH), 5.54(brs, 0.1H, CH/OH), 2.70(m, 2H, CH2), 2.31-2.03(m, 2H, CH2), 1.86-1.80(m, 4H, CH2), 1.73-1.66(m, 4H, CH2), 1.51-1.39(m, 2H, CH2). 13C NMR(75 MHz):δ208.5, 142.5, 129.2, 128.0, 124.1, 121.7, 119.7, 116.4, 56.2, 40.2, 38.6, 37.1, 35.2, 26.1, 21.7. 19F NMR(282 MHz):δ-68.3.
・Ti錯体1a
Ti錯体1aを、少し改変した文献に報告されたフェノキシイミンTi錯体を製造するための手順と同様の手順にしたがって合成した。したがって、攪拌した20mLのジエチルエーテル(EtO)中の配位子7-(2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルイミノ-エチル)-スピロ[4,5]デカン-6-オン(1.29g、3.98mmol)の溶液に、n-BuLi(ヘキサン中1.6M、2.48mL、3.98mmol)を、−78℃にて気密シリンジを使用して滴下した。この溶液を室温にゆっくりと戻し、さらに半時間攪拌した。次いで、該溶液を、カニューレを通じてEtO(15mL)中のTiCl(トルエン中1.0M、2.0mL、2.0mmol)の溶液に−78℃にて滴下した。得られた深紅色溶液を自然に室温まで温め、さらに16時間攪拌した。真空下で溶媒を除去後、該残渣をトルエン中に取り、および該沈澱したLiClを、セライトプラグによるろ過により除いた。真空中で溶媒を除去することにより、深紅色粉末を得た。これをトルエン/ペンタンの混合物から結晶化して、深紅色結晶性固体として所望の錯体を得た(1.02g、67%)。1H NMR(トルエン-d8, 500 MHz):δ7.14(d, J = 7.0, 2H, ArH), 7.03(t, J = 7.8, 2H, ArH), 6.92(t, J = 7.2, 2H, ArH), 6.84(t, J = 7.2, 2H, ArH), 6.72(d, J = 7.0, 2H, ArH), 2.68(m, 2H, CH2), 2.48(m, 2H, CH2), 1.93(m, 2H, CH2), 1.81(m, 2H, CH2), 1.47-1.32(m, 16H, CH2), 1.11(m, 2H, CH2), 0.77(m, 2H, CH2). 13C NMR(トルエン-d8, 125 MHz):δ187.4, 159.6(q, JCF = 26.4), 150.2, 126.5, 122.7, 122.5, 120.1, 113.4, 51.3, 40.8, 40.1, 37.5, 27.7, 21.6. 19F NMR(トルエン-d8, 470 MHz):δ-60.0.
実施例II
MがTi、XがCl、RがCFおよびRが2,6-FPhである化合物(III)−化合物1bの合成
この合成を以下に記載する。
・N-(2,6-ジフルオロ-フェニル)-2,2,2-トリフルオロ-アセチミドイルクロリド
N-フェニル類似体を製造するために使用した手順は以下の通りであった。したがって、2,6-ジフルオロアニリン(5.17mL、6.20g、48mmol)を、トリフルオロ酢酸(TFA、3.08mL、4.56g、40mmol)および四塩化炭素(CCl;38.6mL、61.50g、400mmol)と、トリフェニルホスフィン(PhP、31.47g、120mmol)およびトリエチルアミン(EtN、6.70mL、4.86g、48mmol)の存在下、還流条件のもと6時間反応させ、真空蒸留(54℃/240mTorr)後に無色油として3.70g(38%)の純生成物を得た。1H NMR(C6D6, 500 MHz):δ6.35(d, J = 9.1, 2H, ArH-3,5), 6.33(t, J=9.0, 1H, ArH-4). 13C NMR(C6D6, 125 MHz):δ153.0(dd, 1JCF = 251.7, 3JCF = 4.2, ArC, オルト), 140.3(N=C), 128.2, 122.4(t, 3JCF = 16.0, ArC, パラ), 117.5(q, 1JCF = 278.0, CF3), 112.3(dd, 2JCF = 18.3, 4JCF = 4.6, ArC, メタ). 19F NMR(C6D6, 470 MHz):δ-71.8, -121.0.
・7-[1-(2,6-ジフルオロ-フェニルイミノ)-2,2,2-トリフルオロ-エチル]-スピロ[4,5]デカン-6-オン
N-フェニル類似体を製造するために使用した手順は以下の通りであった。したがって、スピロ[4,5]デカン-6-オンを、THF中、−78℃にてジイソプロピルアミン(2.8mL、2.02g、20mmol)およびn-BuLi(ヘキサン中1.6M、12.5mL、20mmol)と反応させ、次いで、N-(2,6-ジフルオロ-フェニル)-2,2,2-トリフルオロ-アセチミドイルクロリド(2.44g、10mmol)と反応させて、黄色油として0.51g(15%)の純生成物を得た。1H NMR(300 MHz):δ11.08(s, 1H, OH/CH), 7.03(m, 1H, ArH), 6.90(m, 2H, ArH), 2.65(brs, 2H, CH2), 2.00-1.42(m, 12H, CH2). 13C NMR(75 MHz):δ222.9, 221.9, 208.9, 125.1, 112.5, 111.8, 111.7, 111.5, 56.0, 38.8, 37.0, 27.1, 26.2, 21.9.
・Ti錯体1b
Ti錯体1bを、錯体1aの製造手順にしたがって合成した。したがって、配位子7-[1-(2,6-ジフルオロ-フェニルイミノ)-2,2,2-トリフルオロ-エチル]-スピロ[4,5]デカン-6-オン(0.57g、1.59mmol)を、n-BuLi(ヘキサン中1.6M、0.99mL、1.59mmol)と反応させ、次いで、TiCl(トルエン中1.0M、0.8mL、0.8mmol)と反応させて、深紅色粉末を得た。これをトルエン/ペンタンの混合物から結晶化させて、深紅色結晶性固体として所望の錯体を得た(0.15g、23%)。1H NMR(トルエン-d8, 400 MHz):δ6.55(m, 4H, ArH), 6.40(m, 2H, ArH), 2.80-0.80(m, 28H, CH2). 13C NMR(トルエン-d8, 100 MHz):δ189.2, 127.8, 122.3, 119.4, 113.1, 112.5, 112.3, 111.6, 51.6, 40.9, 39.9, 37.4, 27.0, 21.4. 19F NMR(トルエン-d8, 376 MHz):δ-60.8, -113.2, -116.4. C36H34Cl2F10N2O2Tiについての計算値: C, 51.76; H, 4.10; N, 3.35. 実測値: C, 51.59; H, 4.17; N, 3.10.
実施例III
MがTi、XがCl、RがHおよびRがPhである化合物(III)−化合物1cの合成
この合成を以下に記載する。
・6-オキソ-スピロ[4,5]デカン-7-カルバルデヒド
塩基性条件下でのホルミル化についてLopez-Alvarada、P.ら、Eur. J. Org. Chem. 2002年、1702〜1707頁に報告された手順と同様の手順にしたがった。乾燥トルエン(40mL)中のスピロ[4,5]デカン-6-オン(2.70g、17.74mmol)の溶液を、乾燥トルエン(75mL)中のナトリウムメトキシド(4.29g、75.44mmol)の懸濁液に、室温にて、気密シリンジによって滴下した。該反応混合物は、白色から淡黄色に変化し、そして、これを0℃に冷却した。20分後、ギ酸エチル(6.12mL、5.61g、75.73mmol)を気密シリンジによって滴下し、および該反応混合物を室温にて終夜攪拌した。次いで、ジエチルエーテル(80mL)を添加し、および懸濁液を水(40mL×2)で洗浄し、および2NのHCl(水性)によりpH=6に滴定した。該エーテル性溶液を、NaSOで乾燥させ、ろ過し、および減圧下で濃縮して、淡黄色油として3.04g(95%)の生成物を得た。1H NMR(300 MHz):δ14.79(d, J = 3.3, 1H, OH/CH), 8.62(d, J = 3.3, 1H, CHO), 2.33(t, J = 6.2, 2H, CH2), 2.12-1.42(m, 12H, CH2). 13C NMR(75 MHz):δ191.4, 187.8, 108.1, 48.9, 39.3, 36.2, 26.5, 24.1, 20.7.
・7-フェニルイミノメチル-スピロ[4,5]デカン-6-オン
150mLの丸底フラスコに、スピロアルデヒド(1.00g、5.55mmol)およびアニリン(0.65g、6.93mmol)を充填し、次いで、該混合物を約10分間攪拌して完全に溶解させた。p-トルエンスルホン酸(p-TSA、50mg)および五酸化リン(P、50mg)を添加し、次いで、攪拌した混合物を、窒素下、110℃(油浴)に2時間加熱した。室温まで冷却後、CHCl(180mL)を添加して茶色スラリーを溶解し、そして、該溶液を水(60mL×2)および食塩水で洗浄し、次いで、NaSOで乾燥した。ろ過後、該溶媒を減圧下で除去した。該生成物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(10%(v/v)EtOAc/ヘキサン)により精製して、1.24g(88%)の赤色油を得た。1H NMR(400 MHz):δ11.89(d, J = 11.6, 1H, OH/CH), 7.23(m, 2H, ArH-オルト), 7.10(dt, J = 12.0, 1.0, 1H, CHN), 6.98-6.93(m, 3H, ArH-パラ + ArH-メタ), 2.45-2.42(m, 2H,CH2), 2.04-2.00(m, 2H, CH2), 1.78-1.61(m, 8H, CH2), 1.47-1.41(m, 2H, CH2). 13C NMR(100 MHz):δ206.0, 142.1, 140.6, 129.5, 122.6, 115.7, 104.6, 53.5, 39.3, 36.7, 28.9, 26.2, 21.4.
・Ti錯体1c
Ti錯体1cを、錯体1aの製造手順にしたがって合成した。したがって、配位子7-フェニルイミノメチル-スピロ[4,5]デカン-6-オン(1.24g、4.86mmol)を、n-BuLi(ヘキサン中1.6M、3.03mL、4.86mmol)と反応させ、次いで、TiCl(トルエン中1.0M、2.43mL、2.43mmol)と反応させて、深紅色粉末を得た(81mg、6%)。1H NMR(トルエン-d8, 400 MHz):δ7.02-6.84(m, 12H, CHN+ArH), 2.39(m, 2H, CH2), 1.92(m, 2H, CH2), 1.80(m, 4H, CH2), 1.46-1.02(m, 18H, CH2), 0.70(m, 2H, CH2). 13C NMR(トルエン-d8, 100 MHz):δ182.2, 165.0, 154.6, 128.3, 125.8, 123.9, 112.3, 48.9, 40.1, 37.7, 36.9, 27.7, 26.6.
実施例IV
MがTi、XがCl、RがHおよびRが2,6-FPhである化合物(III)−化合物1dの合成
化合物1dの合成を以下に記載する。
・7-[2,6-ジフルオロ-フェニルイミノ)-メチル]-スピロ[4,5]デカン-6-オン
N-フェニル類似体を製造するための手順にしたがった。したがって、スピロアルデヒド(0.72g、4.01mmol)を、2,6-ジフルオロアニリン(0.62g、4.81mmol)と、p-トルエンスルホン酸(40mg)およびP(50mg)の存在下、反応させ、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(10%(v/v)EtOAc/ヘキサン)後に黄色油として1.04g(89%)の純生成物を得た。1H NMR(300 MHz):δ11.88(d, J = 11.3, 1H, OH/CH), 7.30(d, J = 11.5, 1H, CHN), 6.87-6.79(m, 3H, ArH), 2.42(t, J = 5.4, 2H, CH2), 2.09-2.00(m, 2H, CH2), 1.79-1.60(m, 8H, CH2), 1.48-1.40(m, 2H, CH2). 13C NMR(75 MHz):δ207.0, 153.8,(dd, JCF = 246.2, 5.8), 144.3(t, JCF = 6.4), 121.6(t, JCF = 9.7), 119.3(t, JCF = 12.6), 112.3(dd, JCF = 16.0, 7.7), 106.6, 54.1, 39.4, 36.8, 29.2, 26.4, 21.5. 19F NMR(282 MHz):δ-126.2.
・Ti錯体1d
Ti錯体1dを、錯体1aの製造手順にしたがって合成した。したがって、配位子7-[(2,6-ジフルオロ-フェニルイミノ)-メチル-スピロ[4,5]デカン-6-オン(1.03g、3.54mmol)を、n-BuLi(ヘキサン中1.6M、2.21mL、3.54mmol)と反応させ、次いで、TiCl(トルエン中1.0M、1.77mL、1.77mmol)と反応させて、深紅色粉末を得た。これをトルエンから結晶化して深紅色結晶性固体として所望の錯体を得た(0.83g、67%)。1H NMR(トルエン-d8, 400 MHz):δ7.07(s, 2H, CHN), 6.55(m, 4H, ArH), 6.38(m, 2H, ArH), 2.20-0.80(m, 28H, CH2). 13C NMR(トルエン-d8, 100 MHz):δ184.7, 169.7, 127.1, 112.2, 112.0, 111.9, 111.0, 49.4, 40.1, 37.7, 36.9, 27.7, 26.6. 19F NMR(トルエン-d8, 376 MHz):δ-116.1, -118.2. C34H36Cl2F4N2O2Tiについての計算値: C, 58.39; H, 5.19; N, 4.01. 実測値: C, 58.45; H, 4.98; N, 3.79.
実施例V
MがTi、XがCl、RがHおよびRが3,5-FPhである化合物(III)−化合物1eの合成
化合物1eの合成を以下に記載する。
・7-[3,5-ジフルオロ-フェニルイミノ)-メチル]-スピロ[4,5]デカン-6-オン
N-フェニル類似体を製造するための手順にしたがった。したがって、スピロアルデヒド(1.04g、5.77mmol)を、3,5-ジフルオロアニリン(0.91g、6.92mmol)と、p-トルエンスルホン酸(50mg)およびP(50mg)の存在下、反応させ、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(10%(v/v)EtOAc/ヘキサン)後に淡黄色油として1.35g(81%)の純生成物を得た。1H NMR(400 MHz):δ11.72(d, J = 11.6, 1H, CH/OH), 6.87(dt, J = 11.6, 1.1, 1H, CHN), 6.39(dd, J = 9.0, 2.2, 2H, ArH-オルト), 6.30(tt, J = 8.9, 2.2, 1H, ArH-パラ), 2.82(t, J = 5.6, 2H, CH2), 1.97-1.92(m, 2H, CH2), 1.72-1.56(m, 8H, CH2), 1.41-1.36(m, 2H, CH2). 13C NMR(100 MHz):δ207.4, 165.4, 162.9, 143.5, 140.1, 106.7, 98.7, 97.5, 54.1, 39.4, 36.8, 29.2, 26.4, 21.5. 19F NMR(376 MHz):δ-108.9.
・Ti錯体1e
Ti錯体1eを、錯体1aの製造手順にしたがって合成した。したがって、配位子7-[(3,5-ジフルオロ-フェニルイミノ)-メチル]-スピロ[4.5]デカン-6-オン(0.68g、2.33mmol)を、n-BuLi(ヘキサン中1.6M、1.46mL、2.33mmol)と反応させ、次いで、TiCl(トルエン中1.0M、1.17mL、1.17mmol)と反応させて、深紅色粉末を得た。これをトルエンから結晶化させて、深紅色結晶性固体として所望の錯体を得た(0.088g、11%)。1H NMR(トルエン-d8, 400 MHz):δ6.74(s, 2H, CHN), 6.46(dd, J = 8.7, 1.9, 4H, ArH), 6.34(tt, J = 9.0, 2.3, 2H, ArH), 2.36(m, 2H, CH2), 2.10-1.76(m, 8H, CH2), 1.49-1.13(m, 16H, CH2), 0.85(m, 2H, CH2). 13C NMR(トルエン-d8, 100 MHz):δ184.2, 165.6, 164.2, 161.7, 156.3, 113.1, 107.9, 101.3, 49.4, 40.3, 37.6, 36.8, 27.8, 26.6. 19F NMR(トルエン-d8, 376 MHz):δ-109.51.
実施例VI
MがTi、XがCl、RがHおよびRがFPhである化合物(III)−化合物1fの合成
化合物1fの合成を以下に記載する。
・7-(ペンタフルオロフェニルイミノ-メチル)-スピロ[4,5]デカン-6-オン
N-フェニル類似体を製造するための手順にしたがった。したがって、スピロアルデヒド(0.66g、3.66mmol)を、2,3,4,5,6-ペンタフルオロアニリン(0.81g、4.42mmol)と、p-トルエンスルホン酸(40mg)およびP(50mg)の存在下、反応させ、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(10%(v/v)EtOAc/ヘキサン)後に淡黄色結晶として1.10g(87%)の純生成物を得た。1H NMR(500 MHz):δ11.84(d, J = 11.0, 1H, CH/OH), 7.16(d, J = 11.3, 1H, CHN), 2.44(m, 2H, CH2), 2.06-2.00(m, 2H, CH2), 1.78-1.75(m, 2H, CH2), 1.73-1.66(m, 6H, CH2), 1.49-1.43(m, 2H, CH2). 13C NMR(125 MHz):δ208.2, 142.3,(t, J = 6.1), 140.0-139.4(m), 138.1-136.9(m), 135.2-134.9(m), 117.7(td, J = 10.7, 4.1), 108.5, 54.5, 39.4, 36.7, 29.3, 26.4, 21.4. 19F NMR(376 MHz):δ-156.24(d, JFF = 21.4), -163.07(td, JFF = 21.4, 4.6), -166.08(tt, JFF = 21.4, 4.6). C17H16F5NOについての計算値: C, 59.13; H, 4.67; N, 4.06. 実測値: C, 59.18; H, 4.60; N, 3.96.
・Ti錯体1f
Ti錯体1fを、錯体1aの製造手順にしたがって合成した。したがって、配位子7-[(ペンタフルオロフェニルイミノ)-メチル]-スピロ[4,5]デカン-6-オン(1.08g、3.13mmol)を、n-BuLi(ヘキサン中1.6M、1.96mL、3.13mmol)と反応させ、次いで、TiCl(トルエン中1.0M、1.57mL、1.57mmol)と反応させて、深紅色粉末を得た。これをトルエンから結晶化して、深紅色結晶性固体として所望の錯体を得た(0.80g、63%)。1H NMR(トルエン-d8, 400 MHz):δ6.91(s, 2H, CHN), 2.31-2.25(m, 2H, CH2), 2.07-1.95(m, 2H, CH2), 1.75-1.69(m, 2H, CH2), 1.59-1.56(m, 2H, CH2), 1.34-1.10(m, 2H, CH2), 0.88-0.83(m, 2H, CH2). 13C NMR(トルエン-d8, 100 MHz):δ187.0, 170.2, 112.7, 49.8, 40.2, 37.4, 36.5, 27.6, 26.4, 26.1. 19F NMR(376 MHz):δ-145.6, -146.9, -158.9, -159.9, -162.6. C34H30Cl2F10N2O2Tiについての計算値: C, 50.58; H, 3.75; N, 3.47. 実測値: C, 50.66; H, 3.52; N, 3.21.
実施例VII
MがZr、XがCl、RがCFおよびRがPhである化合物(III)−化合物1gの合成
化合物1gを以下のように合成する:配位子7-(2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルイミノ-エチル)-スピロ[4,5]デカン-6-オンを、実施例Iに記載のように合成する。トルエン中の該配位子の溶液を、トルエン溶媒中のテトラキス(ジメチルアミノ)ジルコニウムの溶液に、室温にて添加し、淡黄色から、オレンジ、次いで、暗赤色への即時の色変化を導く。得られた溶液を終夜攪拌し、溶媒の除去後、錯体LZr(NMe)を得る。次いで、該錯体LZr(NMe)を塩化メチレン中に溶解し、および過剰(約10当量)のクロロトリメチルシランを添加する。22℃にて終夜攪拌後、溶媒を真空下で除去する。該暗赤色残渣をペンタンで粉砕して黄色固体を得る。
実施例VIII
MがHf、XがCl、RがCFおよびRがPhである化合物(III)−化合物1hの合成
化合物1hを以下のように合成する:配位子7-(2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルイミノ-エチル)-スピロ[4,5]デカン-6-オンを、実施例Iに記載のように合成する。トルエン中の該配位子の溶液を、トルエン溶媒中のテトラキス(ジメチルアミノ)ハフニウムの溶液に室温にて添加し、即時の色変化を導く。得られた溶液を終夜攪拌し、溶媒の除去後、錯体LHf(NMe)を得る。次いで、該錯体LHf(NMe)を塩化メチレン中に溶解し、および過剰(約10当量)のクロロトリメチルシランを添加する。22℃にて終夜攪拌後、溶媒を真空下で除去する。該残渣をペンタンで粉砕して固体として化合物1hを得る。
実施例IX
LがPhP、XがPh、MがNi、RがCFおよびRがPhである化合物(IV)−化合物1iの合成
化合物1iを以下のように合成する:配位子7-(2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルイミノ-エチル)-スピロ[4,5]デカン-6-オンを、実施例Iに記載のように合成する。該配位子を、トルエン溶媒中、−78℃にて、1当量のn-ブチルリチウムで脱プロトン化する。次いで、トルエン中の1当量のトランス-[(PhP)NiPh(Cl)]を添加する。22℃にて終夜攪拌後、該懸濁液をろ過してLiClを除去する。トルエンの濃縮によって、化合物1iの結晶を成長させ、母液をデカンテーションした後、単離する。
実施例X
エチレンの重合
エチレンの重合を、化合物1a、1b、1c、1d、1eおよび1fを用いて、メチルアルミノオキサン(MAO)で活性化して行った。重合条件は以下の通りである:10psiのエチレン、0.01mmolの触媒、80mlのトルエン、1.5mmolのMAO。得られた結果を以下の表1に示す。
Figure 2008510001
MAOで活性化される場合、これらの錯体は、エチレンの重合について、0〜50℃で活性である(表1)。化合物1aの活性は、類似のフェノキシケチミン触媒の活性よりも高いことが分かった。
表1に示されるように、リビング重合は、0〜25℃の範囲で、CF置換ケチミン触媒1aおよび1bを含む全ての錯体で得られた。
種々の反応時間での化合物1bおよび1eについての重合結果を、それぞれ以下の表2および3に示す。
Figure 2008510001
Figure 2008510001
全てのポリエチレン生成物は、131〜135℃の範囲の融点を示した。13C NMR分析は、これらのPE試料が、分岐が検出されない直鎖構造を有することを示す。
実施例XI
プロピレンの重合
プロピレンの重合を、化合物1a、1b、1d、1eおよび1fを用いて行った。該配位子中のRが非置換フェニルである場合(配位子(1c))、該触媒は、プロピレン重合について、活性ではなかった。条件および結果を、以下の表4に示す。
Figure 2008510001
のN-アリールのオルト位のフッ素原子(化合物1bおよび1d)は、アタクチックポリプロピレンの製造を導いた。一方、RのN-アリールのメタ位のフッ素原子(化合物1e)は、シンジオ-エンリッチドポリプロピレン([rrrr]=0.40)の製造を導いた。ペンタフルオロ置換N-アリール触媒(化合物1f)は、イソ-エンリッチドポリプロピレン([mmmm]=0.20)を生成した。
プロピレンの重合を、二つの異なる活性化剤を使用し、化合物1gを用いて行った。メチルアルミノオキサン(MAO)を使用した場合、アタクチックポリプロピレン(ターンオーバー頻度(TOF):30.4mol P/mol Zr・h;M=508600、PDI=1.69)が製造された。i-BuAl/PhB(C) を活性化剤として使用した場合、イソ-エンリッチドポリプロピレン(TOF=129.8mol P/mol Zr・h;二峰性GPCトレース、PDI=2.86)が生成した。
実施例XII
シクロペンテンの重合
重合を、磁気攪拌棒を備えた3オンスのLab-Crest(商標)圧力反応容器中で行う。まず、該反応器を、動的真空下および高温下に調整し、次いで、窒素下、トルエン中の3mmolのPMAOおよび5mLのシクロペンテンを充填する。次いで、20mmolのCATを、窒素下、室温にてトルエン(3mL)中に溶解する。次いで、該溶液を、シリンジを使用して該反応器に添加する。最後に、該反応器を70℃に調整する。16時間後、該反応器の内容物を、メタノール/HCl中に注ぎ、そして、ポリマーをろ過により単離する。
実施例XIII
ノルボルネンの重合
重合を、磁気攪拌棒を備えた3オンスのLab-Crest(商標)圧力反応容器中で行う。まず、該反応器を、動的真空下および高温下に調整し、次いで、窒素下、トルエン中の3mmolのPMAOおよび5mLのノルボルネンを充填する。次いで、20mmolのCATを、窒素下、室温にてトルエン(3mL)中に溶解する。次いで、該溶液を、シリンジを使用して該反応器に添加する。最後に、該反応器を70℃に調整する。16時間後、該反応器の内容物を、メタノール/HCl中に注ぎ、そして、ポリマーをろ過により単離する。
実施例XIV
シクロペンテン/エチレン共重合
重合を、磁気攪拌棒を備えた3オンスのLab-Crest(商標)圧力反応容器中で行う。典型的な重合実験において、反応器に、窒素下、トルエン中の6mmolのPMAOを充填する。次いで、13.2mLのシクロペンテンを導入する。CATを、窒素下、室温にてトルエン(5mL)中に溶解する。次いで、該溶液を、固定した[Al]/[M]比が150になるようにシリンジを介して該反応器に添加する。最後に、該反応器をエチレンガスで加圧し、および所望の圧力および温度に調整する。所望の時間後、該反応器を排気する。ポリマーをメタノール/HClから沈殿させ、ろ過し、次いで、真空中、恒量になるまで乾燥する。
実施例XV
プロピレン/エチレン共重合
まず、磁気攪拌棒を備えた6オンスのLab-Crest(商標)圧力反応容器を、動的真空下および高温下に調整し、次いで、PMAO(0.31g、5.3mmol)およびトルエン(100mL)を充填する。次いで、該反応器を0℃に平衡化させる。この時点にて、該反応器の雰囲気をプロピレンで3回交換し、次いで、該溶液を、プロピレン圧力(30psi)下、飽和させる。次いで、エチレンの過圧(33psi)を該反応器に導入し、およびCAT(0.01mmol、[Al]/[M]=500)のトルエン溶液(4mL)を、シリンジを介して添加する。1時間後、該反応器を排気し、およびポリマーをメタノール/HCl中に沈殿させ、ろ過し、メタノールで洗浄し、次いで、真空中、恒量になるまで乾燥する。
変形
本発明の上記の記載は、特定の実施可能なおよび好ましい実施態様を説明してきた。本発明の変形および改変は当業者には明らかであり、その全ては本発明の精神および範囲内にあるので、本発明は、それに限定されるべきであることを意図しない。

Claims (19)

  1. 構造式:
    Figure 2008510001
    〔式中、Mは、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選択され、Xは、ハロゲン、C〜C20炭化水素、C〜C20アルコキシドおよびC〜C20アミドからなる群から選択され、Rは、水素、C〜C20炭化水素、C〜C20フッ化炭素およびC〜C20ヘテロ環からなる群から選択され、Rは、四面体炭素原子により結合したC〜C20炭化水素(すなわち、ケトイミン部分の炭素αからカルボニル炭素(すなわち、ケトイミン部分の酸素に結合した炭素)までが四面体炭素である)からなる群から選択され、Rは、水素、C〜C20炭化水素、C〜C20フッ化炭素およびC〜C20ヘテロ環からなる群から選択され、Rは、C〜C20炭化水素、C〜C20フッ化炭素およびC〜C20ヘテロ環からなる群から選択され、二以上のR、R、RおよびRは、互いに結合して環を形成し得る〕または構造式:
    Figure 2008510001
    〔式中、Mは、ニッケルおよびパラジウムからなる群から選択され、Lは、中性の二電子供与体であり(すなわち、Mの配位数を満たす機能を果たす非荷電基、例えば、エーテル、ホスフィンまたはニトリル基)、X、R、R、RおよびRは、上記と同義であり、および二以上のR、R、RおよびRは、互いに結合して環を形成し得る〕
    を有する、化合物。
  2. Mがチタンである構造式(I)を有する、請求項1に記載の化合物。
  3. およびRは、互いに結合してスピロ[4,5]デカン-6-オネートを形成している、請求項1に記載の化合物。
  4. Mは、チタンまたはジルコニウムであり、Xは、ハロゲンおよびC〜C20炭化水素からなる群から選択され、およびRは、フェニルおよびフッ素化アリールからなる群から選択される、請求項3に記載の化合物。
  5. Xは、Clであり、およびRは、水素またはCFである、請求項4に記載の化合物。
  6. 少なくとも一つのフッ素原子を含有する、請求項4に記載の化合物。
  7. およびRが互いに結合してスピロ[4,5]デカン-6-オネートを形成している構造式(II)を有する、請求項1に記載の化合物。
  8. Xは、Clであり、Rは、水素またはCFであり、およびRは、フェニルおよびフッ素化フェニルからなる群から選択される、請求項7に記載の化合物。
  9. エチレンの重合方法であって、
    触媒有効量の活性化された請求項1に記載の化合物の存在下、エチレンを重合して、1,000〜3,000,000g/molの範囲のMおよび1〜3の範囲のPDIを有するポリエチレンを製造する工程を含む、方法。
  10. エチレンの重合方法であって、
    活性化有効量のメチルアルミノオキサンによって活性化された触媒有効量の請求項5に記載の化合物の存在下、エチレンを重合して、1,000〜3,000,000g/molの範囲のMおよび1〜3の範囲のPDIを有するポリエチレンを製造する工程を含む、方法。
  11. 〜C10αオレフィンの重合方法であって、
    触媒有効量の活性化された請求項1に記載の化合物の存在下、C〜C10α-オレフィンを重合して、1,000〜3,000,000g/molの範囲のMおよび1〜3の範囲のPDIを有するポリ(C〜C10αオレフィン)を製造する工程を含む、方法。
  12. 上記化合物は、少なくとも一つのフッ素原子を含有する、請求項11に記載の方法。
  13. 〜C10α-オレフィンの重合方法であって、
    活性化有効量のメチルアルミノオキサンによって活性化された触媒有効量の請求項6に記載の化合物の存在下、C〜C10α-オレフィンを重合して、1,000〜3,000,000g/molの範囲のMおよび1〜3の範囲のPDIを有するポリ(C〜C10α-オレフィン)を製造する工程を含む、方法。
  14. 〜C10環状アルケンの重合方法であって、
    触媒有効量の活性化された請求項1に記載の化合物の存在下、C〜C10環状アルケンを重合して、1,000〜3,000,000g/molの範囲のMを有するポリ(C〜C10環状アルケン)を製造する工程を含む、方法。
  15. 〜C10環状アルケンの重合方法であって、
    活性化有効量のメチルアルミノオキサンによって活性化された触媒有効量の請求項5に記載の化合物の存在下、C〜C10環状アルケンを重合して、1,000〜3,000,000g/molの範囲のMを有するポリ(C〜C10環状アルケン)を製造する工程を含む、方法。
  16. エチレンと、C〜C10αオレフィン、スチレン、C〜C10-ジエン、塩化(C〜C10)アルケニルおよびC〜C10環状アルケンからなる群から選択されるコモノマーとの共重合方法であって、
    触媒有効量の活性化された請求項1に記載の化合物の存在下、エチレンおよび上記コモノマーを、1:99〜99:1の範囲のエチレンとコモノマーとのモル比で共重合して、1,000〜3,000,000g/molの範囲のMを有するエチレンと上記コモノマーとの共重合体を製造する工程を含む、方法。
  17. コモノマーがC〜C10αオレフィンを含んでなる場合、上記化合物は、少なくとも一つのフッ素原子を含有する、請求項16に記載の方法。
  18. エチレンと、C〜C10αオレフィン、スチレン、C〜C10ジエン、ハロゲン化(C〜C10)アルケニルおよびC〜C10環状アルケンからなる群から選択されるコモノマーとの共重合方法であって、
    活性化有効量のメチルアルミノオキサンによって活性化された触媒有効量の請求項5に記載の化合物の存在下、エチレンおよび上記コモノマーを、1:99〜99:1の範囲のエチレンとコモノマーとのモル比で共重合して、1,000〜3,000,000g/molの範囲のMを有するエチレンと上記コモノマーとの共重合体を製造する工程を含む、方法。
  19. コモノマーがC〜C10αオレフィンを含んでなる場合、上記化合物は、少なくとも一つのフッ素原子を含有する、請求項18に記載の方法。
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