以下、本発明の好ましい実施例を、添付図面に基づいて詳しく説明する。
図1は、本発明に係るスライド型携帯電話用のスライダー組立体を有する携帯電話を示す斜視図であり、図2は、本発明に係るスライド型携帯電話用のスライダー組立体の第1実施例を示す平面図であり、図3は、本発明に係るスライダー組立体のアップ/ダウン維持手段の第1実施例を示す斜視図であり、図4は、図3に示したアップ/ダウン維持手段を示す分解斜視図であり、図5の(a)乃至(c)は、図2に示した実施例の作動状態を示す説明図である。
図1に示したスライド型携帯電話は、複数の数字ボタン3が設けられた本体1と、本体1の数字ボタン3が設けられた面の上部にスライド可能に設けられたカバー2とで構成される。カバー2の前面には、液晶デイスプレー4が設けられている。このようなスライド型携帯電話は、本体1とカバー2との間に、スライダー組立体100が設けられるものであり、固定プレート10は、本体1に設けられ、スライドプレート20は、カバー2にスライド可能に設けられる。
本実施例のスライド型携帯電話のスライダー組立体は、携帯電話の本体に固定するための固定プレート10と、カバーに固定するためのスライドプレート20と、一端が前記固定プレート10に回動可能に支持され、他端が前記スライドプレート20に回動可能に支持され、前記スライドプレート20の一定のスライドの位置を基準として、スライドプレート20への加圧力の方向が切り替えられるように設けられたアップ/ダウン維持手段30と、を備える。前記固定プレート10とスライドプレート20のスライドする両側面には、図26に示したように、スライドをガイドするためのガイド溝171及びガイドバー112が形成されている。
図3及び図4を参照すると、前記アップ/ダウン維持手段30は、同一の形状であり、互いにスライド可能に拘束された一対のリンクスライダー31と、前記リンクスライダーの端部に固定された一対の引張スプリング32と、前記一対のリンクスライダーを拘束しながらガイドするように、それぞれのリンクスライダーの案内溝312に収容されるように、それぞれのリンクスライダー31に固定されたガイド突起313と、を有している。本実施例において、前記ガイド突起313は、頭部313aと首部313bを有するガイドピン313を用いる。
前記それぞれのリンクスライダー31は、前記固定プレート10またはスライドプレート20にそれぞれ回動可能にピンでヒンジ固定するための貫通孔が形成されたヒンジ部311と、前記ヒンジ部311から一定の間隔をおいて長さ方向に一定の長さだけ貫通形成されたガイド溝312と、前記ヒンジ部311の対向端部に長さ方向の両側に突出して形成された一対のスプリング係止部314と、を有している。前記ヒンジ部311は、固定プレート10またはスライドプレート20への固定を容易にし、両側に設けられる引張スプリング32を中央で支持可能に一定の高さで2段に折り曲げられている。
本実施例において、前記ガイド溝312は、ガイドピン差込部312aと、スライドガイド部312bとで構成されている。前記ガイドピン差込部312aは、前記ガイドピン313を設け、または、組み立てられたアップ/ダウン維持手段の分離を容易に行うように、ガイド溝のヒンジ部311側に、前記ガイドピン313の頭部313aの直径よりも大きい幅を有するように形成する。
また、前記スライドガイド部312bは、適当な長さに形成し、携帯電話のカバーのスライド長さを制限するようにする。すなわち、前記ガイドピン313が、前記スライドガイド部312bのヒンジ部311の反対側の端部において、移動が制限され、スライドプレート20のスライド長さを制限するようになる。したがって、携帯電話の本体に、スライドプレート20のスライドを制限するためのストッパーを別途に設けなくてもよい。また、ガイドピン313の固定位置を変更し、スライドプレート20のスライド長さを調節することもできる。
このように対向配置された一対のリンクスライダー31のガイドピン313は、対向するリンクスライダー31のガイド溝312に収容され、それぞれのリンクスライダー31を長さ方向にのみスライドするようにガイドしながら拘束する。また、ガイドピン313は、頭部313aとリンクスライダー31にコーキングされ固定される首部313bとで構成され、前記頭部313aの直径は、前記ガイド溝312のスライドガイド部312bの幅よりも大きくなっているので、組み立てられたアップ/ダウン維持手段30が分離されることを防ぐ。
前記一対のスプリング係止部314は、引張スプリング32の端部に形成されたフックが係止されて分離されないようにするために、ヒンジ部311の反対側に向かう面に係止溝314aを形成している。また、図6に示した実施例のように、貫通孔314bを形成し、引張スプリング32が分離されないようにすることもできる。
本発明のアップ/ダウン維持手段30は、引張スプリングを用いて、トーションスプリングを用いた場合よりも耐久性が増大され、スライドさせるための加圧力が均一な携帯電話を製造できるようになる。また、一対の引張スプリング32が対称をなしてリンクスライダ31のスプリング係止部314に固定されており、リンクスライダー31のスライドを安定させる。前記引張スプリング32は、スライドするように拘束したリンクスライダー31の長さが伸びる方向に、常時弾性力を加えるように、それぞれのリンクスライダー31の端部に固定されているため、固定プレート10に対して、スライドプレート20が常時上昇または下降(アップ/ダウン)した状態を維持するようにする。
以下では、図5の(a)乃至(c)を参照して、本実施例のスライダー組立体の作動について説明する。
図5の(a)に示した状態は、引張スプリングの引張力により、それぞれの拘束されたリンクスライダー31の長さが最大となるようにスライドされた状態である。すなわち、ガイド溝のヒンジ部の反対側の端部にガイドピンが接触され、スライドが制限された状態である。アップ/ダウン維持手段30の第1のリンクスライダーのヒンジ部311は、固定プレート10の中央部に回動可能にピンで固定されており、第2のリンクスライダーのヒンジ部311は、スライドプレート20の中央部に回動可能に固定されている。ユーザがスライドプレート20を図面において左側に押すと、図5の(b)に示すように、スライドプレート20がスライドし、アップ/ダウン維持手段の引張スプリング32が伸びながらヒンジ固定されたそれぞれのリンクスライダー31が回動する。同時に拘束され、スライドするように結合された一対のリンクスライダー31が、長さが縮む方向へスライドしながら、スライドプレート20のスライドにより、リンクスライダーの長さの変化を吸収する。図5の(b)に示した状態で、引張スプリング32の引張力は最大となり、一対のリンクスライダー31の延長された長さは最小となる。図5の(b)に示した状態まで引張スプリング32は長さが長くなるので、スライドプレート20を動かすために、ユーザは続けて力を加えなければならない。しかしながら、図5の(b)の状態からスライドプレート20が少しだけ左側に移動すると、前記引張スプリング32に蓄積された弾性エネルギーにより、スライドプレート20は、左側に自ずと移動するようになる。すなわち、一対の引張スプリング32が収縮しながら、それぞれの両端に固定されたリンクスライダー31をそれぞれ引っ張るようになり、したがってスライドプレート20に固定されたリンクスライダー31が、スライドプレート20を加圧するようになり、図5の(c)に示した状態へ移動させる。図5の(c)の状態から図5の(a)の状態へのスライドは、前述した過程と同一の過程を繰り返すようになる。この際、前記ガイドピン313の頭部313bが、前記スライドガイド部312bの端部に接触して、固定プレート10の移動を制限するようになるため、本体にスライドプレート20のスライドを制限するためのストッパーを別途に設けなくてもよい。
図6は、本発明に係るスライダー組立体のアップ/ダウン維持手段の第2実施例を示す斜視図である。図6に示した実施例が、図4に示した実施例と異なる点は、ガイドピンは313を、リンクスライダー31のヒンジ部311側のガイド溝に対応する部分を適当に切開し、ガイド溝312側へ折り曲げて形成した点である。また、前記折り曲げて形成されたガイド突起313の頭部の幅は、前記ガイド溝の幅よりも大きくし、組み立てられた一対のリンクスライダーが分離されないようになっている。
図7は、本発明に係るスライド型携帯電話用のスライダー組立体の第3実施例を示す平面図であり、図8は、図7のA−A線による断面図であり、図9は、本発明に係るスライダー組立体のアップ/ダウン維持手段の第4実施例を示す斜視図であり、図10は、図9に示したアップ/ダウン維持手段を示す分解斜視図であり、図11の(a)乃至(c)は、図7に示した第3の実施例の作動状態を示す説明図であり、図12は、本発明に係るスライダー組立体のアップ/ダウン維持手段の第5の実施例を示す斜視図であり、図13は、本発明に係るスライダー組立体の第3乃至第5の実施例のアップ/ダウン維持手段のヒンジ部の結合状態を示す平面図である。
第3の実施例のスライド型携帯電話のスライダー組立体は、携帯電話の本体に固定するための固定プレート10と、カバーに固定されるためのスライドプレート20と、一端が前記固定プレート10に回動可能に支持され、他端が前記スライドプレート20に回動可能に支持され、前記スライドプレート20の一定のスライドの位置を基準として、スライドプレート20への加圧力の方向が切り替えられるように設けられたアップ/ダウン維持手段30と、を備える。前記固定プレート10とスライドプレート20のスライドする両側面は、摩擦により磨耗することを防ぐために、ガイドブッシュ122が、前記スライドプレート20のガイド溝121に挿設される。
前記ガイドブッシュ122は、前記固定プレート10のガイド部111が挿入される溝122aと、一側面に所定の間隔をおいて突出した固定突起122bと、前記スライドプレート20のガイド溝121に挟持される付着面122cとで形成される。また、繰り返してスライド作動するスライドプレート20のガイド溝121が、作動摩擦により磨耗することを防ぐものであり、頻繁に交替することなく、長時間用いることができ、材質は、耐摩耗性であり、動摩擦係数が小さいものであれば可能であるが、一般に使用されるポリアセタール材質(polyoxymethylene:POM)であれば好ましい。
図9及び図10を参照すると、前記アップ/ダウン維持手段30は、同一の形状であり、互いにスライド可能に拘束された一対のリンクスライダー31と、前記リンクスライダー31の端部に固定された一対の引張スプリング32と、前記一対のリンクスライダー31を拘束しながらガイドするように、それぞれのリンクスライダー31のガイド溝312に収容されるように、それぞれのリンクスライダー31に固定されたガイド突起313と、を有している。本実施例において、前記ガイド突起313は、頭部313aと首部313bを有するガイドピンを用いる。
前記それぞれのリンクスライダー31は、前記固定プレート10またはスライドプレート20にそれぞれ回動可能にピンPでヒンジ固定するための貫通孔311aが形成されたヒンジ部311と、前記ヒンジ部311から一定の間隔をおいて長さ方向に一定の長さだけ貫通形成されたガイド溝312と、前記ヒンジ部311の対向端部に長さ方向の両側に突出して形成された一対のスプリング係止部314と、を有している。前記ヒンジ部311は、固定プレート10またはスライドプレート20への固定を容易にし、両側に設けられる引張スプリング32を中央で支持可能に一定の高さで2段に折り曲げられている。
この第4の実施例において、前記ガイド溝312は、ガイドピン差込部312aとスライドガイド部312bとで構成される。前記ガイドピン差込部312aは、前記ガイドピン313を設け、または、組み立てられたアップ/ダウン維持手段の分離を容易に行うように、ガイド溝312のヒンジ部311側に、前記ガイドピン313の頭部313aの直径よりも大きい幅を有するように形成する。
このように対向配置された一対のリンクスライダー31のガイドピン313は、対向するリンクスライダー31のガイド溝312に収容され、それぞれのリンクスライダー31のスライドを長さ方向にのみスライドされるようにガイドしながら拘束する。また、ガイドピン313は、頭部313aと、リンクスライダー31にコーキングされ固定される首部313bとで構成され、前記頭部313aの直径は、前記ガイド溝312のスライドガイド部312bの幅よりも大きくなっており、組み立てられたアップ/ダウン維持手段30が分離されることを防ぐ。
前記一対のスプリング係止部314は、引張スプリング32の端部に形成されたフックを係止可能に、所定の角度で折り曲げられた係止溝314aが形成され、前記フックが離脱されることを防ぐために、前記係止溝314aの終端に固定突起314bが形成されている。また、図12に示した実施例のように、貫通孔314cを形成し、引張スプリング32が離脱しないようにすることもできる。
前記係止溝314aが、所定の角度で折り曲げられたことは、前記固定プレート10の一面に設けられるフレキシブルPCBが、干渉されずに作動可能にして、機器の誤作動を防ぐためである。
本実施例のアップ/ダウン維持手段30は、引張スプリングを用いて、トーションスプリングを用いた場合よりも耐久性が増大し、スライドさせるための加圧力が均一な携帯電話を製造することができるようになる。また、一対の引張スプリング32が、対称してリンクスライダー31のスプリング係止部314に固定されており、リンクスライダー31のスライドを安定させる。前記引張スプリング32は、スライドするように拘束されたリンクスライダー31の長さが伸びる方向に常時弾性力を加えるように、それぞれのリンクスライダー31の端部に固定されているので、固定プレート10に対して、スライドプレート20が常時上昇または下降(アップ/ダウン)した状態を維持するようにする。
以下では、図11の(a)乃至(c)を参照して、図7に示した実施例の作動状態について説明する。
図11の(a)に示した状態は、引張スプリングの引張力により、それぞれの拘束されたリンクスライダー31の長さが最大となるようにスライドされた状態である。すなわち、ガイド溝のヒンジ部の反対側の端部にガイドピンが接触し、スライドが制限された状態である。アップ/ダウン維持手段30の第1のリンクスライダーのヒンジ部311は、固定プレート10の中央部に回動可能にピンで固定され、第2のリンクスライダーのヒンジ部311は、スライドプレート20の中央部に回動可能に固定されている。ユーザがスライドプレート20を図面において左側へ押すと、図11の(b)に示すように、スライドプレート20がスライドするようになり、アップ/ダウン維持手段の引張スプリング32が伸びながら、ヒンジ固定されたそれぞれのリンクスライダー31が回動する。同時に拘束され、スライドするように結合された一対のリンクスライダー31が、長さが縮む方向へスライドしながら、スライドプレート20のスライドによるリンクスライダーの長さの変化を吸収する。図11の(b)に示した状態において、引張スプリング32の引張力は最大となり、一対のリンクスライダー31の延長された長さは最小となる。図11の(b)に示した状態まで、引張スプリング32は長さが長くなるため、スライドプレート20を動かすために、ユーザは続けて力を加えなければならない。しかしながら、図11の(b)の状態からスライドプレート20が少しだけ左側に移動すると、前記引張スプリング32に蓄積された弾性エネルギーにより、スライドプレートは左側へ自ずと移動するようになる。すなわち、一対の引張スプリング32が収縮しながら、それぞれの両端に固定されたリンクスライダー31をそれぞれ引っ張るようになり、したがって、スライドプレート20に固定されたリンクスライダー31がスライドプレート20を加圧するようになり、図5の(c)に示した状態へ移動させる。図5の(c)の状態から図5の(a)の状態へのスライドは、前述した過程と同一の過程を繰り返すようになる。この際、前記ガイドピン313の首部313bが、前記スライドガイド部312bの端部に接触し、スライドプレート20の移動を制限するようになるため、本体にスライドプレート20のスライドを制限するための別途のストッパーを設けなくてもよい。
図12は、本発明に係るスライダー組立体のアップ/ダウン維持手段の第5実施例を示す斜視図である。図12に示した実施例が、図9に示した実施例と異なる点は、ガイドピン313を、リンクスライダー31のヒンジ部311側のガイド溝に対応する部分を適当に切開し、ガイド溝312側へ折り曲げて形成した点である。また、前記折り曲げて形成されたガイド突起313の頭部の幅は、前記ガイド溝の幅よりも大きくし、組み立てられた一対のリンクスライダーが分離されないようになっている。
図13は、本発明に係るスライダー組立体のアップ/ダウン維持手段のヒンジ部の結合状態を示す平面図である。前記アップ/ダウン維持手段30のうち、同一の形状であり、互いにスライド可能に拘束された一対のリンクスライダー31には、前記固定プレート10またはスライドプレート20にそれぞれ回動可能にピンPでヒンジ固定するための貫通孔311aが形成されたヒンジ部311が形成される。
この際、前記ピンPと結合されたヒンジ部311は、回動時に摩擦により容易に磨耗されるため、これを防ぐために、耐摩耗性であり、動摩擦係数の小さいポリアセタール材質(POM)で形成されたブッシュ40を、ヒンジ部311とピンPとの間に挿入する。
前記ブッシュ40には、中心に貫通された孔42と、前記ヒンジ部311の一側面に接触するように形成された接触面43と、前記ヒンジ部311の貫通孔311aに挿入され固定するための固定突起41とが形成される。前記固定突起41は、ブッシュ40とヒンジ部311が固定される形態であり、キー状に挿入固定され得るが、好ましくは、凹凸溝状に結合されることがよく、回動時、ヒンジ部311に挿入固定されたブッシュ40の孔42とピンPが接触された状態において作動するため、ヒンジ部311とピンPが磨耗することを防止するようになる。
図14は、本発明に係るスライド型携帯電話用のスライダー組立体の第6実施例を示す斜視図であり、図15は、図14の第6実施例を示す組立状態図である。
この第6実施例のスライダー組立体は、携帯電話の本体1に固定するための固定プレート10と、カバー2に固定するためのスライドプレート20と、一端が固定プレート10に回動可能に支持され、他端が前記スライドプレート20に回動可能に支持された2つのスプリング50と、固定プレート10とスライドプレート20のスライド部分が磨耗することを防ぐための滑り部材15、15’と、をさらに備えている。
前記固定プレート10の長さ方向の両側部14、14’は、プレスにより2回折り曲げられ、平行な一対の固定溝13、13’を形成する。また、固定プレート10には、携帯電話の本体1に固定させるための複数のねじ孔12が打抜き加工により形成されている。特に、固定プレート10には、2つの支持突起11、11’が、固定溝13、13’と平行な一直線上に形成されている。支持突起11、11’は、スライドプレート20に向かう面にプレス加工により突出し、外周面は円形であり、拡張された端部11aを有している。
また、それぞれの固定溝13、13’の長さに合わせてガイド溝15b、15b’が形成された滑り部材15、15’が挿設される。
滑り部材15、15’は、所定の間隔をおいて突出した一対の突起15a、15a’が、固定プレート10の折り曲げられた両側部14、14’の所定の位置に形成された切欠溝14a、14a’に対応して挟持される。また、繰り返してスライド作動するスライドプレート20の羽根部23、23’が、作動摩擦により磨耗するのを防ぐものであり、頻繁に交替することなく、長時間用いることができ、材質は耐摩耗性であり、動摩擦係数が小さいものであれば可能であるが、一般に用いられるポリアセタール材質(POM)であれば好ましい。
スライドプレート20は、長さ方向の両側には、固定プレート10の方向にプレスにより折り曲げられた第1の折曲部24、24’と、外側に延びて、もう一回折り曲げられた羽根部23、23’とが形成されている。一対の羽根部23、23’は、長さ方向に対して上下方向にスライド可能に、固定プレート10の固定溝13、13’にそれぞれ設けられた滑り部材15、15’のガイド溝15b、15b’にそれぞれ挿入される。また、スライドプレート20には、スプリング30の一端が挿入され、回動可能に支持するための2つの貫通孔21、21’が形成されている。また、スライドプレート20をカバーに固定するための複数のねじ孔22が形成されている。
2つのスプリング30、30’は、それぞれ両端が延びた鋼線からなるコイルスプリングである。コイルスプリングの延びた両端の中央部には、数回巻取されたスプリング部33が形成されている。それぞれのスプリングの一端32は、前記固定プレート10の円形の支持突起11の外周の一部を取り囲んで支持可能に、一部が開放された円形に折り曲げられている。また、他端51は、スライドプレート20の貫通孔21に挿入され、回動可能に支持するように円形に折り曲げられた一端32の円形の中心軸方向に鋼線が1次に折り曲げられ、1次に折り曲げられた部分の端部が2次に垂直になるように折り曲げられている。
図15は、第6実施例のスライダー組立体を示す組立状態図である。
図示したように、固定プレート10の両側の固定溝13、13’に設けられた滑り部材15、15’のガイド溝15b、15b’に、スライドプレート20の両側の羽根部23、23’が挿入され、長さ方向の上下にガイド溝15b、15b’に沿って移動可能になっている。また、前記2つのスプリング50の一端は、固定プレート10の支持突起11の外周の一部を取り囲んで回動可能に支持されており、他端51は、スライドプレート20の貫通孔21に挿入されて回動可能に支持されている。したがって、スライドプレート20が、スプリング50により、上下に決まった距離のみを移動するように拘束される。
また、スプリング50が破損した場合、前記固定プレート10の支持突起11を取り囲んで支持されたスプリング50の一端を容易に分離除去することができ、交替作業が容易である。
特に、固定プレート10の2つの支持突起11、11’は、固定溝13と平行な一直線上に配置され、スライドプレート20の2つの貫通孔21、21’も、固定溝13に挿入される羽根部23に平行な一直線上に配置されている。すなわち保持突起11、11’が形成された一直線と固定溝13、13’が形成された一直線とは、互いに平行であり、距離が可能な限り最大となるように配置される。したがって、スライドプレート20が上下に移動するとき、それぞれのスプリング50が変形する量が少なくなり、スプリング50の寿命を延ばすようになる。また、2つのスプリング50、50’の一端と他端が、それぞれ固定溝13、13’に対して同一側に回動可能に固定されている。したがって、スライドの際に、スプリングの弾性力が一方向にのみ作用するようになっており、固定プレート10の固定溝13とスライドプレート20の羽根部23が一方向に密着してスライドされ、カバーの開閉時、カバーが左右に遊動することを防ぐことができる。
また、前記それぞれのスプリング50は、スライドプレート20が移動してスライドプレート20の2つの貫通孔21の中心と、固定プレート10の支持突起11の中心とが一致するまで、スプリング50の弾性力が、移動を妨げる方向に作用して、一致する位置を経ると、スプリング50の弾性力が移動を促進する方向に作用するようになる。したがって、ユーザは、カバーをスライドさせて開放しようとするとき、スライドプレート20の2つの貫通孔21の中心と固定プレート10の支持突起11の中心が一致するまでのみ力を加えれば、それ以後は、スプリング50の弾性力により自ずとカバーが開放されるようになっている。
図16は、本発明に係るスライド型携帯電話用のスライダー組立体の第7の実施例を示す平面図であり、図17は、図16に示した実施例の固定プレートを示す分解斜視図であり、図18は、図16に示した実施例のスライドプレートを示す斜視図であり、図19は、本発明に係るスライド型携帯電話用のスライダー組立体の第8実施例を示す分解斜視図である。
この第7実施例のスライド型携帯電話用のスライダー組立体100は、直線運動をガイドするためのガイド部を有し、スライド型携帯電話の本体の一面に固定される固定プレート10と、固定プレート10のガイド部にガイドされて直線運動をするように拘束され、携帯電話のカバーの前記一面の対向面に固定されるスライドプレート20と、一端が固定プレート10に回動可能に支持され、他端がスライドプレート20に回動可能に支持され、スライドプレート20の一定のスライド位置を基準として、スライドプレート20への加圧力の方向が切り替えられるようにするためのアップ/ダウン維持手段30と、を備えている。また、固定プレート10とスライドプレート20のスライドする両側面は、摩擦により磨耗することを防ぐために、固定プレート10の固定溝12、12’にガイドブッシュ14、14’が挿設される。
図17は、固定プレート10を示す分解斜視図であり、固定プレート10の長さ方向の両側部13、13’は、プレスにより対向するように2段に折り曲げられた平行な一対の固定溝12、12’と、固定溝12、12’の折り曲げられた側面には、複数の貫通孔13a、13a’が形成される。また、固定プレート10には、携帯電話の本体1に固定させるための複数のねじ孔と、アップ/ダウン維持手段30の一端と結合されるヒンジ孔11とが形成される。
また、固定溝12、12’の長さ方向に挿入されるガイドブッシュ14、14’は、スライドプレート20の羽根部23、23’が安着されてスライドするようにガイドする長さ方向に形成されたガイド溝14a、14a’と、固定プレート10の貫通孔13a、13a’との対応面に形成された複数の突起14b、14b’と、を有している。
また、ガイドブッシュ14、14’の両端にそれぞれ設置されるダンパー15、15’は、固定プレート10の端部よりもさらに突出して設置され、貫通孔13a、13a’に固定するように形成された突起15a、15a’と、スライドプレート20の羽根部23、23’をガイドするガイド溝15b、15b’とが形成される。また、ガイドブッシュ14、14’の両端にそれぞれ設けられるとき、ガイドブッシュ14、14’のガイド溝14a、14a’と、ダンパー15、15’のガイド溝15b、15b’とが同一線上に位置するように配置される。
ガイドブッシュ14、14’は、繰り返してスライド作動するスライドプレート20の羽根部23、23’と、作動摩擦により磨耗するのを防ぐものであり、頻繁に交替することなく、長時間用いることができる、耐摩耗性であり、動摩擦係数が小さいものであれば可能であるが、一般に用いられるポリアセタール材質(POM)であれば好ましい。また、ダンパー15、15’は、スライド作動時に発生する衝撃を吸収し、ガイドブッシュ14、14’に衝撃が伝達されて破損することを防ぐものであり、衝撃吸収が良好なウレタンゴムで作製することが好ましい。
図18は、スライドプレート10を示す斜視図であり、カバーに固定させるための複数のねじ孔が形成され、アップ/ダウン維持手段30の他端と結合されるヒンジ孔21と、長さ方向の両側には、固定プレート10の方向にプレスにより折り曲げられた折曲部22、22’と、外側に伸びてもう一回折り曲げられた羽根部23、23’と、を有する。一対の羽根部23、23’は、長さ方向に対して上下方向にスライド可能に固定プレート10の固定溝12、12’にそれぞれ設けられたガイドブッシュ14、14’及びダンパー15、15’にそれぞれ挿入される。
図19は、アップ/ダウン維持手段を示す分解斜視図であり、同一の形状であり、互いにスライド可能に拘束された一対のリンクスライダー31と、リンクスライダ31の端部に固定された一対の引張スプリング32と、一対のリンクスライダ31を拘束しながらガイドするように、それぞれのリンクスライダー31のガイド溝312に収容されるよう、それぞれのリンクスライダー31に固定された頭部313aと首部313bを有するガイドピン313と、を有している。
それぞれのリンクスライダー31は、固定プレート10またはスライドプレート20にそれぞれ回動可能にピンでヒンジ固定するための貫通孔が形成されたヒンジ部311と、ヒンジ部311から一定の間隔をおいて長さ方向に一定の長さだけ貫通形成されたガイド溝312と、ヒンジ部311の対向端部に長さ方向の両側に突出して形成された一対のスプリング係止部314と、を有している。
ヒンジ部311は、固定プレート10またはスライドプレート20への固定を容易にし、両側に設けられる引張スプリング32を中央で支持可能に、一定の高さで2段に折り曲げられている。ガイド溝312は、ガイドピン差込部312aと、スライドガイド部312bとで構成される。ガイドピン差込部312aは、前記ガイドピン313を設け、または、組み立てられたアップ/ダウン維持手段の分離を容易に行うように、ガイド溝312のヒンジ部311側に、前記ガイドピン313の頭部313aの直径よりも大きい幅を有するように形成する。
このように対向配置された一対のリンクスライダー31のガイドピン313は、対向するリンクスライダー31のガイド溝312に収容され、それぞれのリンクスライダ31のスライドを長さ方向にのみスライドするようにガイドしながら拘束する。また、ガイドピン313は、頭部313aと、リンクスライダー31にコーキングされ固定される首部313bとで構成され、前記頭部313aの直径は、前記ガイド溝312のスライドガイド部312bの幅よりも大きくなっており、組み立てられたアップ/ダウン維持手段30が分離されることを防ぐ。
一対のスプリング係止部314は、引張スプリング32の端部に形成されたフックを係止可能に、所定の角度で折り曲げられた係止溝314aが形成される。
アップ/ダウン維持手段30は、引張スプリング32と対称してリンクスライダー31のスプリング係止部314に固定されており、リンクスライダー31のスライドを安定させる。引張スプリング32は、スライドするように拘束されたリンクスライダー31の長さが伸びる方向に常時弾性力を加えるように、それぞれのリンクスライダー31の端部に固定されているため、固定プレート10に対してスライドプレート20が常時上昇または下降(アップ/ダウン)した状態を維持するようにする。
本実施例に対するアップ/ダウン維持手段30の作動状態を簡単に説明すると、引張スプリング32の引張力により、それぞれの拘束されたリンクスライダー31の長さが最大となるようにスライド拘束される。すなわち、ガイド溝312のヒンジ部311の反対側の端部にガイドピン313が接触し、スライドが制限され、アップ/ダウン維持手段30の第1のリンクスライダーのヒンジ部311は、固定プレート10の中央部に回動可能にピンにより固定され、第2のリンクスライダーのヒンジ部311は、スライドプレート20の中央部に回動可能に固定される。
ユーザがスライドプレート20をスライドさせると、アップ/ダウン維持手段30の引張スプリング32が伸びながら、ヒンジ固定されたそれぞれのリンクスライダー31が回動する。同時に拘束され、スライドするように結合された一対のリンクスライダー31が、長さが縮む方向にスライドしながら、スライドプレート20のスライドによるリンクスライダーの長さの変化を吸収する。この際、引張スプリング32の引張力は最大となり、一対のリンクスライダー31の延びた長さは最小となる。
上述したように、引張スプリング32は、長さが長くなるようになり、スライドプレート20を動かすために、ユーザは続けて力を加えると、引張スプリング32に蓄積された弾性エネルギーによりスライドプレートは押そうとする方向へ自ずと移動するようになる。すなわち、一対の引張スプリング32が収縮しながら、それぞれの両端に固定されたリンクスライダー31を引っ張るようになり、したがって、スライドプレート20に固定されたリンクスライダー31がスライドプレート20を加圧するようになる。
本発明のアップ/ダウン維持手段30は、スライドさせるための加圧力が均一な携帯電話を製造できるようになる。
図19は、本発明に係るスライド型携帯電話用のスライダー組立体の第8実施例を示す分解斜視図であり、本発明の一実施例とはスライダー組立体のアップ/ダウン維持手段が異なる。
本実施例のスライダー組立体は、携帯電話の本体に固定するための固定プレート10’と、カバーに固定するためのスライドプレート20’と、一端が固定プレート10’に回動可能に支持され、他端が前記スライドプレート20’に回動可能に支持されるアップ/ダウン維持手段と、固定プレート10’とスライドプレート20’のスライド部分が磨耗することを防ぐためのガイドブッシュ14、14’及びダンパー15、15’と、をさらに備えている。
固定プレート10’には、2つの支持突起11、11’が固定溝12、12’と平行な一直線上にさらに形成されている。支持突起11、11’は、スライドプレート20’に向かう面にプレス加工により突出しており、外周面は、円形であり、拡張した端部11aを有している。
一方、固定溝12、12’の長さ方向に挿入されるガイドブッシュ14、14’及びダンパー15、15’は、本発明の一実施例と同一に適用される。
また、スライドプレート20’は、長さ方向の両側には、固定プレート10’の方向にプレスにより折り曲げられた折曲部22、22’と、外側に伸びてもう一回折り曲げられた羽根部23、23’と、を有する。一対の羽根部23、23’は、長さ方向に対して上下方向にスライド可能に固定プレート10’の固定溝12、12’にそれぞれ設けられたガイドブッシュ14、14’及びダンパー15、15’にそれぞれ挿入される。また、スライドプレート20’には、スプリング50、50’の一端が挿入され、回動可能に支持するための2つの貫通孔21、21’が形成されている。また、スライドプレート20’をカバーに固定させるための複数のねじ孔が形成されている。
アップ/ダウン維持手段である2つのスプリング50、50’は、それぞれ両端が伸びた鋼線からなるコイルスプリングである。コイルスプリングの延びた両端の中央部には、鋼線が数回巻取されたスプリング部53が形成されている。それぞれのスプリングの一端52は、前記固定プレート10’の円形の支持突起11の外周の一部を取り囲んで支持するように、一部が開放された円形に折り曲げられている。また、他端51は、スライドプレート20’の貫通孔21に挿入され、回動可能に支持可能に円形に折り曲げられた一端52の円形の中心軸方向に鋼線が1次に折り曲げられ、1次に折り曲げられた部分の端部が、2次に垂直になるように折り曲げられている。
この実施例のアップ/ダウン維持手段50の作動状態を簡単に説明すると、固定プレート10’の両側の固定溝12、12’に設けられたガイドブッシュ14、14’及びダンパー15、15’の案内溝14a、14a’、15b、15b’にスライドプレート20’の両側の羽根部23、23’が挿入され、長さ方向の上下に案内溝14a、14a’、15b、15b’に沿って移動可能になっている。また、2つのスプリング50の一端52は、固定プレート10’の支持突起11の外周の一部を取り囲んで回動可能に支持されており、他端51は、スライドプレート20’の貫通孔21に挿入され回動可能に支持されている。したがって、スライドプレート20’がスプリング50により上下に決まった距離のみを移動するように拘束される。
特に、固定プレート10’の2つの支持突起11、11’は、固定溝12と平行な一直線上に配置されており、スライドプレート20’の2つの貫通孔21、21’も、固定溝12に挿入される羽根部23に平行な一直線上に配置されている。すなわち、支持突起11、11’が形成された一直線と固定溝12、12’が形成された一直線とは、互いに平行であり、距離が可能な限り最大となるように配置される。したがって、スライドプレート20’が上下に移動するとき、それぞれのスプリング50、50’が変形する量が少なくなり、スプリング50の寿命を延ばすようになる。また、2つのスプリング50、50’の一端と他端が、それぞれ固定溝12、12’に対して同一の側に回動可能に固定されている。したがって、スライドの際にスプリングの弾性力が一方向にのみ作用するようになっており、固定プレート10’の固定溝12とスライドプレート20’の羽根部23が一方向に密着してスライドされ、カバーの開閉時、カバーが左右に遊動することを防ぐことができる。
また、それぞれのスプリング50、50’は、スライドプレート20’が移動して、スライドプレート20’の2つの貫通孔21の中心と固定プレート10’の保持突起11の中心が一致するまで、スプリング50、50’の弾性力が移動を妨げる方向に作用し、一致する位置を経ると、スプリング50、50’の弾性力が移動を促進する方向に作用するようになる。したがって、ユーザは、カバーをスライドさせて開放しようとする場合、スライドプレート20’の2つの貫通孔21の中心と固定プレート10’の支持突起11の中心が一致するまでのみ力を加えれば、それ以後は、スプリング50、50’の弾性力により自ずとカバーが開放されるようになる。
本実施例のそれぞれのプレートを、ステンレス鋼を用いて製造する場合、プレス加工により組立のための孔やスプリングの端部を支持するための貫通孔を一度に加工することができ、加工が容易であり、生産費用が節減される。
また、ガイドブッシュは、磨耗することを防ぐものであり、頻繁に交替することなく、長時間用いることができる、耐摩耗性であり、動摩擦係数が小さいポリアセタール材質(POM)を用いており、ダンパーは、スライド作動時に発生する衝撃を吸収し、ガイドブッシュに衝撃が伝達され破損することを防ぐように、衝撃吸収が良好なウレタンゴムで作製することが好ましい。
図20は、本発明に係るスライド型携帯電話用のスライダ組立体の第9実施例の固定プレートを示す分解斜視図であり、図21は、本発明に係るスライド型携帯電話用のスライダ組立体の第9実施例のスライドプレートを示す斜視図であり、図22は、本発明の第9実施例によるアップ/ダウン維持手段の断面図であり、図22の(a)は、スライドプレートを一方向に押す前の状態を示す断面図であり、(b)は、スライドプレートの第3の永久磁石と固定プレートの第1の永久磁石との反発力が発生する部分を示す断面図であり、(c)は、スライドプレートが一方向に押された後の状態を示す断面図であり、図23は、本発明に係るスライド型携帯電話用のスライダー組立体の第10実施例を示す分解斜視図であり、図24は、本発明に係る第9及び第10実施例のスライド型のスライダー組立体を有するスライド型携帯電話を示す底面図である。
本実施例のスライド型携帯電話用のスライダー組立体は、直線運動をガイドするためのガイド部を有し、スライド型携帯電話本体の一面に固定される固定プレート10と、固定プレート10のガイド部にガイドされて直線運動可能に拘束され、携帯電話のカバーの前記一面の対向面に固定されるスライドプレート20と、一端が固定プレート10に回動可能に支持され、他端がスライドプレート20に回動可能に支持され、スライドプレート20の一定のスライドの位置を基準として、スライドプレート20への加圧力の方向が切り替えられるようにするためのアップ/ダウン維持手段30と、を備えている。また、固定プレート10とスライドプレート20のスライドする両側面は、摩擦により磨耗することを防ぐために、固定プレート10の固定溝12、12’にガイドブッシュ14、14’が挿設される。
図20は、固定プレート10を示す分解斜視図であり、固定プレート10の長さ方向の両側部13、13’は、プレスにより対向して2段に折り曲げられた平行な一対の固定溝12、12’と、固定溝12、12’の折り曲げられた側面には、複数の貫通孔13a、13a’が形成される。また、固定プレート10の両端の所定の位置にそれぞれ一対の第1の永久磁石16、16’が設けられ、携帯電話の本体1に固定するための複数のねじ孔と、アップ/ダウン維持手段30の一端と結合するヒンジ孔11が形成される。
また、固定溝12、12’の長さ方向に挿入されるガイドブッシュ14、14’は、スライドプレート20の羽根部23、23’が安着してスライドされるようにガイドする長さ方向に形成されたガイド溝14a、14a’と、固定プレート10の貫通孔13a、13a’との対応面に形成された複数の突起14b、14b’とを有している。
また、ガイドブッシュ14、14’の両端にそれぞれ設けられるダンパー15、15’は、固定プレート10の端部よりもさらに突出して設置され、貫通孔13a、13a’に固定するように形成された突起15a、15a’と、スライドプレート20の羽根部23、23’をガイドするガイド溝15b、15b’が形成される。また、ガイドブッシュ14、14’の両端にそれぞれ設けられるとき、ガイドブッシュ14、14’のガイド溝14a、14a’と、ダンパー15、15’のガイド溝15b、15b’が、同一線上に位置するように配置される。
ガイドブッシュ14、14’は、繰り返してスライド作動するスライドプレート20の羽根部23、23’と作動摩擦により磨耗することを防ぐものであり、頻繁に交替することなく、長時間用いることができる、耐摩耗性であり、動摩擦係数が小さいものであれば可能であるが、一般に用いられるポリアセタール材質(PОM)であれば好ましい。また、ダンパー15、15’は、スライド作動時に発生する衝撃を吸収し、ガイドブッシュ14、14’に衝撃が伝達され破損することを防ぐものであり、衝撃吸収のよいウレタンゴムで作製することがよい。
図21は、スライドプレート20を示す斜視図であり、カバーに固定させるための複数のねじ孔が形成され、アップ/ダウン維持手段30の他端と結合するヒンジ孔21と、長さ方向の両側には、固定プレート10の方向にプレスにより折り曲げられた折曲部22、22’と、外側に伸びてもう一回折り曲げられた羽根部23、23’とを有する。一対の羽根部23、23’は、長さ方向に対して上下方向にスライド可能に固定プレート10の固定溝12、12’にそれぞれ設けられたガイドブッシュ14、14’及びダンパー15、15’にそれぞれ挿入される。
また、固定プレート10の両端部に設けられた第1の永久磁石16、16’と、反発力または引力が作用して、スライドプレート20がアップ/ダウンされた位置において、スライドプレート20の外側に加圧する位置にそれぞれ第2の永久磁石24、24’が設けられる。また、固定プレート10に沿ってスライドするスライドプレート20の加圧力が変わる位置に、固定プレート10の第1の永久磁石16、16’と反発力または引力が作用するように第3の永久磁石25、25’がさらに設けられる。
たとえば、固定プレート10の第1の永久磁石16、16’がN極であれば、これに対応するスライドプレート20の第2の永久磁石24、24’は、N極またはS極を形成することができる。第2の永久磁石24、24’がN極である場合は、互いに反発力が作用するため第1の永久磁石16、16’と第2の永久磁石24、24’は互いに押すようになり、この際、固定プレート10に設けられた第1の永久磁石16、16’の位置は、スライドプレート20に設けられた第2の永久磁石24、24’の位置よりも外側に設置される。
これに対して、第2の永久磁石24、24’がS極である場合は、互いに引力が作用するため、第1の永久磁石16、16’と第2の永久磁石24、24’は互いに引っ張り、この際、固定プレート10に設けられた第1の永久磁石16、16’の位置は、スライドプレート20に設けられた第2の永久磁石24、24’の位置よりも内側に設置される。
このように、固定プレート10とスライドプレート20の磁石の極が同じである場合は、反発力が作用するようになり、異なる場合は、引力が作用するため、固定プレート10の第1の永久磁石16、16’とスライドプレート20の第2の永久磁石24、24’の位置に応じて、様々に変形した形態で調和されるように配置することが可能である。
図22を参照して、本実施例の作動状態を説明すると、図22の(a)は、スライドプレート20の下部面の一端に固定プレート20が配置された状態であり、この際、固定プレート10のN極を有する第1の永久磁石16よりも、スライドプレート20のN極を有する第2の永久磁石24が、内側に位置された状態であり、互いに反発力が作用するようになる。したがって、固定プレート20を下部方向に力を加えない以上、第1の永久磁石16が第2の永久磁石24を押すようになり、現状態を維持するようになるものである。
図22の(b)に示すように、スライドプレート20を下部方向に加圧するようになると、アップ/ダウン維持手段により、スライドプレート20が作動する。この際、スライドプレート20の移動中、アップ/ダウン維持手段の加圧力の方向が変わる位置の付近において、瞬間的に止まるようになるデッドゾーンが発生する。これを防ぐために、第1の永久磁石16と反発力が作用するように、デッドゾーンが発生するスライドプレート20に、第3の永久磁石25をさらに設けるようになる。したがって、スライドプレート20を下部方向に加圧してデッドゾーン位置の付近に到達するようになると、第3の永久磁石25と固定プレート10の第1の永久磁石16が反発力が作用して互いに押すようになることにより、デッドゾーンからスムーズに加圧力の方向が変わる方向へ作動する。
また、第1の永久磁石16と第3の永久磁石25が互いに異なる極に引力が作用するようになっても、アップ/ダウン維持手段の加圧力の方向が変わる位置の付近のスライドプレート20に第3の永久磁石25を設けると、デッドゾーンにおいて止まることなく、スムーズに作動するようになる。
このように、デッドゾーンを外れたスライドプレート20の上部面の他端に固定プレート10が配置されると、固定プレート10の両端の上部に設けられた第1の永久磁石16と、スライドプレート20の両端の上部に設けられた第2の永久磁石24とが、反発力が作用するようになる。したがって、固定プレート20を上部方向に力を加えない以上、第1の永久磁石16が第2の永久磁石24を押して、現状態を維持するようになる。
図23は、本発明に係るスライド型携帯電話用のスライダ組立体の第10実施例を示す分解斜視図である。
本実施例のスライダ組立体は、携帯電話の本体に固定するための固定プレート10’と、カバーに固定するためのスライドプレート20’と、一端が固定プレート10’に回動可能に支持され、他端が前記スライドプレート20’に回動可能に支持されるアップ/ダウン維持手段と、固定プレート10’とスライドプレート20’のスライド部分が磨耗することを防ぐために、ガイドブッシュ14、14’及びダンパ15、15’と、を備えている。
また、固定プレート10の両端部に、それぞれ第1の永久磁石16、16’が設けられ、第1の永久磁石16、16’と反発力または引力が作用して、スライドプレート20を外側に加圧する位置に、それぞれ第2の永久磁石24、24’が設けられる。また、スライドプレート20の移動中に、アップ/ダウン維持手段の加圧力の方向が変わる位置の付近において、固定プレート10の一対の第1の永久磁石16、16’のいずれか一つと反発力または引力が作用するように、スライドプレート20の所定の位置にさらに第3の永久磁石25、25’が設けられる。この際、第3の永久磁石25、25’は、両端部に設けられた第2の永久磁石24、24’間に設置される。
固定プレート10’には、2つの支持突起11、11’が、固定溝12、12’と平行な一直線上にさらに形成されている。支持突起11、11’は、スライドプレート20’に向かう面にプレス加工により突出し、外周面は円形であり、拡張した端部11aを有している。
一方、固定溝12、12’の長さ方向に挿入されるガイドブッシュ14、14’及びダンパー15、15’は、本発明の第9実施例と同一に適用される。
また、スライドプレート20’は、長さ方向の両側には固定プレート10’の方向にプレスにより折り曲げられた折曲部22、22’と、外側に伸びてもう一回折り曲げられた羽根部23、23’とを有する。一対の羽根部23、23’は、長さ方向に対して上下方向にスライド可能に固定プレート10’の固定溝12、12’にそれぞれ設けられたガイドブッシュ14、14’及びダンパー15、15’にそれぞれ挿入される。また、スライドプレート20’には、スプリング50、50’の一端が挿入され、回動可能に支持するための2つの貫通孔21、21’が形成されている。また、スライドプレート20’をカバーに固定させるための複数のねじ孔が形成されている。
アップ/ダウン維持手段である2つのスプリング50、50’は、それぞれ両端が延びた鋼線からなるコイルスプリングである。コイルスプリングの延びた両端の中央部には、鋼線が数回巻取されたスプリング部53が形成されている。それぞれのスプリングの一端52は、前記固定プレート10’の円形の支持突起11の外周の一部を取り囲んで支持可能に、一部が開放した円形に折り曲げられている。また、他端51は、スライドプレート20’の貫通孔21に挿入され、回動可能に支持するように、円形に折り曲げられた一端52の円形の中心軸方向へ鋼線が1次に折り曲げられ、1次に折り曲げられた部分の端部が2次に垂直になるように折り曲げられている。
本実施例のアップ/ダウン維持手段50の作動状態を簡単に説明すると、固定プレート10’の両側の固定溝12、12’に設けられたガイドブッシュ14、14’及びダンパー15、15’のガイド溝14a、14a’、15b、15b’にスライドプレート20’の両側の羽根部23、23’が挿入され、長さ方向の上下にガイド溝14a、14a’、15b、15b’に沿って移動可能になっている。また、2つのスプリング50の一端52は、固定プレート10’の支持突起11の外周の一部を取り囲んで回動可能に支持されており、他端51は、スライドプレート20’の貫通孔21に挿入されて回動可能に支持されている。したがって、スライドプレート20’がスプリング50により上下に決まった距離のみを移動するように拘束される。
特に、固定プレート10’の2つの支持突起11、11’は、固定溝12と平行な一直線上に配置され、スライドプレート20’の2つの貫通孔21、21’も、固定溝12に挿入される羽根部23に平行な一直線上に配置されている。すなわち、支持突起11、11’が形成された一直線と固定溝12、12’が形成された一直線とは、互いに平行であり、距離が可能な限り最大となるように配置される。したがって、スライドプレート20’が上下に移動するとき、それぞれのスプリング50、50’が変形する量が少なくなり、スプリング50の寿命を延ばすことができるようになる。また、2つのスプリング50、50’の一端と他端がそれぞれ固定溝12、12’に対して、同一側に回動可能に固定されている。したがって、スライド時、スプリングの弾性力が一方向にのみ作用するようになり、固定プレート10’の固定溝12とスライドプレート20’の羽根部23が、一方向に密着してスライドされ、カバーの開閉時にカバーが左右に遊動することを防ぐことができる。
また、それぞれのスプリング50は、スライドプレート20’が移動し、スライドプレート20’の2つの貫通孔21の中心と固定プレート10’の支持突起11の中心が一致するまで、スプリング50の弾性力が移動を妨げる方向に作用し、一致する位置を経ると、スプリング50の弾性力が移動を促進する方向に作用するようになる。したがって、ユーザは、カバーをスライドさせて開放しようとする場合、スライドプレート20’の2つの貫通孔21の中心と固定プレート10’の支持突起11の中心が一致するまでのみ力を加えれば、それ以後は、スプリング50の弾性力により自ずとカバーが開放されるようになる。
以下では、前記のスライダ組立体を備えたスライド型携帯電話について説明する。
図24は、本発明に係る第9及び第10実施例のスライド型のスライダ組立体を有するスライド型携帯電話を示す底面図であり、携帯電話の本体1に設けられる固定プレート10と、携帯電話のカバー2に設けられるスライドプレート20と、スライドプレート20を作動させるアップ/ダウン維持手段30と、を備えるスライド携帯電話1000で構成される。
固定プレート10は、両端部にそれぞれ一対の第1の永久磁石16、16’が設けられ、第1の永久磁石16、16’と反発力または引力が作用するように、デッドゾーンが発生するスライドプレート20に一対の第3の永久磁石25、25’がさらに設けられる。したがって、デッドゾーンでは、スライドプレート20が止まることなく、自ずとアップ/ダウン維持手段30の加圧力の方向が変わる方向に作動される。
スライドプレート20が設けられた携帯電話のカバー2の両端部には、第1の永久磁石16、16’と引力が作用するように、対向する位置に第2の永久磁石2a、2a’が設置される。すなわち、携帯電話のカバー2を上部方向に押し上げると、固定プレート10の両端の下部方向に設けられた第1の永久磁石16、16’と、スライドプレート20が設けられた携帯電話のカバー2の両端の下部方向に設けられた第2の永久磁石2a、2a’が、異なる極性を有するため、引っ張る引力が発生し、携帯電話のカバー2が上部に開放された状態で遊動することなく固定される。
これに対して、携帯電話のカバー20を下部方向に加圧すると、固定プレート10の両端の上部方向に設けられた第1の永久磁石16、16’と、スライドプレート20が設けられた携帯電話のカバー2の両端の上部方向に設けられた第2の永久磁石2a、2a’が、異なる極性を有するため、引っ張る引力が発生し、携帯電話のカバー2が閉鎖された状態で遊動することなく固定される。