JP2008309227A - リニアガイド装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】側面2a側に円弧凹面からなる複数のレール軌道面4を有するレール2と、レール軌道面4と対向する円弧凹面からなるスライダ軌道面6を有し、レール2を直線的に移動するスライダ5と、レール軌道面4とスライダ軌道面6とにより形成される負荷路を転動する、側面に凸面が形成されたローラ8とを備えたリニアガイド装置1において、レール2のそれぞれの側面2a側に形成された各レール軌道面4の円弧凹面と、ローラ8の凸面との接点Aにおけるそれぞれの接触法線Eを、レール2の内部で幅方向の中心線CLと交差させ、かつそれぞれの接触法線E同士を中心線CLとレール2のそれぞれの側面2aとの中央より中心線CL側で交差させる。
【選択図】 図2
Description
このような用途に用いられるリニアガイド装置の場合には、通常、ローリング方向に対する傾きを許容する調心性を付与することが行われている。
このことは、10〜20tクラスの重荷重が負荷され、リニアガイド装置が取付けられる基台やテーブル等に0.1mmを超える大変形が生じるような場合に、特に顕著になる。
また、全ての接触法線がレールの幅方向の中心線上の1点で交差するようにしたことにより、幾何学的に調心性を発揮させることができ、スライダとレールとの相互間にローリング方向に変位(変形)が生じたときに、そのモーメントに倣った形で接点が移動にしてモーメント反力およびこれに伴う内力の発生を防止することができ、基台やテーブル等の大変形に自由度を持って対応することができると共に、リニアガイド装置の寿命を長期に渡って維持することができるという効果が得られる。
図1は実施例1のリニアガイド装置の外観を示す斜視図、図2は実施例1のリニアガイド装置の断面を示す説明図である。
図1において、1はリニアガイド装置である。
2はリニアガイド装置1のレールであり、合金鋼等の鋼材で製作された長尺の棒状部材であって、そのレール2の上面(レール上面2aという。)には機械装置の基台等にレール2を固定するための段付ボルト穴であるレール取付穴3が所定のピッチで複数設けられている。
5はスライダであり、合金鋼等の鋼材で製作された略コの字状の断面形状を有する鞍状部材であって、そのスライダ上面には取付ねじ穴5aが設けられており、この取付ねじ穴5aを用いて機械装置の移動台等がボルト等により締結される。
図2において、8は転動体としてのローラであり、合金鋼等の鋼材で製作され、側面にローラ8の半径方向の外側に凸の円弧半径Rbからなる凸面が形成された樽状部材である。
12はエンドキャップ7に設けられた方向転換路であり、レール軌道面4とスライダ軌道面6とを対向配置して形成される負荷路と戻り路10とをそれぞれ接続するための略矩形断面を有する湾曲した通路であって、ローラ8の移動を案内してその循環方向を転向させる機能を有している。
あるいは、各ローラ8の間に配置される樹脂製の間隔体同士を、各ローラ8の両端部の外側に配置される可撓性ベルトによりチェーン状に連結するようにしてもよい。
本実施例のローラ8の凸面の円弧半径Rbは、レール軌道面4およびスライダ軌道面6の円弧凹面の円弧半径Raより僅かに小さく形成されており、図2に示すように、各レール軌道面4およびスライダ軌道面6の円弧凹面とこれに内接するローラ8の凸面との接点Aおよび接点Bにおける法線E(接触法線という。)は、レール2の内部(レール2の実体部分をいう。)で幅方向の中心線CLと45度の角度で交差し、かつそれぞれの接触法線E同士が交差する交点C(それぞれの負荷路を転動するローラ8が同一断面上に存在するとしたときの交点をいう。)は、中心線CLと、それぞれのレール軌道面4とローラ8との接点Aとの中央より中心線CL側に位置しており、それぞれのレール側面2bの側におけるレール軌道面4とローラ8との接点Aのレール2の高さ方向の距離L1は、それぞれの接触法線Eと中心線CLとの交点間の高さ方向の距離L2より長くなるように形成されている。
このように、本実施例のそれぞれのレール側面2bの側における接触法線E同士の交点Cは、中心線CLと、それぞれのレール軌道面4とローラ8との接点Aとの中央より中心線CL側に位置しているので、接触法線E同士の交点Cが、中心線CLと接点Aとの中央よりレール側面2b側に位置している場合に較べて、スライダとレールとの相互間にローリング方向に変位(変形)が生じた場合の接点Aおよび接点Bの移動を容易にしてモーメント反力を小さくすることができ、内力によるローラ8とレール軌道面4およびスライダ軌道面6との接触部における面圧を低減することが可能になると共に弾性変形による調心性を発揮させることが可能になり、リニアガイド装置1の寿命の向上を図ることができる。
以上説明したように、本実施例では、それぞれのレール側面側に形成された各レール軌道面の円弧凹面と、ローラの凸面との接点Aにおけるそれぞれの接触法線Eを、レールの内部で幅方向の中心線CLと交差させ、かつそれぞれの接触法線E同士を、中心線CLとそれぞれのレール軌道面とローラ8との接点Aとの中央より中心線CL側で交差させるようにしたことによって、スライダとレールとの相互間にローリング方向に変位(変形)が生じた場合の接点の移動を容易にしてモーメント反力を小さくすることができ、内力によるローラとレール軌道面およびスライダ軌道面との接触部における面圧を低減することが可能になり、リニアガイド装置の寿命の向上を図ることができる。
この場合に、レール軌道面およびスライダ軌道面は、例えば円弧凹面として実質的に中央でローラと接するようにしてもよく、あるいは平面状としてローラと接触するようにしてもよい。後者の場合、接触法線は接触領域の中央(すなわち、ローラの軸方向中央)を通る法線で定義される。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図3に示すように、本実施例のレール軌道面4は、上記実施例1と同様に、レール側面2bの側にレール2の外側に向かって凹の円弧半径Raからなる円弧凹面を、レール2の幅方向の中心線CLに向かって拡大するように、ハの字状に配置して構成されている。
本実施例のローラ8は、図4の部分拡大図に示すように、回転中心線Ckを中心に回転し、その側面の凸面の回転中心線Ckを含む断面で見た凸の円弧半径Rbは、レール軌道面4およびスライダ軌道面6の円弧凹面の円弧半径Raより僅かに小さく形成され、図3に示すように、全てのスライダ軌道面6の円弧凹面とこれに内接するローラ8の凸面との接点Bにおける接触法線Eは、レール2の内部で幅方向の中心線CLと所定の角度で交差し、かつ全ての接触法線E同士は1点で交差し、その交点Cはレール2の幅方向の中心線CL上に位置している。
また、各スライダ軌道面6の円弧凹面は、図3、図4に示すように、中心線CL上の交点Cを中心とした半径Raの円Fの一部として形成される円弧半径Raの円弧で形成され、各スライダ軌道面6の円弧凹面とこれに内接するローラ8の凸面との接点Bは全て中心線CL上の交点Cを中心とした同一半径上に位置し、かつ各レール軌道面4の円弧凹面とローラ8の凸面との接点Aは、全て中心線CL上の交点Cを中心とした円Fとの同心円上に位置し、つまり交点Cを中心とした同一半径上に位置している。
このように、本実施例のスライダ軌道面6とローラ8との接点Bおける全ての接触法線E同士は、中心線CL上の交点Cの1点で交差し、それぞれ全て中心線CL上の交点Cを中心とした円の一部として形成される円弧状に形成されているので、幾何学的に調心性を発揮させることができ、スライダとレールとの相互間にローリング方向に変位(変形)が生じたときに、そのモーメントに倣った形で接点Bが移動して、つまり接点B上をスライダ軌道面6が旋回して、理論上のモーメント剛性を最小にすることが可能になり、モーメント反力を発生させることはなく、基台やテーブル等の大変形にも自由度を持って対応することができると共に、内力が発生しないので、リニアガイド装置1の寿命を長期に渡って維持することができる。
なお、上記実施例1のリニアガイド装置においても、本実施例と同様に各スライダ軌道面とローラとの接点Bにおける全ての接触法線Eを、レールの内部で幅方向の中心線CL上の1点で交差するようにすれば、本実施例の効果と同様の効果を得ることができる。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例のリニアガイド装置21は、図5に示すように、両側の袖壁22aを底部22bで接続したコの字状のレール22の袖壁22aの内側面22cにレール軌道面4が形成され、そのレール軌道面4は、レール22の外側に向かって凹の円弧半径Raからなる円弧凹面で形成され、レール22の幅方向の中心線CLに向かって拡大するように、ハの字状に配置されている。
また、本実施例のレール22およびスライダ25は、上記実施例1と同様の材料で形成されており、そのレール22の底部22bはボルト等により基台等に固定され、負荷路を転動するローラ8に支持されたスライダ25が、レール22の長手方向に沿って直線的に往復移動する。
このように、本実施例のレール22のそれぞれの内側面22cの側における接触法線E同士の交点Cは、中心線CLと、それぞれのレール軌道面4とローラ8との接点Aとの中央より中心線CL側に位置しているので、上記実施例1と同様に、スライダとレールとの相互間にローリング方向に変位(変形)が生じた場合の接点Aおよび接点Bの移動を容易にしてモーメント反力を小さくすることができ、内力によるローラ8とレール軌道面4およびスライダ軌道面6との接触部における面圧を低減することが可能になると共に弾性変形による調心性を発揮させることが可能になり、リニアガイド装置21の寿命の向上を図ることができる。
更に、スライダ25に設ける戻り路10をスライダ25の8角形状の下部の内部に形成することができるので、戻り路10の配置の自由度を高めることができる。
また、本実施例においては、図5に、交点Cからローラまでの距離を同一として図示し、その接触角も45度であるとして示したが、前記の距離や接触角は異なる距離や接触角であってもよい。要は接触法線Eを、スライダの内部で幅方向の中心線CLと交差させ、かつそれぞれの接触法線E同士を、各レール軌道面とローラとの接点Aの内、最も中心線CLから離間した位置の接点Aに関して、中心線CLと、その接点Aとの中央より中心線CL側で交差させるようにするのであれば、距離や接触角はどのようなものであってもよい。
また、上記各実施例においては、スライダに方向転換路と戻り路を備えてローラを循環させる、いわゆる無限循環式のリニアガイド装置としたが、これに限られず、スライダとレールとの間にローラを軌道面の延出方向に所定間隔に保持するケージを備えた、有限ストロークのリニアガイド装置にも適用できる。
2、22 レール
2a、 レール上面
2b レール側面
3 レール取付穴
4 レール軌道面
5、25 スライダ
5a 取付ねじ穴
5b、22a 袖壁
6 スライダ軌道面
7 エンドキャップ
8 ローラ
10 戻り路
11 スリーブ
12 方向転換路
22b 底部
22c 内側面
Claims (4)
- 円弧凹面からなる複数のレール軌道面を有するレールと、前記レール軌道面と対向する円弧凹面からなるスライダ軌道面を有し、前記レールを直線的に移動するスライダと、前記レール軌道面とスライダ軌道面とにより形成される負荷路を転動する、側面に凸面が形成されたローラとを備えたリニアガイド装置において、
前記レールのそれぞれの側面側に形成された前記各レール軌道面の円弧凹面と、前記ローラの凸面との接点におけるそれぞれの接触法線が、前記レールの内部で幅方向の中心線と交差し、かつ前記それぞれの接触法線同士が前記中心線と、前記中心線から最も離間した前記接点との中央より前記中心線側で交差することを特徴とするリニアガイド装置。 - 円弧凹面からなる複数のレール軌道面を有するレールと、前記レール軌道面と対向する円弧凹面からなるスライダ軌道面を有し、前記レールを直線的に移動するスライダと、前記レール軌道面とスライダ軌道面とにより形成される負荷路を転動する、側面に凸面が形成されたローラとを備えたリニアガイド装置において、
前記各スライダ軌道面の円弧凹面と、前記ローラの凸面との接点における全ての接触法線が、前記レールの内部で幅方向の中心線上の1点で交差することを特徴とするリニアガイド装置。 - 円弧凹面からなる複数のレール軌道面を有するコの字状のレールと、前記レール軌道面と対向する円弧凹面からなるスライダ軌道面を有し、前記レールを直線的に移動するスライダと、前記レール軌道面とスライダ軌道面とにより形成される負荷路を転動する、側面に凸面が形成されたローラとを備え、
前記レールのそれぞれの内側面側に形成された前記各レール軌道面の円弧凹面と、前記ローラの凸面との接点におけるそれぞれの接触法線が、前記スライダの内部で幅方向の中心線と交差し、かつ前記それぞれの接触法線同士が前記中心線と、前記中心線から最も離間した前記接点との中央より前記中心線側で交差することを特徴とするリニアガイド装置。 - 円弧凹面からなる複数のレール軌道面を有するコの字状のレールと、前記レール軌道面と対向する円弧凹面からなるスライダ軌道面を有し、前記レールを直線的に移動するスライダと、前記レール軌道面とスライダ軌道面とにより形成される負荷路を転動する、側面に凸面が形成されたローラとを備え、
前記各レール軌道面の円弧凹面と、前記ローラの凸面との接点における全ての接触法線が、前記スライダの内部で幅方向の中心線上の1点で交差することを特徴とするリニアガイド装置。
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