JP5222609B2 - 転動体循環路構造及び運動装置 - Google Patents
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Description
第1の発明は、移動体と軌道体との相対運動に伴って前記軌道体と前記移動体の間に配置された複数の転動体が転動する転動体循環路の構造であって、前記転動体循環路は、前記転動体の転動方向を転換する方向転換路を有し、前記方向転換路は、前記転動体の軌跡が、中心線同士が所定角度で交差すると共に互いに異なる半径を有する2つの半円柱面同士の交差線を含む曲線を描くように形成されることを特徴とする。
そして、このような曲線軌跡に従って移動体の端部に設置される蓋体の方向転換路を形成するならば、該蓋体の方向転換路の内周側に該方向転換路の内周曲面を形成する肉厚部を形成することができる。
その結果、軌道体に対して移動体を取り付ける際に、該移動体の端部に設置された蓋体が、軌道体に対して捩れて方向転換路が多少開いたとしても、上述の肉厚部によって該移動体内の転動体が脱落する問題が防止され、該移動体の組み付け作業を支障なく行うことができる。
その結果、軌道体に対して移動体を取り付ける際に、該移動体の端部に設置された蓋体が、軌道体に対して捩れて方向転換路が多少開いたとしても、上述の肉厚部によって該移動体内の転動体が脱落する問題が防止され、該移動体の組み付け作業を支障なく行うことができる。
その結果、軌道体に対して移動体を取り付ける際に、該移動体の端部に設置された蓋体が、軌道体に対して捩れて方向転換路が多少開いたとしても、上述の肉厚部によって該移動体内の転動体が脱落するトラブルが防止され、該移動体の組み付け作業を支障なく行うことができる。
本発明によれば、該蓋体の方向転換路の内周側に、該方向転換路の内周曲面を形成する肉厚部を形成することができる。したがって、軌道体に対して移動体を取り付ける際に、該移動体の端部に設置された蓋体が、軌道体に対して捩れて方向転換路が多少開いたとしても、当該肉厚部によって該移動体内の転動体が脱落する問題が防止され、該移動体の組み付け作業を支障なく行える効果が奏される。
図1は本発明の実施形態に係るボールスプラインの分解斜視図、図2は本発明の実施形態に係るボールスプラインの概略構成を示す側断面図、図3及び図4はエンドキャップを示す図、図5及び図6はターンプレートを示す図である。
なお、図2では図示の都合上、一条の転動体転走路のみ記載する。
蓋体4は、移動体3側に配置されるターンプレート(転動体方向転換内周案内部材)6と、移動体3側と反対側に配置されるエンドキャップ(転動体方向転換外周案内部材)7とが組体として嵌め合わされて、構成されている。また蓋体4の外径寸法は、移動体3の外形寸法と略同一に形成されている。
そして、これら負荷転動体転走路3b、無負荷転動体転走路3c、転動体方向転換路4aによって一体に形成される略楕円環状、若しくはサーキット状の転動体循環路8とされており、この転動体循環路8内には、ボールからなる複数の転動体5が循環自在に収容されている。
そして、これら転動体5が転動体循環路8内を転走することによって、移動体3とスプライン軸2とが軸線L方向に滑らかに相対移動可能なように構成されている。
ターンプレート6は、略三日月状をなしており、転動体方向転換内周案内部6aの径方向外方側に形成される凸曲面状の外方当接面6bと、この転動体方向転換内周案内部6aの径方向内方側に形成される凸曲面状の内方当接面6cとを備えている。
そして、このように構成されたターンプレート6及びエンドキャップ7では、移動体3に取り付けた場合に、外方当接面6b,7bが互いに当接することにより、また、内方当接面6c,7cが互いに当接することにより、これら外方当接面6b,7bと、内方当接面6c,7cとの間に転動体方向転換路4aが形成されるものである。
また、エンドキャップ7には位置決め突起7dが設けられており、この位置決め突起7dを、移動体3の対応する位置決め孔(図示略)に嵌合させることで、ターンプレート6を間に挟んでエンドキャップ7が移動体3に取り付けられるようになっている。
なお、これらターンプレート6及びエンドキャップ7は、例えば樹脂等を成形加工した成形品とされており、その寸法精度が良好に形成されている。
転動体循環路8は、上述したように、移動体3内に形成された負荷転動体転走路3b及び無負荷転動体転走路3c、ターンプレート6とエンドキャップ7との間に形成された転動体方向転換路4aからなるものであって、この転動体方向転換路4aがターンプレート6とエンドキャップ7との間にどのような傾斜角度、湾曲半径の経路を形成するか、という点について、以下に示すように規定する。言い換えれば、転動体方向転換路4aを転動する転動体5の中心点が描く軌跡を規定する。
仮想半円柱体Aは、その中心線Oaが移動体3の移動方向に沿う軸線Lに沿うように配置される。また、仮想半円柱体Bは、その中心線Obが仮想半円柱体Aの中心線Oaに直交する鉛直方向(α=90°)に配置される(図7及び図8参照)。または、その鉛直線に対して若干傾斜角θを有する(α=90°+θ)ように配置される(図9参照)。
そして、このような曲線軌跡51に従って移動体3の端部に設置される蓋体4の転動体方向転換路4aを形成するならば、図3及び図4に示すように、蓋体4の転動体方向転換路4aの内周側に、この転動体方向転換路4aの内周曲面を形成する肉厚部10を形成することができる。
また、2つの仮想半円柱体A,Bは、半円柱面同士の交差線を含む曲線軌跡51が緩やかな傾斜角度β(図11参照)となるように、仮想半円柱体A,Bが互いに異なる半径で、かつ仮想半円柱体Bよりも仮想半円柱体Aの半径を大きくすると良い。
また同様に、2つの仮想半円柱体Aの中心線Oaと、仮想半円柱体Bの中心線Obの成す角度αは、上述した曲線軌跡51が緩やかな傾斜角度βとなり、かつ転動体5の転動の安定性を考慮すれば、α=90°が適当である。
そして、このような曲線軌跡51に従って移動体3の端部に設置される蓋体4の転動体方向転換路4aを形成するならば、蓋体4の転動体方向転換路4aの内周側でかつエンドキャップ7の内方当接面7cの一部に、転動体方向転換路4aの内周曲面を形成する肉厚部10を設けることができる。
その結果、スプライン軸2に対して移動体3を取り付ける際に、移動体3の端部に設置された蓋体4が、スプライン軸2に対して捩れて転動体方向転換路4aが多少開いたとしても、上述した肉厚部10によって移動体3内の転動体5が脱落するトラブルが防止され、移動体3の組み付け作業を支障なく行うことができる。
これによって転動体方向転換路4aの曲線軌跡51に沿った転動体5の方向転換を無理なく行うことができる。
Claims (6)
- 移動体と軌道体との相対運動に伴って前記軌道体と前記移動体の間に配置された複数の転動体が転動する転動体循環路の構造であって、
前記転動体循環路は、前記転動体の転動方向を転換する方向転換路を有し、
前記方向転換路は、前記転動体の軌跡が、中心線同士が所定角度で交差すると共に互いに異なる半径を有する2つの半円柱面同士の交差線を含む曲線を描くように形成されることを特徴とする転動体循環路構造。 - 前記2つの半円柱面は、前記転動体の直径の2倍以上の半径を有することを特徴とする請求項1に記載の転動体循環路構造。
- 前記2つの半円柱面は、中心線同士が直交することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の転動体循環路構造。
- 転動体転走面が形成される軌道体と、
前記転動体転走面に対応する負荷転動体転走路、前記負荷転動体転走路に対して略平行に形成される無負荷転動体転走路及びこれら負荷転動体転走路と無負荷転動体転走路とを接続する一対の方向転換路で構成される転動体循環路を有すると共に、前記軌道体に対して相対的に移動可能に組み付けられる移動体と、
前記転動体循環路に循環可能に配列されて前記移動体と前記軌道体との相対運動に伴って前記転動体転走面と前記負荷転動体転走路との間を転動する複数の転動体と、
を備える運動装置において、
前記転動体循環路の構造として、請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の転動体循環路構造を備えることを特徴とする運動装置。 - 前記移動体の延在方向の両端部に配設されて前記転動体を前記移動体の内部に封入すると共に、前記方向転換路が形成された蓋体を備えることを特徴とする請求項4に記載の運動装置。
- 前記蓋体は、
前記方向転換路の内面側を形成する転動体方向転換内周案内部材と、
前記方向転換路の外面側を形成する転動体方向転換外周案内部材と、
からなることを特徴とする請求項5に記載の運動装置。
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