JP5617397B2 - ボールねじ、ボールねじ用潤滑剤供給体収容ケース - Google Patents
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Description
内部循環型のボールねじでは、ナットに軸方向に延びる貫通穴(ボール戻り路)を設け、この貫通穴と前記軌道を接続するボール誘導路が形成されたボール循環部品を、ナットの軸方向両端部に設けた凹部(嵌入部)に配置することで、ボール戻し経路を形成している。
工作機械等のように、複数のボールねじを並列に機台に固定してボールねじ装置を形成する場合には、ナットを径方向に小型化できることが望ましい。しかし、特許文献1のように、ボール循環部品をナットに固定する部材(循環部品固定部材)として環状体を用いると、ナットの最小幅を循環部品固定部材の外径未満とすることができない。
これに対して、ナットの軸に垂直な断面形状を、ボール循環部品の嵌入部が完全に含まれる範囲の樽形(一対の対向する円弧が二つの平行な直線で接続された形状)にするとともに、循環部品固定部材もナットと同様の樽形に形成すれば、ナットを径方向に小型化することができる。
この押えプレートは、前記開口部が存在する周縁部を弾性変形させて、前記一対の突起を前記筒状部材の突起挿入穴に嵌合することで取り付けられる。その際に、円弧状外周面に凹部が形成され、その両側に一対の突起が形成されているため、大きく弾性変形することにより、取り付け作業を容易にすることができる。
この押えプレートが、前記一対の円弧状外周面をなす円弧が二つの平行な直線で接続された樽形の面形状を有するものであると、軸に垂直な断面が樽形に形成された前記筒状部材(例えば、ボールねじ用ナット)の軸方向端部に取り付けて使用することができる。
この発明のボールねじ用潤滑剤供給体収容ケースによれば、ボールねじのナットの軸方向端部に容易に取り付けることができる。
この実施形態では、この発明の一実施形態に相当する押えプレートを、ナットの軸方向端部にボール循環部品を固定する循環部品固定部材として備えたボールねじについて説明する。
図1および2に示すように、この実施形態のボールねじ1は、ねじ軸4と、ナット8と、ボール10と、ボール循環部品12と、押えプレート14とで構成されている。
ねじ軸4は、合金鋼等の鋼材により形成された棒状部材であり、螺旋状のねじ軸側軌道溝16を外周面に有している。ねじ軸4の端部は、モータ等の回転動力源(図示せず)に連結されている。
これにより、ボール10は、ねじ軸4またはナット8の回転運動に伴って、ボール誘導路28及び負荷転動路26内を無限循環する。すなわち、負荷転動路26及びボール誘導路28によって、ボール10の無限循環通路が形成されている。
押えプレート14の各円弧状外周面14aには、円弧の中心位置に凹部30が形成されている。この凹部32の両側に、円弧状外周面14aから突出する円柱状の突起31が形成されている。凹部32を挟んで隣り合う二つの突起31が、ナット8の各円弧状内周面81bの突起挿入穴81cに挿入される。
押えプレート14における開口部32の形成位置は、図5に示すように、円弧状開口部32aより外周側で、ボール循環部品12が押えプレート14と重なる部分の長さLが0.5mm以上となるように設定されている。この外周側での重なり部分の長さLは、円弧状開口部32aの外側の円弧の、凹部30の中心線(ナット8の径方向に沿った線)Aとの交点における接線LA と、接線LA を、ボール循環部品12の最も外周側の点と接触するまで平行移動させた接線LB との距離である。
この実施形態の押えプレート14は、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリイミド等を用いた射出成形法により製造することができる。
このボールねじ装置2では、複数のボールねじ1が、互いに、ねじ軸4の軸方向を平行に、且つ、ナット8の樽形断面の平行な面を対向させて配列した状態で、機台6に取り付けられている。すなわち、図8(b)に示すように、各ナット8の最小幅Wmin同士が並んだ配置となっている。
なお、この実施形態では、面形状が樽形である押えプレート14を用いて、軸に垂直な断面形状が樽形であるナット8にボール循環部品12を固定しているが、図9に示すように、この実施形態の面形状が樽形である押えプレート14を、軸に垂直な断面形状が円形であるナット8Aにボール循環部品12を固定する用途で使用してもよい。その場合、ナット8Aの軸方向両端面に、円環状の底面83aと円周面状の壁面(一対の円弧状内周面を含む)83bとからなる凹部を設け、壁面83bに突起挿入穴83cを形成する。
この実施形態では、この発明の一実施形態に相当するボールねじ用潤滑剤供給体収容ケースを備えるとともに、この発明の一実施形態に相当する押えプレートを、ナットの軸方向端部にボール循環部品を固定する循環部品固定部材としてだけでなく、ボールねじ用潤滑剤供給体収容ケースの筒体部に潤滑剤供給体を固定する潤滑剤供給体固定部材としても備えたボールねじについて説明する。
図10は、第2実施形態のボールねじを示す正面図である。図11は、図10のA−A断面図である。図11のB矢視は図1と同じである。
これらの図に示すように、この実施形態のボールねじ1は、ねじ軸4と、ナット8と、ボール10と、ボール循環部品12と、押えプレート14と、潤滑剤供給体収容ケース40と、潤滑剤供給体42とで構成されている。
図12は潤滑剤供給体収容ケース40を説明する図であって、(a)は側面図、(b)は(a)のC矢視図、(c)は(a)のD矢視図であり、(d)は斜視図である。
図11および12に示すように、潤滑剤供給体収容ケース40は、潤滑剤供給体42を収容する筒体部43と、筒体部43をナット8に取り付ける取付部46とを有する。
取付部46の円弧状外周面46aの近傍に、板厚方向に貫通する開口部52が形成されている。取付部46の開口部52は、円弧状外周面46aと同心の円弧状開口部52aの両端に円形開口部52bが接続された面形状で、円弧状開口部52aの径方向寸法より円形開口部52bの直径が大きく形成されている。
第2実施形態のボールねじ1Aにおいて、ナット8の軸方向一端(図11の左側)に対するボール循環部品12の固定は、第1実施形態と同じ手順で、押えプレート14を用いて行う。ナット8の軸方向他端(図11の右側)に対するボール循環部品12の固定、および潤滑剤供給体収容ケース40の筒体部43に対する潤滑剤供給体42の固定は、以下の方法で行う。
その際に、潤滑剤供給体収容ケース40の取付部46は、円弧状外周面46aに凹部47が形成され、その両側に突起48が形成され、開口部52が円弧状開口部52aの両端に円形開口部52bが接続された面形状に形成されているため、大きく弾性変形する。よって、取り付け作業を容易にすることができる。また、開口部52が同じ面積で円弧状開口部52aのみからなる押えプレートと比較して、弾性変形量が大きくなるため、取付部46によるボール循環部品12の保持力(面圧)の低下につながる開口部52の面積を最小限に抑えることができる。
その際に、この実施形態の押えプレート14は、円弧状外周面14aに凹部30が形成され、その両側に突起31が形成され、開口部32が円弧状開口部32aの両端に円形開口部32bが接続された面形状に形成されているため、大きく弾性変形する。よって、取り付け作業を容易にすることができる。また、開口部32が同じ面積で円弧状開口部32aのみからなる押えプレートと比較して、弾性変形量が大きくなるため、押えプレート14による潤滑剤供給体42の保持力(面圧)の低下につながる開口部32の面積を最小限に抑えることができる。
1A ボールねじ
2 ボールねじ装置
4 ねじ軸
6 機台
8 ナット
81 ナットの凹部
81a ナットの凹部の底面
81b ナットの円弧状内周面
81c ナットの突起挿入穴
82 ナットの凹部に設けたボール循環部品嵌入部
10 ボール
12 ボール循環部品
14 押えプレート
14a 押えプレートの円弧状外周面
14b 押えプレートの中心穴
16 ねじ軸側軌道溝
18 ナット側軌道溝
20 ボール戻り路
26 負荷転動路
28 ボール誘導路
30 押えプレートの凹部
31 押えプレートの突起
32 押えプレートの開口部
32a 円弧状開口部
32b 円形開口部
40 潤滑剤供給体収容ケース
42 潤滑剤供給体
42a 潤滑剤供給体の中心穴
43 筒体部
44 筒体部の円弧面部
44a 筒体部の円弧状内周面
44c 筒体部の突起挿入穴
45 筒体部の平面部
45a 筒体部の凹部の底面
45b 筒体部の凹部の壁面
46 取付部
46a 取付部の円弧状外周面
46b 取付部の中心穴
47 取付部の凹部
48 取付部の突起
49 円弧溝
52 取付部の開口部
52a 円弧状開口部
52b 円形開口部
Claims (5)
- 弾性材料からなり、一対の円弧状外周面と中心穴を有する板状部材であり、前記一対の円弧状外周面の近傍に、板厚方向に貫通する開口部が、前記円弧状外周面と同心の円弧状に形成され、前記各円弧状外周面の円弧の中心に凹部が形成され、前記凹部の両側に前記円弧状外周面から突出する一対の突起が形成されている押えプレートを、
ナットの軸方向端部にボール循環部品を固定する循環部品固定部材として備え、
前記ナットの軸方向端面に凹部が形成され、この凹部の底面に、軸方向にさらに凹んだボール循環部品嵌入部が形成され、前記凹部の壁面が前記押えプレートの円弧状外周面と接触する一対の円弧状内周面を有し、前記円弧状内周面に前記押えプレートの前記一対の突起が入る突起挿入穴が形成され、
前記ボール循環部品嵌入部にボール循環部品が嵌入され、
前記押えプレートの中心穴をねじ軸が貫通し、前記ナットの凹部の各円弧状内周面と前記押えプレートの各円弧状外周面が接触し、前記押えプレートの前記一対の突起が前記ナットの突起挿入穴に挿入されて、
前記押えプレートの面圧により前記ボール循環部品が前記ナットに固定されていることを特徴とするボールねじ。 - 弾性材料からなり、一対の円弧状外周面と中心穴を有する板状部材であり、前記一対の円弧状外周面の近傍に、板厚方向に貫通する開口部が、前記円弧状外周面と同心の円弧状に形成され、前記各円弧状外周面の円弧の中心に凹部が形成され、前記凹部の両側に前記円弧状外周面から突出する一対の突起が形成され、
前記開口部は、前記円弧状外周面と同心の円弧状開口部の両端に円形開口部が接続された面形状で、前記円弧状開口部の径方向寸法より前記円形開口部の直径が大きく形成されている押えプレートを、
ナットの軸方向端部にボール循環部品を固定する循環部品固定部材として備え、
前記ナットの軸方向端面に凹部が形成され、この凹部の底面に、軸方向にさらに凹んだボール循環部品嵌入部が形成され、前記凹部の壁面が前記押えプレートの円弧状外周面と接触する一対の円弧状内周面を有し、前記円弧状内周面に前記押えプレートの前記一対の突起が入る突起挿入穴が形成され、
前記ボール循環部品嵌入部にボール循環部品が嵌入され、
前記押えプレートの中心穴をねじ軸が貫通し、前記ナットの凹部の各円弧状内周面と前記押えプレートの各円弧状外周面が接触し、前記押えプレートの前記一対の突起が前記ナットの突起挿入穴に挿入されて、
前記押えプレートの面圧により前記ボール循環部品が前記ナットに固定されていることを特徴とするボールねじ。 - 弾性材料からなり、一対の円弧状外周面と中心穴を有する板状部材であり、前記一対の円弧状外周面の近傍に、板厚方向に貫通する開口部が、前記円弧状外周面と同心の円弧状に形成され、前記各円弧状外周面の円弧の中心に凹部が形成され、前記凹部の両側に前記円弧状外周面から突出する一対の突起が形成され、
前記一対の円弧状外周面をなす円弧が二つの平行な直線で接続された樽形の面形状を有する押えプレートを、
ナットの軸方向端部にボール循環部品を固定する循環部品固定部材として備え、
前記ナットの軸方向端面に凹部が形成され、この凹部の底面に、軸方向にさらに凹んだボール循環部品嵌入部が形成され、前記凹部の壁面が前記押えプレートの円弧状外周面と接触する一対の円弧状内周面を有し、前記円弧状内周面に前記押えプレートの前記一対の突起が入る突起挿入穴が形成され、
前記ボール循環部品嵌入部にボール循環部品が嵌入され、
前記押えプレートの中心穴をねじ軸が貫通し、前記ナットの凹部の各円弧状内周面と前記押えプレートの各円弧状外周面が接触し、前記押えプレートの前記一対の突起が前記ナットの突起挿入穴に挿入されて、
前記押えプレートの面圧により前記ボール循環部品が前記ナットに固定されていることを特徴とするボールねじ。 - 弾性材料からなり、一対の円弧状外周面と中心穴を有する板状部材であり、前記一対の円弧状外周面の近傍に、板厚方向に貫通する開口部が、前記円弧状外周面と同心の円弧状に形成され、前記各円弧状外周面の円弧の中心に凹部が形成され、前記凹部の両側に前記円弧状外周面から突出する一対の突起が形成され、
前記開口部は、前記円弧状外周面と同心の円弧状開口部の両端に円形開口部が接続された面形状で、前記円弧状開口部の径方向寸法より前記円形開口部の直径が大きく形成され、
前記一対の円弧状外周面をなす円弧が二つの平行な直線で接続された樽形の面形状を有する押えプレートを、
ナットの軸方向端部にボール循環部品を固定する循環部品固定部材として備え、
前記ナットの軸方向端面に凹部が形成され、この凹部の底面に、軸方向にさらに凹んだボール循環部品嵌入部が形成され、前記凹部の壁面が前記押えプレートの円弧状外周面と接触する一対の円弧状内周面を有し、前記円弧状内周面に前記押えプレートの前記一対の突起が入る突起挿入穴が形成され、
前記ボール循環部品嵌入部にボール循環部品が嵌入され、
前記押えプレートの中心穴をねじ軸が貫通し、前記ナットの凹部の各円弧状内周面と前記押えプレートの各円弧状外周面が接触し、前記押えプレートの前記一対の突起が前記ナットの突起挿入穴に挿入されて、
前記押えプレートの面圧により前記ボール循環部品が前記ナットに固定されていることを特徴とするボールねじ。 - 軸方向端面に凹部が形成され、前記凹部の壁面が一対の対向する円弧状内周面を有し、前記円弧状内周面に突起挿入穴が形成されているナットの、前記凹部に取り付けて使用され、
ねじ軸の外周側に配置する潤滑剤供給体を収容する筒体部と、この筒体部を前記ナットの前記凹部へ着脱可能に取り付ける取付部と、を有するボールねじ用潤滑剤供給体収容ケースであって、
前記取付部は、
弾性材料からなり、前記円弧状内周面と接触する一対の円弧状外周面と前記ねじ軸を貫通させる中心穴を有する板状部材であって、
前記一対の円弧状外周面の近傍に、板厚方向に貫通する開口部が、前記円弧状外周面と同心の円弧状に形成され、
前記各円弧状外周面の円弧の中心に凹部が形成され、前記凹部の両側に前記円弧状外周面から突出する一対の突起が形成されていることを特徴とするボールねじ用潤滑剤供給体収容ケース。
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