JP7439648B2 - ボールねじ装置 - Google Patents

ボールねじ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7439648B2
JP7439648B2 JP2020094890A JP2020094890A JP7439648B2 JP 7439648 B2 JP7439648 B2 JP 7439648B2 JP 2020094890 A JP2020094890 A JP 2020094890A JP 2020094890 A JP2020094890 A JP 2020094890A JP 7439648 B2 JP7439648 B2 JP 7439648B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pair
groove
ball screw
nut
screw device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020094890A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021188687A (ja
JP2021188687A5 (ja
Inventor
和也 山田
祐二 下村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2020094890A priority Critical patent/JP7439648B2/ja
Publication of JP2021188687A publication Critical patent/JP2021188687A/ja
Publication of JP2021188687A5 publication Critical patent/JP2021188687A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7439648B2 publication Critical patent/JP7439648B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Transmission Devices (AREA)

Description

本発明は、ボールねじ装置に関する。
ボールねじ装置は、ねじ軸とナットとの間でボールを転がり運動させるため、ねじ軸とナットとを直接接触させるすべりねじ装置に比べて、高い効率が得られる。このため、ボールねじ装置は、たとえば電動モータなどの駆動源の回転運動を直線運動に変換するために、自動車の電動ブレーキ装置やオートマチックマニュアルトランスミッション(AMT)、工作機械の位置決め装置など、各種機械装置に組み込まれている。
ボールねじ装置は、外周面に螺旋状の軸側ボールねじ溝を有するねじ軸と、内周面に螺旋状のナット側ボールねじ溝を有するナットと、軸側ボールねじ溝とナット側ボールねじ溝とからなる負荷路(負荷ボール転走路)を転動する複数のボールと、負荷路の終点から始点へとボールを戻す循環部品とを備える。循環部品は、負荷路の始点と終点とをつなぐ循環溝(循環路、無負荷ボール転走路)を有している。
ボールねじ装置は、リターンチューブ(パイプ)式に代表される外部循環式のボールねじ装置と、こま式に代表される内部循環式のボールねじ装置とに大別される。このうちの内部循環式のボールねじ装置は、循環部品をナットの内部に有しており、ボールねじ装置を小型に構成できるなどの理由から、広く使用されている。
たとえば特開2009-287702号公報(特許文献1)には、循環部品にこまを使用した、こま式のボールねじ装置が開示されている。図21~図23には、特開2009-287702号公報に記載された、従来構造のボールねじ装置100を示している。
ボールねじ装置100は、ねじ軸101と、ナット102と、複数のボール103と、こまである循環部品104とを備える。なお、本明細書及び特許請求の範囲で、軸方向、径方向及び円周方向とは、特に断らない限り、ねじ軸に関する軸方向、径方向及び円周方向をいう。
ねじ軸101は、外周面に螺旋状の軸側ボールねじ溝105を有している。ナット102は、内周面に螺旋状のナット側ボールねじ溝106を有している。ねじ軸101は、ナット102の内側に挿通され、ナット102と同軸上に配置されている。軸側ボールねじ溝105とナット側ボールねじ溝106とは、径方向に互いに対向するように配置され、螺旋状の負荷路107を構成している。
負荷路107の始点と終点とは、循環部品104の径方向内側面に形成された、略S字形状の循環溝108によりつながっている。負荷路107の終点にまで達したボール103は、循環溝108を通じて、負荷路107の始点にまで戻される。なお、負荷路107の始点と終点とは、ねじ軸101とナット102との軸方向に関する相対変位の方向(相対回転方向)に応じて入れ替わる。
ナット102は、径方向に貫通した取付孔109を有している。そして、取付孔109に対して、循環部品104を取り付けている。取付孔109は、ナット102の外周面だけでなく、ナット102の内周面にも開口しており、ナット側ボールねじ溝106の一部を切り欠いている。
循環部品104は、略円柱状の本体部110と、本体部110の径方向外側の端部に備えられた1対の固定部111と、本体部110の径方向内側部に備えられた1対の抜け止め部112とを有する。
本体部110は、軸側ボールねじ溝105に対向する径方向内側面に、略S字形に湾曲した循環溝108を有する。本体部110は、ナット102に形成された取付孔109に嵌合されている。
1対の固定部111のそれぞれは、本体部110の径方向外側面の外周縁部に沿って立設された1対の突起部113のそれぞれの先端部に、かしめ部114を形成してなる。かしめ部114は、取付孔109の開口縁部に押し付けられている。従来構造のボールねじ装置100では、突起部113の先端部にかしめ部114を形成することで、ナット102に対する循環部品104の径方向内側への変位を不能とし、循環部品104をナット102に固定している。
1対の抜け止め部112のそれぞれは、略円柱状に構成されており、本体部110の径方向内側部から円周方向に伸長している。1対の抜け止め部112のそれぞれは、ナット側ボールねじ溝106の内側に配置され、ナット側ボールねじ溝106と係合する。これにより、ナット102に対して循環部品104が径方向外側へ変位する(抜け出る)ことを防止している。
特開2009-287702号公報
従来構造のボールねじ装置100は、循環部品104をナット102に固定するための固定部111を、本体部110の径方向外側面に備えられた突起部113の先端部にかしめ部114を形成することにより構成している。このため、突起部113の先端部を塑性変形させる際に加えられる力が、本体部110に加わり、本体部110の径方向内側面に備えられた循環溝108に変形を生じさせる可能性がある。この結果、循環溝108の内側でボール103の詰まりが発生し、ボール103の円滑な循環が妨げられる可能性がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、ボールの円滑な循環が可能となる、循環部品の固定構造を備えたボールねじ装置を提供することを目的とする。
本発明のボールねじ装置は、ねじ軸と、ナットと、複数のボールと、循環部品とを備える。
前記ねじ軸は、外周面に螺旋状の軸側ボールねじ溝を有する。
前記ナットは、内周面に螺旋状のナット側ボールねじ溝を有するとともに、前記ナット側ボールねじ溝の一部を切り欠くように、径方向に貫通した取付孔を有する。
前記複数のボールは、前記軸側ボールねじ溝と前記ナット側ボールねじ溝とからなる螺旋状の負荷路を転動する。
前記循環部品は、前記取付孔に取り付けられ、前記負荷路の始点と終点とをつなぐ循環溝を径方向内側面に有する。
前記ナットは、外周面のうちの前記取付孔を挟んだ両側部分に、それぞれが直線状に伸長しかつ前記取付孔に開口した1対の取付凹溝を有している。
前記1対の取付凹溝のそれぞれは、平坦面状の溝底面と、それぞれの径方向中間部に係合凹部が形成された1対の溝壁面とを有する。
前記循環部品は、金属製であり、前記取付孔の内側に配置される本体部と、前記本体部の外周側面からそれぞれ反対方向に向けて張り出し、前記1対の取付凹溝の内側に配置される1対の固定部とを有する。
前記1対の固定部のそれぞれは、前記取付凹溝の溝幅方向に離隔し、かつ、互いに対向して配置された1対の側板部を有する。
前記1対の側板部は、前記取付凹溝に備えられた1対の前記係合凹部に対して係合することで、前記ナットに対する前記循環部品の径方向外側への変位及び前記取付凹溝の溝幅方向への変位をそれぞれ不能とする、1対の係合凸部を有する。
前記係合凸部は、塑性変形によって前記係合凹部の内面に押し付けられるかしめ部である。
本発明の一態様にかかるボールねじ装置は、前記1対の固定部のそれぞれを、前記溝底面に載置され、前記取付凹溝の溝幅方向に関して両側の端部が前記1対の側板部の径方向内側の端部につながった、基板部をさらに有するものとすることができる。
本発明の一態様にかかるボールねじ装置は、前記循環部品を、金属粉末を原料とした射出成形品とすることができる。すなわち、前記循環部品を、金属粉末射出成形法によって製造されたものとすることができる。
本発明の技術的範囲からは外れるが、前記循環部品を、合成樹脂製とすることもできる。
前記循環部品を合成樹脂製とする場合には、前記係合凸部を、前記係合凹部に対して、スナップフィット式に係合させることができる。
本発明の一態様にかかるボールねじ装置は、前記係合凹部を、先細りの断面形状を有するものとすることができる。
この場合には、前記係合凹部を、三角形の断面形状を有するものとすることができる。
あるいは、前記係合凹部を、たとえば半円形(部分円形)の断面形状を有するものとすることができる。
本発明の一態様にかかるボールねじ装置は、前記本体部を、前記取付孔の内側に緩く挿入することができる。
本発明の一態様にかかるボールねじ装置は、前記1対の取付凹溝を、前記取付孔の円周方向両側に配置することができる。
この場合には、前記1対の取付凹溝のそれぞれの中心線を、前記取付孔の中心軸に対し直交し、かつ、前記ねじ軸の中心軸に直交する仮想平面上に存在させることができる。
本発明の一態様にかかるボールねじ装置は、前記取付孔を、長円形の断面形状を有し、内周面に1対の内周平坦面部を有するものとすることができる。
この場合には、前記1対の内周平坦面部のそれぞれと、前記1対の溝壁面のそれぞれとを、互いに平行に配置することができる。
あるいは、前記取付孔を、円形の断面形状を有するものとしたり、矩形の断面形状を有するものとすることができる。
本発明の一態様にかかるボールねじ装置は、前記循環部品を、前記1対の固定部の配列方向に関して中央部を中心とした回転対称形状とすることができる。
本発明のボールねじ装置によれば、ボールの円滑な循環が可能となる、循環部品の固定構造を実現できる。
図1は、実施の形態の第1例にかかるボールねじ装置の斜視図である。 図2は、実施の形態の第1例にかかるボールねじ装置の平面図である。 図3は、図2のI-I線断面図である。 図4は、実施の形態の第1例にかかるボールねじ装置からナットを取り出して示す斜視図である。 図5は、図4の部分拡大図である。 図6は、実施の形態の第1例に関して、取付凹溝を構成する1対の溝壁面に係合凹部を形成する作業を説明するために示す、断面模式図である。 図7は、実施の形態の第1例にかかるボールねじ装置から、係合凸部を形成する以前の循環部品を取り出し、径方向外側から見た斜視図である。 図8は、実施の形態の第1例にかかるボールねじ装置から、係合凸部を形成する以前の循環部品を取り出し、径方向内側から見た斜視図である。 図9は、図2のII-II線断面図である。 図10は、図1の部分拡大図である。 図11は、図10のIII矢視図である。 図12は、図2のIV-IV線断面模式図である。 図13は、図12の部分拡大図である。 図14は、実施の形態の第1例に関して、1対の側板部のそれぞれに係合凸部を形成するかしめ工程を説明するために示す、図12に相当する断面模式図である。 図15は、図14の上側から見た模式図である。 図16は、実施の形態の第2例を示す、図1に相当する図である。 図17は、実施の形態の第2例を示す、図10に相当する図である。 図18は、実施の形態の第2例を示す、図7に相当する図である。 図19は、実施の形態の第2例を示す、図8に相当する図である。 図20は、実施の形態の第3例を示す、図13に相当する図である。 図21は、従来構造のボールねじ装置を示す、平面図である。 図22は、図21のV-V線断面図である。 図23は、従来構造のボールねじ装置から、突起部の先端部にかしめ部を形成する以前の循環部品を取り出して示す斜視図である。
[実施の形態の第1例]
実施の形態の第1例について、図1~図15を用いて説明する。
〔ボールねじ装置の全体構成〕
本例のボールねじ装置1は、自動車用のこま式のボールねじ装置であり、たとえば、電動ブレーキブースター装置に組み込まれ、駆動源である電動モータの回転運動を直線運動に変換し、油圧シリンダのピストンを動作させるなどの用途で使用される。
ボールねじ装置1は、ねじ軸2と、ナット3と、複数のボール4と、こまである循環部品5とを備える。
ねじ軸2は、ナット3の内側に挿通され、ナット3と同軸上に配置されている。ねじ軸2の外周面とナット3の内周面との間には、螺旋状の負荷路8が備えられている。負荷路8には、複数のボール4が転動可能に配置されている。ねじ軸2とナット3とを相対回転させると、負荷路8の終点に達したボール4は、循環部品5の径方向内側面に形成された循環溝9を通じて、負荷路8の始点へと戻される。ボールねじ装置1は、たとえば、ナット3をねじ軸2に対して相対回転させることで、ねじ軸2をナット3に対して直線運動させる態様で使用される。以下、ボールねじ装置1の各構成部品の構造について説明する。
〈ねじ軸〉
ねじ軸2は、金属製で、外周面に一定のリードを持った螺旋状の軸側ボールねじ溝6を有している。軸側ボールねじ溝6は、ねじ軸2の外周面に、研削加工(切削加工)又は転造加工を施すことにより形成されている。本例では、軸側ボールねじ溝6の条数を、1条としている。軸側ボールねじ溝6の断面の溝形状(溝底形状)は、ゴシックアーチ溝、又は、サーキュラアーク溝である。
〈ナット〉
ナット3は、金属製で、全体が略円筒状に構成されている。ナット3は、内周面に螺旋状のナット側ボールねじ溝7を有している。ナット側ボールねじ溝7は、ナット3の内周面に、研削加工(切削加工)又は転造タップ加工(切削タップ加工)を施すことにより形成されており、軸側ボールねじ6と同じリードを有する。このため、ねじ軸2をナット3の内側に挿通配置した状態で、軸側ボールねじ溝6とナット側ボールねじ溝7とは径方向に対向するように配置され、螺旋状の負荷路8を構成する。ナット側ボールねじ溝7の条数は、軸側ボールねじ溝6と同様に、1条である。ナット側ボールねじ溝7の断面の溝形状も、軸側ボールねじ溝6と同様に、ゴシックアーチ溝、又は、サーキュラアーク溝である。
ナット3は、軸方向位置及び円周方向位置(位相)のそれぞれがずれた複数個所(図示の例では3個所)に、径方向に貫通した取付孔10を有する。取付孔10のそれぞれは、ナット3の外周面及び内周面のそれぞれに開口している。取付孔10のそれぞれは、ナット3の内周面に形成されたナット側ボールねじ溝7の一部を切り欠くように形成されている。取付孔10のそれぞれの中心軸は、ナット3の放射方向に向けて配置されている。
図4及び図5に示すように、取付孔10のそれぞれは、長円形(小判形)の断面形状を有しており、長手方向を円周方向に向けるとともに、短手方向を軸方向に向けて形成されている。つまり、取付孔10は、軸方向幅よりも円周方向幅のほうが大きくなっている。取付孔10の内周面は、軸方向に対向しかつ互いに平行に配置された1対の内周平坦面部11と、円周方向に対向し、それぞれが凹円弧状に湾曲した1対の凹曲面部12とからなる。
ナット3は、外周面のうちの取付孔10の円周方向両側部分に、それぞれが円周方向に直線状に伸長し、かつ、取付孔10に開口した1対の取付凹溝13を有する。具体的には、取付凹溝13の中心線は、取付孔10の中心軸に対し直交し、かつ、ねじ軸2の中心軸に直交する仮想平面上に存在する。このため、取付凹溝13の溝幅方向は軸方向に一致する。
取付凹溝13のそれぞれは、円周方向一方側の端部が、取付孔10の内周面を構成する凹曲面部12の軸方向中間部に開口しており、円周方向他方側の端部が、ナット3の円筒面状の外周面に開口している。取付凹溝13のそれぞれの径方向深さは、取付孔10に近い円周方向一方側部分が最も深く、取付孔10から遠い円周方向他方側部分が最も浅くなる。取付凹溝13の溝幅である軸方向幅は、取付孔10の軸方向幅(短手方向長さ)よりも小さく、全長にわたり一定である。
取付凹溝13のそれぞれは、略矩形の断面形状を有しており、平坦面状の溝底面14と、平坦面状の1対の溝壁面15とを有する。取付孔10の円周方向両側に配置された1対の溝底面14は、同一の平面上に配置されており、取付孔10の中心軸に直交する仮想平面上に配置されている。1対の溝壁面15は、軸方向に対向しており、溝底面14に対し略直角に配置されている。このため、1対の溝壁面15は、互いに平行に配置されている。本例では、溝壁面15のそれぞれを、取付孔10の内周面を構成する内周平坦面部11と互いに平行に配置している。溝壁面15のそれぞれは、軸方向から見て、四分円形状(中心角が直角の扇形状)を有している。
本例では、取付孔10の円周方向両側に配置された1対の取付凹溝13を、エンドミルなどの切削工具を用いた切削加工により形成している。また、切削加工を実施する際には、取付孔10の内周面を構成する内周平坦面部11を、切削工具の位置決めの基準面として利用している。取付凹溝13のそれぞれは、上述したように、略矩形の断面形状を有し、円周方向に直線状に延びており、形状が複雑でないため、切削加工によって容易に高精度に加工することができる。
溝壁面15のそれぞれは、径方向中間部に、周方向に伸長した係合凹部16を有している。このため、係合凹部16は、取付凹溝13に1対ずつ備えられている。図12~図13に示すように、係合凹部16は、先細りの断面形状を有しており、図示の例では、三角形の断面形状を有している。係合凹部16の円周方向一方側の端部は、取付孔10に開口していないが、係合凹部16の円周方向他方側の端部は、ナット3の円筒面状の外周面に開口している。係合凹部16の円周方向一方側の端部ないし中間部は、ナット3の外周面には開口していない。また、図5に示すように、係合凹部16の円周方向一方側部(奥部)は、三角すい形状を有しており、取付孔10に近づく(円周方向一方側に向かう)ほど軸方向深さ及び径方向幅のそれぞれが小さくなる。このため、軸方向に対向する1対の係合凹部16の溝底部(断面三角形状の頂点)同士の軸方向幅は、係合凹部16の円周方向一方側部で、取付孔10に近づくほど狭くなる。図示の例では、係合凹部16の円周方向一方側の端部は、取付孔10に開口していないが、本発明を実施する場合には、取付孔10に開口させることもできる。
取付凹溝13に備えられた1対の係合凹部16は、図6に示すように、たとえばひし形の断面形状(そろばんの珠のごとき断面形状)を有する切削工具17を、取付凹溝13の円周方向他方側の開口部から円周方向一方側に向けて移動させることで、1対の溝壁面15に同時に形成することができる。
〈ボール〉
ボール4は、所定の直径を有する鋼球であり、負荷路8及び循環溝9に転動可能に配置されている。負荷路8に配置されたボール4は、圧縮荷重を受けながら転動するのに対し、循環溝9に配置されたボール4は、圧縮荷重を受けることなく、後続のボール4に押されて転動する。
〈循環部品〉
循環部品5は、金属粉末射出成形法(MIM)によって製造された、金属粉末を原料とする射出成形品のこまであり、ナット3の取付孔10のそれぞれに取り付けられている。循環部品5を構成する金属粉末(MIM用合金)としては、たとえば、Fe-Ni-C(1~8%Ni、~0.8%C)やFe-Cr-C(0.5~2%Cr、~0.8%C)、SCM415やSUS630などを使用することができる。
循環部品5は、図7及び図8に示すように、本体部18と、1対の固定部19とからなる。循環部品5は、1対の固定部19の配列方向(循環部品5の長手方向)に関して中央部を中心とした回転対称形状を有している。
本体部18は、略長円柱形状を有しており、自身の中心軸を取付孔10の中心軸に一致させた状態で、取付孔10の内側に緩く挿入されている。つまり、本体部18は、取付孔10の内側に、本体部18に対し負荷の加わらない程度の隙間(微小隙間)を介在させて配置されている。
本体部18の外周側面は、互いに平行に配置された1対の外周平坦面部20と、それぞれが凸円弧状に湾曲した1対の凸曲面部21とからなる。本体部18を取付孔10の内側に配置した状態で、1対の外周平坦面部20のそれぞれは、1対の内周平坦面部11のそれぞれと軸方向に微小隙間を介して対向し、1対の凸曲面部21のそれぞれは、1対の凹曲面部12のそれぞれと円周方向に微小隙間を介して対向する。このため、本体部18は、取付孔10の軸方向幅寸法及び円周方向幅寸法のそれぞれよりもわずかに小さい、軸方向幅寸法及び円周方向幅寸法を有している。凸曲面部21のうち、固定部19の径方向外側に位置する部分は、平坦面状に切り欠かれている。
なお、本発明を実施する場合に、本体部を、円柱形状や多角柱形状(矩形柱状を含む)などとすることもできる。また、本体部を取付孔の内側にがたつきなく配置する(嵌め込む、圧入する)ことで、ナットに対する循環部品の位置決めを図ることもできる。
本体部18は、取付孔10の内側に配置した状態で、ねじ軸2の軸側ボールねじ溝6と径方向に対向する径方向内側面(下面)に、略S字形に湾曲した循環溝9を有している。循環溝9は、ナット側ボールねじ溝7の軸方向に隣り合うねじ溝同士をなめらかに接続する。循環溝9は、半長円形の断面形状を有する。循環溝9は、ボール4の直径よりもわずかに大きな溝幅を有し、循環溝9を移動するボール4が、軸側ボールねじ溝6のねじ山を乗り越えることができる溝深さを有している。
本体部18の径方向外側面(上面)は、ナット3の外周面から径方向外側に張り出さないように、円周方向中央部に平坦面22を有し、該平坦面22の円周方向両側部には、平坦面22から離れるほど径方向内側に向かう方向に傾斜した1対の傾斜面23を有する。ただし、本体部18の径方向外側面を、ナット3の外周面の曲率半径とほぼ同じ曲率半径を有する、部分円筒面状に構成することもできる。
1対の固定部19のそれぞれは、略U字形(コ字形)の断面形状を有しており、本体部18の外周側面の径方向中間部から円周方向に関して反対方向に向けて張り出している。このため、1対の固定部19は、図7及び図8に示すように、本体部18から円周方向に外れた、循環部品5の円周方向両側の端部に備えられている。固定部19のそれぞれは、平板状の基板部24と、1対の側板部25とからなる。
基板部24は、本体部18の中心軸に直交する仮想平面と平行に配置されており、溝底面14に対して隙間なく載置されている。これにより、循環部品5が、ナット3に対し径方向内側に変位することが防止される。
1対の側板部25は、取付凹溝13の溝幅方向に一致する軸方向に離隔しており、1対の溝壁面15のそれぞれに対向する(重ね合わせる)ように配置されている。1対の側板部25のそれぞれの径方向内側の端部には、基板部24の軸方向両側の端部がつながっている。このため、1対の側板部25のそれぞれは、基板部24に対し径方向外側に向けて略直角に折れ曲がっている。固定部19を取付凹溝13の内側に配置し、後述する係合凸部26を形成する以前の状態で、側板部25と溝壁面15とは、微小隙間を介して対向するか、又は、中間嵌のように隙間なく当接する。1対の側板部25のそれぞれは、円周方向他方側の端部(先端部)の径方向外側の端部に、面取り部27を備えている。これにより、側板部25が、ナット3の外周面から径方向外側に張り出すことを防止している。
1対の側板部25は、後述する係合凸部26を形成する以前の状態では、図7及び図8に示すように、全体がそれぞれ薄肉平板状に構成されているが、循環部品5をナット3に固定した状態では、図12及び図13に示すように、塑性変形によって係合凹部16の内面に押し付けられたかしめ部である、係合凸部26を備える。本例では、側板部25のそれぞれの板厚を基板部24の板厚よりも小さくして、かしめ部である係合凸部26を形成する際の加工荷重を小さく抑えるようにしている。
係合凸部26は、本体部18を取付孔10の内側に配置するとともに、1対の固定部19のそれぞれを1対の取付凹溝13のそれぞれの内側に配置した状態で、図14及び図15に示すように、それぞれの固定部19の径方向外側に配置したパンチ28を径方向内側に向けて同時に移動させ、1対の側板部25のそれぞれの径方向外側部を、軸方向(板厚方向)に塑性変形させる(押し曲げる)ことで形成されている。つまり、パンチ28の先端部に備えられた1対の肩部29により、1対の側板部25のそれぞれの径方向外側部を、軸方向に同時に押し広げる(かしめ変形させる)ことで、1対の係合凸部26を同時に形成している。本例では、本体部18の円周方向両側に備えられた1対の固定部19に対し、係合凸部26を1対ずつ同時に形成する。好ましくは、循環部品5の4つの係合凸部26を同時に形成する。側板部25の径方向外側部に係合凸部26を形成する際に、側板部25のうちで係合凸部26から径方向内側に外れた部分を、取付凹溝13の溝壁面15に押し付ける。
側板部25の径方向外側部を押し曲げてなる係合凸部26は、溝壁面15に備えられた係合凹部16の内側に十分に入り込み、係合凹部16の内面に押し付けられ、密着する。より具体的には、図13に示すように、係合凸部26の軸方向端部が係合凹部16の奥部にまで押し込まれることで、係合凸部26の径方向外側面が、係合凹部16の径方向外側の内面に押し付けられるとともに、係合凸部26の径方向内側面が、係合凹部16の径方向内側の内面に押し付けられる。これにより、係合凸部26は、係合凹部16に対して、径方向外側への変位を不能に係合するとともに、軸方向の変位を不能に係合する。
本例では、以上のように、循環部品5の円周方向両側の端部に備えられた固定部19ごとに、1対の係合凸部26を1対の係合凹部16にそれぞれ係合させることで、ナット3に対する循環部品5の径方向(外側及び内側)及び軸方向のそれぞれの変位を不能とし、循環部品5をナット3に固定している。このため、ナット3に対する循環部品5の径方向及び軸方向のそれぞれの位置決めが図られる。また、循環部品5ごとに4つの係合凸部26が4つの係合凹部16に係合するため、循環部品5が本体部18の中心軸回りに回転することが防止される。
本例では、図15に示すように、側板部25の径方向外側部のうちの円周方向中間部のみを、軸方向に塑性変形させて、当該部分に係合凸部26を形成している。これにより、係合凸部26を形成する際に、側板部25の円周方向一方側の端部(基端部)に変形が生じることで、本体部18に変形が生じることを抑制している。
循環部品5をナット3に対して取り付けた状態で、循環溝9の1対の開口部は、円周方向反対側に開口し、ナット側ボールねじ溝7の軸方向に隣り合うねじ溝にそれぞれ接続される。これにより、循環溝9は、負荷路8の始点と終点とにそれぞれ接続される。そして、循環溝9と、軸側ボールねじ溝6とナット側ボールねじ溝7(のおよそ1巻きの範囲)との間に形成された負荷路8とにより、1つのサーキットを構成する。負荷路8の始点及び終点とは、別な言い方をすれば、負荷路8と循環溝9との接続点である。なお、負荷路8の始点と終点とは、ねじ軸2とナット3との軸方向に関する相対変位の方向(相対回転方向)が変わり、ボール4の移動方向が変化することに伴って、入れ替わる。
以上のような本例のボールねじ装置1によれば、ボール4の円滑な循環を可能とする、循環部品5の固定構造を実現できる。
すなわち、本例では、循環部品5を、径方向内側面に循環溝9を備える本体部18ではなく、本体部18から円周方向両側に外れた位置に備えられた1対の固定部19を塑性変形させてなる係合凸部26を、ナット3の外周面に備えられた取付凹溝13の係合凹部16に対して係合させることで、循環部品5をナット3に対して固定している。このため、係合凸部26を形成する際に、パンチ28から側板部25に加えられる力が、本体部18に伝わることを抑制できる。したがって、側板部25に係合凸部26を形成する際に、本体部18の径方向内側面に形成された循環溝9に変形が生じることを抑制できる。この結果、循環溝9の内側でボール4の詰まりが発生することを抑制でき、ボール4の円滑な循環を実現できる。
加えて、本例では、側板部25の径方向外側部のうちの円周方向中間部のみを、軸方向に塑性変形させて、当該部分に係合凸部26を形成しているため、本体部18に変形が生じることを有効に抑制できる。
また、本例の循環部品5の固定構造によれば、前述した従来構造のような、径方向外側への変位を防止するための抜け止め部112(図23参照)を、循環部品5に設ける必要がない。すなわち、本例では、固定部19ごとに備えられた1対の係合凸部26を、1対の係合凹部16に対しそれぞれ係合させることで、ナット3に対する循環部品5の径方向外側への変位を不能とすることができる。このため、循環部品5に、抜け止め部112を設ける必要がなく、循環部品5の小型化を図れる。また、循環部品5をナット3に対して径方向外側から取り付けることが可能になるため、組み立て作業工数の低減を図れる。
また、薄板平板状の側板部25の径方向外側部を押し曲げることで、係合凸部26を形成しているため、係合凸部26の軸方向への張り出し量(突出量)を大きく確保することができ、係合凸部26と係合凹部16との係り代を十分に確保できる。また、側板部25に係合凸部26を形成する際に、基板部24を溝底面14に載置した状態で、パンチ28を径方向内側に向けて移動させるため、溝底面14を受け面として利用できる。このため、パンチ28から側板部25へと効率良く力を伝えることが可能になり、側板部25を十分に塑性変形させられる。したがって、係合凸部26を係合凹部16に向けてしっかりと押し込み、係合させることができる。したがって、本例の固定構造によれば、ナット3に対する循環部品5の固定力を十分に確保することができ、循環部品5が、ナット3に対してがたつくことを有効に防止できる。さらに、側板部25のうちで、係合凸部26から径方向内側に外れた部分を溝壁面15に押し付けることができるため、循環部品5がナット3に対して軸方向に変位することを有効に抑制できる。
また、取付凹溝13に備えられた軸方向に対向する1対の係合凹部16の溝底部同士の軸方向幅を、係合凹部16のうち、取付孔10に近い側部分である円周方向一方側部で、取付孔10に近づくほど狭くしている。このため、1対の係合凹部16に対して係合した1対の係合凸部26が、円周方向一方側に変位することを抑制できる。したがって、循環部品5が、ナット3に対して円周方向に変位するのを抑制することもできる。
また、固定部19ごとに備えられた1対の係合凸部26を、1対の係合凹部16に対しそれぞれ係合させることで、ナット3に対する循環部品5の径方向及び軸方向の位置決めを図れるため、本体部18を取付孔10に挿入することで、ナット3に対する循環部品5の位置決めを図る必要がない。したがって、取付孔10の形状精度及び寸法精度を緩和することができ、取付孔10の加工コストを低減することができる。
また、固定部19の断面形状を略U字形状としており、固定部19の開口幅(1対の側板部25同士の間隔)を広く確保できるため、1対の側板部25同士の間にパンチ28を径方向外側から容易に挿入することができる。このため、パンチ28の形状精度を緩和することができ、加工コストの低減を図る上で有利になる。
本例では、1対の固定部19の配列方向が円周方向に向くように、ナット3の外周面のうち、取付孔10の円周方向両側に1対の取付凹溝13を形成している。このため、1対の取付凹溝を取付孔10の軸方向両側に配置する場合に比べて、ナット3の軸方向寸法が増大するのを防止できる。特に本例では、取付凹溝13の中心線を、取付孔10の中心軸に対し直交し、かつ、ねじ軸2の中心軸に直交する仮想平面上に配置しているため、ナット3の軸方向寸法の増大を効果的に抑えられる。また、取付凹溝13の中心線を、ねじ軸2の中心軸に直交する仮想平面上に配置しているため、取付凹溝13の加工コストの低減を図れるとともに、循環部品5の取付作業の作業性を向上することもできる。
また、取付孔10を、内周面に1対の内周平坦面部11を有する断面長円形状としているため、1対の取付凹溝13をエンドミルなどの切削工具を用いて加工する際に、内周平坦面部11を切削工具の位置決めの基準面として利用できる。このため、加工工数の低減を図れ、加工コストの低減を図れる。
本例のボールねじ装置1では、循環部品5を、取付孔10及び1対の取付凹溝13のそれぞれから径方向外側に張り出さないように、取付孔10及び1対の取付凹溝13の内側に配置しているため、ボールねじ装置1が大型化することを抑制できる。また、ナット3に対し他の部材を取り付ける際に、循環部品5が邪魔になることを防止できる。
本例では、循環部品5を、1対の固定部19の配列方向に関する中央部を中心とした回転対称形状としているため、循環部品5の組み付け方向の制約を緩和することができる。このため、組み立て工数を低減することができ、組立コストを低減する上で有利になる。
[実施の形態の第2例]
実施の形態に第2例について、図16~図19を用いて説明する。
本例のボールねじ装置1aでは、循環部品5aが備える1対の固定部19aの構成を、実施の形態の第1例の構造から変更している。具体的には、1対の固定部19aのそれぞれを、取付凹溝13の溝幅方向に一致する軸方向に離隔して配置され、取付凹溝13の1対の溝壁面15のそれぞれに対して対向する(重ね合わせる)ように配置される、1対の側板部25のみから構成している。このため、1対の固定部19aのそれぞれは、取付凹溝13の溝底面14に載置される基板部を備えていない。
以上のような本例のボールねじ装置1aによれば、側板部25のそれぞれを溝壁面15に対して強く押し付けることが可能になるため、循環部品5aがナット3に対して径方向及び軸方向のそれぞれに変位することを有効に抑制できる。また、実施の形態の第1例の構造に比べて、2つの基板部を省略できるため、循環部品5aの軽量化を図ることもできる。
その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例と同じである。
[実施の形態の第3例]
実施の形態の第3例について、図20を用いて説明する。
本例のボールねじ装置1bでは、ナット3aが備える取付凹溝13aの溝壁面15aに形成する係合凹部16aの形状を、実施の形態の第1例及び第2例の構造から変更している。具体的には、係合凹部16aを、先細りの断面形状のうち、半円形状の断面形状としている。
そして、側板部25の径方向外側部を押し曲げてなる係合凸部26を、係合凹部16aの内面に押し付けている。具体的には、図20中に実線で示すように、係合凸部26の軸方向先端部を、係合凹部16aの内面に押し付けるか、図20中に破線で示すように、係合凹部16aの内面に沿って湾曲するように折り曲げられた係合凸部26の径方向内側面全体を、係合凹部16aの内面に押し付ける。
以上のような本例のボールねじ装置1bの場合にも、係合凸部26の軸方向先端部又は径方向内側面全体を、係合凹部16aの内面に押し付けることができ、係合凸部26を、係合凹部16aに対して、径方向外側への変位を不能に係合させるとともに、軸方向の変位を不能に係合させることができる。なお、本例の構造は、実施の形態の第1例の構造に比べて、係合凸部26と係合凹部16aとの接触面積が小さくなるため、係合力(固定力)は小さくなるが、循環部品5をナット3aに固定する上では十分である。
その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例と同じである。
本発明を実施する場合に、実施の形態の各例の構造は、矛盾を生じない限り、適宜組み合わせて実施することができる。
本発明を実施する場合に、取付孔を挟むように配置される1対の取付凹溝は、実施の形態の各例で説明したように、取付孔の円周方向両側に配置される構造に限らず、取付孔の軸方向両側に配置することもできる。また、1対の取付凹溝を取付孔の円周方向両側に配置する場合にも、1対の取付凹溝の中心線を、ナット側ボールねじ溝のリード角と同じだけ、ねじ軸の中心軸に直交する仮想平面に対して傾斜させることもできる。また、本発明を実施する場合に、1対の固定部は、本体部の外周側面のうちの径方向中間部に備える構造に限らず、径方向外側の端部に備えることもできる。
本発明の技術的範囲からは外れるが、循環部品を合成樹脂製とすることもできる。この場合には、合成樹脂として、たとえばポリアミド66樹脂に、グラスファイバーを適宜加えた繊維強化ポリアミド樹脂材料を使用することができる。また、必要に応じて、ポリアミド樹脂に、非晶性芳香族ポリアミド樹脂(変性ポリアミド6T/6I)、低吸水脂肪族ポリアミド樹脂(ポリアミド11樹脂、ポリアミド12樹脂、ポリアミド610樹脂、ポリアミド612樹脂)を適宜加えることで、より耐水性を向上させることもできる。循環部品を合成樹脂製とする場合には、固定部に備える係合凸部を、ナットの取付凹溝に備えられた係合凹部に対して、スナップフィット式に係合させることができる。


1、1a、1b ボールねじ装置
2 ねじ軸
3、3a ナット
4 ボール
5、5a 循環部品
6 軸側ボールねじ溝
7 ナット側ボールねじ溝
8 負荷路
9 循環溝
10 取付孔
11 内周平坦面部
12 凹曲面部
13、13a 取付凹溝
14 溝底面
15、15a 溝壁面
16、16a 係合凹部
17 切削工具
18 本体部
19、19a 固定部
20 外周平坦面部
21 凸曲面部
22 平坦面
23 傾斜面
24 基板部
25 側板部
26 係合凸部
27 面取り部
28 パンチ
29 肩部
100 ボールねじ装置
101 ねじ軸
102 ナット
103 ボール
104 循環部品
105 軸側ボールねじ溝
106 ナット側ボールねじ溝
107 負荷路
108 循環溝
109 取付孔
110 本体部
111 固定部
112 抜け止め部
113 突起部
114 かしめ部

Claims (10)

  1. 外周面に螺旋状の軸側ボールねじ溝を有するねじ軸と、
    内周面に螺旋状のナット側ボールねじ溝を有するとともに、前記ナット側ボールねじ溝の一部を切り欠くように、径方向に貫通した取付孔を有するナットと、
    前記軸側ボールねじ溝と前記ナット側ボールねじ溝とからなる螺旋状の負荷路を転動する複数のボールと、
    前記取付孔の内側に取り付けられ、前記負荷路の始点と終点とをつなぐ循環溝を径方向内側面に有する、循環部品と、を備え、
    前記ナットは、外周面のうちの前記取付孔を挟んだ両側部分に、それぞれが直線状に伸長しかつ前記取付孔に開口した1対の取付凹溝を有しており、
    前記1対の取付凹溝のそれぞれは、平坦面状の溝底面と、それぞれの径方向中間部に係合凹部が形成された1対の溝壁面とを有しており、
    前記循環部品は、金属製であり、前記取付孔の内側に配置される本体部と、前記本体部の外周側面からそれぞれ反対方向に向けて張り出し、前記1対の取付凹溝の内側に配置される1対の固定部とを有しており、
    前記1対の固定部のそれぞれは、前記取付凹溝の溝幅方向に離隔し、かつ、互いに対向して配置された1対の側板部を有し、
    前記1対の側板部は、前記取付凹溝に備えられた1対の前記係合凹部に対して係合することで、前記ナットに対する前記循環部品の径方向外側への変位及び前記取付凹溝の溝幅方向への変位をそれぞれ不能とする、1対の係合凸部を有
    前記係合凸部は、塑性変形によって前記係合凹部の内面に押し付けられるかしめ部である、
    ボールねじ装置。
  2. 前記1対の固定部のそれぞれは、前記溝底面に載置され、前記取付凹溝の溝幅方向に関して両側の端部が前記1対の側板部の径方向内側の端部につながった、基板部をさらに有する、請求項に記載のボールねじ装置。
  3. 前記係合凹部のそれぞれは、先細りの断面形状を有する、請求項1~のうちのいずれかに記載のボールねじ装置。
  4. 前記係合凹部のそれぞれは、三角形の断面形状を有する、請求項3に記載のボールねじ装置。
  5. 前記本体部は、前記取付孔の内側に緩く挿入されている、請求項1~のうちのいずれかに記載のボールねじ装置。
  6. 前記1対の取付凹溝は、前記取付孔の円周方向両側に配置されている、請求項1~のうちのいずれかに記載のボールねじ装置。
  7. 前記1対の取付凹溝のそれぞれの中心線は、前記取付孔の中心軸に対し直交し、かつ、前記ねじ軸の中心軸に直交する仮想平面上に存在している、請求項6に記載のボールねじ装置。
  8. 前記取付孔は、長円形の断面形状を有し、内周面に1対の内周平坦面部を有している、請求項1~のうちのいずれかに記載のボールねじ装置。
  9. 前記1対の内周平坦面部のそれぞれと、前記1対の溝壁面のそれぞれとは、互いに平行に配置されている、請求項8に記載のボールねじ装置。
  10. 前記循環部品は、前記1対の固定部の配列方向に関して中央部を中心とした回転対称形状を有する、請求項1~のうちのいずれかに記載のボールねじ装置。
JP2020094890A 2020-05-29 2020-05-29 ボールねじ装置 Active JP7439648B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020094890A JP7439648B2 (ja) 2020-05-29 2020-05-29 ボールねじ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020094890A JP7439648B2 (ja) 2020-05-29 2020-05-29 ボールねじ装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2021188687A JP2021188687A (ja) 2021-12-13
JP2021188687A5 JP2021188687A5 (ja) 2023-01-10
JP7439648B2 true JP7439648B2 (ja) 2024-02-28

Family

ID=78849242

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020094890A Active JP7439648B2 (ja) 2020-05-29 2020-05-29 ボールねじ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7439648B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023145147A1 (ja) * 2022-01-27 2023-08-03 日本精工株式会社 ナット及びボールねじ装置
EP4317747A1 (en) 2022-01-27 2024-02-07 NSK Ltd. Nut and ball screw device
JP7311074B1 (ja) * 2022-01-27 2023-07-19 日本精工株式会社 ナット及びボールねじ装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015129485A1 (ja) 2014-02-25 2015-09-03 日本精工株式会社 ボールねじ装置、ボールねじ装置の循環部材の取り付け方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5836922Y2 (ja) * 1979-04-04 1983-08-19 日本精工株式会社 ボ−ルねじ
JP2595551Y2 (ja) * 1993-05-31 1999-05-31 日本精工株式会社 内部循環式ボールねじ

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015129485A1 (ja) 2014-02-25 2015-09-03 日本精工株式会社 ボールねじ装置、ボールねじ装置の循環部材の取り付け方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021188687A (ja) 2021-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7439648B2 (ja) ボールねじ装置
EP1914447B1 (en) Method of producing screw device, and screw device
JP4920040B2 (ja) 組部材と組部材の製造方法
JP4727247B2 (ja) こま式ボールねじ
JP6984796B1 (ja) ボールねじ装置
EP1312831B1 (en) Ball-nut assembly and method for making
KR100703243B1 (ko) 볼 나사장치
JP2007092932A (ja) 等速自在継手のシャフト抜け止め構造
CN115516230B (zh) 滚珠丝杠装置
JP5157625B2 (ja) ボールねじ機構
JP6661868B2 (ja) パワーステアリング装置
JP2009287701A (ja) 駒式ボールねじ
JP2545265Y2 (ja) ボールねじのボール循環路
JP4619277B2 (ja) 駒式ボールねじ
US11867264B2 (en) Ball screw device and method for manufacturing same
JP4784132B2 (ja) ボールねじ機構
JP2007154974A (ja) ボールねじ装置
JP7501292B2 (ja) ボールねじ
JP7196420B2 (ja) 直動アクチュエータ
JP2007046689A (ja) ボールねじ装置
JP2003205844A (ja) 衝撃吸収式ステアリングシャフト
CN116324220A (zh) 滚珠丝杠装置
JP4578111B2 (ja) 軸継手
JP2022189062A (ja) ボールねじ装置
JP4756645B2 (ja) 駒式ボールねじ

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221226

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230829

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231010

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7439648

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150