JP2003205844A - 衝撃吸収式ステアリングシャフト - Google Patents

衝撃吸収式ステアリングシャフト

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JP2003205844A
JP2003205844A JP2002004900A JP2002004900A JP2003205844A JP 2003205844 A JP2003205844 A JP 2003205844A JP 2002004900 A JP2002004900 A JP 2002004900A JP 2002004900 A JP2002004900 A JP 2002004900A JP 2003205844 A JP2003205844 A JP 2003205844A
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shaft
outer shaft
diameter part
inner shaft
shock absorbing
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JP2002004900A
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Inventor
Kiyoshi Sadakata
清 定方
Hiromichi Komori
宏道 小森
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 目標コラプス荷重に設定容易で、ガタを無く
すことができ、耐久性のある、低コストで簡単な構成の
衝撃吸収式ステアリングシャフトを提供すること。 【解決手段】 小径部1aを有し、その内周面に雌セレ
ーション1bを形成した管状のアウターシャフト1と、
大径部2aを有し、その外周面に雄セレーション2cを
形成したインナーシャフト2とを、小径部1aの先端部
に大径部2aの先端部を係合させた状態で、小径部1a
の係合部分の外周面を直径方向内側に加圧することによ
り、小径部1a及び大径部2aの先端部を直径方向に塑
性変形させた後、アウターシャフト1とインナーシャフ
ト2を軸方向に相対変位させて構成される衝撃吸収式ス
テアリングシャフトであって、小径部1aと大径部2
a、又は小径部1aの、押圧する部分のみを、両シャフ
ト(1,2)間の摺動抵抗力が適度に小さくなる程度に、
低剛性形状としたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のステアリ
ング装置に組み込んで、ステアリングホイールの動きを
ステアリングギヤに伝達するための衝撃吸収式ステアリ
ングシャフトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ステアリングホイールの動き
をステアリングギヤに伝達するための自動車用操舵装置
においては、衝突時に運転者を保護するため、ステアリ
ングコラム、及びステアリングシャフト等を、衝撃に伴
って全長が縮まって衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収
式のものとすることが行われている。
【0003】このような衝撃吸収式ステアリングシャフ
トとしては、互いにセレーション係合するアウターシャ
フトとインナーシャフトとを合成樹脂で結合した構造
や、インナーシャフトに雄セレーション溝を、アウター
シャフトに雌セレーション溝を各々形成し、各溝を圧入
させる構造、等が公知である。
【0004】しかし、前者の場合、合成樹脂による結合
であるため、耐熱性が不足し、高温になり易いエンジン
ルーム内に設置する場合等、十分な捩じり強度や耐久性
が得られないという問題点があった。また、後者におい
ては、雄セレーション溝と雌セレーション溝を一致させ
るために両溝同志の位相を一致させる作業を容易に行う
ことができなかった。
【0005】このような問題点の対策として、実開平6
−8150号公報においては、図15に示すような衝撃
吸収式ステアリングシャフトが開示されている。同図に
おいて、円管状のアウターシャフト12には、その一端
部に絞り加工を施すことにより小径部14が形成され、
その内周面に雌セレーション15が形成されている。同
じく円管状のインナーシャフト13の一端部には大径部
16が形成され、その外周面に雄セレーション17が形
成されている。この大径部16の先端部には直径方向に
少し押し潰すことにより断面が長円形の第1変形部18
が形成されている。この第1変形部18の長径は大径部
16の直径よりもやや大きく、その短径は大径部16の
直径よりもやや小さく設定されている。
【0006】一方、アウターシャフト12の小径部14
の先端部も、直径方向に少し押し潰すことにより断面が
長円形の第2変形部19が形成されている。この第2変
形部19の長径は小径部14の直径よりもやや大きく、
その短径は小径部14の直径よりもやや小さく設定され
ている。そして、アウターシャフト12の小径部14の
直径は、インナーシャフト13の大径部16の直径より
もわずかに大きく、この部分で雌セレーション15と雄
セレーション17とがゆるく嵌合するように設定されて
いる。加えて、第1変形部18の長径は小径部14の直
径よりもやや大きく、第2変形部19の短径は大径部1
6の直径よりもやや小さく設定されている。
【0007】この構成において、同図に示すように、イ
ンナーシャフト13をアウターシャフト12に圧入で内
嵌させた際、雄セレーション17が雌セレーション15
に係合すると共に、第1変形部18は弾性変形して小径
部14の基端部に押し込まれ、第2変形部19は弾性変
形して大径部16の基端部に押しやられる。したがっ
て、第1変形部18の外周面が小径部14の基端部内周
面と、第2変形部19の内周面が大径部16の基端部外
周面と、それぞれ摩擦係合する。これにより、インナー
シャフト13とアウターシャフト12とは、回転力の伝
達を自在にできると共に、衝突時に一定以上の力が加わ
らない限り、軸方向に圧縮されることはない。衝突時に
は、第1変形部18及び第2変形部19の圧入嵌合部に
おける摩擦力に抗して、インナーシャフト13とアウタ
ーシャフト12が相対的に軸方向に変位することによ
り、衝突の衝撃を吸収する。
【0008】上記の衝撃吸収式ステアリングシャフト
は、十分な耐熱性と剛性を有すると共に、コラプス荷重
を十分に安定させることができ、衝突事故の際には、運
転者の安全を確保することができる。
【0009】しかし、上記衝撃吸収式ステアリングシャ
フトは、第1変形部18と第2変形部19を別個に形成
しているため、2つの工程が必要になると共に、インナ
ーシャフト13とアウターシャフト12の嵌合強度の調
整が容易ではない。それで、製造作業を一層簡素化する
ことにより、製作費をさらに低減化することが望まれ
る。
【0010】そこで、この問題の対策となる衝撃吸収式
ステアリングシャフトの製造方法が特開平8−0912
30号公報に開示されており、それを図16に示してい
る。同図において、一端部に少なくとも内径を小さくし
た小径部14を有し、この小径部の内周面に雌セレーシ
ョン15を形成したアウターシャフト12と、一端部に
少なくとも外径を大きくした大径部16を有し、この大
径部16の内周面に雄セレーション17を形成したイン
ナーシャフト13とを、小径部14の先端部と大径部1
6の先端部とを係合させた状態で、小径部14の外周面
を直径方向内側に加圧部材20で加圧することにより、
小径部14の先端部及び大径部16の先端部を直径方向
内側に塑性変形させる。その後、アウターシャフト12
とインナーシャフト13を互いに近づく方向に軸方向に
相対変位させて、小径部14の先端部を上記大径部16
の基端部に圧入嵌合させると共に、小径部14の中間部
と大径部16の中間部をゆるく係合させるという、以上
のような工程により製造する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
上記衝撃吸収式ステアリングシャフトにおいては、ステ
アリングシャフトの全長を縮めるために必要な荷重(コ
ラプス荷重)を低くするためには、アウターシャフト1
2の厚みを薄くする必要があるが、この肉厚は、回転ト
ルク伝達のために必要な捩じり強度を保持するために、
現状以下に薄肉とすることはできなかった。
【0012】そこで、アウターシャフト12を厚肉のま
までコラプス荷重を低くするために、アウターシャフト
12の小径部14の外周面を押圧するつぶし面積(シメ
シロ)をコントロールしたり、あるいは特開平10−1
47245号公報に示されているように、押圧するプレ
ス荷重をコントロールすることも可能ではある。しか
し、この場合、アウターシャフト12が薄肉の時と比較
して、弾性を有するつぶし量が小さくなるため、目標と
するコラプス荷重を得るための調整が容易ではないとい
う問題点があった。特に、このプレスによるつぶし量が
不十分となり易く、耐久性が不足しがちとなる。また、
シャフトの繰り返し回転によるトルク負荷等によってガ
タが発生することもあった。結果として、低荷重のコラ
プス荷重を求めることが困難であった。
【0013】本発明は、上述した従来例の有する不都合
を改善し、目標とする比較的低いコラプス荷重となるよ
うに容易に設定することができると共に、回転方向のガ
タを無くすことができ、耐久性のある、低コストで簡単
な構成の衝撃吸収式ステアリングシャフトを提供するこ
とを課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明では、内周面にメスセレーションを形成した
管状のアウターシャフトと、外周面に前記メスセレーシ
ョンと係合するオスセレーションを形成した中空または
中実のインナーシャフトとを、前記アウターシャフトに
前記インナーシャフトを係合させた状態で、前記アウタ
ーシャフトの外周面のうち、前記係合部分の一部または
全部を直径方向内側に加圧することにより、前記アウタ
ーシャフトの前記係合部の一部または全部及び前記イン
ナーシャフトの前記係合部の一部または全部を直径方向
に塑性変形させた後、前記アウターシャフトと前記イン
ナーシャフトとを軸方向に互いに近づくように相対変位
させて、前記アウターシャフトの前記塑性変形部を前記
インナーシャフトの基端部に、かつ前記インナーシャフ
トの前記塑性変形部を前記アウターシャフトの基端部に
それぞれ圧入嵌合させて構成される衝撃吸収式ステアリ
ングシャフトにおいて、前記アウターシャフトと前記イ
ンナーシャフトの少なくとも一方の、前記加圧する部分
を、前記インナーシャフトと前記アウターシャフトとが
相対的に軸方向に変位することで生じる両シャフト間の
摺動抵抗力が適度に小さくなる程度に、低剛性形状とし
たことを特徴としている。
【0015】以上のように、アウターシャフトに加圧す
る部分のみを薄肉としているため、この薄肉部の加圧変
形後の剛性が低くなって、アウターシャフトが楕円状に
変形してインナーシャフトを押圧する力に柔軟性が加味
されるようになるので、両シャフト間の回転トルクの伝
達に必要な捩じり強度が保たれた状態で、比較的低いコ
ラプス荷重が得られる。それと同時に、シメシロ(塑性
変形量)とコラプス荷重の関係が鈍感となってシメシロ
の大きさの割にはコラプス荷重が大きくならず、目標と
するコラプス荷重に対して実際のシメシロを十分に取る
ことができるため、部品精度と組み立て精度を上げるこ
となくコラプス荷重のバラツキが抑えられ、回転方向の
ガタも防止される。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図面に基づい
て説明する。図1は本発明の第1の実施形態を示す衝撃
吸収式ステアリングシャフトの断面構成図、図2は図1
のA−A断面を示す押圧セット状態の断面図、図3は図
2のセット状態の加圧動作を示す説明図、図4は図1に
おける加工工具の他の実施形態(V字型)を示す部分断
面構成図、図5は図1における加工工具の他の実施形態
(丸型)を示す部分断面構成図、図6は図1のステアリ
ングシャフトを短縮した状態を示す断面構成図、図7は
図6のB−B断面を示す断面図、図8は図6のC−C断
面を示す断面図、図9は第2の実施形態を示す衝撃吸収
式ステアリングシャフトの断面構成図、図10は図9の
ステアリングシャフトを短縮した状態を示す断面構成
図、図11は第3の実施形態を示す衝撃吸収式ステアリ
ングシャフトの断面構成図、図12は図11のステアリ
ングシャフトを短縮した状態を示す断面構成図である。
【0017】図1において、一端部に内径を小さくした
小径部1aを有し、この小径部1aの内周面に雌セレー
ション1bを形成したアウターシャフト1の端部(図
中、左端部)に、インナーシャフト2の一端部(図中、
右端部)が内嵌している。このインナーシャフト2は、
一端部に外径を大きくした大径部2aと、この大径部2
aの内周面に形成した雄セレーション2bと、その開口
端部近傍に薄肉化して形成された薄肉部2cとから成っ
ている。一方、アウターシャフト1の小径部1aの開口
端部近傍にも薄肉化された薄肉部1cが形成されてお
り、アウターシャフト1とインナーシャフト2は前記薄
肉部2cと薄肉部1cの部分で互いに圧接・係合してい
る。
【0018】このアウターシャフト1の薄肉部1cの部
分に、図2に示すように、直径方向両外側から、加圧の
ための加工工具3が押し当てられており、図3に示すよ
うに、この加工工具3に矢印方向に所定の荷重で加圧す
ることにより、薄肉部1cの部分を直径方向内側へ押圧
して、これを塑性変形させる。その後、図6に示すよう
に、インナーシャフト2をアウターシャフト1に対して
相対変位させる、即ち軸方向に互いに近づくように押し
込んで必要な長さにする。この時、図7に示すように、
アウターシャフト1の薄肉部1cの部分は塑性変形し
て、押圧された直径方向の径がつぶされて短径r1とな
り、この直径方向に直交する方向の径が長径R1となっ
た略楕円に変形している。このため、短径r1の部分が
インナーシャフト2に対して押圧力を発揮して、摺動抵
抗力を生み出している。
【0019】一方、図8に示すように、インナーシャフ
ト2の薄肉部2cの部分も塑性変形して、押圧された直
径方向の径がつぶされて短径r2となり、この直径方向
に直交する方向の径が長径R2となっているので、長径
R2の部分がアウターシャフト1の内周面に対して押圧
力を発揮して、摺動抵抗力を生み出している。シャフト
の回転方向のトルクの伝達は、大径部2aと小径部1a
のセレーション係合により行われる。
【0020】上記の如く、アウターシャフト1に加圧す
る部分のみを薄肉としているため、アウターシャフト1
とインナーシャフト2間の摺動抵抗力に等しい、いわゆ
るコラプス荷重のコントロールは薄肉部1cで行い、回
転方向の大トルクの伝達を肉厚の小径部1aで行うとい
う各役割を分担することができ、両シャフト間の回転ト
ルクの伝達に必要な捩じり強度が保たれた状態で、比較
的低いコラプス荷重を得ることができる。
【0021】また、アウターシャフト1の薄肉部1cは
加圧変形時の弾性が大きくなるため、シメシロ(塑性変
形量)とコラプス荷重の関係が鈍感となり、シメシロの
大きさの割にはコラプス荷重が大きくならないので、目
標とするコラプス荷重に対して実際のシメシロを十分に
取ることができ、コラプス荷重のバラツキを抑えること
ができる。このように、比較的低いコラプス荷重の嵌合
で摩耗することがあっても、ガタを無くすためのシメシ
ロを十分に取ることができるので、耐久性の向上につな
がる。
【0022】したがって、上記の如く、比較的低いコラ
プス荷重を設定できるので、上記構成と相まって、アウ
ターシャフト1とインナーシャフト2の熱処理等の表面
硬化加工を行うことによって耐摩耗性を向上させるなら
ば、常時、軸方向の摺動機能を維持することができる。
【0023】尚、この第1の実施形態では、加工工具3
は直方形で、アウターシャフト1の直径方向両外側に押
し当てたが、図4に示すように、V字型の加工工具4を
用いることもできる。この場合、同図に示すように、V
字型加工工具4をアウターシャフト1の直径方向外側か
ら押し当て、図3に示したように、この加工工具4に矢
印方向に所定の荷重を加えることにより、薄肉部1cの
部分を4つの当接点からそれぞれ直径方向内側へ押圧し
て、これを塑性変形させる。この時、薄肉部1cの部分
は塑性変形して角の丸い略4角形のような形になり、こ
のつぶされて形成された4辺の部分がインナーシャフト
2の外周面に対して押圧力を発揮して摺動抵抗力を生み
出す。一方、インナーシャフト2の薄肉部2cの部分も
塑性変形して、角の丸い略4角形のような形になり、こ
の丸い角の部分がアウターシャフト1の内周面に対して
押圧力を発揮して、摺動抵抗力を生み出す。
【0024】また、この第1の実施形態では、加工工具
3の押圧する端部は平面としたが、図5に示すように、
端部31aの断面形状を円弧状に成形した加工工具31
を用いることもできる。この加工工具31は、薄肉部1
cとの当接点が小さくなり、塑性変形する部分が緩やか
な変形となるので、インナーシャフト2をアウターシャ
フト1に圧入し易くなると共に、異なった摺動抵抗力を
生み出すことができ、摺動抵抗力を調整する場合に必要
に応じて用いることができる。
【0025】次に、第2の実施形態について図9を参照
して説明する。この実施形態は上記実施形態と略同様で
あって、同一部材には同一番号を付しており、その部分
の説明は省略する。異なっているのは、インナーシャフ
ト5が中実で、先端のアウターシャフト1との係合部分
の薄肉部5bを穴加工で形成している点である。5aは
インナーシャフト5の外周部に形成された雄セレーショ
ンである。
【0026】この構成において、アウターシャフト1の
薄肉部1cに、インナーシャフト5の薄肉部5bが圧接
・係合している。このアウターシャフト1の薄肉部1c
の部分に、図2に示したように、直径方向両外側から、
加工工具3が押し当てられており、図3に示したよう
に、この加工工具3に矢印方向に所定の荷重で加圧する
ことにより、薄肉部1cの部分を直径方向内側へ押圧し
て、これを塑性変形させる。その後、図10に示すよう
に、インナーシャフト5を軸方向に押し込んで必要な長
さにする。この時の、薄肉部1cや薄肉部5bの塑性変
形による摩擦抵抗力の発生については、上記実施形態と
同様であるので説明を省略する。この実施形態では、ア
ウターシャフト1の薄肉部5bを穴加工で形成している
ので、インナーシャフト5を中実に設定しなければなら
ない時に適用できる。
【0027】次に、第3の実施形態について図11を参
照して説明する。この実施形態は上記第1の実施形態と
略同様であって、同一部材には同一番号を付しており、
その部分の説明は省略する。異なっているのは、インナ
ーシャフト2の素径部2dの外径が、薄肉部2cを形成
している部分(第1の実施形態の大径部2a)の外径よ
りも径が大きく設定されている点である。
【0028】この構成において、アウターシャフト1の
薄肉部1cに、インナーシャフト2の薄肉部2aが圧接
・係合している。このアウターシャフト1の薄肉部1c
の部分に、加工工具3を押し当て、これを塑性変形させ
る工程は上記実施形態と同様であるので説明を省略す
る。その後、図12に示すように、インナーシャフト2
を軸方向に押し込んで必要な長さにする。この実施形態
では、特に、素径部2dの外径が薄肉部2cの外径より
も太くなっているので、作業台に固定し易く、薄肉部2
cの絞り加工と同時にセレーション加工も可能なので、
低コストにつながる。
【0029】次に、本発明の第4および第5の実施形態
について図13および図14をそれぞれ参照して説明す
る。これら実施形態において上記実施形態と異なってい
るのは、アウターシャフトとインナーシャフトとの先端
加圧部を薄肉部とすることに加えて、もしくは薄肉部と
する代わりに、当該加圧部の肉を円周方向もしくは軸方
向に一部取り去り低剛性化している点にある。第4およ
び第5の実施形態について、前記実施形態と同一部分に
は同一符号を付し、前記実施形態と異なる部分について
のみ説明する。
【0030】図13に示す第4実施の形態においてアウ
ターシャフト1の先端薄肉部1cには、円周方向に延び
る切り欠き部1dが形成されており、またインナーシャ
フト2の先端も薄肉化され、同じく円周方向に切り欠き
部2eが形成されている。第4実施の形態においては、
これら切り欠き部の形成の仕方によって、前記実施形態
同様の効果を達成できる。
【0031】図14に示す第5実施の形態においてアウ
ターシャフト1の先端薄肉部1cには、軸方向に延びる
切り欠き部1eが形成されている。第5実施の形態にお
いて、図示の無いインナーシャフトの先端部加圧部はア
ウターシャフト同様に軸方向に切り欠き部を形成しても
良いし、上述した実施形態のいずれかの方法により薄肉
化、もしくは切り欠きを設けて低剛性化しても良い。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アウターシャフトの小径部とインナーシャフトの大径
部、又はアウターシャフトの小径部の、加圧する部分の
みを、塑性変形によって生じる両シャフト間の摺動抵抗
力が適度に小さくなる程度に薄肉に成形した薄肉部とし
たので、両シャフト間の回転トルクの伝達に必要な捩じ
り強度が保たれた状態で、比較的低いコラプス荷重に容
易に設定することができる。したがって、アウターシャ
フトとインナーシャフトの組み立て圧入が容易になると
共に、加圧する部分の実際のシメシロを十分に取ること
ができるため、回転方向のガタを無くすことができ、結
果として耐久性が向上する。
【0033】また、加圧変形後の剛性が低くなるため、
低いコラプス荷重を安定させることができると共に、部
品精度と組み立て精度を上げることなく安定した品質を
維持することができる。したがって、低コスト化を図る
ことができ、衝突時に運転者を保護する点での信頼性を
高めることができる。さらに、薄肉化と表面硬化処理を
組み合わせることにより、コラプス荷重が低い状態で、
常時摺動可能とすることができるため、低コスト化に寄
与するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す衝撃吸収式ステ
アリングシャフトの断面構成図。
【図2】図1のA−A断面を示す加圧セット状態の断面
図。
【図3】図2のセット状態の加圧動作を示す説明図。
【図4】図1における加工工具の他の実施形態(V字
型)を示す断面構成図。
【図5】図1における加工工具の他の実施形態(丸型)
を示す部分断面構成図。
【図6】図1のステアリングシャフトを短縮した状態を
示す断面構成図。
【図7】図6のB−B断面を示す断面図。
【図8】図6のC−C断面を示す断面図。
【図9】本発明の第2の実施形態を示す衝撃吸収式ステ
アリングシャフトの断面構成図。
【図10】図9のステアリングシャフトを短縮した状態
を示す断面構成図。
【図11】本発明の第3の実施形態を示す衝撃吸収式ス
テアリングシャフトの断面構成図。
【図12】図11のステアリングシャフトを短縮した状
態を示す断面構成図。
【図13】本発明の第4の実施形態を示す衝撃吸収式ス
テアリングシャフトの部分構成斜視図。
【図14】本発明の第5の実施形態を示す衝撃吸収式ス
テアリングシャフトのアウターシャフトの部分構成斜視
図。
【図15】従来の衝撃吸収式ステアリングシャフトを示
す断面構成図。
【図16】従来の衝撃吸収式ステアリングシャフト(加
圧式)の断面構成図。
【符号の説明】
1 アウターシャフト 1a 小径部 1b 雌セレーション溝 1c 薄肉部 1d、1e 切り欠き部 2 インナーシャフト 2a 大径部 2b 雄セレーション溝 2c 薄肉部 2e 切り欠き部 3 加工工具

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面にメスセレーションを形成した管
    状のアウターシャフトと、外周面に前記メスセレーショ
    ンと係合するオスセレーションを形成した中空または中
    実のインナーシャフトとを、前記アウターシャフトに前
    記インナーシャフトを係合させた状態で、前記アウター
    シャフトの外周面のうち、前記係合部分の一部または全
    部を直径方向内側に加圧することにより、前記アウター
    シャフトの前記係合部の一部または全部及び前記インナ
    ーシャフトの前記係合部の一部または全部を直径方向に
    塑性変形させた後、前記アウターシャフトと前記インナ
    ーシャフトとを軸方向に互いに近づくように相対変位さ
    せて、前記アウターシャフトの前記塑性変形部を前記イ
    ンナーシャフトの基端部に、かつ前記インナーシャフト
    の前記塑性変形部を前記アウターシャフトの基端部にそ
    れぞれ圧入嵌合させて構成される衝撃吸収式ステアリン
    グシャフトにおいて、 前記アウターシャフトと前記インナーシャフトの少なく
    とも一方の、前記加圧する部分を、前記インナーシャフ
    トと前記アウターシャフトとが相対的に軸方向に変位す
    ることで生じる両シャフト間の摺動抵抗力が適度に小さ
    くなる程度に、低剛性形状としたことを特徴とする衝撃
    吸収式ステアリングシャフト。
  2. 【請求項2】 前記アウターシャフトの内周面、及び前
    記インナーシャフトの外周面に、表面硬化処理が施され
    ていることを特徴とする請求項1記載の衝撃吸収式ステ
    アリングシャフト。
JP2002004900A 2002-01-11 2002-01-11 衝撃吸収式ステアリングシャフト Pending JP2003205844A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007261425A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Jtekt Corp ステアリングシャフト
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