JP2003094141A - 中空スプラインシャフトの製造方法 - Google Patents

中空スプラインシャフトの製造方法

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Hidekazu Otake
秀和 大竹
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Abstract

(57)【要約】 【課題】型構造を簡素化しつつ、高精度のスプライン成
形を可能とする。 【解決手段】内周面にスプライン成形部3bが形成され
たダイス孔3aをもつダイス3を用いて、軸孔1aをも
つとともに外周面にスプライン被成形部1bをもつ中空
状のワーク1から中空スプラインシャフトを製造する。
軸孔1a内でスプライン被成形部1bの少なくとも一部
に対応する位置にバックアップ材2を圧入により嵌合固
定した後、ワーク1のみに荷重を加えてダイス孔3a内
にワーク1スプライン被成形部1bを押し込むことによ
り、バックアップ材2でスプライン被成形部1bの内側
をバックアップしつつスプライン成形部3bで該スプラ
イン被成形部1bにスプラインを成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は中空スプラインシャ
フトの製造方法に関する。本発明方法により得られた中
空スプラインシャフトは、例えば車両用等速ジョイント
の中間シャフト等に好適に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】中空スプラインシャフトを製造する場
合、軸孔を有する中空状のワークの外周面にスプライン
を成形することから、成形時にワークが内方へ凹み、高
精度なスプライン成形が困難であるという問題がある。
【0003】そこで、特開平9−141354号公報及
び特開平5−212470号公報には、ワークの内側を
バックアップしつつスプライン成形する製法が提案され
ている。
【0004】特開平9−141354号公報に開示され
た製法では、図6に示すように、内周面にスプライン成
形部80が形成された金型81と、マンドレル82と、
パンチ83とを用いて、軸孔84aをもつとともに外周
面にスプライン被成形部84bをもつ中空状のワーク8
4から中空スプラインシャフトを製造する。
【0005】この製法では、金型81のスプライン成形
部80に対して、ワーク84のスプライン被成形部84
bを内側からバックアップするマンドレル82を先端に
配設したパンチ83を用いてワーク84を押し込むこと
により、ワーク84のスプライン被成形部84bにスプ
ラインを成形する。
【0006】上記マンドレル82は、金型81の硬度よ
りも十分低い硬度を有する材質よりなる。したがって、
ワーク84及びマンドレル82がパンチ83で図6の左
方に押し込まれたとき、ワーク84とともにマンドレル
82が流動して塑性変形する。これにより、マンドレル
82によるワーク84の内部拘束力が緩和されるので、
ワーク84の材料流動が確保され、高歯丈のスプライン
成形が可能となる。なお、得られた中空スプラインシャ
フトは、軸孔84a内にマンドレル82が一体的に形成
され保持されていることから、該軸孔84a内に油止め
栓を別途、圧入固定することが不要とされる。
【0007】また、特開平5−212470号公報に開
示された製法では、図7に示すように、内周面にスプラ
イン成形部90が形成された金型91と、ワーク94を
内側からバックアップするバックアップ部93aが一体
成形されたパンチ93とを用いて、軸孔94aをもつと
ともに外周面にスプライン被成形部94bをもつ中空状
のワーク94から中空スプラインシャフトを製造する。
【0008】この製法では、金型91のスプライン成形
部90に対して、ワーク94のスプライン被成形部94
bをバックアップ部93aで内側からバックアップしつ
つ、ワーク94をパンチ93で図7の左方に押し込むこ
とにより、ワーク94のスプライン被成形部94bにス
プラインを成形する。このように、ワーク94のスプラ
イン被成形部94bの内側をバックアップ部93aでバ
ックアップしつつスプラインを成形するので、ワーク9
4が内方へ凹むことをバックアップ部93aで確実に防
止することができ、精度の高いスプラインを成形するこ
とが可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平9−141354号公報に開示された製法では、ワ
ーク84とともにマンドレル82もパンチ83で直接押
し込むものであるから、パンチ83をワーク84の軸孔
84a内に挿入する必要がある。このため、パンチ83
の外面形状を該軸孔84aの内面形状に対応させる必要
があり、その分型構造が複雑となり、型製作費の高騰等
に繋がる。
【0010】また、上記特開平5−212470号公報
に開示された製造においても、バックアップ部93aが
一体成形されたパンチ93をワーク94の軸孔94a内
に挿入する必要があることから、このバックアップ部9
3a及びパンチ93の外面形状を該軸孔94aの内面形
状に対応させる必要があり、上記と同様の問題がある。
【0011】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、型構造を簡素化しつつ、高精度のスプライン成形
を可能とした中空スプラインシャフトの製造方法を提供
することを解決すべき技術課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の中空スプラインシャフトの製造方法は、内周面にス
プライン成形部が形成されたダイス孔をもつダイスを用
いて、軸孔をもつとともに外周面にスプライン被成形部
をもつ中空状のワークから中空スプラインシャフトを製
造する中空スプラインシャフトの製造方法であって、上
記軸孔内で上記スプライン被成形部の少なくとも一部に
対応する位置に、上記ワークを内側からバックアップす
るバックアップ材を圧入により嵌合固定する嵌合工程
と、上記ワークのみに荷重を加えて上記ダイスの上記ダ
イス孔内に該ワークの上記スプライン被成形部を押し込
むことにより、上記バックアップ材で該スプライン被成
形部の内側をバックアップしつつ上記スプライン成形部
で該スプライン被成形部にスプラインを成形する成形工
程とを順に実施することを特徴とするものである。
【0013】好適な態様において、前記バックアップ材
は前記ワークの硬度と同等以上の硬度をもつ。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の中空スプラインシャフト
の製造方法では、内周面にスプライン成形部が形成され
たダイス孔をもつダイスを用いて、軸孔をもつとともに
外周面にスプライン被成形部をもつ中空状のワークから
中空スプラインシャフトを製造する。
【0015】上記ワークの材質としては、特に限定され
ず、後工程、熱処理方法との関係で、ボロン鋼(SB3
3等)、クロムモリブデン鋼(SCM25等)やマンガ
ンボロン鋼(SMnB40等)等の合金鋼や炭素鋼(S
45等)を用いることができる。
【0016】上記ワークの形状も、軸孔をもつとともに
外周面にスプライン被成形部をもつ中空状のものであれ
ば特に限定されない。
【0017】上記スプライン被成形部とはスプラインが
成形される部分のことであり、このスプライン被成形部
は、ダイスのダイス孔に形成されたスプライン成形部に
対応する形状を有している。
【0018】本発明の製造方法では、嵌合工程と、成形
工程とを順に実施する。
【0019】上記嵌合工程では、ワークの軸孔内でスプ
ライン被成形部の少なくとも一部に対応する位置に、該
ワークを内側からバックアップするバックアップ材を圧
入により嵌合固定する。これにより、ワークの軸孔内の
所定位置にバックアップ材が確実に保持される。
【0020】上記バックアップ材の材質としては、特に
限定されず、マンガンボロン鋼(STKM15A等)や
クロムモリブデン鋼(SAE1541等)等の合金鋼や
炭素鋼(S45C等)を用いることができる。
【0021】また、バックアップ材の形状や大きさも特
に限定されず、ワークの軸孔内でスプライン被成形部の
少なくとも一部に対応する位置に、圧入により嵌合固定
が可能な形状や大きさであればよい。
【0022】なお、バックアップ材は、スプライン被成
形部と略同等の軸方向長さをもつものとして、該スプラ
イン被成形部のほぼ全体に対応する位置に嵌合固定され
るものでもよいし、又はスプライン被成形部の軸方向長
さの略半分程度若しくはそれ以下の軸方向長さをもつも
のとして、該スプライン被成形部の一部に対応する位置
に部分的に嵌合固定されるものでもよい。
【0023】ただし、バックアップ材の軸方向長さを小
さくした方が中空スプラインシャフトの軽量化やコスト
の面では有利になるため、成形工程におけるバックアッ
プ機能や後述する油止め栓としての封止機能を果たし得
る範囲内でバックアップ材の軸方向長さをできるだけ短
くした方が好ましい。なお、バックアップ材の軸方向長
さがスプライン被成形部の軸方向長さの1/3程度以上
あれば、成形工程におけるバックアップ機能や後述する
油止め栓としての封止機能を果たし得ると考えられる。
また、スプライン被成形部よりも軸方向長さの小さいバ
ックアップ材を採用する場合は、スプライン成形の精度
を高める観点より、該スプライン被成形部の端部側に該
バックアップ材を偏らせて配置することが好ましい。
【0024】上記成形工程では、ワークのみに荷重を加
えてダイスのダイス孔内に該ワークのスプライン被成形
部を押し込むことにより、バックアップ材で該スプライ
ン被成形部の内側をバックアップしつつ該ダイス孔に形
成されたスプライン成形部で該スプライン被成形部にス
プラインを成形する。
【0025】すなわち、本発明の中空スプラインシャフ
トの製造方法では、成形工程において、バックアップ材
には直接押し込み荷重を加えることなく、ワークのみに
押し込み荷重を加える。これは、例えば、ワークの端面
にパンチ等を当てて直接押圧したり、ワークの端部を何
らかの把持手段で把持しつつ押し込んだりすることによ
り行うことができる。このため、本発明方法によれば、
バックアップ材に直接押し込み荷重を加えるべくワーク
の軸孔内にパンチ等を捜入させる必要がなく、型構造を
簡素化することが可能となる。また、ワークを型打ちす
る設備についても、成形ストロークが短くなる等、小型
・簡素化が期待できる。
【0026】そして、ダイスのダイス孔内にワークのス
プライン被成形部が押し込まれれば、上記嵌合工程でワ
ークの軸孔内に予め嵌合固定されて保持されたバックア
ップ材も所定位置を維持したままダイス孔内に押し込ま
れる。このため、ワークのスプライン被成形部をバック
アップ材で確実にバックアップしながら、該スプライン
被成形部にスプラインを成形することができる。したが
って、ワークの内方への凹み等の変形をバックアップ材
で確実に防止することができ、高精度なスプライン成形
が可能となる。
【0027】さらに、本発明方法により得られた中空ス
プラインシャフトは、上記バックアップ材が軸孔内に圧
入により嵌合固定されているので、該軸孔内へのグリー
ス等の進入を阻止するため等の油止め栓を別途設ける必
要がない。そして、この油止め栓として機能しうるバッ
クアップ材は、上記嵌合固定で圧入により軸孔内に嵌合
固定された後、さらに上記成形工程で、スプライン成形
時における成形荷重により軸孔の内周面とバックアップ
材との間の隙間(バラツキ)が無くなりより強固な圧入
状態とされている。このため、このバックアップ材によ
る油止め栓は、スプライン成形後に別途圧入により嵌合
固定された油止め栓と比較して、封止性が向上するとと
もに、より外れ難くなっている。
【0028】ここに、上記バックアップ材の硬度として
は、上記ワークの硬度と同等程度の硬度であれば、上述
したようなバックアップ機能及び油止め栓における封止
機能を発揮しうる。ただし、このバックアップ機能及び
封止機能をより高めるという観点より、バックアップ材
の硬度は、ワークの硬度と同等以上であることが好まし
く、より高い方がより好ましい。
【0029】バックアップ材の硬度をワークの硬度と同
等以上とすることにより、成形工程においては、バック
アップ材としてのバックアップ機能がより向上し、ワー
クの内方への凹み等の変形をより確実に防止して、スプ
ライン精度をより向上させることができる。また、この
成形工程で、軸孔の内周面とバックアップ材との間の隙
間(バラツキ)をより確実に無くすとともに、より強固
な圧入状態とすることができる。さらに、バックアップ
材の硬度がワークの硬度よりも高ければ、バックアップ
材の軸方向両端において、成形工程でワーク内周面が径
方向内方へ塑性変形することにより、バックアップ材の
軸方向への相対移動等を規制しうる膨出規制部がワーク
内周面に形成される。このため、バックアップ材の油止
め栓としての封止性や外れ難さをより向上させることが
可能となる。
【0030】具体的には、例えばワークの硬度がビッカ
ース硬さで200〜230HV程度である場合、バック
アップ材の硬度はこのワークの硬度よりもビッカース硬
さで100〜200HV程度高い300HV程度以上と
することが好ましい。このようにバックアップ材の硬度
をワークの硬度よりもビッカース硬さで100〜200
HV程度高い300HV程度以上とすることにより、成
形工程において、バックアップ材自身の塑性変形を確実
に阻止しながらワークのみを径方向内方へ塑性変形させ
ることができるので、スプライン精度をさらに向上させ
るとともに、バックアップ材の油止め栓としての封止性
や外れ難さをさらに向上させることが可能となる。な
お、バックアップ材の硬度がワークの硬度よりもビッカ
ース硬さで0〜70HV程度高い場合には、成形工程に
おいて、バックアップ材自身も微小に(数%の変形量
で)塑性変形するが、この場合でもバックアップ機能や
油止め栓としての封止機能を十分に果たし得る。
【0031】
【実施例】以下、本発明の中空スプラインシャフトの製
造方法の実施例について、図面を参照しつつ具体的に説
明する。
【0032】(嵌合工程)図1に示すように、軸孔1a
をもつとともに両端の外周面にスプライン被成形部1b
をもつ中空状のワーク1を準備した。このワーク1は、
マンガンボロン鋼(具体的にはSMnB35)よりな
り、スプライン被成形部1bにおける軸孔1aの内径1
6.5mm、スプライン被成形部1bにおける肉厚7.
7mm、スプライン被成形部1bの軸方向長さ35m
m、ビッカース硬さ200HV程度である。
【0033】一方、炭素鋼(具体的にはS45調質材)
よりなり、外径16.7mm、軸方向長さ15mmの円
柱状をなし、ビッカース硬さ250HV程度のバックア
ップ材2を準備した。
【0034】そして、ワーク1の軸孔1a内でスプライ
ン被成形部1bに対応する位置で該スプライン被成形部
1bの端部側(図1〜図3の右側)に偏った位置に、バ
ックアップ材2を圧入により嵌合固定した。なお、図2
及び図3においては、スプライン被成形部1bの端部か
ら少し軸方向内方に離れた位置にバックアップ材2が配
設されているが、スプライン被成形部1bの端部から7
mm程度の範囲は実際にはスプライン成形されない部分
であり、スプライン被成形部1bに実際にスプライン成
形される範囲内で端部側に偏った位置にバックアップ材
2が配置されている。
【0035】これにより、ワーク1の軸孔1a内の所定
位置にバックアップ材2を確実に保持させた。
【0036】(成形工程)図2に示すように、内周面に
スプライン成形部3bが形成されたダイス孔3aをもつ
ダイス3を準備した。このスプライン成形部3bは、図
4に示すように、所定のインボリュートスプライン形状
面を有している。
【0037】そして、軸孔1a内の所定位置にバックア
ップ材2が保持されたワーク1の端面にパンチ(図示せ
ず)を当てて直接押圧することにより、図3に示すよう
に、該ワーク1のスプライン被成形部1bをダイス3の
ダイス孔3a内に押し込んだ。これにより、ワーク1の
スプライン被成形部1bの内側をバックアップ材2でバ
ックアップしながら、ワーク1を径方向内方へ塑性変形
させて、該スプライン成形部1bにダイス3のスプライ
ン成形部3bでスプラインを成形した。なお、このと
き、バックアップ材2は微小に(2〜3%程度の変形量
で)塑性変形した。
【0038】このように本実施例の成形工程では、バッ
クアップ材2には直接押し込み荷重を加えることなく、
ワーク1のみに押し込み荷重を加えているため、型構造
が極めて簡素となる。
【0039】そして、ダイス3のダイス孔3a内にワー
ク1のスプライン被成形部1bが押し込まれたとき、バ
ックアップ材2もワーク1の軸孔1a内で所定位置に保
持されたまたダイス孔3a内に押し込まれるため、ワー
ク1のスプライン被成形部1bをバックアップ材2で確
実にバックアップしながら、該スプライン被成形部1b
にスプライン成形することができる。したがって、ワー
ク1の内方への凹み等の変形をバックアップ材2で確実
に防止することができ、高精度なスプライン成形が可能
となる。
【0040】また、本実施例方法により得られた中空ス
プラインシャフト10は、図5に示すように、バックア
ップ材2が軸孔1a内に圧入により嵌合固定されている
ので、該軸孔1a内に油止め栓を別途設ける必要がな
い。そして、この油止め栓として機能しうるバックアッ
プ材2は、上記嵌合固定で圧入により軸孔1a内に嵌合
固定された後、さらに上記成形工程で、スプライン成形
時における成形荷重により軸孔1aの内周面とバックア
ップ材2との間の隙間(バラツキ)が無くなりより強固
な圧入状態とされている。このため、このバックアップ
材2による油止め栓は、スプライン成形後に別途圧入に
より嵌合固定された油止め栓と比較して、封止性が向上
するとともに、より外れ難くなっている。
【0041】さらに、本実施例では、バックアップ材2
の硬度がワーク1の硬度よりも高くされており、上記成
形工程で、バックアップ材2を微小な領域でのみ塑性変
形させていることから、バックアップ材2としてのバッ
クアップ機能がより向上し、ワーク1の内方への凹み等
の変形をより確実に防止して、スプライン精度をより向
上させることができる。また、この成形工程で、軸孔1
aの内周面とバックアップ材2との間の隙間(バラツ
キ)をより確実に無くすとともに、より強固な圧入状態
とすることができ、さらにバックアップ材2の硬度がワ
ーク1の硬度よりも高いことから、バックアップ材2の
軸方向両端においてバックアップ材2の軸方向への相対
移動等を規制しうる膨出規制部(図示せず)がワーク内
周面に形成されたため、バックアップ材2の油止め栓と
しての封止性や外れ難さをより向上させることが可能と
なる。
【0042】なお、本実施例により得られた中空スプラ
インシャフト10は、その両端外周面に形成されたスプ
ライン部10b、10bにインナーレース等の継手構成
部品が連結されて、等速ジョイントの中間シャフトとし
て適用可能である。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の中空スプラ
インシャフトの製造方法によれば、簡素な型構造で高精
度なスプライン成形が可能となるので、生産性や品質の
向上のみならずコストの低減にも貢献しうる。
【0044】また、油止め栓を別途設ける必要がないこ
とからもコスト面で有利となる。しかも、この油止め栓
として機能しうるバックアップ材の外れ防止が確実にな
されているので、信頼性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の中空スプラインシャフトの製造方
法の嵌合工程を説明するもので、ワークの軸孔内にバッ
クアップ材を嵌合固定する前の状態を示す断面図であ
る。
【図2】 本実施例の中空スプラインシャフトの製造方
法の成形工程を説明するもので、ワークをダイス孔に押
し込む前の状態を示す断面図である。
【図3】 本実施例の中空スプラインシャフトの製造方
法の成形工程を説明するもので、ワークをダイス孔に押
し込んだ後の状態を示す断面図である。
【図4】 本実施例の中空スプラインシャフトの製造方
法で用いてダイスのスプライン成形部を示す断面図であ
る。
【図5】 本実施例の中空スプラインシャフトの製造方
法で得られた中空スプラインシャフトの全体構成を示す
一部断面側面図である。
【図6】 従来の中空スプラインシャフトの製造方法を
示す断面図である。
【図7】 他の従来の中空スプラインシャフトの製造方
法を示す断面図である。
【符号の説明】
1…ワーク 1a…軸孔 1b…スプライン被成形部 2…バックアッ
プ材 3…ダイス 3a…ダイス孔 3b…スプライン成形部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面にスプライン成形部が形成された
    ダイス孔をもつダイスを用いて、軸孔をもつとともに外
    周面にスプライン被成形部をもつ中空状のワークから中
    空スプラインシャフトを製造する中空スプラインシャフ
    トの製造方法であって、 上記軸孔内で上記スプライン被成形部の少なくとも一部
    に対応する位置に、上記ワークを内側からバックアップ
    するバックアップ材を圧入により嵌合固定する嵌合工程
    と、 上記ワークのみに荷重を加えて上記ダイスの上記ダイス
    孔内に該ワークの上記スプライン被成形部を押し込むこ
    とにより、上記バックアップ材で該スプライン被成形部
    の内側をバックアップしつつ上記スプライン成形部で該
    スプライン被成形部にスプラインを成形する成形工程と
    を順に実施することを特徴とする中空スプラインシャフ
    トの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記バックアップ材は前記ワークの硬度
    と同等以上の硬度をもつことを特徴とする請求項1記載
    の中空スプラインシャフトの製造方法。
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