JP2007154974A - ボールねじ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボールねじ装置の組立に要する作業時間を短縮すると共に製造コストを削減する手段を提供する。
【解決手段】ねじ軸2の軸軌道溝3とナット4のナット軌道溝5と複数のボール7を介して螺合させたコマ式のボールねじ装置1のナット4に形成したコマ取付穴10に、その嵌合穴11の長手方向の両端部を長手方向に切欠いて係止面12を形成し、そこに嵌合するコマ部材13にその嵌合部16から長手方向に突出する突縁14と、嵌合部16から短手方向に突出し、ナット4の内周面に係合する係合面17を有する爪部18と設け、コマ取付穴10にコマ部材13を押込んで、突縁14をコマ取付穴の係止面12に係止させ、爪部18の係合面17をナットの内周面4bに係合させる。
【選択図】 図1
【解決手段】ねじ軸2の軸軌道溝3とナット4のナット軌道溝5と複数のボール7を介して螺合させたコマ式のボールねじ装置1のナット4に形成したコマ取付穴10に、その嵌合穴11の長手方向の両端部を長手方向に切欠いて係止面12を形成し、そこに嵌合するコマ部材13にその嵌合部16から長手方向に突出する突縁14と、嵌合部16から短手方向に突出し、ナット4の内周面に係合する係合面17を有する爪部18と設け、コマ取付穴10にコマ部材13を押込んで、突縁14をコマ取付穴の係止面12に係止させ、爪部18の係合面17をナットの内周面4bに係合させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、工作機械や産業機械、半導体製造装置、射出成形機、プレス成形機、精密機械等の機械装置の移動台の位置決め用や搬送用、動力伝達用の送り機構等に用いられるボールねじ装置に関する。
従来のボールねじ装置は、ねじ軸の外周面に螺旋状に形成した軸軌道溝と、ナットの内周面に形成した軸軌道溝に対向するナット軌道溝とを複数のボールを介して螺合させ、ナットの外周面から内周面に貫通してナット軌道溝を分断する長穴である嵌合穴を形成したコマ取付穴に、分断されたナット軌道溝を軸軌道溝を乗越えて連通する連通溝が形成されたコマ部材を嵌合させ、コマ取付穴に形成された当接面にコマ部材の嵌合部から長手方向に突出する突部を当接させ、コマ部材の嵌合部の長手方向に沿った両側の平面に設けた断面円弧形の溝に線材をコの字状に曲折させて形成した固定部材の脚部を通し、脚部の先端部の係止部をナットの内周面に係止してナットにコマ部材を取付けている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−110801号公報(第2頁段落0005−第3頁段落007、第3図、第4図)
しかしながら、上述した従来の技術においては、コマ取付穴に嵌合させたコマ部材を線状の固定部材の脚部の先端部の係止部によりナットの内周面に係止してナットにコマ部材を取付けているため、ナットにコマ部材を取付けるためには新たに固定部材を設ける必要があり、部品点数の増加に伴ってボールねじ装置の組立に要する作業時間が増加すると共に製造コストが増加するという問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、ボールねじ装置の組立に要する作業時間を短縮すると共に製造コストを削減する手段を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、外周面に螺旋状の軸軌道溝を形成したねじ軸と、内周面に前記軸軌道溝に対向するナット軌道溝を形成したナットと、前記軸軌道溝とナット軌道溝とを螺合させる複数のボールと、前記ナット軌道溝を分断する長穴である嵌合穴を有するコマ取付穴と、該分断されたナット軌道溝を前記軸軌道溝を乗越えて連通する連通溝が形成されたコマ部材とを備えたボールねじ装置において、前記コマ取付穴は、前記ナット軌道溝の溝底より前記ナットの半径方向外側に、前記嵌合穴の長手方向の両端部を長手方向に切欠いて形成された係止面を有し、前記コマ部材は、前記嵌合穴に嵌合する嵌合部の長手方向の両端部に、前記嵌合部から長手方向に突出する突縁と、前記嵌合部の長手方向に沿った両側で前記嵌合部から短手方向に突出し、前記ナットの内周面に係合する係合面を有する爪部とを有し、前記コマ部材の突縁を前記コマ取付穴の係止面に係止させ、前記爪部の係合面を前記ナットの内周面に係合させて、前記ナットに前記コマ部材を取付けたことを特徴とする。
これにより、本発明は、特別な部品を用いなくとも、コマ取付穴にコマ部材をそれぞれの長手方向を合せて押込むだけでコマ部材をナットに取付けることができ、ボールねじ装置の組立に要する作業時間を短縮することができると共に、部品点数を削減して製造コストを削減することができるという効果が得られる。
以下に、図面を参照して本発明によるボールねじ装置の実施例について説明する。
図1は実施例のボールねじ装置の断面を示す説明図、図2は図1のA−A断面線に沿った断面図、図3は実施例のコマ部材の側面を示す説明図、図4は図3のB方向矢視図である。
図1において、1はボールねじ装置である。本実施例のボールねじ装置1はコマ式の循環方式を用いたボールねじ装置である。
図1において、1はボールねじ装置である。本実施例のボールねじ装置1はコマ式の循環方式を用いたボールねじ装置である。
2はボールねじ装置1のねじ軸であり、合金鋼等の鋼材で製作された棒状部材であって、その外周面2aには略半円弧状断面形状の軸軌道溝3が所定のリードで螺旋状に形成されている。
4はボールねじ装置1のナットであり、合金鋼等の鋼材で製作された円筒状部材であって、その内周面4bには軸軌道溝3と対向する略半円弧状断面形状のナット軌道溝5が軸軌道溝3と同じリードで形成されている。
4はボールねじ装置1のナットであり、合金鋼等の鋼材で製作された円筒状部材であって、その内周面4bには軸軌道溝3と対向する略半円弧状断面形状のナット軌道溝5が軸軌道溝3と同じリードで形成されている。
6はフランジ部であり、ナット4の外周部の一方の端部に設けられ、フランジ部6に設けられた図示しないボルト穴等により図示しない機械装置の移動台にボルト等で固定される。
7はボールであり、合金鋼等の鋼材で製作された球体であって、軸軌道溝3とナット軌道溝5の間を転動してねじ軸2とナット4を螺合させる。
7はボールであり、合金鋼等の鋼材で製作された球体であって、軸軌道溝3とナット軌道溝5の間を転動してねじ軸2とナット4を螺合させる。
10はコマ取付穴であり、ナット4の外周面4aから内周面4bに半径方向に貫通し、ナット軌道溝5の1リード分を分断する長穴である嵌合穴11が形成されており、その嵌合穴11のナット軌道溝5の溝底より半径方向外側に形成される外端面は、嵌合穴11の長手方向の両端部を長手方向に切欠いた平面として形成され、コマ部材13の突縁14を係止する係止面12として機能する。
本実施例の嵌合穴11を形成する長穴は、その長手方向に沿った両側に平行面を有する長円形の穴である。
図3、図4において、コマ部材13は、樹脂材料等で製作され、そのナット軌道溝5側の面に分断されたナット軌道溝5を軸軌道溝3を乗越えて連通するS字状の連通溝15(図4参照)が形成された栓状部材であって、嵌合穴11に嵌合する嵌合部16が形成されており、その長手方向の両端部には嵌合部16から長手方向に突出する突縁14が形成され、嵌合部16の長手方向に沿った両側には、嵌合部16から短手方向に突出し、ナット4の内周面4bに係合する(図2参照)円弧状の係合面17を有する爪部18が形成されている。
図3、図4において、コマ部材13は、樹脂材料等で製作され、そのナット軌道溝5側の面に分断されたナット軌道溝5を軸軌道溝3を乗越えて連通するS字状の連通溝15(図4参照)が形成された栓状部材であって、嵌合穴11に嵌合する嵌合部16が形成されており、その長手方向の両端部には嵌合部16から長手方向に突出する突縁14が形成され、嵌合部16の長手方向に沿った両側には、嵌合部16から短手方向に突出し、ナット4の内周面4bに係合する(図2参照)円弧状の係合面17を有する爪部18が形成されている。
また、爪部18の半径方向内側の連通溝15の反対側の角部には、嵌合穴11の内周面より小さい小径部を有し、半径方向外側に向かって拡大する傾斜面19(図2参照)が形成されている。
本実施例のボールねじ装置1のナット4には、軸方向の位置をずらし、円周方向の角度位置をずらして形成された3つのコマ取付穴10が形成されている。
本実施例のボールねじ装置1のナット4には、軸方向の位置をずらし、円周方向の角度位置をずらして形成された3つのコマ取付穴10が形成されている。
なお、図1の中央に示すコマ部材13は、ナット4に取付けられたコマ部材13を半径方向外側から直視した図として示し、左右のコマ取付穴10は円周方向の角度を変位させた変位図示であり、左側はコマ取付穴10の形状を示し、右側はコマ取付穴10にコマ部材13を取付けた状態を示したものである。
上記のコマ部材13は、嵌合部16の長手方向を嵌合穴11の長手方向に合せて爪部18の傾斜面19をナット4の外周面4aとコマ取付穴10との角部に当接させ、コマ部材13を半径方向内側に押圧し、爪部18をコマ部材13の弾性を利用して内側に撓ませながら押込んで、図2に示すように突縁14をコマ取付穴10の係止面12に係止させ、爪部18の係合面17をナット4の内周面4bに係合させてナット4に取付ける。
上記のコマ部材13は、嵌合部16の長手方向を嵌合穴11の長手方向に合せて爪部18の傾斜面19をナット4の外周面4aとコマ取付穴10との角部に当接させ、コマ部材13を半径方向内側に押圧し、爪部18をコマ部材13の弾性を利用して内側に撓ませながら押込んで、図2に示すように突縁14をコマ取付穴10の係止面12に係止させ、爪部18の係合面17をナット4の内周面4bに係合させてナット4に取付ける。
これにより、ねじ軸2の軸軌道溝3とこれに対向するナット4のナット軌道溝5およびこれを連通するコマ部材13の連通溝15により循環路が形成される。
この循環路には、複数のボール7と所定の量の潤滑剤、例えばグリースが封入され、軸軌道溝3とナット軌道溝5とがボール7を介して螺合し、ねじ軸2またはナット4を回転させることによってボール7が循環路を循環しながらナット4を軸方向に移動させ、ねじ軸2の回転運動がナット4の直線運動に変換される。
この循環路には、複数のボール7と所定の量の潤滑剤、例えばグリースが封入され、軸軌道溝3とナット軌道溝5とがボール7を介して螺合し、ねじ軸2またはナット4を回転させることによってボール7が循環路を循環しながらナット4を軸方向に移動させ、ねじ軸2の回転運動がナット4の直線運動に変換される。
上記のように構成すれば、例えば接着剤を用いなくとも、ナット4にコマ部材13をいつでも強固に取付けることができるので、ナット4の内径部にねじ軸2を挿入した後に、コマ取付穴10から循環路の軸軌道溝3とナット軌道溝5との間に装填すべき数のボール7を投入し、その後に上記の要領でコマ取付穴10にコマ部材13を取付けることも可能になる。
以上説明したように、本実施例では、ねじ軸の軸軌道溝とナットのナット軌道溝と複数のボールを介して螺合させたコマ式のボールねじ装置のナットに形成したコマ取付穴に、その嵌合穴の長手方向の両端部を長手方向に切欠いて係止面を形成し、そこに嵌合するコマ部材にその嵌合部から長手方向に突出する突縁と、嵌合部から短手方向に突出し、ナットの内周面に係合する係合面を有する爪部と設け、コマ部材の突縁をコマ取付穴の係止面に係止させ、爪部の係合面をナットの内周面に係合させてナットにコマ部材を取付けるようにしたことによって、特別な固定部材を用いなくとも、コマ取付穴にコマ部材をそれぞれの長手方向を合せて押込むだけでコマ部材をナットに取付けることができ、ボールねじ装置の組立に要する作業時間を短縮することができると共に、部品点数を削減して製造コストを削減することができる。
なお、本実施例においては、嵌合穴を形成する長穴は、長円形の穴であるとして説明したが、長穴の形状は前記に限らず、楕円形や小判型であってもよい。
また、本実施例においては、ボールねじ装置のねじ軸を回転させてナットを軸方向に移動させるとして説明したが、ナットを回転させてねじ軸を軸方向に移動させる形式のボールねじ装置に本発明を適用しても同様の効果を得ることができる。
また、本実施例においては、ボールねじ装置のねじ軸を回転させてナットを軸方向に移動させるとして説明したが、ナットを回転させてねじ軸を軸方向に移動させる形式のボールねじ装置に本発明を適用しても同様の効果を得ることができる。
1 ボールねじ装置
2 ねじ軸
2a、4a 外周面
3 軸軌道溝
4 ナット
4b 内周面
5 ナット軌道溝
6 フランジ部
7 ボール
8 チューブ固定具
9 小ねじ
10 コマ取付穴
11 嵌合穴
12 係止面
13 コマ部材
14 突縁
15 連通溝
16 嵌合部
17 係合面
18 爪部
19 傾斜面
2 ねじ軸
2a、4a 外周面
3 軸軌道溝
4 ナット
4b 内周面
5 ナット軌道溝
6 フランジ部
7 ボール
8 チューブ固定具
9 小ねじ
10 コマ取付穴
11 嵌合穴
12 係止面
13 コマ部材
14 突縁
15 連通溝
16 嵌合部
17 係合面
18 爪部
19 傾斜面
Claims (1)
- 外周面に螺旋状の軸軌道溝を形成したねじ軸と、内周面に前記軸軌道溝に対向するナット軌道溝を形成したナットと、前記軸軌道溝とナット軌道溝とを螺合させる複数のボールと、前記ナット軌道溝を分断する長穴である嵌合穴を有するコマ取付穴と、該分断されたナット軌道溝を前記軸軌道溝を乗越えて連通する連通溝が形成されたコマ部材とを備えたボールねじ装置において、
前記コマ取付穴は、前記ナット軌道溝の溝底より前記ナットの半径方向外側に、前記嵌合穴の長手方向の両端部を長手方向に切欠いて形成された係止面を有し、
前記コマ部材は、前記嵌合穴に嵌合する嵌合部の長手方向の両端部に、前記嵌合部から長手方向に突出する突縁と、前記嵌合部の長手方向に沿った両側で前記嵌合部から短手方向に突出し、前記ナットの内周面に係合する係合面を有する爪部とを有し、
前記コマ部材の突縁を前記コマ取付穴の係止面に係止させ、前記爪部の係合面を前記ナットの内周面に係合させて、前記ナットに前記コマ部材を取付けたことを特徴とするボールねじ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005349759A JP2007154974A (ja) | 2005-12-02 | 2005-12-02 | ボールねじ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005349759A JP2007154974A (ja) | 2005-12-02 | 2005-12-02 | ボールねじ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007154974A true JP2007154974A (ja) | 2007-06-21 |
Family
ID=38239609
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005349759A Pending JP2007154974A (ja) | 2005-12-02 | 2005-12-02 | ボールねじ装置 |
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Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20170090453A (ko) * | 2014-11-25 | 2017-08-07 | ?랑 (쏘씨에떼 아노님) | 볼 나사-너트 메커니즘 |
CN112739934A (zh) * | 2018-10-19 | 2021-04-30 | Thk株式会社 | 滚珠丝杠装置 |
-
2005
- 2005-12-02 JP JP2005349759A patent/JP2007154974A/ja active Pending
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KR20170090453A (ko) * | 2014-11-25 | 2017-08-07 | ?랑 (쏘씨에떼 아노님) | 볼 나사-너트 메커니즘 |
JP2017538085A (ja) * | 2014-11-25 | 2017-12-21 | ペランク (ソシエテ アノニム)Pellenc (Societe Anonyme) | ボールネジナット機構 |
KR102451518B1 (ko) | 2014-11-25 | 2022-10-06 | ?y랑 | 볼 나사-너트 메커니즘 |
CN112739934A (zh) * | 2018-10-19 | 2021-04-30 | Thk株式会社 | 滚珠丝杠装置 |
CN112739934B (zh) * | 2018-10-19 | 2023-11-17 | Thk株式会社 | 滚珠丝杠装置 |
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